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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/54 20060101AFI20231108BHJP
   B65D 5/498 20060101ALI20231108BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B65D5/54 311F
B65D5/498
B65D5/44 E
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019219612
(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2021088387
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中川 喜尊
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 治紀
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-141133(JP,U)
【文献】実開昭58-065220(JP,U)
【文献】米国特許第02791362(US,A)
【文献】実開昭58-091518(JP,U)
【文献】実開昭62-052118(JP,U)
【文献】実開昭63-126233(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0085264(US,A1)
【文献】特開2011-152931(JP,A)
【文献】実開昭62-038820(JP,U)
【文献】特開2012-025462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/54
B65D 5/498
B65D 5/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱本体と、前記箱本体の内部を仕切る仕切部材とを備え、
前記箱本体は、底壁と、前記底壁の周囲に立設される周壁とを備え、前記周壁のうちで一組の相対する第1側壁間に前記仕切部材が配置されることで第1収納部および第2収納部が区画され、
前記周壁のうちで前記相対する第1側壁と異なる一対の第2側壁の各々は、前記第1側壁の方向に延びる延長部を備え、
前記底壁は、前記第1収納部と前記第2収納部との境界となる位置に第1破断部を備え、
前記第1破断部は、直線状の切れ目が不連続に並んだ切断誘導線で構成されており、
前記相対する第1側壁の各々は、内壁と外壁とで構成され、前記内壁および前記外壁のうちの少なくとも一方の壁であって、かつ、前記第1破断部を延長した位置に、前記第1破断部よりも破断しにくく構成された第2破断部を備え、
前記第2破断部は、鍵形に屈曲した切れ目が不連続に並んだ二本の切断予定線の間に構成されており、
前記仕切部材は、互いに重ねられる第1仕切壁と第2仕切壁とを備え、
前記第1仕切壁および前記第2仕切壁の各々は、前記内壁および前記外壁の間に挿入される挿入部を備え、
前記延長部および前記挿入部が前記内壁および前記外壁の間に挿入された状態で、前記延長部が備える第1溝と前記挿入部が備える第2溝とが係合されており、
前記第2破断部の上端部は、前記一対の第1側壁の上縁部よりも突出した位置決め部が構成されており、前記第2破断部の下側は、位置決め孔が構成されている
包装箱。
【請求項2】
前記仕切部材において、前記第1仕切壁と前記第2仕切壁との境界は第3破断部であり、前記第1仕切壁と前記第2仕切壁とが前記第3破断部で折り返されて構成されており、
前記仕切部材は、前記第1破断部の上において、前記第3破断部を下側にして前記箱本体に配置される
請求項に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱本体を収納部ごとに分離可能な包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、1つの包装箱を2つの個別包装箱に分割できるようにした包装箱が記載されている。この包装箱は、箱本体の内部を仕切りパネルで2つの収納部に区画している。箱本体は、仕切りパネルが配置される位置に、相対する側壁および底壁に亘って直線状にミシン目が設けられており、分割誘導線となっている。また、仕切りパネルも2つ折りのパネルであって、折曲部にミシン目が設けられ、分割誘導線となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭63-126233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1などの包装箱において、箱本体は、2つの個別包装箱に分割する分割誘導線がミシン目で構成されているだけである。このため、箱本体が不用意に分割位置で折れ曲がってしまうおそれがある。例えば、運搬時に障害物などに当たって外力が加わると、箱本体がミシン目で2つに折れ曲がってしまうおそれがある。箱本体が2つに折れ曲がってしまうと、収納部に収納された収納物が落下してしまうおそれもある。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、箱本体の分割位置で不用意に折れ曲がりにくくすることを可能とした包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための包装箱は、箱本体と、前記箱本体の内部を仕切る仕切部材とを備え、前記箱本体は、底壁と、前記底壁の周囲に立設される周壁とを備え、前記周壁のうちで一組の相対する第1側壁間に前記仕切部材が配置されることで第1収納部および第2収納部が区画され、前記底壁は、前記第1収納部と前記第2収納部との境界となる位置に第1破断部を備え、前記相対する第1側壁の各々は、内壁と外壁とで構成され、前記内壁および前記外壁のうちの少なくとも一方の壁であって、かつ、前記第1破断部を延長した位置に、第2破断部を備え、前記仕切部材は、互いに重ねられる第1仕切壁と第2仕切壁とを備え、前記第1仕切壁および前記第2仕切壁の各々は、前記内壁および前記外壁の間に挿入される挿入部を備え、前記第2破断部は、前記第1破断部よりも破断しにくく構成されている。
【0007】
上記構成によれば、第2破断部が第1破断部に比べて、破断しにくく構成されている。したがって、運搬時に障害物などに当たって外力が加わることで、不用意に包装箱が第1破断部の位置で2つに折れ曲がってしまうことを抑えることができる。
【0008】
上記包装箱において、前記周壁のうちで前記相対する第1側壁と異なる一対の第2側壁は、前記第1側壁の方向に延びる延長部を備え、前記相対する第1側壁の位置において、前記挿入部は、前記延長部に係合される構成としてもよい。
【0009】
上記構成によれば、挿入部と延長部とが係合されることで、分離前の包装箱の状態であっても、個別包装箱に分離された状態であっても、仕切壁が倒れたり、他の壁に対して位置がずれにくくなる。
【0010】
上記包装箱において、前記内壁および前記外壁の間において、前記挿入部と前記延長部とが係合される構成としてもよい。上記構成によれば、挿入部と延長部とが係合した部分を隠すことができる。
【0011】
上記包装箱において、前記第1破断部は、直線状の切れ目が不連続に並んだ切断誘導線で構成されており、前記第2破断部は、鍵形に屈曲した切れ目が不連続に並んだ二本の切断予定線の間に構成されるようにしてもよい。上記構成によれば、第1破断部も第2破断部も容易に製造することができる。切断誘導線は、一例として、ミシン目であり、二本の切断予定線は、一例としてジッパーである。
【0012】
上記包装箱において、前記第2破断部の上端部は、前記一対の第1側壁の上縁部よりも突出した位置決め部であり、前記第2破断部の下側は、位置決め孔を備える構成としてもよい。上記構成によれば、下側の包装箱の位置決め部を上側の包装箱の位置決め孔に係合されることで、包装箱を安定した姿勢で積み上げることができる。
【0013】
上記包装箱において、前記仕切部材において、前記第1仕切壁と前記第2仕切壁との境界は第3破断部であり、前記第1仕切壁と前記第2仕切壁とが前記第3破断部で折り返されて構成されており、前記仕切部材は、前記第1破断部の上において、前記第3破断部を下側にして前記箱本体に配置される構成としてもよい。
【0014】
上記構成によれば、第3破断部が第1破断部と接するように位置する。したがって、包装箱を個別包装箱に分離する際、ほぼ同時に、第1破断部および第3破断部を破断することができ、作業効率を向上できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、箱本体が不用意に2つに折れ曲がりにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態としての包装箱を上側から見た斜視図。
図2】第1実施形態としての包装箱を製造するブランクシートの平面図。
図3】第1実施形態としての包装箱を構成する仕切部材の斜視図。
図4】第1実施形態としての包装箱を構成する箱本体において、相対する第1側壁と仕切部材とを組み上げる途中の状態を示す斜視図。
図5図4の続きであって、相対する第1側壁と仕切部材とを組み上げる途中の状態を示す斜視図。
図6】相対する第1側壁からジッパーを切除した状態を示す斜視図。
図7】第1実施形態としての包装箱を2つに分離する途中の状態を下側から見た斜視図。
図8】第1実施形態としての包装箱を2つに分離した状態を示す斜視図。
図9】第2実施形態としての包装箱を上側から見た斜視図。
図10】第2実施形態としての包装箱を製造するブランクシートの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明が適用された包装箱を図1ないし図10を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、包装箱10は、イチゴ、サクランボなどの青果を収納するトレイ1を複数収納する段ボール箱であって、ここでは、2つの収納部8,9を備え、各収納部8,9に収納物としての皿形状のトレイ1を収納する。
【0018】
このようなトレイ1を収納する包装箱10は、全体形状が矩形の箱本体11と、箱本体11の内部を、トレイ1を収納する2つの収納部8,9に区画する仕切部材41とを備えている。そして、包装箱10は、第1収納部8を備えた第1個別包装箱8xと第2収納部9を備えた第2個別包装箱9xとに分離することができる。
【0019】
箱本体11は、相対する一対の長さ面を構成する第1側壁12,13と、相対する一対の幅面を構成する第2側壁14,15と、底壁16とを備えている。第1側壁12,13および第2側壁14,15は、ともに、同じ大きさの矩形形状を有しており、また、第1側壁12,13の長手方向の寸法は、第2側壁14,15の長手方向の寸法より長くなっている。第1側壁12,13および第2側壁14,15は、底壁16の側縁から立設されることで、箱本体11の周壁を構成する。そして、周壁で囲まれた上面は、矩形形状の開口部を構成する。
【0020】
第1側壁12,13の長手方向における中間位置には、仕切部材41が配置され、仕切部材41は、箱本体11の内部に、一対の第1側壁12,13に沿って並ぶ2つの第1収納部8および第2収納部9を構成する。第1収納部8および第2収納部9の各々は、トレイ1を収納する大きさを有している。そして、箱本体11は、仕切部材41の位置で2つに分離され、第1個別包装箱8xと第2個別包装箱9xとなる。このとき、仕切部材41も2つに分離され、各個別包装箱8x,9xの第2側壁14,15と平行な側壁を構成する。
【0021】
図2は、箱本体11と仕切部材41のブランクシートである。ブランクシートは、中央に、矩形形状を有する底壁16を備えている。底壁16の相対する長い方の辺には、底壁16側から順に、第1側壁12,13を構成する外壁22a,23aと、頂壁22b,23bと、内壁22c,23cとが連接されている。内壁22c,23cは、中間位置において、スリット27を介して第1内壁22c1,23c1と第2内壁22c2,23c2とに分けられる。第1内壁22c1,23c1は、第1収納部8の内壁となり、第2内壁22c2,23c2は、第2収納部9の内壁となる。
【0022】
底壁16は、底壁16の相対する長い方の辺の中央を結ぶ位置に、ミシン目で構成された第1破断部17を備えている。ミシン目は、直線状の切れ目が不連続に並んだ切断誘導線で構成されている。底壁16において、第1破断部17を挟んだ一方の領域は、第1収納部8の第1底壁8aとなり、他方の領域は、第2収納部9の第2底壁9aとなる。すなわち、第1破断部17の位置は、第1収納部8と第2収納部9の境界位置である。
【0023】
底壁16と外壁22a,23aとの間には、第1罫線31が設けられ、外壁22a,23aと頂壁22b,23bとの間には、第2罫線32が設けられ、頂壁22b,23bと内壁22c,23cとの間には、第3罫線33が設けられている。
【0024】
第1底壁8aにおいて、第1罫線31に沿う位置で、かつ、その中央には、第1係合孔18a1,19a1を備えている。また、第2底壁9aにおいて、第1罫線31に沿う位置で、かつ、その中央には、第2係合孔18a2,19a2を備えている。第1内壁22c1,23c1の先端には、中央に、第1係合孔18a1,19a1に係合される第1突片24a1,25a1を備えている。第2内壁22c2,23c2の先端には、中央に、第2係合孔18a2,19a2に係合される第2突片24a2,25a2を備えている。
【0025】
外壁22a,23aおよび頂壁22b,23bには、第1破断部17を延長した位置であって、第1収納部8と第2収納部9との境界位置に、二本の切断予定線の間に構成されたジッパーで構成された第2破断部28を備えている。各切断予定線は、鍵形に屈曲した切れ目が不連続に並んで構成されている。第2破断部28は、破断手段であるミシン目に比べて、破断しにくい構成となっている。第2破断部28の上端部は、頂壁22b,23bの領域に位置し、頂壁22b,23bが第2罫線32で内壁22c,23cに対して折曲されたとき、頂壁22b,23bから突出する位置決め部28aである。第2破断部28の下側は、第1罫線31を分断する位置に、位置決め孔28bを備えている。包装箱10が積み上げられるとき、下側に位置する包装箱10における位置決め部28aは、上側に位置する包装箱10の位置決め孔28bに係合される。
【0026】
底壁16の相対する短い方の辺には、第2側壁14,15が連接されている。底壁16と第2側壁14,15との間には、第4罫線34が設けられている。第2側壁14,15は、内壁22c,23cの方向に延長された第1延長部26aと第2延長部27aを備えている。第2側壁14,15と延長部26a,27aとの間には、第1罫線31を延長するように、第5罫線35が設けられている。延長部26a,27aは、第1罫線31および第5罫線35の位置まで、外壁22a,23a、頂壁22b,23b、および内壁22c,23cと分離されている。第1延長部26aは、外壁22aと内壁22c1,23c1との間に挿入される部分となり、第2延長部27aは、外壁22aと内壁22c2,23c2との間に挿入される部分となる。
【0027】
延長部26a,27aには、仕切部材41と係合させる第1係合部となる第1溝26b,27bを備えている。第1溝26b,27bは、第2側壁14,15の先端辺と連続する延長部26a,27aの端辺を開口端とした凹部である。そして、延長部26a,27aにおいて、第1溝26b,27bよりも先端側は、第5罫線35側よりも1段低く構成されている。また、第1溝26b,27bよりも基端側は、頂壁22b,23bを裏側から支持する支持部となる。
【0028】
仕切部材41は、第1仕切壁42と第2仕切壁43とを備え、互いに向き合う長辺の位置に、ミシン目で構成された第3破断部44が設けられている。第3破断部44は、第1仕切壁42と第2仕切壁43とを二つ折りにして重ねる際の折り目線ともなる。第3破断部44は、第1破断部17と同じミシン目であることが好ましく、また、第2破断部28より破断し易いことが好ましい。
【0029】
第1仕切壁42および第2仕切壁43の長手方向における両側には、第6罫線36が設けられている。第1仕切壁42において、第6罫線36よりも先端側は、第1挿入部42aが構成され、第2仕切壁43において、第6罫線36よりも先端側は、第2挿入部43aが構成される。第1挿入部42aは、外壁22aと内壁22c1,23c1との間に挿入される部分であり、第2挿入部43aは、外壁22aと内壁22c2,23c2との間に挿入される部分である。第1仕切壁42および第2仕切壁43の高さは、一対の第1側壁12,13および一対の第2側壁14,15と同じ高さである。
【0030】
各第1挿入部42aには、延長部26aの第1溝26bに係合される第2係合部となる第2溝42bが設けられている。各第2挿入部43aには、延長部27aの第1溝27bに係合される第2係合部となる第2溝43bが設けられている。第2溝42b,43bは、ともに、第3破断部44の方向を開口端とした凹部である。そして、第1挿入部42aおよび第2挿入部43aにおいて、第2溝42b,43bよりも先端側は、第6罫線36側よりも1段低く構成されている。また、第2溝42b,43bよりも基端側は、頂壁22b,23bを裏側から支持する支持部となる。
【0031】
次に、包装箱10の組立方法について説明する。
先ず、仕切部材41に説明する。図3に示すように、仕切部材41は、第3破断部44を折り目線として、二つ折りにして、第1仕切壁42と第2仕切壁43とを重ねる。そして、第1仕切壁42において、第6罫線36を介して第1挿入部42aを外側に向かって折曲する。また、第2仕切壁43において、第6罫線36を介して第2挿入部43aを外側に向かって折曲する。
【0032】
次に、箱本体11の組立方法について説明する。図4に示すように、先ず、相対する第2側壁14,15が第4罫線34を介して内側に折曲されるとともに、延長部26a、27aが第5罫線35を介して内側に折曲される。これと共に、第1罫線31を介して外壁22a,23aが内側に折曲される。この際、延長部26a、27aは、外壁22a,23aの内側に位置される。また、仕切部材41は、第3破断部44が底壁16の第1破断部17上であって第1破断部17と接するように、2本の第1罫線31の間に配置される。そして、第1挿入部42aおよび第2挿入部43aは、外壁22a,23aの内側に位置される。そして、開口端が上向きの第1溝26b,27bと開口端が下向きの第2溝42b,43bとが係合される。
【0033】
次いで、図5に示すように、外壁22a,23aに対して頂壁22b,23bが第2罫線32を介して内側に折曲され、さらに、頂壁22b,23bに対して内壁22c,23cが第3罫線33を介して内側に折曲される。そして、第1突片24a1,25a1は、第1係合孔18a1,19a1に係合され、第2突片24a2,25a2は、第2係合孔18a2,19a2に係合される。これにより、延長部26a、27aおよび挿入部42a,43aは、外壁22a,23aと内壁22c,23cとに挟み込まれた状態となって隠れた状態となる。また、延長部26a、27aは、第1溝26b,27bよりも第5罫線35側の部分で頂壁22b,23bを裏側から支持する。また、挿入部42a,43aは、第2溝42b,43bよりも第6罫線36側の部分で頂壁22b,23bを裏側から支持する。
【0034】
かくして、包装箱10の組立は終了し、第1収納部8および第2収納部9の各々には、トレイ1が収納可能となる。包装箱10の状態で包装箱10を積み上げるときは、上側に位置する包装箱10の位置決め孔28bに下側に位置する包装箱10における位置決め部28aを係合させることで、安定した状態で積み上げることができる。
【0035】
次に、包装箱10を第1個別包装箱8xと第2個別包装箱9xに分離する方法について説明する。図6に示すように、相対する第1側壁12,13の第2破断部28においてジッパーを切除する。これにより、箱本体11は、各第1側壁12,13の外壁22a,23aが2つに分離され、底壁16が第1破断部17で連結されただけの状態となる。なお、仕切部材41は、第1仕切壁42と第2仕切壁43が第3破断部44で連結された状態である。
【0036】
次いで、図7に示すように、底壁16が第1破断部17で切断され、第1底壁8aと第2底壁9aとに分離される。あわせて、仕切部材41において、第1仕切壁42と第2仕切壁43も第3破断部44で分離される。これにより、図8に示すように、包装箱10は、第1個別包装箱8xと第2個別包装箱9xとに分離される。第1個別包装箱8xは、第2側壁の1つが第1仕切壁42により構成され、第2個別包装箱9xは、第2側壁の1つが第2仕切壁43により構成されることになる。
【0037】
以上のような包装箱10によれば以下に列挙する効果を得ることができる。
(1-1)第2破断部28は、ミシン目で構成された第1破断部17に比べて、破断しにくいジッパーで構成されている。したがって、運搬時に障害物などに当たって外力が加わることで、不用意に包装箱10が第1破断部17の位置で2つに折れ曲がってしまうことを抑えることができる。
【0038】
(1-2)第2側壁14,15の延長部26a,27aと仕切壁42,43の挿入部42a,43aとは、第1溝26b,27bおよび第2溝42b,43bが係合することで連結されている。したがって、包装箱10の状態であっても、第1個別包装箱8xおよび第2個別包装箱9xの状態であっても、仕切壁42,43が倒れたり、第2側壁14,15などの他の壁に対して位置がずれにくくなる。
【0039】
(1-3)延長部26a,27aと挿入部42a,43aとの連結位置を外壁22a,23aと内壁22c,23cとで挟み込むことで、当該部分を隠すことができる。
(1-4)延長部26a、27aは、第1溝26b,27bよりも第5罫線35側の部分で頂壁22b,23bを裏側から支持することができる。また、挿入部42a,43aは、第2溝42b,43bよりも第6罫線36側の部分で頂壁22b,23bを裏側から支持することができる。
【0040】
(1-5)相対する第1側壁12,13は、外壁22a,23aと内壁22c,23cとの間に、延長部26a、27aおよび挿入部42a,43aが介在され多重構造となる。したがって、相対する第1側壁12,13の強度を相対する第2側壁14,15の強度よりも高めることができる。
【0041】
(1-6)ミシン目で構成された第1破断部17もジッパーで構成された第2破断部28も、容易に製造することができる。
(1-7)第2破断部28の部分に位置決め部28aおよび位置決め孔28bを設けることで、包装箱10を安定した姿勢で積み上げることができる。
【0042】
(1-8)位置決め部28aおよび位置決め孔28bは第2破断部28のジッパーと連続的に構成することができる。
(1-9)仕切部材41の第3破断部44は、底壁16に隣接し、第1破断部17と隣接する。したがって、包装箱10を第1個別包装箱8xと第2個別包装箱9xとに分離する際、一度の作業で、すなわちほぼ同時に、第1破断部17および第3破断部44を破断することができ、包装箱10の分離作業効率を向上できる。
【0043】
(1-10)第1個別包装箱8xと第2個別包装箱9xとが分離される位置は、第1破断部17と第3破断部44の二重になっているので、不用意に外力が加わっても分断しにくくなる。
【0044】
〔第2実施形態〕
図9に示すように、第2実施形態の包装箱60は、相対する第2側壁14,15の長手方向の側縁に第1凹部61,62を備えている。また、仕切部材41を構成する第1仕切壁42および第2仕切壁43の長手方向の側縁に第2凹部63,64を備えている。第1凹部61,62および第2凹部63,64は、ここでは同じ大きさおよび形状を有するように形成されている。
【0045】
また、頂壁22b,23bおよびその両側の外壁22a,23aおよび内壁22c,23cには、位置決め突部65を備えている。位置決め突部65は、第1個別包装箱8xの相対する第1側壁12,13の頂壁22b,23bの中央部と、第2個別包装箱9xの相対する第1側壁12,13の頂壁22b,23bの中央部とに設けられている。各位置決め突部65は、三角形状をなし、頂壁22b,23bに対して上方に向かって突出する。そして、位置決め突部65は、第1係合孔18a1,19a1および第2係合孔18a2,19a2に係合される。
【0046】
図10に示すように、位置決め突部65は、第2罫線32および第3罫線33に対して直交する方向に互いに平行であって、かつ、頂壁22b,23bを跨ぐように切り込み65aを設ける。そして、第2罫線32および第3罫線33の中間であって第2罫線32および第3罫線33に平行な折線65bを切り込み65a間に設けることにより構成される。
【0047】
以上のように構成される位置決め突部65は、第1個別包装箱8xおよび第2個別包装箱9xを積み上げるときに使用されるもので、第1係合孔18a1,19a1および第2係合孔18a2,19a2に係合される。これにより、個別包装箱8x,9xも、安定した姿勢で積み上げることができる。
【0048】
さらに、第2実施形態の包装箱60では、第1延長部26aと第1挿入部42aとが係合されず、第2延長部27aと第2挿入部43aとが係合されない。すなわち、延長部26a,27aには、第1溝26b,27bが設けられておらず、挿入部42a、43aには、第2溝42b,43bが設けられていない。したがって、延長部26a,27aおよび挿入部42a、43aは、外壁22a,23aと内壁22c,23cとで挟み込むだけであり、構成が簡素化され、さらに、組立作業性の向上が図られている。
【0049】
さらに、第1延長部26aは、第7罫線37を介して支持部66を備え、第2延長部27aは、第7罫線37を介して支持部67を備えている。支持部66,67は、頂壁22b,23bの裏側に位置し、頂壁22b,23bを下側から支持する。また、支持部66,67の間には、位置決め突部65に対応して凹部68を備えている。凹部68は、組み立てられた位置決め突部65と延長部26a,27aが干渉しないようにする部分である。
【0050】
〔その他実施形態〕
なお、上記実施形態は以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第2実施形態における、第1凹部61,62および第2凹部63,64を第1実施形態に適用してもよいし、位置決め突部65を第1実施形態に適用するようにしてもよい。
【0051】
・仕切部材41は、第1仕切壁42と第2仕切壁43と二つ折りにした際に第3破断部44を上側にして、第1破断部17と高さ方向に離れるように配置するようにしてもよい。また、仕切部材41は、分離されている第1仕切壁42および第2仕切壁43で構成されていてもよい。
【0052】
・位置決め部28aおよび位置決め孔28bの構成は省略するようにしてもよい。また、位置決め部28aおよび位置決め孔28bは、第2破断部28のジッパーとは別の位置に設けるようにしてもよい。例えば、位置決め部28aおよび位置決め孔28bを省略して、位置決め突部65だけの構成としてもよい。位置決め突部65、包装箱10の状態であっても、個別包装箱8x,9xの状態であっても、積み上げるとき、上下の包装箱の位置決めをすることができるからである。
【0053】
・第2破断部28が第1破断部17より破断しにくい構成であれば、第2破断部28は、ジッパーに限定されるものではない。また、第1破断部17も、ミシン目に限定されるものではない。例えば、第2破断部28は、第1破断部17よりも破断しにくい構成のミシン目で構成してもよい。また、第1破断部17は、ミシン目に限定されるものではない。
【0054】
・第3破断部44は、第2破断部28より破断し易いことが好ましいが、これに限定されるものではない。また、ミシン目に限定されるものではない。
・ジッパーで構成された第2破断部28は、外壁22a,23aだけでなく、内壁22c,23cにも設けるようにしてもよい。
【0055】
・延長部26a、27aおよび挿入部42a,43aは、外壁22a,23aと内壁22c,23cとの間に挟まれるのではなく、内壁22c,23cの内側に位置し、露出した状態で、係合した状態としてもよい。
【0056】
・第2破断部28は、内壁22c,23cだけに設けてもよい。この場合、外壁22a,23aには、第2破断部28が外部に臨むようにし、さらに2つに分断するスリットを設けておけばよい。
【0057】
・トレイ1に収納する収納物は、青果に限定されるものではない。また、トレイ1の代わりに有底のパック又はケースであってもよい。
・包装箱の材料は、段ボールに限定されるものではなく、例えば厚紙であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
8…第1収納部
9…第2収納部
10…包装箱
11…箱本体
12,13…第1側壁
14,15…第2側壁
16…底壁
17…第1破断部
22a,23a…外壁
22b,23b…頂壁
22c,23c…内壁
28…第2破断部
31…第1罫線
32…第2罫線
33…第3罫線
34…第4罫線
35…第5罫線
41…仕切部材
42…第1仕切壁
43…第2仕切壁
44…第3破断部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10