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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】制御プログラム、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231108BHJP
   H04N 1/393 20060101ALI20231108BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20231108BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20231108BHJP
   G06F 40/103 20200101ALI20231108BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 308
G06F3/12 351
G06F3/12 378
H04N1/393
B41J21/00 Z
B41J3/36 T
G06F40/103
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019225385
(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公開番号】P2021096507
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】坂 涼司
(72)【発明者】
【氏名】長尾 聡輝
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼村 遵
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-119015(JP,A)
【文献】特開2017-162317(JP,A)
【文献】特開2016-078353(JP,A)
【文献】特開2011-194849(JP,A)
【文献】特開2017-037517(JP,A)
【文献】特開平11-277837(JP,A)
【文献】米国特許第06129467(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/393
B41J 21/00
B41J 3/36
G06F 40/103
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、操作部と、通信部とを備え、前記通信部を通じてプリンタと通信可能な情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
所定のオブジェクト領域を有するオブジェクトが複数配列可能な印刷領域であって、第1方向の長さが固定長の印刷領域を前記ディスプレイに表示させる表示処理ステップと、
前記印刷領域に、前記オブジェクトの配列方向を前記第1方向として複数の前記オブジェクトを配列させる場合、前記オブジェクト領域それぞれにおける前記第1方向の長さの和が、前記印刷領域における前記第1方向の長さに合うように、前記オブジェクト領域それぞれの前記第1方向の長さを変更する変更ステップと、
前記第1方向の長さが変更された複数の前記オブジェクトを、前記第1方向で重ならないように前記印刷領域に合わせて配列させる配列ステップと、を実行させ、
前記オブジェクトは、前記第1方向に沿って複数のテキストを配列可能なテキストオブジェクトであり、
前記変更ステップでは、前記印刷領域に前記第1方向に沿って複数配列させる前記オブジェクトの前記オブジェクト領域それぞれの前記第1方向の長さの和が、前記印刷領域における前記第1方向の長さよりも短い場合に、前記オブジェクトそれぞれに対して、前記テキストのフォントサイズを維持しつつ、前記オブジェクト領域の前記第1方向の長さを均等に拡大し、
前記オブジェクト領域内で、前記テキストを前記第1方向の両端に揃え、かつ前記テキストの間隔が均等になるように前記テキストを配置させる配置設定が設定可能であり、
前記変更ステップでは、前記印刷領域に前記第1方向に沿って複数配列させる前記オブジェクトのうち、前記配置設定が設定されている前記オブジェクトに対しては、前記オブジェクト領域の前記第1方向の長さを拡大せず、前記配置設定が設定されていない前記オブジェクトに対しては、前記オブジェクト領域の前記第1方向の長さを拡大する制御プログラム。
【請求項2】
ディスプレイと、操作部と、通信部とを備え、前記通信部を通じてプリンタと通信可能な情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
所定のオブジェクト領域を有するオブジェクトが複数配列可能な印刷領域であって、第1方向の長さが固定長の印刷領域を前記ディスプレイに表示させる表示処理ステップと、
前記印刷領域に、前記オブジェクトの配列方向を前記第1方向として複数の前記オブジェクトを配列させる場合、前記オブジェクト領域それぞれにおける前記第1方向の長さの和が、前記印刷領域における前記第1方向の長さに合うように、前記オブジェクト領域それぞれの前記第1方向の長さを変更する変更ステップと、
前記第1方向の長さが変更された複数の前記オブジェクトを、前記第1方向で重ならないように前記印刷領域に合わせて配列させる配列ステップと、を実行させ、
前記オブジェクトは、前記第1方向に沿ってテキストを配列可能なテキストオブジェクトであり、
前記印刷領域は、前記第1方向とは異なる第2方向の長さが固定長であり、
前記変更ステップは、前記印刷領域に、前記オブジェクトの前記配列方向を前記第2方向として複数の前記オブジェクトを配列させる場合、前記オブジェクトそれぞれに対して、前記テキストのフォントサイズの比が維持されるように、前記オブジェクト領域の前記第2方向の長さを変更し、
前記配列ステップは、前記第2方向の長さが変更された複数の前記オブジェクトを、前記第2方向で重ならないように前記印刷領域に合わせて配列させ、
前記変更ステップでは、前記第2方向に複数配列される前記オブジェクトの前記オブジェクト領域における前記第1方向の長さを、前記第2方向に複数配列される前記オブジェクトにおける前記第1方向の長さのうち最も長い値に揃えるように変更し、
前記オブジェクト領域内で、前記テキストを前記第1方向の両端に揃え、かつ前記テキストの間隔が均等になるように前記テキストを配置させる配置設定が設定可能であり、
前記変更ステップでは、前記第2方向に複数配列される全ての前記オブジェクトに前記配置設定が設定されている場合は、前記第1方向の長さを前記最も長い値に揃えた後、前記第2方向に複数配列されている全ての前記オブジェクトに対して前記オブジェクト領域における前記第1方向の長さを拡大しない制御プログラム。
【請求項3】
ディスプレイと、操作部と、通信部とを備え、前記通信部を通じてプリンタと通信可能な情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
所定のオブジェクト領域を有するオブジェクトが複数配列可能な印刷領域であって、第1方向の長さが固定長の印刷領域を前記ディスプレイに表示させる表示処理ステップと、
前記印刷領域に、前記オブジェクトの配列方向を前記第1方向として複数の前記オブジェクトを配列させる場合、前記オブジェクト領域それぞれにおける前記第1方向の長さの和が、前記印刷領域における前記第1方向の長さに合うように、前記オブジェクト領域それぞれの前記第1方向の長さを変更する変更ステップと、
前記第1方向の長さが変更された複数の前記オブジェクトを、前記第1方向で重ならないように前記印刷領域に合わせて配列させる配列ステップと、を実行させ、
前記オブジェクトは、前記第1方向に沿ってテキストを配列可能なテキストオブジェクトであり、
前記印刷領域は、前記第1方向とは異なる第2方向の長さが固定長であり、
前記変更ステップは、前記印刷領域に、前記オブジェクトの前記配列方向を前記第2方向として複数の前記オブジェクトを配列させる場合、前記オブジェクトそれぞれに対して、前記テキストのフォントサイズの比が維持されるように、前記オブジェクト領域の前記第2方向の長さを変更し、
前記配列ステップは、前記第2方向の長さが変更された複数の前記オブジェクトを、前記第2方向で重ならないように前記印刷領域に合わせて配列させ、
前記印刷領域に配列された前記オブジェクトを前記第1方向に沿って移動させるための操作アイコンを前記ディスプレイに表示させ、
前記操作部を通じて受付けた前記操作アイコンに対する操作に応じて、前記オブジェクトの前記配列方向を前記第1方向と前記第2方向との間で変更する制御プログラム。
【請求項4】
ディスプレイと、操作部と、通信部とを備え、前記通信部を通じてプリンタと通信可能な情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
所定のオブジェクト領域を有するオブジェクトが複数配列可能な印刷領域であって、第1方向の長さが固定長の印刷領域を前記ディスプレイに表示させる表示処理ステップと、
前記印刷領域に、前記オブジェクトの配列方向を前記第1方向として複数の前記オブジェクトを配列させる場合、前記オブジェクト領域それぞれにおける前記第1方向の長さの和が、前記印刷領域における前記第1方向の長さに合うように、前記オブジェクト領域それぞれの前記第1方向の長さを変更する変更ステップと、
前記第1方向の長さが変更された複数の前記オブジェクトを、前記第1方向で重ならないように前記印刷領域に合わせて配列させる配列ステップと、を実行させ、
前記印刷領域に配列された前記オブジェクトがテキストオブジェクトである場合に、前記操作部を介して、フォントサイズの変更を受付け可能であり、
前記変更ステップでは、
前記フォントサイズが変更された前記オブジェクトに対して、前記フォントサイズが維持されるように、前記オブジェクト領域の前記配列方向の長さを変更し、
前記フォントサイズが変更されていない前記オブジェクトに対して、前記印刷領域に複数配列された前記オブジェクトの領域における前記配列方向での長さの和が、前記印刷領域における前記配列方向での長さに合うように、前記配列方向の長さを変更する制御プログラム。
【請求項5】
前記変更ステップでは、前記印刷領域に前記第1方向に沿って複数配列させる前記オブジェクトの前記オブジェクト領域それぞれの前記第1方向の長さの和が、前記印刷領域における前記第1方向の長さよりも長い場合に、前記オブジェクトそれぞれに対して、前記オブジェクト領域の前記第1方向の長さの比が維持されるように、前記オブジェクト領域の前記第1方向の長さを縮小する前記請求項に記載の制御プログラム。
【請求項6】
前記オブジェクトは、前記第1方向に沿ってテキストを配列可能なテキストオブジェクトであり、
前記変更ステップでは、縮小後の前記オブジェクト領域の前記第1方向の長さに応じて、前記テキストのフォントサイズを縮小する請求項に記載の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷領域にオブジェクトを配列させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、オブジェクトを所定方向に複数配列させることにより印刷画像を作成することができる情報処理装置が記載されている。情報処理装置では、オブジェクトを配列させることができる印刷領域のサイズが新規オブジェクトを配列できる大きさでない場合、既に印刷領域にある既存オブジェクトのサイズを変更することにより、新規オブジェクトを印刷領域に配列させることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-119015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報処理装置が、固定長の印刷領域に合わせてオブジェクトを複数配列させる場合、例えば、オブジェクトが印刷領域からはみ出す場合や、印刷領域内で余白が占める割合が大きくなる場合があった。いずれの場合も、印刷画像の見栄えが悪くなることが懸念される。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、固定値の印刷領域にオブジェクトを複数配列して一つの印刷画像を作成する際に、印刷画像の見栄えを損なうことなくオブジェクトを複数配列させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、ディスプレイと、操作部と、通信部とを備え、通信部を通じてプリンタと通信可能な情報処理装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムに関する。コンピュータは、制御プログラムを実行することにより、所定のオブジェクト領域を有するオブジェクトが複数配列可能な印刷領域であって、第1方向の長さが固定長の印刷領域をディスプレイに表示させる表示処理ステップと、印刷領域に、オブジェクトの配列方向を第1方向として複数のオブジェクトを配列させる場合、オブジェクト領域それぞれにおける第1方向の長さの和が、印刷領域における第1方向の長さに合うように、オブジェクト領域それぞれの第1方向の長さを変更する変更ステップと、第1方向の長さが変更された複数のオブジェクトを、第1方向で重ならないように印刷領域に合わせて配列させる配列ステップと、を実行する。
【0007】
上記構成では、ディスプレイに表示された印刷領域に対してオブジェクトが第1方向に複数配列されるときに、印刷領域に合わせてオブジェクトが第1方向に複数配列できるように、複数のオブジェクト領域それぞれにおける第1方向の長さが変更される。そして、オブジェクト領域の第1方向の長さが変更されたオブジェクトが、第1方向で重ならないように印刷領域に合わせて配列される。これにより、固定長の印刷領域に対しても、印刷領域に合わせてオブジェクトを複数配列させることができるため、印刷画像の見栄えを損なわないようにすることができる。
【0008】
本発明は、コンピュータに実行されるプログラムの発明として捉える以外にも、本発明の機能を備える情報処理装置の発明として捉えることができる。
【発明の効果】
【0009】
プリンタに印刷される印刷画像の見栄えを損なわないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】印刷システムの構成図。
図2】編集画面を示す図。
図3】印刷画像を説明する図。
図4】印刷画像を仮想的に説明する図。
図5】印刷画像を仮想的に説明する図。
図6】オブジェクトを印刷領域に配列させる手順を説明するフローチャート。
図7図6のステップS17で実施される処理の手順を説明するフローチャート。
図8図6のステップS22で実施される処理の手順を説明するフローチャート。
図9】第2実施形態に係る印刷画像を説明する図。
図10】印刷画像を説明する図。
図11】印刷画像を仮想的に説明する図。
図12】オブジェクトを印刷領域に配列させる手順を説明するフローチャート。
図13】第3実施形態に係る印刷画像を説明する図。
図14】オブジェクトのフォントサイズを変更した場合の印刷画像を説明する図
図15】オブジェクトのフォントサイズを変更した場合の印刷画像を説明する図。
図16図12のステップS53で実行される処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態に係る印刷システムを、図面を参照しつつ説明する。図1に示す印刷システム100は、情報処理装置10と、プリンタ30,31とを備えている。
【0012】
情報処理装置10と、プリンタ30,31とはネットワーク200に接続されている。本実施形態では、ネットワーク200は、インターネットであってもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN)であってもよいし、LANとインターネットとの組み合わせであってもよい。また、ネットワーク200は、有線の他、無線でもよいし有線と無線の組み合わせにより構成されていてもよい。具体的には、情報処理装置10とプリンタ30,31とは、ネットワークの一部を構成する不図示のルータとの間で無線により接続されている。
【0013】
プリンタ30,31は、印刷画像を被印刷媒体であるテープに印刷する。印刷画像には、テキスト、アイコン、及びコード情報等のオブジェクトが含まれる。コード情報には、一次元コードであるバーコードや、2次元コードであるQRコード(登録商標)を含んでいる。本実施形態では、各プリンタ30,31は長尺状のテープに対してインクを吐出することにより印刷画像を印刷する。なお、プリンタは、感熱式のテープに熱を加えることによりオブジェクトを印刷する感熱式であってもよい。プリンタ30と、プリンタ31は異なるプリンタ機種である。
【0014】
情報処理装置10は、スマートフォンやタブレット端末である。情報処理装置10は、バス11と、CPU(Central Processing Unit)12と、ディスプレイ13と、タッチパネル14と、ネットワークIF15と、メモリ16と、NFCIF17を備えている。これらの構成要素は、バス11を介して互いに通信可能とされている。
【0015】
ディスプレイ13は、画面を表示する表示面を備える。タッチパネル14は、タッチセンサを有し、ディスプレイ13の表示面を覆うように配置されている。タッチパネル14は、ユーザの指、タッチペン等のタッチパネル14への接近・接触を検出し、検出に応じて電気信号を出力する。以下では、ユーザによるタッチパネル14の操作をユーザ操作とも称す。本実施形態では、タッチパネル14が操作部に相当する。情報処理装置10は、物理的に設けられた操作キーを操作部として有していてもよい。
【0016】
ネットワークIF15は、例えば、IEEEの802.11の規格、及びそれに準ずる規格に基づいて、Wi-Fi(R)(登録商標)方式の無線通信を行うことが可能なインタフェースである。NFCIF17は、NFC(Near Field Communication)規格に基づいて無線通信を行うことが可能なインタフェースである。情報処理装置10は、ネットワークIF15及びNFCIF17により、プリンタ30,31との間で無線通信を行うことが可能である。なお、ネットワークIF15は、プリンタ30,31との間でBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を行うものであってもよい。
【0017】
メモリ16は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリーが組み合わされて構成されている。また、メモリ16は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。
【0018】
メモリ16には、不図示のクライアント側OS(Operating System)の他、制御アプリケーション20が記憶されている。CPU12は、クライアント側OSの実行下において、制御アプリケーション(以下、制御AP20と称す。)を実行することにより、プリンタ30が実行するプリント処理を制御することができる。メモリ16のデータ記憶領域には、CPU12が制御AP20を実行する際に参照する各種データが記憶されている。本実施形態では、制御AP20が、制御プログラムの一例である。なお、制御AP20を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「制御AP20が」という記載は、「制御AP20を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
【0019】
なお、本実施形態では、主に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPU12による処理は、クライアント側OSを介したハードウェア制御も含む。なお「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU12がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
【0020】
次に、制御AP20によりディスプレイ13に表示される画面を、図2を用いて説明する。制御AP20は、不図示のトップ画面において、プリント処理に係る機能を選択することにより、印刷画像を作成するための画面を表示する。図2は、印刷画像を作成するための画面の一例である編集画面40を示している。編集画面40は、画像表示領域41と、オブジェクト表示領域42と、キーボード画像43と、完了ボタン44と、を含んでいる。
【0021】
画像表示領域41には、プリンタ30,31によるプリント処理の対象となる印刷画像50が表示される領域である。具体的には、制御AP20は、背景画像45に設けられた印刷領域46上に印刷画像50を表示する。背景画像45は、プリンタ30,31により印刷画像が印刷されるシートを表す画像であり、シートサイズに応じてその領域の大きさが定められた画像である。印刷領域46は、背景画像45のうち、プリンタ30,31により画像を印刷可能な領域として定められた領域であり、図2において破線で表されている。背景画像45及び印刷領域46は、印刷設定により定められたシートサイズに応じて固定長となっている。なお、背景画像45のうち、印刷領域46よりも外側の領域は余白領域として定められており、背景画像45のうち余白領域にかかる部位は、プリンタ30,31により印刷されない。
【0022】
オブジェクト表示領域42には、印刷画像50を構成するオブジェクトが表示される領域である。キーボード画像43は、ユーザによるタッチ操作を受付ける複数のキー画像により構成されている。制御AP20は、タッチパネル14を通じてキーボード画像43の各キー画像が受付けたユーザ操作に応じて、オブジェクト表示領域42へのオブジェクトの表示や、表示されたオブジェクトの編集を可能にする。完了ボタン44は、オブジェクト表示領域42に表示されたオブジェクトを、画像表示領域41上の印刷領域46に表示するための操作指示を受付けるボタンである。
【0023】
ユーザによりキーボード画像43が操作され、オブジェクトの入力が行われると、制御AP20は、オブジェクト表示領域42に入力されたオブジェクトを表示させる。制御AP20は、ユーザによる操作に応じて、オブジェクト表示領域42に表示されたオブジェクトの設定を変更することができる。例えば、オブジェクトがテキストオブジェクトである場合、制御AP20は、フォントサイズ、フォント種別、及びフォント色を変更することができる。次に、ユーザにより完了ボタン44が操作されると、制御AP20は、オブジェクト表示領域42に表示されたオブジェクトを、画像表示領域41の印刷領域46に配置する。図2の例では、印刷領域46に上ですでに表示されているオブジェクト53を選択した状態で、完了ボタン44が操作されると、オブジェクト表示領域42に表示された「5pt Text」というテキストオブジェクトを既に表示されているテキストオブジェクト53「24pt Text」に代えて表示する。
【0024】
制御AP20は、印刷領域46上で、複数のオブジェクトを複数配列させることができる。画像表示領域41には、オブジェクト表示領域42に表示されているオブジェクトの印刷領域46への追加表示を受付ける追加アイコン60を含んでいる。制御AP20は、ユーザにより追加アイコン60が操作されると、印刷領域46上で既に表示されているオブジェクト53の隣にオブジェクト表示領域42に表示された新たなオブジェクトを挿入するための画面をキーボード画像43に代えて表示する。具体的には、オブジェクトの種類を選択するための不図示の選択画面をキーボード画像43に代えて表示する。ユーザは、テキスト、画像、シンボル、バーコードなどの種類の中から所望のオブジェクトの種類を選択すると、制御AP20は、選択画面に代えて、選択された種類のオブジェクトを入力するための画像を表示する。例えば、ユーザが選択したオブジェクトの種類がテキストオブジェクトであれば、キーボード画像43が再表示される。ユーザはキーボード画像43を操作して、オブジェクトを入力し、完了ボタン44を操作して、新たなオブジェクトを印刷領域46に配置する。このようにして、ユーザは、印刷領域46に複数のオブジェクトを配置させることができる。なお、画像表示領域41には、印刷領域46に配列されている各オブジェクトの並びの変更を受付ける移動アイコン61,62を含んでいる。削除アイコン63は、印刷領域46に既に配置されたオブジェクト53を削除するための指示を受付けるボタンである。
【0025】
制御AP20は、不図示の印刷実行ボタンがユーザにより操作された場合に、プリンタ30,31に、画像表示領域41に表示された印刷画像を印刷させる印刷指示を送信する。具体的には、制御AP20は、印刷画像50に対応する印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブをプリンタ30,31に送信する。また、制御AP20は、不図示の設定画面において、ユーザ操作に応じてプリント処理の設定を変更する設定処理を行うことができる。制御AP20は、設定処理により、シートサイズの変更や、印刷ジョブを送信するプリンタを変更することができる。
【0026】
次に、図3を用いて、画像表示領域41に表示される印刷画像の詳細を説明する。以下では、画像表示領域41内の水平方向に沿って、印刷領域46の辺が延びる方向を横方向として、編集画面40内の垂直方向に沿って、印刷領域46の辺が延びる方向を縦方向と称す。また、横方向の寸法を幅寸法とし、縦方向の寸法を高さ寸法とする。なお、オブジェクト53と記載した場合は、各オブジェクトの総称を対象としており、個別のオブジェクトを対象とする場合は、符号の末尾に「a,b,c」のアルファベットを付す。本実施形態では、横方向が第1方向の一例であり、縦方向が第2方向の一例である。
【0027】
図3では、3つのオブジェクト53a,53b,53cが印刷領域46上で横方向に沿って配列することにより、印刷画像50が形成されている。オブジェクト53は、オブジェクト領域54と、要素55とを含んでいる。オブジェクト領域54は、横方向と、縦方向とにそれぞれ延びた矩形形状の領域である。要素55は、オブジェクトの種別であるオブジェクト種別を定めるものであり、本実施形態では、テキスト、シンボル、コード情報等である。具体的には、オブジェクト53aは、要素55aがシンボルであるシンボルオブジェクトである。オブジェクト53b,53cは、それぞれ要素55b,55cがテキストであり、複数のテキストが横方向に配列した横書きのテキストオブジェクトである。
【0028】
制御AP20は、ユーザによる完了ボタン44の操作に伴い、印刷領域46に配置するオブジェクト53の初期サイズ(横幅寸法W、高さ寸法H、要素サイズ)を、設定する。具体的には、制御AP20は、まずオブジェクトの高さ寸法Hを印刷領域の高さ寸法PHに合わせて設定する。制御AP20は、次に、要素55のサイズを、高さ寸法H内に挿入可能な最大の要素55のサイズ以下の値であって、ユーザにより設定された要素55のサイズに設定する。テキストオブジェクトの場合は、フォントサイズが要素55のサイズに相当する。制御AP20は、次に、横幅寸法Wを、要素55のサイズ等に応じて設定される。テキストオブジェクトの場合は、オブジェクト表示領域42に表示されたテキストの数や、フォントサイズに応じて横幅寸法Wが設定される。なお、説明の便宜上、オブジェクト53a~53cの間に余白を設けているが、余白が設けられていなくともよい。
【0029】
制御AP20が、印刷領域46上で、初期サイズにて複数のオブジェクト53を横方向に沿って配列させる場合、例えば、オブジェクト53が印刷領域46からはみ出す場合や、印刷領域46内で余白が占める割合が大きくなる場合がある。仮に、3つのオブジェクト53a~53cを初期サイズで印刷領域46に配列した場合、図4に示すように、3つのオブジェクト53a~53cのそれぞれの初期サイズの横幅寸法Wの和である総横幅寸法SW(=Wa+Wb+Wc)が印刷領域46の横幅寸法PWよりも長く、オブジェクト53cが印刷領域46からはみ出す場合がある。また、仮に、3つのオブジェクト53a~53cを初期サイズで印刷領域46に配列した場合、図5に示すように、初期サイズの総横幅寸法SWが印刷領域46の横幅寸法PWよりも短く、オブジェクト53cの右端から印刷領域46の横方向での端までの間に大きな余白が生じる場合がある。図4図5で示すいずれの印刷画像においても見栄えが悪くなることが懸念される。
【0030】
本実施形態では、制御AP20は、複数のオブジェクト53を印刷領域46上で横方向に沿って配列させる場合に、印刷領域46の横幅寸法PWに合わせて各オブジェクト53の横幅寸法Wを自動で変更する。
【0031】
次に、図4図5で示した3つのオブジェクト53a~53cを印刷領域46に配列させる例を用いて、オブジェクト53の配列の手順を説明する。図6に示す処理は、ディスプレイ13に表示された不図示のトップ画面上で、プリンタの機能としてプリント処理が選択された場合に実行される処理である。以下において、各ステップを実施する主体である制御AP20(CPU12)の記載を省略している。
【0032】
ステップS10では、ディスプレイ13に編集画面40を表示させる。ステップS11では、編集画面40が表示された状態で、完了ボタン44又は削除アイコン63が操作されたか否かを判断する。完了ボタン44又は削除アイコン63が操作されていない場合、ステップS25に進む。完了ボタン44又は削除アイコン63が操作された場合、ステップS12に進む。
【0033】
ステップS12では、オブジェクト表示領域42に表示されているオブジェクト53のオブジェクトの初期サイズをメモリ16に記憶する。具体的には、オブジェクトの幅寸法H及び高さ寸法Wと、テキストオブジェクトの場合はテキストのフォントサイズをメモリ16に記憶する。
【0034】
ステップS13では、印刷設定として、「自動長」が選択されているか否かを判断する。自動長は、オブジェクト53の総横幅寸法SWに合わせて、印刷領域46の横幅寸法PWを変更する設定である。自動長の設定の有無は、印刷設定により変更することができる。
【0035】
自動長を選択していると判断すると、ステップS14に進み、印刷領域46の横幅寸法PWを、オブジェクト53の初期サイズの総横幅寸法SWに合わせて変更する。図3図5の例示では、1つ目のオブジェクト53aのみを印刷領域46に配置する場合は、初期サイズのオブジェクト53aは印刷領域46からはみ出さないため、印刷領域46の横幅寸法PWを変更しないこととしてもよい。その後、ステップS24に進み、変更後の印刷領域46の横幅寸法PWに合わせて、オブジェクト53を配置する。次に、ステップS25に進み、画像表示領域41に表示された印刷画像50に対するプリント処理の実行指示があるか否かを判断する。プリント処理の実行指示がない場合、ステップS11に戻る。ステップS11を肯定判定して、ステップS12を経由した後のステップS13を肯定判定することで進むステップS14では、印刷領域46に既に配列されているオブジェクト53aと新たに配列するオブジェクト53bの初期サイズの総横幅寸法SWに合わせて、印刷領域46の横幅寸法PWを拡大(変更)し、オブジェクト53aとオブジェクト53bとを長さ方向に重ならないように配列していく。
【0036】
以下では、印刷領域46の横幅寸法PWが固定である場合で、既に2つのオブジェクト53a,53bが横方向に配列されている状態で、新たなオブジェクト53cに対して完了ボタン44が操作されたものとして、ステップS11に進む。
【0037】
ステップS11を肯定判定した後、ステップS12を経由した後のステップS13において、印刷設定として自動長が選択されていない場合、ステップS15に進む。ステップS15では、印刷領域46の横幅寸法PWが各オブジェクト53の初期サイズの総横幅寸法SWよりも短いか否かを判断する。
【0038】
ステップS15において、印刷領域46の横幅寸法PWが各オブジェクト53の総横幅寸法SWよりも短いと判断した場合、即ち、オブジェクト53が印刷領域46からはみ出る場合、ステップS16に進む。ステップS16では、オブジェクト53の第1はみ出し長さLWeを算出する。図4で仮想的に示すように、第1はみ出し長さLWeは、印刷領域46からはみ出すオブジェクト53の部位における横方向の長さを示し、本実施形態では、各オブジェクト53の総横幅寸法SWから印刷領域46の横幅寸法PWを引いた値である。これ以外にも、各オブジェクト53間での余白を考慮して第1はみ出し長さLWeを算出してもよい。
【0039】
ステップS17では、ステップS16で算出した第1はみ出し長さLWeを用いて、各オブジェクト53の横幅寸法の縮小量ΔWdを算出する。図7は、ステップS17で実行される詳細な処理の手順を説明するフローチャートである。
【0040】
ステップS31では、印刷領域46に配列されているオブジェクト53のうち、横幅寸法Wを変更可能な対象オブジェクトを判定する。本実施形態では、オブジェクト53のうちテキストオブジェクト53b、53cを、横幅寸法Wの変更可能な対象オブジェクトとしている。言い換えると、要素55がシンボル、画像や、コード情報であるオブジェクト53を対象オブジェクトとしない。
【0041】
ステップS32において、第1はみ出し長さLWe、及び対象オブジェクト53b、53cの横幅寸法Wの比に応じて、対象オブジェクトの縮小量ΔWdを算出する。具体的には、対象オブジェクト53b、53cにおける横幅寸法Wb、Wcの比が縮小前と縮小後とで同じ比になり、かつ対象オブジェクト53b、53cの縮小量ΔWdb、ΔWdcの和が第1はみ出し長さLWeになるように、各対象オブジェクト53b、53cの縮小量ΔWdb、ΔWdcを算出する。本実施形態では、下記式(1)を用いて、横幅寸法Wの縮小量ΔWdを算出する。
ΔWd(n)=LWe×Wn/ΣWt …(1)
ここで、nは、オブジェクト53を識別するための識別子であり、本実施形態では、「b,c」である。「ΣWt」は、対象オブジェクトの初期サイズの総横幅寸法である。例えば、図4の例では、オブジェクト53b,53cの横幅寸法の和である。
【0042】
ステップS33では、ステップS32で算出した縮小量ΔWdを各対象オブジェクトに対応づけて保存する。なお、対象オブジェクト以外のオブジェクト53aに対しては縮小量ΔWdを「0」とすればよい。ステップS33の処理を終了すると、図6のステップS18に進む。
【0043】
図6のステップS18では、ステップS17で算出した各オブジェクト53の横幅寸法Wの縮小量ΔWdを用いて、各オブジェクト53の横幅寸法Wを縮小する。具体的には、対象オブジェクトの初期サイズの横幅寸法WからステップS17で算出された縮小量ΔWdを引いた値(=W-ΔWd)を、縮小後の横幅寸法Wとする。
【0044】
ステップS19では、縮小後の横幅寸法Wに応じて各オブジェクト53のフォントサイズの縮小が必要であるか否かを判断する。例えば、縮小後のオブジェクト領域54の横幅寸法Wが、現在のフォントサイズに応じて定められているフォント幅よりも短い場合、フォントサイズを縮小する必要があると判断する。これは、縮小後のオブジェクト領域54に対してフォントサイズが大きすぎることに起因して、テキストの一部が表示されない、いわゆる見切れを防止するためである。
【0045】
ステップS19において、フォントサイズの縮小が必要であると判断した場合、ステップS20に進み、縮小後の横幅寸法Wに合わせてフォントサイズを縮小側に変更する。また、縮小したフォントサイズを初期サイズとは別にメモリ16に記憶する。ステップS19において、フォントサイズの縮小が不要であると判断した場合、及びステップS20の処理を終了すると、ステップS24に進む。
【0046】
一方、ステップS15に戻り、印刷領域46の横幅寸法PWが各オブジェクト53の総横幅寸法SW以上である場合、即ち、オブジェクト53が印刷領域46からはみ出ない場合、ステップS21に進む。
【0047】
ステップS21では、不足長さLWsを算出する。図5に仮想的に示すように、不足長さLWsは、印刷領域46に最後に表示されたオブジェクト53cの右端から、横方向における印刷領域46の端までの長さを示し、本実施形態では、印刷領域46の横幅寸法PWから各オブジェクト53の総横幅寸法SWを引いた値(=PW-SW)として算出される。なお、印刷領域46の横幅寸法PWとオブジェクト53の総横幅寸法SWとが等しい場合、不足長さLWsは0となる。
【0048】
ステップS22では、ステップS21で算出した不足長さLWsを用いて各対象オブジェクト53における拡大量ΔWiを算出する。図8は、ステップS22で実行される処理の詳細な手順を説明するフローチャートである。ステップS41では、横方向に配列される対象オブジェクト53の総数である対象数Nを集計する。図5の例では、印刷領域46に配列される3つのオブジェクト53のうち、対象オブジェクトは53b、53cであるため、対象数Nが「2」となる。
【0049】
ステップS42では、横幅寸法Wの拡大量ΔWiを算出する。本実施形態では、不足長さLWsに応じて、各対象オブジェクト53b、53cの横幅寸法Wb、Wcを均等に拡大する。そのため、不足長さLWsを対象数Nで割った値(=LWs÷N)を横幅寸法Wの拡大量ΔWiとして算出する。
【0050】
ステップS43では、ステップS42で算出した拡大量ΔWiを各オブジェクト53に対応づけてメモリ16に保存する。そして、図6のステップS23に進む。
【0051】
図6のステップS23では、ステップS22で算出した横幅寸法の拡大量ΔWiを用いて、各オブジェクト53の横幅寸法Wを拡大する。具体的には、オブジェクト53がテキストオブジェクトである場合、要素55であるテキストのフォントサイズを維持した状態で、横幅寸法Wに拡大量ΔWiを足した値(=W+ΔWi)を拡大後の横幅寸法Wとする。これにより、印刷領域46内においてテキスト間の横方向での余白のみが拡大するため、テキストオブジェクトの見た目を極力損なわないようにすることができる。
【0052】
ステップS23の処理が終了すると、ステップS26に進む。ステップS26では、拡大後の横幅寸法Wに応じて各オブジェクト53のフォントサイズの拡大が必要であるか否かを判断する。例えば、印刷領域46に既に配置されているオブジェクト53のフォントサイズが、ステップS20の処理により縮小している場合がある。この場合、S23でオブジェクト53の横幅寸法Wを拡大したことに応じて、フォントサイズを初期サイズまで拡大できる可能性がある。よって、テキストのフォントサイズが初期サイズよりも小さい場合、フォントサイズを拡大する必要があると判断する。
【0053】
ステップS26において、フォントサイズの拡大が必要であると判断した場合、ステップS27に進み、拡大後の横幅寸法Wに合わせてフォントサイズを拡大側に変更する。また、拡大したフォントサイズを初期サイズとは別にメモリ16に記憶する。ステップS27の後、又は、ステップS26において、フォントサイズの拡大が必要ないと判断した場合、ステップS24に進む。
【0054】
ステップS24では、横幅寸法Wを拡大側又は縮小側に変更した各オブジェクト53を、印刷領域46の横幅寸法PWに合わせて再配列させる。具体的には、各オブジェクト53のオブジェクト領域54が重ならないように、印刷領域46の横幅寸法に合わせて各オブジェクト53を横方向に沿って配列させる。このとき、各オブジェクト53の配列順序は、横幅寸法Wの変更前に印刷領域46上で既に表示されているオブジェクト53の右隣にオブジェクト表示領域42に表示された新たなオブジェクトを配置する。
【0055】
なお、ステップS10が、CPU12により実行される表示処理ステップ及び表示処理部の一例である。ステップS16~S18、及びステップS21~S23が、CPU12により実行される変更ステップ及び変更部の一例である。ステップS24が、CPU12により実行される配列ステップ及び配列部の一例である。
【0056】
以上説明した本実施形態では、以下の効果を奏することができる。情報処理装置10のCPU12は、横幅寸法PWが固定長の印刷領域46をディスプレイ13に表示させる。CPU12は、印刷領域46上で、オブジェクト53を横方向に沿って配列させる場合、各オブジェクト53の総横幅寸法SWが、印刷領域46の横幅寸法PWに合うように、各オブジェクト領域54それぞれの横幅寸法Wを変更する。横幅寸法Wが変更された複数のオブジェクト53を、横方向で重ならないように印刷領域46に合わせて配列させる。これにより、横幅寸法PWが固定された印刷領域46に合わせてオブジェクト53を複数配列させることができるため、印刷画像50の見栄えを損なわないようにすることができる。
【0057】
・CPU12は、各オブジェクト53の総横幅寸法SWが、印刷領域46の横幅寸法PWよりも短い場合に、各オブジェクト53それぞれに対して、テキストのフォントサイズを維持しつつ、オブジェクト領域54の横幅寸法Wを均等に拡大する。これにより、印刷領域46内でオブジェクト53間の横方向での余白のみが拡大するため、テキストの見た目を極力損なわないようにすることができる。
【0058】
・CPU12は、各オブジェクト53の総横幅寸法SWが、印刷領域46の横幅寸法PWよりも長い場合に、各オブジェクト53それぞれに対して、オブジェクト領域54の横幅寸法Wの比が維持されるように、オブジェクト領域54の横幅寸法Wを縮小する。これにより、印刷領域46上での各オブジェクト53の横方向での比率を維持した状態で、各オブジェクト53を印刷領域46に合わせて横方向に沿って配列させることができる。
【0059】
・CPU12は、横幅寸法Wの縮小量ΔWdに応じて、テキストのフォントサイズを縮小する。これにより、オブジェクト領域54に対してテキストサイズが大きいことに起因して、テキストの一部が表示されないいわゆる見切れが生じるのを防止することができる。
【0060】
・CPU12は、横幅寸法Wの拡大量ΔWiに応じて、テキストのフォントサイズを初期サイズまで拡大する。これにより、フォントサイズが縮小されたテキストオブジェクトをもとのサイズに戻すことができる。
【0061】
(第1実施形態の変形例)
テキストに対して横方向での両端揃えが設定されているオブジェクト53を、横幅寸法Wの拡大対象から除外してもよい。ここで、「横方向での両端揃え」は、オブジェクト領域54内で、要素55であるテキストを横方向の両端に揃え、かつテキストの間隔が均等になるようにテキストを配置させる配置設定である。
【0062】
これは、オブジェクト53が、オブジェクト領域54内において横方向の左右の両端にテキストを揃え、かつ各テキストの間隔が均等となる配置設定となっている場合、フォントサイズを維持した状態でオブジェクト領域54のみを拡大してしまうと、オブジェクト53に対する両端揃えの配置設定が維持されなくなることが懸念されるためである。
【0063】
この場合において、図8のステップS41において、両端揃えの配置設定がされているオブジェクトを除く各オブジェクト53の数を対象数Nに設定し、ステップS42において拡大量ΔWiを算出する。そして、図6のステップS23において、横方向での両端揃えの配置設定がされていないオブジェクト53に対して、ステップS42で算出した拡大量ΔWiを用いた横幅寸法Wの拡大を行う。なお、両端揃えの配置設定がされているテキストオブジェクトであっても、テキストのフォントサイズが初期サイズよりも小さい場合は、拡大処理を適用してもよい。
【0064】
以上説明した本実施形態では、ユーザにより横方向での両端揃えの配置設定が設定されているオブジェクト53に対しては、ユーザの意図が反映されるようにオブジェクト53を印刷領域46上で横方向に沿って配列させることができる。
【0065】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成を主に説明する。第1実施形態と第2実施形態とで同一の符号を付したものは同一のものを意味し、その説明は繰り返さない。
【0066】
本実施形態では、制御AP20は、オブジェクト53を、印刷領域46上で横方向に加えて縦方向に沿って配列させることができる。具体的には、まず、第1実施形態と同様、印刷領域46にオブジェクト53が横方向に配列された状態で、ユーザにより追加アイコン60が操作された場合、印刷領域46上で、新たなオブジェクト53が横方向に沿って配列されていく。図9では、一例として、3つのオブジェクト53a,53b,53cが印刷領域46上で横方向に配列されている。
【0067】
ユーザ操作により、印刷領域46に配置されたオブジェクト53のうち、配列方向を横方向から縦方向に変更するオブジェクトが選択され、移動アイコン61が操作されると、選択されたオブジェクト53の配列が縦方向への配列に変更される。図9図10で示す例では、配列方向を変更するオブジェクト53としてオブジェクト53bが選択された状態で、移動アイコン61が操作されることにより、オブジェクト53bは、印刷領域46上でオブジェクト53aの下側に配列される。なお、この状態で、移動アイコン62が操作されることにより、オブジェクト53bの配列方向を、縦方向から横方向に戻すこともできる。
【0068】
オブジェクト53の配列方向が横方向の場合、オブジェクト53の高さ寸法Hは印刷領域の高さ寸法PHと同じであるため、オブジェクト53の配列方向が横方向から縦方向に変更された際に、オブジェクト53が印刷領域46からはみ出す。図11で仮想的に示すように、縦方向に配列されたオブジェクト53a,53bの高さ寸法Hの総和である総高さ寸法SHが、印刷領域46の高さ寸法PHよりも長く、オブジェクト53bが、縦方向において、印刷領域46から下側にはみだしている。そこで、制御AP20は、複数のオブジェクト53を印刷領域46内で縦方向に沿って配列させる場合に、印刷領域46の高さ寸法PHに合わせて、各オブジェクト53の高さ寸法Hを縮小する。
【0069】
次に、本実施形態に係るオブジェクト53を印刷領域46に配列させる手順を説明する。図12に示す処理は、印刷領域46上で複数のオブジェクト53が横方向に配列された状態で、配列方向の変更対象となるオブジェクト53が選択され、かつ移動アイコン61が操作された場合に実行される処理である。そのため、以下において、各ステップを実施する主体である制御AP20(CPU12)の記載を省略している。
【0070】
ステップS51では、高さ寸法Hでのはみ出し長さである第2はみ出し長さLHeを算出する。図11に示すように、第2はみ出し長さLHeは、印刷領域46上で縦方向に配列される各オブジェクト53(図11では、オブジェクト53a,53b)における印刷領域46から縦方向にはみ出す部分の長さを示している。本実施形態では、第2はみ出し長さLHeは、縦方向に配列される各オブジェクト53の総高さ寸法SHから印刷領域46の高さ寸法PHを引いた値(=SH-PH)として算出される。
【0071】
ステップS52では、印刷領域46上で縦方向に配列されるオブジェクト53のうち、高さ寸法を縮小する対象オブジェクトを判定する。本実施形態においても、オブジェクト53のうち、テキストオブジェクトを、高さ寸法Hを変更する対象オブジェクトとする。ステップS52において、テキストオブジェクトのうち、テキストが縦方向に配置されており、縦方向での両端揃えが設定されているものを、対象オブジェクトから除外してもよい。
【0072】
ステップS53では、対象オブジェクトの高さ寸法の縮小量ΔHdを算出する。具体的には、第2はみ出し長さLHe、及び縦方向に配列される各オブジェクトのフォントサイズの比に応じて高さ寸法の縮小量ΔHdを算出する。具体的には、下記式(2)を用いて、高さ寸法の縮小量ΔHdを算出する。
ΔHd(n)=LHe×FSn/(ΣFSn) …(1)
ここで、FSは、対象オブジェクトにおけるテキストのフォントサイズに応じて定められたフォント高さを示す。ΣFSnは、印刷画像50を形成する対象オブジェクトのフォント高さの総和を示す。
【0073】
ステップS54では、ステップS53で算出した高さ寸法の縮小量ΔHdを用いて、対象オブジェクトの高さ寸法Hを縮小する。具体的には、対象オブジェクトの高さ寸法Hから、ステップS54で算出した高さ寸法の縮小量ΔHdを引いた値(=H-ΔHd)を、縮小後の高さ寸法Hとする。
【0074】
ステップS55では、縦に配列される各オブジェクト53の横幅寸法Wを横幅寸法Wが長い方のオブジェクトに合わせて変更する。図9,10の例では、オブジェクト53bの横幅寸法Wをオブジェクト53aの横幅寸法Wに合わせて拡大する。
【0075】
ステップS58では、縮小後の各オブジェクト53の寸法に応じてフォントサイズの変更が必要であるか否かを判断する。具体的には、オブジェクト53がテキストオブジェクトであり、変更後の高さ寸法Hがフォントサイズに応じて定められたフォント高さよりも短い場合、又は変更後の横幅寸法Wがフォント幅よりも短い場合、フォントサイズの縮小が必要であると判断する。
【0076】
ステップS58を肯定判定すると、ステップS59に進み、オブジェクト53に対してフォントサイズを変更する。ステップS58を否定判定した場合、又はステップS59の処理を終了すると、図6のステップS13に進み、ステップS13~ステップS27の各処理を実行する。その結果、各オブジェクト53を、印刷領域46の横幅寸法W及び高さ寸法Hに合わせて再配列させる。
【0077】
すなわち、本実施形態では、図12で示す処理が終了した後は、図6で示したように、オブジェクト53を横方向に再配列させる処理が実行される。例えば、図9、10に示すように、オブジェクト53a、53bが縦方向に沿って配列された後、オブジェクト53a及び53bと、オブジェクト53cとについて、横方向に再配列する処理が実行される。また、例えば、オブジェクト53が縦方向に沿って配列された状態で、印刷領域46上で新たなオブジェクト53が横方向に沿って配列された場合、印刷領域46の横幅寸法PWに合わせて、各オブジェクト53の横幅寸法Wが変更される。これら場合において、印刷領域46上で縦方向に沿って配列されている各オブジェクト53の横幅寸法Wは、同じ寸法に変更される。具体的には、図6のステップS18,S23の処理において、縦方向に沿って配列された各オブジェクト53の横幅寸法Wは、ステップS17,S22で算出された縮小量ΔWd又は拡大量ΔWiにより、一括で同じ値に変更される。
【0078】
以上説明した本実施形態では、以下の効果を奏することができる。CPU12は、テキストオブジェクトを印刷領域46に縦方向に沿って配列させる場合、オブジェクト53それぞれに対して、テキストのフォントサイズの比が維持されるように、オブジェクト領域54の高さ寸法Hを縮小する。CPU12は、高さ寸法Hを変更した各オブジェクト53を、縦方向で重ならないように印刷領域46の高さ寸法PWに合わせて配列させる。これにより、オブジェクト53の高さ寸法Hが縮小されることに起因して、印刷画像上でテキストの見切れが生じるのを防止することができる。
【0079】
・CPU12は、印刷領域46上で縦方向に沿って配列された各オブジェクト53の横幅寸法Wを、縦方向に沿って配列される各オブジェクト53の横幅寸法Wのうち最も長い値に揃えるように変更する。これにより、縦方向に沿って配列されるオブジェクト53の横幅寸法Wを揃えることができるため、各オブジェクト53の横幅寸法Wが異なることに起因する印刷画像50の見栄えの低下を防止することができる。
【0080】
・CPU12は、印刷領域46に配列されたオブジェクト53を横方向又は縦方向に沿って移動させるための移動アイコン61,62をディスプレイ13に表示させる。CPU12は、タッチパネル14を通じて受付けた移動アイコン61,62に対する操作に応じて、オブジェクト53の配列方向を横方向と、縦方向との間で変更する。これにより、ユーザは移動アイコン61,62を操作することにより、印刷領域46に表示されたオブジェクト53の配列方向を縦方向と横方向との間で変更することができるため、オブジェクト53に対するユーザの操作性を高めることができる。
【0081】
(第2実施形態の変形例)
印刷領域46上で縦方向に沿って配列される全てのオブジェクト53に対して横方向での両端揃えの配置設定がされている場合に、縦方向に沿って配列される全てのオブジェクト53に対しては、横幅寸法Wを拡大しないようにしてもよい。具体的には、図12の処理の後に実行される図6のステップS22、図8のステップS41において、両端揃えの配置設定がされている縦方向に配列されるオブジェクト53を除く各オブジェクト53の数を対象数Nに設定し、ステップS42において拡大量ΔWiを算出する。そして、図6のステップS23において、横方向での両端揃えの配置設定がされていないオブジェクト53に対して、ステップS42で算出した拡大量ΔWiを用いた横幅寸法Wの拡大を行う。その結果、横方向に沿って配列する各オブジェクト53の総横幅寸法SWが、印刷領域46の横幅寸法PWに合うように、縦方向に沿って配列するオブジェクト53以外のオブジェクトの横幅寸法Wが拡大又は縮小される。
【0082】
以上説明した本実施形態では、縦方向に配列される全てのオブジェクト53に横方向での両端揃えの配置設定が設定されている場合は、オブジェクト53に対して横幅寸法Wが変更されることなく配置設定が維持される。これにより、両端揃えの配置設定を維持した状態で、印刷画像50の見栄えの低下を極力抑制することができる。
【0083】
(第3実施形態)
第3実施形態では、第2実施形態と異なる構成を主に説明する。第2実施形態と第3実施形態とで同一の符号を付したものは同一のものを意味し、その説明は繰り返さない。
【0084】
本実施形態では、制御AP20は、印刷領域46に配列されているオブジェクト53のうち、フォントサイズが変更されたテキストオブジェクトに対しては、フォントサイズを維持するように寸法を変更する。そして、フォントサイズが変更されなかったオブジェクトに対しては、各オブジェクト53の配列方向に沿った寸法が、印刷領域46の寸法に合うように寸法が変更される。これは、ユーザ操作によりフォントサイズが変更されたテキストオブジェクトは、フォントサイズを維持したいと望むことが想定されるためである。
【0085】
図13では、印刷領域46には、2つのオブジェクト53a,53bが横方向に配列されている。まず、ユーザがオブジェクト53aのフォントサイズを12ポイントから24ポイントに大きくする操作を行った場合、図14に示すように、フォントサイズが変更されたオブジェクト53aに対しては、24ポイントのフォントサイズに合わせるように横幅寸法Waが変更される。なお、図14では、便宜上、12ポイントから24ポイントに変更されたオブジェクト53aの要素55を「24pt Text」と記載している。また、オブジェクト53bに対しては、各オブジェクト53a,53bの横幅寸法Wの総横幅寸法SWが、印刷領域46の横幅寸法PWに合うように、横幅寸法Wが変更される。
【0086】
また、ユーザが、図13のオブジェクト53bの選択と、移動アイコン61の操作とを行うことで、オブジェクト53bは、印刷領域46上で、オブジェクト53aの下方に配列される。この場合において、さらに、オブジェクト53aのフォントサイズを12ポイントから24ポイントに大きくする操作を行った場合、図15に示すように、フォントサイズが変更されたオブジェクト53aに対しては、24ポイントのフォントサイズに合わせるように高さ寸法Haが変更される。また、オブジェクト53bに対しては、各オブジェクト53a,53bの高さ寸法Hの総高さ寸法SHが、印刷領域46の高さ寸法PHに合うように、高さ寸法Hが変更される。
【0087】
次に、本実施形態に係る印刷領域46上にオブジェクト53を配列させる手順を説明する。図16に示す処理は、本実施形態において、ユーザにより、印刷領域46上の複数のオブジェクトのうち、いずれかのオブジェクトのフォントサイズが変更されたことを契機に実行される処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【0088】
ステップS70では、変更後のフォントサイズに合わせて、オブジェクトの高さ寸法H及び横幅寸法Wを算出し、ステップS71に進む。
【0089】
ステップS71では、ステップS70で算出した高さ寸法Hが印刷領域46の高さ寸法PHより大きいか、又は算出した横幅寸法Wが印刷領域46の横幅寸法PWより大きいか否かを判断する。肯定判断された場合は、ステップS72に進み、エラーを通知する。例えば、ユーザに、指定したフォントサイズが大きすぎるために、印刷領域46にオブジェクトが収まらない旨をディスプレイ13上で通知する。ステップS72の後、本処理を終了する。
【0090】
一方、ステップS71で否定判断された場合は、ステップS73に進み、フォントサイズを変更したオブジェクトに対して、縦方向に沿って配列されたオブジェクトがあるか否かを判断する。肯定判断された場合、例えば、図15に示すように、フォントサイズを変更したオブジェクト53aに対して、縦方向に配列されたオブジェクト53bがある場合、ステップS74に進み、ステップS70で算出された高さ寸法H及び横幅寸法Wになるように、オブジェクト53aのオブジェクト領域54aを変更する。その後、図12のステップS51に進む。
【0091】
図12のステップS51では、変更されたオブジェクト53a、及びオブジェクト53bの各高さ寸法の総和SHと印刷領域46の高さ寸法PHとの差である第2はみ出し長さLHeを算出する。次に、ステップS52では、フォントサイズが変更されていないオブジェクトを対象オブジェクトとして判定する。本実施形態では、オブジェクト53bが対象オブジェクトであると判定される。
【0092】
次に、ステップS53では、対象オブジェクトの高さ寸法の縮小量ΔHdを算出する。本実施形態では、対象オブジェクトはオブジェクト53bのみであるため、縮小量ΔHd(=LHe)となる。次にステップS54では、対象オブジェクトの高さ寸法Hから縮小量ΔHdを引いた値(H-ΔHd)を縮小後の対象オブジェクトの高さ寸法とする。以降は、実施形態2で説明した処理を実行する。
【0093】
一方、ステップS73で否定判断された場合、例えば、図14に示すように、フォントサイズを変更したオブジェクト53aに対して、縦方向に配列されたオブジェクト53がない場合、高さ寸法Hを印刷領域46の高さ寸法PHとし、横幅寸法WをステップS70で算出された横幅寸法Wになるように、オブジェクト領域54aの各寸法W,Hを変更する。その後、図6のステップS13に進む。ステップS13以降において、フォントサイズが変更されていないテキストオブジェクトを対象オブジェクトとすることにより、フォントサイズが変更されていないオブジェクトのオブジェクト領域のサイズを維持したまま、他のオブジェクトのオブジェクト領域が印刷領域46に収まるように他のオブジェクトの横幅寸法W及び高さ寸法Hが変更される。
【0094】
以上説明した本実施形態では、ユーザの意図を極力反映させた状態で、印刷領域46に合わせてオブジェクト53を配列させることができる。なお、本実施形態では、フォントサイズを大きく変更する場合を例に説明したが、フォントサイズを小さく変更した場合にも、同様の処理が実行される。
【0095】
(その他の実施形態)
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
・本実施形態では、複数のテキストが横方向に配列された、横書きのテキストオブジェクトを例に説明したが、複数のテキストが縦方向に配列された、縦書きのテキストオブジェクトについても、同様に適用可能である。
【0096】
・プリンタは、ラベルプリンタに限らず、被印刷媒体としてA4サイズやB5サイズといった印刷物規格サイズに沿った用紙を印刷するプリンタであってもよい。
【0097】
・印刷領域は、横幅寸法PW及び高さ寸法PHが固定長である場合に限らず、横幅寸法PW又は高さ寸法PHのいずれかが固定長であってもよい。
【0098】
・印刷領域上でのオブジェクトの配列数は、3つ以上であってもよい。オブジェクトの配列方向は、横方向及び縦方向に限定されない。テキストオブジェクト以外の、オブジェクトに対しても横幅寸法Wや高さ寸法Hを変更してもよい。
【0099】
・情報処理装置は、複数のCPUにより、本実施形態に係る各処理を実現してもよい。また、コンピュータは、CPUに代えて、ASIC等の集積回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0100】
10…情報処理装置、13…ディスプレイ、14…タッチパネル、20…制御アプリケーション、30,31…プリンタ、40…編集画面、41…画像表示領域、42…オブジェクト表示領域、46…印刷領域
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