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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】飲料供給装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/41 20060101AFI20231108BHJP
   A47J 31/60 20060101ALI20231108BHJP
   G07F 13/10 20060101ALI20231108BHJP
   G07F 13/06 20060101ALI20231108BHJP
   G07F 13/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A47J31/41
A47J31/60
G07F13/10 D
G07F13/06 101
G07F13/00 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020009181
(22)【出願日】2020-01-23
(65)【公開番号】P2021115158
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小沢 竜徳
(72)【発明者】
【氏名】平田 厳悟
(72)【発明者】
【氏名】畔▲柳▼ 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】岡本 嘉高
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-230537(JP,A)
【文献】特開2003-109107(JP,A)
【文献】特開平7-37157(JP,A)
【文献】特開2003-187320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00~31/60
G07F 13/00~15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料供給指令が与えられた場合に、搬送機構によりカップを調理位置まで搬送させてパドル部材により該カップの内部にて飲料原料と飲料原水とを撹拌して飲料を生成し、かつ生成した飲料を該カップに投入した状態で前記搬送機構により提供位置まで搬送させることにより飲料を供給する制御部を備えた飲料供給装置であって、
上部に開口を有するとともに底部に排水孔が形成され、かつ前記開口を形成する壁部の上端部分が前記搬送機構による前記カップの搬送経路の一部を囲繞する態様で配設されたパウダトレイを備え、
前記飲料原料は、前記飲料の粘度を向上させる高粘度成分を含むものであり、
前記制御部は、前記カップが前記提供位置まで搬送された場合に、前記パドル部材に対して前記飲料原水を構成する湯をリンス湯として吐出しながら該パドル部材を待機位置から前記パウダトレイの開口よりも下方域となる進出位置まで下降させて該リンス湯の吐出完了後に該パドル部材を回転させ、かつ回転後に該パドル部材を前記待機位置まで上昇させてから前記飲料原水を構成する湯を後リンス湯として前記パドル部材に吐出し、該後リンス湯の吐出完了後に該パドル部材を回転させる洗浄動作を行うことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
飲料供給指令が与えられた場合に、搬送機構によりカップを調理位置まで搬送させてパドル部材により該カップの内部にて飲料原料と飲料原水とを撹拌して飲料を生成し、かつ生成した飲料を該カップに投入した状態で前記搬送機構により提供位置まで搬送させることにより飲料を供給する制御部を備えた飲料供給装置であって、
前記飲料原料は、前記飲料の粘度を向上させる高粘度成分を含むものであり、
前記制御部は、カップ内洗浄指令が与えられた場合、前記搬送機構により前記カップを前記調理位置まで搬送させて該カップの内部に前記飲料原水を構成する湯を洗浄湯として投入するとともに、前記パドル部材を該カップの内部に下降させて該パドル部材の先端部分を前記洗浄湯に浸漬させ、かつ該パドル部材を間欠的に回転させることを特徴とする飲料供給装置。
【請求項3】
上部に開口を有するとともに底部に排水孔が形成され、かつ前記開口を形成する壁部の上端部分が前記搬送機構による前記カップの搬送経路の一部を囲繞する態様で配設されたパウダトレイを備え、
前記制御部は、前記カップ内洗浄指令が与えられて前記パドル部材を間欠的に回転させた後、該パドル部材を下降させた状態で前記搬送機構により前記カップを搬送することにより、該カップを前記パウダトレイに廃棄させることを特徴とする請求項2に記載の飲料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料供給装置に関し、より詳細には、例えばカップに飲料を投入した状態で供給する飲料供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばカップに飲料を投入した状態で供給する飲料供給装置として、搬送機構で搬送したカップの内部に、粉末原料等の飲料原料と、湯や水等の飲料原水とを投入して撹拌機構で撹拌することにより、調理した飲料を供給するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の飲料供給装置は、まず、飲料原料を収容したキャニスタの位置に、搬送機構によってカップを搬送し、当該カップの内部に飲料原料を投入する。次いで、調理位置に搬送機構によってカップを搬送し、当該カップに飲料原水を投入した後に、撹拌機構によってカップの内部でパドル部材を回転させることにより、飲料原料と飲料原水とを撹拌混合する。その後、搬送機構によってカップを提供位置に搬送することで飲料を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-309679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのような飲料供給装置においては、飲料の粘度を向上させる高粘度成分(とろみ成分)が飲料原料に含まれるものが知られている。かかる高粘度成分が飲料原料として調理された飲料は、粘度が向上するために、一部の高齢者等の嚥下障害者にとって誤嚥を防止する観点から有用である。
【0006】
ところで、従来の飲料供給装置では、調理位置において、パドル部材により飲料原料と飲料原水とを撹拌混合させた後、パドル部材に対して飲料原水を構成する湯をリンス湯として吐出して該パドル部材の洗浄が行われるのが一般的である。
【0007】
しかしながら、上述したように高粘度成分が飲料原料に含まれている場合、パドル部材に対してリンス湯を吐出するだけでは、該パドル部材に高粘度成分が付着したままとなり、該パドル部材の洗浄を良好に行うことができない虞れがあった。
【0008】
また、従来の飲料供給装置では、搬送機構により調理位置まで搬送したカップに飲料原水を構成する湯を洗浄湯として投入し、パドル部材を下降させて先端部分を洗浄湯に浸漬させた状態で回転させることにより、該パドル部材を洗浄するカップ内洗浄が定期的に行われている。
【0009】
しかしながら、先端部分が洗浄湯に浸漬させた状態でパドル部材を回転し続けると、遠心力によりカップの内部における中心域の洗浄湯の水位が周辺域に比して低くなり、結果的に、パドル部材の洗浄を良好に行うことができない虞れがあった。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みて、パドル部材の洗浄を良好に行うことができる飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る飲料供給装置は、飲料供給指令が与えられた場合に、搬送機構によりカップを調理位置まで搬送させてパドル部材により該カップの内部にて飲料原料と飲料原水とを撹拌して飲料を生成し、かつ生成した飲料を該カップに投入した状態で前記搬送機構により提供位置まで搬送させることにより飲料を供給する制御部を備えた飲料供給装置であって、上部に開口を有するとともに底部に排水孔が形成され、かつ前記開口を形成する壁部の上端部分が前記搬送機構による前記カップの搬送経路の一部を囲繞する態様で配設されたパウダトレイを備え、前記飲料原料は、前記飲料の粘度を向上させる高粘度成分を含むものであり、前記制御部は、前記カップが前記提供位置まで搬送された場合に、前記パドル部材に対して前記飲料原水を構成する湯をリンス湯として吐出しながら該パドル部材を待機位置から前記パウダトレイの開口よりも下方域となる進出位置まで下降させて該リンス湯の吐出完了後に該パドル部材を回転させ、かつ回転後に該パドル部材を前記待機位置まで上昇させてから前記飲料原水を構成する湯を後リンス湯として前記パドル部材に吐出し、該後リンス湯の吐出完了後に該パドル部材を回転させる洗浄動作を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る飲料供給装置は、飲料供給指令が与えられた場合に、搬送機構によりカップを調理位置まで搬送させてパドル部材により該カップの内部にて飲料原料と飲料原水とを撹拌して飲料を生成し、かつ生成した飲料を該カップに投入した状態で前記搬送機構により提供位置まで搬送させることにより飲料を供給する制御部を備えた飲料供給装置であって、前記飲料原料は、前記飲料の粘度を向上させる高粘度成分を含むものであり、前記制御部は、カップ内洗浄指令が与えられた場合、前記搬送機構により前記カップを前記調理位置まで搬送させて該カップの内部に前記飲料原水を構成する湯を洗浄湯として投入するとともに、前記パドル部材を該カップの内部に下降させて該パドル部材の先端部分を前記洗浄湯に浸漬させ、かつ該パドル部材を間欠的に回転させることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、上記飲料供給装置において、上部に開口を有するとともに底部に排水孔が形成され、かつ前記開口を形成する壁部の上端部分が前記搬送機構による前記カップの搬送経路の一部を囲繞する態様で配設されたパウダトレイを備え、前記制御部は、前記カップ内洗浄指令が与えられて前記パドル部材を間欠的に回転させた後、該パドル部材を下降させた状態で前記搬送機構により前記カップを搬送することにより、該カップを前記パウダトレイに廃棄させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、上部に開口を有するとともに底部に排水孔が形成され、かつ開口を形成する壁部の上端部分が搬送機構によるカップの搬送経路の一部を囲繞する態様で配設されたパウダトレイを備え、飲料原料は、飲料の粘度を向上させる高粘度成分を含むものであり、制御部は、カップが提供位置まで搬送された場合に、パドル部材に対して飲料原水を構成する湯をリンス湯として吐出しながら該パドル部材を待機位置からパウダトレイの開口よりも下方域となる進出位置まで下降させて該リンス湯の吐出完了後に該パドル部材を回転させ、かつ回転後に該パドル部材を待機位置まで上昇させてから飲料原水を構成する湯を後リンス湯としてパドル部材に吐出し、該後リンス湯の吐出完了後に該パドル部材を回転させる洗浄動作を行うので、パドル部材に付着した高粘度成分を含む滓をリンス湯とともに取り除くことができ、パドル部材の洗浄を良好に行うことができるという効果を奏する。
【0015】
また本発明によれば、飲料原料は、飲料の粘度を向上させる高粘度成分を含むものであり、制御部は、カップ内洗浄指令が与えられた場合、搬送機構によりカップを調理位置まで搬送させて該カップの内部に飲料原水を構成する湯を洗浄湯として投入するとともに、パドル部材を該カップの内部に下降させて該パドル部材の先端部分を洗浄湯に浸漬させ、かつ該パドル部材を間欠的に回転させるので、カップの内部の洗浄湯が該カップの中心域での水位が低くなるとともに該カップの内壁面近傍である周辺域の水位が高くなる状態が継続的に続くことを抑制でき、パドル部材の洗浄を良好に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態である飲料供給装置の外観構成を示す正面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態である飲料供給装置の内部構造を示す正面図である。
図3図3は、本発明の実施の形態である飲料供給装置の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
図4図4は、図2に示した本体キャビネットの内部における要部を拡大して示す正面図である。
図5図5は、図4に示した吐出本体部を示す斜視図である。
図6図6は、図4に示した吐出本体部を示す断面図である。
図7図7は、図2及び図4に示したパウダトレイと、撹拌機構を構成するパドル部材との位置関係を示す斜視図である。
図8図8は、図4に示したパウダトレイの斜視図である。
図9図9は、図8に示したパウダトレイの取付状態を示す斜視図である。
図10図10は、図8に示したパウダトレイの取付状態を示す斜視図である。
図11図11は、図8に示したパウダトレイの取付状態を示す模式図である。
図12図12は、図9~11に示したパウダトレイの取り外し手順を示す説明図である。
図13図13は、図9~11に示したパウダトレイの取り外し手順を示す説明図である。
図14図14は、図9~11に示したパウダトレイの取り外し手順を示す説明図である。
図15図15は、図3に示した制御部が実施する飲料調理制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
図16図16は、図15における飲料の調理での飲料原水供給部及び撹拌機構の動作を説明するためのタイムチャートである。
図17図17は、図15における飲料の調理の動作を説明するための断面図である。
図18図18は、図15における飲料の調理の動作を説明するための断面図である。
図19図19は、図15における飲料の調理の動作を説明するための断面図である。
図20図20は、図15における洗浄の動作を説明するための断面図である。
図21図21は、図15における洗浄の動作を説明するための断面図である。
図22図22は、図15における洗浄の動作を説明するための断面図である。
図23図23は、図15における洗浄の動作を説明するための断面図である。
図24図24は、図15における洗浄の動作を説明するための断面図である。
図25図25は、カップ内洗浄の動作を説明するための断面図である。
図26図26は、カップ内洗浄の動作を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る飲料供給装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1図3は、それぞれ本発明の実施の形態である飲料供給装置を示すものであり、図1は、外観構成を示す正面図であり、図2は、内部構造を示す正面図であり、図3は、特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。ここで例示する飲料供給装置は、例えば店舗や介護施設等に設置されるものであり、本体キャビネット1を備えている。
【0019】
本体キャビネット1は、前面に開口(以下、前面開口ともいう)2を有した略直方状の形態を成すものである。この本体キャビネット1の前面開口2は、該本体キャビネット1の前方側の右側縁部において上下方向に沿って延在する軸部の中心軸回りに揺動可能に設けられた前面扉3により開閉される。
【0020】
この前面扉3は、開閉扉4を有している。開閉扉4は、前面扉3に設けられた取出口構成部5により構成される取出口5aを開閉させる扉体であり、例えば透明な樹脂等の透光性材料により構成してある。この開閉扉4は、左側端部が前面扉3に軸支されており、前後方向に沿って揺動可能なものである。つまり、開閉扉4は、後方に揺動する場合に取出口5aを閉成させることが可能であり、前方に揺動する場合に取出口5aを開成させることが可能である。
【0021】
そのような飲料供給装置は、選択部11、搬送機構12、飲料原料供給部13、高粘度成分供給部14、飲料原水供給部15、撹拌機構16、扉開閉検知部17、扉開閉ロック機構18及び制御部20を備えて構成してある。
【0022】
選択部11は、前面扉3における取出口構成部5の上方側に設けてある。この選択部11は、飲料の選択を行う選択手段であり、複数の押ボタンにより構成してある。かかる選択部11は、いずれかの押ボタンが押下操作されると、選択信号を制御部20に与えるものである。
【0023】
搬送機構12は、保持部121、搬送駆動部122及び位置検出部123を備えている。保持部121は、容器であるカップCを保持するためのものである。搬送駆動部122は、搬送モータ(図示せず)を有して構成してあり、制御部20から与えられる指令により駆動することで、カップ収納部19から受容してカップCを保持する保持部121を、所定の搬送経路12aに沿って搬送させるものである。位置検出部123は、搬送モータの回転数等を検知して、搬送駆動部122により搬送されるカップCの位置、すなわち保持部121の位置を検出するものである。
【0024】
このような搬送機構12の搬送経路12aは、左右方向に沿った直線上である。尚、カップ収納部19は、図2において最も左側に設置してある。
【0025】
飲料原料供給部13は、原料キャニスタ131及び原料供給駆動部132を備えている。原料キャニスタ131は、複数(図示の例では2つ)設けてあり、左右に並ぶよう設置してある。これら原料キャニスタ131は、それぞれ異なる種類(例えば緑茶やほうじ茶)の粉末原料を収納する収容箱である。
【0026】
原料供給駆動部132は、複数設けてあり、原料キャニスタ131に対応して設けてある。これら原料供給駆動部132は、制御部20から与えられる指令により駆動するものであり、駆動する場合に、対応する原料キャニスタ131から所定量の粉末原料を吐出し、原料シュータ133を通じて、搬送機構12により搬送されるカップCに払い出すものである。
【0027】
高粘度成分供給部14は、高粘度成分キャニスタ141及び高粘度成分供給駆動部142を備えている。高粘度成分キャニスタ141は、原料キャニスタ131の右方側、より詳細には、搬送経路12aの最も右方側の上方域に設置してある。この高粘度成分キャニスタ141は、飲料の粘度を向上させるための例えば澱粉等の粉末状態のとろみ成分と称される高粘度成分を収納する収容箱である。
【0028】
高粘度成分供給駆動部142は、高粘度成分キャニスタ141に対応して設けてある。この高粘度成分供給駆動部142は、制御部20から与えられる指令により駆動するものであり、駆動する場合に、高粘度成分キャニスタ141から所定量の高粘度成分を吐出し、高粘度成分シュータ143を通じて、搬送機構12により搬送されるカップCに払い出すものである。
【0029】
飲料原水供給部15は、湯や水等の飲料原水を供給するためのもので、水供給弁151及び湯供給弁152を備えている。水供給弁151は、制御部20から与えられる指令に応じて開閉する弁体である。この水供給弁151は、開状態となる場合には、冷却水を貯留する水タンク153の冷却水を原料キャニスタ131の左方側に設置された吐出本体部22に向けて送出するものであり、閉状態となる場合には、冷却水の送出を規制するものである。
【0030】
湯供給弁152は、制御部20から与えられる指令に応じて開閉する弁体である。この湯供給弁152は、開状態となる場合には、湯を貯留する湯タンク154の例えば85℃以上の湯を吐出本体部22に向けて送出するものであり、閉状態となる場合には、湯の送出を規制するものである。
【0031】
ここで吐出本体部22は、図4に示すように、搬送機構12におけるカップCの搬送経路12aのうち、調理位置S1の上方域に設置してある。この吐出本体部22は、図5及び図6に示すように、上部22a及び下部22bに開口を有した略筒状の形態を成すものであり、下部22bの開口面積が上部22aの開口面積よりも大きくなっている。この吐出本体部22には、水吐出口221と湯吐出口222とが前後に並ぶように設けられている。水吐出口221は、上記水供給弁151が開状態となる場合に、送出された冷却水を吐出する開口である。湯吐出口222は、上記湯供給弁152が開状態となる場合に、送出された湯を吐出する開口である。
【0032】
撹拌機構16は、吐出本体部22の近傍に設置してあり、パドル部材161及びパドル駆動部162を備えている。パドル部材161は、上下方向に沿って延在するロッド161aの先端部分となる下端部に撹拌羽根161bが取り付けられた従来公知のものであり、吐出本体部22を貫通する態様で設けてある。
【0033】
パドル駆動部162は、昇降駆動部162a及び回転駆動部162bを備えている。昇降駆動部162aは、制御部20から与えられる指令に応じて駆動するもので、駆動する場合に、パドル部材161を上下方向に沿って移動させるものである。より詳細に説明すると、昇降駆動部162aは、撹拌羽根161bが吐出本体部22の内部に収納される上限位置である待機位置(図5及び図6参照)と、図7に示すように撹拌羽根161bが吐出本体部22より下方に配置される下限位置である進出位置との間でパドル部材161を上下方向に沿って移動させるものである。
【0034】
回転駆動部162bは、制御部20から与えられる指令に応じて駆動するもので、駆動する場合に、パドル部材161をロッド161aの中心軸回りに回転させるものである。
【0035】
ところで、図4図7に示したように、搬送機構12によるカップCの搬送経路12aの下方域には、パウダトレイ23が配設してある。パウダトレイ23は、図8にも示すように、上部にトレイ開口23aを有するとともに底部に排水孔23bが形成された左右方向が長手方向となる略箱状のものである。そして、パウダトレイ23は、トレイ開口23aを形成する前壁部231、後壁部232、左側壁部233及び右側壁部234の上端部分が、搬送機構12によるカップCの搬送経路12aの一部を囲繞する態様で配設してある。つまり、パウダトレイ23は、前壁部231、後壁部232、左側壁部233及び右側壁部234の上端部分が、進出位置まで移動したパドル部材161の撹拌羽根161bよりも上方に配置されるように配設してある。
【0036】
尚、パウダトレイ23の前壁部231の左側部分であって上記取出口5aの後方側となる部分には、上端部分が開放された第1切欠開口231aが形成してある。この第1切欠開口231aの後方側であって調理位置S1の左方側となる位置が提供位置S2(図4参照)となっている。またパウダトレイ23の右側壁部234における上記搬送経路12aを臨む部分には、上端部分が開放された第2切欠開口234aが形成してある。
【0037】
かかるパウダトレイ23は、カップCから溢れた飲料や洗浄に利用した湯等を、排水孔23bを通じて、本体キャビネット1に設けられた廃棄容器24(図2参照)に案内するためのものである。
【0038】
そのようなパウダトレイ23は、図9図11に示すように、本体キャビネット1の左面及び右面に配設されたトレイ支持部材25に支持されることにより、該本体キャビネット1に設けてある。
【0039】
パウダトレイ23の左側壁部233及び右側壁部234の外面には、それぞれ外方に突出する態様で直方状の被支持部235が前後に離隔して設けてある。一方、トレイ支持部材25は、載置部251、後方規制部252及びストッパ部253が設けてある。載置部251は、2つ設けてあり、それぞれがトレイ支持部材25の内面より内方に突出する態様で前後方向に沿って延在して設けてあり、互いに前後に離隔して設けてある。後方規制部252は、トレイ支持部材25の内面における後方側の載置部251の後方域において、内方に突出する態様で上下方向に沿って延在して設けてある。ストッパ部253は、トレイ支持部材25の前方側において、後端部が軸支されており、該後端部を中心にして前端部が上下方向に揺動可能に配設してある。このストッパ部253には、下方に向けて突出する突部253aが形成してある。
【0040】
上記パウダトレイ23は、被支持部235が対応する載置部251に載置され、ストッパ部253が下方に揺動した姿勢となることにより、後方規制部252と突部253aとにより前後方向の移動が規制された状態でトレイ支持部材25に支持されて配設してある。
【0041】
そして、パウダトレイ23は、次のようにして本体キャビネット1から離脱させることができる。すなわち、図12に示すように、ストッパ部253を上方に向けて揺動させてその一部をトレイ支持部材25の一部に係止させた状態にする。これによりストッパ部253の突部253aが、パウダトレイ23の前方側の被支持部235の前方域から退避する。そして、図13に示すように、パウダトレイ23を前方に向けて変位させて、前方側の被支持部235を前方側の載置部251の前方側上方域、後方側の被支持部235を前方側の載置部251と後方側の載置部251との間の上方域に位置させ、図14に示すように、パウダトレイ23を下方に変位させることによりトレイ支持部材25から離隔させることができる。よって、トレイ支持部材25から離隔したパウダトレイ23を前方に向けて変位させることで、本体キャビネット1から離脱させることができる。つまり、パウダトレイ23は、本体キャビネット1に着脱可能に設けてある。
【0042】
扉開閉検知部17は、取出口構成部5の近傍に設けてあり、例えば光センサ等で構成されるものである。この扉開閉検知部17は、開閉扉4による取出口5aの開閉を検知するものであり、より詳細には、取出口5aが閉成、すなわち開閉扉4が閉となるか否かを検知するものである。かかる扉開閉検知部17は、開閉扉4が閉となるか否かの検知結果を制御部20に与えるものである。
【0043】
扉開閉ロック機構18は、取出口構成部5の近傍に設けてある。この扉開閉ロック機構18は、取出口5aを閉成する開閉扉4が閉となる状態を保持させて該開閉扉4が前方に向けて揺動することを規制するロック状態と、該開閉扉4が前方に向けて揺動することを許容する解除状態との間で択一的に切替可能なものである。かかる扉開閉ロック機構18の切り替えは、制御部20から与えられる指令に応じて行われる。
【0044】
制御部20は、上述した選択部11、搬送機構12、飲料原料供給部13、高粘度成分供給部14、飲料原水供給部15、撹拌機構16、扉開閉検知部17及び扉開閉ロック機構18に電気的に接続してあり、同じく電気的に接続された記憶部21に記憶されたプログラムやデータにしたがって、これら各部の動作を統括的に制御するものである。
【0045】
尚、制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0046】
図15は、図3に示した制御部20が実施する飲料調理制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる飲料調理制御処理を説明しながら飲料供給装置の動作について説明する。尚、説明の前提として、扉開閉ロック機構18はロック状態になっているものとする。
【0047】
この飲料調理制御処理において制御部20は、選択信号の入力の有無で選択部11のいずれかの押ボタンが押下操作されたか否かを判断する(ステップS101)。選択部11が押下操作されたことが判断できない場合(ステップS101:No)、制御部20は、かかる処理を繰り返し、選択部11が押下操作されることを待つ。
【0048】
選択部11が押下操作されたことを判断した場合(ステップS101:Yes)、制御部20は、飲料の調理を行う(ステップS102)。飲料の調理は次のようにして行われる。尚、ステップS101においては、高粘度成分が含まれるホット飲料が選択されたものとする。ここで高粘度成分が含まれるホット飲料の場合、その提供温度は60℃以上とされ、通常のホット飲料(例えば85℃以上)よりも低温とされる。
【0049】
制御部20は、搬送駆動部122を駆動させてカップ収納部19から受容したカップCを保持部121で保持し、粉末原料を収納する原料キャニスタ131の下方域に向けて右方に搬送する。この制御部20は、位置検出部123により所定の原料キャニスタ131の下方域に保持部121(カップC)が配置されたことが検出された場合、該当する原料供給駆動部132を駆動させて所定量の粉末原料をカップCに投入させる。次に制御部20は、搬送機構12を駆動させてカップCを、高粘度成分キャニスタ141の下方域に向けて右方に搬送する。制御部20は、位置検出部123により高粘度成分キャニスタ141の下方域に保持部121(カップC)が配置されたことが検出された場合、高粘度成分供給駆動部142を駆動させて所定量の高粘度成分をカップCに投入させる。
【0050】
そして、制御部20は、搬送駆動部122を駆動させてカップCを調理位置S1に向けて左方に搬送する。制御部20は、位置検出部123により調理位置S1に保持部121(カップC)が配置されたことが検出された場合、次のようにして調理を行う。
【0051】
図16は、飲料の調理における飲料原水供給部15及び撹拌機構16の動作を示すタイムチャートである。この図16に示すように、時点t1において制御部20が昇降駆動部162aを駆動させることにより、図17に示すようにパドル部材161を下降させる。そして、時点t2において制御部20が湯供給弁152及び水供給弁151を開状態にさせることにより、吐出本体部22における湯吐出口222及び水吐出口221より湯及び冷却水をカップCに投入する。時点t2後の時点t3においてパドル部材161が進出位置まで下降すると、撹拌羽根161b等のパドル部材161の先端部分がカップCの内部に配置され、制御部20は昇降駆動部162aを駆動停止にさせつつ回転駆動部162bを駆動させる。これにより、図18に示すように、パドル部材161がロッド161aの中心軸回りに回転する。その後、時点t3後の時点t4において所定量の湯及び冷却水が投入されると、制御部20は、湯供給弁152及び水供給弁151を閉状態にさせる。この際パドル部材161の回転は継続されており、粉末原料、高粘度成分、飲料原水(湯及び冷却水)の撹拌が行われている。その後、時点t5において制御部20が回転駆動部162bを駆動停止にさせてパドル部材161の回転を停止させるとともに、図19に示すように昇降駆動部162aを駆動させてパドル部材161を上昇させる。そして、時点t6においてパドル部材161が待機位置まで上昇すると、制御部20は昇降駆動部162aを駆動停止にさせる。これによりパドル部材161の先端部分である撹拌羽根161bは、カップC、並びに搬送経路12aから退避することとなる。
【0052】
その後制御部20は、搬送駆動部122を駆動させてカップCを調理位置S1から提供位置S2に向けて左方に搬送し、位置検出部123により提供位置S2に保持部121(カップC)が配置されたことが検出された場合、飲料の調理を終了する。
【0053】
このように飲料の調理を行った制御部20は、扉開閉ロック機構18による開閉扉4の閉状態のロックを解除し(ステップS103)、扉開閉検知部17からの検知結果の入力に応じて、該扉開閉検知部17が開→閉と検知したか否かを判断する(ステップS104)。
【0054】
扉開閉検知部17が開→閉と検知していないと判断した場合(ステップS104)、制御部20は、かかる処理を繰り返す。一方、扉開閉検知部17が開→閉と検知したと判断した場合(ステップS104:Yes)、制御部20は、提供位置S2に搬送されたカップCが取出口5aを通じて取り出されたと判断し、扉開閉ロック機構18を用いて開閉扉4を閉状態にロックする(ステップS105)。
【0055】
その後制御部20は、パドル部材161を洗浄する(ステップS106)。この洗浄について説明する。制御部20は、図20に示すように、湯供給弁152を開状態にさせて湯吐出口222より所定量(例えば40ミリリットル程度)の湯をリンス湯として吐出させる。そして制御部20は、図21に示すように、昇降駆動部162aを駆動させてパドル部材161を待機位置から進出位置まで下降させる。パドル部材161が進出位置まで下降した場合、制御部20は、湯供給弁152を閉状態にさせてリンス湯の吐出を停止し、図22に示すように、回転駆動部162bを駆動させてパドル部材161を回転させ、撹拌羽根161b等に付着した滓をリンス湯とともに遠心力により周囲に飛散させて水切りを行う。この場合、進出位置まで下降した撹拌羽根161bは、周囲がパウダトレイ23の前壁部231や後壁部232等に囲繞されているので、パウダトレイ23の外部に飛散する虞れがない。水切りが完了すると、制御部20は、回転駆動部162bを駆動停止にさせつつ昇降駆動部162aを駆動させてパドル部材161を進出位置から待機位置まで上昇させる。パドル部材161が待機位置まで上昇した場合、制御部20は、図23に示すように、昇降駆動部162aを駆動停止にさせてから湯供給弁152を開状態にさせて湯吐出口222より湯を後リンス湯として吐出させる。その後、所定量(例えば60ミリリットル程度)の後リンス湯を吐出した後、制御部20は、湯供給弁152を閉状態にさせて後リンス湯の吐出を停止し、図24に示すように、回転駆動部162bを駆動させてパドル部材161を回転させ、撹拌羽根161b等に付着した後リンス湯を遠心力により周囲に飛散させて水切りを行う。この場合、待機位置まで上昇した撹拌羽根161bは、周囲が吐出本体部22により囲繞されているので、パウダトレイ23の外部に後リンス湯が飛散する虞れがない。後リンス湯の水切りが完了すると、制御部20は、回転駆動部162bを駆動停止にさせてパドル部材161の洗浄を終了する。
【0056】
そのようにしてパドル部材161の洗浄を行った制御部20は、その後に手順をリターンして今回の飲料調理制御処理を終了する。
【0057】
これによれば、開閉扉4を前方に向けて揺動させた利用者に対して、カップCに飲料を投入した状態で供給することができる。
【0058】
ところで、飲料供給装置の管理者等の作業者が、予め決められたタイムスケジュールに従って、選択部11を操作することにより、制御部20に対してカップ内洗浄指令が与えられた場合、制御部20は、次のようにしてカップ内洗浄を行う。
【0059】
制御部20は、搬送駆動部122を駆動させてカップ収納部19から受容したカップCを保持部121で保持し、調理位置S1に搬送する。位置検出部123により調理位置S1に保持部121(カップC)が配置されたことが検出された場合、制御部20は、湯供給弁152を開状態にさせることにより、湯吐出口222より湯を洗浄湯としてカップCに吐出する。この際、制御部20は、昇降駆動部162aを駆動させてパドル部材161を進出位置まで下降させる。そして、所定量の洗浄湯が吐出された場合に、制御部20は湯供給弁152を閉状態にさせる。また進出位置まで下降させた場合、撹拌羽根161bが洗浄湯に浸漬され、制御部20は昇降駆動部162aを駆動停止にさせる。その後、制御部20は、回転駆動部162bを駆動させた後に駆動停止にさせることを繰り返すことにより、図25に示すように、パドル部材161を間欠的に回転させ、撹拌羽根161bを洗浄する。
【0060】
パドル部材161の間欠的な回転を所定時間行った後、制御部20は、回転駆動部162bを駆動停止にさせ、パドル部材161を進出位置に配置した状態で搬送駆動部122を駆動させて、カップCを保持する保持部121を例えば右方に向けて搬送する。この場合、パドル部材161が進出位置に配置されているので、パドル部材161とカップCとが衝突し、図26に示すように、カップCを保持部121から離脱させてパウダトレイ23に廃棄することができる。
【0061】
かかるカップCの廃棄後、制御部20は、昇降駆動部162aを駆動させてパドル部材161を待機位置に上昇させるとともに、保持部121を所定の位置に配置させる。
【0062】
以上説明したように、本発明の実施の形態である飲料供給装置においては、飲料原料が飲料の粘度を向上させる高粘度成分を含むものであり、制御部20が、調理位置S1において、カップCの内部にパドル部材161を下降させた後に、該カップCに飲料原水(湯及び冷却水)を投入しながら該パドル部材161を回転させて飲料原料と飲料原水とを撹拌して飲料を生成するので、飲料原水によって飲料原料の一部が融解していわゆるダマと称される小さい塊が生ずることを回避することができ、供給する飲料の品質の低下を抑制することができる。
【0063】
特に、飲料原水を構成する湯と冷却水とを同時に投入しながらパドル部材161を回転させて飲料原料と飲料原水とを撹拌するので、温度を一定にすることができ、飲料における粘度を一定にすることができる。しかも、高粘度成分を含む飲料原料と湯とを撹拌してから、冷却水で温度を下げるようなことをする必要がないので、提供時間の短縮化を図ることができる。
【0064】
上記飲料供給装置によれば、制御部20が、カップCが提供位置まで搬送された場合に、パドル部材161に対して飲料原水を構成する湯をリンス湯として吐出しながら該パドル部材161を待機位置からパウダトレイ23のトレイ開口23aよりも下方域となる進出位置まで下降させて該リンス湯の吐出完了後に該パドル部材161を回転させ、かつ回転後に該パドル部材161を待機位置まで上昇させてから飲料原水を構成する湯を後リンス湯としてパドル部材161に吐出し、該後リンス湯の吐出完了後に該パドル部材161を回転させる洗浄動作を行うので、パドル部材161に付着した高粘度成分を含む滓をリンス湯とともに取り除くことができ、パドル部材161の洗浄を良好に行うことができる。
【0065】
しかも、遠心力を利用して滓等を飛散させるので、パドル部材161に対して湯を供給して洗浄するだけに比べて、リンス湯や後リンス湯等の湯の供給量の低減化を図ることができるとともに、洗浄時間に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0066】
特に、パウダトレイ23の前壁部231等の上端部分が、進出位置に下降したパドル部材161の撹拌羽根161bよりも上方に配置されるので、洗浄時にパドル部材161を回転させても、洗浄に用いた湯等がパウダトレイ23の外部に飛散することを防止することができ、衛生的である。
【0067】
上記飲料供給装置によれば、制御部20が、カップ内洗浄指令が与えられた場合、搬送機構12によりカップCを調理位置S1まで搬送させてカップCの内部に飲料原水を構成する湯を洗浄湯として投入するとともに、パドル部材161を該カップCの内部に下降させて該パドル部材161の撹拌羽根161bを洗浄湯に浸漬させ、かつ該パドル部材161を間欠的に回転させるので、カップCの内部の洗浄湯が該カップCの中心域での水位が低くなるとともに該カップCの内壁面近傍である周辺域の水位が高くなる状態が継続的に続くことを抑制でき、パドル部材161の洗浄を良好に行うことができる。
【0068】
上記飲料供給装置によれば、制御部20が、カップ内洗浄指令が与えられてパドル部材161を間欠的に回転させた後、該パドル部材161を下降させた状態で搬送機構12によりカップCを搬送することにより、該カップCをパウダトレイ23に廃棄させるので、カップ内洗浄に用いたカップCを取り除く必要がなく、該カップCを取り除かなかったことにより飲料の提供の機会が失われてしまうことを防止することができる。
【0069】
上記飲料供給装置によれば、搬送機構12が、調理位置S1で飲料を調理した後、提供位置S2にカップCを搬送するので、利用者がカップCを取り出す際に、吐出本体部22等に付着した湯が滴下して手指が火傷等してしまうことを防止することができる。
【0070】
上記飲料供給装置によれば、トレイ支持部材25に支持されたパウダトレイ23を、一旦前方に移動させた後に下方に移動させ、その後に前方に移動させて本体キャビネット1から離脱させることができるので、パウダトレイ23の前後方向の移動距離を短くすることができる。
【0071】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0072】
上述した実施の形態では、カップ内洗浄指令が与えられた場合に、パドル部材161を間欠的に回転させていたが、本発明においては、パドル部材をロッドの中心軸回りに一方向に回転させた後は他方に回転させるように正逆回転を繰り返してもよい。これによっても、カップの内部の洗浄湯が該カップの中心域での水位が低くなるとともに該カップの周辺域の水位が高くなる状態が継続的に続くことを抑制でき、パドル部材の洗浄を良好に行うことができる。
【0073】
上述した実施の形態では、カップ内洗浄が行われた場合に、パドル部材161を下降させた状態で搬送機構12によりカップCを搬送することにより、該カップCをパウダトレイ23に廃棄させるようにしていたが、本発明においては、カップ内洗浄が行われた後にカップを一旦提供位置まで搬送し、開閉扉が開く方向に揺動されない状態が所定時間継続した場合に、該カップを調理位置まで搬送してパドル部材を下降させてから搬送機構によりカップを搬送して該カップをパウダトレイに廃棄してもよい。
【0074】
またこのようにカップ内洗浄に利用したカップCをパウダトレイ23に廃棄するので、上述した実施の形態のように、飲料供給装置の管理者等の作業者が制御部20に対してカップ内洗浄指令を与えるだけでなく、制御部が予め決められた時間の経過を条件として、自身にカップ内洗浄指令が与えられたものとして、カップ内洗浄を自動的に行うこともできる。これによれば、作業者によりカップ内洗浄指令の操作が忘れられていても、カップ内洗浄を自動的に行うことで、衛生性を確保することができる。
【符号の説明】
【0075】
1…本体キャビネット、2…前面開口、3…前面扉、4…開閉扉、5…取出口構成部、5a…取出口、11…選択部、12…搬送機構、12a…搬送経路、121…保持部、122…搬送駆動部、123…位置検出部、13…飲料原料供給部、131…原料キャニスタ、132…原料供給駆動部、14…高粘度成分供給部、141…高粘度成分キャニスタ、142…高粘度成分供給駆動部、15…飲料原水供給部、151…水供給弁、152…湯供給弁、16…撹拌機構、161…パドル部材、162…パドル駆動部、17…扉開閉検知部、18…扉開閉ロック機構、20…制御部、22…吐出本体部、23…パウダトレイ、25…トレイ支持部材、C…カップ、S1…調理位置、S2…提供位置。
図1
図2
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