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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20231108BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231108BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B41J29/38 104
G03G21/00 388
G03G21/00 386
H04N1/00 885
H04N1/00 350
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020038715
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021138080
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 あゆみ
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-011498(JP,A)
【文献】特開2009-187289(JP,A)
【文献】特開2006-309731(JP,A)
【文献】特開2014-078899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信パケットを受信する通信部と、
第1の電力モード、および前記第1の電力モードよりも消費電力が低い第2の電力モードのうちの前記第2の電力モードにおいて前記通信部が受信した前記通信パケットが、判定条件情報に含まれる複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当するかどうかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、電力モードを前記第2の電力モードから前記第1の電力モードへ移行させる電力モード設定部と、
ユーザ操作を受け付ける入力処理部と、
前記ユーザ操作に基づいて、前記判定条件情報に前記複数の判定条件を登録する登録部と
を備え
前記判定条件情報は、複数の判定条件情報のうちの1つであり、
前記複数の判定条件情報は、第1の判定条件情報と、第2の判定条件情報とを含み、
前記第1の判定条件情報に含まれる第1の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件、および前記第2の判定条件情報に含まれる第2の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件は、互いに等しく、
前記第1の複数の判定条件のうちの前記2以上の判定条件以外の判定条件は、第1のパケット種別に関連する判定条件であり、
前記第2の複数の判定条件のうちの前記2以上の判定条件以外の判定条件は、第2のパケット種別に関連する判定条件であり、
前記2以上の判定条件は、前記第1のパケット種別に関連する判定条件、および前記第2のパケット種別に関連する判定条件を含む
情報処理装置。
【請求項2】
前記入力処理部は、前記複数の判定条件情報のうちの1つを選択する選択操作を受け付け、
前記登録部は、前記選択操作により選択された前記判定条件情報に含まれる選択された複数の判定条件を、前記複数の判定条件として登録する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
表示処理部をさらに備え、
前記表示処理部は、前記通信部に接続されたネットワークにおいてやりとりされる前記通信パケットのパケット種別の選択肢を表示する表示処理を行い、
前記選択操作は、前記パケット種別を選択する操作を含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記2以上の判定条件に含まれる、前記第1のパケット種別に関連する判定条件が示す通信サービスは、前記第2のパケット種別に関連する判定条件が示す通信サービスと同じである
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
表示処理部をさらに備え、
前記入力処理部は、前記複数の判定条件情報のうちの1つを選択する選択操作を受け付け、
前記表示処理部は、前記選択操作により選択された前記判定条件情報に含まれる第1の複数の判定条件を含む2以上の判定条件を表示するとともに、前記第1の複数の判定条件を強調して表示する表示処理を行い、
前記入力処理部は、前記表示処理部により処理された前記2以上の判定条件に対する条件選択操作を受け付け、
前記登録部は、前記条件選択操作により選択された第2の複数の判定条件を、前記複数の判定条件として登録する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記入力処理部は、ユーザによる、前記判定条件情報に含まれる前記複数の判定条件のうちの、有効にする1以上の判定条件を選択する操作を受け付け、
前記判定条件情報は、前記1以上の判定条件を示す有効情報を含み、
前記判定部は、前記第2の電力モードにおいて前記通信部が受信した前記通信パケットが、前記1以上の判定条件のうちの少なくとも1つに該当するかどうかを判定する
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
通信パケットを受信する通信部と、
第1の電力モード、および前記第1の電力モードよりも消費電力が低い第2の電力モードのうちの前記第2の電力モードにおいて前記通信部が受信した前記通信パケットが、判定条件情報に含まれる複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当するかどうかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、電力モードを前記第2の電力モードから前記第1の電力モードへ移行させる電力モード設定部と、
ユーザ操作を受け付ける入力処理部と、
前記ユーザ操作に基づいて、前記判定条件情報に前記複数の判定条件を登録する登録部と、
前記第1の電力モードにおいて前記通信部が受信した前記通信パケットに基づいて受信履歴情報を生成する履歴管理部と、
前記受信履歴情報に基づいて、複数の判定条件情報のうちの1つを、推奨される判定条件情報として決定し、前記入力処理部が受け付けた、前記複数の判定条件情報のうちの1つを選択する選択操作により選択された前記判定条件情報、および推奨される前記判定条件情報が互いに一致しない場合に警告処理を行う警告処理部と
を備えた情報処理装置。
【請求項8】
前記警告処理部は、前記受信履歴情報に基づいて、前記通信部に接続されたネットワークにおいてやりとりされる前記通信パケットのパケット種別を判定することにより、推奨される前記判定条件情報を決定する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記警告処理部は、前記電力モードが前記第1の電力モードから前記第2の電力モードに移行する際に、前記警告処理を行う
請求項7または請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記警告処理部は、前記入力処理部が前記選択操作を受け付ける際に、前記警告処理を行う
請求項7または請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記入力処理部は、前記警告処理の後に、前記選択操作により選択された前記判定条件情報に含まれる選択された複数の判定条件を前記複数の判定条件として登録することを指示する指示操作を受け付け、
前記登録部は、前記指示操作に基づいて前記複数の判定条件を登録する
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
通信パケットを受信することと、
第1の電力モード、および前記第1の電力モードよりも消費電力が低い第2の電力モードのうちの前記第2の電力モードにおいて受信した前記通信パケットが、判定条件情報に含まれる複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当するかどうかを判定することと、
その判定結果に基づいて、電力モードを前記第2の電力モードから前記第1の電力モードへ移行させることと、
ユーザ操作を受け付けることと、
受け付けた前記ユーザ操作に基づいて、前記判定条件情報に前記複数の判定条件を登録することと
を含み、
前記判定条件情報は、複数の判定条件情報のうちの1つであり、
前記複数の判定条件情報は、第1の判定条件情報と、第2の判定条件情報とを含み、
前記第1の判定条件情報に含まれる第1の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件、および前記第2の判定条件情報に含まれる第2の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件は、互いに等しく、
前記第1の複数の判定条件のうちの前記2以上の判定条件以外の判定条件は、第1のパケット種別に関連する判定条件であり、
前記第2の複数の判定条件のうちの前記2以上の判定条件以外の判定条件は、第2のパケット種別に関連する判定条件であり、
前記2以上の判定条件は、前記第1のパケット種別に関連する判定条件、および前記第2のパケット種別に関連する判定条件を含む
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理を行う情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置には、しばしば、通常モードよりも消費電力が低いスリープモードが設けられる。例えば、特許文献1には、情報端末装置が要求するプロトコルに基づいて、省電力モードから通常モードに切り替える画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-179788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報処理装置では、スリープモードにおいて、受信したネットワークパケットが、判定条件を満たした場合に、スリープモードから通常モードに切り替える。例えばメモリ容量の制約により、このような判定条件の数には限りがある。このような場合でも、消費電力を効果的に低減することが望まれている。
【0005】
消費電力を効果的に低減することができる情報処理装置および情報処理方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施の形態における第1の情報処理装置は、通信部と、判定部と、電力モード設定部と、入力処理部と、登録部とを備えている。通信部は、通信パケットを受信するように構成される。判定部は、第1の電力モード、および第1の電力モードよりも消費電力が低い第2の電力モードのうちの第2の電力モードにおいて通信部が受信した通信パケットが、判定条件情報に含まれる複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当するかどうかを判定するように構成される。電力モード設定部は、判定部の判定結果に基づいて、電力モードを第2の電力モードから第1の電力モードへ移行させるように構成される。入力処理部は、ユーザ操作を受け付けるように構成される。登録部は、ユーザ操作に基づいて、判定条件情報に複数の判定条件を登録するように構成される。上記判定条件情報は、複数の判定条件情報のうちの1つである。複数の判定条件情報は、第1の判定条件情報と、第2の判定条件情報とを含む。第1の判定条件情報に含まれる第1の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件、および第2の判定条件情報に含まれる第2の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件は、互いに等しい。第1の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件以外の判定条件は、第1のパケット種別に関連する判定条件であり、第2の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件以外の判定条件は、第2のパケット種別に関連する判定条件である。2以上の判定条件は、第1のパケット種別に関連する判定条件、および第2のパケット種別に関連する判定条件を含む。
本発明の一実施の形態における第2の情報処理装置は、通信部と、判定部と、電力モード設定部と、入力処理部と、登録部と、履歴管理部と、警告処理部とを備えている。通信部は、通信パケットを受信するように構成される。判定部は、第1の電力モード、および第1の電力モードよりも消費電力が低い第2の電力モードのうちの第2の電力モードにおいて通信部が受信した通信パケットが、判定条件情報に含まれる複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当するかどうかを判定するように構成される。電力モード設定部は、判定部の判定結果に基づいて、電力モードを第2の電力モードから第1の電力モードへ移行させるように構成される。入力処理部は、ユーザ操作を受け付けるように構成される。登録部は、ユーザ操作に基づいて、判定条件情報に複数の判定条件を登録するように構成される。履歴管理部は、第1の電力モードにおいて通信部が受信した通信パケットに基づいて受信履歴情報を生成するように構成される。警告処理部は、受信履歴情報に基づいて、複数の判定条件情報のうちの1つを、推奨される判定条件情報として決定し、入力処理部が受け付けた、複数の判定条件情報のうちの1つを選択する選択操作により選択された判定条件情報、および推奨される判定条件情報が互いに一致しない場合に警告処理を行うように構成される。
【0007】
本発明の一実施の形態における情報処理方法は、通信パケットを受信することと、第1の電力モード、および第1の電力モードよりも消費電力が低い第2の電力モードのうちの第2の電力モードにおいて受信した通信パケットが、判定条件情報に含まれる複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当するかどうかを判定することと、その判定結果に基づいて、電力モードを第2の電力モードから第1の電力モードへ移行させることと、ユーザ操作を受け付けることと、受け付けたユーザ操作に基づいて、判定条件情報に複数の判定条件を登録することとを含む。上記判定条件情報は、複数の判定条件情報のうちの1つである。複数の判定条件情報は、第1の判定条件情報と、第2の判定条件情報とを含む。第1の判定条件情報に含まれる第1の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件、および第2の判定条件情報に含まれる第2の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件は、互いに等しい。第1の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件以外の判定条件は、第1のパケット種別に関連する判定条件であり、第2の複数の判定条件のうちの2以上の判定条件以外の判定条件は、第2のパケット種別に関連する判定条件である。2以上の判定条件は、第1のパケット種別に関連する判定条件、および第2のパケット種別に関連する判定条件を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施の形態における第1の情報処理装置、第2の情報処理装置、および情報処理方法によれば、消費電力を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置の一構成例を表すブロック図である。
図2図1に示した判定テーブル記憶部に記憶される判定テーブルの一例を表す説明図である。
図3図1に示した判定テーブル記憶部に記憶される他の判定テーブルの一例を表す説明図である。
図4図1に示した条件データの一例を表す説明図である。
図5】判定テーブルの選択操作を受け付ける設定画面の一例を表す説明図である。
図6図1に示した画像形成装置の一動作例を表すフローチャートである。
図7】変形例に係る画像形成装置における、登録する判定条件の選択操作を受け付ける設定画面の一例を表す説明図である。
図8】他の変形例に係る判定テーブルの一例を表す説明図である。
図9】他の変形例に係る画像形成装置における、判定条件を有効または無効に設定する操作を受け付ける設定画面の一例を表す説明図である。
図10】第2の実施の形態に係る画像形成装置の一構成例を表すブロック図である。
図11図10に示した条件データの一例を表す説明図である。
図12図10に示した画像形成装置の一動作例を表すフローチャートである。
図13図10に示した画像形成装置における、スリープモードに移行する際の動作の一例を表すフローチャートである。
図14図13に示した警告処理の一例を表す説明図である。
図15図10に示した画像形成装置における、判定テーブルを登録する際の動作の一例を表すフローチャートである。
図16図15に示した警告処理の一例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
【0011】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置(画像形成装置1)の一構成例を表すものである。なお、本発明の実施の形態に係る情報処理方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
【0012】
画像形成装置1は、紙などの記録媒体に画像を形成するプリンタである。画像形成装置1は、2つの電力モードM(通常モードM1およびスリープモードM2)を有している。通常モードM1は、画像形成装置1が、例えば印刷データに基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成動作を行うためのモードである。スリープモードM2は、例えば、画像形成動作を行わない場合に、通常モードM1よりも消費電力を低く抑えることができるモードである。画像形成装置1は、例えば、通常モードM1において画像形成動作を行った後に所定の時間が経過した場合に、電力モードMを通常モードM1からスリープモードM2に移行させる。また、画像形成装置1は、後述するように、スリープモードM2において判定条件を満たす所定のネットワークパケットPを受信した場合に、電力モードMをスリープモードM2から通常モードM1に移行させるようになっている。
【0013】
画像形成装置1は、電源部9と、無線通信モジュール10と、処理部20とを備えている。
【0014】
電源部9は、例えば系統電源から供給された交流電力に基づいて直流の各種電源電圧を生成し、生成した電源電圧を無線通信モジュール10および処理部20に供給するように構成される。
【0015】
無線通信モジュール10は、ネットワーク機器との間で、無線LAN(Local Area Network)を用いて通信を行うように構成される。無線通信モジュール10は、通常モードM1およびスリープモードM2の両方において、電源部9から供給された電源電圧に基づいて通信を行うことができるようになっている。無線通信モジュール10は、ネットワーク通信部11と、判定テーブル記憶部12と、パケット処理部13とを有している。
【0016】
ネットワーク通信部11は、ネットワーク機器との間で、無線LANを用いて、ネットワークパケットPのやりとりを行うように構成される。この例では、ネットワーク通信部11は、ネットワークNETを介して、パーソナルコンピュータ100に接続されている。
【0017】
判定テーブル記憶部12は、判定テーブルTを記憶するように構成される。判定テーブルTは、スリープモードM2において、ネットワーク通信部11がネットワークパケットPを受信した場合に画像形成装置1の電力モードMをスリープモードM2から通常モードM1に移行させるようなネットワークパケットPの判定条件についての情報を含んでいる。この例では、判定テーブルTは、9つ以下の判定条件を含むことが可能である。判定テーブル記憶部12は、例えば揮発性の半導体メモリを用いて構成され、例えば、画像形成装置1の電源投入時において、処理部20により、判定テーブルTが登録される。判定テーブル記憶部12には、以下に示すように、2つの判定テーブルT(判定テーブルT1,T2)のうちの一方が登録されるようになっている。
【0018】
図2は、判定テーブルT1の一例を表すものである。図3は、判定テーブルT2の一例を表すものである。判定テーブルT1は、画像形成装置1が接続されるネットワークNETが、主にIPv4(Internet Protocol Version 4)のネットワークパケットPがやり取りされるネットワークである場合に、使用されることが望まれる判定テーブルである。判定テーブルT2は、画像形成装置1が接続されるネットワークNETが、主にIPv6(Internet Protocol Version 6)のネットワークパケットPがやり取りされるネットワークである場合に、使用されることが望まれる判定テーブルである。
【0019】
判定テーブルT1,T2のそれぞれは、この例では9つの判定条件を含んでいる。無線通信モジュール10は、ネットワークパケットPが、判定テーブル記憶部12に記憶された判定テーブルTに含まれる9つの判定条件のうちの少なくとも1つに該当した場合に、画像形成装置1の電力モードMをスリープモードM2から通常モードM1に移行させる。
【0020】
判定テーブルT1(図2)において、例えば、サービス“IPv4”の判定条件は、プロトコルタイプがIPv4であり、宛先MAC(Media Access Control)アドレスが、画像形成装置1のMACアドレスであることである。サービス“IPv6”の判定条件は、プロトコルタイプがIPv6であり、宛先MACアドレスが、画像形成装置1のMACアドレスであることである。サービス“Bonjour”の判定条件は2つある。サービス“Bonjour”の1つめの判定条件は、プロトコルタイプがIPv4であり、プロトコル種別がUDP(User Datagram Protocol)であり、宛先ポート番号が5353であり、宛先IP(Internet Protocol)アドレスが224.0.0.1であることである。この宛先IPアドレスは、マルチキャストアドレスである。サービス“Bonjour”の2つめの判定条件は、プロトコルタイプがIPv6であり、プロトコル種別がUDPであり、宛先ポート番号が5353であり、宛先IPアドレスが[FF02::FB]であることである。この宛先IPアドレスは、マルチキャストアドレスである。サービス“802.1X”の判定条件は、プロトコルタイプが802.1Xであることである。サービス“SNMP(Simple Network Management Protocol)”の判定条件は、プロトコルタイプがIPv4であり、プロトコル種別がUDPであり、宛先ポート番号が161であることである。サービス“WindowsRally”の判定条件は、プロトコルタイプがIPv4であり、プロトコル種別がUDPであり、宛先ポート番号が3702であることである。サービス“NBT(NetBIOS over TCP/IP)”の判定条件は、プロトコルタイプがIPv4であり、プロトコル種別がUDPであり、NBNSデータが画像形成装置1のNetBIOS名であることである。プロトコルABCは、例えば画像形成装置1のメーカにより開発されたメーカ独自のプロトコルである。このサービス“プロトコルABC”の判定条件は、プロトコルタイプがIPv4であり、プロトコル種別がUDPであり、宛先ポート番号が所定の番号(図2において“XXXX”)であることである。
【0021】
このように、判定条件は、プロトコルタイプ、宛先MACアドレス、プロトコル種別、宛先ポート番号、宛先IPアドレスなどを組み合わせることにより設定される。
【0022】
判定テーブルT1は、上述したように、画像形成装置1が主にIPv4のネットワークパケットPがやり取りされるネットワークに接続される場合に使用されることが望まれる判定テーブルであるが、サービス“IPv6”,“Bonjour”のように、プロトコルタイプがIPv6である判定条件を含んでいる。また、サービス“Bonjour”の2つ判定条件は、IPv4に関連する判定条件と、IPv6に関連する判定条件とを含んでいる。
【0023】
判定テーブルT2(図3)において、例えば、サービス“IPv4”,“IPv6”,“Bonjour”,“802.1X”の判定条件は、判定テーブルT1(図2)と同様である。サービス“SNMP”,“WindowsRally”,“NBT”,“プロトコルABC”の判定条件は、判定テーブルT1(図2)におけるサービス“SNMP”、“WindowsRally”、“NBT”、“プロトコルABC”の判定条件において、プロトコルタイプをIPv4からIPv6に変更したものである。
【0024】
判定テーブルT2は、上述したように、画像形成装置1が主にIPv6のネットワークパケットPがやり取りされるネットワークに接続される場合に使用されることが望まれる判定テーブルであるが、サービス“IPv4”,“Bonjour”のように、プロトコルタイプがIPv4である判定条件を含んでいる。
【0025】
このように、判定テーブル記憶部12には、2つの判定テーブルT1,T2のうちのいずれかが登録される。これにより、画像形成装置1では、消費電力を効果的に低減することができる。すなわち、1つの判定テーブルを固定的に用いる場合には、例えばメモリ容量の制約により、多くの判定条件を設定できない。このような場合には、Port9100、LPR(Line Printer daemon Protocol)、IPP(Internet Printing Protocol)などの印刷プロトコル、Bonjourなどのデバイス検出サービス、SNMPなどのネットワーク通信プロトコルのようなサービスを全てカバーすることは難しいので、効果的に消費電力を低減するのは難しい。そこで、画像形成装置1では、2つの判定テーブルT1,T2を設け、図2,3に示したように、例えば必須のサービスである“IPv4”,“IPv6”,“Bonjour”,“802.1X”については、判定テーブルT1,T2の両方に設定し、それ以外のサービスについて、判定テーブルT1,T2のうちの一方に設定する。そして、判定テーブル記憶部12に登録する判定テーブルTを切り替えられるようにしている。これにより、画像形成装置1では、後述するように、画像形成装置1の使用環境に合った判定テーブルTを登録することができるので、消費電力を効果的に低減することができるようになっている。
【0026】
パケット処理部13は、電力モードMが通常モードM1である場合において、ネットワーク通信部11が受信したネットワークパケットPに含まれる受信データを処理部20に供給するように構成される。また、パケット処理部13は、電力モードMがスリープモードM2である場合において、ネットワーク通信部11がネットワークパケットPを受信した場合には、そのネットワークパケットPが、判定テーブル記憶部12に記憶された判定テーブルTに含まれる複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当するかどうかを確認する。そして、パケット処理部13は、ネットワークパケットPが複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当する場合に、スリープモードM2から通常モードM1への移行を指示する復帰コマンドCMDを生成し、生成した復帰コマンドCMDを処理部20の電力モード設定部21(後述)に供給する。そして、パケット処理部13は、処理部20が動作を開始した後に、そのネットワークパケットPに含まれる受信データを処理部20に供給する。また、パケット処理部13は、ネットワークパケットPが複数の判定条件のうちのいずれにも該当しない場合には、そのネットワークパケットPを破棄するようになっている。
【0027】
また、パケット処理部13は、処理部20から供給された送信データに基づいてネットワークパケットPを生成し、生成したネットワークパケットPをネットワーク通信部11に供給するようになっている。
【0028】
処理部20は、無線通信モジュール10が受信したネットワークパケットPに基づいて、処理を行うように構成される。処理部20は、電力モード設定部21と、操作部22と、表示部23と、画像形成部24と、記憶部25と、制御部30とを有している。
【0029】
電力モード設定部21は、画像形成装置1における電力モードMを設定するように構成される。電力モード設定部21は、通常モードM1では、電源部9から供給された電源電圧を、処理部20の各ブロックに供給する。また、電力モード設定部21は、スリープモードM2では、電源部9から供給された電源電圧の、処理部20の各ブロックへの供給を停止させる。電力モード設定部21は、例えば、通常モードM1において画像形成装置1が画像形成動作を行った後に所定の時間が経過した場合に、電力モードMを通常モードM1からスリープモードM2に移行させる。また、電力モード設定部21は、無線通信モジュール10から復帰コマンドCMDが供給された場合に、電力モードMをスリープモードM2から通常モードM1に移行させるようになっている。
【0030】
操作部22は、ユーザ操作を受け付けるように構成される。操作部22は、例えば、各種ボタン、タッチパネルなどを用いて構成される。
【0031】
表示部23は、画像形成装置1の動作状態などを表示するように構成される。表示部23は、例えば液晶ディスプレイ、各種インジケータなどを用いて構成される。
【0032】
画像形成部24は、画像形成装置1が印刷データを受信した場合に、制御部30からの指示に基づいて、紙などの記録媒体に画像を形成する画像形成動作を行うように構成される。
【0033】
記憶部25は、例えばファームウェアや、各種設定情報を記憶するように構成される。記憶部25は、例えば半導体メモリを用いて構成される。記憶部25は、条件データD1を記憶している。条件データD1は、判定テーブル記憶部12に登録される判定条件についての情報を含んでいる。この条件データD1は、制御部30のテーブル登録部33(後述)が判定テーブルTを判定テーブル記憶部12に登録する際に使用される。
【0034】
図4は、条件データD1の一例を表すものである。条件データD1は、複数の判定条件を含んでいる。また、条件データD1は、複数の判定条件のそれぞれが判定テーブルT1に含まれるべき判定条件であるか、判定テーブルT2に含まれるべき判定条件であるかを示す情報を含んでいる。例えば、“T1”の欄において“〇”が付されている判定条件は、判定テーブルT1に含まれるべき判定条件であり、“T2”の欄において“〇”が付されている判定条件は、判定テーブルT2に含まれるべき判定条件である。
【0035】
制御部30は、画像形成装置1の動作を制御するように構成される。制御部30は、例えば、プログラムを実行可能なプロセッサやRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。制御部30は、例えば、パケット処理部13から印刷データが供給された場合には、画像形成装置1が画像形成動作を行うように、各ブロックの動作を制御する。制御部30は、入力処理部31と、表示処理部32と、テーブル登録部33とを有している。
【0036】
入力処理部31は、操作部22に対するユーザ操作や、画像形成装置1と通信を行うパーソナルコンピュータ100に対するユーザ操作を受け付ける入力処理を行うように構成される。
【0037】
表示処理部32は、表示部23や、画像形成装置1と通信を行うパーソナルコンピュータ100の表示部に表示する表示情報を生成する表示処理を行うように構成される。
【0038】
テーブル登録部33は、記憶部25に記憶された条件データD1を利用して、ユーザの選択操作に基づいて複数の判定情報を判定テーブルTに登録することにより、判定テーブルTを、無線通信モジュール10の判定テーブル記憶部12に登録するように構成される。
【0039】
ここで、ネットワーク通信部11は、本発明における「通信部」の一具体例に対応する。パケット処理部13および判定テーブル記憶部12は、本発明における「判定部」の一具体例に対応する。電力モード設定部21は、本発明における「電力モード設定部」の一具体例に対応する。入力処理部31は、本発明における「入力処理部」の一具体例に対応する。表示処理部32は、本発明における「表示処理部」の一具体例に対応する。テーブル登録部33は、本発明における「登録部」の一具体例に対応する。ネットワークパケットPは、本発明における「通信パケット」の一具体例に対応する。通常モードM1は、本発明における「第1の電力モード」の一具体例に対応する。スリープモードM2は、本発明における「第2の電力モード」の一具体例に対応する。判定テーブルTは、本発明における「判定条件情報」の一具体例に対応する。
【0040】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の画像形成装置1の動作および作用について説明する。
【0041】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、画像形成装置1の全体動作概要を説明する。電源部9は、例えば系統電源から供給された交流電力に基づいて直流の各種電源電圧を生成し、生成した電源電圧を無線通信モジュール10および処理部20に供給する。無線通信モジュール10は、ネットワーク機器との間で、無線LANを用いて通信を行う。処理部20は、無線通信モジュール10が受信したネットワークパケットPに基づいて、処理を行う。例えば、無線通信モジュール10が印刷データを含むネットワークパケットPを受信した場合には、処理部20は、紙などの記録媒体に、その印刷データに応じた画像を形成する。また、例えば、無線通信モジュール10がIPPの装置情報取得コマンドを含むネットワークパケットPを受信した場合には、処理部20は、そのコマンドに対応するレスポンスを返す処理を行う。処理部20の電力モード設定部21は、画像形成装置1における電力モードMを設定する。電力モード設定部21は、通常モードM1では、電源部9から供給された電源電圧を、処理部20の各ブロックに供給する。また、電力モード設定部21は、スリープモードM2では、電源部9から供給された電源電圧の、処理部20の各ブロックへの供給を停止させる。
【0042】
(詳細動作)
画像形成装置1は、まず、電力モードMが通常モードM1である場合において、ユーザ操作に基づいて、判定テーブルTを、無線通信モジュール10の判定テーブル記憶部12に登録する。以下に、この動作について詳細に説明する。
【0043】
例えば、ユーザが操作部22を操作すると、制御部30の入力処理部31が、そのユーザ操作を受け付け、表示処理部32は、そのユーザ操作に基づいて、画像形成装置1の設定を行うためのメニュー画面情報を生成し、表示部23は、このメニュー画面情報に基づいてメニュー画面を表示する。ユーザは、表示されたメニュー画面を見ながら操作部22に対する操作を行い、入力処理部31が、そのユーザ操作を受け付ける。そして、表示処理部32は、判定テーブルTについての設定画面情報を生成し、表示部23は、この設定画面情報に基づいて設定画面A1を表示する。
【0044】
図5は、設定画面A1の一例を表すものである。この設定画面A1は、2つのラジオボタンB1と、OKボタンB2と、キャンセルボタンB3とを含んでいる。2つのラジオボタンB1は、画像形成装置1が接続されたネットワークNETにおいて、IPv4の通信およびIPv6の通信のうちのどちらがよく行われるかを、ユーザが選択するボタンである。2つのラジオボタンB1のうちの一方が、ユーザにより選択される。IPv4の通信がよく行われる場合には、“Type1”に係るラジオボタンB1が操作され、IPv6の通信がよく行われる場合には、“Type2”に係るラジオボタンB1が操作される。OKボタンB2は、この設定画面A1における設定を適用する場合にユーザが操作するボタンである。キャンセルボタンB3は、この設定画面A1における設定をキャンセルする場合にユーザが操作するボタンである。
【0045】
入力処理部31は、設定画面A1に対するユーザの選択操作を受け付ける。そして、テーブル登録部33は、その選択操作に基づいて、判定テーブルTを無線通信モジュール10の判定テーブル記憶部12に登録する。具体的には、ユーザが“Type1”に係るラジオボタンB1を選択した場合には、ネットワークNETにおいてIPv4の通信がよく行われるので、テーブル登録部33は、記憶部25に記憶された条件データD1(図4)における、判定テーブルT1に含まれるべき判定条件に基づいて、判定テーブルT1を判定テーブル記憶部12に登録する。また、ユーザが“Type2”に係るラジオボタンB1を選択した場合には、ネットワークNETにおいてIPv6の通信がよく行われるので、テーブル登録部33は、記憶部25に記憶された条件データD1における、判定テーブルT2に含まれるべき判定条件に基づいて、判定テーブルT2を判定テーブル記憶部12に登録する。また、記憶部25は、判定テーブルT1,T2のうちのどちらが登録されたかを設定情報として記憶する。
【0046】
そして、これ以降、テーブル登録部33は、画像形成装置1の電源が投入される度に、記憶部25に記憶された設定情報および条件データD1に基づいて、無線通信モジュール10の判定テーブル記憶部12に判定テーブルTを登録する。
【0047】
この例では、ユーザは操作部22に対して操作を行うようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザは、画像形成装置1と通信を行うパーソナルコンピュータ100の操作部を操作してもよい。この例では、ユーザがパーソナルコンピュータ100の操作部を操作すると、画像形成装置1の入力処理部31が、無線通信モジュール10を介して、そのユーザの操作を受け付ける。そして、表示処理部32は、判定テーブルTについての設定画面情報を生成し、無線通信モジュール10が、その設定画面情報をパーソナルコンピュータ100に送信する。パーソナルコンピュータ100の表示部は、この設定画面情報に基づいて図5に示したような設定画面を表示する。ユーザが、その設定画面に対して選択操作を行うと、画像形成装置1の入力処理部31は、そのユーザの選択操作を受け付ける。そして、テーブル登録部33は、その選択操作に基づいて、判定テーブルTを無線通信モジュール10の判定テーブル記憶部12に登録する。
【0048】
このようにして、無線通信モジュール10の判定テーブル記憶部12に判定テーブルT が登録される。その後、画像形成装置1は、ネットワークパケットPを受信すると、そのネットワークパケットPに応じた処理を行う。以下に、この動作について詳細に説明する。
【0049】
図6は、画像形成装置1の一動作例を表すものである。
【0050】
まず、パケット処理部13は、ネットワーク通信部11がネットワークパケットPを受信したかどうかを確認する(ステップS101)。まだネットワークパケットPを受信していない場合(ステップS101において“N”)には、ネットワークパケットPを受信するまでこのステップS101を繰り返す。
【0051】
ネットワーク通信部11がネットワークパケットPを受信した場合(ステップS102において“Y”)には、パケット処理部13は、電力モードMがスリープモードM2であるかどうかを確認する(ステップS102)。
【0052】
ステップS102において、電力モードMがスリープモードM2である場合(ステップS102において“Y”)には、パケット処理部13は、ステップS101において受信したネットワークパケットPが、判定テーブル記憶部12に登録された判定テーブルTに含まれる複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当するかどうかを確認する(ステップS103)。
【0053】
ステップS103において、ネットワークパケットPが、複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当する場合(ステップS103において“Y”)には、画像形成装置1は、電力モードMをスリープモードM2から通常モードM1に復帰させる(ステップS104)。具体的には、パケット処理部13は、スリープモードM2から通常モードM1への移行を指示する復帰コマンドCMDを生成する。そして、電力モード設定部21は、この復帰コマンドCMDに基づいて、画像形成装置1の電力モードMをスリープモードM2から通常モードM1に移行させる。これにより、処理部20は動作を開始する。
【0054】
そして、画像形成装置1は、ステップS101において受信したネットワークパケットPに応じた処理を行う(ステップS105)。具体的には、パケット処理部13は、処理部20が動作を開始した後に、そのネットワークパケットPに含まれる受信データを処理部20に供給する。処理部20の制御部30は、この受信データに基づいて、ネットワークパケットPに応じた処理を行う。そして、このフローは終了する。
【0055】
ステップS103において、ネットワークパケットPが、複数の判定条件のうちのいずれにも該当しない場合(ステップS103において“N”)には、画像形成装置1は、ステップS101において受信したネットワークパケットPを破棄する(ステップS106)。すなわち、画像形成装置1は、ネットワークパケットPを受け捨てる。そして、このフローは終了する。
【0056】
ステップS102において、電力モードMが通常モードM1である場合(ステップS102において“N”)には、画像形成装置1は、ステップS101において受信したネットワークパケットPに応じた処理を行う(ステップS107)。具体的には、パケット処理部13は、そのネットワークパケットPに含まれる受信データを処理部20に供給する。処理部20の制御部30は、この受信データに基づいて、ネットワークパケットPに応じた処理を行う。
【0057】
以上で、このフローは終了する。
【0058】
このように、画像形成装置1では、ユーザ操作に基づいて、判定テーブルTに複数の判定条件を登録するようにした。これにより、例えば、図5に示したように、画像形成装置1が接続されたネットワークNETにおいて、IPv4の通信がよく行われる場合には判定テーブルT1を登録し、IPv6の通信がよく行われる場合には判定テーブルT2を登録することができる。よって、例えばIPv4の通信がよく行われる環境では、スリープモードM2においてIPv4のネットワークパケットPを受信した場合に、スリープモードM2から通常モードM1に復帰し、スリープモードM2においてIPv6のネットワークパケットPを受信した場合にはスリープモードM2に維持されるようにすることができる。このように、画像形成装置1では、ユーザ操作に基づいて、例えば画像形成装置1の使用環境に合った判定条件を登録することができるので、消費電力を効果的に低減することができる。
【0059】
また、画像形成装置1では、スリープモードM2において受信したネットワークパケットPが、複数の判定条件のうちの少なくとも1つに該当する場合には、電力モードMをスリープモードM2から通常モードM1に復帰させた後に、そのネットワークパケットPに応じた処理を行い、複数の判定条件のうちのいずれにも該当しない場合には、そのネットワークパケットPを破棄するようにしたので、必要なネットワークパケットPに基づいて処理を行うことができるため、ネットワークパケットPに応じた処理を効果的に行うことができる。
【0060】
また、画像形成装置1では、2つの判定テーブルT1,T2のうちの1つを選択する選択操作を受け付け、その選択操作により選択された判定テーブルに含まれる選択された複数の判定条件を、判定テーブルTに登録するようにした。特に、この選択操作は、図5に示したように、ネットワークNETにおいて主にやりとりされるネットワークパケットPのパケット種別を選択する操作を含むようにした。これにより、画像形成装置1では、ユーザの手間を抑えつつ、適切な判定条件を登録選択することができる。
【0061】
[効果]
以上のように本実施の形態では、ユーザ操作に基づいて、判定テーブルに複数の判定条件を登録するようにしたので、消費電力を効果的に低減することができる。
【0062】
本実施の形態では、2つの判定テーブルのうちの1つを選択する選択操作を受け付け、その選択操作により選択された判定テーブルに含まれる選択された複数の判定条件を、判定テーブルに登録するようにした。特に、この選択操作は、ネットワークにおいて主にやりとりされるネットワークパケットのパケット種別を選択する操作を含むようにした。これにより、ユーザの手間を抑えつつ、適切な判定条件を登録することができる。
【0063】
[変形例1-1]
上記実施の形態では、図5に示した設定画面A1に対するユーザの選択操作に基づいて選択された判定テーブルTをそのまま判定テーブル記憶部12に登録するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、図7に示す設定画面A2のように、ユーザが、登録する判定条件をカスタマイズすることができるようにしてもよい。この設定画面A2は、13個のチェックボックスB4と、OKボタンB5と、キャンセルボタンB6とを含んでいる。13個のチェックボックスB4は、13個の判定条件のうちの登録する判定条件を、ユーザが選択するためのものである。この13個の判定条件は、条件データD1(図4)に記憶された13個の判定条件である。この例では、ユーザは、13個のチェックボックスB4のうち9つまで選択することができる。OKボタンB5は、この設定画面A2における設定を適用する場合にユーザが操作するボタンである。キャンセルボタンB6は、この設定画面A2における設定をキャンセルする場合にユーザが操作するボタンである。
【0064】
この例では、テーブル登録部33は、まず、上記実施の形態の場合と同様に、図5に示した設定画面A1に対するユーザの選択操作に基づいて、2つの判定テーブルT1,T2のうちの、判定テーブルT1を選択する。そして、その後に、表示処理部32は、図7に示す設定画面A2についての設定画面情報を生成する。この例では、ユーザ操作により判定テーブルT1が選択されているので、図7に示したように、この判定テーブルT1に含まれる9つの判定条件についての記載が太字で強調されて表示される。ユーザは、例えば操作部22を用いてチェックボックスB4を操作することにより、登録すべき判定条件を選択する。入力処理部31は、この設定画面A2において、ユーザによる条件選択操作を受け付ける。そして、テーブル登録部33は、このようにして選択された判定条件を、判定テーブルTとして判定テーブル記憶部12に登録する。
【0065】
[変形例1-2]
上記実施の形態では、判定テーブル記憶部12に登録される判定テーブルTは9つの判定条件を含むようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、さらに、9つの判定条件のそれぞれの有効または無効を示すフラグ情報を含んでいてもよい。図8は、本変形例に係る判定テーブルT1の一例を表すものである。なお、判定テーブルT2についても同様である。判定テーブルT1は、この例では、9つの判定条件と、9つのフラグとを含んでいる。9つのフラグは、9つの判定条件とそれぞれ対応づけられている。9つのフラグのそれぞれは、対応する判定条件の有効または無効を示す。この例では、“1”は有効を示し、“0”は無効を示す。この例では、サービス“IPv4”,“IPv6”,“Bonjour”,“SNMP”,“WindowsRally”,“NBT”,“プロトコルABC”の判定条件が“有効”に設定され、サービス“802.1X”の判定条件が“無効”に設定されている。この例では、パケット処理部13は、ネットワークパケットPが、判定テーブル記憶部12に記憶されたこのような判定テーブルT1に含まれる、“有効”に設定された8つの判定条件のうちの少なくとも1つに該当した場合に、スリープモードM2から通常モードM1への移行を指示する復帰コマンドCMDを生成する。ここで、フラグは、本発明における「有効情報」の一具体例に対応する。
【0066】
ユーザは、例えば図9に示す設定画面A3を用いて、判定テーブル記憶部12に登録される判定テーブルTにおける9つの判定条件のそれぞれを有効または無効にすることができる。この設定画面A3は、9個のチェックボックスB7と、OKボタンB8と、キャンセルボタンB9とを含んでいる。9個のチェックボックスB7は、9個の判定条件のうちの“有効”にする判定条件を、ユーザが選択するためのものである。OKボタンB8は、この設定画面A3における設定を適用する場合にユーザが操作するボタンである。キャンセルボタンB9は、この設定画面A3における設定をキャンセルする場合にユーザが操作するボタンである。
【0067】
この例では、テーブル登録部33は、まず、上記実施の形態の場合と同様に、図5に示した設定画面A1に対するユーザの選択操作に基づいて、2つの判定テーブルT1,T2のうちの、判定テーブルT1を選択する。そして、その後に、表示処理部32は、図9に示す設定画面A3についての設定画面情報を生成する。この例では、ユーザ操作により判定テーブルT1が選択されているので、図9に示したように、この判定テーブルT1に含まれる9つの判定条件についての記載が表示される。ユーザは、例えば操作部22を用いてチェックボックスB7を操作することにより、“有効”にする判定条件を選択する。この例では、サービス“IPv4”,“IPv6”,“Bonjour”,“SNMP”,“WindowsRally”,“NBT”,“プロトコルABC”の判定条件が“有効”に設定され、サービス“802.1X”の判定条件が“無効”に設定される。入力処理部31は、この設定画面A3において、ユーザによる選択操作を受け付ける。そして、テーブル登録部33は、これらの9つの判定条件と、9つのフラグとを、判定テーブルTとして判定テーブル記憶部12に登録する。このようにして、判定テーブル記憶部12に、図8に示した判定テーブルT1が登録される。
【0068】
この例では、9つのフラグに基づいて、有効または無効にする判定条件を特定するようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、有効にする判定条件を示す情報に基づいて、有効または無効にする判定条件を特定してもよい。また、無効にする判定条件を示す情報に基づいて、有効または無効にする判定条件を特定してもよい。
【0069】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る画像形成装置2について説明する。本実施の形態は、画像形成装置2が受信したネットワークパケットPの履歴情報に基づいて、ユーザが選択した判定テーブルTが適切であるかどうかを確認するものである。なお、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0070】
図10は、画像形成装置2の一構成例を表すものである。画像形成装置2は、処理部40と、記憶部45とを備えている。
【0071】
処理部40は、制御部50を有している。制御部50は、履歴管理部54と、警告処理部55とを有している。
【0072】
履歴管理部54は、電力モードMが通常モードM1である場合に無線通信モジュール10が受信したネットワークパケットPの履歴を、記憶部45に記憶された履歴データD2を用いて管理するように構成される。
【0073】
警告処理部55は、履歴データD2に基づいて、推奨される判定テーブルTを決定し、ユーザが選択した判定テーブルTが、推奨される判定テーブルTと異なる場合に、ユーザに警告する警告処理を行うように構成される。
【0074】
記憶部45は、履歴データD2を記憶している。履歴データD2は、電力モードMが通常モードM1である場合に無線通信モジュール10が受信したネットワークパケットPの履歴についての情報を含んでいる。
【0075】
図11は、履歴データD2の一構成例を表すものである。この例では、履歴データD2は、各サービスにおける、IPv4のネットワークパケットPの受信回数についての情報と、IPv6のネットワークパケットPの受信回数についての情報とを含んでいる。
【0076】
ここで、履歴管理部54は、本発明における「履歴管理部」の一具体例に対応する。警告処理部55は、本発明における「警告処理部」の一具体例に対応する。履歴データD2は、本発明における「受信履歴情報」の一具体例に対応する。
【0077】
図12は、画像形成装置2の一動作例を表すものである。ステップS101~S107は、上記第1の実施の形態の場合(図6)と同様である。
【0078】
ステップS102において、電力モードMが通常モードM1である場合(ステップS102において“N”)には、履歴管理部54は、ステップS101において受信したネットワークパケットPに基づいて履歴データD2を更新する(ステップS207)。
【0079】
そして、画像形成装置2は、ステップS101において受信したネットワークパケットPに応じた処理を行う(ステップS107)。以上で、このフローは終了する。
【0080】
警告処理部55は、履歴データD2に基づいて、推奨される判定テーブルTを判断し、ユーザが選択した判定テーブルTが、推奨される判定テーブルTと異なる場合に、警告処理を行う。この例では、警告処理部55は、電力モードMが通常モードM1からスリープモードM2に移行する場合(ケースC1)や、ユーザが判定テーブル記憶部12に登録する判定テーブルTを選択する場合(ケースC2)に、ユーザが選択した判定テーブルTが、推奨される判定テーブルTと一致するかどうかを確認する。以下に、これらのケースC1,C2について詳細に説明する。
【0081】
(ケースC1)
図13は、電力モードMが通常モードM1からスリープモードM2に移行する場合における画像形成装置2の一動作例を表すものである。
【0082】
まず、警告処理部55は、電力モード設定部21が、通常モードM1からスリープモードM2への移行判断を行ったかどうかを確認する(ステップS211)。電力モード設定部21は、例えば、通常モードM1において画像形成装置2が画像形成動作を行った後に所定の時間が経過した場合に、通常モードM1からスリープモードM2への移行判断を行う。電力モード設定部21がスリープモードM2への移行判断を行っていない場合(ステップS211において“N”)には、スリープモードM2への移行判断を行うまでこのステップS211を繰り返す。
【0083】
ステップS211において、電力モード設定部21がスリープモードM2への移行判断を行った場合(ステップS211において“Y”)には、警告処理部55は、履歴データD2に基づいて、推奨される判定テーブルTを決定する(ステップS212)。具体的には、例えば、履歴データD2において、IPv4のネットワークパケットPの受信回数の合計値が、IPv6のネットワークパケットPの受信回数の合計値よりも大きい場合には、警告処理部55は、ネットワークNETにおいてIPv4の通信がよく行われると判断し、判定テーブルT1を、推奨される判定テーブルTとして決定する。また、例えば、履歴データD2において、IPv6のネットワークパケットPの受信回数の合計値が、IPv4のネットワークパケットPの受信回数の合計値よりも大きい場合には、警告処理部55は、ネットワークNETにおいてIPv6の通信がよく行われると判断し、判定テーブルT2を、推奨される判定テーブルTとして決定する。
【0084】
次に、警告処理部55は、判定テーブル記憶部12に登録されている、ユーザ操作に基づいて選択された判定テーブルTが、ステップS212において推奨された判定テーブルTと一致するかどうかを確認する(ステップS213)。例えば、判定テーブル記憶部12に判定テーブルT1(Type1)が登録され、判定テーブルT1(Type1)が推奨された場合や、判定テーブル記憶部12に判定テーブルT2(Type2)が登録され、判定テーブルT2(Type2)が推奨された場合には、判定テーブルTは一致する。また、判定テーブル記憶部12に判定テーブルT1(Type1)が登録され、判定テーブルT2(Type2)が推奨された場合や、判定テーブル記憶部12に判定テーブルT2(Type2)が登録され、判定テーブルT1(Type1)が推奨された場合には、判定テーブルTは一致しない。ユーザ操作に基づいて選択された判定テーブルTが、推奨された判定テーブルTと一致する場合(ステップS213において“Y”)には、ステップS215の処理に進む。
【0085】
ステップS213において、ユーザ操作に基づいて選択された判定テーブルTが、推奨された判定テーブルTと一致しない場合(ステップS213において“N”)には、警告処理部55は警告処理AL1を行う(ステップS214)。
【0086】
図14は、警告処理AL1の一例を表すものである。この例では、警告処理部55は、無線通信モジュール10が、画像形成装置2にあらかじめ登録された、画像形成装置2の管理者の電子メールアドレスに対して警告メッセージを含む電子メールを送信するように、警告処理を行う。この警告メッセージは、この例では、図11に示した履歴データD2についての情報を含んでいる。
【0087】
この例では、判定テーブル記憶部12に判定テーブルT2(Type2)が登録されている。また、履歴データD2において、IPv4のネットワークパケットPの受信回数の合計値は23(=3+8+10+2)であり、IPv6のネットワークパケットPの受信回数の合計値は10(=4+5+1+0)であるので、警告処理部55は、ネットワークNETにおいてIPv4の通信がよく行われると判断し、判定テーブルT1(Type1)を、推奨される判定テーブルTとして決定する。すなわち、ユーザ操作に基づいて選択された判定テーブルT2(Type2)は、推奨された判定テーブルT1(Type1)と一致しない。よって、警告メッセージは、判定テーブル記憶部12の判定テーブルTを判定テーブルT1(Type1)に変更すべき旨のメッセージを含む。
【0088】
なお、この例では、電子メールを用いてユーザに警告を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、表示部23に警告メッセージを表示してもよいし、パーソナルコンピュータ100の表示部に警告メッセージを表示してもよい。
【0089】
そして、電力モード設定部21は、電力モードMを通常モードM1からスリープモードM2に移行させる(ステップS215)。
【0090】
以上で、このフローは終了する。
【0091】
(ケースC2)
図15は、ユーザが判定テーブル記憶部12に登録する判定テーブルTを選択する場合における画像形成装置2の一動作例を表すものである。
【0092】
まず、画像形成装置2は、図5に示した設定画面A1における、ユーザの選択操作を受け付ける(ステップS221)。
【0093】
次に、警告処理部55は、履歴データD2に基づいて、推奨される判定テーブルTを決定する(ステップS222)。
【0094】
次に、警告処理部55は、ステップS221におけるユーザ操作に基づいて選択された判定テーブルTが、ステップS222において推奨された判定テーブルTと一致するかどうかを確認する(ステップS223)。ユーザ操作に基づいて選択された判定テーブルTが、推奨された判定テーブルTと一致する場合(ステップS223において“Y”)には、ステップS226の処理に進む。
【0095】
ステップS223において、ユーザ操作に基づいて選択された判定テーブルTが、推奨された判定テーブルTと一致しない場合(ステップS223において“N”)には、警告処理部55は警告処理AL2を行う(ステップS224)。
【0096】
図16は、警告処理AL2の一例を表すものである。この例では、警告処理部55は、パーソナルコンピュータ100の表示部が警告メッセージを表示するように、警告処理を行っている。この例では、ステップS221におけるユーザ操作により、判定テーブルT2(Type2)が、判定テーブル記憶部12に登録される判定テーブルTとして選択されている。また、この例では、警告処理部55は、ネットワークNETにおいてIPv4の通信がよく行われると判断し、判定テーブルT1(Type1)を、推奨される判定テーブルTとして決定する。すなわち、ユーザ操作に基づいて選択された判定テーブルT2(Type2)は、推奨された判定テーブルT1(Type1)と一致しない。よって、よって、警告メッセージは、推奨設定がType1である旨のメッセージと、本当にType2に変更するかどうかを確認するメッセージを含む。この例では、ユーザが“パケット受信履歴の詳細を見る”の部分を操作すると、パーソナルコンピュータ100の表示部は、図11に示した履歴データD2についての情報を表示する。OKボタンB10は、ステップS221における選択操作により設定変更を行う場合にユーザが操作するボタンである。キャンセルボタンB11は、この設定変更をキャンセルする場合にユーザが操作するボタンである。
【0097】
ユーザは、例えばパーソナルコンピュータ100の操作部を操作することにより、OKボタンB10またはキャンセルボタンB11を操作する。画像形成装置2の入力処理部31は、このユーザ操作を受け付ける。
【0098】
次に、警告処理部55は、入力処理部31が、設定変更を行う旨の操作を受け付けたかどうかを確認する(ステップS225)。OKボタンB10の操作は、設定変更を行う旨の操作であり、キャンセルボタンB11の操作は、設定変更をキャンセルする旨の操作である。入力処理部31が、設定変更をキャンセルする旨の操作を受け付けた場合(ステップS225において“N”)には、このフローは終了する。
【0099】
ステップS225において、入力処理部31が、設定変更を行う旨の操作を受け付けた場合(ステップS225において“Y”)には、テーブル登録部33は、ステップS221において受け付けた選択操作に応じた判定テーブルTを、判定テーブル記憶部12に登録する(ステップS226)。
【0100】
以上で、このフローは終了する。
【0101】
このように、画像形成装置2では、履歴データD2に基づいて、2つの判定テーブルT1,T2のうちの1つを、推奨される判定テーブルTとして決定し、ユーザの選択操作により選択された判定テーブルTと、推奨される判定テーブルTとが互いに一致しない場合に警告処理を行うようにした。これにより、画像形成装置2は、履歴データD2に基づいて、ネットワークNETにおいてIPv4の通信およびIPv6の通信のうちのどちらがよく行われるかを把握することができるので、判定テーブルT1,T2のうちのどちらが適切であるかを判断することができる。そして、例えば、ネットワークNETにおいてIPv4の通信がよく行われる場合において、ユーザが、IPv6に対応する判定テーブルT2を選択した場合に、ユーザに対して、例えば、IPv4に対応する判定テーブルT1を選択すべきことを伝えることができる。その結果、画像形成装置2では、例えば画像形成装置2の使用環境に合った判定条件を登録することができるので、消費電力を効果的に低減することができる。
【0102】
すなわち、例えば、ユーザの選択操作に基づいて、判定テーブルT1(Type1)が判定テーブル記憶部12に登録された場合において、ネットワーク通信部11が、スリープモードM2において、例えばプロトコルタイプがIPv6であるSNMPのネットワークパケットPを受信した場合には、そのネットワークパケットPは破棄されてしまう。このネットワークパケットPが本当に不要なものであれば、この破棄する処理は、省電力の観点からは望ましいが、実は必要なものである場合もあり得る。また、管理者が、ネットワークについての知識に乏しい場合には、このような問題をすぐに解決することは難しい。画像形成装置2では、履歴データD2に基づいて、2つの判定テーブルT1,T2のうちの1つを、推奨される判定テーブルTとして決定する。よって、画像形成装置2では、例えば画像形成装置2の使用環境に合った判定条件を登録することができるので、消費電力を効果的に低減することができる。
【0103】
以上のように本実施の形態では、履歴データに基づいて、2つの判定テーブルのうちの1つを、推奨される判定テーブルとして決定し、ユーザの選択操作により選択された判定テーブルと、推奨される判定テーブルとが互いに一致しない場合に警告処理を行うようにしたので、消費電力を効果的に低減することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0104】
[変形例2-1]
上記実施の形態では、履歴データD2は、各サービスにおける、IPv4のネットワークパケットPの受信回数についての情報と、IPv6のネットワークパケットPの受信回数についての情報とを含むようにしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、履歴データD2は、各サービスにおける、IPv4のネットワークパケットPを受信したことがあるかどうかについての情報と、IPv6のネットワークパケットPを受信したことがあるかどうかについての情報とを含んでもよい。
【0105】
[変形例2-2]
上記実施の形態に係る画像形成装置2に、上記第1の実施の形態の各変形例を適用してもよい。
【0106】
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0107】
例えば、上記の各実施の形態では、画像形成装置1,2は無線通信モジュール10を備えるようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばネットワーク機器との間で、有線LANを用いて通信を行う通信モジュールを備えていてもよい。
【0108】
例えば、上記の実施の形態等では、本技術を単機能のプリンタに適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、コピー機能、ファックス機能、スキャン機能、プリント機能などを有する、いわゆる多機能周辺装置(MFP;Multi Function Peripheral)に適用してもよい。
【0109】
例えば、上記の実施の形態等では、本技術を画像形成装置に適用したが、これに限定されるものではなく、通信を行う様々な情報処理装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0110】
1,2…画像形成装置、9…電源部、10…無線通信モジュール、11…ネットワーク通信部、12…判定テーブル記憶部、13…パケット処理部、20…処理部、21…電力モード設定部、22…操作部、23…表示部、24…画像形成部、25,45…記憶部、30,50…制御部、31…入力処理部、32…表示処理部、33…テーブル登録部、54…履歴管理部、55…警告処理部、100…パーソナルコンピュータ、A1~A3…設定画面、AL1,AL2…警告処理、D1…条件データ、D2…履歴データ、M…電力モード、M1…通常モード、M2…スリープモード、NET…ネットワーク、P…ネットワークパケット、T,T1,T2…判定テーブル。
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