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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】車両用ブリーザ装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/027 20120101AFI20231108BHJP
   H02K 5/10 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
F16H57/027
H02K5/10 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020041405
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021143694
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 和明
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-127139(JP,A)
【文献】特開2009-106024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/027
H02K 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内空間とケース外空間との間で吸気および排気が可能な車両用ブリーザ装置であって、
前記ケース内空間と連通する連通孔が形成されたブリーザ本体と、
前記ブリーザ本体の前記ケース外空間側において前記連通孔の開口縁を覆うキャップと、
前記キャップ内において、前記開口縁上に順に配置された第1弁部材および第2弁部材を備え、
前記第1弁部材には前記連通孔と連通する貫通孔が形成され、
前記第2弁部材には、前記第1弁部材の前記ケース外空間側に隙間を隔てて前記第1弁部材側に変位可能な吸気弁部が一体に設けられ、
前記吸気弁部は、吸気時の差圧によって前記隙間が無くなるまで前記第1弁部材側に変位させられることで前記貫通孔を塞ぐ
ことを特徴とする車両用ブリーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のブリーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トランスミッションケースやトランスアクスルケース等の、動力伝達機構を収容するケースの内部空間及び外部空間の気圧差を解消するための車両用ブリーザ装置であって、吸気及び排気の両方が可能な車両用ブリーザ装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載されたブリーザ装置がそれである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-106024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のブリーザ装置は、吸気弁にかかる圧力が大きくなるとコイルばねが縮んで吸気がおこなわれる。このため、例えば、浸水路の走行時などにケースが水を被り冷却されてしまった時にケース内に負圧が発生し吸気弁が開いて急な吸気が起こり、水を空気と一緒に吸い込んでしまう可能性が考えられる。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、吸気及び排気が可能であって、急な吸気が起こった時に吸気を停止できる車両用ブリーザ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨とするところは、(1)ケース内空間とケース外空間との間で吸気および排気が可能な車両用ブリーザ装置であって、(2)前記ケース内空間と連通する連通孔が形成されたブリーザ本体と、(3)前記ブリーザ本体の前記ケース外空間側において前記連通孔の開口縁を覆うキャップと、(4)前記キャップ内において、前記開口縁上に順に配置された第1弁部材および第2弁部材を備え、(5)前記第1弁部材には前記連通孔と連通する貫通孔が形成され、(6)前記第2弁部材には、前記第1弁部材の前記ケース外空間側に隙間を隔てて前記第1弁部材側に変位可能な吸気弁部が一体に設けられ、(7)前記吸気弁部は、吸気時の差圧によって前記隙間が無くなるまで前記第1弁部材側に変位させられることで前記貫通孔を塞ぐことにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明の車両用ブリーザ装置によれば、前記第1弁部材には前記連通孔と連通する貫通孔が形成され、前記第2弁部材には、前記第1弁部材の前記ケース外空間側に隙間を隔てて前記第1弁部材側に変位可能な吸気弁部が一体に設けられ、前記吸気弁部は、吸気時の差圧によって前記隙間が無くなるまで前記第1弁部材側に変位させられることで前記貫通孔を塞ぐ。このため、吸気および排気が可能な車両用ブリーザ装置において、第1弁部材と吸気弁部との隙間が閉じるような急な吸気が起こった場合には、第1弁部材の貫通孔が吸気弁部で塞がれるので吸気を停止することができる。
【0008】
ここで、好適には、前記第2弁部材には吸気孔が形成され、前記第2弁部材は前記吸気弁部を前記第1弁部材側に変位可能に前記吸気孔の内周に接続する吸気弁接続部を一体に有し、前記吸気弁部は、前記吸気孔の内部に設けられて前記貫通孔より大きい。このため、簡便な構成で第1弁部材の貫通孔を吸気弁部で塞ぐことができる。
【0009】
また、好適には、前記隙間を通過する空気の吸気速度が所定値より低い場合は前記吸気弁部が前記貫通孔を塞がないが、前記隙間を通過する空気の吸気速度が所定値以上の場合には、前記吸気弁部が前記貫通孔を塞ぐ。このため、吸気速度が比較的遅い場合は吸気可能とし、吸気速度が比較的早い場合は吸気不可能とすることができる。
【0010】
また、好適には、前記キャップ内において、前記開口縁上に前記第2弁部材、前記第1弁部材、第3弁部材が順に配置され、前記第3弁部材には、前記第1弁部材の前記ケース外空間側に隙間を隔てて前記第1弁部材側に変位可能な排気弁部が一体に設けられ、前記排気弁部は、排気時の差圧によって前記隙間が無くなるまで前記第1弁部材側に変位させられることで前記貫通孔を塞ぐ。このため、吸気および排気が可能な車両用ブリーザ装置において、隙間が無くなるような急な排気が起こった場合には排気を停止することができる。
【0011】
また、好適には、前記第2弁部材は、前記貫通孔と重ならない位置に吸気孔を有し、前記吸気弁部は中央がケース外空間側に膨らんだシート状部材である。このため、簡便な構成で第1弁部材の貫通孔を吸気弁部で塞ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例である車両用ブリーザ装置の断面図である。
図2図1の車両用ブリーザ装置における第1弁部材を示す平面図である。
図3図1の車両用ブリーザ装置における第2弁部材を示す平面図である。
図4図1の車両用ブリーザ装置における第1スペーサを示す平面図である。
図5図1の車両用ブリーザ装置の中心軸線C1を通る断面図であって、吸気弁子が貫通孔を閉じた状態を示す図である。
図6図1の車両用ブリーザ装置の中心軸線C1を通る断面図であって、排気時の状態を示す図である。
図7図1の状態における車両用ブリーザ装置の第1弁部材、第1スペーサ、及び、第2弁部材のみを拡大して示す断面図である。
図8図5の状態における車両用ブリーザ装置の第1弁部材、第1スペーサ、及び、第2弁部材のみを拡大して示す断面図である。
図9】本発明の他の実施例の車両用ブリーザ装置の断面を示す図であって、図1に対応する図である。
図10図9の車両用ブリーザ装置における第3弁部材を示す平面図である。
図11図9の車両用ブリーザ装置における第2スペーサを示す平面図である。
図12図9の車両用ブリーザ装置における円筒状スペーサを示す斜視図である。
図13】本発明のさらに他の実施例の車両用ブリーザ装置の断面を示す図であって、図1に対応する図である。
図14図13の車両用ブリーザ装置における第1弁部材を示す平面図である。
図15図13の車両用ブリーザ装置における第2弁部材を示す平面図である。
図16図13の車両用ブリーザ装置の断面を示す図であって、図5に対応する図である。
図17】本発明のさらに他の実施例の車両用ブリーザ装置の断面を示す図であって、環状排気弁部が貫通孔を閉じた状態を示す図である。
図18図17の車両用ブリーザ装置の排気時における断面を示す図であって、図6に対応する図である。
図19図17の車両用ブリーザ装置の吸気時における断面を示す図であって、図1に対応する図である。
図20図17の車両用ブリーザ装置の断面を示す図であって、吸気弁部が貫通孔を閉じた状態であり、図5に対応する図である。
図21図1の車両用ブリーザ装置に設けられる第1弁部材及び第2弁部材の別の一例を示す図である。
図22図1の車両用ブリーザ装置に設けられる第1弁部材及び第2弁部材のさらに別の一例を示す図である。
図23図1の車両用ブリーザ装置に設けられる第2弁部材のさらに別の一例を示す図である。
図24図1の車両用ブリーザ装置に設けられる第2弁部材のさらに別の一例を示す図である。
図25図1の車両用ブリーザ装置に設けられる第2弁部材のさらに別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の一実施例である車両用ブリーザ装置(以下、ブリーザ装置)10の中心軸線C1を通る断面図である。ブリーザ装置10は、例えば、図示しない車両の電動機及び歯車機構を内包するケース12に設けられる。ケース内空間E1は略密閉された空間であり、例えば、電動機の冷却や各種歯車機構の潤滑等を目的としてオイル等が封入されている。ケース内空間E1及びケース外空間E2は、例えばケース12の上部に設けられたブリーザ装置10により連通されて吸気及び排気が行われる。
【0015】
ブリーザ装置10は、ブリーザ本体14とキャップ18とを備えている。ブリーザ本体14は、例えば、中心軸線C1を中心とした略円筒状の部材であり、中心軸線C1方向の一端にはケース12に締結されるネジ部14aが形成されており、他端にはフランジ部14bが形成されている。ブリーザ本体14には、ブリーザ本体14を中心軸線C1方向に貫通してケース内空間E1と連通している連通孔20が設けられている。キャップ18は有底の筒形状であって、その開口側の端部には内周側に部分的に突き出す係合突起18aが形成されている。この係合突起18aがブリーザ本体14からキャップ18が外れないようにブリーザ本体14のフランジ部14bに係合されることにより、ケース外空間E2側のブリーザ本体14の端面である連通孔20の開口縁20aを覆うようにキャップ18がブリーザ本体14に嵌め着けられる。
【0016】
ブリーザ装置10は、キャップ18の内側で開口縁20a上に順に重ねられて配置された第1弁部材22、第1スペーサ26、及び、第2弁部材32を有している。また、ブリーザ装置10は、キャップ18と第1弁部材22との間に予圧状態で介挿されて、第1弁部材22、第1スペーサ26、及び、第2弁部材32を開口縁20aに向かって付勢し、第1弁部材22を開口縁20aに着座させるコイルばね28を有している。図2は中心軸線C1方向でケース外空間E2側から視た第1弁部材22の平面図であり、図3は中心軸線C1方向でケース外空間E2側から視た第2弁部材32の平面図であり、図4は中心軸線C1方向でケース外空間E2側から視た第1スペーサ26の平面図である。
【0017】
第1弁部材22は、例えば、合成樹脂、ゴム、金属等からなる円板状の部材であり、第2弁部材32は、例えば、第1弁部材22よりも剛性が低く比較的柔軟性のある、合成樹脂やゴム等からなる円板状の部材である。
【0018】
第1弁部材22は、図1に示すように中央に中心軸線C1方向(厚み方向)に貫通する1個の貫通孔24を有しており、貫通孔24は連通孔20と連通している。第2弁部材32には、図3に示すように貫通孔24より大きい径でC字状の吸気孔34が形成されている。C字状の吸気孔34は、第2弁部材32を中心軸線C1方向(厚み方向)に貫通している。吸気孔34の内周には、貫通孔24より大径に形成されて貫通孔24を開閉する吸気弁子36が設けられている。また、第2弁部材32には、吸気弁子36と第2弁部材32の外周縁とを接続する吸気弁接続部38が一体に設けられている。吸気弁接続部38は、吸気弁子36を第1弁部材22側に変位可能且つ前記第1弁部材22に密着可能に吸気孔34の内側に位置させている。すなわち、第2弁部材32には吸気孔34が形成され、第2弁部材32は、吸気弁子36を第1弁部材22側に変位可能に吸気孔34の内周に接続する吸気弁接続部38を一体に有している。
【0019】
第1弁部材22と第2弁部材32との間には、中央に吸気弁子36より大きい第1スペーサ孔26aが設けられた円板状、すなわち環状の第1スペーサ26が挟まれている。これにより、第2弁部材32の吸気弁子36は、第1弁部材22からケース外空間E2側に所定の隙間S1を隔てて設けられる。第1スペーサ26は、例えば、合成樹脂、ゴム、金属等からなる環状の部材である。
【0020】
ケース内空間E1の気圧Piがケース外空間E2の気圧Poより低くなると吸気が行われる。具体的には、図1に破線の矢印で示すように、ケース外空間E2の空気が第2弁部材32の吸気孔34を抜けて、吸気弁子36と第1弁部材22との間の隙間S1を通り、第1弁部材22の貫通孔24を抜けて連通孔20を通りケース内空間E1に入る。図5は、ブリーザ装置10の中心軸線C1を通る断面図であって、吸気速度Viが所定値Ti以上の場合に吸気弁子36が貫通孔24を閉じた状態を示す図である。隙間S1は、ケース外空間E2の気圧Poとケース内空間E1の気圧Piとの差圧Ps1(=Po-Pi)が大きくなって、隙間S1を通過する空気の吸気速度Viが所定値Ti以上となった場合に、図5に示すように吸気弁子36が第1弁部材22側に変位して第1弁部材22に密着し貫通孔24を閉じるように設けられている。
【0021】
従って、ブリーザ装置10では、吸気時に隙間S1を通過する空気の吸気速度Viが所定値Ti以上の場合は、図5に示すように、吸気速度Viにより隙間S1が無くなるまで吸気弁子36が第1弁部材22側に変位して貫通孔24を閉じることで吸気が止まる。また、吸気時に隙間S1を通過する空気の吸気速度Viが所定値Tiより低い場合は、図1に示すように、吸気速度Viにより隙間S1が無くならず、貫通孔24が塞がれないので吸気が続く。また、隙間S1は、隙間S1を液体が通過する時に圧力損失を増大させその量を減少させて、ケース12内からのオイルの流出やケース12外からの水等の浸入も低減できるように設けられている。
【0022】
図6は、排気時のブリーザ装置10の中心軸線C1を通る断面図である。ケース内空間E1の気圧Piとケース外空間E2の気圧Poとの差圧Ps2(=Pi-Po)が小さい時には、図1に示す状態と同様に、第1弁部材22と吸気弁子36との間の隙間S1が維持されるので、隙間S1を通した排気が許容される。しかし、ケース内空間E1の気圧Piがケース外空間E2の気圧Poより高い場合に、差圧Ps2(=Pi-Po)が急増すると、図6に示すようにコイルばね28が縮んで第1弁部材22及び第2弁部材32がケース外空間E2側に移動する。これにより、ケース内空間E1が連通孔20を介してケース外空間E2と連通し、図6の破線の矢印に示すように排気が行われる。排気に関し、排気速度Voが所定値To以上である場合には排気が行われるように、コイルばね28の弾性率を変更してもよい。
【0023】
隙間S1は、例えばケース12の急冷に伴って、差圧Ps1(=Po-Pi)が急増すると隙間S1を減少させるように第1弁部材22及び第2弁部材32の寸法及び材質が設定されている。図7及び図8は、図1のブリーザ装置10における第1弁部材22、第1スペーサ26、及び、第2弁部材32のみを拡大して示す断面図である。図7は、吸気速度Viが所定値Tiより低い場合の吸気時の状態を示している。図8は、吸気速度Viが所定値Ti以上の場合に吸気弁子36が貫通孔24を閉じた状態を示している。
【0024】
図7及び図8に示すように、ブリーザ装置10には、隙間S1においてより狭い隙間S1aを設けるために第2弁部材32の吸気弁子36に、例えば環状の突部36aが備えられていてもよい。このように第1弁部材22と第2弁部材32との間の隙間S1においてより狭い環状の隙間S1aを設けることにより、吸気時に貫通孔24のケース外空間E2側で発生し易い不均一な負圧が均一となるので、より強い負圧を均等に吸気弁子36に受圧させることができる。また、キャップ18内に水が浸入した場合にも、毛細管現象により圧力が均一な膜が突部36aの内側において形成されるのでケース内空間E1への水等の浸入をより低減できる。
【0025】
従来のブリーザ装置は、外部からの異物等の浸入防止とケース内空間E1の圧力上昇時の排気とが重視され、ケース内空間E1が負圧となった時の吸気性能は重視されていなかった。このため、車両用電動機のケース内部が負圧になり過ぎたり、オイルシールのリップが負圧によって過度に押し付けられて摩耗しすぎる可能性があった。これに対し、排気、吸気の2つの機能を満足させるために、ブリーザ装置にホースを取り付けてそのホースの開口部を高い位置に設けた場合は、設置空間の確保と費用で課題を有していた。
【0026】
また、特許文献1のブリーザ装置の様に、排気を調節するコイルばねと吸気を調節するコイルばねとを同軸に設けた場合は、2つのコイルばねの付勢力が互いに拮抗する状態が存在するので、組付けの難度が高くなり、部品寸法のばらつきや摺動状態の変化によって性能もばらついてしまうという課題を有していた。また、排気及び吸気の両方を閉じた状態とするためには、特許文献1のブリーザ装置の場合は、吸気を調節するコイルばねよりも排気を調節するコイルばねの付勢力を大きくする必要があり、吸気・排気特性の自由度が低くなっていた。また、車両が浸水路の走行時などにケースが水を被り冷却されてしまった時に負圧が発生するが、特許文献1のブリーザ装置の場合は、吸気弁にかかる圧力が大きくなるとコイルばねが縮んで吸気がおこなわれるため、水を空気と一緒に吸い込んでしまう可能性があった。
【0027】
しかし、本実施例のブリーザ装置10は第1弁部材22に連通孔20と連通する貫通孔24が形成され、第2弁部材32に吸気弁子36が第1弁部材22のケース外空間E2側に隙間S1を隔てて第1弁部材22側に変位可能に設けられているので、ケース内空間E1とケース外空間E2との間で吸気及び排気の両方が簡便な構成で可能となっている。
【0028】
また、隙間S1が吸気速度Viが所定値Ti以上の場合に無くなるように設けられているので、例えば、浸水路の走行時などにケース12が水を被り冷却されてしまい負圧が発生して急な吸気が起こった時には、貫通孔24が吸気弁子36により閉じられて水等の浸入を低減できる。また、例えば、ケース12内の圧力が急上昇した場合にも、オイルの吹き出しを低減でき、ある程度ケース12内の圧力が落ち着いた時に排気させることが可能である。さらに、隙間S1を液体が通過する時に流路抵抗により圧力損失を増大させその流出量を減少させるように、隙間S1を設けることで、ケース12の外からの水等の浸入や、ブリーザ装置10が横倒しになった場合でのケース12内のオイル等の流出を低減できる。
【0029】
また、吸気弁子36が第1弁部材22のケース外空間E2側に隙間S1を隔てて設けられ、第1弁部材22側に変位可能且つ第1弁部材22に密着可能に設けられている。また、ブリーザ装置10が水没するような場合やキャップ18内に水が浸入した場合には、水圧(例えば水頭圧等)により吸気弁子36が第1弁部材22側に移動し貫通孔24が閉じられるので、ケース12内への水等の浸入を低減するように隙間S1を設けることも可能である。
【0030】
上述のように、本実施例のブリーザ装置10によれば、第1弁部材22には連通孔20と連通する貫通孔24が形成され、第2弁部材32には第1弁部材22のケース外空間E2側に隙間S1を隔てて第1弁部材22側に変位可能な吸気弁部として機能する吸気弁子36が一体に設けられ、吸気弁子36は、吸気時の差圧Ps1(=Po-Pi)による空気の吸気速度Viによって隙間S1が無くなるまで第1弁部材22側に変位させられることで貫通孔24を塞ぐ。このため、吸気及び排気が可能なブリーザ装置10において、隙間S1が無くなるような急な吸気が起こった場合には吸気を停止することができる。
【0031】
また、本実施例のブリーザ装置10によれば、第2弁部材32には、吸気孔34が形成され、第2弁部材32は、吸気弁子36を第1弁部材22側に変位可能に吸気孔34の内周に接続する吸気弁接続部38とを一体に有し、吸気弁子36は、吸気孔34の内部に設けられて貫通孔24より大きい。このため、簡便な構成で貫通孔24を吸気弁子36で閉じることができる。
【0032】
また、本実施例のブリーザ装置10によれば、差圧Ps1(=Po-Pi)が小さく隙間S1を通過する空気の吸気速度Viが所定値Tiより低い場合は、吸気弁子36が貫通孔24を塞がないが、差圧Ps1が大きく隙間S1を通過する空気の吸気速度Viが所定値Ti以上の場合には、吸気弁子36が貫通孔24を塞ぐ。このため、吸気速度Viが比較的遅い場合は吸気可能とし、吸気速度Viが比較的早い場合は吸気不可能とすることができる。
【0033】
続いて、本発明の他の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
【実施例2】
【0034】
図9は、本発明の他の実施例のブリーザ装置110の断面を示す図であって、図1に対応する図である。本実施例のブリーザ装置110には、コイルばね28は設けられていない。ブリーザ装置110では、キャップ18の内側で開口縁20a上に第2弁部材32、第1スペーサ26、第1弁部材22、第2スペーサ56、第3弁部材42が順に配置され、それらを重ねられた状態に保持する保持手段として機能する円筒状スペーサ58が、キャップ18と第3弁部材42との間に介在させられている。
【0035】
図10は中心軸線C1方向でケース外空間E2側から視た第3弁部材42の平面図であり、図11は中心軸線C1方向でケース外空間E2側から視た第2スペーサ56の平面図である。また、図12は円筒状スペーサ58を示す斜視図である。第3弁部材42は、例えば、第1弁部材22よりも剛性が低く比較的柔軟性のある、合成樹脂やゴム等からなる円板状の部材である。
【0036】
第3弁部材42には、図10に示すように貫通孔24より大きい径でC字状の排気孔44が形成されている。C字状の排気孔44は、第3弁部材42を中心軸線C1方向(厚み方向)に貫通している。排気孔44の内周には、貫通孔24より大径に形成されて貫通孔24を開閉する排気弁子46が設けられている。また、第3弁部材42には、排気弁子46と第3弁部材42の外周縁とを接続する排気弁接続部48が一体に設けられている。排気弁接続部48は、排気弁子46を第1弁部材22側に変位可能且つ第1弁部材22に密着可能に排気孔44の内周に位置させている。すなわち、第3弁部材42には排気孔44が形成され、第3弁部材42は、排気弁子46を第1弁部材22側に変位可能に排気孔44の内周に接続する排気弁接続部48を一体に有している。
【0037】
第1弁部材22と第3弁部材42との間には、図11に示すように排気弁子46より大きい第2スペーサ孔56aが中央に設けられた円板状、すなわち第1スペーサ26と同様の環状の第2スペーサ56が挟まれている。これにより、第3弁部材42の排気弁子46は、第1弁部材22からケース内空間E1側に所定の隙間S2を隔てて設けられる。
【0038】
円筒状スペーサ58は、第1弁部材22を開口縁20aに着座させる状態で保持している。円筒状スペーサ58は、図12に示すように、側壁に吸排気のために複数の通気孔58aが設けられている。また、図示しないが、円筒状スペーサの下部に排水用の隙間が設けられ、或いは、第2弁部材32等に排水用の切欠きが設けられ、浸水時にはキャップ18内に水が堪らないようにケース外空間E2に排水される。
【0039】
ケース内空間E1の気圧Piがケース外空間E2の気圧Poより高くなると排気が行われる。具体的には、ケース内空間E1の空気が第3弁部材42の排気孔44を抜けて、排気弁子46と第1弁部材22との間の隙間S2を通り、さらに第1弁部材22の貫通孔24を抜けて隙間S1を通り第2弁部材32の吸気孔34を通り、ケース外空間E2に出ていく。隙間S2は、ケース内空間E1の気圧Piとケース外空間E2の気圧Poとの差圧Ps2(=Pi-Po)が大きくなり隙間S2を通過する空気の排気速度Voが所定値To以上となった場合に、排気弁子46が第1弁部材22側に移動して第1弁部材22に密着し貫通孔24を閉じるように設けられている。
【0040】
従って、ブリーザ装置110では、排気時に隙間S2を通過する空気の排気速度Voが所定値To以上の場合は、排気弁子46が第1弁部材22側に移動して貫通孔24を塞ぐことで排気が止まる。また、排気時に隙間S2を通過する空気の排気速度Voが所定値Toより低い場合は、隙間S2が閉じられず、貫通孔24が塞がれないので排気が続く。なお、吸気時には、実施例1と同様に隙間S1を通過する空気の吸気速度Viが所定値Ti以上の場合は、吸気弁子36が第1弁部材22側に移動して貫通孔24を塞ぐことで吸気が止まる。
【0041】
上述のように、本実施例のブリーザ装置110によれば、キャップ18内において、開口縁20a上に第2弁部材32、第1弁部材22、第3弁部材42が順に配置され、第3弁部材42には第1弁部材22のケース内空間E1側に隙間S2を隔てて第1弁部材22側に変位可能な排気弁部として機能する排気弁子46が一体に設けられ、排気弁子46は、排気時の差圧Ps2(=Pi-Po)による排気速度Voによって隙間S2が無くなることで第1弁部材22側に変位させられることで貫通孔24を塞ぐ。このため、吸気及び排気が可能な車両用ブリーザ装置110は、実施例1の効果と同様の効果を有するとともに、隙間S2が無くなるような急な排気が起こった場合には排気を停止することができる。また、コイルばね28は設けられていないため、ブリーザ装置110の中心軸線C1方向の寸法を短くできる。また、ブリーザ装置10が横倒しになった場合にケース12内のオイル等の流出を、排気弁子46が貫通孔24を塞ぐことにより低減できる。
【実施例3】
【0042】
図13は、本発明のさらに他の実施例のブリーザ装置210の断面を示す図である。図14は中心軸線C1方向でケース外空間E2から視た第1弁部材222の平面図であり、図15は中心軸線C1方向でケース外空間E2から視た第2弁部材232の平面図である。
【0043】
第1弁部材222は、図14に示すように外周側に貫通孔224を有しており、貫通孔224は連通孔20と連通している。第2弁部材232は、中央部がケース外空間E2側に膨らんだシート状部材、所謂ダイヤフラムとなっており、中央部は吸気弁部236として機能する。また、第2弁部材232は、中心軸線C1方向において貫通孔224と重ならない位置、すなわち図13に示すように中央に吸気孔234を有している。吸気弁部236は通常時、すなわちケース内空間E1の気圧Piとケース外空間E2の気圧Poとの差が無い場合でもケース外空間E2側に膨らんでいるため、吸気弁部236と第1弁部材22との間には所定の隙間S1が設けられている。
【0044】
図16は、ブリーザ装置210の断面図であって、吸気速度Viが所定値Ti以上の場合に第2弁部材232の吸気弁部236が貫通孔24を閉じた状態を示す図である。吸気弁部236と第1弁部材22との間の隙間S1は、隙間S1を通過する空気の吸気速度Viが所定値Ti以上の場合に、第2弁部材232の吸気弁部236が第1弁部材222側に移動して第1弁部材222に密着し貫通孔24を塞ぐように設けられている。
【0045】
上述のように、本実施例のブリーザ装置210によれば、第2弁部材232は、第1弁部材222の貫通孔224と重ならない位置に吸気孔234を有し、第2弁部材232に設けられた吸気弁部として機能する吸気弁部236はその中央がケース外空間E2側に膨らんだシート状部材である。このため、実施例1と同様の効果を有するとともに、簡便な構成で第1弁部材222の貫通孔224を吸気弁部236で閉じることができる。また、本実施例の第2弁部材232の吸気弁部236は、前述の実施例の吸気弁部36に対して受圧面積が大きく取れるので、比較的低い水圧や吸気速度Viでも貫通孔224を吸気弁部236で閉じることができる。
【実施例4】
【0046】
図17は、本発明のさらに他の実施例のブリーザ装置310の断面を示す図である。ブリーザ装置310は、第1弁部材22と、第1コイルばね328と、第2弁部材332と、第2コイルばね360とを有している。第1弁部材22は、キャップ18の内側で開口縁20a上に着座するように配置されている。第1コイルばね328は、キャップ18と第1弁部材22との間に予圧状態で介挿されて、第1弁部材22を開口縁20aに向かって付勢する。第2弁部材332は、吸気弁部332aと吸気弁支持部332bと底部332cと環状排気弁部332dとを一体に有している。
【0047】
第2弁部材332のケース内空間E1側は、底部332cを有する筒状部となっており連通孔20内に配置されている。第2弁部材332のケース外空間E2側には、円板状の吸気弁部332aが設けられ、連通孔20の外側に配置されている。底部332cの外側の中央には、ケース外空間E2側に向かって突設されて円板状の吸気弁部332aの中央と底部332cの中央とを接続する吸気弁支持部332bが設けられ、その吸気弁支持部332bを囲むように環状排気弁部332dが底部332cから突設されている。
【0048】
底部332cの内側には第2コイルばね360の一端が収納されている。第2コイルばね360の他端は、ブリーザ本体14の連通孔20内に設けられた段部14cにより支持される。第2コイルばね360は連通孔20内において、第2弁部材332とブリーザ本体14との間で予圧状態で介挿されて、第2弁部材332を第1弁部材22に向かって付勢する。環状排気弁部350dは、第2弁部材332が第2コイルばね360により付勢されることにより第1弁部材22に接している。
【0049】
吸気弁支持部332bは環状排気弁部332dより中心軸線C1方向に長く、外径が貫通孔24の内径より小さくされている。第2弁部材332の吸気弁部332aは円板状であり第1弁部材22のケース外空間E2側に配置される。吸気弁部332aは、貫通孔24内を通って第1弁部材22のケース外空間E2側に突き出した吸気弁支持部332bにより、底部332cと接続されている。吸気弁部332aは、第1弁部材22のケース外空間E2側に第1弁部材22に対して所定の隙間S1が隔てられるように設けられている。
【0050】
第1コイルばね328の付勢力は、第2コイルばね360の付勢力より大きくされている。このため、通常時、すなわちケース内空間E1の気圧Piとケース外空間E2の気圧Poとの差が無い場合は、図17に示す状態のように、連通孔20が第1コイルばね328に付勢された第1弁部材22によって塞がれ、第1弁部材22の貫通孔24は、第2コイルばね360に付勢された第2弁部材332の環状排気弁部332dによって塞がれて、ブリーザ装置310は閉弁状態とされる。
【0051】
図18は、排気時のブリーザ装置310の中心軸線C1を通る断面図である。ケース内空間E1の気圧Piがケース外空間E2の気圧Poより高くなると、ケース内空間E1の気圧Piとケース外空間E2の気圧Poとの差圧Ps2(=Pi-Po)による力は第1コイルばね328が受ける。なお、第1コイルばね328は第2コイルばね360による付勢力も受けている。第2コイルばね360による付勢力及び差圧Ps2により第1コイルばね328が受ける力と、第1コイルばね328の付勢力とが釣り合う圧力である圧力値P1よりも、差圧Ps2が大きくなると、第1コイルばね328が縮んで第1弁部材22、及び、第2弁部材332がケース外空間E2側に移動する。これにより、第1弁部材22が開口縁20aから離れ、ケース内空間E1が連通孔20を介してケース外空間E2と連通し、図18の破線の矢印に示すように排気が行われる。
【0052】
図19は、吸気時のブリーザ装置310の中心軸線C1を通る断面図である。ケース内空間E1の気圧Piがケース外空間E2の気圧Poより低くなると、ケース外空間E2の気圧Poとケース内空間E1の気圧Piとの差圧Ps1(=Po-Pi)による力は第2コイルばね360が受ける。差圧Ps1により第2コイルばね360が受ける力と第2コイルばね360の付勢力とが釣り合う圧力である圧力値P2よりも、差圧Ps1が大きくなると、第2コイルばね360が縮んで第2弁部材332がケース内空間E1側に移動する。これにより、第1弁部材22から環状排気弁部332dが離れ、ケース外空間E2が連通孔20を介してケース内空間E1と連通し、図19の破線の矢印に示すように吸気が行われる。
【0053】
図20は、ブリーザ装置10の中心軸線C1を通る断面図であって、吸気速度Viが所定値Ti以上の場合に吸気弁部332aが貫通孔24を閉じた状態を示す図である。吸気時において、隙間S1は、隙間S1を通過する空気の吸気速度Viが所定値Ti以上の場合に、図20に示すように第2弁部材332が第1弁部材22側に移動して吸気弁部332aが第1弁部材22に密着し貫通孔24を閉じるように設けられている。
【0054】
上述のように、本実施例のブリーザ装置310によれば、第1弁部材22には連通孔20と連通する貫通孔24が形成され、第2弁部材332には、第1弁部材22のケース外空間E2側に隙間を隔てて第1弁部材22側に変位可能な吸気弁部332aが一体に設けられ、吸気弁部332aは、吸気時の差圧Ps1(=Po-Pi)によって隙間S1が無くなるまで第1弁部材22側に変位させられることで貫通孔24を塞ぐ。このため、実施例1と同様の効果を有しており、吸気及び排気が可能な車両用ブリーザ装置310において、隙間S1が無くなるような急な吸気が起こった場合には吸気を停止することができる。
【0055】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0056】
例えば、前述の実施例1から実施例4において、ブリーザ装置10,110,210は、電動機を収容するケース12に設けられていたが、トランスミッションケース、ディファレンシャルケース、エンジンのケース等に設けられていてもよい。
【0057】
また、前述の実施例1及び実施例2において、隙間S1を閉じる吸気速度Viの所定値Tiは、隙間S1の大きさ、吸気弁接続部38の形状、材質、貫通孔24の形状等の変更により予め設定することができるが、例えば、図21及び図22に示すように貫通孔24と吸気孔34との間の距離を変更することにより設定してもよい。図21及び図22は、第1弁部材22及び第2弁部材32の他の例を示す図であって、それらの断面図である。
【0058】
図21の第1弁部材22及び第2弁部材32は、貫通孔24と吸気孔34との間の距離L1が比較的短い。このため、流路抵抗が小さく隙間S1が閉じられるためには比較的高い吸気速度Viである必要がある。よって、空気が通りやすいが水等の侵入もしやすい。図22の第1弁部材22及び第2弁部材32は、貫通孔24と吸気孔34との間の距離L2が比較的長いので、流路抵抗が大きく吸気弁子36の受圧面積も大きい。よって比較的低い吸気速度Viで隙間S1が閉じられる。また、表面張力により水が通り抜けにくくなるとともに、隙間S1に入った水が液体のパッキンとして作用するため、負圧が吸気弁子36に働きやすくなる。実施例2の排気孔44と貫通孔24との間の距離、実施例3の吸気孔234と貫通孔224との間の距離、実施例4の第2弁部材の外側の端と貫通孔24との間の距離についても同様である。
【0059】
また、前述の実施例1から実施例4において、第2弁部材32,232、332の形状の変更により、隙間S1が閉じられる吸気速度Viの所定値Tiが調節されてもよい。例えば、実施例3の吸気弁部236を凹状や凸状として、貫通孔224が塞がりにくくしたり、塞がりやすくしてもよい。また、例えば、実施例1の第2弁部材32を図23図24図25のような形状としてもよい。第2弁部材32を図25に示す形状とした場合は、吸気弁子36の受圧面積が広くなるので、均一に差圧Ps1を受けることができ吸気弁子36の変位を均等とすることができる。また、実施例2の第3弁部材42の形状についても同様である。
【0060】
また、前述の実施例1及び実施例2において、第2弁部材32に隙間S1においてより狭い隙間S1aを設けるための突部36aが備えられていたが、無くともよい。また、実施例3の第3弁部材42、実施例3の第2弁部材232、及び、実施例4の第2弁部材332にもより狭い隙間S1aを設けるための突部が備えられていてもよい。また、実施例1から4の第1弁部材22,222の方に隙間S1においてより狭い隙間S1aを設けるための突部が設けられていてもよい。
【0061】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
10,110,210,310:ブリーザ装置(車両用ブリーザ装置)
14:ブリーザ本体
18:キャップ
20:連通孔
20a:開口縁
22,222:第1弁部材
24,224:貫通孔
32,232,332:第2弁部材
36:吸気弁子(吸気弁部)
46:排気弁子(排気弁部)
236,332a:吸気弁部
332d:環状排気弁部(排気弁部)
E1:ケース内空間
E2:ケース外空間
Ps1:吸気時の差圧
Ps2:排気時の差圧
S1:隙間
図1
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図3
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図5
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