(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】車両診断システムおよび車両
(51)【国際特許分類】
B60L 3/00 20190101AFI20231108BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231108BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B60L3/00 S
H01M10/48 P
H02J7/00 Y
(21)【出願番号】P 2020105153
(22)【出願日】2020-06-18
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗本 泰英
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-029430(JP,A)
【文献】特開2020-065424(JP,A)
【文献】特開2012-185124(JP,A)
【文献】特開2020-038499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 3/00
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された蓄電装置を診断する、車両診断システムであって、
表示装置と、
前記蓄電装置の満充電容量の低下度合いを表す劣化指標を算出するとともに、前記表示装置を制御する演算装置とを備え、
前記演算装置は、
所定条件が成立する度に前記蓄電装置の満充電容量を測定し、測定された前記蓄電装置の満充電容量から求められる第1劣化指標の時間変化を表す容量劣化曲線を更新し、
前記表示装置への前記劣化指標の表示要求が発生した場合に、更新された前記容量劣化曲線を参照することで算出される第2劣化指標が前記第1劣化指標と異なったとしても、前記第2劣化指標を表示するように前記表示装置を制御する、車両診断システム。
【請求項2】
前記容量劣化曲線は、予め定められた関係式によって表され、
前記関係式は、前記第1劣化指標および基準時からの経過時間を変数として含むとともに、前記第1劣化指標と前記経過時間との間の関係を規定する複数の係数とを含み、
前記演算装置は、前記所定条件の成立時における前記第1劣化指標と、前記経過時間との回帰分析によって前記複数の係数を決定し、決定した前記複数の係数を含む前記関係式を用いて前記容量劣化曲線を更新する、請求項1に記載の車両診断システム。
【請求項3】
前記車両は、前記車両の外部から供給される電力により前記蓄電装置を充電する外部充電を実施可能に構成され、
前記所定条件の成立時は、前記外部充電の完了後を含む、請求項1または2に記載の車両診断システム。
【請求項4】
前記劣化指標は、前記蓄電装置の容量維持率を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両診断システム。
【請求項5】
前記劣化指標は、前記蓄電装置の満充電容量を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両診断システム。
【請求項6】
前記劣化指標は、前記蓄電装置に蓄えられた電力を消費して前記車両が走行可能な距離を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両診断システム。
【請求項7】
前記表示装置は、前記第2劣化指標に加えて前記容量劣化曲線を表示する、請求項1~6のいずれか1項に記載の車両診断システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の車両診断システムと、
前記蓄電装置とを備える、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両診断システムおよび車両に関し、より特定的には、車両に搭載された蓄電装置の満充電容量の低下度合いを表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリが搭載された車両の普及が進んでいる。これらの車両のなかには、モータのみを用いた走行(いわゆるEV走行)が可能なものがある。バッテリの性能および状態は、車両の駆動力、EV走行が可能な距離(EV走行距離)の長さなど、様々な重要な機能に直接的に影響し得る。そのため、バッテリに関する各種情報は、ユーザにとって関心が高い情報であると言える。
【0003】
バッテリに関する情報を表示する表示装置が提案されている。たとえば特開2011-57116号公報(特許文献1)は、バッテリの残存容量(SOC:State Of Charge)を表示する表示装置を備えたプラグインハイブリッド車両を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-57116号公報
【文献】特開2009-97954号公報
【文献】特開2013-154717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般にバッテリは、その使用態様に応じて、時間の経過とともに劣化する。バッテリが劣化してバッテリの満充電容量が低下した場合、EV走行距離が短くなり得る、そのため、バッテリの満充電容量の低下度合いを表す「劣化指標」を表示装置に表示し、ユーザが確認できるようにすることが考えられる。劣化指標とは、たとえばバッテリの容量維持率である。
【0006】
本発明者は、長期間(たとえば数年間)に亘って劣化指標をユーザが確認できるようにした場合、以下のような課題が生じ得ることに着目した。劣化指標は、必ずしも時間経過とともに滑らかに変化するとは限らず、やや変則的に変化し得る。より具体的には、ある期間には、他の期間と比べて、劣化指標の測定精度が低下し、測定した劣化指標と実際の劣化指標との間の誤差が増大し得る。よって、劣化指標の測定誤差が相対的に小さい期間と大きい期間との移行時に劣化指標の変化が大きくなり得る。その結果、劣化指標を確認したユーザに違和感を与える可能性がある。
【0007】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、ユーザが蓄電装置の満充電容量の低下度合いを確認する際の違和感を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示のある局面に従う車両診断システムは、車両に搭載された蓄電装置を診断する。車両診断システムは、蓄電装置の満充電容量の低下度合いを表す劣化指標を表示する表示装置と、表示装置に表示するための劣化指標を算出する演算装置とを備える。演算装置は、所定条件が成立する度に測定された蓄電装置の満充電容量に基づいて劣化指標の時間変化を表す容量劣化曲線を算出し、算出された容量劣化曲線を参照することで劣化指標を算出する。
【0009】
(2)演算装置は、所定条件が成立する度に蓄電装置の満充電容量を測定し、蓄電装置の満充電容量の測定結果に基づいて容量劣化曲線を更新する。演算装置は、表示装置への劣化指標の表示要求が発生した場合には、更新された容量劣化曲線を参照することで、表示要求の発生時における劣化指標を算出する。
【0010】
(3)容量劣化曲線は、予め定められた関係式によって表される。関係式は、劣化指標および基準時からの経過時間を変数として含むとともに、劣化指標と経過時間との間の関係を規定する複数の係数とを含む。演算装置は、所定条件の成立時における蓄電装置の満充電容量の測定結果から求められた劣化指標と、経過時間との回帰分析によって複数の係数を決定し、決定した複数の係数を含む関係式を用いて容量劣化曲線を更新する。
【0011】
上記(1)~(3)の構成においては、測定した劣化指標を表示装置に単に表示するのではなく、容量劣化曲線を用いて算出した劣化指標を表示する。容量劣化曲線を用いることで、過去の測定値(最新の測定値を含んでもよい)に基づいて劣化指標の推移を求めることが可能になり、現時点(表示要求発生時)における劣化指標を推定できる。さらに、劣化指標の変化が平滑化されるため、劣化指標の急変を防止できる。したがって、上記(1)~(3)の構成によれば、ユーザの違和感を抑制できる。
【0012】
(4)車両は、車両の外部から供給される電力により蓄電装置を充電する外部充電を実施可能に構成されている。所定条件の成立時は、外部充電の完了後を含む。
【0013】
一般に、外部充電の実施時においては、通常走行時と比べて、蓄電装置に蓄えられた電力量の変化が大きい。電力量の変化が大きいほど満充電容量の測定精度が高くなる(
図4参照)。したがって、上記(4)の構成によれば、高精度な容量劣化曲線を求めることができ、それにより、正確な劣化指標を表示装置に表示することが可能になる。
【0014】
(5)劣化指標は、蓄電装置の容量維持率を含む。
(6)劣化指標は、蓄電装置の満充電容量を含む。
(7)劣化指標は、蓄電装置に蓄えられた電力を消費して車両が走行可能な距離を含む。
【0015】
(8)表示装置は、劣化指標に加えて容量劣化曲線を表示する。
【0016】
上記(8)の構成によれば、容量劣化曲線を表示することで、劣化指標の推移を直感的に把握することが可能になる。
【0017】
(9)本開示の他の局面に従う車両は、上記(1)~(8)のいずれかに記載の車両診断システムと、蓄電装置とを備える。
【0018】
上記(9)の構成によれば、上記(1)の構成と同様に、ユーザの違和感を抑制できる。
【0019】
(10)本開示のさらに他の局面に従う車両診断結果の表示方法は、蓄電装置が搭載された車両の診断結果を表示する。車両診断結果の表示方法は、第1~第3のステップを含む。第1のステップは、所定条件が成立する度に蓄電装置の満充電容量を測定し、その測定結果に基づいて、蓄電装置の劣化指標の時間変化を表す容量劣化曲線を更新するステップである。第2のステップは、劣化指標の表示要求が発生した場合には、更新された容量劣化曲線を参照することで、表示要求の発生時における劣化指標を算出するステップと、第3のステップは、算出するステップにおいて算出された劣化指標を表示するステップである。
【0020】
上記(10)の方法によれば、上記(1)の構成と同様に、ユーザの違和感を抑制できる。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、ユーザが蓄電装置の満充電容量の低下度合いを確認する際の違和感を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施の形態に係る車両診断システムの全体構成図である。
【
図2】車両、サーバおよび携帯端末の構成をより詳細に示す図である。
【
図3】車両に設けられたユーザインターフェイスの構成例を示す図である。
【
図4】バッテリへの充電電力量がバッテリの容量維持率の測定精度に及ぼす影響を示す図である。
【
図5】バッテリの容量維持率の測定時期が容量維持率の測定結果に及ぼす影響の一例を示す図である。
【
図6】本実施の形態における容量劣化曲線の更新処理および容量維持率の表示処理を説明するための図である。
【
図7】容量劣化曲線の更新処理を示すフローチャートである。
【
図8】容量維持率の表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0024】
以下の実施の形態では、診断の対象とする車両が、外部から供給される電力によりバッテリを充電する「外部充電」を実施可能に構成されている例について説明する。ただし、車両が外部充電を実施可能であることは必須ではなく、外部充電に対応していない車両(通常のハイブリッド車両など)であってもよい。
【0025】
本実施の形態では、バッテリの満充電容量の低下度合いを表す「劣化指標」として、バッテリの容量維持率(単位:%)が用いられる。バッテリの容量維持率Qとは、初期状態(たとえばバッテリの製造時の状態)におけるバッテリの満充電容量C0に対する、現時点におけるバッテリの満充電容量Cの割合(百分率)を意味する(Q=C/C0)。ただし、バッテリの「劣化指標」として、バッテリの容量維持率に代えてまたは加えて、車両のEV走行距離(単位:km)を用いてもよい。また、バッテリの「劣化指標」として、バッテリの満充電容量(単位:AhまたはWh)そのものを用いてもよい。さらに、容量維持率、EV走行距離および満充電容量のうちのいずれか2つ、または、3つ全部を用いてもよい。
【0026】
[実施の形態]
<システム構成>
図1は、本実施の形態に係る車両診断システムの全体構成図である。
図1を参照して、車両診断システム9は、車両1と、サーバ2と、携帯端末3とを備える。車両1とサーバ2とは双方向通信が可能である。また、サーバ2と携帯端末3とも双方向通信が可能である。さらに、車両1と携帯端末3とも双方向通信が可能である。
【0027】
車両1は、外部の充電設備4から充電ケーブル5を介して供給される電力により車載のバッテリ13(
図2参照)を充電する「外部充電」(プラグイン充電とも呼ばれる)を実施可能に構成されている。本実施の形態において、車両1は電気自動車である。しかし、車両1は、プラグインハイブリッド車または燃料電池車などであってもよい。また、図示しないが、車両1は、地面に埋設された送電装置から車載の受電装置(受電コイルなど)に非接触で電力を伝送する非接触充電を実施可能に構成されていてもよい。
【0028】
車両1は、車載のバッテリ13を診断することが可能に構成されている。また、サーバ2が車載のバッテリ13を診断可能に構成されていてもよい。この場合、車両1は、サーバ2が車載のバッテリ13を診断するのに必要な各種データをサーバ2に送信する。サーバ2は、車両1から収集したデータに基づいてバッテリ13を診断し、その診断結果を車両1および/または携帯端末3に送信するように構成されている。車両1は、サーバ2によるバッテリ13の診断結果をサーバ2から受信する。
【0029】
携帯端末3は、車両1のユーザが保有するスマートホンまたはスマートウォッチなどである。携帯端末3は、車両1またはサーバ2によるバッテリ13の診断結果を受信する。なお、携帯端末3に代えて、ユーザの自宅に設置されたPC(Personal Computer)などの固定端末を用いてもよい。
【0030】
充電設備4は、外部充電に使用される電力を車両1に供給するための電力変換装置を含む。充電設備4は、たとえば、車両1のユーザの自宅に設けられている。充電設備4の設置場所は特に限定されず、ユーザの外出先(職場または宿泊施設など)であってもよい。なお、充電設備4は、典型的にはAC方式の充電設備(いわゆる普通充電器)であるが、DC方式の充電設備(いわゆる急速充電器)であってもよい。
【0031】
図2は、車両1、サーバ2および携帯端末3の構成をより詳細に示す図である。
図2を参照して、車両1は、インレット11と、AC/DCコンバータ12と、バッテリ13と、電力制御装置(PCU:Power Control Unit)14と、モータジェネレータ15と、動力伝達ギヤ161と、駆動輪162と、ユーザインターフェイス17と、車載通信機(DCM:Data Communication Module)18と、車載ネットワーク19と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)10とを備える。
【0032】
インレット11は、充電ケーブル5の充電プラグ(図示せず)を接続可能に構成されている。AC/DCコンバータ12は、充電設備4から充電ケーブル5およびインレット11を介して供給される交流電力を直流電力に変換し、その直流電力をバッテリ13に出力する。
【0033】
なお、充電設備4から供給される電力による外部充電のための構成は、
図2に示した構成に限定されるものではない。たとえば、充電設備4が直流電力を供給する充電器(急速充電器)である場合には、AC/DCコンバータ12を設けなくてもよい。あるいは、AC/DCコンバータ12に代えてDC/DCコンバータ(図示せず)を設けてもよい。
【0034】
バッテリ13は、車両1の駆動力を発生させるための電力を供給する。また、バッテリ13は、モータジェネレータ15により発電された電力を蓄える。バッテリ13は、複数のセルを含む組電池である。各セルは、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池などの二次電池である。なお、バッテリ13は、本開示に係る「蓄電装置」に相当する。「蓄電装置」として、電気二重層キャパシタなどの大容量キャパシタを採用してもよい。
【0035】
バッテリ13には、バッテリ13の状態を監視する監視ユニット131が設けられている。具体的には、監視ユニット131は、電圧センサと、電流センサと、温度センサとを含む(いずれも図示せず)。電圧センサは、バッテリ13の電圧VBを検出する。電流センサは、バッテリ13に入出力される電流IBを検出する。温度センサは、バッテリ13の温度TBを検出する。各センサは、その検出結果をECU10に出力する。ECU10は、各センサによる検出結果に基づいて、バッテリ13のSOCを算出したり、バッテリ13の容量維持率Qを算出したりすることができる。
【0036】
PCU14は、ECU10からの指令に従って、バッテリ13に蓄えられた直流電力を交流電力に変換し、その交流電力をモータジェネレータ15に供給する。また、PCU14は、モータジェネレータ15が発電した交流電力を直流電力に変換し、その直流電力をバッテリ13に供給する。PCU14は、コンバータおよびインバータを含む(いずれも図示せず)。
【0037】
モータジェネレータ15は、交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。モータジェネレータ15の出力トルクは、動力伝達ギヤ161を通じて駆動輪162に伝達され、車両1を走行させる。また、モータジェネレータ15は、車両1の制動動作時には、駆動輪162の回転力によって発電することができる。モータジェネレータ15による発電電力は、PCU14によってバッテリ13の充電電力に変換される。
【0038】
ユーザインターフェイス17は、車両1に関する各種情報をユーザに提供したり、ユーザの様々な操作を受け付けたりすることが可能に構成されている。ユーザインターフェイス17の構成例については
図3にて説明する。
【0039】
DCM18は、サーバ2と無線で通信するように構成されている。また、DCM18は、ユーザの携帯端末3とも無線で通信するように構成されている。
【0040】
車載ネットワーク19は、たとえばCAN(Controller Area Network)などの有線ネットワークである。車載ネットワーク19は、ユーザインターフェイス17とDCM18とECU10とを互いに接続し、データ(指令、メッセージ等を含む)の共有または送受信を可能にする。
【0041】
ECU10は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ101と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリ102と、入出力ポート103とを含む。ECU10は、各センサからの信号の入力ならびにメモリ102に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両1が所望の状態となるように各機器を制御する。本実施の形態においてECU10により実行される主要な処理としては、バッテリ13の容量維持率Qを算出し、その算出結果をユーザに提供する処理が挙げられる。この処理については後述する。
【0042】
サーバ2は、車両1を含む複数の車両から取得したデータに対して様々な演算処理を実行するように構成されている。本実施の形態において、サーバ2は、車両1に搭載されたバッテリ13の容量維持率Qを算出し、その算出結果を車両1のユーザに提供する。サーバ2は、たとえば、車両1の製造業者が運用するものであってもよいし、ユーザへの情報提供サービスの運営業者が運用するものであってもよい。サーバ2は、電池情報データベース(データベースサーバ)21と、ディスプレイ22と、通信モジュール23と、サーバ内ネットワーク24と、アプリケーションサーバ20とを備える。
【0043】
電池情報データベース21は、車両1に搭載されたバッテリ13(および複数の他の車両に同様に搭載されたバッテリ)の診断に用いられる情報である「電池情報」を格納する。
【0044】
ディスプレイ22は、アプリケーションサーバ20によるバッテリ13の診断結果(容量維持率Qの算出結果)を表示する。なお、ディスプレイ22の設置場所とアプリケーションサーバ20の設置場所とは異なってもよい。ディスプレイ22の設置場所は、たとえば、車両1のユーザが訪問可能なディーラ(販売店)であってもよい。
【0045】
通信モジュール23は、車両1に搭載されたDCM18との無線で通信するように構成されている。また、通信モジュール23は、車両1のユーザの携帯端末3とも無線で通信するように構成されている。
【0046】
サーバ内ネットワーク24は、電池情報データベース21と通信モジュール23とアプリケーションサーバ20とを互いに接続し、データ(指令、メッセージ等を含む)の共有または送受信を可能にする。
【0047】
アプリケーションサーバ20は、ECU10と同様に、プロセッサ201と、メモリ202と、入出力ポート203とを含む。アプリケーションサーバ20は、ECU10と同様に、バッテリ13の診断結果(バッテリ13の容量維持率Qの算出結果)をユーザに提供することが可能に構成されている。なお、ECU10およびアプリケーションサーバ20のうちの一方または両方が本開示に係る「演算装置」に相当する。
【0048】
携帯端末3はディスプレイ31を含む。ディスプレイ31は、ECU10またはアプリケーションサーバ20によるバッテリ13の診断結果を表示する。
【0049】
図3は、車両1に設けられたユーザインターフェイス17の構成例を示す図である。
図2および
図3を参照して、ユーザインターフェイス17は、インストルメントパネル(インパネ)171と、HUD(Head-Up Display)172と、ナビゲーション画面173とを含む。
【0050】
インパネ171は、メータ類が設置された計器盤であり、ECU10による制御に従って車両1の様々な状態を表示する。より具体的には、インパネ171は、スピードメータ、トリップメータ、バッテリ13のSOCおよび警告灯類を表示するのに加えて、バッテリ13の容量維持率Qを表示する。なお、インパネ171に代えてマルチインフォメーションディスプレイ(MID:Multi-Information Display)を用いてもよい。
【0051】
HUD172は、ドライバの視界前方に各種情報を虚像として投影する。具体的には、HUD172は、車両1の車速、目的地への進行方向、交通標識などを表示する。HUD172にバッテリ13の容量維持率Qを表示してもよい。
【0052】
ナビゲーション画面173は、ナビゲーションシステム(図示せず)のディスプレイである。ナビゲーションシステムは、人工衛星(図示せず)からの電波に基づいて車両1の位置を特定するためのGPS(Global Positioning System)受信機を含む。ナビゲーションシステムは、車両1のGPSデータと道路地図データとに基づいて、車両1の現在地と車両1の目的地に向けた推奨経路とをナビゲーション画面173に表示する。ナビゲーション画面173は、タッチパネル付きのモニタ(いずれも図示せず)であってもよい。ナビゲーション画面173にもバッテリ13の容量維持率Qを表示できる。
【0053】
バッテリ13が劣化してバッテリ13の容量維持率Qが低下した場合、車両1のEV走行距離が短くなる。よって、ユーザがバッテリ13の容量維持率Qを適宜確認できるように、容量維持率Qを「表示装置」に表示する。この例では、車両1のインパネ171、HUD172およびナビゲーション画面173のうちの少なくとも1つが本開示に係る「表示装置」に相当する。「表示装置」は、サーバ2のディスプレイ22であってもよいし、携帯端末3のディスプレイ31であってもよい。以下では説明の簡易化のため、バッテリ13の容量維持率Qの表示先がインパネ171である例について説明する。
【0054】
<容量の測定誤差>
本発明者は、バッテリ13の容量維持率Qの測定精度が以下の2つの要因によって影響を受け得る点に着目した。第1の要因は、バッテリ13への充電電力量である。
【0055】
図4は、バッテリへの充電電力量がバッテリの容量維持率Qの測定精度に及ぼす影響を示す図である。
図4には、3種類の温度条件下(この例では25℃、10℃、0℃)で定電力充電(CP充電)を行い、当該充電後にバッテリの満充電容量を算出した結果が示されている。
【0056】
横軸は、バッテリへの充電電力量をSOCに換算した値(ΔSOC)を表す。この測定例におけるΔSOCは、約30%から約65%までの範囲である。縦軸は、バッテリの満充電容量の測定精度を表す。測定精度とは、ベンチマークとする充電方法により測定された満充電容量に対する、車両において一般的な充電方法により測定された満充電容量の比率である。詳細には、この測定精度とは、電動車両用セルの試験方法に関する国際標準規格であるIEC62660に規定された定電流-定電圧充電(CCCV)方式の充電方法での測定結果を基準(測定精度=100%)とするものである。
【0057】
図4に示すように、バッテリへの充電電力量(ΔSOC)が小さいほど、バッテリの容量維持率Q(満充電容量)の測定精度は低くなる。見方を変えると、バッテリ13の容量維持率Qの測定精度を向上させるためには、ΔSOCをできるだけ大きくすればよいことが理解される。本実施の形態においては端的に、バッテリ13の容量維持率Qの測定を外部充電の機会を利用して実施することが望ましいこと、特に、大きなΔSOCを確保可能な外部充電条件が成立した場合(たとえばΔSOC≧55%の場合)に実施することが望ましいことが分かる。
【0058】
また、
図4より、バッテリの温度が所定温度よりも高い場合(
図4の例では25℃以上の場合)には、ΔSOCの大小によらず、バッテリの容量維持率Qの測定精度を一定値以上(95%以上)に保持可能であることが読み取れる。このことから逆に、たとえば95%以上の測定精度を確保したい場合には、バッテリ13の温度が25℃未満であり、かつ、ΔSOCが55%未満の条件下で行われる外部充電の機会には、バッテリ13の容量維持率Qを測定しないことが好ましいことが分かる。
【0059】
このように、バッテリ13の満充電容量の測定精度には、外部充電に伴うΔSOCに加えて、バッテリ13の容量維持率Qを測定する時期(季節)も影響し得る(第2の要因)。
【0060】
図5は、バッテリの容量維持率Qの測定時期が容量維持率Qの測定結果に及ぼす影響の一例を示す図である。
図5および後述する
図6において、横軸は、バッテリの製造時からの経過時間を表す。縦軸は、バッテリの容量維持率Qを表す。
【0061】
図5には、バッテリ13の製造時を基準として3カ月毎にバッテリの容量維持率Qを測定した結果(実測結果)が示されている。図中、寒期(冬季であってもよいし、より広く晩秋~早春の期間であってもよい)における容量維持率Qの測定結果を円で囲んで示している。
図5より、寒期に測定された容量維持率Qが、それ以外の時期(夏季など、より暖かな季節)に測定された容量維持率Qと比べて低い傾向を示すことが理解される。
【0062】
本発明者の検討によれば、暖かな季節に算出された容量維持率Qは、実際の容量維持率(真値)に近い。一方、寒期に算出された容量維持率Qは、その誤差が大きくなる傾向があり、真値からの乖離が大きい可能性がある。この理由は以下のように説明できる。寒期にバッテリの温度が低くなると、バッテリの内部抵抗が高くなる。バッテリの内部抵抗が高いほど、外部充電に伴うバッテリでの熱損失(ジュール熱)の発生量が大きい。そのため、電流積算法によりバッテリへの充電電力量を測定する場合、測定された充電電力量の、バッテリに実際に充電された電力量に対する誤差が大きくなり得る。
【0063】
寒期に測定されたバッテリ13の容量維持率Qをそのままインパネ171に表示した場合、容量維持率Qの測定誤差が相対的に大きい寒期と、それ以外の時期との移行時には、容量維持率Qの変化が大きくなり得る。その結果、容量維持率Qを確認したユーザに違和感を与える可能性がある。
【0064】
そこで、本実施の形態においては以下の2つの処理を採用し、バッテリ13の容量維持率Qの「推定」と「表示」とを分離する。第1に、バッテリ13の容量推定に近似曲線(容量劣化曲線L)を用い、容量維持率Qの測定値については、そのままインパネ171に表示するのではなく容量劣化曲線Lの更新に使用する。この処理を容量劣化曲線の「更新処理」とも称する。第2に、容量維持率Qの測定値とは異なる値をインパネ171に表示することを許容する。この処理を容量維持率の「表示処理」とも称する。以下、これら2つの処理について詳細に説明する。
【0065】
<推定と表示との分離>
図6は、本実施の形態における容量劣化曲線Lの更新処理および容量維持率Qの表示処理を説明するための図である。
図6を参照して、ここではバッテリ13の製造時から33カ月が経過した時点を例に、バッテリ13の容量維持率Qの測定結果をどのように使用するかを説明する。黒い三角で示すのがバッテリ13の容量維持率Qの測定値である。この測定値は、過去からの容量維持率Qの低下傾向(時間的な推移)からすると、やや低め目であることが読み取れる。この測定値をインパネ171に表示した場合、バッテリ13の容量維持率Qが急低下したとユーザが違和感を覚える可能性がある。あるいは、ユーザがバッテリ13の劣化が実際よりも進んでいると考え、バッテリ13の性能を過少評価する可能性もある。
【0066】
これに対し、本実施の形態においては、バッテリ13の容量維持率Qが容量劣化曲線Lを用いて推定される。容量劣化曲線Lは、一例として、下記式(1)のような多項式曲線によって表すことができる。バッテリ13の製造時からの経過時間をtとする。
L: Q=1-(at3+bt2+ct+d) ・・・(1)
【0067】
容量劣化曲線Lの次数は事前実験により定められている。上記式(1)では、容量劣化曲線Lの次数は3だが、これは一例に過ぎず、次数を2としてもよいし4以上としてもよい。また、すべての時間領域(横軸の全範囲)に同一の次数を適用しなくてもよく、たとえば、ある時間領域における次数と残りの時間領域における次数とを異なる値としてもよい。また、時間領域毎に定めた2以上の容量劣化曲線を時間領域の境界で接続してもよい(スプライン曲線)。
【0068】
カーブフィッティング(回帰分析)の手法を用いることで、バッテリ13の容量維持率Qの測定値に最もよく当てはまるような容量劣化曲線Lが算出される。より詳細には、フィッティングパラメータである4つ係数a,b,c,dの各々には初期値が代入されている。たとえば非線形最小二乗法を用いて、所定の収束条件が成立するまで4つの係数の値が調整される。これにより、4つの係数を最適化し、容量劣化曲線Lを決定できる。
【0069】
更新処理においては、新たな容量維持率Qの測定値が容量劣化曲線Lの更新に使用される。この例では、33カ月目の測定を実施する前に、3カ月~30カ月の期間の容量維持率Qの測定値に基づいて容量劣化曲線Lが算出されている。33カ月目に新たな測定値を取得すると、その測定値を加味して(すなわち、3カ月~33カ月の期間の測定値に基づいて)カーブフィッティングを再び行い、容量劣化曲線Lを算出し直す。
【0070】
表示処理においては、更新処理による更新後の容量劣化曲線Lに従って33カ月目の容量維持率Qが算出される。具体的には、更新後の式(1)の経過時間tに33カ月(に相当する時間値)を代入することにより、33カ月目の容量維持率Qを算出できる。そして、容量劣化曲線Lに従って算出された容量維持率Qをインパネ171に表示する。
図6では、インパネ171における容量維持率Qの表示値を白い三角により示している。
【0071】
このように、本実施の形態においては、容量維持率Qの新たな測定値をそのままインパネ171に表示するのではなく、容量劣化曲線Lの更新に使用する。そして、更新後の容量劣化曲線Lに従って算出された容量維持率Qをインパネ171に表示する。容量劣化曲線Lは、過去の多数の測定値(
図6に示す例では10個の測定値)に基づいて算出されている。そのため、新たな測定値が容量維持率Qの低下傾向から外れた値であったとしても、その影響(新たな測定値による容量劣化曲線Lの変化)は比較的限定的である。したがって、容量維持率Qの表示値が過度に低い値になることが抑制される。これにより、バッテリ13の容量維持率Qが急低下したとのユーザの違和感を抑制するとともに、バッテリ13の劣化が実際よりも進んでいるとのユーザの誤解を防止できる。
【0072】
<処理フロー>
図7は、容量劣化曲線の更新処理を示すフローチャートである。
図7および後述する
図8に示すフローチャートは、たとえば予め定められた演算周期毎に繰り返し実行される。各ステップは、ECU10によるソフトウェア処理により実現されるが、ECU10内に作製されたハードウェア(電気回路)により実現されてもよい。以下、ステップをSと略す。
【0073】
図7を参照して、S11において、ECU10は、車両1の外部充電を実施した場合、大きなΔSOCを確保可能な所定の条件が満足されるかを判定する。たとえば、バッテリ13の現在のSOCと目標SOCとの差(外部充電の前後におけるSOC差)が所定値(たとえば55%)以上である場合に、ECU10は、上記条件が満足すると判定できる。
【0074】
S12において、ECU10は、車両1の外部充電が開始されるかどうかを判定する。大きなΔSOCを確保可能な条件が満足されない場合(S11においてNO)または外部充電の開始タイミングではない場合(S12においてNO)には、ECU10は、以降の処理を実行することなく、処理をメインルーチンに戻す。
【0075】
車両1の外部充電が開始すると(S12においてYES)、ECU10は、外部充電中の電圧VBおよび電流IBを監視ユニット131から取得する(S13)。その後、車両1の外部充電が終了すると(S14においてYES)、ECU10は、処理をS15に進め、外部充電中の電圧VBおよび電流IBに基づいて、バッテリ13の容量維持率Qを算出する。容量維持率Qは、たとえば以下のように算出できる。
【0076】
ECU10は、外部充電の開始時におけるバッテリ13のOCVと、外部充電の終了時におけるバッテリ13のOCV(分極の影響を考慮し、実際の終了時から30分程度が経過した時点でのOCVとすることが好ましい)と、外部充電の開始時と終了時との間のバッテリ13の充電電流量ΔAhとを取得する。さらに、ECU10は、メモリ102に予め記憶されたSOC-OCV曲線を参照することで、外部充電の開始時におけるOCVと終了時におけるOCVとの差をSOC差ΔSOCに換算する。そして、ECU10は、SOC差ΔSOCに対する充電電流量ΔAhとの比率と、SOC差=100%に対する満充電容量Cとの比率とが等しいとする下記式(2)に従って、バッテリ13の満充電容量Cを算出する。初期状態における満充電容量C0はバッテリ13の仕様から既知であるため、満充電容量Cから容量維持率Qを算出できる(Q=C/C0)。
C=ΔAh/ΔSOC×100 ・・・(2)
【0077】
S16において、ECU10は、外部充電の終了時刻を取得し、バッテリ13の製造時から外部充電の終了時までの間の経過時間(S14にて算出した容量維持率Qに対応する時間)を算出する。
【0078】
S17において、ECU10は、S15にて算出した今回の容量維持率Qと、S16にて算出した今回の経過時間とをメモリ102に不揮発的に格納する。メモリ102には、過去に複数回算出した容量維持率Qおよび経過時間も格納されている。
【0079】
S18において、ECU10は、今回のデータ(容量維持率Q,経過時間)と過去のデータ(容量維持率Q,経過時間)とをメモリ102から読み出し、カーブフィッティングを行って容量劣化曲線Lを更新する。この演算内容については
図6にて詳細に説明したた
め、ここでの説明は繰り返さない。
【0080】
図8は、容量維持率の表示処理を示すフローチャートである。このフローチャートは、容量劣化曲線の更新処理のフローチャート(
図7参照)とは独立に実行可能である。
【0081】
図8を参照して、S21において、ECU10は、バッテリ13の容量維持率Qをインパネ171に表示する要求(表示要求)が発生しているかどうかを判定する。たとえば、ユーザが容量維持率Qを確認するための操作をユーザインターフェイス17が受け付けた場合に表示要求が発生していると判定できる。また、容量維持率Qをインパネ171に常時表示する場合には、定期的に表示要求が発生してもよい。表示要求が発生していない場合(S21においてNO)には、ECU10は、以降の処理を実行することなく、処理をメインルーチンに戻す。
【0082】
表示要求が発生した場合(S21においてYES)、ECU10は、表示要求の発生時刻(現在時刻)を取得し、バッテリ13の製造時から表示要求の発生時までの間の経過時間を算出する(S22)。
【0083】
S23において、ECU10は、更新処理により最新の状態である容量劣化曲線Lを参照することによって、S22にて算出した経過時間に応じた容量維持率Qを算出する。そして、ECU10は、算出した容量維持率Qをインパネ171に表示させる(S24)。ECU10は、容量劣化曲線Lをインパネ171に表示させてもよい。容量劣化曲線Lを確認することで、ユーザが容量維持率Qの推移を直感的に把握することが可能になる。
【0084】
以上のように、本実施の形態においては、容量維持率Qの表示要求が発生した場合、容量劣化曲線Lを用いて算出した劣化指標を表示する。更新処理において容量劣化曲線Lを適宜更新しておくことで、過去の複数回の測定値(外部充電に伴い表示要求が発生する場合には最新の測定値を含んでもよい)に基づいて、容量維持率Qの表示要求の発生時における容量維持率Qを推定できる。過去からの容量維持率Qの推移が反映された容量劣化曲線Lを用いることで容量維持率Qの変化が平滑化され、容量維持率Qの急変を防止できる。よって、本実施の形態によれば、ユーザが容量維持率Qを確認する際の違和感を抑制できる。
【0085】
なお、
図7および
図8では、更新処理および表示処理がECU10により実行される例について説明した。言い換えると、本開示に係る「車両診断システム」が車両1で完結している例について説明した。しかし、更新処理および表示処理の実行主体は、サーバ2(アプリケーションサーバ20)であってもよい。また、更新処理と表示処理とで実行主体が異なり、一方がECU10により実行され、他方がアプリケーションサーバ20により実行されてもよい。
【0086】
また、バッテリ13の容量維持率Qの算出タイミング(更新処理の実行条件)は、車両1の外部充電時に限定されるものではない。ただし、
図4にて説明したように、SOC変化量ΔSOCが大きいほど容量維持率Qの測定精度は高くなる。そのため、外部充電を実施可能な車両では、外部充電時に容量維持率Qを算出して容量劣化曲線Lを更新することが望ましい。一方、通常のハイブリッド車両など外部充電に対応していない車両においては、通常走行時に更新処理を実行してもよい。
【0087】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
1 車両、10 ECU、101 プロセッサ、102 メモリ、103 入出力ポート、11 インレット、12 AC/DCコンバータ、13 バッテリ、131 監視ユニット、14 PCU、15 モータジェネレータ、161 動力伝達ギヤ、162 駆動輪、17 ユーザインターフェイス、171 インパネ、172 HUD、173 ナビゲーション画面、18 DCM、19 車載ネットワーク、2 サーバ、20 アプリケーションサーバ、201 プロセッサ、202 メモリ、203 入出力ポート、21 電池情報データベース、22 ディスプレイ、23 通信モジュール、24 サーバ内ネットワーク、3 携帯端末、31 ディスプレイ、4 充電設備、5 充電ケーブル、9 車両診断システム。