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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】ヒューマンマシンインターフェース装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
G05B23/02 X
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020114125
(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公開番号】P2022012337
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】安藤 数馬
【審査官】仁木 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-189166(JP,A)
【文献】特開2005-259021(JP,A)
【文献】特開2015-207210(JP,A)
【文献】特開2020-008982(JP,A)
【文献】特開2003-280713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G05B 19/418
G06F 3/00
G09G 5/00 - 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造プラントを構成する機器群から各種プロセス信号を受信し、受信したプロセス信号の値に応じた機器状態を表示可能な工程作業画面を備えるヒューマンマシンインターフェース装置であって、
前記工程作業画面は、指定された工程毎に切り替え可能であって、前記各種プロセス信号のうち少なくとも1つのプロセス信号に関連付けられた各種図面からオペレータにより選択された複数の図面を表示する図面領域と、当該指定された工程での作業方法と当該作業方法で実施される複数の作業の手順についての手順書を表示する手順書領域と、を有し、
前記図面領域に表示中の前記複数の図面のそれぞれについて、前記受信したプロセス信号の値に応じた機器状態を、当該プロセス信号に関連付けられた図面上に表示する機器状態表示手段と、
前記手順書領域に表示されている手順書データに含まれる前記手順を編集可能な手順書編集手段と、
現工程を終了する際に、前記工程作業画面に表示されている前記複数の図面の図面組合せデータと前記現工程の工程識別子とを関連付けた情報、および前記工程作業画面に表示されている前記手順書データと前記工程識別子とを関連付けた情報を、記憶装置に記憶させる工程終了処理手段と、
前記工程識別子を入力可能な工程識別子入力手段と、
前記工程識別子入力手段により入力された前記工程識別子に関連付けられた前記図面組合せデータ、および前記工程識別子に関連付けられた前記手順書データを前記記憶装置から取得して、前記工程作業画面に初期表示として配置する工程開始処理手段と、
を備えることを特徴とするヒューマンマシンインターフェース装置。
【請求項2】
前記工程識別子は、1つの工程につき複数の方法パターンがある場合に、工程番号と方法パターン番号とを組合せて特定されること、
を特徴とする請求項1記載のヒューマンマシンインターフェース装置。
【請求項3】
前記手順書データを外部装置との間で入出力可能な手順書入出力手段、
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のヒューマンマシンインターフェース装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント監視制御システムに適用されるヒューマンマシンインターフェース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造プラント(食品プラント、石油プラント、製紙プラント、鉄鋼プラントなど)を監視・制御する監視制御システムが知られている。大規模な監視制御システムは、分散制御システムとして構築されている。
【0003】
監視制御システムは、コンピュータネットワークを介して、プラントを構成する多数のフィールド機器(アクチュエータやセンサを含む)に接続するヒューマンマシンインタフェース(以下、HMI)を備える。HMIは、ディスプレイ、キーボード、マウスなどを備え、オペレータは、HMIを用いて監視および制御のための操作を行う。
【0004】
オペレータは、HMIのディスプレイ上でプロセス全体の状況ならびに各個別ループの状況をリアルタイムに確認する。例えば、ビール製造プラントにおいて、プロセスは、仕込工程、発酵工程、熟成工程、濾過工程などである。個別ループは、例えば、タンクの液面を一定の高さに制御するためのフィードバック処理などである。
【0005】
オペレータは操業時に、
(1)操業全体の工程もしくはスケジュール進捗画面
(2)操業対象とするプロセスを描画した画面
(3)操業中のプロセス画面に関連する計器のグループ画面
(4)計器個々の詳細画面
(5)アラームや動作記録などの履歴画面
などから選択した画面をディスプレイに表示させる。
【0006】
ある1つの作業や工程は、基本的に標準化された手順書に沿って実施される。特許文献1(特開2013-20426号公報)には、手順書を簡便に編集するために、紙媒体の手順書を監視装置に読み込んで編集可能にするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2013-20426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来、オペレータは、工程ごとに必要な画面を手順書で確認し、必要な画面をHMIのディスプレイ上に並べてから、各工程での作業を開始していた。すなわち、各工程の作業開始までに準備時間を要していた。そのため、準備時間の短縮が望まれる。
【0009】
また、必ずしも手順書が標準化されているとは限らない。新たな作業や工程が発生する新製品の製造においては、手順書が標準化されていない場合もある。例えば、アルコール飲料の新製品を製造する場合には、気温や湿度などの外的要因によって発酵状態が変化するため、熟練したオペレータによる手順書にない制御操作が必要な場合がある。このような、熟練したオペレータによる作業手順を他のオペレータに早く引き継げるようにするため、手順書の作成工数を減らす仕組みが望まれる。
【0010】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、工程終了時にHMIの画面情報および編集された手順書を記憶でき、次に当該工程が開始される際に、記憶した画面情報および手順書を初期表示として自動的に準備できるHMI装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的の達成のため、本発明に係るHMI装置は以下のように構成される。
【0012】
HMI装置は、製造プラントを構成する機器群から各種プロセス信号を受信し、受信したプロセス信号の値に応じた機器状態を表示可能な工程作業画面を備える。
【0013】
工程作業画面は、指定された工程毎に切り替え可能であって、図面領域と手順書領域とを有する。図面領域は、前記各種プロセス信号のうち少なくとも1つのプロセス信号に関連付けられた各種図面からオペレータにより選択された複数の図面を表示する。手順書領域は、当該指定工程での作業方法と当該作業方法で実施される複数の作業の手順についての手順書を表示する。
【0014】
HMI装置は、機器状態表示手段と、手順書編集手段と、工程終了処理手段と、工程識別子入力手段と、工程開始処理手段とを備える。
【0015】
機器状態表示手段は、前記図面領域に表示中の前記複数の図面のそれぞれについて、前記受信したプロセス信号の値に応じた機器状態を、当該プロセス信号に関連付けられた図面上に表示する。
【0016】
手順書編集手段は、前記手順書領域に表示されている手順書データに含まれる前記手順を編集可能である。
【0017】
工程終了処理手段は、現工程を終了する際に、前記工程作業画面に表示されている前記複数の図面の図面組合せデータと前記現工程の工程識別子とを関連付けた情報、および前記工程作業画面に表示されている前記手順書データと前記工程識別子とを関連付けた情報を、記憶装置に記憶させる。
【0018】
工程識別子入力手段は、前記工程識別子を入力可能である。
【0019】
工程開始処理手段は、前記工程識別子入力手段により入力された前記工程識別子に関連付けられた前記図面組合せデータ、および前記工程識別子に関連付けられた前記手順書データを前記記憶装置から取得して、前記工程作業画面に初期表示として配置する。
【0020】
1つの好ましい態様では、前記工程識別子は、1つの工程につき複数の方法パターンがある場合に、工程番号と方法パターン番号とを組合せて特定される。
【0021】
他の1つの好ましい態様では、HMI装置は、前記手順書データを外部装置との間で入出力可能な手順書入出力手段、をさらに備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、工程終了時に図面組合せおよび編集された手順書を記憶し、次回以降に当該工程を開始する際に、記憶された図面組合せおよび手順書を工程作業画面に初期表示として配置できる。当該工程に必要な画面が自動的に準備されるため、作業開始までの準備時間を短縮できる。
【0023】
また、本発明によれば、工程作業画面上に、機器状態を表示する図面領域と共に手順書を表示する手順書領域を有し、工程作業中に簡便に手順書を編集できるため、手順書作成の工数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態1に係る監視制御システムを説明するための図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る図面組合せテーブルの一例である。
図3】本発明の実施の形態1に係る手順書テーブルの一例である。
図4】本発明の実施の形態1に係る工程識別子を入力するためのウィンドウの一例である。
図5】本発明の実施の形態1に係るHMI装置において、各工程終了時に実行される処理のフローチャートである。
図6】HMI装置において、工程を開始するにあたって工程作業画面の初期表示を準備する処理のフローチャートである。
図7】本発明の実施の形態1に係るHMI装置が有するハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0026】
実施の形態1.
<システム構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る監視制御システムを説明するための図である。製造プラントの監視制御システムは、HMI装置1を備える。
【0027】
HMI装置1は、コンピュータネットワークを介して、製造プラントを構成する監視対象機器群2に接続する。監視対象機器群2は、プラントを構成するフィールド機器、およびプログラマブルロジックコントローラを含む。HMI装置1は、処理部3、ディスプレイ73、入出力インタフェース74、ネットワークインタフェース75を備える。
【0028】
HMI装置1は、監視対象機器群2から各種プロセス信号を受信する。HMI装置1は、受信したプロセス信号の値に応じた機器状態を表示可能な工程作業画面4をディスプレイ73に表示する。
【0029】
工程作業画面4は、工程を監視・制御するための画面であり、工程毎に切り替え可能である。工程作業画面4は、各種図面からオペレータにより選択された複数の図面を表示する図面領域と、当該工程についての手順書を表示する手順書領域とを有する。各種図面には、各種プロセス信号のうち少なくとも1つのプロセス信号に関連付けられた表示パーツが配置されている。工程作業画面4には、工程終了ボタン5が配置されている。
【0030】
処理部3は、図番号入力部11、図面表示部12、図面移動部13、機器状態表示部14、手順書編集部15、工程終了処理部16、工程識別子入力部17、工程開始処理部18、手順書入出力部19、データベース20を備える。処理部3は、後述する図7のプロセッサ71が記憶装置72に記憶された各種プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0031】
図番号入力部11は、入出力インタフェース74から入力された図番号を図面表示部12へ送信する。例えば、オペレータは、工程作業画面4に表示したい図面の番号を、キーボードを用いて入力する。
【0032】
図面表示部12は、図番号入力部11から図番号を受信する。図面表示部12は、図番号を検索キーとして、データベース20の図面テーブル21から図番号に対応する図面を取得し、当該図面を工程作業画面4に表示する。図面テーブル21には、図番号と図面データとが関連付けられた情報が格納されている。
【0033】
図面移動部13は、工程作業画面4に表示されている各図面の位置(座標)を、入出力インタフェース74の操作により変更する機能を有する。例えば、オペレータは、マウスのドラッグアンドドロップ操作により図面の位置を変更する。
【0034】
機器状態表示部14は、図面領域に表示中の複数の図面のそれぞれについて、受信したプロセス信号の値に応じた機器状態を、当該プロセス信号に関連付けられた図面上にリアルタイムに表示する。例えば、機器状態表示部14は、受信したプロセス信号の値に応じて、当該プロセス信号に対応する表示パーツに数値や文字を表示したり、表示パーツの色、位置、形状を変更したりする。
【0035】
手順書編集部15は、工程作業画面4の手順書領域に表示されている手順書データを、現工程の作業中に編集可能である。例えば、オペレータは、キーボードを用いて工程作業画面4に表示中の手順書に新たな作業手順を追加できる。
【0036】
工程終了処理部16は、オペレータが工程作業画面4の工程終了ボタン5を押下すると実行される。工程終了処理部16は、現工程終了時に表示されている図面領域の図面組合せデータをデータベース20に記憶させる。具体的には、工程終了処理部16は、現工程を終了する際に、工程作業画面4に表示されている複数の図面の図面組合せデータと現工程の工程識別子とを関連付けた情報を、データベース20の図面組合せテーブル22に記憶させる。
【0037】
例えば、工程識別子は、工程番号で特定される。1つの工程につき複数の方法パターンがある場合には、工程識別子は、工程番号と方法パターン番号とを組合せて特定される。また、図面組合せデータは、図番号組合せ、図配置、図大きさを含む。図2は、図面組合せテーブル22の一例である。工程番号と方法パターン番号との組合せにより、1つの工程につき複数の図面組合せデータを記憶できる。
【0038】
図2において、例えば、工程1(方法A)に対応する列にて、図面番号組み合わせを示す行で示される欄内の、a1は、工程作業画面4上に、図面を表示する領域a1を示している。ここでa1の1は例えば工程1であるということを示している。05は図面番号である。a1=05とは図面を表示する領域a1に表示する図面の番号は05であるということを示している。b1=07とは図面を表示する領域b1に表示する図面の番号は07であるということを示している。他も同様である。
【0039】
図2において、例えば、工程1(方法A)に対応する列にて、図配置を示す行で示される欄内の、Xa1は、工程作業画面4上に、図面を表示する領域a1の表示座標のX軸の値を示している。ここでa1は図面を表示する領域a1を示している。Ya1は、工程作業画面4上に、図面を表示する領域a1の表示座標のY軸の値を示している。他も同様である。
【0040】
図2において、例えば、工程1(方法A)に対応する列にて、図大きさを示す行で示される欄内の、La1は、工程作業画面4上に、図面を表示する領域a1の縦方向の大きさの値を示している。ここでa1は図面を表示する領域a1を示している。Wa1は、工程作業画面4上に、図面を表示する領域a1の横方向の大きさの値を示している。他も同様である。
【0041】
さらに、工程終了処理部16は、現工程において手順書編集部15により編集された最新の手順書データをデータベース20に記憶させる。具体的には、工程終了処理部16は、現工程を終了する際に、工程作業画面4に表示されている手順書データと現工程の工程識別子とを関連付けた情報を、データベース20の手順書テーブル23に記憶させる。
【0042】
手順書データは、ある工程での作業方法と手順についてのテキスト情報(手順1~手順n)を含む。図3は、手順書テーブル23の一例である。図面組合せテーブル22と同様に、工程番号と方法パターン番号との組合せにより、1つの工程につき複数の手順書データを記憶できる。
【0043】
工程識別子入力部17は、入出力インタフェース74から入力された工程識別子を工程開始処理部18へ送信する。例えば、オペレータはキーボードを用いて、次に開始する工程の工程番号および方法パターン番号を入力する。
【0044】
図4は、工程識別子を入力するためのウィンドウの一例である。このウィンドウは、工程番号入力エリア41、方法パターン番号入力エリア42、OKボタン43を備える。オペレータは、工程番号入力エリア41に工程番号を、方法パターン番号入力エリア42に方法パターン番号を入力して、OKボタン43を押下する。
【0045】
工程開始処理部18は、工程識別子入力部17から受信した工程識別子を検索キーにして、データベース20から初期表示すべき図面および手順書を取得し、工程作業画面4に配置する。具体的には、工程開始処理部18は、工程識別子入力部17により入力された工程識別子に関連付けられた図面組合せデータを、データベース20の図面組合せテーブル22から取得する。上述したように図面組合せデータは、図番号組合せと配図置・図大きさを含む。工程開始処理部18は、この図面組合せデータに基づいて、対応する図面を工程作業画面4の図面領域に初期表示として配置する。
【0046】
さらに、工程開始処理部18は、工程識別子入力部17により入力された工程識別子に関連付けられた手順書データを、データベース20の手順書テーブル23から取得し、工程作業画面4の手順書領域に初期表示として配置する。
【0047】
このように、過去に実施した工程の終了時に記憶した図面の組み合わせと手順書が、次回以降の当該工程の開始時に呼び出され、必要な図面と手順書が工程作業画面4に自動的に展開される。
【0048】
手順書入出力部19は、手順書データを外部装置との間で入出力可能である。外部装置は、手順書データを紙媒体に印刷可能なプリンタ、紙媒体の手順書を電子データに変換してHMI装置1へ入力可能なスキャナ、手順書データを電子ファイルとして入出力可能な記憶メディア、PCなどである。
【0049】
<処理フロー>
次に、図5を参照して、工程終了時に工程作業画面4の図面組合せデータおよび手順書データを保存する処理フローについて説明する。図5は、本実施形態のHMI装置1において、各工程終了時に実行される処理のフローチャートである。
【0050】
ステップS100において、オペレータは、現工程を終了する場合に工程作業画面4の工程終了ボタン5を押下する。
【0051】
ステップS110において、終了選択ウィンドウが表示される。終了選択ウィンドウは、工程終了とする(YES)か工程終了しない(NO)かを選択可能である。YESが選択された場合は、ステップS120の処理に進む。NOが選択された場合は本処理フローを終了する。
【0052】
ステップS120において、保存選択ウィンドウが表示される。保存選択ウィンドウは、工程作業画面4に表示されている図面の組合せと手順書を保存する(YES)か保存しない(NO)かを選択可能である。YESが選択された場合は、ステップS130の処理に進む。NOが選択された場合は本処理フローを終了する。
【0053】
ステップS130において、工程終了処理部16は、現工程終了時の図面組合せデータおよび手順書データをデータベース20に保存する。
【0054】
次に、図6を参照して、工程開始時に、過去に実施した当該工程終了時に保存した図面と手順書を、工程作業画面4の初期表示として配置する処理フローについて説明する。図6は、本実施形態のHMI装置1において、工程を開始するにあたって工程作業画面4の初期表示を準備する処理のフローチャートである。
【0055】
ステップS200において、オペレータは、工程を開始するにあたって工程識別子(工程番号、方法パターン番号)を上述した図4のウィンドウに入力する。
【0056】
ステップS210において、工程開始処理部18は、データベース20から工程識別子に対応する図面組合せデータを取得する。
【0057】
ステップS220において、工程開始処理部18は、データベース20から工程識別子に対応する手順書データを取得する。
【0058】
ステップS230において、工程開始処理部18は、取得した図面と手順書を工程作業画面の初期表示として配置する。具体的には、工程開始処理部18は、図面組合せデータに基づいて、対応する図面を工程作業画面4の図面領域に初期表示する。工程開始処理部18は、手順書データを工程作業画面4の手順書領域に初期表示として配置する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係るHMI装置1によれば、工程終了時に図面組合せおよび編集された手順書を記憶し、次回以降に当該工程を開始する際に、記憶された図面組合せおよび手順書を工程作業画面4に初期表示として配置できる。当該工程に必要な画面が自動的に準備されるため、作業開始までの準備時間を短縮できる。
【0060】
また、HMI装置1によれば、工程作業画面4に手順書を表示する手順書領域を有し、工程作業中に簡便に手順書を編集できる。その結果、手順書に熟練のオペレータが作業ノウハウを蓄積しやすくなり、他のオペレータがこれに従って適切に作業を実施することができる。
【0061】
また、工程識別子として、工程番号に方法パターン番号を組み合わせることで、1つの工程に複数の作業パターンを記憶させることができる。それにより、各工程で状況に応じた運転を記録できる。さらに、各課・各班の作業方法(作業に掛かった工数や作業ポイント)の比較をすることで、標準方法の改善を期待できる。
【0062】
<変形例>
ところで、上述した実施の形態1のシステムにおいては、工程識別子を工程番号と方法パターン番号の組合せとしているが、これに限定されるものではない。工程識別子は少なくとも工程番号を含めばよい。
【0063】
<ハードウェア構成例>
図7は、HMI装置1が有するハードウェア構成例を示すブロック図である。HMI装置1は、プロセッサ71、記憶装置72、ディスプレイ73、入出力インタフェース74、ネットワークインタフェース75が接続して構成されている。
【0064】
記憶装置72は、ROM、RAMなどの主記憶装置、およびHDD、SSDなどの補助記憶装置を含む。入出力インタフェース74は、キーボード、マウスなどの入力デバイス、HMI装置1と外部装置との間で手順書ファイルを入出力可能なデバイスを含む。外部装置は、例えばプリンタ、スキャナ、記憶メディア、PCなどである。ネットワークインタフェース75は、監視対象機器群2と接続して信号を送受信可能なデバイスである。HMI装置1は、プロセッサ71が記憶装置72に記憶された各種プログラムを実行することにより、HMI装置1の各処理を実現する処理回路として機能する。
【0065】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 ヒューマンマシンインターフェース装置
2 監視対象機器群
3 処理部
4 工程作業画面
5 工程終了ボタン
11 図番号入力部
12 図面表示部
13 図面移動部
14 機器状態表示部
15 手順書編集部
16 工程終了処理部
17 工程識別子入力部
18 工程開始処理部
19 手順書入出力部
20 データベース
21 図面テーブル
22 図面組合せテーブル
23 手順書テーブル
41 工程番号入力エリア
42 方法パターン番号入力エリア
43 OKボタン
71 プロセッサ
72 記憶装置
73 ディスプレイ
74 入出力インタフェース
75 ネットワークインタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7