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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】制御装置、プログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20231108BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20231108BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G01C21/36
G08G1/005
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020114495
(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公開番号】P2022012570
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100220674
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】大出水 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】井上 和幸
(72)【発明者】
【氏名】小林 亮介
(72)【発明者】
【氏名】田中 由里香
(72)【発明者】
【氏名】眞屋 朋和
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-27779(JP,A)
【文献】特開2015-203670(JP,A)
【文献】特開2012-189438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが移動するルートを示すルート情報であって、前記ルート上の少なくとも1つの地点に設けられている乗り場からの交通機関の出発時刻を示す運行情報を含むルート情報と、前記ユーザの移動状況を示す移動情報とを取得し、
取得した前記ルート情報と前記移動情報とに基づいて、前記ルート上で前記ユーザに待ち時間が発生する待機地点として、前記乗り場が設けられ、且つ前記出発時刻よりも前に前記ユーザが到着する地点を検出し、
検出した前記待機地点への前記ユーザの到着を前記待ち時間の範囲内で遅延させるための減速を前記ユーザに促す減速情報を出力する制御部を備える、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記移動情報で示された移動状況に応じて、検出した前記待機地点に前記ユーザが到着する到着予測時刻を算出し、前記到着予測時刻と、前記運行情報で示された前記出発時刻との差分を前記待ち時間として算出する、請求項に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記減速情報として、前記待機地点への前記ユーザの到着を、当該到着の時刻と前記出発時刻とが同時刻となるまで遅延させるための減速を前記ユーザに促す情報を出力する、請求項に記載の制御装置。
【請求項4】
前記交通機関を制御する管理装置と通信する通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記運行情報を、前記管理装置から前記通信部を介して取得する、請求項からのいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記ユーザの移動状況を検出する端末装置と通信する通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記移動情報を、前記端末装置から前記通信部を介して取得する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
ユーザが移動するルートを示すルート情報であって、前記ルート上の少なくとも1つの地点に設けられている乗り場からの交通機関の出発時刻を示す運行情報を含むルート情報と、前記ユーザの移動状況を示す移動情報とを取得することと、
取得した前記ルート情報と前記移動情報とに基づいて、前記ルート上で前記ユーザに待ち時間が発生する待機地点として、前記乗り場が設けられ、且つ前記出発時刻よりも前に前記ユーザが到着する地点を検出することと、
検出した前記待機地点への前記ユーザの到着を前記待ち時間の範囲内で遅延させるための減速を前記ユーザに促す減速情報を出力することと、
を含む動作をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
前記動作は、前記移動情報で示された移動状況に応じて、検出した前記待機地点に前記ユーザが到着する到着予測時刻を算出することと、
前記到着予測時刻と、前記運行情報で示された前記出発時刻との差分を前記待ち時間として算出することと、
をさらに含む、請求項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記減速情報を出力することは、前記減速情報として、前記待機地点への前記ユーザの到着を、当該到着の時刻と前記出発時刻とが同時刻となるまで遅延させるための減速を前記ユーザに促す情報を出力することを含む、請求項に記載のプログラム。
【請求項9】
制御装置により、ユーザが移動するルートを示すルート情報であって、前記ルート上の少なくとも1つの地点に設けられている乗り場からの交通機関の出発時刻を示す運行情報を含むルート情報と、前記ユーザの移動状況を示す移動情報とを取得することと、
前記制御装置により、取得した前記ルート情報と前記移動情報とに基づいて、前記ルート上で前記ユーザに待ち時間が発生する待機地点として、前記乗り場が設けられ、且つ前記出発時刻よりも前に前記ユーザが到着する地点を検出することと、
前記制御装置により、検出した前記待機地点への前記ユーザの到着を前記待ち時間の範囲内で遅延させるための減速を前記ユーザに促す減速情報を出力することと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、プログラム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、待ち時間を考慮して事前に徒歩区間を設定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-066681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、ユーザが想定以上に急いで移動してしまうと、待ち時間の発生を回避することが難しい。
【0005】
本開示の目的は、待ち時間の抑制の確実性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御装置は、
ユーザが移動するルートを示すルート情報と、前記ユーザの移動状況を示す移動情報とを取得し、
取得した前記ルート情報と前記移動情報とに基づいて、前記ルート上で前記ユーザに待ち時間が発生する待機地点を検出し、
検出した前記待機地点への前記ユーザの到着を前記待ち時間の範囲内で遅延させるための減速を前記ユーザに促す減速情報を出力する制御部を備える。
【0007】
本開示に係るプログラムは、
コンピュータに、
ユーザが移動するルートを示すルート情報と、前記ユーザの移動状況を示す移動情報とを取得することと、
取得した前記ルート情報と前記移動情報とに基づいて、前記ルート上で前記ユーザに待ち時間が発生する待機地点を検出することと、
検出した前記待機地点への前記ユーザの到着を前記待ち時間の範囲内で遅延させるための減速を前記ユーザに促す減速情報を出力することと、
を含む動作を実行させる。
【0008】
本開示に係る制御方法は、
制御装置により、ユーザが移動するルートを示すルート情報と、前記ユーザの移動状況を示す移動情報とを取得することと、
前記制御装置により、取得した前記ルート情報と前記移動情報とに基づいて、前記ルート上で前記ユーザに待ち時間が発生する待機地点を検出することと、
前記制御装置により、検出した前記待機地点への前記ユーザの到着を前記待ち時間の範囲内で遅延させるための減速を前記ユーザに促す減速情報を出力することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、待ち時間の抑制の確実性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
図2】第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る切り替え情報の一例を示す図である。
図4】第1実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る管理装置の構成を示すブロック図である。
図6A】第1実施形態に係るシステムの動作を示す図である。
図6B】第1実施形態に係るシステムの動作を示す図である。
図7】第1実施形態に係るルート案内中のルートの例を示す図である。
図8】第1実施形態に係る制御装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
図9】第1実施形態に係る端末装置の出力部に表示される画面の例を示す図である。
図10】第2実施形態に係る運行情報の一例を示す図である。
図11】第2実施形態に係るルート案内中のルートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図を参照して説明する。
【0012】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0013】
(第1実施形態)
図1を参照して、本実施形態に係るシステム10の構成を説明する。
【0014】
本実施形態に係るシステム10は、制御装置20と、端末装置30と、管理装置40と、交通信号機50と、を備える。
【0015】
制御装置20は、ネットワーク60を介して端末装置30、管理装置40、及び交通信号機50と通信可能である。
【0016】
ネットワーク60は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの組み合わせを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク60は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0017】
制御装置20は、データセンタなどの施設に設置される。制御装置20は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0018】
端末装置30は、ユーザ11によって保持される。端末装置30は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。「ウェアラブル機器」は具体的には、腕時計型又はアンクレット型等の、ユーザ11の身体に装着可能なモバイル機器である。
【0019】
交通信号機50は、信号灯で表示する色を切り替えて道路の交通を制御する。交通信号機50には横断歩道に配置される歩行者用信号機又は横断歩道のない交差点に配置される信号機等が含まれる。交通信号機50は、縦又は横等の任意の方向に並べて配置され互いに異なる色で点灯又は点滅可能な2つ以上の信号灯を備える。交通信号機50は、赤色及び青色の少なくとも2色を点灯可能な信号灯を備える。本実施形態では、これらの信号灯のうち、赤色で点灯可能な信号灯が点灯したときに停止信号、青色で点灯可能な別の信号灯が点灯したときに進行信号が示される。交通信号機50は赤色及び青色の他、黄色、矢印記号又は他の交通信号を表示可能な信号灯を備えてもよい。交通信号機50は、管理装置40から送信される切り替え情報にもとづいて信号灯で表示する色を切り替える。
【0020】
管理装置40は、交通管制センタに設置される。管理装置40は、図1に示す交通信号機50A及び交通信号機50B等の交通信号機50を制御できる。管理装置40は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。管理装置40は、交通信号機50とネットワーク60を介して接続される。管理装置40は、交通信号機50に切り替え情報を送信し、交通信号機50が備える信号灯のいずれを点灯、点滅又は消灯させるかを制御することができる。
【0021】
図1を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0022】
図1に示すシステム10において、制御装置20は、ユーザ11が移動するルートを示すルート情報と、ユーザ11の移動状況を示す移動情報とを取得する。制御装置20は、取得したルート情報と移動情報とに基づいて、ルート上でユーザ11に待ち時間が発生する待機地点を検出する。制御装置20は、検出した待機地点へのユーザ11の到着を待ち時間の範囲内で遅延させるための減速をユーザ11に促す減速情報を出力する。
【0023】
「ルート情報」は具体的には、ユーザ11が起動中のルート案内アプリケーションにおいてユーザが目的地まで移動する地図上の経路を示す情報である。「ルート情報」には、ルート上の少なくとも1つの地点に設けられている交通信号機50の切り替えタイミングを示す切り替え情報が含まれる。「切り替え情報」は交通管制センタが有する管理装置40から提供され、交通信号機50の信号灯が進行の許可を示す青色の進行信号の表示から、進行の不許可を示す黄色及び赤色の停止信号の表示へ変化するタイミングを示す情報である。「切り替え情報」は、対象の交通信号機50、時刻、及び当該時刻に表示する信号灯の色を示す情報を含む。「移動情報」は、端末装置30により検出される、端末装置30を保持するユーザ11の移動速度及び現在位置をユーザ11の移動状況として示す情報を含む。「移動速度」は、端末装置30が備える加速度センサ又は角速度センサ等を用いて検出される。「移動速度」は、屋内又は屋外に設置された監視カメラ等のセンサ装置により検出されてもよい。「現在位置」は、端末装置30が備えるGPS受信機等を用いて検出される。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「待ち時間」とは、ルート上のある地点においてユーザ11の移動が中断され、ユーザ11が移動再開を待つ時間のことである。「待機地点」は、ルート上のある地点であって、ユーザ11に待ち時間が発生する地点である。「待機地点」には、交通信号機50が設けられ、且つ当該交通信号機50が停止信号のときにユーザ11が到着する地点が含まれる。「減速情報」は、現在の移動速度から減速すべき度合いをユーザ11に通知する情報である。「減速情報」は、端末装置30によってユーザ11に通知される。通知はテキストメッセージ、画像、音声又は振動等の形式で行われる。
【0024】
本実施形態によれば、ルート案内中の移動速度を遅くするようユーザを誘導することができる。よって、待ち時間の抑制の確実性が向上する。
【0025】
図2を参照して、本実施形態に係る制御装置20の構成を説明する。
【0026】
制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25とを備える。
【0027】
制御部21には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、制御装置20の各部を制御しながら、制御装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0028】
通信部23には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部23は、制御装置20の動作に用いられる情報を受信し、また制御装置20の動作によって得られる情報を送信する。
【0029】
入力部24には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部24は、制御装置20の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部24は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0030】
出力部25には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。出力部25は、制御装置20の動作によって得られる情報を出力する。出力部25は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の出力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0031】
記憶部22には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、制御装置20の動作に用いられる情報と、制御装置20の動作によって得られた情報とが記憶される。記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、道路地図情報、交通信号機50の切り替え情報、及び端末装置30によって得られたユーザ11の移動情報を記憶する。
【0032】
交通信号機50の「切り替え情報」の一例を図3に示す。図3は、2つの交通信号機50A及び50Bのそれぞれについての切り替え情報のテーブルを示す。図3のテーブルには、「切り替え情報」として、対象の交通信号機50と、切り替え時刻と、当該切り替え時刻に表示される信号灯の色との情報が格納されている。信号灯の色は図3に示す赤色と青色との2色の他、黄色をさらに含んでもよい。信号灯の色の情報の代わりに、進行許可及び進行不許可を示す絵柄の情報が含まれてもよい。例えば、図3のテーブルにおいて、タイトル行の次の第1行に記録されている情報は、2020年4月1日8時00分00秒に、交通信号機50Aの信号灯が赤色の停止信号を表示することを示す。第3行に記録されている情報は、2020年4月1日8時1分30秒に、交通信号機50Aの信号灯が切り替わって青色の進行信号を表示することを示す。交通信号機50の切り替え情報は、制御部21によって通信部23を介して、管理装置40から取得される。
【0033】
制御装置20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部21に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、制御プログラムに従って制御装置20の動作を実行することにより制御装置20として機能する。
【0034】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記録しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD又はCD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compactdisc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0035】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0036】
制御装置20の一部又は全ての機能が、制御部21に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0037】
図4を参照して、本実施形態に係る端末装置30の構成を説明する。
【0038】
端末装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、測位部36と、速度計測部37とを備える。
【0039】
制御部31には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部31は、端末装置30の各部を制御しながら、端末装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0040】
記憶部32には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32には、端末装置30の動作に用いられる情報と、端末装置30の動作によって得られた情報とが記憶される。
【0041】
通信部33には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部33は、端末装置30の動作に用いられる情報を受信し、また端末装置30の動作によって得られる情報を送信する。
【0042】
入力部34には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部34は、端末装置30の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部34は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0043】
出力部35には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又は振動モータある。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部35は、端末装置30の動作によって得られる情報を出力する。出力部35は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の出力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0044】
測位部36には、少なくとも1つのGNSS受信機が含まれる。「GNSS」は、global navigation satellite systemの略語である。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。測位部36は、端末装置30の位置を測定する。
【0045】
速度計測部37は、端末装置30の移動速度を検出する少なくとも1つの加速度センサ又は角速度センサを含む。速度計測部37は、端末装置30を保持するユーザ11の移動中の速度又は移動時の振動等を検出する。
【0046】
端末装置30の機能は、本実施形態に係る端末プログラムを、制御部31に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置30の機能は、ソフトウェアにより実現される。端末プログラムは、端末装置30の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを端末装置30として機能させる。すなわち、コンピュータは、端末プログラムに従って端末装置30の動作を実行することにより端末装置30として機能する。
【0047】
端末装置30の一部又は全ての機能が、制御部31に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、端末装置30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0048】
図5を参照して、本実施形態に係る管理装置40の構成を説明する。
【0049】
管理装置40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、入力部44と、出力部45とを備える。
【0050】
制御部41には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部41は、管理装置40の各部を制御しながら、管理装置40の動作に関わる処理を実行する。
【0051】
記憶部42には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部42は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部42には、管理装置40の動作に用いられる情報と、管理装置40の動作によって得られた情報とが記憶される。記憶部42には、交通信号機50の動作を制御するための各種パラメータ及び当該パラメータから生成される切り替え情報が記憶される。パラメータには、例えば、青色の進行信号の表示開始時点から次の青色の進行信号の表示開始時点までの時間であるサイクル長、及び信号灯が青色を表示する時間のサイクル長に占める割合のスプリットが含まれる。
【0052】
通信部43には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部43は、管理装置40の動作に用いられる情報を受信し、また管理装置40の動作によって得られる情報を送信する。通信部43は、交通信号機50の動作を制御するための情報を交通信号機50に送信する。
【0053】
入力部44には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部44は、管理装置40の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部44は、管理装置40に備えられる代わりに、外部の入力機器として管理装置40に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0054】
出力部45には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部45は、管理装置40の動作によって得られる情報を出力する。出力部45は、管理装置40に備えられる代わりに、外部の出力機器として管理装置40に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0055】
管理装置40の機能は、本実施形態に係る管理プログラムを、制御部41に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、管理装置40の機能は、ソフトウェアにより実現される。管理プログラムは、管理装置40の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを管理装置40として機能させる。すなわち、コンピュータは、管理プログラムに従って管理装置40の動作を実行することにより管理装置40として機能する。
【0056】
管理装置40の一部又は全ての機能が、制御部41に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、管理装置40の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0057】
図3図6A図6B図7図8図9を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る制御方法に相当する。図3は、本実施形態に係る切り替え情報の一例を示す図である。図6A及び図6Bは、本実施形態に係るシステム10全体の処理フローを示す。図7はルート案内中のルートの例を示す。図8は、制御装置20の制御部21の動作を示す。図9は、端末装置30の出力部35に表示される画面の例を示す。
【0058】
一例として、ユーザ11の端末装置30では、ルート案内用のアプリケーションが起動されているとする。
【0059】
ステップS101において、端末装置30は、ユーザ11による出発地と目的地との入力を受け付ける。ユーザ11は、例えば端末装置30の出力部35に表示される地図上の所望の地点をタップしたり、住所を入力するなどして、出発地及び目的地を入力する。端末装置30の制御部31は、ユーザ11が入力した出発地及び目的地を記憶部32に記憶させる。制御部31は、記憶部32に記憶された出発地及び目的地の情報を、通信部33を介して制御装置20に送信する。本例では、ユーザ11は、端末装置30で動作しているルート案内用のアプリケーションに対し、出発地及び目的地を設定する。端末装置30の制御部31は、入力された出発地及び目的地の情報を制御装置20に通知する。
【0060】
制御装置20の制御部21は、ステップS101で送信された出発地及び目的地の情報を、通信部23を介して端末装置30から受信する。制御部21は、受信した出発地及び目的地の情報を記憶部22に記憶させる。ステップS102において、制御部21は、記憶部22に記憶された出発地及び目的地の情報に応じて、目的地までのルートを決定することで、ユーザ11が移動するルートを示すルート情報を取得する。制御部21は、取得したルート情報を、決定したルートを通知する情報として記憶部22に記憶させる。本例では、制御装置20の制御部21は、記憶部22に予め記憶された地図情報を参照して、出発地から目的地に到着するルートを算出する。ルートは、例えば、最短距離のルートである。地図情報は、記憶部22に予め記憶される代わりに、インターネット上のGISなど、外部のシステムに蓄積されていてもよい。「GIS」は、geographic information systemの略語である。
【0061】
ステップS103において、制御部21は、決定したルート上でユーザ11が横断する道路に設けられた交通信号機50をすべて特定する。本例における決定したルートと、特定される交通信号機50が設けられた地点の例を図7に示す。図7では、決定したルートが実線で示され、端末装置30の現在位置が二重丸で示され、目的地が黒丸で示される。目的地までのルート上において、ユーザ11が横断する道路に交通信号機50Aと交通信号機50Bとが設けられており、制御部21がこれらを特定する。制御部21は、特定した交通信号機50Aと交通信号機50Bとの情報を記憶部22に記憶させる。
【0062】
ステップS104において、制御部21は特定した交通信号機50Aと交通信号機50Bとの切り替え情報を、交通信号機50Aと交通信号機50Bとを制御する管理装置40から取得する。本例では、制御部21は記憶部22に記憶された情報を参照して交通信号機50A及び交通信号機50Bが特定されたことを確認する。制御部21は、管理装置40と通信部23を介して通信し、図3に示したような、交通信号機50Aと交通信号機50Bとの切り替え情報を取得する。制御部21は、取得した切り替え情報をルート情報に追加して記憶部22に記憶させる。
【0063】
ステップS105において、制御部21は、記憶部22に記憶された、決定したルートを示すとともに切り替え情報を含むルート情報を、通信部23を介して端末装置30に送信する。
【0064】
端末装置30の制御部31は、ステップS105で送信されたルート情報を、通信部33を介して制御装置20から受信する。制御部31は、受信したルート情報を記憶部32に記憶させる。ステップS106において、制御部31は、記憶部32に記憶されたルート情報で通知されたルートをユーザ11に案内する制御を行う。この制御に従って、端末装置30の出力部35は、ユーザ11に、ユーザ11が設定した目的地までのルートを画面上で案内する。
【0065】
ステップS107において、端末装置30の測位部36が端末装置30の現在位置を検出し、端末装置30の速度計測部37が端末装置30の移動速度を検出する。制御部31は、検出された端末装置30の現在位置と移動速度とを通知する情報を、通信部33を介して制御装置20に送信する。端末装置30の現在位置と移動速度とは、端末装置30が目的地に到着するまで繰り返し検出され、制御装置20に通知される。制御装置20の制御部21は、端末装置30の現在位置と移動速度とを通知する情報を、端末装置30から通信部23を介して受信することで、ユーザ11の移動状況を示す移動情報を取得する。すなわち、制御部21は、移動情報を、ユーザ11の移動状況を検出する端末装置30から通信部23を介して取得する。
【0066】
ステップS108において、制御装置20の制御部21は、待機地点の特定及び端末装置30を保有するユーザ11の移動速度を減速させる度合いの決定の動作を行う。具体的には、制御部21は、ステップS102で取得したルート情報と、ステップS107で取得した移動情報とに基づいて、ルート情報で示されたルート上でユーザ11に待ち時間が発生する待機地点を検出する。そして、制御部21は、検出した待機地点へのユーザ11の到着を待ち時間の範囲内で遅延させるための減速をユーザ11に促す減速情報を生成する。
【0067】
図8は、図6BのステップS108における制御部21の動作の具体的な処理フローを示す。
【0068】
制御部21は、まずステップS201において、ルート情報で示されたルート上で、端末装置30の現在位置から目的地までの間に、図6AのステップS103で特定された交通信号機50の少なくとも1つが存在するかを確認する。交通信号機50が存在しない場合には、制御部21は処理を終了する。ステップS103で特定された交通信号機50が存在する場合には、制御部21は、ステップS202において、特定された交通信号機50のうち、次にユーザ11が到着する交通信号機50が設けられた地点を候補待機地点として特定する。本例では、制御部21は、まず記憶部22に記憶された情報を参照して特定された交通信号機50が交通信号機50A及び交通信号機50Bであることを確認する。制御部21は、端末装置30から受信した移動情報で示された端末装置30の現在位置から目的地までの間に、交通信号機50A及び交通信号機50Bが存在することを確認する。次に制御部21は、端末装置30の現在位置の進行方向前方の地点であって、端末装置30の現在位置に最も近い交通信号機50が設けられた地点を候補待機地点として特定する。図7を参照すると、端末装置30の現在位置の進行方向前方において端末装置30の現在位置に最も近い交通信号機50は交通信号機50Aであるので、制御部21は交通信号機50Aが設けられた地点を候補待機地点として特定する。
【0069】
次にステップS203において、制御部21は、端末装置30が特定された候補待機地点に到着する到着予測時刻を算出する。本例では、制御部21は、端末装置30の現在位置から、候補待機地点までの距離を、端末装置30の移動速度で除し、候補待機地点までにかかる移動時間を算出する。制御部21は、算出した移動時間を現在時刻に加えた結果を到着予測時刻として算出する。本例では、端末装置30の現在位置から、交通信号機50Aが設けられた地点までの距離が80m、端末装置30から通知された端末装置30の移動速度が80m/分である。本例では、現在時刻が2020年4月1日の7時59分30秒である。これらの数値から算出される到着予測時刻は、2020年4月1日の8時0分30秒である。
【0070】
次にステップS204において、制御部21は、算出した到着予測時刻と候補待機地点に設けられた交通信号機50の切り替え情報とに基づいて、ユーザ11に、候補待機地点において待ち時間が発生するかを確認する。待ち時間が発生する場合、ステップS205において、制御部21は候補待機地点を待機地点として検出する。待ち時間が発生しない場合には、制御部21は候補待機地点を待機地点として検出せず、処理を終了する。本例では、図3を参照すると、到着予測時刻の2020年4月1日の8時0分30秒の時点では、候補待機地点に設けられた交通信号機50Aの信号灯は赤色の停止信号を示し、候補待機地点においてユーザ11の移動が制限され、待ち時間が発生することがわかる。よって制御部21は交通信号機50Aが設けられた候補待機地点を待機地点として検出する。
【0071】
次にステップS206において、制御部21は、到着予測時刻と、切り替え情報とから待機地点におけるユーザ11の待ち時間を算出する。本例では、制御部21は、切り替え情報に示された待機地点に設けられた交通信号機50Aの信号灯が、到着予測時刻から最も近い将来に青色の進行信号に切り替わる切り替え時刻と、到着予測時刻との差分を待ち時間として算出する。本例では、図3から、到着予測時刻の2020年4月1日の8時0分30秒の最も近い将来に交通信号機50Aが切り替わる時刻は、2020年4月1日の8時1分30秒であることがわかる。よって、制御部21は、当該到着予測時刻と切り替え時刻との差分の1分を、待機地点における待ち時間として算出する。
【0072】
ステップS207において、制御部21は、待機地点へのユーザ11の到着を、切り替え時刻と同時刻となるまで遅延させるためのユーザ11の移動速度を減速させる度合いを決定する。本例では、制御部21は、端末装置30の現在位置から待機地点までの距離を、現在時刻と切り替え時刻との差分で除した結果を理想速度として算出し、当該理想速度と現在の移動速度との差分を減速させる度合いとして決定する。本例では、端末装置30の現在位置から待機地点までの距離は80mであり、現在時刻の2020年4月1日の7時59分30秒と、切り替え時刻の2020年4月1日の8時1分30秒との差分は2分である。よって制御部21は速度40m/分を理想速度として算出し、算出した理想速度と現在の移動速度との差分を、ユーザ11の移動速度を減速させる度合いとして決定する。
【0073】
次に図6Bに戻ると、ステップS109において、制御部21は、図8のステップS207で決定した移動速度を減速させる度合いをユーザ11に通知する情報を、減速をユーザ11に促す減速情報として記憶部22に記憶する。ステップS110において、制御部21は、記憶部22に記憶した減速情報を、通信部23を介して、端末装置30に送信する。すなわち、制御部21は、減速情報を出力する。本例では、制御部21は、現在の移動速度80m/分を40m/分まで減速するようユーザ11に促す減速情報を、通信部23を介して、端末装置30に送信する。
【0074】
端末装置30の制御部31は、ステップS111において、制御装置20から受信した減速情報を、ユーザ11に対して出力部35を介して通知する。本例では、端末装置30の出力部35は図9に示す画像を表示する。図9に表示される画像はユーザ11の歩行時のテンポを示すメトロノームを模した動く画像である。図9の画像M1は、ステップS110で端末装置30が減速を促す情報を受け取ったときに表示される画像を示し、図9の画像M2は制御装置20から通知された減速の度合いまでユーザ11が移動速度を落として移動するときに表示される画像を示す。白抜きで表されたメトロノームの針は、現在の端末装置30の移動速度を示し、速度計測部37が検出したユーザ11の移動時の振動に連動して左右に動く。黒塗りで表されたメトロノームの針は、ステップS111で制御装置20から通知された減速の度合いまでユーザ11が減速して歩行したときに発生すると想定される振動に連動して左右に動き、白抜きで表されたメトロノームの針より遅い周期で左右に動く。本例では、端末装置30の移動速度が40m/分まで減速された場合に想定されるユーザ11の移動時の振動に連動して黒塗りのメトロノームの針が左右に動く。図9の画像M1において、白塗りと黒塗りのメトロノームの針がずれてそれぞれ左右に動いて表示されている間、「白い針が黒い針に合うようにゆっくり歩こう!」というテキストメッセージが表示される。この後、ユーザ11が移動速度を落とすことで端末装置30の移動速度が落ち、端末装置30の移動速度が40m/分となると、画像M2に示すように白抜きで表されたメトロノームの針と黒塗りで表されたメトロノームの針とが重なる。このとき、「そのペースで!」というテキストメッセージが表示される。画像M1は、ユーザ11の移動速度が40m/分で維持されている間中表示される。ユーザ11への減速を促す情報は、図9に示すような黒塗りのメトロノームの針で表される代わりに、端末装置30のスピーカを通じて音声で出力されてもよく、端末装置30の振動モータを通じて振動でユーザ11へ出力されてもよい。
【0075】
図6BのステップS112において、制御装置20の制御部21が、端末装置30から繰り返し通知される現在位置から、ユーザ11が待機地点に到着したことを確認する。制御装置20は、ユーザ11が待機地点に到着したことを端末装置30に通知する。通知を受信した端末装置30は、出力部35に減速を促す表示を行うことを停止する。本例では、端末装置30は、画像M1又は画像M2の表示を停止する。
【0076】
ステップS107からステップS112の処理は、端末装置30が目的地に到着するまで繰り返し実行される。
【0077】
上述のように、本実施形態では、制御装置20の制御部21は、ユーザ11が移動するルートを示すルート情報と、ユーザ11の移動状況を示す移動情報とを取得する。制御部21は、取得したルート情報と移動情報とに基づいて、ルート上でユーザ11に待ち時間が発生する待機地点を検出し、検出した待機地点へのユーザ11の到着を、待ち時間の範囲内で遅延させるための減速をユーザ11に促す減速情報を出力する。当該ルート情報にはルート上の少なくとも1つの地点に設けられている交通信号機50の切り替えタイミングを示す切り替え情報が含まれる。制御部21は、待機地点として、交通信号機50が設けられ、且つ対応する交通信号機50が停止信号のときにユーザ11が到着する地点を検出する。
【0078】
ユーザ11は、通常よりも速い速度で移動している場合、減速を促されることで、急がなくてよいことがわかり、安心して通常の速度で移動することができる。ユーザ11は、通常の速度で移動している場合、減速を促されることで、安心してゆっくりと移動して待ち時間を抑制又は回避することができる。
【0079】
上述のように、本実施形態では、制御部21は、移動情報で示された移動状況に応じて、検出した待機地点にユーザ11が到着する到着予測時刻を算出し、到着予測時刻と、切り替え情報で示された、交通信号機50が次に進行信号に切り替わる切り替え時刻との差分を待ち時間として算出する。
【0080】
制御部21は、ユーザ11が次に横断する道路の交通信号機50が設けられた地点に到着する時刻と、当該交通信号機50が次に進行信号に切り替わる時刻との差分を待ち時間として算出する。制御部21は、算出した待ち時間の範囲内でユーザ11が移動速度を減速して進むことを端末装置30を介してユーザ11に促す。ユーザ11にとって、交通信号機50が次に進行信号に切り替わるまでに待機地点に到着できる減速の度合いが明確となるため、ユーザ11が通知された減速を行って移動しやすくなる。
【0081】
上述のように、本実施形態では、制御部21は、減速情報として、待機地点へのユーザ11の到着を、到着の時刻と切り替え時刻とが同時刻となるまで遅延させるための減速をユーザ11に促す情報を出力する。
【0082】
制御部21は、ユーザ11が待機地点に到着する時刻が、当該交通信号機50が次に進行信号に切り替わる時刻と同時刻になるときにユーザ11が待機地点に到着するよう減速の度合いを決定する。ユーザ11にとって、交通信号機50が次に進行信号に切り替わるときに待機地点に到着でき、待ち時間なく移動し続けることができる減速の度合いが明確となるため、ユーザ11が通知された減速を行って移動しやすくなる。
【0083】
上述のように、本実施形態では、制御装置20の通信部23は、交通信号機50を制御する管理装置40と通信する。制御装置20の制御部21は、切り替え情報を、管理装置40から通信部23を介して取得する。制御部21は、取得した切り替え情報に基づいてユーザ11に待機地点で発生する待ち時間を算出し、ユーザ11が行う減速の度合いを決定する。管理装置40からの切り替え情報を用いて決定した減速の度合いをユーザ11に通知できるため、ユーザ11が通知された減速を行って移動しやすくなる。
【0084】
上述のように、本実施形態では、制御装置20の通信部23は、ユーザ11の移動状況を検出する端末装置30と通信する。制御装置20の制御部21は、移動情報を、端末装置30から通信部23を介して取得する。制御部21は、取得した移動情報に基づいてユーザ11に待機地点で発生する待ち時間を算出し、ユーザ11が行う減速の度合いを決定する。端末装置30からの移動情報を用いて決定した減速の度合いをユーザ11に通知できるため、ユーザ11が通知された減速を行って移動しやすくなる。
【0085】
(第2実施形態)
以下、第1実施形態と本実施形態との差異を説明する。
【0086】
第1実施形態に係るシステム10は、交通信号機50を制御する管理装置40と、交通信号機50と、を備えるが、本実施形態に係るシステム10は、代わりに、交通機関を制御する管理装置40と、図11に示す乗り場90A及び乗り場90B等の、交通機関の乗り場と、を備える。「乗り場」は、電車のホーム又はバス乗車場等である。
【0087】
管理装置40は、交通機関の運行を管理する交通運営会社の施設内に設置される。管理装置40は、交通機関の時刻表を格納する。
【0088】
本実施形態に係るシステム10においては、第1実施形態と同様に、制御装置20が、ユーザ11が移動するルートを示すルート情報と、ユーザ11の移動状況を示す移動情報とを取得する。制御装置20は、取得したルート情報と移動情報とに基づいて、ルート上でユーザ11に待ち時間が発生する待機地点を検出する。制御装置20は、検出した待機地点へのユーザ11の到着を待ち時間の範囲内で遅延させるための減速をユーザ11に促す減速情報を出力する。第1実施形態では、「ルート情報」には交通信号機50の切り替えタイミングを示す切り替え情報が含まれ、「待機地点」には交通信号機50が設けられ、且つ交通信号機50が停止信号のときにユーザ11が到着する地点が含まれる。
【0089】
一方、本実施形態では、「ルート情報」には、ルート上の少なくとも1つの地点に設けられている乗り場から出発する交通機関の運行情報が含まれる。ここで「交通機関」は具体的には、ユーザ11がルート案内中に使用する公共交通機関であり、鉄道又はバスを含む。「バス」は、路線バス、特定区間の巡回バス、又は空港若しくはテーマパーク等の施設内の巡回バスを含む。「鉄道」は、新幹線、在来線、又は路面電車を含む。「運行情報」は交通機関の運行を管理する運行会社等が有する管理装置40から提供される、交通機関の時刻表を示す情報である。また、本実施形態では、「待機地点」には、乗り場が設けられ、且つ出発時刻よりも前にユーザ11が到着する地点が含まれる。
【0090】
本実施形態によれば、ルート案内中の移動速度を遅くするようユーザを誘導することができる。よって、待ち時間の抑制の確実性が向上する。
【0091】
本実施形態に係る端末装置30の構成については、図4に示した第1実施形態のものと同じであるため、説明を省略する。
【0092】
本実施形態に係る制御装置20の構成については、図2に示した第1実施形態のものと同じであるため、説明を省略する。
【0093】
本実施形態に係る制御装置20の記憶部22は、第1実施形態のような交通信号機50の切り替え情報に代えて、乗り場からの交通機関の出発時刻を示す運行情報を記憶する。
【0094】
乗り場からの交通機関の出発時刻を示す「運行情報」の一例を図10に示す。本例において交通機関はバスであり、図10は2つの乗り場90A及び90Bのそれぞれについての運行情報のテーブルを示す。図10のテーブルには、「運行情報」として、対象の乗り場と、乗り場からのバスの出発時刻の情報が格納されている。例えば、図10のテーブルにおいて、タイトル行の次の第1行に記録されている情報は、2020年4月1日7時50分0秒に、乗り場90Aからバスが出発することを示す。第3行に記録されている情報は、2020年4月1日8時1分0秒に、乗り場90Aからバスが出発することを示す。図10のテーブルに記録されていない時刻については、乗り場90A又は90Bからはバスが出発しないことを示す。当該運行情報は、制御部21によって通信部23を介して、運行会社が有する管理装置40から取得される。
【0095】
本実施形態に係る管理装置40の構成については、図5に示した第1実施形態のものと同じであるため、説明を省略する。
【0096】
本実施形態に係る管理装置40の記憶部42には、第1実施形態のような交通信号機50の動作を制御するための各種パラメータ及び当該パラメータから生成される切り替え情報に代えて、交通機関の乗り場からの出発時刻を示す時刻表等の運行情報が記憶される。
【0097】
以下、第1実施形態に係るシステム10の動作と本実施形態に係るシステム10の動作との差異を、図6A図6B図8図9図10及び図11を参照しながら説明する。本実施形態に係るシステム10の動作は、本実施形態に係る制御方法に相当する。
【0098】
図6AのステップS101からステップS102までは、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0099】
ステップS103において、制御部21は、決定したルート上でユーザ11が利用する交通機関の乗り場をすべて特定する。本例における決定したルートと、特定される乗り場が設けられた地点の例を図11に示す。本例では、ユーザ11が利用する交通機関はバスであり、乗り場はバス乗車場である。図11では、決定したルートが実線及び点線で示される。実線は、徒歩でユーザ11が移動するルートであり、点線はバスでユーザ11が移動するルートである。星印はユーザ11がバスに乗車して降車するまでの区間を示す。端末装置30の現在位置が二重丸で示され、目的地が黒丸で示される。目的地までのルート上において、乗り場90Aと乗り場90Bとが設けられており、制御部21がこれらを特定する。制御部21は、特定した乗り場90Aと乗り場90Bとの情報を記憶部22に記憶させる。
【0100】
ステップS104において、制御部21は特定した乗り場90Aと乗り場90Bとから出発するバスの運行情報を、バスを制御する管理装置40から取得する。本例では、制御部21は記憶部22に記憶された情報を参照して乗り場90Aと乗り場90Bとが特定されたことを確認する。制御部21は、管理装置40と通信部23を介して通信し、図10に示したような、乗り場90Aと乗り場90Bとから出発するバスの運行情報を取得する。制御部21は、取得した運行情報をルート情報に追加して記憶部22に記憶させる。
【0101】
ステップS105において、制御部21は、記憶部22に記憶された、決定したルートを示すとともに運行情報を含むルート情報を、通信部23を介して端末装置30に送信する。
【0102】
ステップS106からステップS107までは、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0103】
ステップS108において、制御装置20の制御部21は、待機地点の特定及び端末装置30を保有するユーザ11の移動速度を減速させる度合いの決定の動作を行う。
【0104】
図8を参照して、本実施形態に係るステップS108の制御部21の動作の、第1実施形態との差異を示す。
【0105】
制御部21は、まずステップS201において、ルート情報で示されたルート上で、端末装置30の現在位置から目的地までの間に、図6AのステップS103で特定された乗り場の少なくとも1つが存在するかを確認する。乗り場が存在しない場合には、制御部21は処理を終了する。ステップS103で特定された乗り場が存在する場合には、制御部21は、ステップS202において、特定された乗り場のうち、次にユーザ11が到着する乗り場が設けられた地点を候補待機地点として特定する。本例では、制御部21は、まず記憶部22に記憶された情報を参照して特定された乗り場が乗り場90A及び乗り場90Bであることを確認する。制御部21は、端末装置30から受信した移動情報で示された端末装置30の現在位置から目的地までの間に、乗り場90A及び乗り場90Bが存在することを確認する。次に制御部21は、端末装置30の現在位置の進行方向前方の地点であって、端末装置30の現在位置に最も近い乗り場が設けられた地点を候補待機地点として特定する。図11を参照すると、端末装置30の現在位置の進行方向前方において端末装置30の現在位置に最も近い乗り場は乗り場90Aであるので、制御部21は乗り場90Aが設けられた地点を候補待機地点として特定する。
【0106】
ステップS203は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。本例では、端末装置30の現在位置から、乗り場90Aが設けられた地点までの距離が80m、端末装置30から通知された端末装置30の移動速度が80m/分である。本例では、現在時刻が2020年4月1日の7時59分0秒である。これらの数値から算出される到着予測時刻は、2020年4月1日の8時0分0秒である。
【0107】
次にステップS204において、制御部21は、算出した到着予測時刻と候補待機地点に設けられた乗り場から出発する交通機関の運行情報とに基づいて、ユーザ11に、候補待機地点において待ち時間が発生するかを確認する。待ち時間が発生する場合、ステップS205において、制御部21は候補待機地点を待機地点として検出する。待ち時間が発生しない場合には、制御部21は候補待機地点を待機地点として検出せず、処理を終了する。本例では、図10を参照すると、到着予測時刻の2020年4月1日の8時0分0秒の時点では、候補待機地点に設けられた乗り場90Aからバスは発車しておらず、候補待機地点においてユーザ11の移動が制限され、待ち時間が発生することがわかる。よって制御部21は乗り場90Aが設けられた候補待機地点を待機地点として検出する。
【0108】
次にステップS206において、制御部21は、到着予測時刻と、運行情報とから待機地点におけるユーザ11の待ち時間を算出する。本例では、制御部21は、運行情報に示された待機地点に設けられた乗り場90Aから、到着予測時刻から最も近い将来にバスが出発する出発時刻と、到着予測時刻との差分を待ち時間として算出する。本例では、図10から、到着予測時刻の2020年4月1日の8時0分0秒の最も近い将来に乗り場90Aからバスが出発する出発時刻は、2020年4月1日の8時1分0秒であることがわかる。よって、制御部21は、当該到着予測時刻と切り替え時刻との差分の1分を、待機地点における待ち時間として算出する。
【0109】
ステップS207において、制御部21は、待機地点へのユーザ11の到着を、出発時刻と同時刻となるまで遅延させるためのユーザ11の移動速度を減速させる度合いを決定する。本例では、制御部21は、端末装置30の現在位置から待機地点までの距離を、現在時刻と出発時刻との差分で除した結果を理想速度として算出し、これを現在の移動速度を減速させる度合いとして決定する。本例では、端末装置30の現在位置から待機地点までの距離は80mであり、現在時刻の2020年4月1日の7時59分0秒と、出発時刻の2020年4月1日の8時1分0秒との差分は2分である。よって制御部21は速度40m/分を理想速度として算出し、算出した理想速度を、ユーザ11の移動速度を減速させる度合いとして決定する。
【0110】
図6BのステップS109からステップS112までは、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0111】
ステップS107からステップS112の処理は、端末装置30が目的地に到着するまで繰り返し実行される。
【0112】
上述のように、本実施形態では、ルート情報にはルート上の少なくとも1つの地点に設けられている乗り場からの交通機関の出発時刻を示す運行情報が含まれる。制御部21は、待機地点として、乗り場が設けられ、且つ乗り場からの交通機関の出発時刻よりも前にユーザ11が到着する地点を検出する。
【0113】
制御部21は、端末装置30を介してユーザ11が移動速度を減速して進むことを促す。ユーザ11は、通常よりも速い速度で移動している場合、減速を促されることで、急がなくてよいことがわかり、安心して通常の速度で移動することができる。ユーザ11は、通常の速度で移動している場合、減速を促されることで、安心してゆっくりと移動して待ち時間を抑制又は回避することができる。
【0114】
上述のように、本実施形態では、制御部21は、移動情報で示された移動状況に応じて、検出した待機地点にユーザ11が到着する到着予測時刻を算出し、到着予測時刻と、運行情報で示された、乗り場から次に交通機関が出発する出発時刻との差分を待ち時間として算出する。
【0115】
制御部21は、ユーザ11が次に乗り場に到着する時刻と、当該乗り場から次に交通機関が出発する時刻との差分を待ち時間として算出する。制御部21は、算出した待ち時間の範囲内でユーザ11が移動速度を減速して進むことを端末装置30を介してユーザ11に促す。ユーザ11にとって、乗り場から次に交通機関が出発するまでの間に待機地点に到着できる減速の度合いが明確となるため、ユーザ11が通知された減速を行って移動しやすくなる。
【0116】
上述のように、本実施形態では、制御部21は、減速情報として、待機地点へのユーザ11の到着を、到着の時刻と出発時刻とが同時刻となるまで遅延させるための減速をユーザ11に促す情報を出力する。
【0117】
制御部21は、ユーザ11が待機地点に到着する時刻が、当該乗り場から次に交通機関が出発する時刻と同時刻になるときにユーザ11が待機地点に到着するよう減速の度合いを決定する。ユーザ11にとって、乗り場から次に交通機関が出発する時刻に待機地点に到着でき、待ち時間なく移動し続けることができる減速の度合いが明確となるため、ユーザ11が通知された減速を行って移動しやすくなる。
【0118】
上述のように、本実施形態では、制御装置20の通信部23は、交通機関を制御する管理装置40と通信する。制御装置20の制御部21は、運行情報を、管理装置40から通信部23を介して取得する。制御部21は、取得した運行情報に基づいてユーザ11に待機地点で発生する待ち時間を算出し、ユーザ11が行う減速の度合いを決定する。管理装置40からの運行情報を用いて決定した減速の度合いをユーザ11に通知できるため、ユーザ11が通知された減速を行って移動しやすくなる。
【0119】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0120】
10 システム
11 ユーザ
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 出力部
30 端末装置
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 出力部
36 測位部
37 速度計測部
40 管理装置
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 入力部
45 出力部
50 交通信号機
50A 交通信号機
50B 交通信号機
60 ネットワーク
90A 乗り場
90B 乗り場
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11