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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】ブランクシート
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/42 20060101AFI20231108BHJP
   B65D 5/54 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B65D5/42 B
B65D5/54 301H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020118753
(22)【出願日】2020-07-09
(65)【公開番号】P2022015726
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】夏川 準司
(72)【発明者】
【氏名】中路 哲也
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-268965(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1877758(KR,B1)
【文献】特開2020-75733(JP,A)
【文献】実開昭63-57218(JP,U)
【文献】登録実用新案第3067517(JP,U)
【文献】米国特許第6155477(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/42
B65D 5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装箱を形成するための段ボール製のブランクシートであって、
第一壁体と第二壁体とが左右方向に交互に四つ並設された胴部領域と、
前記第一壁体の上下の縁部にそれぞれ連設された上下の第一フラップと、
前記第二壁体の上下の縁部にそれぞれ連設された上下の第二フラップと、を備え、
前記第一壁体および前記両第一フラップには、左右の縁部にそれぞれ沿って左右の第一縦折れ線が形成され、
前記第二フラップには、前記第二壁体側の縁部に沿って第二横折れ線が形成され、
前記第一壁体と前記第一フラップとの境界において、前記両第一縦折れ線の間には第一横切断誘導線が形成されており、
前記第一壁体および前記両第一フラップにおいて、前記両第一縦折れ線の間の領域は、分割用切断誘導線を境界として左右に区画され、
前記第一壁体では、前記分割用切断誘導線が段ボールの段目の延長方向に交差していることを特徴とするブランクシート。
【請求項2】
請求項1に記載のブランクシートであって、
一方の前記第一フラップに係合片が形成され、
他方の前記第一フラップに係合穴が形成されており、
前記分割用切断誘導線を切り開いて、前記第一フラップ同士を重ねたときに、前記係合片を前記係合穴に押し込んで係合可能であることを特徴とするブランクシート。
【請求項3】
包装箱を形成するための段ボール製のブランクシートであって、
第一壁体と第二壁体とが左右方向に交互に四つ並設された胴部領域と、
前記第一壁体の上下の縁部にそれぞれ連設された上下の第一フラップと、
前記第二壁体の上下の縁部にそれぞれ連設された上下の第二フラップと、を備え、
前記第一壁体には、左右の縁部にそれぞれ沿って左右の第一縦折れ線が形成され、
前記第一フラップには、左右の縁部にそれぞれ沿って左右の第一縦切断誘導線が形成されるとともに、前記第一壁体側の縁部に沿って第一横折れ線が形成され、
前記第二フラップには、前記第二壁体側の縁部に沿って第二横折れ線が形成されており、
前記第二壁体および前記両第二フラップは、分割用切断誘導線を境界として左右に区画され、
前記第二壁体では、前記分割用切断誘導線が段ボールの段目の延長方向に交差していることを特徴とするブランクシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱を形成するためのブランクシートに関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール製のブランクシートとしては、第一壁体と第二壁体とが左右方向に交互に四つ並設され、第一壁体が分割用切断誘導線を境界として左右に区画されているものがある(例えば、特許文献1参照)。このようなブランクシートではA式の包装箱を組み立てることができる。また、包装箱の使用後に分割用切断誘導線を切り開いて、包装箱を二つに分割することで、同じ形状の二つの小ブランクシートを形成できる。そして、小ブランクシートから小箱を組み立てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-268965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来のブランクシートでは、第一壁体の分割用切断誘導線が段ボールの段目に沿って形成されている。段ボール製の壁体は、段目に沿って折れ曲がり易いため、従来のブランクシートでは、包装箱の胴部を組み立てるときに、第一壁体が分割用切断誘導線で折れ曲がり易いという問題がある。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、包装箱を綺麗に組み立てることができるとともに、包装箱を二つの小箱に組み立て直すことができるブランクシートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、第一の発明は、包装箱を形成するための段ボール製のブランクシートである。前記ブランクシートは、第一壁体と第二壁体とが左右方向に交互に四つ並設された胴部領域と、前記第一壁体の上下の縁部にそれぞれ連設された上下の第一フラップと、前記第二壁体の上下の縁部にそれぞれ連設された上下の第二フラップと、を備えている。前記第一壁体および前記両第一フラップには、左右の縁部にそれぞれ沿って左右の第一縦折れ線が形成されている。前記第二フラップには、前記第二壁体側の縁部に沿って第二横折れ線が形成されている。前記第一壁体と前記第一フラップとの境界において、前記両第一縦折れ線の間には第一横切断誘導線が形成されている。前記第一壁体および前記両第一フラップにおいて、前記両第一縦折れ線の間の領域は、分割用切断誘導線を境界として左右に区画されている。前記第一壁体では、前記分割用切断誘導線が段ボールの段目の延長方向に交差している。
【0007】
前記課題を解決するため、第二の発明は、包装箱を形成するための段ボール製のブランクシートである。前記ブランクシートは、第一壁体と第二壁体とが左右方向に交互に四つ並設された胴部領域と、前記第一壁体の上下の縁部にそれぞれ連設された上下の第一フラップと、前記第二壁体の上下の縁部にそれぞれ連設された上下の第二フラップと、を備えている。前記第一壁体には、左右の縁部にそれぞれ沿って左右の第一縦折れ線が形成されている。前記第一フラップには、左右の縁部にそれぞれ沿って左右の第一縦切断誘導線が形成されるとともに、前記第一壁体側の縁部に沿って第一横折れ線が形成されている。前記第二フラップには、前記第二壁体側の縁部に沿って第二横折れ線が形成されている。前記第二壁体および前記両第二フラップは、分割用切断誘導線を境界として左右に区画されている。前記第二壁体では、前記分割用切断誘導線が段ボールの段目の延長方向に交差している。
【0008】
本発明のブランクシートから包装箱を組み立てるときには、第一壁体と第二壁体との間を折り曲げて、胴部領域の左右の縁部同士を接合することで、筒状の胴部を形成する。さらに、第一フラップと第二フラップとを折り重ねて、胴部の上下の開口部を閉塞すると、A式の包装箱を形成できる。
【0009】
包装箱の使用後には、分割用切断誘導線を切り開いて、包装箱を二つに分割することで、同じ形状の二つの小ブランクシートを形成できる。
そして、第一の発明では、小ブランクシートの第二壁体を底板として、第一壁体、第一フラップおよび第二フラップを折り曲げて側壁および頂板を形成することで、小箱を形成できる。
また、第二の発明では、小ブランクシートの第一壁体を底板として、第二壁体、第一フラップおよび第二フラップを折り曲げて側壁および頂板を形成することで、小箱を形成できる。
このように、本発明のブランクシートでは、包装箱を二つの小箱に組み立て直すことができる。
【0010】
本発明のブランクシートでは、壁体の分割用切断誘導線が段ボールの段目の延長方向に交差しているため、胴部を組み立てるときに、壁体が分割用切断誘導線で折れ曲がり難い。これにより、本発明のブランクシートでは、包装箱を綺麗に組み立てることができる。
【0011】
なお、分割用切断誘導線が段ボールの段目の延長方向に交差している状態とは、分割用切断誘導線の少なくとも一部が段ボールの段目の延長方向に交差している状態(段目と非平衡な状態)である。分割用切断誘導線の形状は限定されるものではなく、例えば、湾曲、屈曲または階段状に形成してもよい。
【0012】
第一の発明のブランクシートにおいて、一方の前記第一フラップに係合片を形成し、他方の前記第一フラップに係合穴を形成してもよい。この場合には、前記分割用切断誘導線を切り開いて、前記第一フラップ同士を重ねたときに、前記係合片を前記係合穴に押し込んで係合可能となるように構成する。
【0013】
この構成では、小ブランクシートから小箱を組み立てるときに、係合片を係合穴に係合させて、上下の第一フラップを固定した状態で、第二フラップを折り曲げることができるため、小箱を組み立て易くなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のブランクシートでは、包装箱を綺麗に組み立てることができるとともに、包装箱を二つの小箱に組み立て直すことで、資源を有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一実施形態に係るブランクシートを示した図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る包装箱を示した斜視図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る包装箱を分割した状態を示した斜視図である。
図4】本発明の第一実施形態に係る小ブランクシートを示した図である。
図5】本発明の第一実施形態に係る小箱を組み立てる段階を示した図で、第二壁体に対して第一壁体および第一フラップを折り曲げた状態の斜視図である。
図6】本発明の第一実施形態に係る小箱を組み立てる段階を示した図で、第一壁体に第一フラップを重ねた状態の斜視図である。
図7】本発明の第一実施形態に係る小箱を示した斜視図である。
図8】本発明の第二実施形態に係るブランクシートを示した図である。
図9】本発明の第二実施形態に係る小ブランクシートを示した図である。
図10】本発明の第二実施形態に係る小箱を組み立てる段階を示した図で、第一壁体に対して第二壁体および第二フラップを折り曲げた状態の斜視図である。
図11】本発明の第二実施形態に係る小箱を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、上下左右方向とは、本実施形態のブランクシートを説明する上で便宜上設定したものであり、ブランクシートの構成や使用状態を限定するものではない。以下の説明では、ブランクシートの段ボールの段目(フルートの波目)に沿った方向を上下方向とする。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0017】
[第一実施形態]
第一実施形態のブランクシートS1は、図1に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたものである。第一実施形態のブランクシートS1に用いている段ボールは、フルート(中芯)の両面にライナを貼り合わせた三層構造であるが、段ボールの種類は限定されるものではない。図1に示すブランクシートS1は内面側が見えるように配置されている。また、ブランクシートS1の段ボールの段目(フルートの波目)は、図1の上下方向に延びている。
【0018】
ブランクシートS1を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで包装箱1A(図2参照)を形成できる。また、図3に示すように、包装箱1Aは、二つに分割可能であり、それぞれを展開すると、図4に示すように、二つの小ブランクシートS10,S10が形成される。そして、小ブランクシートS10を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで小箱1C(図7参照)を形成できる。
【0019】
図1に示すブランクシートS1の折れ線は、ブランクシートS1の表面を線状に押し込んで形成された罫線(押罫)である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、折れ線においてブランクシートS1を折り曲げ易くなる。
また、シートの表面のみを切断したハーフカットの切れ込みやシートを貫通した切れ込みを断続させて線状に形成することで折れ線を構成してもよい。
ブランクシートS1の切断誘導線は、切れ込みを断続的に形成したミシン目状の線である。なお、切れ込みの形状や長さは限定されるものではない。
【0020】
ブランクシートS1は、二つの第一壁体10,10と二つの第二壁体20,20とが左右方向に並設された胴部領域30を備えている。また、ブランクシートS1は、第一壁体10の上下の縁部にそれぞれ連設された上下の第一フラップ11,12と、第二壁体20の上下の縁部にそれぞれ連設された上下の第二フラップ21,22と、を備えている。
【0021】
胴部領域30は、左右方向に延びている長方形の領域である。胴部領域30には、第一壁体10と第二壁体20とが左右方向に交互に四つ並設されている。第一壁体10および第二壁体20は、四角形の壁体である。
第一実施形態では、第二壁体20の左右方向の幅よりも第一壁体10の左右方向の幅が大きく形成されているが、第一壁体10および第二壁体20の大きさは限定されるものではない。
【0022】
胴部領域30の左端から右端に向けて第二壁体20、第一壁体10、第二壁体20、第一壁体10の順に並設されている。第一壁体10と第二壁体20とは縦折れ線L1を介して連設されている。縦折れ線L1は、段ボールの段目に平行して延びている。
胴部領域30の右端に配置された第一壁体10の右縁部には、帯状の接合片13が折れ線を介して連設されている。
【0023】
第一壁体10の上縁部には、上側の第一フラップ11が折れ線を介して連設されている。また、第一壁体10の下縁部には、下側の第一フラップ12が折れ線を介して連設されている。両第一フラップ11,12は、四角形に形成されており、上下方向の長さは、第二壁体20の左右方向の幅の略半分に形成されている。
【0024】
第一壁体10には、左右の縁部にそれぞれ平行して左右の第一縦折れ線L10,L10が形成されている。第一縦折れ線L10は、第一壁体10の上縁部から下縁部に亘って直線状に形成されている。
第一壁体10の左縁部から左側の第一縦折れ線L10までの左右方向の間隔tと、第一壁体10の右縁部から右側の第一縦折れ線L10までの左右方向の間隔tとは、同じ大きさである。
【0025】
第一縦折れ線L10は、上側の第一フラップ11の上縁部まで延びているとともに、下側の第一フラップ12の下縁部まで延びている。このように、上下の第一フラップ11,12の左右の縁部にそれぞれ平行して左右の第一縦折れ線L10,L10が形成されている。
【0026】
第一壁体10と上側の第一フラップ11との境界に形成された折れ線において、左右の第一縦折れ線L10,L10の間の区間には、第一横切断誘導線L11が形成されている。同様に、第一壁体10と下側の第一フラップ11との境界に形成された折れ線において、左右の第一縦折れ線L10,L10の間の区間には、第一横切断誘導線L11が形成されている。
【0027】
第二壁体20の上縁部には、上側の第二フラップ21が折れ線を介して連設されている。また、第二壁体20の下縁部には、下側の第二フラップ22が折れ線を介して連設されている。両第二フラップ21,22は、四角形に形成されており、上下方向の長さは、第一フラップ11,12の上下方向の長さと同じ大きさに形成されている。
【0028】
上側の第二フラップ21には、下縁部(第二壁体20側の縁部)に平行して第二横折れ線L20が形成されている。第二横折れ線L20は、第二フラップ21の左縁部から右縁部に亘って直線状に形成されている。同様に、下側の第二フラップ22には、上縁部(第二壁体20側の縁部)に平行して第二横折れ線L20が形成されている。
【0029】
第二折れ線L20から第二フラップ21の縁部までの上下方向の間隔tは、第一壁体10の縁部から第一縦折れ線L10までの左右方向の間隔tと同じ大きさである。
【0030】
ブランクシートS1では、第一壁体10の上縁部から下縁部に亘って分割用切断誘導線L2が形成されている。分割用切断誘導線L2は、左右の第一縦折れ線L10,L10の間の領域に形成されている。分割用切断誘導線L2は、ミシン目状の直線である。
【0031】
分割用切断誘導線L2は、第一壁体10の中央を通過している。分割用切断誘導線L2と第一壁体10の上縁部との接続点は、第一壁体10の上縁部の中央よりも僅かに左側に接続されている。また、分割用切断誘導線L2と第一壁体10の下縁部との接続点は、第一壁体10の下縁部の中央よりも僅かに右側に接続されている。
分割用切断誘導線L2は、第一壁体10の段ボールの段目の延長方向に対して斜めに交差して延びている。すなわち、第一壁体10に形成された分割用切断誘導線L2は、第一壁体10の段ボールの段目に非平行な部分を有している。
【0032】
第一壁体10において、両第一縦折れ線L10,L10の間の領域は、分割用切断誘導線L2を境界として左右に区画されている。そして、分割用切断誘導線L2を切り開くことで、第一壁体10を二つに分割できる(図4参照)。
【0033】
分割用切断誘導線L2は、上下の第一フラップ11,12にも延びている。分割用切断誘導線L2は、上側の第一フラップ11の下縁部から上縁部に亘って上下方向に延びている。また、分割用切断誘導線L2は、下側の第一フラップ12の上縁部から下縁部に亘って上下方向に延びている。上下の第一フラップ11,12の分割用切断誘導線L2は、段ボールの段目に沿って延びている。
【0034】
上側の第一フラップ11において、分割用切断誘導線L2よりも左側には、係合穴15が形成されている。係合穴15は、上底よりも下底が大きく形成された台形状に形成されている。ブランクシートS1の状態において、係合穴15は、蓋板16によって塞がれている。蓋板16は、上縁部が罫線を介して第一フラップ11に連設され、その他の縁部はスリットによって第一フラップ11から切り離されている。
【0035】
上側の第一フラップ11において、分割用切断誘導線L2よりも右側には、係合片17が形成されている。係合片17は、上底よりも下底が大きく形成された略台形状に形成されている。係合片17の下部の左右方向の幅は、係合穴15の下部の左右方向の幅よりも大きく形成されている。ブランクシートS1の状態において、係合片17は上縁部が折れ線を介して第一フラップ11に連設され、その他の縁部はスリットによって第一フラップ11から切り離されている。
【0036】
ブランクシートS1では、分割用切断誘導線L2を切り開いて、小箱1C(図7参照)を形成するときに、図6に示すように、一方の上側の第一フラップ11と他方の上側の第一フラップ11とを上下に重ねる。このとき、係合穴15(図1参照)の上側に係合片17が重なるように構成されている。
【0037】
図1に示すように、下側の第一フラップ12において、分割用切断誘導線L2よりも右側には、係合穴15が形成されている。下側の第一フラップ12において、分割用切断誘導線L2よりも左側には、係合片17が形成されている。
上側の第一フラップ11の係合穴15および係合片17と、下側の第一フラップ12の係合穴15および係合片17とは、第一壁体10の中央を対称点として点対称に構成されている。
【0038】
次に、第一実施形態に係るブランクシートS1から包装箱1A(図2参照)を組み立てる手順について説明する。
【0039】
図1に示すブランクシートS1の状態から、胴部領域30を各縦折れ線L1で折り曲げつつ、接合片13を右端の第二壁体20の内面に接合すると、図2に示すように、一対の第一壁体10,10および一対の第二壁体20,20によって、平面視で四角形の角筒状の胴部40が形成される。胴部40の上面および下面には、平面視で四角形の開口部が形成されている。
【0040】
また、第二壁体20に対して下側の第二フラップ22を折り曲げるとともに、第一壁体10に対して下側の第一フラップ12を折り曲げて、両第二フラップ22,22の下面に両第一フラップ11,11を重ねる。さらに、両第一フラップ11,11の先端縁部同士を、テープ等の接合手段(図示せず)によって接合することで、胴部40の下側の開口部を閉塞する。
【0041】
また、胴部40内に内容物を収容した後に、第二壁体20に対して上側の第二フラップ21を折り曲げるとともに、第一壁体10に対して上側の第一フラップ11を折り曲げて、両第二フラップ21,21の上面に両第一フラップ11,11を重ねる。さらに、上側の第一フラップ11,11の先端縁部同士を、テープ等の接合手段(図示せず)によって接合することで、胴部40の上側の開口部を閉塞する。
これにより、図1に示すブランクシートS1から図2に示すA式の包装箱1Aが形成される。
【0042】
次に、包装箱1Aの使用後に、包装箱1Aを二つの小箱1C,1C(図7参照)に組み立て直す手順について説明する。
【0043】
包装箱1Aの使用後に、図3に示すように、二本の分割用切断誘導線L2,L2を切り開くと、第一壁体10および上下の第一フラップ11,12がそれぞれ二つに切り離されて、包装箱1Aが二つの分割体1B,1Bに分割される。
【0044】
二つの分割体1B,1Bをそれぞれ平坦に開くと、図4に示すように、二つの小ブランクシートS10,S10が形成される。
二つの小ブランクシートS10,S10は、接合片13の有無以外は同じ形状である。そのため、以下の説明では、図4の左側に配置された小ブランクシートS10から小箱1C(図7参照)を組み立てる手順についてのみ説明する。
【0045】
小ブランクシートS10の各第一横切断誘導線L11を切り開いた後に、図5に示すように、第二壁体20が底板となるように小ブランクシートS10を配置する。
第二壁体20の上面に内容物を載せた後に、第二壁体20に対して第一壁体10および上下の第一フラップ11,12を縦折れ線L1において折り曲げて、第二壁体20の両端部の縁部に第一壁体10をそれぞれ立ち上げる。
【0046】
また、第一壁体10を第一縦折れ線L10において折り曲げて、第一壁体10の先端側の部位を第二壁体20の上方に配置する。このとき、両第一壁体10,10の先端縁部同士が突き合わされる。これにより、第二壁体20の両端部の縁部に高さt(図1参照)の側壁が立ち上げられる。
【0047】
また、第一壁体10に対して上下の第一フラップ11,12を折り曲げて、第二壁体20の両側部の縁部に上下の第一フラップ11,12をそれぞれ立ち上げる。
さらに、図6に示すように、上下の第一フラップ11,12を第一縦折れ線L10において折り曲げて、上下の第一フラップ11,12の先端側の部位を両第一壁体10,10(図5参照)の上面に重ねる。
【0048】
このとき、上下の第一フラップ11,12の係合穴15(図5参照)の上側に係合片17が重なるように、上下の第一フラップ11,12を上下に重ねる。そして、係合片17を上側から係合穴15(図5参照)に押し込んで係合させることで、上下の第一フラップ11,12を折り曲げて重ねた状態に固定できる。
【0049】
続いて、図7に示すように、第二壁体20に対して上下の第二フラップ21,22を折り曲げて、第二壁体20の両側部の縁部に上下の第二フラップ21,22をそれぞれ立ち上げる。
【0050】
また、上下の第二フラップ21,22を第二横折れ線L20において折り曲げて、上下の第二フラップ21,22の先端側の部位を上下の第一フラップ11,12の上面に重ねる。これにより、第二壁体20の両側部の縁部に高さt(図1参照)の側壁が立ち上げられるとともに、第二壁体20の上方に頂板が形成される。
さらに、上下の第二フラップ21,22の先端縁部同士をテープ等の接合手段(図示せず)によって接合することで、小箱1Cが形成される。
【0051】
以上のような第一実施形態のブランクシートS1(図1参照)では、図2に示すA式の包装箱1Aを形成できる。また、包装箱1Aの使用後に分割用切断誘導線L2を切り開くことで、図4に示す二つの小ブランクシートS10,S10を形成できる。そして、小ブランクシートS10の第二壁体20を底板として、第一壁体10、上下の第一フラップ11,12および上下の第二フラップ21,22を折り曲げることで、図7に示す小箱1Cを形成できる。
このように、図1に示すブランクシートS1では、包装箱1A(図2参照)を二つの小箱1C(図7参照)に組み立て直すことができるため、資源を有効に利用できる。
【0052】
第一実施形態のブランクシートS1では、第一壁体10の分割用切断誘導線L2が段ボールの段目の延長方向に交差している。この構成では、図2に示す包装箱1Aの胴部40を組み立てるために、第一壁体10と第二壁体20とを縦折れ線L1において折り曲げたときに、第一壁体10が分割用切断誘導線L2で折れ曲がり難い。これにより、ブランクシートS1(図1参照)から包装箱1Aを綺麗に組み立てることができる。
【0053】
第一実施形態のブランクシートS1では、小箱1C(図7参照)を組み立てるときに、図6に示すように、上下の第一フラップ11,12の係合片17を係合穴15(図5参照)に係合させて、上下の第一フラップ11,12を固定できる。この状態で、図7に示すように、上下の第二フラップ21,22を折り曲げることができるため、小箱1Cを組み立て易くなる。
【0054】
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
第一実施形態では、図1に示すように、第一壁体10の分割用切断誘導線L2が直線状に形成されているが、分割用切断誘導線を湾曲、屈曲または階段状に形成してもよい。つまり、分割用切断誘導線の少なくとも一部が段ボールの段目の延長方向に交差していればよい。
なお、第一壁体10の分割用切断誘導線L2を直線に形成した場合には、分割用切断誘導線L2の長さが短くなるため、第一壁体10に分割用切断誘導線L2を形成することによる第一壁体10の強度低下を抑えることができる。
【0055】
第一実施形態では、上下の第一フラップ11,12の分割用切断誘導線L2が段ボールの段目に沿って形成されているが、上下の第一フラップ11,12の分割用切断誘導線L2を段ボールの段目に交差させてもよい。
【0056】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態のブランクシートS2について説明する。第二実施形態のブランクシートS2は、図8に示すように、第二壁体20に分割用切断誘導線L2が形成されている点が、第一実施形態のブランクシートS1(図1参照)と異なっている。
【0057】
第二実施形態のブランクシートS2では、第一壁体10の第一縦折れ線L10に連続して、上側の第一フラップ11に第一縦切断誘導線L12が形成されるとともに、下側の第二フラップ22に第一縦切断誘導線L12が形成されている。
【0058】
上側の第一フラップ11において、左右の第一縦切断誘導線L12,L12の間には、下縁部(第一壁体10側の縁部)に平行して第一横折れ線L13が形成されている。また、下側の第一フラップ12において、左右の第一縦切断誘導線L12,L12の間には、上縁部(第一壁体10側の縁部)に平行して第一横折れ線L13が形成されている。
【0059】
第一壁体10の縁部から第一横折れ線L13までの上下方向の間隔tは、第一壁体10の縁部から第一縦折れ線L10までの左右方向の間隔tと同じ大きさである。
【0060】
第二実施形態のブランクシートS2では、第二壁体20の中央を通過して上縁部から下縁部に亘って分割用切断誘導線L2が形成されている。分割用切断誘導線L2は、上下の第二フラップ21,22にも延びている。第二壁体20および上下の第二フラップ21,22は、分割用切断誘導線L2を境界として左右に区画されている。
【0061】
分割用切断誘導線L2と第二壁体20の上縁部との接続点は、第二壁体20の上縁部の中央よりも僅かに左側に接続されている。また、分割用切断誘導線L2と第二壁体20の下縁部との接続点は、第二壁体20の下縁部の中央よりも僅かに右側に接続されている。
分割用切断誘導線L2は、第二壁体20の段ボールの段目の延長方向に対して斜めに交差して延びている。すなわち、第二壁体20に形成された分割用切断誘導線L2は、第二壁体20の段ボールの段目に非平行な部分を有している。
【0062】
ブランクシートS2では、胴部領域30を各縦折れ線L1で折り曲げつつ、接合片13を右端の第二壁体20の内面に接合すると、角筒状の胴部を形成できる。さらに、上下の第一フラップ11,12および上下の第二フラップ21,22によって胴部の上下の開口部を閉塞することで、A式の包装箱を形成できる。
【0063】
次に、包装箱の使用後に、包装箱を二つの小箱1D,1D(図11参照)に組み立て直す手順について説明する。
【0064】
包装箱の二本の分割用切断誘導線L2,L2を切り開くと、図9に示すように、第二壁体20および上下の第二フラップ21,22が二つに切り離されて、二つの小ブランクシートS20,S20が形成される。
【0065】
小ブランクシートS20の各第一縦切断誘導線L12を切り開いた後に、図10に示すように、第一壁体10が底板となるように小ブランクシートS20を配置する。
続いて、第一縦折れ線L10において、第一壁体10の両端部を中央部に対して折り曲げて立ち上げる。また、第二壁体20および上下の第二フラップ21,22を折り曲げて角筒部50を形成する。
両端の角筒部50,50に内容物を収容して、両角筒部50,50を第一壁体10の上面に重ねる。このとき、両角筒部50,50の先端縁部同士が突き合わされる。これにより、第一壁体10の両端部の縁部に高さt(図8参照)の側壁が立ち上げられる。
【0066】
続いて、図11に示すように、第一壁体10に対して上下の第一フラップ11,12を折り曲げて、第一壁体10の両側部の縁部に上下の第一フラップ11,12をそれぞれ立ち上げる。
また、上下の第一フラップ11,12を第一横折れ線L13において折り曲げて、上下の第一フラップ11,12の先端側の部位を両角筒部50,50の上面に重ねる。これにより、第一壁体10の両側部の縁部に高さt(図8参照)の側壁が立ち上げられるとともに、第一壁体10の上方に頂板が形成される。
さらに、上下の第一フラップ11,12の先端縁部同士をテープ等の接合手段(図示せず)によって接合することで、小箱1Dが形成される。
【0067】
以上のような第二実施形態のブランクシートS2(図8参照)では、A式の包装箱を形成できる。また、包装箱の使用後に分割用切断誘導線L2を切り開くことで、図9に示す二つの小ブランクシートS20,S20を形成できる。そして、小ブランクシートS20の第一壁体10を底板として、第二壁体20、上下の第一フラップ11,12および上下の第二フラップ21,22を折り曲げることで、図11に示す小箱1Dを形成できる。
このように、図8に示すブランクシートS2では、包装箱を二つの小箱1D(図11参照)に組み立て直すことができるため、資源を有効に利用できる。
【0068】
第二実施形態のブランクシートS2では、第二壁体20の分割用切断誘導線L2が段ボールの段目の延長方向に交差しており、包装箱を組み立てるときに、第二壁体20が分割用切断誘導線L2で折れ曲がり難いため、包装箱を綺麗に組み立てることができる。
【0069】
以上、本発明の第二実施形態について説明したが、本発明は前記第二実施形態に限定されることなく、前記第一実施形態と同様に、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1A 包装箱
1B 分割体
1C 小箱(第一実施形態)
1D 小箱(第二実施形態)
10 第一壁体
11 上側の第一フラップ
12 下側の第一フラップ
13 接合片
15 係合穴
16 蓋板
17 係合片
20 第二壁体
21 上側の第二フラップ
22 下側の第二フラップ
30 胴部領域
40 胴部
50 角筒部
L1 縦折れ線
L2 分割用切断誘導線
L10 第一縦折れ線
L11 第一横切断誘導線
L12 第一縦切断誘導線
L13 第一横折れ線
L20 第二横折れ線
S1 ブランクシート(第一実施形態)
S2 ブランクシート(第二実施形態)
S10 小ブランクシート(第一実施形態)
S20 小ブランクシート(第二実施形態)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11