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特許7380471側方測距センサ診断装置および側方測距センサ診断プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】側方測距センサ診断装置および側方測距センサ診断プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20231108BHJP
   G01S 15/931 20200101ALI20231108BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20231108BHJP
   G01S 7/497 20060101ALI20231108BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20231108BHJP
【FI】
G01S7/40 139
G01S15/931
G01S13/931
G01S7/497
G01S17/931
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020127498
(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公開番号】P2022024738
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 翔也
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀典
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-085485(JP,A)
【文献】特開2018-119935(JP,A)
【文献】特開2016-085037(JP,A)
【文献】特開2016-085038(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017115457(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/64
G01S 13/00 - 17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)の側方に探査波を送信して物体(40、42、50)で反射した探査波を受信することにより前記車両の側方の前記物体との距離を検出する第1センサ(11、61)と、前記車両の側方に探査波を送信して前記物体で反射した探査波を受信することにより前記車両の側方の前記物体までの距離を検出する第2センサ(12、62)とを備える前記車両に用いられる側方測距センサ診断装置であって、
前記第1センサによって検出される距離である第1検出距離(Df)と、前記第2センサによって検出される距離である第2検出距離(Dr)とを取得する取得部(S100)と、
前記第1検出距離が第1閾値(Df_th)以下かつ前記第2検出距離が第2閾値(Dr_th)より大きいとき、および、前記第1検出距離が前記第1閾値(Df_th)以下かつ前記第2センサが前記物体を検出していないときのいずれかであるとき、前記第1センサに付着物が付いている可能性があると判定する可能性判定部(S102)と、
前記第1センサに付着物が付いている可能性があると前記可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離(Lc1)を算出する算出部(S104)と、
前記第1センサに付着物が付いている可能性があると前記可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離(Lc1)が、前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離(Ds、Dx)以上であるとき、前記第1センサが正常に動作していないと判定する診断部(S106、S108、S110、S112)と、
を備える側方測距センサ診断装置。
【請求項2】
前記診断部は、前記第1センサが正常に動作していないと前記診断部が判定した後に前記第1検出距離が前記第1閾値より大きくなるとき、前記第1センサに付着物が付いている可能性があると前記可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離(Lc1)を、前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離(Ds、Dx)未満の値に変更することにより、前記第1センサが正常に動作していないとの判定を解除する請求項1に記載の側方測距センサ診断装置。
【請求項3】
前記可能性判定部は、第1可能性判定部であって、
前記第1センサに付着物が付いている可能性があると前記第1可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離は、第1距離であって、
前記算出部は、第1算出部であって、
前記診断部は、第1診断部であって、
前記第1検出距離が前記第1閾値(Df_th)より大きくかつ前記第2検出距離が前記第2閾値(Dr_th)以下であるとき、および、前記第1センサが前記物体を検出していないかつ前記第2検出距離が前記第2閾値(Dr_th)以下であるときのいずれかであるとき、前記第2センサに付着物が付いている可能性があると判定する第2可能性判定部(S114)と、
前記第2センサに付着物が付いている可能性があると前記第2可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離である第2距離(Lc2)を算出する第2算出部(S116)と、
前記第2距離が、前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離(Ds、Dx)以上であるとき、前記第2センサが正常に動作していないと判定する第2診断部(S118、S120、S122、S124)と、
を備える請求項1または2に記載の側方測距センサ診断装置。
【請求項4】
前記第2診断部は、前記第2センサが正常に動作していないと前記第2診断部が判定した後に前記第2検出距離が前記第2閾値より大きくなるとき、前記第2距離を、前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離(Ds、Dx)未満の値に変更することにより、前記第2センサが正常に動作していないとの判定を解除する請求項3に記載の側方測距センサ診断装置。
【請求項5】
前記第1検出距離(Df)が前記第1閾値(Df_th)以下かつ前記第2検出距離(Dr)が前記第2閾値(Dr_th)以下である場合において(S200)、前記第1センサが送信する探査波のエネルギーと前記第1センサが受信する探査波のエネルギーとの差に関する値(ΔVf)が所定値(ΔVf_th)以上、かつ、前記第2センサが送信する探査波のエネルギーと前記第2センサが受信する探査波のエネルギーとの差に関する値(ΔVr)が所定値(ΔVr_th)未満であるとき、前記第1センサに付着物が付いている可能性があると判定する第3可能性判定部(S202)と、
前記第1センサに付着物が付いている可能性があると前記第3可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離である第3距離(Lc3)を算出する第3算出部(S204)と、
前記第3距離が、前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離(Ds、Dx)以上であるとき、前記第1センサが正常に動作していないと判定する第3診断部(S206、S208、S210、S212)と、
をさらに備える請求項3または4に記載の側方測距センサ診断装置。
【請求項6】
前記第1検出距離(Df)が前記第1閾値(Df_th)以下かつ前記第2検出距離(Dr)が前記第2閾値(Dr_th)以下である場合において(S200)、前記第1センサが送信する探査波のエネルギーと前記第1センサが受信する探査波のエネルギーとの差に関する値(ΔVf)が所定値(ΔVf_th)未満、かつ、前記第2センサが送信する探査波のエネルギーと前記第2センサが受信する探査波のエネルギーとの差に関する値(ΔVr)が所定値(ΔVr_th)以上であるとき、前記第2センサに付着物が付いている可能性があると判定する第4可能性判定部(S214)と、
前記第2センサに付着物が付いている可能性があると前記第4可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離である第4距離(Lc4)を算出する第4算出部(S216)と、
前記第4距離が、前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離(Ds、Dx)以上であるとき、前記第2センサが正常に動作していないと判定する第4診断部(S218、S220、S222、S224)と、
をさらに備える請求項5に記載の側方測距センサ診断装置。
【請求項7】
前記第1検出距離(Df)が前記第1閾値(Df_th)以下かつ前記第2検出距離(Dr)が前記第2閾値(Dr_th)以下である場合において(S200)、前記第1センサが探査波を1回送信して前記物体で反射した探査波を受信する回数(Nf)が所定回数(Nf_th)未満、かつ、前記第2センサが探査波を1回送信して前記物体で反射した探査波を受信する回数(Nr)が所定回数(Nr_th)以上であるとき、前記第1センサに付着物が付いている可能性があると判定する第3可能性判定部(S302)と、
前記第1センサに付着物が付いている可能性があると前記第3可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離である第3距離(Lc3)を算出する第3算出部(S204)と、
前記第3距離が、前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離(Ds、Dx)以上であるとき、前記第1センサが正常に動作していないと判定する第3診断部(S206、S208、S210、S212)と、
をさらに備える請求項3または4に記載の側方測距センサ診断装置。
【請求項8】
前記第1検出距離(Df)が前記第1閾値(Df_th)以下かつ前記第2検出距離(Dr)が前記第2閾値(Dr_th)以下である場合において(S200)、前記第1センサが探査波を1回送信して前記物体で反射した探査波を受信する回数(Nf)が所定回数(Nf_th)以上、かつ、前記第2センサが探査波を1回送信して前記物体で反射した探査波を受信する回数(Nr)が所定回数(Nr_th)未満であるとき、前記第2センサに付着物が付いている可能性があると判定する第4可能性判定部(S314)と、
前記第2センサに付着物が付いている可能性があると前記第4可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離である第4距離(Lc4)を算出する第4算出部(S216)と、
前記第4距離が、前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離(Ds、Dx)以上であるとき、前記第2センサが正常に動作していないと判定する第4診断部(S218、S220、S222、S224)と、
をさらに備える請求項7に記載の側方測距センサ診断装置。
【請求項9】
前記第2センサは、前記車両のうち前記第1センサよりも後側に配置されている請求項1ないし8のいずれか1つに記載の側方測距センサ診断装置。
【請求項10】
前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離は、前記車両の前後方向における前記第1センサから前記第2センサまでの距離(Ds)に基づく距離である請求項9に記載の側方測距センサ診断装置。
【請求項11】
前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離は、前記車両の前後方向における前記第1センサと前記第2センサとの間の距離(Ds)から、前記車両の左右方向における前記第1センサと前記物体との間の距離(Frs_d)と、前記第1センサの探査波の照射角(θ)と、前記車両の左右方向における前記第2センサと前記物体との間の距離(Frs_d)と、前記第2センサの探査波の照射角(θ)と、に基づく距離を減算した距離(Dx)である請求項9に記載の側方測距センサ診断装置。
【請求項12】
車両(1)の側方に探査波を送信して物体(40、42、50)で反射した探査波を受信することにより前記車両の側方の前記物体との距離を検出する第1センサ(11、61)と、前記車両の側方に探査波を送信して前記物体で反射した探査波を受信することにより前記車両の側方の前記物体までの距離を検出する第2センサ(12、62)とを備える前記車両に用いられる側方測距センサ診断装置を、
前記第1センサによって検出される距離である第1検出距離(Df)と、前記第2センサによって検出される距離である第2検出距離(Dr)とを取得する取得部(S100)、
前記第1検出距離が第1閾値(Df_th)以下かつ前記第2検出距離が第2閾値(Dr_th)より大きいとき、および、前記第1検出距離が前記第1閾値(Df_th)以下かつ前記第2センサが前記物体を検出していないときのいずれかであるとき、前記第1センサに付着物が付いている可能性があると判定する可能性判定部(S102)、
前記第1センサに付着物が付いている可能性があると前記可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離(Lc1)を算出する算出部(S104)、および、
前記第1センサに付着物が付いている可能性があると前記可能性判定部が判定している状態において前記車両が移動した距離(Lc1)が、前記第2センサが前記第1センサによって検出された物体を検出するために必要な前記車両の移動距離(Ds、Dx)以上であるとき、前記第1センサが正常に動作していないと判定する診断部(S106、S108、S110、S112)として、機能させる側方測距センサ診断プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、側方測距センサ診断装置および側方測距センサ診断プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、側方測距センサが正常に動作しているか否かを判定する側方測距センサ診断装置が知られている。この診断装置は、自車両の操舵角に基づいて、自車両が側方測距センサによって検出されている物体と接触する可能性があるか否かを判定する。また、この診断装置は、自車両が側方測距センサによって検出されている物体と接触する可能性があると判定した場合に、側方測距センサによって検出されている距離に基づいて走行可能距離を算出する。そして、この診断装置は、自車両が側方測距センサによって検出されている物体と接触する操舵角が維持されたまま、自車両の移動距離が走行可能距離を超えた場合に、側方測距センサが正常に動作していないと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-85038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される診断装置は、自車両が曲線走行する場合等、操舵角に基づき自車両が側方測距センサによって検出されている物体と接触する可能性があると判定している状態のときに、側方測距センサが正常に動作していないと判定する。このため、例えば、自車両が直進走行する場合に自車両が側方測距センサによって検出されている物体と接触しないとき、この診断装置は、側方測距センサが正常に動作していないと判定できない。したがって、自車両が直進走行する場合に側方測距センサに雪や泥等が付着すると、側方測距センサは、自車両の側方に位置する物体と自車両との距離を誤検出することがある。
【0005】
本開示は、側方測距センサが正常に動作しているか否かを判定できる側方測距センサ診断装置および側方測距センサ診断プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、車両(1)の側方に探査波を送信して物体(40、42、50)で反射した探査波を受信することにより車両の側方の物体との距離を検出する第1センサ(11、61)と、車両の側方に探査波を送信して物体で反射した探査波を受信することにより車両の側方の物体までの距離を検出する第2センサ(12、62)とを備える車両に用いられる側方測距センサ診断装置であって、第1センサによって検出される距離である第1検出距離(Df)と、第2センサによって検出される距離である第2検出距離(Dr)とを取得する取得部(S100)と、第1検出距離が第1閾値(Df_th)以下かつ第2検出距離が第2閾値(Dr_th)より大きいとき、および、第1検出距離が第1閾値(Df_th)以下かつ第2センサが物体を検出していないときのいずれかであるとき、第1センサに付着物が付いている可能性があると判定する可能性判定部(S102)と、第1センサに付着物が付いている可能性があると可能性判定部が判定している状態において車両が移動した距離(Lc1)を算出する算出部(S104)と、第1センサに付着物が付いている可能性があると可能性判定部が判定している状態において車両が移動した距離(Lc1)が、第2センサが第1センサによって検出された物体を検出するために必要な車両の移動距離(Ds、Dx)以上であるとき、第1センサが正常に動作していないと判定する診断部(S106、S108、S110、S112)と、を備える側方測距センサ診断装置である。
【0007】
また、請求項12に記載の発明は、車両(1)の側方に探査波を送信して物体(40、42、50)で反射した探査波を受信することにより車両の側方の物体との距離を検出する第1センサ(11、61)と、車両の側方に探査波を送信して物体で反射した探査波を受信することにより車両の側方の物体までの距離を検出する第2センサ(12、62)とを備える車両に用いられる側方測距センサ診断装置を、第1センサによって検出される距離である第1検出距離(Df)と、第2センサによって検出される距離である第2検出距離(Dr)とを取得する取得部(S100)、第1検出距離が第1閾値(Df_th)以下かつ第2検出距離が第2閾値(Dr_th)より大きいとき、および、第1検出距離が第1閾値(Df_th)以下かつ第2センサが物体を検出していないときのいずれかであるとき、第1センサに付着物が付いている可能性があると判定する可能性判定部(S102)、第1センサに付着物が付いている可能性があると可能性判定部が判定している状態において車両が移動した距離(Lc1)を算出する算出部(S104)、および、第1センサに付着物が付いている可能性があると可能性判定部が判定している状態において車両が移動した距離(Lc1)が、第2センサが第1センサによって検出された物体を検出するために必要な車両の移動距離(Ds、Dx)以上であるとき、第1センサが正常に動作していないと判定する診断部(S106、S108、S110、S112)として、機能させる側方測距センサ診断プログラムである。
【0008】
第1センサに付着物が付いている可能性があると可能性判定部が判定している状態において車両が移動した距離が、第2センサが第1センサによって検出された物体を検出するために必要な車両の移動距離以上であるとき、第2センサは、第1センサが検出した物体を検出することができる。これにより、側方測距センサ診断装置は、第1センサが検出している物体が付着物であると判定できる。したがって、側方測距センサ診断装置は、第1センサが正常に動作しているか否かを判定できる。
【0009】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の診断装置が用いられる車両の構成図。
図2】車両に搭載されている側方測距センサの配置図。
図3】診断装置の処理を示すフローチャート。
図4】診断装置の処理の一事例を示すタイムチャート。
図5】診断装置の処理の一事例を示す車両の模式図。
図6】診断装置の処理の一事例を示す車両の模式図。
図7】診断装置の処理の一事例を示す車両の模式図。
図8】診断装置の処理の一事例を示す車両の模式図。
図9】診断装置の処理の一事例を示す車両の模式図。
図10】診断装置の処理の一事例を示す車両の模式図。
図11】診断装置の処理の一事例を示す車両の模式図。
図12】変形例1の診断装置の処理を示すフローチャート。
図13】診断装置の処理を示すフローチャート。
図14】探査波のエネルギーについてのタイムチャート。
図15】診断装置の処理の一事例を示すタイムチャート。
図16】診断装置の処理の一事例を示す車両の模式図。
図17】診断装置の処理の一事例を示す車両の模式図。
図18】診断装置の処理の一事例を示す車両の模式図。
図19】変形例2の診断装置の処理を示すフローチャート。
図20】探査波のエネルギーについてのタイムチャート。
図21】変形例3の診断装置の処理を示すフローチャート。
図22】診断装置の処理を示すフローチャート。
図23】診断装置の処理を示すフローチャート。
図24】診断装置の処理を示すフローチャート。
図25】探査波の照射範囲についての図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0012】
実施形態の診断装置20は、車両1に用いられる。まず、この車両1について説明する。
【0013】
車両1は、図1に示すように、右前側方測距センサ11、右後側方測距センサ12、左前側方測距センサ61、左後側方測距センサ62、車速センサ13、加速度センサ14、車内LAN15、診断装置20および報知装置30を備える。
【0014】
右前側方測距センサ11は、第1センサに対応しており、図2に示すように、車両1の前側のうち右側に取り付けられている。また、右前側方測距センサ11は、ミリ波、ソナーおよび赤外線等の探査波を車両1の側方に向かって送信する。このとき、車両1の側方に物体が存在する場合、右前側方測距センサ11は、この物体で反射された探査波を受信する。さらに、右前側方測距センサ11は、この受信した探査波から得られる情報に基づいて、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から車両1の側方の物体までの距離を検出する。また、右前側方測距センサ11は、この検出した距離を、車内LAN15を介して後述の診断装置20に送信する。さらに、右前側方測距センサ11は、物体で反射された探査波を受信できない場合には、物体を検出しなかったことを示す信号を、車内LAN15を介して後述の診断装置20に送信する。
【0015】
右後側方測距センサ12は、第2センサに対応しており、右前側方測距センサ11よりも後側に配置されて、車両1の後側のうち右側に取り付けられている。また、右後側方測距センサ12は、右前側方測距センサ11と同様に、ミリ波、ソナーおよび赤外線等の探査波を車両1の側方に向かって送信する。このとき、車両1の側方に物体が存在する場合、右後側方測距センサ12は、この物体で反射された探査波を受信する。さらに、右後側方測距センサ12は、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から車両1の側方の物体までの距離を検出する。また、右後側方測距センサ12は、この検出した距離を、車内LAN15を介して後述の診断装置20に送信する。さらに、右後側方測距センサ12は、物体で反射された探査波を受信できない場合には、物体を検出しなかったことを示す信号を、車内LAN15を介して後述の診断装置20に送信する。
【0016】
左前側方測距センサ61は、第1センサに対応しており、車両1の前側のうち左側に取り付けられている。また、左前側方測距センサ61は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12と同様に、ミリ波、ソナーおよび赤外線等の探査波を車両1の側方に向かって送信する。このとき、車両1の側方に物体が存在する場合、左前側方測距センサ61は、この物体で反射された探査波を受信する。さらに、左前側方測距センサ61は、この受信した探査波から得られる情報に基づいて、車両1の左右方向における左前側方測距センサ61から車両1の側方の物体までの距離を検出する。また、左前側方測距センサ61は、この検出した距離を、車内LAN15を介して後述の診断装置20に送信する。さらに、左前側方測距センサ61は、物体で反射された探査波を受信できない場合には、物体を検出しなかったことを示す信号を、車内LAN15を介して後述の診断装置20に送信する。
【0017】
左後側方測距センサ62は、第2センサに対応しており、左前側方測距センサ61よりも後側に配置されて、車両1の後側のうち左側に取り付けられている。また、左後側方測距センサ62は、右前側方測距センサ11、右後側方測距センサ12および左前側方測距センサ61と同様に、ミリ波、ソナーおよび赤外線等の探査波を車両1の側方に向かって送信する。このとき、車両1の側方に物体が存在する場合、左後側方測距センサ62は、この物体で反射された探査波を受信する。さらに、左後側方測距センサ62は、車両1の左右方向における左後側方測距センサ62から車両1の側方の物体までの距離を検出する。また、左後側方測距センサ62は、この検出した距離を、車内LAN15を介して後述の診断装置20に送信する。さらに、左後側方測距センサ62は、物体で反射された探査波を受信できない場合には、物体を検出しなかったことを示す信号を、車内LAN15を介して後述の診断装置20に送信する。
【0018】
車速センサ13は、図1に示すように、車両1の速度Vcに応じた信号を、車内LAN15を介して後述の診断装置20に送信する。
【0019】
加速度センサ14は、車両1の加速度Acに応じた信号を、車内LAN15を介して後述の診断装置20に送信する。
【0020】
診断装置20は、側方測距センサ診断装置であって、取得部、第1可能性判定部、第2可能性判定部、第3可能性判定部、第4可能性判定部、第1算出部、第2算出部、第3算出部、第4算出部、第1診断部、第2診断部、第3診断部、第4診断部に対応している。また、診断装置20は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えるマイクロコンピュータである。RAM、ROM、フラッシュメモリは、いずれも、非遷移的実体的記憶媒体である。CPUは、ROMまたはフラッシュメモリに記憶されたプログラムを実行し、その際にRAMを作業領域として使用する。さらに、診断装置20は、このCPUによるプログラムの実行により、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定する。また、診断装置20は、このCPUによるプログラムの実行により、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定する。
【0021】
具体的には、診断装置20は、後述するように、右前側方測距センサ11、右後側方測距センサ12、車速センサ13および加速度センサ14からの情報に基づいて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定する。また、診断装置20は、左前側方測距センサ61、左後側方測距センサ62、車速センサ13および加速度センサ14からの情報に基づいて、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定する。さらに、診断装置20は、この判定結果に応じた信号を、車内LAN15を介して後述の報知装置30に送信する。
【0022】
報知装置30は、診断装置20の判定結果に基づいて、音および光を用いて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12のいずれかが正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。また、報知装置30は、診断装置20の判定結果に基づいて、音および光を用いて、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62のいずれかが正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0023】
以上のように、診断装置20を備える車両1は構成されている。この診断装置20により、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かが判定される。また、この診断装置20により、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かが判定される。
【0024】
次に、この診断装置20による、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否か判定について説明する。この説明のために、便宜上、以下のように用語を定義する。
【0025】
右前側方測距センサ11によって検出される距離、例えば、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から車両1の側方の物体までの距離を前側検出距離Dfとする。また、前側検出距離Dfは、第1検出距離に対応している。さらに、右後側方測距センサ12によって検出される距離、例えば、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から車両1の側方の物体までの距離を後側検出距離Drとする。また、後側検出距離Drは、第2検出距離に対応している。さらに、図2に示すように、車両1の前後方向における右前側方測距センサ11の位置から右後側方測距センサ12の位置までの距離をセンサ間距離Dsとする。このセンサ間距離Dsは、車両1における右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12の位置によって設定される。
【0026】
次に、図3のフローチャートを参照して、診断装置20のプログラムの実行による右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かの判定処理について説明する。以下では、診断装置20のステップS100の処理が開始されてからステップS100の処理に戻るまでの一連の動作の期間を診断装置20の制御周期とする。
【0027】
ステップS100において、診断装置20は、各種センサから情報を取得する。具体的には、診断装置20は、前側検出距離Dfを右前側方測距センサ11から取得する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出しなかった場合、診断装置20は、前側検出距離Dfに代えて右前側方測距センサ11が物体を検出しなかったことを示す信号を右前側方測距センサ11から取得する。さらに、診断装置20は、後側検出距離Drを右後側方測距センサ12から取得する。また、右後側方測距センサ12が物体を検出しなかった場合、診断装置20は、後側検出距離Drに代えて右後側方測距センサ12が物体を検出しなかったことを示す信号を右後側方測距センサ12から取得する。さらに、診断装置20は、車両1の速度Vcを車速センサ13から取得する。また、診断装置20は、車両1の加速度Acを加速度センサ14から取得する。
【0028】
続いて、ステップS102において、診断装置20は、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいか否かを判定する。また、診断装置20は、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性があるか否かを判定する。なお、前側距離閾値Df_thは、第1閾値に対応しており、実験やシミュレーション等により設定されており、例えば、50cm程度である。また、後側距離閾値Dr_thは、第2閾値に対応しており、実験やシミュレーション等により設定されており、前側距離閾値Df_thと同様に、50cm程度である。
【0029】
そして、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS104に移行する。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS104に移行する。
【0030】
さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいとき、処理は、ステップS114に移行する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出していないとき、処理は、ステップS114に移行する。さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS114に移行する。
【0031】
ステップS102に続くステップS104において、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下であるため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性がある。
【0032】
ここで、右後側方測距センサ12は、右前側方測距センサ11よりも後側に配置されている。これにより、右後側方測距センサ12は、例えば、右前側方測距センサ11が物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出する。このため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とは異なるはずである。また、このため、センサ間距離Dsは、右後側方測距センサ12が右前側方測距センサ11によって検出された物体を検出するために必要な車両1の移動距離になっている。
【0033】
したがって、診断装置20は、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性がある状態において車両1が移動した累積距離である第1累積距離Lc1を算出する。なお、第1累積距離Lc1は、第1距離に対応する。
【0034】
例えば、診断装置20は、以下関係式(1)に示すように、ステップS100にて取得した速度Vcおよび加速度Ac、ならびに、診断装置20の1制御周期あたりの時間Δtに基づいて、第1移動距離ΔLc1を算出する。
【0035】
ΔLc1=Vc×Δt+1/2×Ac×Δt×Δt ・・・(1)
【0036】
さらに、診断装置20は、この算出した第1移動距離ΔLc1を前回の制御周期において算出した第1累積距離Lc1に積算することにより、今回の制御周期における第1累積距離Lc1を算出する。なお、第1累積距離Lc1の初期値は、例えば、ゼロである。
【0037】
続いて、ステップS106において、診断装置20は、ステップS104にて算出した第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds以上であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なるか否かを判定できる。
【0038】
そして、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds以上であるとき、処理は、ステップS108に移行する。
【0039】
また、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds未満であるとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0040】
ステップS106に続くステップS108において、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds以上である。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下かつ後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、および、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下かつ右後側方測距センサ12が物体を検出していないときのいずれかである。これにより、前側検出距離Dfと後側検出距離Drとが異なっている。
【0041】
したがって、右前側方測距センサ11が検出する物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なっている。このため、右前側方測距センサ11が検出している物体は、付着物50である。
【0042】
よって、右前側方測距センサ11に付着物50が付いているため、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0043】
続いて、ステップS110において、診断装置20は、再度、前側検出距離Dfを右前側方測距センサ11から取得する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出しなかった場合、診断装置20は、右前側方測距センサ11が物体を検出しなかったことを示す信号を右前側方測距センサ11から取得する。
【0044】
さらに、診断装置20は、この取得した前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11の付着物50が除去されたか否かを判定する。
【0045】
前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下であるとき、右前側方測距センサ11の付着物50が除去されていないため、処理は、ステップS108に戻る。
【0046】
また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいとき、右前側方測距センサ11の付着物50が除去されたため、処理は、ステップS112に移行する。さらに、右前側方測距センサ11が物体を検出しなかったとき、右前側方測距センサ11の付着物50が除去されたため、処理は、ステップS112に移行する。
【0047】
ステップS110に続くステップS112において、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオフする。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示す判定を解除する。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。このとき、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0048】
さらに、診断装置20は、第1累積距離Lc1を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0049】
ステップS102に続くステップS114において、診断装置20は、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるか否かを判定する。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性があるか否かを判定する。
【0050】
そして、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS116に移行する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS116に移行する。
【0051】
さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS126に移行する。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS126に移行する。さらに、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS126に移行する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS126に移行する。さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0052】
ステップS114に続くステップS116において、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性がある。
【0053】
ここで、右後側方測距センサ12は、上記したように、右前側方測距センサ11よりも後側に配置されている。これにより、右後側方測距センサ12は、例えば、右前側方測距センサ11が物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出する。このため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている場合、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とは異なるはずである。
【0054】
したがって、診断装置20は、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性がある状態において車両1が移動した累積距離である第2累積距離Lc2を算出する。なお、第2累積距離Lc2は、第2距離に対応する。
【0055】
例えば、診断装置20は、以下関係式(2)に示すように、ステップS100にて取得した速度Vcおよび加速度Ac、ならびに、診断装置20の1制御周期あたりの時間Δtに基づいて、第2移動距離ΔLc2を算出する。
【0056】
ΔLc2=Vc×Δt+1/2×Ac×Δt×Δt ・・・(2)
【0057】
さらに、診断装置20は、この算出した第2移動距離ΔLc2を前回の制御周期において算出した第2累積距離Lc2に積算することにより、今回の制御周期における第2累積距離Lc2を算出する。なお、第2累積距離Lc2の初期値は、例えば、ゼロである。
【0058】
続いて、ステップS118において、診断装置20は、ステップS114にて算出した第2累積距離Lc2がセンサ間距離Ds以上であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なるか否かを判定できる。
【0059】
そして、第2累積距離Lc2がセンサ間距離Ds以上であるとき、処理は、ステップS120に移行する。
【0060】
また、第2累積距離Lc2がセンサ間距離Ds未満であるとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0061】
ステップS118に続くステップS120において、第2累積距離Lc2がセンサ間距離Ds以上である。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下、および、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下のいずれかである。これにより、前側検出距離Dfと後側検出距離Drとが異なっている。
【0062】
したがって、右前側方測距センサ11が検出する物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なっている。このため、右後側方測距センサ12が検出している物体は、付着物50である。
【0063】
よって、右後側方測距センサ12に付着物50が付いているため、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0064】
続いて、ステップS122において、診断装置20は、再度、後側検出距離Drを右後側方測距センサ12から取得する。また、右後側方測距センサ12が物体を検出しなかった場合、診断装置20は、後側検出距離Drに代えて右後側方測距センサ12が物体を検出しなかったことを示す信号を右後側方測距センサ12から取得する。
【0065】
さらに、診断装置20は、この取得した後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12の付着物50が除去されたか否かを判定できる。
【0066】
後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、右後側方測距センサ12の付着物50が除去されていないため、処理は、ステップS120に戻る。
【0067】
また、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、右後側方測距センサ12の付着物50が除去されたため、処理は、ステップS124に移行する。さらに、右後側方測距センサ12が物体を検出しなかったとき、右後側方測距センサ12の付着物50が除去されたため、処理は、ステップS124に移行する。
【0068】
ステップS122に続くステップS124において、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオフする。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示す判定を解除する。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。このとき、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0069】
さらに、診断装置20は、第2累積距離Lc2を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0070】
ステップS126において、診断装置20は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12に付着物50が付いていないと判定する。このとき、診断装置20は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0071】
以上のように、診断装置20は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定する。また、診断装置20は、上記と同様に、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定する。この場合、右前側方測距センサ11が左前側方測距センサ61に読み替えられる。さらに、右後側方測距センサ12が左後側方測距センサ62に読み替えられる。
【0072】
ここで、一事例における診断装置20の処理について、図4のタイムチャートを参照して説明する。
【0073】
この事例では、診断装置20は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定する。また、この事例では、説明をわかりやすくするため、車両1が前方に等速走行している場面が想定されている。このため、この事例において、車両1の加速度Acは、ゼロである。
【0074】
初期時刻としての時刻t0において、車両1は、図5に示すように、車両1の前後方向に延びている壁40に沿って前方に等速走行している。
【0075】
また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D0であって、前側距離閾値Df_thより大きくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D0であって、前側距離閾値Df_thより大きくなっている。
【0076】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。このため、後側検出距離Drは、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。
【0077】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0078】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第1累積距離Lc1は、ゼロである。さらに、第2累積距離Lc2は、ゼロである。なお、第1累積距離Lc1は、上記したように、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性がある状態において車両1が移動した累積距離である。また、第2累積距離Lc2は、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性がある状態において車両1が移動した累積距離である。
【0079】
時刻t0から時刻t1までの期間において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0080】
また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D0であって、前側距離閾値Df_thより大きくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D0であって、前側距離閾値Df_thより大きくなっている。
【0081】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。このため、後側検出距離Drは、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。
【0082】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0083】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第1累積距離Lc1は、ゼロである。さらに、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0084】
時刻t1において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0085】
このとき、図6に示すように、右前側方測距センサ11は、付着物50が付いた状態になる。このため、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなる。
【0086】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。このため、後側検出距離Drは、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。
【0087】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS104に移行する。ステップS104にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第1移動距離ΔLc1を算出する。また、診断装置20は、この算出した第1移動距離ΔLc1を積算することにより、第1累積距離Lc1を算出する。これにより、第1累積距離Lc1は、増加する。
【0088】
しかし、ステップS104に続くステップS106にて、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0089】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0090】
時刻t1から時刻t2までの期間において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0091】
このとき、右前側方測距センサ11は、付着物50が付いた状態である。このため、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0092】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。このため、後側検出距離Drは、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。
【0093】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS104に移行する。ステップS104にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第1移動距離ΔLc1を算出する。また、診断装置20は、この算出した第1移動距離ΔLc1を積算することにより、第1累積距離Lc1を算出する。これにより、第1累積距離Lc1は、増加する。
【0094】
しかし、ステップS104に続くステップS106にて、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0095】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0096】
時刻t2において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0097】
このとき、右前側方測距センサ11に付着物50が付いた状態である。このため、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0098】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。このため、後側検出距離Drは、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。
【0099】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS104に移行する。ステップS104にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第1移動距離ΔLc1を算出する。また、診断装置20は、この算出した第1移動距離ΔLc1を積算することにより、第1累積距離Lc1を算出する。これにより、第1累積距離Lc1は、増加する。
【0100】
このとき、第1累積距離Lc1は、センサ間距離Dsになる。このため、ステップS104に続くステップS106にて、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS108に移行する。
【0101】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出可能である。さらに、前側検出距離Dfと後側検出距離Drとが異なっている。このため、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11が物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とは異なっている。したがって、このとき、右前側方測距センサ11が検出している物体は、付着物50である。
【0102】
よって、右前側方測距センサ11に付着物50が付いているため、診断装置20は、ステップS108にて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないこと示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0103】
さらに、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。このため、ステップS110にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS108に戻る。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオンのままにする。なお、図4のタイムチャートにおいて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグのオン状態がF_NGで示されている。
【0104】
時刻t2から時刻t3までに期間において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0105】
このとき、右前側方測距センサ11に付着物50が付いた状態である。このため、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0106】
したがって、ステップS110にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS108に戻る。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオンのままにする。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0107】
時刻t3において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0108】
このとき、図5に示すように、右前側方測距センサ11に付いていた付着物50が右前側方測距センサ11から外れる。また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D0であって、前側距離閾値Df_thより大きくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D0であって、前側距離閾値Df_thより大きくなっている。
【0109】
したがって、ステップS110にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS112に移行する。これにより、診断装置20は、ステップS112にて、右前側方測距センサ11に付着物50が付いていることを示すフラグをオフする。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。このため、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0110】
さらに、診断装置20は、第1累積距離Lc1を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0111】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。このとき、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。このため、後側検出距離Drは、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。
【0112】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きい、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0113】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第1累積距離Lc1は、ゼロである。さらに、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0114】
時刻t3から時刻t4までの期間において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0115】
このとき、右前側方測距センサ11は、図7に示すように、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右前側方測距センサ11が物体を検出していないことを示す信号を右前側方測距センサ11から取得する。
【0116】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。このため、後側検出距離Drは、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。
【0117】
したがって、ステップS102にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0118】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第1累積距離Lc1は、ゼロである。さらに、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0119】
時刻t4において、図8に示すように、車両1の周辺には物体が存在しないで、車両1は、前方に等速走行している。
【0120】
このとき、右前側方測距センサ11は、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右前側方測距センサ11が物体を検出していないことを示す信号を右前側方測距センサ11から取得する。
【0121】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、付着物50が付いた状態になる。このため、後側検出距離Drは、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0122】
したがって、ステップS102にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS116に移行する。ステップS116にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第2移動距離ΔLc2を算出する。また、診断装置20は、この算出した第2移動距離ΔLc2を積算することにより、第2累積距離Lc2を算出する。これにより、第2累積距離Lc2は、増加する。
【0123】
しかし、ステップS116に続くステップS118にて、第2累積距離Lc2がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0124】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第1累積距離Lc1は、ゼロである。
【0125】
時刻t4から時刻t5までの期間において、車両1の周辺には物体が存在しないで、車両1は、前方に等速走行している。
【0126】
また、右前側方測距センサ11は、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右前側方測距センサ11が物体を検出していないことを示す信号を右前側方測距センサ11から取得する。
【0127】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、付着物50が付いた状態である。このため、後側検出距離Drは、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0128】
したがって、ステップS102にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS116に移行する。ステップS116にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第2移動距離ΔLc2を算出する。また、診断装置20は、この算出した第2移動距離ΔLc2を積算することにより、第2累積距離Lc2を算出する。これにより、第2累積距離Lc2は、増加する。
【0129】
しかし、ステップS116に続くステップS118にて、第2累積距離Lc2がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0130】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第1累積距離Lc1は、ゼロである。
【0131】
時刻t5において、車両1の周辺には物体が存在しないで、車両1は、前方に等速走行している。
【0132】
また、右前側方測距センサ11は、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右前側方測距センサ11が物体を検出していないことを示す信号を右前側方測距センサ11から取得する。
【0133】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、付着物50が付いた状態である。このため、後側検出距離Drは、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0134】
したがって、ステップS102にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS116に移行する。ステップS116にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第2移動距離ΔLc2を算出する。また、診断装置20は、この算出した第2移動距離ΔLc2を積算することにより、第2累積距離Lc2を算出する。これにより、第2累積距離Lc2は、増加する。
【0135】
このとき、第2累積距離Lc2は、センサ間距離Dsになる。このため、ステップS116に続くステップS118にて、第2累積距離Lc2がセンサ間距離Ds以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS120に移行する。
【0136】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出可能である。さらに、右前側方測距センサ11が物体を検出していなかったにもかかわらず、右後側方測距センサ12は、物体を検出している。したがって、このとき、右後側方測距センサ12が検出している物体は、付着物50である。
【0137】
よって、右後側方測距センサ12に付着物50が付いているため、診断装置20は、ステップS120にて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0138】
さらに、後側検出距離Drは、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。このため、ステップS122にて、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS120に戻る。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオンのままにする。なお、図4のタイムチャートにおいて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグのオン状態がR_NGで示されている。
【0139】
時刻t5から時刻t6までの期間において、車両1は、前方に等速走行している。
【0140】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、付着物50が付いた状態である。このため、後側検出距離Drは、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0141】
したがって、ステップS122にて、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS120に戻る。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12に付着物50が付いていることを示すフラグをオンのままにする。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0142】
時刻t6において、車両1は、前方に等速走行している。
【0143】
このとき、図9に示すように、右後側方測距センサ12に付いていた付着物50が右後側方測距センサ12から外れる。また、右後側方測距センサ12は、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右後側方測距センサ12が物体を検出していないことを示す信号を右後側方測距センサ12から取得する。
【0144】
したがって、ステップS122にて、右後側方測距センサ12が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS124に移行する。これにより、診断装置20は、ステップS124にて、右後側方測距センサ12に付着物50が付いていることを示すフラグをオフする。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。このため、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0145】
さらに、診断装置20は、第2累積距離Lc2を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0146】
また、このとき、右前側方測距センサ11は、図9に示すように、円柱体42の左後側の端と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から円柱体42の左後側の端までの距離は、D0であって、前側距離閾値Df_thより大きくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D0であって、前側距離閾値Df_thより大きくなっている。
【0147】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0148】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第1累積距離Lc1は、ゼロである。さらに、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0149】
時刻t6から時刻t7までの期間において、車両1は、前方に等速走行している。
【0150】
また、右前側方測距センサ11は、円柱体42の左後側と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の側方の物体が円柱体42であるとともに車両1が前方に移動することにより右前側方測距センサ11と円柱体42の左後側とが近づく。これにより、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から円柱体42までの距離は、減少する。このため、前側検出距離Dfは、減少するが前側距離閾値Df_thより大きくなっている。
【0151】
また、右後側方測距センサ12は、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右後側方測距センサ12が物体を検出していないことを示す信号を右後側方測距センサ12から取得する。
【0152】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きい、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0153】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第1累積距離Lc1は、ゼロである。さらに、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0154】
時刻t7から時刻t8までの期間において、車両1は、前方に等速走行している。また、右前側方測距センサ11は、円柱体42の左前側と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の側方の物体が円柱体42であるとともに車両1が前方に移動することにより右前側方測距センサ11と円柱体42の左前側とが離れる。これにより、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から円柱体42までの距離は、増加する。このため、前側検出距離Dfは、増加しており、前側距離閾値Df_thより大きくなっている。
【0155】
また、右後側方測距センサ12は、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右後側方測距センサ12が物体を検出していないことを示す信号を右後側方測距センサ12から取得する。
【0156】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きい、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0157】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第1累積距離Lc1は、ゼロである。さらに、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0158】
時刻t8において、車両1は、前方に等速走行している。
【0159】
このとき、右前側方測距センサ11は、図10に示すように、付着物50が付いた状態になる。このため、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなる。
【0160】
また、右後側方測距センサ12は、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右後側方測距センサ12が物体を検出していないことを示す信号を右後側方測距センサ12から取得する。
【0161】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS104に移行する。ステップS104にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第1移動距離ΔLc1を算出する。また、診断装置20は、この算出した第1移動距離ΔLc1を積算することにより、第1累積距離Lc1を算出する。これにより、第1累積距離Lc1は、増加する。
【0162】
しかし、ステップS104に続くステップS106にて、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0163】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0164】
時刻t8から時刻t9までの期間において、車両1は、等速走行している。
【0165】
このとき、右前側方測距センサ11は、付着物50が付いた状態である。このため、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0166】
また、右後側方測距センサ12は、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右後側方測距センサ12が物体を検出していないことを示す信号を右後側方測距センサ12から取得する。
【0167】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS104に移行する。ステップS104にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第1移動距離ΔLc1を算出する。また、診断装置20は、この算出した第1移動距離ΔLc1を積算することにより、第1累積距離Lc1を算出する。これにより、第1累積距離Lc1は、増加する。
【0168】
しかし、ステップS104に続くステップS106にて、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0169】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0170】
時刻t9から時刻t10までの期間において、車両1は、前方に等速走行している。
【0171】
このとき、右前側方測距センサ11は、付着物50が付いた状態である。このため、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0172】
また、右後側方測距センサ12は、円柱体42の左後側と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の側方の物体が円柱体42であるとともに車両1が前方に走行することにより、右後側方測距センサ12と円柱体42の左後側とが近づく。これにより、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から円柱体42までの距離は、減少する。このため、後側検出距離Drは、減少するが前側距離閾値Df_thより大きくなっている。
【0173】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS104に移行する。ステップS104にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第1移動距離ΔLc1を算出する。また、診断装置20は、この算出した第1移動距離ΔLc1を積算することにより、第1累積距離Lc1を算出する。これにより、第1累積距離Lc1は、増加する。
【0174】
しかし、ステップS104に続くステップS106にて、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0175】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0176】
時刻t10から時刻t11までの期間において、車両1は、前方に等速走行している。
【0177】
このとき、右前側方測距センサ11は、付着物50が付いた状態である。このため、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0178】
また、右後側方測距センサ12は、円柱体42の左前側と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の側方の物体が円柱体42であるとともに車両1が前方にする走行ことにより、右後側方測距センサ12と円柱体42の左前側とが離れる。これにより、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から円柱体42までの距離は、増加する。このため、後側検出距離Drは、増加しており、前側距離閾値Df_thより大きくなっている。
【0179】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS104に移行する。ステップS104にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第1移動距離ΔLc1を算出する。また、診断装置20は、この算出した第1移動距離ΔLc1を積算することにより、第1累積距離Lc1を算出する。これにより、第1累積距離Lc1は、増加する。
【0180】
しかし、ステップS104に続くステップS106にて、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0181】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0182】
時刻t11において、車両1は、前方に等速走行している。
【0183】
このとき、右前側方測距センサ11は、付着物50が付いた状態である。このため、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0184】
また、右後側方測距センサ12は、円柱体42の前端と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から円柱体42の前端までの距離は、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。このため、後側検出距離Drは、D0であって、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。
【0185】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいため、診断装置20の処理は、ステップS104に移行する。ステップS104にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第1移動距離ΔLc1を算出する。また、診断装置20は、この算出した第1移動距離ΔLc1を積算することにより、第1累積距離Lc1を算出する。これにより、第1累積距離Lc1は、増加する。
【0186】
このとき、第1累積距離Lc1は、センサ間距離Dsになる。このため、ステップS104に続くステップS106にて、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS108に移行する。
【0187】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出可能である。さらに、前側検出距離Dfと後側検出距離Drとが異なっている。このため、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11が物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とは異なっている。したがって、このとき、右前側方測距センサ11が検出している物体は、付着物50である。
【0188】
よって、右前側方測距センサ11に付着物50が付いているため、診断装置20は、ステップS108にて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないこと示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0189】
さらに、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。このため、ステップS110にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS108に戻る。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオンのままにする。
【0190】
時刻t11から時刻t12までの期間において、車両1は、前方に等速走行している。
【0191】
このとき、右前側方測距センサ11は、付着物50が付いた状態である。このため、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0192】
したがって、ステップS110にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS108に戻る。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオンのままにする。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0193】
時刻t12において、車両1は、前方に等速走行している。
【0194】
このとき、図11に示すように、右前側方測距センサ11に付いていた付着物50が右前側方測距センサ11から外れる。また、右前側方測距センサ11は、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右前側方測距センサ11が物体を検出していないことを示す信号を右前側方測距センサ11から取得する。
【0195】
したがって、ステップS110にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS112に移行する。これにより、診断装置20は、ステップS112にて、右前側方測距センサ11に付着物50が付いていることを示すフラグをオフする。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。このため、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0196】
さらに、診断装置20は、第1累積距離Lc1を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0197】
また、右後側方測距センサ12は、物体と車両1の左右方向に対向していないため、物体を検出しない。このため、診断装置20は、右後側方測距センサ12が物体を検出していないことを示す信号を右後側方測距センサ12から取得する。
【0198】
したがって、ステップS102にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0199】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第1累積距離Lc1は、ゼロである。さらに、第2累積距離Lc2は、ゼロである。
【0200】
以上のように、診断装置20の処理が行われる。
【0201】
次に、診断装置20が右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できることについて説明する。
【0202】
時刻t1から時刻t2までの期間および時刻t8から時刻t11までの期間において、図6および図10に示すように、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている。このとき、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより小さくなっており、後側検出距離Drは、後側距離閾値Dr_thより大きくなっている。このため、診断装置20は、ステップS104にて、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性があると判定して、第1累積距離Lc1を算出する。
【0203】
ここで、右後側方測距センサ12は、右前側方測距センサ11よりも後側に配置されている。これにより、右後側方測距センサ12は、例えば、右前側方測距センサ11が物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出する。このため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とは異なるはずである。
【0204】
したがって、診断装置20は、ステップS106にて、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds以上であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なるか否かを判定できる。
【0205】
そして、第1累積距離Lc1がセンサ間距離Ds以上になる。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下、および、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下のいずれかである。これにより、前側検出距離Dfと後側検出距離Drとが異なっている。このため、右前側方測距センサ11が検出する物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なっている。
【0206】
したがって、このとき、右前側方測距センサ11が検出している物体は、付着物50である。よって、診断装置20は、ステップS112にて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオンする。
【0207】
このように、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作しているか否かを判定できる。
【0208】
また、時刻t4から時刻t5までの期間において、図8に示すように、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている。このとき、前側検出距離Dfは、前側距離閾値Df_thより大きくなっており、後側検出距離Drは、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。このため、診断装置20は、ステップS116にて、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性があると判定して、第2累積距離Lc2を算出する。
【0209】
したがって、上記と同様に、診断装置20は、ステップS118にて、第2累積距離Lc2がセンサ間距離Ds以上であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なるか否かを判定できる。
【0210】
そして、第2累積距離Lc2がセンサ間距離Ds以上になる。また、右前側方測距センサ11が物体を検出していなかったにもかかわらず、右後側方測距センサ12は、物体を検出している。
【0211】
したがって、このとき、右後側方測距センサ12が検出している物体は、付着物50である。よって、診断装置20は、ステップS124にて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオンする。
【0212】
このように、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。また、診断装置20は、上記と同様に、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定できる。この場合、右前側方測距センサ11が左前側方測距センサ61に読み替えられる。さらに、右後側方測距センサ12が左後側方測距センサ62に読み替えられる。
【0213】
(変形例1)
変形例1では、診断装置20の処理が上記実施形態と異なる。この変形例1の診断装置20のプログラムの実行による右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かの判定処理を図12および図13のフローチャートを参照して説明する。
【0214】
ステップS100において、診断装置20は、各種センサから情報を取得する。具体的には、診断装置20は、前側検出距離Dfを右前側方測距センサ11から取得する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出しなかった場合、診断装置20は、前側検出距離Dfに代えて、右前側方測距センサ11が物体を検出しなかったことを示す信号を右前側方測距センサ11から取得する。
【0215】
さらに、ここでは、診断装置20は、右前側方測距センサ11が送信する探査波に応じた電圧および右前側方測距センサ11が受信する探査波を示す電圧を右前側方測距センサ11から取得する。
【0216】
また、診断装置20は、後側検出距離Drを右後側方測距センサ12から取得する。さらに、右後側方測距センサ12が物体を検出しなかった場合、診断装置20は、後側検出距離Drに代えて、右後側方測距センサ12が物体を検出しなかったことを示す信号を右後側方測距センサ12から取得する。
【0217】
また、ここでは、診断装置20は、右後側方測距センサ12が送信する探査波に応じた電圧および右後側方測距センサ12が受信する探査波を示す電圧を右後側方測距センサ12から取得する。
【0218】
さらに、診断装置20は、車両1の速度Vcを車速センサ13から取得する。また、診断装置20は、車両1の加速度Acを加速度センサ14から取得する。
【0219】
続いて、ステップS102において、診断装置20は、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいか否かを判定する。また、診断装置20は、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないか否かを判定する。
【0220】
そして、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS104に移行する。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS104に移行する。
【0221】
さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいとき、処理は、ステップS114に移行する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出していないとき、処理は、ステップS114に移行する。さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS114に移行する。
【0222】
ステップS102に続くステップS114において、診断装置20は、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるか否かを判定する。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるか否かを判定する。
【0223】
そして、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS116に移行する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS116に移行する。
【0224】
さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS200に移行する。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS200に移行する。さらに、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS200に移行する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS200に移行する。さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS200に移行する。
【0225】
ステップS114に続くステップS200において、診断装置20は、図13に示すように、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるか否かを判定する。
【0226】
前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS202に移行する。
【0227】
さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS126に移行する。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS126に移行する。さらに、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS126に移行する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0228】
ステップS200に続くステップS202において、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下である。このとき、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12のうち一方は、付着物50を検出している可能性がある。また、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12のうち他方は、付着物50とは異なる物体を検出している可能性がある。
【0229】
ここで、側方測距センサに付着物50が付いている場合、側方測距センサが送信する探査波は、付着物50によって吸収されやすく、減衰しやすい。このため、図14に示すように、側方測距センサが受信する探査波に応じた電圧V2は、側方測距センサが送信する探査波に応じた電圧V1と比較して非常に小さくなる。これに対して、センサに付着物50が付いていない場合、側方測距センサが送信する探査波は、側方測距センサに付着物50が付いている場合と比較して、付着物50とは異なる物体によって吸収されにくく、減衰しにくい。このため、側方測距センサが受信する探査波に応じた電圧V2は、側方測距センサが送信する探査波に応じた電圧V1と同程度になる。
【0230】
したがって、図13に示すように、ステップS202において、診断装置20は、右前側方測距センサ11が送信する探査波のエネルギーと右前側方測距センサ11が受信する探査波のエネルギーとの差に関する値を算出する。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が送信する探査波のエネルギーと右後側方測距センサ12が受信する探査波のエネルギーとの差に関する値を算出する。
【0231】
具体的には、診断装置20は、右前側方測距センサ11が送信する探査波に応じた電圧から右前側方測距センサ11が受信する探査波に応じた電圧を減算することにより、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfを算出する。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が送信する探査波に応じた電圧から右後側方測距センサ12が受信する探査波に応じた電圧を減算することにより、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrを算出する。
【0232】
さらに、診断装置20は、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性があるか否かを判定する。なお、前側電圧閾値ΔVf_thは、右前側方測距センサ11が送信する探査波のエネルギーと右前側方測距センサ11が受信する探査波のエネルギーとの差に関する所定値に対応しており、実験やシミュレーション等により設定されている。また、後側電圧閾値ΔVr_thは、右後側方測距センサ12が送信する探査波のエネルギーと右後側方測距センサ12が受信する探査波のエネルギーとの差に関する所定値に対応しており、実験やシミュレーション等により設定されている。
【0233】
そして、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるとき、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性がある。このため、処理は、ステップS204に移行する。
【0234】
また、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるとき、処理は、ステップS214に移行する。さらに、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるとき、処理は、ステップS214に移行する。
【0235】
ステップS202に続くステップS204において、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上であって、右前側方測距センサ11が送信する探査波が減衰しやすい状態であるため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性がある。
【0236】
ここで、右後側方測距センサ12は、上記したように、右前側方測距センサ11よりも後側に配置されている。これにより、右後側方測距センサ12は、例えば、右前側方測距センサ11が物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出する。このため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とは異なるはずである。
【0237】
したがって、診断装置20は、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性がある状態において車両1が移動した累積距離である第3累積距離Lc3を算出する。なお、第3累積距離Lc3は、第3距離に対応する。
【0238】
例えば、診断装置20は、以下関係式(3)に示すように、ステップS100にて取得した速度Vcおよび加速度Ac、ならびに、診断装置20の1制御周期あたりの時間Δtに基づいて、第3移動距離ΔLc3を算出する。
【0239】
ΔLc3=Vc×Δt+1/2×Ac×Δt×Δt ・・・(3)
【0240】
さらに、診断装置20は、この算出した第3移動距離ΔLc3を前回の制御周期において算出した第3累積距離Lc3に積算することにより、今回の制御周期における第3累積距離Lc3を算出する。なお、第3累積距離Lc3の初期値は、例えば、ゼロである。
【0241】
続いて、ステップS206において、診断装置20は、ステップS204にて算出した第3累積距離Lc3がセンサ間距離Ds以上であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なるか否かを判定できる。
【0242】
そして、第3累積距離Lc3がセンサ間距離Ds以上であるとき、処理は、ステップS208に移行する。
【0243】
また、第3累積距離Lc3がセンサ間距離Ds未満であるとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0244】
ステップS206に続くステップS208において、第3累積距離Lc3がセンサ間距離Ds以上である。また、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満である。これにより、前側電圧差ΔVfと後側電圧差ΔVrが異なっている。
【0245】
したがって、右前側方測距センサ11が検出する物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なっている。このため、右前側方測距センサ11が検出している物体は、付着物50である。
【0246】
よって、右前側方測距センサ11に付着物50が付いているため、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないこと示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。報知装置30は、音および光を用いて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0247】
続いて、ステップS210において、診断装置20は、再度、右前側方測距センサ11が送信する探査波に応じた電圧および右前側方測距センサ11が受信する探査波を示す電圧を右前側方測距センサ11から取得する。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11が送信する探査波に応じた電圧から右前側方測距センサ11が受信する探査波に応じた電圧を減算することにより、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfを算出する。
【0248】
さらに、診断装置20は、この算出した前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11の付着物50が除去されたか否かを判定する。
【0249】
前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上であるとき、右前側方測距センサ11の付着物50が除去されていないため、処理は、ステップS208に戻る。
【0250】
また、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるとき、右前側方測距センサ11の付着物50が除去されたため、処理は、ステップS212に移行する。
【0251】
ステップS210に続くステップS212において、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオフする。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示す判定を解除する。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。これにより、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0252】
さらに、診断装置20は、第3累積距離Lc3を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0253】
ステップS202に続くステップS214において、診断装置20は、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性があるか否かを判定する。
【0254】
そして、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるとき、処理は、ステップS216に移行する。
【0255】
また、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるとき、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が送信する探査波が減衰しにくい状態である。このため、処理は、ステップS126に移行する。さらに、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0256】
ステップS214に続くステップS216において、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であって、右後側方測距センサ12が送信する探査波が減衰しやすい状態であるため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性がある。
【0257】
ここで、右後側方測距センサ12は、上記したように、右前側方測距センサ11よりも後側に配置されている。これにより、右後側方測距センサ12は、例えば、右前側方測距センサ11が物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出する。このため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている場合、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とは異なるはずである。
【0258】
したがって、診断装置20は、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性がある状態において車両1が移動した累積距離である第4累積距離Lc4を算出する。なお、第4累積距離Lc4は、第4距離に対応する。
【0259】
例えば、診断装置20は、以下関係式(4)に示すように、ステップS100にて取得した速度Vcおよび加速度Ac、ならびに、診断装置20の1制御周期あたりの時間Δtに基づいて、第4移動距離ΔLc4を算出する。
【0260】
ΔLc4=Vc×Δt+1/2×Ac×Δt×Δt ・・・(4)
【0261】
さらに、診断装置20は、この算出した第4移動距離ΔLc4を前回の制御周期において算出した第4累積距離Lc4に積算することにより、今回の制御周期における第4累積距離Lc4を算出する。なお、第4累積距離Lc4の初期値は、例えば、ゼロである。
【0262】
続いて、ステップS218において、診断装置20は、ステップS214にて算出した第4累積距離Lc4がセンサ間距離Ds以上であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なるか否かを判定できる。
【0263】
そして、第4累積距離Lc4がセンサ間距離Ds以上であるとき、処理は、ステップS220に移行する。
【0264】
また、第4累積距離Lc4がセンサ間距離Ds未満であるとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0265】
ステップS218に続くステップS220において、第4累積距離Lc4がセンサ間距離Ds以上である。また、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上である。これにより、前側電圧差ΔVfと後側電圧差ΔVrが異なっている。
【0266】
したがって、右前側方測距センサ11が検出する物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1がセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とが異なっている。このため、右後側方測距センサ12が検出している物体は、付着物50である。
【0267】
よって、右後側方測距センサ12に付着物50が付いているため、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0268】
続いて、ステップS222において、診断装置20は、再度、右後側方測距センサ12が送信する探査波に応じた電圧および右後側方測距センサ12が受信する探査波を示す電圧を右後側方測距センサ12から取得する。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が送信する探査波に応じた電圧から右後側方測距センサ12が受信する探査波に応じた電圧を減算することにより、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrを算出する。
【0269】
また、診断装置20は、この算出した後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12の付着物50が除去されたか否かを判定する。
【0270】
後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるとき、右後側方測距センサ12の付着物50が除去されていないため、処理は、ステップS220に戻る。
【0271】
また、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるとき、右後側方測距センサ12の付着物50が除去されたため、処理は、ステップS224に移行する。
【0272】
ステップS222に続くステップS224において、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオフする。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示す判定を解除する。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。これにより、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0273】
さらに、診断装置20は、第4累積距離Lc4を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0274】
以上のように、診断装置20は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定する。なお、ステップS104、S106、S108、S110、S112、S116、S118、S120、S122、S124、S126の処理は、上記実施形態と同様に行われる。また、診断装置20は、上記と同様に、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定する。この場合、右前側方測距センサ11が左前側方測距センサ61に読み替えられる。さらに、右後側方測距センサ12が左後側方測距センサ62に読み替えられる。
【0275】
次に、一事例における診断装置20の処理について、図15のタイムチャートを参照して説明する。
【0276】
この事例では、診断装置20は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定する。また、この事例では、説明をわかりやすくするため、車両1が前方に等速走行している場面が想定されている。このため、この事例において、車両1の加速度Acは、ゼロである。
【0277】
初期時刻としての時刻t20において、車両1は、図16に示すように、車両1の前後方向に延びている壁40に沿って前方に等速走行している。
【0278】
また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0279】
また、右前側方測距センサ11に付着物50が付いていないため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合と比較して、右前側方測距センサ11が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfは、ΔV1であって、前側電圧閾値ΔVf_thより小さくなっている。
【0280】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。このため、後側検出距離Drは、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0281】
また、右後側方測距センサ12に付着物50が付いていないため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている場合と比較して、右後側方測距センサ12が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrは、ΔV1であって、後側電圧閾値ΔVr_thより小さくなっている。
【0282】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0283】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS214に移行する。さらに、ステップS214にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0284】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第3累積距離Lc3は、ゼロである。さらに、第4累積距離Lc4は、ゼロである。なお、第3累積距離Lc3は、上記したように、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性がある状態において車両1が移動した累積距離である。また、第4累積距離Lc4は、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性がある状態において車両1が移動した累積距離である。
【0285】
時刻t20から時刻t21までの期間において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0286】
また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0287】
また、右前側方測距センサ11に付着物50が付いていないため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合と比較して、右前側方測距センサ11が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfは、ΔV1であって、前側電圧閾値ΔVf_thより小さくなっている。
【0288】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。このため、後側検出距離Drは、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0289】
また、右後側方測距センサ12に付着物50が付いていないため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている場合と比較して、右後側方測距センサ12が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrは、ΔV1であって、後側電圧閾値ΔVr_thより小さくなっている。
【0290】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0291】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS214に移行する。さらに、ステップS214にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0292】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第3累積距離Lc3は、ゼロである。さらに、第4累積距離Lc4は、ゼロである。
【0293】
時刻t21において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0294】
このとき、図17に示すように、右前側方測距センサ11は、付着物50が付いた状態になる。このため、前側検出距離Dfは、D1より小さいD2であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0295】
さらに、右前側方測距センサ11に付着物50が付いているため、右前側方測距センサ11が送信する探査波は、吸収されやすく、減衰しやすい。このため、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfは、ΔV1より大きいΔV2であって、前側電圧閾値ΔVf_thより大きくなっている。
【0296】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。このため、後側検出距離Drは、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0297】
また、右後側方測距センサ12に付着物50が付いていないため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている場合と比較して、右後側方測距センサ12が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrは、ΔV1であって、後側電圧閾値ΔVr_thより小さくなっている。
【0298】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0299】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS204に移行する。ステップS204にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第3移動距離ΔLc3を算出する。また、診断装置20は、この算出した第3移動距離ΔLc3を積算することにより、第3累積距離Lc3を算出する。これにより、第3累積距離Lc3は、増加する。
【0300】
しかし、ステップS204に続くステップS206にて、第3累積距離Lc3がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0301】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第4累積距離Lc4は、ゼロである。
【0302】
時刻t21から時刻t22までの期間において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0303】
このとき、右前側方測距センサ11は、付着物50が付いた状態である。このため、前側検出距離Dfは、D1より小さいD2であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0304】
さらに、右前側方測距センサ11に付着物50が付いているため、右前側方測距センサ11が送信する探査波は、吸収されやすく、減衰しやすい。このため、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfは、ΔV1より大きいΔV2であって、前側電圧閾値ΔVf_thより大きくなっている。
【0305】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。このため、後側検出距離Drは、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0306】
また、右後側方測距センサ12に付着物50が付いていないため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている場合と比較して、右後側方測距センサ12が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrは、ΔV1であって、後側電圧閾値ΔVr_thより小さくなっている。
【0307】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0308】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS204に移行する。ステップS204にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第3移動距離ΔLc3を算出する。また、診断装置20は、この算出した第3移動距離ΔLc3を積算することにより、第3累積距離Lc3を算出する。これにより、第3累積距離Lc3は、増加する。
【0309】
しかし、ステップS204に続くステップS206にて、第3累積距離Lc3がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0310】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第4累積距離Lc4は、ゼロである。
【0311】
時刻t22において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0312】
このとき、右前側方測距センサ11は、付着物50が付いた状態である。このため、前側検出距離Dfは、D1より小さいD2であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0313】
さらに、右前側方測距センサ11に付着物50が付いているため、右前側方測距センサ11が送信する探査波は、吸収されやすく、減衰しやすい。このため、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfは、ΔV1より大きいΔV2であって、前側電圧閾値ΔVf_thより大きくなっている。
【0314】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。このため、後側検出距離Drは、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0315】
また、右後側方測距センサ12に付着物50が付いていないため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている場合と比較して、右後側方測距センサ12が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrは、ΔV1であって、後側電圧閾値ΔVr_thより小さくなっている。
【0316】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0317】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS204に移行する。ステップS204にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第3移動距離ΔLc3を算出する。また、診断装置20は、この算出した第3移動距離ΔLc3を積算することにより、第3累積距離Lc3を算出する。これにより、第3累積距離Lc3は、増加する。
【0318】
このとき、第3累積距離Lc3は、センサ間距離Dsになる。このため、ステップS204に続くステップS206にて、第3累積距離Lc3がセンサ間距離Ds以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS208に移行する。
【0319】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出可能である。さらに、前側電圧差ΔVfと後側電圧差ΔVrとが異なっている。このため、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11が物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とは異なっている。したがって、このとき、右前側方測距センサ11が検出している物体は、付着物50である。
【0320】
よって、右前側方測距センサ11に付着物50が付いているため、診断装置20は、ステップS208にて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないこと示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0321】
さらに、前側電圧差ΔVfは、前側電圧閾値ΔVf_thより大きくなっている。このため、ステップS210にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS208に戻る。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオンのままにする。なお、図15のタイムチャートにおいて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグのオン状態がF_NGで示されている。
【0322】
時刻t22から時刻t23までの期間において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。このとき、右前側方測距センサ11に付着物50が付いた状態である。このため、前側電圧差ΔVfは、前側電圧閾値ΔVf_thより大きくなっている。
【0323】
したがって、ステップS210にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS208に戻る。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオンのままにする。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0324】
時刻t23において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。このとき、図16に示すように、右前側方測距センサ11に付いていた付着物50が右前側方測距センサ11から外れる。このため、前側電圧差ΔVfは、ΔV1であって、後側電圧閾値ΔVr_thより小さくなっている。
【0325】
したがって、ステップS210にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS212に移行する。これにより、診断装置20は、ステップS212にて、右前側方測距センサ11に付着物50が付いていることを示すフラグをオフする。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。このため、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0326】
さらに、診断装置20は、第3累積距離Lc3を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0327】
また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0328】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。このため、後側検出距離Drは、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0329】
また、右後側方測距センサ12に付着物50が付いていないため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている場合と比較して、右後側方測距センサ12が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrは、ΔV1であって、後側電圧閾値ΔVr_thより小さくなっている。
【0330】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0331】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS214に移行する。さらに、ステップS214にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0332】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第3累積距離Lc3は、ゼロである。さらに、第4累積距離Lc4は、ゼロである。
【0333】
時刻t23から時刻t24までの期間において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0334】
また、右前側方測距センサ11に付着物50が付いていないため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合と比較して、右前側方測距センサ11が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfは、ΔV1であって、前側電圧閾値ΔVf_thより小さくなっている。
【0335】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。このため、後側検出距離Drは、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0336】
また、右後側方測距センサ12に付着物50が付いていないため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている場合と比較して、右後側方測距センサ12が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrは、ΔV1であって、後側電圧閾値ΔVr_thより小さくなっている。
【0337】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0338】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS214に移行する。さらに、ステップS214にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0339】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第3累積距離Lc3は、ゼロである。さらに、第4累積距離Lc4は、ゼロである。
【0340】
時刻t24において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0341】
また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0342】
また、右前側方測距センサ11に付着物50が付いていないため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合と比較して、右前側方測距センサ11が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfは、ΔV1であって、前側電圧閾値ΔVf_thより小さくなっている。
【0343】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、図18に示すように、付着物50が付いた状態になる。このため、後側検出距離Drは、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0344】
さらに、右後側方測距センサ12に付着物50が付いているため、右後側方測距センサ12が送信する探査波は、吸収されやすく、減衰しやすい。このため、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrは、ΔV1より大きいΔV2であって、後側電圧閾値ΔVr_thより大きくなっている。
【0345】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0346】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS214に移行する。さらに、ステップS214にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS216に移行する。ステップS216にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第4移動距離ΔLc4を算出する。また、診断装置20は、この算出した第4移動距離ΔLc4を積算することにより、第4累積距離Lc4を算出する。これにより、第4累積距離Lc4は、増加する。
【0347】
しかし、ステップS216に続くステップS218にて、第4累積距離Lc4がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0348】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第3累積距離Lc3は、ゼロである。
【0349】
時刻t24から時刻t25までの期間において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0350】
また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0351】
また、右前側方測距センサ11に付着物50が付いていないため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合と比較して、右前側方測距センサ11が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfは、ΔV1であって、前側電圧閾値ΔVf_thより小さくなっている。
【0352】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、付着物50が付いた状態である。このため、後側検出距離Drは、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0353】
さらに、右後側方測距センサ12に付着物50が付いているため、右後側方測距センサ12が送信する探査波は、吸収されやすく、減衰しやすい。このため、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrは、ΔV1より大きいΔV2であって、後側電圧閾値ΔVr_thより大きくなっている。
【0354】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0355】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS214に移行する。さらに、ステップS214にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS216に移行する。ステップS216にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第4移動距離ΔLc4を算出する。また、診断装置20は、この算出した第4移動距離ΔLc4を積算することにより、第4累積距離Lc4を算出する。これにより、第4累積距離Lc4は、増加する。
【0356】
しかし、ステップS216に続くステップS218にて、第4累積距離Lc4がセンサ間距離Ds未満であるため、右前側方測距センサ11が検出した物体を右後側方測距センサ12が検出可能ではなく、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0357】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第3累積距離Lc3は、ゼロである。
【0358】
時刻t25において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0359】
また、右前側方測距センサ11に付着物50が付いていないため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合と比較して、右前側方測距センサ11が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfは、ΔV1であって、前側電圧閾値ΔVf_thより小さくなっている。
【0360】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、付着物50が付いた状態である。このため、後側検出距離Drは、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0361】
さらに、右後側方測距センサ12に付着物50が付いているため、右後側方測距センサ12が送信する探査波は、吸収されやすく、減衰しやすい。このため、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrは、ΔV1より大きいΔV2であって、後側電圧閾値ΔVr_thより大きくなっている。
【0362】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0363】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS214に移行する。さらに、ステップS214にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS216に移行する。ステップS216にて、診断装置20は、車両1の速度Vcに基づいて、第4移動距離ΔLc4を算出する。また、診断装置20は、この算出した第4移動距離ΔLc4を積算することにより、第4累積距離Lc4を算出する。これにより、第4累積距離Lc4は、増加する。
【0364】
このとき、第4累積距離Lc4は、センサ間距離Dsになる。このため、ステップS216に続くステップS218にて、第4累積距離Lc4がセンサ間距離Ds以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS220に移行する。
【0365】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出可能である。さらに、前側電圧差ΔVfと後側電圧差ΔVrとが異なっている。このため、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11が物体を検出してから車両1が前方にセンサ間距離Ds以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とは異なっている。したがって、このとき、右後側方測距センサ12が検出している物体は、付着物50である。
【0366】
よって、右後側方測距センサ12に付着物50が付いているため、診断装置20は、ステップS220にて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0367】
さらに、後側電圧差ΔVrは、後側電圧閾値ΔVr_thより大きくなっている。このため、ステップS222にて、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS220に戻る。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオンのままにする。なお、図15のタイムチャートにおいて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグのオン状態がR_NGで示されている。
【0368】
時刻t25から時刻t26までの期間において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0369】
また、このとき、右後側方測距センサ12は、付着物50が付いた状態である。このため、後側電圧差ΔVrは、後側電圧閾値ΔVr_thより大きくなっている。
【0370】
したがって、ステップS222にて、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th以上であるため、診断装置20の処理は、ステップS220に戻る。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオンのままにする。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0371】
時刻t26において、車両1は、壁40に沿って前方に等速走行している。
【0372】
また、このとき、図16に示すように、右後側方測距センサ12に付いていた付着物50が右後側方測距センサ12から外れる。このため、後側電圧差ΔVrは、ΔV1であって、後側電圧閾値ΔVr_thより小さくなっている。
【0373】
したがって、ステップS222にて、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS224に移行する。これにより、診断装置20は、ステップS124にて、右後側方測距センサ12に付着物50が付いていることを示すフラグをオフする。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。このため、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0374】
さらに、診断装置20は、第4累積距離Lc4を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0375】
また、右前側方測距センサ11は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から壁40までの距離は、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。このため、前側検出距離Dfは、D1であって、前側距離閾値Df_thより小さくなっている。
【0376】
また、右前側方測距センサ11に付着物50が付いていないため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合と比較して、右前側方測距センサ11が送信する探査波は、吸収されにくく、減衰しにくい。このため、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfは、ΔV1であって、前側電圧閾値ΔVf_thより小さくなっている。
【0377】
また、右後側方測距センサ12は、壁40と車両1の左右方向に対向している。さらに、車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から壁40までの距離は、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。このため、後側検出距離Drは、D1であって、後側距離閾値Dr_thより小さくなっている。
【0378】
したがって、ステップS102にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS114に移行する。また、ステップS114にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS200に移行する。
【0379】
さらに、ステップS200にて、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるため、診断装置20の処理は、ステップS202に移行する。また、ステップS202にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS214に移行する。さらに、ステップS214にて、前側電圧差ΔVfが前側電圧閾値ΔVf_th未満、かつ、後側電圧差ΔVrが後側電圧閾値ΔVr_th未満であるため、診断装置20の処理は、ステップS126に移行する。
【0380】
よって、診断装置20は、ステップS126にて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作していることを示すフラグをオンする。また、第3累積距離Lc3は、ゼロである。さらに、第4累積距離Lc4は、ゼロである。
【0381】
以上のように、診断装置20の処理が行われる。
【0382】
このような変形例1によっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。また、変形例1では、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であっても、診断装置20は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。また、診断装置20は、上記と同様に、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定できる。この場合、右前側方測距センサ11が左前側方測距センサ61に読み替えられる。さらに、右後側方測距センサ12が左後側方測距センサ62に読み替えられる。
【0383】
(変形例2)
変形例2では、診断装置20の処理が上記変形例1と異なる。この変形例2の診断装置20のプログラムの実行による右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かの判定処理を図12および図19のフローチャートを参照して説明する。
【0384】
ステップS100において、診断装置20は、各種センサから情報を取得する。具体的には、診断装置20は、前側検出距離Dfを右前側方測距センサ11から取得する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出しなかった場合、診断装置20は、前側検出距離Dfに代えて、右前側方測距センサ11が物体を検出しなかったことを示す信号を右前側方測距センサ11から取得する。
【0385】
さらに、ここでは、診断装置20は、右前側方測距センサ11が送信する探査波に応じた電圧および右前側方測距センサ11が受信する探査波を示す電圧を右前側方測距センサ11から取得する。
【0386】
また、診断装置20は、後側検出距離Drを右後側方測距センサ12から取得する。さらに、右後側方測距センサ12が物体を検出しなかった場合、診断装置20は、後側検出距離Drに代えて、右後側方測距センサ12が物体を検出しなかったことを示す信号を右後側方測距センサ12から取得する。
【0387】
また、ここでは、診断装置20は、右後側方測距センサ12が送信する探査波に応じた電圧および右後側方測距センサ12が受信する探査波を示す電圧を右後側方測距センサ12から取得する。
【0388】
さらに、診断装置20は、車両1の速度Vcを車速センサ13から取得する。また、診断装置20は、車両1の加速度Acを加速度センサ14から取得する。
【0389】
続いて、ステップS102において、診断装置20は、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいか否かを判定する。また、診断装置20は、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないか否かを判定する。
【0390】
そして、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS104に移行する。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS104に移行する。
【0391】
さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きいとき、処理は、ステップS112に移行する。また、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS114に移行する。さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS114に移行する。
【0392】
ステップS102に続くステップS114において、診断装置20は、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるか否かを判定する。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるか否かを判定する。
【0393】
そして、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS116に移行する。
また、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS116に移行する。
【0394】
さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS200に移行する。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS200に移行する。さらに、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS200に移行する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS200に移行する。さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS200に移行する。
【0395】
ステップS114に続くステップS200において、診断装置20は、図19に示すように、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるか否かを判定する。
【0396】
前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下であるとき、処理は、ステップS302に移行する。
【0397】
さらに、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS126に移行する。また、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_thより大きく、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS126に移行する。さらに、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_thより大きいとき、処理は、ステップS126に移行する。また、右前側方測距センサ11が物体を検出していない、かつ、右後側方測距センサ12が物体を検出していないとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0398】
ステップS200に続くステップS302において、前側検出距離Dfが前側距離閾値Df_th以下、かつ、後側検出距離Drが後側距離閾値Dr_th以下である。このとき、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12のうち一方は、付着物50を検出している可能性がある。また、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12のうち他方は、付着物50とは異なる物体を検出している可能性がある。
【0399】
ここで、側方測距センサに付着物50が付いている場合、側方測距センサが送信する探査波は、この付着物50によって吸収されやすく、減衰しやすい。このため、図20に示すように、側方測距センサが受信する探査波に応じた電圧V2は、側方測距センサが送信する探査波に応じた電圧V1と比較して非常に小さくなる。これとともに、側方測距センサの受信回数は、比較的少なくなり、例えば1つである。これに対して、側方測距センサに付着物50が付いていない場合、側方測距センサが送信する探査波は、側方測距センサに付着物50が付いている場合と比較して、付着物50とは異なる物体によって吸収されにくく、減衰しにくい。このため、側方測距センサが受信する探査波に応じた電圧V2は側方測距センサが送信する探査波に応じた電圧V1と同程度になる。また、側方測距センサが受信する波の一部は、側方測距センサで反射される。また、側方測距センサで反射された波は、物体によって反射されて側方測距センサにより再度受信される。したがって、この場合、側方測距センサが探査波を1回あたり送信するときの側方測距センサの受信回数は、側方測距センサに付着物50が付いている場合と比較して多くなる。
【0400】
したがって、ステップS302において、診断装置20は、右前側方測距センサ11で多重反射がない、かつ、右後側方測距センサ12で多重反射があるか否かを判定する。
【0401】
具体的には、診断装置20は、右前側方測距センサ11が探査波を1回送信するときにその反射波を受信する回数である前側受信回数Nfを算出する。例えば、診断装置20は、右前側方測距センサ11が探査波を1回送信した後に受信した反射波を示す電圧が所定以上であるときの回数を計上することにより、前側受信回数Nfを算出する。
【0402】
また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が探査波を1回送信するときにその反射波を受信する回数である後側受信回数Nrを算出する。例えば、診断装置20は、右後側方測距センサ12が探査波を1回送信した後に受信した反射波を示す電圧が所定以上であるときの回数を計上することにより、後側受信回数Nrを算出する。
【0403】
さらに、診断装置20は、前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th未満、かつ、後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th以上であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11の探査波が多重反射しているか否かを判定する。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性があるか否かを判定する。なお、前側回数閾値Nf_thは、所定回数に対応しており、実験やシミュレーション等により設定されている。また、後側回数閾値Nr_thは、所定回数に対応しており、実験やシミュレーション等により設定されている。
【0404】
そして、前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th未満、かつ、後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th以上であるとき、処理は、ステップS204に移行する。
【0405】
また、前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th以上であるとき、処理は、ステップS314に移行する。さらに、前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th未満、かつ、後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th未満であるとき、処理は、ステップS314に移行する。
【0406】
ステップS302に続くステップS204において、前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th未満であって、右前側方測距センサ11の探査波が多重反射していないため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性がある。
【0407】
このため、診断装置20は、上記と同様に、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている可能性がある状態において車両1が移動した累積距離である第3累積距離Lc3を算出する。
【0408】
続いて、ステップS206において、診断装置20は、上記と同様に、ステップS204にて算出した第3累積距離Lc3がセンサ間距離Ds以上であるか否かを判定する。
【0409】
そして、第3累積距離Lc3がセンサ間距離Ds以上であるとき、処理は、ステップS208に移行する。
【0410】
また、第3累積距離Lc3がセンサ間距離Ds未満であるとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0411】
ステップS206に続くステップS208において、診断装置20は、上記と同様に、右前側方測距センサ11が正常に動作していないこと示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。報知装置30は、音および光を用いて、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0412】
続いて、ステップS210において、診断装置20は、再度、右前側方測距センサ11が送信する探査波に応じた電圧および右前側方測距センサ11が受信する探査波を示す電圧を右前側方測距センサ11から取得する。また、診断装置20は、前側受信回数Nfを算出する。なお、前側受信回数Nfは、上記したように、右前側方測距センサ11が探査波を1回送信するときにその反射波を受信する回数である。
【0413】
さらに、診断装置20は、この算出した前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th未満であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11の探査波が多重反射しているか否かを判定する。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11の付着物50が除去されたか否かを判定する。
【0414】
前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th未満であるとき、右前側方測距センサ11の探査波が多重反射されていないため、右前側方測距センサ11の付着物50が除去されていない。このため、処理は、ステップS208に戻る。
【0415】
また、前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th以上であるとき、右前側方測距センサ11の探査波が多重反射されているため、右前側方測距センサ11の付着物50が除去されている。このため、処理は、ステップS212に移行する。
【0416】
ステップS210に続くステップS212において、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示すフラグをオフする。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを示す判定を解除する。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。これにより、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0417】
さらに、診断装置20は、第3累積距離Lc3を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0418】
ステップS302に続くステップS314において、診断装置20は、前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th以上、かつ、後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th未満であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12の探査波が多重反射しているか否かを判定する。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性があるか否かを判定する。
【0419】
そして、前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th以上、かつ、後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th未満であるとき、処理は、ステップS216に移行する。
【0420】
また、前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th以上、かつ、後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th以上であるとき、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12の探査波がそれぞれ多重反射している。このため、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12には、付着物50が付いていない。したがって、処理は、ステップS126に移行する。さらに、前側受信回数Nfが前側回数閾値Nf_th未満、かつ、後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th未満であるとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0421】
ステップS314に続くステップS216において、後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th未満であって、右後側方測距センサ12の探査波が多重反射していないため、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性がある。
【0422】
このため、診断装置20は、上記と同様に、診断装置20は、右後側方測距センサ12に付着物50が付いている可能性がある状態において車両1が移動した累積距離である第4累積距離Lc4を算出する。
【0423】
続いて、ステップS218において、診断装置20は、上記と同様に、ステップS216にて算出した第4累積距離Lc4がセンサ間距離Ds以上であるか否かを判定する。
【0424】
そして、第4累積距離Lc4がセンサ間距離Ds以上であるとき、処理は、ステップS220に移行する。
【0425】
また、第4累積距離Lc4がセンサ間距離Ds未満であるとき、処理は、ステップS126に移行する。
【0426】
ステップS216に続くステップS220において、診断装置20は、上記と同様に、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオンする。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示す信号を報知装置30に出力する。このとき、報知装置30は、音および光を用いて、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを車両1の運転者に知らせる。
【0427】
続いて、ステップS222において、診断装置20は、再度、右後側方測距センサ12が送信する探査波に応じた電圧および右後側方測距センサ12が受信する探査波を示す電圧を右後側方測距センサ12から取得する。また、診断装置20は、後側受信回数Nrを算出する。なお、後側受信回数Nrは、上記したように、右後側方測距センサ12が探査波を1回送信するときにその反射波を受信する回数である。
【0428】
さらに、診断装置20は、この算出した後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th未満であるか否かを判定する。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12の探査波が多重反射しているか否かを判定する。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12の付着物50が除去されたか否かを判定する。
【0429】
後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th未満であるとき、右後側方測距センサ12の探査波が多重反射されていないため、右後側方測距センサ12の付着物50が除去されていない。このため、処理は、ステップS220に戻る。
【0430】
また、後側受信回数Nrが後側回数閾値Nr_th以上であるとき、右後側方測距センサ12の探査波が多重反射されているため、右後側方測距センサ12の付着物50が除去されている。このため、処理は、ステップS224に移行する。
【0431】
ステップS222に続くステップS224において、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示すフラグをオフする。これにより、診断装置20は、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを示す判定を解除する。また、診断装置20は、報知装置30への出力を停止する。これにより、報知装置30は、車両1の運転者への報知を停止する。
【0432】
さらに、診断装置20は、第4累積距離Lc4を初期値にリセットする。これにより、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。その後、処理は、ステップS100に戻る。
【0433】
以上のように、診断装置20は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定する。なお、ステップS104、S106、S108、S110、S112、S116、S118、S120、S122、S124、S126の処理は、上記実施形態と同様に行われる。また、診断装置20は、上記と同様に、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定する。この場合、右前側方測距センサ11が左前側方測距センサ61に読み替えられる。さらに、右後側方測距センサ12が左後側方測距センサ62に読み替えられる。
【0434】
このような変形例2によっても、変形例1と同様の効果を奏する。
【0435】
(変形例3)
上記実施形態、上記変形例1および上記変形例2では、ステップS106、S118、S206、S218のそれぞれにおいて、診断装置20は、センサ間距離Dsと各距離とを比較する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定する。また、診断装置20は、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定する。
【0436】
これに対して、変形例3では、図21図22図23および図24のフローチャートに示すように、ステップS106、S118、S206、S218のそれぞれにおいて、診断装置20は、センサ間距離Dsに代わる後述の判定距離Dxと各距離とを比較する。これにより、診断装置20は、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定する。また、これにより、診断装置20は、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定する。
【0437】
ここで、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12のそれぞれには、図25に示すように、探査波の照射範囲に応じて、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12の距離検出可能な範囲が設定されている。
【0438】
例えば、車両1の上下方向に対して垂直な面において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12のそれぞれの探査波の照射角をθとする。また、車両1の左右方向における右前側方測距センサ11から車両1の側方の物体までの距離および車両1の左右方向における右後側方測距センサ12から車両1の側方の物体までの距離をそれぞれFrs_dとする。さらに、右前側方測距センサ11が探査波を照射する位置と物体のうち車両1側の端とを通るとともに車両1の左右方向に延びる直線をLfとする。また、このLfと車両1の側方の物体との交点をPfとする。さらに、右後側方測距センサ12が探査波を照射する位置と物体のうち車両1側の端とを通るとともに車両1の左右方向に延びる直線をLrとする。また、このLrと車両1の側方の物体との交点をPrとする。なお、図25において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12のそれぞれの探査波の照射範囲が破線で示されている。
【0439】
このとき、右前側方測距センサ11は、このPfから車両1の前後方向にFrs_dと照射角θとで表される距離の範囲の物体を検出できる。また、右後側方測距センサ12は、このPrから車両1の前後方向にFrs_dと照射角θとで表される距離の範囲の物体を検出できる。
【0440】
したがって、この場合、右後側方測距センサ12は、車両1が前方にセンサ間距離DsからFrs_dと照射角θとで表される距離を減算した距離以上移動した後に、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出できる。このため、センサ間距離Dsに代わる判定距離Dxを、以下関係式(5)のように、センサ間距離DsからFrs_dと照射角θとで表される距離を減算することにより表すことができる。
【0441】
Dx=Ds-2×Frs_d×tan(θ/2) ・・・(5)
【0442】
ここで、右後側方測距センサ12は、右前側方測距センサ11よりも後側に配置されている。これにより、右後側方測距センサ12は、例えば、右前側方測距センサ11が物体を検出してから車両1が前方に判定距離Dx以上移動した後に、右前側方測距センサ11が検出した物体を検出する。このため、右前側方測距センサ11に付着物50が付いている場合、例えば、右前側方測距センサ11が検出した物体と、右前側方測距センサ11がその物体を検出してから車両1が前方に判定距離Dx以上移動した後に右後側方測距センサ12が検出する物体とは異なるはずである。また、このため、判定距離Dxは、右後側方測距センサ12が右前側方測距センサ11によって検出された物体を検出するために必要な車両1の移動距離になっている。
【0443】
よって、診断装置20は、図21および図22に示すように、ステップS106にて、第1累積距離Lc1が判定距離Dx以上であるか否かを判定することにより、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを判定する。また、診断装置20は、ステップS118にて、第2累積距離Lc2が判定距離Dx以上であるか否かを判定することにより、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを判定する。
【0444】
さらに、診断装置20は、図23および図24に示すように、ステップS208にて、第3累積距離Lc3が判定距離Dx以上であるか否かを判定することにより、右前側方測距センサ11が正常に動作していないことを判定する。また、診断装置20は、ステップS216にて、第4累積距離Lc4が判定距離Dx以上であるか否かを判定することにより、右後側方測距センサ12が正常に動作していないことを判定する。
【0445】
また、診断装置20は、上記と同様に、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定する。この場合、右前側方測距センサ11が左前側方測距センサ61に読み替えられる。さらに、右後側方測距センサ12が左後側方測距センサ62に読み替えられる。
【0446】
このような変形例3によっても、上記実施形態、上記変形例1および上記変形例2と同様の効果を奏する。
【0447】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0448】
本開示に記載の取得部、可能性判定部、算出部、診断部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の取得部、可能性判定部、算出部、診断部およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の取得部、可能性判定部、算出部、診断部およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0449】
上記変形例1では、ステップS202において、診断装置20は、右前側方測距センサ11が送信する探査波のエネルギーと右前側方測距センサ11が受信する探査波のエネルギーとの差に関する値を算出する。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が送信する探査波のエネルギーと右後側方測距センサ12が受信する探査波のエネルギーとの差に関する値を算出する。具体的には、診断装置20は、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差である前側電圧差ΔVfを算出する。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差である後側電圧差ΔVrを算出する。
【0450】
これに対して、診断装置20は、右前側方測距センサ11が送信する探査波のエネルギーと右前側方測距センサ11が受信する探査波のエネルギーとの差に関する値として、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電圧差を算出することに限定されない。例えば、診断装置20は、右前側方測距センサ11の送受信波に関する電力差を算出してもよい。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11の送受信波に関する角周波数差を算出してもよい。また、診断装置20は、右前側方測距センサ11の送受信波に関する振幅差を算出してもよい。
【0451】
また、診断装置20は、右後側方測距センサ12が送信する探査波のエネルギーと右後側方測距センサ12が受信する探査波のエネルギーとの差に関する値として、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電圧差を算出することに限定されない。例えば、診断装置20は、右後側方測距センサ12の送受信波に関する電力差を算出してもよい。さらに、診断装置20は、右後側方測距センサ12の送受信波に関する角周波数差を算出してもよい。また、診断装置20は、右後側方測距センサ12の送受信波に関する振幅差を算出してもよい。
【0452】
上記実施形態および上記変形例では、診断装置20は、ステップS112において、第1累積距離Lc1を初期値にリセットする。また、診断装置20は、ステップS124において、第2累積距離Lc2を初期値にリセットする。さらに、診断装置20は、ステップS212において、第3累積距離Lc3を初期値にリセットする。また、診断装置20は、ステップS224において、第4累積距離Lc4を初期値にリセットする。これに対して、診断装置20は、第1累積距離Lc1、第2累積距離Lc2、第3累積距離Lc3、第4累積距離Lc4をそれぞれ初期値にリセットすることに限定されない。
【0453】
例えば、診断装置20は、ステップS112において、第1累積距離Lc1をセンサ間距離Ds未満の値に変更してもよい。また、診断装置20は、ステップS112において、第1累積距離Lc1を判定距離Dx未満の値となるように変更してもよい。さらに、診断装置20は、ステップS124において、第2累積距離Lc2をセンサ間距離Ds未満の値に変更してもよい。また、診断装置20は、ステップS124において、第2累積距離Lc2を判定距離Dx未満の値となるように変更してもよい。さらに、診断装置20は、ステップS212において、第3累積距離Lc3をセンサ間距離Ds未満の値に変更してもよい。また、診断装置20は、ステップS212において、第3累積距離Lc3を判定距離Dx未満の値となるように変更してもよい。さらに、診断装置20は、ステップS224において、第4累積距離Lc4をセンサ間距離Ds未満の値に変更してもよい。また、診断装置20は、ステップS224において、第4累積距離Lc4を判定距離Dx未満の値となるように変更してもよい。これらによっても、診断装置20は、次回以降の制御周期において、右前側方測距センサ11および右後側方測距センサ12が正常に動作しているか否かを判定できる。
【0454】
また、上記した他の実施形態において、診断装置20は、上記と同様に、左前側方測距センサ61および左後側方測距センサ62が正常に動作しているか否かを判定してもよい。この場合、右前側方測距センサ11が左前側方測距センサ61に読み替えられる。さらに、右後側方測距センサ12が左後側方測距センサ62に読み替えられる。
【0455】
上記実施形態および上記変形例が適宜組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0456】
1 車両
11 右前側方測距センサ
12 右後側方測距センサ
61 左前側方測距センサ
62 左後側方測距センサ
13 車速センサ
14 加速度センサ
20 診断装置
30 報知装置
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