(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び車両
(51)【国際特許分類】
G08G 1/127 20060101AFI20231108BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20231108BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20231108BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20231108BHJP
【FI】
G08G1/127 B
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/30
(21)【出願番号】P 2020167304
(22)【出願日】2020-10-01
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】東出 宇史
(72)【発明者】
【氏名】宇野 慶一
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-161345(JP,A)
【文献】特開2010-070267(JP,A)
【文献】特開2004-307210(JP,A)
【文献】特開平07-132827(JP,A)
【文献】特開2009-018679(JP,A)
【文献】特開2000-172992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 10/00-10/30
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z 99/00
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が故障から復帰したときの代替車両の運行を管理する情報処理装置であって、
制御部を備え、前記制御部は、
前記車両の故障により前記車両を運行対象外と判定すると、前記車両に代わる代替車両の投入を決定し、前記車両が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得すると、前記代替車両の投入の決定を維持するか、又は前記代替車両の投入をキャンセルして復帰した前記車両を運行対象に再決定
し、
前記代替車両が運行ルートに入った後に前記復帰情報を取得すると、前記代替車両の投入の決定を維持する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記代替車両の投入が決定されてから前記代替車両が運行ルートに入るまでの準備時間が経過した後に前記復帰情報を取得すると、前記代替車両の投入の決定を維持する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記車両の故障が重度であると判定すると、前記代替車両の投入の決定を維持する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記車両の故障により前記車両を運行対象外と判定すると、運行対象外であることを示す第1表示情報を前記車両に出力させる、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記代替車両の投入をキャンセルして復帰した前記車両を運行対象に再決定すると、故障から復帰したことを示す第2表示情報を前記車両に出力させる、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記車両よりも輸送能力の高い前記代替車両の投入を決定する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記車両が故障したことを示す故障情報を前記情報処理装置に提供する前記車両と、
前記車両に代わる前記代替車両と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項8】
車両が故障から復帰したときの代替車両の運行を管理する情報処理装置に、
前記車両の故障により前記車両を運行対象外と判定することと、
前記車両に代わる代替車両の投入を決定することと、
前記車両が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得することと、
前記代替車両の投入の決定を維持するか、又は前記代替車両の投入をキャンセルして復帰した前記車両を運行対象に再決定することと、
を含む動作を実行させ
、
前記動作は、前記代替車両が運行ルートに入った後に前記復帰情報を取得すると、前記代替車両の投入の決定を維持することを含む、
プログラム。
【請求項9】
請求項
8に記載のプログラムであって、
前記動作は、前記代替車両の投入が決定されてから前記代替車両が運行ルートに入るまでの準備時間が経過した後に前記復帰情報を取得すると、前記代替車両の投入の決定を維持することを含む、
プログラム。
【請求項10】
請求項
8又は9に記載のプログラムであって、
前記動作は、前記車両の故障が重度であると判定すると、前記代替車両の投入の決定を維持することを含む、
プログラム。
【請求項11】
請求項
8乃至10のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記動作は、前記車両の故障により前記車両を運行対象外と判定すると、運行対象外であることを示す第1表示情報を前記車両に出力させることを含む、
プログラム。
【請求項12】
請求項
8乃至11のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記動作は、前記代替車両の投入をキャンセルして復帰した前記車両を運行対象に再決定すると、故障から復帰したことを示す第2表示情報を前記車両に出力させることを含む、
プログラム。
【請求項13】
車両が故障から復帰したときの代替車両の運行を管理する車両であって、
制御部を備え、前記制御部は、
前記車両の故障により前記車両を運行対象外と判定すると、前記車両に代わる代替車両の投入を決定し、前記車両が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得すると、前記代替車両の投入の決定を維持するか、又は前記代替車両の投入をキャンセルして復帰した前記車両を運行対象に再決定
し、
前記代替車両が運行ルートに入った後に前記復帰情報を取得すると、前記代替車両の投入の決定を維持する、
車両。
【請求項14】
請求項
13に記載の車両であって、
前記制御部は、前記代替車両の投入が決定されてから前記代替車両が運行ルートに入るまでの準備時間が経過した後に前記復帰情報を取得すると、前記代替車両の投入の決定を維持する、
車両。
【請求項15】
請求項
13又は14に記載の車両であって、
前記制御部は、前記車両の故障が重度であると判定すると、前記代替車両の投入の決定を維持する、
車両。
【請求項16】
請求項
13乃至15のいずれか1項に記載の車両であって、
前記制御部は、前記車両の故障により前記車両を運行対象外と判定すると、運行対象外であることを示す第1表示情報を出力する、
車両。
【請求項17】
請求項
13乃至16のいずれか1項に記載の車両であって、
前記制御部は、前記代替車両の投入をキャンセルして復帰した前記車両を運行対象に再決定すると、故障から復帰したことを示す第2表示情報を出力する、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両の運行ダイヤ、すなわち運行計画を管理するための技術が知られている。例えば特許文献1には、周回走行する電動車両の入替えに関する車両運行システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術には、走行中の車両が故障した場合における代替車両の投入について考慮されておらず、このような観点で改善の余地があった。
【0005】
本開示は、代替車両の投入によって生じる負荷を考慮した最適な運行管理を実現可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、車両が故障から復帰したときの代替車両の運行を管理する情報処理装置であって、制御部を備え、前記制御部は、前記車両の故障により前記車両を運行対象外と判定すると、前記車両に代わる代替車両の投入を決定し、前記車両が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得すると、前記代替車両の投入の決定を維持するか、又は前記代替車両の投入をキャンセルして復帰した前記車両を運行対象に再決定する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、車両が故障から復帰したときの代替車両の運行を管理する情報処理装置に、前記車両の故障により前記車両を運行対象外と判定することと、前記車両に代わる代替車両の投入を決定することと、前記車両が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得することと、前記代替車両の投入の決定を維持するか、又は前記代替車両の投入をキャンセルして復帰した前記車両を運行対象に再決定することと、を含む動作を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る車両は、車両が故障から復帰したときの代替車両の運行を管理する車両であって、制御部を備え、前記制御部は、前記車両の故障により前記車両を運行対象外と判定すると、前記車両に代わる代替車両の投入を決定し、前記車両が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得すると、前記代替車両の投入の決定を維持するか、又は前記代替車両の投入をキャンセルして復帰した前記車両を運行対象に再決定する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び車両によれば、代替車両の投入によって生じる負荷を考慮した最適な運行管理を実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成を示す構成図である。
【
図2】
図1の情報処理装置、車両、及び代替車両のそれぞれの概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図1の情報処理システムによって実行される情報処理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図4】
図1の情報処理装置によって実行される情報処理方法の第1例を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図1の情報処理装置によって実行される情報処理方法の第2例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図1の情報処理装置によって実行される情報処理方法の第3例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成を示す構成図である。
図1を参照しながら、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概要について主に説明する。情報処理システム1は、情報処理装置10に加えて、車両20及び代替車両30を有する。
【0013】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置10、車両20、及び代替車両30について、それぞれ1つずつ図示しているが、情報処理システム1が有する情報処理装置10、車両20、及び代替車両30の数はそれぞれ2つ以上であってもよい。例えば、情報処理システム1は、複数の車両20が故障したときに複数の代替車両30をそれぞれ投入してもよい。情報処理装置10、車両20、及び代替車両30のそれぞれは、例えば移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワーク40と通信可能に接続されている。
【0014】
情報処理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置である。情報処理装置10は、これらに限定されず、PC(Personal Computer)又はスマートフォンなどの任意の汎用の電子機器であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0015】
車両20は、例えば乗客を乗せて移動するバスを含む。車両20は、少なくとも1つの停留所に途中停車しながら所定の二地点間を往復してもよいし、少なくとも1つの停留所に途中停車しながら循環ルートを一方向に移動してもよい。車両20は、これに限定されず、乗客が搭乗して停留所での途中停車を可能にする任意の車両を含んでもよい。
【0016】
車両20は、例えば自動運転を行う車両である。自動運転は、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5を含むが、これらに限定されず、任意に定義されてもよい。車両20は、自動運転を行う車両に限定されず、運転者によって運転される任意の車両であってもよい。
【0017】
代替車両30は、例えば、車両20が故障したときに車両20の代わりに乗客を乗せて移動するバスを含む。代替車両30は、少なくとも1つの停留所に途中停車しながら所定の二地点間を往復してもよいし、少なくとも1つの停留所に途中停車しながら循環ルートを一方向に移動してもよい。代替車両30は、これに限定されず、乗客が搭乗して停留所での途中停車を可能にする任意の車両を含んでもよい。
【0018】
代替車両30は、例えば自動運転を行う車両である。自動運転は、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5を含むが、これらに限定されず、任意に定義されてもよい。代替車両30は、自動運転を行う車両に限定されず、運転者によって運転される任意の車両であってもよい。
【0019】
一実施形態の概要として、情報処理装置10は、車両20が故障から復帰したときの代替車両30の運行を管理する。情報処理装置10は、車両20の故障により車両20を運行対象外と判定すると、車両20に代わる代替車両30の投入を決定する。情報処理装置10は、車両20が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得すると、代替車両30の投入の決定を維持するか、又は代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。本明細書において、「復帰情報」は、例えば、復帰の通知及び故障がどの程度復帰しているかを示す復帰の度合いなどを含む。
【0020】
次に、
図2を参照しながら、情報処理システム1に含まれる情報処理装置10、車両20、及び代替車両30のそれぞれの構成について主に説明する。
図2は、
図1の情報処理装置10、車両20、及び代替車両30のそれぞれの概略構成を示す機能ブロック図である。
【0021】
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、及び制御部13を有する。
【0022】
通信部11は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部11は、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)などの移動体通信規格又はインターネット規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介してネットワーク40に接続されている。通信部11は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0023】
記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部12は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部11によって受信又は送信される各種情報などを記憶してもよい。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。
【0024】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部13は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0025】
次に、情報処理システム1に含まれる車両20の構成について主に説明する。
図2に示すように、車両20は、通信部21、記憶部22、取得部23、出力部24、及び制御部25を有する。通信部21、記憶部22、取得部23、出力部24、及び制御部25は、例えばCAN(Controller Area Network)などの車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続されている。
【0026】
通信部21は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部21は、4G及び5Gなどの移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、車両20は、通信部21を介してネットワーク40に接続されている。通信部21は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0027】
記憶部22は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部22は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、車両20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部21によって受信又は送信される各種情報などを記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。
【0028】
取得部23は、車両20が故障したことを示す故障情報及び車両20が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得可能な任意のモジュールを含む。例えば、取得部23は、これらの情報を取得可能なセンサモジュールを含む。本明細書において、「故障情報」は、例えば、故障の通知及び故障の内容などを含む。
【0029】
取得部23は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、取得部23は、GPS(Global Positioning System)受信機を含んでもよい。取得部23は、車両20の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、例えば住所、緯度、経度、及び高度などを含む。取得部23は、車両20の位置情報を常時取得してもよいし、定期的又は非定期的に取得してもよい。
【0030】
出力部24は、例えば停留所に待機している乗客に対して任意の情報を通知可能な1つ以上の出力インタフェースを含む。例えば、出力部24は、車両20の側面に設けられているデジタルサイネージを含む。これに限定されず、出力部24は、当該停留所に待機している乗客の視覚及び聴覚の少なくとも一方に影響を及ぼす任意の出力インタフェースを含んでもよい。出力部24は、例えば、停留所に待機している乗客の視覚に主に影響を及ぼす、デジタルサイネージ以外の他の任意の画像出力インタフェースを含んでもよい。出力部24は、例えば、停留所に待機している乗客の聴覚に主に影響を及ぼすスピーカなどの任意の音声出力インタフェースを含んでもよい。
【0031】
制御部25は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。例えば、制御部25は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部25は、車両20を構成する各構成部と通信可能に接続され、車両20全体の動作を制御する。
【0032】
次に、情報処理システム1に含まれる代替車両30の構成について主に説明する。
図2に示すように、代替車両30は、通信部31、記憶部32、取得部33、出力部34、及び制御部35を有する。通信部31、記憶部32、取得部33、出力部34、及び制御部35は、例えばCANなどの車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続されている。
【0033】
通信部31は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部31は、4G及び5Gなどの移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、代替車両30は、通信部31を介してネットワーク40に接続されている。通信部31は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0034】
記憶部32は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部32は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、代替車両30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部31によって受信又は送信される各種情報などを記憶してもよい。記憶部32に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。
【0035】
取得部33は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、取得部33は、GPS受信機を含んでもよい。取得部33は、代替車両30の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、例えば住所、緯度、経度、及び高度などを含む。取得部33は、代替車両30の位置情報を常時取得してもよいし、定期的又は非定期的に取得してもよい。
【0036】
出力部34は、例えば停留所に待機している乗客に対して任意の情報を通知可能な1つ以上の出力インタフェースを含む。例えば、出力部34は、代替車両30の側面に設けられているデジタルサイネージを含む。これに限定されず、出力部34は、当該停留所に待機している乗客の視覚及び聴覚の少なくとも一方に影響を及ぼす任意の出力インタフェースを含んでもよい。出力部34は、例えば、停留所に待機している乗客の視覚に主に影響を及ぼす、デジタルサイネージ以外の他の任意の画像出力インタフェースを含んでもよい。出力部34は、例えば、停留所に待機している乗客の聴覚に主に影響を及ぼすスピーカなどの任意の音声出力インタフェースを含んでもよい。
【0037】
制御部35は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。例えば、制御部35は、ECUを含んでもよい。制御部35は、代替車両30を構成する各構成部と通信可能に接続され、代替車両30全体の動作を制御する。
【0038】
図3は、
図1の情報処理システム1によって実行される情報処理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
図3を参照しながら、
図1の情報処理システム1が実行する情報処理方法の一例について説明する。
図3に示すシーケンス図は、情報処理システム1によって実行される情報処理方法の基本的な処理の流れを示す。
【0039】
ステップS100では、車両20の制御部25は、車両20が故障したことを示す故障情報を取得部23により取得する。
【0040】
ステップS101では、車両20の制御部25は、ステップS100において取得された故障情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、車両20の故障情報を取得する。
【0041】
ステップS102では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS101において取得された故障情報に基づいて、車両20の故障により車両20を運行対象外と判定する。
【0042】
ステップS103では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS102において車両20を運行対象外と判定すると、車両20に代わる代替車両30の投入を決定する。例えば、情報処理装置10の制御部13は、運行ダイヤの乱れに伴う車内混雑を緩和するために、故障した車両20よりも輸送能力の高い代替車両30の投入を決定してもよい。例えば、情報処理装置10の制御部13は、故障した車両20よりも輸送可能人数の大きい代替車両30の投入を決定してもよい。
【0043】
ステップS104では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS103において決定された代替車両30に対して、通信部11及びネットワーク40を介して運行指令を送信する。
【0044】
ステップS105では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS102において車両20を運行対象外と判定すると、当該車両20が運行対象外であることを示す第1表示情報を生成する。本明細書において、「第1表示情報」は、例えば「回送(Out of Service)」などの文字情報を含む。
【0045】
ステップS106では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS105において生成された第1表示情報を、通信部11及びネットワーク40を介して車両20に送信する。情報処理装置10の制御部13は、ステップS105において生成された第1表示情報を車両20の出力部24に出力させる。
【0046】
ステップS107では、車両20の制御部25は、車両20が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得部23により取得する。
【0047】
ステップS108では、車両20の制御部25は、ステップS107において取得された復帰情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、車両20の復帰情報を取得する。
【0048】
ステップS109では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS108において復帰情報を取得すると、代替車両30の投入の決定を維持するか、又は代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。
【0049】
図4は、
図1の情報処理装置10によって実行される情報処理方法の第1例を説明するためのフローチャートである。
図4に示すフローチャートでは、情報処理装置10の制御部13は、代替車両30の投入が決定された後に代替車両30が運行ルートに入るタイミングに基づいて、
図3のステップS109と同一の処理を実行する。例えば、制御部13は、代替車両30が運行ルートに入った後に復帰情報を取得すると、代替車両30の投入の決定を維持する。例えば、制御部13は、代替車両30が運行ルートに入る前に復帰情報を取得すると、代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。
【0050】
ステップS200では、情報処理装置10の制御部13は、車両20の故障情報を取得する。例えば、制御部13は、車両20の故障情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して車両20から受信する。
【0051】
ステップS201では、制御部13は、ステップS200において取得された故障情報に基づいて、車両20の故障により車両20を運行対象外と判定する。
【0052】
ステップS202では、制御部13は、ステップS201において車両20を運行対象外と判定すると、車両20に代わる代替車両30の投入を決定する。このとき、制御部13は、決定された代替車両30に対して、通信部11及びネットワーク40を介して運行指令を送信する。
【0053】
ステップS203では、制御部13は、ステップS201において車両20を運行対象外と判定すると、当該車両20が運行対象外であることを示す第1表示情報を生成する。このとき、制御部13は、生成された第1表示情報を車両20の出力部24に出力させる。
【0054】
ステップS204では、制御部13は、車両20が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得する。例えば、制御部13は、車両20の復帰情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して車両20から受信する。
【0055】
ステップS205では、制御部13は、代替車両30が運行ルートに入っているか否かを判定する。例えば、制御部13は、代替車両30の取得部33により取得された代替車両30の位置情報に基づいて、代替車両30が運行ルートに入っているか否かを判定してもよい。制御部13は、運行ルートに入っていると判定すると、ステップS206の処理を実行する。制御部13は、運行ルートに入っていないと判定すると、ステップS207の処理を実行する。
【0056】
ステップS206では、制御部13は、ステップS205において運行ルートに入っていると判定すると、代替車両30の投入の決定を維持する。
【0057】
ステップS207では、制御部13は、ステップS205において運行ルートに入っていないと判定すると、代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。
【0058】
ステップS208では、制御部13は、ステップS207において車両20を運行対象に再決定すると、当該車両20が故障から復帰したことを示す第2表示情報を生成する。このとき、制御部13は、生成された第2表示情報を車両20の出力部24に出力させる。本明細書において、「第2表示情報」は、例えば「復帰」などの文字情報を含む。
【0059】
図5は、
図1の情報処理装置10によって実行される情報処理方法の第2例を説明するためのフローチャートである。
図5に示すフローチャートでは、情報処理装置10の制御部13は、代替車両30の投入が決定されてから代替車両30が運行ルートに入るまでの準備時間に基づいて、
図3のステップS109と同一の処理を実行する。例えば、制御部13は、準備時間が経過した後に復帰情報を取得すると、代替車両30の投入の決定を維持する。例えば、制御部13は、準備時間が経過する前に復帰情報を取得すると、代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。
【0060】
ステップS300では、情報処理装置10の制御部13は、車両20の故障情報を取得する。例えば、制御部13は、車両20の故障情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して車両20から受信する。
【0061】
ステップS301では、制御部13は、ステップS300において取得された故障情報に基づいて、車両20の故障により車両20を運行対象外と判定する。
【0062】
ステップS302では、制御部13は、ステップS301において車両20を運行対象外と判定すると、車両20に代わる代替車両30の投入を決定する。このとき、制御部13は、決定された代替車両30に対して、通信部11及びネットワーク40を介して運行指令を送信する。
【0063】
ステップS303では、制御部13は、ステップS301において車両20を運行対象外と判定すると、当該車両20が運行対象外であることを示す第1表示情報を生成する。このとき、制御部13は、生成された第1表示情報を車両20の出力部24に出力させる。
【0064】
ステップS304では、制御部13は、車両20が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得する。例えば、制御部13は、車両20の復帰情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して車両20から受信する。
【0065】
ステップS305では、制御部13は、ステップS302において代替車両30の投入が決定されてから代替車両30が運行ルートに入るまでの準備時間が経過しているか否かを判定する。例えば、制御部13は、車両20及び代替車両30の運行を管理する運行管理事業者からこのような準備時間の情報を取得してもよい。例えば、制御部13は、複数の代替車両30にわたる準備時間の平均的な情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して運行管理事業者の端末装置から受信してもよい。制御部13は、準備時間が経過していると判定すると、ステップS306の処理を実行する。制御部13は、準備時間が経過していないと判定すると、ステップS307の処理を実行する。
【0066】
ステップS306では、制御部13は、ステップS305において準備時間が経過していると判定すると、代替車両30の投入の決定を維持する。
【0067】
ステップS307では、制御部13は、ステップS305において準備時間が経過していないと判定すると、代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。
【0068】
ステップS308では、制御部13は、ステップS307において車両20を運行対象に再決定すると、当該車両20が故障から復帰したことを示す第2表示情報を生成する。このとき、制御部13は、生成された第2表示情報を車両20の出力部24に出力させる。
【0069】
図6は、
図1の情報処理装置10によって実行される情報処理方法の第3例を説明するためのフローチャートである。
図6に示すフローチャートでは、情報処理装置10の制御部13は、車両20の故障の内容に基づいて、
図3のステップS109と同一の処理を実行する。例えば、制御部13は、車両20の故障が重度であると判定すると、代替車両30の投入の決定を維持する。例えば、制御部13は、車両20の故障が軽度であると判定すると、代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。
【0070】
ステップS400では、情報処理装置10の制御部13は、車両20の故障情報を取得する。例えば、制御部13は、車両20の故障情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して車両20から受信する。
【0071】
ステップS401では、制御部13は、ステップS400において取得された故障情報に基づいて、車両20の故障により車両20を運行対象外と判定する。
【0072】
ステップS402では、制御部13は、ステップS401において車両20を運行対象外と判定すると、車両20に代わる代替車両30の投入を決定する。このとき、制御部13は、決定された代替車両30に対して、通信部11及びネットワーク40を介して運行指令を送信する。
【0073】
ステップS403では、制御部13は、ステップS401において車両20を運行対象外と判定すると、当該車両20が運行対象外であることを示す第1表示情報を生成する。このとき、制御部13は、生成された第1表示情報を車両20の出力部24に出力させる。
【0074】
ステップS404では、制御部13は、車両20が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得する。例えば、制御部13は、車両20の復帰情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して車両20から受信する。
【0075】
ステップS405では、制御部13は、車両20の故障が重度であるか否かを判定する。例えば、制御部13は、ステップS400において取得された故障情報に含まれる故障の内容を分析して、車両20の故障が重度であるか否かを判定してもよい。このとき、制御部13は、例えば車両20の故障の内容と重度又は軽度の情報とが関連付けられた任意の過去のデータを参照してもよい。制御部13は、車両20の故障が重度であると判定すると、ステップS406の処理を実行する。制御部13は、車両20の故障が重度でない、すなわち軽度であると判定すると、ステップS407の処理を実行する。
【0076】
ステップS406では、制御部13は、ステップS405において車両20の故障が重度であると判定すると、代替車両30の投入の決定を維持する。すなわち、制御部13は、車両20の故障が重度であり、復帰情報を取得しても車両20が再度運行不可になる可能性が高いと判定すると、代替車両30の投入の決定を維持する。
【0077】
ステップS407では、制御部13は、ステップS405において車両20の故障が重度でないと判定すると、代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。すなわち、制御部13は、車両20の故障が軽度であり、復帰情報を取得した後に車両20が安定して運行可能であると判定すると、復帰した車両20を運行対象に再決定する。
【0078】
ステップS408では、制御部13は、ステップS407において車両20を運行対象に再決定すると、当該車両20が故障から復帰したことを示す第2表示情報を生成する。このとき、制御部13は、生成された第2表示情報を車両20の出力部24に出力させる。
【0079】
以上のような一実施形態によれば、代替車両30の投入によって生じる、時間、人的リソース、及びコストなどを含む負荷を考慮した最適な運行管理を実現可能である。例えば、情報処理装置10は、車両20が故障から復帰したことを示す復帰情報を取得すると、代替車両30の投入の決定を維持するか、又は代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。これにより、情報処理装置10は、代替車両30の投入によって生じる負荷と運行ダイヤの乱れの低減との間のバランスを調整しながら最適な運行管理を実現可能である。
【0080】
情報処理装置10は、代替車両30が運行ルートに入った後に復帰情報を取得すると、代替車両30の投入の決定を維持する。これにより、情報処理装置10は、車両20の故障からすでに長い時間が経過しており、代替車両30の投入によって生じる負荷も大きくなっていることから、運行ダイヤの乱れの低減よりも代替車両30の投入によって生じる負荷を重視して、代替車両30の運行を管理可能である。すなわち、情報処理装置10は、復帰情報を取得するまでに発生した負荷が無駄に失われないように最適な運行管理を実現可能である。
【0081】
逆に、情報処理装置10は、代替車両30が運行ルートに入る前に復帰情報を取得すると、代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。これにより、情報処理装置10は、車両20の故障から時間がさほど経過しておらず、代替車両30の投入によって生じる負荷もまだ小さいことから、代替車両30の投入によって生じる負荷よりも運行ダイヤの乱れの低減を重視して、車両20の運行を管理可能である。すなわち、情報処理装置10は、運行ダイヤの乱れを最大限低減できるように最適な運行管理を実現可能である。
【0082】
情報処理装置10は、代替車両30の投入が決定されてから代替車両30が運行ルートに入るまでの準備時間が経過した後に復帰情報を取得すると、代替車両30の投入の決定を維持する。これにより、情報処理装置10は、車両20の故障からすでに長い時間が経過しており、代替車両30の投入によって生じる負荷も大きくなっていることから、運行ダイヤの乱れの低減よりも代替車両30の投入によって生じる負荷を重視して、代替車両30の運行を管理可能である。すなわち、情報処理装置10は、復帰情報を取得するまでに発生した負荷が無駄に失われないように最適な運行管理を実現可能である。
【0083】
逆に、情報処理装置10は、代替車両30の投入が決定されてから代替車両30が運行ルートに入るまでの準備時間が経過する前に復帰情報を取得すると、代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。これにより、情報処理装置10は、車両20の故障から時間がさほど経過しておらず、代替車両30の投入によって生じる負荷もまだ小さいことから、代替車両30の投入によって生じる負荷よりも運行ダイヤの乱れの低減を重視して、車両20の運行を管理可能である。すなわち、情報処理装置10は、運行ダイヤの乱れを最大限低減できるように最適な運行管理を実現可能である。
【0084】
情報処理装置10は、車両20の故障が重度であると判定すると、代替車両30の投入の決定を維持する。これにより、情報処理装置10は、復帰情報を取得しても車両20が再度運行不可になる可能性が高いことから、代替車両30の投入によって生じる負荷よりも運行ダイヤの乱れの低減を重視して、代替車両30の運行を管理可能である。すなわち、情報処理装置10は、車両20の再度の故障によって運行ダイヤの乱れが将来的にさらに拡大しないように最適な運行管理を実現可能である。
【0085】
逆に、情報処理装置10は、車両20の故障が軽度であると判定すると、代替車両30の投入をキャンセルして復帰した車両20を運行対象に再決定する。これにより、情報処理装置10は、復帰情報を取得した後に車両20が安定して運行可能であることから、運行ダイヤの乱れの低減よりも代替車両30の投入によって生じる負荷を重視して、車両20の運行を管理可能である。すなわち、情報処理装置10は、復帰情報を取得した以降に代替車両30の投入による負荷がさらに発生しないように最適な運行管理を実現可能である。
【0086】
情報処理装置10は、運行対象外であることを示す第1表示情報を車両20に出力させることで、例えば停留所に待機している乗客などに対して、当該車両20が運行対象外であることを容易に知らせることができる。これにより、運行対象外である車両20に対する乗客の誤乗車が抑制される。
【0087】
情報処理装置10は、故障から復帰したことを示す第2表示情報を車両20に出力させることで、例えば停留所に待機している乗客などに対して、当該車両20が故障から復帰したことを容易に知らせることができる。これにより、乗客は、車両20の故障及び復帰に関する状態を容易に把握することができる。
【0088】
情報処理装置10は、車両20よりも輸送能力の高い代替車両30の投入を決定することで、運行ダイヤの乱れに伴う車内混雑を緩和することができる。これにより、停留所における乗客の代替車両30の乗車が車内混雑に起因して遅くなるという事態が抑制され、運行ダイヤのさらなる乱れが抑制される。
【0089】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0090】
例えば、上述した実施形態において情報処理装置10において実行される少なくとも一部の処理動作が車両20又は代替車両30において実行されてもよい。例えば、情報処理装置10に代えて、車両20自体が、情報処理装置10に関する上述した処理動作を実行してもよい。車両20又は代替車両30において実行される少なくとも一部の処理動作が情報処理装置10において実行されてもよい。
【0091】
例えば、スマートフォン又はコンピュータなどの汎用の電子機器を、上述した実施形態に係る情報処理装置10として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係る情報処理装置10などの各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、一実施形態に係る開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0092】
又は、一実施形態に係る開示は、実施形態に係る情報処理装置10などに各機能を実行させるために1つ又は複数のプロセッサによって実行可能なプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0093】
例えば、上述した実施形態において説明した情報処理装置10が車両20に搭載されてもよい。このとき、情報処理装置10は、ネットワーク40を介さずに車両20と直接的に情報通信を行ってもよい。
【0094】
上記実施形態では、情報処理装置10は、車両20から故障情報を取得し、車両20から直接的に故障の通知を受け取ることで車両20を運行対象外と判定すると説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置10は、車両20の運行状況を監視しながら独自に同様の判定処理を実行してもよい。
【0095】
上記実施形態では、情報処理装置10は、車両20から復帰情報を取得すると説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置10は、車両20の運行状況を監視しながら独自に車両20の復帰情報を取得してもよい。
【0096】
情報処理装置10は、
図4乃至
図6を用いてそれぞれ説明した情報処理方法の第1例乃至第3例を単独で実行してもよいし、少なくとも2つの情報処理方法を組み合わせて並行して又は独立して実行してもよい。例えば、情報処理装置10は、代替車両30が運行ルートに入る前に復帰情報を取得したとしても、車両20の故障が重度であると判定すると、復帰した車両20を運行対象に再決定するのではなく代替車両30の投入の決定を維持してもよい。
【0097】
上記実施形態では、情報処理装置10は、運行対象外であることを示す第1表示情報を車両20に出力させると説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置10は、このような第1表示情報を生成せず、車両20に出力させなくてもよい。例えば、情報処理装置10は、このような第1表示情報を車両20に代えて、又は加えて停留所に設けられているデジタルサイネージなどの画像出力インタフェースに出力させてもよい。
【0098】
上記実施形態では、情報処理装置10は、故障から復帰したことを示す第2表示情報を車両20に出力させると説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置10は、このような第2表示情報を生成せず、車両20に出力させなくてもよい。例えば、情報処理装置10は、このような第2表示情報を車両20に代えて、又は加えて停留所に設けられているデジタルサイネージなどの画像出力インタフェースに出力させてもよい。
【0099】
上記実施形態では、情報処理装置10は、車両20から故障情報を取得し、車両20から故障の内容を直接的に受け取ると説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置10は、車両20の走行履歴に基づいて車両20の故障の内容を独自に推定してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 車両
21 通信部
22 記憶部
23 取得部
24 出力部
25 制御部
30 代替車両
31 通信部
32 記憶部
33 取得部
34 出力部
35 制御部
40 ネットワーク