(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/65 20140101AFI20231108BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20231108BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231108BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20231108BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231108BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20231108BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/45
A63F13/79
A63F13/69
G06Q50/10
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2020192027
(22)【出願日】2020-11-18
【審査請求日】2022-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】大田 育生
(72)【発明者】
【氏名】伴 健太郎
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-064708(JP,A)
【文献】特開2020-166530(JP,A)
【文献】特開2018-124727(JP,A)
【文献】特開2014-204795(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0075535(KR,A)
【文献】"電気の安定供給のキーワード「電力需給バランス」とは?ゲームで体験してみよう",経済産業省資源エネルギー庁ホームページ[online],2019年08月06日,[2023年9月25日検索],https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/balance_game.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00 - 13/98
G06Q 50/10
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する方法であって、
現実空間との間で位置情報を連動させる仮想空間を設定すること、
前記現実空間における所定施設の位置情報に対応する前記仮想空間内の地点に関連付けて、前記仮想空間におけるゲームイベントを設定すること、
前記現実空間における対象エリアの需要電力の予測値を取得すること、及び
前記予測値に基づいて前記ゲームイベントを開始すること
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記情報処理装置は、前記予測値が閾値以上になると前記ゲームイベントを開始する、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、
前記ゲームイベントの実施中、前記現実空間における前記所定施設にいる前記対象エリアの住民のユーザアカウントに対して、前記ゲームイベントへの参加を許可することを更に含む、方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の方法であって、
前記現実空間における前記対象エリアの需要電力の実績値を取得すること、及び
前記実績値に基づいて前記ゲームイベントを制御すること
を更に含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記情報処理装置は、前記ゲームイベントの実施中に前記実績値が閾値未満になると、前記ゲームイベントに参加するユーザアカウントに対してインセンティブを付与し又は前記ゲームイベントに関連するパラメータを変更するように、前記ゲームイベントを制御する、方法。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の方法であって、
前記現実空間における前記所定施設にいる前記対象エリアの住民の人数を取得すること、及び
前記人数に基づいて前記ゲームイベントを制御すること
を更に含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記情報処理装置は、前記ゲームイベントの実施中に前記人数が閾値以上になると、前記ゲームイベントに参加するユーザアカウントに対してインセンティブを付与し又は前記ゲームイベントに関連するパラメータを変更するように、前記ゲームイベントを制御する、方法。
【請求項8】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
現実空間との間で位置情報を連動させる仮想空間を設定し、
前記現実空間における所定施設の位置情報に対応する前記仮想空間内の地点に関連付けて、前記仮想空間におけるゲームイベントを設定し、
前記現実空間における対象エリアの需要電力の予測値を取得し、
前記予測値に基づいて前記ゲームイベントを開始する、情報処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記予測値が閾値以上になると前記ゲームイベントを開始する、情報処理装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記ゲームイベントの実施中、前記現実空間における前記所定施設にいる前記対象エリアの住民のユーザアカウントに対して、前記ゲームイベントへの参加を許可する、情報処理装置。
【請求項11】
請求項8から10の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記現実空間における前記対象エリアの需要電力の実績値を取得し、
前記実績値に基づいて前記ゲームイベントを制御する、情報処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記ゲームイベントの実施中に前記実績値が閾値未満になると、前記ゲームイベントに参加するユーザアカウントに対してインセンティブを付与し又は前記ゲームイベントに関連するパラメータを変更するように、前記ゲームイベントを制御する、情報処理装置。
【請求項13】
請求項8から12の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記現実空間における前記所定施設にいる前記対象エリアの住民の人数を取得し、
前記人数に基づいて前記ゲームイベントを制御する、情報処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記ゲームイベントの実施中に前記人数が閾値以上になると、前記ゲームイベントに参加するユーザアカウントに対してインセンティブを付与し又は前記ゲームイベントに関連するパラメータを変更するように、前記ゲームイベントを制御する、情報処理装置。
【請求項15】
ユーザによって使用される端末装置が実行する方法であって、
情報処理装置との通信を開始すること、
前記ユーザの位置情報を前記情報処理装置へ送信すること、
現実空間との間で位置情報が連動する仮想空間を表示すること、及び
前記仮想空間におけるゲームイベントが前記現実空間における対象エリアの需要電力の予測値に基づいて開始されることを表示すること
を含み、
前記ゲームイベントは、前記現実空間における所定施設の位置情報に対応する前記仮想空間内の地点に関連付けて設定されたゲームイベントである、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記ゲームイベントは、前記予測値が閾値以上になると開始される、方法。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の方法であって、
前記ユーザが前記対象エリアの住民である場合、前記ゲームイベントの実施中に前記ユーザが前記対象エリアから前記所定施設まで移動すると、前記ユーザのユーザアカウントを前記ゲームイベントに参加させる処理を実行すること、及び
前記ユーザアカウントが前記ゲームイベントに参加すると、前記ゲームイベントを進行させる処理を実行することを更に含む、方法。
【請求項18】
請求項15から17の何れか一項に記載の方法であって、
前記ゲームイベントが前記現実空間における前記対象エリアの需要電力の実績値又は前記現実空間における前記所定施設にいる前記対象エリアの住民の人数に基づいて制御されることを表示することを更に含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記ゲームイベントは、前記ゲームイベントの実施中に前記実績値が閾値未満になると、前記ゲームイベントに参加するユーザアカウントに対してインセンティブが付与され又は前記ゲームイベントに関連するパラメータが変更されるように制御される、方法。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の方法であって、
前記ゲームイベントは、前記ゲームイベントの実施中に前記人数が閾値以上になると、前記ゲームイベントに参加するユーザアカウントに対してインセンティブが付与され又は前記ゲームイベントに関連するパラメータが変更されるように制御される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの位置情報を利用してゲームを提供する技術が知られている。例えば、特許文献1には、携帯電話端末を所持するユーザの移動距離に応じてポイントを付与することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの位置情報を利用してゲームを提供する技術の改善が望まれている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、ユーザの位置情報を利用してゲームを提供する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
現実空間との間で位置情報を連動させる仮想空間を設定すること、
前記現実空間における所定施設の位置情報に対応する前記仮想空間内の地点に関連付けて、前記仮想空間におけるゲームイベントを設定すること、
前記現実空間における対象エリアの需要電力の予測値を取得すること、及び
前記予測値に基づいて前記ゲームイベントを開始することを含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
現実空間との間で位置情報を連動させる仮想空間を設定し、
前記現実空間における所定施設の位置情報に対応する前記仮想空間内の地点に関連付けて、前記仮想空間におけるゲームイベントを設定し、
前記現実空間における対象エリアの需要電力の予測値を取得し、
前記予測値に基づいて前記ゲームイベントを開始する。
【0008】
本開示の一実施形態に係る方法は、
ユーザによって使用される端末装置が実行する方法であって、
情報処理装置との通信を開始すること、
前記ユーザの位置情報を前記情報処理装置へ送信すること、
現実空間との間で位置情報が連動する仮想空間を表示すること、及び
前記仮想空間におけるゲームイベントが前記現実空間における対象エリアの需要電力の予測値に基づいて開始されることを表示すること
を含み、
前記ゲームイベントは、前記現実空間における所定施設の位置情報に対応する前記仮想空間内の地点に関連付けて設定されたゲームイベントである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、ユーザの位置情報を利用してゲームを提供する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】端末装置に表示されるゲーム画面の例を示す図である。
【
図3】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】端末装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の一実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、1つ以上の端末装置10と、情報処理装置20と、を備える。
【0013】
端末装置10及び情報処理装置20は、例えば移動体通信網及びインターネット等を含むネットワーク30と通信可能に接続される。端末装置10は、例えばスマートフォン、タブレット端末、又は携帯ゲーム機等であるが、これに限られずユーザが所持可能な任意のコンピュータであってもよい。情報処理装置20は、例えばサーバ装置であるが、これに限られず任意のコンピュータであってもよい。情報処理装置20は、例えばゲームのアプリケーションプログラムを実行する端末装置10に対してゲームを提供する。ゲームのアプリケーションプログラムは、例えばアプリケーション配信サーバ等からネットワーク30を介して端末装置10にダウンロードされてもよく、或いは端末装置10の製造時にインストールされてもよい。
【0014】
端末装置10のユーザは、ユーザアカウントを用いてゲームをプレイする。「ユーザアカウント」は、ゲーム内においてユーザを一意に識別するための情報を含む。ユーザアカウントは、例えばユーザによるゲームの初回プレイ時に作成されてもよい。ユーザは、例えばパスワード入力等の認証処理を実施することにより、自身のユーザアカウントを用いて任意の端末装置10からゲームをプレイすることができる。なお、ユーザによる認証処理の実施が省略されてもよい。ゲーム内でユーザに固有の情報は、ユーザアカウントに関連付けて管理される。ゲーム内でユーザに固有の情報は、例えばゲーム内でユーザが所有するキャラクタ、アイテム、通貨、ポイント、称号、又は権限等の仮想オブジェクト、ゲームのプレイ履歴、及びユーザの現実空間における住所等の情報を含むが、これらに限られない。
【0015】
本実施形態に係るゲームでは、現実空間との間で位置情報を連動させる仮想空間が用いられる。ゲームのアプリケーションプログラムの実行中、端末装置10は、例えば
図2に示すように、当該仮想空間の少なくとも一部を示すゲーム画面40を表示する。仮想空間は、二次元空間であってもよく、三次元空間であってもよい。ゲーム画面40は、アバター41と、仮想道路42と、仮想施設43と、通知領域44と、を含む。
【0016】
アバター41は、ゲームをプレイするユーザの分身となる仮想空間内のキャラクタである。本実施形態において、現実空間におけるユーザの位置情報と、仮想空間におけるアバター41の位置情報とが連動する。したがって、ユーザが現実空間で移動すると、アバター41も仮想空間で移動する。ユーザは、アバター41を仮想空間内の所望の地点まで移動させたい場合、当該地点に対応する現実空間の地点まで実際に移動する必要がある。
【0017】
仮想道路42は、仮想空間内に存在する道路である。本実施形態において、現実空間に存在する道路の位置情報と、仮想空間における仮想道路42の位置情報とが対応関係を有する。したがって、ゲーム間における道路の配置と、仮想空間における仮想道路42の配置とが略一致し得る。例えば、現実空間においてユーザがある道路上に位置する場合、仮想空間においてアバター41は当該道路に対応する仮想道路42上に位置する。
【0018】
仮想施設43は、仮想空間内に存在する施設である。本実施形態において、現実空間に存在する施設の位置情報と、仮想空間における仮想施設43の位置情報とが対応関係を有する。したがって、現実空間における施設の配置と、仮想空間における仮想施設43の配置とが略一致し得る。例えば、現実空間においてユーザがある施設に位置する場合、仮想空間においてアバター41は当該施設に対応する仮想施設43に位置する。
【0019】
通知領域44は、ゲームをプレイするユーザに向けて通知される任意の情報が表示される領域である。例えば、テキスト、静止画像、又は動画像等の情報が、通知領域44に表示され得る。通知領域44は、例えばゲーム画面40上に常時表示されてもよく、或いはユーザに向けて情報を通知するときに表示されてもよい。
【0020】
本実施形態では、仮想空間の任意の地点に関連付けられた任意のゲームイベントが実施され得る。ユーザは、例えば仮想空間内でアバター41を当該地点まで移動させることにより、当該ゲームイベントに参加することができる。ゲームイベントの内容は、例えば敵キャラクタとの対戦を行うミニゲーム、又はアイテム若しくはキャラクタ等の仮想オブジェクトを獲得するミニゲーム等であるが、これらに限られず任意に定められてもよい。
【0021】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置20は、現実空間との間で位置情報を連動させる仮想空間を設定する。情報処理装置20は、現実空間における所定施設の位置情報に対応する仮想空間内の地点(例えば、仮想施設43)に関連付けて、仮想空間におけるゲームイベントを設定する。情報処理装置20は、現実空間における対象エリアの需要電力の予測値を取得する。そして情報処理装置20は、取得された当該予測値に基づいてゲームイベントを開始する。
【0022】
このように、本実施形態によれば、現実空間における対象エリアの需要電力の予測値に基づいてゲームイベントが開始される。例えば、需要電力の予測値が所定の基準値を超える等、対象エリアの需要電力の増加が見込まれる場合に、ゲームイベントを開始させることが考えられる。かかる場合には、対象エリアの住民に対して、当該ゲームイベントへの参加を目的として、対象エリアから当該施設へ実際に移動する動機を与えることができる。住民が対象エリアから移動すると、対象エリアの各住戸での需要電力が減少し得る。したがって、対象エリア全体の需要電力の増加が緩和又は抑制され得る点で、ユーザの位置情報を利用してゲームを提供する技術が改善する。
【0023】
次に、システム1の各構成について、詳細に説明する。
【0024】
(端末装置の構成)
図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、測位部12と、表示部13と、記憶部14と、制御部15と、を備える。
【0025】
通信部11は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、端末装置10は、通信部11を介して情報処理装置20と通信する。
【0026】
測位部12は、衛星測位システムに対応する受信機を含む。当該受信機は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応するが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応してもよい。また測位部12は、例えばジャイロセンサ、地磁気センサ、及び気圧センサを含んでもよい。本実施形態において端末装置10は、測位部12を用いてユーザの位置情報及びユーザが向いている方角を取得する。位置情報は、緯度及び経度を含む二次元座標データを含んでもよく、緯度及び経度に加えて高度を含む三次元座標データを含んでもよい。
【0027】
表示部13は、1つ以上のディスプレイを含む。各ディスプレイは、例えばタッチスクリーン等の入力インタフェースを含んでもよい。
【0028】
記憶部14は、1つ以上のメモリを含む。本実施形態において「メモリ」は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部14に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部14は、端末装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部14は、システムプログラム及びアプリケーションプログラム等を記憶してもよい。本実施形態において記憶部14は、上述したゲームのアプリケーションプログラム、及び当該ゲームに用いられる任意の情報を記憶する。ゲームに用いられる情報は、例えばユーザアカウントの情報、及びユーザアカウントに関連付けて管理されるユーザに固有の情報(例えば、ゲーム内でユーザが所有する仮想オブジェクト、ゲームのプレイ履歴、及びユーザの現実空間における住所等の情報)等を含むが、これらに限られない。記憶部14に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0029】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、端末装置10全体の動作を制御する。例えば、制御部15は、記憶部14に記憶されたゲームのアプリケーションプログラムを実行する。制御部15によって制御される端末装置10の動作の詳細については後述する。
【0030】
(情報処理装置の構成)
図4に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0031】
通信部21は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21を介して端末装置10と通信する。
【0032】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。本実施形態において記憶部22は、ゲームに用いられる任意の情報を記憶する。ゲームに用いられる情報は、例えばユーザアカウントの情報、及びユーザアカウントに関連付けて管理されるユーザに固有の情報(例えば、ゲーム内でユーザが所有する仮想オブジェクト、ゲームのプレイ履歴、及びユーザの現実空間における住所等の情報)等を含むが、これらに限られない。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0033】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。制御部23によって制御される情報処理装置20の動作の詳細については後述する。
【0034】
(情報処理装置の動作フロー)
図5を参照して、情報処理装置20の動作フローについて説明する。
【0035】
ステップS100:情報処理装置20の制御部23は、現実空間との間で位置情報を連動させる仮想空間を設定する。
【0036】
具体的には、制御部23は、ゲームに用いられる仮想空間を構成して、ゲームをプレイするユーザのアバター41を仮想空間内に配置する。ここで制御部23は、端末装置10から受信するユーザの位置情報と、当該ユーザのアバター41の位置情報とを連動させる。
【0037】
ステップS101:制御部23は、現実空間における所定施設の位置情報に対応する仮想空間内の地点(例えば、
図2に示す仮想施設43)に関連付けて、仮想空間におけるゲームイベントを設定する。所定施設は、例えばショッピングモール又は図書館など、一般的な住居と比較して収容人数の多い施設であるが、これに限られず任意の施設であってもよい。
【0038】
ステップS102:制御部23は、現実空間における対象エリアの需要電力の予測値を取得する。
【0039】
ここで対象エリアは、例えば1つ以上の住居が含まれるように定められた任意のエリアである。制御部23は、例えば電力会社が管理するサーバから対象エリアの需要電力の予測値を受信してもよく、或いは対象エリアの過去の実績値から将来の予測値を算出してもよい。
【0040】
ステップS103:制御部23は、ステップS102で取得した予測値に基づいてゲームイベントを開始する。
【0041】
本実施形態では、制御部23は、対象エリアの需要電力の予測値が閾値以上になるとゲームイベントを開始する。しかしながら、制御部23は、例えば対象エリアの需要電力の予測値が閾値未満になるとゲームイベントを開始してもよい。
【0042】
ステップS104:制御部23は、現実空間における所定施設にいる対象エリアの住民のユーザアカウントに対して、ゲームイベントへの参加を許可する。
【0043】
具体的には、制御部23は、ユーザアカウントに関連付けられている情報(例えば、ユーザの現実空間における住所の情報)に基づいて、ユーザが対象エリアの住民であるか否かを判定する。ユーザが対象エリアの住民であると判定すると、制御部23は、当該ユーザの位置情報が所定施設の位置情報と略一致している場合、当該ユーザのユーザアカウントに対して、ゲームイベントへの参加を許可する。一方、ユーザの位置情報が所定施設の位置情報と略一致していない場合、又はユーザが対象エリアの住民ではないと判定した場合、制御部23は、当該ユーザのユーザアカウントに対してゲームイベントへの参加を許可しなくてもよい。
【0044】
ここで制御部23は、ゲームイベントへの参加を許可したユーザアカウントを当該ゲームイベントに直ちに参加させてもよく、或いは当該ユーザアカウントに係るユーザからの要求に応じて参加させてもよい。
【0045】
ステップS105:制御部23は、現実空間における対象エリアの需要電力の実績値を取得する。ここで対象エリアの需要電力の実績値は、例えば電力会社が管理するサーバから受信されてもよい。
【0046】
ステップS106:制御部23は、現実空間における所定施設にいる対象エリアの住民の人数を取得する。
【0047】
具体的には、制御部23は、対象エリアの住民である複数のユーザのうち、現在の位置情報が所定施設の位置情報と略一致しているユーザの人数を取得する。
【0048】
ステップS107:制御部23は、ステップS105で取得された実績値及びステップS106で取得された人数の少なくとも一方に基づいてゲームイベントを制御する。
【0049】
具体的には、制御部23は、ゲームイベントの実施中に上記実績値が閾値未満又は上記人数が閾値以上になると、ゲームイベントに参加するユーザアカウントに対してインセンティブを付与し又はゲームイベントに関連するパラメータを変更するように、ゲームイベントを制御してもよい。ゲームイベントに関連するパラメータは、例えばゲームイベントの実施期間、ゲームイベントへの参加によりユーザアカウントが獲得し得るキャラクタの獲得確率、及び当該キャラクタの獲得時のレベル等であるが、これらに限られず任意のパラメータであってもよい。ここで制御部23は、ゲームイベントに参加するユーザアカウントに係るユーザが有利になるように、ゲームイベントに関連するパラメータを変更してもよい。例えば制御部23は、ゲームイベントの実施期間を延長し、ゲームイベントへの参加によりユーザアカウントが獲得し得るキャラクタの獲得確率を増加させ、又は当該キャラクタの獲得時のレベルを増加させ得る。
【0050】
或いは、制御部23は、ゲームイベントの実施中に上記実績値が閾値以上又は上記人数が閾値未満になると、ゲームイベントに関連するパラメータを変更するように、ゲームイベントを制御してもよい。この場合、制御部23は、ゲームイベントに参加するユーザアカウントに係るユーザが不利になるように、ゲームイベントに関連するパラメータを変更してもよい。例えば制御部23は、ゲームイベントの実施期間を短縮し、ゲームイベントへの参加によりユーザアカウントが獲得し得るキャラクタの獲得確率を低下させ、又は当該キャラクタの獲得時のレベルを低下させ得る。
【0051】
(端末装置の動作フロー)
図6を参照して、ゲームのアプリケーションプログラムを実行する端末装置10の動作フローについて説明する。
【0052】
ステップS200:端末装置10の制御部15は、通信部11を介して情報処理装置20との通信を開始する。
【0053】
ステップS201:制御部15は、測位部12を用いて取得するユーザの位置情報を、通信部11を介して情報処理装置20へ送信する。位置情報の送信は、例えば周期的に繰り返し実施される。
【0054】
ステップS202:制御部15は、現実空間との間で位置情報が連動する仮想空間を、表示部13に表示する。例えば、
図2に示すゲーム画面40が表示部13に表示される。
【0055】
ステップS203:制御部15は、仮想空間におけるゲームイベントが現実空間における対象エリアの需要電力の予測値に基づいて開始されることを、表示部13に表示する。
【0056】
具体的には、制御部15は、対象エリアの需要電力の予測値が閾値以上になるとゲームイベントが開始されることを示すメッセージをゲーム画面40の通知領域44に表示してもよい。ここで制御部15は、当該予測値を情報処理装置20から取得し、当該予測値が閾値以上になったときに当該メッセージを表示してもよい。
【0057】
ステップS204:制御部15は、仮想空間におけるゲームイベントが、現実空間における対象エリアの需要電力の実績値、及び現実空間における所定施設にいる対象エリアの住民の人数の少なくとも一方に基づいて制御されることを、表示部13に表示する。
【0058】
具体的には、制御部15は、ゲームイベントの実施中に当該実績値が閾値未満又は当該人数が閾値以上になると、ゲームイベントに参加するユーザアカウントに対してインセンティブが付与され又はゲームイベントに関連するパラメータが変更されるように、ゲームイベントが制御されることを示すメッセージをゲーム画面40の通知領域44に表示してもよい。ここで制御部15は、当該実績値又は当該人数を情報処理装置20から取得し、当該実績値が閾値未満又は当該人数が閾値以上になったときに当該メッセージを表示してもよい。
【0059】
ステップS205:制御部15は、ユーザが対象エリアの住民である場合、ゲームイベントの実施中にユーザが対象エリアから所定施設まで移動すると、ユーザのユーザアカウントをゲームイベントに参加させる処理を実行する。
【0060】
具体的には、制御部15は、例えばユーザ操作に応じて又は自動的に、ユーザアカウントをゲームイベントに参加させる要求を情報処理装置20へ送信する。当該要求に応じて情報処理装置20は、当該ユーザアカウントをゲームイベントに参加させる。
【0061】
ステップS206:制御部15は、ユーザのユーザアカウントがゲームイベントに参加すると、ゲームイベントを進行させる処理を実行する。
【0062】
具体的には、制御部15は、例えばユーザ操作に応じて又は自動的に、ゲームイベントを進行させる要求を情報処理装置20へ送信する。当該要求に応じて情報処理装置20は、当該ユーザアカウントに対してゲームイベントを進行させる。
【0063】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20は、現実空間との間で位置情報を連動させる仮想空間を設定する。情報処理装置20は、現実空間における所定施設の位置情報に対応する仮想空間内の地点(例えば、仮想施設43)に関連付けて、仮想空間におけるゲームイベントを設定する。情報処理装置20は、現実空間における対象エリアの需要電力の予測値を取得する。そして情報処理装置20は、取得された当該予測値に基づいてゲームイベントを開始する。
【0064】
かかる構成によれば、現実空間における対象エリアの需要電力の予測値に基づいてゲームイベントが開始される。例えば、需要電力の予測値が所定の基準値を超える等、対象エリアの需要電力の増加が見込まれる場合に、ゲームイベントを開始させることが考えられる。かかる場合には、対象エリアの住民に対して、当該ゲームイベントへの参加を目的として、対象エリアから当該施設へ実際に移動する動機を与えることができる。住民が対象エリアから移動すると、対象エリアの各住戸での需要電力が減少し得る。したがって、対象エリア全体の需要電力の増加が緩和又は抑制され得る点で、ユーザの位置情報を利用してゲームを提供する技術が改善する。
【0065】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0066】
例えば、上述した実施形態において情報処理装置20が実行する一部又は全部の動作を、端末装置10が実行する実施形態も可能である。また、情報処理装置20が実行する動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散して実行させてもよい。
【0067】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る端末装置10又は情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る端末装置10又は情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、コンピュータのメモリに格納し、コンピュータのプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 システム
10 端末装置
11 通信部
12 測位部
13 表示部
14 記憶部
15 制御部
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 ネットワーク
40 ゲーム画面
41 アバター
42 仮想道路
43 仮想施設
44 通知領域