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特許7380598電力制御装置、移動体、及び電力制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】電力制御装置、移動体、及び電力制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20231108BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20231108BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20231108BHJP
   H02J 3/40 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H02M7/48 R
H02M7/48 N
H02J7/34 J
H02J3/32
H02J3/40
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020566161
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(86)【国際出願番号】 JP2019049618
(87)【国際公開番号】W WO2020149081
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2019004667
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 直
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-026890(JP,A)
【文献】特開2016-185018(JP,A)
【文献】特開2016-182006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02J 7/34
H02J 3/32
H02J 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力を供給する系統線及び蓄電器と接続され、複数の負荷に電力を供給する電力制御装置であって、
前記系統線からの交流電力の周波数に基づいて動作する第1のモード、または前記系統線からの電流を制限し周波数を自律して動作する第2のモードのいずれかを切り替えるモード切替部と、
前記モード切替部が前記第2のモードに切り替えた場合において、前記系統線へ出力する交流電力の周波数及び電圧を決定するマスターモードとして動作するインバータと、
前記系統線と前記インバータとの間の接続を切り替える制御を行う制御部と、
前記複数の負荷のうちの所定の負荷と前記電力制御装置との間に設けられ、前記電力制御装置からの電圧を検出し、検出した前記電圧に応じて、前記所定の負荷と前記電力制御装置との間の接続を切断することができる電圧検出コンセントと、
を備える、電力制御装置。
【請求項2】
前記インバータは、外部からの指示に基づいて、前記マスターモードとして動作する、請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記インバータがマスターモードで動作する際には前記系統線と前記インバータとを接続するよう制御する、請求項1又は2に記載の電力制御装置。
【請求項4】
前記インバータは、前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかの状態において、設定された周波数及び電圧に従って前記系統線との間の電力の授受を実行するスレーブモードとしても動作する、請求項1~3のいずれか1項に記載の電力制御装置。
【請求項5】
前記インバータは、前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかの状態において、前記系統線から交流電力の供給を受けずに交流電力の周波数を自律するアイランドモードとしても動作する、請求項1~4のいずれか1項に記載の電力制御装置。
【請求項6】
前記モード切替部は、前記系統線からの電力供給が安定している状態で前記第1のモードに切り替える、請求項1~5のいずれか1項に記載の電力制御装置。
【請求項7】
前記モード切替部は、前記系統線からの電力供給が安定しない状態で前記第2のモードに切り替える、請求項1~6のいずれか1項に記載の電力制御装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の電力制御装置を備える、移動体。
【請求項9】
交流電力を供給する系統線及び蓄電器と接続され、複数の負荷に電力を供給する電力制御装置が、
前記系統線からの電力供給が安定している状態では前記系統線からの交流電力の周波数に基づいて動作する第1のモード、または前記系統線からの電力供給が安定しない状態で前記系統線からの電流を制限し周波数を自律して動作する第2のモードのいずれかを切り替えることと、
前記第2のモードに切り替えわった場合に、前記系統線へ出力する電力の周波数及び電圧を決定するマスターモードとしてインバータを動作させることと、
前記系統線と前記インバータとの間の接続を切り替えることと、
前記複数の負荷のうちの所定の負荷との間の電圧を検出し、検出した前記電圧に応じて、前記所定の負荷との間の接続を切断することと、
含む、電力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力制御装置、移動体、及び電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パワーコンディショナと蓄電池とを備えた電力供給システムが普及してきている。このような電力供給システムでは、例えば、太陽電池や燃料電池、コジェネレーションシステム等で発電された直流電力を交流電力に変換した上で、変換後の電力の負荷(電力使用機器群)への供給や蓄電池への充電、系統(商用電力系統)への売電出力が行われる。また、このような電力供給システムでは、例えば、電力単価の安い夜間電力を蓄電池に充電することで、朝方や夕方における充電電力の利用が可能になる。また、このような蓄電池システムでは、平常時に蓄電池に充電された電力を、停電等によって系統からの電力が供給されなくなった際に利用することが可能になる。
【0003】
このような電力供給システムについて開示している文献として、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-152959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような電力供給システムにおいて、系統の障害で電力が供給されなくなるか不安定になると、蓄電池の電力をパワーコンディショナにより交流電力としてそのまま供給できるような仕組みは存在していなかった。
【0006】
そこで、本開示では、系統の障害で電力が供給されなくなるか不安定になると、蓄電池の電力をパワーコンディショナにより交流電力としてそのまま系統へ供給することが可能な、新規かつ改良された電力制御装置及び電力制御方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、交流電力を供給する系統線からの交流電力の周波数に基づいて動作する第1のモード、または前記系統線からの電流を制限し周波数を自律して動作する第2のモードのいずれかを切り替えるモード切替部と、前記モード切替部が前記第2のモードに切り替えた場合において、前記系統線へ出力する交流電力の周波数及び電圧を決定するマスターモードとして動作するインバータと、を備える、電力制御装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、交流電力を供給する系統線からの電力供給が安定している状態では前記系統線からの交流電力の周波数に基づいて動作する第1のモード、または前記系統線からの電力供給が安定しない状態で前記系統線からの電流を制限し周波数を自律して動作する第2のモードのいずれかを切り替えることと、前記第2のモードに切り替えわった場合に、前記系統線へ出力する電力の周波数及び電圧を決定するマスターモードとしてインバータを動作させることと、を備える、電力制御方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100の機能構成例を示す説明図である。
図2】本開示の実施の形態に係るインバータ制御回路110の機能構成例を示す説明図である。
図3】本開示の実施の形態に係る電圧検出コンセント230の機能構成例を示す説明図である。
図4】蓄電池付きパワーコンディショナが多段接続されている例を示す説明図である。
図5】本開示の実施の形態に係る電力供給システムの構成例を示す説明図である。
図6】蓄電池付きパワーコンディショナ100の動作モードと遷移条件とを示す説明図である。
図7】本開示の実施の形態に係るコントローラ300の動作例を示す流れ図である。
図8】蓄電池付きパワーコンディショナ100のモード切替時の電流及び電圧の変化例を示す説明図である。
図9】蓄電池付きパワーコンディショナ100のモード切替時の電流及び電圧の変化例を示す説明図である。
図10】自動車間の電力供給システムの構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の実施の形態
1.1.経緯
1.2.システム構成例
1.3.動作例
1.4.応用例
2.まとめ
【0012】
<1.本開示の実施の形態>
[1.1.経緯]
本開示の実施の形態について詳細に説明する前に、まず本開示の実施の形態に至った経緯について説明する。
【0013】
蓄電池を持たないパワーコンディショナは、系統(商用電力系統)の電圧を常にモニタし、その系統の電圧が一定範囲から外れると、リレーを介して系統から切り離す構造となっている。このようなパワーコンディショナは、負荷となる電気機器には直接接続されず、売電用の電力計を介して売電量を計量している。また、このようなパワーコンディショナは、系統側から買電用の電力計を介して接続される構造である。このような場合、系統が停電すると電気機器も停止してしまう。
【0014】
蓄電池を持つパワーコンディショナは、逆潮流をしない設定のため、系統が異常時になっても系統から切り離す必要が無い。しかし、このようなパワーコンディショナは、系統の電力が異常になると出力を停止させるので、接続した電気機器に電力が供給できず、別の出力から限定された小電力を供給する構造となっている。そのため、蓄電池を持つパワーコンディショナに通常接続された電気機器は、系統の異常時には電力を受けられずに停止してしまう。
【0015】
蓄電池を持つパワーコンディショナに、逆潮流制限機能を持たせることができる。しかし、このようなパワーコンディショナは、蓄電池の電力に買電電力と売電電力を混ぜることはできない。そのため、パワーコンディショナに備え付けられた太陽光発電機等の発電機の発電量に応じて逆潮流し、潮流電力量を制限できない状態がありうるので、発電量が大幅に変化してしまい、パワーコンディショナを接続した系統が不安定になるおそれがある。
【0016】
基幹系統に問題があり、一部の系統線が基幹系統線からから切り離された場合、切り離された系統線に接続されたパワーコンディショナは電圧源が存在しない。そのため、パワーコンディショナが蓄電池を持っていれば、個別にその蓄電池の電力を利用する単独運転となる。そのため、蓄電池に蓄えられた電力が消費されてしまうと、パワーコンディショナに接続された電気機器だけでなく、パワーコンディショナ自体も停止してしまう。
【0017】
そこで本件開示者は、上述した点に鑑み、系統の障害で電力が供給されなくなるか不安定になると、蓄電池の電力をパワーコンディショナにより交流電力としてそのまま系統へ供給することが可能な技術について鋭意検討を行った。その結果、本件開示者は、以下で説明するように、系統の障害で電力が供給されなくなるか不安定になると、蓄電池の電力を交流電力としてそのまま系統へ供給することが可能なパワーコンディショナを考案するに至った。
【0018】
[1.2.システム構成例]
続いて、本開示の実施の形態に係るパワーコンディショナの構成例を説明する。図1は、本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100の機能構成例を示す説明図である。以下、図1を用いて本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100の機能構成例について説明する。
【0019】
図1に示したように、本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100は、インバータ制御回路110と、電力制御回路120と、系統連携リレー130と、蓄電池140と、を含んで構成される。
【0020】
インバータ制御回路110は、蓄電池140に蓄えられた電池を、蓄電池付きパワーコンディショナ100に接続された負荷210、220で使用するために、直流電力から交流電力に変換する装置である。本実施形態では、インバータ制御回路110は複数の動作モードを有する。本実施形態では、インバータ制御回路110は、電流制御モード及び電圧制御モードを有する。また本実施形態では、インバータ制御回路110は、周波数他律モード及び周波数自律モードを有する。インバータ制御回路110は、電流制御モードと電圧制御モードとの切り替え機能、及び周波数他律モードと周波数自律モードとの切り替え機能を持つ。インバータ制御回路110は、電力制御回路120から入力端子io1を介して指示を受け取り、それらのモードを切り替える。またインバータ制御回路110は、si2端子を介して交流系統の電圧vg及び周波数fgをモニタし、端子io1を介して、交流系統の電圧vgと周波数fgの状態を電力制御回路120に通知する機能を持つ。
【0021】
電力制御回路120は、蓄電池140の充電状態(soc;state of charge)を入手し、通信回線COMを経由して他のシステムに通知したり、他のシステムからの指示によりインバータ制御回路110の動作モードを切り替えたりする動作を実行する。また電力制御回路120は、系統連携リレー130を駆動し、蓄電池付きパワーコンディショナ100を系統線G1と連携させる動作を実行する。
【0022】
蓄電池付きパワーコンディショナ100は全体として3つの動作モードを有する。その3つの動作モードは、系統連携周波数他律電流制御モード、系統非連携周波数自律電圧制御モード、系統連携周波数自律電圧制御モードである。電力制御回路120は、蓄電池140の充電状態と、インバータ制御回路110から送られる交流系統の電圧と周波数の状態と、通信回線からの指示と、に基づいて、蓄電池付きパワーコンディショナ100の動作モードの変更、電圧・電流制御量の変更、系統連携リレー130の切り替えを行う。
【0023】
電力制御回路120の電源は、系統線G1と系統連携リレー130とが接続された部分から、端子p1端子に接続され直流化し、ダイオードを介して内部回路に供給される。また電力制御回路120の電源は、蓄電池140から端子p2にも接続され、同様にダイオードを介して内部回路に供給される。これによって電力制御回路120は、蓄電池140の電力が無くなった場合でも系統電力により起動できる。また、後述するアイランドモードの時も、電力制御回路120の電源は蓄電池140から供給されることになる。
【0024】
系統非連携周波数自律電圧制御モードであって、蓄電池140のSOCが低下してくると、電力制御回路120は、制御電圧を所定量低下させ、負荷210、220の消費電力量を逓減させる。
【0025】
負荷210、220は蓄電池付きパワーコンディショナ100から電力の供給を受ける。負荷220は、電圧検出コンセント230を介して接続されている。電圧検出コンセント230は、インバータ制御回路110の電圧低下の発生を検出すると、負荷220に供給する電力を遮断する機能を持つ。
【0026】
以上、図1を用いて本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100の機能構成例について説明した。続いて、インバータ制御回路110の機能構成例について説明する。
【0027】
図2は、本開示の実施の形態に係るインバータ制御回路110の機能構成例を示す説明図である。以下、図2を用いて本開示の実施の形態に係るインバータ制御回路110の機能構成例について説明する。
【0028】
図2に示したように、本開示の実施の形態に係るインバータ制御回路110は、双方向AC/DCインバータ111と、電圧・周波数モニタ112と、基準信号出力部113と、モード切替電流指示部114と、オペアンプ115と、を含んで構成される。
【0029】
双方向AC/DCインバータ111は、交流から直流の変換、及び直流から交流の変換を行うことが可能なインバータである。電圧・周波数モニタ112は、スイッチsw1が端子si2側に倒れている際に、交流系統の電圧及び周波数をモニタする。電圧・周波数モニタ112は、交流系統の電圧と周波数の状態に異常が発生していれば、モード切替電流指示部114にその旨を通知する。
【0030】
モード切替電流指示部114は、双方向AC/DCインバータ111に対して動作モードの変更を指示したり、スイッチsw1の切り替えを行ったりする。オペアンプ115は、端子io1を経由した電流指示値と、端子si3からの電流信号とを比較し、その比較結果を双方向AC/DCインバータ111に出力する。
【0031】
後述するアイランドモードとマスターモードの時は、モード切替電流指示部114はスイッチsw1を基準信号出力部113側に倒す。基準信号Vacが双方向AC/DCインバータ111の電圧・周波数入力となり、双方向AC/DCインバータ111はAC in/outの電圧制御だけを行い、電流制御は行わない。後述するスレーブモードの時は、モード切替電流指示部114はスイッチsw1を端子si3側に倒し、電圧・周波数モニタ112は、交流系統の電圧と周波数の状態を監視する。そしてオペアンプ115は、端子io1を経由した電流指示値と、端子si3からの電流信号とを比較し、その比較結果を双方向AC/DCインバータ111に出力することで双方向AC/DCインバータ111の電流制御を行う。
【0032】
以上、図2を用いて本開示の実施の形態に係るインバータ制御回路110の機能構成例について説明した。続いて、本開示の実施の形態に係る電圧検出コンセント230の機能構成例を説明する。
【0033】
図3は、本開示の実施の形態に係る電圧検出コンセント230の機能構成例を示す説明図である。以下、図3を用いて本開示の実施の形態に係る電圧検出コンセント230の機能構成例について説明する。
【0034】
図3に示したように、本開示の実施の形態に係る電圧検出コンセント230は、電圧検出器231と、リレー232と、を含んで構成される。
【0035】
電圧検出器231は、電圧検出コンセント230の入力電圧を検出する。電圧検出コンセント230の入力電圧が所定の正常電圧であれば、電圧検出器231はリレー232をオン状態にして電圧検出コンセント230の入力と出力を接続状態とする。一方、電圧検出コンセント230の入力電圧が所定の正常電圧から低下した状態となると、電圧検出器231はリレー232をオフ状態にして電圧検出コンセント230の入力と出力を遮断状態とする。
【0036】
電圧検出コンセント230はこのような構成を備えることで、蓄電池140の電力量低下によりインバータ制御回路110の出力電圧が低下した状態となると、電圧検出コンセント230の先に接続された負荷(負荷220)への電力供給を途絶させることができる。一方、低電圧でも動作可能な重要な負荷(例えば負荷210)は、蓄電池140の電力量低下によりインバータ制御回路110の出力電圧が低下した状態でも動作が続けられるようになる。
【0037】
なお、系統連携リレー130やリレー232は、電磁的なリレーであってもよく、半導体リレー(SSR)やサイリスタで構成されたものであってもよい。
【0038】
以上、図3を用いて本開示の実施の形態に係る電圧検出コンセント230の機能構成例について説明した。なお、図1では蓄電池付きパワーコンディショナ100を1つだけ設けた構成例を示したが、本開示は係る例に限定されるものではない。例えば、図4に示すように、蓄電池付きパワーコンディショナ100aの先に負荷210及び蓄電池付きパワーコンディショナ100bが接続され、蓄電池付きパワーコンディショナ100bの先に負荷220が接続されるような多段接続も可能である。
【0039】
例えば、電力消費の変動の激しい負荷220を下位層の蓄電池付きパワーコンディショナ100bで対応することで、階層のピークと上位層のピークが重なり、パワーコンディショナの供給能力を超えないようにすることができる。
【0040】
負荷210と負荷220とが同時に動作すると、一つの蓄電池付きパワーコンディショナでは供給能力を超える場合に、負荷210の電力消費の変動は蓄電池付きパワーコンディショナ100aにより吸収し、負荷220の電力消費と蓄電池付きパワーコンディショナ100bによる平準化された電力要求とは、蓄電池付きパワーコンディショナ100aが供給する。図4に示したような階層構造により、ピーク時の電力量オーバーを回避させることが可能となる。
【0041】
図1に示した蓄電池付きパワーコンディショナ100を、複数台並列に接続することで、蓄電池付きパワーコンディショナ100間での電力融通を可能とすることが出来る。
【0042】
図5は、本開示の実施の形態に係る電力供給システムの構成例を示す説明図である。図5には、支系統線G2に、4台の蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dが接続された電力供給システム1の構成例が示されている。
【0043】
蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dそれぞれの入出力端子は支系統線G2に接続されている。また、蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dは、それぞれ通信回線COMを通じて1つのコントローラ300に接続されている。また、蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dの電力出力端子PO1~PO4は、複数の負荷に接続されている。
【0044】
スイッチGSW1は、系統線G1と支系統線G2とを接続するスイッチである。系統線G1に異常が発生すると、スイッチGSW1により系統線G1と支系統線G2とが切り離される。スイッチGSW1により支系統線G2が系統線G1に接続されている時は、各蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dは、アイランドモード又はスレーブモードで稼働する。蓄電池に十分な電力(例えば40%以上の残量)がある場合は、蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dはアイランドモードになる。一方、蓄電池の電力が不足状態の場合は、蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dはスレーブモードとなり、系統から受電しながら蓄電池に充電したり、蓄電池の電力と共に負荷に電力を供給したりする。
【0045】
系統線G1の電圧または周波数に異常があると、各蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dは支系統線G2から切り離し、アイランドモード(IM)に切り替わる。系統線G1の電圧または周波数の異常が長引くような状態になると、スイッチGSW1がオフとなり、支系統線G2は系統線G1から切り離される。このスイッチGSW1のオン、オフは、例えば系統線G1を通じて電力を供給する事業者によって行われうる。コントローラ300は、スイッチGSW1がオフとなり、支系統線G2が系統線G1から切り離された状態を確認すると、蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dの中から1つを選択し、その選択した蓄電池付きパワーコンディショナに対してマスターモード(MM)となるよう指示を出す。ここでは、蓄電池付きパワーコンディショナ100cがマスターモードに選択されたとする。どの蓄電池付きパワーコンディショナがマスターモードに選択されるかは特定の例に限定されるものではないが、例えば、蓄電池の残量が一番多いものがマスターモードに選択されても良い。
【0046】
マスターモードとなった蓄電池付きパワーコンディショナ100cは、支系統線G2の電圧と周波数を所定の値に制御する。ここでは、蓄電池付きパワーコンディショナ100cは、支系統線G2の電圧を100Vに、周波数を50Hzに設定したとする。支系統線G2の電圧と周波数の値は、他の蓄電池付きパワーコンディショナ100の性能に応じて設定されうる。
【0047】
コントローラ300は、各蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dと通信し、電力の融通が可能な蓄電池付きパワーコンディショナをスレーブモード(SM)に切り替え、電流制御値をそれぞれ設定する。スレーブモードに切り替えられた蓄電池付きパワーコンディショナは、他の蓄電池付きパワーコンディショナとの間で電力を融通する。
【0048】
図5の例では、蓄電池付きパワーコンディショナ100aは支系統線G2に2アンペアの電力を給電し、蓄電池付きパワーコンディショナ100dは2アンペアの電力を受電する。また、蓄電池付きパワーコンディショナ100bは3アンペアの電力を受電し、蓄電池付きパワーコンディショナ100cは2アンペアの電力を給電する。
【0049】
[1.3.動作例]
図6は、蓄電池付きパワーコンディショナ100の動作モードと遷移条件とを示す説明図である。以下、図6を用いて蓄電池付きパワーコンディショナ100の動作モードと遷移条件とについて説明する。
【0050】
(停止モードからの遷移)
停止モードにある蓄電池付きパワーコンディショナ100は系統からの電力または蓄電池からの電力を受けると起動し、アイランドモードとして動作する。
【0051】
(アイランドモード)
蓄電池付きパワーコンディショナ100は、アイランドモードの状態では、系統線とインバータ制御回路110とを接続する系統連携リレー130はオフであり、交流電力の周波数は内部で生成し、インバータ制御回路110の端子pio1の制御電圧は電力制御回路120からの指示によって設定される。インバータ制御回路110は、蓄電池140のSOCの値を確認し、端子pio1の出力電圧を決定する。
【0052】
(アイランドモードからの遷移)
蓄電池付きパワーコンディショナ100は、アイランドモードの状態において、系統線G1の電圧vg及び周波数fgをモニタし、所定の適正範囲に入っていて、かつ、電力制御回路120がスレーブモード遷移許可状態であれば、スレーブモードに遷移する。また、蓄電池付きパワーコンディショナ100は、アイランドモードの状態において、蓄電池140のSOCの値が所定値以上で、かつ、電力制御回路120がマスターモード遷移許可状態であれば、マスターモードに遷移する。
【0053】
(スレーブモード)
蓄電池付きパワーコンディショナ100は、スレーブモードの状態では、系統線とインバータ制御回路110とを接続する系統連携リレー130はオンであり、周波数は系統線に同期しており、端子pio1の出力は電力制御回路120からの指示によって電流制御モードとなっている。
【0054】
(スレーブモードからの遷移)
蓄電池付きパワーコンディショナ100は、スレーブモードの状態において、系統線G1の電圧vg及び周波数fgをモニタし、所定の適正範囲から所定の時間外れると、アイランドモードに遷移する。また蓄電池付きパワーコンディショナ100は、スレーブモードの状態において、電力制御回路120からの指示により、アイランドモード又はマスターモードに遷移する。
【0055】
(マスターモード)
蓄電池付きパワーコンディショナ100は、マスターモードの状態では、系統線とインバータ制御回路110とを接続する系統連携リレー130はオンであり、交流電力の周波数は内部で生成し、端子pio1の出力は電力制御回路120からの指示によって電圧制御モードとなっている。
【0056】
(マスターモードからの遷移)
蓄電池付きパワーコンディショナ100は、マスターモードの状態において、電力制御回路120からの指示により、スレーブモード又はアイランドモードに遷移する。
【0057】
図7は、本開示の実施の形態に係るコントローラ300の動作例を示す流れ図である。図7でのコントローラ300の動作は、図5に示した構成を前提とする。以下、図7を用いて本開示の実施の形態に係るコントローラの動作例について説明する。
【0058】
コントローラ300は、動作を開始すると、通信回線に接続されている蓄電池付きパワーコンディショナ100の情報(BSPC情報)を入手する(ステップS101)。続いてコントローラ300は、スイッチGSW1がオフになっているかどうかを判断する(ステップS102)。
【0059】
ステップS102の判断の結果、スイッチGSW1がオフになっていた場合は(ステップS102、Yes)、コントローラ300は、蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dの中から1つを選択し、その選択した蓄電池付きパワーコンディショナに対してマスターモードに設定する(ステップS103)。ここでは、蓄電量が最も多い蓄電池付きパワーコンディショナ(BSPC)をマスターモードに設定する。ステップS102の判断の結果、スイッチGSW1がオンになっていた場合は(ステップS102、No)、コントローラ300はステップS103の処理をスキップする。
【0060】
続いてコントローラ300は、蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dの少なくともいずれかから電力要求があったかどうか判断する(ステップS104)。
【0061】
ステップS104の判断の結果、蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dの少なくともいずれかから電力要求があった場合は(ステップS104、Yes)、コントローラ300は、要求があった蓄電池付きパワーコンディショナをスレーブモードに設定し、更に、蓄電池の残量が多く、給電可能な蓄電池付きパワーコンディショナをスレーブモードとして、相互の電流量を正負同一量にして、規定の電力量を融通する(ステップS105)。その後、コントローラ300は上記ステップS101の処理に戻る。
【0062】
一方コントローラ300は、ステップS104の判断の結果、蓄電池付きパワーコンディショナ100a~100dのいずれよりも電力要求が無かった場合は(ステップS104、No)、上記ステップS101の処理に戻る。
【0063】
図8は、蓄電池付きパワーコンディショナ100のモード切替時の電流及び電圧の変化例を示す説明図である。
【0064】
時刻t1までは、蓄電池付きパワーコンディショナ100はアイランドモードとして動作している。時刻t1になると、蓄電池付きパワーコンディショナ100の系統連携リレー130がオンになり、時刻t2になると、蓄電池付きパワーコンディショナ100はスレーブモードで、かつ5アンペアで充電を行うように動作する。従って、インバータ制御回路110の電流ir1は負の値を示している。
【0065】
その後時刻t3になると、蓄電池付きパワーコンディショナ100はスレーブモードで、かつ3アンペアで蓄電池から放電を行うように動作する。従って、インバータ制御回路110の電流ir1は正の値を示している。
【0066】
その後時刻t4になると、系統線G1に異常が発生し、系統の電圧が低下する。蓄電池付きパワーコンディショナ100は系統連携リレー130をオフさせて、アイランドモードとして動作する。また系統線G1の異常によりスイッチGSW1がオフとなると、系統の電圧が0Vとなる。
【0067】
その後時刻t5になると、蓄電池付きパワーコンディショナ100はコントローラ300によってマスターモードに設定される。マスターモードに設定された蓄電池付きパワーコンディショナ100は、支系統線G2に接続された他の蓄電池付きパワーコンディショナ100との間で電力の融通を実行する。
【0068】
[1.4.応用例]
本開示の実施の形態に係るインバータ制御回路110を、例えば自動車のような移動体に搭載することも可能である、図9は、本開示の実施の形態の変形例を示す説明図である。図9には、自動車10にインバータ制御回路110が搭載された例が示されている。インバータ制御回路110は、自動車10と系統線G1とを接続するインタフェース20を介して系統線G1から電力を受けたり、また系統線G1に電力を供給したりすることができる。またインバータ制御回路110は、外部との通信を実行する通信部150と接続されており、他のインバータ制御回路110との間で通信部150を介して情報をやり取りすることができる。
【0069】
図10は、自動車間の電力供給システムの構成例を示す説明図である。図10には、インバータ制御回路110が搭載された2台の自動車10a、10bが示されている。自動車10a、10bは、それぞれコントローラ300と接続されており、図5に示した電力供給システムと同様に、自動車10a、10b間で電力を融通しあうことが可能となる。なお、図9図10で示された応用例においても、図5に示されるように、系統線G1の代わりに、支系統線G2に接続することで、支系統線G2から電力を受けたり、また支系統線G2に電力を供給したりするようにしてもよい。
【0070】
<2.まとめ>
以上説明したように本開示の実施の形態によれば、電力系統の障害で電力が供給されなくなるか不安定になると、蓄電池の電力を交流電力として供給できるように系統線から切り離す構成を有する蓄電池付きパワーコンディショナ100が提供される。本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100は、負荷となる電気機器にそのまま蓄電池から給電できる構造を有する。
【0071】
本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100は、系統線が切り離され蓄電池のみの供給で、かつ蓄電池の容量がある一定以下になると、出力電圧を一定量低下させる。その電圧低下を検出する電圧検出コンセント230によって、その先につながる電気機器への電力供給を遮断することができるため、大電力を消費する電気機器は自動的に電力供給が遮断され、低電力の消費で済む照明機器や電子機器のみを選択的に稼働させることができるので、本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100は、少ない電力でも生活に必要な環境が維持できる。
【0072】
本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100は、蓄電池の蓄電量に応じて、系統に連携したり系統から切り離したりできる。また本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100は、系統に連携した場合は系統との間で特定の電流量を融通できるため、系統に接続された他の蓄電池付きパワーコンディショナ100との供給バランスを取ることが容易である。
【0073】
本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100は、3つのモード、すなわち、アイランドモード、スレーブモード、マスターモードを持つ。本開示の実施の形態に係る蓄電池付きパワーコンディショナ100は、基幹系統に繋がっている場合は、電力会社の発電機をマスター電源とし、本装置をスレーブモードで電力の融通を行い、基幹系統から切り離されている場合は切り離された支系統の中で1つをマスター電源とするためマスターモードとし他をスレーブモードで電力融通することができるので、停電を最小化できる。
【0074】
本明細書の各装置が実行する処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、各装置が実行する処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0075】
また、各装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した各装置の構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供されることが可能である。また、機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
【0076】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0077】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0078】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
交流電力を供給する系統線からの交流電力の周波数に基づいて動作する第1のモード、または前記系統線からの電流を制限し周波数を自律して動作する第2のモードのいずれかを切り替えるモード切替部と、
前記モード切替部が前記第2のモードに切り替えた場合において、前記系統線へ出力する交流電力の周波数及び電圧を決定するマスターモードとして動作するインバータと、
を備える、電力制御装置。
(2)
前記インバータは、外部からの指示に基づいて、前記マスターモードとして動作する、前記(1)に記載の電力制御装置。
(3)
前記系統線と前記インバータとの間の接続を切り替える制御を行う制御部をさらに備える、前記(2)に記載の電力制御装置。
(4)
前記制御部は、前記インバータがマスターモードで動作する際には前記系統線と前記インバータとを接続するよう制御する、前記(3)に記載の電力制御装置。
(5)
前記インバータは、前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかの状態において、設定された周波数及び電圧に従って前記系統線との間の電力の授受を実行するスレーブモードとしても動作する、前記(1)~(4)のいずれかに記載の電力制御装置。
(6)
前記インバータは、前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかの状態において、前記系統線から交流電力の供給を受けずに交流電力の周波数を自律するアイランドモードとしても動作する、前記(1)~(5)のいずれかに記載の電力制御装置。
(7)
前記モード切替部は、前記系統線からの電力供給が安定している状態で前記第1のモードに切り替える、前記(1)~(6)のいずれかに記載の電力制御装置。
(8)
前記モード切替部は、前記系統線からの電力供給が安定しない状態で前記第2のモードに切り替える、前記(1)~(7)のいずれかに記載の電力制御装置。
(9)
前記(1)~(8)のいずれかに記載の電力制御装置を備える、移動体。
(10)
交流電力を供給する系統線からの電力供給が安定している状態では前記系統線からの交流電力の周波数に基づいて動作する第1のモード、または前記系統線からの電力供給が安定しない状態で前記系統線からの電流を制限し周波数を自律して動作する第2のモードのいずれかを切り替えることと、
前記第2のモードに切り替えわった場合に、前記系統線へ出力する電力の周波数及び電圧を決定するマスターモードとしてインバータを動作させることと、
を備える、電力制御方法。
【0079】
1 :電力供給システム
10 :自動車
20 :インタフェース
100 :蓄電池付きパワーコンディショナ
110 :インバータ制御回路
111 :双方向AC/DCインバータ
112 :周波数モニタ
113 :基準信号出力部
114 :モード切替電流指示部
115 :オペアンプ
120 :電力制御回路
130 :系統連携リレー
140 :蓄電池
150 :通信部
210 :負荷
220 :負荷
230 :電圧検出コンセント
231 :電圧検出器
232 :リレー
300 :コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10