IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-方法、情報処理装置、及びシステム 図1
  • 特許-方法、情報処理装置、及びシステム 図2
  • 特許-方法、情報処理装置、及びシステム 図3
  • 特許-方法、情報処理装置、及びシステム 図4
  • 特許-方法、情報処理装置、及びシステム 図5
  • 特許-方法、情報処理装置、及びシステム 図6
  • 特許-方法、情報処理装置、及びシステム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】方法、情報処理装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20231108BHJP
【FI】
G06Q50/30
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021024569
(22)【出願日】2021-02-18
(65)【公開番号】P2022126470
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】村上 涼
(72)【発明者】
【氏名】橘 勇次
(72)【発明者】
【氏名】中通 実
(72)【発明者】
【氏名】兼市 大輝
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-341872(JP,A)
【文献】特開2020-198013(JP,A)
【文献】特開2003-317191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる場所に設置されている複数の共用端末装置と通信する情報処理装置が実行する方法であって、
店舗に設置されている前記共用端末装置を用いてユーザが退店手続を開始すると、前記共用端末装置を介して前記ユーザに、第1車両を配車する提案を通知すること、
前記共用端末装置を介して前記ユーザから配車要求を取得すること、
前記ユーザを前記第1車両に乗車させる乗車位置を決定すること、及び
前記第1車両が前記乗車位置に向かうように前記第1車両の運行計画を決定すること
を含む、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
店舗に設置されている共用端末装置を介してユーザから配車要求を取得した場合、前記店舗の従業員によって使用されるコンピュータに、前記乗車位置と、前記乗車位置に前記第1車両が到着する予定時刻と、を通知することを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は2の何れか一項に記載の方法であって、
共用端末装置が設置されている第2車両で移動中のユーザが前記第2車両から降車する予定位置に前記第2車両が到着する前に、前記共用端末装置を介して前記ユーザに、前記第1車両を配車する提案を通知することを更に含む、方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、
前記情報処理装置は、前記ユーザが前記2車両から降車する前記予定位置に基づいて、前記ユーザを第1車両に乗車させる前記乗車位置を決定する、方法。
【請求項5】
請求項1からの何れか一項に記載の方法であって、
配車要求を行ったユーザの携帯端末を介して前記ユーザに、前記乗車位置と、前記乗車位置に前記第1車両が到着する予定時刻と、を通知することを更に含む、方法。
【請求項6】
請求項1からの何れか一項に記載の方法であって、
前記配車要求は、前記ユーザが前記第1車両で移動する際の目的地を示す情報を含み、
前記情報処理装置は、前記第1車両が前記乗車位置で前記ユーザを乗車させた後、前記目的地まで移動するように、前記第1車両の前記運行計画を決定する、方法。
【請求項7】
それぞれ異なる場所に設置されている複数の共用端末装置と通信する情報処理装置であって、制御部を備え、
前記制御部は、
店舗に設置されている前記共用端末装置を用いてユーザが退店手続を開始すると、前記共用端末装置を介して前記ユーザに、第1車両を配車する提案を通知し、
前記共用端末装置を介して前記ユーザから配車要求を取得し、
前記ユーザを前記第1車両に乗車させる乗車位置を決定し、
前記第1車両が前記乗車位置に向かうように前記第1車両の運行計画を決定する、情報処理装置。
【請求項8】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、店舗に設置されている共用端末装置を介してユーザから配車要求を取得した場合、前記店舗の従業員によって使用されるコンピュータに、前記乗車位置と、前記乗車位置に前記第1車両が到着する予定時刻と、を通知する、情報処理装置。
【請求項9】
請求項7又は8の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、共用端末装置が設置されている第2車両で移動中のユーザが前記第2車両から降車する予定位置に前記第2車両が到着する前に、前記共用端末装置を介して前記ユーザに、前記第1車両を配車する提案を通知する、情報処理装置。
【請求項10】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記ユーザが前記2車両から降車する前記予定位置に基づいて、前記ユーザを第1車両に乗車させる前記乗車位置を決定する、情報処理装置。
【請求項11】
請求項から10の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、配車要求を行ったユーザの携帯端末を介して前記ユーザに、前記乗車位置と、前記乗車位置に前記第1車両が到着する予定時刻と、を通知する、情報処理装置。
【請求項12】
請求項から11の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記配車要求は、前記ユーザが前記第1車両で移動する際の目的地を示す情報を含み、
前記制御部は、前記第1車両が前記乗車位置で前記ユーザを乗車させた後、前記目的地まで移動するように、前記第1車両の前記運行計画を決定する、情報処理装置。
【請求項13】
それぞれ異なる場所に設置されている複数の共用端末装置と、前記複数の共用端末装置と通信する情報処理装置と、を備えるシステムであって、
前記情報処理装置は、
店舗に設置されている前記共用端末装置を用いてユーザが退店手続を開始すると、第1車両を配車する提案を前記共用端末装置に通知し、
前記共用端末装置は、
前記第1車両を配車する提案を前記ユーザに通知し、
ーザによる特定の操作を検出すると配車要求を前記情報処理装置に通知し、
前記情報処理装置は、
前記共用端末装置を介して前記ユーザから前記配車要求を取得し、
前記ユーザを前記第1車両に乗車させる乗車位置を決定し、
前記第1車両が前記乗車位置に向かうように前記第1車両の運行計画を決定する、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記情報処理装置は、店舗に設置されている共用端末装置を介してユーザから配車要求を取得した場合、前記店舗の従業員によって使用されるコンピュータに、前記乗車位置と、前記乗車位置に前記第1車両が到着する予定時刻と、を通知する、システム。
【請求項15】
請求項13又は14の何れか一項に記載のシステムであって、
前記情報処理装置は、共用端末装置が設置されている第2車両で移動中のユーザが前記第2車両から降車する予定位置に前記第2車両が到着する前に、前記第1車両を配車する提案を前記共用端末装置に通知し、
前記共用端末装置は、前記第1車両を配車する前記提案を前記ユーザに通知する、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
前記情報処理装置は、前記ユーザが前記2車両から降車する前記予定位置に基づいて、前記ユーザを第1車両に乗車させる前記乗車位置を決定する、システム。
【請求項17】
請求項13から16の何れか一項に記載のシステムであって、
前記情報処理装置は、配車要求を行ったユーザの携帯端末を介して前記ユーザに、前記乗車位置と、前記乗車位置に前記第1車両が到着する予定時刻と、を通知する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法、情報処理装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばデジタルサイネージ等の共用端末装置を用いてサービスを提供する技術が知られている。例えば特許文献1には、施設の居住者向けの情報を、施設に設けたサイネージ装置に表示すると共にその居住者の携帯端末に対して提供することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-225612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
共用端末装置を用いてサービスを提供する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、共用端末装置を用いてサービスを提供する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
それぞれ異なる場所に設置されている複数の共用端末装置と通信する情報処理装置が実行する方法であって、
共用端末装置を介してユーザから配車要求を取得すること、
前記ユーザを第1車両に乗車させる乗車位置を決定すること、及び
前記第1車両が前記乗車位置に向かうように前記第1車両の運行計画を決定することを含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
それぞれ異なる場所に設置されている複数の共用端末装置と通信する情報処理装置であって、制御部を備え、
前記制御部は、
共用端末装置を介してユーザから配車要求を取得し、
前記ユーザを第1車両に乗車させる乗車位置を決定し、
前記第1車両が前記乗車位置に向かうように前記第1車両の運行計画を決定する。
【0008】
本開示の一実施形態に係るシステムは、
それぞれ異なる場所に設置されている複数の共用端末装置と、前記複数の共用端末装置と通信する情報処理装置と、を備えるシステムであって、
前記複数の共用端末装置のそれぞれは、ユーザによる特定の操作を検出すると配車要求を前記情報処理装置に通知し、
前記情報処理装置は、
共用端末装置を介してユーザから配車要求を取得し、
前記ユーザを第1車両に乗車させる乗車位置を決定し、
前記第1車両が前記乗車位置に向かうように前記第1車両の運行計画を決定する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、共用端末装置を用いてサービスを提供する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】共用端末装置の具体例を示す図である。
図3】共用端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図5】システムの第1動作を示すシーケンス図である。
図6】システムの第2動作を示すシーケンス図である。
図7】システムの第3動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、複数の共用端末装置10と、情報処理装置20と、を備える。各共用端末装置10及び情報処理装置20は、例えばインターネットを含むネットワーク30と通信可能に接続される。
【0013】
共用端末装置10は、不特定のユーザに共用され得る任意の装置である。例えばデジタルサイネージ、タブレット端末、若しくはスマートフォン等の汎用の電子機器、又は専用の電子機器が、共用端末装置10として採用可能である。本実施形態において複数の共用端末装置10は、それぞれ異なる場所に設置され、設置場所に応じた任意の目的で使用される。例えば図2には、それぞれ異なる場所に設置された3つの共用端末装置10a~10cが図示されている。共用端末装置10aは、例えばマンション、駅、又は百貨店等の施設に設置され、ユーザに情報を提供するために使用され得る。共用端末装置10bは、例えばレストラン等の店舗に設置され、客からの注文を受け付けるために使用され得る。共用端末装置10cは、例えば自動車、列車、又は飛行機等の車両に設置され、乗客に情報を提供するために使用され得る。以下、設置場所によって共用端末装置10を区別する場合には共用端末装置10a、10b、又は10cと表記し、区別しない場合には単に共用端末装置10と表記する。
【0014】
情報処理装置20は、例えばサーバ装置であるが、これに限られず任意のコンピュータであってもよい。情報処理装置20は、ネットワーク30を介して各共用端末装置10と通信可能である。
【0015】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置20は、それぞれ異なる場所に設置されている複数の共用端末装置10と通信可能である。情報処理装置20は、共用端末装置10を介してユーザから配車要求を取得する。情報処理装置20は、例えばオンデマンドバス又はタクシー等の車両(以下、「第1車両」ともいう。)に当該ユーザを乗車させる乗車位置を決定する。そして情報処理装置20は、決定された乗車位置に当該第1車両が向かうように、当該第1車両の運行計画を決定する。
【0016】
このように、本実施形態によれば、ユーザは、例えばスマートフォン等の携帯端末を所持していなくても、任意の共用端末装置10の設置場所で第1車両の配車を要求できる。したがって、ユーザにとって第1車両の配車を要求する際の利便性が向上する点で、共用端末装置を用いてサービスを提供する技術が改善される。
【0017】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0018】
(共用端末装置の構成)
図3に示すように、共用端末装置10は、通信部11と、入力部12と、出力部13と、記憶部14と、制御部15と、を備える。
【0019】
通信部11は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、共用端末装置10は、通信部11及びネットワーク30を介して情報処理装置20と通信する。
【0020】
入力部12は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力装置を含んでもよい。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、音声入力を受け付けるマイクロフォン、又はカメラ等であるが、これらに限られない。入力部12は、外部の入力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0021】
出力部13は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力装置を含んでもよい。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。出力部13は、外部の出力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0022】
記憶部14は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部14に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部14は、共用端末装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部14は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部14に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0023】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、共用端末装置10全体の動作を制御する。
【0024】
(情報処理装置の構成)
図4に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0025】
通信部21は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21及びネットワーク30を介して各共用端末装置10と通信する。
【0026】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0027】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0028】
(システムの動作フロー)
図5を参照して、本実施形態に係るシステム1の第1動作について説明する。
【0029】
ステップS100:各共用端末装置10の制御部15は、ユーザによる特定の第1操作を検出すると、配車要求を情報処理装置20に通知する。ここでは、1つの共用端末装置10が配車要求を情報処理装置20に通知したものとして説明する。
【0030】
具体的には、制御部15は、入力部12に対するユーザ入力に基づいて、ユーザにより第1操作が実行されたことを検出する。第1操作は、例えば配車要求を通知するための専用アプリケーションプログラムを起動する操作、及び配車要求の通知をユーザが承認する操作等を含み得るが、これらに限られず任意の操作を含んでもよい。制御部15は、第1操作を検出すると、通信部11及びネットワーク30を介して情報処理装置20へ、ユーザからの配車要求を示す信号を送信する。
【0031】
ユーザからの配車要求を示す信号は、例えば共用端末装置10の設置場所を示す情報を含む。設置場所を示す情報は、例えば設置場所の名称又は位置情報等を含み得るが、これらに限られない。ユーザからの配車要求を示す信号は、ユーザの認証情報を更に含んでもよい。ユーザの認証情報は、例えばユーザID及びパスワードを含むアカウント情報、又は顔、指紋、静脈、若しくは虹彩等の画像を含む生体情報等であるが、これらに限られない。ユーザの認証情報は、例えば入力部12のカメラを用いて取得可能である。
【0032】
ステップS101:情報処理装置20の制御部23は、共用端末装置10を介してユーザから配車要求を取得する。
【0033】
具体的には、制御部23は、通信部21及びネットワーク30を介して共用端末装置10から、ユーザからの配車要求を示す信号を受信する。
【0034】
ステップS102:制御部23は、ユーザを第1車両に乗車させる乗車位置を決定する。
【0035】
具体的には、制御部23は、例えば共用端末装置10を介してユーザから取得した配車要求を示す信号に基づいて、共用端末装置10の設置場所を特定する。制御部23は、記憶部22に記憶された地図情報に基づいて、共用端末装置10の設置場所の近傍で第1車両がユーザを乗車させるために停車可能な位置を特定し、特定された位置を乗車位置として決定する。第1車両は、例えばオンデマンドバス又はタクシー等の旅客車両であるが、これらに限られず任意の車両であってもよい。複数の停車可能な位置が特定された場合、制御部23は、当該複数の停車可能な位置の中から何れか1つの位置を自動的に選択してもよく、共用端末装置10を介してユーザに選択させてもよい。制御部23は、選択された位置を乗車位置として決定する。
【0036】
ステップS103:制御部23は、第1車両がステップS102の乗車位置に向かうように第1車両の運行計画を決定する。
【0037】
具体的には、制御部23は、第1車両が乗車位置に到着するまでの移動経路と、第1車両が乗車位置に到着する予定時刻と、を取得する。移動経路及び予定時刻の取得には、一般的な経路探索の手法が採用可能である。制御部23は、取得された移動経路及び予定時刻を含む運行計画を決定する。第1車両の運行計画は、例えば将来における第1車両の移動経路と、複数の時刻のそれぞれにおける第1車両の位置と、を示す情報を含むが、これに限られず第1車両の運行に関する任意の情報が含まれてもよい。第1車両は、情報処理装置20によって決定された運行計画に従って乗車位置に向かうように、自動運転又は運転者の手動運転により運行する。
【0038】
ステップS104:制御部23は、ステップS103で取得された第1車両の乗車位置及び予定時刻を通知する。
【0039】
乗車位置及び予定時刻の通知先は、任意に定められてもよい。例えば、共用端末装置10が通知先に含まれてもよい。かかる場合、ユーザは、共用端末装置10を介して第1車両の乗車位置及び予定時刻を認識し得る。また、ユーザの携帯端末が通知先に含まれてもよい。具体的には、記憶部14は、複数のユーザそれぞれの携帯端末で使用されるユーザアカウント、メールアドレス、又は電話番号等を示す情報を予め記憶する。制御部23は、ステップS100で共用端末装置10からユーザの認証情報を取得した場合、当該認証情報を用いてユーザを認証及び特定する。制御部23は、特定されたユーザのユーザアカウント、メールアドレス、又は電話番号等を示す情報を用いて、ユーザの携帯端末に第1車両の乗車位置及び予定時刻を通知する。ユーザは、共用端末装置10又は携帯端末を介して乗車位置及び予定時刻を認識し得る。
【0040】
また、共用端末装置10が店舗に設置されている共用端末装置10bである場合、当該店舗の従業員によって使用されるコンピュータが通知先に含まれてもよい。具体的には、記憶部14は、共用端末装置10bが設置されているコンピュータで使用されるユーザアカウント、メールアドレス、又は電話番号等を示す情報を予め記憶する。制御部23は、当該情報を用いて、店舗のコンピュータに第1車両の乗車位置及び予定時刻を通知する。店舗の従業員は、当該コンピュータを介して乗車位置及び予定時刻を認識することによって、例えば予定時刻までにユーザを乗車位置まで誘導する等のサービスを実施可能となる。
【0041】
図6を参照して、本実施形態に係るシステム1の第2動作について説明する。
【0042】
ステップS200:店舗に設置されている共用端末装置10bの制御部15は、ユーザによる特定の第2操作を検出すると、退店手続を開始する。制御部15は、退店手続の開始を情報処理装置20に通知する。
【0043】
具体的には、制御部15は、退店手続の開始を示す信号を、通信部11及びネットワーク30を介して情報処理装置20へ送信する。第2操作は、例えば店舗でユーザが支払うべき料金の会計を要求する操作等を含み得るが、これに限られず任意の操作を含んでもよい。退店手続は、例えば利用料金の決済手続等を含み得るが、これに限られずユーザが退店する際に実施される任意の手続を含んでもよい。
【0044】
ステップS201:情報処理装置20の制御部23は、共用端末装置10bを介してユーザに、第1車両を配車する提案(以下、「配車提案」ともいう)を通知する。
【0045】
具体的には、制御部23は、通信部21及びネットワーク30を介して共用端末装置10bへ、配車提案を示す情報を送信する。配車提案を示す情報は、例えば第1車両の配車をユーザに提案するメッセージを含むが、これに限られない。
【0046】
ステップS202:共用端末装置10bの制御部15は、情報処理装置20から取得した配車提案をユーザに通知する。
【0047】
具体的には、制御部15は、出力部13を介して、配車提案を示す情報をユーザに通知する。ユーザは、配車提案の通知によって、共用端末装置10bを介して第1車両の配車を要求可能であることを認識し得る。
【0048】
図7を参照して、本実施形態に係るシステム1の第3動作について説明する。
【0049】
ステップS300:第2車両に設置されている共用端末装置10cの制御部15は、第2車両で移動中のユーザが第2車両から降車する予定位置に第2車両が到着する前に、予定位置への第2車両の接近を情報処理装置20に通知する。
【0050】
第2車両は、例えば自動車、列車、又は飛行機等の車両であるが、これらに限られず任意の旅客車両であってもよい。予定位置への第2車両の接近は、任意の手法で検出可能である。例えば制御部15は、第2車両の現在位置と予定位置との距離が所定の閾値未満になったときに、第2車両が予定位置へ接近したと判定してもよい。
【0051】
ステップS301:情報処理装置20の制御部23は、共用端末装置10cを介してユーザに配車提案を通知する。
【0052】
ステップS302:共用端末装置10cの制御部15は、情報処理装置20から取得した配車提案をユーザに通知する。
【0053】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20は、それぞれ異なる場所に設置されている複数の共用端末装置10と通信可能である。情報処理装置20は、共用端末装置10を介してユーザから配車要求を取得する。情報処理装置20は、第1車両に当該ユーザを乗車させる乗車位置を決定する。そして情報処理装置20は、決定された乗車位置に当該第1車両が向かうように、当該第1車両の運行計画を決定する。
【0054】
かかる構成によれば、ユーザは、例えばスマートフォン等の携帯端末を所持していなくても、任意の共用端末装置10の設置場所で第1車両の配車を要求できる。したがって、ユーザにとって第1車両の配車を要求する際の利便性が向上する点で、共用端末装置を用いてサービスを提供する技術が改善される。
【0055】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0056】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。
【0057】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る共用端末装置10又は情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る共用端末装置10又は情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 システム
10、10a~10c 共用端末装置
11 通信部
12 入力部
13 出力部
14 記憶部
15 制御部
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7