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特許7380670IGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-暗号化DNA作製物を用いた神経病症治療
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】IGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-暗号化DNA作製物を用いた神経病症治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 48/00 20060101AFI20231108BHJP
   A61K 38/18 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 38/30 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20231108BHJP
   C07K 14/62 20060101ALI20231108BHJP
   C12N 15/17 20060101ALI20231108BHJP
   C12N 15/85 20060101ALI20231108BHJP
   C12N 5/10 20060101ALN20231108BHJP
   C12P 21/02 20060101ALN20231108BHJP
【FI】
A61K48/00
A61K38/18 ZNA
A61K38/30
A61P25/00
C07K14/62
C12N15/17
C12N15/85 Z
C12N5/10
C12P21/02 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021502742
(86)(22)【出願日】2019-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 IB2019001399
(87)【国際公開番号】W WO2020079489
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】62/699,667
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518069438
【氏名又は名称】ヘリックスミス カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イ、チュンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ネヨン
(72)【発明者】
【氏名】コ、キョン、リャン
【審査官】新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-520784(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0296142(US,A1)
【文献】国際公開第2016/039163(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0353937(US,A1)
【文献】特表2017-532068(JP,A)
【文献】The FASEB Journal,2018年04月16日,Vol.32, No.9,pp.5119-5131
【文献】Annals of Clinical and Translational Neurology,2015年,Vol.2, No.5,pp.465-478
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 48/00
A61K 38/30
A61K 38/18
A61P 25/00
C12N 15/17
C12N 15/85
C07K 14/62
C12P 21/02
C12N 5/10
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号13のポリヌクレオチド;及び
(i)配列番号10のポリヌクレオチド、又は(ii)配列番号15のポリヌクレオチド及び配列番号17のポリヌクレオチド
を含む、神経病症を治療するための薬学組成物。
【請求項2】
配列番号33のポリヌクレオチド、及び配列番号10又は配列番号39のポリヌクレオチドを含む、神経病症を治療するための薬学組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の交差参照]
本出願は、2018年7月17日に出願された米国仮出願番号62/699,667の優先権を主張し、これは、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
[配列目録]
本出願は、EFS-Webを通じて提出された配列目録を含み、これは、参照するによってその全体として組み込まれる。前記ASCIIコピー本は2019年7月1日に生成され、37536US_CRF_sequencelisting.txtと命名されており、そのサイズは130,163バイトである。
【背景技術】
【0003】
神経病症は、神経損傷に由来する慢性の病理的状態である。神経病症は、糖尿の共通的結果であり、糖尿患者における神経病症を、特に、糖尿性神経病症と呼ぶ。神経病症はまた、感染(例えば、ヘルペス、感染後に起きる関連した神経病症は、帯状疱疹後神経痛と知られている;HIV/AIDS;ライム病:ハンヘン病;梅毒;及び帯状疱疹);自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、全身性ループス、及びギラン-バレー症候群 );遺伝子又は遺伝性疾患(例えば、フリードライヒ運動失調症(Friedreich’s ataxia)及びシャルコ-マリー-トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease));アミロイドーシス;尿毒症;毒素、毒薬、又は 薬物への曝露;外傷;又は傷害によって生じた神経損傷によっても起こることがある。特定の場合、前記原因は未知である場合もあり、この場合、その神経病症を特発性神経病症と呼ぶ。
【0004】
原因にかかわらず、神経病症は特徴的症状と関連し、それは部分的に、疼痛(神経性疼痛)、他の感覚欠損(例えば、感覚の部分的又は全体欠損を含む無感覚症;及び無感覚(numbness)、しびれ(tingling)などを始めとする感覚異常)、運動欠陥(例えば、無力、反射消失(loss of reflexes)、筋肉消失(loss of muscle mass)、痙攣、機敏さの鈍化(loss of dexterity)など)、及び自律神経失調症(例えば、吐き気、嘔吐、勃起不全、めまい、便泌、下痢など)のように、神経損傷の解剖学的位置に依存する(例えば、末梢神経病症、頭蓋骨神経病症、自律神経病症、局所(focal)神経病症)。
【0005】
神経病症は、日常的には、関連症状を対処する方式で治療し、病因が知られている場合は、神経病症の根本的原因を治療することによって治療する。例えば、疼痛薬物、又は糖尿病、自己免疫疾患、感染若しくはビタミン不足に対しては医学的治療を用いてきた。しかし、これらの方法は、神経損傷自体を治療するものではない。
【0006】
したがって、神経病症と関連した神経損傷を防止して修復できる効果的な治療方法が必要である。
【0007】
様々な成長因子が神経病症を治療する可能な製剤として提示され、ケスラー(Kessler)らは、近年、糖尿性末梢神経病症において肝細胞成長因子(HGF)の成功的な二重盲検、偽薬調節第2相ヒト臨床を報告した。Kessler等、Annals Clin.Transl.Neurology2(5):465-478(2015)。また、米国特許第9,963,493号を参照するが、これは、参照によってその全体がここに組み込まれる。
【0008】
HGF発現DNA作製物によって糖尿性末梢神経病症を治療するのに臨床的に成功したにもかかわらず、神経病症を引き起こす広範な原因及び広範な神経病症臨床症状があるため、HGFと他の治療剤を用いる治療法を始めとして更なる治療法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ヒトIGF-1異型体を発現できるIGF-1-暗号化DNA作製物及びヒトHGF異型体を発現できるHGF-暗号化DNA作製物を組み合わせて投与すれば、神経病症と関連した症状を治療するのに効果的であるという新しい発見に基づく。前記2つのDNA作製物の組合せ物の治療効果は、HGF-暗号化DNA作製物自体の治療効果よりも大きいということが証明された(例えば、VM202又はpCK-HGF728)。本発明はまた、併用療法に使用可能な、IGF-1異型体又はHGF異型体を暗号化する様々なDNA作製物を提供する。また、生体内で、神経病症と関連した症状を治療するのに効果的であると証明された、DNA作製物を投与する方法が提供される。
【0010】
したがって、本発明は、IGF-1及びHGF異型体を用いて神経病症を治療する新規な併用療法を提供する。
【0011】
詳細には、一観点において、本発明は、神経病症を治療する方法であって、(1)神経病症を持つ対象体にヒトIGF-1異型体を発現可能な第1IGF-1-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階;及び(2)前記対象体にヒトHGF異型体を発現可能な第1HGF-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階を含む方法を提供する。
【0012】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号14のポリペプチドを含むクラス(Class)I IGF-1Eaタンパク質又は配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質を発現させることができる。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号18のポリペプチドを含むクラスII IGF-1Eaタンパク質及び配列番号20のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ebタンパク質の両方を全て発現させることができるわけではない。
【0013】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号15のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記方法は、前記対象体に第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含み、前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号17のポリヌクレオチドを含む。
【0014】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号17のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記方法は、前記対象体に第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含み、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号15のポリヌクレオチドを含む。
【0015】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、同時に行われる。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、順次に行われる。
【0016】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、1つより多いヒトIGF-1異型体を暗号化する。一具体例において、1つより多いヒトIGF-1異型体は、配列番号14のポリペプチド及び配列番号16のポリペプチドを含む。
【0017】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は:配列番号1の第1IGFポリヌクレオチド(エクソン1、3、及び4)又はその縮退物;配列番号2の第2IGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその断片物;配列番号3の第3IGFポリヌクレオチド(エクソン5及び6-1)又はその縮退物;配列番号4の第4IGFポリヌクレオチド(イントロン5)又はその断片物;及び配列番号5の第5IGFポリヌクレオチド(エクソン6-2)又はその縮退物を含み、前記第1ポリヌクレオチド、前記第2ポリヌクレオチド、前記第3ポリヌクレオチド、前記第4ポリヌクレオチド、及び前記第5ポリヌクレオチドは、順次に5’から3’の順に連結される。
【0018】
一具体例において、前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号6のポリヌクレオチドである。一具体例において、前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号7のポリヌクレオチドである。一具体例において、前記第4IGFポリヌクレオチドは、配列番号8のポリヌクレオチドである。
【0019】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターを含む。一具体例において、前記プラスミドベクターは、pCKである。一具体例において、前記プラスミドベクターは、pTxである。
【0020】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号10のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号9のポリヌクレオチドを含む。
【0021】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、対象体において疼痛を減少させるのに十分な量で投与される。一具体例において、前記対象体は、糖尿性神経病症を有する。
【0022】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、複数の筋肉内注射で投与される。
【0023】
一具体例において、前記ヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF又は配列番号12のdHGFである。
【0024】
一具体例において、前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、1つより多いヒトHGF異型体を暗号化する。一具体例において、前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化し、前記2つのヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFである。
【0025】
一具体例において、前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターを含み、選択的に、前記プラスミドベクターは、pCKベクター又はpTxベクターである。
【0026】
一具体例において、前記第1HGF-暗号化DNA作製物は:配列番号22のエクソン1-4の第1HGFポリヌクレオチド又はその縮退物;配列番号25のイントロン4の第2HGFポリヌクレオチド又はその機能的断片物;及び配列番号23のエクソン5-18の第3HGFポリヌクレオチド又はその縮退物を含み、前記第2HGFポリヌクレオチドは、前記第1HGFポリヌクレオチド及び前記第3HGFポリヌクレオチドの間に位置し、及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化する。
【0027】
一具体例において、前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む。
【0028】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、併用投与される。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、筋肉内注射で併用投与される。
【0029】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、別々に行われる。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、少なくとも3週の間隔で行われる。
【0030】
一具体例において、前記方法は、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFから選ばれるヒトHGF異型体を発現可能な第2HGF-暗号化DNA作製物を前記対象体に投与する段階をさらに含む。
【0031】
一具体例において、前記方法は、神経病症を有する対象体に、配列番号13のポリヌクレオチドを含むHGF-暗号化DNA作製物を投与する段階;及び前記対象体に、配列番号10のポリヌクレオチド又は配列番号9のポリヌクレオチドを含むIGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階を含み、前記HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、少なくとも3週の間隔で行われる。
【0032】
一具体例において、前記方法は、神経病症を有する対象体に、配列番号33のポリヌクレオチドを含むHGF-暗号化DNA作製物を投与する段階;及び前記対象体に、配列番号10のポリヌクレオチド又は配列番号9のポリヌクレオチドを含むIGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階を含み、前記HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、少なくとも3週の間隔で行われる。
【0033】
一具体例において、前記方法は、神経病症を有する対象体に、配列番号13のポリヌクレオチドを含むHGF-暗号化DNA作製物を投与する段階;及び前記対象体に、配列番号15のポリヌクレオチドを暗号化する第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び配列番号17のポリヌクレオチドを暗号化する第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階を含み、前記HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、少なくとも3週の間隔で行われる。
【0034】
他の観点において、本発明は:少なくとも1つのヒトIGF-1異型体を発現可能なIGF-1-暗号化DNA作製物;少なくとも1つのヒトHGF異型体を発現可能なHGF-暗号化DNA作製物、及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
【0035】
一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号14のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Eaタンパク質又は配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質を暗号化する。
【0036】
一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、1つより多いヒトIGF-1異型体を暗号化する。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、2つのヒトIGF-1異型体を暗号化し、前記2つのヒトIGF-1異型体は、配列番号14のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Eaタンパク質及び配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質である。
【0037】
一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は:配列番号1の第1IGFポリヌクレオチド(エクソン1、3、及び4)又はその縮退物;配列番号2の第2IGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその断片物;配列番号3の第3IGFポリヌクレオチド(エクソン5及び6-1)又はその縮退物;配列番号4の第4IGFポリヌクレオチド(イントロン5)又はその断片物;及び配列番号5の第5IGFポリヌクレオチド(エクソン6-2)又はその縮退物を含み、前記第1ポリヌクレオチド、前記第2ポリヌクレオチド、前記第3ポリヌクレオチド、前記第4ポリヌクレオチド、及び前記第5ポリヌクレオチドは順次に、5’から3’の方向に連結されている。
【0038】
一具体例において、前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号6のポリヌクレオチドである。一具体例において、前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号7のポリヌクレオチドである。一具体例において、前記第4IGFポリヌクレオチドは、配列番号8のポリヌクレオチドである。
【0039】
一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターをさらに含む。一具体例において、前記プラスミドベクターは、pCKである。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1X10からなる群から選ばれる。一具体例において、前記プラスミドベクターは、pTxである。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、pTx-IGF-1X6及びpTx-IGF-1X10からなる群から選ばれる。
【0040】
一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号9のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号10のポリヌクレオチドを含む。
【0041】
一具体例において、前記少なくとも1つのヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF又は配列番号12のdHGFである。一具体例において、前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFの両方を発現させることができる。
【0042】
一具体例において、前記HGF-暗号化DNA作製物は:配列番号22の第1HGFポリヌクレオチド(エクソン1-4)又はその縮退物;配列番号25の第2HGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその機能的断片物;及び配列番号23の第3HGFポリヌクレオチド(エクソン5-18)又はその縮退物を含み、前記第2HGFポリヌクレオチドは、前記第1HGFポリヌクレオチドと前記第3HGFポリヌクレオチドの間に位置し、及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化する。
【0043】
一具体例において、前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号26-32及び13のうち任意のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号13のポリヌクレオチド含む。
【0044】
一具体例において、前記薬学組成物は、配列番号13のポリヌクレオチド;及び配列番号9のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記薬学組成物は配列番号13のポリヌクレオチド;及び配列番号10のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記薬学組成物は、配列番号13のポリヌクレオチド;配列番号15のポリヌクレオチド又は配列番号17のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記薬学組成物は、配列番号13のポリヌクレオチド;配列番号15のポリヌクレオチド及び配列番号17のポリヌクレオチドを含む。
【0045】
一具体例において、前記薬学組成物は、配列番号33のポリヌクレオチド及び配列番号9、配列番号10、配列番号15、又は配列番号17のポリヌクレオチドを含む。
【0046】
他の観点において、本発明は、神経病症を治療するキットを提供し、前記キットは:少なくとも1つのヒトIGF-1異型体を発現可能なIGF-1-暗号化DNA作製物、及び第1薬学的に許容可能な賦形剤を含む第1薬学組成物;及び少なくとも1つのヒトHGF異型体を発現可能なHGF-暗号化DNA作製物、及び第2薬学的に許容可能な賦形剤を含む第2薬学組成物を含む。
【0047】
一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号14のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Eaタンパク質又は配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質を暗号化する。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、1つより多いヒトIGF-1異型体を含む。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、2つのヒトIGF-1異型体を含み、前記2つのヒトIGF-1異型体は、配列番号14のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Eaタンパク質及び配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質である。
【0048】
一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は:配列番号1の第1IGFポリヌクレオチド(エクソン1、3、4)又はその縮退物;配列番号2の第2IGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその断片物;配列番号3の第3IGFポリヌクレオチド(エクソン5及び6-1)又はその縮退物;配列番号4の第4IGFポリヌクレオチド(イントロン5)又はその断片物;及び配列番号5の第5IGFポリヌクレオチド(エクソン6-2)又はその縮退物を含み、前記第1ポリヌクレオチド、前記第2ポリヌクレオチド、前記第3ポリヌクレオチド、前記第4ポリヌクレオチド、及び前記第5ポリヌクレオチドは順次に、5’から3’の順に連結されている。
【0049】
一具体例において、前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号6のポリヌクレオチドである。一具体例において、前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号7のポリヌクレオチドである。一具体例において、前記第4IGFポリヌクレオチドは、配列番号8のポリヌクレオチドである。
【0050】
一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターをさらに含む。一具体例において、前記プラスミドベクターは、pCKである。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、pCK-IGF-1X6又はpCK-IGF-1X10を含む。一具体例において、前記プラスミドベクターは、pTxである。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、pTx-IGF-1X6又はpTx-IGF-1X10を含む。
【0051】
一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号9のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号10のポリヌクレオチドを含む。
【0052】
一具体例において、前記少なくとも1つのヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF又は配列番号12のdHGFである。一具体例において、前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFの両方を発現させることができる。
【0053】
一具体例において、前記HGF-暗号化DNA作製物は:配列番号22の第1HGFポリヌクレオチド(エクソン1-4)又はその縮退物;配列番号25の第2HGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその機能的断片物;及び配列番号23の第3HGFポリヌクレオチド(エクソン5-18)又はその縮退物を含み、前記第2HGFポリヌクレオチドは、前記第1HGFポリヌクレオチドと前記第3HGFポリヌクレオチドの間に位置し、及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化する。
【0054】
一具体例において、前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号26-32及び13のうち任意のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む。
【0055】
一具体例において、前記第1薬学組成物は、配列番号9のポリヌクレオチドを含み;及び前記第2薬学組成物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む。
【0056】
一具体例において、前記第1薬学組成物は、配列番号10のポリヌクレオチドを含み;及び前記第2薬学組成物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む。
【0057】
一具体例において、前記第1薬学組成物は、配列番号15のポリヌクレオチド及び配列番号17のポリヌクレオチドを含み;及び前記第2薬学組成物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む。
【0058】
一具体例において、前記第1薬学組成物は、配列番号9、配列番号10、配列番号15、又は配列番号17のポリヌクレオチドを含み、及び前記第2薬学組成物は、配列番号33のポリヌクレオチドを含む。
【0059】
他の観点において、本開示は、神経病症を有する対象体に、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階、及び前記対象体に、ヒトHGF異型体を発現可能な第1HGF-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階を含む、神経病症を治療する医学的方法に用いるための、ヒトIGF-1異型体を発現可能な第1IGF-1-暗号化DNA作製物を提供する。
【0060】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号14のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Eaタンパク質又は配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質を発現させることができる。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号18のポリペプチドを含むクラスII IGF-1Eaタンパク質及び配列番号20のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ebタンパク質の両方を全て発現させることができるわけではない。
【0061】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号15のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記医学的方法は、前記対象体に第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する方法をさらに含み、前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号17のポリヌクレオチドを含む。
【0062】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号17のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記医学的方法は、前記対象体に第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する方法をさらに含み、前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号15のポリヌクレオチドを含む。
【0063】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、同時に行われる。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、順次に行われる。
【0064】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、1つより多いヒトIGF-1異型体を暗号化する。一具体例において、前記1つより多いヒトIGF-1異型体は、配列番号14のポリペプチド及び配列番号16のポリペプチドを含む。
【0065】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は:配列番号1の第1IGFポリヌクレオチド(エクソン1、3、4)又はその縮退物;配列番号2の第2IGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその断片物;配列番号3の第3IGFポリヌクレオチド(エクソン5及び6-1)又はその縮退物;配列番号4の第4IGFポリヌクレオチド(イントロン5)又はその断片物;及び配列番号5の第5IGFポリヌクレオチド(エクソン6-2)又はその縮退物を含み、前記第1ポリヌクレオチド、前記第2ポリヌクレオチド、前記第3ポリヌクレオチド、前記第4ポリヌクレオチド、及び前記第5ポリヌクレオチドは順次に、5’から3’の順に連結されている。
【0066】
一具体例において、前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号6のポリヌクレオチドである。一具体例において、前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号7のポリヌクレオチドである。一具体例において、前記第4IGFポリヌクレオチドは、配列番号8のポリヌクレオチドである。
【0067】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターを含む。一具体例において、前記プラスミドベクターは、pCKである。一具体例において、前記プラスミドベクターは、pTxである。
【0068】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号10のポリヌクレオチドを含む。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号9のポリヌクレオチドを含む。
【0069】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、前記対象体において疼痛を減少させるのに十分な量で投与される。一具体例において、前記対象体は、糖尿性神経病症を有する。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、多重の筋肉内注射で投与される。
【0070】
一具体例において、前記ヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF又は配列番号12のdHGFである。一具体例において、前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、1つより多いヒトHGF異型体を暗号化する。一具体例において、前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化し、前記2つのヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFである。
【0071】
一具体例において、前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターを含み、選択的に、前記プラスミドベクターは、pCKベクター又はpTxベクターである。一具体例において、前記第1HGF-暗号化DNA作製物は:配列番号22の第1HGFポリヌクレオチド(エクソン1-4)又はその縮退物;配列番号25の第2HGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその機能的断片物;及び配列番号23の第3HGFポリヌクレオチド(エクソン5-18)又はその縮退物を含み、前記第2HGFポリヌクレオチドは、前記第1HGFポリヌクレオチド及び前記第3HGFポリヌクレオチドの間に位置し、及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化する。
【0072】
一具体例において、前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む。
【0073】
一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、併用投与される。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、筋肉内注射で投与される。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、別々に行われる。一具体例において、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、少なくとも3週の間隔で行われる。
【0074】
一具体例において、前記医学的方法は、前記対象体に、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFから選ばれるヒトHGF異型体を発現可能な第2HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含む。
【0075】
他の観点において、本開示は、神経病症を有する対象体に、前記第1HGF-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階、及び前記対象体に、ヒトIGF-1異型体を発現可能なIGF-1-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階を含む、神経病症を治療する方法に用いるための、ヒトHGF異型体を発現可能な第1HGF-暗号化DNA作製物をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】転写開始部位及び選択的スプライシング部位を含むヒトIGF-1遺伝子を図式的に示す。前記IGF-1遺伝子から自然的に生成されたIGF-1異型体は、クラスI Ec(異型体#1);クラスII Ea(異型体#2);クラスI Eb(異型体#3);及びクラスI Ea(異型体#4)を含む。
図2A】HGF-暗号化DNA作製物(VM202)及び単一IGF-1異型体を暗号化するDNA作製物を慢性収縮性損傷(chronic constriction injury(CCI))モデルに同時に投与する治療効能を試験する実験方式を概括的に示す。
図2B図2Aに説明の実験において、CCIマウスから又はシャムマウスから測定された足引っ込みの頻度(%)を示すグラフである。前記CCIマウスに、DNA作製物-(i)pCKベクター(“pCK”)、(ii)VM202(“VM202”)、又は(iii)VM202プラス(+)IGF-1-暗号化DNA作製物-VM202及びpCK-IGF-1#1(“1”)、VM202及びpCK-IGF-1#2(“2”)、VM202及びpCK-IGF-1#3(“3”)、又はVM202及びpCK-IGF-1#4(“4”)を注射した。
図3A】慢性収縮性損傷(CCI)モデルにおいて、HGF-暗号化DNA作製物(VM202)及び単一IGF-1異型体を暗号化する1つ又は2つのDNA作製物の同時投与に対する治療効能を試験する実験方式を概括的に示す。
図3B図3Aに説明の実験において、CCIマウスから又はシャムマウスから測定された足引っ込みの頻度(%)を示すグラフである。前記CCIマウスにDNA作製物-(i)pCKベクター(“pCK”)、(ii)VM202(“VM202”)、又は(iii)VM202及びIGF-1-暗号化DNA作製物-VM202及びpCK-IGF-1#l(“1”)、VM202及びpCK-IGF-1#4(“4”)、又はVM202、pCK-IGF-1#l及びpCK-IGF-1#4(“1+4”)を注射した。
図4A】慢性収縮性損傷(CCI)モデルにおいて、HGF-暗号化DNA作製物(VM202)及び2つのIGF-1-暗号化DNA作製物、pCK-IGF-1#l及びpCK-IGF-1#4の順次投与に対する治療効能を試験する実験方式を概括的に示す。
図4B図4Aに説明の実験において、CCIマウスから測定された足引っ込みの頻度(%)を示すグラフである。前記CCIマウスに1つ以上のDNA作製物-(i)第1注射でpCKベクター及び第2注射でpCKベクター(“pCK”)、(ii)第1注射でpCK-IGF-1#l及びpCK-IGF-1#4並びに第2注射でpCK-IGF-1#l及びpCK-IGF-1#4(“IGF-1->IGF-1”)、(iii)第1注射でVM202及び第2注射でpCKベクター(“VM202->pCK”)、(iv)第1注射でpCK-IGF-1#l及びpCK-IGF-1#4並びに第2注射でpCKベクター(“IGF-1->pCK”)、(v)第1注射でpCK-IGF-1#l及びpCK-IGF-1#4並びに第2注射でVM202(“IGF-1->VM202”)、(vi)第1注射でVM202及び第2注射でVM202(“VM202->VM202”)、又は(vii)第1注射でVM202並びに第2注射でpCK-IGF-1#l及びpCK-IGF-1#4(“VM202->IGF-1異型体”)を2回注射した。
図5A】様々なDNA作製物からIGF-1異型体の生体内発現を評価するために実施例3に用いられた実験方式を概括的に示す。
図5B】下記を暗号化するDNA作製物を注射した後に発現した総ヒトIGF-1異型体の量を測定したELISAの結果を示す:(ベクター単独、“pCK”);pCK-IGF-1#l(“1”);pCK-IGF-1#4(“4”);pCK-IGF-1#1及びpCK-IGF-1#4(“1+4”);及び二重発現作製物pCK-IGF-1X6(“X6”)及びpCK-IGF-1X10(“X10”)。
図6A】IGF-1異型体#1(クラスI Ec異型体)及び#4(クラスI Ea異型体)の発現を区別するためにRT-PCRにおいて用いられた順方向(“F”)及び逆方向(“R”)プライマーの位置を示す。
図6B】RT-PCR生成物のアガロースゲル電気泳動を示すものであり、二重発現作製物pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1X10から異型体#1及び#4の発現を示す。pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1X10の両方とも、両タンパク質の発現を高レベルで誘導した。
図7A】293T細胞においてIGF-1-暗号化DNA作製物からタンパク質発現を試験管内で評価する実施例3に用いられた方式を概括的に説明する。
図7B】(i)pCK-IGF-1#1(“1”)、(ii)pCK-IGF-1#4(“4”)、(iii)2つの単一発現作製物、pCK-IGF-1#1及びpCK-IGF-1#4(“1+4”)、(iv)二重発現作製物pCK-IGF-1X6(“X6”)、又は(v)二重発現作製物pCK-IGF-1X10(“X10”)を試験管内形質感染させた後、IGF-1異型体#1及び/又は#4の発現を証明するウェスタンブロッティング結果を示す。
図8A】CCI動物モデルにおいて機械的異質痛を減少させるとき、HGF-暗号化作製物、VM202、及び様々なIGF-1-暗号化DNA作製物の同時投与に対する効能を試験するために実施例4に用いられた実験方式を概括的に示す。
図8B図8Aに説明の実験において、シャムマウス又はCCIマウスから測定された足引っ込みの頻度を示すグラフである。前記CCIマウスに1つ以上のDNA作製物-(i)pCKベクター(“pCK”)、(ii)VM202(“VM202”)、(iii)VM202、pCK-IGF-1#1及びpCK-IGF-1#4(“IGF-1#1+ #4”)、(iv)VM202及びpCK-IGF-1X6(“IGF-1X6”)及び(v)VM202及びpCK-IGF-1X10(“IGF-1X10”)を注射した。
図9A】CCI動物モデルにおいて機械的異質痛を減少させるとき、HGF728を発現させる作製物及び様々なIGF-1-暗号化DNA作製物の同時投与に対する効能を試験するために実施例5に用いられた実験方式を概括的に示す。
図9B図9Aに説明の実験において、シャムマウス又はCCIマウスから測定された足引っ込みの頻度を示すグラフである。
図9C図9Aに説明の実験において、シャムマウス又はCCIマウスから測定された足引っ込みの閾値を示すグラフである。前記CCIマウスに1つ以上の下記DNA作製物を注射した-ベクター単独(“CCI-pCK”)、又は(i)pCK-HGF728(“CCI-HGF728”)、(ii)pCK-HGF728及びpCK-IGF-1#1(“CCI-HGF728+IGF-1#l”)、(iii)pCK-HGF728及びpCK-IGF-1#4(“CCI-HGF728+IGF-1#4”)、又は(iv)pCK-HGF728及びpCK-IGF-1X10(“CCI-HGF728+IGF-1X10”)。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図面は、本発明の様々な具体例を説明するための目的でのみ示されている。当該分野における技術者は、本明細書で説明された構造と方法に関する具体例が、明細書で説明された発明の原理から逸脱することなく利用可能であるということが、下記の議論から容易に認識できよう。
【0078】
1. 定義
別に断らない限り、本明細書で使われた全ての技術的及び学術的用語は、本発明の属する分野における技術者に共通に理解される意味を有する。本明細書で使われるように、下記用語は、下記のようにそれらに与えられた意味を有する。
【0079】
本明細書で使われるように、用語“IGF-1の異型体”、“ヒトIGF-1異型体”又は“IGF-1異型体”は、ヒトの自然発生プレ-プロ-IGF-1ポリペプチド、又はその同型変異体、スプライス変異体、又は欠損変異体のうち1つのアミノ酸配列と少なくとも80%同じアミノ酸配列を有するポリペプチドのことを指し、相互に同じ意味で使われる。前記自然発生プレ-プロ-IGF-1ポリペプチドは、クラスI,Ec(配列番号16);クラスII,Ea(配列番号18);クラスI,Eb(配列番号20);及びクラスI,Ea異型体(配列番号14)を含む。
【0080】
用語“異型体#1”、“クラスI,Ec異型体”、“クラスI,IGF-1Ec異型体”又は“クラスI,IGF-1Ec”は、本明細書において配列番号16のポリペプチドのことを指し、相互に同じ意味で使われる。
【0081】
用語“異型体#2”、“クラスII,Ea異型体”、“クラスII,IGF-1Ea異型体”又は“クラスII,IGF-1Ea”は、本明細書において配列番号18のポリペプチドのことを指し、相互に同じ意味で使われる。
【0082】
用語“異型体#3”、“クラスI,Eb異型体”、“クラスI,IGF-1Eb異型体”又は“クラスI,IGF-1Eb”は、本明細書において配列番号20のポリペプチドのことを指し、相互に同じ意味で使われる。
【0083】
用語“異型体#4”、“クラスI,Ea異型体”、“クラスI,IGF-1Ea異型体”又は“クラスI,IGF-1Ea”は、本明細書において配列番号14のポリペプチドのことを指し、相互に同じ意味で使われる。
【0084】
用語“治療”とは、本明細書で使われるように、(a)神経病症症状の抑制;(b)神経病症症状の改善;及び(c)神経病症症状の除去、という全ての行為を指す。一具体例において、本発明の組成物は、神経細胞を成長させること又は神経細胞死滅を抑制することによって神経病症を治療することができる。
【0085】
用語“VM202”は、本明細書で使われるように、pCK-HGF-X7にも命名されるプラスミドDNAをのこと指し、これは、pCKベクター(配列番号24)及び前記pCKベクターにクローンされたHGF-X7(配列番号13)を含む。VM202は、ブダペスト条約下で、韓国微生物保存センター(KCCM)にKCCM-10361の受託番号として2002年3月12日に寄託された。
【0086】
用語“HGFの異型体”は、本明細書で使われるように、人を含む動物において自然発生的HGFポリペプチドのアミノ酸配列に少なくとも80%同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す。前記用語は、任意の全長野生型HGFポリペプチドに少なくとも80%一致するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、及び自然発生的HGF対立変異体(variant)、スプライス変異体、又は結実変異体に少なくとも80%一致するアミノ酸配列を有するポリペプチド。本発明に好ましく用いられるHGFの異型体は、全長HGF(flHGF)(fHGFと同意使用)、欠損された変異HGF(dHGF)、NK1、NK2、及びNK4からなる群から選ばれる2つ以上の異型体を含む。本発明のより好ましい具体例によって、本明細書で説明された前記方法に用いられるHGFの異型体は、flHGF(配列番号11)及びdHGF(配列番号12)を含む。
【0087】
用語“ヒトflHGF”、“flHGF”及び“fHGF”は、本明細書において、ヒトHGFタンパク質のアミノ酸1-728で構成されるタンパク質のことを指し、相互に同じ意味で使用可能である。flHGFの配列は、配列番号11で提供される。
【0088】
用語“ヒトdHGF”及び“dHGF”は、本明細書においてヒトHGF遺伝子の選択的スプライシング(alternative splicing)によって生成されたHGFタンパク質の欠損変異体のことを指し、相互に同じ意味で使われる。詳細には、“ヒトdHGF”又は“dHGF”は、前記全長HGF配列におけるアルファ鎖の第1クリングルドメインにおいて5個のアミノ酸(F、L、P、S、及びS)の欠損を持つヒトHGFタンパク質のことを指す。ヒトdHGFは、723個アミノ酸長である。ヒトdHGFのアミノ酸配列は、配列番号12で提供される。
【0089】
用語“治療的有効投与量”又は“有効量”は、本明細書で使われるように、投与時に所望の効果を生成させる投与量又は量のことを指す。本方法の脈絡において、治療的有効量は、神経病症の症状を治療するのに有効な量である。前記量は、それ単独又は他の治療剤との組合せで神経病症の症状を治療するのに有効な量でよい。
【0090】
用語“十分な量”は、本明細書で使われるように、所望の効果を発生させるのに十分な量を指す。前記量は、それ単独で又は他の治療剤との組合せで所望の効果を生成するのに十分な量でよい。
【0091】
用語“縮退配列”は、本明細書で使われるように、参照核酸配列から翻訳された配列と同じアミノ酸配列を提供するように翻訳され得る核酸配列のことを指す。
【0092】
2. その他解釈上の規例
本明細書で引用される範囲は、引用された終結点を始めとする、その範囲内の全ての値に対する略称と理解される。例えば、1~50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、及び50からなる群からの任意の数、数字の組合せ、又は副次範囲を含むものと理解される。
【0093】
3. 神経病症を治療する方法
第1観点において、神経病症を治療する方法が提供される。前記方法は、神経病症を有する対象体にヒトIGF-1異型体を発現可能な第1IGF-1-暗号化DNA作製物の治療的有効量;及びヒトHGF異型体を発現可能な第1HGF-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与することを含む。
【0094】
3.1. IGF-1-暗号化DNA作製物
本明細書で提供される方法において、ヒトIGF-1の少なくとも1つの異型体を発現させることができるDNA作製物を用いる。
【0095】
図1に示すように、前記ヒトIGF-1遺伝子は、約90kbのゲノム性DNAに亘っている6個エクソン(エクソン1、2、3、4、5、及び6(6-1及び6-2))を含む。エクソン1及び2は、相互排他的リーダーエクソンであり、それぞれ様々に用いられる多重プロモーターを有する。また、前記IGF-1遺伝子は異なるようにスプライシングされ、多重の転写体変異体を生成できる。各転写体変異体は、可変的信号ペプチドリーダー配列を保有する異なるプレ-プロ-IGF-1タンパク質(“IGF-1異型体”)を暗号化する。全ての前記転写体異型体は、プロセシング後に、同じ受容体を用いる同じ成熟した70個のアミノ酸IGF-1ペプチドを生じさせる。
【0096】
前記プレ-プロ-IGF-1ペプチドは、それらのリーダー、又は信号、配列及びカルボキシ(C)末端において異なる。エクソン1又はエクソン2の結合は相互排他的であり、これらのいずれか一方は、前記プレ-プロ-IGF-1ペプチドのリーダー配列として作用する;前記異なるリーダーエクソンは、異なる5’-UTRを産生する。前記プレ-プロ-IGF-1ポリペプチドは、転写後にタンパク質分解切断されて、前記リーダー及び前記E-ペプチドカルボキシ末端を除去し、成熟した70個のアミノ酸IGF-1を生成する。
【0097】
エクソン1を含む転写体は、クラス1転写体と呼ばれ(例えば、図1において、クラスI,Ec;クラスI,Eb;及びクラスI,Ea)、且つエクソン2を含む転写体はクラス2転写体と呼ばれる(例えば、図1において、クラスII,Ea)。ほぼ全てのプレ-プロペプチドは、エクソン3に由来した信号ペプチドにおける27個のアミノ酸を含み、残りの信号配列は、エクソン1又は2を含むことから由来する。少数の転写体は、22個アミノ酸のより短い信号ペプチドを生成するエクソン3における異なる転写開始部位を用いる。エクソン3及び4は不変であり、及び成熟したIGF-1ペプチドのB、C、A、及びDドメインを暗号化し;エクソン4は、前記IGF-1ペプチドの3分の2を暗号化する。前記ヒトEbペプチドは、エクソン4及び5だけで構成されるが、Ecは、エクソン4、5、及び6を含む(図1)。
【0098】
転写の選択的スプライシング及び相互排他的開始は、異なるプレ-プロ-IGF-1ポリペプチドの生成結果(すなわち、IGF-1異型体)である図1に説明される。詳細には、少なくともエクソン1、3/4、5、及び6の断片物を含む、クラスI,Ec IGF-1異型体(配列番号16)は、配列番号17の配列を含む転写体から生成される。少なくともエクソン2、3/4、及び6を含む、クラスII,Ea IGF-1異型体(配列番号18)は、配列番号19の配列を含む転写体から生成される。少なくともエクソン1、3/4、及び5の断片物を含むクラスI,Eb IGF-1異型体(配列番号20)は、配列番号2lの配列を含む転写体から生成される。少なくともエクソン1、3/4、及び6の断片物を含む、クラスI,Ea IGF-1異型体(配列番号14)は、配列番号15の配列を含む転写体から生成される。
【0099】
たとえ前記様々な転写体から由来した成熟した前記IGF-1タンパク質が異ならないが、前記様々な転写体異型体が異なる調節役割を有することと提示されている。これらの変異体形態は、異なる安定性、結合パートナー、及び前記異型体に対する中枢的な調節役割を担う活性を保有する。たとえ、エクソン1を有するクラスI異型体は自己分泌/側分泌の形態で、エクソン2を有するクラスII異型体は、分泌された内分泌の形態であるという仮設があるが、前記異型体の生物学的意味は依然として不明である。これは、クラスII転写体が効率的分泌と関連した典型的な信号ペプチドモチーフを含むのに対し、クラスI転写体は、分泌を妨害する可能性があるより長い信号ペプチドを有するという発見に基づく。
【0100】
たとえ肝は2つの形態を全て利用し、肝クラスII転写体は発達中に優先して向上されるとしても、大部分の組織はクラスI転写体を使用するとされている。発達中に、前記IGF-1転写体の産物量(abundance)に多くの変化がある。クラス1,Eaは、活動的成長期間において最も豊富であり、及びクラス1,Ebは、たとえ低いレベルであるが、初期成長期において成長プレート全体にわたって均一に発現することが発見された。
【0101】
ヒトIGF-1の少なくとも1つの異型体を発現させることができるDNA作製物が提供される。このような単一発現作製物は、IGF-1異型体#1に対するコーディング配列を含むpCKベクターであるpCK-IGF-1#l;IGF-1異型体#2に対するコーディング配列を含むpCKベクターであるpCK-IGF-1#2;IGF-1異型体#3に対するコーディング配列を含むpCKベクターであるpCK-IGF-1#3;及びIGF-1異型体#4に対するコーディング配列を含むpCKベクターであるpCK-IGF-1#4を含むが、これに限定されない。一具体例において、それぞれ異なるIGF-1異型体を暗号化する1つより多いDNA作製物を使用する。例えば、クラスI,Ec異型体(異型体#1)を暗号化する第1作製物及びクラスI,Ea異型体(異型体#4)を暗号化する第2作製物を共に使用する。例えば、pCK-IGF-1#l及びpCK-IGF-1#4を共に使用することができる。
【0102】
このような単一発現作製物は、IGF-1異型体#1に対するコーディング配列を含むpTxベクターであるpTx-IGF-1#l;IGF-1異型体#2に対するコーディング配列を含むpTxベクターであるpTx-IGF-1#2;IGF-1異型体#3に対するコーディング配列を含むpTxベクターであるpTx-IGF-1#3;及びIGF-1異型体#4に対するコーディング配列を含むpTxベクターであるpTx-IGF-1#4をさらに含むが、これに制限されない。一具体例において、それぞれ異なるIGF-1異型体を暗号化する、1つより多いDNA作製物を使用する。例えば、クラスI,Ec異型体(異型体#1)を暗号化する第1作製物及びクラスI,Ea異型体(異型体#4)を暗号化する第2作製物を共に使用する。例えば、pTx-IGF-1#1及びpTx-IGF-1#4を共に使用することができる。
【0103】
一具体例において、2つ以上の異型体を発現させるDNA作製物(すなわち、“二重発現作製物”)を使用する。例えば、クラスI,Ec異型体及びクラスI,Ea異型体の両方を暗号化する単一DNA作製物を使用することができる。
【0104】
一具体例において、前記DNA作製物は、前記IGF-1異型体のうち1つのコーディング配列を含む。例えば、前記DNA作製物は、クラスI,Ea(異型体#4)(配列番号15);クラスI,Eb(異型体#3)(配列番号2l);クラスI,Ec(異型体#1)(配列番号17);又はクラスII,Ea(異型体#2)(配列番号19)を暗号化する配列を含むことができる。
【0105】
一具体例において、前記DNA作製物は、各異型体コーディング配列(CDS)に対する発現調節配列を含むことによって、1つより多いIGF-1異型体を発現できるDNA作製物である二重発現作製物である。一具体例において、前記作製物は、2つのコーディング配列の間に内部リボソーム結合部位(internal ribosomal entry site,IRES)、例えば、(1)発現調節配列-(2)第1異型体のコーディング配列-(3)IRES-(4)第2異型体のコーディング配列-(5)転写終結配列の順に含む。IRESは、IRES配列から翻訳が始まるようにし、これで、単一転写体から2つのタンパク質生成物を発現可能にする。他の具体例において、それぞれIGF-1の単一異型体を暗号化する、複数の作製物を共に使用し、投与された対象体においてIGF-1の1つより多い異型体の発現を誘導する。
【0106】
好ましい具体例において、前記DNA作製物は、選択的スプライシング部位を含むことによって、2つ以上のIGF-1異型体-例えば、(i)クラスI,Ec異型体(異型体#1)及びクラスII,Ea異型体(異型体#2);(ii)クラスI,Ec異型体(異型体#1)及びクラスI,Eb異型体(異型体#3);(iii)クラスI,Ec異型体(異型体#1)及びクラスI,Ea異型体(異型体#4);(iv)クラスII,Ea異型体(異型体#2)及びクラスI,Eb異型体(異型体#3);(v)クラスII,Ea異型体(異型体#2)及びクラスI,Ea異型体(異型体#4);(vi)クラスI,Eb異型体(異型体#3)及びクラスI,Ea異型体(異型体#4)-を同時に発現させることができる。
【0107】
例えば、前記DNA作製物は、(i)ヒトIGF-1遺伝子のエクソン1、3、及び4を含む第1配列(配列番号1)又は前記第1配列の縮退配列;(ii)前記ヒトIGF-1遺伝子のイントロンを含む第2配列(配列番号2)又は前記第2配列の断片物;(iii)前記ヒトIGF-1遺伝子のエクソン5及び6-1を含む第3配列(配列番号3)又は前記第3配列の縮退配列;(iv)前記ヒトIGF-1遺伝子のイントロンを含む第4配列(配列番号4)又は前記第2配列の断片物;及び(v)前記ヒトIGF-1遺伝子のエクソン6-2を含む第5配列(配列番号5)又は前記第5配列の縮退配列を含むことができる。イントロン4及び5は選択的にスプライスされ、IGF-1の2つの異型体(例えば、クラスI,Ec及びクラスI,Ea)を生成する結果につなかる。
【0108】
一具体例において、前記DNA作製物は試験管内で試験し及び/又は生体内で1つ以上のIGF-1異型体を発現できる能力に関する。好ましい具体例において、クラスI,Ec及びクラスI,Ea IGF-1異型体の両方を発現できるDNA作製物を選択する。
【0109】
一具体例において、前記作製物は、イントロン4の全配列(配列番号2)又はその断片を含む。好ましい具体例において、前記作製物は、配列番号6又は配列番号7の配列を有するイントロン4の断片を含む。
【0110】
一具体例において、前記作製物は、イントロン5の全配列(配列番号4)、又はその断片を含む。好ましい具体例において、前記作製物は、配列番号8の配列を有するイントロンの断片を含む。
【0111】
(i)前記ヒトIGF-1遺伝子のエクソン1-6、及び(ii)前記ヒトIGF-1遺伝子のイントロン4及び5、又はイントロン4及び5の様々な断片に相応する配列を含む様々なDNA作製物を、特定数字が末尾につく“IGF-1X”と命名する。本出願人によって試験されたIGF-1X作製物は、IGF-1X1、IGF-1X2、IGF-1X3、IGF-1X4、IGF-1X5、IGF-1X6、IGF-1X7、IGF-1X8、IGF-1X9及びIGF-1X10を含むが、これに制限されない。pCKベクターにクローンされた前記IGF-1X作製物は、pCK-IGF-1Xl、pCK-IGF-1X2、pCK-IGF-1X3、pCK-IGF-1X4、pCK-IGF-1X5、pCK-IGF-1X6、pCK-IGF-1X7、pCK-IGF-1X8、pCK-IGF-1X9及びpCK-IGF-1X10とそれぞれ命名する。前記試験された作製物のうち、pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1Xl0は、クラスI,Ec及びクラスI,Ea IGF-1異型体の両方を発現させることが確認された。pTxベクターにクローンされたIGF-1X作製物は、それぞれ、pTx-IGF-1Xl、pTx-IGF-1X2、pTx-IGF-1X3、pTx-IGF-1X4、pTx-IGF-1X5、pTx-IGF-1X6、pTx-IGF-1X7、pTx-IGF-1X8、pTx-IGF-1X9及びpTx-IGF-1X10と命名される。pTx-IGF-1X6及びpTx-IGF-1Xl0は、クラスI,Ec及びクラスI,Ea IGF-1異型体の両方を発現する。
【0112】
好ましい具体例において、IGF-1X6(配列番号9)又はIGF-1X10(配列番号10)を使用する。pCKベクターにクローンされたIGF-1X6(配列番号9)及びIGF-1X10(配列番号10)は、それぞれ、pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1X10と命名される。pCK-IGF-1X6で形質転換された大腸菌(E.coli)(“DH5a_pCK-IGF l X6”)をブダペスト条約に基づいて韓国生命工学研究院生物資源センター(KCTC、56212、大韓民国チョルラプク-ト、チョンウブ-シ、イブシンギル181韓国生命工学研究院(KRIBB)に受託番号KCTC 13539BPとして2018年5月30日に寄託した。pCK-IGF-1X10で形質転換された大腸菌(E.coli)(“DH5a_pCK-IGF l X10”)をブダペスト条約に基づいて韓国生命工学研究院生物資源センター(KCTC,56212、大韓民国チョルラプク-ト、チョンウブ-シ、イブシンギル181韓国生命工学研究院(KRIBB)に受託番号KCTC 13540BPとして2018年5月30日に寄託した。
【0113】
他の好ましい具体例において、pTxベクター(配列番号38)にクローンされたIGF-1X6(配列番号9)及びIGF-1X10(配列番号10)を使用する。前記IGF作製物はそれぞれ、pTx-IGF-1X6及びpTx-IGF-1X10(配列番号39)と命名される。
【0114】
本明細書で説明されたIGF-1異型体又はIGF-1異型体を暗号化するDNA作製物は、野生型ヒトIGF-1異型体から変形を含むことができる。前記変形された配列を野生型ヒトIGF-1異型体配列と最大の方式で整列するとき、前記変形された配列は、少なくとも80%相同性、より好ましくは少なくとも90%相同性、及び最も好ましくは少なくとも95%相同性を有する配列を含む。比較するための配列整列方法は当該分野に公知されている。詳細には、相同性百分率を決定するために、米国国立生物情報センター(National Center for Biological Information、メリーランド州、ベセスダ)のBLAST(NCBI Basic Local Alignment Search Tool)ウェブサイトに開示されており、及び配列分析プログラムblastp、blasm、blastx、tblastn及びtblastxと連係して用いられる整列アルゴリズムを用いることができる。
【0115】
3.2. HGF-暗号化DNA作製物
本明細書で提供される方法において、ヒトHGFの少なくとも1つの異型体を発現できるDNA作製物を使用する。
【0116】
肝細胞成長因子(HGF)は、散乱因子又はヘパトポイエチン-Aとも知られたヘパリン結合糖タンパク質である。HGFは、様々な細胞類型の体細胞有糸分裂誘導(mitogenesis)、細胞移動性促進(motogenesis)、及び形態形成(morphogenesis)のような多重生物学的効果を有する。HGFは、染色体7q2l.lに位置した、18個のエクソン及び17個のイントロンを含む遺伝子によって暗号化される。
【0117】
前記HGF遺伝子は、エクソン4及びエクソン5間に選択的スプライシングによってHGFの2つの異型体を暗号化する-前記2つの異型体は:(1)下記ドメインを有する、728個アミノ酸(配列番号11)を含む全長ポリペプチドHGF前駆体(“flHGF”):N末端ヘアピンループ-クリングルl-クリングル2-クリングル3-クリングル4-不活性化セリンタンパク質加水分解酵素、及び(2)アルファ鎖の第1クリングルドメインにおける5個アミノ酸(すなわち、F、L、P、S及びS)が欠損された、723個アミノ酸(配列番号12)を含む欠損された変異体HGF(“dHGF”)を含む。flHGF及びdHGFは、いくつかの生物学的機能を共有するが、免疫学的特性及びいくつかの生物学的特性において異なる。HGFのこのような2つの異型体は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国公開特許20140296142に開示されているように、糖尿性神経病症を治療するのに効果的であることが証明された。
【0118】
本発明の特定の具体例は、HGFの1つ以上の異形体を暗号化する作製物を投与する方法を提供する。一具体例において、flHGF及びdHGFの両方を暗号化する作製物が用いられる。一具体例において、flHGF又はdHGFを暗号化する作製物が用いられる。具体的に、配列番号33のポリヌクレオチドを含む作製物を用いることができる。前記作製物は、flHGF、dHGF、又は両方を暗号化するコーディング配列に作動的に連結されている1つ以上の調節配列(例えば、プロモーター又はエンハンサー)を有するベクターを含むことができる。前記調節配列は、前記HGF異型体の発現を調節することができる。
【0119】
一具体例において、作製物は、各異型体のコーディング配列(CDS)に対する発現調節配列を含むことによって、HGFの2つ以上の異型体を暗号化することができる。代案的に、前記作製物は、2つのコーディング配列の間において内部リボソーム結合部位(internal ribosomal entry site,IRES)、例えば、(1)発現調節配列-(2)第1異型体のコーディング配列-(3)IRES-(4)第2異型体のコーディング配列-(5)転写終結配列の順に含む。IRESは、IRES配列から翻訳が始まるようにし、これによって、単一作製物から2つのタンパク質生成物を発現できるようにする。代案的に、それぞれHGFの単一異型体を暗号化する、する1つより多い作製物を共に用いて、ターゲットにおいてHGFの1つより多い異型体の発現を誘導する。
【0120】
好ましい具体例において、作製物は、選択的スプライシング部位を含むことによって、HGFの2つ以上の異なる異型体-すなわち、flHGF及びdHGF-を同時に発現する作製物を使用する。HGFの2つの異型体(flHGF及びdHGF)を暗号化する作製物がHGFの1つの異型体(flHGF又はdHGF)を暗号化する作製物に比べて遥かに高い(ほぼ250倍高い)発現効率を有するということが、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許7,812,146号に既に証明されている。
【0121】
前記作製物は、ヒトHGFのエクソン1-18及びヒトHGF遺伝子のイントロン4又はその断片に相応するcDNAを含むことができ、前記イントロンは、前記cDNAのエクソン4及びエクソン5に挿入されている。このような作製物から、HGFの2つの異型体(flHGF及びdHGF)はエクソン4及びエクソン5間の選択的スプライシングによって生成されてよい。一具体例において、前記作製物は、イントロン4の全長配列(配列番号25)を含む。一具体例において、前記作製物は、イントロン4の断片を含む。
【0122】
ヒトHGFのエクソン1-18及びヒトHGF遺伝子のイントロン4又はその断片に相応するcDNAを含む作製物は、イントロン4又はその断片における選択的スプライシングによってHGFの2つの異型体を暗号化できる。具体的に、前記作製物は、配列番号13及び配列番号26~配列番号32からなる群から選ばれるヌクレオチド配列を含むことができる。配列番号26のヌクレオチド配列は、7113bpであり、イントロン4の全長配列を含む作製物に相応する。配列番号13及び27~32のヌクレオチド配列は、イントロン4の様々な断片を含む作製物に相応する。
【0123】
ヒトHGFのエクソン1-18及びヒトHGF遺伝子のイントロン4又はその作製物に相応するcDNAを含む様々なDNA作製物は、“HGF-X”と命名され、後ろに特定番号を付ける。本発明の様々な具体例に利用可能なHGF-Xは、HGF-X1(配列番号26)、HGF-X2(配列番号27)、HGF-X3(配列番号28)、HGF-X4(配列番号29)、HGF-X5(配列番号30)、HGF-X6(配列番号31)、HGF-X7(配列番号13;VM202におけるHGFコーディング配列)、及びHGF-X8(配列番号32)を含むが、これに制限されない。
【0124】
pCK-HGF-X7(すなわち、VM202)は、米国特許7,812,146に開示されているように、最高の発現効率を有することが証明された。したがって、HGF-X7を含むDNA作製物を本発明の好ましい具体例で用いることができる。
【0125】
本発明で用いられる作製物は、野生型ヒトHGF異型体の配列と実質的に同じヌクレオチド配列を含むことができる。実質的相同性は、野生型ヒトHGF異型体のアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を一配列と最大限に整列した配列比較アルゴリズムの一つを用いて測定するとき、少なくとも80%相同性、より好ましくは少なくとも90%相同性、及び最も好ましくは少なくとも95%相同性を含む。比較するための配列の整列方法は、当分野に公知されている。様々なプログラムと整列アルゴリズムが次に説明されている:Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981);Needleman and Wunsch,J.Mol.Bio.48:443(1970);Pearson and Lipman,Methods in Mol.Biol.24:307-31(1988);Higgins and Sharp,Gene 73:15237-44(1988);Higgins and Sharp,CABIOS 5:151-3(1989)Corpet et al.,Nuc.Acids Res.16:10881-90(1988);Huang et al.,Comp.Appl.BioSci.8:155-65(1992);and Pearson et al.,Meth.Mol.Biol.24:307-31(1994)。BLAST(The NCBI Basic Local Alignment Search Tool)[Altschul 20 et al.,J.Mol.Biol.215:403-10(1990)]は、米国国立生物情報センター(National Center for Biological Information、メリーランド州、ベセスダ)を始めとするいくつかのソースから及びインターネット上で入手可能であり、配列分析プログラムblastp、blasm、blastx、tblastn及びtblastxと連係して用いることができる。
【0126】
3.3. ベクター
本明細書に説明の方法において用いられるIGF-1異型体又はHGF異型体を暗号化するDNA作製物は、一般に、前記発現された配列に作動的に連結された1つ以上の調節配列(例えば、プロモーター又はエンハンサー)を有するベクターを含む。前記調節配列は、IGF-1の異型体又はHGFの異型体の発現を調節する。
【0127】
1つ以上のIGF-1異型体又はHGF異型体を暗号化するポリヌクレオチドは、発現作製物においてプロモーターと作動的に連結されていることが好ましい。用語“作動的に連結”は、核酸発現調節配列(プロモーター、信号配列、又は一連の転写因子結合部位のような)及び第2核酸配列間の機能的連結のことを指し、ここで、前記発現調節配列は、前記第2配列に相応する核酸の転写及び/又は翻訳に影響を及ぼす。
【0128】
一具体例において、前記ポリヌクレオチドに連結されたプロモーターは、好ましくは、動物、より好ましくは、哺乳動物細胞において作動可能であってポリヌクレオチドの転写を調節し、哺乳動物細胞のゲノムから由来したプロモーター又は哺乳動物ウイルス、例えば、CMV(巨大細胞ウイルス)プロモーター、アデノウイルス後期(late)プロモーター、ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター、SV40プロモーター、HSV tkプロモーター、RSVプロモーター、EF1アルファプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ベータ-アクチンプロモーター、ヒトIL-2遺伝子プロモーター、ヒトIFN遺伝子プロモーター、ヒトIL-4遺伝子プロモーター、ヒトリンパ毒素遺伝子プロモーター、及びヒトGM-CSF遺伝子プロモーターを含むが、これに限定されない。より好ましくは、本発明において有用なプロモーターは、ヒトCMV(hCMV)のIE(immediately early)遺伝子から由来したプロモーター又はEF1アルファプロモーターであり、最も好ましくは、hCMV IE遺伝子由来のプロモーターー/エンハンサー及びエクソン1の全長配列及びATG開始コドン直前の配列に亘っているエクソン2配列を含む5’-UTR(非番駅部位)である。
【0129】
本発明において用いられる発現カセットは、ポリアデニル化配列、例えば、ウシの成長ホルモン終結子(bovine growth hormone terminator)(Gimmi,E.R.,et al.,Nucleic Acids Res.17:6983-6998(1989))、SV40由来ポリアデニル化配列(Schek,N,et al.,Mol.Cell Biol.12:5386-5393(1992))、HIV-l polyA(Klasens,B.I.F.,et al.,Nucleic Acids Res.26:1870-1876(1998))、b-globin polyA(Gil,A.,et al,Cell49:399-406(1987))、HSV TK polyA(Cole,C.N.and T.P.Stacy,Mol.Cell.5Biol.5:2104-2113(1985))、又はポリオマ(polyoma)ウイルスpolyA(Batt,D.Band G.G.Carmichael,Mol.Cell.Biol.15:4783-4790(1995))を含むが、これに制限されない。
【0130】
3.3.1. 非ウイルス性ベクター
一具体例において、ヒトIGF-1異型体を発現可能なIGF-1-暗号化DNA作製物及び/又はヒトHGF異型体を発現可能なHGF-暗号化DNA作製物は、IGF-1異型体又は1つ以上のHGF異型体を発現できる非ウイルス性ベクターである。
【0131】
一具体例において、前記非ウイルス性ベクターは、プラスミドである。現在、好ましい具体例において、前記プラスミドは、pCK、pCP、pVAXl、pTx又はpCYである。特に好ましい具体例において、前記プラスミドはpCKであり、その詳細内容は、WO2000/040737及びLee et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.272:230-235(2000)に記載されており、これらは、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。pCK(ToplO-pCK)で形質転換されたE.coliをブダペスト条約下で、韓国微生物保存センター(KCCM)に2003年3月21日に寄託した(受託番号:KCCM-10476)。pCK-VEGFl65(すなわち、VEGFコーディング配列を持つpCKベクター-Topl0-pCK/VEGFl65’)を用いて形質転換されたE.coliを、ブダペスト条約下で、韓国微生物保存センター(KCCM)に1999年12月27日に寄託した(受託番号:KCCM-10179)。
【0132】
Lee et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.272:230(2000);及びWO2000/040737で詳細に開示されているように、前記pCKベクターは、遺伝子、例えば、IGF-1遺伝子又はHGF遺伝子の発現がヒト巨大分子ウイルス(HCMV)のエンハンサー/プロモーター下で制御されるように作製され、前記参照文献は参照することによって組み込まれる。pCKベクターは、人体に臨床試験しており、その安定性及び効率が確認された(Henry et al.,Gene Ther.18:788(2011))。
【0133】
好ましい具体例において、前記pCKプラスミドは、クラスI,Ec IGF-1異型体及び/又はクラスI,Ea IGF-1異型体に対するコーディング配列を含む。特に好ましい具体例において、前記pCKプラスミドは、IGF-1X6(すなわち、pCK-IGF-1X6)又はIGF-1X10(すなわち、pCK-IGF-1X10)を含む。
【0134】
好ましい具体例において、前記pCKプラスミドは、flHGF及び/又はdHGF異型体に対するコーディング配列を含む。特に好ましい具体例において、前記pCKプラスミドは、HGF-X7(すなわち、pCK-HGF-X7又はVM202)を含む。
【0135】
他の好ましい具体例において、前記プラスミドは、pCKから由来したプラスミドベクターであるpTx(配列番号38)である。pTxは、pCKを2回連続突然変異誘発することによって生成される。前記第1欠損突然変異誘発を行ってpCKのカナマイシン耐性遺伝子及びColEl間の不要な配列を除去した。具体的に、第1プライマー対(配列番号34及び35)を用いて欠損突然変異誘発PCRを行った。前記プラスミドをシーケンシングすることによってカナマイシン耐性及びColEl間の228個塩基対を確認した。次に、第2プライマー対(配列番号36及び37)を用いて前記第2欠損突然変異誘発PCRを行って、HCMVイントロン配列のサイズを最適化した。IE1エクソン1及びエクソン2間のHCMVイントロン配列(421個塩基対)を欠損させ、該欠損をシーケンシングによって確認した。
【0136】
特定の具体例において、前記pTxプラスミドは、IGF-1X6(すなわち、pTx-IGF-1X6)又はIGF-1X10(すなわち、pTx-IGF-1X10)を含む。例えば、ClaI酵素で5’において及びSal1酵素で3’において切断したpTxにIGF-1X10を結紮することによってpTx-1X10(配列番号39)を生成した。
【0137】
3.3.2. ウイルス性ベクター
他の具体例において、当該分野に公知の様々なウイルス性ベクターを用いて本発明の1つ以上のIGF-1異型体及び/又は1つ以上のHGF異型体を伝達し発現させることができる。例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、又はアデノ関連ウイルスを用いて開発されたベクターを、本発明の特定の具体例において用いた。
【0138】
(a)レトロウイルス
相対的に大きい外因性遺伝子を伝達できるレトロウイルスは、それらのゲノムを宿主ゲノムに統合させるという点で、ウイルス性遺伝子伝達ベクターとして用いられており、広範な宿主範囲を有する。
【0139】
レトロウイルス性ベクターを作るために、本発明のポリヌクレオチド(例えば、1つ以上のIGF-1異型体のコーディング配列)を特定ウイルス性配列の代わりにウイルス性ゲノムに挿入して複製欠陥ウイルスを生成する。ウイルス粒子(virion)を生成するために、gag、pol及びenv遺伝子を含むが、LTR(long terminal repeat)及びW成分を持たないパッケージング細胞株を作製した(Mann et al.,Cell,33:153-159(1983))。本発明のポリヌクレオチド、LTR及びWを含む組換えプラスミドが前記細胞株に導入されるとき、前記W配列は、前記組換えプラスミドのRNA転写体がウイルス粒子内にパッケージングされ得るようにし、その後、前記粒子を培養培地内に分泌させる(Nicolas and Rubinstein “Retroviral vectors”、In:Vectors:A survey of molecular cloning vectors and their uses,Rodriguez and Denhardt(eds.)、Stoneham:Butterworth,494-513(1988))。前記組換えレトロウイルスを含む培地を収穫し、選択的に濃縮し、及び遺伝子伝達のために用いた。
【0140】
第2世代レトロウイルス性ベクターを用いた成功的な遺伝子伝達が報告されている。Kasahara等(Science,266:1373-1376(1994))は、モロニーマウス白血病(moloney murine leukemia)ウイルスの変異体を製造し、ここで、EPO(エリスロポエチン)配列が外皮部位に挿入され、結果的に、新しい結合特性を有するキメラタンパク質を生成する。同様に、本遺伝子伝達システムを、第2世代レトロウイルス性ベクターに対する製造戦略によって製造することができる。
【0141】
(b)レンチウイルス
レンチウイルスも本発明の一具体例に用いることができる。レンチウイルスは、レトロウイルスのサブクラスである。しかし、レンチウイルスは分裂せずにいる細胞のゲノムに統合されてもよいが、レトロウイルスは、分裂する細胞にのみ感染される。
【0142】
レンチウイルス性ベクターは、通常、いくつかのプラスミドで形質転換されたパッケージング細胞株、一般にHEK293から生成される。前記プラスミドは(1)カプシド及び逆転写酵素のようなビリオンタンパク質を暗号化するパッケージングプラスミド、及び(2)ターゲットに伝達される外因性遺伝子(例えば、1つ以上のIGF-1異型体又は1つ以上のHGF異型体のコーディング配列)を含むプラスミドを含む。
【0143】
ウイルスが細胞に仕込まれると、RNA形態のウイルスゲノムが逆転写されてDNAを生成し、これは、その後、ウイルス統合酵素(integrase enzyme)によってゲノムに挿入される。したがって、前記ウイルス性ベクターで伝達された外因性DNAは、前記ゲノム中に残ることができ、細胞が分裂する際に細胞の子孫に伝達される。
【0144】
(c)アデノウイルス
アデノウイルスは、中間サイズのゲノム、操作の容易性、高力価性、広いターゲット細胞範囲、及び高感染能の点で、遺伝子伝達システムに通常用いられてきた。前記ウイルスゲノムの量末端は、100~200bp ITRs(inverted terminal repeats)を含み、それらは、ウイルスDNA複製及びパッケージングに必要なシス要素(cis-element)である。El部位(E1A及びE1B)は、ウイルス性ゲノム及びいくつかの細胞性遺伝子の転写を調節するために必要なタンパク質を暗号化する。E2部位(E2A及びE2B)が発現して、ウイルス性DNA複製のためのタンパク質を合成する。
【0145】
今まで開発されたアデノウイルス性ベクターのうち、欠損したE1部位を有する複製不能アデノウイルスを通常用いる。ウイルス性ベクターにおける欠損したE3部位は、転移遺伝子に挿入位置を提供できる(Thimmappaya,B.et al.,Cell,31:543-551(1982);and Riordan,J.R.et al.,Science,245:1066-1073(1989))。したがって、デコリン(decorin)-暗号化ヌクレオチド配列を前記欠損したEl部位(E1A部位及び/又はE1B 5部位、好ましくは、E1B部位)又は前記欠損したE3部位内に挿入することが好ましい。本発明のポリヌクレオチドを前記欠損したE4部位に挿入することができる。ウイルスゲノム配列と関連して用語“欠損”は、全体欠損及び部分欠損を含む。自然的に、アデノウイルスは、野生型ゲノムの約105%をパッケージングでき、約2kbのDNAに対する剰余収容力(extra capacity)を提供する(Ghosh-Choudhury et al.,EMBO J.6:1733-1739(1987))。これと関連して、アデノウイルスに挿入された上述の外部配列をアデノウイルス野生型ゲノムにさらに挿入できる。
【0146】
前記アデノウイルスは、公知の血清型又はサブグループA~Fのうち任意のものでよい。サブグループCのアデノウイルス類型5は、本発明のアデノウイルス遺伝子伝達システムを製造するための最も好ましい出発物質である。アデノウイルス類型5に対する多くの生化学的及び遺伝的情報が公知されている。アデノウイルス性遺伝子伝達システムによって伝達された外部遺伝子は、宿主細胞に対してエピソーム性(episomal)、及び遺伝毒素性である。したがって、アデノウイルス遺伝子伝達システムを用いる遺伝子療法は非常に安全である。
【0147】
(d)アデノ関連ウイルス(AAV)
アデノ関連ウイルスは非分裂細胞及び様々な類型の細胞を感染させることができ、よって、これらは本発明の遺伝子伝達システムを製造するのに有用である。AAVベクターの使用と製造に関する詳細な説明が米国特許第10,308,958号;第10,301,650号;第10,301,648号;第10,266,846号;第10,265,417号;第10,208,107号;第10,167,454号;第10,155,931号;第10,149,873号;第10,144,770号;第10,138,295号;第10,137,176号;第10,113,182号;第10,041,090号;第9,890,365号;第9,790,472号;第9,770,011号;第9,738,688号;第9,737,618号;第9,719,106号;第9,677,089号;第9,617,561号;第9,597,363号;第9,593,346号;第9,587,250号;第9,567,607号;第9,493,788号;第9,382,551号;第9,359,618号;第9,217,159号;第9,206,238号;第9,163,260号;第9,133,483号;第8,962,332に開始されており、その内容は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれ、及び米国特許第5,139,941号及び第4,797,368号に開示され、その内容は参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0148】
遺伝子伝達システムとしてAAVに対する研究結果がLaFace et al.,Viology,162:483486(1988)、Zhou et al.,Exp.Hematol.(NY),21:928-933(1993)、Walsh et al.,J.Clin.Invest.,94:1440-1448(1994)and Flotte et al.,Gene Therapy,2:29-37(1995)に開示されている。一般に、組換えAAVウイルスは、2つのAAV末端反復体(terminal repeat)(McLaughlin et al.,1988;Samulski et al.,1989)が側面に付いている目的遺伝子(すなわち、伝達される目的ヌクレオチド配列、例えば、IGF-1異型体のコーディング配列)を含むプラスミド及び末端反復体のない野生型AAVコーディング配列を含む発現プラスミド(McCarty et al.,J.Viral.,65:2936-2945(1991))を併用感染させることによって作られる。
【0149】
(e)その他ウイルス性ベクター
その他ウイルス性ベクターを本発明の遺伝子伝達システムとして用いることができる。ワクシニアウイルス(Puhlmann M.et al.,Human Gene Therapy 10:649-657(1999);Ridgeway,“Mammalian expression vectors”,In:Vectors:A survey of molecular cloning vectors and their uses.Rodriguez and Denhardt,eds.Stoneham:Butterworth,467-492(1988);Baichwal and Sugden,“Vectors for gene transfer derived from animal DNA viruses:Transient and stable expression of transferred genes”,In:Kucherlapati R,ed.gene transfer.New York:Plenum Press,117-148(1986)and Coupar et al.,Gene,68:1-10(1988))、レンチウイルス(Wang G.et al.,J.Clin.Invest.104(11):RS5-62(1999)及び単純疱疹ウイルス(Chamber R.,et al.,Proc.Natl.1015 Acad.Sci USA 92:1411-1415(1995))のようなウイルスから由来したベクターを、本発明のポリヌクレオチドを細胞に伝達する伝達システムに用いることができる。
【0150】
3.4. 投与方法
様々な方法を用いて前記IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記HGF-暗号化DNA作製物を投与できる。
【0151】
3.4.1.1. 注射
一具体例において、前記DNA作製物は、液体薬学組成物を注射することによって投与される。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記HGF-暗号化DNA作製物は1回注射で共に投与される。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記HGF-暗号化DNA作製物は多重注射によって共に投与される。一具体例において、前記IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記HGF-暗号化DNA作製物は、多回注射によって個別に投与される。
【0152】
好ましい具体例において、前記DNA作製物は、筋肉内注射で投与される。一般に、前記DNA作製物は、神経損傷部位、疼痛部位や疼痛の患者認識部位、又は神経病症疾患と関連した他の症状の部位の近くに筋肉内注射で投与される。一具体例において、前記DNA作製物は、前記対象体の手、足、脚、又は腕の筋肉に投与される。
【0153】
一具体例において、前記作製物は、皮下内又は皮膚内注射される。一具体例において、前記DNA作製物を血管内伝達で投与する。特定の具体例において、前記作製物を逆行性静脈内注射で注射する。
【0154】
3.4.1.2. 電気穿孔法
プラスミドDNAの細胞への形質転換効率は、特定の場合には、注射後に電気穿孔法で向上させることができる。したがって、一具体例において、前記DNA作製物は、注射後に電気穿孔することによって投与される。特定の具体例において、TriGrid(登録商標)伝達システム(Ichor Medical Systems,Inc.,San Diego,USA)を用いて電気穿孔する。
【0155】
3.4.1.3. 超音波穿孔法
一具体例において、超音波穿孔法を用いて本発明のDNA作製物の形質転換効率を向上させる。超音波穿孔法は、超音波を用いて細胞膜を一時的に透過性にしてDNAを細胞に流入させる。DNA作製物を微細バブルに含めて体循環に投与した後、超音波を外部適用する。前記超音波はターゲット組織内で前記微細バブルの空洞現象を誘導して作製物を排出し形質注入する。
【0156】
3.4.1.4. 磁性形質感染法(Magnetofection)
一具体例において、磁性形質感染法を用いて本発明のDNA作製物の形質転換効率を向上させる。前記作製物を磁性粒子に結合した後に投与する。高い勾配の外部磁場を適用すれば、前記複合体を捕獲し、ターゲットに閉じ込めておく。前記DNA作製物は架橋分子を、酵素的切断、電荷相互作用したり、又は前記マトリックスを崩壊することによって排出することができる。
【0157】
3.4.1.5. リポソーム
一具体例において、本発明のDNA作製物はリポソームによって伝達されてよい。リン脂質を過量の水性媒質に懸濁させればポソームは自然的に形成される。リポソーム媒介DNA伝達は、Dos Santos Rodrigues et al.,Int.J.Pharm.566:717-730(2019);Rasoulianboroujeni et al.,Mater Sci Eng C Mater Biol Appl.75:191-197(2017);Xiong et al.,Pharmazie 66(3):l58-l64(2011);Nicolau and Sene,Biochim.Biophys.Acta,721:185-190(1982) and Nicolau et al.,Methods Enzymol.,149:157-176(1987)に説明されている通り成功的であった。リポソームを用いて動物細胞を形質感染させるための商業的な試薬の例は、Lipofectamine(Gibco BRL)を含む。本発明のDNA作製物を捕集しているリポソームは 細胞内取込み(endocytosis)、吸着、及び融合のような機序によって細胞と相互作用し、その後、前記配列を細胞内に伝達する。
【0158】
3.4.1.6. 形質感染法
ウイルス性ベクターを用いてIGF-1-暗号化DNA作製物又はHGF-暗号化DNA作製物を伝達するとき、当該分野に公知の様々なウイルス性感染方法で前記作製物を伝達することができる。ウイルス性ベクターを用いて宿主細胞を感染させることが当分野に公知されている。
【0159】
本発明の薬学組成物を非経口的に投与できる。非経口投与の場合、静脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、又は局所注射を用いることができる。例えば、前記薬学組成物を逆行性静脈内注射で注射できる。
【0160】
好ましくは、本発明の薬学組成物を筋肉に投与できる。一具体例において、神経病症(例えば、神経性疼痛又は他の症状)に影響を受ける筋肉を標的化して投与する。
【0161】
3.5. 投与量
前記IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記HGF-暗号化DNA作製物を治療的有効量で投与する。本明細書で説明された方法において、DNA作製物の治療的有効量、又は投与量は、単独で、DNA作製物との組合せで、又は他の治療剤との組合せで、前記対象体に神経病症を治療するのに効果的な投与量である。
【0162】
本明細書で説明された方法の一具体例において、前記DNA作製物(IGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-暗号化DNA作製物)のそれぞれは、1μg~200mg、1mg~200mg、1mg~l00mg、1mg~50mg、1mg~20mg、2mg~10mg、16mg、8mg、4mg又は2mgの総投与量で投与されてよい。
【0163】
一具体例において、対象体に投与されるIGF-1-暗号化DNA作製物の総投与量及びHGF-暗号化DNA作製物の総投与量は、同一である。特定の具体例において、IGF-1-暗号化DNA作製物の総投与量及びHGF-暗号化DNA作製物の総投与量は、異なる。一具体例において、IGF-1-暗号化DNA作製物の総投与量は、HGF-暗号化DNA作製物の総投与量によって調節される。一具体例において、HGF-暗号化DNA作製物の総投与量は、IGF-1-暗号化DNA作製物の総投与量によって調節される。
【0164】
一具体例において、各DNA作製物の総投与量は、多重の個別注射量に分割される。一具体例において、前記総投与量は、同じ注射量で複数に分割される。一具体例において、前記総投与量は不均等注射量に分割される。
【0165】
様々な分割された投与量において、各DNA作製物の総投与量は、4、8、16、24、32又は64ヵ所の異なる注射部位に投与される。
【0166】
一具体例において、注射当たり各DNA作製物の注射量は、0.1~20mg、1~10mg、2~8mg、又は3~8mgの範囲に属する。特定の具体例において、注射当たり各DNA作製物の投与量は、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、1mg、2mg、4mg、8mg、16mg、又は32mgである。
【0167】
一具体例において、IGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-暗号化DNA作製物は、共に投与される。この場合、組み合わせられた2つのDNA作製物の投与量は、注射当たり0.1~20mg、1~10mg、2~8mg、又は3~8mgの範囲に属する。特定の具体例において、組み合わせられた2つのDNA作製物の投与量は、注射当たり0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、1mg、2mg、4mg、8mg、16mg、又は32mgである。
【0168】
各DNA作製物、又は組み合わせられたDNA作製物の総投与量は、1回訪問又は2回以上の訪問で投与されてよい。
【0169】
一般の分割投与量の具体例において、多回注射量の全ては、相互に1時間内に投与されてよい。一具体例において、多回注射量の全ては、相互に1.5、2、2.5又は3時間内に投与されてよい。
【0170】
前記方法の様々な具体例において、各DNA作製物の総投与量又は組み合わせられた2つのDNA作製物の総投与量は、単一の一元化した投入量にする場合も複数の注射量に分ける場合も、前記対象体に1回だけ投与される。
【0171】
一具体例において、各DNA作製物又は組み合わせられた2つのDNA作製物の総投与量を、1回、2回、3回、又は4回の訪問にわたって複数の注入部位に投与することを、単一周期とすることができる。例えば、64mg、32mg、16mg、8mg、4mg又は2mgの各DNA作製物を2回の訪問にわたって複数の注射部位に投与することが単一周期であり得る。前記2回の訪問は、3、5、7、14、21又は28日間隔にすることができる。
【0172】
一具体例において、1回、2回、3回、又は4回の訪問にわたってIGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-暗号化DNA作製物を複数の注射部位に投与することが単一周期であってもよい。例えば、2回の訪問にわたって、64mg、32mg、16mg、8mg、4mg又は2mgのIGF-1-暗号化DNA作製物を複数の注射部位に投与すること、及び64mg、32mg、16mg、8mg、4mg又は2mgのHGF-暗号化DNA作製物を複数の注射部位に投与することが単一周期であってもよい。前記2回の訪問は、3、5、7、14、21又は28日間隔であってもよい。
【0173】
一具体例において、前記周期は反復されてもよい。前記周期は、2回、3回、4回、5回、6回、又はそれ以上であり得る。
【0174】
一具体例において、前記周期は、先行周期施行後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヵ月、又はそれ以上反復されてよい。
【0175】
一具体例において、後続周期における総投与量は、以前周期における総投与量と同一である。一具体例において、後続周期における総投与量は、以前周期における総投与量と異なる。
【0176】
好ましい具体例において、前記DNA作製物(IGF-1-暗号化DNA作製物又はHGF-暗号化DNA作製物)は、患肢当たり8mgの投与量で、同等に分けられた複数の筋肉内注射及び複数の訪問で、投与され、ここで、任意の単一訪問での前記複数の注射それぞれを個別の注射部位で行う。特定の具体例において、前記DNA作製物(IGF-1-暗号化DNA作製物又はHGF-暗号化DNA作製物)を患肢当たり8mgの投与量で、当日(第0日)に肢体当たり4mgの第1投与量で、第14日に肢体当たり4mgの第2投与量で均等に分けて投与し、ここで、第1及び第2投与量をそれぞれ複数の注射量に均等分割する。
【0177】
一具体例において、IGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-暗号化DNA作製物を同時に又は個別に、患肢当たり(per affected limb)16mgの総投与量で、複数の筋肉内注射及び複数の訪問に均等分割して投与し、任意の単一訪問における複数の注射はそれぞれ、個別の注射部位で行われる。一具体例において、IGF-1-暗号化DNA作製物を患肢当たり8mgの投与量投与及びHGF-暗号化DNA作製物を患肢当たり8mgの投与量投与が1周期を構成する。前記周期は、1回、2回、3回又はそれ以上反復されてよい。
【0178】
実投与量、速度、及び投与の時間過程は、治療される神経病症の特性及び重症度に依存する。一具体例において、1つ以上のDNA作製物が神経病症、例えば、神経性疼痛の症状を低減するのに有効な量で投与される。一具体例において、前記量は、投与1週内に神経病症の症状を減少させるのに有効である。一具体例において、前記量は、投与後2週、3週、又は4週内に神経病症の症状を減少させるのに有効である。
【0179】
一具体例において、2つの異なる類型のIGF-1-暗号化DNA作製物又は2つの異なる類型のHGF-暗号化DNA作製物を共に投与する。一具体例において、二重発現作製物を伝達して、2つのIGF-1の異型体又はHGFの発現を誘導する。
【0180】
当該分野における技術者に公知の通常の技術によって、前記薬学組成物を、前述したように薬学的許容担体及び/又は賦形剤と共に剤形化し、最終的にいくつかの形態、単位投与形態及び多重投与形態を提供する。前記剤形の非制限的な例は、溶液、油性又は水性媒質中の懸濁液又は乳濁液、抽出液、エリキシル、粉末、顆粒、錠剤及びカプセルを含むが、これに制限されなく、また、分散剤又は安定化剤をさらに含んでもよい。
【0181】
生体内及び/又は試験管内分析法を用いて最適投与範囲を確認することに役立ってもよい。前記剤形に用いられる精密な投与量はまた、投与経路及び状態の深刻度にも依存し、及び主治医の判断と対象体の状態によって決定される必要がある。有効量は、試験管内又は動物モデル試験システムから由来した投与量反応曲線から外挿されてよい。
【0182】
前記DNA作製物を単独で又は他の治療と組み合わせて、同時に又は順次に投与できる。
【0183】
3.6. 神経病症患者
本明細書で説明された方法において、治療に対して選択された患者は神経病症を有する。前記患者は、末梢神経病症、頭蓋骨神経病症、自己分泌神経病症又は局所神経病症を持つことがある。前記神経病症は、疾患、傷害、感染、又はビタミン欠乏状態に起因し得る。例えば、前記神経病症は、糖尿病、ビタミン欠乏症、自己免疫疾患、遺伝子又は遺伝性疾患、アミロイド症、尿毒症、毒素や毒薬、外傷や傷害、腫瘍によって生じることがあり、又は特発性であり得る。一具体例において、前記患者は糖尿性末梢神経病症を有する。
【0184】
前記患者は疼痛(神経性疼痛)、他の感覚欠損(例えば、感覚の欠損、無感覚(numbness)、しびれ(tingling)など)、運動欠陥(例えば、無力、反射消失(loss of reflexes)、筋肉消失(loss of muscle mass)、痙攣、機敏さの鈍化(loss of dexterity)等)、及び自律神経失調症(例えば、吐き気、嘔吐、勃起不全、めまい、便泌、下痢など)のような、神経病症と関連した1つ以上の症状を有し得る。
【0185】
前記患者は、本明細書で提供された治療方法に加えて、当該分野に公知の1つ以上の治療方法によって治療されてもよい。
【0186】
本発明の治療方法を用いて神経病症を持つヒト患者又は動物を治療することができる。
【0187】
3.7. 投与順序
本明細書に説明の方法は、ヒトIGF-1異型体を発現可能な第1IGF-1-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与し、及びヒトHGF異型体を発現可能な第1HGF-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階を含む。前記治療的有効量は、前記疾病を組み合わせて又は個別的に治療するのに有効な量である。
【0188】
第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、同時に又は順次に行われてよい。一具体例において、第1IGF-1-暗号化DNA作製物の投与及び第1HGF-暗号化DNA作製物の投与は個別的に、少なくとも数分間隔、数時間間隔、1日間隔、2日間隔、3日間隔、1週間隔、2週間隔、3週間隔、1ヶ月間隔、2ヶ月間隔、3ヶ月間隔、又は6ヶ月間隔で行われる。一具体例において、第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、第1IGF-1-暗号化DNA作製物の段階前に行われる。一具体例において、第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階前に行われる。
【0189】
一具体例において、第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階、第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階、又はこれら両方が反復される。一具体例において、前記段階は、2回、又は3回以上反復される。
【0190】
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、本明細書で提供される前記IGF-1-暗号化DNA作製物又はその変形物のうち任意のものでよい。これは、1つ以上のIGF-1異型体を発現させることができる。これは、1つのIGF-1異型体、クラスI,Ec(配列番号16);クラスII,Ea(配列番号18);クラスI,Eb(配列番号20);又はクラスI,Ea異型体(配列番号14)を暗号化するDNA作製物でよい。これは、2つのIGF-1異型体を暗号化する二重発現DNA作製物でよい。一具体例において、前記DNA作製物は、クラスI,Ec(配列番号16)及びクラスI,Ea異型体(配列番号14)を暗号化できる。
【0191】
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、本明細書で提供されたHGF-暗号化DNA作製物又はその変形物のうち任意のものでよい。これは、1つ以上のHGF異型体を発現できる。これは、1つのHGF異型体、flHGF(配列番号11)又はdHGF(配列番号12)を暗号化するDNA作製物でよい。これは、2つのHGF異型体を暗号化する二重発現DNA作製物でよい。好ましい具体例において、前記DNA作製物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む。これはVM202でよい。
【0192】
前記方法は、第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含むことができる。前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物は、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物と同一でもよく異なってもよい。前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物は、本明細書で提供されたIGF-1-暗号化DNA作製物又はその変形物のうち任意のものでよい。第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、同時に又は順次に行われてよい。特定の具体例において、クラスI,Ec(配列番号16)を発現できる第1IGF-1-暗号化DNA作製物及びクラスI,Ea異型体(配列番号14)を発現できる第2IGF-1-暗号化DNA作製物を同時に投与する。一具体例において、第1IGF-1-暗号化DNA作製物の投与及び第2IGF-1-暗号化DNA作製物の投与は個別に、少なくとも数分間隔、数時間間隔、1日間隔、2日間隔、3日間隔、1週間隔、2週間隔、3週間隔、1ヶ月間隔、2ヶ月間隔、3ヶ月間隔、又は6ヶ月間隔で行われる。
【0193】
前記方法は、第2HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含むことができる。前記第2HGF-暗号化DNA作製物は、前記第1HGF-暗号化DNA作製物と同一でも異なってもよい。前記第2HGF-暗号化DNA作製物は、本明細書で提供されたHGF-暗号化DNA作製物又はその変形物のうち任意のものでよい。第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階及び第2HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、同時に又は順次に行われてよい。例えば、flHGF(配列番号11)を発現できる第1HGF-暗号化DNA作製物及びdHGF(配列番号12)を発現できる第2HGF-暗号化DNA作製物は同時に投与されてよい。一具体例において、第1HGF-暗号化DNA作製物の投与及び第2HGF-暗号化DNA作製物の投与は個別に、少なくとも数分間隔、数時間間隔、1日間隔、2日間隔、3日間隔、1週間隔、2週間隔、3週間隔、1ヶ月間隔、2ヶ月間隔、3ヶ月間隔、又は6ヶ月間隔で行われる。
【0194】
一具体例において、前記方法は、VM202をpCK-IGF-1X6又はpCK-IGF-1X10と共に投与することを含む。一具体例において、前記方法は、他のHGF-暗号化DNA作製物(例えば、配列番号33のポリヌクレオチドを含む作製物)をpCK-IGF-1X6又はpCK-IGF-1X10と共に投与することを含む。
【0195】
一具体例において、前記方法は、VM202をpTx-IGF-1X6又はpTx-IGF-1X10と共に投与することを含む。一具体例において、前記方法は、他のHGF-暗号化DNA作製物(例えば、配列番号33のポリヌクレオチドを含む作製物)をpTx-IGF-1X6又はpTx-IGF-1X10と共に投与することを含む。
【0196】
一具体例において、前記方法は、VM202を投与した後、pCK-IGF-1X6又はpCK-IGF-1X10を投与することを含む。一具体例において、前記方法は、他のHGF-暗号化DNA作製物(例えば、配列番号33のポリヌクレオチドを含む作製物であるpCK-HGF728)を投与した後、pCK-IGF-1X6又はpCK-IGF-1X10を投与することを含む。一具体例において、前記方法は、pCK-IGF-1X6又はpCK-IGF-1X10の投与後、VM202又は他のHGF-暗号化DNA作製物(例えば、pCK-HGF728)を投与することを含む。
【0197】
一具体例において、前記方法は、VM202の投与後、pTx-IGF-1X6又はpTx-IGF-1X10を投与することを含む。一具体例において、前記方法は、他のHGF-暗号化DNA作製物(例えば、配列番号33のポリヌクレオチドを含む作製物であるpCK-HGF728)の投与後、pTx-IGF-1X6又はpTx-IGF-1X10を投与することを含む。一具体例において、前記方法は、pTx-IGF-1X6又はpTx-IGF-1X10の投与後、VM202又は他のHGF-暗号化DNA作製物(例えば、pCK-HGF728)を投与することを含む。
【0198】
4. IGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-1暗号化DNA作製物を含む薬学組成物
【0199】
他の観点において、IGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-暗号化DNA作製物を含む薬学組成物が提供される。
【0200】
4.1. 薬学組成物及び注射用単位投薬剤形
静脈内、筋肉内、皮膚内、又は皮下注射用に使用するために、前記DNA作製物は、非経口的に許容された、発熱因子がなく、適度のpH、等張性、及び安定性を有する水溶液の形態でよい。当該分野における関連者らは、塩化ナトリウム注射液、リンゲル液、乳酸化点滴注射液のように、等張性賦形剤を使用する適切な溶液も製造できる。防腐剤、安定化剤、緩衝剤、抗酸化剤及び/又は他の添加剤を必要時に使用することができる。
【0201】
一具体例において、前記薬学組成物は、一つのIGF-1異型体を暗号化するDNA作製物を含む。例えば、前記DNA作製物は、クラスI,Ec異型体(異型体#1);クラスII,Ea異型体(異型体#2);クラスI,Eb異型体(異型体#3);又はクラスI,Ea異型体(異型体#4)を発現させることができる。前記DNA作製物は、pCK-IGF-1#l、pCK-IGF-1#2、pCK-IGF-1#3、又はpCK-IGF-1#4でよい。一具体例において、前記DNA作製物は、pTx-IGF-1#l、pTx-IGF-1#2、pTx-IGF-1#3、又はpTx-IGF-1#4でよい。
【0202】
一具体例において、前記薬学組成物は、それぞれ、IGF-1異型体を暗号化する1つより多いDNA作製物を含む。例えば、前記薬学組成物は、(i)クラスI,Ec異型体(異型体#1)を暗号化する第1DNA作製物及びクラスII,Ea異型体(異型体#2)を暗号化する第2DNA作製物;(ii)クラスI,Ec異型体(異型体#1)を暗号化する第1DNA作製物及びクラスI,Eb異型体(異型体#3)を暗号化する第2DNA作製物;(iii)クラスI,Ec異型体(異型体#1)を暗号化する第1DNA作製物及びクラスI,Ea異型体(異型体#4)を暗号化する第2DNA作製物;(iv)クラスII,Ea異型体(異型体#2)を暗号化する第1DNA作製物及びクラスI,Eb異型体(異型体#3)を暗号化する第2DNA作製物;(v)クラスII,Ea異型体(異型体#2)を暗号化する第1DNA作製物及びクラスI,Ea異型体(異型体#4)を暗号化する第2DNA作製物;(vi)クラスI,Eb異型体(異型体#3)を暗号化する第1DNA作製物及びクラスI,Ea異型体(異型体#4)を暗号化する第2DNA作製物を含むことができる。
【0203】
一具体例において、前記薬学組成物は、1つより多いIGF-1異型体を発現できるDNA作製物である二重発現作製物を含む。例えば、前記薬学組成物は、(i)クラスI,Ec異型体(異型体#1)及びクラスII,Ea異型体(異型体#2);(ii)クラスI,Ec異型体(異型体#1)及びクラスI,Eb異型体(異型体#3);(iii)クラスI,Ec異型体(異型体#1)及びクラスI,Ea異型体(異型体#4);(iv)クラスII,Ea異型体(異型体#2)及びクラスI,Eb異型体(異型体#3);(v)クラスII,Ea異型体(異型体#2)及びクラスI,Ea異型体(異型体#4);(vi)クラスI,Eb異型体(異型体#3)及びクラスI,Ea異型体(異型体#4)を発現させることができる二重発現作製物を含む。
【0204】
一具体例において、前記薬学組成物は、二重発現作製物である、pCK-IGF-1X6又はpCK-IGF-1X10を含む。一具体例において、前記薬学組成物は、二重発現作製物であるpTx-IGF-1X6又はpTx-IGF-1X10を含む。一具体例において、前記薬学組成物は、例えば、pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1X10の両方を含む2つの二重発現作製物を含む一具体例において、前記薬学組成物は、例えば、pTx-IGF-1X6及びpTx-IGF-1X10の両方を含む2つ二重発現作製物を含む。
【0205】
一具体例において、前記薬学組成物は、1つのHGF異型体を暗号化するDNA作製物をさらに含む。例えば、前記DNA作製物は、flHGF又はdHGFを発現させることができる。一具体例において、前記薬学組成物はそれぞれ、一つのHGF異型体を暗号化する、1つより多いDNA作製物を含む。例えば、前記薬学組成物は、flHGFを暗号化する第1DNA作製物及びdHGFを暗号化する第2DNA作製物を含むことができる。
【0206】
一具体例において、前記薬学組成物は、1つより多いHGF異型体を発現できるDNA作製物である二重発現作製物を含む。例えば、前記薬学組成物は、flHGF及びdHGFの両方を発現できる二重発現作製物を含むことができる。
【0207】
好ましい具体例において、前記薬学組成物は、二重発現作製物であるpCK-HGF-X7(VM202)を含む。一具体例において、前記薬学組成物はそれぞれ、flHGF又はdHGFを暗号化する2つHGF-暗号化DNA作製物を含む。一具体例において、前記薬学組成物は、flHGF(pCK-HGF728)を発現できる1つのHGF-暗号化DNA作製物を含む。
【0208】
一具体例において、前記薬学組成物は、他の治療剤をさらに含む。例えば、前記薬学組成物は、神経病症を治療するのに効果的な他の治療剤をさらに含むことができる。
【0209】
他の様々な具体例において、1つ以上のDNA作製物は個別又は組み合わせとして0.01mg/ml、0.05mg/ml、0.1mg/ml、0.25mg/ml、0.45mg/ml、0.5mg/ml、又は1mg/mlの濃度の液体組成物に存在する。一具体例において、前記単位投薬剤形は、1つ以上のDNA作製物を個別又は組合せとして0.01mg/ml、0.1mg/ml、0.5mg/ml、又は1mg/mlの濃度で有する前記薬学組成物の2mlを含有するバイアルである。一具体例において、前記単位投薬剤形は、1つ以上のDNA作製物を個別又は組合せとして0.01mg/ml、0.1mg/ml、0.5mg/ml、又は1mg/mlの濃度で有する薬学組成物の1mlを含むバイアルである。一具体例において、前記単位投薬剤形は、1つ以上のDNA作製物を個別又は組合せとして0.01mg/ml、0.1mg/ml、0.5mg/ml、又は1mg/mlの濃度で有する前記薬学組成物の1ml未満を含むバイアルである。
【0210】
一具体例において、前記単位投薬剤形は、バイアル、アンプル、瓶、又はプレフィルド注射器である。一具体例において、前記単位投薬剤形は、本発明の1つ以上のDNA作製物の0.01mg、0.1mg、0.2mg、0.25mg、0.5mg、1mg、2.5mg、5mg、8mg、10mg、12.5mg、16mg、24mg、25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、又は200mgを含有する。
【0211】
一具体例において、単位投薬剤形中の前記薬学組成物は、液体形態である。様々な具体例において、前記単位投薬剤形は、前記薬学組成物を0.1ml~50ml含む。一具体例において、前記単位投薬剤形は、薬学組成物を0.25ml、0.5ml、1ml、2.5ml、5ml、7.5ml、10ml、25ml、又は50ml含有する。
【0212】
特定の具体例において、前記単位投薬剤形は、前記薬学組成物を単位投薬剤形で0.5ml、1ml、1.5ml又は2mlを含有するバイアルである。皮下、皮膚内、又は筋肉内投与に適した具体例は、予め充填された注射器、自動注入器、及び自動注入ペンを含み、それぞれは、前述した前記薬学組成物の既に設定された量を含有する。
【0213】
様々な具体例において、前記単位投薬剤形は、注射器及び前記薬学組成物の既に設定された量を含む、予め充填された(preloaded)注射器である。特定の予め充填された注射器の具体例において、前記注射器は、皮下投与に適応されたものである。特定の具体例において、前記注射器は、自己投与に適する。特定の具体例において、前記予め充填された注射器は、使い捨て注射器である。
【0214】
様々な具体例において、前記予め充填された注射器は、前記薬学組成物を約0.1mL~約0.5mL含有する。特定の具体例において、前記注射器は、薬学組成物を約0.5mL含有する。特定の具体例において、前記注射器は、前記薬学組成物を1.0mL含有する。特定の具体例において、前記注射器は、前記薬学組成物を約2.0mL含有する。
【0215】
特定の具体例において、前記単位投薬剤形は、自動注入ペンである。前記自動注入ペンは、明細書で用いられるように、薬学組成物を含有する自動注入ペンを含む。一具体例において、前記自動注入ペンは、あらかじめ設定された体積の薬学組成物を伝達する。他の具体例において、前記自動注入ペンは、ユーザによって設定された一定体積の薬学組成物を伝達するように構成される。
【0216】
様々な具体例において、前記自動注入ペンは、前記薬学組成物を約0.1mL~約5.0mL含有する。特定の具体例において、前記自動注入ペンは、前記薬学組成物を約0.5mL含有する。特定の具体例において、前記自動注入ペンは、前記薬学組成物を約1.0mL含有する。他の具体例において、前記自動注入ペンは、前記薬学組成物を約5.0mL含有する。
【0217】
4.2. 凍結乾燥したDNA剤形
一具体例において、本発明のDNA作製物は、凍結乾燥した組成物として剤形化される。特定の具体例において、DNA作製物は、米国特許8,389,492に開示されているように凍結乾燥し、前記特許は参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0218】
一具体例において、DNA作製物は、特定の賦形剤、例えば、炭水化物及び塩を用いて剤形化され、その後凍結乾燥する。診断的又は治療的製剤として利用される前記DNA作製物の安定性は、凍結乾燥前に、安定化量の炭水化物を含む水溶液を用いて前記DNA作製物を剤形化することによって増大させることができる。
【0219】
前記炭水化物は、スクロース、グルコース、ラクトース、トレハロース、アラビノース、ペントース、リボース、キシロース、ガラクトース、ヘキソース、イドース、マンノース、タロース、ヘプトース、フルクトース、グルコン酸、ソルビトール、マンニトール、メチルa-グルコピラノシド、マルトース、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸、ラクトン、ソルボース、グルカル酸、エリトロース、トレオース、アロース、アルトロース、グロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、タガトース、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、グルコサミン、ガラクトサミン、ノイラミン酸、アラビナン類、フルクタン類、フカン類、ガラクタン類、ガラクツロナン類、グルカン類、マンナン類、キシラン類、レバン、フコイダン、カラギーナン、ガラクトカロロース、ペクチン類、ペクチン酸類、アミロース、プルラン、グリコーゲン、アミロペクチン、セルロース、デキストラン、シクロデキストリン、プスツラン、キチン、アガロース、ケラチン、コンドロイチン、デルマタン、ヒアルロン酸、アルギン酸、キサンタンガム、又は澱粉のような単糖類、オリゴ糖又は多糖類でよい。
【0220】
一連の具体例において、前記炭水化物はマンニトール又はスクロースである。
【0221】
凍結乾燥前の炭水化物溶液は、水中の炭水化物に該当したり、又は緩衝液が含まれてよい。このような緩衝液の例は、PBS、HEPES、TRIS又はTRIS/EDTAを含む。一般に、前記炭水化物溶液は、前記DNA作製物と約0.05%~約30%スクロース、通常0.1%~約15%スクロース、例えば0.2%~約5%、10%又は15%スクロース、好ましくは約0.5%~10%スクロース、1%~5%スクロース、1%~3%スクロース、及び最も好ましくは約1.1%スクロースの最終濃度まで組み合わせた。
【0222】
本発明のDNA剤形はまた、塩、例えば、NaCl又はKClを含む。一具体例において、前記塩は、NaClである。一具体例において、DNA剤形の塩は、約0.001%~約10%、約0.1%~5%、約0.1%~4%、約0.5%~2%、約0.8%~1.5%、約0.8%~1.2% w/vからなる群から選ばれる量でよい。特定の具体例において、DNA剤形の塩は、約0.9% w/vの量である。
【0223】
凍結乾燥した剤形から再構成された液体組成物中の1つ以上のDNA作製物の最終濃度は、約1ng/mL~約30mg/mLでよい。例えば、前記最終濃度は、個別に又は組合せで、約1ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、約50ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL、約1μg/mL、約5μg/mL、約10μg/mL、約50μg/mL、約100μg/mL、約200μg/mL、約400μg/mL、約500μg/mL、約600μg/mL、約800μg/mL、約1mg/mL、約2mg/mL、約2.5mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、約5mg/mL、約5.5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL、約10mg/mL、約20mg/mL、又は約30mg/mLでよい。本発明の特定の具体例において、1つ以上のDNA作製物の最終濃度は、個別に又は組合せで、約100μg/mL~約2.5mg/mLである。本発明の特定の具体例において、1つ以上のDNA作製物の最終濃度は個別に又は組合せで約0.5mg/mL~1mg/mLである。
【0224】
本発明のDNA剤形は、当該分野に公知の標準条件下で凍結乾燥する。本発明のDNA剤形を凍結乾燥させる方法は、(a)容器(例えば、バイアル)に、DNA剤形(例えば、本発明の1つ以上のDNA作製物を含むDNA剤形)、塩及び炭水化物を積載し、凍結乾燥器に入れることであって、前記凍結乾燥器は約5℃~約-5℃の出発温度を有すること;(b)前記DNA剤形を0℃以下の温度(例えば、-10℃~-50℃)に冷却させること;及び(c)前記DNA剤形を実質的に乾燥させること、を含むことができる。本発明のDNA剤形の凍結乾燥に対する条件、例えば、温度及び期間は、当該分野における熟練者が、凍結乾燥変数、例えば、使用する凍結乾燥機械の類型、使用されたDNAの量、及び使用された容器の大きさを考慮して調節できる。
【0225】
その後、前記凍結乾燥したDNA剤形を保持する前記容器をシールした後、様々な温度(例えば、室温~約-180℃、好ましくは約2~8℃~約-80℃、より好ましくは約-20℃~約-80℃、及び最も好ましくは約-20℃)で一定期間保管した。特定の観点において、前記凍結乾燥したDNA剤形は、好ましくは約2~8℃~約-80℃の範囲内で少なくとも6ヶ月の期間において有意な活性の損失なく安定である。安定した保管プラスミドDNA剤形はまた、研究又はプラスミドベース療法のような使用前に、長期間に安定した形態でプラスミドDNAを保管することに相応する。保管時間は、数ヵ月、1年、5年、10年、15年、又は20年まであり得る。好ましくは、前記製造物は少なくとも約3年間安定である。
【0226】
5. 併用療法用キット
他の観点において、本発明は、IGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-暗号化DNA作製物を使用する併用療法用キットを提供する。
【0227】
前記キットは、IGF-1-暗号化DNA作製物を含む第1薬学組成物及びHGF-暗号化DNA作製物を含む第2薬学組成物を含むことができる。一具体例において、前記第1薬学組成物及び前記第2薬学組成物は、単一容器に入っている同一薬学組成物である。一具体例において、前記第1薬学組成物及び前記第2薬学組成物は、2つ以上の別個の容器に入っている別の薬学組成物である。
【0228】
前記第1薬学組成物は、本明細書で提供された前記IGF-1-暗号化DNA作製物のうち任意のものを含むことができる。例えば、前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、1つのIGF-1異型体を発現させることができる単一発現DNA作製物、又は2つのIGF-1異型体を発現させる二重発現DNA作製物でよい。前記第2薬学組成物は、本明細書で提供されたHGF-暗号化DNA作製物のうち任意のものを含むことができる。例えば、前記HGF-暗号化DNA作製物は、1つのHGF異型体を発現させることができる単一発現DNA作製物、又は2つのHGF異型体を発現させる二重発現DNA作製物でよい。
【0229】
前記キットは、IGF-1-暗号化DNA作製物、HGF-暗号化DNA作製物又は両方のいずれか一つ以上の単位投薬量を含むことができる。
【0230】
前記キットは、前記IGF-1-暗号化DNA作製物、HGF-暗号化DNA作製物又は両方を投与する方法を説明する指針書をさらに含むことができる。前記方法は、本明細書で提供される投与方法のうち任意のものでよい。
【実施例
【0231】
下記実施例は、通常の技術者に、本発明をどのように作って利用するかに関する完全な開示及び説明を提供するために設定されたものであり、本発明者らがその発明として見なす範囲を制限することを意図せず、また、下記実験が、実行された全ての実験である又はその実験しかないいうことを表すことを意図しない。使用された数値(例えば、量、温度など)に対して正確性を担保するための努力をしてきたが、特定の実験的誤差と偏差は考慮されるべきである。別に断らない限り、部は重量部で、分子量は重量平均分子量で、温度は摂氏で、及び圧力は気圧である。標準略語、例えば、bp、塩基対;kb、キロベース;pl、ピコリットル;s又はsec、秒;min、分;h又はhr、時間;aa、アミノ酸;nt、ヌクレオチド;などを用いることができる。
【0232】
本発明の実施は、別に断らない限り、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術及び薬学を、当該分野における技術内で用いることができる。
【0233】
実施例1:ネズミCCI神経病症モデルにおいて、IGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-暗号化DNA作製物の併用投与の治療効能
IGF-1-暗号化作製物及びHGF-暗号化作製物の併用投与の治療的効果を、神経病症の研究において広く認定されたモデルであるマウスの慢性収縮性損傷モデル(CCI)において試験した。CCIマウスモデルは、末梢で慢性神経損傷を招くいくつかの過程を開始するものと知られた坐骨神経の慢性収縮性損傷によって生成した。また、CCIマウスは神経性疼痛を有するものと知られている。
【0234】
詳細には、生後4週雄ICRマウス(体重24~26g)を購入してCCIモデルを作り、及び前記効果を試験するために用いた。全ての外科的及び試験的過程は、ソウル大学校動物実験倫理委員会の承認を得た。マウスでCCIを行うために、約1cm長で鈍的剥離(blunt dissection)し、通常、殿筋及び大腿二頭筋の間にある、右坐骨神経を露出させた。一旦、3分岐の部位に隣接した坐骨神経が露出されると、これを6-0シルク(Ethicon)縫合糸を用いて0.5mm間隔で3回緩く結紮した。右後足が顕著に痙攣するまで前記結紮部位を若干引き締めた。シャム手術(Sham-operated)マウスには、右大腿に同様の剥離を施すが、坐骨神経における結紮はしなかった。
【0235】
総200μgのDNA作製物をCCI当日に筋肉内注射し、及び機械的刺激による疼痛敏感度をフォンフレイフィラメント(Von Frey’s filament)で測定した。各群に注射されたDNA作製物の類型と量を、下表1に整理した。
【0236】
【表1】
【0237】
表1で、pCK-IGF-1#1、pCK-IGF-1#2、pCK-IGF-1#3、及びpCK-IGF-1#4は、pCKベクターにクローンされた個別ヒトIGF-1異型体を暗号化するDNA作製物である。前記DNA作製物は、標準分子クローニング技術を用いてpCKベクターで作製された。詳細には、4個ポリヌクレオチド(配列番号15、17、19及び21)を、Bioneer(韓国)から供給されたカスタマイズDNA合成工程から得た。このようなポリヌクレオチドを、5’リンカー、Cla I及び3’リンカー、Sal Iを有するものとして合成した。pCKベクター及び前記ポリヌクレオチドをCla I及びSal Iで処理した。クラスI,Ec異型体のコーディング配列であり、及びIGF-1遺伝子のエクソン1、3/4、5及び6の少なくとも一部を含む配列番号17のポリヌクレオチドを、pCKベクターのクローニング部位に挿入することによって、クラスI,Ec(異型体#1)を暗号化するIGF-1#1を生成した。クラスII,Ea異型体のコーディング配列であり、及びIGF-1遺伝子のエクソン2、3/4及び6の少なくとも一部を含む配列番号19のポリヌクレオチドをpCKベクターのクローニング部位に挿入することによって、クラスII,Ea(異型体#2)を暗号化するIGF-1#2を生成した。クラスI,Eb異型体のコーディング配列であり、及びIGF-1遺伝子のエクソン1、3/4及び5の少なくとも一部を含む配列番号21のポリヌクレオチドをpCKベクターのクローニング部位に挿入することによって、クラスI,Eb(異型体#3)を暗号化するIGF-1#3を生成した。クラスI,Ea異型体のコーディング配列であり、及びIGF-1遺伝子のエクソン1、3/4及び6の少なくとも一部を含む配列番号15のポリヌクレオチドをpCKベクターのクローニング部位に挿入することによって、クラスI,Ea(異型体#4)を暗号化するIGF-1#4を生成した。各プラスミドから各IGF-1異型体の発現を試験管内及び生体内の両方で試験して確認した。
【0238】
CCI手術及び前記DNA作製物投与一週後に、フォンフレイフィラメントを用いて機械的異質痛の発達を評価し、及び疼痛症状を毎週測定して図2Aに示した。フォンフレイフィラメント試験を行ってマウスの機械的敏感度を測定した。簡略に、金属網の床上にあるシリンダー内に入れて適応させた。一定の厚さのフィラメント(0.16g)を用いて後足を刺激することによってマウスの機械的敏感度の頻度を測定した。
【0239】
図2Bは、図2Aで説明されたCCI実験で測定された足引っ込み頻度(%)を要約したグラフである。図2Bの頻度(%)はねCCI手術後1週~4週で測定された数値の平均である。前記結果は、VM202単独、又はVM202と様々なIGF-1-暗号化DNA作製物との組合せを注射した場合が、ベクター(pCK)だけを注射した場合に比較して、足引っ込み頻度において有意に減少したことを証明している。また、VM202をpCK-IGF-1#l又はpCK-IGF-1#4(すなわち、IGF-1異型体#1又はIGF-1異型体#4を発現できるDNA作製物)と組み合わせて注射すると、VM202単独又はVM202とIGF-1#2又はIGF-1#3との組合せ注射に比べてより有意に減少した。このようなデータは、IGF異型体#1(クラスI,Ec)及びIGF異型体#4(クラスI,Ea)がVM202と共に投与されるとき、神経病症を治療するのに特に効果的であることを提示する。
【0240】
図2Bに提供されたデータにおいて最も効果的なものと示されるIGF-1#l及びIGF-1#4に対して、これらの効果が併用投与時に向上するかどうかを試験した。詳細には、50μgのIGF-1#1及び50μgのIGF-1#4をVM202と共にCCIマウスに投与し、及び足引っ込み頻度数を、図3Aで要約したように測定した。図3Bに提供された結果(1週~4週間の平均)は、VM202をpCK-IGF-1#l及びpCK-IGF-1#4両方と共に注射すると、VM202とpCK-IGF-1#1の組合せ又はVM202とpCK-IGF-1#4の組合せに比べて、足引っ込み頻度において遥かに有意な減少を示すことを証明している。このようなデータは、IGF異型体#1(クラスI,Ec)及びIGF異型体#4(クラスI,Ea)の組合せをVM202と共に投与時に、より大きい治療効能を有するということを提示する。
【0241】
実施例2:マウスCCI神経病症モデルにおいて、IGF-1-暗号化DNA作製物及びHGF-暗号化DNA作製物の順次投与の治療効能
CCI神経病症マウスは、実施例1と同様にして生成し、それを表2のように7群に分割した。総200μgのDNA作製物をCCI手術当日に、CCIマウスに筋肉内注射し(第1注射)、及び3週後に再び注射した(第2注射)。各群に対して第1注射及び第2注射で投与されたDNA作製物を、下記表2に要約した。各群は、6匹のマウスで構成され、2回以上の独立的実験を行った(平均±SEM;*,p<0.05;**,p<0.01;***,p<0.001)。
【0242】
【表2】
【0243】
実験から、フォンフレイフィラメント試験による週間ベースで機械的異質痛を測定することによって、前記注射物の治療的効果を試験した。実験過程は、図4Aに要約されている。簡略に、金属網の床上にあるシリンダー内に動物を個別に入れて適応させた。一定の厚さのフィラメント(0.16g)を用いて後足を刺激することによってマウスの機械的敏感度の頻度を評価した。この後、試験を毎週反復した。
【0244】
結果が図4Bに要約されており、週間基準で各群から測定された足引っ込み頻度(%)を示す。この結果は、IGF-1-暗号化DNA作製物(すなわち、IGF-1#1及びIGF-1#4)の注射又はHGF-暗号化DNA作製物(すなわち、VM202)の注射は、ベクター(pCK)に比べて足引っ込み頻度が有意に減少することを裏付けている。また、HGF-暗号化DNA作製物(すなわち、VM202)を注射した後、IGF-1-暗号化DNA作製物(すなわち、IGF-1#1及びIGF-1#4)を注射すると(VM202->IGF-異型体)足引っ込み頻度がより減少することが証明された。このような第2注射による追加的な減少は、IGF-1#l及びIGF-1#4がVM202の第2注射前に注射された(IGF-1異型体->VM202)又はVM202がVM202の第2注射前に注射された(VM202->VM202)群では観測されなかった。したがって、VM202注射後にIGF-1#l及びIGF-1#4を注射すると(VM202->IGF-1異型体)足引っ込み頻度が最も有意に減少した。
【0245】
実施例3:IGF-1異型体#1(クラスI Ec)及び異型体#4(クラスI Ea)の両方を発現可能なDNA作製物
IGF-1クラスI Ecを発現させる第1IGF-1-暗号化DNA作製物(IGF-1#1)及びクラスI Eaを暗号化する第2IGF-1-暗号化DNA作製物(IGF-1#4)は併用時に、前記説明された行動実験において機械的異質痛を減少させるのに統計的に有意により大きい能力を有するので、本発明者らは、RNA転写体の選択的スプライシングを用いてIGF-1クラスI Ec(異型体#1)及びクラスI Ea(異型体#4)の2つの異型体を同時に発現するように設計されたいくつかのプラスミドを作製した。特に、IGF-1遺伝子のエクソン1、3/4、5及び6及びイントロンの配列又はそれらの断片を含むDNA作製物を生成した。異なる変異を含むいくつかのDNA作製物を作り、IGF-1クラスI Ec異型体(異型体#1)及びクラスI Ea異型体(異型体#4)両方を発現させる能力を試験した。
【0246】
各プラスミドは、pCKをプラスミドベースでpCK発現調節配列に作動可能に連結された挿入体を含むように作製した。前記挿入体は、(1)ヒトIGF-1エクソン1、3、及び4を暗号化する第1ポリヌクレオチド(配列番号1);(2)第2ポリヌクレオチドとして、IGF-1イントロン4(配列番号2)又はその断片物;(3)エクソン5及び6-1を暗号化する第3ポリヌクレオチド(配列番号3);(4)第4ポリヌクレオチドとして、イントロン5(配列番号4)又はその断片物;及び(5)エクソン6-2を暗号化する第5ポリヌクレオチド(配列番号5)を連鎖連結させ、前記第1ポリヌクレオチド、前記第2ポリヌクレオチド、前記第3ポリヌクレオチド、前記第4ポリヌクレオチド及び前記第5ポリヌクレオチドを順次に、5’から3’の方向に連結させることによって生成された。これらのプラスミドは、イントロン4及び/又はイントロン5の断片サイズにおいて異なる。特に、配列番号6は、ベクターpCK-IGF-1X6に用いられたイントロン4断片のヌクレオチド配列を提供し、及び配列番号7は、ベクターpCK-IGF-1-Xl0に用いられたイントロン4断片のヌクレオチド配列を提供する。配列番号8は、ベクターpCK-IGF-1X6及びpCK-IGFlXl0に用いられたイントロン5断片のヌクレオチド配列を提供する。
【0247】
様々な作製物からの異型体#1(クラスI,Ec)及び異型体#4(クラスI,Ea)の生体内発現を試験するために、9週齢雄C57BL/6雄マウスに、50μgプラスミドをT.A.筋(tibialis anterior、前脛骨筋)に注射した。注射5日後に、T.A.骨格筋を得た。次に、タンパク質分解酵素阻害体、ホスファターゼ阻害剤カクテル(Roche Diagnostic Ltd.)、及びPMSF(Sigma)を含有する溶解緩衝液中で、ポリプロピレン乳棒(Bel-Art Scienceware)を用いて骨格筋を均質化した。サンプルを12,000rpmで15分間4゜Cで遠心分離し、及びヒトIGF-1ELISA(R&D Systems)をメーカー方式の通りに設定し、総タンパク質を含有する上澄液を分析した。検出されたIGF-1レベルはBCAタンパク質分析キット(Thermo,IL,USA)で測定し、組織から得たタンパク質抽出物の総量に正規化した。実験過程は図5Aに要約されている。
【0248】
図5Bに示すように、マウスT.A.筋におけるヒトIGF-1タンパク質の総発現量をELISAで決定した。前記マウスが単一異型体(“1”(クラスI,Ec)又は“4”(クラスI,Ea))を発現させる作製物50μg、異型体#1(クラスI,Ec)を発現させる第1作製物25μg+異型体#4(クラスI,Ea)を発現させる第2作製物25μg(“1+4”)、又は両異型体を発現させる作製物、pCK-IGF-1X6(“X6”)又はpCK-IGF-1X10(“X10”)50μgを収容したか否かに関係なく、ヒトIGF-1タンパク質の総発現量は類似であった。
【0249】
本発明者らは、RT-PCRを用いて前記作製物が異型体#1及び異型体#4両方に対する成熟した転写体を同時に発現したかとうかを決定した。RT-PCR反応は、エクソン3/4と結合する順方向プライマー(F)及びエクソン6と結合する逆方向プライマー(R)を用いて行われた。図6Aでさらに説明された通り、異型体#1(クラスI,Ec)に対する転写体をRT-PCRすれば、2つの増幅体(amplicon)-178bp増幅体及び259bp増幅体を生成するが、異型体#4(クラスI,Ea)に対する転写体をRT-PCRすれば、129bpの単一増幅体を生成する。
【0250】
RT-PCRのために、骨格筋を収集し、ポリプロピレン乳棒(Bel-Art Scienceware)を用いて機械的に均質化し、及びRNAiso plus(Takara)で抽出した。ナノドロップ(nanodrop)機器を用いてRNAを定量した。逆転写酵素XL(AMV)(Takara)を用いて同一量のRNAでcDNAを合成し、及び図6Aに示された順方向(TGA TCT AAG GAG GCT GGA)(配列番号40)及び逆方向(CTA CTT GCG TTC TTC AAA TG)(SEQ ID.NO:41)プライマーを用いてPCTを行った。
【0251】
図6Bに説明された通り、pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1X10は、異型体#1(l78bp及び259bpバンド)及び異型体#4(l29bpバンド)のいずれに対しても成熟した転写体を発現した。異型体#1及び異型体#4に対する成熟した転写体の発現は、pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1X10以外の作製物からは検出されず、そのデータは本明細書で提供されない。
【0252】
前記2つの異型体転写体ともタンパク質に効果的に翻訳されることを確認するために、本発明者らは、図7Aに説明された通り、293T細胞にpCK-IGF-1X6又はpCK-IGF-1X10を形質感染させた。免疫ブロッティングのために、プラスミドDNAを形質感染2日(48時間)後に、細胞を収集し、タンパク質分解酵素及びホスファターゼ阻害体カクテル(Roche Diagnostic Ltd.)を含有したRIPA緩衝液を用いて溶解した。同量のタンパク質を10% SDS-ポリアクリルアミドゲル上で分離し、及びウェスタン膜(PVDF)に移した。該膜を、BSA(Invitrogen-Gibco)を含有したTBST(20mM Tris-HCl、pH 7.4、0.9% NaCl、及び0.1% Tween20)で1時間ブロッキングし、及びブロッキング溶液に希釈された一次抗体で4℃で一晩探針処理した。IGF-1異型体1及び異型体4のレベルを調べるために用いられた一次抗体は、Abclon(韓国)から提供され、及びIGF-1及びβ-アクチンに対する抗体はAbcam(UK)及びSigma-Aldrich(US)から購入した。TBSTで洗浄後、膜をHRP接合ヤギ抗マウス又はウサギIgG二次抗体(Sigma)で室温で1時間処理した。次に、ブロットをTBSTで3回洗浄し、及び前記タンパク質バンドを、向上した化学発光システム(Millipore)を用いて視覚化させた。β-アクチンをローディング対照群として用いた。
【0253】
図7Bに見られるウェスタンブロッティングデータから、pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1X10プラスミドがIGF-1の異型体の両方をタンパク質レベルで発現するということが確認される。
【0254】
実施例4:マウスCCI神経病症モデルにおいて、HGF-暗号化DNA作製物(VM202)とIGF-1異型体#1(クラスI Ec)及び異型体#4(クラスI Ea)の両方を発現させるIGF-1-暗号化DNA作製物との併用投与による治療効能
前記実施例1及び2で論議された通り、VM202及びIGF-1-暗号化DNA作製物-pCK-IGF-1#l及びpCK-IGF-1#4(すなわち、IGF-1異型体#1又はIGF-1異型体#4を発現可能なIGF-1-暗号化DNA作製物)-を同時又は順次に投与すれば、神経病症のマウスCCIモデルにおいて機械的異質痛が有意に減少する。
【0255】
本発明者らは、実施例3で製造した、IGF-1異型体#1及びIGF-1異型体#4の両方を発現できる二重発現DNA作製物を用いて同じ効果が提供できるかどうかを試験した。具体的に、pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1X10をVM202と共に神経病症のマウスCCIモデルにおいて試験した。
【0256】
【表3】
【0257】
CCIマウスを5個群に分け、及びCCI当日に総200μgのDNA作製物(表3に提供)を筋肉内注射で投与した。機械的刺激に対する疼痛敏感度をフォンフレイフィラメントを用いて適切な時間に測定した。各群は、6匹のマウスで構成され、及び2回以上の独立的実験を行った(平均±SEM;*,p<0.05;**,p<0.01;***,p<0.001)。CCI手術1週後に、機械的異質痛の発達をフォンフレイフィラメントを用いて評価し、及び疼痛症状を毎週評価した。実験過程が図8Aに要約されている。
【0258】
CCI手術後一週間測定した足引っ込み頻度は、図8Bに提供されている。このデータは、VM202及びIGF-1異型体#1及び#4を暗号化する作製物(すなわち、IGF-1#1及びIGF-1#4;IGF-1X6及びIGF-1X10)を同時に筋肉内注射した後、機械的異質痛が統計的に有意に減少するということを証明する。特に、前記マウスにそれぞれ、IGF-1異型体#1又は#4を暗号化する2つのIGF-1-暗号化DNA作製物と、又は前記二重発現作製物pCK-IGF-1X10と同時に投与するとき、機械的異質痛に対する効果がより良好であった。このような効果は、CCI手術4週後の最後の測定時まで一貫して観測された。
【0259】
実施例5:マウスCCI神経病症モデルにおいて、HGF-暗号化DNA作製物(HGF728)とIGF-1異型体#1(クラスI Ec)及び異型体#4(クラスI Ea)の両方を発現させるIGF-1-暗号化DNA作製物との併用投与の治療的効能
前記実施例1~4で論議された通り、VM202及びIGF-1-暗号化DNA作製物を同時又は順次に投与すると、神経病症のマウスCCIモデルにおいて機械的異質痛が有意に減少する。IGF-1-暗号化DNA作製物と組み合わせられた他のHGF-暗号化DNA作製物、HGF728の治療効果をさらに試験した。
【0260】
詳細に、CCI神経病症マウスを実施例1と同様にして生成し、5つの群に分けた。図9Aに図式されているように、総200μgのプラスミドDNAをCCI手術当日に筋肉内注射した。各群に投与されたDNA作製物が表4に要約されている。
【0261】
【表4】
【0262】
CCI手術1週間後、機械的異質痛の発達をフォンフレイフィラメント試験法を用いて評価した。簡略に、動物を金属網の床上にあるシリンダー内に個別に入れて適応させた。一定の厚さのフィラメント(0.16g)を用いて後足を刺激することによってマウスの機械的敏感度の頻度を測定した。機械的閾値に対して、マウスを様々な厚さのフィラメント(0.04~2.0g)で刺激した。その後、試験を毎週反復した。
【0263】
CCI手術1週後に測定された足引っ込み頻度及び機械的閾値が、図9B-9Cに提供されており、図9Bは頻度(%)を、図9Cは足引っ込みの閾値を示す。全ての数値は、3回の独立した実験値から得た平均±平均標準誤差(SEM)で表示される。数値間の差は、1元分散分析(one-way ANOVA)後、事後検定分析(Tukey’s post-hoc test)又は多重比較(Bonferroni’s multiple comparison test)で決定した。
【0264】
このようなデータによれば、pCK-HGF728を注射すると足引っ込み頻度及び足引っ込み閾値を有意に減少させるということがわかる。動物がpCK-HGF728及びpCK-IGF-1X10で処理されるとき、足引っ込み頻度がより大きく減少し、機械的敏感度の閾値がより大きく増加したことが観察され、これは統計的に有意味であった。このような結果は、pCK-HGF728の治療効果がさらにpCK-IGF-1X10の併用投与によって向上し得ることを示す。これらの効果は、CCI手術2週後の最後の測定時まで一貫して観察された。
【0265】
[参照による援用]
本出願に引用された全ての出版物、特許、特許出願、及び他の文書は、各個別の出版物、特許、特許出願、又は他の文書が個別に全ての目的に対して参照して組み込まれると示されるのと同じ程度に、参照だけすることによって全ての目的に対してそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0266】
[等価物]
様々な特定の具体例が実証され説明されてきたが、前記明細書は制限的ではない。様々な変化が本発明の思想及び範囲から逸脱することなく可能であることが理解できよう。多くの変形が本明細書を検討する上で当分野における技術者にとって明らかであろう。
本発明の態様は以下を含む。
[付記1]
神経病症を治療する方法であって、前記方法は:
神経病症を持つ対象体に、ヒトIGF-1異型体を発現可能な第1IGF-1-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階;及び
前記対象体に、ヒトHGF異型体を発現可能な第1HGF-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階を含む、神経病症を治療する方法。
[付記2]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号14のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Eaタンパク質又は配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質を発現可能である、付記1に記載の神経病症を治療する方法。
[付記3]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号18のポリペプチドを含むクラスII IGF-1Eaタンパク質及び配列番号20のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ebタンパク質の両方を全て発現可能なわけではない、付記1又は2に記載の神経病症を治療する方法。
[付記4]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号15のポリヌクレオチドを含む、付記1~3のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記5]
前記対象体に第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含み、前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号17のポリヌクレオチドを含む、付記4に記載の神経病症を治療する方法。
[付記6]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号17のポリヌクレオチドを含む、付記1~3のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記7]
前記対象体に第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含み、前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号15のポリヌクレオチドを含む、付記6に記載の神経病症を治療する方法。
[付記8]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、同時に行われる、付記5又は7に記載の神経病症を治療する方法。
[付記9]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、順次に行われる、付記5又は7に記載の神経病症を治療する方法。
[付記10]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、1つより多いヒトIGF-1異型体を暗号化する、付記1~9のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記11]
前記1つより多いヒトIGF-1異型体は、配列番号14のポリペプチド及び配列番号16のポリペプチドを含む、付記10に記載の神経病症を治療する方法。
[付記12]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は:
配列番号1の第1IGFポリヌクレオチド(エクソン1、3、4)又はその縮退物;
配列番号2の第2IGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその断片物;
配列番号3の第3IGFポリヌクレオチド(エクソン5及び6-1)又はその縮退物;
配列番号4の第4IGFポリヌクレオチド(イントロン5)又はその断片物;及び
配列番号5の第5IGFポリヌクレオチド(エクソン6-2)又はその縮退物を含み、
前記第1ポリヌクレオチド、前記第2ポリヌクレオチド、前記第3ポリヌクレオチド、前記第4ポリヌクレオチド及び前記第5ポリヌクレオチドは順次に、5’から3’の順に連結されている、付記10に記載の神経病症を治療する方法。
[付記13]
前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号6のポリヌクレオチドである、付記12に記載の神経病症を治療する方法。
[付記14]
前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号7のポリヌクレオチドである、付記12に記載の神経病症を治療する方法。
[付記15]
前記第4IGFポリヌクレオチドは、配列番号8のポリヌクレオチドである、付記12に記載の神経病症を治療する方法。
[付記16]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターを含む、付記1~5のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記17]
前記プラスミドベクターは、pCKである、付記16に記載の神経病症を治療する方法。
[付記18]
前記プラスミドベクターは、pTxである、付記16に記載の神経病症を治療する方法。
[付記19]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号10のポリヌクレオチドを含む、付記12~18のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記20]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号9のポリヌクレオチドを含む、付記12~18のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記21]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物を、前記対象体において疼痛を減少させるのに十分な量で投与する、付記1~20のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記22]
前記対象体は、糖尿性神経病症を有する、付記1~21のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記23]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物を多重の筋肉内注射によって投与する、付記1~22のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記24]
前記ヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF又は配列番号12のDhgfである、付記1~23のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記25]
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、1つ以上のヒトHGF異型体を暗号化する、付記24に記載の神経病症を治療する方法。
[付記26]
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化し、前記2つのヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFである、付記25に記載の神経病症を治療する方法。
[付記27]
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターを含み、選択的に前記プラスミドベクターは、pCKベクター又はpTxベクターである、付記1~26のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記28]
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は:
配列番号22の第1HGFポリヌクレオチド(エクソン1-4)又はその縮退物;
配列番号25の第2HGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその機能的断片物;及び
配列番号23の第3HGFポリヌクレオチド(エクソン5-18)又はその縮退物を含み、前記第2HGFポリヌクレオチドは、前記第1HGFポリヌクレオチド及び前記第3HGFポリヌクレオチドの間に位置し、及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化する、付記1~27のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記29]
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む、付記28に記載の神経病症を治療する方法。
[付記30]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、併用投与される、付記1~29のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記31]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、筋肉内注射で併用投与される、付記30に記載の神経病症を治療する方法。
[付記32]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、別々に行われる、付記1~29のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記33]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する方法及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、少なくとも3週の間隔で行われる、付記32に記載の神経病症を治療する方法。
[付記34]
前記対象体に、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFから選ばれるヒトHGF異型体を発現可能な第2HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含む、付記1~33のいずれかに記載の神経病症を治療する方法。
[付記35]
神経病症を治療する方法であって、前記方法は:
神経病症を有する対象体に、配列番号13のポリヌクレオチドを含むHGF-暗号化DNA作製物を投与する段階;及び
前記対象体に、配列番号10のポリヌクレオチド又は配列番号9のポリヌクレオチドを含むIGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階を含み、
前記HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、少なくとも3週の間隔で行われる、神経病症治療方法。
[付記36]
神経病症を治療する方法であって、前記方法は:
神経病症を有する対象体に、配列番号33のポリヌクレオチドを含むHGF-暗号化DNA作製物を投与する段階;及び
前記対象体に、配列番号10のポリヌクレオチド又は配列番号9のポリヌクレオチドを含むIGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階を含み、
前記HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、少なくとも3週の間隔で行われる、神経病症治療方法。
[付記37]
神経病症を治療する方法であって、前記方法は:
神経病症を有する対象体に、配列番号13のポリヌクレオチドを含むHGF-暗号化DNA作製物を投与する段階;及び
前記対象体に、配列番号15のポリヌクレオチドを暗号化する第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び配列番号17のポリヌクレオチドを暗号化する第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階を含み、
前記HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、少なくとも3週の間隔で行われる、神経病症治療方法。
[付記38]
次を含む薬学組成物:
少なくとも1つのヒトIGF-1異型体を発現可能なIGF-1-暗号化DNA作製物;
少なくとも1つのヒトHGF異型体を発現可能なHGF-暗号化DNA作製物、及び
薬学的許容可能な賦形剤を含む、薬学組成物。
[付記39]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号14のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Eaタンパク質又は配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質を暗号化する、付記38に記載の薬学組成物。
[付記40]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、1つ以上のヒトIGF-1異型体を暗号化する、付記38又は39に記載の薬学組成物。
[付記41]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、2つのヒトIGF-1異型体を暗号化し、前記2つのヒトIGF-1異型体は、配列番号14のポリペプチド及び配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質である、付記40に記載の薬学組成物。
[付記42]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は:
配列番号1の第1IGFポリヌクレオチド(エクソン1、3、4)又はその縮退物;
配列番号2の第2IGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその断片物;
配列番号3の第3IGFポリヌクレオチド(エクソン5及び6-1)又はその縮退物;
配列番号4の第4IGFポリヌクレオチド(イントロン5)又はその断片物;及び
配列番号5の第5IGFポリヌクレオチド(エクソン6-2)又はその縮退物を含み、
前記第1ポリヌクレオチド、前記第2ポリヌクレオチド、前記第3ポリヌクレオチド、前記第4ポリヌクレオチド及び前記第5ポリヌクレオチドは順次に、5’から3’の順に連結されている、付記41に記載の薬学組成物。
[付記43]
前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号6のポリヌクレオチドである、付記42に記載の薬学組成物。
[付記44]
前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号7のポリヌクレオチドである、付記42に記載の薬学組成物。
[付記45]
前記第4IGFポリヌクレオチドは、配列番号8のポリヌクレオチドである、付記42に記載の薬学組成物。
[付記46]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターをさらに含む、付記42に記載の薬学組成物。
[付記47]
前記プラスミドベクターは、pCKである、付記46に記載の薬学組成物。
[付記48]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、pCK-IGF-1X6及びpCK-IGF-1X10からなる群から選ばれる、付記47に記載の薬学組成物。
[付記49]
前記プラスミドベクターは、pTxである、付記46に記載の薬学組成物。
[付記50]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、pTx-IGF-1X6及びpTx-IGF-1X10からなる群から選ばれる、付記49に記載の薬学組成物。
[付記51]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号9のポリヌクレオチドを含む、付記48又は50に記載の薬学組成物。
[付記52]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号10のポリヌクレオチドを含む、付記48又は50に記載の薬学組成物。
[付記53]
前記少なくとも1つのヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF又は配列番号12のdHGFである、付記38~52のいずれかに記載の薬学組成物。
[付記54]
前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFの両方を発現可能である、付記53に記載の薬学組成物。
[付記55]
前記HGF-暗号化DNA作製物は:
配列番号22の第1HGFポリヌクレオチド(エクソン1-4)又はその縮退物;
配列番号25の第2HGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその機能的断片物;及び
配列番号23の第3HGFポリヌクレオチド(エクソン5-18)又はその縮退物を含み、
前記第2HGFポリヌクレオチドは、前記第1HGFポリヌクレオチド及び前記第3HGFポリヌクレオチドの間に位置し、及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化する、付記54に記載の薬学組成物。
[付記56]
前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号26-32及び13のうち任意の配列番号のポリヌクレオチドを含む、付記38~55のいずれかに記載の薬学組成物。
[付記57]
前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む、付記56に記載の薬学組成物。
[付記58]
配列番号13のポリヌクレオチド;及び配列番号9のポリヌクレオチドを含む、薬学組成物。
[付記59]
配列番号13のポリヌクレオチド;及び配列番号10のポリヌクレオチドを含む、薬学組成物。
[付記60]
配列番号13のポリヌクレオチド;及び配列番号15のポリヌクレオチド又は配列番号17のポリヌクレオチドを含む、薬学組成物。
[付記61]
配列番号13のポリヌクレオチド;配列番号15のポリヌクレオチド及び配列番号17のポリヌクレオチドを含む、薬学組成物。
[付記62]
配列番号33のポリヌクレオチド及び配列番号9、配列番号10、配列番号15、配列番号17、又は配列番号39のポリヌクレオチドを含む、薬学組成物。
[付記63]
神経病症治療用キットであって、前記キットは:
少なくとも1つのヒトIGF-1異型体を発現可能なIGF-1-暗号化DNA作製物、及び第1薬学的に許容可能な賦形剤を含む第1薬学組成物;及び
少なくとも1つのヒトHGF異型体を発現可能なHGF-暗号化DNA作製物、及び第2薬学的に許容可能な賦形剤を含む第2薬学組成物を含む、神経病症治療用キット。
[付記64]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号14のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Eaタンパク質又は配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質を暗号化する、付記63に記載の神経病症治療用キット。
[付記65]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、1つより多いヒトIGF-1異型体を暗号化する、付記63又は64に記載の神経病症治療用キット。
[付記66]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、2つのヒトIGF-1異型体を暗号化し、前記2つのヒトIGF-1異型体は、配列番号14のポリペプチド及び配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質である、付記65に記載の神経病症治療用キット。
[付記67]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は:
配列番号1の第1IGFポリヌクレオチド(エクソン1、3、4)又はその縮退物;
配列番号2の第2IGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその断片物;
配列番号3の第3IGFポリヌクレオチド(エクソン5及び6-1)又はその縮退物;
配列番号4の第4IGFポリヌクレオチド(イントロン5)又はその断片物;及び
配列番号5の第5IGFポリヌクレオチド(エクソン6-2)又はその縮退物を含み、
前記第1ポリヌクレオチド、前記第2ポリヌクレオチド、前記第3ポリヌクレオチド、前記第4ポリヌクレオチド及び前記第5ポリヌクレオチドは順次に、5’から3’の順に連結されている、付記66に記載の神経病症治療用キット。
[付記68]
前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号6のポリヌクレオチドである、付記67に記載の神経病症治療用キット。
[付記69]
前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号7のポリヌクレオチドである、付記67に記載の神経病症治療用キット。
[付記70]
前記第4IGFポリヌクレオチドは、配列番号8のポリヌクレオチドである、付記67に記載の神経病症治療用キット。
[付記71]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターをさらに含む、付記63~70のいずれかに記載の神経病症治療用キット。
[付記72]
前記プラスミドベクターは、pCKである、付記71に記載の神経病症治療用キット。
[付記73]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、pCK-IGF-X6又はpCK-IGF-1X10を含む、付記72に記載の神経病症治療用キット。
[付記74]
前記プラスミドベクターは、pTxである、付記71に記載の神経病症治療用キット。
[付記75]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、pTx-IGF-1X6又はpTx-IGF-1X10を含む、付記74に記載の神経病症治療用キット。
[付記76]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号9のポリヌクレオチドを含む、付記73又は75に記載の神経病症治療用キット。
[付記77]
前記IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号10のポリヌクレオチドを含む、付記73又は75に記載の神経病症治療用キット。
[付記78]
前記少なくとも1つのヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF又は配列番号12のdHGFである、付記63~77のいずれかに記載の神経病症治療用キット。
[付記79]
前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFの両方を発現可能である、付記78に記載の神経病症治療用キット。
[付記80]
前記HGF-暗号化DNA作製物は:
配列番号22の第1HGFポリヌクレオチド(エクソン1-4)又はその縮退物;
配列番号25の第2HGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその機能的断片物;及び
配列番号23の第3HGFポリヌクレオチド(エクソン5-18)又はその縮退物を含み、
前記第2HGFポリヌクレオチドは、前記第1HGFポリヌクレオチド及び前記第3HGFポリヌクレオチドの間に位置し、及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化する、付記79に記載の神経病症治療用キット。
[付記81]
前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号26~32及び13のうち任意のポリヌクレオチドを含む、付記63~79のいずれかに記載の神経病症治療用キット。
[付記82]
前記HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む、付記81に記載の神経病症治療用キット。
[付記83]
前記第1薬学組成物は、配列番号9のポリヌクレオチドを含み;及び前記第2薬学組成物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む、付記63に記載の神経病症治療用キット。
[付記84]
前記第1薬学組成物は、配列番号10のポリヌクレオチドを含み;及び前記第2薬学組成物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む、付記63に記載の神経病症治療用キット。
[付記85]
前記第1薬学組成物は、配列番号15のポリヌクレオチド及び配列番号17のポリヌクレオチドを含み;及び前記第2薬学組成物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む、付記63に記載の神経病症治療用キット。
[付記86]
前記第1薬学組成物は、配列番号9、配列番号10、配列番号15、又は配列番号17のポリヌクレオチドを含み、及び前記第2薬学組成物は、配列番号33のポリヌクレオチドを含む、付記63に記載の神経病症治療用キット。
[付記87]
神経病症を治療する医療方法の用途に用いるための、ヒトIGF-1異型体を発現可能な第1IGF-1-暗号化DNA作製物であって、前記医療方法は:
神経病症を有する対象体に、前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階、及び
前記対象体に、ヒトHGF異型体を発現可能な第1HGF-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階を含む、第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記88]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号14のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Eaタンパク質又は配列番号16のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ecタンパク質を発現可能である、付記87に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記89]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号18のポリペプチドを含むクラスII IGF-1Eaタンパク質及び配列番号20のポリペプチドを含むクラスI IGF-1Ebタンパク質の両方を全て発現可能なわけではない、付記87又は88に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記90]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号15のポリヌクレオチドを含む、付記87~89のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記91]
前記医療方法は:
前記対象体に第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含み、前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号17のポリヌクレオチドを含む、付記90に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記92]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号17のポリヌクレオチドを含む、付記87~89のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記93]
前記医療方法は:
前記対象体に第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含み、前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号15のポリヌクレオチドを含む、付記92に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記94]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、同時に行われる、付記91又は93に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記95]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第2IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階は、順次に行われる、付記91又は93に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記96]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、1以上のヒトIGF-1異型体を暗号化する、付記87~95のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記97]
前記1以上のヒトIGF-1異型体は、配列番号14のポリペプチド及び配列番号16のポリペプチドを含む、付記96に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記98]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は:
配列番号1の第1IGFポリヌクレオチド(エクソン1、3、4)又はその縮退物;
配列番号2の第2IGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその断片物;
配列番号3の第3IGFポリヌクレオチド(エクソン5及び6-1)又はその縮退物;
配列番号4の第4IGFポリヌクレオチド(イントロン5)又はその断片物;及び
配列番号5の第5IGFポリヌクレオチド(エクソン6-2)又はその縮退物を含み、
前記第1ポリヌクレオチド、前記第2ポリヌクレオチド、前記第3ポリヌクレオチド、前記第4ポリヌクレオチド及び前記第5ポリヌクレオチドは順次に、5’から3’の順に連結されている、付記96に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記99]
前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号6のポリヌクレオチドである、付記98に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記100]
前記第2IGFポリヌクレオチドは、配列番号7のポリヌクレオチドである、付記98に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記101]
前記第4IGFポリヌクレオチドは、配列番号8のポリヌクレオチドである、付記98に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記102]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターを含む、付記87~101のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記103]
前記プラスミドベクターは、pCKである、付記102に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記104]
前記プラスミドベクターは、pTxである、付記102に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記105]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号10のポリヌクレオチドを含む、付記87~104のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記106]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物は、配列番号9のポリヌクレオチドを含む、付記87~104のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記107]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、前記対象体において疼痛を減少させるのに十分な量で投与される、付記87~106のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記108]
前記対象体は、糖尿性神経病症を有する、付記87~107のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記109]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、複数回の筋肉内注射で投与される、付記87~108のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記110]
前記ヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF又は配列番号12のdHGFである、付記87~109のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記111]
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、1つ以上のヒトHGF異型体を暗号化する、付記110に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記112]
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化し、前記2つのヒトHGF異型体は、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFである、付記111に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記113]
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、プラスミドベクターを含み、選択的に前記プラスミドベクターは、pCKベクター又はpTxベクターである、付記87~112のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記114]
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は:
配列番号22の第1HGFポリヌクレオチド(エクソン1-4)又はその縮退物;
配列番号25の第2HGFポリヌクレオチド(イントロン4)又はその機能的断片物;及び
配列番号23の第3HGFポリヌクレオチド(エクソン5-18)又はその縮退物を含み、
前記第2HGFポリヌクレオチドは前記第1HGFポリヌクレオチド及び前記第3HGFポリヌクレオチドの間に位置し、及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、2つのヒトHGF異型体を暗号化する、付記87~113のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記115]
前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、配列番号13のポリヌクレオチドを含む、付記114に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記116]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、併用投与される、付記87~115のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記117]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物は、筋肉内注射で併用投与される、付記116に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記118]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、別々に行われる、付記87~115のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記119]
前記第1IGF-1-暗号化DNA作製物を投与する段階及び前記第1HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階は、少なくとも3週の間隔で行われる、付記118に記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記120]
前記医療方法は、前記対象体に、配列番号11のflHGF及び配列番号12のdHGFから選ばれたヒトHGF異型体を発現可能な第2HGF-暗号化DNA作製物を投与する段階をさらに含む、付記87~119のいずれかに記載の第1IGF-1-暗号化DNA作製物。
[付記121]
神経病症を治療する医療方法の用途に用いるための、ヒトHGF異型体を発現可能な第1HGF-暗号化DNA作製物であって、前記医療方法は:
神経病症を有する対象体に、前記第1HGF-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階、及び
前記対象体に、ヒトHGF異型体を発現可能な第1IGF-1-暗号化DNA作製物の治療的有効量を投与する段階を含む、第1HGF-暗号化DNA作製物。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
【配列表】
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