(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】管理装置、車両通信システム、車両通信管理方法および車両通信管理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0816 20220101AFI20231108BHJP
H04L 41/12 20220101ALI20231108BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20231108BHJP
H04L 67/12 20220101ALI20231108BHJP
【FI】
H04L41/0816
H04L41/12
H04L12/28 200Z
H04L12/28 100A
H04L67/12
(21)【出願番号】P 2021503394
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(86)【国際出願番号】 JP2019041016
(87)【国際公開番号】W WO2020179123
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】P 2019039548
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】高山 浩一
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】泉 達也
(72)【発明者】
【氏名】矢野 純史
(72)【発明者】
【氏名】藪内 靖弘
(72)【発明者】
【氏名】松本 真
(72)【発明者】
【氏名】萩原 剛志
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-218928(JP,A)
【文献】特開2011-014033(JP,A)
【文献】特開2018-152758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/0816
H04L 41/12
H04L 12/28
H04L 67/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の車載機能部を含むネットワークへの機能部の追加を検知する検知部と、
前記検知部によって追加を検知された前記機能部である新規機能部、および前記車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する取得部と、
前記取得部によって取得された各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成する生成部とを備え、
前記生成部は、生成した前記構成情報に対応する、前記新規ネットワークの成立性を示す成立性情報を取得
し、
前記生成部は、前記新規機能部および前記車載機能部が前記新規ネットワークにおいて通信を行うための前記新規機能部および前記車載機能部の設定内容を示す前記構成情報を生成する、管理装置。
【請求項2】
前記管理装置は、さらに、
前記生成部によって生成された前記構成情報に基づいて、前記新規ネットワークを構成する前記新規機能部および1または複数の前記車載機能部のうちの少なくともいずれか1つに、前記新規ネットワークにおいて通信を行うための設定内容を通知する通知部を備える、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記機能部情報は、前記新規ネットワークにおける複数のハードウェア装置の仕様および前記新規ネットワークのトポロジ、前記新規ネットワークにおけるハードウェア装置への前記新規機能部および前記車載機能部の配置に関する制約、ならびに前記新規ネットワークにおける通信方式の制約のうち、少なくともいずれか1つを認識可能な情報である、請求項1または請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記生成部は、取得した前記成立性情報に基づいて生成条件を変更し、変更後の生成条件に従って前記構成情報を新たに生成する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記管理装置は、さらに、
前記生成部によって生成された前記構成情報を記憶する記憶部を備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記成立性情報を他の装置から取得する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記生成部は、前記取得部によって取得された前記各機能部情報に基づいて、前記新規ネットワークの論理的構成および物理的構成から判断した、前記新規機能部および前記車載機能部が前記新規ネットワークにおいて通信を行うための前記新規機能部および前記車載機能部の設定内容を示す前記構成情報を生成する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項8】
管理装置と、
ネットワークを構成する1または複数の車載機能部とを備え、
前記管理装置は、前記ネットワークへの機能部の追加を検知するとともに、追加を検知した前記機能部である新規機能部から、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報を取得し、
1または複数の前記車載機能部は、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む自己の機能部情報を前記管理装置へ送信し、
前記管理装置は、前記新規機能部から取得した前記機能部情報、および1または複数の前記車載機能部から受信した前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成し、
前記管理装置は、生成した前記構成情報に対応する、前記新規ネットワークの成立性を示す成立性情報を取得
し、
前記管理装置は、前記新規機能部および前記車載機能部が前記新規ネットワークにおいて通信を行うための前記新規機能部および前記車載機能部の設定内容を示す前記構成情報を生成する、車両通信システム。
【請求項9】
管理装置における車両通信管理方法であって、
1または複数の車載機能部を含むネットワークへの機能部の追加を検知するステップと、
追加を検知した前記機能部である新規機能部、および前記ネットワークに含まれる前記車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得するステップと、
取得した各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成するステップと、
生成した前記構成情報に対応する、前記新規ネットワークの成立性を示す成立性情報を取得するステップとを含
み、
前記構成情報を生成するステップにおいては、前記新規機能部および前記車載機能部が前記新規ネットワークにおいて通信を行うための前記新規機能部および前記車載機能部の設定内容を示す前記構成情報を生成する、車両通信管理方法。
【請求項10】
管理装置と、ネットワークを構成する1または複数の車載機能部とを備える車両通信システムにおける車両通信管理方法であって、
前記管理装置が、前記ネットワークへの機能部の追加を検知するとともに、追加を検知した前記機能部である新規機能部から、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報を取得するステップと、
1または複数の前記車載機能部が、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む自己の機能部情報を前記管理装置へ送信するステップと、
前記管理装置が、前記新規機能部から取得した前記機能部情報、および1または複数の前記車載機能部から受信した前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成するステップと、
前記管理装置が、生成した前記構成情報に対応する、前記新規ネットワークの成立性を示す成立性情報を取得するステップとを含
み、
前記構成情報を生成するステップにおいては、前記新規機能部および前記車載機能部が前記新規ネットワークにおいて通信を行うための前記新規機能部および前記車載機能部の設定内容を示す前記構成情報を生成する、車両通信管理方法。
【請求項11】
管理装置において用いられる車両通信管理プログラムであって、
コンピュータを、
1または複数の車載機能部を含むネットワークへの機能部の追加を検知する検知部、
前記検知部によって追加を検知された前記機能部である新規機能部、および前記車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する取得部、ならびに
前記取得部によって取得された各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成する生成部、
として機能させるためのプログラムであり、
前記生成部は、生成した前記構成情報に対応する、前記新規ネットワークの成立性を示す成立性情報を取得
し、
前記生成部は、前記新規機能部および前記車載機能部が前記新規ネットワークにおいて通信を行うための前記新規機能部および前記車載機能部の設定内容を示す前記構成情報を生成する、車両通信管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、車両通信システム、車両、車両通信管理方法および車両通信管理プログラムに関する。
この出願は、2019年3月5日に出願された日本出願特願2019-39548号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2018-192876号公報)には、以下のような運転支援装置が開示されている。すなわち、運転支援装置は、一つ以上の通信バスを含む車両内ネットワークに接続可能な運転支援装置であって、前記通信バスに流れる通信メッセージを取得するメッセージ取得部と、前記メッセージ取得部により取得された通信メッセージに基づいて、前記通信バスに車両制御用の電子制御装置が接続しているか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記通信バスに前記電子制御装置が接続していると判定された場合に、前記電子制御装置が接続している前記通信バスへの通信メッセージの送信を停止させる通信制御部とを備える。
【0003】
また、特許文献2(特開2017-220220号公報)には、以下のような車両用電子制御装置が開示されている。すなわち、車両用電子制御装置は、車載ネットワーク(6)に接続され、搭載されているアプリケーションにより所定の機能を実行する車両用電子制御装置(1~5)であって、前記アプリケーションからの要求に応じて前記車載ネットワークに接続された他の車両用電子制御装置に搭載されている機能を利用するサービスを要求すると共に、前記他の車両用電子制御装置からサービスの要求を受けた場合はサービスを生成して応答するサービスインターフェース(8)と、前記サービスインターフェースと、前記他の車両用電子制御装置の前記サービスインターフェースとの間で所定のプロトコルによりサービスの要求及び応答に対応したメッセージを送受信するサービスバス(9)と、前記サービスの位置を管理することで前記サービスを動的に相互利用可能とするサービス管理部(11)とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-192876号公報
【文献】特開2017-220220号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の管理装置は、1または複数の車載機能部を含むネットワークへの機能部の追加を検知する検知部と、前記検知部によって追加を検知された前記機能部である新規機能部、および前記車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する取得部と、前記取得部によって取得された各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成する生成部とを備える。
【0006】
本開示の車両通信システムは、管理装置と、ネットワークを構成する1または複数の車載機能部とを備え、前記管理装置は、前記ネットワークへの機能部の追加を検知するとともに、追加を検知した前記機能部である新規機能部から、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報を取得し、1または複数の前記車載機能部は、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む自己の機能部情報を前記管理装置へ送信し、前記管理装置は、前記新規機能部から取得した前記機能部情報、および1または複数の前記車載機能部から受信した前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成する。
【0007】
本開示の車両通信管理方法は、管理装置における車両通信管理方法であって、1または複数の車載機能部を含むネットワークへの機能部の追加を検知するステップと、追加を検知した前記機能部である前記新規機能部、および前記ネットワークに含まれる前記車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得するステップと、取得した各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成するステップとを含む。
【0008】
本開示の車両通信管理方法は、管理装置と、ネットワークを構成する1または複数の車載機能部とを備える車両通信システムにおける車両通信管理方法であって、前記管理装置が、前記ネットワークへの機能部の追加を検知するとともに、追加を検知した前記機能部である新規機能部から、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報を取得するステップと、1または複数の前記車載機能部が、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む自己の機能部情報を前記管理装置へ送信するステップと、前記管理装置が、前記新規機能部から取得した前記機能部情報、および1または複数の前記車載機能部から受信した前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成するステップとを含む。
【0009】
本開示の車両通信管理プログラムは、管理装置において用いられる車両通信管理プログラムであって、コンピュータを、1または複数の車載機能部を含むネットワークへの機能部の追加を検知する検知部、前記検知部によって追加を検知された前記機能部である新規機能部、および前記車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する取得部、ならびに前記取得部によって取得された各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成する生成部、として機能させるためのプログラムである。
【0010】
本開示の一態様は、管理装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。また、本開示の一態様は、車両通信システムの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。また、本開示の一態様は、車両通信システムにおける処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおけるネットワーク構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施の形態に係る管理部の構成を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構成の他の例を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構成の他の例を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施の形態に係る生成部により生成される構成情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける設定変更後の新規ネットワークの構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施の形態に係る生成部により生成される構成情報の他の例を示す図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける設定変更後の新規ネットワークの構成の他の例を示す図である。
【
図12】
図12は、本開示の実施の形態に係る生成部により生成される構成情報の他の例を示す図である。
【
図13】
図13は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける設定変更後の新規ネットワークの構成の他の例を示す図である。
【
図14】
図14は、本開示の実施の形態に係る通信システムにおけるサーバの構成を示す図である。
【
図15】
図15は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおいて管理部が新規ネットワークを構築する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【
図16】
図16は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構築処理のシーケンスの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構築処理のシーケンスの他の例を示す図である。
【
図18】
図18は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構築処理のシーケンスの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
近年、カーシェアリングの普及、および車両に搭載される車載装置の処理能力向上の要望に伴って、車載ネットワークにアプリケーションを追加することにより車載ネットワークをカスタマイズすることが求められている。このように、ユーザのニーズに応じて様々なアプリケーションを、車載ネットワークへ追加したり外したりすることが可能な技術が求められている。
【0013】
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1および2に記載の技術を超えて、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することが可能な技術が望まれる。
【0014】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することが可能な管理装置、車両通信システム、車両、車両通信管理方法および車両通信管理プログラムを提供することである。
【0015】
[本開示の効果]
本開示によれば、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0016】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0017】
(1)本開示の実施の形態に係る管理装置は、1または複数の車載機能部を含むネットワークへの機能部の追加を検知する検知部と、前記検知部によって追加を検知された前記機能部である新規機能部、および前記車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する取得部と、前記取得部によって取得された各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成する生成部とを備える。
【0018】
このように、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得し、取得した各機能部情報に基づいて新規ネットワークの構成情報を生成する構成により、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。これにより、たとえばネットワークに新規機能部を追加することに起因する重要度の高い通信における遅延の発生を抑制することができる。したがって、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0019】
(2)好ましくは、前記管理装置は、さらに、前記生成部によって生成された前記構成情報に基づいて、前記新規ネットワークを構成する前記新規機能部および1または複数の前記車載機能部のうちの少なくともいずれか1つに、前記新規ネットワークにおいて通信を行うための設定内容を通知する通知部を備える。
【0020】
このような構成により、各機能部の設定内容を、新規ネットワークにおける通信に関する仕様に応じて適切な内容に変更することができる。
【0021】
(3)好ましくは、前記機能部情報は、前記新規ネットワークにおける複数の仕様および前記新規ネットワークのトポロジ、前記新規ネットワークにおけるハードウェア装置への前記新規機能部および前記車載機能部の配置に関する制約、ならびに前記新規ネットワークにおける通信方式の制約のうち、少なくともいずれか1つを認識可能な情報である。
【0022】
このような構成により、新規ネットワークに関する種々の情報を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。
【0023】
(4)好ましくは、前記生成部は、生成した前記構成情報に対応する、前記新規ネットワークの成立性を示す成立性情報を取得する。
【0024】
このような構成により、新規ネットワークとして、たとえば論理的構成および物理的構成を考慮して成立性が検証されたネットワークを構築することができる。
【0025】
(5)好ましくは、前記生成部は、取得した前記成立性情報に基づいて生成条件を変更し、変更後の生成条件に従って前記構成情報を新たに生成する
【0026】
このような構成により、生成した構成情報に基づくネットワークの構築が困難である場合に、たとえばネットワークへの新規機能部の追加内容を変更した新規ネットワークの構成情報を新たに生成することができる。これにより、新規ネットワークのより柔軟な構築が可能となる。
【0027】
(6)好ましくは、前記管理装置は、さらに、前記生成部によって生成された前記構成情報を記憶する記憶部を備える。
【0028】
このような構成により、ネットワークに新規機能部を追加して新規ネットワークを構築する際に、記憶部における既存のネットワークの構成情報から既存の機能部の機能部情報の一部または全部を取得することができるため、ネットワークの構築処理を簡略化することができる。
【0029】
(7)本開示の実施の形態に係る車両は、前記管理装置を備える。
【0030】
このような構成により、管理装置を備える車両において、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0031】
(8)本開示の実施の形態に係る車両通信システムは、管理装置と、ネットワークを構成する1または複数の車載機能部とを備え、前記管理装置は、前記ネットワークへの機能部の追加を検知するとともに、追加を検知した前記機能部である新規機能部から、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報を取得し、1または複数の前記車載機能部は、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む自己の機能部情報を前記管理装置へ送信し、前記管理装置は、前記新規機能部から取得した前記機能部情報、および1または複数の前記車載機能部から受信した前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成する。
【0032】
このように、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得し、取得した各機能部情報に基づいて新規ネットワークの構成情報を生成する構成により、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。これにより、たとえばネットワークに新規機能部を追加することに起因する重要度の高い通信における遅延の発生を抑制することができる。したがって、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0033】
(9)本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法は、管理装置における車両通信管理方法であって、1または複数の車載機能部を含むネットワークへの機能部の追加を検知するステップと、追加を検知した前記機能部である前記新規機能部、および前記ネットワークに含まれる前記車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得するステップと、取得した各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成するステップとを含む。
【0034】
このように、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得し、取得した各機能部情報に基づいて新規ネットワークの構成情報を生成する方法により、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。これにより、たとえばネットワークに新規機能部を追加することに起因する重要度の高い通信における遅延の発生を抑制することができる。したがって、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0035】
(10)本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法は、管理装置と、ネットワークを構成する1または複数の車載機能部とを備える車両通信システムにおける車両通信管理方法であって、前記管理装置が、前記ネットワークへの機能部の追加を検知するとともに、追加を検知した前記機能部である新規機能部から、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報を取得するステップと、1または複数の前記車載機能部が、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む自己の機能部情報を前記管理装置へ送信するステップと、前記管理装置が、前記新規機能部から取得した前記機能部情報、および1または複数の前記車載機能部から受信した前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成するステップとを含む。
【0036】
このように、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得し、取得した各機能部情報に基づいて新規ネットワークの構成情報を生成する方法により、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。これにより、たとえばネットワークに新規機能部を追加することに起因する重要度の高い通信における遅延の発生を抑制することができる。したがって、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0037】
(11)本開示の実施の形態に係る車両通信管理プログラムは、管理装置において用いられる車両通信管理プログラムであって、コンピュータを、1または複数の車載機能部を含むネットワークへの機能部の追加を検知する検知部、前記検知部によって追加を検知された前記機能部である新規機能部、および前記車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する取得部、ならびに前記取得部によって取得された各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成する生成部、として機能させるためのプログラムである。
【0038】
このように、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得し、取得した各機能部情報に基づいて新規ネットワークの構成情報を生成する構成により、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。これにより、たとえばネットワークに新規機能部を追加することに起因する重要度の高い通信における遅延の発生を抑制することができる。したがって、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0039】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0040】
[車両通信システム]
図1は、本開示の実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【0041】
図1を参照して、通信システム400は、サーバ180と、1または複数の車両通信システム300とを備える。車両通信システム300は、車両1に搭載される。
【0042】
図2は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムの構成の一例を示す図である。
【0043】
図2を参照して、車両通信システム300は、1または複数の車載ECU(Electronic Control Unit)111と、中継装置112とを備える。具体的には、車両通信システム300は、車載ECU111として、車載ECU111A~111Eを備える。中継装置112は、管理部200を含む。
【0044】
車載ECU111A~111Eおよび中継装置112は、それぞれアプリケーション100を含む。
【0045】
より詳細には、アプリケーション100として、車載ECU111Aはアプリケーション100Aを含み、車載ECU111Bはアプリケーション100Bを含み、車載ECU111Cはアプリケーション100Cを含み、車載ECU111Dはアプリケーション100Dを含み、車載ECU111Eはアプリケーション100Eを含み、中継装置112はアプリケーション100Fを含む。
【0046】
車載ECU111A~111Eおよび中継装置112は、ネットワーク12を構成する。
【0047】
車載ECU111およびアプリケーション100は、ネットワーク12における機能部すなわちオブジェクトのうち、車両1に搭載される機能部である車載機能部の一例である。中継装置112は、管理装置の一例である。
【0048】
なお、車両通信システム300は、5つの車載ECU111を備える構成に限らず、1つ、2つ、3つ、4つまたは6つ以上の車載ECU111を備える構成であってもよい。また、車両通信システム300は、1つの車載ECU111に1つのアプリケーション100が設けられる構成に限らず、1つの車載ECU111に2つ以上のアプリケーション100が設けられる構成であってもよい。
【0049】
また、車両通信システム300は、1つの中継装置112を備える構成に限らず、複数の中継装置112を備える構成であってもよい。また、車両通信システム300は、1つの中継装置112に1つのアプリケーション100が設けられる構成に限らず、1つの中継装置112に2つ以上のアプリケーション100が設けられる構成であってもよい。
【0050】
また、ネットワーク12は、車両1の外部における外部装置および当該外部装置に設けられるアプリケーションを、機能部すなわちオブジェクトとして含んでいてもよい。
【0051】
車載ECU111は、たとえば、TCU(Telematics Communication Unit)、自動運転ECU、エンジンECU、センサ、ナビゲーション装置、ヒューマンマシンインタフェース、およびカメラ等である。
【0052】
この例では、車載ECU111A,111B,111C,111D,111Eは、それぞれTCU、吸気圧センサ、エンジンECU、温度センサ、水温センサである。
【0053】
以下、車載ECU111A,111B,111C,111D,111Eを、それぞれTCU111A、吸気圧センサ111B、エンジンECU111C、温度センサ111D、水温センサ111Eとも称する。
【0054】
ネットワーク12において、車載ECU111A~111Eは、イーサネット(登録商標)ケーブル11を介して中継装置112に接続される。
【0055】
中継装置112は、たとえば、ゲートウェイ装置であり、自己に接続される複数の車載ECU111間のデータを中継可能である。
【0056】
中継装置112は、イーサネットの通信規格に従って、イーサネットフレームの中継処理を行う。具体的には、中継装置112は、たとえば、車載ECU111間でやり取りされるイーサネットフレームを中継する。イーサネットフレームには、IPパケットが格納される。
【0057】
なお、車両通信システム300では、イーサネットの通信規格に従ってイーサネットフレームの中継が行われる構成に限らず、たとえば、CAN(Controller Area Network)(登録商標)、FlexRay(登録商標)、MOST(Media Oriented Systems Transport)(登録商標)およびLIN(Local Interconnect Network)等の通信規格に従ってデータの中継が行われる構成であってもよい。
【0058】
図1および
図2を参照して、TCU111Aは、サーバ180と通信を行うことが可能である。詳細には、TCU111Aは、たとえば、IPパケットを用いて無線基地局装置161経由でサーバ180と通信することが可能である。
【0059】
より詳細には、TCU111Aは、たとえば、LTE(Long Term Evolution)または3G等の通信規格に従って、無線基地局装置161と無線通信を行うことが可能である。
【0060】
具体的には、無線基地局装置161は、サーバ180から外部ネットワーク170経由でIPパケットを受信すると、受信したIPパケットを無線信号に含めてTCU111Aへ送信する。
【0061】
TCU111Aは、たとえば、サーバ180からのIPパケットを含む無線信号を無線基地局装置161から受信すると、受信した無線信号からIPパケットを取得し、取得したIPパケットをイーサネットフレームに格納して中継装置112へ送信する。
【0062】
また、TCU111Aは、中継装置112からイーサネットフレームを受信すると、受信したイーサネットフレームからIPパケットを取得し、取得したIPパケットを無線信号に含めて無線基地局装置161へ送信する。
【0063】
無線基地局装置161は、TCU111Aから無線信号を受信すると、受信した無線信号からIPパケットを取得し、取得したIPパケットを外部ネットワーク170経由でサーバ180へ送信する。
【0064】
吸気圧センサ111Bは、中継装置112を介して他の車載ECU111と通信を行うことが可能であり、たとえば車両1におけるエンジンの吸気圧を定期的に測定する。
【0065】
エンジンECU111Cは、中継装置112を介して他の車載ECU111と通信を行うことが可能であり、たとえば車両1におけるエンジンを制御する。
【0066】
より詳細には、エンジンECU111Cは、たとえば、エンジンの回転数、車両1の車速、エンジンの軸トルク、トランスミッションの状態、スロットルバルブの状態、および各センサの計測値等を示す情報を取得し、取得した情報に基づいてエンジンを制御する。
【0067】
また、エンジンECU111Cは、たとえば、中継装置112からの要求に応じて、取得した情報の一部または全部を中継装置112へ送信することが可能である。
【0068】
温度センサ111Dは、中継装置112を介して他の車載ECU111と通信を行うことが可能であり、たとえば車両1の外気温を定期的に測定する。
【0069】
水温センサ111Eは、中継装置112を介して他の車載ECU111と通信を行うことが可能であり、たとえば車両1におけるエンジン内を循環する冷却水の水温を定期的に測定する。
【0070】
各アプリケーション100は、たとえば、アプリケーションレイヤの処理を行なうことにより、自己が設けられる車載ECU111または中継装置112において所定の処理を行う。たとえば、温度センサ111Dにおけるアプリケーション100Dは、所定周期で、車両1の外気温を示す温度情報を生成する。
【0071】
図3は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおけるネットワーク構成の一例を示す図である。
【0072】
図3を参照して、中継装置112は、通信ポート120A,120B,120Cを含む。通信ポート120A,120B,120Cの各々を、通信ポート120も称する。通信ポート120は、たとえば、イーサネットケーブル11を接続可能な端子である。
【0073】
図3に示す例では、TCU111Aが通信ポート120Aに接続され、吸気圧センサ111BおよびエンジンECU111Cが通信ポート120Bに接続され、温度センサ111Dおよび水温センサ111Eが通信ポート120Cに接続されている。
【0074】
また、ネットワーク12において、TCU111Aは、VLAN(Virtual Local Area Network)10に属している。吸気圧センサ111BおよびエンジンECU111Cは、VLAN10とは異なるVLAN20に属している。温度センサ111Dおよび水温センサ111Eは、VLAN10およびVLAN20とは異なるVLAN30に属している。
【0075】
中継装置112は、たとえば、同じVLANに属する車載ECU111間のイーサネットフレームの中継処理を行う。具体的には、中継装置112は、受信したイーサネットフレームに含まれる送信元MAC(Media Access Control)アドレスおよび送信先MACアドレスに基づいて、当該イーサネットフレームを送信先の車載ECU111へ送信する。
【0076】
また、中継装置112は、たとえば、異なるVLANに属する車載ECU111間のIPパケットの中継処理を行う。具体的には、中継装置112は、受信したイーサネットフレームからIPパケットを取得し、取得したIPパケットの送信先IPアドレスに基づいて、当該IPパケットを送信先の車載ECU111へ送信する。
【0077】
[管理部]
図4は、本開示の実施の形態に係る管理部の構成を示す図である。
【0078】
図4を参照して、管理部200は、検知部210と、取得部220と、生成部230と、記憶部240と、通知部250とを備える。記憶部240は、たとえばフラッシュメモリである。
【0079】
検知部210、取得部220、生成部230、および通知部250は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)およびDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサによって実現される。
【0080】
[検知部]
検知部210は、ネットワーク12に新たに追加される機能部である新規機能部を検知する。すなわち、検知部210は、ネットワーク12への新規機能部の追加を検知する。より詳細には、検知部210は、ネットワーク12への、車載ECU111、外部装置およびアプリケーション100などの追加を検知する。一例として、検知部210は、ネットワーク12に新たに追加される車載ECU111を、新規ECUとして検知する。
【0081】
たとえば、新規機能部は、ネットワーク12における通信接続を要求するための接続要求情報を検知部210へ送信する。
【0082】
検知部210は、当該接続要求情報を受信して、当該接続要求情報の送信元の新規機能部を検知する。
【0083】
なお、検知部210は、たとえば定期的に、新規機能部を検知するための探索メッセージをブロードキャストする構成であってもよい。この場合、新規機能部は、上記探索メッセージを受信し、受信した探索メッセージに対する応答として上記接続要求情報を送信する。
【0084】
以下、新規機能部を含むネットワーク12を新規ネットワークとも称し、新規機能部が追加される前のネットワーク12を既存ネットワークとも称し、既存ネットワークに含まれる機能部を既存機能部とも称する。既存ネットワークに含まれる車載ECU111は、既存機能部すなわち既存ECUの一例である。
【0085】
図5は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構成の一例を示す図である。
【0086】
図5を参照して、ネットワーク12に、車載ECU111Gが新たに追加される場合を想定する。この例では、車載ECU111Gは、画像センサである。以下、車載ECU111Gを、画像センサ111Gとも称する。画像センサ111Gは、新規機能部であるアプリケーション100Gを含む。
【0087】
画像センサ111Gは、電源供給を受けるとともにたとえばイーサネットケーブル11を介して中継装置112における通信ポート120Cに接続されると、ネットワーク12における通信接続を要求するための接続要求情報を検知部210へ送信する。
【0088】
より詳細には、画像センサ111Gにおけるアプリケーション100Gは、接続要求情報、自己のID、および送信先MACアドレスとして中継装置112のMACアドレスを含むイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを中継装置112へ送信する。
【0089】
中継装置112における検知部210は、アプリケーション100Gから送信された当該イーサネットフレームを受信すると、受信したイーサネットフレームに含まれるIDなどを用いて、アプリケーション100Gの認証処理を行う。
【0090】
検知部210は、アプリケーション100Gの認証に成功すると、認証が成功した旨を示す認証成功情報、および送信先MACアドレスとして画像センサ111GのMACアドレスを含むイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを画像センサ111Gへ送信する。
【0091】
なお、検知部210が検知する新規機能部は、新たに中継装置112に接続される車載ECU111に含まれるアプリケーション100に限定されない。たとえば、検知部210は、既存ネットワークにおける車載ECU111にインストールされるアプリケーション100を新規機能部として検知する構成であってもよい。
【0092】
図6は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構成の他の例を示す図である。
【0093】
図6を参照して、ネットワーク12において、新規機能部として、既存機能部であるエンジンECU111Cにアプリケーション100Hが新たにインストールされる場合を想定する。
【0094】
アプリケーション100Hは、エンジンECU111Cにインストールされると、接続要求情報、自己のID、および送信先MACアドレスとして中継装置112のMACアドレスを含むイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを中継装置112へ送信する。
【0095】
中継装置112における検知部210は、アプリケーション100Hから送信された当該イーサネットフレームを受信すると、受信したイーサネットフレームに含まれるIDなどを用いて、アプリケーション100Hの認証処理を行う。
【0096】
検知部210は、アプリケーション100Hの認証に成功すると、認証が成功した旨を示す認証成功情報、および送信先MACアドレスとしてエンジンECU111CのMACアドレスを含むイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームをエンジンECU111Cへ送信する。
【0097】
なお、検知部210が検知する新規機能部は、上述のような、新たに中継装置112に接続される車載ECU111に含まれるアプリケーション100、または車載ECU111にインストールされるアプリケーション100に限定されない。たとえば、検知部210は、車両1の外部においてネットワーク12に追加される外部装置113に含まれるアプリケーション100を新規機能部として検知する構成であってもよい。
【0098】
図7は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構成の他の例を示す図である。
【0099】
図7を参照して、ネットワーク12に、外部装置113が新たに追加される場合を想定する。外部装置113は、車両1の外部に設けられる装置である。外部装置113は、新規機能部であるアプリケーション100Jを含む。
【0100】
外部装置113は、TCU111Aと通信を行うことが可能である。より詳細には、外部装置113は、たとえば、IPパケットを用いて無線基地局装置161経由でTCU111Aと通信することが可能である。
【0101】
外部装置113は、ネットワーク12における通信接続を要求するための接続要求情報をTCU111A経由で検知部210へ送信する。
【0102】
より詳細には、外部装置113におけるアプリケーション100Jは、接続要求情報、自己のIDおよび中継装置112のMACアドレスを含むIPパケットを外部ネットワーク170経由で無線基地局装置161へ送信する。
【0103】
無線基地局装置161は、外部装置113から外部ネットワーク170経由でIPパケットを受信すると、受信したIPパケットを無線信号に含めてTCU111Aへ送信する。
【0104】
TCU111Aは、アプリケーション100JからのIPパケットを含む無線信号を無線基地局装置161から受信すると、受信した無線信号からIPパケットを取得し、取得したIPパケット、および送信先MACアドレスとして中継装置112のMACアドレスを含むイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームを中継装置112へ送信する。
【0105】
中継装置112における検知部210は、TCU111Aから当該イーサネットフレームを受信すると、受信したイーサネットフレームに格納されたIPパケットに含まれるIDなどを用いて、アプリケーション100Jの認証処理を行う。
【0106】
検知部210は、アプリケーション100Jの認証に成功すると、認証が成功した旨を示す認証成功情報、および送信先MACアドレスとして外部装置113のMACアドレスを含むイーサネットフレームを生成し、生成したイーサネットフレームをTCU111Aへ送信する。
【0107】
TCU111Aは、検知部210から当該イーサネットフレームを受信すると、受信したイーサネットフレームからIPパケットを取得し、取得したIPパケットを無線信号に含めて無線基地局装置161経由で外部装置113へ送信する。
【0108】
検知部210は、上述のように新規機能部の認証に成功すると、当該新規機能部のIDを示す検知情報を取得部220へ出力する。
【0109】
[取得部]
取得部220は、新規機能部および車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する。
【0110】
より詳細には、取得部220は、検知部210から検知情報を受けると、検知情報が示す新規機能部の機能部情報を取得するとともに、既存機能部の機能部情報を取得する。
【0111】
たとえば、取得部220は、機能部情報として、新規ネットワークにおける車載ECU111、中継装置112および外部装置113などのハードウェア装置の仕様ならびに新規ネットワークのトポロジを認識可能な情報と、新規ネットワークにおけるハードウェア装置へのアプリケーション100の配置に関する制約と、新規ネットワークにおける通信方式の制約とのうち、少なくともいずれか1つを認識可能な情報を取得する。
【0112】
取得部220は、ハードウェア装置の仕様および新規ネットワークのトポロジを認識可能な情報として、たとえば、ハードウェア装置の、識別子、名称、センサ種別などを示す装置タイプ、メモリサイズ、通信プロトコルごとに設けられる物理ポート数、物理ポートの識別子、電源構成、消費電力、VLANのID、サブネットアドレスおよび機能ドメインに関する情報、ならびにハードウェア装置に搭載されるCPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)の仕様に関する情報、ハードウェア装置間の接続関係に関する情報、ハードウェア装置間の通信の帯域幅に関する情報、および中継装置112の仕様に関する情報のうち、少なくともいずれか1種類の情報を取得する。
【0113】
取得部220は、ハードウェア装置へのアプリケーション100の配置に関する制約を認識可能な情報として、たとえば、アプリケーション100の、実行に必要な演算速度、メモリ使用量、OS(Operating System)環境の制約、ならびにTCP(Transmission Control Protocol)およびUDP(User datagram Protocol)などの通信プロトコルの制約に関する情報のうち、少なくともいずれか1種類の情報を取得する。
【0114】
取得部220は、新規ネットワークにおける通信方式の制約を認識可能な情報として、アプリケーション100の、通信データサイズ、通信頻度、バースト送信の要否、許容される遅延時間、許容される損失量、必要とするセキュリティのレベル、動作タイミング、たとえば周期的通信か不定期通信かを示す通信タイプ、通信相手となるアプリケーション100の識別子、および要求応答型または出版購読型などを示すメッセージング方式、ならびにアプリケーション100による通信の優先度に関する情報のうち、少なくともいずれか1種類の情報を取得する。
【0115】
たとえば、取得部220は、上述のような機能部情報の種類のうち、生成部230における新規ネットワークの構成情報の生成に必要な1または複数の種類の機能部情報を特定する。以下、取得部220が特定した1または複数の種類の機能部情報のそれぞれを対象情報とも称する。
【0116】
取得部220は、対象情報を送信すべき旨を示す情報要求通知を、既存機能部および新規機能部へ送信する。
【0117】
既存機能部および新規機能部は、取得部220から受信した情報要求通知に対する応答として、たとえば情報要求通知において指定されている種類の自己の機能部情報を、取得部220へ送信する。
【0118】
なお、取得部220は、各既存機能部の機能部情報の一部または全部を、記憶部240から取得する構成であってもよい。
【0119】
より詳細には、記憶部240は、既存ネットワークの構成情報を記憶している場合がある。また、既存ネットワークの構成情報には、既存機能部の機能部情報たとえばハードウェア装置のトポロジに関する情報が含まれている場合がある。
【0120】
取得部220は、記憶部240を参照し、記憶部240に既存ネットワークの構成情報が登録されており、かつ、当該構成情報が既存機能部の機能部情報を含む場合、当該機能部情報を記憶部240から取得する。
【0121】
取得部220は、各既存機能部に関する対象情報のうち、記憶部240における既存ネットワークの構成情報から取得できなかった機能部情報すなわち不足情報が存在する場合、当該不足情報を要求するための情報要求通知を1または複数の既存機能部へ送信する。
【0122】
たとえば、取得部220は、ある既存機能部について、すべての種類の対象情報が記憶部240から取得できなかった場合、当該すべての種類の対象情報を要求するための情報要求通知を当該既存機能部へ送信する。
【0123】
また、たとえば、取得部220は、1または複数の既存機能部について、一部の種類の対象情報が記憶部240から取得できなかった場合、当該一部の種類の対象情報を要求するための情報要求通知を当該1または複数の既存機能部へ送信する。
【0124】
既存機能部は、たとえば情報要求通知において指定されている種類の自己の機能部情報を、取得部220へ送信する。
【0125】
取得部220は、上述のように取得した各機能部情報を生成部230へ出力する。
【0126】
[生成部]
生成部230は、取得部220から受けた各機能部情報に基づいて、新規ネットワークの構成情報を生成する。
【0127】
より詳細には、生成部230は、新規ネットワークにおいて通信を行うための既存機能部および新規機能部の設定内容を示す構成情報を生成する。
【0128】
たとえば、生成部230は、取得部220から受けた各機能部情報に基づいて、新規ネットワークの論理的構成および物理的構成を考慮して、新規ネットワークにおいて各機能部がOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルにおけるレイヤ4以下の通信を行うための当該各機能部の設定内容を示す構成情報を生成する。
【0129】
図8は、本開示の実施の形態に係る生成部により生成される構成情報の一例を示す図である。
【0130】
以下では、便宜上、中継装置112の通信ポート120A,120B,120Cのポート番号を、それぞれ、「1」,「2」,「3」とする。また、車載ECU111は、1つの通信ポートを含むものとし、当該通信ポートのポート番号を「1」とする。
【0131】
図8を参照して、生成部230は、新規ネットワークにおける各機能部の設定内容たとえば通信ポート120ごとのVLANのIDを示す構成情報を生成する。たとえば、生成部230は、
図5に示す新規ネットワークにおいて、新規機能部であるアプリケーション100Gを含む画像センサ111Gの属するVLANのIDとして「VLAN30」を設定する内容を示す構成情報を生成する。
【0132】
生成部230は、生成した構成情報を通知部250へ出力するとともに、記憶部240に登録する。
【0133】
通知部250は、生成部230から構成情報を受けると、受けた構成情報に基づいて、新規ネットワークにおける機能部のうちの少なくともいずれか1つに、新規ネットワークにおいて通信を行うための設定内容を通知する。
【0134】
たとえば、通知部250は、生成部230から受けた構成情報に基づいて、設定変更の必要がある機能部へ設定内容を通知する。通知部250は、新規ネットワークにおいて設定変更の必要がある機能部が存在しない場合、たとえば機能部への設定内容の通知を行わない。たとえば、
図8に示す例では、通知部250は、アプリケーション100Gを含む画像センサ111GにVLAN30に対応するIPアドレスを割り当て、割り当てたIPアドレスを画像センサ111Gへ通知する。
【0135】
あるいは、通知部250は、生成部230から受けた構成情報に基づいて、新規ネットワークにおけるすべての機能部へ設定内容を通知する。すなわち、通知部250は、設定変更の必要の有無に関わらず、新規ネットワークにおけるすべての機能部へ設定内容を通知する。
【0136】
新規ネットワークにおける各機能部は、通知部250から設定内容を通知されると、通知された設定内容に従って各種設定変更を行う。新規ネットワークにおける各機能部は、変更後の設定内容に従って互いに通信を行う。
【0137】
図9は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける設定変更後の新規ネットワークの構成の一例を示す図である。
【0138】
図9を参照して、
図5に示す新規ネットワークにおいて、画像センサ111Gは、通知部250から通知されたIPアドレスを用いて設定変更を行うことにより、VLAN30における通信を行うことが可能となる。
【0139】
図10は、本開示の実施の形態に係る生成部により生成される構成情報の他の例を示す図である。
【0140】
図10を参照して、たとえば、生成部230は、
図5に示す新規ネットワークにおいて、新規機能部であるアプリケーション100Gを含む画像センサ111Gの属するVLANのIDとして「VLAN20」を設定し、アプリケーション100Fを含む中継装置112の通信ポート120Cに対応するVLANのIDとして「VLAN20」を追加設定する内容を示す構成情報を生成する。
【0141】
生成部230は、生成した構成情報を通知部250へ出力する。通知部250は、生成部230から受けた構成情報に基づいて、画像センサ111Gおよび中継装置112へ設定内容を通知する。
【0142】
図11は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける設定変更後の新規ネットワークの構成の他の例を示す図である。
【0143】
図11を参照して、
図5に示す新規ネットワークにおいて、画像センサ111Gおよび中継装置112は、通知部250から通知された設定内容を用いて設定変更を行う。これにより、画像センサ111Gは、VLAN20における通信を行うことが可能となる。
【0144】
図12は、本開示の実施の形態に係る生成部により生成される構成情報の他の例を示す図である。
【0145】
図12を参照して、たとえば、生成部230は、
図5に示す新規ネットワークにおいて、新規機能部であるアプリケーション100Gを含む画像センサ111Gの属するVLANのIDとして「VLAN30」を設定し、アプリケーション100Dを含む温度センサ111DのVLANのIDを「VLAN30」から「VLAN20」に変更し、アプリケーション100Fを含む中継装置112の通信ポート120Cに対応するVLANのIDとして「VLAN20」を追加設定する内容を示す構成情報を生成する。
【0146】
生成部230は、生成した構成情報を通知部250へ出力する。通知部250は、生成部230から受けた構成情報に基づいて、画像センサ111G、温度センサ111Dおよび中継装置112へ設定内容を通知する。
【0147】
図13は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける設定変更後の新規ネットワークの構成の他の例を示す図である。
【0148】
図13を参照して、
図5に示す新規ネットワークにおいて、画像センサ111G、温度センサ111Dおよび中継装置112は、通知部250から通知された設定内容に基づいて設定変更を行う。これにより、画像センサ111Gは、VLAN30における通信を行うことが可能となり、温度センサ111Dは、VLAN20における通信を行うことが可能となる。
【0149】
なお、生成部230は、生成した構成情報の通知部250への出力および記憶部240への登録を行う前に、生成した構成情報に対応する、新規ネットワークの成立性を示す成立性情報を取得する構成であってもよい。
【0150】
より詳細には、生成部230は、TCU111Aを介してサーバ180と通信を行うことにより、サーバ180から、新規ネットワークの成立性を示す成立性情報を取得する。
【0151】
図14は、本開示の実施の形態に係る通信システムにおけるサーバの構成を示す図である。
【0152】
図14を参照して、サーバ180は、評価部181を備える。
【0153】
管理部200における生成部230は、取得部220から取得した各機能部情報、および当該各機能部情報に基づいて生成した構成情報をサーバ180における評価部181へ送信する。
【0154】
評価部181は、生成部230から各機能部情報および構成情報を受信すると、受信した各機能部情報および構成情報に基づいて新規ネットワークの成立性を評価する。たとえば、評価部181は、新規ネットワークをシミュレーションすることより、受信した構成情報が示す内容に従って新規ネットワークにおける各機能部を設定した場合における、新規ネットワークの成否を判断する。
【0155】
評価部181は、新規ネットワークの成立性を評価した評価結果として、「成立」または「不成立」を示す成立性情報を生成する。
【0156】
評価部181により生成された成立性情報が「成立」を示す場合、評価対象の新規ネットワークが成立することを意味し、成立性情報が「不成立」を示す場合、評価対象の新規ネットワークが成立しないことを意味する。
【0157】
評価部181は、評価結果として生成した成立性情報を、管理部200における生成部230へ送信する。
【0158】
管理部200において、生成部230は、「成立」を示す成立性情報を評価部181から取得すると、自己が生成した構成情報を通知部250へ出力するとともに、記憶部240に登録する。
【0159】
通知部250は、生成部230から構成情報を受けると、上述のように、新規ネットワークにおける機能部のうちの少なくともいずれか1つに設定内容を通知する。
【0160】
一方、生成部230は、「不成立」を示す成立性情報を評価部181から取得すると、取得した成立性情報に基づいて生成条件を変更し、変更後の生成条件に従って構成情報を新たに生成する。
【0161】
たとえば、生成部230は、現在の生成条件を、複数の新規機能部のうちの一部をネットワーク12に追加しない内容の生成条件に変更し、変更後の生成条件に従って構成情報を新たに生成する。
【0162】
また、たとえば、生成部230は、現在の生成条件における各機能部間の機能配置を変更することにより生成条件を変更し、変更後の生成条件に従って構成情報を新たに生成する。
【0163】
生成部230は、新たに生成した構成情報に対応する、新規ネットワークの成立性を示す成立性情報をサーバ180から取得する。
【0164】
[動作の流れ]
車両通信システム300における各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートおよびシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0165】
図15は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおいて管理部が新規ネットワークを構築する際の動作手順を定めたフローチャートである。
【0166】
図15を参照して、まず、管理部200は、ネットワーク12への新規機能部の追加を待ち受け(ステップS102でNO)、新規機能部を検知すると(ステップS102でYES)、検知した新規機能部の機能部情報を取得する(ステップS104)。
【0167】
次に、管理部200は、既存機能部の機能部情報を取得する(ステップS106)。
【0168】
次に、管理部200は、取得した新規機能部および既存機能部の各機能部情報に基づいて、新規ネットワークの構成情報を生成する(ステップS108)。
【0169】
次に、管理部200は、生成した構成情報に対応する、新規ネットワークの成立性を示す成立性情報をサーバ180から取得する(ステップS110)。
【0170】
次に、管理部200は、取得した成立性情報が「成立」を示す場合(ステップS112でYES)、生成した構成情報に基づいて、新規ネットワークにおける1または複数の機能部へ設定内容を通知する(ステップS114)。
【0171】
次に、管理部200は、新規ネットワークへの新規機能部の追加を待ち受ける(ステップS102でNO)。
【0172】
一方、管理部200は、取得した成立性情報が「不成立」を示す場合(ステップS112でNO)、構成情報の生成条件を変更し、変更後の生成条件に従って構成情報を新たに生成する(ステップS116)。
【0173】
次に、管理部200は、新たに生成した構成情報に対応する、新規ネットワークの成立性を示す成立性情報をサーバ180から取得する(ステップS110)。
【0174】
図16は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構築処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0175】
図16を参照して、まず、ネットワーク12に新たに追加される新規機能部は、接続要求情報を管理部200へ送信する(ステップS202)。
【0176】
次に、管理部200は、新規機能部から接続要求情報を受信して、当該新規機能部を検知し、当該新規機能部の認証処理を行う(ステップS204)。
【0177】
次に、管理部200は、新規機能部の認証に成功すると、機能部情報を要求するための情報要求通知を新規機能部および各既存機能部へ送信する(ステップS206)。
【0178】
次に、新規機能部および各既存機能部は、情報要求通知に対する応答として、情報要求通知において指定されている種類の自己の機能部情報を管理部200へ送信する(ステップS208)。
【0179】
次に、管理部200は、新規機能部および各既存機能部から受信した各機能部情報に基づいて、新規ネットワークの構成情報を生成する(ステップS210)。
【0180】
次に、管理部200は、生成した構成情報を記憶部240に登録する(ステップS212)。
【0181】
次に、管理部200は、生成した構成情報に基づいて、新規機能部および各既存機能部へ設定内容を通知する(ステップS214)。
【0182】
次に、新規機能部は、管理部200から通知された設定内容に従って各種設定変更を行う(ステップS216)。
【0183】
また、各既存機能部は、管理部200から通知された設定内容に従って各種設定変更を行う(ステップS218)。
【0184】
次に、新規ネットワークにおける新規機能部および各既存機能部は、変更後の設定内容に従って互いに通信を行う(ステップS220)。
【0185】
図17は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構築処理のシーケンスの他の例を示す図である。
【0186】
図17を参照して、まず、ネットワーク12に新たに追加される新規機能部は、接続要求情報を管理部200へ送信する(ステップS302)。
【0187】
次に、管理部200は、新規機能部から接続要求情報を受信して、当該新規機能部を検知し、当該新規機能部の認証処理を行う(ステップS304)。
【0188】
次に、管理部200は、新規機能部の認証に成功すると、機能部情報を要求するための情報要求通知を新規機能部へ送信する(ステップS306)。
【0189】
次に、新規機能部は、情報要求通知に対する応答として、情報要求通知において指定されている種類の自己の機能部情報を管理部200へ送信する(ステップS308)。
【0190】
次に、管理部200は、記憶部240における既存ネットワークの構成情報から各既存機能部の機能部情報を取得する(ステップS310)。
【0191】
次に、管理部200は、構成情報の生成に必要な各既存機能部に関する機能部情報のうち、記憶部240における既存ネットワークの構成情報から取得できなかった機能部情報すなわち不足情報を特定する。なお、管理部200は、記憶部240における既存ネットワークの構成情報に各既存機能部の機能部情報が含まれていない場合、構成情報の生成に必要な各既存機能部に関するすべての機能部情報を不足情報とする(ステップS312)。
【0192】
次に、管理部200は、たとえば1または複数の既存機能部に関する1または複数の種類の機能部情報を不足情報として特定すると、不足情報を要求するための情報要求通知を当該1または複数の既存機能部へ送信する(ステップS314)。
【0193】
次に、情報要求通知を受信した既存機能部は、情報要求通知に対する応答として、情報要求通知において指定されている種類の自己の機能部情報を管理部200へ送信する(ステップS316)。
【0194】
次に、管理部200、新規機能部および各既存機能部は、ステップS318からステップS328の処理として、
図16におけるステップS210からステップS220と同様の処理を行う。
【0195】
なお、上記ステップS306,S308とS310,S312,S314,S316との順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
【0196】
図18は、本開示の実施の形態に係る車両通信システムにおける新規ネットワークの構築処理のシーケンスの他の例を示す図である。
【0197】
図18におけるステップS402からステップS410の処理は、
図16におけるステップS202からステップS210、または
図17におけるステップS302からステップS318の処理と同様である。
【0198】
ステップS410の次に、管理部200は、機能部情報および構成情報を無線基地局装置161経由でサーバ180へ送信する(ステップS412)。
【0199】
次に、サーバ180は、管理部200から受信した機能部情報および構成情報に基づいて、新規ネットワークの成立性を評価する(ステップS414)。
【0200】
次に、サーバ180は、新規ネットワークの成立性を評価した評価結果として成立性情報を生成し、生成した成立性情報を無線基地局装置161経由で管理部200へ送信する(ステップS416)。
【0201】
次に、管理部200は、「不成立」を示す成立性情報をサーバから受信した場合、構成情報の生成条件を変更し、変更後の生成条件に従って構成情報を新たに生成する(ステップS418)。
【0202】
次に、管理部200は、機能部情報および新たに生成した構成情報を無線基地局装置161経由でサーバ180へ送信する(ステップS420)。
【0203】
次に、サーバ180は、管理部200から受信した機能部情報および構成情報に基づいて、新規ネットワークの成立性を評価する(ステップS422)。
【0204】
次に、サーバ180は、新規ネットワークの成立性を評価した評価結果として成立性情報を生成し、生成した成立性情報を無線基地局装置161経由で管理部200へ送信する(ステップS424)。
【0205】
次に、管理部200は、「成立」を示す成立性情報をサーバから受信した場合、ステップS426からステップS434の処理として、
図16におけるステップS212からステップS220と同様の処理を行う。
【0206】
なお、本開示の実施の形態に係る管理部200では、検知部210は、ネットワーク12に車載ECU111または外部装置が追加された場合に、当該車載ECU111または当該外部装置に含まれるアプリケーション100を新規機能部として検知する構成であるとしたが、これに限定するものではない。検知部210は、ネットワーク12に追加される、アプリケーション100を搭載していない車載ECU111または外部装置を新規機能部として検知する構成であってもよい。
【0207】
また、本開示の実施の形態に係る管理部200では、生成部230が、生成した構成情報を通知部250へ出力し、通知部250が、生成部230から受けた構成情報に基づいて、設定変更の必要がある機能部へ設定内容を通知する構成であるとしたが、これに限定するものではない。生成部230は、たとえば機能部における設定変更が不要となるような新規ネットワークの構成情報を生成する構成であってもよい。この場合、管理部200は、通知部250を備えない構成であってもよい。
【0208】
また、本開示の実施の形態に係る管理部200では、生成部230は、「不成立」を示す成立性情報をサーバ180における評価部181から受信すると、構成情報の生成条件を変更し、変更後の生成条件に従って構成情報を新たに生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。生成部230は、「不成立」を示す成立性情報を受けても、構成情報を新たに生成しない構成であってもよい。この場合、たとえば、通知部250は、新規機能部をネットワーク12に追加しない旨を当該新規機能部へ通知する。
【0209】
また、本開示の実施の形態に係る管理部200では、生成部230は、生成した構成情報を記憶部240に登録する構成であるとしたが、これに限定するものではない。生成部230は、生成した構成情報を記憶部240に登録しない構成であってもよい。
【0210】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信システム300では、管理部200は、ネットワーク12における中継装置112に含まれる構成であるとしたが、これに限定するものではない。管理部200における各ユニットの一部または全部は、ネットワーク12における中継装置112以外の装置に含まれてもよいし、ネットワーク12の外部に設けられてもよい。なお、管理部200が、たとえば
図2に示すようなスター型トポロジにおける中継装置112に含まれる構成により、管理部200による上記各処理をより効率良く行うことができる。
【0211】
また、管理部200は、サーバ180によって実現されてもよい。この場合、本開示の実施の形態に係る管理部200の機能の一部または全部が、クラウドコンピューティングによって提供されてもよい。すなわち、本開示の実施の形態に係る管理部200が、複数のクラウドサーバ等によって構成されてもよい。
【0212】
ところで、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することが可能な技術が望まれる。
【0213】
たとえば、ネットワークに新たに機能部を追加して新規ネットワークを構築する際に、下位レイヤのネットワーク構成を受けて、上位レイヤにより要求される通信を実現できない場合がある。
【0214】
このような下位レイヤのネットワーク構成および制約の一例として、物理層の通信帯域の制約が挙げられる。特に、車載ECUなどの車載機能部を含むネットワークなどの、低コスト化が求められるネットワークにおいては、上述のような通信帯域の制約を受けるため、ネットワークにおける安定した動作を維持しながらネットワークに新たな機能部を追加することが困難となる場合がある。
【0215】
これに対して、本開示の実施の形態に係る中継装置112では、検知部210は、1または複数の車載機能部を含むネットワーク12への機能部の追加を検知する。取得部220は、検知部210によって追加を検知された機能部である新規機能部、および車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する。生成部230は、取得部220によって取得された各機能部情報に基づいて、新規機能部をさらに含むネットワーク12である新規ネットワークの構成情報を生成する。
【0216】
このように、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得し、取得した各機能部情報に基づいて新規ネットワークの構成情報を生成する構成により、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。これにより、たとえばネットワークに新規機能部を追加することに起因する重要度の高い通信における遅延の発生を抑制することができる。
【0217】
したがって、本開示の実施の形態に係る中継装置112では、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0218】
また、本開示の実施の形態に係る中継装置112では、通知部250は、生成部230によって生成された構成情報に基づいて、新規ネットワークを構成する新規機能部および1または複数の車載機能部のうちの少なくともいずれか1つに、新規ネットワークにおいて通信を行うための設定内容を通知する。
【0219】
このような構成により、各機能部の設定内容を、新規ネットワークにおける通信に関する仕様に応じて適切な内容に変更することができる。
【0220】
また、本開示の実施の形態に係る中継装置112では、取得部220が取得する機能部情報は、新規ネットワークにおける複数のハードウェア装置の仕様および新規ネットワークのトポロジ、新規ネットワークにおけるハードウェア装置への新規機能部および車載機能部の配置に関する制約、ならびに新規ネットワークにおける通信方式の制約のうち、少なくともいずれか1つを認識可能な情報である。
【0221】
このような構成により、新規ネットワークに関する種々の情報を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。
【0222】
また、本開示の実施の形態に係る中継装置112では、生成部230は、生成した構成情報に対応する、新規ネットワークの成立性を示す成立性情報を取得する。
【0223】
このような構成により、新規ネットワークとして、たとえば論理的構成および物理的構成を考慮して成立性が検証されたネットワークを構築することができる。
【0224】
また、本開示の実施の形態に係る中継装置112では、生成部230は、取得した成立性情報に基づいて生成条件を変更し、変更後の生成条件に従って構成情報を新たに生成する。
【0225】
このような構成により、生成した構成情報に基づくネットワークの構築が困難である場合に、たとえばネットワークへの新規機能部の追加内容を変更した新規ネットワークの構成情報を新たに生成することができる。これにより、新規ネットワークのより柔軟な構築が可能となる。
【0226】
また、本開示の実施の形態に係る中継装置112では、記憶部240は、生成部230によって生成された構成情報を記憶する。
【0227】
このような構成により、ネットワークに新規機能部を追加して新規ネットワークを構築する際に、記憶部における既存のネットワークの構成情報から既存の機能部の機能部情報の一部または全部を取得することができるため、ネットワークの構築処理を簡略化することができる。
【0228】
また、本開示の実施の形態に係る車両1は、中継装置112を備える。
【0229】
このような構成により、中継装置112を備える車両1において、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0230】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信システム300は、中継装置112と、ネットワーク12を構成する1または複数の車載機能部とを備える。中継装置112は、ネットワーク12への機能部の追加を検知するとともに、追加を検知した機能部である新規機能部から、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報を取得する。1または複数の車載機能部は、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む自己の機能部情報を中継装置112へ送信する。中継装置112は、新規機能部から取得した機能部情報、および1または複数の車載機能部から受信した機能部情報に基づいて、新規機能部をさらに含むネットワーク12である新規ネットワークの構成情報を生成する。
【0231】
このように、新規機能部および車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得し、取得した各機能部情報に基づいて新規ネットワークの構成情報を生成する構成により、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。これにより、たとえばネットワークに新規機能部を追加することに起因する重要度の高い通信における遅延の発生を抑制することができる。
【0232】
したがって、本開示の実施の形態に係る車両通信システム300では、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0233】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法は、中継装置112における車両通信管理方法である。この車両通信管理方法では、まず、中継装置112が、1または複数の車載機能部を含むネットワーク12への機能部の追加を検知する。次に、中継装置112が、追加を検知した機能部である新規機能部、およびネットワーク12に含まれる車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する。次に、中継装置112が、取得した各機能部情報に基づいて、新規機能部をさらに含むネットワーク12である新規ネットワークの構成情報を生成する。
【0234】
このように、新規機能部および車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得し、取得した各機能部情報に基づいて新規ネットワークの構成情報を生成する方法により、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。これにより、たとえばネットワークに新規機能部を追加することに起因する重要度の高い通信における遅延の発生を抑制することができる。
【0235】
したがって、本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法では、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0236】
また、本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法は、中継装置112と、ネットワーク12を構成する1または複数の車載機能部とを備える車両通信システムにおける車両通信管理方法である。この車両通信管理方法では、まず、中継装置112が、ネットワーク12への機能部の追加を検知するとともに、追加を検知した機能部である新規機能部から、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報を取得する。次に、1または複数の車載機能部が、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む自己の機能部情報を中継装置112へ送信する。次に、中継装置112が、新規機能部から取得した機能部情報、および1または複数の車載機能部から受信した機能部情報に基づいて、新規機能部をさらに含むネットワーク12である新規ネットワークの構成情報を生成する。
【0237】
このように、新規機能部および車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得し、取得した各機能部情報に基づいて新規ネットワークの構成情報を生成する方法により、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成を考慮して、新規ネットワークを構築することができる。これにより、たとえばネットワークに新規機能部を追加することに起因する重要度の高い通信における遅延の発生を抑制することができる。
【0238】
したがって、本開示の実施の形態に係る車両通信管理方法では、ネットワークにおける安定した動作を維持しながら新たな構成のネットワークを柔軟に構築することができる。
【0239】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0240】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
1または複数の車載機能部を含むネットワークに新たに追加される機能部である新規機能部を検知する検知部と、
前記検知部によって検知された前記新規機能部および前記車載機能部の、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する取得部と、
前記取得部によって取得された各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークにおける、論理的構成および物理的構成が考慮された構成情報を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記構成情報に基づいて、前記新規ネットワークにおける前記新規機能部および前記車載機能部のうちの少なくともいずれか1つに、前記新規ネットワークにおいて通信を行うための設定内容を通知する通知部を備える、管理装置。
【0241】
[付記2]
管理装置と、
ネットワークを構成する1または複数の車載機能部と、
前記ネットワークに新たに追加される機能部である新規機能部とを備え、
前記管理装置は、前記ネットワークへの前記新規機能部の追加を検知し、
前記新規機能部および1または複数の前記車載機能部は、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む自己の機能部情報を前記管理装置へ送信し、
前記管理装置は、前記新規機能部および1または複数の前記車載機能部から受信した各前記機能部情報に基づいて、前記新規機能部をさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークにおける、論理的構成および物理的構成が考慮された構成情報を生成し、
前記管理装置は、生成した前記構成情報に基づいて、前記新規ネットワークにおける前記新規機能部および前記車載機能部のうちの少なくともいずれか1つに、前記新規ネットワークにおいて通信を行うための設定内容を通知する、車両通信システム。
【0242】
[付記3]
プロセッサを備える管理装置であって、
前記プロセッサは、
1または複数の車載ECUを含むネットワークに新たに追加される機能部である新規ECUを検知する検知部と、
前記検知部によって検知された前記新規ECUおよび前記車載ECUの、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む機能部情報をそれぞれ取得する取得部と、
前記取得部によって取得された各前記機能部情報に基づいて、前記新規ECUをさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成する生成部、
とを実現する、管理装置。
【0243】
[付記4]
管理装置と、
ネットワークを構成する1または複数の車載ECUと、
前記ネットワークに新たに追加される機能部である新規ECUとを備え、
前記管理装置は、前記ネットワークへの前記新規ECUの追加を検知し、
前記新規ECUおよび1または複数の前記車載ECUは、アプリケーションレイヤよりも下位のレイヤのネットワーク構成に関する情報を含む自己の機能部情報を前記管理装置へ送信し、
前記管理装置は、前記新規ECUおよび1または複数の前記車載ECUから受信した各前記機能部情報に基づいて、前記新規ECUをさらに含む前記ネットワークである新規ネットワークの構成情報を生成する、車両通信システム。
【符号の説明】
【0244】
1 車両
10 VLAN
11 イーサネットケーブル
12 ネットワーク
20 VLAN
30 VLAN
100 アプリケーション
111 車載ECU
112 中継装置
113 外部装置
161 無線基地局装置
170 外部ネットワーク
180 サーバ
181 評価部
182 記憶装置
200 管理部
210 検知部
220 取得部
230 生成部
240 記憶部
250 通知部
300 車両通信システム
400 通信システム