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特許7380674情報処理装置と情報処理方法および移動制御装置と移動制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】情報処理装置と情報処理方法および移動制御装置と移動制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20231108BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G08G1/16 F
G01C21/34
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021507115
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2020006446
(87)【国際公開番号】W WO2020189156
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2019052450
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】青木 卓
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-144544(JP,A)
【文献】特開2017-020859(JP,A)
【文献】特開2017-169981(JP,A)
【文献】特開2008-037210(JP,A)
【文献】特開2008-120271(JP,A)
【文献】特開2017-146744(JP,A)
【文献】特開2017-021651(JP,A)
【文献】特開2014-044523(JP,A)
【文献】特開2002-170188(JP,A)
【文献】特開2015-145849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体において起立した搭乗者の搭乗状態を検出する搭乗状態検出部と、
前記搭乗者の搭乗状態に基づき、許容可能な前記移動体の加速度を設定する許容加速度設定部
を備え
前記搭乗状態検出部は、前記搭乗者の搭乗状態として足の開き幅と前記移動体の移動方向に対する足の配置角度を検出し、
前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の足の開き幅と前記移動体の移動方向に対する足の配置角度に基づき、許容可能な前記移動体の加速度を設定する
情報処理装置。
【請求項2】
前記搭乗状態検出部は、前記搭乗者の状態として、前記搭乗者が前記移動体内に設けられている支持体を把持しているかをさらに検出し、
前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の姿勢保持状態に基づき、許容可能な前記移動体の加速度を設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記搭乗状態検出部は、前記搭乗者の搭乗状態として、前記移動体内の障害物からの距離、又は前記移動体内に設けられている支持体からの距離、又はその他の前記移動体における前記搭乗者の位置をさらに検出し、
前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の位置に基づき、前記許容可能な加速度を設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の搭乗状態の時間変化に基づいて前記許容可能な加速度を設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の搭乗状態と前記許容可能な加速度の関係を示す変換テーブルを用いて前記許容可能な加速度を設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記許容加速度設定部は、前記変換テーブルとして前記移動体の移動状況に応じた変換テーブルを用いる
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記許容加速度設定部は、前記移動体の移動経路に応じた変換テーブルを用いる
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記許容加速度設定部は、前記移動体の移動状況の変化に応じて前記変換テーブルを切り替える
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記許容加速度設定部は、前記移動体における搭乗者毎に許容加速度を判定して、前記搭乗者毎に判定した許容加速度を統合して、許容可能な前記移動体の加速度を設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記移動体における搭乗者を撮像する撮像部をさらに備え、
前記搭乗状態検出部は、前記撮像部で取得された撮像画像に基づき、前記搭乗者の搭乗状態を検出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置が備える搭乗状態検出部が、移動体において起立した搭乗者の搭乗状態を検出することと、
前記情報処理装置が備える許容加速度設定部が、前記搭乗者の搭乗状態に基づき、許容可能な前記移動体の加速度を設定することと
を含み、
前記搭乗状態検出部は、前記搭乗者の搭乗状態として足の開き幅と前記移動体の移動方向に対する足の配置角度を検出し、
前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の足の開き幅と前記移動体の移動方向に対する足の配置角度に基づき、許容可能な前記移動体の加速度を設定する
情報処理方法。
【請求項12】
移動体において起立した搭乗者の搭乗状態を検出する搭乗状態検出部と、
前記搭乗者の搭乗状態に基づき、許容可能な前記移動体の加速度を設定する許容加速度設定部と、
前記許容加速度設定部で設定された許容加速度を超えないように前記移動体の移動制御を行う制御部と
を備え、
前記搭乗状態検出部は、前記搭乗者の搭乗状態として足の開き幅と前記移動体の移動方向に対する足の配置角度を検出し、
前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の足の開き幅と前記移動体の移動方向に対する足の配置角度に基づき、許容可能な前記移動体の加速度を設定する
移動制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記移動体の移動経路を設定する経路計画部を備え、
前記経路計画部は、前記許容加速度に応じて移動経路を設定する
請求項12に記載の移動制御装置。
【請求項14】
前記経路計画部は、前記許容加速度を超えない経路を候補経路として、加速度が最も小さい候補経路または前記許容加速度との差が最も少ない候補経路を前記移動経路に設定する
請求項13に記載の移動制御装置。
【請求項15】
前記経路計画部は、前記許容加速度を超えない経路がない場合、加速度が最も小さい経路を前記移動経路に設定する
請求項13に記載の移動制御装置。
【請求項16】
前記移動体における搭乗者を撮像する撮像部と、
前記撮像部で取得された撮像画像に基づき、前記搭乗者の搭乗状態を検出する搭乗状態検出部をさらに備える
請求項12に記載の移動制御装置。
【請求項17】
移動制御装置が備える搭乗状態検出部が、移動体において起立した搭乗者の搭乗状態を検出することと、
前記移動制御装置が備える許容加速度設定部が、移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、許容可能な前記移動体の加速度を許容加速度設定部で設定することと、
前記移動制御装置が備える制御部が、前記許容加速度設定部で設定された許容加速度を超えないように前記移動体の移動制御を行うこと
を含み、
前記搭乗状態検出部は、前記搭乗者の搭乗状態として足の開き幅と前記移動体の移動方向に対する足の配置角度を検出し、
前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の足の開き幅と前記移動体の移動方向に対する足の配置角度に基づき、許容可能な前記移動体の加速度を設定する
移動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この技術は、情報処理装置と情報処理方法および移動制御装置と移動制御方法に関し、移動体の搭乗者の安全性を向上できるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、バス等のように着席又は起立した状態の乗客の輸送を目的とする移動体では、運転者がミラーやモニタを用いて乗客の安全を確認しながら移動体の運行を行っている。しかし、着席していない乗客あるいは手すりやつり革等に掴まっていない乗客は、移動体の動きによって転倒等を生じるおそれがある。そこで、特許文献1では、乗客の乗車状態と車両の走行状態を把握して、乗車状態及び走行状態に基づき乗客の安全に関する報知を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-062414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1は画像や音で危険を報知するものであるため、搭乗者が報知に対応した行動を取らないと安全性を確保できない。
【0005】
そこで、この技術では、安全に関する報知によらず搭乗者の安全性を向上できる情報処理装置と情報処理方法および移動制御装置と移動制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術の第1の側面は、
移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、前記移動体で許容可能な加速度を設定する許容加速度設定部を備える情報処理装置にある。
【0007】
この技術において、許容加速度設定部では、例えば移動体における搭乗者を撮像した撮像画像に基づき、搭乗者の搭乗状態が検出される。搭乗状態の検出では、搭乗者の姿勢例えば足の開き幅と移動体の移動方向に対する足の配置角度、搭乗者の姿勢保持状態等が検出される。また、搭乗状態として移動体内における搭乗者の位置や搭乗状態の時間変化が用いられてもよい。このような搭乗状態に基づき、搭乗状態と許容可能な加速度の関係を示す変換テーブルを用いて許容可能な加速度が設定される。変換テーブルは、移動体の移動状況に応じた変換テーブルが用いられる。また、移動体の移動経路に応じた変換テーブルを用いてもよく、移動状況の変化に応じて変換テーブルを切り替えてもよい。また、許容加速度設定部では、搭乗者毎に判定された許容加速度を統合して、移動体で許容可能な加速度が設定される。
【0008】
この技術の第2の側面は、
移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、前記移動体で許容可能な加速度を許容加速度設定部で設定すること
を含む情報処理方法にある。
【0009】
この技術の第3の側面は、
移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、前記移動体で許容可能な加速度を設定する許容加速度設定部と、
前記許容加速度設定部で設定された許容加速度を超えないように前記移動体の移動制御を行う制御部と
を備える移動制御装置にある。
【0010】
この技術において、許容加速度設定部では、移動体における搭乗者の搭乗状態、例えば移動体における搭乗者を撮像して得られた撮像画像に基づき検出した搭乗者の搭乗状態に基づき、移動体で許容可能な加速度が設定される。制御部では、許容加速度設定部で設定された許容加速度を超えないように移動体の移動制御、例えば移動経路の設定が行われる。移動経路の設定では、許容加速度を超えない経路を候補経路として、加速度が最も小さい候補経路または許容加速度との差が最も少ない候補経路が移動経路に設定される。また、許容加速度を超えない経路がない場合、加速度が最も小さい経路が移動経路に設定される。
【0011】
この技術の第4の側面は、
移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、前記移動体で許容可能な加速度を許容加速度設定部で設定することと、
前記許容加速度設定部で設定された許容加速度を超えないように制御部で前記移動体の移動制御を行うことと
を含む移動制御方法にある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】情報処理装置の構成を例示した図である。
図2】情報処理装置の動作を例示したフローチャートである。
図3】情報処理装置の第1の実施の形態の構成を例示した図である。
図4】第1の実施の形態の動作を例示したフローチャートである。
図5】第1の実施の形態の動作例を示した図である。
図6】第1の実施の形態の他の動作例を示した図である。
図7】情報処理装置の第2の実施の形態の構成を例示した図である。
図8】第2の実施の形態の動作を例示したフローチャートである。
図9】情報処理装置の第3の実施の形態の構成を例示した図である。
図10】第3の実施の形態の動作を例示したフローチャートである。
図11】第3の実施の形態の動作例を示した図である。
図12】情報処理装置の第4の実施の形態の構成を例示した図である。
図13】第4の実施の形態の動作を例示したフローチャートである。
図14】移動制御装置の構成を例示した図である。
図15】移動制御装置の動作を例示したフローチャートである。
図16】制御部の実施の形態の構成を例示した図である。
図17】実施の形態の動作を例示したフローチャートである。
図18】経路選択動作を例示した図である。
図19】車両制御システムの概略的な機能の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.情報処理装置について
1-1.第1の実施の形態
1-2.第2の実施の形態
1-3.第3の実施の形態
1-4.第4の実施の形態
2.移動制御装置について
2-1.制御部の構成と動作
3.他の実施の形態について
4.応用例
【0014】
<1.情報処理装置について>
本技術の情報処理装置では、移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、移動体で許容可能な加速度(以下「移動体許容加速度」という)を設定する。図1は、情報処理装置の構成を例示している。なお、情報処理装置10は、移動体許容加速度を設定する許容加速度設定部40だけでなく、移動体における搭乗者の搭乗状態を検出するために搭乗者を撮像する撮像部20と、撮像部20で取得された画像に基づき搭乗者の搭乗状態を検出する搭乗状態検出部30が設けられている場合を示しているが、本技術の情報処理装置は、許容加速度設定部40のみで構成されてもよい。
【0015】
撮像部20は、被写体光学像を撮像素子の撮像面に結像させる撮像レンズ、光電変換を行い光学像に応じた画像信号を生成するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子、および撮像素子で生成された画像信号に対してカメラ信号処理を行い、良好な画質の撮像画像を示す画像信号を生成する画像信号処理部等を有している。撮像部20は、移動体の搭乗者を示す撮像画像の画像信号を生成して搭乗状態検出部30へ出力する。
【0016】
搭乗状態検出部30は、撮像部20で生成された画像信号を用いて、撮像画像に含まれる搭乗者の搭乗状態を搭乗者毎に検出する。搭乗状態検出部30は、例えば撮像画像から抽出した特徴点等を、モデルデータによって定義されるオブジェクトの形状等と照合することで、搭乗者の姿勢あるいは搭乗者の姿勢と移動体における搭乗者の位置を搭乗状態として検出する。また、搭乗状態検出部30は、搭乗状態として手すりやつり革等の把持状態を検出してもよい。さらに、搭乗状態検出部30は、機械学習等を用いて搭乗者の搭乗状態を撮像画像に基づいて検出してもよい。搭乗状態検出部30は搭乗状態の検出結果を許容加速度設定部40へ出力する。なお、搭乗状態の検出は撮像部20で生成された画像に限らず各種センサ等を用いて検出してもよい。
【0017】
許容加速度設定部40は、搭乗状態検出部30で検出された搭乗状態に基づき移動体許容加速度を設定する。例えば、移動体における搭乗者毎に許容加速度を判定して、搭乗者毎に判定した許容加速度(以下「個別許容加速度」という)を統合して、移動体許容加速度を設定する。なお、許容加速度設定部40の構成および動作については、後述する各実施の形態で説明する。
【0018】
図2は、情報処理装置の動作を例示したフローチャートである。ステップST1で情報処理装置10は画像取得処理を行う。情報処理装置10は、移動体の搭乗者の撮像画像を取得してステップST2に進む。
【0019】
ステップST2で情報処理装置10は搭乗状態検出処理を行う。情報処理装置10は、ステップST1で取得された撮像画像に基づき搭乗者の搭乗状態を搭乗者毎に検出してステップST3に進む。
【0020】
ステップST3で情報処理装置10は個別許容加速度判定処理を行う。情報処理装置10は、ステップST2で検出された搭乗状態に基づき個別許容加速度を搭乗者毎に判定してステップST4に進む。
【0021】
ステップST4で情報処理装置10は個別許容加速度統合処理を行う。情報処理装置10は、ステップST3で搭乗者毎に判定した個別許容加速度を統合して、移動体許容加速度を設定する。
【0022】
<1-1.第1の実施の形態>
図3は、情報処理装置の第1の実施の形態の構成を例示している。情報処理装置10は撮像部20と搭乗状態検出部30および許容加速度設定部40-1を有している。また許容加速度設定部40-1は、変換テーブル記憶部41と個別許容加速度判定部45および個別許容加速度統合部48を有している。
【0023】
変換テーブル記憶部41には、搭乗状態に基づいた許容加速度を示す変換テーブルが記憶されている。例えば、搭乗状態検出部30で搭乗者毎に検出された搭乗状態をパラメータとして、パラメータ値に対応する許容加速度を示す変換テーブルが記憶されている。
【0024】
個別許容加速度判定部45は、変換テーブル記憶部41に記憶されている変換テーブルに基づき、搭乗状態の検出結果に対応する個別許容加速度を搭乗者毎に判定する。個別許容加速度判定部45は、搭乗者毎の個別許容加速度の判定結果を個別許容加速度統合部48へ出力する。
【0025】
個別許容加速度統合部48は、個別許容加速度判定部45で搭乗者毎に判定された個別許容加速度の統合処理を行い、方向毎に最も加速度が小さい個別許容加速度を移動体許容加速度に設定する。
【0026】
図4は第1の実施の形態の動作を例示したフローチャートである。なお、フローチャートは、図2における個別許容加速度判定処理を示している。
【0027】
ステップST11で許容加速度設定部は搭乗状態検出結果を取得する。許容加速度設定部40-1は、搭乗状態検出部30で搭乗者毎に検出された搭乗状態を示す検出情報を取得してステップST12に進む。
【0028】
ステップST12で許容加速度設定部は判定対象搭乗者を選択する。許容加速度設定部40-1は個別許容加速度が判定されていない搭乗者を判定対象搭乗者として選択してステップST13に進む。
【0029】
ステップST13で許容加速度設定部は許容加速度判定処理を行う。許容加速度設定部40-1は、変換テーブル記憶部41に記憶されている変換テーブルを用いて、判定対象搭乗者の搭乗状態に応じた個別許容加速度を判定してステップST14に進む。
【0030】
ステップST14で許容加速度設定部は各搭乗者の判定処理が完了したか判別する。許容加速度設定部40-1は、個別許容加速度の判定が行われていない搭乗者がいる場合はステップST15に進み、全ての搭乗者について個別許容加速度の判定が行われている場合には判定処理を終了する。
【0031】
ステップST15で許容加速度設定部は判定対象搭乗者を更新する。許容加速度設定部40-1は、個別許容加速度の判定が行われていない搭乗者を新たな判定対象搭乗者としてステップST13に戻る。
【0032】
その後、許容加速度設定部40-1は、ステップST11からステップST15までの処理によって搭乗者毎に判定された個別許容加速度を統合して、移動体許容加速度を設定する。例えば、許容加速度設定部40-1は、搭乗者毎に判定された個別許容加速度から最も小さい加速度を方向毎に選択して、移動体許容加速度に設定する。
【0033】
図5は、第1の実施の形態の動作例を示している。この動作例では、搭乗者の搭乗状態として、搭乗者の姿勢、例えば搭乗者の足の開き幅と移動体の移動方向に対する足の配置の角度を用いる場合を例示している。この場合、変換テーブル記憶部41には、搭乗者の足の開き幅と配置角度に対する許容加速度を示す変換テーブルが記憶されている。
【0034】
図5の(a)は、撮像部20で搭乗者を撮像して取得された入力画像を例示している。搭乗状態検出部30は、入力画像から搭乗者Haの特徴点検出等を行い、検出結果に基づき搭乗者Haの姿勢を推定する。なお、図5の(b)は、入力画像と姿勢推定結果を示している。搭乗状態検出部30は、姿勢推定結果に基づいて図5の(c)に示すように、搭乗者Haの足位置PL,PRを検出する。個別許容加速度判定部45は、検出した足位置PL,PRに基づき、図5の(d)に示す足位置PL,PRの幅(間隔)Wと、移動体の移動方向DRfbに対する足の配置の角度θを算出してパラメータ値とする。さらに、個別許容加速度判定部45は、図5の(e)に示す変換テーブルを用いて、搭乗者Haのパラメータ値(幅W,角度θ)に対応する個別許容加速度を取得する。例えば角度θが90度であるときは、移動方向DRfbの加速度に対して不安定であり、幅Wが広くなると足の配置方向に対する加速度に対して安定することから、移動方向DRfbに対して直交する方向DRlrの許容加速度は大きい加速度と判別される。なお、図5の(e)および後述する図6図11図18では、黒丸内が許容加速度である。
【0035】
個別許容加速度判定部45は、このように個別許容加速度の判定処理を搭乗者毎に行い、個別許容加速度統合部48は、搭乗者毎に判定された個別許容加速度の統合処理を行い、方向毎に、最も小さい個別許容加速度を移動体許容加速度に設定する。
【0036】
図6は、第1の実施の形態の他の動作例を示している。他の動作例では、搭乗者の搭乗状態として搭乗者の位置、例えば移動体内における搭乗者の位置、具体的には移動体内の障害物(例えば段差)からの距離、移動体内に設けられている支持体(例えば手すり)からの距離をさらに用いる場合を例示している。この場合、変換テーブル記憶部41に記憶された変換テーブルでは、移動体の移動方向に対する足の配置角度と障害物との距離、および支持体までの距離に対する許容加速度が示されている。
【0037】
図6の(a)は、撮像部20で搭乗者を撮像して取得された入力画像を例示している。搭乗状態検出部30は、入力画像から搭乗者Hbの特徴点検出等を行い、検出結果に基づき搭乗者Hbの姿勢を推定する。なお、図6の(b)は、入力画像と姿勢推定結果を示している。搭乗状態検出部30は、姿勢推定結果に基づいて移動体の移動方向DRfbに対する足の配置の角度θと図6の(c)に示すように段差までの距離Raおよび手すりまでの距離Rbを算出する。搭乗状態検出部30は、図6の(d)に示すように、距離が示す対象と、対象までの距離および移動方向DRfbに対する足の配置の角度θをパラメータとする。さらに、個別許容加速度判定部45は、図6の(e)に示す変換テーブルを用いて、搭乗者Hbのパラメータ値(距離が示す対象、対象までの距離Ra,Rb、角度θ、)に対応する個別許容加速度を取得する。なお、支持部(手すり等)までの距離Rbが短い場合は、容易に支持部を利用して身体を支えることが可能となる。したがって、距離Rbが閾値Rbthよりも短い場合、角度θと距離Raに基づいて判定した許容加速度よりも、距離Rbに基づいて判定した許容加速度を優先して用いるようにしてもよい。
【0038】
このような処理を行えば、移動体で行われた安全に関する報知に対応した行動を搭乗者が取らない場合でも、搭乗者の姿勢状態に応じて移動体許容加速度が設定されるので、搭乗者の安全性を向上できるようになる。
【0039】
<1-2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、搭乗状態として姿勢や位置だけでなく、搭乗者の周辺環境状態や搭乗者の姿勢保持状態、例えば手すりやつり革等を把持しており移動体の速度変化等が生じても姿勢を保持できる状態であるかを検出する場合について説明する。
【0040】
図7は、情報処理装置の第2の実施の形態の構成を例示している。情報処理装置10は撮像部20と搭乗状態検出部30および許容加速度設定部40-2を有している。また許容加速度設定部40-2は、変換テーブル記憶部41と個別許容加速度判定部45と個別許容加速度調整部47および個別許容加速度統合部48を有している。
【0041】
変換テーブル記憶部41には、搭乗状態に基づいた許容加速度を示す変換テーブルが記憶されている。例えば、搭乗状態検出部30で搭乗者毎に検出された搭乗状態をパラメータとして、パラメータ値に対応する許容加速度を示す変換テーブルが記憶されている。
【0042】
個別許容加速度判定部45は、変換テーブル記憶部41に記憶されている変換テーブルに基づき、搭乗状態の検出結果に対応する個別許容加速度を搭乗者毎に判定する。個別許容加速度判定部45は、搭乗者毎の個別許容加速度の判定結果を個別許容加速度調整部47へ出力する。
【0043】
個別許容加速度調整部47は、個別許容加速度判定部45で判定された搭乗者毎の個別許容加速度を、搭乗者の姿勢保持状態に応じて調整する。例えば、手すりやつり革等を把持している搭乗者は、より大きな加速度に対応可能である。したがって、個別許容加速度調整部47は、例えば姿勢保持状態に応じて予め設定されている補正係数を用いて個別許容加速度の調整を行い、調整後の個別許容加速度を個別許容加速度統合部48へ出力する。
【0044】
個別許容加速度統合部48は、個別許容加速度調整部47から供給された個別許容加速度の統合処理を行い、方向毎に最も加速度が小さい個別許容加速度を移動体許容加速度に設定する。
【0045】
図8は第2の実施の形態の動作を例示したフローチャートである。なお、フローチャートは、図2における許容加速度設定処理を示している。
【0046】
ステップST21で許容加速度設定部は搭乗状態検出結果を取得する。許容加速度設定部40-2は、搭乗状態検出部30で搭乗者毎に検出された搭乗状態を示す検出情報を取得してステップST22に進む。
【0047】
ステップST22で許容加速度設定部は判定対象搭乗者を選択する。許容加速度設定部40-2は個別許容加速度が判定されていない搭乗者を判定対象搭乗者として選択してステップST23に進む。
【0048】
ステップST23で許容加速度設定部は許容加速度判定処理を行う。許容加速度設定部40-2は、変換テーブル記憶部41に記憶されている変換テーブルを用いて、判定対象搭乗者の搭乗状態に応じた個別許容加速度を判定してステップST24に進む。
【0049】
ステップST24で許容加速度設定部は各搭乗者の判定処理が完了したか判別する。許容加速度設定部40-2は、個別許容加速度の判定が行われていない搭乗者がいる場合はステップST25に進み、全ての搭乗者について個別許容加速度の判定が行われている場合にはステップST26に進む。
【0050】
ステップST25で許容加速度設定部は判定対象搭乗者を更新する。許容加速度設定部40-2は、個別許容加速度の判定が行われていない搭乗者を新たな判定対象搭乗者として選択してステップST23に戻る。
【0051】
ステップST24からステップST26に進むと、許容加速度設定部は個別許容加速度調整処理を行う。許容加速度設定部40-2は、ステップST25までの処理によって搭乗者毎に設定された個別許容加速度を、搭乗者の姿勢保持状態に応じて調整する。例えば、許容加速度設定部40-2は、例えば手すりやつり革等を把持している搭乗者に対応する個別許容加速度を大きくして個別許容加速度判定処理を終了する。
【0052】
その後、許容加速度設定部40-2は、ステップST21からステップST26までの処理によって搭乗者毎に判定された個別許容加速度を統合して、移動体許容加速度を設定する。例えば、許容加速度設定部40-2は、搭乗者毎に設定された個別許容加速度から最も小さい加速度を方向毎に選択して、移動体許容加速度に設定する。
【0053】
このような処理を行えば、第1の実施の形態と同様に、搭乗者の安全性を向上できるようになる。さらに、搭乗者の位置や姿勢だけでなく、姿勢保持状態を考慮して許容可能な加速度を設定できるようになり、必要以上に加速度が制限されてしまうことを防止できる。
【0054】
<1-3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、搭乗状態の検出結果だけでなく、許容可能な加速度の時間変化を利用する場合について説明する
図9は、情報処理装置の第3の実施の形態の構成を例示している。情報処理装置10は撮像部20と搭乗状態検出部30および許容加速度設定部40-3を有している。また許容加速度設定部40-3は、変換テーブル記憶部41と状態情報記憶部42と変換テーブル補正部43、個別許容加速度判定部45および個別許容加速度統合部48を有している。
【0055】
変換テーブル記憶部41には、搭乗状態に基づいた許容加速度を示す変換テーブルが記憶されている。例えば、搭乗状態検出部30で搭乗者毎に検出された搭乗状態をパラメータとして、パラメータ値に対応する許容加速度を示す変換テーブルが記憶されている。
【0056】
状態情報記憶部42には搭乗状態検出部30の検出結果が記憶される。変換テーブル補正部43は、搭乗状態検出部30から供給された搭乗状態検出結果と、状態情報記憶部42に記憶されている過去の搭乗状態検出結果に基づき、搭乗状態の時間変化に応じて変換テーブルを補正する。例えば、搭乗者の位置や姿勢が所定よりも大きな変化を生じた場合、パラメータ値に応じて判定される許容加速度が小さい加速度となるように変換テーブルを補正する。
【0057】
個別許容加速度判定部45は、変換テーブル補正部43で補正された変換テーブルに基づき、搭乗状態の検出結果に対応する個別許容加速度を搭乗者毎に判定する。個別許容加速度判定部45は、搭乗者毎の個別許容加速度の判定結果を個別許容加速度統合部48へ出力する。
【0058】
個別許容加速度統合部48は、個別許容加速度判定部45から供給された個別許容加速度の統合処理を行い、方向毎に最も加速度が小さい個別許容加速度を移動体許容加速度に設定する。
【0059】
図10は第3の実施の形態の動作を例示したフローチャートである。なお、フローチャートは、図2における許容加速度設定処理を示している。
【0060】
ステップST31で許容加速度設定部は搭乗状態検出結果を取得する。許容加速度設定部40-3は、搭乗状態検出部30で搭乗者毎に検出された搭乗状態を示す検出情報を取得してステップST32に進む。
【0061】
ステップST32で許容加速度設定部は判定対象搭乗者を選択する。許容加速度設定部40-3は個別許容加速度が判定されていない搭乗者を判定対象搭乗者として選択してステップST33に進む。
【0062】
ステップST33で許容加速度設定部は搭乗状態の時間変化を検出する。許容加速度設定部40-3は、ステップST31で取得された搭乗状態検出結果と、過去に取得されている搭乗状態の検出結果に基づき、搭乗状態の時間変化を検出してステップST34に進む。
【0063】
ステップST34で許容加速度設定部は変換テーブル補正処理を行う。許容加速度設定部40-3は、ステップST33で検出された搭乗状態の時間変化に基づき変換テーブルを補正する。許容加速度設定部40-3は、例えば搭乗者の位置や姿勢が所定よりも大きな変化を生じるようになった場合には、パラメータ値に応じて判定される許容加速度が小さくなるように、変換テーブルを補正してステップST35に進む。
【0064】
ステップST35で許容加速度設定部は許容加速度判定処理を行う。許容加速度設定部40-3は、ステップST34で補正された変換テーブルを用いて、判定対象搭乗者の搭乗状態に応じた個別許容加速度を判定してステップST36に進む。
【0065】
ステップST36で許容加速度設定部は各搭乗者の判定処理が完了したか判別する。許容加速度設定部40-3は、個別許容加速度の判定が行われていない搭乗者がいる場合はステップST37に進み、全ての搭乗者について個別許容加速度の判定が行われている場合には個別許容加速度判定処理を終了する。
【0066】
ステップST37で許容加速度設定部は判定対象搭乗者を更新する。許容加速度設定部40-3は、個別許容加速度の判定が行われていない搭乗者を新たな判定対象搭乗者として選択してステップST33に戻る。
【0067】
その後、許容加速度設定部40-3は、ステップST31からステップST37までの処理によって搭乗者毎に判定された個別許容加速度を統合して、移動体許容加速度を設定する。例えば、許容加速度設定部40-3は、搭乗者毎に判定された個別許容加速度から最も小さい加速度を方向毎に選択して、移動体許容加速度に設定する。
【0068】
図11は、第3の実施の形態の動作例を示している。図11の(a)は変換テーブル記憶部41に記憶されている変換テーブルを例示している。図11の(b)は、搭乗状態の時間変化を例示しており、時点t0から時点t1になると、例えば加速度が変化したために足位置が位置PL0から位置PL1に、所定よりも大きい変化を生じている。この場合、変換テーブル補正部43は、搭乗状態の変化が抑えられるように、変換テーブルの補正を行い、図11の(a)に示す変換テーブルに比べて許容加速度が小さい図11の(c)に示す変換テーブルに補正する。したがって、時間経過時に搭乗状態の変化が大きい場合には、許容加速度が小さくされて、搭乗者の安全性を向上できるようになる。
【0069】
<1-4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、移動体の移動状況に応じた変換テーブルを用いて、許容可能な加速度を設定する場合について説明する
図12は、情報処理装置の第4の実施の形態の構成を例示している。情報処理装置10は撮像部20と搭乗状態検出部30および許容加速度設定部40-4を有している。また許容加速度設定部40-4は、変換テーブル記憶部41と変換テーブル選択部44と個別許容加速度判定部45および個別許容加速度統合部48を有している。
【0070】
変換テーブル記憶部41には、搭乗状態に基づいた許容加速度を示す変換テーブルが記憶されている。例えば、搭乗状態検出部30で搭乗者毎に検出された搭乗状態をパラメータとして、パラメータ値に対応する許容加速度を示す変換テーブルが記憶されている。
【0071】
変換テーブル選択部44には、移動体の移動状況を示す移動状況情報が供給されている。移動状況情報としては、静的情報あるいは動的情報の少なくともいずれかを用いる。静的情報としては、例えば移動体の経路を示す情報等を用いる。また、動的情報としては、例えば移動体の運行状況や運行時間、移動体の揺れ頻度、天候、車内混雑状況、車両の渋滞状況の少なくともいずれかを示す情報等を用いる。
【0072】
変換テーブル選択部44は、移動体の移動状況に応じた変換テーブルを変換テーブル記憶部41から取得して個別許容加速度判定部45へ出力する。例えば、変換テーブル選択部44は、移動体の移動経路に応じた変換テーブルを個別許容加速度判定部45へ出力する。また、変換テーブル選択部44は、運行状況や天候等の変化に応じて変換テーブルを切り替える。
【0073】
個別許容加速度判定部45は、変換テーブル選択部44から供給された変換テーブルに基づき、搭乗状態の検出結果に対応する個別許容加速度を搭乗者毎に判定する。個別許容加速度判定部45は、搭乗者毎の個別許容加速度の判定結果を個別許容加速度統合部48へ出力する。
【0074】
個別許容加速度統合部48は、個別許容加速度調整部47から供給された個別許容加速度の統合処理を行い、方向毎に最も加速度が小さい個別許容加速度を移動体許容加速度に設定する。
【0075】
図13は第4の実施の形態の動作を例示したフローチャートである。なお、フローチャートは、図2における許容加速度設定処理を示している。
【0076】
ステップST41で許容加速度設定部は搭乗状態検出結果を取得する。許容加速度設定部40-4は、搭乗状態検出部30で搭乗者毎に検出された搭乗状態を示す検出情報を取得してステップST42に進む。
【0077】
ステップST42で許容加速度設定部は移動状況情報を取得する。許容加速度設定部40-4は、移動体の移動経路や移動環境等の少なくともいずれかを示す移動状況情報を外部から取得してステップST43に進む。
【0078】
ステップST43で許容加速度設定部は変換テーブルの変更が必要か判別する。許容加速度設定部40-4は、ステップST42で取得した移動状況情報に基づき、変換テーブルの変更が必要か判別して、変換テーブルの変更が必要と判別した場合はステップST44に進み、変換テーブルの変更が必要ないと判別した場合はステップST45に進む。
【0079】
ステップST44で許容加速度設定部は変換テーブルの変更を行う。許容加速度設定部40-4は、変換テーブル記憶部41に記憶されている変換テーブルからステップST42で取得した移動状況情報に応じた変換テーブルを選択してステップST45に進む。
【0080】
ステップST45で許容加速度設定部は判定対象搭乗者を選択する。許容加速度設定部40-4は個別許容加速度が判定されていない搭乗者を判定対象搭乗者として選択してステップST46に進む。
【0081】
ステップST46で許容加速度設定部は許容加速度判定処理を行う。許容加速度設定部40-4は、変換テーブル記憶部41に記憶されている変換テーブルを用いて、判定対象搭乗者の搭乗状態に応じた個別許容加速度を判定してステップST47に進む。
【0082】
ステップST47で許容加速度設定部は各搭乗者の判定処理が完了したか判別する。許容加速度設定部40-4は、個別許容加速度の判定が行われていない搭乗者がいる場合はステップST48に進み、全ての搭乗者について個別許容加速度の判定が行われている場合には個別許容加速度判定処理を終了する。
【0083】
ステップST48で許容加速度設定部は判定対象搭乗者を更新する。許容加速度設定部40-4は、個別許容加速度の判定が行われていない搭乗者を新たな判定対象搭乗者として選択してステップST46に戻る。
【0084】
その後、許容加速度設定部40-4は、ステップST41からステップST48までの処理によって搭乗者毎に判定された個別許容加速度を統合して、移動体許容加速度を設定する。例えば、許容加速度設定部40-4は、搭乗者毎に判定された個別許容加速度から最も小さい加速度を方向毎に選択して、移動体許容加速度に設定する。
【0085】
このような処理を行えば、搭乗者の搭乗状態だけでなく移動体の移動状況に応じて移動体許容加速度が設定されるのでさらに安全性を向上できるようになる。
【0086】
<2.移動制御装置について>
次に、本技術の情報処理装置を用いた移動制御装置について説明する。上述したように、情報処理装置では、移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、移動体許容加速度を設定して、移動制御装置では情報処理装置で設定された移動体許容加速度を超えないように移動体の移動制御を行う。
【0087】
図14は、移動制御装置の構成を例示している。なお、移動制御装置15では、許容加速度設定部40で設定された移動体許容加速度で移動制御を行う制御部50だけでなく、移動体における搭乗者の搭乗状態を検出するために搭乗者を撮像する撮像部20と、撮像部20で取得された画像に基づき搭乗者の搭乗状態を検出する搭乗状態検出部30が設けられている場合を示しているが、本技術の移動制御装置は、制御部50のみで構成されてもよい。
【0088】
撮像部20は、被写体光学像を撮像素子の撮像面に結像させる撮像レンズ、光電変換を行い光学像に応じた画像信号を生成するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子、および撮像素子で生成された画像信号に対してカメラ信号処理を行い、良好な画質の撮像画像を示す画像信号を生成する画像信号処理部等を有している。撮像部20は、移動体の搭乗者を示す撮像画像の画像信号を生成して搭乗状態検出部30へ出力する。
【0089】
搭乗状態検出部30は、撮像部20で生成された画像信号を用いて、撮像画像に含まれる搭乗者の搭乗状態を搭乗者毎に検出する。搭乗状態検出部30は、例えば撮像画像から抽出した特徴点等を、モデルデータによって定義されるオブジェクトの形状等と照合することで、搭乗者の姿勢あるいは搭乗者の姿勢と移動体における搭乗者の位置を搭乗状態として検出する。また、搭乗状態検出部30は、機械学習等を用いて搭乗者の搭乗状態を撮像画像に基づいて検出してもよい。搭乗状態検出部30は搭乗状態の検出結果を許容加速度設定部40へ出力する。
【0090】
許容加速度設定部40は、搭乗状態検出部30で検出された搭乗状態に基づき移動体許容加速度を設定する。許容加速度設定部40は、上述したように、例えば移動体における搭乗者毎に許容加速度を判定して、搭乗者毎に判定した個別許容加速度を統合して、移動体許容加速度を設定して制御部50へ出力する。
【0091】
制御部50は、許容加速度設定部40で設定された移動体許容加速度に基づいて移動体の動作、例えば移動経路の選択や変更を行う。なお、制御部50の構成および動作は各実施の形態で説明する。
【0092】
図15は、移動制御装置の動作を例示したフローチャートである。ステップST51で移動制御装置は画像取得処理を行う。移動制御装置15は、移動体の搭乗者の撮像画像を取得してステップST52に進む。
【0093】
ステップST52で移動制御装置15は搭乗状態検出処理を行う。移動制御装置15は、ステップST51で取得された撮像画像に基づき搭乗者の搭乗状態を搭乗者毎に判定してステップST53に進む。
【0094】
ステップST53で情報処理装置10は個別許容加速度判定処理を行う。情報処理装置10は、ステップST52で検出された搭乗状態に基づき個別許容加速度を搭乗者毎に判定してステップST54に進む。
【0095】
ステップST54で情報処理装置10は個別許容加速度統合処理を行う。情報処理装置10は、ステップST53で搭乗者毎に判定した個別許容加速度を統合して、移動体許容加速度を設定してステップST55に進む。
【0096】
ステップST55で移動制御装置15は移動制御処理を行う。移動制御装置15は、移動体の移動制御をステップST53で設定された移動体許容加速度に基づいて行う。
【0097】
<2-1.制御部の構成と動作>
図16は、制御部の実施の形態の構成を例示している。移動制御装置15の制御部50は、加速度判定部51と経路計画部52を有している。
【0098】
加速度判定部51は、経路計画部52から経路毎の加速度情報(以下「経路加速度情報」という)を取得して、許容加速度設定部40で設定された移動体許容加速度を超える箇所の判定を行い、判定結果を経路計画部52へ出力する。なお、経路加速度情報は、移動体が経路を移動したときの経路上の加速度を示す情報である。
【0099】
経路計画部52は、移動体の経路毎の経路加速度情報を有している。経路計画部52は、経路加速度情報を加速度判定部51に供給して、加速度判定部51から供給された判定結果に基づき、移動体許容加速度を超えない経路、あるいは移動体許容加速度を超えない経路がない場合には移動体許容加速度との差が最も少ない経路を移動体の移動経路に設定する。
【0100】
図17は実施の形態の動作を例示したフローチャートである。なお、フローチャートは、図15における移動制御処理を示している。
【0101】
ステップST61で制御部は移動体許容加速度を取得する。制御部50は、許容加速度設定部40で設定された移動体許容加速を取得してステップST62に進む。
【0102】
ステップST62で制御部は経路毎の経路加速度情報を取得する。制御部50の加速度判定部51は、経路計画部52から経路毎の経路加速度情報を取得してステップST63に進む。
【0103】
ステップST63で制御部は経路を選択する。制御部50の加速度判定部51は経路加速度情報が示されている経路を選択してステップST64に進む。
【0104】
ステップST64で制御部は移動体許容加速度を超えないか判別する。制御部50の加速度判定部51は、ステップST63で選択した経路の経路加速度情報に基づき、選択した経路を移動中に移動体許容加速度を超えないか判別する。加速度判定部51は、経路加速度が移動体許容加速度を超えないと判別した場合はステップST65に進み。超えると判別した場合にはステップST66に進む。
【0105】
ステップST65で制御部は選択されている経路を候補経路に設定する。制御部50の加速度判定部51は、移動体許容加速度を超えない経路を候補経路に設定してステップST67に進む。
【0106】
ステップST66で制御部は選択されている経路を非候補経路に設定する。制御部50の加速度判定部51は、移動体許容加速度を超える経路を非候補経路に設定してステップST67に進む。
【0107】
ステップST67で制御部は経路判定の終了であるか判別する。制御部50の加速度判定部51は、各経路が候補経路または非候補経路のいずれかに判定されている場合、経路判定の終了と判別してステップST69に進み、候補経路または非候補経路の判定が行われていない経路がある場合、経路判定の終了でないと判別してステップST68に進む。
【0108】
ステップST68で制御部は新たな経路を選択する。制御部50の加速度判定部51は、候補経路または非候補経路の判定が行われていない経路を新たに選択してステップST64に戻る。
【0109】
ステップST69で制御部は候補経路があるか判別する。制御部50の経路計画部52は、候補経路があると判別した場合にステップST70に進み、候補経路がないと判別した場合にステップST71に進む。
【0110】
ステップST70で制御部は候補経路から移動経路を選択する。制御部50の経路計画部52は、各候補経路の経路加速度に基づき、経路加速度が最小である候補経路を移動経路として選択する。また、経路計画部52は、各候補経路の経路加速度と移動体許容加速度に基づき、経路加速度と移動体許容加速度との差が最も少ない候補経路を移動経路として選択すれば、移動体の加速度が制限されすぎてしまうことを防ぐことができる。経路計画部52は、移動経路を選択してステップST72に進む。
【0111】
ステップST71で制御部は非候補経路から移動経路を選択する。制御部50の経路計画部52は、各非候補経路の経路加速度に基づき、経路加速度が最小である非候補経路を移動経路として選択してステップST72に進む。
【0112】
ステップST72で制御部は移動経路を出力する。制御部50の経路計画部52は、ステップST70またはステップST71で設定された移動経路を外部へ通知する。また、経路計画部52は、移動経路と共に、移動経路が候補経路と非候補経路のいずれであるかを識別可能とする移動経路識別情報を移動経路と共に出力するようにしてもよい。
【0113】
このような処理を行えば、搭乗者の安全性を確保できる経路を自動的に選択できるようになる。また、移動経路識別情報に基づき移動経路が非候補経路であることが示された場合、経路加速度よりも移動体の加速度を抑えて移動制御を行うことができる。
【0114】
図18は、設定された許容加速度に基づいた経路選択動作を例示しており、バスMTaが前方を走行している自転車MTbを回避する場合を示している。左右方向DRlrの許容加速度が前後方向である移動方向DRfbの許容加速度に比べて小さい移動体許容加速度ACaである場合、左右方向DRlrの加速度を制限した回避動作、例えば経路CSaに示すように左右方向の移動を生じさせることなく減速して自転車に追従する。また、移動方向(前後方向)DRfbの許容加速度が左右方向DRlrの許容加速度よりも小さい移動体許容加速度ACbである場合、移動方向(前後方向)DRfbの加速度を制限した回避動作、例えば経路CSbに示すように加減速を行うことなく進路を変更して隣の車線を使用して自転車を回避する。さらに、移動方向(前後方向)DRfbと左右方向DRlrの許容加速度が大きい移動体許容加速度ACcである場合、移動方向(前後方向)DRfbと左右方向DRlrの加速度を制限することなく回避動作を行い、例えば経路CScに示すように加速しながら進路を変更して隣の車線を使用して自転車を回避する。
【0115】
また、移動経路識別情報に基づき、経路CSa~経路CScが候補経路である場合には、上述のような回避動作を行い、非候補経路である場合は、上述の回避動作よりも早期に回避動作を行い、移動方向(前後方向)DRfbと左右方向DRlrの加速度を抑えるようにしてもよい。
【0116】
このように、移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、移動体許容加速度を設定して、設定された移動体許容加速度を超えないように移動体の移動制御を行うようにすれば、搭乗者の搭乗状態を考慮して安全かつ最適な経路を選択して移動できるようになる。
【0117】
<3.他の実施の形態について>
上述した情報処理装置は、各実施の形態の構成に限られるものではなく、実施の形態を組み合わせた構成としてもよい。また、移動制御装置における許容加速度設定部40は、移動体許容加速度を設定できれば、上述の情報処理装置のいずれの実施の形態であってもよく、実施の形態を組み合わせた構成であってもよい。例えば、搭乗者の保持状態に応じて変換テーブルを切り替えてもよく、移動体の移動状況に応じて個別許容可能加速度を調整してもよい。
【0118】
また、上述の移動体制御システムにおける制御部50は、移動体許容加速度を超えないように経路を選択する場合を例示したが、制御部50では、移動体が移動体許容加速度を超えないように速度制御や操舵制御等を行うようにしてもよい。
【0119】
さらに、図2図15に示す処理は、撮像画を取得して移動体許容加速度の設定が完了してから次の撮像画を取得する場合に限らず、移動体許容加速度の設定が完了する前に次の撮像画の取得等を開始するようにしてもよい。
【0120】
<4.応用例>
次に、移動制御装置の応用例について説明する。図19は、本技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム100の概略的な機能の構成例を示すブロック図である。
【0121】
なお、以下、車両制御システム100が設けられている車両を他の車両と区別する場合、自車又は自車両と称する。
【0122】
車両制御システム100は、入力部101、データ取得部102、通信部103、車内機器104、出力制御部105、出力部106、駆動系制御部107、駆動系システム108、ボディ系制御部109、ボディ系システム110、記憶部111、及び、自動運転制御部112を備える。入力部101、データ取得部102、通信部103、出力制御部105、駆動系制御部107、ボディ系制御部109、記憶部111、及び、自動運転制御部112は、通信ネットワーク121を介して、相互に接続されている。通信ネットワーク121は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)、又は、FlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークやバス等からなる。なお、車両制御システム100の各部は、通信ネットワーク121を介さずに、直接接続される場合もある。
【0123】
なお、以下、車両制御システム100の各部が、通信ネットワーク121を介して通信を行う場合、通信ネットワーク121の記載を省略するものとする。例えば、入力部101と自動運転制御部112が、通信ネットワーク121を介して通信を行う場合、単に入力部101と自動運転制御部112が通信を行うと記載する。
【0124】
入力部101は、搭乗者が各種のデータや指示等の入力に用いる装置を備える。例えば、入力部101は、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ、及び、レバー等の操作デバイス、並びに、音声やジェスチャ等により手動操作以外の方法で入力可能な操作デバイス等を備える。また、例えば、入力部101は、赤外線若しくはその他の電波を利用したリモートコントロール装置、又は、車両制御システム100の操作に対応したモバイル機器若しくはウェアラブル機器等の外部接続機器であってもよい。入力部101は、搭乗者により入力されたデータや指示等に基づいて入力信号を生成し、車両制御システム100の各部に供給する。
【0125】
データ取得部102は、車両制御システム100の処理に用いるデータを取得する各種のセンサ等を備え、取得したデータを、車両制御システム100の各部に供給する。
【0126】
例えば、データ取得部102は、自車の状態等を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、ジャイロセンサ、加速度センサ、慣性計測装置(IMU)、及び、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数、モータ回転数、若しくは、車輪の回転速度等を検出するためのセンサ等を備える。
【0127】
また、例えば、データ取得部102は、自車の外部の情報を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ、及び、その他のカメラ等の撮像装置を備える。また、例えば、データ取得部102は、天候又は気象等を検出するための環境センサ、及び、自車の周囲の物体を検出するための周囲情報検出センサを備える。環境センサは、例えば、雨滴センサ、霧センサ、日照センサ、雪センサ等からなる。周囲情報検出センサは、例えば、超音波センサ、レーダ、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)、ソナー等からなる。
【0128】
さらに、例えば、データ取得部102は、自車の現在位置を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号を受信するGNSS受信機等を備える。
【0129】
また、例えば、データ取得部102は、車内の情報を検出するための各種のセンサを備える。具体的には、例えば、データ取得部102は、運転者を撮像する撮像装置、運転者の生体情報を検出する生体センサ、及び、車室内の音声を集音するマイクロフォン等を備える。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座っている搭乗者又はステアリングホイールを握っている運転者の生体情報を検出する。
【0130】
通信部103は、車内機器104、並びに、車外の様々な機器、サーバ、基地局等と通信を行い、車両制御システム100の各部から供給されるデータを送信したり、受信したデータを車両制御システム100の各部に供給したりする。なお、通信部103がサポートする通信プロトコルは、特に限定されるものではなく、また、通信部103が、複数の種類の通信プロトコルをサポートすることも可能である
例えば、通信部103は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、又は、WUSB(Wireless USB)等により、車内機器104と無線通信を行う。また、例えば、通信部103は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、又は、MHL(Mobile High-definition Link)等により、車内機器104と有線通信を行う。
【0131】
さらに、例えば、通信部103は、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)との通信を行う。また、例えば、通信部103は、P2P(Peer To Peer)技術を用いて、自車の近傍に存在する端末(例えば、歩行者若しくは店舗の端末、又は、MTC(Machine Type Communication)端末)との通信を行う。さらに、例えば、通信部103は、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、自車と家との間(Vehicle to Home)の通信、及び、歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信等のV2X通信を行う。また、例えば、通信部103は、ビーコン受信部を備え、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行規制又は所要時間等の情報を取得する。
【0132】
車内機器104は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、自車に搬入され若しくは取り付けられる情報機器、及び、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置等を含む。
【0133】
出力制御部105は、自車の搭乗者又は車外に対する各種の情報の出力を制御する。例えば、出力制御部105は、視覚情報(例えば、画像データ)及び聴覚情報(例えば、音声データ)のうちの少なくとも1つを含む出力信号を生成し、出力部106に供給することにより、出力部106からの視覚情報及び聴覚情報の出力を制御する。具体的には、例えば、出力制御部105は、データ取得部102の異なる撮像装置により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像等を生成し、生成した画像を含む出力信号を出力部106に供給する。また、例えば、出力制御部105は、衝突、接触、危険地帯への進入等の危険に対する警告音又は警告メッセージ等を含む音声データを生成し、生成した音声データを含む出力信号を出力部106に供給する。
【0134】
出力部106は、自車の搭乗者又は車外に対して、視覚情報又は聴覚情報を出力することが可能な装置を備える。例えば、出力部106は、表示装置、インストルメントパネル、オーディオスピーカ、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ、ランプ等を備える。出力部106が備える表示装置は、通常のディスプレイを有する装置以外にも、例えば、ヘッドアップディスプレイ、透過型ディスプレイ、AR(Augmented Reality)表示機能を有する装置等の運転者の視野内に視覚情報を表示する装置であってもよい。
【0135】
駆動系制御部107は、各種の制御信号を生成し、駆動系システム108に供給することにより、駆動系システム108の制御を行う。また、駆動系制御部107は、必要に応じて、駆動系システム108以外の各部に制御信号を供給し、駆動系システム108の制御状態の通知等を行う。
【0136】
駆動系システム108は、自車の駆動系に関わる各種の装置を備える。例えば、駆動系システム108は、内燃機関又は駆動用モータ等の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、舵角を調節するステアリング機構、制動力を発生させる制動装置、ABS(Antilock Brake System)、ESC(Electronic Stability Control)、並びに、電動パワーステアリング装置等を備える。
【0137】
ボディ系制御部109は、各種の制御信号を生成し、ボディ系システム110に供給することにより、ボディ系システム110の制御を行う。また、ボディ系制御部109は、必要に応じて、ボディ系システム110以外の各部に制御信号を供給し、ボディ系システム110の制御状態の通知等を行う。
【0138】
ボディ系システム110は、車体に装備されたボディ系の各種の装置を備える。例えば、ボディ系システム110は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、パワーシート、ステアリングホイール、空調装置、及び、各種ランプ(例えば、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカ、フォグランプ等)等を備える。
【0139】
記憶部111は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、及び、光磁気記憶デバイス等を備える。記憶部111は、車両制御システム100の各部が用いる各種プログラムやデータ等を記憶する。例えば、記憶部111は、ダイナミックマップ等の3次元の高精度地図、高精度地図より精度が低く、広いエリアをカバーするグローバルマップ、及び、自車の周囲の情報を含むローカルマップ等の地図データを記憶する。
【0140】
自動運転制御部112は、自律走行又は運転支援等の自動運転に関する制御を行う。具体的には、例えば、自動運転制御部112は、自車の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、自車の衝突警告、又は、自車のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行う。また、例えば、自動運転制御部112は、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行う。自動運転制御部112は、検出部131、自己位置推定部132、状況分析部133、計画部134、及び、動作制御部135を備える。
【0141】
検出部131は、自動運転の制御に必要な各種の情報の検出を行う。検出部131は、車外情報検出部141、車内情報検出部142、及び、車両状態検出部143を備える。
【0142】
車外情報検出部141は、車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の外部の情報の検出処理を行う。例えば、車外情報検出部141は、自車の周囲の物体の検出処理、認識処理、及び、追跡処理、並びに、物体までの距離の検出処理を行う。検出対象となる物体には、例えば、車両、人、障害物、構造物、道路、信号機、交通標識、道路標示等が含まれる。また、例えば、車外情報検出部141は、自車の周囲の環境の検出処理を行う。検出対象となる周囲の環境には、例えば、天候、気温、湿度、明るさ、及び、路面の状態等が含まれる。車外情報検出部141は、検出処理の結果を示すデータを自己位置推定部132、状況分析部133のマップ解析部151、交通ルール認識部152、及び、状況認識部153、並びに、動作制御部135の緊急事態回避部171等に供給する。
【0143】
車内情報検出部142は、車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、車内の情報の検出処理を行う。例えば、車内情報検出部142は、運転者の認証処理及び認識処理、運転者の状態の検出処理、搭乗者の検出処理、及び、車内の環境の検出処理等を行う。検出対象となる運転者の状態には、例えば、体調、覚醒度、集中度、疲労度、視線方向等が含まれる。検出対象となる車内の環境には、例えば、気温、湿度、明るさ、臭い等が含まれる。車内情報検出部142は、検出処理の結果を示すデータを状況分析部133の状況認識部153、及び、動作制御部135の緊急事態回避部171等に供給する。
【0144】
車両状態検出部143は、車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の状態の検出処理を行う。検出対象となる自車の状態には、例えば、速度、加速度、舵角、異常の有無及び内容、運転操作の状態、パワーシートの位置及び傾き、ドアロックの状態、並びに、その他の車載機器の状態等が含まれる。車両状態検出部143は、検出処理の結果を示すデータを状況分析部133の状況認識部153、及び、動作制御部135の緊急事態回避部171等に供給する。
【0145】
自己位置推定部132は、車外情報検出部141、及び、状況分析部133の状況認識部153等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の位置及び姿勢等の推定処理を行う。また、自己位置推定部132は、必要に応じて、自己位置の推定に用いるローカルマップ(以下、自己位置推定用マップと称する)を生成する。自己位置推定用マップは、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等の技術を用いた高精度なマップとされる。自己位置推定部132は、推定処理の結果を示すデータを状況分析部133のマップ解析部151、交通ルール認識部152、及び、状況認識部153等に供給する。また、自己位置推定部132は、自己位置推定用マップを記憶部111に記憶させる。
【0146】
状況分析部133は、自車及び周囲の状況の分析処理を行う。状況分析部133は、マップ解析部151、交通ルール認識部152、状況認識部153、及び、状況予測部154を備える。
【0147】
マップ解析部151は、自己位置推定部132及び車外情報検出部141等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号を必要に応じて用いながら、記憶部111に記憶されている各種のマップの解析処理を行い、自動運転の処理に必要な情報を含むマップを構築する。マップ解析部151は、構築したマップを、交通ルール認識部152、状況認識部153、状況予測部154、並びに、計画部134のルート計画部161、行動計画部162、及び、動作計画部163等に供給する。
【0148】
交通ルール認識部152は、自己位置推定部132、車外情報検出部141、及び、マップ解析部151等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車の周囲の交通ルールの認識処理を行う。この認識処理により、例えば、自車の周囲の信号の位置及び状態、自車の周囲の交通規制の内容、並びに、走行可能な車線等が認識される。交通ルール認識部152は、認識処理の結果を示すデータを状況予測部154等に供給する。
【0149】
状況認識部153は、自己位置推定部132、車外情報検出部141、車内情報検出部142、車両状態検出部143、及び、マップ解析部151等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車に関する状況の認識処理を行う。例えば、状況認識部153は、自車の状況、自車の周囲の状況、及び、自車の運転者の状況等の認識処理を行う。また、状況認識部153は、必要に応じて、自車の周囲の状況の認識に用いるローカルマップ(以下、状況認識用マップと称する)を生成する。状況認識用マップは、例えば、占有格子地図(Occupancy Grid Map)とされる。
【0150】
認識対象となる自車の状況には、例えば、自車の位置、姿勢、動き(例えば、速度、加速度、移動方向等)、並びに、異常の有無及び内容等が含まれる。認識対象となる自車の周囲の状況には、例えば、周囲の静止物体の種類及び位置、周囲の動物体の種類、位置及び動き(例えば、速度、加速度、移動方向等)、周囲の道路の構成及び路面の状態、並びに、周囲の天候、気温、湿度、及び、明るさ等が含まれる。認識対象となる運転者の状態には、例えば、体調、覚醒度、集中度、疲労度、視線の動き、並びに、運転操作等が含まれる。
【0151】
状況認識部153は、認識処理の結果を示すデータ(必要に応じて、状況認識用マップを含む)を自己位置推定部132及び状況予測部154等に供給する。また、状況認識部153は、状況認識用マップを記憶部111に記憶させる。
【0152】
状況予測部154は、マップ解析部151、交通ルール認識部152及び状況認識部153等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、自車に関する状況の予測処理を行う。例えば、状況予測部154は、自車の状況、自車の周囲の状況、及び、運転者の状況等の予測処理を行う。
【0153】
予測対象となる自車の状況には、例えば、自車の挙動、異常の発生、及び、走行可能距離等が含まれる。予測対象となる自車の周囲の状況には、例えば、自車の周囲の動物体の挙動、信号の状態の変化、及び、天候等の環境の変化等が含まれる。予測対象となる運転者の状況には、例えば、運転者の挙動及び体調等が含まれる。
【0154】
状況予測部154は、予測処理の結果を示すデータを、交通ルール認識部152及び状況認識部153からのデータとともに、計画部134のルート計画部161、行動計画部162、及び、動作計画部163等に供給する。
【0155】
ルート計画部161は、マップ解析部151及び状況予測部154等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、目的地までのルートを計画する。例えば、ルート計画部161は、グローバルマップに基づいて、現在位置から指定された目的地までのルートを設定する。また、例えば、ルート計画部161は、渋滞、事故、通行規制、工事等の状況、及び、運転者の体調等に基づいて、適宜ルートを変更する。ルート計画部161は、計画したルートを示すデータを行動計画部162等に供給する。
【0156】
行動計画部162は、マップ解析部151及び状況予測部154等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、ルート計画部161により計画されたルートを計画された時間内で安全に走行するための自車の行動を計画する。例えば、行動計画部162は、発進、停止、進行方向(例えば、前進、後退、左折、右折、方向転換等)、走行車線、走行速度、及び、追い越し等の計画を行う。行動計画部162は、計画した自車の行動を示すデータを動作計画部163等に供給する
動作計画部163は、マップ解析部151及び状況予測部154等の車両制御システム100の各部からのデータ又は信号に基づいて、行動計画部162により計画された行動を実現するための自車の動作を計画する。例えば、動作計画部163は、加速、減速、及び、走行軌道等の計画を行う。動作計画部163は、計画した自車の動作を示すデータを、動作制御部135の加減速制御部172及び方向制御部173等に供給する。
【0157】
動作制御部135は、自車の動作の制御を行う。動作制御部135は、緊急事態回避部171、加減速制御部172、及び、方向制御部173を備える。
【0158】
緊急事態回避部171は、車外情報検出部141、車内情報検出部142、及び、車両状態検出部143の検出結果に基づいて、衝突、接触、危険地帯への進入、運転者の異常、車両の異常等の緊急事態の検出処理を行う。緊急事態回避部171は、緊急事態の発生を検出した場合、急停車や急旋回等の緊急事態を回避するための自車の動作を計画する。緊急事態回避部171は、計画した自車の動作を示すデータを加減速制御部172及び方向制御部173等に供給する。
【0159】
加減速制御部172は、動作計画部163又は緊急事態回避部171により計画された自車の動作を実現するための加減速制御を行う。例えば、加減速制御部172は、計画された加速、減速、又は、急停車を実現するための駆動力発生装置又は制動装置の制御目標値を演算し、演算した制御目標値を示す制御指令を駆動系制御部107に供給する。
【0160】
方向制御部173は、動作計画部163又は緊急事態回避部171により計画された自車の動作を実現するための方向制御を行う。例えば、方向制御部173は、動作計画部163又は緊急事態回避部171により計画された走行軌道又は急旋回を実現するためのステアリング機構の制御目標値を演算し、演算した制御目標値を示す制御指令を駆動系制御部107に供給する。
【0161】
以上のような車両制御システム100において、検出部131の車内情報検出部142は車内の撮像等を行い、得られた画像等に基づいて搭乗者の搭乗状態を検出する。車内情報検出部142は検出結果を状況分析部133へ出力する。状況分析部133は、搭乗状態の検出結果に基づき移動体許容加速度を設定する。また、状況分析部133は、自車及び周囲の状況に応じて変換テーブルの選択あるいは切り替えを行い、移動体許容加速度を設定してもよい。状況分析部133は、設定した移動体許容加速度を計画部134へ出力する。計画部134は、移動体許容加速度を超えない経路、あるいは移動体許容加速度を超えない経路がない場合には移動体許容加速度との差が最も少ない経路を移動体の移動経路に設定する。動作制御部135は、計画部134で設定された経路を移動するように、加減速制御や方向制御を行う。このように、搭乗者の搭乗状態に応じて加減速制御や方向制御を行うことで、搭乗者の安全性を向上できるようになる。
【0162】
明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させる。または、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0163】
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやSSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-Ray Disc(登録商標))、磁気ディスク、半導体メモリカード等のリムーバブル記録媒体に、一時的または永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
【0164】
また、プログラムは、リムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトからLAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して、コンピュータに無線または有線で転送してもよい。コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【0165】
なお、本明細書に記載した効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、記載されていない付加的な効果があってもよい。また、本技術は、上述した技術の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この技術の実施の形態は、例示という形態で本技術を開示しており、本技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本技術の要旨を判断するためには、請求の範囲を参酌すべきである。
【0166】
また、本技術の情報処理装置は以下のような構成も取ることができる。
(1) 移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、前記移動体で許容可能な加速度を設定する許容加速度設定部
を備える情報処理装置。
(2) 前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の搭乗状態として前記搭乗者の姿勢を用いる(1)に記載の情報処理装置。
(3) 前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の姿勢として足の開き幅と前記移動体の移動方向に対する足の配置角度を用いる(2)に記載の情報処理装置。
(4) 前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の姿勢として前記搭乗者の姿勢保持状態を用いる(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5) 前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の搭乗状態として前記移動体における前記搭乗者の位置を用いて前記許容可能な加速度を設定する(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理装置。
(6) 前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の搭乗状態の時間変化に基づいて前記許容可能な加速度を設定する(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7) 前記許容加速度設定部は、前記搭乗者の搭乗状態と前記許容可能な加速度の関係を示す変換テーブルを用いて前記許容可能な加速度を設定する(1)乃至(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8) 前記許容加速度設定部は、前記変換テーブルとして前記移動体の移動状況に応じた変換テーブルを用いる(7)に記載の情報処理装置。
(9) 前記許容加速度設定部は、前記移動体の移動経路に応じた変換テーブルを用いる(8)に記載の情報処理装置。
(10) 前記許容加速度設定部は、前記移動体の移動状況の変化に応じて前記変換テーブルを切り替える(8)に記載の情報処理装置。
(11) 前記許容加速度設定部は、前記移動体における搭乗者毎に許容加速度を判定して、前記搭乗者毎に判定した許容加速度を統合して、前記移動体で許容可能な加速度を設定する(1)乃至(10)のいずれかに記載の情報処理装置。
(12) 前記移動体における搭乗者を撮像する撮像部と、
前記撮像部で取得された撮像画像に基づき、前記搭乗者の搭乗状態を検出する搭乗状態検出部をさらに備える(1)乃至(11)のいずれかに記載の情報処理装置。
【0167】
また、本技術の移動制御装置は以下のような構成も取ることができる。
(1) 移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、前記移動体で許容可能な加速度を設定する許容加速度設定部と、
前記許容加速度設定部で設定された許容加速度を超えないように前記移動体の移動制御を行う制御部と
を備える移動制御装置。
(2) 前記制御部は、前記移動体の移動経路を設定する経路計画部を備え、
前記経路計画部は、前記許容加速度に応じて移動経路を設定する(1)に記載の移動制御装置。
(3) 前記経路計画部は、前記許容加速度を超えない経路を候補経路として、加速度が最も小さい候補経路または前記許容加速度との差が最も少ない候補経路を前記移動経路に設定する(2)に記載の移動制御装置。
(4) 前記経路計画部は、前記許容加速度を超えない経路がない場合、加速度が最も小さい経路を前記移動経路に設定する(2)または(3)に記載の移動制御装置。
(5) 前記移動体における搭乗者を撮像する撮像部と、
前記撮像部で取得された撮像画像に基づき、前記搭乗者の搭乗状態を検出する搭乗状態検出部とをさらに備える(1)乃至(4)のいずれかに記載の移動制御装置。
【0168】
また、本技術は以下のようなプログラムであってもよい。
(1) 移動体の加速度制御部をコンピュータで実行させるプログラムであって、
前記移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、前記移動体で許容可能な加速度を設定する手順
を前記コンピュータで実行させるプログラム。
(2) 移動体の移動制御をコンピュータで実行させるプログラムであって、
前記移動体における搭乗者の搭乗状態に基づき、前記移動体で許容可能な加速度を設定する手順と、
前記設定された許容加速度を超えないように前記移動体の移動制御を行う手順と
を前記コンピュータで実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0169】
10・・・情報処理装置
15・・・移動制御装置
20・・・撮像部
30・・・搭乗状態検出部
40,40-1,40-2,40-3,40-4・・・許容加速度設定部
41・・・変換テーブル記憶部
42・・・状態情報記憶部
43・・・変換テーブル補正部
44・・・変換テーブル選択部
45・・・個別許容加速度判定部
47・・・個別許容加速度調整部
48・・・個別許容加速度統合部
50・・・制御部
51・・・加速度判定部
52・・・経路計画部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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