(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20231108BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20231108BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20231108BHJP
H01L 27/092 20060101ALI20231108BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20231108BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H01L27/04 D
H01L27/092 A
H01L27/092 C
H01L27/088 A
(21)【出願番号】P 2021551077
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(86)【国際出願番号】 JP2019040258
(87)【国際公開番号】W WO2021070366
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン ウェンゼン
(72)【発明者】
【氏名】岡本 淳
(72)【発明者】
【氏名】武野 紘宜
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-206420(JP,A)
【文献】特開平11-102910(JP,A)
【文献】特開2014-165358(JP,A)
【文献】特開昭53-026689(JP,A)
【文献】特開2009-302198(JP,A)
【文献】特開2012-044042(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0187642(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 21/8238
H01L 21/8234
H01L 27/00
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の第1の面上に形成された第1の配線層と、を有する第1のチップと、
前記基板の前記第1の面とは反対側の第2の面上に形成された第2の配線層と、
を有し、
前記第2の配線層は、
第1の電源電位が供給される第1の電源線と、
第2の電源電位が供給される第2の電源線と、
前記第1の電源線と前記第2の電源線との間に接続された
第1のスイッチと、
を有し、
前記第1のチップは、
第1の接地線と、
前記第2の電源電位が供給される第3の電源線と、
前記第1の接地線及び前記第3の電源線が配置された第1の領域と、
第2の接地線と、
前記第1の電源電位が供給される第4の電源線と、
前記第2の接地線及び前記第4の電源線が配置された第2の領域と、
を有し、
平面視で、前記
第1のスイッチは前記第1の領域と前記第2の領域との間に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2の領域は、前記第2の接地線と前記第4の電源線との間に接続され、前記
第1のスイッチを制御する制御回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の接地線と前記第2の接地線とが互いに電気的に接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の電源線は、平面視で前記第2の領域と重なる部分を有し、
前記第2の電源線は、平面視で前記第1の領域と重なる部分を有し、
前記第1の電源線及び前記第2の電源線は、前記第1の領域と前記第2の領域との間で前記
第1のスイッチに接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の電源線及び前記第2の電源線は平面視で第1の方向に延在し、
前記第1の領域の少なくとも一部と前記第2の領域とが前記第1の方向に配置され、
前記第1の電源線及び前記第2の電源線は、それぞれ前記第1の方向に垂直な第2の方向に並んで複数設けられており、
前記
第1のスイッチは、複数の前記第1の電源線と複数の前記第2の電源線との間に共通に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の電源線及び前記第2の電源線は平面視で第1の方向に延在し、
前記第1の領域と前記第2の領域とが、平面視で前記第1の方向に直交する第2の方向に配置され、
複数の前記
第1のスイッチが、前記第1の電源線と前記第2の電源線との間に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の接地線及び前記第3の電源線は、前記第1の方向に延在することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の電源線及び前記第2の電源線は、それぞれ前記第1の領域と前記第2の領域とが並ぶ第1の方向に垂直な第2の方向に並んで複数設けられており、
前記第1の電源線は、それぞれ前記第1の領域と前記第2の領域との間の第1の部分を有し、
前記第2の電源線は、それぞれ前記第1の領域と前記第2の領域との間の第2の部分を有し、
前記第1の部分と前記第2の部分とは、前記第2の方向に交互に配置されており、
前記
第1のスイッチは、前記第2の方向で隣り合う前記第1の部分と前記第2の部分との間に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1の部分が複数の前記第1の電源線により共有され、
前記第2の部分が複数の前記第2の電源線により共有されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記
第1のスイッチは、
前記第1の電源線及び前記第2の電源線に接続された半導体層と、
ゲート電極と、
前記半導体層と前記ゲート電極との間に設けられたゲート絶縁膜と、
を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記ゲート絶縁膜は、前記半導体層の前記第1のチップ側の面上に形成され、
前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜の前記第1のチップ側の面上に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記ゲート絶縁膜は、前記半導体層の前記第1のチップ側の面とは反対側の面上に形成され、
前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜の前記第1のチップ側の面とは反対側の面上に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1の電源線と前記第2の電源線との間に接続された第2のスイッチを有し、
複数の前記
第1のスイッチからなる第1のスイッチ群と、複数の前記
第2のスイッチからなる第2のスイッチ群とが、平面視で前記第1の領域を間に挟んで配置され、
前記第1のスイッチ群に属する前記
第1のスイッチと、前記第2のスイッチ群に属する前記
第2のスイッチとが交互に並列に接続されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1の領域の外側で前記第1のスイッチ群の制御端子及び前記第2のスイッチ群の制御端子同士がバッファを介して接続されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1のスイッチ群の制御端子及び前記第2のスイッチ群の制御端子に接続された容量素子を有することを特徴とする請求項13又は14に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置には各種回路領域が含まれており、回路領域の一例としてスタンダードセル領域がある。スタンダードセル領域には各種論理回路及び電源スイッチ回路が含まれる。
【0003】
電源スイッチ回路は、例えば半導体装置に供給されるVDDの電位の電源線と論理回路のトランジスタにVVDDの電源を供給する電源線との間に設けられ、当該トランジスタへのVVDDの電源電位の供給のオン/オフを切り替える。電源スイッチ回路を用いることで、論理回路を動作させる必要のないときに電源供給をオフとし、論理回路を構成するトランジスタで生じるリーク電流を抑制し、消費電力の低減が可能となる。
【0004】
また、主たる半導体チップの裏側に、配線を含む従たる半導体チップを貼り付け、従たる半導体チップの配線を介して主たる半導体チップのトランジスタに電源電位を供給する技術が提案されている。このような技術はBS-PDN(backside-power delivery network)とよばれることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2015/0162448号明細書
【文献】米国特許第9754923号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/0145030号明細書
【文献】米国特許第8530273号明細書
【文献】特許第6469269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでのところ、配線を含む従たる半導体チップ内に電源スイッチ回路を設ける場合の具体的な構成について、詳細な検討はされていない。
【0007】
本発明の目的は、適切に電源スイッチ回路を設けることができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術に係る半導体装置は、基板と、前記基板の第1の面上に形成された第1の配線層と、を有する第1のチップと、前記基板の前記第1の面とは反対側の第2の面上に形成された第2の配線層と、を有し、前記第2の配線層は、第1の電源電位が供給される第1の電源線と、第2の電源電位が供給される第2の電源線と、前記第1の電源線と前記第2の電源線との間に接続された第1のスイッチと、を有し、前記第1のチップは、第1の接地線と、前記第2の電源電位が供給される第3の電源線と、前記第1の接地線及び前記第3の電源線が配置された第1の領域と、第2の接地線と、前記第1の電源電位が供給される第4の電源線と、前記第2の接地線及び前記第4の電源線が配置された第2の領域と、を有し、平面視で、前記第1のスイッチは前記第1の領域と前記第2の領域との間に配置されている。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、適切に電源スイッチ回路を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態における第1のチップのレイアウトを示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る半導体装置に含まれる回路の構成を示す回路図である。
【
図4】
図4は、バッファの構成を示す回路図である。
【
図5】
図5は、バッファの平面構成を示す模式図である。
【
図6】
図6は、インバータの構成を示す回路図である。
【
図7】
図7は、インバータの平面構成を示す模式図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態におけるパワードメインの概要を示す模式図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図(その1)である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図(その2)である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図(その1)である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図(その2)である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図15】
図15は、第3の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図16】
図16は、第4の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図17】
図17は、第4の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図18】
図18は、第5の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図19】
図19は、第6の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図20】
図20は、第7の実施形態におけるパワードメインの概要を示す模式図である。
【
図21】
図21は、第7の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図22】
図22は、第8の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図23】
図23は、第8の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図24】
図24は、第9の実施形態に係る半導体装置の平面構成の概要を示す模式図である。
【
図25】
図25は、第9の実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。
【
図26】
図26は、第9の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図27】
図27は、第9の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【
図28】
図28は、第10の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【
図29】
図29は、第11の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図30】
図30は、スイッチトランジスタの断面構成の例を示す断面図(その1)である。
【
図31】
図31は、スイッチトランジスタの断面構成の例を示す断面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。また、以下の説明において、基板の表面に平行で互いに直交する2つの方向をX方向、Y方向とし、基板の表面に垂直な方向をZ方向とする。また、本開示での配置の一致とは、厳密に、製造上のばらつきに起因して不一致となったものを排除するものではなく、製造上のばらつきで配置にずれが生じている場合でも、配置が一致しているものとみなすことができる。
【0012】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る半導体装置は、第1のチップ10及び第2のチップ20を含む。
【0013】
第1のチップ10は、例えば半導体チップであり、基板11及び第1の配線層12を含む。基板11は、例えばシリコン基板であり、基板11の表面側にトランジスタ等の半導体素子が形成されている。トランジスタは、例えばソース、ドレイン及びチャネルにフィン13を含むFinFETである。第1の配線層12は基板11の表面上に形成され、配線14及び絶縁層15を含む。配線14の一部はフィン13に接続される。更に、例えば基板11の表面側に、配線14に接続される電源線16が形成されており、基板11に、電源線16から基板11の裏面に達するビア17が設けられている。ビア17は、例えばシリコン貫通ビア(through-silicon via:TSV)である。なお、
図1に示すように、配線14の一部がビアのような形状を持ち、電源線16に接続してもよい。
【0014】
第2のチップ20は、例えば半導体チップであり、第1のチップ10の基板11の裏面に対向して配置される。第2のチップ20は、例えば、第2の配線層22及びパッド23を含む。第2の配線層22は、配線24及び絶縁層25を含む。第2の配線層22の上面は、例えば第1のチップ10の基板11の裏面に対向する。すなわち、基板11は第1の配線層12と第2の配線層22との間に位置する。第2の配線層22は、
図1に示すように、複数の配線24を有してもよい。複数の配線24は、第2の配線層22に設けられたビア28を介して接続されてもよい。パッド23は、例えば配線基板やボード等に接続する外部接続端子である。配線24の一部はビア17に接続される。パッド23は第2の配線層22の裏面に設けられており、ビア28を通じて配線24に接続されている。パッド23を介して第2の配線層22に、電源電位の供給や信号の伝達が行われる。
【0015】
第2のチップ20は第1のチップ10と同程度のサイズを有していてもよく、第1のチップ10より大きなサイズを有していてもよい。また、パッド23が、第1のチップ10に対向する側の第2のチップ20の面において、平面視で第1のチップ10の外側に設けられていてもよい。以下、本明細書において平面視とは、第1のチップ10の表面の平面視をいう。
【0016】
第2の配線層22は、基板11の裏面上に配線24及び絶縁層25等を形成して設けられたものであってもよい。第2の配線層22は、TSVが形成された第2の基板上に形成されていてもよく、第2の基板の裏面にパッド23が設けられていてもよい。
【0017】
なお、
図1に示す断面図は半導体装置の概要を示すものであり、詳細は
図9~
図12に示す。
【0018】
次に、第1のチップ10のレイアウトについて説明する。
図2は、第1のチップ10のレイアウトを示す図である。
【0019】
図2に示すように、第1のチップ10は、第1のパワードメイン31Aと、第2のパワードメイン31Bと、入出力(I/O)セル領域32とを含む。I/Oセル領域32は、例えば、第1のパワードメイン31A及び第2のパワードメイン31Bの周辺に配置されている。第1のパワードメイン31Aの数及び第2のパワードメイン31Bの数は2以上であってもよい。
【0020】
次に、第1の実施形態に係る半導体装置に含まれる回路について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る半導体装置に含まれる回路の構成を示す回路図である。
【0021】
図3に示すように、第1の実施形態に係る半導体装置は、スタンダードセル41と、電源スイッチ回路42と、電源スイッチ制御回路52とを有する。電源スイッチ制御回路52は、第1のチップ10の第1のパワードメイン31Aに設けられる。スタンダードセル41は、第1のチップ10の第2のパワードメイン31Bに設けられる。スタンダードセル41は、例えば、NAND回路、インバータ等の各種論理回路を含む。電源スイッチ制御回路52は、後述のようにバッファを含む。第1のパワードメイン31Aには、電源スイッチ制御回路52に接地電位を供給するVSS配線及び電源電位を供給するVDD配線が配置されている。第2のパワードメイン31Bには、スタンダードセル41に接地電位を供給するVSS配線及び電源電位を供給するVVDD配線が配置されている。
【0022】
詳細は後述するが、電源スイッチ回路42は、第2のチップ20に設けられる。電源スイッチ回路42は、スイッチトランジスタ51を含む。スイッチトランジスタ51は、例えばPチャネルMOSトランジスタであり、VDD配線とVVDD配線との間に接続されている。電源スイッチ制御回路52は、スイッチトランジスタ51のゲートに接続され、スイッチトランジスタ51の動作を制御する。電源スイッチ制御回路52によりスイッチトランジスタ51のオン/オフが切り替えられ、VDD配線とVVDD配線との間の導通が制御される。電源スイッチ制御回路52は、例えばバッファを含む。スイッチトランジスタ51は、薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)から構成されていてもよく、微小電気機械システム(micro electro mechanical systems:MEMS)スイッチであってもよい。また、第1のパワードメイン31Aに接地電位を供給するVSS配線と、第2のパワードメイン31Bに接地電位を供給するVVSS配線とがあり、VSS配線とVVSS配線との間にスイッチトランジスタ51としてNチャネルMOSトランジスタが設けられても良い。
【0023】
次に、電源スイッチ制御回路52に含まれるバッファの構成について説明する。
図4は、バッファの構成を示す回路図である。
図5は、バッファの平面構成を示す模式図である。
【0024】
図4に示すように、電源スイッチ制御回路52に含まれるバッファ60は、インバータ61及びインバータ62を有する。インバータ61に入力信号INが入力され、インバータ61の出力がスイッチトランジスタ51のゲート及びインバータ62に入力され、インバータ62から出力信号OUTが出力される。インバータ61はPチャネルMOSトランジスタ610P及びNチャネルMOSトランジスタ610Nを含む。インバータ62はPチャネルMOSトランジスタ620P及びNチャネルMOSトランジスタ620Nを含む。
【0025】
例えば、
図5に示すように、VDD配線に相当する電源線1110と、VSS配線に相当する電源線1120とが設けられている。電源線1110及び1120はX方向に延在する。電源線1110の電源線1120側に、X方向に延びる半導体のフィン651が設けられている。フィン651は、例えば2本設けられている。フィン651の電源線1120側に、X方向に延びる半導体のフィン652が設けられている。フィン652は、例えば2本設けられている。ビア681を介して電源線1110に接続され、Y方向に延在し、フィン651に接続されるローカル配線631が設けられている。ビア682を介して電源線1120に接続され、Y方向に延在し、フィン652に接続されるローカル配線632が設けられている。ローカル配線631及び632よりX方向正側に、フィン651及び652に接続されるローカル配線634が設けられている。ローカル配線631及び632よりX方向負側に、フィン651及び652に接続されるローカル配線636が設けられている。
【0026】
ローカル配線631とローカル配線634との間、及びローカル配線632とローカル配線634との間でゲート絶縁膜(図示せず)を介してフィン651及び652と交差するゲート電極612が設けられている。ローカル配線631とローカル配線636との間、及びローカル配線632とローカル配線636との間でゲート絶縁膜(図示せず)を介してフィン651及び652と交差するゲート電極622が設けられている。ゲート電極612はローカル配線633及びビア641を介して配線611に接続されている。ゲート電極622はローカル配線635及びビア643を介して制御信号線5110に接続されている。制御信号線5110はビア642を介してローカル配線634にも接続されている。ローカル配線636はビア644を介して配線621に接続されている。配線611に入力信号INが入力され、配線621から出力信号OUTが出力される(
図4参照)。制御信号線5110がスイッチトランジスタ51のゲートに接続される。つまり、制御信号線5110は、スイッチトランジスタ51に対する制御信号を伝達する信号線として機能する。
【0027】
なお、インバータ61及び62の構成は一例であり、例えば、インバータ61及び62に含まれるPチャネルMOSトランジスタ及びNチャネルMOSトランジスタの対は2以上であってもよい。また、スイッチトランジスタ51のゲートに接続される配線がバッファ60の入力又は出力に接続されていてもよい。
【0028】
次に、スタンダードセル41に含まれる回路の一例として、インバータの構成について説明する。
図6は、インバータの構成を示す回路図である。
図7は、インバータの平面構成を示す模式図である。
【0029】
図6に示すように、インバータ70はPチャネルMOSトランジスタ710P及びNチャネルMOSトランジスタ710Nを含む。
【0030】
例えば、
図7に示すように、VVDD配線に相当する電源線2110と、VSS配線に相当する電源線2120とが設けられている。電源線2110及び2120はX方向に延在する。電源線2110の電源線2120側に、X方向に延びる半導体のフィン751が設けられている。フィン751は、例えば2本設けられている。フィン751の電源線2120側に、X方向に延びる半導体のフィン752が設けられている。フィン752は、例えば2本設けられている。ビア781を介して電源線2110に接続され、Y方向に延在し、フィン751に接続されるローカル配線731が設けられている。ビア782を介して電源線2120に接続され、Y方向に延在し、フィン752に接続されるローカル配線732が設けられている。ローカル配線731及び732よりX方向正側に、フィン751及び752に接続されるローカル配線734が設けられている。
【0031】
ローカル配線731とローカル配線734との間、及びローカル配線732とローカル配線734との間でゲート絶縁膜(図示せず)を介してフィン751及び752と交差するゲート電極712が設けられている。ゲート電極712はローカル配線733及びビア741を介して配線711に接続されている。ローカル配線734はビア742を介して配線760に接続されている。配線711に入力信号INが入力され、配線760から出力信号OUTが出力される(
図6参照)。
【0032】
なお、スタンダードセル41に含まれる回路はインバータに限定されず、種々の論理回路等の回路が含まれてもよい。また、SRAM(Static Random Access Memory)のメモリセルが含まれてもよい。また、電源線2110及び2120が3本以上の領域にわたって回路が設けられていてもよい。つまり、いわゆるマルチハイトの回路が設けられていてもよい。
【0033】
図5及び
図7には、フィンを用いたトランジスタ(FinFET)を例示しているが、第1のパワードメイン31A及び第2のパワードメイン31Bに、プレーナ型のトランジスタ、相補型電界効果トランジスタ(Complementary Field Effect Transistor:CFET)、ナノワイヤを用いたトランジスタ等が設けられてもよい。
【0034】
ここで、第1のパワードメイン31A及び第2のパワードメイン31Bの概要について説明する。
図8は、第1の実施形態におけるパワードメインの概要を示す模式図である。
【0035】
図8に示すように、例えば、第2のパワードメイン31Bは、第1のパワードメイン31AのX方向正側に位置する。第1のパワードメイン31Aには、電源線1110及び1120に接続される回路が含まれる。例えば、
図4及び
図5に示す電源スイッチ制御回路52のバッファ60が第1のパワードメイン31Aに含まれる。第2のパワードメイン31Bには、電源線2110及び2120に接続される回路が含まれる。例えば、
図6及び
図7に示すインバータ70が第2のパワードメイン31Bに含まれる。また、平面視で、電源スイッチ回路42は第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間に位置する。なお、例えば第2のパワードメイン31Bが第1のパワードメイン31Aに囲まれて配置されるような場合に、
図8のように電源線1110及び電源線2110の延在する方向に沿って、第1のパワードメイン31Aの少なくとも一部と第2のパワードメイン31Bとが配置されていてもよい。
【0036】
次に、第1の実施形態における第1のチップ10及び第2のチップ20の詳細について説明する。
図9及び
図10は、第1の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図11及び
図12は、第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図9は、第1のチップ10及び第2のチップ20の内部構成を示し、
図10は、第2のチップ20の内部構成を示す。
図11は、
図9及び
図10中のX11-X21線に沿った断面図に相当し、
図12は、
図9及び
図10中のX12-X22線に沿った断面図に相当する。
【0037】
[第1のパワードメイン31A]
第1のパワードメイン31Aには、X方向に延在する電源線1110と、X方向に延在する電源線1120とがY方向で交互に配置されている。例えば、電源線1110はVDD配線に相当し、電源線1120はVSS配線に相当する。
【0038】
図9~
図12に示すように、基板11にX方向に延在する複数の溝が形成され、電源線1110及び1120は、これら溝内に形成されている。このような構造の電源線1110及び1120は、BPR(Buried Power Rail)とよばれることがある。基板11の表面に素子分離膜(図示せず)が形成されていてもよい。素子分離膜は、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成される。素子分離膜の表面は基板11の表面と面一であってもよいし、面一でなくてもよい。
【0039】
基板11には、基板11を裏面まで貫通するビア1111及び1121が形成されている。ビア1111は電源線1110の下に形成され、ビア1121は電源線1120の下に形成されている。1本の電源線1110に2以上のビア1111が設けられていてもよく、1本の電源線1120に2以上のビア1121が設けられていてもよい。
【0040】
図示を省略するが、電源線1110と電源線1120との間に、
図5に示す電源スイッチ制御回路52等の回路が接続される。
図9及び
図11に示すように、インバータ61の出力を伝送する制御信号線5110は、平面視で電源線1110と電源線1120との間に位置する。制御信号線5110は、平面視で第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間の領域にまで延在する。制御信号線5110の第2のパワードメイン31B側の端部の下方で基板11に溝が形成され、この溝内に接続層5190が形成されている。絶縁層15には、制御信号線5110と接続層5190とを電気的に接続するビア5111が形成されている。基板11には、基板11を裏面まで貫通するビア5191が形成されている。ビア5191は接続層5190の下に形成されている。
【0041】
[第2のパワードメイン31B]
第2のパワードメイン31Bには、X方向に延在する電源線2110と、X方向に延在する電源線2120とがY方向で交互に配置されている。例えば、電源線2110はVVDD配線に相当し、電源線2120はVSS配線に相当する。
【0042】
図9~
図12に示すように、基板11にX方向に延在する複数の溝が形成され、電源線2110及び2120は、これら溝内に形成されている。このような構造の電源線2110及び2120も、BPRとよばれることがある。基板11の表面に素子分離膜(図示せず)が形成されていてもよい。
【0043】
基板11には、基板11を裏面まで貫通するビア2111及び2121が形成されている。ビア2111は電源線2110の下に形成され、ビア2121は電源線2120の下に形成されている。1本の電源線2110に2以上のビア2111が設けられていてもよく、1本の電源線2120に2以上のビア2121が設けられていてもよい。
【0044】
図示を省略するが、電源線2110と電源線2120との間に、
図7に示すインバータ70等のスタンダードセル41に含まれる回路が接続される。電源線2110と電源線2120との間にSRAMのメモリセルが接続されてもよい。
【0045】
[電源スイッチ回路42]
図9~
図12に示すように、第2のチップ20は、例えば、絶縁層25と、絶縁層25の表層部に形成された電源線7110、7120、8110及び8120とを含む。電源線7110、7120、8110及び8120はX方向に延在する。
【0046】
電源線7110及び7120は、平面視で第1のパワードメイン31Aと重なる領域に設けられている。電源線7110はVDD配線に相当し、電源線7120はVSS配線に相当する。平面視で電源線7110は電源線1110と重なり、ビア1111を介して電源線1110に接続されている。平面視で電源線7120は電源線1120と重なり、ビア1121を介して電源線1120に接続されている。
図11に示すように、電源線7110の下方に電源線7112が設けられ、電源線7112と電源線7110とを接続するビア7111が設けられている。
図12に示すように、電源線7120の下方に電源線7122が設けられていてもよく、電源線7122と電源線7120とを接続するビア7121が設けられていてもよい。電源線7112及び7122は、X方向に延在してもよく、Y方向に延在してもよい。電源線7122及びビア7121が設けられていなくてもよい。
【0047】
電源線8110及び8120は、平面視で第2のパワードメイン31Bと重なる領域に設けられている。電源線8110はVVDD配線に相当し、電源線8120はVSS配線に相当する。平面視で電源線8110は電源線2110と重なり、ビア2111を介して電源線2110に接続されている。平面視で電源線8120は電源線2120と重なり、ビア2121を介して電源線2120に接続されている。
図11に示すように、電源線8110の下方に電源線8112が設けられていてもよく、電源線8112と電源線8110とを接続するビア8111が設けられていてもよい。
図12に示すように、電源線8120の下方に電源線8122が設けられていてもよく、電源線8122と電源線8120とを接続するビア8121が設けられていてもよい。電源線8112及び8122は、X方向に延在してもよく、Y方向に延在してもよい。
【0048】
第2のチップ20は、絶縁層25内にゲート電極5120を含む。ゲート電極5120は、電源線7110、7120、8110及び8120より下方に位置する。
【0049】
図9~
図12に示すように、ゲート電極5120は、第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間に位置する。ゲート電極5120の上方で絶縁層25の表層部に接続部5180が形成されている。接続部5180はビア5191に接続される。絶縁層25には、ゲート電極5120と接続部5180とを電気的に接続するビア5181が形成されている。
【0050】
図9~
図12に示すように、絶縁層25には、平面視で、電源線7110及び8110と重なる複数の半導体層6110が形成されている。半導体層6110はゲート電極5120の下方に位置し、半導体層6110とゲート電極5120との間にゲート絶縁膜6120が設けられている。ゲート絶縁膜6120はゲート電極5120に接し、半導体層6110はゲート絶縁膜6120に接している。
【0051】
半導体層6110は、X方向で半導体層6110の中心線を間に挟んでVVDD接続部6111(ドレイン)とVDD接続部6112(ソース)とを有する。絶縁層25には、VVDD接続部6111と電源線8110とを電気的に接続するビア8113と、VDD接続部6112と電源線7110とを電気的に接続するビア7113とが形成されている。複数の半導体層6110はY方向に配列している。
【0052】
電源線7110は、ビア7113を介して、VDD接続部6112に接続されている。また、VVDD接続部6111は、ビア8113と、電源線8110と、ビア2111とを介して、電源線2110に接続されている。電源線7110には、例えばパッド23(
図1参照)の一部である電源線7112を介してVDDの電位が供給される。また、上記のように、電源線2110はVVDD配線に相当する。そして、VVDD接続部6111とVDD接続部6112との間の導通は、ゲート電極5120の電位により制御される。つまり、ゲート電極5120は、VDD配線とVVDD配線との間に接続されたスイッチトランジスタ51のゲートとして機能する。
【0053】
このように、本実施形態では、スイッチトランジスタ51が半導体層6110を備え、半導体層6110は、平面視で、第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間に位置する。すなわち、平面視で、スイッチトランジスタ51は第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間に位置する。
【0054】
一般的に、第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間には電源分離のための領域が設けられる。このため、本実施形態によれば、第1のチップ10内で第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間に、電源分離のための領域(分離領域)に加えてスイッチトランジスタ51を配置する場合と比較して、半導体装置のサイズを小さくすることができる。
【0055】
第2のパワードメイン31Bの外側の分離領域にスイッチトランジスタ51を配置することで、BPRと同様の構造の接続層5190を制御信号線5110と接続部5180との接続に用いることができる。
【0056】
なお、ビア2111及び2121の数は限定されない。ビア2111及び2121が多いほど、電源線2110と電源線8110との間の抵抗、及び電源線2120と電源線8120との間の抵抗を低くでき、IRドロップを抑制することができる。
【0057】
電源線7112、7122、8112及び8122はY方向に延在していてもよい。電源線8112が設けられていなくてもよい。
【0058】
また、各ビアの平面形状は特に限定されず、例えば円形、楕円形、正方形又は矩形等とすることができる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、主に、ゲート電極及び半導体膜の配置の点で第1の実施形態と相違する。
図13は、第2の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【0060】
第2の実施形態では、
図13に示すように、複数の半導体層6110に代えて半導体層6210が設けられている。半導体層6210は、平面視で、電源線7110及び8110と重なり、Y方向に延在する。また、ゲート電極5120に代えて、半導体層6210の上方にY方向に延在するゲート電極5220が設けられている。ゲート電極5220と半導体層6210との間には、ゲート絶縁膜6120に代えてゲート絶縁膜(図示せず)が設けられている。ゲート絶縁膜はゲート電極5220に接し、半導体層6210はゲート絶縁膜に接している。
【0061】
半導体層6210は、X方向で半導体層6210の中心線を間に挟んでVVDD接続部6211とVDD接続部6212とを有する。絶縁層25には、VVDD接続部6211と電源線8110とを電気的に接続するビア8113と、VDD接続部6212と電源線7110とを電気的に接続するビア7113とが形成されている。例えば、1つのVVDD接続部6211に複数のビア8113を介して複数の電源線8110が接続され、1つのVDD接続部6212に複数のビア7113を介して複数の電源線7110が接続されている。
【0062】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0063】
本実施形態では、スイッチトランジスタ51が半導体層6210を備え、半導体層6210は、平面視で、第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間に位置する。すなわち、平面視で、スイッチトランジスタ51は第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間に位置する。
【0064】
このため、第1の実施形態と同様に、半導体装置のサイズを小さくすることができる。また、効率を向上することができる。
【0065】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、主に、VSS配線の配置の点で第1の実施形態等と相違する。
図14は、第3の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図15は、第3の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図15は、
図14中のX13-X23線に沿った断面図に相当する。
【0066】
第3の実施形態では、
図14及び
図15に示すように、電源線7120及び8120に代えて電源線7320が設けられている。電源線7320は、絶縁層25の表層部に設けられている。電源線7320はX方向に延在する。
【0067】
電源線7320は、平面視で、第1のパワードメイン31Aと重なる領域と、第2のパワードメイン31Bと重なる領域と、これらの間の領域とに設けられている。電源線7320はVSS配線に相当する。電源線7320は、平面視で電源線1120及び2120と重なり、ビア1121及び2121を介して電源線1120及び2120に接続されている。
図15に示すように、電源線7320の下方に、電源線7122及び8122に代えて電源線7322が設けられていてもよく、電源線7322はビア7121及び8121を介して電源線7320に接続されていてもよい。
【0068】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0069】
第3の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第3の実施形態では、第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間でVSS配線が共有されているため、VDD配線に生じる電源ノイズを低減することができる。
【0070】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、主に、電源線の配置の点で第1の実施形態等と相違する。
図16は、第4の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図17は、第4の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図17は、
図16中のX14-X24線に沿った断面図に相当する。
【0071】
第4の実施形態では、
図16及び
図17に示すように、電源線7110、7120、8110及び8120に代えて電源線7410、7420、8410及び8420が設けられている。電源線7410、7420、8410及び8420は、絶縁層25の表層部に設けられている。電源線7410、7420、8410及び8420はY方向に延在する。
【0072】
電源線7410及び7420は、平面視で第1のパワードメイン31Aと重なる領域に設けられている。電源線7410はVDD配線に相当し、電源線7420はVSS配線に相当する。平面視で電源線7410は電源線1110及び1120と直交し、ビア1111を介して電源線1110に接続されている。平面視で電源線7420は電源線1110及び1120と直交し、ビア1121を介して電源線1120に接続されている。
図17に示すように、電源線1110の下方に電源線7112が設けられ、電源線7112と電源線7420とを接続するビア7421が設けられていてもよい。電源線1120の下方にVDD配線に相当する電源線(図示せず)が設けられ、
図16に示すように、この電源線と電源線7410とを接続するビア7411が設けられている。電源線1110及び7410は、平面視でメッシュ構造を有する。電源線1120及び7420は、平面視でメッシュ構造を有する。
【0073】
電源線8410及び8420は、平面視で第2のパワードメイン31Bと重なる領域に設けられている。電源線8410はVVDD配線に相当し、電源線8420はVSS配線に相当する。平面視で電源線8410は電源線2110及び2120と直交し、ビア2111を介して電源線2110に接続されている。平面視で電源線8420は電源線2110及び2120と直交し、ビア2121を介して電源線2120に接続されている。
図17に示すように、電源線2110の下方に電源線8112が設けられ、電源線8112と電源線8420とを接続するビア8421が設けられていてもよい。電源線2120の下方にVVDD配線に相当する電源線(図示せず)が設けられ、
図16に示すように、この電源線と電源線8410とを接続するビア8411が設けられている。電源線2110及び8410は、平面視でメッシュ構造を有する。電源線2120及び8420は、平面視でメッシュ構造を有する。
【0074】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0075】
第4の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、各スイッチトランジスタ51のVDD接続部6412に複数の電源線1110を共通接続し、各スイッチトランジスタ51のVVDD接続部6411に複数の電源線2110を共通接続することができる。また、電源線7112及び8112等を介して電源を再分配することもできる。
【0076】
なお、電源線7410、7420、8410及び8420の数は限定されない。複数の電源線7410が用いられる場合、複数の電源線7410のうちでビア7413を介してVDD接続部6412に接続される電源線7410の幅が他の電源線7410の幅よりも大きくてもよい。複数の電源線8410が用いられる場合、複数の電源線8410のうちでビア8413を介してVVDD接続部6411に接続される電源線8410の幅が他の電源線8410の幅よりも大きくてもよい。
【0077】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、主に、電源線、ゲート電極及び半導体膜の配置の点で第1の実施形態等と相違する。
図18は、第5の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図18では、制御信号線5110に相当する部分を省略する。
【0078】
第5の実施形態では、
図18に示すように、複数の半導体層6110に代えて半導体層6510が設けられ、電源線7110に代えて電源線7510が設けられ、電源線8110に代えて電源線8510が設けられている。電源線7510はVDD配線に相当し、電源線8510はVVDD配線に相当する。
【0079】
電源線7510は、電源線7110と同様に、平面視で第1のパワードメイン31Aと重なる領域に設けられている。電源線7510は、更に、第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間で、電源線8120の近傍まで延在する。電源線8510は、電源線8110と同様に、平面視で第2のパワードメイン31Bと重なる領域に設けられている。電源線8510は、更に、第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間で、電源線7120の近傍まで延在する。そして、Y方向視にて、電源線7510及び8510は、互いに重なり合っている。
【0080】
半導体層6510は、平面視で、電源線7510及び8510と重なり、Y方向に延在する。また、ゲート電極5120に代えて、半導体層6510の上方にX方向に延在するゲート電極5520が設けられている。ゲート電極5520は、Y方向で隣り合う、電源線7510の電源線8120側の端部と、電源線8510の電源線7120側の端部との間に位置する。半導体層6110は、平面視で電源線7510の電源線8120側の端部の周囲にVDD接続部6512を有し、平面視で電源線8510の電源線7120側の端部の周囲にVVDD接続部6511を有する。ゲート電極5520と半導体層6510との間には、ゲート絶縁膜6120に代えてゲート絶縁膜(図示せず)が設けられている。ゲート絶縁膜はゲート電極5520に接し、半導体層6510はゲート絶縁膜に接している。絶縁層25には、VVDD接続部6511と電源線8510とを電気的に接続するビア8513と、VDD接続部6512と電源線7510とを電気的に接続するビア7513とが形成されている。
【0081】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0082】
第5の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0083】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、主に、電源線、ゲート電極及び半導体膜の配置の点で第1の実施形態等と相違する。
図19は、第6の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図19では、制御信号線5110に相当する部分を省略する。
【0084】
第6の実施形態では、
図19に示すように、Y方向で1本の電源線7120を間に挟んで隣り合う2本の電源線7110に共通接続される共通接続部7610が設けられている。共通接続部7610は、電源線7110の第2のパワードメイン31B側の端部に接続され、平面視で第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間の領域まで広がる。例えば、共通接続部7610の第2のパワードメイン31B側の端部は、第2のパワードメイン31Bの近傍に位置する。共通接続部7610に接続された2本の電源線7110の間の電源線7120は、X方向で共通接続部7610から離間している。
【0085】
Y方向で1本の電源線8120を間に挟んで隣り合う2本の電源線8110に共通接続される共通接続部8610が設けられている。共通接続部8610は、電源線8110の第1のパワードメイン31A側の端部に接続され、平面視で第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間の領域まで広がる。例えば、共通接続部8610の第1のパワードメイン31A側の端部は、第1のパワードメイン31Aの近傍に位置する。共通接続部8610に接続された2本の電源線8110の間の電源線8120は、X方向で共通接続部8610から離間している。
【0086】
半導体層6110に代えて半導体層6610が設けられている。各半導体層6610は、Y方向で隣り合う共通接続部8610の一部と共通接続部7610の一部と重なるように配置されている。また、ゲート電極5120に代えて、半導体層6610の上方にX方向に延在するゲート電極5620が設けられている。ゲート電極5620は、Y方向で隣り合う、共通接続部8610と共通接続部7610との間に位置する。半導体層6610は、平面視で共通接続部7610の周囲にVDD接続部6612を有し、平面視で共通接続部8610の周囲にVVDD接続部6611を有する。ゲート電極5620と半導体層6610との間には、ゲート絶縁膜6120に代えてゲート絶縁膜(図示せず)が設けられている。ゲート絶縁膜はゲート電極5620に接し、半導体層6610はゲート絶縁膜に接している。絶縁層25には、VVDD接続部6611と共通接続部8610とを電気的に接続するビア8613と、VDD接続部6612と共通接続部7610とを電気的に接続するビア7613とが形成されている。
【0087】
このように、第6の実施形態では、各共通接続部7610が2つのスイッチトランジスタ51のVDD接続部6612に接続され、各共通接続部8610が2つのスイッチトランジスタ51のVVDD接続部6611に接続される。
【0088】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0089】
第6の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は、主に、パワードメインの配置及び電源スイッチ回路の配置の点で第1の実施形態等と相違する。
図20は、第7の実施形態におけるパワードメインの概要を示す模式図である。
図21は、第7の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
【0091】
第7の実施形態では、
図20に示すように、例えば、第2のパワードメイン31BのY方向負側に第3のパワードメイン31Cが設けられている。第3のパワードメイン31Cには、第1のパワードメイン31Aと同様に、電源線1110及び1120に接続される回路が含まれる。電源スイッチ回路42は、第3のパワードメイン31Cと第2のパワードメイン31Bとの間に設けられている。なお、例えば第2のパワードメイン31Bが第3のパワードメイン31Cに囲まれて配置されるような場合に、
図20のように電源線1110及び電源線2110の延在する方向と直交する方向に沿って、第3のパワードメイン31Cの少なくとも一部と第2のパワードメイン31Bとが配置されていてもよい。
【0092】
図21に示すように、第2のパワードメイン31Bに、電源線2110、2120、8410及び8420等が設けられている。また、第3のパワードメイン31Cに、電源線1110、1120、7410及び7420等が設けられている。また、制御信号線5110に代えてY方向に延在する制御信号線5710が設けられている。制御信号線5710は、ビア5111を介して接続層5190に接続されている(
図11参照)。電源線7410、7420、8410及び8420は、第4の実施形態と同様に、絶縁層25の表層部に設けられ、Y方向に延在する。
【0093】
第2のパワードメイン31Bと第3のパワードメイン31Cとの間に半導体層6710が設けられている。半導体層6710は、平面視で、電源線7410及び8410と重なり、X方向に延在する。また、半導体層6710の上方にX方向に延在するゲート電極5720が設けられている。ゲート電極5720と半導体層6710との間には、ゲート絶縁膜(図示せず)が設けられている。ゲート絶縁膜はゲート電極5720に接し、半導体層6710はゲート絶縁膜に接している。
【0094】
半導体層6710は、Y方向で半導体層6710の中心線を間に挟んでVVDD接続部6711とVDD接続部6712とを有する。絶縁層25には、VVDD接続部6711と電源線8410とを電気的に接続するビア8713と、VDD接続部6712と電源線7410とを電気的に接続するビア7713とが形成されている。例えば、1つのVVDD接続部6711に複数のビア8713を介して複数の電源線8410が接続され、1つのVDD接続部6712に複数のビア7713を介して複数の電源線7410が接続されている。
【0095】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0096】
第7の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0097】
第7の実施形態に設けられるスイッチトランジスタ51の構成は第2の実施形態におけるスイッチトランジスタ51の構成に倣ったものとなっている。第2のパワードメイン31Bと第3のパワードメイン31Cとの間に設けられるスイッチトランジスタ51の構成が、他の実施形態におけるスイッチトランジスタ51の構成に倣ったものとなっていてもよい。また、各電源線は、絶縁層25の表層部に設けられている必要はなく、絶縁層25の内部に設けられていてもよい。また、絶縁層25の表層部に設けられた電源線がX方向に延在していてもよい。
【0098】
第2のパワードメイン31B及び第3のパワードメイン31Cに加えて第1のパワードメイン31Aが設けられていてもよく、第1のパワードメイン31Aと第2のパワードメイン31Bとの間、及び第2のパワードメイン31Bと第3のパワードメイン31Cとの間に電源スイッチ回路42が設けられていてもよい。
【0099】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態は、主に、スイッチトランジスタの構造の点で第1の実施形態等と相違する。
図22は、第8の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図23は、第8の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図23は、
図22中のX15-X25線に沿った断面図に相当する。
【0100】
第8の実施形態では、
図22及び
図23に示すように、半導体層6110に代えて半導体層6810が設けられている。半導体層6810は、平面視で、電源線7110及び8110と重なる。また、ゲート電極5120に代えて、半導体層6210の下方にゲート電極5820が設けられている。ゲート電極5820と半導体層6810との間には、ゲート絶縁膜6120に代えてゲート絶縁膜6820が設けられている。ゲート絶縁膜6820はゲート電極5820に接し、半導体層6810はゲート絶縁膜6820に接している。
【0101】
他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0102】
第8の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0103】
ゲート電極5820は、電源線7112及び8112等と同じ層に形成されていてもよい。ゲート電極5820は、電源線7112及び8112等と同じ材料から形成されていてもよい。また、制御信号線5110がY方向に延在し、複数のビア5111等を介して複数のゲート電極5820に接続されていてもよい。
【0104】
他の実施形態においても、ゲート電極及びゲート絶縁膜が半導体層より下方に位置してもよい。
【0105】
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について説明する。第9の実施形態は、制御信号線の配置の点で第1の実施形態等と相違する。
図24は、第9の実施形態に係る半導体装置の平面構成の概要を示す模式図である。
図25は、第9の実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。
図24及び
図25では、第9の実施形態の特徴的な部分である制御信号線の配置に関する部分を図示し、半導体層、一部の電源線及びビア等の図示は省略する。
【0106】
第9の実施形態では、
図24及び
図25に示すように、絶縁層25内に、複数の制御信号線5930が配置されている。制御信号線5930はX方向に延在し、Y方向に並んで配置されている。各制御信号線5930は、第2のパワードメイン31BのX方向の両端からはみ出す部分を有する。Y方向で隣り合う制御信号線5930は、第2のパワードメイン31Bの外側で、Y方向に延在する制御信号線5910を介して互いに接続されている。X方向負側で制御信号線5910を介してY方向正側に位置する制御信号線5930に接続された制御信号線5930は、X方向正側で制御信号線5910を介してY方向負側に位置する制御信号線5930に接続されている。同様に、X方向正側で制御信号線5910を介してY方向正側に位置する制御信号線5930に接続された制御信号線5930は、X方向負側で制御信号線5910を介してY方向負側に位置する制御信号線5930に接続されている。このように、本実施形態では、平面視で、制御信号線5110、制御信号線5930、制御信号線5910、制御信号線5930、制御信号線5910、・・・の制御信号線の連続体が蛇行している。また、Y方向で隣り合う制御信号線5930同士は第2のパワードメイン31Bの外側のみで互いに接続されている。そして、詳細は後述するが、制御信号線5910にスイッチトランジスタ51のゲート電極(図示せず)が接続されている。つまり、スイッチトランジスタ51が複数並列に接続されている。
【0107】
ここで、
図24中の領域Rの詳細な構成について説明する。
図26は、第9の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図27は、第9の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
図27は、
図26中のY11-Y21線に沿った断面図に相当する。
【0108】
図26及び
図27に示すように、制御信号線5930は半導体層6410よりも下方でX方向に延在する。絶縁層25の表層部の、平面視で制御信号線5110又は5910と重なる部分に接続部5920が設けられている。制御信号線5930と接続部5920とを電気的に接続するビア5921が設けられている。接続部5920の下には、ビア5921の他にビア5922が設けられている。ビア5922に接続されたゲート電極5923が設けられ、ゲート電極5923の下にゲート絶縁膜6920及び半導体層6910が設けられている。半導体層6910は、X方向で半導体層6910の中心線を間に挟んでVVDD接続部6911とVDD接続部6912とを有する。絶縁層25には、VVDD接続部6911と電源線8110(
図9~
図12参照)とを電気的に接続するビア8913と、VDD接続部6912と電源線7110(
図9~
図12参照)とを電気的に接続するビア7913とが形成されている。複数の半導体層6910はY方向に配列している。
【0109】
このように、第9の実施形態では、平面視で制御信号線5930と制御信号線5110又は5910とが交わる領域にスイッチトランジスタ51が設けられている。
【0110】
第9の実施形態では、制御信号線5930に寄生する容量及び抵抗が大きい。そして、電源スイッチ制御回路からの制御信号は、制御信号線5930を通じて各スイッチトランジスタ51に順々に伝達される。このため、第2のパワードメイン31BでのVVDD電位の立ち上がりが緩やかになり、電位の急峻な立ち上がりに伴う電源ノイズを低減することができる。
【0111】
Y方向で隣り合う制御信号線5930が、平面視で第2のパワードメイン31Bの外側で、制御信号線5910ではなく、第2のチップ20の表層部に設けられた制御信号線を介して接続されていてもよい。
【0112】
(第10の実施形態)
次に、第10の実施形態について説明する。第10の実施形態は、制御信号線にバッファが付加されている点で第9の実施形態と相違する。
図28は、第10の実施形態に係る半導体装置の平面構成を示す模式図である。
図28では、第10の実施形態の特徴的な部分である制御信号線の配置に関する部分を図示し、半導体層、一部の電源線及びビア等の図示は省略する。
【0113】
第10の実施形態では、
図28に示すように、制御信号線5110及び5910にバッファ5700が付加されている。例えば、バッファ5700は第1のチップ10に設けられる。例えば、バッファ5700には、バッファ60と同様に、VDD配線及びVSS配線から電圧が供給される。バッファ5700は、バッファ60と同様に、第1のパワードメイン31Aに設けられてもよい。他の構成は第9の実施形態と同様である。
【0114】
バッファ5700は遅延回路として機能することができる。このため、バッファ5700による制御信号の伝達の遅延を用いてスイッチトランジスタ51の動作タイミングを制御することができる。
【0115】
(第11の実施形態)
次に、第11の実施形態について説明する。第11の実施形態は、制御信号線の寄生容量を高める構成が付加されている点で第9の実施形態等と相違する。
図29は、第11の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図29では、第11の実施形態の特徴的な部分である制御信号線及びスイッチトランジスタに関する部分を図示し、半導体層、一部の電源線及びビア等の図示は省略する。
【0116】
第11の実施形態では、
図29に示すように、互いに隣接する配線5931と配線5932とを備えた配線容量部5941がビア5951を介して制御信号線5930に接続されている。例えば、配線5931及び5932はY方向に延在し、ビア5951は配線5931に接続されている。
【0117】
更に、Y方向に延在する配線5933がビア5952を介して制御信号線5930に接続されている。配線5933上には、絶縁膜5934及び導電膜5935が形成されている。配線5933、絶縁膜5934及び導電膜5935により容量素子5942が構成されている。
【0118】
第11の実施形態では、配線容量部5941及び容量素子5942により、制御信号線5930により大きな容量が寄生する。このため、電位の急峻な立ち上がりを抑制する効果をより高いものとすることができる。
【0119】
なお、配線容量部5941又は容量素子5942の一方のみが設けられていてもよい。他の実施形態に、配線容量部5941が設けられてもよく、容量素子5942が設けられてもよく、これらの両方が設けられてもよい。
【0120】
ここで、スイッチトランジスタの断面構成の概要について説明する。
図30及び
図31は、スイッチトランジスタの断面構成の例を示す断面図である。
【0121】
図30に示す第1の例では、絶縁層101中に下地絶縁膜102が設けられ、下地絶縁膜102上に半導体層103、ゲート絶縁膜104及びゲート電極105が設けられている。絶縁層101の表層部に、制御信号線110と、VDD配線に相当する電源線120と、VVDD配線に相当する電源線130が設けられている。半導体層103は、チャネル103Cと、チャネル103Cを間に挟むソース103S及びドレイン103Dを有する。電源線120とソース103Sとがビア121を介して接続され、電源線130とドレイン103Dとがビア131を介して接続されている。下地絶縁膜102の下に、VDD配線に相当する電源線123と、VVDD配線に相当する電源線133とが設けられている。電源線120と電源線123とがビア122を介して接続され、電源線130と電源線133とがビア132を介して接続されている。制御信号線110はビア111を介してゲート電極105に接続されている。
【0122】
図31に示す第2の例では、下地絶縁膜102にゲート絶縁膜204が設けられ、ゲート絶縁膜204の上に半導体層103が設けられ、ゲート絶縁膜204の下にゲート電極205が設けられている。他の構成は第1の例と同様である。
【0123】
下地絶縁膜の材料は、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化炭化シリコン等である。半導体層の材料は、例えばInGaZnO(IGZO)、ZnO、ZnSnO、InZnO等である。ゲート絶縁膜の材料は、例えばSiO2、SiOxNy、SiN、Al2O3等である。ゲート電極の材料は、例えばモリブデン、チタン、クロム、タンタル、マグネシウム、銀、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、ルテニウム、スカンジウム等の金属である。ゲート電極の材料がグラフェン等であってもよい。
【0124】
ゲート電極と半導体層との積層関係及び半導体層とVDD配線との接続関係の観点から上記の各実施形態に設けられたスイッチトランジスタ51を第1、第2の例に分類すると、次のようになる。すなわち、第1~第7、第9、第10の実施形態に設けられたスイッチトランジスタ51は、第1の例に分類される。第8の実施形態に設けられたスイッチトランジスタ51は、第2の例に分類される。
【0125】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0126】
10:第1のチップ
20:第2のチップ
31A、31B、31C:パワードメイン
42:電源スイッチ回路
51:スイッチトランジスタ
52:電源スイッチ制御回路