(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】管理サーバ、管理システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0226 20230101AFI20231108BHJP
G06Q 20/38 20120101ALI20231108BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231108BHJP
【FI】
G06Q30/0226
G06Q20/38 350
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021554225
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(86)【国際出願番号】 JP2020037556
(87)【国際公開番号】W WO2021079718
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2019191736
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】池澤 るみ
(72)【発明者】
【氏名】昆金 学
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-157592(JP,A)
【文献】特開2019-145071(JP,A)
【文献】特開2002-024944(JP,A)
【文献】特開2018-151801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会員が使用する端末装置から、会員カードのカード番号を含む登録要求を受信する受信手段と、
前記会員に対応する会員情報を、会員毎の会員情報のデータベースから抽出する抽出手段と、
前記会員情報が示すカード番号と、前記登録要求に含まれるカード番号とが異なる
か否かに基づき、前記会員情報の更新の要否を判定し、前記更新が必要であると判定した場合、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する更新手段と、
を有する管理サーバ。
【請求項2】
前記会員カードは、前記会員に対して再発行された会員カードであり、
更新前の前記会員情報が示すカード番号は、前記会員カードの前に前記会員に対して発行された会員カードのカード番号である、請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記登録要求には、前記端末装置のユーザを識別するユーザ識別情報が含まれ、
前記抽出手段は、前記ユーザ識別情報に基づき、前記会員情報を抽出する、請求項1または2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記ユーザ識別情報は、前記端末装置にインストールされた、前記会員カードの発行元が提供するアプリケーションに関する識別情報である、請求項3に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記更新手段は、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する場合、更新前の前記会員情報が示すカード番号の情報を、前に使用された会員カードの情報として前記会員情報に含める、請求項1~4のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記更新手段は、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する場合、更新前の前記会員情報が示すカード番号を、無効に設定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項7】
前記会員情報には、前記会員が保有するポイント数と、前記会員の家族に対して発行された家族カードのカード番号と、の少なくとも一方が含まれる、請求項1~6のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項8】
前記登録要求に基づき、前記会員の認証を行う認証手段をさらに有し、
前記認証が成功した場合、前記抽出手段は、前記会員情報を、前記データベースから抽出する、請求項1~7のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載の管理サーバと、
会員が使用する端末装置と、を有する管理システムであって、
前記端末装置は、前記会員が所持する会員カードのカード番号を少なくとも取得する取得手段と、
前記カード番号を少なくとも含む登録要求を、前記管理サーバに送信する送信手段と、
を有する、管理システム。
【請求項10】
前記取得手段は、前記会員カードのバーコードを読み取ることで前記カード番号を取得する、請求項
9に記載の管理システム。
【請求項11】
前記取得手段は、前記カード番号と、前記会員カードに付された暗証番号とを取得し、
前記送信手段は、前記カード番号と前記暗証番号とを含む前記登録要求を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記カード番号と、前記暗証番号とに基づき、前記カード番号の認証を行う認証手段をさらに有する、請求項
9または10に記載の管理システム。
【請求項12】
管理サーバが実行する制御方法であって、
会員が使用する端末装置から、会員カードのカード番号を含む登録要求を受信し、
前記会員に対応する会員情報を、会員毎の会員情報のデータベースから抽出し、
前記会員情報が示すカード番号と、前記登録要求に含まれるカード番号とが異なる
か否かに基づき、前記会員情報の更新の要否を判定し、前記更新が必要であると判定した場合、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する、制御方法。
【請求項13】
会員が使用する端末装置から、会員カードのカード番号を含む登録要求を受信する受信手段と、
前記会員に対応する会員情報を、会員毎の会員情報のデータベースから抽出する抽出手段と、
前記会員情報が示すカード番号と、前記登録要求に含まれるカード番号とが異なる
か否かに基づき、前記会員情報の更新の要否を判定し、前記更新が必要であると判定した場合、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する更新手段
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会員情報の更新に関する。
【背景技術】
【0002】
来店した顧客が商品を購入するための商品販売システムとして、顧客が所有するスマートフォンなどの携帯端末を用いて、顧客が商品のバーコードを読み取って商品登録を行い、精算を行うシステムが知られている。例えば、特許文献1には、購入対象となる商品の商品情報を取得し、取得した全ての商品情報を含む精算情報を管理サーバに送信する携帯端末と、精算情報に含まれる商品情報に基づいて、各商品名を価格の高い順に列記したソート明細情報を生成及び出力する管理サーバとを備えたセルフショッピングシステムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ポイントカードによるサービスを受ける利用客に対し、決済を識別する決済識別情報及びポイントカードを識別するカード識別情報に基づき、過去のクレジットカード又は電子マネーでの決済において発生したポイントの付与を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-41354号公報
【文献】特開2018-055564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、専用のアプリケーションとポイントカードなどの会員カードとを紐付けたサービスを提供するシステムが存在する。このような形態のサービスでは、保有ポイントなどを専用のアプリケーションにより確認できるといった利点が存在するが、会員カードを紛失した場合には、アプリケーションをアンインストールして会員登録を再度行う必要があった。特許文献2では、ポイントの後付けを円滑に行う手法について開示しているが、ポイントカードなどの会員カードを紛失した場合の当該会員カードの再登録の方法については、何ら開示していない。
【0006】
本発明の目的は、会員カードの再登録を円滑に行うことが可能な管理サーバ、管理システム、制御方法及び記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
管理サーバの一の態様は、管理サーバであって、会員が使用する端末装置から、会員カードのカード番号を含む登録要求を受信する受信手段と、前記会員に対応する会員情報を、会員毎の会員情報のデータベースから抽出する抽出手段と、前記会員情報が示すカード番号と、前記登録要求に含まれるカード番号とが異なるか否かに基づき、前記会員情報の更新の要否を判定し、前記更新が必要であると判定した場合、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する更新手段と、を有する。
【0008】
制御方法の一の態様は、管理サーバが実行する制御方法であって、会員が使用する端末装置から、会員カードのカード番号を含む登録要求を受信し、前記会員に対応する会員情報を、会員毎の会員情報のデータベースから抽出し、前記会員情報が示すカード番号と、前記登録要求に含まれるカード番号とが異なるか否かに基づき、前記会員情報の更新の要否を判定し、前記更新が必要であると判定した場合、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する。
【0009】
プログラムの一の態様は、会員が使用する端末装置から、会員カードのカード番号を含む登録要求を受信する受信手段と、前記会員に対応する会員情報を、会員毎の会員情報のデータベースから抽出する抽出手段と、前記会員情報が示すカード番号と、前記登録要求に含まれるカード番号とが異なるか否かに基づき、前記会員情報の更新の要否を判定し、前記更新が必要であると判定した場合、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する更新手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、既存の会員情報を活用して、会員カードの再登録を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る管理システムの構成を示す。
【
図14】会員情報データベースのデータ構造の一例を示す。
【
図15】カード情報データベースのデータ構造の一例を示す。
【
図17】カード番号登録処理の手順を示すフローチャートの一例である。
【
図18】第2実施形態に係る管理サーバの概略構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0013】
<第1実施形態>
(1)
管理システムの構成
図1は、本実施形態に係る管理システム100の構成を示す。管理システム100は、主に、POSサーバ1と、管理サーバ2と、携帯端末3と、会員サーバ4と、会計機5とを備える。管理システム100では、携帯端末3を使用する顧客は、商品の販売を行う店舗8内において商品に付された商品バーコード7を読み取ることで、購入予定の商品(「購入商品」とも呼ぶ。)の登録を行い、店舗8内の会計機5を用いて又は電子決済により、精算を行う。
【0014】
POSサーバ1は、店舗8で販売される商品に関する価格、在庫状況などを含む商品情報、店舗8の売上情報などの種々の販売情報を管理するサーバである。POSサーバ1は、管理サーバ2及び会計機5とネットワーク等を介して通信可能である。なお、POSサーバ1は、複数の系列店舗の販売情報を一括して管理するものであってもよく、店舗毎に存在し、その店舗の販売情報のみを管理するものであってもよい。
【0015】
管理サーバ2は、携帯端末3や会計機5の制御を行うサーバ装置であり、携帯端末3、会員サーバ4及び会計機5とネットワーク等を介して通信可能となっている。管理サーバ2は、携帯端末3の表示制御に必要な情報をPOSサーバ1から取得し、記憶している。管理サーバ2は、携帯端末3が各種画面を表示するための表示情報を携帯端末3に送信する。上述の各種画面には、携帯端末3が商品バーコード7を読み取ることで登録された購入商品のリスト(「購入商品リスト」と呼ぶ。)を、売価と共に表示する画面(「購入商品リスト画面」とも呼ぶ。)が含まれる。また、管理サーバ2は、会員サーバ4から会員に関する情報を取得したり、会員サーバ4が記憶する情報を更新するための情報を会員サーバ4に送信したりする。
【0016】
なお、管理サーバ2は、複数のサーバ装置により構成されてもよい。例えば、管理サーバ2は、携帯端末3とのデータ授受などの携帯端末3とのインターフェース動作を主に行うサーバ装置と、POSサーバ1から取得する情報及び購入商品リストなどの種々の情報を記憶・管理するサーバ装置とから構成されてもよい。この場合、前者のサーバ装置は、所謂アプリケーションサーバとして機能し、後者のサーバ装置は、所謂データベースサーバとして機能する。この場合、これらのサーバ装置は、それぞれが割り当てられた処理を実行するのに必要な情報の授受を、ネットワーク等を介して行う。
【0017】
携帯端末3は、店舗8で買い物を行う顧客が使用する携帯端末であり、商品に付された商品バーコード7を読み取る機能、管理サーバ2と通信を行うことで購入商品リスト画面などの各種画面を取得し、表示する機能などを有する。なお、
図1では、説明の便宜上、携帯端末3は1つのみ表示されているが、店舗8に入店している顧客の数だけ実際には存在している。
【0018】
会員サーバ4は、会員に関する情報及び会員に発行する会員カードに関する情報を記憶する。会員サーバ4は、管理サーバ2とネットワーク等を介して通信可能となっている。なお、管理サーバ2は、会員サーバ4として機能してもよい。この場合、管理サーバ2は、会員サーバ4が記憶する会員及び会員カードに関する情報等を記憶する。
【0019】
会計機5は、顧客が携帯端末3を用いて精算を行うための精算機(所謂セルフ精算機)である。会計機5は、管理サーバ2と通信可能であって、精算に必要な種々の情報の授受を管理サーバ2、及び、必要に応じてPOSサーバ1と行う。会計機5は、顧客の携帯端末3から後述する会計バーコードを読み取るためのバーコードリーダ56と、店員を呼ぶためのライト57を備えている。
【0020】
(2)
装置構成
次に、POSサーバ1、管理サーバ2、携帯端末3、会員サーバ4及び会計機5の各構成について
図2~
図6を参照して説明する。
【0021】
(2-1)POSサーバ
図2は、POSサーバ1の概略構成を示す。POSサーバ1は、主に、記憶部13と、データ通信を行う通信部14と、制御部15とを備える。これらの要素はバスライン10により相互に接続されている。
【0022】
記憶部13は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部13は、制御部15が実行するプログラム、及び、制御部15がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部13は、売価変更情報17と、商品情報DB(Database)18と、商品の売上に関する情報である売上情報19とを含んでいる。なお、記憶部13は、売価変更情報17、商品情報DB18、売上情報19以外の種々の販売に関する情報を記憶してもよい。
【0023】
商品情報DB18は、店舗8又は店舗8を含む系列店舗で取り扱う商品に関する情報のデータベースである。商品情報DB18は、例えば、商品の価格、JAN(Japanese Article Number)コードなどの商品を識別するための情報(「商品識別情報」とも呼ぶ。)、商品の分類情報、商品の在庫状況などの各種情報を含む。
【0024】
売価変更情報17は、売価の変更に関する情報である。具体的に、売価変更情報17は、分類別割引情報、バンドル割引情報、セット割引情報、合計額割引情報、分類別値引情報、バンドル値引情報、セット値引情報、及び合計額値引情報などの任意の割引情報又は値引情報の少なくとも1つを含んでいる。
【0025】
制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備え、POSサーバ1内の各構成要素に対して種々の制御を行う。例えば、制御部15は、通信部14を介して会計機5と通信を行うことで、売上情報19の更新等を行う。また、制御部15は、通信部14を介して管理サーバ2と通信を行うことで、売価変更情報17及び商品情報DB18に関する情報を管理サーバ2に送信する。
【0026】
(2-2)管理サーバ
図3は、管理サーバ2の概略構成を示す。管理サーバ2は、主に、記憶部23と、通信部24と、制御部25とを備える。これらの各要素は、バスライン20を介して相互に接続されている。
【0027】
記憶部23は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部23は、制御部25が実行するプログラム、及び、制御部25がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部23は、売価変更情報27と、商品情報DB28と、購入商品リストDB29とを記憶する。
【0028】
売価変更情報27は、売価変更情報17と同様、値引又は割引に伴う売価の変更に関する情報である。売価変更情報27は、制御部25の制御に基づき、POSサーバ1が記憶する売価変更情報17と同期するように定期又は不定期に更新される。商品情報DB28は、商品情報DB18と同様、商品に関する情報のデータベースである。商品情報DB28は、制御部25の制御に基づき、POSサーバ1が記憶する商品情報DB18と同期するように定期又は不定期に更新される。
【0029】
購入商品リストDB29は、店舗8において買い物を行っている顧客の携帯端末3毎の購入商品リストのデータベースである。購入商品リストは、例えば、購入予定の商品を示す商品識別情報と、その商品の購入予定数量を含むリストであり、携帯端末3又は携帯端末3を使用する顧客を識別する情報(「顧客識別情報」とも呼ぶ。)と関連付けられている。そして、購入商品リストは、携帯端末3の操作に基づき行われる購入商品の追加、削除、又は数量変更が発生する度に更新される。
【0030】
通信部24は、有線又は無線通信により、POSサーバ1、携帯端末3及び会計機5と通信する。制御部25は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、管理サーバ2内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部25が実行する処理については後述する。
【0031】
(2-3)携帯端末
図4は、携帯端末3の概略構成を示す。携帯端末3は、主に、表示部31と、入力部32と、記憶部33と、通信部34と、制御部35と、読取部36とを備える。これらの各要素は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0032】
表示部31は、制御部35の制御に基づき、購入商品リスト、会計バーコードなどの各種情報の表示を行う。入力部32は、ユーザの入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、タッチパネル、ボタン、音声入力装置などが該当する。
【0033】
記憶部33は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部33は、制御部35が実行するプログラム、及び、制御部35がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。例えば、記憶部33には、店舗8又は店舗8を管理する企業(団体)が提供するアプリケーションプログラム(以後では、「専用アプリ」とも呼ぶ。)が記憶されている。専用アプリは、店舗8において買い物を行う際に起動され、購入商品リスト画面などの種々の画面の表示を制御する。
【0034】
通信部34は、無線通信により、管理サーバ2と通信する。制御部35は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、携帯端末3内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部35が実行する制御については後述する。
【0035】
読取部36は、例えばカメラなどの光学機器であり、商品に付された商品バーコード7を読取り、読み取った情報を制御部35に供給する。本実施形態では、制御部35は、読取部36が出力する情報に基づき、商品に付された商品バーコード7からJANコードなどの商品識別情報を取得する。
【0036】
(2-4)会員サーバ
図5は、会員サーバ4の概略構成を示す。会員サーバ4は、主に、記憶部43と、通信部44と、制御部45とを備える。これらの各要素は、バスライン40を介して相互に接続されている。
【0037】
記憶部43は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部43は、制御部45が実行するプログラム、及び、制御部45がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部43は、主に、会員情報DB47と、カード情報DB48とを記憶している。
【0038】
会員情報DB47は、会員手続きを行った会員ごとの情報である会員情報のデータベースである。会員情報は、例えば、名前、性別、生年月日などの一般的な属性情報に加えて、カード番号、会員のランク、及び蓄積したポイント数などの会員特有の属性情報を含んでいる。カード番号は、会員カードの識別番号であり、会員カードは、例えば、店舗8に設けられたカウンター等に会員になることを申し出ることにより付与されるポイントカードである。なお、会員カードの付与には、例えば、名前などの個人情報を記入する申込用紙への記入が申込者に要求される。会員カードには、当該カードに割り当てられたカード番号と、当該カード番号の有効性を判定するための暗証番号(PINコード)とが印刷されている。なお、会員は、他の会員に従属しない通常の会員である本会員と、本会員と従属的な関係にある家族会員とが存在し、会員カードは、本会員に対して付与される本会員カードと、家族会員に対して付与される家族カードとを含む。本会員と家族会員とは、買物等に応じて付与されるポイントの共有などを行う。
【0039】
カード情報DB48は、会員カードに関するデータベースである。例えば、カード情報DB48には、発行され得る会員カードに割り当てられたカード番号と、当該カード番号の有効性を認証するための暗証番号との組み合わせが含まれている。また、カード情報DB48には、各会員カードの有効性に関する情報が含まれている。その他、発行され得る家族カードのカード番号には、当該家族カードとポイントの共有などを行う本会員カードのカード番号が関連付けられている。
【0040】
通信部44は、有線又は無線通信により、管理サーバ2等と通信する。制御部45は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、会員サーバ4内の各構成要素に対して種々の制御を行う。
【0041】
(2-5)会計機
図6は、会計機5の概略構成を示す。会計機5は、主に、表示部51と、入力部52と、記憶部53と、通信部54と、制御部55と、バーコードリーダ56と、ライト57と、スピーカ58とを備える。これらの各要素は、バスライン50を介して相互に接続されている。
【0042】
表示部51は、制御部55の制御に基づき、支払い方法選択画面や終了画面などの各種情報の表示を行う。入力部52は、顧客の入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、タッチパネル、ボタンなどが該当する。
【0043】
記憶部53は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部53は、制御部55が実行するプログラム、及び、制御部55がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。例えば、記憶部53には、顧客が支払いを行う際に動作し、会計処理を行うための専用のアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0044】
制御部55は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、会計機5内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部55が実行する制御については後述する。バーコードリーダ56は、会計時に顧客の携帯端末3に表示された会計バーコードを読み取り、読み取った情報を制御部55に供給する。ライト57は、会計機5に不具合が生じたときや、店員を呼ぶときなどに点灯する。スピーカ58は、必要に応じて注意喚起のための操作音や音声メッセージなどを出力する。
【0045】
(3)
商品購入処理
次に、管理システム100による商品購入処理の概要について説明する。商品購入処理は、顧客が店舗8において携帯端末3を使用して商品を購入する処理である。
図7は、商品購入処理の概要を示すフローチャートである。商品購入処理は、大別して、入店処理S100と、商品選択処理S200と、会計処理S300とを有する。なお、商品購入処理は、主として管理サーバ2、携帯端末3及び会計機5が、それぞれ予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0046】
(3-1)入店処理
まず、入店処理について説明する。入店処理は、顧客が店舗8に入店した際に、商品の購入に先だって行われる処理であり、商品購入のための準備に相当する。
図8は、入店処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、携帯端末3と管理サーバ2により行われる。
【0047】
まず、顧客は、店舗8に入ると、携帯端末3を用いて店舗バーコードを読み取る(ステップS101)。店舗バーコードは、店舗8内の所定の場所、例えば、店舗の入口付近の壁や買い物に使用するカードなどに貼り付けられている。顧客が店舗バーコードを読み取ると、携帯端末3は、読み取った店舗バーコードから店舗IDを取得し、管理サーバへ送信する(ステップS102)。携帯端末3は、店舗IDを送信する際、その携帯端末3又はその携帯端末3を使用する顧客を識別する顧客識別情報を一緒に送信する。なお、以下に説明する商品選択処理や会計処理においても、携帯端末3は基本的に何らかの情報を管理サーバ2へ送信する際には、自身を識別するための顧客識別情報を一緒に送信する。
【0048】
管理サーバ2は、携帯端末3から店舗IDを受信し、商品情報DB28からその店舗の売価リストを取得する(ステップS104)。これは、店舗毎に商品の売価が異なっているためである。そして、管理サーバ2は、店舗名やその店舗のセール情報などを含む店舗情報を携帯端末3へ送信し(ステップS105)、携帯端末3は店舗情報を受信する(ステップS106)。これにより、携帯端末3の表示部31には現在の店舗名やその店舗のセール情報などが表示され、顧客が買い物を開始できる状態となる。なお、管理サーバ2が送信する店舗情報には、その店舗におけるその顧客の取引状態を示す情報が含まれており、その店舗で新たに買い物を開始する場合には取引状態は新規となる。一方、その顧客が何らかの理由でその店舗での買い物を中断したような場合には、それまでの取引状態に対応する購入商品リスト画面が携帯端末3に表示される。
【0049】
(3-2)商品選択処理
次に、商品選択処理について説明する。商品選択処理は、顧客が携帯端末3を用いて商品に付されている商品バーコードを読み取り、購入商品リストに登録する処理である。
図9は、商品選択処理のフローチャートである。この処理は、携帯端末3と管理サーバ2により実行される。
【0050】
まず、顧客は、購入したい商品を見つけると、携帯端末3を商品読取モードにし、携帯端末3により商品に付されている商品バーコードを読み取る(ステップS201:Yes)。携帯端末3は読み取られた商品の商品識別情報を管理サーバ2へ送信する(ステップS202)。なお、この際、商品の数量は自動的に「1」にセットされる。管理サーバ2は、携帯端末3から商品識別情報を受信すると(ステップS203)、購入商品リストを更新し、携帯端末3へ送信する(ステップS204)。携帯端末3は、更新後の購入商品リストを受信し、表示部31に表示する(ステップS205)。これにより、新たに追加された商品とその数量が購入商品リストに追加され、携帯端末3に表示される。
【0051】
次に、必要に応じて、顧客が携帯端末3を操作して商品の数量を変更すると、携帯端末3は変更後の数量を取得する(ステップS206:Yes)。商品バーコードが最初に読み取られたときに、その商品の数量は自動的に「1」にセットされるが、顧客が同じ商品を複数購入する場合には、携帯端末3を操作して数量を変更することができる。変更後の数量がセットされると、携帯端末3は、変更の対象となる商品の商品識別情報と変更後の数量を管理サーバ2へ送信する(ステップS207)。
【0052】
管理サーバ2は、携帯端末3から商品識別情報と変更後の数量を受信すると(ステップS208)、購入商品リストを更新し、携帯端末3へ送信する(ステップS209)。携帯端末3は、更新後の商品リストを受信し、表示部31に表示する(ステップS210)。これにより、数量変更が購入商品リストに反映される。
【0053】
次に、携帯端末3は、顧客により支払いボタンが押されたか否かを判定する(ステップS211)。支払いボタンは、顧客が買い物を終了する際に押すボタンである。支払いボタンが押されていない場合(ステップS211:No)、処理はステップ201へ戻る。こうして、支払いボタンを押すまで、顧客は商品の追加や数量変更を行い、買い物を続けることができる。そして、支払いボタンが押されると(ステップS211:Yes)、商品選択処理は終了する。
【0054】
図10は、携帯端末3に表示された購入商品リスト画面の表示例を示す。この例では、購入商品リスト画面は、商品読取ボタン90と、リスト表示欄91と、小計表示欄92と、合計額表示欄93と、ホーム画面遷移ボタン94と、支払ボタン95と、取引中止ボタン96とを有する。
【0055】
携帯端末3は、商品読取ボタン90がタップ操作等により選択されたことを検知した場合、商品読取画面へ表示部31の表示を切り替える。商品読取画面では、携帯端末3は、起動した読取部36から取得される画像等を表示する。これにより、顧客は、商品バーコード7が読取部36の読み取り範囲内に位置するように商品又は携帯端末3を移動させ、商品バーコード7を読み取ることができる。
【0056】
リスト表示欄91には、購入商品毎に、購入商品の名称、数量、価格が表示される。また、リスト表示欄91内の各購入商品に対し、数量減少ボタン97と、数量増加ボタン98とが表示される。そして、携帯端末3は、数量減少ボタン97又は数量増加ボタン98により購入商品の数量の変更を受け付けた場合、例えば、数量が変更された購入商品の商品識別情報及び変更後の数量を管理サーバ2に送信する。
【0057】
小計表示欄92は、購入商品リストの全商品に対する売価の税抜きの小計を表示し、合計額表示欄93は、購入商品リストの全商品に対する売価の税込みの合計額を表示する。管理サーバ2は、これらの小計又は合計額を、商品情報DB28に登録された購入商品の価格、具体的には、入店処理により取得したその店舗の売価リストに基づき算出している。
【0058】
携帯端末3は、ホーム画面遷移ボタン94が選択されたことを検知した場合、ホーム画面の表示要求を管理サーバ2に送信し、その応答として受信する表示情報に基づき所定のホーム画面を表示する。ホーム画面は、店舗8での割引や値引の情報、携帯端末3の顧客の登録情報等を表示するものであってもよい。
【0059】
携帯端末3は、支払いボタン95が選択されたことを検知した場合、会計要求を管理サーバ2に送信し、その応答として受信する表示情報に基づき、後述の会計バーコード画面を含む支払い画面を表示する。また、携帯端末3は、取引中止ボタン96が選択されたことを検知した場合、取引中止を通知する情報を管理サーバ2に送信する。この場合、管理サーバ2は、携帯端末3に対応する購入商品リストを削除する。
【0060】
(3-3)会計処理
次に、会計処理について説明する。会計処理は、商品選択処理により顧客が選択した商品についての支払いを行う処理である。
図11は、会計処理のフローチャートである。この処理は、携帯端末3と、管理サーバ2と、会計機5により実行される。
【0061】
まず、携帯端末3は、前述の支払いボタン95が押されると、管理サーバ2へ会計要求を送信する(ステップS301)。管理サーバ2は、会計要求を受信すると(ステップS302)、その時点の購入商品リストに基づいて支払い金額を計算する(ステップS303)。さらに、管理サーバ2は、会計バーコードを生成する(ステップS304)。会計バーコードは、現在の購入商品リストが示す購入を一意に識別する情報である。1つの例では会計バーコードは、そのときの購入内容に一意に対応付けられたランダムなコードなどとすることができる。この場合、会計バーコードは、支払い情報の問い合わせ番号としての意味を有する。管理サーバ2は、ステップS303で算出した支払い金額と、ステップS304で生成した会計バーコードとを含む支払い画面を携帯端末3へ送信する(ステップS305)。
【0062】
携帯端末3は、受信した支払い画面を表示部31に表示する。
図12は、支払い画面の表示例である。この例では、支払い画面は、会計バーコード37と、合計金額欄38と、完了ボタン39とを含む。顧客は、支払い画面が表示された携帯端末3を持って会計機5に移動し、バーコードリーダ56により会計バーコードを読み取る(ステップS307)。会計機5は、読み取った会計バーコードに基づいて、支払い方法選択画面を表示する(ステップS308)。具体的には、会計機5は、会計バーコードが示す問い合わせ番号を管理サーバ2に送信し、支払い情報を取得する。なお、支払い情報は、合計金額、及び、購入商品リストに入っている全商品のIDや数量などの明細を含む。会計機5は、取得した支払い情報に基づいて、支払い方法選択画面を表示する。
【0063】
図13(A)は、支払い方法選択画面の表示例を示す。支払い方法選択画面は、合計金額欄61と、現金ボタン62と、クレジットボタン63とを含む。顧客は、支払い方法選択画面を見て支払い金額を確認し、現金ボタン62とクレジットボタン63のいずれかを押し、支払いを行う。これにより、購入代金の決済が行われる(ステップS309)。具体的に、顧客が現金での支払いを選択した場合、会計機5は現金投入口に現金を投入することを促し、現金が投入されると、必要に応じて釣銭を支払う。また、顧客がクレジットでの支払いを選択した場合、会計機5はカードの挿入を促し、必要に応じて暗証番号などの入力などを促し、クレジット決済を行う。
【0064】
決済が完了すると、会計機5は、会計終了画面を表示する。
図13(B)は、会計終了画面の表示例を示す。この例では、会計終了画面は、決済情報欄64と、領収書ボタン65と、終了ボタン66とを含む。なお、
図13(B)は顧客がクレジット決済を選択した場合の例であり、決済情報欄64は、決済の金額、決済方法などの情報を表示している。領収書ボタン65は、領収書を印刷出力するためのボタンである。終了ボタン66は、顧客が会計処理を完了したことを確認するためのボタンである。顧客が終了ボタン66を押すと、会計機5は決済が完了したことを管理サーバ2に報告し、表示部51の表示をメインメニューに戻す。なお、
図12に示す支払い画面にも完了ボタン39が表示されており、顧客は会計処理が終了すると、支払い画面の完了ボタン39を押す。完了ボタン39が押されると、携帯端末3は決済が完了したことを管理サーバ2に報告し、表示部31をメインメニューに戻す。
【0065】
なお、上記の例では、会計バーコードは単に支払い情報の問い合わせ番号であり、会計機5はこの問い合わせ番号を用いて管理サーバ2から支払い情報を取得している。その代わりに、会計バーコードが支払い情報を含むようにしてもよい。即ち、管理サーバ2は、その時点の購入商品リストの内容に基づいて、合計金額及び購入商品の明細の情報を用いて会計バーコードを生成する。この場合、会計機5は、会計バーコードを読み取り復号化することにより、支払い情報を取得することができるので、支払い情報を取得するために管理サーバ2と通信する必要は無くなる。即ち、会計機5は、読み取った会計バーコードから合計金額を抽出し、支払い方法選択画面を表示すればよい。
【0066】
(4)会員カードの再登録
次に、第1実施形態の管理システムにおける会員カードの再登録に関する処理について説明する。概略的には、管理サーバ2は、会員カードのカード番号の登録要求を、カード番号の登録済みの会員が使用する携帯端末3から受信した場合、登録要求により指定されたカード番号により会員情報を更新する。これにより、管理サーバ2は、会員カードを紛失した会員に会員カードを再発行する場合に、既存の会員情報を活用することができ、再度の会員情報の登録作業を好適に簡略化する。
【0067】
(4-1)データ構造
図14は、第1実施形態における会員情報DB47のデータ構造の一例を示す。会員情報DB47は、会員毎の会員情報を記録したデータベースであり、主に、「カード番号」、「会員種別」、「会員ランク」、「氏名」、「性別」、「蓄積ポイント」、「前カード番号」、「関連カード番号」及び「アプリID」の各項目を有する。
【0068】
「カード番号」は、対象の会員に付与された会員カードに割り当てられたカード番号を示す。「会員種別」は、対象の会員が本会員又は家族会員のいずれであるかを示す。「会員ランク」は、対象の会員のランク(ステータス)を示す。なお、会員ランクは、各会員が店舗8での商品購買により付与されるポイント付与率や割引率等を定める基準となり、例えば、所定期間(例えば年間又は月間)での購買額等によって定められる。「氏名」及び「性別」は、対象の会員の氏名及び性別をそれぞれ示す。
【0069】
「蓄積ポイント」は、対象の会員が蓄積したポイント数を示す。なお、
図14の例では、家族会員は、当該家族会員に紐付けられた本会員とポイントを共有しており、家族会員の蓄積ポイントは、当該家族会員に紐付けられた本会員の蓄積ポイントに集約されている。例えば、家族会員である「大日本 花子」の蓄積ポイントは、当該家族会員が従属する本会員である「大日本 太郎」の蓄積ポイントに集約されるため、「大日本 花子」の「蓄積ポイント」の項目は蓄積ポイントの記録が存在していない。なお、この記録方法に代えて、管理サーバ2は、家族会員の「蓄積ポイント」の内容を、当該家族会員が従属する本会員の「蓄積ポイント」の内容と同一となるように同期させてもよい。この場合、管理サーバ2は、家族会員又は本会員のいずれか一方の「蓄積ポイント」の変更があった場合、他方の「蓄積ポイント」についても同一内容となるように変更する。
【0070】
「前カード番号」は、対象の会員が過去に所持した会員カードに割り当てられたカード番号を示す。言い換えると、「前カード番号」は、再発行された会員カードのカード番号により更新される前の「カード番号」の項目に記録されたカード番号を示す。例えば、会員が会員カードを紛失して会員カードの再登録を行った場合、管理サーバ2は、新たに登録された会員カードのカード番号を「カード番号」に上書きし、直前まで会員情報DB47に記録された会員カードのカード番号を「前カード番号」に記録する。
図14の例では、「鈴木 一」は、カード番号「10003」の会員カードを紛失したため、カード番号「11347」の会員カードの再登録を行っている。この場合、「カード番号」には、再登録した会員カードのカード番号「11347」が記録され、「前カード番号」には、紛失した会員カードのカード番号「10003」が記録される。なお、「前カード番号」に登録されたカード番号「10003」の会員カードは、店舗8において使用することができない無効な会員カードとなる。
【0071】
「関連カード番号」は、対象の会員に従属する家族会員又は対象の会員が家族会員である場合に当該会員が従属する本会員のカード番号を示す。例えば、本会員「大日本 太郎」の「関連カード番号」には、関連する家族会員「大日本 花子」のカード番号「10004」が記録される。一方、家族会員「大日本 花子」の「関連カード番号」には、関連する本会員「大日本 太郎」のカード番号「10001」が記録される。この場合、管理サーバ2は、例えば、家族カードが発行された家族会員のレコードを会員情報DB47に登録する際に、当該家族会員が従属する本会員の「関連カード番号」の項目を更新する。
【0072】
「アプリID」は、対象の会員が使用する携帯端末3にインストールされた専用アプリの識別情報である。アプリIDは、専用アプリがインストールされる携帯端末3毎に異なる識別情報である。
【0073】
ここで、「アプリID」の登録処理について補足説明する。管理サーバ2は、専用アプリを起動した携帯端末3と通信を行い、当該携帯端末3を使用する会員と会員情報DB47のレコードとの対応付けが最初にできた場合に、携帯端末3から受信するアプリIDを、「アプリID」の項目に登録する。この場合、例えば、会員カードの申し込み時に店舗8の端末から送信される情報に基づき、管理サーバ2は、発行する会員カードのカード番号と氏名等の申込情報とを含む会員情報のレコードを会員情報DB47に登録する。その後、会員カードが付与された顧客の携帯端末3が専用アプリにより管理サーバ2と接続した場合に、管理サーバ2は、携帯端末3から供給されるカード番号等の情報から、携帯端末3を使用する会員に対応する会員情報のレコードを会員情報DB47から抽出する。そして、管理サーバ2は、抽出したレコードに、携帯端末3から取得したアプリIDを登録する。
【0074】
このように、会員情報DB47は、「氏名」及び「性別」を含む一般的な属性情報を示す項目と、「カード番号」、「会員種別」、「会員ランク」、「蓄積ポイント」、「前カード番号」、「関連カード番号」、「アプリID」等を含む会員特有の属性情報を示す項目とを含む。
【0075】
なお、
図14に示される会員情報DB47のデータ構造は一例であり、このデータ構造に対して種々の変更がなされてもよい。例えば、会員情報DB47には、「名前」及び「性別」の他、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、家族構成、職業等の種々の一般的な属性情報を示す項目が含まれてもよい。また、「前カード番号」及び「関連カード番号」に相当する情報は、会員情報DB47に代えてカード情報DB48に含まれてもよい。また、「アプリID」に代えて、対象の会員が使用する携帯端末3に関する識別情報(例えば端末ID)を記録する項目が会員情報DB47に含まれてもよい。
【0076】
図15は、カード情報DB48のデータ構造の一例である。カード情報DB48は、会員カード毎の情報を記録したデータベースであり、主に、「カード番号」、「PINコード」、「カード種別」及び「状態」の各項目を有する。
【0077】
「カード番号」は、対象の会員カードに割り当てられたカード番号を示す。「PINコード」は、対象の会員カードに割り当てられたPINコードを示し、例えば対象の会員カードの裏面又は当該会員カードに同封された紙などに記載されている。「カード種別」は、対象の会員カードの種別を示し、具体的には、本会員カード又は家族会員カードのいずれであるかを示す。「状態」は、対象の会員カードの状態を示す。例えば、
図14の会員情報DB47において「カード番号」に記録されているカード番号は、「有効状態」に設定される。一方、
図14の会員情報DB47において「前カード番号」として会員に紐付けられているカード番号は、「無効状態」に設定される。「無効状態」に設定された会員カードは、買い物などでのポイントの蓄積及び利用、及び会員情報へのカード番号の新たな紐付けなどを行うことができない。なお、「状態」には、「有効」及び「無効」に加えて、発行前の会員カードであることを示す「発行前」などの状態が指定されてもよい。
【0078】
(4-2)具体例
次に、会員カードの再登録に関する携帯端末3の操作について、
図16の携帯端末3の表示画面例を参照して説明する。
【0079】
図16は、携帯端末3が管理サーバ2から受信する表示情報に基づき表示する会員カード登録画面の表示例である。会員カード登録画面は、カード番号入力欄71と、PINコード入力欄72と、完了ボタン73とを含む。
【0080】
まず、携帯端末3の使用者である顧客は、発行された会員カードを紛失したことから、店舗8への所定の手続き(申込用紙への個人情報の記入などを含む)を経て、新たな会員カードを取得する。この場合、顧客は、携帯端末3上で専用アプリを起動させ、所定のメニュー選択を携帯端末3に対して行うことで、
図16に示す会員カード登録画面を携帯端末3に表示させる。この場合、携帯端末3は、専用アプリの起動後、ユーザ入力に基づき、会員カード登録画面を表示し、カード番号入力欄71へのカード番号の入力及びPINコード入力欄72へのPINコード(暗証番号)の入力を受け付ける。なお、カード番号入力欄71及びPINコード入力欄72に入力すべきカード番号及びPINコードは、例えば、再発行された会員カードの裏面に記載されている。
【0081】
なお、携帯端末3は、会員カード登録画面の表示要求があった場合に、カード番号入力欄71及びPINコード入力欄72を表示する代わりに、携帯端末3に付属する読取部36を起動し、読取部36が生成した画像等を会員カード登録画面に表示させてもよい。この場合、例えば、会員カードには、カード番号を示す1次元又は2次元のバーコードが付されており、携帯端末3は、読取部36が生成した情報に基づき、バーコードの読み取りを行うことでカード番号を取得してもよい。この場合、携帯端末3は、カード番号の認識後、読み取ったカード番号をカード番号入力欄71に表示した状態で、会員カード登録画面を表示する。
【0082】
そして、携帯端末3は、カード番号入力欄71及びPINコード入力欄72にカード番号及びPINコードが入力された状態で完了ボタン73の選択を検知した場合、カード番号の登録を要求する信号(「カード番号登録要求」とも呼ぶ。)を管理サーバ2に送信する。この場合、カード番号登録要求には、カード番号入力欄71及びPINコード入力欄72に入力されたカード番号及びPINコードに加えて、携帯端末3を使用するユーザを管理サーバ2が識別するための情報(「ユーザ識別情報」とも呼ぶ。)が含まれている。このユーザ識別情報は、アプリIDであってもよく、氏名又は生年月日などの会員情報DB47に登録されている任意の会員情報又はその組み合わせであってもよい。そして、管理サーバ2は、カード番号登録要求を携帯端末3から受信した場合、カード番号登録要求に含まれるカード番号の認証を行い、当該カード番号による会員情報DB47の更新を行う。カード番号登録要求に基づき管理サーバ2が実行する処理の詳細については、
図17の処理フローを参照して詳しく説明する。
【0083】
(4-3)
処理フロー
図17は、カード番号登録処理の手順を示すフローチャートの一例である。
【0084】
まず、携帯端末3のユーザは、店舗8により会員カードが発行され、会員カードが手元に存在する場合に、携帯端末3上で専用アプリを起動し、専用アプリでのメニュー選択操作等に基づき、
図17に示すような会員カード登録画面を携帯端末3に表示させる。そして、携帯端末3は、会員カード登録画面上において、発行された会員カードのカード番号及び当該カード番号の認証用のPINコードなどの暗証番号の入力を受け付ける。なお、携帯端末3は、ユーザの入力を受け付ける代わりに、会員カードのカード番号及び暗証番号の少なくとも一方を、読取部36により読み取ってもよい。
【0085】
そして、携帯端末3は、ステップS401で入力された入力情報を含むカード番号登録要求を管理サーバ2に送信する(ステップS402)。この場合、携帯端末3は、アプリIDなどのユーザ識別情報をカード番号登録要求に含めるとよい。なお、専用アプリの起動直後に管理サーバ2が携帯端末3に対する認証を行うことで、管理サーバ2が携帯端末3のユーザに対応する会員情報DB47のレコードを既に認識している場合には、カード番号登録要求にユーザ識別情報が含まれなくともよい。
【0086】
そして、管理サーバ2は、携帯端末3からカード番号登録要求を受信した場合、カード情報DB48を参照し、カード番号登録要求に含まれるカード番号を、カード番号登録要求に含まれる暗証番号を用いて認証を行う(ステップS411)。この場合、例えば、管理サーバ2は、カード情報DB48を参照し、カード番号登録要求に含まれるカード番号が有効であるか否か、及び、上述の暗証番号が正しいか否かを判定する。なお、管理サーバ2は、ステップS411の認証が成功しなかった場合(即ちカード番号が有効でない、又は、暗証番号が正しくない場合)には、ステップS414に進み、認証が成功しなかった旨の応答を携帯端末3に送信する。
【0087】
次に、管理サーバ2は、ステップS411の認証が成功した場合、カード番号登録要求に含まれるユーザ識別情報等に基づき、カード番号登録要求を行った携帯端末3のユーザに対応する会員情報を、会員情報DB47から抽出する。そして、管理サーバ2は、カード番号登録要求で指定されたカード番号と異なるカード番号が会員情報DB47に登録済みであるか否か判定する(ステップS412)。即ち、管理サーバ2は、会員情報DB47から抽出した会員情報が示すカード番号と、カード番号登録要求で指定されたカード番号とが異なるか否か判定する。
【0088】
そして、管理サーバ2は、カード番号登録要求で指定されたカード番号と異なるカード番号が会員情報DB47に登録済みである場合(ステップS412;Yes)、携帯端末3のユーザに対応する会員情報DB47の会員情報を、カード番号登録要求で指定されたカード番号により更新する(ステップS413)。例えば、会員情報DB47が
図14に示すデータ構造を有する場合、管理サーバ2は、カード番号登録要求で指定されたカード番号を「カード番号」に記録し、直前まで「カード番号」に記録されていたカード番号を「前カード番号」に記録する。
【0089】
また、好適には、管理サーバ2は、直前まで会員情報DB47に記録されていたカード番号(前カード番号)は紛失された会員カードのカード番号であるとみなし、当該カード番号の会員カードが無効である旨の情報を、カード情報DB48に登録する。これにより、紛失された会員カードを拾った第三者が当該会員カードを用いて会員登録や買い物などを行うのを好適に抑制することができる。
【0090】
一方、管理サーバ2は、カード番号登録要求で指定されたカード番号と異なるカード番号が会員情報DB47に登録済みではない場合(ステップS412;No)、ステップS414へ処理を進める。例えば、管理サーバ2は、携帯端末3のユーザに対応する会員情報に、カード番号登録要求により指定されたカード番号と同一のカード番号が登録されているときには、カード番号の変更がないとみなし、会員情報DB47の更新を行わない。他の例では、管理サーバ2は、携帯端末3のユーザに対応する会員情報に、カード番号の情報が登録されていない場合には、カード番号登録要求により指定されたカード番号を、対象の会員情報に付加する。
【0091】
そして、管理サーバ2は、カード番号登録要求に対する応答信号を、カード番号登録要求の送信元となる携帯端末3に送信する(ステップS414)。この場合、管理サーバ2は、ステップS413を実行した場合には、再発行された会員カードのカード番号の会員情報DB47への登録が完了した旨の情報を表示するための表示情報を、携帯端末3に送信する。また、管理サーバ2は、ステップS412において、同一のカード番号が会員情報DB47に登録済みであると判定した場合には、例えば、既に登録されているカード番号と同一である旨の警告を表示するための表示情報を、携帯端末3に送信する。また、管理サーバ2は、携帯端末3のユーザに対応する会員情報にカード番号が未登録の状態において、当該会員情報にカード番号を追加した場合には、カード番号の登録が完了した旨の情報を表示するための表示情報を、携帯端末3に送信する。その後、携帯端末3は、管理サーバ2からステップS414において送信される応答信号に基づいて、カード番号登録要求に対する結果を表示する(ステップS403)。
【0092】
このように、携帯端末3のユーザは、会員カードを再発行した場合に、会員カードに記載のカード番号等を携帯端末3により管理サーバ2に送信することで、既に会員情報DB47において対象のユーザに紐付けられた会員情報を引き継ぐことができる。この場合、携帯端末3のユーザは、会員カードの紛失に伴い専用アプリの再インストール、又は/及び、ユーザの個人情報の再登録作業などを行う必要がなく、かつ、蓄積したポイントなどの購買実績に応じた特典なども好適に引き継ぐことができる。
【0093】
(5)変形例
次に、上述の実施形態に好適な変形例について説明する。以下の変形例は任意に組み合わせて上述の実施形態に適用してもよい。
【0094】
(変形例1)
図17のフローチャートにおいて管理サーバ2が実行する処理を、会員サーバ4が代わりに実行してもよい。この場合、管理サーバ2は、携帯端末3から送信されるカード番号登録要求を会員サーバ4に転送し、会員サーバ4は、
図17のステップS411~ステップS414の処理を管理サーバ2の代わりに実行する。この態様においても、会員サーバ4は、カード番号登録要求に基づき、再発行された会員カードのカード番号を会員情報DB47に好適に反映することができる。
【0095】
(変形例2)
図16に示す会員カード登録画面及び
図17のフローチャートのステップS401では、携帯端末3は、カード番号に加えてPINコードなどの暗証番号の入力を要求した。これに代えて、携帯端末3は、このような暗唱番号の入力を要求することなく、カード番号を少なくとも含むカード番号登録要求を、管理サーバ2に送信してもよい。
【0096】
<第2実施形態>
図18は、第2実施形態における管理サーバ2Aの概略構成を示す。管理サーバ2Aは、受信部81と、抽出部82と、更新部83とを有する。
【0097】
受信部81は、会員が使用する端末装置3Aから、会員カードのカード番号を含む登録要求「S1」を受信する。端末装置3Aは、例えば、第1実施形態における携帯端末3である。抽出部82は、対象の会員に対応する会員情報を、会員毎の会員情報のデータベースから抽出する。上述の登録要求S1は、例えば、第1実施形態におけるカード番号登録要求であり、上記のデータベースは、例えば、第1実施形態における会員情報DB47である。更新部83は、抽出した会員情報が示すカード番号と、登録要求S1に含まれるカード番号とが異なる場合、登録要求S1に含まれるカード番号により、会員情報を更新する。受信部81、抽出部82、及び更新部83は、第1実施形態の管理サーバ2の制御部25とすることができる。
【0098】
このように、第2実施形態に係る管理サーバ2Aは、新たなカード番号を指定した登録要求S1を会員が使用する端末装置3Aから受信した場合に、当該会員の会員情報を引き継ぎつつ、カード番号の更新を行うことができる。
【0099】
その他、上記の各実施形態(変形例を含む、以下同じ)の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。
【0100】
[付記1]
会員が使用する端末装置から、会員カードのカード番号を含む登録要求を受信する受信部と、
前記会員に対応する会員情報を、会員毎の会員情報のデータベースから抽出する抽出部と、
前記会員情報が示すカード番号と、前記登録要求に含まれるカード番号とが異なる場合、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する更新部と、
を有する管理サーバ。
【0101】
[付記2]
前記会員カードは、前記会員に対して再発行された会員カードであり、
更新前の前記会員情報が示すカード番号は、前記会員カードの前に前記会員に対して発行された会員カードのカード番号である、付記1に記載の管理サーバ。
【0102】
[付記3]
前記登録要求には、前記端末装置のユーザを識別するユーザ識別情報が含まれ、
前記抽出部は、前記ユーザ識別情報に基づき、前記会員情報を抽出する、付記1または2に記載の管理サーバ。
【0103】
[付記4]
前記ユーザ識別情報は、前記端末装置にインストールされた、前記会員カードの発行元が提供するアプリケーションに関する識別情報である、付記3に記載の管理サーバ。
【0104】
[付記5]
前記更新部は、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する場合、更新前の前記会員情報が示すカード番号の情報を、前に使用された会員カードの情報として前記会員情報に含める、付記1~4のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【0105】
[付記6]
前記更新部は、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する場合、更新前の前記会員情報が示すカード番号を、無効に設定する、付記1~5のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【0106】
[付記7]
前記会員情報には、前記会員が保有するポイント数と、前記会員の家族に対して発行された家族カードのカード番号と、の少なくとも一方が含まれる、付記1~6のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【0107】
[付記8]
付記1~7のいずれか一項に記載の管理サーバと、
会員が使用する端末装置と、を有する管理システムであって、
前記端末装置は、前記会員が所持する会員カードのカード番号を少なくとも取得する取得部と、
前記カード番号を少なくとも含む登録要求を、前記管理サーバに送信する送信部と、
を有する、管理システム。
【0108】
[付記9]
前記取得部は、前記会員カードのバーコードを読み取ることで前記カード番号を取得する、付記8に記載の管理システム。
【0109】
[付記10]
前記取得部は、前記カード番号と、前記会員カードに付された暗証番号とを取得し、
前記送信部は、前記カード番号と前記暗証番号とを含む前記登録要求を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記カード番号と、前記暗証番号とに基づき、前記カード番号の認証を行う認証部をさらに有する、付記8または9に記載の管理システム。
【0110】
[付記11]
管理サーバが実行する制御方法であって、
会員が使用する端末装置から、会員カードのカード番号を含む登録要求を受信し、
前記会員に対応する会員情報を、会員毎の会員情報のデータベースから抽出し、
前記会員情報が示すカード番号と、前記登録要求に含まれるカード番号とが異なる場合、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する、制御方法。
【0111】
[付記12]
会員が使用する端末装置から、会員カードのカード番号を含む登録要求を受信する受信部と、
前記会員に対応する会員情報を、会員毎の会員情報のデータベースから抽出する抽出部と、
前記会員情報が示すカード番号と、前記登録要求に含まれるカード番号とが異なる場合、前記登録要求に含まれるカード番号により、前記会員情報を更新する更新部
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【0112】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0113】
1 POSサーバ
2 管理サーバ
3 携帯端末
4 会員サーバ
5 会計機
100、100A 管理システム