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特許7380716顔認証装置、その制御方法、及びプログラム、並びに、顔認証ゲート装置、その制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】顔認証装置、その制御方法、及びプログラム、並びに、顔認証ゲート装置、その制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/16 20220101AFI20231108BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231108BHJP
【FI】
G06V40/16 A
G06T7/00 510F
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021570560
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 JP2020001242
(87)【国際公開番号】W WO2021144910
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】石川 真澄
【審査官】山田 辰美
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-316836(JP,A)
【文献】特開2004-030156(JP,A)
【文献】特開2007-148988(JP,A)
【文献】特開2019-032694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/16
G06T 7/00-7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人を撮影して第1画像を生成する画像生成手段と、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記画像生成手段に、前記人を再度撮影して第2画像を生成させる制御手段と、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行する顔認証手段と、
を備え、
前記顔認証手段は、前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得し、
前記制御手段は、取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する、顔認証装置。
【請求項2】
請求項1に記載の顔認証装置において、
前記顔認証手段は、前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証を行い、
前記基準は、前記顔認証手段において、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、顔認証装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の顔認証装置において、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記制御手段は、前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する、顔認証装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の顔認証装置において、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行う判定手段をさらに備え、
前記判定手段は、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とし、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とし、
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記照明の強度を制御する、顔認証装置。
【請求項5】
請求項4に記載の顔認証装置において、
前記制御手段は、前記判定結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯し、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する、
顔認証装置。
【請求項6】
顔認証装置が、
人を撮影して第1画像を生成し、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記人を再度撮影して第2画像を生成し、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行し、
前記顔認証を実行する際、前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得し、
前記照明を制御する際、取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する、顔認証装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の顔認証装置の制御方法において、
前記顔認証装置が、
前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証を行い、
前記基準は、前記顔認証を行う際に、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、顔認証装置の制御方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の顔認証装置の制御方法において、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記顔認証装置が、
前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する、顔認証装置の制御方法。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一項に記載の顔認証装置の制御方法において、
前記顔認証装置が、さらに、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行い、
前記判定では、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とし、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とし、
前記判定の結果に基づいて、前記照明の強度を制御する、顔認証装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の顔認証装置の制御方法において、
前記顔認証装置が、
前記判定の結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯し、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する、
顔認証装置の制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
人を撮影して第1画像を生成する手順、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記人を再度撮影して第2画像を生成する手順、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行する手順、
前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得する手順、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する手順、を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムにおいて、
前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証を行う手順、をコンピュータに実行させ、
前記基準は、前記顔認証を行う際に、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、プログラム。
【請求項13】
請求項11または12に記載のプログラムにおいて、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項11から13のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
さらに、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行う手順、
前記判定を行う手順は、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とする手順、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とする手順、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とする手順、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とする手順、を含み、
前記判定の結果に基づいて、前記照明の強度を制御する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムにおいて、
前記判定の結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯する手順、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定する手順、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定する手順、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
顔認証装置と、
画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
人を撮影して第1画像を生成する画像生成手段と、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記画像生成手段に、前記人を再度撮影して第2画像を生成させる制御手段と、
前記第1画像または前記第2画像を用いて前記顔認証装置に顔認証を実行させる顔認証処理手段と、を備え、
前記画像処理装置の前記顔認証処理手段は、前記顔認証装置から、前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得し、
前記画像処理装置の前記制御手段は、取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する、顔認証システム。
【請求項17】
請求項16に記載の顔認証システムにおいて、
前記画像処理装置の前記顔認証処理手段は、前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証装置に前記顔認証を行わせ、
前記基準は、前記顔認証装置において、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、顔認証システム。
【請求項18】
請求16または17に記載の顔認証システムにおいて、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記画像処理装置の前記制御手段は、前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する、顔認証システム。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか一項に記載の顔認証システムにおいて、
前記画像処理装置は、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行う判定手段をさらに備え、
前記画像処理装置の前記判定手段は、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とし、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とし、
前記画像処理装置の前記制御手段は、前記画像処理装置の前記判定手段による判定結果に基づいて、前記照明の強度を制御する、顔認証システム。
【請求項20】
請求項19に記載の顔認証システムにおいて、
前記画像処理装置の前記制御手段は、前記判定結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯し、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する、
顔認証システム。
【請求項21】
請求項1から5のいずれか一項に記載の顔認証装置がゲートを通過する人を撮影して生成された第1画像または第2画像を用いて顔認証を実行した顔認証結果を用いて、前記人が通過する前記ゲートの開閉を制御するゲート開閉制御手段を備える顔認証ゲート装置。
【請求項22】
顔認証ゲート装置が、
請求項1から5のいずれか一項に記載の顔認証装置がゲートを通過する人を撮影して生成された第1画像または第2画像を用いて顔認証を実行した顔認証結果を用いて、前記人が通過する前記ゲートの開閉を制御する、顔認証ゲート装置の制御方法。
【請求項23】
コンピュータに、
請求項1から5のいずれか一項に記載の顔認証装置がゲートを通過する人を撮影して生成された第1画像または第2画像を用いて顔認証を実行した顔認証結果を用いて、前記人が通過する前記ゲートの開閉を制御する手順、を実行させるためのプログラム。
【請求項24】
顔認証装置と、
顔認証ゲート装置と、を備え、
前記顔認証ゲート装置は、
人を撮影して第1画像を生成する画像生成手段と、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記画像生成手段に、前記人を再度撮影して第2画像を生成させる制御手段と、
前記第1画像または前記第2画像を用いて前記顔認証装置に顔認証を実行させる顔認証処理手段と、
前記顔認証装置によりゲートを通過する人を撮影して生成された前記第1画像または前記第2画像を用いて前記顔認証を実行した顔認証結果を用いて、前記人が通過する前記ゲートの開閉を制御するゲート開閉制御手段と、を備え、
前記顔認ゲート装置の前記顔認証処理手段は、前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得し、
前記顔認ゲート装置の前記制御手段は、取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する、顔認証ゲートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔認証装置、その制御方法、およびプログラム、ならびに、顔認証ゲート装置、その制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像認識技術の進歩により、近年、セキュリティ管理が必要な施設などに出入りする際に、人物の顔画像を用いた認証装置の実用化が進み、その認識精度を向上させるための技術が様々提案されている。
【0003】
特許文献1には、顔と周辺環境の明るさをもとに逆光シーンを判断し、シーンの判定結果をもとにストロボ制御やLED(Light Emitting Diode)照明の制御、カメラのパラメータ制御、および画像補正を行うことが記載されている。
【0004】
特許文献2には、移動する人物が通過するゲートにおいて、周辺の環境情報をもとにカメラのパラメータを制御することで、認証に適した歩行者の顔を選択することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-35480号公報
【文献】特開2007-148988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献では、顔認証性能を向上させるために、周辺環境をもとカメラのパラメータを設定されている。このようにカメラのパラメータの設定により周辺環境に対応させようとした場合、カメラによってはパラメータの制御、例えば、シャッタスピードや絞りの変更が、歩く人のスピードに対して時間がかかることがある。
【0007】
本発明の目的は、カメラで顔認証に適した顔画像を撮像して認証精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
【0009】
第一の側面は、顔認証装置に関する。
第一の側面に係る顔認証装置は、
人を撮影して第1画像を生成する画像生成手段と、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記画像生成手段に、前記人を再度撮影して第2画像を生成させる制御手段と、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行する顔認証手段と、を有する。
【0010】
第二の側面は、少なくとも1つのコンピュータにより実行される顔認証装置の制御方法に関する。
第二の側面に係る顔認証装置の制御方法は、
顔認証装置が、
人を撮影して第1画像を生成し、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記人を再度撮影して第2画像を生成し、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行する、ことを含む。
【0011】
第三の側面は、顔認証ゲート装置に関する。
第三の側面の顔認証ゲート装置は、上記第一の側面の顔認証装置がゲートを通過する人を撮影して生成された第1画像または第2画像を用いて顔認証を実行した顔認証結果を用いて、前記人が通過する前記ゲートの開閉を制御するゲート開閉制御手段を有する。
【0012】
第四の側面は、少なくとも1つのコンピュータにより実行される顔認証ゲート装置の制御方法に関する。
第四の側面に係る顔認証ゲート装置の制御方法は、
顔認証ゲート装置が、上記第一の側面の顔認証装置がゲートを通過する人を撮影して生成された第1画像または第2画像を用いて顔認証を実行した顔認証結果を用いて、前記人が通過する前記ゲートの開閉を制御することを含む。
【0013】
なお、本発明の他の側面としては、上記第二の側面または第四の側面の方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
このコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、顔認証装置または顔認証ゲート装置上で、その制御方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0015】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0016】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0017】
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、カメラで顔認証に適した顔画像を撮像して認証精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0020】
図1】実施形態に係る顔認証ゲートシステムの概念的な構成例を示す図である。
図2】顔認証ゲートシステムを上方から見た平面図である。
図3】カメラユニットの一例を示す正面図である。
図4】実施形態に係る顔認証装置の機能構成例を示す図である。
図5】実施形態に係る顔認証装置を実現するコンピュータのハードウエア構成を例示するブロック図である。
図6】実施形態に係る顔認証装置の動作例を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係る顔認証ゲート装置の機能構成例を示す図である。
図8】実施形態に係る顔認証ゲート装置のゲート開閉制御部の動作例を示すフローチャートである。
図9】実施形態に係る顔認証ゲート装置の機能構成例を示す図である。
図10】実施形態に係る顔認証ゲート装置のLED照明部の制御方法を説明するための図である。
図11】実施形態に係る顔認証ゲート装置のLED照明部の制御方法を説明するための図である。
図12】実施形態に係る顔認証ゲートシステムの概念的な構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0022】
実施形態において「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0023】
(第1実施形態)
<システム構成>
図1は、実施形態に係る顔認証ゲートシステム1の概念的な構成例を示す図である。
顔認証ゲートシステム1は、顔認証装置10(図1には図示されない)と、筐体14と、カメラユニット20と、を含む。
【0024】
顔認証装置10は、予め登録されている人物の顔画像の特徴量と、人物の顔画像から抽出された特徴量とを照合することで当該人物の認証処理を行う。ただし、顔認証装置10が行う人物の認証処理は、顔の特徴量を用いた顔照合以外に、虹彩の特徴量を用いた照合により行われてもよい。人物の顔および虹彩の少なくとも一方の特徴量の情報は、例えば、本システム(または、例えば、空港の搭乗手続きシステム等の既設のシステム)の利用登録を事前に行い、利用者の識別情報に紐付けられてデータベース(不図示)等に登録されている。あるいは、ブラックリストまたはホワイトリスト等に含まれている人物の顔および虹彩の少なくとも一方の特徴量がデータベースに登録されていてもよい。
【0025】
顔認証装置10は、後述するようにコンピュータにより実現されるが、顔認証処理機能については、顔認証装置10とは別体のコンピュータ、例えば、クラウドサーバによって実現されてもよい。その場合、顔認証装置10は、画像処理装置(不図示)として機能する。また、顔認証装置10または画像処理装置を実現するコンピュータは、カメラユニット20の筐体内に含まれてもよいし、カメラユニット20と別体であってもよい。
【0026】
本実施形態の顔認証ゲートシステム1の顔認証装置10(筐体14、カメラユニット20を含む)は、例えば、空港の搭乗口などに設置される。入退場する人を管理する部屋への入退場口に設置されてもよい。あるいは、店舗などにおいて、キャッシュレス決済する決済端末と組み合わせ決済端末のゲートとして設置することもできる。あるいは、無人状態の店舗の出入口のゲートとして設置されてもよい。その他にも、顔認証装置10の設置場所による光環境の変化や時間帯による外光の変化による光環境の変化が生じるケースにおいて、顔認証装置10を適用することができる。
【0027】
図2は、顔認証ゲートシステム1を上方から見た平面図である。筐体14は、所定の高さを有し、人が通る通路12に沿って所定の距離にわたって延在する。通路12の両側に2つの筐体14が所定の距離の間隔を空けて通路12に沿って並べて設置されている。好ましくは2つの筐体14は平行に設置される。
【0028】
通路12の入口12a側は開放されている。通路12の出口12b側には開閉フラップ扉16が開閉可能に設けられている。この図の例では、2つの開閉フラップ扉16が設けられ、それぞれが一端で筐体14に回転可能に設置される。他の例では、1つの開閉フラップ扉16がいずれか一方の筐体14の一端側に回転可能に設置されてもよい。この例では、開閉フラップ扉16が開いたときに、筐体14の出口側の一端面14aより開閉フラップ扉16の一端面16aおよび16bが飛び出ないように開閉フラップ扉16は筐体14の出口12b側の一端面14aと面一に、または一端面14aより内側に設置されている。
【0029】
開閉フラップ扉16の開閉制御は、例えば、顔認証装置10の認証結果に応じて行われる。開閉フラップ扉16は、通常位置が、開位置のケースと、閉位置のケースがある。通常位置が開位置の場合、人の顔認証装置10による顔認証に成功した場合、開閉フラップ扉16の開閉制御を行われず、人が通路12を通れるように開位置のままとなる。顔認証に失敗した場合、人は通路12が通過できないように開閉制御が行われ、開閉フラップ扉16は開位置から閉位置に変更される。
【0030】
通常位置が閉位置の場合、顔認証に成功した場合、人が通路12を通れるように開閉制御が行われ、開閉フラップ扉16は閉位置から開位置に変更される。顔認証に失敗した場合、開閉フラップ扉16の開閉制御は行われず、人が通路12を通過できないように閉位置のままとなる。
【0031】
図3は、カメラユニット20の一例を示す正面図である。
カメラユニット20の前面には、表示部7と、表示部7の上下にそれぞれカメラ5が設けられている。さらに、表示部7およびカメラ5の両脇には、LED照明部26がそれぞれカメラユニット20の高さ方向に延在して並んでいる。この例では、2つのLED照明部26は、平行に配置されている。また、後述するように、LED照明部26は複数のLCD(Liquid Crystal Display)からなり、制御部104によって点灯されるLEDと、LEDの照度などが制御できるようになっている。
【0032】
カメラ5は、レンズとCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサといった撮像素子を備える。カメラ5は、たとえば、無線LAN(Local Area Network)通信機能を有し、通信ネットワークのルータなどの中継装置(不図示)を介して顔認証装置10に接続されてもよい。ただし、カメラ5は、顔認証装置10に有線接続されてもよい。そして、カメラ5は、撮像対象となる人物の動きに合わせて追従してカメラ本体やレンズの向きの制御、ズーム制御、焦点合わせ等を行う機構を備えてもよい。表示部7は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。
【0033】
カメラ5により生成される画像は、リアルタイムに撮影され、顔認証装置10に送信されるのが好ましい。ただし、顔認証装置10に送信される画像は、カメラ5から直接送信されなくてもよく、所定の時間遅延した画像であってもよい。カメラ5で撮像された画像は、一旦他の記憶装置に格納され、顔認証装置10が記憶装置から逐次または所定間隔毎に読み出してもよい。さらに、顔認証装置10に送信される画像は、動画像であるのが好ましいが、所定間隔毎のフレーム画像であってもよいし、静止画であってもよい。
【0034】
<機能構成例>
図4は、本実施形態に係る顔認証装置10の機能構成例を示す図である。
顔認証装置10は、画像生成部102と、制御部104と、顔認証部52と、を備えている。
画像生成部102は、人を撮影して第1画像を生成する。画像生成部102は、カメラ5を用いて通路12を通りゲートを通過する人の顔を撮影して第1画像を生成する。制御部104は、第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、LED照明部26を制御する。さらに、制御部104は、画像生成部102に人を再度撮影させて第2画像を生成させる。顔認証部52は、第1画像または第2画像を用いて顔認証を実行する。
【0035】
<ハードウェア構成例>
図5は、顔認証装置10を実現するコンピュータ1000のハードウエア構成を例示するブロック図である。
コンピュータ1000は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0036】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0037】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0038】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0039】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は顔認証装置10の各機能(例えば、画像生成部102、制御部104、顔認証部52、ならびに、後述する顔認証ゲート装置100の顔認証処理部106、ゲート開閉制御部108、判定部110等)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は各種記憶部としても機能する。
【0040】
入出力インタフェース1050は、顔認証装置10と各種入出力機器(例えば表示部7、カメラ5、LED照明部26など)とを接続するためのインタフェースである。
【0041】
ネットワークインタフェース1060は、顔認証装置10を通信ネットワーク3上の他の装置に接続するためのインタフェースである。ただしネットワークインタフェース1060は用いられないことも有る。
【0042】
<動作例>
図6は、本実施形態の顔認証装置10の動作例を示すフローチャートである。
まず、画像生成部102は、ゲートを通過するために通路12を歩いている人をカメラ5を用いて撮影して第1画像を生成する(ステップS101)。図2に示すように、筐体14の入口側12aには進入センサ18が設けられている。進入センサ18は、例えば、赤外線センサなどある。進入センサ18により通路12内への人の進入が検知されると、本フローは開始されてよい。ただし、カメラ5による撮影は常時行われていてもよいし、必要なタイミングで撮影が行われていてもよい。
【0043】
次に、制御部104は、ステップS101で生成された第1画像が、顔認証部52による顔照合のための基準を満たしているか否かを判定する(ステップS103)。ここで、顔照合のための基準とは、顔認証部52において第1画像から検出された人の顔の色情報が、高い信頼性をもって顔照合を行えるか否かを判断するための条件である。
【0044】
顔の色情報とは、顔の全体もしくは顔の一部の画像領域に属する画素の輝度値であってもよい。顔の画像領域に属する全画素について輝度ヒストグラムを描いたときに、輝度の最高値に一定数以上の画素が集中する場合、顔が明るすぎる(白飛びしている)ために照合には適さない画像と判定(つまり、当該画像は顔照合の基準を満たさないと判定)してもよい。あるいは、輝度の最低値に一定数以上の画素が集中する場合、顔が暗すぎる(つまり、顔の画像領域が黒つぶれしている)ため照合に適さない画像と判定(つまり、当該画像は顔照合の基準を満たさないと判定)してもよい。
【0045】
あるいは、顔の右半分に属する画素の輝度平均値に対する、左半分に属する画素の輝度平均値の比(あるいは、顔の左半分に属する画素の輝度平均値に対する、右半分に属する画素の輝度平均値の比)が、予め定めた値よりも大きいときに、一方の側面が明るすぎるもしくは暗すぎる(斜光になっている)ため照合に適さない画像と判定(つまり、当該画像は顔照合の基準を満たさないと判定)してもよい。
【0046】
さらに、制御部104は、第1画像が顔照合のための基準を満たしていないと判定された場合(ステップS103のNO)、LED照明部26を制御する(ステップS105)。そして、制御部104は、画像生成部102に再度、人を撮影させて第2画像を生成させ(ステップS107)。一方、制御部104は、第1画像が顔照合のための基準を満たしていると判定された場合(ステップS103のYES)、ステップS105~ステップS107はバイパスされる。
【0047】
そして、顔認証部52は、第1画像または第2画像を用いて顔認証処理を実行する(ステップS109)。ここで、顔認証部52は、第1画像が基準を満たしていると判定された場合は(ステップS103のYES)、顔認証処理に第1画像を用いる。一方、顔認証部52は、第1画像が基準を満たしていないと判定された場合は(ステップS103のNO)は、ステップS107で生成された第2画像を顔認証処理に用いる。顔認証部52は、第1画像または第2画像から人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して顔認証を行う。
【0048】
本実施形態によれば、1画像が顔照合のための基準を満たしていないと判定された場合に、制御部104により顔照合のための基準を満たすようにLED照明部26が制御される。その上で、再度、人を撮影して第2画像を生成させ、顔認証部52により顔認証を実行することができる。
【0049】
顔認証を行うためのゲートを導入する場合、特に既存の施設では、もともと撮影を行うことを想定していないためにカメラの設置場所の環境が撮影に向いていないこともある。例えば、窓に面した場所であったり、照明の位置が適切でなかったりして、暗所、逆光、斜光など光環境が不適当な場合があった。そのため、顔画像認証に適した顔画像の取得が困難な場合があった。その場合は、顔認証精度が低下してしまう。
【0050】
本実施形態の構成によれば、顔照合のための基準を満たしていない第1画像を用いて顔認証を行うのではなく、顔照合のための基準を満たすように照明を制御した上で撮影した第2画像を用いて顔認証処理を行うことができるので、顔認証処理に適した画像を用いて顔認証処理を行うことができる。よって認識精度が向上する。上記のような設置場所による光環境や時間帯による外光の変化による光環境の変化にも対応できる。
【0051】
(第2実施形態)
図7は、本実施形態の顔認証ゲート装置100の機能構成例を示す図である。本実施形態の顔認証ゲート装置100は、顔認証の結果に基づいて、ゲートの開閉を制御する構成を有する点以外は、上記実施形態と同様である。また、本実施形態の顔認証ゲート装置100の各機能も上記した図5のコンピュータ1000によって実現される。
【0052】
図12に示すように、本実施形態では、顔認証部52は、顔認証ゲート装置100と別体の顔認証装置50であり、例えば、通信ネットワーク3を介して接続されるクラウドサーバ上で動作する顔認証装置50であってよい。
【0053】
図7の顔認証ゲート装置100は、図4の顔認証装置10と同じ画像生成部102と、制御部104と、を有するとともに、さらに、顔認証処理部106と、ゲート開閉制御部108と、を有する。
【0054】
画像生成部102は、ゲートを通過する人を撮影して第1画像または第2画像を生成する。顔認証処理部106は、上記実施形態の顔認証部52に替えて、顔認証装置50に第1画像または第2画像を用いて顔認証を実行させる。ゲート開閉制御部108は、顔認証装置50による顔認証結果を用いて、人が通過するゲート(開閉フラップ扉16)の開閉を制御する。
【0055】
図8は、本実施形態のゲート開閉制御部108の動作例を示すフローチャートである。ステップS109で顔認証装置50による顔認証処理が行われた後、ゲート開閉制御部108は、顔認証結果に基づいて、顔認証に成功したか否かを判定する(ステップS201)。顔認証に成功した場合(ステップS201のYES)、ゲート開閉制御部108は、開閉フラップ扉16を開位置に制御して開く(ステップS203)。一方、顔認証に失敗した場合(ステップS201のNO)、ステップS203はバイパスして処理を終了する。つまり、開閉フラップ扉16は閉位置のままとなる。
【0056】
この例では、開閉フラップ扉16は通常閉位置にある場合を例に説明した。開閉フラップ扉16は通常開位置にある場合には、ステップS201で顔認証に成功した場合には、開閉フラップ扉16は開位置のままとなる。ステップS201で顔認証に失敗した場合に、ゲート開閉制御部108は、開閉フラップ扉16を閉位置に制御してゲートを閉じる。
【0057】
以上、本実施形態によれば、精度のよい顔認証の結果に基づいて、ゲート開閉制御部108によりゲートの開閉制御を行える。このため、顔認証に適していない顔画像を用いて顔認証を行った結果、認証に失敗してしまう確率が減る。顔認証に適した顔画像を用いて顔認証を行うことができるので、認証失敗の回数の減少によりゲートで足止めに合う確率も減り、ゲートをスムーズに通過できるようになり混雑も緩和できる。さらに、認証に失敗した際に係り員の確認が必要な場合などには、係り員の確認回数が減るため、人件費の削減にもつながる。
【0058】
(第3実施形態)
図9は、本実施形態の顔認証ゲート装置100の機能構成例を示す図である。本実施形態の顔認証ゲート装置100は、認証対象者の撮影タイミング時の周辺環境に基づいて、LED照明部26を制御する構成を有する点以外は上記第1実施形態および第2実施形態の少なくとも一方と同様である。図9の顔認証ゲート装置100は、図7の第2実施形態の顔認証ゲート装置100と同様な構成を有するとともに、さらに、判定部110を有している。ただし、本実施形態の判定部110は、図4の顔認証装置10の構成に組み合わせることもできる。
【0059】
図10は、本実施形態のLED照明部26の制御方法を説明するための図である。
LED照明部26は、高さ方向hに並ぶ複数の光源(例えば、LED)を有している。制御部104は、人の顔の位置30に応じて、複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する。
【0060】
LED照明部26は、上下方向において光源が複数の部分28に物理的または電気的に分割されており、これら複数の部分28は個別に制御可能である。
図10の例では、LED照明部26は、例えば、3つの部分28a、28b、28cに分けて制御される。認証対象者の顔の位置にある部分のLED照明部26を特定して点灯している。図10の例では、点灯している部分28は実線で示され、消灯している部分28は破線で示されている。ただし、図10では、図3の表示部7の両側2つのLED照明部26のうちの一方のLED照明部26のみを示している。例えば、図10(a)の例では、認証対象者の顔の位置30に対応する部分28bのLED照明部26が点灯するように制御部104により制御されている。図10(b)の例では、認証対象者の顔の位置30に対応する部分28aと部分28bのLED照明部26が点灯するように制御部104により制御されている。
【0061】
図10(a)の例では、LED照明部26の部分28aのみが人の顔の位置30に対応してるが、図10(b)のように、LED照明部26の2つの部分に人の顔の位置30が跨がって対応している場合、LED照明部26の2つの部分28aおよび部分28bの両方が点灯される。人の顔の位置30と点灯制御する部分28の決定方法は様々考えられ、以下に例示されるが、これらに限定されない。
【0062】
例えば、少なくとも顔検出された人の目の位置の高さのLED照明部26の部分28を点灯する対象として選択する。さらに、LED照明部26の部分28の上下方向の中心から80%の範囲を外れた範囲(上部の10%と下部の10%)に人の目の高さが入っている場合には、当該範囲に隣接する他の部分28も点灯する対象として選択してもよい。
【0063】
あるいは、認証対象者の顔とLED照明部26との距離に応じて強度を調整してもよい。例えば、認証対象者の顔がLED照明部26に近づくほど、顔の白飛びが発生したり、眩しくて目を細めたり瞬きが増える(目を閉じると顔照合には不適切)ため、そのリスクを抑えるために、LED照明部26の強度を下げてもよい。また認証対象者の顔がLED照明部26から離れている程、光が届きにくいためLED照明部26の強度を強くてもよい。
【0064】
さらに、顔認証処理部106は、人の顔の色情報と周辺環境の色情報を顔認証装置50から取得する。そして、制御部104は、取得した人の顔の色情報と周辺環境の色情報を用いてLED照明部26を制御する。
【0065】
本実施形態では、人の顔の色情報と周辺環境の色情報を顔認証装置50から取得できるように、カメラ5を用いて、認識対象の人と、その周辺(例えば、背景や人の両側の空間)が含まれるように画角を調整して撮像する。あるいは、他の例として、判定部110において、光環境の判定には、色情報に加えて、ゲート内およびゲートの周辺に設置した照度計(不図示)の観測値を元に判定してもよい。
【0066】
判定部110は、取得した人の顔の色情報と周辺環境の色情報との差異に基づいて、以下の光環境の判定を行う。
(a1)顔の輝度が一定値以上、かつ、顔と周辺環境の輝度差分が小の場合、光環境は順光とする。
(a2)顔の輝度が一定値未満、かつ、顔と周辺環境の輝度差分が小の場合、光環境は暗所とする。
(a3)顔の輝度が一定値未満、かつ、顔と周辺環境の輝度差分が大の場合、光環境は逆光とする。
(a4)顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、顔と周辺環境の輝度差分が小の場合、光環境は斜光とする。
制御部104は、判定部110による判定結果に基づいて、LED照明部26の強度を制御する。
【0067】
制御部104は、判定部110の上記の判定結果に基づいて、例えば以下のようにLED照明部26の強度を制御する。
(b1)光環境は順光の場合、照明をすべて消灯する。
(b2)光環境は暗所の場合、照明を点灯し、顔の輝度が一定値以上になるように、照明の強度を設定する。
(b3)光環境は逆光の場合、照明を点灯し、顔の輝度が一定値以上になるように、照明の強度を設定する。
(b4)光環境は斜光の場合、照明を点灯し、顔の輝度が一定値以上になるように、かつ一様になるように照明の強度を設定する。
【0068】
ここで、LED照明部26の強度の設定について説明する。
LEDが消灯しているときの顔と周辺環境の輝度差分に対するLEDの最適値を予め記憶装置(不図示)に登録しておく。LED照明部26の各LEDの強度は、この登録されているLEDの最適値に基づいて設定することができる。あるいは、LEDの強度を規定量だけ変更後、再度カメラ5により撮影を行い、生成された顔画像の顔の色情報が適正でない場合には再度LEDの強度を変更してもよい。これらの処理を繰り返すことで最適化してもよい。
【0069】
また、LEDの強度が、目視に耐えられる範囲で、かつ、顔を白飛びさせない範囲に設定されるように、上限値を設けてもよい。
斜光については、顔の暗い部分を中心に明るくするために、LED照明部26の中の複数のLEDのうちの一部のみを点灯させてもよい。
【0070】
周辺の光環境がLEDで補正できる限界を超える場合には、制御部104は、顔認証ゲート装置100の周辺のカーテンやブラインドの降下、および天井灯の点灯等を指示する、もしくは自動制御する機構を備えてもよい。あるいは、制御部104は、カメラ5のパラメータの制御(露出制御など)を併せて実施してもよい。
【0071】
本実施形態によれば、上記実施形態と同様な効果が得られる。
【0072】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0073】
例えば、図3の表示部7およびカメラ5の両脇には、LED照明部26がそれぞれカメラユニット20の高さ方向に延在して並んでいる。この構成以外にも、LED照明部26は、表示部7およびカメラ5の少なくともいずれか一つを囲むように配置されていてもよい。あるいは、水平方向に複数の光源が並べられた光源群を複数高さ方向に間隔を空けて配置してもよい。例えば、光源群は、各カメラ5の上下にそれぞれ配置されてもよい。
【0074】
図11に示すように、表示部7の外枠にカメラ5が設けられてもよい。この例では、カメラ5が外枠に設けられた表示部7の周囲にLED照明部26が配置されている。表示部7は、例えば、カメラ5を備えたタブレット端末を用いてもよい。
【0075】
さらに、図10では、高さ方向に配置されたLED照明部26の各部分を点灯または消灯することで光の照射位置を制御していた。他の例では、図11に示すように、カメラユニット20、またはカメラ5と光源(カメラ5の周囲に配置されたLED)の高さを上下させるように移動制御してもよい。例えば、顔認証装置50は、認証対象者の顔の位置に合わせてカメラユニット20、またはカメラ5と光源(カメラ5の周囲に配置されたLED)の高さを追従させて上下させるように移動制御する移動制御部60をさらに備えてもよい。図11では、高さh1(図11(a))と高さh2(図11(b))にカメラ5の位置が移動している例を示している。
【0076】
さらに、図10で説明したLED照明部26の部分的な点灯/消灯による制御と、第3実施形態のLED照明部26の強度の制御とを組み合わせてもよい。例えば、LED照明部26は、少なくとも一部の光源または光源全体の明るさを明るくしたり暗くしたりする制御を行ってもよい。
【0077】
さらに、カメラユニット20の前面の、表示部7とカメラ5を覆う位置にハーフミラーを設けてもよい。ただし、ハーフミラーは、表示部7とカメラ5の前面(人物側)の少なくとも一部を覆う構成でもよい。この構成では、カメラユニット20に対面する人物の姿がハーフミラーに映されるので、人物は自然に鏡に映る自分の姿に視線を向けやすくなるため、ハーフミラーの背後にあるカメラ5に顔が向くことになり、カメラ5によりハーフミラー越しに当該人物の顔を撮影できる。また、表示部7に表示される画面は、ハーフミラーを通じて当該人物に見せることができる。
【0078】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
なお、本発明において利用者に関する情報を取得、利用する場合は、これを適法に行うものとする。
【0079】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 人を撮影して第1画像を生成する画像生成手段と、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記画像生成手段に、前記人を再度撮影して第2画像を生成させる制御手段と、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行する顔認証手段と、
を備える顔認証装置。
2. 1.に記載の顔認証装置において、
前記顔認証手段は、前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証を行い、
前記基準は、前記顔認証手段において、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、顔認証装置。
3. 1.または2.に記載の顔認証装置において、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記制御手段は、前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する、顔認証装置。
4. 1.から3.のいずれか一つに記載の顔認証装置において、
前記顔認証手段は、前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得し、
前記制御手段は、取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する、顔認証装置。
5. 4.に記載の顔認証装置において、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行う判定手段をさらに備え、
前記判定手段は、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とし、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とし、
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記照明の強度を制御する、顔認証装置。
6. 5.に記載の顔認証装置において、
前記制御手段は、前記判定結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯し、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する、
顔認証装置。
【0080】
7. 顔認証装置が、
人を撮影して第1画像を生成し、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記人を再度撮影して第2画像を生成し、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行する、
顔認証装置の制御方法。
8. 7.に記載の顔認証装置の制御方法において、
前記顔認証装置が、
前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証を行い、
前記基準は、前記顔認証を行う際に、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、顔認証装置の制御方法。
9. 7.または8.に記載の顔認証装置の制御方法において、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記顔認証装置が、
前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する、顔認証装置の制御方法。
10. 7.から9.のいずれか一つに記載の顔認証装置の制御方法において、
前記顔認証装置が、
前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得し、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する、顔認証装置の制御方法。
11. 10.に記載の顔認証装置の制御方法において、
前記顔認証装置が、さらに、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行い、
前記判定では、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とし、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とし、
前記判定の結果に基づいて、前記照明の強度を制御する、顔認証装置の制御方法。
12. 11.に記載の顔認証装置の制御方法において、
前記顔認証装置が、
前記判定の結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯し、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する、
顔認証装置の制御方法。
【0081】
13. コンピュータに、
人を撮影して第1画像を生成する手順、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記人を再度撮影して第2画像を生成する手順、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行する手順、を実行させるためのプログラム。
14. 13.に記載のプログラムにおいて、
前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証を行う手順、をコンピュータに実行させ、
前記基準は、前記顔認証を行う際に、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、プログラム。
15. 13.または14.に記載のプログラムにおいて、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
16. 13.から15.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得する手順、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
17. 16.に記載のプログラムにおいて、
さらに、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行う手順、
前記判定を行う手順は、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とする手順、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とする手順、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とする手順、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とする手順、を含み、
前記判定の結果に基づいて、前記照明の強度を制御する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
18. 17.に記載のプログラムにおいて、
前記判定の結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯する手順、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定する手順、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定する手順、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0082】
19. 顔認証装置と、
画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
人を撮影して第1画像を生成する画像生成手段と、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記画像生成手段に、前記人を再度撮影して第2画像を生成させる制御手段と、
前記第1画像または前記第2画像を用いて前記顔認証装置に顔認証を実行させる顔認証処理手段と、を備える、顔認証システム。
20. 19.に記載の顔認証システムにおいて、
前記画像処理装置の前記顔認証処理手段は、前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証装置に前記顔認証を行わせ、
前記基準は、前記顔認証装置において、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、顔認証システム。
21. 19.または20.に記載の顔認証システムにおいて、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記画像処理装置の前記制御手段は、前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する、顔認証システム。
22. 19.から21.のいずれか一つに記載の顔認証システムにおいて、
前記画像処理装置の前記顔認証処理手段は、前記顔認証装置から、前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得し、
前記画像処理装置の前記制御手段は、取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する、顔認証システム。
23. 22.に記載の顔認証システムにおいて、
前記画像処理装置は、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行う判定手段をさらに備え、
前記画像処理装置の前記判定手段は、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とし、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とし、
前記画像処理装置の前記制御手段は、前記画像処理装置の前記判定手段による判定結果に基づいて、前記照明の強度を制御する、顔認証システム。
24. 23.に記載の顔認証システムにおいて、
前記画像処理装置の前記制御手段は、前記判定結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯し、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する、
顔認証システム。
【0083】
25. 1.から6.のいずれか一つに記載の顔認証装置がゲートを通過する人を撮影して生成された第1画像または第2画像を用いて顔認証を実行した顔認証結果を用いて、前記人が通過する前記ゲートの開閉を制御するゲート開閉制御手段を備える顔認証ゲート装置。
26. 人を撮影して第1画像を生成する画像生成手段と、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記画像生成手段に、前記人を再度撮影して第2画像を生成させる制御手段と、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行する顔認証手段と、
前記顔認証手段による前記顔認証の結果を用いて、前記人が通過するートの開閉を制御するゲート開閉制御手段と、
を備える顔認証ゲート装置。
27. 26.に記載の顔認証ゲート装置において、
前記顔認証手段は、前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証を行い、
前記基準は、前記顔認証手段において、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、顔認証ゲート装置。
28. 26.または27.に記載の顔認証ゲート装置において、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記制御手段は、前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する、顔認証ゲート装置。
29. 26.から28.のいずれか一つに記載の顔認証ゲート装置において、
前記顔認証手段は、前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得し、
前記制御手段は、取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する、顔認証ゲート装置。
30. 29.に記載の顔認証ゲート装置において、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行う判定手段をさらに備え、
前記判定手段は、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とし、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とし、
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記照明の強度を制御する、顔認証ゲート装置。
31. 30.に記載の顔認証ゲート装置において、
前記制御手段は、前記判定結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯し、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する、
顔認証ゲート装置。
【0084】
32. 顔認証ゲート装置が、
1.から6.のいずれか一つに記載の顔認証装置がゲートを通過する人を撮影して生成された第1画像または第2画像を用いて顔認証を実行した顔認証結果を用いて、前記人が通過する前記ゲートの開閉を制御する、顔認証ゲート装置の制御方法。
33. 顔認証ゲート装置が、
人を撮影して第1画像を生成し、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記人を再度撮影して第2画像を生成し、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行し、
前記顔認証の結果を用いて、前記人が通過するートの開閉を制御する、
顔認証ゲート装置の制御方法。
34. 33.に記載の顔認証ゲート装置の制御方法において、
前記顔認証ゲート装置が、
前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証を行い、
前記基準は、前記顔認証を行う際に、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、顔認証ゲート装置の制御方法。
35. 33.または34.に記載の顔認証ゲート装置の制御方法において、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記顔認証ゲート装置が、
前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する、顔認証ゲート装置の制御方法。
36. 33.から35.のいずれか一つに記載の顔認証ゲート装置の制御方法において、
前記顔認証ゲート装置が、
前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得し、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する、顔認証ゲート装置の制御方法。
37. 36.に記載の顔認証ゲート装置の制御方法において、
前記顔認証ゲート装置が、さらに、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行い、
前記判定では、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とし、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とし、
前記判定の結果に基づいて、前記照明の強度を制御する、顔認証ゲート装置の制御方法。
38. 37.に記載の顔認証ゲート装置の制御方法において、
前記顔認証ゲート装置が、
前記判定の結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯し、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する、
顔認証ゲート装置の制御方法。
【0085】
39. コンピュータに、
1.から6.のいずれか一つに記載の顔認証装置がゲートを通過する人を撮影して生成された第1画像または第2画像を用いて顔認証を実行した顔認証結果を用いて、前記人が通過する前記ゲートの開閉を制御する手順、を実行させるためのプログラム。
40. コンピュータに、
人を撮影して第1画像を生成する手順、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記人を再度撮影して第2画像を生成する手順、
前記第1画像または前記第2画像を用いて顔認証を実行する手順、
前記顔認証の結果を用いて、前記人が通過するートの開閉を制御する手順、を実行させるためのプログラム。
41. 40.に記載のプログラムにおいて、
前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証を行う手順、をコンピュータに実行させ、
前記基準は、前記顔認証を行う際に、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、プログラム。
42. 40.または41.に記載のプログラムにおいて、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
43. 40.から42.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得する手順、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
44. 43.に記載のプログラムにおいて、
さらに、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行う手順、
前記判定を行う手順は、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とする手順、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とする手順、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とする手順、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とする手順、を含み、
前記判定の結果に基づいて、前記照明の強度を制御する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
45. 44.に記載のプログラムにおいて、
前記判定の結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯する手順、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定する手順、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定する手順、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0086】
46. 顔認証装置と、
顔認証ゲート装置と、を備え、
前記顔認証ゲート装置は、
人を撮影して第1画像を生成する画像生成手段と、
前記第1画像が顔照合のための基準を満たさなかったときに、照明を制御するとともに、前記画像生成手段に、前記人を再度撮影して第2画像を生成させる制御手段と、
前記第1画像または前記第2画像を用いて前記顔認証装置に顔認証を実行させる顔認証処理手段と、
前記顔認証装置によりゲートを通過する人を撮影して生成された前記第1画像または前記第2画像を用いて前記顔認証を実行した顔認証結果を用いて、前記人が通過する前記ゲートの開閉を制御するゲート開閉制御手段と、を備える、顔認証ゲートシステム。
47. 46.に記載の顔認証システムにおいて、
前記顔認証ゲート装置の前記顔認証処理手段は、前記第1画像または前記第2画像から前記人の顔を検出し、当該人の顔の特徴量を特定して前記顔認証装置に前記顔認証を行わせ、
前記基準は、前記顔認証装置において、前記第1画像から検出された前記人の顔の前記特徴量が特定できることである、顔認証システム。
48. 46.または47.に記載の顔認証システムにおいて、
前記照明は高さ方向に並ぶ複数の光源を有しており、
前記顔認証ゲート装置の前記制御手段は、前記人の顔の位置に応じて、前記複数の光源の少なくとも一部の強度を制御する、顔認証システム。
49. 46.から48.のいずれか一つに記載の顔認証システムにおいて、
前記顔認証ゲート装置の前記顔認証処理手段は、前記顔認証装置から、前記人の顔の色情報と周辺環境の色情報を取得し、
前記顔認証ゲート装置の前記制御手段は、取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報を用いて前記照明を制御する、顔認証システム。
50. 49.に記載の顔認証システムにおいて、
前記顔認証ゲート装置は、
取得した前記人の顔の色情報と前記周辺環境の色情報との差異に基づいて、光環境の判定を行う判定手段をさらに備え、
前記顔認証ゲート装置の前記判定手段は、
前記顔の輝度が一定値以上、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は順光とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は暗所とし、
前記顔の輝度が一定値未満、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が大の場合、前記光環境は逆光とし、
前記顔の輝度の一部のみ輝度が高い、かつ、前記顔と前記周辺環境の輝度差分が小の場合、前記光環境は斜光とし、
前記顔認証ゲート装置の前記制御手段は、前記顔認証ゲート装置の前記判定手段による判定結果に基づいて、前記照明の強度を制御する、顔認証システム。
51. 50.に記載の顔認証システムにおいて、
前記顔認証ゲート装置の前記制御手段は、前記判定結果が、
前記光環境は前記順光の場合、前記照明をすべて消灯し、
前記光環境は前記暗所の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記逆光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、前記照明の前記強度を設定し、
前記光環境は前記斜光の場合、前記照明を点灯し、前記顔の前記輝度が前記一定値以上になるように、かつ一様になるように前記照明の前記強度を設定する、
顔認証システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12