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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】結束機
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/18 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
B65B13/18 F
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022073179
(22)【出願日】2022-04-27
(62)【分割の表示】P 2018125603の分割
【原出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2022093469
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2022-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川添 彰
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-132003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤリールを回転可能に収容するリール収容部と、
前記ワイヤリールに係合し、前記ワイヤリールの回転を制動する係合部を有したリールブレーキと、
前記リールブレーキの周囲を覆うブレーキ収容部とを備え、
前記ブレーキ収容部は、前記係合部の移動経路上に設けられ、前記リール収容部と前記ブレーキ収容部とを連通する第3開口部を有し、
前記リールブレーキは、前記係合部が前記ワイヤリールに係合する制動位置と、前記ワイヤリールと非係合となる退避位置との間を移動可能であり、
前記第3開口部には、前記リールブレーキが制動位置に移動して前記係合部が前記ワイヤリールと係合可能な状態と、前記リールブレーキが退避位置に移動して前記係合部がワイヤリールと非係合な状態で、前記第3開口部を塞ぐ遮蔽部が設けられ
前記遮蔽部は、前記第3開口部を覆う伸縮可能な封止部材で構成され、
前記リールブレーキが前記制動位置に移動すると、前記封止部材及び前記係合部が前記リール収容部内に突出して、前記ワイヤリールに係合する
結束機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鉄筋等の結束物をワイヤで結束する結束機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鉄筋の周囲にワイヤを巻き、このワイヤを捩じることで複数の鉄筋を結束する鉄筋結束機と称す結束機が提案されている。
【0003】
従来、この種の鉄筋結束機においては、ワイヤリールに巻かれたワイヤを一対の送りギアなどで構成される送り機構によって結束機本体の先端側に向けて送り出し、送り出されたワイヤを結束機本体の先端側に設けられたカールガイドによってカールさせる。このときワイヤは鉄筋の周囲を囲むようにしてカールされる。ワイヤが所定長さだけ送り出されるとワイヤ送りは停止し、その後、捩じり機構によってワイヤが捩られる。ワイヤが所定長さだけ送られると、ワイヤ送りを停止するが、ワイヤリールはワイヤ送りを停止した後でも慣性によって回り続ける。このため、鉄筋結束機には、ワイヤリールの回転を停止させるためのブレーキ機構が設けられる。
【0004】
ブレーキ機構は、ワイヤリールに係合してワイヤリールの回転を停止させるストッパレバーと、ストッパレバーを駆動するソレノイド等の駆動手段と、ストッパレバーと駆動手段とを接続するシャフト等により構成される。従来の鉄筋結束機では、ブレーキ機構のうち、ストッパレバーやシャフト等(以下単に「ストッパレバー等」という。)が、ワイヤリールが収容されるリール収容部内に露出するようにして設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-144357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リール収容部にストッパレバー等が露出した構成では、ストッパレバー等に雨水などが付着しやすく、これが錆びを発生させ、動作不良の原因にもなっていた。そこで、ストッパレバー等に雨水などが付着するのを抑制するため、ストッパレバー等の周囲を覆う壁部などで構成されるブレーキ収容部を設けることが考えられる。しかし、ブレーキ収容部を設けることで、ブレーキ収容部内にワイヤリール片などのゴミが溜まり、これがブレーキ動作に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
本開示は、このような課題を解決するためなされたもので、ストッパレバー等の周囲を覆うブレーキ収容部を設けた場合であっても、ブレーキ収容部内にゴミが侵入しないようにした結束機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、ワイヤリールを回転可能に収容するリール収容部と、ワイヤリールに係合し、ワイヤリールの回転を制動する係合部を有したリールブレーキと、リールブレーキの周囲を覆うブレーキ収容部とを備え、ブレーキ収容部は、係合部の移動経路上に設けられ、リール収容部とブレーキ収容部とを連通する第3開口部を有し、リールブレーキは、係合部がワイヤリールに係合する制動位置と、係合部がワイヤリールと非係合となる退避位置との間を移動可能であり、第3開口部には、リールブレーキが制動位置に移動して係合部がワイヤリールと係合可能な状態と、リールブレーキが退避位置に移動して係合部がワイヤリールと非係合な状態で、第3開口部を塞ぐ遮蔽部が設けられ、遮蔽部は、第3開口部を覆う伸縮可能な封止部材で構成され、リールブレーキが制動位置に移動すると、封止部材及び係合部がリール収容部内に突出して、ワイヤリールに係合する結束機である。
【0009】
本発明では、回転するワイヤリールにリールブレーキの係合部が係合することにより発生する異物等が、第3開口部からブレーキ収容部に侵入することが抑制される。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、本発明では、第3開口部からブレーキ収容部に異物が侵入することを抑制できるので、リールブレーキの作動性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す一の側面から見た全体構成図である。
図2】本実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す他の側面から見た全体構成図である。
図3】本実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す上面から見た要部構成図である。
図4】ブレーキ収容部の一例を示す要部斜視図である。
図5】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第1の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図6A】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第1の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図6B】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第1の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図7A】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第1の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図7B】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第1の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図8A】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第1の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図8B】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第1の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図9】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第1の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図10】従来の制動部を示す図である。
図11】従来の制動部を示す図である。
図12】従来の制動部を示す図である。
図13】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第2の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図14】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第2の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図15】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第2の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
図16】本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第2の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の結束機の実施の形態としての鉄筋結束機の一例について説明する。
【0013】
<本実施の形態の鉄筋結束機の構成例>
図1は、本実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す一の側面から見た全体構成図、図2は、本実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す他の側面から見た全体構成図、図3は、本実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す上面から見た要部構成図である。
【0014】
鉄筋結束機1Aは、本体部10と、本体部10に形成され、1本または複数本のワイヤが巻かれたワイヤリール20を回転可能に収容するリール収容部2Aと、リール収容部2Aに収容されたワイヤリール20に巻かれたワイヤWを送るワイヤ送り部3Aを備える。また、鉄筋結束機1Aは、ワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWをカールさせて鉄筋Sの周囲に巻くカール形成部4Aと、鉄筋Sに巻かれたワイヤWを捩じる結束部5Aと、回転しているワイヤリール20を制動し、ワイヤリール20の回転を規制する制動部6Aを備える。なお、鉄筋結束機1Aは、本体部10から突出するハンドル部10aを備え、ハンドル部10aにはトリガスイッチ10tが設けられる。以下の説明では、鉄筋結束機1Aの本体部10に対してハンドル部10aが設けられる側を下、ハンドル部10aと反対側を上とする。また、カール形成部4Aが設けられる側を前、リール収容部2Aが設けられる側を後と定義する
【0015】
まず、鉄筋結束機1Aで使用されるワイヤリール20について図1及び図3を参照して説明する。ワイヤリール20は、ワイヤWが巻き付けられる筒状のハブ部20aと、ハブ部20aの軸方向両端側に設けられる一対のフランジ部20bとを備える。フランジ部20bは、ハブ部20aの直径より大きな直径を有して、ハブ部20aの軸方向両端側より径方向に突出する。
【0016】
一方のフランジ部20bの外周には、円周方向に沿って略鋸刃状に被係合部20cと突出部20dとが交互に複数形成されている。ワイヤリール20は、被係合部20cに図1等に示す制動部6Aのリールブレーキ60が係合することで、回転を停止させることができるようになっている。なお、被係合部20cと突出部20dは、例えば凹凸形状のようにリールブレーキ60が係合できる形状であればよく、必ずしも鋸刃状に限定されない。また、ワイヤリール20は、ハブ部20aの軸方向に沿った両側に穴部20eを備える。
【0017】
次に、ワイヤリール20を収容するリール収容部2Aについて説明する。リール収容部2Aは、本体部10に形成された凹部22を備える。凹部22は、ワイヤリール20の全体または一部が入る大きさの空間、あるいは、この空間の周囲の一部または全部が覆われた室を形成する。
【0018】
リール収容部2Aは、凹部22の側壁面から突出し、ワイヤリール20を回転可能に支持する第1の支持軸23と、第1の支持軸23と対向して設けられ、ワイヤリール20を回転可能に支持する第2の支持軸24を備える。第1の支持軸23と第2の支持軸24は、ワイヤリール20の穴部20eが嵌り、ワイヤリール20を回転可能に支持する。
【0019】
第1の支持軸23と第2の支持軸24の一方または両方は、ワイヤリール20をリール収容部から着脱できるよう、リール収容部2A内から退避させる構成を備える。本例では、第2の支持軸24が、リール収容部2A内から退避可能に構成される。
【0020】
次に、ワイヤWを送るワイヤ送り部3Aについて説明する。ワイヤ送り部3Aは、一対の送りギア30L、30Rを備える。一対の送りギア30L、30Rは、図3に示すように、ワイヤWの送り経路を挟んで配置される。
【0021】
送りギア30L、30Rは、本例では、外周面に歯部が形成された平歯車であり、円周方向に沿ってワイヤWが入る溝部が形成される。送りギア30L、30Rは、ワイヤWが溝部に入った状態で、送りギア30Lと送りギア30Rとの間にワイヤWが挟持されると共に、互いの歯部が噛み合う。
【0022】
ワイヤ送り部3Aは、送りギア30Lを駆動する送りモータ31と、送りモータ31の回転を送りギア30Lに伝達するギア32を備える。送りモータ31の回転がギア32を介して送りギア30Lに伝達されると、送りギア30Lに従動して送りギア30Rが回転する。
【0023】
ワイヤ送り部3Aは、ワイヤWが送りギア30Lと送りギア30Rとの間に挟持された状態で、送りギア30L、30Rを回転させることで、ワイヤWをカール形成部4Aに向けて送る。
【0024】
次に、ワイヤWを鉄筋Sの周囲に巻くカール形成部4Aについて説明する。カール形成部4Aは、ワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWに当接し、ワイヤWの進行方向を規制する。カール形成部4Aは、ワイヤWの進行方向を規制することで、ワイヤWが鉄筋Sの周囲で略円を描くようにしてワイヤWに巻き癖を付ける(ワイヤWをカールさせる)。
【0025】
次に、ワイヤWを捩じって鉄筋Sを結束する結束部5Aについて説明する。結束部5Aは、捩じりモータ51と、ギア52と、螺軸部53と、進退筒部54と、捩じり用フック55を備える。結束部5Aの駆動源としては、送りモータ31とは別駆動の捩じりモータ51が用いられる。
【0026】
螺軸部53は、外周面にねじが形成され、ギア52を介して伝達された捩じりモータ51の駆動力によって回転する。進退筒部54は、内周面にねじが形成され、螺軸部53の外周面のねじと螺合する。
【0027】
進退筒部54は、回転が規制された状態で、捩じりモータ51の回転により螺軸部53が回転することで、前後に移動する。また、進退筒部54は、螺軸部53と一体的に回転するように結合することで、捩じりモータ51の回転による螺軸部53の回転により、回転するように構成される。
【0028】
捩じり用フック55は、進退筒部54の先端に取り付けられた一対の爪状部材である。捩じり用フック55は、公知の構造により進退筒部54の進退動作に合わせて開閉するように構成される。
【0029】
次に、ワイヤリール20の回転を停止させる制動部6Aについて説明する。制動部6Aは、ワイヤリール20と係合可能なリールブレーキ60と、リールブレーキ60を駆動するソレノイド61と、リールブレーキ60とソレノイド61とを連結する軸63とを備える。ソレノイド61はリンク64を介して軸63に連結される。リールブレーキ60は、一方の端部にワイヤリール20の被係合部20cと係合する係合部62を備え、他方の端部に軸63と連結するための連結部を備える。
【0030】
ソレノイド61はソレノイド本体と鉄芯を有する。鉄芯は、通電により、ソレノイド本体に対して引き込まれ、又は押し出される。通電により鉄芯が移動すると、リンク64を介して軸63が回転するように構成され、軸63の回転により、リールブレーキ60が軸63の回転方向と同方向に回転する。
【0031】
リールブレーキ60は、本体部10の側面から見たときに、略L字状を呈し、連結部から下方向に所定長さだけ延びたリールブレーキ本体部と、リールブレーキ本体部からリール収容部2A側に向けて屈曲するように形成された延出部を有する。係合部62は、延出部に形成され、少なくともワイヤリール20の被係合部20cに係合する部位を含み、リールブレーキ60の前記一方の端部側に形成される。係合部62は、ワイヤリール20の被係合部20cと係合する第1の位置である制動位置と、ワイヤリール20の被係合部20cから離れて非係合となる第2の位置である退避位置との間を、軸63を支点とした回転動作で移動する。
【0032】
ワイヤリール20は、ワイヤ送り部3AによるワイヤWの送りに従動して回転するが、ワイヤ送り部3AがワイヤWの送りを停止した後も、慣性により回転を続けようとする。
【0033】
そこで、ワイヤ送り部3AがワイヤWの送りを停止するのと連動して制動部6Aを作動させ、ワイヤリール20の回転を停止させている。具体的にはワイヤ送り部3AがワイヤWの送りを停止するのと連動して、ソレノイド61に通電し、リールブレーキ60を動かし(回転させ)、係合部62を退避位置から制動位置へと移動させる。これにより、係合部62がワイヤリール20の被係合部20cと係合し、ワイヤリール20の回転が停止する。
【0034】
図4は、ブレーキ収容部の一例を示す要部斜視図である。ブレーキ収容部12は、リール収容部2Aに隣接するようにして設けられる。ブレーキ収容部12は、リールブレーキ60の係合部62の先端部と対向する部位を除き、リールブレーキ60の周囲を覆う壁部13により構成される。なお、係合部62の先端部と対向する部分を除いてリールブレーキ60全体を覆う場合のみならず、一部分のみを覆っている場合も含む意味である。少なくともリールブレーキ60と軸63との連結部分周辺を覆っている必要がある。
【0035】
ブレーキ収容部12は、リールブレーキ60の係合部62を露出させ、係合部62がリール収容部2A側へ突出し、又はブレーキ収容部12内に退避可能な第1開口部14Aを備える。第1開口部14Aは、軸63を支点としたリールブレーキ60の回転動作で移動する係合部62の軌跡に合わせて、壁部13を貫通する所定形状の孔を設けて構成される。
【0036】
係合部62は、制動位置に移動すると、第1開口部14Aからリール収容部2A内に、ワイヤリール20の被係合部20cと係合する位置まで突出する。また、係合部62は、退避位置に移動すると、第1開口部14Aからブレーキ収容部12内に退避する。なお、係合部62は、退避位置に移動した状態で、第1開口部14Aからリール収容部2A内に、ワイヤリール20の被係合部20cから離れて非係合となる位置まで突出しても良い。このように、リールブレーキ60の係合部62を露出させる第1開口部14Aとは、係合部62が退避位置に移動した状態で、第1開口部14Aからブレーキ収容部12内に退避した状態のみならず、ワイヤリール20の被係合部20cから離れて非係合となる位置まで第1開口部14Aからリール収容部2A内に突出する形態を含む。
【0037】
<本実施の形態の鉄筋結束機の動作例>
次に、各図を参照して、本実施の形態の鉄筋結束機1AでワイヤWを使用して鉄筋Sを結束する動作について説明する。
【0038】
トリガスイッチ10tが操作されると、送りモータ31が駆動され、ワイヤWがワイヤ送り部3Aで所定量だけ送られる。ワイヤ送り部3Aで送られたワイヤWは、カール形成部4Aによって鉄筋Sの周囲に巻かれる。ワイヤWの送り量によって、鉄筋Sの周囲にワイヤWを巻く回数が設定される。ワイヤリール20は、ワイヤWがワイヤ送り部3Aで送られることで、ワイヤWの送りに従動して回転する。ワイヤWが所定量だけ送られると、ワイヤ送り部3AはワイヤWの送り動作を終了するが、ワイヤリール20は慣性により回転し続けようとするので、制動部6Aによりワイヤリールの回転を制動する。送りモータ31を停止させることで、ワイヤ送り部3AでのワイヤWの送り動作が終了した後、ワイヤWの送りに従動して回転していたワイヤリール20を制動部6Aで制動し、ワイヤリール20の回転を規制する。
【0039】
結束部5Aでは、捩じりモータ51が正転し、捩じりモータ51の回転がギア52を介して螺軸部53に伝達される。このとき螺軸部53が回転するが、進退筒部54は回転が規制されるため、螺合したねじの作用によって進退筒部54は前方に送られる。進退筒部54が前方に送られることで、捩じり用フック55はワイヤWに接触する位置まで前進する。捩じり用フック55は進退筒部54の前進に連動して閉じる方向に作動し、ループ状に巻かれたワイヤの一部を把持する。
【0040】
進退筒部54は、前進した所定の位置で回転の規制が解除されて、螺軸部53とともに回転する。ワイヤWを把持した捩じり用フック55が回転することでワイヤWが捩じられる。なお、進退筒部54が前進する途中で、図示しないカッタが作動してワイヤWを切断する。
【0041】
捩じり動作が終了すると、捩じりモータ51は逆転し、螺軸部53は逆方向に回転する。これにより、進退筒部54及び捩じり用フック55も後方に移動するとともに、捩じり用フック55が開いてワイヤWを離す。進退筒部54及び捩じり用フック55が待機位置に移動するまで捩じりモータ51は逆転する。進退筒部54及び捩じり用フック55が待機位置まで移動すると、捩じりモータ51が停止して一連の動作が完了する。これにより、鉄筋SはワイヤWによって結束される。
【0042】
<第1の実施の形態のブレーキ収容部の一例>
図5図6A図6B図7A図7B図8A図8B図9は、本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第1の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す図である。第1の実施の形態の各実施例のブレーキ収容部12(12A1~12A5)では、第1開口部14Aからブレーキ収容部12(12A1~12A5)に侵入した異物Duを第2開口部(68A1~68A5)から排除する。
【0043】
図5に示すように、第1の実施の形態の第1の実施例のブレーキ収容部12A1は、ブレーキ収容部12A1の内部とリール収容部2Aを除くブレーキ収容部12A1の外部とを連通する第2開口部68A1を備える。第2開口部68A1は、異物Duを排出可能な大きさの開口を設けて構成される。第2開口部68A1は、ハンドル部10aが本体部10から突出する方向と同方向であるブレーキ収容部12の下部に設けられる。
【0044】
鉄筋結束機1Aでは、回転しているワイヤリール20の被係合部20cにリールブレーキ60の係合部62が係合する動作で、リールブレーキ60によりワイヤリール20が削られる場合や、ワイヤリール20によりリールブレーキ60が削られる場合がある。ワイヤリール20あるいはリールブレーキ60が削られると、異物となってリール収容部2A内に残る可能性がある。また、ワイヤWが被覆されている場合、この被覆が剥がれることで異物となったり、ワイヤWの表面が酸化している場合、酸化物が剥がれることで異物となる可能性がある。ワイヤリール20が回転することで、ワイヤリール20が図3に示す第1の支持軸23及び第2の支持軸24によって削られ異物となる可能性がある。更に、ワイヤリール20をリール収容部2Aに着脱する動作で、外部よりリール収容部2Aに異物が入り込む可能性がある。
【0045】
図10図12は、従来の制動部を示す図である。図10に示す従来の制動部601では、リールブレーキ60がリール収容部2Aに露出した構成である。このような構成であると、軸63を支持する部位に雨水などによる水分が入り、金属の部品に錆が発生し、リールブレーキ60の作動不良が発生する可能性がある。
【0046】
このような課題を解決するため、図11に示すように、リールブレーキ60をブレーキ収容部120で覆うことが考えられる。しかし、このような構成では、図12に示すように、開口部140からブレーキ収容部120に侵入した異物Duがブレーキ収容部120内に溜まり、リールブレーキ60の作動不良が発生する可能性があるという新たな課題が発生する。
【0047】
そこで、第1の実施の形態の第1の実施例のブレーキ収容部12A1では、ブレーキ収容部12A1の内外を連通する第2開口部68A1を備えた。これにより、リール収容部2A内で発生し、第1開口部14Aからブレーキ収容部12A1に侵入した異物Duや外部からリール収容部2Aに入り込み、第1開口部14Aからブレーキ収容部12A1に侵入した異物Du等を、第2開口部68A1からブレーキ収容部12A1の外部に排出することができる。その結果、ブレーキ収容部12A1の内部に異物Du等が溜まることが抑制され、リールブレーキ60の動作不良の発生を抑制できる。
【0048】
また、第2開口部68A1は、本体部10からハンドル部10aが突出する方向と同方向であるブレーキ収容部12A1の下部に設けられるので、ハンドル部10aを持って上述した鉄筋Sを結束する動作を行う際に、異物Duを自重で第2開口部68A1からブレーキ収容部12A1の外部へ排出することができる。
【0049】
図6A図6Bに示すように、第1の実施の形態の第2の実施例のブレーキ収容部12A2は、ブレーキ収容部12A2の内外を連通する第2開口部68A2を備える。第2開口部68A2は、異物Duを排出可能な大きさの開口を設けて構成される。
【0050】
蓋部69A2は、リールブレーキ60に設けられ、図6Aに示すように、リールブレーキ60が第2の位置である退避位置に移動すると、延出部によって第2開口部68A2を閉じるように構成される。蓋部69A2は、第2開口部68A2を閉じる位置では、第2開口部68A2を塞ぐことが可能な外形状を有する。蓋部69A2は、リールブレーキ60が第1の位置である制動位置に移動すると、図6Bに示すように、第2開口部68A2から退避する。
【0051】
制動部6Aは、図6Aに示すように、リールブレーキ60が退避位置に移動すると、係合部62が第1開口部14A内に退避する。また、図6Bに示すように、リールブレーキ60が制動位置に移動すると、係合部62が第1開口部14Aからリール収容部2A内に突出し、ワイヤリール20の被係合部20cに係合する。
【0052】
第1の実施の形態の第2の実施例のブレーキ収容部12A2では、ブレーキ収容部12A2の内外を連通する第2開口部68A2を備えると共に、第2開口部68A2を開閉する蓋部69A2をリールブレーキ60に備えることで、第1開口部14Aからブレーキ収容部12A2に侵入した異物Du、水分等を、図6Bに示すように、リールブレーキ60が制動位置に移動することにより蓋部69A2が開くことでブレーキ収容部12A2の外部に排出することができる。
【0053】
これにより、ブレーキ収容部12A2の内部に異物Du等が溜まることが抑制され、リールブレーキ60の動作不良の発生を抑制できる。また、リールブレーキ60の動作で第2開口部68A2を開閉することができるので、結束動作毎に異物の排出が行え、ブレーキ収容部12A2に異物が貯留することを抑制できる。作業者は、本体部10の上面を下にして地面などに置くことがある。そのため、第2開口部68A2を本体部10の下方に設けた場合、第2開口部68A2から粉塵や雨水が入りやすくなる。そこで、蓋部69A2を設けることで、粉塵や雨水などがブレーキ収容部12Aの内部に入ることを抑制することができる。
【0054】
図7A図7Bに示すように、第1の実施の形態の第3の実施例のブレーキ収容部12A3は、ブレーキ収容部12A3の内外を連通する第2開口部68A3を備える。第2開口部68A3は、異物Duを排出可能な大きさの開口を設けて構成される。ブレーキ収容部12A3は、第2開口部68A3を開閉する蓋部69A3を備える。
【0055】
蓋部69A3は、図7Aに示すように、第2開口部68A3を閉じる位置では、第2開口部68A3を塞ぐことが可能な外形状を有し、図7Bに示すように、第2開口部68A3から退避する位置まで、矢印Reに示すように本体部10に対して移動可能、または、着脱可能な部材を設けて構成される。
【0056】
第1の実施の形態の第3の実施例のブレーキ収容部12A3では、ブレーキ収容部12A3の内外を連通する第2開口部68A3と、第2開口部68A3を開閉する蓋部69A3を備えることで、第1開口部14Aからブレーキ収容部12A3に侵入した異物Du、水分等を、図7Bに示すように必要に応じて蓋部69A3を開けることで、第2開口部68A3からブレーキ収容部12A3の外部に排出することができる。これにより、ブレーキ収容部12の内部に異物Du等が溜まることが抑制され、リールブレーキ60の動作不良の発生を抑制できる。作業者は、本体部10の上面を下にして地面などに置くことがある。そのため、第2開口部68A3を本体部10の下方に設けた場合、第2開口部68A3から粉塵や雨水が入りやすくなる。そこで、蓋部69A3を設けることで、粉塵や雨水などがブレーキ収容部12Aの内部に入ることを抑制することができる。
【0057】
図8A図8Bに示すように、第1の実施の形態の第4の実施例のブレーキ収容部12A4は、ブレーキ収容部12A4の内外を連通する第2開口部68A4を備える。第2開口部68A4は、異物Duを排出可能な大きさの開口を設けて構成される。ブレーキ収容部12A4は、第2開口部68A4を開閉する貯留部69A4を備える。
【0058】
貯留部69A4は、異物Duが収容可能な凹状に形成された蓋部の一例で、図8Aに示すように、第2開口部68A4を閉じる位置では、第2開口部68A4を塞ぐことが可能な外形状を有し、図8Bに示すように、第2開口部68A4から着脱可能な部材を設けて構成される。
【0059】
第1の実施の形態の第4の実施例のブレーキ収容部12A4では、ブレーキ収容部12A4の内外を連通する第2開口部68A4と、第2開口部68A4に着脱可能な貯留部69A4を備えることで、第1開口部14Aからブレーキ収容部12A4に侵入した異物Du、水分等を、図8Aに示すように貯留部69A4に貯留し、図8Bに示すように必要に応じて貯留部69A4を取り外すことで排出することができる。
【0060】
これにより、ブレーキ収容部12A4の内部に異物Du等が溜まることが抑制され、リールブレーキ60の動作不良の発生を抑制できる。また、異物を貯留部69A4に貯留し、貯留部69A4を第2開口部68A4から取り外すことで貯留した異物をブレーキ収容部12A4の外部に排出できるので、異物の外部への排出が容易に行える。
【0061】
図9に示すように、第1の実施の形態の第5の実施例のブレーキ収容部12A5は、ブレーキ収容部12A5の内外を連通する第2開口部68A5を備える。
【0062】
第2開口部68A5は、異物Duを排出可能な大きさの開口を設けて構成される。本体部10は、ブレーキ収容部12A5と隣接する位置に、ファン70を備える。本例ではファン70は、送りモータ31で駆動される。ブレーキ収容部12A5は、ファン70と連通して空気の導入口69A5が設けられ、導入口69A5からブレーキ収容部12A5を通り、第2開口部68A5につながる風路が形成される。
【0063】
第1の実施の形態の第5の実施例のブレーキ収容部12A5では、ワイヤWを送る動作でファン70が回転することで、第2開口部68A5から吹き出される空気の流れが発生し、第1開口部14Aからブレーキ収容部12A5に侵入した異物Du、水分等を、空気の流れで第2開口部68A5からブレーキ収容部12A5の外部に排出することができる。
【0064】
これにより、ブレーキ収容部12A5の内部に異物Du等が溜まることが抑制され、リールブレーキ60の動作不良の発生を抑制できる。なお、本例では、ファン70をブレーキ収容部12A5と隣接する位置に設ける構成としたが、ファン70をブレーキ収容部12A5の中に設ける構成としても良い。この場合、導入口69A5を介さず、ブレーキ収容部12A5から第2開口部68A5につながる風路が形成される。また本例では、ファン70は送りモータ31で駆動される構成としたが、ファン70を駆動する専用のモータを備える構成としても良い。
【0065】
<第2の実施の形態のブレーキ収容部の一例>
図13図16は、本実施の形態の鉄筋結束機に備えた第2の実施の形態のブレーキ収容部の一例を示す構成図である。第2の実施の形態の各実施例のブレーキ収容部12(12B1~12B4)では、リール収容部2Aとブレーキ収容部12(12B1~12B4)とを連通する第3開口部14Bからブレーキ収容部12への異物Duの侵入を排除する。
【0066】
図13に示すように、第2の実施の形態の第1の実施例のブレーキ収容部12B1は、係合部62の移動経路に設けられる第3開口部14Bに封止部材66B1を備える。封止部材66B1は遮蔽部の一例で、ゴム等の弾性変形により伸縮可能な部材、蛇腹構造等で伸縮可能な部材、リールブレーキ60の移動量に対して十分な撓みを持ち、撓み分伸縮可能な部材等で構成され、第3開口部14Bを塞ぐ外形状を有する。
【0067】
制動部6Aは、リールブレーキ60が制動位置に移動すると、封止部材66B1が係合部62に押されて弾性変形し、封止部材66B1及び係合部62がリール収容部2A内に突出して、ワイヤリール20の被係合部20cに係合する。また、リールブレーキ60が退避位置に移動すると、係合部62が第3開口部14Bからブレーキ収容部12B1内に退避し、封止部材66B1が元の形状に戻る。
【0068】
第2の実施の形態の第1の実施例のブレーキ収容部12B1では、第3開口部14Bを塞ぐ形状で封止部材66B1を備えることで、常時第3開口部14Bを塞ぐことができ、リール収容部2A内で発生した異物Du、外部からリール収容部2Aに入り込んだ異物Du、水分等が、第3開口部14Bからブレーキ収容部12B1内に侵入することを抑制できる。これにより、リールブレーキ60の動作不良の発生を抑制できる。また、封止部材66B1が伸縮可能な部材、形状で構成されるので、封止部材66B1がリールブレーキ60の動作の妨げになることが抑制される。
【0069】
図14に示すように、第2の実施の形態の第2の実施例のブレーキ収容部12B2は、第3開口部14Bとリールブレーキ60の係合部62との間に封止部材66B2を備える。封止部材66B2は遮蔽部の一例で、ゴムなどの弾性体で構成され、第3開口部14Bを塞ぐ外形状を有し、リールブレーキ60の係合部62が通る封止開口部67B2を備える。封止開口部67B2は、リールブレーキ60の係合部62が接した状態となる大きさの開口、または、封止開口部67B2とリールブレーキ60の係合部62との間に、異物Duの侵入が抑制できる程度の隙間が形成される大きさの開口が、軸63を支点としたリールブレーキ60の回転動作で移動する係合部62の軌跡に合わせて設けられる。
【0070】
制動部6Aは、リールブレーキ60が制動位置に移動すると、係合部62が封止部材66B2の封止開口部67B2からリール収容部2A内に突出して、ワイヤリール20の被係合部20cに係合する。また、リールブレーキ60が退避位置に移動すると、係合部62が第3開口部14Bからブレーキ収容部12B2内に退避する。
【0071】
第2の実施の形態の第2の実施例のブレーキ収容部12B2では、第3開口部14Bとリールブレーキ60の係合部62との間を塞ぐ形状で封止部材66B2を備えることで、異物Du、水分等が、第3開口部14Bからブレーキ収容部12B2内に侵入することを抑制できる。これにより、リールブレーキ60の動作不良の発生を抑制できる。また、封止部材66B2に係合部62が通る封止開口部67B2を備えることで、封止部材66B2がリールブレーキ60の動作の妨げになることが抑制される。
【0072】
なお、封止部材66B2が弾性体で構成されることで、封止開口部67B2と係合部62が接した状態で封止部材66B2と係合部62が一体となる構成、封止部材66B2と係合部62が接着等で一体となる構成として、リールブレーキ60の動作で、封止部材66B2が弾性変形する構成でも良い。
【0073】
図15に示すように、第2の実施の形態の第3の実施例のブレーキ収容部12B3は、リールブレーキ60に第3開口部14Bを塞ぐ封止部材66B3を備える。封止部材66B3は遮蔽部の一例で、ゴムなどの弾性体で構成され、第3開口部14Bを塞ぐ外形状を有する。係合部62は、リールブレーキ60とは別体で封止部材66B3に設けられる。また、リールブレーキ60に設けた係合部62を封止部材66A3から突出させる構成でも良い。封止部材66B3は、第3開口部14Bの内周面と接した状態となる大きさ、または、封止部材66B3と第3開口部14Bの内周面との間に、異物Duの侵入が抑制できる程度の隙間が形成される大きさで、想定される異物Duの侵入を排除し得る所定の封止状態で第3開口部14Bを塞ぐ。また、第3開口部14Bの内周面に、封止部材66B3の外周面と接する摺接封止部材67B3を備える構成としても良い。封止部材66B3は、係合部62を第3開口部14Bから突出させるリールブレーキ60の移動方向に沿って、第3開口部14Bに対して移動可能に構成される。
【0074】
制動部6Aは、リールブレーキ60が制動位置に移動すると、封止部材66B3がリールブレーキ60に押されて係合部62がリール収容部2A内に突出し、ワイヤリール20の被係合部20cに係合する。また、リールブレーキ60が退避位置に移動すると、封止部材66A3が第3開口部14B内に戻り、係合部62が第3開口部14Bからブレーキ収容部12B3内に退避する。
【0075】
第2の実施の形態の第3の実施例のブレーキ収容部12B3では、第3開口部14Bを塞ぐ形状の封止部材66B3をリールブレーキ60に備えることで、異物Du、水分等が、第3開口部14Bからブレーキ収容部12B3内に侵入することを抑制できる。これにより、リールブレーキ60の動作不良の発生を抑制できる。また、リールブレーキ60に封止部材66B3を設けることで、封止部材66B3がリールブレーキ60の動作の妨げになることが抑制される。
【0076】
図16に示すように、第2の実施の形態の第4の実施例のブレーキ収容部12B4は、第3開口部14Bを備える。リールブレーキ60は、第3開口部14Bを塞ぐ封止部66B4を備える。封止部66B4は遮蔽部の一例で、第3開口部14Bの形状と合致する外形状を有する。第3開口部14Bは、封止部66B4が当接する当接部67B4を備える。当接部67B4は、第3開口部14Bの内周面から突出する。封止部66B4が当接部67B4に当接することで、想定される異物Duの侵入を排除し得る所定の封止状態で第3開口部14Bを塞ぐ。封止部66B4は、係合部62を第3開口部14Bから突出させるリールブレーキ60の移動方向に沿って、第3開口部14Bに対して移動可能に構成される。リールブレーキ60は、封止部66B4から係合部62が突出する。
【0077】
制動部6Aは、リールブレーキ60が制動位置に移動すると、封止部66B4で第3開口部14Bを封止した状態で、係合部62がリール収容部2A内に突出し、ワイヤリール20の被係合部20cに係合する。また、リールブレーキ60が退避位置に移動すると、封止部66B4が当接部67B4に当接し、封止部66B4で第3開口部14Bを封止した状態で、係合部62が第3開口部14Bからブレーキ収容部12B4内に退避する。
【0078】
第2の実施の形態の第4の実施例のブレーキ収容部12B4では、第3開口部14Bを塞ぐ形状の封止部66B4をリールブレーキ60に備えることで、異物Du、水分等が、第3開口部14Bからブレーキ収容部12B4内に侵入することを抑制できる。これにより、リールブレーキ60の動作不良の発生を抑制できる。また、リールブレーキ60に封止部66B4を設けることで、封止部66B4がリールブレーキ60の動作の妨げになることが抑制される。
【符号の説明】
【0079】
1A・・・鉄筋結束機、10・・・本体部、10a・・・ハンドル部、10b・・・支持軸、10t・・・トリガ、12、12A1、12A2、12A3、12A4、12A5、12B1、12B2、12B3、12B4・・・ブレーキ収容部、13・・・壁部、14A・・・第1開口部、14B・・・第3開口部、2A・・・リール収容部、20・・・ワイヤリール、20a・・・ハブ部、20b・・・フランジ部、20c・・・被係合部、20d・・・突出部、20e・・・穴部、23・・・第1の支持軸、24・・・第2の支持軸、3A・・・ワイヤ送り部、30L・・・送りギア、30R・・・送りギア、31・・・送りモータ、32・・・ギア、4A・・・カール形成部、5A・・・結束部、51・・・捩じりモータ、52・・・ギア、53・・・螺軸部、54・・・進退筒部、55・・・捩じり用フック、6A・・・制動部、60・・・リールブレーキ、61・・・ソレノイド、62・・・係合部、63・・・軸、64・・・リンク、66B1~66B4・・・封止部材(遮蔽部)、67B2・・・封止開口部、67B3・・・摺接封止部材、68A1、68A2、68A3、68A4、68A5・・・第2開口部、69A2、69A3・・・蓋部、69A4・・・貯留部(蓋部)、69A5・・・導入口、70・・・ファン、W・・・ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16