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特許7380755情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20231108BHJP
   G06F 16/9035 20190101ALI20231108BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F16/9035
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022086651
(22)【出願日】2022-05-27
(62)【分割の表示】P 2020155351の分割
【原出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2022111170
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】村山 洋一
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-086878(JP,A)
【文献】特開2018-055262(JP,A)
【文献】特開2011-043895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G06F 16/9035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる種類の電子付箋に対応する複数の操作アイコンであって所定の作業エリアに前記電子付箋を表示させるための複数の操作アイコンが配列されたメニューバーを表示させる表示制御手段と、
前記複数の操作アイコンの何れかが操作されるごとに当該操作された操作アイコンに対応する種類の電子付箋を前記作業エリアに追加表示させていくことで、前記作業エリアに複数の電子付箋が配置されたペーパーを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたペーパーを蓄積する蓄積手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記蓄積手段により蓄積されたペーパーのそれぞれに配置された前記複数の電子付箋の配置状態に基づいて前記メニューバーの表示態様を設定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記メニューバーの表示態様として前記複数の操作アイコンのそれぞれへの配色を設定するとともに、前記蓄積手段により蓄積されたペーパーのそれぞれに配置された前記複数の電子付箋の配置状態に基づいて前記配色を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記複数の操作アイコン間で表示色が異なるように前記配色を設定する、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記メニューバーの表示態様として前記複数の操作アイコンの配列を設定するとともに、前記蓄積手段により蓄積されたペーパーに基づいて前記配列を設定する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記電子付箋を前記作業エリアに追加表示させる場合は、既に表示されている電子付箋の表示位置を避けるようにして前記電子付箋を前記作業エリアに追加表示させる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
互いに異なる種類の電子付箋に対応する複数の操作アイコンであって所定の作業エリアに前記電子付箋を表示させるための複数の操作アイコンが配列されたメニューバーを表示させる表示制御ステップと、
前記複数の操作アイコンの何れかが操作されるごとに当該操作された操作アイコンに対応する種類の電子付箋を前記作業エリアに追加表示させていくことで、前記作業エリアに複数の電子付箋が配置されたペーパーを生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成されたペーパーを蓄積する蓄積ステップと、
を有し、
前記表示制御ステップは、前記蓄積ステップで蓄積されたペーパーのそれぞれに配置された前記複数の電子付箋の配置状態に基づいて前記メニューバーの表示態様を設定する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
互いに異なる種類の電子付箋に対応する複数の操作アイコンであって所定の作業エリアに前記電子付箋を表示させるための複数の操作アイコンが配列されたメニューバーを表示させる表示制御手段、
前記複数の操作アイコンの何れかが操作されるごとに当該操作された操作アイコンに対応する種類の電子付箋を前記作業エリアに追加表示させていくことで、前記作業エリアに複数の電子付箋が配置されたペーパーを生成する生成手段、
前記生成手段により生成されたペーパーを蓄積する蓄積手段、
として機能させ、
前記表示制御手段は、前記蓄積手段により蓄積されたペーパーのそれぞれに配置された前記複数の電子付箋の配置状態に基づいて前記メニューバーの表示態様を設定する、
ことを特徴とするプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の処理選択ボタンと説明ボタンが表示され、処理選択ボタンを押すことにより実行する処理を選択し、説明ボタンを押すことにより処理選択ボタンの説明を処理選択ボタンとともに表示するものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-238283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、説明ボタンを押したときに、表示されている複数の処理選択ボタンの全部に対応する説明が表示された説明画面を処理選択画面の上に重ねて表示する。そのため、不要な多数の表示により説明の情報が提示される場合があり、ユーザーの利便性が低下しやすい。
【0005】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、適切な情報の提示によりユーザーの利便性を向上させるプログラム、情報処理方法及び情報処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、互いに異なる種類の電子付箋に対応する複数の操作アイコンであって所定の作業エリアに前記電子付箋を表示させるための複数の操作アイコンが配列されたメニューバーを表示させる表示制御手段と、前記複数の操作アイコンの何れかが操作されるごとに当該操作された操作アイコンに対応する種類の電子付箋を前記作業エリアに追加表示させていくことで、前記作業エリアに複数の電子付箋が配置されたペーパーを生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたペーパーを蓄積する蓄積手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記蓄積手段により蓄積されたペーパーのそれぞれに配置された前記複数の電子付箋の配置状態に基づいて前記メニューバーの表示態様を設定する、ことを特徴とする。
また、本発明に係る情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、互いに異なる種類の電子付箋に対応する複数の操作アイコンであって所定の作業エリアに前記電子付箋を表示させるための複数の操作アイコンが配列されたメニューバーを表示させる表示制御ステップと、前記複数の操作アイコンの何れかが操作されるごとに当該操作された操作アイコンに対応する種類の電子付箋を前記作業エリアに追加表示させていくことで、前記作業エリアに複数の電子付箋が配置されたペーパーを生成する生成ステップと、前記生成ステップで生成されたペーパーを蓄積する蓄積ステップと、を有し、前記表示制御ステップは、前記蓄積ステップで蓄積されたペーパーのそれぞれに配置された前記複数の電子付箋の配置状態に基づいて前記メニューバーの表示態様を設定する、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、互いに異なる種類の電子付箋に対応する複数の操作アイコンであって所定の作業エリアに前記電子付箋を表示させるための複数の操作アイコンが配列されたメニューバーを表示させる表示制御手段、前記複数の操作アイコンの何れかが操作されるごとに当該操作された操作アイコンに対応する種類の電子付箋を前記作業エリアに追加表示させていくことで、前記作業エリアに複数の電子付箋が配置されたペーパーを生成する生成手段、前記生成手段により生成されたペーパーを蓄積する蓄積手段、として機能させ、前記表示制御手段は、前記蓄積手段により蓄積されたペーパーのそれぞれに配置された前記複数の電子付箋の配置状態に基づいて前記メニューバーの表示態様を設定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、適切な情報の提示によりユーザーの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】画面表示の一例を示す図である。
図3】チュートリアルの表示例を示す図である。
図4】マイページ画面の一例を示す図である。
図5】データベースの構成例を示す図である。
図6】支援制御部の構成例を示す図である。
図7】ニューラルネットワークモデルの構成例を示す図である。
図8】学習処理部の構成例を示す図である。
図9】目標となるスコア値の一例を示す図である。
図10】提示するチュートリアルが決定される具体例を示す図である。
図11】情報提供処理の一例を示すフローチャートである。
図12】複数の表示領域を設定した場合を示す図である。
図13】付箋の座標値が決定される一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理システム1の構成例を示している。情報処理システム1は、サーバー装置10と、端末装置20とを含む。サーバー装置10及び端末装置20は、ネットワーク30を介して電気通信が可能に接続される。ネットワーク30は、例えば、インターネット、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、移動体通信ネットワーク、近距離無線通信網、あるいは、これらの一部又は全部の組合せといった、任意の電気通信ネットワークであればよい。図1には、端末装置20が1台のみ示されているが、ネットワーク30を介してサーバー装置10に接続可能な端末装置20の台数は、これに限定されず、複数の端末装置20を接続可能であってもよい。
【0011】
情報処理システム1は、各種の計算に関する機能要素や描画に関する機能要素が含まれる複数種類の機能要素を使用した情報処理サービスを提供可能なシステムである。例えば、情報処理システム1により、ユーザーが入力した数式に基づく計算結果となる算出値を表示したり、関数に基づく関数計算結果により関数のグラフを表示したり、角度や辺の長さに基づく図形を描画して表示したり、初項と漸化式に基づく数列計算結果により数列テーブルやグラフを表示したり、数値に基づく統計計算結果により統計グラフや統計値を表示したり、投資額と年利と日数に基づく財務計算結果により利益額や元利合計の数表を表示したりできればよい。
【0012】
情報処理システム1では、端末装置20に入力されたデータ及び計算指示が、端末装置20からサーバー装置10に送信される。サーバー装置10は、端末装置20から送られたデータ及び計算指示に基づいて計算を実行し、計算結果を端末装置20に送信する。端末装置20は、サーバー装置10から送られた計算結果を用いて、これに応じた表示、例えばグラフの表示や数表の表示、計算結果となる数値の表示などを、行うことができる。このように、情報処理システム1は、ユーザーが端末装置20を用いて入力したデータや計算指示に応じた情報の処理結果を提供可能に構成されている。
【0013】
サーバー装置10は、ホストコンピュータ、メインフレーム、ワークステーションとも称される情報処理装置であり、処理部11と、記憶部12と、通信部13とを備えている。これらの構成は、システムバス19を介して互いに接続されている。
【0014】
処理部11は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含んで構成され、サーバー装置10の各種動作を制御する。処理部11のプロセッサは、CPUに限定されず、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、その他、任意の記憶装置を用いて構成され、各種のプログラムやデータを記憶する。処理部11は、記憶部12に記憶された計算プログラムを読み出して、各種計算を実行する。通信部13は、NIC(Network Interface Card)などを含んで構成され、ネットワーク30にアクセスして外部機器との電気通信を行う。
【0015】
端末装置20は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置、タブレットなどの携帯端末装置、スマートフォンなどの移動体通信装置のいずれであってもよく、処理部21と、記憶部22と、入力部23と、出力部24と、通信部25とを備えている。これらの構成は、システムバス29を介して互いに接続されている。
【0016】
処理部21は、CPUなどのプロセッサを含んで構成され、端末装置20の各種動作を制御する。記憶部22は、任意の記憶装置を用いて構成され、各種のプログラムやデータを記憶する。処理部21は、記憶部22に記憶されたブラウザプログラムを含めたアプリケーションプログラムを読み出して、サーバー装置10との通信や入出力の制御を実行する。処理部21が実行するプログラムは、ウェブサーバからネットワーク30、通信部25を介して、記憶部22にダウンロードされてもよい。入力部23は、キーボード、タッチパネルなどの操作入力装置、あるいはマイクロフォンなどの音声入力装置を含む。入力部23のキーボードやタッチパネルを用いた操作入力により、システムバス29を介して処理部21に検出信号が入力される。出力部24は、液晶ディスプレイなどの表示出力装置、あるいはスピーカなどの音声出力装置を含む。処理部21からの出力制御信号がシステムバス29を介して伝送され、出力部24による各種出力が行われる。このように、端末装置20の出力部24は、表示出力や音声出力により、各種の情報をユーザーに提示する提示部となる。通信部25は、NICなどの有線通信モジュール又は無線通信モジュールの少なくとも一方を含んで構成され、ネットワーク30にアクセスして外部機器との電気通信を行う。
【0017】
端末装置20のユーザーは、入力部23の操作入力によりブラウザプログラムとなるアプリケーションプログラムあるいはブラウザプログラムとは異なるアプリケーションプログラムを起動させ、サーバー装置10へのアクセスを指示する。端末装置20は、数式や数値などの入力受付に応じてサーバー装置10に対するリクエストを発行し、サーバー装置10がプログラムに従い実行した計算の結果を、サーバー装置10からのレスポンスとして受信する。このように、サーバー装置10は、端末装置20から計算のリクエストが送られた場合に、プログラムに従い処理部11により計算を実行し、実行した計算結果をレスポンスとして端末装置20に送信する。そして、端末装置20は、受信した計算結果を用いて、アプリケーションプログラムにより関数グラフや統計グラフの描画、計算結果の表示などを行う。こうして、情報処理システム1では、端末装置20におけるアプリケーションプログラムの実行とサーバー装置10におけるサーバーサイドプログラムの実行とにより、グラフ描画や計算結果の表示などが可能な情報処理サービスの機能要素が実現される。サーバー装置10の処理部11は、端末装置20から送られる複数種類のリクエストに応じて、複数種類の対象プログラムを実行可能であればよい。
【0018】
図2は、端末装置20が実行するアプリケーションプログラムによる画面表示26の一例を示している。端末装置20は、例えば出力部24の液晶ディスプレイが、図2に示すような画面表示26を、表示出力により提示することができる。
【0019】
図2に示す画面表示26を構成する画面枠26aは、上段エリア100aと、下段エリア100bとに分割されている。上段エリア100aは、新規ペーパー作成アイコン100cが表示された細長いエリアである。下段エリア100bは、画面枠26a内の上段エリア100aよりも下側のエリアであり、ペーパー100とも称される。ペーパー100には、種々のフローティングオブジェクトが表示される。フローティングオブジェクトは、画面に表示されるオブジェクト(表示体)であり、ユーザー操作に応じて、1つ以上のオブジェクトを単位として少なくとも表示位置を変更できる表示体である。各々のオブジェクトは、付箋と称される。
【0020】
図2に示すペーパー100には、グラフ付箋101と、数式付箋102と、スライダー付箋103と、数式用数表付箋104と、統計用数表付箋105と、統計計算付箋106とが表示されている。その他に、ペーパー100内には、一般計算付箋や幾何付箋、数列計算付箋、財務計算付箋、テキスト付箋など、複数種類の付箋を表示可能であればよい。各付箋には、左上部にチェック欄121~126が表示されている。例えば、付箋が選択されると、その付箋のチェック欄にチェックマークが表示される。
【0021】
グラフ付箋101は、関数グラフ及び統計グラフの表示が可能である。グラフ付箋101には、第1数式付箋104aに入力された数式のグラフである第1数式グラフと、第2数式付箋104bに入力された数式のグラフである第2数式グラフと、統計用数表付箋105に入力された数値に基づいて作成された散布図となる第1統計グラフと、統計用数表付箋105に入力された数値に基づいて作成された2次回帰グラフである第2統計グラフとが、重ねて描画されている。
【0022】
グラフ付箋101の左下には、第1タブ112~第4タブ115が表示されている。第1タブ112は第1グラフに関連付けられ、第2タブ113は第2グラフに関連付けられ、第3タブ114は第1統計グラフに関連付けられ、第4タブ115は第2統計グラフに関連付けられる。グラフ付箋101には、座標値ラベル171~173が表示されている。座標値ラベル171は点P1の座標が表示され、座標値ラベル172は点P3の座標が表示され、座標値ラベル173は点P4の座標が表示される。
【0023】
数式付箋102は、入力部23における入力操作に対応して数式となる関数を表示可能である。数式付箋102では、第1数式付箋102aと第2数式付箋102bとが上下につながって表示されている。第1数式付箋102aにはタブ151が表示され、第2数式付箋102bにはタブ152が表示されている。
【0024】
スライダー付箋103は、数式付箋102に入力された数式に文字係数が含まれる場合に、その文字係数の値を変化可能に表示する。スライダー付箋103では、第1スライダー118を含む第1スライダー付箋105aと、第2スライダー119を含む第2スライダー付箋105bとが、上下につながって表示されている。第1スライダー118は、第1数式付箋102aに表示された数式に含まれる文字係数の値を入力操作に対応して変化させ、文字係数の値に応じて第1グラフの表示が更新される。第2スライダー119は、第2数式付箋102bに表示された数式に含まれる文字係数の値を入力操作に対応して変化させ、文字係数の値に応じて第2グラフの表示が更新される。
【0025】
数式用数表付箋104は、数式付箋102に入力された数式に含まれる変数値を数表の形式で表示可能である。数式用数表付箋104には、第1数式付箋102aに表示された数式の変数値と、第2数式付箋102bに表示された数式の変数値とが表示されている。数式用数表付箋104の下側には、タブ116、117が表示されている。タブ116は第1数式付箋102aに表示された数式の変数値と関連付けられ、タブ117は第2数式付箋102bに表示された数式の変数値と関連付けられている。
【0026】
数式用数表付箋104に表示された数表の第1行において、セル181、182には各列に表示されている変数値に対応する数式が、各列の項目名として表示されている。セル181には第1数式付箋102aに表示された数式が示され、セル182には第2数式付箋102bに表示された数式が示されている。
【0027】
統計用数表付箋105は、入力部23における入力操作に対応して数表111に入力された数値を、数表の形式で表示可能である。統計計算付箋106は、統計計算に関する情報を表示可能である。統計計算付箋106では、第1統計計算付箋106aと第2統計計算付箋106bとが上下につながって表示されている。第1統計計算付箋106aにはタブ153が表示され、第2統計計算付箋106bにはタブ154が表示されている。
【0028】
第1統計計算付箋106aには、グラフ付箋101に描画された散布図となる第1統計グラフに関する情報が表示されている。第1統計計算付箋106aの表示は、散布図に関する統計計算を示す文字列や統計計算対象の値を示す文字列を含んでいる。第2統計計算付箋106bには、グラフ付箋101に描画された二次回帰グラフである第2統計グラフに関する情報が表示されている。第2統計計算付箋106bの表示は、二次回帰グラフに関する統計計算を示す文字列や二次回帰式を示す文字列、統計計算対象の値を示す文字列、各値の度数を示す文字列、二次回帰式の係数値を示す文字列を含んでいる。
【0029】
その他、一般計算付箋は、入力部23における入力操作に対応して計算式や計算結果を表示可能である。幾何付箋は、入力部23における入力操作に対応して三角形や円形、円錐などの図形を表示可能である。数列計算付箋は、入力部23における入力操作に対応して初項や漸化式と数列テーブルを表示可能である。なお、数列テーブルは、数列計算付箋とは異なる付箋として表示されてもよい。テキスト付箋は、入力部23における入力操作に対応してテキスト入力情報を表示可能である。
【0030】
図2に示すペーパー100には、接続線141~143と、接続線146、147とが表示されている。接続線141はグラフ付箋101が数式付箋102に紐付けられていることを示し、接続線142は数式付箋102がスライダー付箋103に紐付けられていることを示し、接続線143は数式付箋102が数式用数表付箋104に紐付けられていることを示す。また、接続線146はグラフ付箋101が統計用数表付箋105に紐付けられていることを示し、接続線147は統計用数表付箋105が統計計算付箋106に紐付けられていることを示す。
【0031】
図2に示すペーパー100には、メニューアイコンバー50が表示されている。メニューアイコンバー50は、新たな付箋を表示させるための入力操作を受け付ける複数のアイコンを含んで構成されている。メニューアイコンバー50は、ペーパー100内にてオブジェクトが配置されていない領域で、ユーザーによる入力操作を受け付けた特定の位置に表示される。メニューアイコンバー50は、他の付箋と同様に、フローティングオブジェクトとして表示される。
【0032】
メニューアイコンバー50は、一般計算アイコン51と、グラフアイコン52と、幾何アイコン53と、統計用数表アイコン54と、数列計算アイコン55と、テキストアイコン56と、を含んでいる。一般計算アイコン51は新たな一般計算付箋を表示させる入力操作を受け付ける、グラフアイコン52は新たなグラフ付箋を表示させる入力操作を受け付け、幾何アイコン53は新たな幾何付箋を表示させる入力操作を受け付け、統計用数表アイコン54は新たな統計用数表付箋を表示させる入力操作を受け付け、数列計算アイコン55は新たな数列計算付箋を表示させる入力操作を受け付け、テキストアイコン56は新たなテキスト付箋を表示させる入力操作を受け付ける。その他、メニューアイコンバー50は、新たな財務計算付箋を表示させる入力操作を受け付ける財務計算アイコンを含んでいてもよい。
【0033】
図2に示すグラフ付箋101には、アイコン群が表示されている。このアイコン群には、数式アイコンと、統計用数表アイコンと、が含まれている。アイコン群の数式アイコンは、グラフ付箋101と紐付けされた新たな数式付箋を作成する入力操作やグラフ付箋101と紐付けされた既存の数式付箋にフォーカス移動させる入力操作を受け付ける。アイコン群の統計用数表アイコンは、グラフ付箋101と紐付けられた新たな統計用数表付箋を作成する入力操作やグラフ付箋101と紐付けされた既存の統計用数表付箋にフォーカス移動させる入力操作を受け付ける。
【0034】
情報処理システム1では、白紙のペーパー100から出発して各種付箋を作成し、計算を実行した計算結果を表示する機能要素、グラフ付箋101に関数グラフ又は統計グラフを描画する機能要素、描画されたグラフ上の任意の点の座標値を表示する機能要素、座標値を用いた計算による計算結果を表示する機能要素、幾何付箋に図形を描画する機能要素、数式用数表付箋や統計用数表付箋に数値を入力して表示する機能要素といった、各種の情報処理によって得られた情報をユーザーに提示可能な複数種類の機能要素を有している。こうした複数種類の機能要素は、サーバー装置10の処理部11における対象プログラムの実行によって実現される。
【0035】
ペーパー100の画面表示26では、ユーザーに提供される機能要素に関する情報の一部として、チュートリアルを表示可能である。チュートリアルは、例えば各々の付箋に対応した使用方法を、実際の作成手順や実行手順に従った情報として提示する。チュートリアルの内容は、付箋の種類やユーザーの利用レベルなどに応じて異なる内容が用意されていればよい。チュートリアルは、ユーザーによる情報処理サービスの使用を支援するために提示され、情報処理サービスが提供可能な複数種類の機能要素に対応した使用方法を示す支援情報となる。ペーパー100内では、オブジェクトが配置されていない領域で、チュートリアルを表示可能であればよい。あるいは、オブジェクトが配置された領域であっても、チュートリアルを重ねて表示可能であってもよい。複数のチュートリアルを並べて表示したり重ねて表示したりできるようにしてもよい。このように、情報処理システム1では、複数種類の機能要素を提供する各々の付箋に対応した情報として、支援情報となるチュートリアルを、ペーパー100の画面表示26において表示出力により提示することができる。
【0036】
図3は、ペーパー100の画面表示26におけるチュートリアル107の表示例を示している。チュートリアル107は、スライダー付箋103に対応した使用方法を示す支援情報として提示される。ペーパー100の画面表示26では、スライダー付箋103の下側にてオブジェクトが配置されていない領域にチュートリアル107が表示されている。スライダー付箋103に限定されず、グラフ付箋101、数式付箋102、数式用数表付箋104、統計用数表付箋105、統計計算付箋106のそれぞれに対応して、内容が異なるチュートリアル107を表示可能であればよい。その他、一般計算付箋、幾何付箋、数列計算付箋、財務計算付箋、テキスト付箋など、情報処理サービスにおいて表示出力により提供可能な全部又は一部の付箋に対応して、内容が異なるチュートリアル107を表示出力により提示可能であればよい。メニューアイコンバー50の各アイコン51~56に対応して、内容が異なるチュートリアル107を表示出力により提示可能であってもよい。このように、チュートリアル107は、複数種類の付箋といった複数種類の機能要素に対応した使用方法を示す支援情報であり、機能要素に関する情報に含まれる。
【0037】
チュートリアル107は、ユーザーによる開始要求に対応する入力操作に基づいて、表示が開始されてもよい。あるいは、情報処理サービスの初期設定により、チュートリアル107の表示が自動で開始されてもよい。ユーザーによる入力操作に基づくオプション設定に従い、チュートリアル107の表示が自動で開始される場合と、チュートリアル107の表示が手動で開始される場合と、チュートリアル107の表示が開始されない場合などを、選択可能に切り替えられるようにしてもよい。チュートリアル107は、その内容に従ったユーザーによる入力操作に基づいて、消去されてもよい。あるいは、チュートリアル107に消去ボタンとなる表示領域を設けて、ユーザーによる消去ボタンの入力操作に基づいて、消去されてもよい。複数のチュートリアル107を用意して、第1チュートリアルが示す内容に従った入力操作が検出された場合に、第1チュートリアルの表示を消去するとともに、新たな内容を示す第2チュートリアルの表示を開始してもよい。
【0038】
情報処理システム1において、ユーザーが情報処理サービスを利用する場合には、端末装置20からサーバー装置10にユーザーのIDとパスワードが送信される。ユーザーのIDとパスワードは、情報処理サービスにより予め固有に割り当てられ、端末装置20の記憶部22に記憶されたり入力部23の入力操作により入力されたりすればよい。サーバー装置10ではユーザー認証処理が実行され、ログインが許可されると、端末装置20にマイページ画面が表示される。例えば、端末装置20の出力部24では、液晶ディスプレイなどによりマイページ画面を表示可能であればよい。
【0039】
図4は、端末装置20に表示されるマイページ画面320の一例を示している。マイページ画面320は、サムネイル画像群321を含んでいる。サムネイル画像群321は、複数のサムネイル画像322を含んでいる。各々のサムネイル画像322は、ユーザーが既に作成したペーパー100を示す。各々のサムネイル画像322は、ペーパーのタイトル323、作成者324、更新日時325等を含んでいてもよい。
【0040】
マイページ画面320では、ユーザーによる各種の入力操作を受け付けることができる。ユーザーによる入力操作を示す情報は、入力部23から処理部21及び通信部25を介して端末装置20より送出され、ネットワーク30を通してサーバー装置10へと伝送される。例えば、新しいペーパー100を作成する場合に、作成アイコン327が選択される。既に作成したペーパー100を編集する場合に、そのペーパー100に対応するサムネイル画像322が選択される。新しいペーパー100を作成する場合に、サーバー装置10では、処理部11によりペーパーデータが新規に作成される。既に作成したペーパー100を編集する場合に、サーバー装置10では、処理部11によりペーパーデータが更新される。なお、マイページ画面320は、サムネイル画像群321が表示される一覧表示エリアや、作成アイコン327が表示されるヘッダーエリアの他に、各種表示の切替に対応したメニュー項目が表示されるサイドメニューエリアを含んでいてもよい。
【0041】
図5は、データベース200の構成例を示している。データベース200は、サーバー装置10が備える記憶部12のストレージに設けられている。データベース200は、ペーパー管理テーブル210と、付箋管理テーブル220と、ユーザー管理テーブル230と、チュートリアル管理テーブル240と、チュートリアルデータテーブル250と、を含んでいる。
【0042】
ペーパー管理テーブル210は、ユーザーが作成したペーパー100毎に、データID、ユーザーID、ペーパーID、ペーパーの開示設定、公開用URL(Uniform Resource Locator)などの情報を保管する。ペーパー管理テーブル210に保管される情報を示すデータは、ペーパー管理データともいう。新たなペーパー100が作成された場合に、ペーパー管理テーブル210では、新たに1行のペーパー管理データが追加される。データIDは、各々のペーパー管理データに付与された固有の識別情報である。ユーザーIDは、そのペーパー100を作成したユーザーの識別情報である。ペーパーIDは、ペーパー100毎に割り当てられる識別情報である。ペーパーの開示設定は、対応するペーパー100を公開する「公開」又は非公開とする「非公開」を示す情報である。公開用URLは、ペーパーの開示設定が「公開」である場合に、対応するペーパー100に付与されるアドレス情報である。また、ペーパー管理データは、ペーパー100のサムネイル画像を示す画像データを含んでいてもよい。ペーパー100のサムネイル画像は、ペーパー100の画面データをキャプチャ画像として取り込むことで、作成されたものであればよい。
【0043】
付箋管理テーブル220は、ユーザーが作成した付箋となるオブジェクト毎に、付箋ID、ペーパーID、付箋タイプ、付箋内容などの情報を保管する。付箋管理テーブル220に保管される情報を示すデータは、付箋管理データともいう。新たな付箋が作成された場合に、付箋管理テーブル220では、新たに1行の付箋管理データが追加される。付箋IDは、各々の付箋に対応した付箋管理データに付与された固有の識別情報である。ペーパーIDは、各々の付箋が表示されるペーパー100の識別情報であり、ペーパー管理テーブル210に保管されたペーパー管理データに含まれるペーパーIDに対応している。付箋タイプは、一般計算付箋、グラフ付箋、数式付箋、スライダー付箋、数式用数表付箋、幾何付箋、統計用数表付箋、統計計算付箋、財務計算付箋、テキスト付箋といった、各々の付箋に対応する種類を示す情報である。付箋内容は、付箋の内容を示し、文字列、数式、画像などを特定可能に示す情報である。また、付箋内容は、ペーパー100における各々の付箋について、表示位置や表示サイズ、表示色といった、表示設定に関する情報を含んでいてもよい。
【0044】
ユーザー管理テーブル230は、情報処理システム1が提供する情報処理サービスを利用するユーザー毎に、ユーザーID、ユーザー名、メールアドレス、ユーザー種別、年齢、性別、所在地、利用レベルなどの情報を保管する。ユーザー管理テーブル230に保管される情報を示すデータは、ユーザー管理データともいう。新たなユーザーが登録された場合に、ユーザー管理テーブル230では、新たに1行のユーザー管理データが追加される。ユーザーIDは、各々のユーザーに対応したユーザー管理データに付与された固有の識別情報である。ユーザー名は、登録されたユーザーの名称を示す情報である。メールアドレスは、登録されたユーザーが使用するメールのアドレス情報である。ユーザー種別、年齢、性別、所在地は、各々のユーザーに対応した属性情報である。このうち、ユーザー種別は、生徒又は教師、あるいは、所属機関や所属部署や専門分野など、ユーザーの地位や能力に対応した属性情報である。所在地は、ユーザーの住所、居所、現在地、ユーザーが所属する組織の住所、居所のうち、少なくともいずれかを示す国名、地域の名称、郵便番号、その他の住所コード、番地など、各々のユーザーに対応して設定可能な位置情報であればよい。利用レベルは、各々のユーザーが情報処理サービスを利用した回数や時間、到達した難易度、習熟度などを示す特性情報であればよい。また、ユーザー管理データは、各々のユーザーが情報処理サービスにおいて複数種類の機能要素を利用した履歴を示すログ情報を含んでいてもよい。
【0045】
チュートリアル管理テーブル240は、図3に示されたチュートリアル107など、ペーパー100の画面表示26において提供可能なチュートリアル毎に、チュートリアルID、付箋タイプ、利用レベル、詳細レベルなどの情報を保管する。チュートリアル管理テーブル240に保管される情報を示すデータは、チュートリアル管理データともいう。チュートリアル管理データは、情報処理システム1の内部又は外部機器により予め作成され、チュートリアル管理テーブル240として記憶部22のストレージに記憶されていればよい。また、情報処理システム1の管理者などにより、新たなチュートリアル管理データが作成された場合に、チュートリアル管理テーブル240に追加するように更新されてもよい。チュートリアルIDは、各々のチュートリアル管理データに付与された識別情報である。付箋タイプは、チュートリアルを表示する対象となる付箋の種類が、一般計算付箋、グラフ付箋、数式付箋、スライダー付箋、数式用数表付箋、幾何付箋、統計用数表付箋、統計計算付箋、財務計算付箋、テキスト付箋のいずれであるかを示す情報である。利用レベルは、チュートリアルを表示する対象となるユーザーの利用レベルを示す情報である。詳細レベルは、チュートリアルの内容における詳細度を示す情報である。
【0046】
チュートリアルデータテーブル250には、チュートリアルの具体的な内容に関する情報が格納される。チュートリアルデータテーブル250は、チュートリアル毎に、チュートリアルID、データ内容などの情報を保管する。チュートリアルIDは、チュートリアル管理テーブル240で管理されているものに対応する。データ内容は、チュートリアルの内容を示し、文字列、数式、画像などを特定可能に示す情報である。
【0047】
図6は、サーバー装置10において構成される支援制御部500Aの構成例を示している。支援制御部500Aは、処理部11のプロセッサなどが記憶部12のストレージに予め記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア資源を用いて実現されるものであればよい。支援制御部500Aは、支援対象者となるユーザーに対して、情報処理サービスの使用を支援するためのチュートリアルを提示する場合に、そのユーザーにマッチしたチュートリアルを推定して提示可能にする。支援対象者となるユーザーは、例えばペーパー100の画面表示26を開始させる入力操作を行ったユーザーであり、情報処理サービスを利用するユーザーであれば、誰でも支援対象者となることができる。なお、以下では、チュートリアルを提示して支援する場面でのユーザーを、特に、第1対象者とも称し、その他の場面におけるユーザーは第1対象者とは異なる第2対象者とも称し、両者に区別を設けて説明することがある。
【0048】
図6に示す支援制御部500Aは、演算用データ取得部510と、スコア演算部520と、提示情報決定部530と、を含んでいる。サーバー装置10の処理部11は、記憶部12のストレージなどに記憶されているプログラムを読み出して実行することで、演算用データ取得部510により第1取得機能を実現し、スコア演算部520により第2取得機能を実現し、提示情報決定部530により提示処理機能を実現する。すなわち、サーバー装置10の記憶部12は、コンピュータとしてのサーバー装置10の処理部11に、演算用データ取得部510による第1取得機能と、スコア演算部520による第2取得機能と、提示情報決定部530による提示処理機能と、を実現させるためのプログラムを記憶する。
【0049】
演算用データ取得部510は、端末装置20の出力部24における表示出力によりチュートリアルを提示する場合などに、ユーザーにマッチした機能要素に関する情報を推定する過程の演算処理に用いられる各種データを、演算用データとして取得する。演算用データを用いた演算処理などにより推定の対象となるユーザーは、チュートリアルを提示することにより情報処理サービスの使用を支援する対象となるユーザーでもあり、第1対象者としての支援対象者になる。演算用データは、ユーザーデータ510Aと、サムネイルデータ510Bと、を含んでいる。ユーザーデータ510Aは、情報処理システム1が提供する情報処理サービスを利用する複数のユーザーのうち、チュートリアルを提示して支援する対象となる第1対象者であるユーザーに関するデータであり、ユーザー管理テーブル230において、第1対象者となるユーザーに対応して保管されたユーザー管理データの一部又は全部を含んでいればよい。例えば、ユーザーデータ510Aは、ユーザー管理データに含まれるユーザー種別、性別、年齢、所在地の各情報、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせた情報など、ユーザーの属性情報を示す属性データが用いられてもよい。また、ユーザーデータ510Aは、ユーザー管理データに含まれる利用レベルなど、ユーザーの特性情報を示す特性データが用いられてもよい。サムネイルデータ510Bは、マイページ画面320において第1対象者となるユーザーが選択したサムネイル画像322を示す画像データ(画素値で表されるデータ)であればよい。なお、ペーパー100の画面表示26やマイページ画面320において新規のペーパー作成が選択された場合は、サムネイルデータ510Bとして新規のサムネイル画像322を示す画像データを取得すればよい。新規のサムネイル画像322では、ペーパー100の背景となる表示領域だけが示され、付箋に対応する表示領域が含まれていなければよい。サムネイルデータ510Bは、マイページ画面320において選択されたサムネイル画像322を示す画像データが用いられることで、情報処理システム1が提供する情報処理サービスにおいて、第1対象者となるユーザーが機能要素に対応する付箋を使用した状態を示す第1状態データに相当する。こうして、演算用データ取得部510は、サーバー装置10の処理部11などにおいて対象プログラムの実行によって実現される機能要素を第1対象者が使用した状態を示す第1状態データを取得する第1取得機能(第1取得手段)を実現する。また、演算用データ取得部510は、第1対象者の性別、年齢、及び所在地の一部又は全部の組合せを示す属性データを取得する第1取得機能を実現する。
【0050】
スコア演算部520は、演算用データ取得部510によって取得された演算用データに基づいて、機械学習により生成された学習済みモデルとしての演算モデルに従った演算処理を実行する。演算モデルは、演算用データに含まれるユーザーデータ510A及びサムネイルデータ510Bが入力され、ユーザーにマッチした付箋に関する情報を推定するためのスコアデータ520Aを出力するように、機械学習された学習済みモデルであればよく、例えばニューラルネットワークモデルであればよい。スコア演算部520は、例えばサーバー装置10の記憶部12などに設けられた演算モデル格納部600から演算モデルを取得して、その演算モデルに従った演算処理を実行すればよい。演算モデル格納部600には、機械学習により生成された演算モデルを予め格納しておくことで、演算モデルが保管されていればよい。なお、演算モデル格納部600は、サーバー装置10の記憶部12に設けられるものに限定されず、サーバー装置10とは異なるコンピュータの記憶部などに設けられてもよい。
【0051】
図7は、ニューラルネットワークモデルの構成例を示している。ニューラルネットワークは、入力層と、中間層と、出力層と、を含んで構成されている。中間層は隠れ層ともいう。入力層と、中間層と、出力層は、いずれも複数のニューロンを含んでいる。中間層は、1層のみであってもよいし、2層以上の複数層であってもよく、計算資源や推定精度などの仕様に基づいて任意に設定可能である。入力層は、ユーザーデータ510Aが入力されるニューロンと、サムネイルデータ510Bが入力されるニューロンと、を含んでいる。出力層は、一般計算付箋、グラフ付箋、数式付箋、スライダー付箋、数式用数表付箋、幾何付箋、統計用数表付箋、統計計算付箋、数列計算付箋、財務計算付箋、テキスト付箋といった、各々の付箋タイプに対応して、ユーザーにマッチした付箋に関する情報となるチュートリアルを推定するためのスコアデータ520Aが出力される複数のニューロンを含んでいる。スコア演算部520は、図7に示すニューラルネットワークモデルに従った演算処理を実行することで、機械学習により生成された演算モデルに従い、第1状態データに基づいて、第1対象者にマッチした機能要素に関する情報を推定するための推定データを取得する第2取得機能を実現する。
【0052】
提示情報決定部530は、スコア演算部520による演算結果となるスコアデータ520Aに基づいて、情報処理サービスにおいて端末装置20が出力部24の表示出力によりユーザーに提示する情報としてのチュートリアルを決定する。例えば、スコア演算部520から出力されるスコアデータ520Aにおいて、スコア値が大きい付箋タイプは、ユーザーによる付箋の作成回数や使用回数が多く、ユーザーが使い慣れているものと推測される。これに対し、スコア演算部520から出力されるスコアデータ520Aにおいて、スコア値が小さい付箋タイプは、ユーザーによる付箋の作成回数や使用回数が少なく、ユーザーが使い慣れていないものと推測される。そこで、スコア値が大きい付箋タイプに対応して提示するチュートリアルは、スコア値が小さい付箋タイプに対応して提示するチュートリアルよりも、簡素な内容のチュートリアルとなるように、ユーザーにチュートリアルとして提示する情報が決定されるようにすればよい。スコア演算部520の演算処理で用いられる演算モデルは、演算用データ取得部510によって取得された演算用データに基づいて、このような関係性を有するスコアデータ520Aとして、演算用データに適応したスコア値を示すスコアデータ520Aが得られるように、機械学習により生成されていればよい。スコア演算部520による演算結果となるスコアデータ520Aは、情報処理システム1が提供する情報処理サービスにおける、ユーザーにマッチした機能要素に関する情報を推定するための推定データに相当する。提示情報決定部530は、スコア演算部520から出力されたスコアデータ520Aに基づいて、支援情報となるチュートリアルといった、ユーザーに提示する機能要素に関する情報を決定する。
【0053】
提示情報決定部530は、決定した情報の提示を制御するために用いられる提示制御データ530Aを生成する。提示制御データ530Aは、例えばチュートリアル管理テーブル240に保管されたチュートリアルIDの情報に基づき、チュートリアルデータテーブル250から取得したデータ内容などを含むものであればよい。また、提示制御データ530Aは、ペーパー100の画面表示26において、チュートリアルの表示位置を示す表示位置情報を含んでいてもよい。提示情報決定部530により生成された提示制御データ530Aは、通信部13からネットワーク30を介して端末装置20へと伝送される。端末装置20の処理部21は、サーバー装置10から受信した提示制御データ530Aに基づいて、出力部24の表示出力装置における表示出力を更新することで、支援情報となるチュートリアルといった、情報処理サービスにおいて提供される複数種類の機能要素に関して、ユーザーにマッチした機能要素に関する情報を提示できればよい。こうして、提示情報決定部530により生成された提示制御データ530Aを端末装置20に供給することで、情報処理サービスにおいてユーザーにマッチした機能要素に関する情報を、端末装置20の出力部24における表示出力などによって提示させる提示処理機能(提示処理手段)を実現する。機能要素に関する情報は、複数種類の機能要素に対応した使用方法を示す支援情報であればよい。
【0054】
図8は、学習処理部500Bの構成例を示している。学習処理部500Bは、サーバー装置10において構成されてもよいし、サーバー装置10とは異なるコンピュータにおいて構成されてもよい。例えば、サーバー装置10の処理部11では、プロセッサなどが記憶部12のストレージに予め記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア資源を用いて実現され、支援制御部500Aとは異なるブロックやプロセスにより、学習処理部500Bが構成されてもよい。なお、サーバー装置10の処理部11が備えるCPUとは異なる画像処理プロセッサといった、支援制御部500Aを構成するためのプロセッサとは別個に設けられたプロセッサが用いられてもよい。学習処理部500Bは、学習用データ取得部540と、演算モデル更新部550と、を含んでいる。サーバー装置10の処理部11において学習処理部500Bが構成される場合に、処理部11は、記憶部12のストレージなどに記憶されているプログラムを読み出して実行することで、学習用データ取得部540により第3取得機能を実現し、演算モデル更新部550により更新処理機能を実現してもよい。この場合に、サーバー装置10の記憶部12は、コンピュータとしてのサーバー装置10の処理部11に、学習用データ取得部540による第3取得機能と、演算モデル更新部550による更新処理機能と、を実現させるためのプログラムを記憶する。
【0055】
学習用データ取得部540は、演算モデルを機械学習させるために用いられる各種データを、学習用データとして取得する。学習用データは、ユーザーデータ540Aと、サムネイルデータ540Bと、ペーパーデータ540Cと、付箋データ540Dと、を含んでいる。ユーザーデータ540Aは、情報処理システム1が提供する情報処理サービスを利用する複数のユーザーのうち、第1対象者となるユーザー、又は、第1対象者となるユーザー及び第1対象者とは異なる第2対象者となるユーザーの両方に関するデータであり、ユーザー管理テーブル230において、第1対象者又は第2対象者となるユーザーに対応して保管されたユーザー管理データの一部又は全部を含んでいればよい。なお、第1対象者となるユーザーが新規のユーザーである場合は、そのユーザーに関するデータが存在しないこともある。この場合には、第1対象者とは異なる第2対象者となるユーザーに関するデータをユーザーデータ540Aとすればよい。例えば、ユーザーデータ540Aは、演算用データ取得部510が取得するユーザーデータ510Aと同様に、少なくとも属性データが用いられ、属性データに加えて特性データが用いられてもよい。ユーザーデータ540Aの属性データは、第1対象者となるユーザー及び第2対象者となるユーザーの少なくとも一方の性別、年齢、及び所在地の一部又は全部の組合せを示す。サムネイルデータ540Bは、サムネイル画像322を示す画像データとして、ペーパー管理テーブル210に保管されたペーパー管理データに含まれていればよい。学習用データに含まれるサムネイルデータ540Bは、第1対象者とは異なる第2対象者が過去に作成したペーパー100に対応するサムネイル画像322の画像データ、及び第1対象者が過去に作成したペーパー100に対応するサムネイル画像322の画像データのうち、少なくとも一方を含んでいればよい。サムネイルデータ540Bは、第1対象者とは異なる第2対象者が付箋などの機能要素を過去に使用した状態を示す第2状態データ及び過去に保存された第1状態データの少なくとも一方に相当する。ペーパーデータ540Cは、情報処理システム1が提供する情報処理サービスにおいて表示出力が可能なペーパー100に関するデータであり、ペーパー管理テーブル210において、ペーパー100毎に保管されたペーパー管理データの一部又は全部を含んでいればよい。例えば、ペーパーデータ540Cは、ペーパー管理データに含まれるペーパーIDを示すデータとして、サムネイルデータ540Bに含まれる画像データが示すサムネイル画像322に対応して、ペーパー100に割り当てられたペーパーIDを示すデータであればよい。付箋データ540Dは、ペーパー100において表示可能な各種の付箋に関するデータであり、付箋管理テーブル220において、付箋となるオブジェクト毎に保管された付箋管理データの一部又は全部を含んでいればよい。例えば、付箋データ540Dは、付箋管理データに含まれる付箋ID及びペーパーIDを示すデータとして、ペーパーデータ540Cが示すペーパーIDと関連付けられた付箋IDを示すデータであればよい。また、付箋データ540Dは、付箋タイプや付箋内容を示すデータが含まれてもよい。
【0056】
学習用データ取得部540は、ペーパーデータ540C及び付箋データ540Dに基づいて、機械学習による演算モデルの生成や更新に用いられる教師用データを取得してもよい。例えば、学習用データ取得部540は、ペーパーデータ540Cに含まれるペーパーIDに対応して、付箋データ540Dに含まれる同一のペーパーIDと対応付けられた付箋IDを抽出する。そして、抽出した付箋IDと対応付けられた付箋タイプ毎に、該当する付箋タイプに対応する付箋IDの個数を、同一のペーパーIDと対応付けられた付箋IDの総数により、除算する。このような該当する付箋タイプに対応する付箋の個数を、ペーパー100において作成された付箋の総数により除算する処理で得られた値は、該当する付箋タイプについて正解のスコア値となる。学習用データ取得部540は、各付箋タイプについて得られたスコア値を示すスコアデータを、正解データとなる教師用データとして取得する。こうして、学習用データ取得部540は、第1対象者が機能要素を過去に使用した状態を示す第1状態データと、第1対象者とは異なる第2対象者が機能要素を過去に使用した状態を示す第2状態データとについて、第1状態データを取得する場合や、第1状態データ及び第2状態データの両方を取得する場合があり、いずれの場合にも、第1状態データ及び第2状態データとは異なる教師用データとともに取得する。すなわち、学習用データ取得部540は、第1状態データ、又は、第1状態データ及び第2状態データの両方を、第1状態データ及び第2状態データとは異なる教師用データとともに取得する第3取得機能を実現する。
【0057】
演算モデル更新部550は、スコア演算部520による演算に用いられる演算モデルのパラメーターを調整することにより、ユーザーデータ540A及びサムネイルデータ540Bと、推定データに相当するスコアデータとの関係性を学習するように、演算モデルを更新する。例えば、図7に示すニューラルネットワークモデルは、学習用データ取得部540が学習用データのうちペーパーデータ540C及び付箋データ540Dを用いて取得した教師用データに基づいて、いわゆる教師あり学習によって、ユーザーデータ540A及びサムネイルデータ540Bとスコアデータとの関係性を学習する。教師あり学習の手法として、例えば誤差逆伝播法(Back Propagation)が用いられてもよい。ユーザーデータ540A及びサムネイルデータ540Bを入力した場合に、教師用データが示すスコア値を得られるように、重み付け係数やバイアス成分といった、演算モデルのパラメーターを調整すればよい。演算モデル更新部550により更新された演算モデルは、演算モデル格納部600に格納して、スコア演算部520が取得可能に保管すればよい。こうして、演算モデル更新部550は、第3取得機能を実現する学習用データ取得部540により取得されたデータに基づいて、機械学習により演算モデルを更新する更新処理機能を実現する。また、演算モデル更新部550は、過去に保存された第2状態データ及び過去に保存された第1状態データの少なくとも一方に基づく機械学習により演算モデルを生成する生成処理機能を実現してもよい。演算モデル格納部600から読み出した演算モデルに従って、スコア演算部520は、図7に示すニューラルネットワークモデルの入力層に入力されるユーザーデータ510A及びサムネイルデータ510Bに応答して、出力層が、実際のペーパー100において第1対象者となるユーザーにより作成された付箋に対応したスコアデータ520Aを出力することで、推定データを取得する第2取得機能を実現する。したがって、スコア演算部520は、第1対象者とは異なる第2対象者が機能要素を過去に使用した状態を示す第2状態データ及び過去に保存された第1状態データの少なくとも一方に基づく機械学習により生成された演算モデルに従い、演算用データ取得部510が実現する第1取得機能によって取得された第1状態データに基づいて、第1対象者であるユーザーにマッチした機能要素に関する情報を推定するための推定データを取得する第2取得機能(第2取得手段)を実現する。また、演算モデルは、第1対象者及び第2対象者の少なくとも一方の性別、年齢、及び所在地の一部又は全部の組合せを示す属性データにさらに基づく機械学習により生成される。スコア演算部520の第2取得機能は、演算モデルに従い、第1状態データ及び演算用データ取得部510が実現する第1取得機能によって取得された第1対象者の属性データに基づいて、推定データを取得する。
【0058】
演算モデル更新部550は、予め用意された学習用データを訓練データとして用いて、初期学習となる機械学習により演算モデルのパラメーターを調整する。その後、演算モデル更新部550は、事前に又は事後に設定された更新条件となる追加学習条件の成立に基づいて、新たな学習用データを訓練データとして用いて、追加学習となる機械学習により演算モデルのパラメーターを調整すればよい。一例として、ペーパー管理テーブル210においてペーパー管理データにより保管されたペーパーIDの個数に基づいて、作成されたペーパー100の枚数が、例えば100枚といった、特定枚数分だけ増加するごとに、追加学習条件が成立してもよい。他の一例として、ユーザー管理テーブル230においてユーザー管理データにより保管されたユーザーIDの個数に基づいて、登録されたユーザーの人数が、例えば100人といった、特定人数分だけ増加するごとに、追加学習条件が成立してもよい。さらに他の一例として、チュートリアル管理テーブル240においてチュートリアル管理データにより保管されたチュートリアルIDの個数に基づいて、記憶されたチュートリアルの項目数が、例えば100項目といった、特定項目数分だけ増加するごとに、追加学習条件が成立してもよい。あるいは、チュートリアルの項目が新たに増加するごとに、追加学習条件が成立してもよい。この場合に、学習用データ取得部540は、更新条件となる追加学習条件の成立に基づいて、サムネイルデータ540Bに含まれる第1状態データ及び第2状態データの少なくとも一方を、第1状態データ及び第2状態データとは異なる教師用データとともに取得する第3取得機能を実現する。演算モデル更新部550は、学習用データ取得部540により取得されたデータに基づいて、機械学習により演算モデルを更新する更新処理機能を実現する。
【0059】
図9は、ペーパー100において作成された付箋が、一般計算付箋、グラフ付箋、財務計算付箋、テキスト付箋を、それぞれ1つずつ含む場合に、演算モデルに従った演算処理による出力の目標となるスコア値の一例を示している。前述したように、ペーパーデータ540C及び付箋データ540Dを用いて算出される付箋タイプ毎のスコア値は、該当する付箋タイプに対応する付箋の個数を、ペーパー100において作成された付箋の総数により、除算した値となる。この一例では、全部で4つの付箋があることから、ペーパー100に含まれる各付箋に対応するスコア値が、いずれも0.25になる。ペーパー100に含まれない各付箋に対応するスコア値は、いずれも0になる。同様に、ペーパー100において作成数が多い付箋タイプは、ペーパー100において作成数が少ない付箋タイプよりも、対応するスコア値が大きくなる。このようなスコア値を示すスコアデータは、ユーザーが付箋タイプに応じた複数種類の機能要素となる付箋を使用した場合において、付箋タイプに応じた使用状態の確率分布を示すことになる。この場合に、使用状態の確率分布を示すスコアデータは、第1対象者となるユーザーや第2対象者となるユーザーが、過去に作成又は編集した付箋について、付箋タイプに応じた使用の確率をスコア値の大小により示すものといえる。そして、スコア値に示される確率が大きい付箋タイプは付箋の作成回数や使用回数が多くユーザーが使い慣れて習熟度が高い一方で、スコア値に示される確率が小さい付箋タイプは付箋の作成回数や使用回数が少なくユーザーが使い慣れておらず習熟度が低い、と推測される。スコア演算部520は、機械学習により生成された演算モデルに従い、演算用データ取得部510が実現する第1取得機能によって取得された第1状態データに基づいて、付箋タイプに対応する機能要素に応じた使用状態の確率分布を示すスコアデータを取得する第2取得機能を実現してもよい。
【0060】
なお、スコアデータは、ユーザーが付箋タイプに応じた複数種類の機能要素となる付箋を使用した状態において、既に作成又は編集された付箋として使用された付箋タイプに応じた各付箋の使用割合や使用率を示すものであってもよい。この場合に、使用割合や使用率を示すスコアデータは、第1対象者となるユーザーや第2対象者となるユーザーが、過去に作成又は編集した付箋について、付箋タイプに応じた使用の傾向をスコア値の大小により示すものともいえる。このようなスコアデータにおいてスコア値が大きい付箋タイプは付箋の作成回数や使用回数が多くユーザーが使い慣れて習熟度が高い一方で、スコアデータにおいてスコア値が小さい付箋タイプは付箋の作成回数や使用回数が少なくユーザーが使い慣れておらず習熟度が低いと、推測される。したがって、使用割合を示すスコアデータも、第1対象者となるユーザーや第2対象者となるユーザーが、過去に作成又は編集した付箋に基づいて、付箋タイプに応じたユーザーの習熟度をスコア値の大小により示すものともいえる。さらに、スコアデータにおいてスコア値が大きい付箋タイプは付箋の作成回数や使用回数が多くユーザーが意識を向けた程度が高い一方で、スコアデータにおいてスコア値が小さい付箋タイプは付箋の作成回数や使用回数が少なくユーザーが意識を向けた程度が低いと、推測される。そのため、使用割合を示すスコアデータは、第1対象者となるユーザーや第2対象者となるユーザーが、過去に作成又は編集した付箋に基づいて、付箋タイプに応じてユーザーが意識を向けた程度である志向性の評価をスコア値の大小により示すものともいえる。スコア演算部520は、機械学習により生成された演算モデルに従い、演算用データ取得部510が実現する第1取得機能によって取得された第1状態データに基づいて、付箋タイプに対応する機能要素に応じた使用割合又は使用率を示すスコアデータ、付箋タイプに対応する機能要素に応じた第1対象者の習熟度を示すスコアデータ、付箋タイプに対応する機能要素に応じた第1対象者の志向性の評価を示すスコアデータのうち、いずれかのスコアデータを取得する第2取得機能を実現してもよい。
【0061】
このように、学習用データ取得部540により取得されたユーザーデータ540A及びサムネイルデータ540Bに基づいて、演算モデルによる演算結果として出力されるスコアデータにおいて目標値となるスコア値は、学習用データ取得部540により取得されるペーパーデータ540C及び付箋データ540Dを用いて、すべて算出可能となる。演算モデル更新部550は、ペーパーデータ540C及び付箋データ540Dに基づいて算出されたスコア値を示すスコアデータを教師用データとして、ユーザーデータ540A及びサムネイルデータ540Bとの関係性を学習するように、演算モデルにおけるパラメーターを調整すればよい。例えば、図7に示すニューラルネットワークモデルでは、誤差逆伝播法(Back Propagation)により重み付け係数やバイアス成分を調整することで、演算モデルを更新することができる。
【0062】
こうして、スコアデータ520Aを取得するための演算モデルは、機械学習により学習済みなので、提示情報決定部530は、ユーザーデータ510A及びサムネイルデータ510Bの入力に応じて第1対象者となるユーザーにマッチしたチュートリアルなどの支援情報を、機能要素である付箋に関する情報として、スコア演算部520により取得したスコアデータ520Aに基づいて決定することができる。例えば、第1対象者となるユーザーに対応してユーザーデータ510A及びサムネイルデータ510Bが演算用データとして演算用データ取得部510によって取得されたときに、スコア演算部520により取得されるスコアデータ520Aは、第2対象者となるユーザーのうちで、第1対象者となるユーザーに合致するユーザーデータなどを有するユーザーと、共通のスコア値を示すものにできる。第2対象者となるユーザーに対応したユーザーデータ及びサムネイルデータは、学習用データ取得部540によって取得されたユーザーデータ540A及びサムネイルデータ540Bに含まれており、ペーパーデータ540C及び付箋データ540Dから得られた教師用データに基づいて、演算モデルのパラメーターは、正解データに合致するスコアデータが得られるように、演算モデル更新部550によって調整されている。この場合に、第2対象者となるユーザーに対応して得られるスコアデータを、第1対象者となるユーザーに適用することができる。したがって、学習用データ取得部540によって取得された学習用データに基づく機械学習により生成された演算モデルは、演算用データ取得部510によって取得された演算用データに適応したスコア値を示すスコアデータ520Aが得られるように、パラメーターが調整されている。
【0063】
チュートリアルデータテーブル250にデータ内容が保管されたチュートリアルは、チュートリアル管理テーブル240に保管された詳細レベルにより、情報の詳細度を複数の段階に分けておくことができる。例えば、詳細レベルは第1レベルから第7レベルまでの7段階を設け、第1レベルが最も簡易であり、第7レベルが最も詳細であるものとしてもよい。より具体的に、第1レベルのチュートリアルは付箋の項目のみを示し、第2レベルのチュートリアルは機能簡易説明を示し、第3レベルのチュートリアルは簡易例を示し、第4レベルのチュートリアルは機能詳細説明を示し、第5レベルのチュートリアルは第1詳細例を示し、第6レベルのチュートリアルは第2詳細例を示し、第7レベルのチュートリアルは全体詳細説明を示す。
【0064】
図10は、演算用データを用いて演算モデルによる演算処理を実行することで、提示するチュートリアルが決定される具体例を示している。この具体例では、スコア演算部520が演算モデルに従った演算処理を実行することで、一般計算付箋のスコア値が0.25、グラフ付箋のスコア値が0.4、幾何付箋のスコア値が0.15、統計用数表付箋のスコア値が0.03、数列計算付箋のスコア値が0.05、財務計算付箋のスコア値が0.1、テキスト付箋のスコア値が0.02となるスコアデータ520Aが得られている。
【0065】
提示情報決定部530は、このようなスコア値を示すスコアデータ520Aが取得されると、スコア値が大きい付箋から小さい付箋への順位を付与する。図10の具体例では、グラフ付箋が第1位、一般計算付箋が第2位、幾何付箋が第3位、財務計算付箋が第4位、数列計算付箋が第5位、統計用数表付箋が第6位、テキスト付箋が第7位となる。次に、提示情報決定部530は、付箋の順位に応じて、端末装置20により提示させるチュートリアルである提示チュートリアルについて、段階と組合せを決定する。図10の具体例では、第1位のグラフ付箋に対応して第1レベルの項目のみ、第2位の一般計算付箋に対応して第2レベルの機能簡易説明、第3位の幾何付箋に対応して第2レベルの機能簡易説明と第3レベルの簡易例、第4位の財務計算付箋に対応して第4レベルの機能詳細説明と第3レベルの簡易例、第5位の数列計算付箋に対応して第4レベルの機能詳細説明と第5レベルの第1詳細例、第6位の統計用数表付箋に対応して第4レベルの機能詳細説明と第5レベルの第1詳細例と第6レベルの第2詳細例、第7位のテキスト付箋に対応して第4レベルの機能詳細説明と第5レベルの第1詳細例と第6レベルの第2詳細例と第7レベルの全体詳細説明が、それぞれ決定される。提示情報決定部530により決定されたチュートリアルは、ペーパー100において新たな付箋が作成されたときに、その付箋タイプに対応した表示出力により提示すればよい。付箋タイプに対応して複数のチュートリアルの組合せが決定された場合には、それらのチュートリアルを並べて表示出力することにより提示させてもよいし、それらのチュートリアルを重ねて表示出力することにより提示させてもよい。
【0066】
こうして、提示情報決定部530は、スコア演算部520による演算モデルに従った演算結果として取得されたスコアデータ520Aに基づいて、付箋タイプに対応する複数種類の機能要素に応じて、端末装置20の出力部24における表示出力によりユーザーに提示させる情報の詳細度を異ならせてもよい。また、提示情報決定部530は、スコア演算部520による演算モデルに従った演算結果として取得されたスコアデータ520Aに基づいて、付箋タイプに対応する複数種類の機能要素に応じて、端末装置20の出力部24における表示出力によりユーザーに提示させる情報として、単一のチュートリアルとなる支援情報を提示させる場合と、複数のチュートリアルとなる支援情報を提示させる場合とがあってもよい。すなわち、提示情報決定部530は、スコア演算部520による演算モデルに従った演算結果として取得されたスコアデータ520Aに基づいて、付箋タイプに対応する複数種類の機能要素に応じて、第1対象者となるユーザーに提示させる情報の数量を異ならせてもよい。
【0067】
図11は、情報処理システム1において、第1対象者となるユーザーが情報処理サービスを利用する場合に実行される情報提供処理の一例を示すフローチャートである。このような情報提供処理は、サーバー装置10において、処理部11のプロセッサなどが記憶部12のストレージに予め記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア資源を用いて実現されるものであればよい。情報提供処理は、例えば端末装置20からのアクセスにより、サーバー装置10の処理部11がログインを許可した場合に実行が開始される。
【0068】
サーバー装置10の処理部11は、ユーザーのログインを許可した場合に、データベース200のユーザー管理テーブル230に保管されているユーザー管理データを読み出す(ステップS101)。このときには、処理部11により、ログインを許可した第1対象者となるユーザーに割り当てられたユーザーIDが特定される。そして、特定されたユーザーIDに対応するユーザー管理データは、記憶部12から読み出される。例えば、サーバー装置10の処理部11は、支援制御部500Aにおいて、演算用データ取得部510によりユーザー管理データを読み出す。演算用データ取得部510は、記憶部12に設けられたデータベース200において、特定されたユーザーIDに対応するユーザー管理データを、ユーザー管理テーブル230から読み出して、ユーザーデータ510Aを取得する。ユーザーのログインを許可したときに、ユーザー毎に用意されたマイページ画面320は、端末装置20の出力部24が備える表示出力装置での表示出力により提供される。
【0069】
続いて、サーバー装置10の処理部11は、ユーザーに対応して用意された演算モデルを読み込む(ステップS102)。例えば、サーバー装置10の処理部11は、記憶部12のストレージなどに設けられた演算モデル格納部600に格納されて用意されている演算モデルのうちから、ユーザーIDに対応するものを選択して、スコア演算部520による演算処理で使用可能となるようにRAMなどのワークエリアに読み込むようにすればよい。
【0070】
その後、新規ペーパーの作成が指示されたか否かを判定する(ステップS103)。例えば、マイページ画面320において、作成アイコン327を選択する入力操作は、端末装置20の入力部23が備えるタッチパネルやマウスなどにより検出され、端末装置20の処理部21に通知される。端末装置20の処理部21は、この通知に応じたリクエストを、通信部25からネットワーク30を介してサーバー装置10へと伝送させる。このとき伝送されるリクエストは、新規作成リクエストともいう。サーバー装置10の処理部11は、端末装置20からの新規作成リクエストを受け取ることで、新規にペーパー100の作成が指示されたことを認識できる。
【0071】
新規ペーパーの作成が指示された場合に(ステップS103;Yes)、新規のサムネイル画像322を示す画像データを読み込む(ステップS104)。例えば、サーバー装置10の処理部11は、支援制御部500Aにおいて、演算用データ取得部510により新規のサムネイル画像322を示す画像データを読み出して、サムネイルデータ510Bを取得する。このとき取得されたサムネイルデータ510Bはユーザーデータ510Aとともに、スコア演算部520に供給される。
【0072】
新規ペーパーの作成が指示されない場合に(ステップS103;No)、マイページ画面320にサムネイル画像322が表示されたペーパー100の編集開始が指示されたか否かを判定する(ステップS105)。例えば、マイページ画面320において、サムネイル画像322を選択する入力操作は、端末装置20の入力部23が備えるタッチパネルやマウスなどにより検出され、端末装置20の処理部21に通知される。端末装置20の処理部21は、この通知に応じたリクエストを、通信部25からネットワーク30を介してサーバー装置10へと伝送させる。このとき伝送されるリクエストは、編集開始リクエストともいう。サーバー装置10の処理部11は、端末装置20からの編集開始リクエストを受け取ることで、サムネイル画像322に対応するペーパー100の編集開始が指示されたことを認識できる。
【0073】
ペーパー100の編集開始が指示された場合に(ステップS105;Yes)、編集開始が指示されたペーパー100に対応するサムネイル画像322を示す画像データを読み込む(ステップS106)。例えば、サーバー装置10の処理部11は、支援制御部500Aにおいて、演算用データ取得部510によりペーパー100に対応するサムネイル画像322を示す画像データを読み出して、サムネイルデータ510Bを取得する。このとき取得されたサムネイルデータ510Bはユーザーデータ510Aとともに、スコア演算部520に供給される。ステップS104又はステップS106にてサムネイル画像322を示す画像データを読み出すことにより、サーバー装置10の処理部11などにおいて対象プログラムの実行によって実現される機能要素を第1対象者が使用した状態を示す第1状態データを取得する第1ステップが実行される。
【0074】
ステップS104又はステップS106にてサムネイル画像322を示す画像データを読み込んだ後に、スコア演算部520は、機械学習により生成された演算モデルに従い、ユーザーデータ510Aとサムネイルデータ510Bに基づいた演算を実行することで、ユーザーにマッチした機能要素に関する情報を推定するためのスコアデータ520Aを取得する(ステップS107)。このとき取得されたスコアデータ520Aは、サーバー装置10の記憶部12において、例えばRAMに一時記憶させることで、スコアデータ520Aに示されるスコア値を記録する(ステップS108)。スコア演算部520による演算で取得されたスコアデータ520Aは、提示情報決定部530に供給される。ステップS107にてスコアデータ520Aを取得することにより、第1対象者とは異なる第2対象者が機能要素を過去に使用した状態を示す第2状態データ及び過去に保存された第1状態データの少なくとも一方に基づく機械学習により生成された演算モデルに従い、第1ステップにて取得された第1状態データに基づいて、第1対象者であるユーザーにマッチした機能要素に関する情報を推定するための推定データを取得する第2ステップが実行される。
【0075】
提示情報決定部530は、スコア演算部520からのスコアデータ520Aに基づいて、ユーザーに提示する情報を決定した後に、端末装置20におけるチュートリアルの表示出力などによる提示を行わせる(ステップS109)。例えば、新規のペーパー100が作成された後に、メニューアイコンバー50におけるアイコンの選択などに応じて新たな付箋の作成が指示されると、付箋タイプに対応したチュートリアルの表示内容が、スコアデータ520Aに示されるスコア値に対応して決定される。また、ペーパー100の編集が開始されたときに、ペーパー100の画面表示26において付箋が表示されると、表示された各付箋の付箋タイプに対応したチュートリアルの表示内容が、スコアデータ520Aに示されるスコア値に対応して決定される。提示情報決定部530は、決定されたチュートリアルの提示を制御する提示制御データ530Aを生成する。サーバー装置10の処理部11は、提示制御データ530Aを通信部13からネットワーク30を介して端末装置20へと伝送させる。端末装置20の処理部21は、サーバー装置10からの提示制御データ530Aを受け取ることで、出力部24の表示出力によりチュートリアルを提示する。ステップS109にてチュートリアルの提示を行わせることにより、第2ステップにて取得された推定データに基づいて、第1対象者であるユーザーにマッチした機能要素に関する情報を、提示部に提示させる第3ステップが実行される。
【0076】
新規のペーパー100が作成された後や、サムネイル画像322に対応するペーパー100の編集が開始された後には、端末装置20の入力部23により検出された操作入力に応じて、各付箋に応じた複数種類の機能要素が提供される。ペーパー100の画面表示26が表示出力されているときに、端末装置20における入力データや入力指示は、ネットワーク30を介してサーバー装置10に送信される。サーバー装置10の処理部11は、端末装置20から受信した入力データや入力指示に基づいて、計算結果の出力やグラフ又は図形の描画、数表の作成など、複数種類の機能要素を提供するための処理を実行する。これらの処理結果を示す出力データは、サーバー装置10からネットワーク30を介して端末装置20に送信される。端末装置20の処理部21は、サーバー装置10から受信した出力データに基づいて、出力部24の表示出力装置における表示出力を更新する。
【0077】
このようにペーパー100の画面表示26が表示出力されているときには、そのペーパー100を閉じるペーパークローズによる編集の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS110)。例えば、ペーパー100の画面表示26において、マイページ画面320に戻るメニュー項目を選択する入力操作は、端末装置20の入力部23が備えるタッチパネルやマウスなどにより検出され、端末装置20の処理部21に通知される。端末装置20の処理部21は、この通知に応じたリクエストを、通信部25からネットワーク30を介してサーバー装置10へと伝送させる。このとき伝送されるリクエストは、編集終了リクエストともいう。サーバー装置10の処理部11は、端末装置20からの編集終了リクエストを受け取ることで、ペーパー100の編集終了が指示されたことを認識できる。
【0078】
ペーパー100の編集終了が指示されていなければ(ステップS110;No)、処理をステップS109に戻して、チュートリアルの表示出力などによる提示の制御が行われる。これに対し、ペーパー100の編集終了が指示された場合に(ステップS110;Yes)、サーバー装置10の処理部11は、編集が終了したペーパー100に対応して、サムネイル画像322を示す画像データを作成して、記憶部12に記憶させて保存する(ステップS111)。例えば、サーバー装置10の処理部11は、データベース200において、ペーパー管理テーブル210のペーパー管理データを更新することで、新たなサムネイル画像322を示す画像データが保存される。
【0079】
こうして、ペーパー100の編集が終了したときに、端末装置20の出力部24が備える表示出力装置での表示出力は、マイページ画面320の表示に戻る。また、サーバー装置10の処理部11は、ペーパー100が閉じられたことに対応して、スコアデータ520Aを消去することで、スコア値の記録をクリアする(ステップS112)。その後、マイページ画面320における指示を受け付けるときには、終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS113)。なお、マイページ画面320においてペーパー100の編集開始が指示されない場合にも(ステップS105;No)、処理をステップS113に進めて、終了条件が成立したか否かを判定すればよい。ステップS113では、マイページ画面320においてログアウトの入力操作が検出された場合や、他のページに移行する入力操作が検出された場合、あるいは、入力操作が検出されずに予め設定されたタイムアウト時間が経過した場合など、特定の入力操作が検出された場合又は入力操作が検出されずに終了判定時間が経過した場合に、終了条件が成立したと判定すればよい。そして、終了条件が成立しなければ(ステップS113;No)、処理をステップS103に戻して、新規ペーパーの作成指示などを待機する。これに対し、終了条件が成立したときに(ステップS113;Yes)、サーバー装置10の処理部11は、情報提供処理を終了する。
【0080】
新規ペーパーの作成が指示された場合に、複数のチュートリアルとなる支援情報を組み合わせて順次に表示出力させる提示制御データ530Aにより、情報処理サービスの使用方法を段階的に説明するツアー機能が実現されてもよい。例えば、付箋タイプに対応して情報の詳細度を複数の段階に分けて用意されたチュートリアルは、スコアデータ520Aが示すスコア値により付箋に付与された順位がいずれであっても、付箋タイプに対応して複数のチュートリアルの組合せが決定されるものとして構成する。提示情報決定部530は、スコア値を示すスコアデータ520Aが取得されると、付箋に付与した順位に基づいて、新規ペーパーの作成時に実施するツアー機能を決定する。例えば、新規ペーパーの作成が最初に指示された初回作成時は、スコア値が最も大きい付箋タイプに対応するツアー機能に決定して、複数のチュートリアルを順次に表示出力して提示させる提示制御データ530Aを生成する。また、新規ペーパーの作成が2回目以降に指示された複数回作成時は、スコア値が最も小さい付箋タイプに対応するツアー機能に決定して、複数のチュートリアルを順次に表示出力して提示させる提示制御データ530Aを生成する。あるいは、新規ペーパーの作成が2回目以降に指示された複数回作成時は、新規ペーパーの作成回数が増加するに従って、スコア値が大きい付箋タイプからスコア値が小さい付箋タイプへと変更されるように、複数の付箋タイプに対応するツアー機能のうちから実施するツアー機能を新規ペーパーの作成回数に応じて決定して、提示制御データ530Aを生成してもよい。提示制御データ530Aは、ツアー機能を自動的に開始させる制御データであってもよいし、ツアー機能の開始をユーザーに促す制御データであってもよい。
【0081】
提示情報決定部530は、スコア演算部520により取得されたスコアデータ520Aが示すスコア値に基づいて、様々な情報の提供を決定できるものであればよい。例えば、メニューアイコンバー50に設けられた各付箋に対応するアイコンは、スコアデータ520Aが示すスコア値に応じて、異なる表示色が設定されてもよい。提示情報決定部530は、スコアデータ520Aが示すスコア値を用いて、付箋タイプ毎の順位を付与した場合に、それらの付箋タイプに対応するアイコンの表示色を決定する。アイコンの表示色を決定する一例として、第1位の付箋タイプは赤色、第2位の付箋タイプは橙色、第3位の付箋タイプは黄色、第4位の付箋タイプは緑色、第5位の付箋タイプは青色、第6位の付箋タイプは藍色、第7位の付箋タイプは紫色となるように、アイコンの表示色が決定されてもよい。なお、アイコンの表示色は、ユーザーにマッチした機能要素に関する情報を推定する過程において変更可能であり、例えばユーザーによるクリック操作やタップ操作が多いアイコンの表示色は、スコア値の高い順位と対応付けられるように変更できればよい。アイコンの表示色に限定されず、例えばアイコンの表示サイズ、表示位置、アイコンが示す形状、模様、光沢、輝度、これらの一部又は全部の組合せなど、任意の表示態様を異ならせることにより、情報の提示態様を異ならせてもよい。このように、提示情報決定部530は、スコア演算部520により取得されたスコアデータ520Aに基づいて、付箋タイプに対応する複数種類の機能要素に応じて、各付箋の作成による機能要素の開始を指示するアイコンの提示態様を異ならせてもよい。機能要素の開始を指示する情報としてのアイコンは、機能要素に関する情報に含まれる。
【0082】
他の例として、端末装置20の出力部24が表示出力により提示するペーパー100の画面表示26において、チュートリアルを表示出力する提示位置は、スコアデータ520Aが示すスコア値に応じて、異なる位置が設定されてもよい。この場合に、ペーパー100の画面表示26は、複数の表示領域として、図12に示すような7つの表示領域190A~190Gに分割するように設定しておく。ただし、実際には表示領域190A~190Gの境界線は表示されず、チュートリアルを提示する上での設定であればよい。提示情報決定部530は、スコアデータ520Aが示すスコア値を用いて、付箋タイプ毎の順位を設定した場合に、それらの付箋タイプに対応する表示領域を決定する。表示領域を決定する一例として、第1位の付箋タイプは表示領域190A、第2位の付箋タイプは表示領域190B、第3位の付箋タイプは表示領域190C、第4位の付箋タイプは表示領域190D、第5位の付箋タイプは表示領域190E、第6位の付箋タイプは表示領域190F、第7位の付箋タイプは表示領域190Gとなるように、チュートリアルの提示位置が決定されてもよい。なお、チュートリアルの提示位置は、ユーザーにマッチした機能要素に関する情報を推定する過程において変更可能であり、例えばユーザーによる付箋の作成回数が多い表示領域は、スコア値の高い順位と対応付けられるように変更できればよい。このように、提示情報決定部530の提示処理機能は、スコア演算部520の第2取得機能により取得された推定データに相当するスコアデータ520Aに基づいて、付箋タイプに対応する複数種類の機能要素に応じて画面表示26における異なる位置を、チュートリアルなどの機能要素に関する情報を提示させる位置に決定してもよい。
【0083】
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理システム1において、サーバー装置10の処理部11を用いた情報処理により、図6に示す支援制御部500Aの構成が実現される。この支援制御部500Aにて、演算用データ取得部510が実現する第1取得機能は、付箋となるオブジェクトなどに対応して、対象プログラムの実行によって実現される機能要素を第1対象者であるユーザーが使用した状態を示すサムネイルデータ510Bといった、第1状態データを取得する。スコア演算部520が実現する第2取得機能は、第1対象者となるユーザーとは異なる第2対象者となるユーザーが機能要素を過去に使用した状態を示すサムネイルデータ540Bといった、第2状態データ、及び、第1対象者であるユーザーが機能要素を過去に使用した状態を示すサムネイルデータ540Bといった、過去の第1状態データのうち、少なくとも一方に基づく機械学習により生成された演算モデルに従い、演算用データ取得部510の第1取得機能によって取得された第1状態データに基づいて、第1対象者となるユーザーにマッチした機能要素に関する情報を推定するための推定データであるスコアデータ520Aを取得する。提示情報決定部530が実現する提示処理機能は、スコア演算部520の第2取得機能によって取得された推定データに相当するスコアデータ520Aに基づいて、提示制御データ530Aを生成し、機能要素に関する情報を、端末装置20の出力部24において表示出力により提示させる。このように、機械学習により生成された演算モデルに従い、取得された推定データに基づいて、第1対象者となるユーザーにマッチした機能要素に関する情報を、適切に提示することにより、ユーザーの利便性を向上できる。
【0084】
また、演算モデルは、第1対象者となるユーザー及び第2対象者となるユーザーの少なくとも一方の性別、年齢、及び所在地の一部又は全部の組合せを示す属性データとなるユーザーデータ540Aにさらに基づく機械学習により生成される。演算用データ取得部510が実現する第1取得機能は、第1対象者となるユーザーの属性データとなるユーザーデータ510Aをさらに取得する。スコア演算部520が実現する第2取得機能は、演算モデルに従い、第1状態データ及び演算用データ取得部510の第1取得機能によって取得された第1対象者となるユーザーの属性データとなるユーザーデータ510Aに基づいて、推定データに相当するスコアデータ520Aを取得する。このように、第1対象者となるユーザーなどの属性データにさらに基づく機械学習により生成された演算モデルに従い、第1状態データとともに第1対象者となるユーザーの属性データに基づいて、推定データを取得するので、第1対象者となるユーザーにマッチした機能要素に関する情報を、より適切に提示して、ユーザーの利便性を向上できる。
【0085】
提示情報決定部530が実現する提示処理機能は、推定データに相当するスコアデータ520Aに基づいて、付箋タイプに対応する複数種類の機能要素に応じて詳細度が異なる情報を、提示部となる端末装置20の出力部24における表示出力により提示させる。このように、複数種類の機能要素に応じて詳細度が異なる情報を、提示部に提示させるので、第1対象者となるユーザーにマッチして詳細度が異なる機能要素に関する情報を、さらに適切に提示することにより、ユーザーの利便性を向上できる。
【0086】
提示情報決定部530が実現する提示処理機能は、推定データに相当するスコアデータ520Aに基づいて、付箋タイプに対応する複数種類の機能要素に応じて数量が異なる情報を、提示部となる端末装置20の出力部24における表示出力により提示させる。このように、複数種類の機能要素に応じて数量が異なる情報を、提示部に提示させるので、第1対象者となるユーザーにマッチして数量が異なる機能要素に関する情報を、さらに適切に提示することにより、ユーザーの利便性を向上できる。
【0087】
機能要素に関する情報は、付箋タイプに応じたチュートリアルといった、複数種類の機能要素に対応した使用方法を示す支援情報である。このような支援情報を、機能要素に関する情報として提示部に提示させるので、第1対象者となるユーザーにマッチした支援情報を、適切に提示することにより、ユーザーの利便性を向上できる。
【0088】
第1状態データ及び第2状態データとなるサムネイルデータ510Bやサムネイルデータ540Bは、付箋などの機能要素を使用したペーパー100の画面表示26に対応したサムネイル画像322を示す画像データである。このような画像データである第1状態データ及び第2状態データに基づく機械学習により生成された演算モデルに従い、第1状態データに基づいて、第1対象者にマッチした機能要素に関する情報を、提示部に提示させるので、第1対象者となるユーザーにマッチした機能要素に関する情報を、適切に提示することにより、ユーザーの利便性を向上できる。
【0089】
提示情報決定部530が実現する提示処理機能は、推定データに相当するスコアデータ520Aに基づいて、メニューアイコンバー50におけるアイコンといった、機能要素に対応して開始を指示する情報など、機能要素に関する情報を、アイコンの表示色といった、複数種類の機能要素に応じて異なる提示態様で提示部となる端末装置20の出力部24における表示出力により提示させる。このように、複数種類の機能要素に応じて異なる提示態様で提示部に提示させるので、機能要素に関する情報をユーザーが認識しやすくなるように、第1対象者となるユーザーにマッチした情報を、適切に提示することにより、ユーザーの利便性を向上できる。
【0090】
提示情報決定部530が実現する提示処理機能は、推定データに相当するスコアデータ520Aに基づいて、端末装置20の出力部24においてチュートリアルを表示出力する提示位置といった、複数種類の機能要素に応じて提示部における異なる位置を、機能要素に関する情報を提示させる位置に決定する。このように、複数種類の機能要素に応じて提示部における異なる位置に、機能要素に関する情報を提示させるので、機能要素に関する情報をユーザーが認識しやすくなるように、第1対象者となるユーザーにマッチした情報を、適切に提示することにより、ユーザーの利便性を向上できる。
【0091】
学習用データ取得部540が実現する第3取得機能は、第1状態データ及び第2状態データの少なくとも一方に相当するサムネイルデータ540Bを、第1状態データ及び第2状態データとは異なる教師用データに相当するペーパーデータ540C及び付箋データ540Dとともに取得する。演算モデル更新部550が実現する更新処理機能は、学習用データ取得部540の第3取得機能によって取得されたデータに基づいて、機械学習により演算モデルを更新する。このように、機械学習により更新された演算モデルに従い、取得した推定データに基づいて、機能要素に関する情報を、提示部に提示させるので、第1対象者となるユーザーにマッチした情報を、適切に提示することにより、ユーザーの利便性を向上できる。
【0092】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えばサーバー装置10は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。上記実施の形態において、下位概念となる事項が記載されている場合に、同族的事項や同類的事項を用いた上位概念の発明、あるいは、共通する性質を用いた上位概念の発明は、本願発明として包含され、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構造や特性を備えたものであってもよい。
【0093】
図3に示したチュートリアル107は、文字、数字、記号などを用いた記述情報を表示出力することにより、支援情報をユーザーに提示している。このような記述情報に代えて、あるいは、記述情報に加えて、静止画像又は動画像を用いた映像情報の表示出力や、音声情報の出力、もしくは、これらの組合せといった、任意の出力を制御することにより、支援情報をユーザーに提示させてもよい。
【0094】
図11に示した情報提供処理では、ステップS111の他にも、任意のタイミングでサムネイル画像322を示す画像データを作成して、記憶部12に記憶させて保存してもよい。例えば、ペーパー100の画面表示26において、新たな付箋が作成されたタイミングや、既存の付箋が編集されたタイミングにて、サムネイル画像322を示す画像データが作成されてもよい。また、ペーパー管理テーブル210では、サムネイル画像322を示す画像データが作成されたタイミングにて、作成日時などを示す日時情報と対応付けて、サムネイル画像322を示す画像データが蓄積されてもよい。これにより、ペーパー管理テーブル210には、ペーパー100毎に付箋の作成や編集の履歴を示す履歴情報として、日時情報とともにサムネイル画像322を示す画像データが保存されてもよい。ペーパー管理テーブル210にサムネイル画像322を示す画像データが保存されるときには、付箋管理テーブル220に保管される付箋管理データも更新されるようにしてもよい。学習用データ取得部540は、学習用データに含まれるサムネイルデータ540Bとして、1つのペーパー100に対応する履歴情報となる日時情報及びサムネイル画像322を示す画像データを取得してもよい。また、学習用データ取得部540は、学習用データに含まれる付箋データ540Dとして、1つのペーパー100に対応する履歴応報となる付箋管理データの一部又は全部を取得してもよい。演算モデル更新部550は、学習用データ取得部540によって取得された履歴情報となるサムネイルデータ540Bや付箋データ540Dに基づく機械学習により、ユーザーが付箋タイプに応じた複数種類の機能要素となる付箋を使用する場合に、次回に作成又は編集される付箋といった、付箋タイプに応じた機能要素が選択される可能性を予測するための確率分布を示すスコアデータが得られるように、演算モデルを更新してもよい。この場合に、確率分布を示すスコアデータは、第1対象者となるユーザーや第2対象者となるユーザーが、過去に付箋を作成又は編集した履歴に基づいて、付箋タイプに応じた機能要素について予測される次回の使用可能性をスコア値の大小により示すものといえる。スコア演算部520は、機械学習により生成された演算モデルに従い、演算用データ取得部510が実現する第1取得機能によって取得された第1状態データに基づいて、機能要素に応じて予測される使用可能性を示すスコアデータを取得する第2取得機能を実現してもよい。
【0095】
スコア演算部520に代えて、あるいは、スコア演算部520とともに、座標演算部が設けられてもよい。この座標演算部は、演算用データ取得部510によって取得された演算用データを用いて、機械学習により生成された学習済みモデルとしての演算モデルに従った演算処理を実行する。座標演算部は、例えばサーバー装置10の記憶部12などに設けられた演算モデル格納部600から演算モデルを取得して、その演算モデルに従った演算処理を実行すればよい。座標演算部が用いる演算モデルは、演算用データに含まれるユーザーデータ510A及びサムネイルデータ510Bが入力され、各々の付箋タイプに対応して付箋の表示座標である座標値を示す座標データを出力するように、機械学習により生成された学習済みモデルであればよく、例えば図7に示された構成例と同様のニューラルネットワークモデルであればよい。座標演算部が用いるニューラルネットワークモデルは、出力層に含まれる複数のニューロンが、各々の付箋タイプに対応してチュートリアルの表示座標である座標値を示す座標データを出力する。この座標データは、ペーパー100の画面表示26における付箋の表示位置を指定可能な座標値を示すものであればよく、座標値と1対1で対応するものであってもよいし、座標データの範囲ごとに座標値が指定されるものであってもよい。
【0096】
図13は、座標演算部が演算モデルによる演算処理を実行することで、付箋の座標値が決定される一例を示している。提示情報決定部530は、座標演算部による演算結果となる座標データに基づいて、情報処理サービスにおいて端末装置20が出力部24の表示出力によりユーザーに提示する情報として、ペーパー100に配置された付箋の座標値を決定する。なお、ペーパー100に配置されない付箋の座標値は、原点に決定されるようにすればよい。このように、座標演算部によって取得される座標データは、情報処理システム1が提供する情報処理サービスにおける機能要素となる付箋を使用する第1対象者であるユーザーに、端末装置20の出力部24における表示出力により付箋タイプに応じた複数種類の機能要素が提供される場合の座標を示す。
【0097】
提示情報決定部530は、各付箋の表示位置を座標データが示す座標に変更する制御を行うために、提示制御データ530Aを生成する。提示制御データ530Aは、例えば付箋管理テーブル220に保管された付箋内容などの情報を更新するとともに、ペーパー100の画面表示26において、付箋の表示位置を変更するための表示位置情報を含むものであればよい。上記実施の形態と同様に、提示情報決定部530により生成された提示制御データ530Aが端末装置20へと伝送され、端末装置20の処理部21は、出力部24の表示出力装置における表示出力を更新する。これにより、情報処理サービスにおいて提供される付箋などの複数種類の機能要素に対応して、ユーザーにマッチした位置で各機能要素を実現する付箋が機能情報として提示されるようにすればよい。この場合にも、提示情報決定部530により生成された提示制御データ530Aを端末装置20に供給することで、情報処理サービスにおいてユーザーにマッチした機能要素に関する情報を提示させることができる。
【0098】
このように、提示情報決定部530により生成された提示制御データ530Aを用いて提示される情報は、使用方法を説明するチュートリアルに限定されず、付箋の表示位置など、情報処理サービスにおいて提供される複数種類の機能要素そのものを実現するための情報であってもよい。すなわち、機能要素を使用した情報あるいは機能要素として提示される情報である付箋は、機能要素に関する情報に含まれる。座標演算部が実現する第2取得機能は、演算モデルに従い、演算用データ取得部510の第1取得機能によって取得された第1状態データに相当するサムネイルデータ510Bに基づいて、複数種類の機能要素に対応した付箋などの機能要素に関する情報の座標を示す座標データを取得する。提示情報決定部530が実現する提示処理機能は、座標演算部の第2取得機能によって取得された座標データに基づいて、端末装置20の出力部24において表示出力により付箋などの機能要素に関する情報を提示させる位置を変更する。こうして、演算モデルに従い、取得された座標データに基づいて、機能情報を提示させる位置を変更するので、第1対象者となるユーザーにマッチした適切な位置に機能情報を提示することにより、ユーザーの利便性を向上できる。
【0099】
その他にも、情報処理サービスにおいて提供される複数種類の機能要素を使用可能なユーザーが、各機能要素を用いて解答すべき問題、各機能要素を用いて解決すべき課題、各機能要素を用いて達成すべきミッションなど、機能要素に関する様々な情報を提示する場合に、支援制御部500Aの各構成により決定された情報を提示させてもよい。
【0100】
演算用データ取得部510が取得する演算用データは、サムネイルデータ510Bに代えて、例えばペーパー100の画面表示26をキャプチャして取得した詳細な画像データであってもよい。また、ペーパー管理テーブル210に保管されるペーパー管理データに含まれる情報の一部又は全部、付箋管理テーブル220に保管される付箋管理データに含まれる情報の一部又は全部といった、ペーパー100や各付箋に関する情報を示すデータが、演算用データに含まれてもよい。例えば、演算用データ取得部510は、付箋管理テーブル220に保管される付箋管理データから付箋IDを抽出する。そして、抽出した付箋IDと対応付けられた付箋タイプ毎に、使用回数をカウントする。付箋タイプ毎の使用回数は、各ユーザーに対応してカウントされてもよいし、属性データや特性データの一部又は全部に共通性があると判定された複数のユーザーに対応してカウントされてもよい。こうしてカウントされた付箋タイプ毎の使用回数は、スコア演算部520により、ユーザーデータ510A及びサムネイルデータ510Bとともに、あるいは、ユーザーデータ510A及びサムネイルデータ510Bの一部に代えて、図7に示すニューラルネットワークモデルの入力層に入力されてもよい。この場合に、スコア演算部520が演算処理を実行するためのニューラルネットワークモデルの入力層は、付箋タイプに対応する機能要素に応じた使用回数を示すデータが入力されるニューロンを、含んでいる。したがって、スコア演算部520の第2取得機能は、演算モデルに従い、演算用データ取得部510が実現する第1取得機能によって取得された機能要素に応じた使用回数を示すデータに基づいて、推定データを取得してもよい。また、演算モデルは、機能要素に応じた使用回数を示すデータにさらに基づく機械学習により生成されてもよい。
【0101】
スコア演算部530や座標演算部が用いる演算モデルは、ニューラルネットワークモデルを用いたものに限定されず、任意の機械学習アルゴリズムを適用することにより構築できるものであればよい。例えば、ロジスティック回帰、SVM(Support Vector Machine)、決定木、RFM(Random Forests Model)、Q学習、DQN(Deep Q-Network)、遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、自己組織化マップなどに従って機械学習が可能なものであればよい。
【0102】
こうした演算モデルは、情報処理サービスが提供する複数種類の機能要素を使用可能なユーザーごとに、異なる演算モデルが用意されてもよいし、複数のユーザーに対して共通する演算モデルが用意されてもよい。複数のユーザーをグループ化したグループごとに、異なる演算モデルが用意されてもよい。この場合に、複数のユーザーは、ユーザー種別、年齢、性別、所在地など、属性情報に含まれる一部又は全部の属性に基づいてグループ化されてもよいし、特性情報に示される利用レベルに基づいてグループ化されてもよい。
【0103】
情報処理システム1が提供する情報処理サービスは、数式に基づく計算やグラフ又は図形の描画を行うためのものに限定されず、例えば、ユーザーが外国語又はプログラミング言語その他の教科内容を習得するために使用可能な複数種類の機能要素を提供するものであってもよい。また、ユーザーが各種の設計図を作成、編集、閲覧するために使用可能な複数種類の機能要素を提供するものであってもよい。設計図は、回路設計図、建築物設計図、その他の工業製品設計図など、任意の設計図であればよい。あるいは、ユーザーが各種の文章を作成、編集、閲覧するために使用可能な複数種類の機能要素を提供するものであってもよい。ユーザーがゲームをプレイするために使用可能な複数種類の機能要素を提供するものであってもよい。ユーザーがネットショッピングをするために使用可能な複数種類の機能要素を提供するものであってもよい。ユーザーがバーチャルツアーを行うために使用可能な複数種類の機能要素を提供するものであってもよい。その他、ユーザーが任意の画像データ又は音声データを作成、編集、視聴するために使用可能な複数種類の機能要素を提供する任意の情報処理サービスにおいて、機能要素に関する情報を提示できるようにするものであればよい。
【0104】
情報処理サービスは、サーバー装置10及び端末装置20がネットワーク30を介して接続可能な情報処理システム1により提供されるものに限定されない。例えば、1台のパーソナルコンピュータにソフトウェアをインストールすることで、情報処理システム1と同様の情報処理サービスを提供可能であってもよい。この場合に、上記実施の形態におけるサーバー装置10及び端末装置20の処理を、1台のパーソナルコンピュータにおいて実行することで、表示出力装置での表示出力などにより、情報処理サービスにおいて使用可能な機能要素に関する情報を提示してもよい。
【0105】
サーバー装置10及び端末装置20が実行するプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネット等の通信媒体を介して適用することもできる。例えば通信ネットワーク上の掲示板であるBBS(Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよいし、FTP(File Transfer Protocol)サーバにプログラムを格納してダウンロード可能にしてもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0106】
その他、上記実施の形態で示した構成、制御手順や表示例などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記の番号は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0107】
(付記1)
コンピュータに、
対象プログラムの実行によって実現される機能要素を第1対象者が使用した状態を示す第1状態データを取得する第1取得機能と、
前記第1対象者とは異なる第2対象者が前記機能要素を過去に使用した状態を示す第2状態データ及び過去に保存された前記第1状態データの少なくとも一方に基づく機械学習により生成された演算モデルに従い、前記第1取得機能によって取得された前記第1状態データに基づいて、前記第1対象者にマッチした前記機能要素に関する情報を推定するための推定データを取得する第2取得機能と、
前記第2取得機能によって取得された前記推定データに基づいて、前記機能要素に関する情報を、提示部に提示させる提示処理機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0108】
(付記2)
前記演算モデルは、前記第1対象者及び前記第2対象者の少なくとも一方の性別、年齢、及び所在地の一部又は全部の組合せを示す属性データにさらに基づく機械学習により生成され、
前記第1取得機能は、前記第1対象者の前記属性データをさらに取得し、
前記第2取得機能は、前記演算モデルに従い、前記第1状態データ及び前記第1取得機能によって取得された前記第1対象者の前記属性データに基づいて、前記推定データを取得する、
付記1のプログラム。
【0109】
(付記3)
前記提示処理機能は、前記推定データに基づいて、複数種類の前記機能要素に応じて詳細度が異なる情報を、前記提示部に提示させる、
付記1または2のプログラム。
【0110】
(付記4)
前記提示処理機能は、前記推定データに基づいて、複数種類の前記機能要素に応じて数量が異なる情報を、前記提示部に提示させる、
付記1から3のいずれかのプログラム。
【0111】
(付記5)
前記機能要素に関する情報は、複数種類の前記機能要素に対応した使用方法を示す支援情報である、
付記1から4のいずれかのプログラム。
【0112】
(付記6)
前記第1状態データ及び前記第2状態データは、前記機能要素を使用した画面表示のサムネイル画像を示す画像データである、
付記1から5のいずれかのプログラム。
【0113】
(付記7)
前記提示処理機能は、前記推定データに基づいて、前記機能要素に関する情報を、複数種類の前記機能要素に応じて異なる提示態様で前記提示部に提示させる、
付記1から6のいずれかのプログラム。
【0114】
(付記8)
前記提示処理機能は、前記推定データに基づいて、複数種類の前記機能要素に応じて前記提示部における異なる位置を、前記機能要素に関する情報を提示させる位置に決定する、
付記1から7のいずれかのプログラム。
【0115】
(付記9)
前記第2取得機能は、前記演算モデルに従い、前記第1取得機能によって取得された前記第1状態データに基づいて、複数種類の前記機能要素に関する情報の座標を示す座標データを取得し、
前記提示処理機能は、前記第2取得機能によって取得された座標データに基づいて、前記提示部としての表示部における、前記機能要素に関する情報を提示させる位置を変更する、
付記1から8のいずれかのプログラム。
【0116】
(付記10)
前記コンピュータに、
前記第1状態データ、又は、前記第1状態データ及び前記第2状態データの両方を、前記第1状態データ及び前記第2状態データとは異なる教師用データとともに取得する第3取得機能と、
前記第3取得機能によって取得されたデータに基づいて、機械学習により前記演算モデルを更新する更新処理機能と、
付記1から9のいずれかのプログラム。
【0117】
(付記11)
前記機能要素は、前記対象プログラムとして学習用プログラムの実行によって実現される計算に関する機能要素及び描画に関する機能要素を含む、
付記1から10のいずれかのプログラム。
【0118】
(付記12)
コンピュータにおける対象プログラムの実行によって実現される機能要素を第1対象者が使用した状態を示す第1状態データを取得する第1ステップと、
前記第1対象者とは異なる第2対象者が前記機能要素を過去に使用した状態を示す第2状態データ及び過去に保存された前記第1状態データの少なくとも一方に基づく機械学習により生成された演算モデルに従い、前記第1ステップにて取得された前記第1状態データに基づいて、前記第1対象者にマッチした前記機能要素に関する情報を推定するための推定データを取得する第2ステップと、
前記第2ステップにて取得された前記推定データに基づいて、前記機能要素に関する情報を、提示部に提示させる第3ステップと、を備える、
情報処理方法。
【0119】
(付記13)
対象プログラムの実行によって実現される機能要素を第1対象者が使用した状態を示す第1状態データを取得する第1取得手段と、
前記第1対象者とは異なる第2対象者が前記機能要素を過去に使用した状態を示す第2状態データ及び過去に保存された前記第1状態データの少なくとも一方に基づく機械学習により生成された演算モデルに従い、前記第1取得手段によって取得された前記第1状態データに基づいて、前記第1対象者にマッチした前記機能要素に関する情報を推定するための推定データを取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段によって取得された前記推定データに基づいて、前記機能要素に関する情報を、提示部に提示させる提示処理手段と、を備える、
情報処理装置。
【符号の説明】
【0120】
1…情報処理システム、10…サーバー装置、11…処理部、12…記憶部、13…通信部、19…システムバス、20…端末装置、21…処理部、22…記憶部、23…入力部、24…出力部、25…通信部、26…表示画面、29…システムバス、30…ネットワーク、100…ペーパー、200…データベース、500A…支援制御部、500B…学習処理部、510…演算用データ取得部、510A…ユーザーデータ、510B…サムネイルデータ、520…スコア演算部、520A…スコアデータ、530…提示情報決定部、530A…提示制御データ、540…学習用データ取得部、540A…ユーザーデータ、540B…サムネイルデータ、540C…ペーパーデータ、540D…付箋データ、550…演算モデル更新部、600…演算モデル格納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13