(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】眼科用製品及びマスキング方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/07 20060101AFI20231108BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20231108BHJP
A61K 47/08 20060101ALI20231108BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20231108BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20231108BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A61K31/07
A61K47/10
A61K47/08
A61K47/14
A61K47/44
A61P27/02
(21)【出願番号】P 2022117682
(22)【出願日】2022-07-25
(62)【分割の表示】P 2019561653の分割
【原出願日】2018-12-21
【審査請求日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】P 2017254065
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】弁理士法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内藤 香菜
(72)【発明者】
【氏名】奥村 隆
(72)【発明者】
【氏名】石井 玲子
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-40907(JP,A)
【文献】特開平7-118147(JP,A)
【文献】特開平11-292151(JP,A)
【文献】特開平5-261144(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0009560(US,A1)
【文献】特開2003-113078(JP,A)
【文献】特開2014-129327(JP,A)
【文献】特開2014-129325(JP,A)
【文献】特開2014-129330(JP,A)
【文献】特開平7-304670(JP,A)
【文献】特開2005-320313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
47/00-47/69
A61P 1/00-43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ビタミンA5000~50000IU/100mL、
(B)l-メントール、dl-カンフル、d-カンフル、d-ボルネオール、ゲラニオール及びユーカリ油から選ばれる1種以上、
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール及びモノステアリン酸ポリエチレングリコールから選ばれる1種以上、及び
(D)ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル及びクロロブタノールから選ばれる1種以上の成分を含む眼科用組成物が、眼科用組成物を収容する本体とキャップとを備えた容器に収容され、この容器が鉄系の酸素吸収剤と共に、包囲体で包囲して密封された眼科用製品であって、
上記本体の容量が1~25mL、
上記本体の酸素透過度が10cc/(m
2・24hr・atm)以上、
上記包囲体と上記容器との間に形成される空間の体積が、上記容器の体積に対し200V/V%以下
である眼科用製品。
【請求項2】
(B)成分の眼科用組成物中の配合量が、0.0001w/v%以上である請求項1記載の眼科用製品。
【請求項3】
(C)成分の眼科用製品組成物中の配合量が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを配合する場合、0.001~5.0w/v%であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール以外を配合する場合、0.001~0.5w/v%である請求項1又は2記載の眼科用製品。
【請求項4】
本体容器の材質が、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート及び塩化ビニルから選ばれる1種以上である請求項1~3のいずれか1項記載の眼科用製品。
【請求項5】
包装体材料が、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、セロファン、ポリ塩化ビニルフィルム、アルミ箔又はアルミニウムを蒸着したポリビニルアルコール系フィルム、ポリアミド系フィルム、アルミナを蒸着したポリエチレンテレフタレート、酸化ケイ素を蒸着したポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデンをコートしたフィルム又はラミネートフィルム、及びこれらの複合又は多層フィルムから選ばれる1種以上である、請求項1~4のいずれか1項記載の眼科用製品。
【請求項6】
(A)ビタミンA5000~50000IU/100mL、
(B)l-メントール、dl-カンフル、d-カンフル、d-ボルネオール、ゲラニオール及びユーカリ油から選ばれる1種以上、
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール及びモノステアリン酸ポリエチレングリコールから選ばれる1種以上、及び
(D)ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル及びクロロブタノールから選ばれる1種以上の成分を含む眼科用組成物が、眼科用組成物を収容する本体とキャップとを備えた容器に収容され、この容器が鉄系の酸素吸収剤と共に、包囲体で包囲して密封された眼科用製品において、
上記本体の容量を1~25mL、
上記本体の酸素透過度を10cc/(m
2・24hr・atm)以上、
上記包囲体と上記容器との間に形成される空間の体積が、上記容器の体積に対し200V/V%以下
とする、包囲体開封時の臭いマスキング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素吸収剤の臭いが抑制された眼科用製品及びマスキング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
易酸化成分を安定化する方法として、酸素吸収剤の使用が知られている。点眼剤分野においても、容器に収容された点眼剤と酸素吸収剤を包囲体内に封入することにより、容器内の酸素が吸収され、点眼剤中の易酸化物質を安定化できることが知られている(特開平6-40907号公報)。一方、脂溶性であるビタミンA等の有効成分は、角膜・結膜、鼻粘膜や咽頭の治療に有効な成分として注目されているが、これらの有効成分は特有の臭いが存在し、さらに経時で臭いが増幅する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、包囲体内に鉄を主成分とした酸素吸収剤(以下、鉄系の酸素吸収剤ともいう)を入れて長期間保存すると、脱酸素作用により生じる焦げたような特異的な異臭が発生し、包囲体に付着もしくは包囲体内に充満することによって、開封時に異臭を感じるという問題が生じることが判明した。一方、脂溶性であるビタミンA等の有効成分は、角膜・結膜、鼻粘膜や咽頭の治療に有効な成分として注目されている。しかしながら、これらの有効成分は特有の臭いが存在し、さらに経時で臭いが増幅する。ビタミンAを含む眼科用製品における酸素吸収剤の使用は、開封時の臭いの改善という点では不十分であった。以上の点から、ビタミンA等の易酸化物を含有する眼科用組成物が、容器に収容され、さらに鉄を主成分とした酸素吸収剤と共に、包囲体で包囲して密封された眼科用製品において、脱酸素作用により生じる、包囲体開封時の特異的な異臭を抑制するマスキング方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ビタミンA等の易酸化物を含有する眼科用組成物が、本体とキャップとを備えた容器に収容され、さらに鉄を主成分とした酸素吸収剤と共に包囲体で包囲して密封された眼科用製品において、本体の容量、本体の酸素透過度、上記包囲体と上記容器との間に形成される空間の体積を特定範囲にすることで、容器内から清涼化剤が揮発し、眼科用組成物から容器内へ、さらには容器内から包囲体内へ揮発・滞留し、開封時に生じる異臭(酸素吸収剤由来及び易酸化物由来)を、簡便かつ低コストでマスキングできることを見出した。
【0006】
従って、本発明は、下記眼科用製品及びマスキング方法を提供する。
[1].(A)易酸化物、
(B)清涼化剤、
(C)非イオン性界面活性剤、及び
(D)ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル及びクロロブタノールから選ばれる1種以上の成分を含む眼科用組成物が、眼科用組成物を収容する本体とキャップとを備えた容器に収容され、この容器が鉄系の酸素吸収剤と共に、包囲体で包囲して密封された眼科用製品であって、
上記本体の容量が1~25mL、
上記本体の酸素透過度が10cc/(m2・24hr・atm)以上、
上記包囲体と上記容器との間に形成される空間の体積が、上記容器の体積に対し200V/V%以下
である眼科用製品。
[2].(A)成分が、ビタミンAである[1]記載の眼科用製品。
[3].(B)成分が、l-メントール、dl-カンフル、d-カンフル、d-ボルネオール、ゲラニオール及びユーカリ油から選ばれる1種以上である[1]又は[2]記載の眼科用製品。
[4].(B)成分の眼科用組成物中の配合量が、0.0001w/v%以上である[1]~[3]のいずれかに記載の眼科用製品。
[5].(C)成分が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選ばれる1種以上である[1]~[4]のいずれかに記載の眼科用製品。
[6].(A)易酸化物、
(B)清涼化剤、
(C)非イオン性界面活性剤、及び
(D)ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル及びクロロブタノールから選ばれる1種以上の成分を含む眼科用組成物が、眼科用組成物を収容する本体とキャップとを備えた容器に収容され、この容器が鉄系の酸素吸収剤と共に、包囲体で包囲して密封された眼科用製品において、
上記本体の容量を1~25mL、
上記本体の酸素透過度を10cc/(m2・24hr・atm)以上、
上記包囲体と上記容器との間に形成される空間の体積が、上記容器の体積に対し200V/V%以下
とする、包囲体開封時の臭いマスキング方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、易酸化物を含有する眼科用組成物を、鉄を主成分とした酸素吸収剤と共に、包囲体で包装した眼科用製品において、包囲体開封時の特異的な異臭が抑制された眼科用製品、及びマスキング方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
[眼科用組成物]
本発明の眼科用組成物は、(A)易酸化物、(B)清涼化剤、(C)非イオン性界面活性剤、及び(D)ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル及びクロロブタノールから選ばれる1種以上の成分を含むものである。
【0009】
[(A)成分]
(A)易酸化物としては、水溶性易酸化物、疎水性易酸化物のいずれも用いることができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。水溶性易酸化物として、例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム、ビタミンB2(フラビンアデニンジヌクレオチド等)、ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩等)、ビタミンB12(シアノコバラミン等)、ビタミンC(アスコルビン酸等)等が挙げられる。
【0010】
疎水性易酸化物としては、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物事典、医薬品添加物規格、化粧品原料基準、化粧品種別配合成分規格及び食品添加物公定所収載の成分のうち、水に対する溶解性が「やや溶けにくい」から「ほとんど溶けない」物質を用いることができ、酸化分解を受ける全ての物質が含まれる。具体的な易酸化物質としては、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ジフェンヒドラミン、インドメタシン、タクロリムス(FK506)、リファンピシン等のマクロライド系抗生物質、フォルスコリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
中でも、ビタミンAは、角結膜修復促進、ムチン産生促進、ドライアイ改善効果、疲れ目・かすみ目改善効果を有すると共に、分解し易く、独特の臭気を発するので、本発明の効果がより発揮できる。上記ビタミンAとしては、例えば、ビタミンAそれ自体の他に、ビタミンA油等のビタミンA含有混合物、ビタミンA脂肪酸エステル等のビタミンA誘導体等が挙げられる。具体的には、レチノールパルミチン酸エステル、レチノール酢酸エステル、レチノール、レチノイン酸、レチノイド、β-カロテン等が挙げられる。中でも、レチノールパルミチン酸エステル、レチノール酢酸エステルが好ましく、レチノールパルミチン酸エステルがより好ましい。
【0012】
レチノールパルミチン酸エステルは、通常、100~180万国際単位/g(以下、IU/gと略記する場合がある。)のものが市販されており、具体的には、DSMニュートリションジャパン(株)製レチノールパルミチン酸エステル(174万I.U.)、シグマアルドリッチ製パルミチン酸レチノール等が挙げられる。
【0013】
ビタミンDとしては、例えば、コレカルシフェロ-ル、1α,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール及びこれらの誘導体等が挙げられる。ビタミンEとしては、例えば、α-トコフェロ-ル、酢酸d-α-トコフェロール及びこれらの誘導体等が挙げられ、ビタミンKとしては、フィチルメナジオン及びその誘導体等が挙げられる。中でも、眼科用物質として有用である点から、(A)成分としては、パルミチン酸レチノール、酢酸d-α-トコフェロール等の脂溶性ビタミン、タクロリムス(FK506)、リファンピシン等のマクロライド系抗生物質、フォルスコリン等が好ましい。
【0014】
(A)成分の眼科用組成物中の配合量は、0.005~2w/v%(質量/体積%,g/100mL、以下同じ)が好ましく、0.01~1w/v%がより好ましい。なお、ビタミンAを配合する場合は、5,000~300,000IU/100mLが好ましく、5,000~100,000IU/100mLがより好ましく、5,000~50,000IU/100mLがさらに好ましい。ビタミンAが高濃度であると、より眼に対する効果(角結膜修復促進、ムチン産生促進、ドライアイ改善効果、疲れ目・かすみ眼改善効果)が高まる。
【0015】
[(B)成分]
清涼化剤としては、l-メントール、dl-カンフル、d-カンフル、d-ボルネオール、ユーカリ油、ベルガモット油、ゲラニオール、リナロール、シネオール、ウイキョウ油、スペアミント油、ペパーミント油、ローズ油、クールミント油及びハッカ油等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、l-メントール、dl-カンフル、d-カンフル、d-ボルネオール、ゲラニオール、ユーカリ油が好ましい。
【0016】
(B)成分の眼科用組成物中の配合量は、マスキングの点から、0.0001w/v%以上が好ましく、0.0001~0.5w/v%がより好ましく、0.00015~0.2w/v%がさらに好ましく、0.0002~0.1w/v%が特に好ましい。配合量が多すぎると、点眼時の刺激が強く、使用感が損なわれるおそれがある。
【0017】
本発明の清涼化剤として、(B-1)l-メントールを配合する場合は、0.005~0.5w/v%が好ましく、0.01~0.2w/v%がより好ましく、0.02~0.1w/v%がさらに好ましく、0.03~0.1w/v%が特に好ましく、0.04~0.05W/V%が最も好ましい。配合量が多すぎると、点眼時の刺激が強く、使用感が損なわれるおそれがあり、少なすぎると、マスキング効果が不十分となる。
【0018】
本発明の清涼化剤として、(B-2)カンフルを配合する場合は、0.002~0.5w/v%が好ましく、0.005~0.2w/v%がより好ましく、0.01~0.1w/v%がさらに好ましい。配合量が多すぎると、点眼時の刺激が強く、使用感が損なわれるおそれがあり、少なすぎると、マスキング効果が不十分となる。
【0019】
本発明の清涼化剤として、(B-3)d-ボルネオール、ゲラニオールを配合する場合は、0.002~0.5w/v%が好ましく、0.003~0.2w/v%がより好ましく、0.005~0.1w/v%がさらに好ましい。配合量が多すぎると、点眼時の刺激が強く、使用感が損なわれるおそれがあり、少なすぎると、マスキング効果が不十分となる。
【0020】
本発明の清涼化剤として、(B-4)ユーカリ油を配合する場合は、0.0005~0.5w/v%が好ましく、0.001~0.2w/v%がより好ましく、0.0015~0.1w/v%がさらに好ましい。配合量が多すぎると、点眼時の刺激が強く、使用感が損なわれるおそれがあり、少なすぎると、マスキング効果が不十分となる。
【0021】
[(C)成分]
非イオン性界面活性剤としては眼科用組成物に用いられるものであれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル(ポリソルベート80)に代表されるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(POEソルビタン脂肪酸エステル)、ポロクサマーに代表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー,POEPOPグリコール)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10)に代表されるモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0022】
ポリオキシエチレンヒマシ油(POEヒマシ油)は、ヒマシ油に酸化エチレン(EO)を付加重合することによって得られる化合物であり、酸化エチレンの平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。ポリオキシエチレンヒマシ油における酸化エチレンの平均付加モル数については、特に限定はないが、3~60モルが例示される。具体的にはポリオキシエチレンヒマシ油3(EO平均付加モル数3)、ポリオキシエチレンヒマシ油10(EO平均付加モル数10)、ポリオキシエチレンヒマシ油20(EO平均付加モル数20)、ポリオキシエチレンヒマシ油35(EO平均付加モル数35)、ポリオキシエチレンヒマシ油40(EO平均付加モル数40)、ポリオキシエチレンヒマシ油50(EO平均付加モル数50)、ポリオキシエチレンヒマシ油60(EO平均付加モル数60)等が挙げられる。
【0023】
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(POE硬化ヒマシ油)は、水添したヒマシ油に酸化エチレンを付加重合することによって得られる化合物であり、酸化エチレンの平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油における酸化エチレンの平均付加モル数については、特に限定はないが、5~100モルが例示される。具体的にはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5(EO平均付加モル数5)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10(EO平均付加モル数10)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20(EO平均付加モル数20)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油30(EO平均付加モル数30)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(EO平均付加モル数40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(EO平均付加モル数50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(EO平均付加モル数60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80(EO平均付加モル数80)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油100(EO平均付加モル数100)等が挙げられる。
【0024】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(POEソルビタン脂肪酸エステル)としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)が挙げられる。
【0025】
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(POEPOPグリコール)は、ポリオキシエチレン鎖(POE)とポリオキシプロピレン鎖(POP)からなるブロック共重合体であり、酸化エチレン(EO)と酸化プロピレン(PO)の平均付加モル数が異なるいくつかの種類が知られている。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールにおける酸化エチレンと酸化プロピレンの平均付加モル数については、特に限定はないが、平均付加モル数5~200モルが例示される。具体的にはポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレン(70)グリコール(EO平均付加モル数200、PO平均付加モル数70)、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール(EO平均付加モル数196、PO平均付加モル数67)、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(EO平均付加モル数160、PO平均付加モル数30)、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコール(EO平均付加モル数120、PO平均付加モル数40)、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール(EO平均付加モル数42、PO平均付加モル数67)、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール(EO平均付加モル数54、PO平均付加モル数39)、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール(EO平均付加モル数20、PO平均付加モル数20)等が挙げられる。
【0026】
中でも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが好ましい。
【0027】
(C)成分の眼科用組成物中の配合量は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを配合する場合、0.001~5.0w/v%が好ましく、0.001~2.0w/v%がより好ましく、0.001~1.0w/v%がさらに好ましい。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール以外を配合する場合、0.001~0.5w/v%が好ましく、0.001~0.3w/v%がより好ましく、0.001~0.2w/v%がさらに好ましい。(C)成分の配合量が多すぎると、清涼化剤が活性剤ミセル中に内包され、揮発が抑制されるおそれがあり、少なすぎると、清涼化剤や脂溶性易酸化物が分離するおそれがある。
【0028】
[(D)成分]
(D)成分は、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ジブチルヒドロキシアニソール(BHA)、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル及びクロロブタノールから選ばれる1種以上の成分である。中でも、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。(D)成分としては、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(D)成分は、(B)成分より溶解度が低く、活性剤ミセル中に内包されやすいため、(B)清涼化剤の揮発がより促進され、(B)清涼化剤による臭いマスキング効果が高まる。
【0029】
(D)成分の眼科用組成物中の配合量は、ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソールを配合する場合、マスキング効果の点から、0.001w/v%以上が好ましく、0.002w/v%以上がより好ましく、0.003w/v%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、0.01w/v%以下とすることができる。
【0030】
パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルを配合する場合は、マスキング効果の点から、0.03w/v%以上が好ましく、0.05w/v%以上がより好ましく、0.1w/v%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、1w/v%以下とすることができる。
【0031】
クロロブタノールを配合する場合、マスキング効果の点から、0.03w/v%以上が好ましく、0.05w/v%以上がより好ましく、0.1w/v%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、3w/v%以下とすることができる。
【0032】
(B)/(D)で表される配合比(質量比)の好ましい範囲は、下記の通りである。なお、この比率はw/v%比であるが、質量比と同じである(以下同様)。(D)成分が、(D-I)ジブチルヒドロキシトルエン又はジブチルヒドロキシアニソールである場合、(D-II)パラオキシ安息香酸プロピル又はパラオキシ安息香酸ブチルである場合、(D-III)クロロブタノールである場合に分けて説明する。
【0033】
(I)(D)成分が、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)又はジブチルヒドロキシアニソール(BHA)である場合、0.05~500が好ましく、0.1~200がより好ましく、0.1~100がさらに好ましい。
【0034】
(B)成分として、l-メントールを配合する場合、1.0~200が好ましく、2.0~100がより好ましく、3.0~50がさらに好ましく、4.0~50が特に好ましい。
【0035】
(B)成分として、カンフル(dl-カンフル、d-カンフル)を配合する場合、0.4~200が好ましく、1.0~100がより好ましく、2.0~50がさらに好ましい。
【0036】
(B)成分として、d-ボルネオール又はゲラニオールを配合する場合、0.4~200が好ましく、0.6~100がより好ましく、1.0~50がさらに好ましい。
【0037】
(B)成分として、ユーカリ油を配合する場合、0.1~200が好ましく、0.2~100がより好ましく、0.3~50がさらに好ましい。
【0038】
(II)(D)成分が、パラオキシ安息香酸プロピル又はパラオキシ安息香酸ブチルである場合、0.001~200が好ましく、0.003~100がより好ましく、0.01~50がさらに好ましい。
【0039】
(B)成分として、l-メントールを配合する場合は、0.1~100が好ましく、0.2~50がより好ましく、0.4~10がさらに好ましい。
【0040】
(B)成分として、カンフル(dl-カンフル、d-カンフル)を配合する場合、0.05~100が好ましく、0.15~50がより好ましく、0.2~10がさらに好ましい。
【0041】
(B)成分として、d-ボルネオール又はゲラニオールを配合する場合、0.05~100が好ましく、0.1~50がより好ましく、0.15~10がさらに好ましい。
【0042】
(B)成分として、ユーカリ油を配合する場合、0.01~100が好ましく、0.02~50がより好ましく、0.05~10がさらに好ましい。
【0043】
(III)(D)成分がクロロブタノールである場合、0.0001~100が好ましく、0.0003~50がより好ましく、0.0005~20以上がさらに好ましい。
【0044】
(B)成分として、l-メントールを配合する場合、0.01~50が好ましく、0.02~20がより好ましく、0.04~10がさらに好ましい。
【0045】
(B)成分として、カンフル(dl-カンフル、d-カンフル)を配合する場合、0.05~50が好ましく、0.15~20がより好ましく、0.2~10がさらに好ましい。
【0046】
(B)成分として、d-ボルネオール又はゲラニオールを配合する場合、0.0005~50が好ましく、0.001~20がより好ましく、0.0015~10がさらに好ましい。
【0047】
(B)成分として、ユーカリ油を配合する場合、0.001~50が好ましく、0.002~20がより好ましく、0.005~10がさらに好ましい。
【0048】
((B)+(D))/(C)で表される配合比(質量比)の好ましい範囲は、下記の通りである。なお、(A)成分がビタミンAの場合、(C)成分が、(C-I)ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの場合、(C-II)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの場合に分けて記載する。
【0049】
(A)成分がビタミンAの場合、((B)+(D))/(C)で表される配合比(質量比)は、0.01~30が好ましく、0.02~10がより好ましい。((B)+(D))/(C)が小さすぎると、清涼化剤がミセル中に包含し、揮発が抑制されるおそれがあり、大きすぎると、清涼化剤や脂溶性易酸化物が分離するおそれがある。
【0050】
(C)成分が、(C-I)ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの場合
(B)成分として、l-メントールを配合し、(D)成分として、ジブチルヒドロキシトルエン又はジブチルヒドロキシアニソールを配合する場合、0.05~15が好ましく、0.1~10がより好ましく、0.15~5がさらに好ましい。
【0051】
(B)成分として、カンフル(d-カンフル、dl-カンフル)を配合し、(D)成分として、ジブチルヒドロキシトルエン又はジブチルヒドロキシアニソールを配合する場合、0.04~5が好ましく、0.05~4がより好ましく、0.08~3がさらに好ましい。
【0052】
(B)成分として、d-ボルネオール又はゲラニオールを配合し、(D)成分として、ジブチルヒドロキシトルエン又はジブチルヒドロキシアニソールを配合する場合、0.03~5が好ましく、0.04~4がより好ましく、0.05~3がさらに好ましく、0.06~3が特に好ましい。
【0053】
(B)成分として、ユーカリ油を配合し、(D)成分として、ジブチルヒドロキシトルエン又はジブチルヒドロキシアニソールを配合する場合、0.02~5が好ましく、0.03~3がより好ましく、0.04~3がさらに好ましく、0.045~3が特に好ましい。
【0054】
(C-II)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの場合
(B)成分として、l-メントールを配合し、(D)成分として、ジブチルヒドロキシトルエン又はジブチルヒドロキシアニソールを配合する場合、0.005~1.5が好ましく、0.015~1.0がより好ましく、0.025~0.5がさらに好ましい。
【0055】
(B)成分として、カンフル(d-カンフル、dl-カンフル)を配合し、(D)成分として、ジブチルヒドロキシトルエン又はジブチルヒドロキシアニソールを配合する場合、0.007~0.5が好ましく、0.01~0.4がより好ましく、0.015~0.3がさらに好ましい。
【0056】
(B)成分として、d-ボルネオール又はゲラニオールを配合し、(D)成分として、ジブチルヒドロキシトルエン又はジブチルヒドロキシアニソールを配合する場合、0.007~0.5が好ましく、0.008~0.4がより好ましく、0.01~0.3がさらに好ましい。
【0057】
(B)成分として、ユーカリ油を配合し、(D)成分として、ジブチルヒドロキシトルエン又はジブチルヒドロキシアニソールを配合する場合、0.005~0.5が好ましく、0.006~0.4がより好ましく、0.007~0.3がさらに好ましい。
【0058】
上記(B)/(D)比、((B)+(D))/(C)で表される配合比において、(B)成分が複数配合される場合は、(B)成分の総量を各成分の濃度として扱う。マスキング効果は、ユーカリ油、ゲラニオール、d-ボルネオール、カンフル(d-カンフル、dl-カンフル)、l-メントールの順に高いため、上記比は、配合されている成分のうち、マスキング効果の高い成分の範囲に従う。(C)及び(D)成分が複数配合される場合は、各成分の総量を各成分の濃度として扱う。上記比は、配合量の多い成分の範囲に従う。
【0059】
[任意成分]
本発明の眼科用組成物には、眼科用組成物に用いられる各種成分を、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。好ましい配合成分としては、薬物、緩衝剤、安定化剤、粘稠化剤、等張化剤、抗酸化剤、防腐剤、pH調整剤、多価アルコール等が挙げられる。
【0060】
薬物としては、例えば、充血除去成分、眼筋調節薬成分、抗炎症薬成分又は収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、アミノ酸、抗菌薬成分又は殺菌薬成分、糖類、多糖類又はその誘導体、局所麻酔薬成分、ステロイド成分、緑内障治療成分、白内障治療成分、散瞳成分等が挙げられる。具体例を下記に示す。
【0061】
充血除去成分:例えば、α-アドレナリン作動薬、例えば、イミダゾリン誘導体(ナファゾリン、テトラヒドロゾリン等)、β-フェニルエチルアミン誘導体(フェニレフリン、エピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリン等)、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(例えば、ナファゾリン塩酸塩、ナファゾリン硝酸塩、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、フェニレフリン塩酸塩、エピネフリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩等の無機酸塩;酒石酸水素エピネフリン等の有機酸塩等)等が挙げられる。
【0062】
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ネオスチグミンメチル硫酸塩等)、トロピカミド、アトロピン硫酸塩等が挙げられる。
【0063】
抗炎症薬成分又は収斂薬成分:例えば、プラノプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、インドメタシン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、ピロキシカム、メロキシカム、アスピリン、メフェナム酸、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、イブプロフェン、チアプロフェン酸、ロキソプロフェンナトリウム、塩酸チアラミド、亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛等)、リゾチーム、塩化リゾチーム、サリチル酸メチル、アラントイン、イプシロン-アミノカプロン酸、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、グリチルリチン酸及び薬理学的に許容される塩(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム等)等が挙げられる。
【0064】
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、ケトチフェン、アシタザノラスト、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、レボカバスチン、クロモグリク酸、トラニラスト、イブジラスト、アンレキサノクス、ペミロラスト、及びそれらの薬学上又は生理的に許容される塩(ジフェンヒドラミン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、クロモグリク酸ナトリウム等)等が挙げられる。
【0065】
アミノ酸:例えば、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、トレオニン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、セリン、プロリン、チロシン、システイン、ヒスチジン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、グリシルグリシン、γ-アミノ酪酸、グルタミン酸、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸(タウリン)又はその塩(例えば塩酸システイン等)等が挙げられる。
【0066】
抗菌薬成分又は殺菌薬成分:例えば、スルホンアミド類(例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及び薬理学的に許容される塩(スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウム等)、アクリノール、アルキルポリアミノエチルグリシン、ニューキノロン剤(ロメフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン塩酸塩等)、βラクタム系抗菌薬(スルベニシリン、セフメノキシム等)、アミノグリコシド系抗菌薬(カナマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、シソマイシン、ジベカシン、ベカナマイシン、ミクロノマイシン等)、テトラサイクリン系抗菌薬(オキシテトラサイクリン等)、マクロライド系抗菌薬(エリスロマイシン等)、クロラムフェニコール系抗菌薬(クロラムフェニコール等)、ポリペプチド系抗菌薬(コリスチン等)等が挙げられる。また、抗ウイルス薬(イドクスウリジン、アシクロビル、アデニンアラビノシド、ガンシクロビル、ホスカルネット、バラシクロビル、トリフルオロチミジン、シドフォビル、カルボサイクリック・オキセタノシンG等)、抗真菌薬(ピマリシン、フルコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、フルシトシン、アムホテリシンB等)等が挙げられる。
【0067】
糖類:例えば、ラクツロース、ラフィノース、プルラン、グルコース、マルトース、トレハロース、スクロース、シクロデキストリン、キシリトール、マンニトール、ソルビトール等が挙げられる。
【0068】
多糖類又はその誘導体:例えば、アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダンマルゴム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカストビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸(アルギン酸)、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、エラスチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸又はその塩(アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等)等が挙げられる。
【0069】
局所麻酔薬成分:例えば、リドカイン、オキシブプロカイン、ジブカイン、プロカイン、アミノ安息香酸エチル、メプリルカイン、メピバカイン、ブピバカイン、コカイン、及びそれらの塩(リドカイン塩酸塩、オキシブプロカイン塩酸塩等)等が挙げられる。
【0070】
ステロイド成分:例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、コルチゾール、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、パラメタゾン、ベタメタゾン、及びそれらの塩等が挙げられる。
【0071】
緑内障治療成分:例えば、ジスチグミン臭化物、チモロールマレイン酸塩、カルテオロール塩酸塩、ベタキソロール塩酸塩、ラタノプロスト、イソプロピルウノプロストン、ジピベフリン塩酸塩、アプラクロニジン塩酸塩、ピロカルピン塩酸塩、カルバコール、ドルゾラミド塩酸塩、アセタゾラミド、メタゾラミド、及びそれらの塩等が挙げられる。
【0072】
白内障治療成分:例えば、ピレノキシン、グルタチオン、唾液腺ホルモン、チオプロニン、Dihydro azapentacene disulfonate及びそれらの塩(例えばSodium5,12-dihydro azapentacene disulfonate等)等が挙げられる。
【0073】
散瞳成分:例えば、シクロペントラート塩酸塩、トロピカミド等が挙げられる。
【0074】
薬物を配合する場合、その配合量は、各薬物の有効な適性量を選択することができるが、眼への刺激性、組成物の安定性等の点から、眼科用組成物中0.001~5w/v%の範囲であることが好ましい。
【0075】
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、氷酢酸、トロメタモール、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。緩衝剤を配合する場合、その配合量は、眼科用組成物中0.003~4w/v%の範囲であることが好ましい。
【0076】
安定化剤としては、例えば、エチレンジアミン酢酸誘導体又はその塩(例えば、エデト酸(エチレンジアミン四酢酸等)、エデト酸ナトリウム(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム)等)、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン等が挙げられる。安定化剤を配合する場合、その配合量は、眼科用組成物中0.003~2w/v%の範囲であることが好ましい。
【0077】
粘稠化剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子化合物、ポビドン、ポリビニルアルコール等のポリビニル系高分子化合物、流動パラフィン、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール等が挙げられる。粘稠化剤を配合する場合、その配合量は、眼科用組成物中0.003~3w/v%の範囲であることが好ましい。
【0078】
等張化剤としては、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。等張化剤を配合する場合、その配合量は、眼科用組成物中0.001~3w/v%の範囲であることが好ましい。
【0079】
抗酸化剤としては、例えば、ヒドロキノン、没食子酸プロピル、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。抗酸化剤を配合する場合、その配合量は、眼科用組成物中0.001~1w/v%の範囲であることが好ましい。
【0080】
防腐剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、塩化ポリドロニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ポリヘキサメチレンビグアニド等が挙げられる。防腐剤を配合する場合、その配合量は、眼科用組成物中0.001~0.5w/v%の範囲であることが好ましい。
【0081】
pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。本発明の眼科用組成物のpH(20℃)は、3.5~8.0であり、好ましくは、5.0~7.5、より好ましくは6.0~7.3である。pHが低すぎても、高すぎても、刺激感が強くなる可能性がある。なお、pHの測定は、20℃でpH浸透圧計(HSMO-1、東亜ディーケーケー(株))を用いて行う。pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸等が好ましい。
【0082】
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0083】
[製造方法]
本発明の眼科用組成物は、例えば、残部を水とし、公知の製造方法で製造することができる。例えば上記各成分を滅菌精製水、イオン交換水等の水との混合溶媒等に溶解させた後、pHを調整し、さらに必要に応じて浸透圧等をpH調整剤、等張化剤により適宜調整することによって得ることができる。
【0084】
[眼科用製品]
本発明の眼科用製品は、眼科用組成物を収容する本体とキャップとを備えた容器に収容され、この容器が鉄系の酸素吸収剤と共に、包囲体で包囲して密封された眼科用製品であって、
上記本体の容量が1~25mL、
上記本体の酸素透過度が10cc/(m2・24hr・atm)以上、
上記包囲体と上記容器との間に形成される空間の体積が、上記容器の体積に対し200V/V%以下
のものである。
【0085】
容器は、眼科用組成物を収容する本体とキャップとを備えたものである。より具体的には、本体には点眼口が設けられ、本体を密閉する、スクリュータイプ、ワンタッチタイプ等のキャップを有する。なお、本体には点眼口を有する中栓が設けられてもよく、点眼口はキャップに設けられていてもよく、キャップを容器に直接設置して密閉できるようにしてもよい。本体には点眼口を有する中栓が設けられていることが好ましい。本発明においては、容器という場合は、本体にキャップを装着した状態のものをいう。
【0086】
〈本体〉
眼科用組成物を収容する本体は、眼科用組成物中の清涼化剤を包囲体内に揮発させるため、その酸素透過度は10cc/(m2・24hr・atm)以上である。上限は特に限定されないが、200cc/(m2・24hr・atm)以下とすることもできる。このような酸素透過度を有する本体としては、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、塩化ビニル等の材質からなる本体が挙げられる。より具体的にはポリエチレンテレフタレート製のマルチドーズの点眼用容器等が、安定性が高く、より好適である。酸素透過度は、JIS-K7126-2プラスチックフィルム及びシート-ガス透過度試験方法B法(付属書B)に準じた方法で測定できる。
【0087】
本体の容量(本体を眼科用組成物で満量にしたときの体積)は1~25mLであり、5~20mLが好ましい。さらに、収容する眼科用組成物の量は、製品及びその使用方法に応じて適宜選択することができ、例えばマルチドーズ点眼剤の場合、1~25mLであり、1~20mLが好ましく、5~20mLがより好ましい。眼科用組成物の量が少なすぎると、点眼剤容器内の清涼化剤の揮発量が不十分となり、臭いマスキング効果が不十分となるおそれがある。
【0088】
〈キャップ、中栓〉
中栓、キャップは、公知の眼科用製品の容器に使用される材質のキャップを使用することができる。中栓の材質としては、メルトフローレート2.0以下、好ましくは1.2~1.8のポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。キャップの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
【0089】
容器の酸素透過性は、0.01%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましく、0.2%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、例えば5%以下とすることができる。なお、酸素透過性の測定方法は後述する実施例記載の方法である。酸素透過性が高ければ、清涼化剤が揮発し易く、臭いマスキング効果がより得られる。
【0090】
容器体積に対する眼科用組成物の充填率(キャップ、中栓を装着した容器において、本体の空壁の容器満量に対する体積率)は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。収容率が低すぎると、清涼化剤が空壁内に充満し、包囲体内の臭いのマスキング効果が不十分になるおそれがある。
【0091】
[酸素吸収剤]
本発明の酸素吸収剤は、鉄系の酸素吸収剤であり、具体的には、三菱ガス化学(株)製のエージレス(FX、SA、Z-PT、GL、G)、(株)常盤産業製のバイタロン等が市販されている。包囲体内の酸素を十分に吸収するスペックのものを使用する。通常、酸素吸収剤は医薬品・食品業界で広く使用されているため、低コストで使用できる。なお、酸素吸収剤は、ピロー内に存在する酸素を全て吸収できる能力のものを用いる。能力以下だと酸素を十分に吸収できず、易酸化物が酸化分解し、能力以上だとピローがシュリンクし、容器がへこむおそれがある。
【0092】
[包囲体]
眼科用組成物は、酸素吸収剤と共に包囲体で包囲して密封される。包囲体の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、セロファン、ポリ塩化ビニルフィルム、アルミ箔又はアルミニウムを蒸着したポリビニルアルコール系フィルム、ポリアミド系フィルム、アルミナを蒸着したポリエチレンテレフタレート、酸化ケイ素を蒸着したポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデンをコートしたフィルム又はラミネートフィルム等、これらの複合、多層フィルム等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン多層フィルム、アルミナを蒸着したポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン多層フィルムが好ましい。酸素透過度は、10cc/(m2・24hr・atm)以下(即ち、0~10cc/(m2・24hr・atm))が好ましい。なお、包囲体の酸素透過度は、本体の酸素透過度より低いことが望ましく、10cc/(m2・24hr・atm)未満がより好ましく、0~3cc/(m2・24hr・atm)、0~1cc/(m2・24hr・atm)、0.01~0.3cc/(m2・24hr・atm)がさらに好ましく、0.01~0.1cc/(m2・24hr・atm)が特に好ましく、0.01~0.02cc/(m2・24hr・atm)が最も好ましい。
【0093】
上記包囲体と上記容器(本体にキャップを装着した状態)との間に形成される空間(インナースペース)の体積は、上記容器の体積に対し200V/V%以下であり、150V/V%以下が好ましく、120V/V%以下がより好ましい。200V/V%を超えると、包囲体内の臭いのマスキング効果が十分に得られない。下限は特に限定されないが、20V/V%以上とすることができる。
【0094】
[マスキング方法]
本発明は、
(A)易酸化物、
(B)清涼化剤、
(C)非イオン性界面活性剤、及び
(D)ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル及びクロロブタノールから選ばれる1種以上の成分を含む眼科用組成物が、眼科用組成物を収容する本体とキャップとを備えた容器に収容され、この容器が鉄系の酸素吸収剤と共に、包囲体で包囲して密封された眼科用製品において、
上記本体の容量を1~25mL、
上記本体の酸素透過度を10cc/(m2・24hr・atm)以上、
上記包囲体と上記容器との間に形成される空間の体積が、上記容器の体積に対し200V/V%以下
とする、包囲体開封時の臭いマスキング方法を提供する。好ましい成分、範囲等は上記と同じである。
【実施例】
【0095】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」はw/v%(g/100mL)、比率は質量比を示す。
【0096】
[実施例,比較例]
下記表に示す組成の眼科用組成物を常法に従って製造し、下記容器に収容した後、酸素吸収剤(エージレス(型番:Z-PT15)、三菱ガス化学株式会社製)を同梱し、下記包囲体でフィルム包装を施して密封して眼科用製品を得た。この眼科用製品を40℃・75%RH環境下で1ヶ月保存した。保存後、フィルム包装を開封、下記臭気の官能評価を実施した。
【0097】
実施例2、比較例3、比較例4及び比較例5以外は、下記の容器・包囲体を用いた。
〈容器〉
・本体
材質:ポリエチレンテレフタレート:酸素透過度10cc/(m2・24hr・atm)
本体の容量:17mL
・キャップ
スクリュータイプ
・中栓
〈包囲体〉
材質:アルミナを蒸着したポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン多層フィルム(酸素透過度0.2cc/(m2・24hr・atm))
大きさ:W9.0×L6.5(cm)
【0098】
上記容器・包囲体を用いた場合の各条件は以下のようになる。
・眼科用組成物の量:15mL
・容器酸素透過性:0.7%
・容器体積に対する眼科用組成物の充填率:88%
・容器体積:22mL
・上記包囲体と上記容器との間に形成される空間(インナースペース):23mL
・容器体積に対するインナースペース比:105%
実施例2及び比較例4は、包囲体の大きさを変更して表中の容器体積に対するインナースペース比となるようにし、比較例3は表中の組成物量(mL)/本体容量(mL)とし、スペース比となるようにし、比較例5は、本体として非酸素透過性のものを用いた。
【0099】
[容器酸素透過性の測定方法]
(1)室温(20~30℃)で包囲体に空の容器を入れた。容器には、中栓・キャップを装着した。包囲体の酸素透過性は酸素透過度が0.2cc/(m2・24hr・atm)以下となる酸素透過性の低い包囲体を使用した。包囲体の大きさは150×65mm(内寸)とした。
(2)容器と包囲体の間に窒素ガスを満たし、密封した。このときの窒素置換率は90体積%以上(酸素濃度2体積%以下)とした。
(3)包囲体の大きさが85×65mm(内寸)となるよう、ヒートシールをして包囲体を2つの空間に区切った。容器のない側の包囲体の空間の酸素濃度を測定し、初期値とした。酸素濃度は残存酸素濃度計(飯島電子(株))を用いた。
(4)40℃・75%RH条件で3日間保存し、取出し室温に放置した後、包囲体内の酸素濃度を測定した。
以下の計算式で算出した値を、酸素透過性と定義する。
酸素透過性の計算式:
酸素透過性(%)=保存後の包囲体内酸素濃度(%)-初期の包囲体内酸素濃度(%)
【0100】
[臭気の評価]
臭気は下記4段階で、専門パネラーによる官能評価を行った(n=6)。
0:とても異臭を感じる
1:異臭を感じる
2:少し異臭を感じる
3:ほとんど異臭を感じない
4:全く異臭を感じない
5:異臭はせず、清涼化剤の匂いを感じる
得られた結果(平均値)と、これに基づく下記評価基準を併記する。●、〇、◎を合格とする。
〈評価基準〉
×:1.5未満
●:1.5以上2.0未満
〇:2.0以上3.0未満
◎:3.0以上
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
なお、包囲体の材質をポリエチレン(酸素透過度3cc/(m2・24hr・atm))に変更した場合も上記と同様の結果が得られた。
【0110】
上記例で使用した原料を下記に示す。なお、特に明記がない限り、表中の各成分の量は純分換算量である。
レチノールパルミチン酸エステル:(商品名:パルミチン酸レチノール、DSMニュートリションジャパン(株)製、174万I.U/g)
l-メントール:(商品名:l-メントール(薄荷脳)、鈴木薄荷(株)製)
dl-カンフル:(商品名:日本薬局方 dl-カンフル、日本精化(株)製)
d-カンフル(商品名:日本薬局方 d-カンフル、日本精化(株)製)
d-ボルネオール:(商品名:特沸龍脳(d-ボルネオール)、(株)柳沢正巳商店製)
ユーカリ油:(商品名:日本薬局方ユーカリ油、小川香料(株))
ゲラニオール:(商品名:ゲラニオールEX MIX、高砂香料工業(株)製)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60:(商品名:HCO-60(医療用)、日本サーファクタント工業(株)製)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40:(商品名:HCO-40(医療用)、日本サーファクタント工業(株)製)
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル(ポリソルベート80):(商品名:レオドールTW-O120V、花王(株)製)
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール):(商品名:Kolliphor P407、BASFジャパン(株)製)
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(ステアリン酸ポリオキシル40):(商品名:NIKKOL MYS-40MV、日本サーファクタント工業(株)製)
ジブチルヒドロキシトルエン:(商品名:ジブチルヒドロキシトルエン、和光純薬工業(株)製)
パラオキシ安息香酸プロピル:(商品名:メッキンス-P、上野製薬(株)製)
パラオキシ安息香酸ブチル:(商品名:メッキンス-B、上野製薬(株)製)
クロロブタノール:(商品名:クロロブタノール、JSC Olainfarm)