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特許7380826検査支援装置、検査支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】検査支援装置、検査支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/04 20180101AFI20231108BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231108BHJP
【FI】
G01N23/04
G06T7/00 610Z
G06T7/00 300B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022501818
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(86)【国際出願番号】 JP2021004694
(87)【国際公開番号】W WO2021166727
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】P 2020027543
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】梶 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】池村 和行
(72)【発明者】
【氏名】義経 真一
(72)【発明者】
【氏名】竹内 花織
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-174421(JP,A)
【文献】特開2010-140444(JP,A)
【文献】特開2018-206082(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0207351(US,A1)
【文献】国際公開第2017/145960(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N23/00-G01N23/2276
G06T 7/00-G06T 7/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDream3)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像を、AI(Artificial Intelligence)を用いて生成されたモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の確信度出力手段と、
前記物品に対して前記電磁波を照射して得た透過画像を得る検査と別の一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づき変更された前記第一の確信度が、前記検査結果に応じて変更された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定手段と、
を有する検査支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検査支援装置であって、
記検査結果に基づいて、前記物品が特定物品であることを表す第二の確信度を算出する、第二の確信度出力手段と、
前記第二の確信度に応じて、前記第一の確信度を変更する、変更手段と、
を有する検査支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の検査支援装置であって、
複数の前記特定物品ごとにモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第一のモデル選択手段
を有する検査支援装置。
【請求項4】
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と前記物品に対して前記電磁波を照射して得た透過画像を得る検査と別の一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とAI(Artificial Intelligence)を用いて生成されたモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第三の確信度を出力する、第三の確信度出力手段と、
前記第三の確信度が、前記検査結果に応じて変更された第三の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定手段と、
を有する検査支援装置。
【請求項5】
請求項に記載の検査支援装置であって、
複数の前記特定物品ごとにモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第二のモデル選択手段
を有する検査支援装置。
【請求項6】
請求項に記載の検査支援装置であって、
前記特定物品に関連付けられるリスクの度合いを判定する、リスク判定手段
を有する検査支援装置。
【請求項7】
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像を、AI(Artificial Intelligence)を用いて生成されたモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力し、
前記物品に対して前記電磁波を照射して得た透過画像を得る検査と別の一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づき変更された前記第一の確信度が、前記検査結果に応じて変更された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、
検査支援方法。
【請求項8】
コンピュータに、
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像を、AI(Artificial Intelligence)を用いて生成されたモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力させ、
前記物品に対して前記電磁波を照射して得た透過画像を得る検査と別の一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づき変更された前記第一の確信度が、前記検査結果に応じて変更された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定させる
命令を含むプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波を用いた検査を支援する検査支援装置、検査支援方法に関し、更には、これらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
外国から日本国内に輸入される物品には、社会悪物品(各種の禁止品目・規制品目などの物品)、航空危険物などがある。輸入される物品の検査は、例えば、税関、外郵出張所などで、X線検査装置を利用して行われている。また、物流業者の拠点などでも同様の検査が行われている。
【0003】
関連する技術として特許文献1には、検査対象物に特定物品が含まれているかを選別するための選別支援装置が開示されている。特許文献1の選別支援装置によれば、検査対象物に特定物品が含まれている確信度を出力するモデルに、検査対象物に電磁波を照射して得た透過画像を入力し、モデルから出力される確信度を用いて検査対象物に特定物品が含まれているかを判定する。なお、上述したモデルは、用途ごとに複数のモデルがあり、用途に応じて最適なモデルを選択して使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-174421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、X線検査装置、又は特許文献1の選別支援装置を用いて検査をしても、検査対象物に含まれる社会悪物品などの特定物品を精度よく検出できない。そのため、実際には現場の検査員がX線を用いた検査とは別に更に検査をしている。
【0006】
本発明の目的の一例は、特定物品を検出する精度を向上させる検査支援装置、検査支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における検査支援装置は、
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像をモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の確信度出力部と、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づき変更された前記第一の確信度が、あらかじめ設定された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定部と、
を有することを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における検査支援装置は、
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第三の確信度を出力する、第三の確信度出力部と、
前記第三の確信度が、あらかじめ設定された第三の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定部と、
を有することを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における検査支援方法は、
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像をモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の確信度出力ステップと、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づき変更された前記第一の確信度が、あらかじめ設定された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定ステップと、
を有することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における検査支援方法は、
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第三の確信度を出力する、第三の確信度出力ステップと、
前記第三の確信度が、あらかじめ設定された第三の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定ステップと、
を有することを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像をモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の判定ステップと、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づき変更された前記第一の確信度が、あらかじめ設定された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0012】
さらに、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第三の確信度を出力する、第三の確信度出力ステップと、
前記第三の確信度が、あらかじめ設定された第三の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、特定物品を検出する精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、検査支援装置の一例を説明するための図である。
図2図2は、検査支援装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
図3図3は、特定物品と確信度との関係を説明するための図である。
図4図4は、判定情報のデータ構造を説明するための図である。
図5図5は、閾値情報のデータ構造を説明するための図である。
図6図6は、判定情報のデータ構造を説明するための図である。
図7図7は、モデル選択情報のデータ構造を説明するための図である。
図8図8は、リスク情報のデータ構造を説明するための図である。
図9図9は、判定情報のデータ構造を説明するための図である。
図10図10は、検査支援装置の動作の一例を説明するための図である。
図11図11は、検査支援装置の一例を説明するための図である。
図12図12は、検査支援装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
図13図13は、検査支援装置の動作の一例を説明するための図である。
図14図14は、検査支援装置を実現するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下で説明する図面において、同一の機能又は対応する機能を有する要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0016】
[装置構成]
図1を用いて、本実施形態における検査支援装置10の構成について説明する。図1は、検査支援装置の一例を説明するための図である。
【0017】
図1に示す検査支援装置10は、特定物品を検出する精度を向上させる装置である。また、図1に示すように、検査支援装置10は、第一の確信度出力部11と、変更部12と、第一の判定部13とを有する。
【0018】
このうち、第一の確信度出力部11は、検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像をモデルに入力して、物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する。
【0019】
透過画像は、例えば、X線検査装置などを用いて、物品又は物品を包む外装にX線を照射し、透過したX線から得られる画像である。
【0020】
モデルは、ディープラーニングなどのAI(Artificial Intelligence)を用いて生成されたモデルである。モデルは、例えば、学習フェーズにおいて、大量の透過画像(データセット)を入力して機械学習により生成される。モデルは、検査支援装置10内に設けられた記憶装置、又は検査支援装置10と別に設けられた記憶装置に記憶されている。
【0021】
第一の確信度は、例えば、透過画像を、モデルを用いて検査(モデル検査)した結果、検査対象の物品が特定物品である確率(尤度)などを表す指標である。特定物品は、社会悪物品(各種の禁止品目・規制品目などの物品)、航空危険物などが考えられる。
【0022】
変更部12は、物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づいて、第一の確信度を変更する。
【0023】
検査には、例えば、外装検査、重量検査、寸法検査、臭気検査、触感検査、温度検査などがある。外装検査は、例えば、物品を包む外装の材質、その外装にある文字、絵柄、スタンプなどの外装の特徴を用いて、人手又は自動により、外装内部の物品の差出地(発地)を推定するための検査である。ただし、上述した特徴に限定されるものではなく、上述した特徴以外の特徴を用いてもよい。
【0024】
重量検査は、物品又は物品を包む外装の重量を、重量センサを用いて計測する検査である。寸法検査は、物品又は物品を包む外装の寸法を、カメラなどの撮像装置が撮像した画像に基づいて計測する検査である。臭気検査は、物品又は物品を包む外装の臭気を、臭気センサを用いて計測する検査である。触感検査は、物品又は物品を包む外装の触感を、人手又は自動により、圧力センサなどを用いて計測する検査である。温度検査は、物品又は物品を包む外装の温度を、温度センサ、熱映像カメラなどを用いて計測する検査である。また、検査には、物品の数を計測する検査を含めてもよい。
【0025】
第一の判定部13は、変更した第一の確信度が、検査結果に応じて変更された第一の確信度閾値以上である場合、特定物品であると判定する。
【0026】
本実施形態においては、モデル検査と別の一つ以上の検査の結果を用いて、特定物品であることを表す第一の確信度を変更するので、特定物品を検出する精度を向上させることができる。
【0027】
[システム構成]
続いて、図2を用いて、本実施形態における検査支援装置10の構成をより具体的に説明する。図2は、検査支援装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
【0028】
図2に示すように、本実施形態におけるシステム20は、検査支援装置10に加えて、透過画像生成装置21と、撮像装置22と、入力装置23と、センサ24と、出力装置25とを有する。また、本実施形態における検査支援装置10は、第一の確信度出力部11、変更部12、第一の判定部13に加えて、取得部14と、第一の閾値変更部15と、第一のモデル選択部16と、リスク変更部17と、出力情報生成部18とを有する。
【0029】
検査支援装置10は、モデル検査の出力(第一の確信度)に加え、他の一つ以上の検査結果を用いて、特定物品を検出する精度を向上させる装置である。検査支援装置10は、例えば、プログラマブルなデバイス(例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプログラマブルなデバイス、又はGPU(Graphics Processing Unit)、又はそれらのうちの一つ以上を搭載した回路、コンピュータなどの情報処理装置である。なお、検査支援装置10は、サーバコンピュータ、モバイル端末などの情報処理装置でもよい。
【0030】
透過画像生成装置21(例えば、X線撮像装置などの装置)は、検査対象となる外装された物品にX線を照射し、X線透過量、又は反射の大小を計測し、計測結果を用いて透過画像を生成する装置である。具体的には、まず、透過画像生成装置21は、検査対象となる外装された物品を所定の位置で撮像して透過画像を生成する。続いて、透過画像生成装置21は、生成された透過画像を取得部14へ送信する。なお、透過画像を得る装置は、X線撮像装置に限定されるものではなく、ミリ波を利用したミリ波パッシブ撮像装置などを用いてもよい。
【0031】
撮像装置22は、検査対象となる物品又は物品の外装を撮像する。具体的には、まず、カメラなどの撮像装置22は、検査対象となる物品又は物品の外装を所定の位置で撮像する。続いて、撮像装置22は、生成された画像を取得部14へ出力する。なお、この撮像された画像は、寸法検査などで用いられる。
【0032】
入力装置23は、検査対象となる物品又は外装された物品に対して、検査員が上述した検査を行った結果(検査結果)を入力するための装置である。具体的には、まず、入力装置23は、タッチパネル、キーボード、マウスなどのユーザーインターフェイスを用いて、検査員が検査結果を入力する。続いて、入力装置23により入力された検査結果は、取得部14に送信される。
【0033】
センサ24は、例えば、重量検査で用いる重量センサ、臭気検査で用いる臭気センサ、触感検査で用いる圧力センサ、温度検査で用いる温度センサ、熱映像カメラなどのセンサである。ただし、上述したセンサに限定されるものではない。
【0034】
出力装置25は、出力情報生成部18により、出力可能な形式に変換された、出力情報を取得し、その出力情報に基づいて、生成した画像及び音声などを出力する。出力装置25は、例えば、液晶、有機EL(Electro Luminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた画像表示装置などである。さらに、画像表示装置は、スピーカなどの音声出力装置などを備えていてもよい。なお、出力装置25は、プリンタなどの印刷装置でもよい。又は、出力装置25は、回転灯などでもよい。
【0035】
検査支援装置について詳細な説明をする。
取得部14は、透過画像と、検査結果(物品又は物品の外装を撮像した画像、入力装置23により入力された検査結果、センサ24(各種センサ)の出力結果など)とを取得する。続いて、取得部14は、検査結果を第一の閾値変更部15、第一のモデル選択部16へ出力する。取得部14は、透過画像を第一の確信度出力部11へ出力する。
【0036】
第一の確信度出力部11は、透過画像をモデルに入力して、モデルから、物品又は外装内の物品が特定物品であることを表す第一の確信度を取得する。具体的には、まず、第一の確信度出力部11は、取得部14から透過画像を取得する。続いて、第一の確信度出力部11は、取得した透過画像をモデルに入力する。続いて、第一の確信度出力部11は、モデルから出力された第一の確信度を取得する。続いて、第一の確信度出力部11は、第一の確信度を変更部12、出力情報生成部18へ出力する。
【0037】
例えば、特定物品の品目がAからEである場合について説明する。図3は、特定物品と確信度との関係を説明するための図である。図3の例では、品目AからEそれぞれについてモデルがある場合、例えば、品目Aのモデルを用いた場合、品目Aであることを表す第一の確信度「Conf_11」が出力される。なお、品目AからEそれぞれの第一の確信度を同時に出力するモデルを用いてもよい。その場合、モデルは、品目AからEそれぞれについて、品目AからEに対応する第一の確信度「Conf_11」から「Conf_15」を出力する。
【0038】
なお、第一の確信度を出力するモデルと別に、特定物品の数を特定するモデルを設けてもよい。
【0039】
変更部12は、モデル検査とは別の一つ以上の検査を人手又は自動で実行し、得られる検査結果に基づいて、第一の確信度を変更する。具体的には、まず、変更部12は、取得部14から検査結果を取得する。続いて、変更部12は、検査結果を用いて、あらかじめ設定された判定情報を参照し、第一の確信度を変更するために用いる変更値を求める。続いて、変更部12は、変更値を用いて第一の確信度を変更する。続いて、変更部12は、変更した第一の確信度を記憶するともに、出力情報生成部18へ出力する。
【0040】
第一の確信度変更用の判定情報は、判定条件と変更値とが関連付けられた情報である。図4は、判定情報のデータ構造を説明するための図である。
【0041】
例えば、図4が品目Aの判定情報41である場合、変更部12は、検査結果に相当する条件を、図4に示す「判定条件」の「条件1」から「条件6」・・・の中から選択する。その後、変更部12は、選択された条件に対応する変更値を選択する。例えば、「条件1」が選択された場合、変更部12は、「条件1」に対応する「Chg_11」を選択する。続いて、変更部12は、選択された変更値を用いて、第一の確信度を変更する。
【0042】
例えば、品目Aにおいて外装検査をした結果、外装にA国(社会悪物品使用許可している国)の名前が記載されていた場合、変更部12は、この検査結果に相当する条件を検出する。その後、変更部12は、条件に対応する変更値を取得し、品目Aに対応する第一の確信度を変更値に基づいて下げる。そうすることで、社会悪物品が含まれていることを検出する精度を向上させる。
【0043】
また、品目Bにおいて外装検査をした結果、外装に記載されている品目が、モデル検査の結果とで異なる場合、変更部12は、この検査結果に相当する条件を検出する。その後、変更部12は、条件に対応する変更値を取得し、品目Bに対応する第一の確信度を変更値に基づいて下げる。そうすることで、社会悪物品が含まれていることを検出する精度を向上させる。
【0044】
また、品目Cにおいて外装検査をした結果、特定の包装紙(過去に検出した社会悪物品の包装紙)に包まれている場合、変更部12は、この検査結果に相当する条件を検出する。その後、変更部12は、条件に対応する変更値を取得し、品目Cに対応する第一の確信度を変更値に基づいて下げる。そうすることで、社会悪物品が含まれていることを検出する精度を向上させる。
【0045】
また、品目Dにおいて重量検査をした結果、所定サイズの書状が200g以上の重量である場合(例えば、小さい郵便物で極端に重い場合)、変更部12は、この検査結果に相当する条件を検出する。その後、変更部12は、条件に対応する変更値を取得し、金の密輸の可能性があるため、確信度を下げて、社会悪物品が含まれていることを検出する精度を向上させる。
【0046】
また、品目Aにおいて臭気検査をした結果、一定数以上のニオイ物質を検知した場合、変更部12は、この検査結果に相当する条件を検出する。その後、変更部12は、条件に対応する変更値を取得し、品目Aに対応する第一の確信度を変更値に基づいて下げる。そうすることで、社会悪物品が含まれていることを検出する精度を向上させる。
【0047】
また、品目Aにおいて触感検査をした結果、押しつぶして粒を検知した場合、変更部12は、この検査結果に相当する条件を検出する。その後、変更部12は、条件に対応する変更値を取得し、品目Aに対応する第一の確信度を変更値に基づいて下げる。そうすることで、社会悪物品が含まれていることを検出する精度を向上させる。
【0048】
また、品目Eにおいて温度検査をした結果、温度が0℃以下の場合(例えば、薬品が含まれている可能性が高い場合)、変更部12は、この検査結果に相当する条件を検出する。その後、変更部12は、条件に対応する変更値を取得し、品目Eに対応する第一の確信度を変更値に基づいて下げる。そうすることで、社会悪物品が含まれていることを検出する精度を向上させる。
【0049】
また、品目Eにおいて温度検査をした結果、温度が25℃以上の場合(例えば、輸入禁止動物が含まれている可能性が高い場合)、変更部12は、この検査結果に相当する条件を検出する。その後、変更部12は、条件に対応する変更値を取得し、品目Eに対応する第一の確信度を変更値に基づいて下げる。そうすることで、社会悪物品が含まれていることを検出する精度を向上させる。
【0050】
なお、変更部12は、変更値として第二の確信度を用い、第二の確信度に応じて、第一の確信度を変更してもよい。第二の確信度出力部(不図示)は、第二の確信度を、物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づいて算出する。
【0051】
第二の確信度は、例えば、上述した検査結果における、検査対象の物品が特定物品である確率(尤度)などを表す指標である。特定物品は、社会悪物品(各種の禁止品目・規制品目などの物品)、航空危険物などが考えられる。
【0052】
第一の判定部13は、第一の確信度が、検査結果に応じて変更された第一の確信度閾値以上である場合、特定物品であると判定する。具体的には、まず、第一の判定部13は、第一の確信度を取得する。続いて、第一の判定部13は、取得した第一の確信度を用いて、閾値情報を参照し、第一の確信度が第一の確信度閾値以上であるか否かを判定する。続いて、第一の判定部13は、第一の確信度が第一の確信度閾値以上である場合、モデル検査をした物品を特定物品と判定する。続いて、第一の判定部13は、検出した特定物品を表す情報を出力情報生成部18へ出力する。
【0053】
図5は、閾値情報のデータ構造を説明するための図である。図5に示す閾値情報51には、品目AからEそれぞれの検査に用いるモデルAからEに、確信度閾値「Th_1」から「Th_5」が関連付けられている。
【0054】
例えば、品目Aを検出するモデルを用いて検査し、第一の確信度Conf_11が確信度閾値Th_1以上である場合、第一の判定部13は、品目Aを検出したことになる。
【0055】
第一の閾値変更部15は、第一の確信度閾値を検査結果に応じて変更する。具体的には、第一の閾値変更部15は、まず、取得部14から検査結果を取得する。続いて、第一の閾値変更部15は、検査結果を用いて、あらかじめ設定された第一の確信度閾値変更用の判定情報を参照し、第一の確信度閾値を変更するために用いる変更値を求める。続いて、第一の閾値変更部15は、変更値を用いて第一の確信度閾値を変更する。続いて、第一の閾値変更部15は、変更した第一の確信度閾値を出力情報生成部18へ出力する。
【0056】
第一の確信度閾値変更用の判定情報は、判定条件と閾値変更値とが関連付けられた情報である。図6は、判定情報のデータ構造を説明するための図である。例えば、図6が品目Aの判定情報61である場合、第一の閾値変更部15は、検査結果に相当する条件を、図6に示す「判定条件」の「条件1」から「条件6」・・・の中から選択する。その後、第一の閾値変更部15は、選択された条件に対応する変更値を選択する。例えば、「条件1」が選択された場合、変更部12は、「条件1」に対応する「Chg_21」を選択する。続いて、第一の閾値変更部15は、選択された変更値を用いて、第一の確信度閾値を変更する。
【0057】
このように、モデル検査と別の一つ以上の検査の結果を用いて、第一の確信度閾値を変更するので、特定物品を検出する精度を向上させることができる。
【0058】
第一のモデル選択部16は、複数の特定物品ごとにモデルがある場合、検査結果に応じてモデルを選択する。具体的には、まず、第一のモデル選択部16は、取得部14から検査結果を取得する。続いて、第一のモデル選択部16は、検査結果を用いて、あらかじめ設定されたモデル選択情報を参照し、モデル検査で用いるモデルを選択する。
【0059】
モデル選択情報は、モデル判定条件とモデルとが関連付けられた情報である。図7は、モデル選択情報のデータ構造を説明するための図である。
【0060】
例えば、図7に示すモデル選択情報71の場合、第一のモデル選択部16は、検査結果に相当する条件を、図7に示す「モデル判定条件」の「モデル条件1」から「モデル条件6」・・・の中から選択する。その後、第一のモデル選択部16は、選択された条件に対応するモデルを選択する。例えば、「モデル条件1」が選択された場合、第一のモデル選択部16は、「モデル条件1」に対応するモデル「A」を選択する。続いて、第一のモデル選択部16は、選択されたモデル「A」を用いて、モデル検査に使用するモデルを切り替える。
【0061】
このように、モデル検査に用いるモデルを自動で切り替えることで、検査員の作業効率を向上させることができる。
【0062】
リスク変更部17は、検査結果に応じて、特定物品に関連付けられているリスクを変更する。リスクは、特定物品の危険度を表す指標(リスクの度合い)である。リスクは、例えば、「高」「低」の二つのレベルで表してもよいし、三つ以上のレベルで表してもよい。
【0063】
具体的には、まず、リスク変更部17は、あらかじめ設定されたリスク情報を参照し、現在使用しているモデルに対応するリスクを判定する。図8は、リスク情報のデータ構造を説明するための図である。リスク情報は、モデルとリスクとが関連付けられた情報である。
【0064】
例えば、物品がワインボトルである場合に、ワインボトルに危険物が混入していれば、その物品は高リスクであると判定される。
【0065】
また、リスク変更部17は、取得部14から検査結果を取得する。続いて、リスク変更部17は、検査結果に応じて、あらかじめ設定されたリスク変更用の判定情報を参照し、リスクを変更するために用いるリスク変更値を選択する。
【0066】
図9は、判定情報のデータ構造を説明するための図である。リスク変更用の判定情報は、判定条件とリスク変更値とが関連付けられた情報である。
【0067】
例えば、図9が品目Aの判定情報91である場合、リスク変更部17は、検査結果に相当する条件を、図9に示す「判定条件」の「条件1」から「条件6」・・・の中から選択する。その後、リスク変更部17は、選択された条件に対応するリスク変更値を選択する。例えば、「条件1」が選択された場合、リスク変更部17は、「条件1」に対応する「RChg_1」を選択する。
【0068】
続いて、リスク変更部17は、選択されたリスク変更値を用いてリスクを変更する。続いて、リスク変更部17は、変更したリスクを出力情報生成部18へ出力する。
【0069】
図8図9の例では、モデル「A」が選択された場合、リスク変更部17は、モデル「A」に対応するリスク「R_1」を選択する。次に、リスク変更部17は、検査結果に基づいてリスク変更値を選択する。リスク変更値として「RChg_1」が選択された場合、リスク変更部17は、リスク「R_1」をリスク変更値「RChg_1」を用いて変更する。
【0070】
例えば、外装検査の結果において、要注意国の名前が記載されている場合、物品のリスクを現状より高いリスクに設定する。
【0071】
また、リスク変更部17にリスク判定部を設けてもよい。ただし、リスク判定部は、リスク変更部17と別に設けてもよい。
【0072】
リスク判定部は、リスクと、あらかじめ設定されたリスク条件に基づいて、特定物品のリスク管理指標を出力する。リスク条件は、例えば、特定物品の数量などを表す情報である。リスク管理指標は、例えば、リスクとリスク条件とに基づいて決まる指標(スコア)である。
【0073】
例えば、特定物品Aのリスクが「低」で、検査結果において外装内に単一の特定物品Aが検知された場合、リスクの度合いを「1」に設定する。また、特定物品Aのリスクが「低」で、検査結果において外装内に複数の特定物品Aが検知された場合、特定物品Aが単一のときよりリスクの度合いが高くなるので「3」などに設定する。
【0074】
特定物品Bのリスクが「高」で、検査結果において外装内に単一の特定物品Bが検知された場合、単一であっても特定物品Bはリスクが高いので、リスクの度合いを「5」などに設定する。また、特定物品のリスクが「高」で、検査結果において外装内に複数の特定物品Bが検知された場合、単一のリスクよりリスクの度合いが高くなるので「7」などに設定する。
【0075】
出力情報生成部18は、透過画像、第一の確信度、第一の確信度閾値、リスク、又はそれらのいずれかの情報を、出力装置25で出力可能な形式に変換して出力情報を生成し、出力情報を出力装置25に送信する。出力装置25が回転灯である場合には、例えば、回転灯が出力情報を取得すると、点灯、又は点灯及び音を出力する。
【0076】
[装置動作]
次に、本発明の実施形態1における検査支援装置の動作について図10を用いて説明する。図10は、検査支援装置の動作の一例を説明するための図である。以下の説明においては、適宜図1から図9を参照する。また、本実施形態1では、検査支援装置を動作させることによって、検査支援方法が実施される。よって、本実施形態における検査支援方法の説明は、以下の検査支援装置の動作説明に代える。
【0077】
図10に示すように、最初に、取得部14は、透過画像と、検査結果(物品又は物品の外装を撮像した画像、入力装置23により入力された検査結果、センサ24(各種センサ)の出力結果など)とを取得する(ステップA1)。続いて、ステップA1において、取得部14は、検査結果を第一の閾値変更部15、第一のモデル選択部16へ出力する。取得部14は、透過画像を第一の確信度出力部11へ出力する。
【0078】
次に、第一のモデル選択部16は、複数の特定物品ごとにモデルがある場合、検査結果に応じてモデルを選択する(ステップA2)。
【0079】
具体的には、ステップA2において、まず、第一のモデル選択部16は、取得部14から検査結果を取得する。続いて、ステップA2において、第一のモデル選択部16は、検査結果を用いて、あらかじめ設定されたモデル選択情報を参照し、モデル検査で用いるモデルを選択する。
【0080】
次に、第一の確信度出力部11は、透過画像をモデルに入力して、モデルから物品又は外装内の物品が特定物品であることを表す第一の確信度を取得する(ステップA3)。
【0081】
具体的には、ステップA3において、まず、第一の確信度出力部11は、取得部14から透過画像を取得する。続いて、ステップA3において、第一の確信度出力部11は、取得した透過画像をモデルに入力する。続いて、ステップA3において、第一の確信度出力部11は、モデルから出力された第一の確信度を取得する。続いて、ステップA3において、第一の確信度出力部11は、第一の確信度を変更部12、出力情報生成部18へ出力する。
次に、変更部12は、モデル検査とは別の一つ以上の検査を人手又は自動で実行し、得られる検査結果に基づいて、第一の確信度を変更する(ステップA4)。
【0082】
具体的には、ステップA4において、まず、変更部12は、取得部14から検査結果を取得する。続いて、ステップA4において、変更部12は、検査結果を用いて、あらかじめ設定された判定情報を参照し、第一の確信度を変更するために用いる変更値を求める。続いて、ステップA4において、変更部12は、変更値を用いて第一の確信度を変更する。続いて、ステップA4において、変更部12は、変更した第一の確信度を記憶するともに、出力情報生成部18へ出力する。
【0083】
次に、第一の閾値変更部15は、第一の確信度閾値を検査結果に応じて変更する(ステップA5)。
【0084】
具体的には、ステップA5において、まず、第一の閾値変更部15は、取得部14から検査結果を取得する。続いて、ステップA5において、第一の閾値変更部15は、検査結果を用いて、あらかじめ設定された第一の確信度閾値変更用の判定情報を参照し、第一の確信度閾値を変更するために用いる変更値を求める。続いて、ステップA5において、第一の閾値変更部15は、変更値を用いて第一の確信度閾値を変更する。続いて、ステップA5において、第一の閾値変更部15は、変更した第一の確信度閾値を出力情報生成部18へ出力する。
【0085】
ただし、ステップA4、A5の処理の順番は限定されるものでなく、ステップA5、A4の順番で処理をしてもよい。さらに、ステップA4、A5のいずれか一方の処理はなくてもよい。
【0086】
次に、第一の判定部13は、第一の確信度が、検査結果に応じて変更された第一の確信度閾値以上である場合、特定物品であると判定する(ステップA6)。
【0087】
具体的には、ステップA6において、まず、第一の判定部13は、第一の確信度を取得する。続いて、ステップA6において、第一の判定部13は、取得した第一の確信度を用いて、閾値情報を参照し、第一の確信度が第一の確信度閾値以上であるか否かを判定する。続いて、ステップA6において、第一の判定部13は、第一の確信度が第一の確信度閾値以上である場合、モデル検査をした物品を特定物品と判定する。続いて、ステップA6において、第一の判定部13は、検出した特定物品を表す情報を出力情報生成部18へ出力する。
【0088】
次に、リスク変更部17は、検査結果に応じて、特定物品に関連付けられているリスクを変更する(ステップA7)。
【0089】
具体的には、ステップA7において、まず、リスク変更部17は、あらかじめ設定されたリスク情報を参照し、現在使用しているモデルに対応するリスクを取得する。また、ステップA7において、リスク変更部17は、取得部14から検査結果を取得する。
【0090】
続いて、ステップA7において、リスク変更部17は、検査結果に応じて、あらかじめ設定されたリスク変更用の判定情報を参照し、リスクを変更するために用いるリスク変更値を選択する。続いて、ステップA7において、リスク変更部17は、リスク変更値を用いてリスクを変更する。
【0091】
次に、出力情報生成部18は、透過画像、第一の確信度、第一の確信度閾値、リスク、又はそれらのいずれかの情報を、出力装置25で出力可能な形式に変換して出力情報を生成し、出力情報を出力装置25に送信する(ステップA8)。出力装置25が回転灯である場合には、例えば、回転灯が出力情報を取得すると、点灯、又は点灯及び音を出力する。
【0092】
このように、対象物品ごとに、上述したステップA1からA8の処理を実行し、対象物品に対して検査を行う。
【0093】
[実施形態1の効果]
以上のように本実施形態1によれば、モデル検査と別の一つ以上の検査の結果を用いて、特定物品であることを表す第一の確信度を変更するので、特定物品を検出する精度を向上させることができる。
【0094】
[プログラム]
本発明の実施形態1におけるプログラムは、コンピュータに、図10に示すステップA1からA8を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施形態における検査支援装置と検査支援方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、取得部14、第一のモデル選択部16、第一の確信度出力部11、変更部12、第一の閾値変更部15、第一の判定部13、リスク変更部17、出力情報生成部18として機能し、処理を行なう。
【0095】
また、本実施形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、取得部14、第一のモデル選択部16、第一の確信度出力部11、変更部12、第一の閾値変更部15、第一の判定部13、リスク変更部17、出力情報生成部18のいずれかとして機能してもよい。
【0096】
(実施形態2)
以下に図面を参照して、本発明の実施形態2を説明する。なお、以下で説明する図面において、同一の機能又は対応する機能を有する要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0097】
[装置構成]
図11を用いて、本実施形態における検査支援装置100の構成について説明する。図11は、検査支援装置の一例を説明するための図である。
【0098】
図11に示す検査支援装置100は、特定物品を検出する精度を向上させる装置である。また、図11に示すように、検査支援装置100は、第三の確信度出力部101と、第二の判定部102とを有する。
【0099】
このうち、第三の確信度出力部101は、検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と、物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、物品が特定物品であることを表す第三の確信度を出力する。
【0100】
モデルは、ディープラーニングなどのAIを用いて生成されたモデルである。モデルは、例えば、学習フェーズにおいて、データセットとして大量の透過画像及び検査結果を入力して機械学習により生成される。モデルは、検査支援装置100内に設けられた記憶装置、又は検査支援装置100と別に設けられた記憶装置に記憶されている。
【0101】
第三の確信度は、例えば、透過画像に特定物品が含まれている確率(尤度)などを表す指標である。
【0102】
第二の判定部102は、第三の確信度が、検査結果に応じて変更された第三の確信度閾値以上である場合、特定物品であると判定する。
【0103】
本実施形態においては、透過画像と検査結果とをモデルに入力して機械学習させるため、特定物品を検出する精度を向上させることができる。
【0104】
[システム構成]
続いて、図12を用いて、本実施形態における検査支援装置100の構成をより具体的に説明する。図12は、検査支援装置を有するシステムの一例を説明するための図である。
【0105】
図12に示すように、本実施形態におけるシステム110は、検査支援装置100に加えて、透過画像生成装置21と、撮像装置22と、入力装置23と、センサ24と、出力装置25とを有する。また、本実施形態における検査支援装置100は、第三の確信度出力部101、第二の判定部102に加えて、取得部103と、第二の閾値変更部104と、第二のモデル選択部105と、リスク変更部17と、出力情報生成部18とを有する。
【0106】
検査支援装置100は、透過画像と検査結果とを入力して機械学習により生成されたモデル用いることで、モデルの出力(第三の確信度)の精度を向上させる装置である。そのため、特定物品を検出する精度も向上する。検査支援装置100は、例えば、例えば、CPU、又はFPGAなどのプログラマブルなデバイス、又はGPU、又はそれらのうちの一つ以上を搭載した回路、コンピュータなどの情報処理装置である。なお、検査支援装置100は、サーバコンピュータ、モバイル端末などの情報処理装置でもよい。
【0107】
なお、透過画像生成装置21、撮像装置22、入力装置23、センサ24、出力装置25、の説明については、実施形態1において説明したので省略する。
【0108】
検査支援装置について詳細な説明をする。
取得部103は、透過画像と検査結果とを取得する。続いて、取得部103は、検査結果を第二の閾値変更部104、第二のモデル選択部105へ出力する。透過画像と検査結果とを第三の確信度出力部101へ出力する。
【0109】
第三の確信度出力部101は、透過画像と検査結果とをモデルに入力して、モデルから物品又は外装内の物品が特定物品であることを表す第三の確信度を取得する。具体的には、まず、第三の確信度出力部101は、取得部103から透過画像と検査結果を取得する。続いて、第三の確信度出力部101は、取得した透過画像と検査結果とをモデルに入力する。続いて、第三の確信度出力部101は、モデルから出力された第三の確信度を取得する。続いて、第三の確信度出力部101は、第三の確信度を第二の判定部102、出力情報生成部18へ出力する。
【0110】
例えば、特定物品の品目がAからEである場合について説明する。実施形態2では、品目Aのモデルを用いた場合、品目Aであることを表す第三の確信度が出力される。なお、品目AからEそれぞれの第三の確信度を同時に出力するモデルを用いてもよい。
【0111】
第二の判定部102は、第三の確信度が、検査結果に応じて変更された第三の確信度閾値以上である場合、特定物品であると判定する。具体的には、まず、第二の判定部102は、第三の確信度を取得する。続いて、第二の判定部102は、取得した第三の確信度を用いて、閾値情報を参照し、第三の確信度が第三の確信度閾値以上であるか否かを判定する。続いて、第二の判定部102は、第三の確信度が第三の確信度閾値以上である場合、モデル検査をした物品を特定物品と判定する。続いて、第二の判定部102は、検出した特定物品を表す情報を出力情報生成部18へ出力する。
【0112】
例えば、品目Aを検出するモデルから出力された第三の確信度が第二確信度閾値以上である場合、第二の判定部102は、品目Aを検出したことになる。
【0113】
第二の閾値変更部104は、第三の確信度閾値を検査結果に応じて変更する。具体的には、まず、第二の閾値変更部104は、取得部103から検査結果を取得する。続いて、第二の閾値変更部104は、検査結果を用いて、あらかじめ設定された第三の確信度閾値変更用の判定情報を参照し、第三の確信度閾値を変更するために用いる変更値を求める。続いて、第二の閾値変更部104は、変更値を用いて第三の確信度閾値を変更する。続いて、第二の閾値変更部104は、変更した第三の確信度閾値を出力情報生成部18へ出力する。
【0114】
第二のモデル選択部105は、複数の特定物品ごとにモデルがある場合、検査結果に応じてモデルを選択する。具体的には、まず、第二のモデル選択部105は、取得部103から検査結果を取得する。続いて、第二のモデル選択部105は、検査結果を用いて、あらかじめ設定されたモデル選択情報を参照し、モデル検査で用いるモデルを選択する。
【0115】
なお、リスク変更部17の説明については、実施形態1において説明したので省略する。
【0116】
出力情報生成部18は、透過画像、第三の確信度、第三の確信度閾値、リスク、又はそれらのいずれかの情報を、出力装置25で出力可能な形式に変換して出力情報を生成し、出力情報を出力装置25に送信する。
【0117】
[装置動作]
次に、本発明の実施形態2における検査支援装置の動作について図13を用いて説明する。図13は、検査支援装置の動作の一例を説明するための図である。以下の説明においては、適宜図11から図12を参照する。また、本実施形態2では、検査支援装置を動作させることによって、検査支援方法が実施される。よって、本実施形態における検査支援方法の説明は、以下の検査支援装置の動作説明に代える。
【0118】
図13に示すように、最初に、取得部103は、透過画像と検査結果とを取得する(ステップB1)。続いて、ステップB1において、取得部103は、検査結果を第二の閾値変更部104、第二のモデル選択部105へ出力する。取得部103は、透過画像と検査結果とを第三の確信度出力部101へ出力する。
【0119】
次に、第二のモデル選択部105は、複数の特定物品ごとにモデルがある場合、検査結果に応じてモデルを選択する(ステップB2)。
【0120】
具体的には、ステップB2において、まず、第二のモデル選択部105は、取得部103から検査結果を取得する。続いて、ステップB2において、第二のモデル選択部105は、検査結果を用いて、あらかじめ設定されたモデル選択情報を参照し、モデル検査で用いるモデルを選択する。
【0121】
次に、第三の確信度出力部101は、透過画像と検査結果とをモデルに入力して、モデルから物品又は外装内の物品が特定物品であることを表す第三の確信度を取得する(ステップB3)。
【0122】
具体的には、ステップB3において、まず、第三の確信度出力部101は、取得部103から透過画像と検査結果を取得する。続いて、ステップB3において、第三の確信度出力部101は、取得した透過画像と検査結果とをモデルに入力する。続いて、ステップB3において、第三の確信度出力部101は、モデルから出力された第三の確信度を取得する。続いて、ステップB3において、第三の確信度出力部101は、第三の確信度を第二の判定部102、出力情報生成部18へ出力する。
【0123】
次に、第二の閾値変更部104は、第三の確信度閾値を検査結果に応じて変更する(ステップB4)。具体的には、ステップB4において、まず、第二の閾値変更部104は、取得部103から検査結果を取得する。続いて、ステップB4において、第二の閾値変更部104は、検査結果を用いて、あらかじめ設定された第三の確信度閾値変更用の判定情報を参照し、第三の確信度閾値を変更するために用いる変更値を求める。続いて、ステップB4において、第二の閾値変更部104は、変更値を用いて第三の確信度閾値を変更する。続いて、ステップB4において、第二の閾値変更部104は、変更した第三の確信度閾値を出力情報生成部18へ出力する。ただし、ステップB4の処理はなくてもよい。
【0124】
次に、第二の判定部102は、第三の確信度が、検査結果に応じて変更された第三の確信度閾値以上である場合、特定物品であると判定する(ステップB5)。
【0125】
具体的には、ステップB5において、まず、第二の判定部102は、第三の確信度を取得する。続いて、ステップB5において、第二の判定部102は、取得した第三の確信度を用いて、閾値情報を参照し、第三の確信度が第三の確信度閾値以上であるか否かを判定する。続いて、ステップB5において、第二の判定部102は、第三の確信度が第三の確信度閾値以上である場合、モデル検査をした物品を特定物品と判定する。続いて、ステップB5において、第二の判定部102は、検出した特定物品を表す情報を出力情報生成部18へ出力する。
【0126】
次に、リスク変更部17は、検査結果に応じて、特定物品に関連付けられているリスクを変更する(ステップB6)。
【0127】
具体的には、ステップB6において、まず、リスク変更部17は、あらかじめ設定されたリスク情報を参照し、現在使用しているモデルに対応するリスクを取得する。また、ステップB6において、リスク変更部17は、取得部103から検査結果を取得する。
【0128】
続いて、ステップB6において、リスク変更部17は、検査結果に応じて、あらかじめ設定されたリスク変更用の判定情報を参照し、リスクを変更するために用いるリスク変更値を選択する。続いて、ステップB6において、リスク変更部17は、リスク変更値を用いてリスクを変更する。
【0129】
次に、出力情報生成部18は、透過画像、第三の確信度、第三の確信度閾値、リスク、又はそれらのいずれかの情報を、出力装置25で出力可能な形式に変換して出力情報を生成し、出力情報を出力装置25に送信する(ステップB7)。出力装置25が回転灯である場合には、例えば、回転灯が出力情報を取得すると、点灯、又は点灯及び音を出力する。
【0130】
[実施形態2の効果]
以上のように本実施形態によれば、透過画像と検査結果とをモデルに入力して機械学習させるので、特定物品を検出する精度を向上させることができる。
【0131】
[プログラム]
本発明の実施形態におけるプログラムは、コンピュータに、図13に示すステップB1からB7を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施形態における検査支援装置と検査支援方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、取得部103、第二のモデル選択部105、第三の確信度出力部101、第二の閾値変更部104、第二の判定部102、リスク変更部17、出力情報生成部18として機能し、処理を行なう。
【0132】
また、本実施形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、取得部103、第二のモデル選択部105、第三の確信度出力部101、第二の閾値変更部104、第二の判定部102、リスク変更部17、出力情報生成部18のいずれかとして機能してもよい。
【0133】
[物理構成]
ここで、実施形態1、2におけるプログラムを実行することによって、検査支援装置を実現するコンピュータについて図14を用いて説明する。図14は、本発明の実施形態1、2における検査支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0134】
図14に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU、又はFPGAなどのプログラマブルなデバイスを備えていてもよい。
【0135】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置である。また、本実施形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。なお、記録媒体120は、不揮発性記録媒体である。
【0136】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置があげられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0137】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0138】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)などの汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)などの磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体があげられる。
【0139】
[付記]
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。上述した実施形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)から(付記51)により表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0140】
(付記1)
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像をモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の確信度出力部と、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づき変更された前記第一の確信度が、あらかじめ設定された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定部と、
を有する検査支援装置。
【0141】
(付記2)
付記1に記載の検査支援装置であって、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づいて第二の確信度を算出する、第二の確信度出力部と、
前記第二の確信度に応じて、前記第一の確信度を変更する、変更部と、
を有する検査支援装置。
【0142】
(付記3)
付記2に記載の検査支援装置であって、
前記第一の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第一の閾値変更部
を有する検査支援装置。
【0143】
(付記4)
付記1から3のいずれか一つに記載の検査支援装置であって、
複数の前記特定物品ごとにモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第一のモデル選択部
を有する検査支援装置。
【0144】
(付記5)
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第三の確信度を出力する、第三の確信度出力部と、
前記第三の確信度が、あらかじめ設定された第三の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定部と、
を有する検査支援装置。
【0145】
(付記6)
付記5に記載の検査支援装置であって、
前記第三の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第二の閾値変更部
を有する検査支援装置。
【0146】
(付記7)
付記5又は6に記載の検査支援装置であって、
複数の前記特定物品ごとにモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第二のモデル選択部
を有する検査支援装置。
【0147】
(付記8)
付記5から7のいずれか一つに記載の検査支援装置であって、
前記特定物品に関連付けられるリスクの度合いを判定する、リスク判定部
を有する検査支援装置。
【0148】
(付記9)
付記8に記載の検査支援装置であって、
前記リスク判定部は、前記リスクの度合いが、あらかじめ設定されたリスク条件に該当する場合、前記物品のリスクの高低を判定する
検査支援装置。
【0149】
(付記10)
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像をモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の確信度出力ステップと、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づき変更された前記第一の確信度が、あらかじめ設定された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定ステップと、
を有する検査支援方法。
【0150】
(付記11)
付記10に記載の検査支援方法であって、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づいて第二の確信度を算出する、第二の確信度出力ステップと、
前記第二の確信度に応じて、前記第一の確信度を変更する、変更ステップと、
を有する検査支援方法。
【0151】
(付記12)
付記11に記載の検査支援方法であって、
前記第一の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第一の閾値変更ステップ
を有する検査支援方法。
【0152】
(付記13)
付記10から12のいずれか一つに記載の検査支援方法であって、
複数の前記特定物品ごとにモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第一のモデル選択ステップ
を有する検査支援方法。
【0153】
(付記14)
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第三の確信度を出力する、第三の確信度出力ステップと、
前記第三の確信度が、あらかじめ設定された第三の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定ステップと、
を有する検査支援方法。
【0154】
(付記15)
付記14に記載の検査支援方法であって、
前記第三の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第二の閾値変更ステップ
を有する検査支援方法。
【0155】
(付記16)
付記14又は15に記載の検査支援方法であって、
複数の前記特定物品ごとにモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第二のモデル選択ステップ
を有する検査支援方法。
【0156】
(付記17)
付記14から16のいずれか一つに記載の検査支援方法であって、
前記特定物品に関連付けられるリスクの度合いを判定する、リスク判定ステップ
を有する検査支援方法。
【0157】
(付記18)
付記17に記載の検査支援方法であって、
前記リスク判定ステップにおいて、前記リスクの度合いが、あらかじめ設定されたリスク条件に該当する場合、前記物品のリスクの高低を判定する
検査支援方法。
【0158】
(付記19)
コンピュータに、
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像をモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の確信度出力ステップと、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づき変更された前記第一の確信度が、あらかじめ設定された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定ステップと、
を実行させる命令を含むプログラム。
【0159】
(付記20)
付記19に記載のプログラムであって、
前記プログラムが、コンピュータに、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づいて第二の確信度を算出する、第二の確信度出力ステップと、
前記第二の確信度に応じて、前記第一の確信度を変更する、変更ステップと、
を実行させる命令を含むプログラム。
【0160】
(付記21)
付記20に記載のプログラムであって、
前記プログラムが、コンピュータに、
前記第一の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第一の閾値変更ステップ
を実行させる命令を含むプログラム。
【0161】
(付記22)
付記19から21のいずれか一つに記載のプログラムであって、
前記プログラムが、コンピュータに、
複数の前記特定物品ごとにモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第一のモデル選択ステップ
を実行させる命令を含むプログラム。
【0162】
(付記23)
コンピュータに
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第三の確信度を出力する、第三の確信度出力ステップと、
前記第三の確信度が、あらかじめ設定された第三の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定ステップと、
を実行させる命令を含むプログラム。
【0163】
(付記24)
付記23に記載のプログラムであって、
前記プログラムが、コンピュータに、
前記第三の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第二の閾値変更ステップ
を実行させる命令を含むプログラム。
【0164】
(付記25)
付記23又は24に記載のプログラムであって、
前記プログラムが、コンピュータに、
複数の前記特定物品ごとにモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第二のモデル選択ステップ
を実行させる命令を含むプログラム。
【0165】
(付記26)
付記23から25のいずれか一つに記載のプログラムであって、
前記プログラムが、コンピュータに、
前記特定物品に関連付けられるリスクの度合いを判定する、リスク判定ステップ
を実行させる命令を含むプログラム。
【0166】
(付記27)
付記26に記載のプログラムであって、
前記リスク判定ステップにおいて、前記リスクの度合いが、あらかじめ設定されたリスク条件に該当する場合、前記物品のリスクの高低を判定する
プログラム
【0167】
(付記28)
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像をモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の確信度出力部と、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づいて、前記第一の確信度を変更する、変更部と、
変更された前記第一の確信度が、あらかじめ設定された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定部と、
を有する検査支援装置。
【0168】
(付記29)
付記28に記載の検査支援装置であって、
前記第一の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第一の閾値変更部
を有する検査支援装置。
【0169】
(付記30)
付記28又は29に記載の検査支援装置であって、
複数のモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第一のモデル選択部
を有する検査支援装置。
【0170】
(付記31)
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と、前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第二の確信度を出力する、第二の確信度出力部と、
前記第二の確信度が、あらかじめ設定された第二の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定部と、
を有する検査支援装置。
【0171】
(付記32)
付記31に記載の検査支援装置であって、
前記第二の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第二の閾値変更部
を有する検査支援装置。
【0172】
(付記33)
付記31又は32に記載の検査支援装置であって、
複数のモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第二のモデル選択部
を有する検査支援装置。
【0173】
(付記34)
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像をモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の確信度出力ステップと、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づいて、前記第一の確信度を変更する、変更ステップと、
変更された前記第一の確信度が、あらかじめ設定された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定ステップと、
を有する検査支援方法。
【0174】
(付記35)
付記34に記載の検査支援方法であって、
前記第一の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第一の閾値変更ステップ
を有する検査支援方法。
【0175】
(付記36)
付記34又は35に記載の検査支援方法であって、
複数のモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第一のモデル選択ステップ
を有する検査支援方法。
【0176】
(付記37)
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と、前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第二の確信度を出力する、第二の確信度出力ステップと、
前記第二の確信度が、あらかじめ設定された第二の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定ステップと、
を有する検査支援方法。
【0177】
(付記38)
付記37に記載の検査支援方法であって、
前記第二の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第二の閾値変更ステップ
を有する検査支援方法。
【0178】
(付記39)
付記37又は38に記載の検査支援方法であって、
複数のモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第二のモデル選択ステップ
を有する検査支援方法。
【0179】
(付記40)
コンピュータに、
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像をモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の確信度出力ステップと、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づいて、前記第一の確信度を変更する、変更ステップと、
変更された前記第一の確信度が、あらかじめ設定された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定ステップと、
を実行させる命令を含むプログラム。
【0180】
(付記41)
付記40に記載のプログラムであって、
前記プログラムが、前記コンピュータに、
前記第一の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第一の閾値変更ステップ
を実行させる命令を更に含むプログラム。
【0181】
(付記42)
付記40又は41に記載のプログラムであって、
前記プログラムが、前記コンピュータに、
複数のモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第一のモデル選択ステップ
を実行させる命令を含むプログラム。
【0182】
(付記43)
コンピュータに、
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と、前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第二の確信度を出力する、第二の確信度出力ステップと、
前記第二の確信度が、あらかじめ設定された第二の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定ステップと、
を実行させる命令を含むプログラム。
【0183】
(付記44)
付記43に記載のプログラムであって、
前記プログラムが、コンピュータに、
前記第二の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第二の閾値変更ステップ
を実行させる命令を含むプログラム。
【0184】
(付記45)
付記43又は44に記載のプログラムであって、
前記プログラムが、コンピュータに、
複数のモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第二のモデル選択ステップ
を実行させる命令を含むプログラム。
【0185】
(付記46)
検査対象となる物品に電磁波を照射して透過画像を生成する透過画像生成装置と、
前記物品を検査するコンピュータと、を有し、
前記コンピュータは、
前記透過画像をモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第一の確信度を出力する、第一の確信度出力部と、
前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果に基づいて、前記第一の確信度を変更する、変更部と、
変更された前記第一の確信度が、あらかじめ設定された第一の確信度閾値以上である場合、前記特定物品であると判定する、第一の判定部と、
を有する検査支援システム。
【0186】
(付記47)
付記46に記載の検査支援システムであって、
前記第一の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第一の閾値変更部
を有する検査支援システム。
【0187】
(付記48)
付記46又は47に記載の検査支援システムであって、
複数のモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第一のモデル選択部
を有する検査支援システム。
【0188】
(付記49)
検査対象となる物品に電磁波を照射して透過画像を生成する透過画像生成装置と、
前記物品を検査するコンピュータと、を有し、
前記コンピュータは、
検査対象となる物品に電磁波を照射して得た透過画像と、前記物品に対して一つ以上の検査を実行して得られる検査結果とをモデルに入力して、前記物品が特定物品であることを表す第二の確信度を出力する、第二の確信度出力部と、
前記第二の確信度が、あらかじめ設定された第二の確信度閾値以上である場合、前記物品が特定物品であると判定する、第二の判定部と、
を有する検査支援システム。
【0189】
(付記50)
付記49に記載の検査支援システムであって、
前記第二の確信度閾値を前記検査結果に応じて変更する、第二の閾値変更部
を有する検査支援システム。
【0190】
(付記51)
付記49又は50に記載の検査支援システムであって、
複数のモデルがある場合、前記検査結果に応じてモデルを選択する、第二のモデル選択部
を有する検査支援システム。
【0191】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0192】
この出願は、2020年2月20日に出願された日本出願特願2020-027543を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【0193】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0194】
以上のように本発明によれば、特定物品を検出する精度を向上させる。本発明は、透過画像を用いたモデル検査が必要な分野において有用である。
【符号の説明】
【0195】
10、100 検査支援装置
11 第一の確信度出力部
12 変更部
13 第一の判定部
14、103 取得部
15 第一の閾値変更部
16 第一のモデル選択部
17 リスク変更部
18 出力情報生成部
20、110 システム
21 透過画像生成装置
22 撮像装置
23 入力装置
24 センサ
25 出力装置
101 第三の確信度出力部
102 第二の判定部
104 第二の閾値変更部
105 第二のモデル選択部
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14