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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】スクリーン
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20231108BHJP
   A47G 5/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
E04B2/74 561H
A47G5/00 D
A47G5/00 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023002441
(22)【出願日】2023-01-11
(62)【分割の表示】P 2018184517の分割
【原出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2023040206
(43)【公開日】2023-03-22
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】西口 眞由
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-215048(JP,A)
【文献】登録実用新案第3154574(JP,U)
【文献】特開2009-264029(JP,A)
【文献】特開2004-204592(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1467039(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72-2/82
A47G 5/00
A47B 96/04
E04H 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁部に連結用の磁石を備えたスクリーンであって、
パネルを主体に構成されたパネル体構造をなすスクリーン本体を備えてなり、
前記スクリーン本体は、縁部の一部を切除することにより切り欠いた形状の凹陥部を備えたパネル構造のものであり、
前記凹陥部に、箱状をなす磁石ホルダが前記磁石を遊動可能に保持した状態で嵌着されており、
前記磁石ホルダは、前記凹陥部を埋め尽くす外形状を有した箱形のものであるスクリーン。
【請求項2】
前記磁石ホルダの外面と前記パネルの外面とが面一をなしている請求項1記載のスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラウンジやオフィス内の空間を仕切る場合等に好適に使用されるスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数枚のスクリーンをジョイント部材を介して機械的に連結したものが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
このようなスクリーンシステムは、各スクリーンを乱れることなく整然と配置することができるため、多くの場所で使用されているが、スクリーン同士を着脱して自由に配置するようなシチュエーションではスクリーン同士の挿脱に手間がかかるものであり、何らかの対策が望まれている。
【0004】
このような要望に応えるための一方策としては、各スクリーンの側縁部に磁石を遊動可能に埋設しておき、それらの磁石の磁力により隣接するスクリーン同士を挿脱可能に連結することが考えられる。しかしながら、この種のスクリーンは、人目に晒される環境で使用されるものであるため、その外観を損ねることなしに磁石をシンプルに取り付けるのが比較的難しいという課題がある。
【0005】
ところで、玩具等の分野においては、積み木状のピースの縁部に磁石を埋設しておき、磁石の磁力により複数のピースを連結して遊ぶものが開発されているが、このような磁石装着構造をスクリーンに適用するのは困難である。すなわち、従来の磁石取付構造は、前記ピースが接合端面に凹陥部を有する一対の半割部材により構成されており、半割部材を接合する際に前記凹陥部内に磁石を仕込むものである。しかるに、スクリーンは玩具のピースに比べて遥かに大きなものであり、半割構造にするのは非現実的である。そのため、かかる磁石取付構造をスクリーンに適用するのには問題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】“パネルスクリーン”,コクヨ総合カタログ2018年版ファニチャー編,コクヨ株式会社,平成29年12月,p.201
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情に着目してなされたもので、外観を損ねることなしに接続すべき側縁部に連結用の磁石を簡単かつ確実に取り付けることができるスクリーンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明に係るスクリーンは、縁部に連結用の磁石を備えたスクリーンであって、パネルを主体に構成されたパネル体構造をなすスクリーン本体を備えてなり、前記スクリーン本体は、縁部の一部を切除することにより切り欠いた形状の凹陥部を備えたパネル構造のものであり、前記凹陥部に、箱状をなす磁石ホルダが前記磁石を遊動可能に保持した状態で嵌着されており、前記磁石ホルダは、前記凹陥部を埋め尽くす外形状を有した箱形のものである。
【0009】
請求項2記載の発明に係るスクリーンは、請求項1記載のものにおいて、前記磁石ホルダの外面と前記パネルの外面とが面一をなしているものである。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、外観を損ねることなしに接続すべき側縁部に連結用の磁石を簡単かつ確実に取り付けることができるスクリーンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に関連する第1の参考例に係るスクリーンシステムを示す斜視図。
図2】同参考例に係るスクリーンシステムを示す正面図。
図3】同参考例に係る一方のスクリーンを示す分解斜視図。
図4図2におけるA-A線に沿った要部拡大断面図。
図5】同参考例に係る一方のスクリーンのスクリーン本体を示す分解斜視図。
図6図2におけるC部拡大図。
図7図2におけるD部拡大図。
図8図2におけるX部拡大図。
図9】同参考例に係る他方のスクリーンのスクリーン本体を示す分解斜視図。
図10】本発明に関連する第2の参考例に係るスクリーンを示す斜視図。
図11】同参考例に係る磁石及び磁石ホルダの取付態様説明図。
図12】本発明の実施形態に係るスクリーンを示す斜視図。
図13】同実施形態に係る磁石及び磁石ホルダの取付態様説明図。
図14】本発明に関連する参考例に係る磁石及び磁石ホルダの取付態様説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<<第1の参考例>>(図1図9
本発明について説明する前に、本発明に関連する第1の参考例を、図1図9を参照しつつ説明する。
【0018】
この参考例は、本発明を2枚のスクリーンS1を連結してなるスクリーンシステムSSに適用した場合のものである。
【0019】
このスクリーンシステムSSは、図1及び図2に示すように、側縁部に磁石M1、M2を設けた2枚のスクリーンS1、S2を具備してなり、それらのスクリーンS1、S2を前記磁石M1、M2の磁力を利用して連結することができるようにしたものであって、前記各スクリーンS1、S2は、少なくとも側縁部における共通の高さ位置Hに基本の磁石M1を有している。この参考例のスクリーンS1、S2は、基本の磁石M1よりも上に磁石を有しないタイプのものである。そして、これら両スクリーンS1、S2は、基本の磁石M1よりも一定の下方離間距離Zだけ下に偏移した位置に下段の磁石M2を有している。以下、各スクリーンS1、S2について説明する。
【0020】
<一方のスクリーンS1>
一方のスクリーンS1は、平面視直線状をなすストレートタイプのものであり、図1図4に示すように、枠状をなすスクリーン本体1と、このスクリーン本体1の両面に配された対をなす表装材2A、2Bとを具備してなる。各表装材2A、2Bは、図8に示すように、それぞれ光を通しにくい難透光部2xと、光を通しやすい透光部2yとをランダムに混在させて備えたものである。すなわち、図3及び図4に示すように、スクリーン本体1は、枠状に配されたフレーム3~6の内側に空洞領域CAを備えたものであり、両表装材2A、2Bは、その空洞領域CAを覆うようにしてフレーム3~6に添設されている。そして、図1図4に示すように、各表装材2A、2Bは、フレーム3~6に対応する部位21が難透光部2xにより構成され、空洞領域CAに対応する部位22に難透光部2xと透光部2yとをランダムに混在させて備えたものである。以下、具体的に説明する。
【0021】
スクリーン本体1は、図1図3及び図5に示すように、右、左のフレーム3、4と、これら右、左のフレーム3、4の上端間を接続する上のフレーム5と、右、左のフレーム3、4の下端間を接続する下のフレーム6とを備えた枠状のもので、下のフレーム6には、接地体として右、左対をなす脚体62が設けられている。各フレーム3~6は、断面円形をなすパイプ材製のものであり、具体的には、非磁性体であるアルミパイプ素材により作られている。右、左のフレーム3、4は、起立姿勢をなすもので、上端3a、4a近傍部及び下端3b、4b近傍部の空洞領域CA側にそれぞれネジ挿通孔3x、4x、3y、4yが設けられている。上のフレーム5は水平姿勢をなすもので、右、左両端に下方に延出する垂下部51を有しており、それら両垂下部51の下端51a近傍部における空洞領域CA側にそれぞれネジ挿通孔51xが設けられている。下のフレーム6は水平姿勢をなすもので、右、左両端に上方に延出する起立部61を有しており、それら両起立部61の上端61a近傍部における空洞領域CA側にそれぞれネジ挿通孔61xが設けられている。
【0022】
そして、図5図7に示すように、右、左のフレーム3、4の上端3a、4aと上のフレーム5における垂下部51の下端51aとを上のフレーム接続部材7Aにより接続するとともに、図5に示すように、右、左のフレーム3、4の下端3b、4bと下のフレーム6における起立部61の上端61aとを下のフレーム接続部材7Bにより接続している。図5図7に示すように、上のフレーム接続部材7Aは、下側の片半部が右、左のフレーム3、4の上端部に嵌合するとともに、上側の片半部が上のフレーム5における垂下部51の下端部に嵌合する棒状のもので、非磁性体である合成樹脂製のものである。上のフレーム接続部材7Aの下側の片半部には、右、左のフレーム3、4のネジ挿通孔3x、4xに対応する雌ネジ孔71が形成されており、また、上側の片半部には、上フレームの垂下部51に設けられたネジ挿通孔51xに対応する雌ネジ孔71が形成されている。そして、接続用のネジvをネジ挿通孔3x、4x、51xから対応する雌ネジ孔71にそれぞれ螺合させ緊締することによって、右、左のフレーム3、4と上のフレーム5とが剛結されるようになっている。なお、73は、組立時に上のフレーム接続部材7Aをフレーム3、4に位置決めするための位置決め突起である。
【0023】
ここで、このスクリーンS1は、側縁部S1aすなわち断面円形をなすパイプ材製である右、左のフレーム3、4の外半部が表、裏両面に滑らかに連続する凸曲面を有し、非磁性体製の磁石ホルダ72と、この磁石ホルダに保持された連結用の磁石M1、M2とを具備してなり、その磁石を保持した磁石ホルダ72が、スクリーンS1の側縁部S1aを構成する右、左のフレーム3、4内に、スクリーンS1の側縁部S1aの凸曲面を維持した状態で取り付けられている。以下、磁石ホルダ72の取付態様について説明する。
【0024】
すなわち本参考例では、右、左対をなす上のフレーム接続部材7Aの下端に、それぞれ対応する右、左のフレーム3、4内に延出する磁石ホルダ72が形成されており、磁石ホルダ72の内面(より具体的には、後述するホルダ本体721の内周面721a)とフレームの内周面3s、4sとの間に基準の磁石M1を収容する磁石収容室72sが形成されている。一方、下のフレーム接続部材7Bは、以上で説明した上のフレーム接続部材7Aを上下に反転させたものであり、同一又は対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。しかして、下のフレーム接続部材7Bの磁石ホルダ72の内面(より具体的には、後述するホルダ本体721の内周面721a)とフレームの内周面3s、4sとの間に下方の磁石M2を収容する磁石収容室72sが形成されている。
【0025】
ここで磁石収容室72sに関連して磁石M1、M2の取付け構造について説明する。このスクリーンS1は、図4図7に示すように、他のスクリーンS2を連結すべき縁部に磁石収容室72sを設け、その磁石収容室72s内に連結用の磁石M1、M2を遊動可能に収容してなるものである。磁石収容室72sの内壁面(ホルダ本体721の内周面721a)の少なくとも一部は円筒状のものであり、その磁石収容室72sに収容された磁石M1、M2が内壁面の円筒状をなす部位に2つの隣接する角部M1a、M2aを同時に線接触させ得る角柱状をなしている。この参考例の磁石M1、M2は、4つの角部を有する四角柱状のもので、隣接する一対の角部間に位置する部位がN極となり、他方の隣接する一対を角部間に位置する部位がS極となるように着磁されている。なお、下段の磁石M2は基本の磁石と全く同一の形状をなしているため、その角部M2aの磁石収容室72sの内壁面への線接触の態様は図示を省略している。
【0026】
このスクリーンS1は、前述したように枠状に接続された複数のフレーム、すなわち、右、左のフレーム3、4、上のフレーム5、及び下のフレーム6を有し、右、左のフレーム3、4内に磁石収容室72sが設けられている。この参考例のスクリーンS1は、突き合わせた右、左のフレーム3、4と上のフレーム5とに内嵌する右、左対をなすフレーム接続部材7Aを有し、これらのフレーム接続部材7Aを利用して基本の磁石M1を収容するための磁石収容室72sが形成されている。また、このスクリーンS1は、突き合わせた右、左のフレーム3、4と下のフレーム6とに内嵌する右、左対をなすフレーム接続部材7Bを有し、これらのフレーム接続部材7Bを利用して下段の磁石M2を収容するための磁石収容室72sが形成されている。なお、フレーム3~6は前述したように断面円形をなす非磁性体製のパイプ材により構成されたものであり、右、左のフレーム3、4の内周面3s、4sが、前記磁石収容室72sの円筒状をなす内壁面の一部を構成している。
【0027】
以上説明した構造について観点を変えて説明すれば、このスクリーンS1は、非磁性体製の磁石ホルダ72と、この磁石ホルダ72に保持された連結用の磁石M1、M2とを備え、その磁石M1、M2を保持した磁石ホルダ72がスクリーン本体1の縁部に取り付けられている。詳述すれば、スクリーン本体1は、フレーム3~6を主体に構成されたフレーム構造をなすものであり、スクリーン本体1の縁部を構成する右、左のフレーム3、4に磁石ホルダ72が磁石M1、M2とともに仕込まれている。すなわち、スクリーン本体1は、複数のフレーム3~6がフレーム接続部材7A、7Bを介して接続されたフレーム構造を備えたものであり、磁石ホルダ72がフレーム接続部材7A、7Bに一体に設けられている。具体的には、磁石ホルダ72は、フレーム接続部材7A、7Bの端面から突設されフレーム3、4の内周面の一部に添接する部分円筒体状をなすホルダ本体721と、このホルダ本体721の突出端に設けられフレーム接続部材7A、7Bと協働して磁石M1、M2の上下動を規制する端板部722とを備えたもので、合成樹脂によりフレーム接続部材7A、7Bとともに一体に成型されている。しかして、磁石収容室72sは、部分円弧状をなすフレーム3、4の内周面3s、4sの一部と、この内周面3s、4sに対向するホルダ本体721の内周面721aとの間に形成されたもので、磁石収容室72sの上下端はフレーム接続部材7A、7Bと磁石ホルダ72の端板722とによって塞がれている。
【0028】
以上説明したスクリーン本体1に装着される表装材2A、2Bについて説明すれば、次の通りである。スクリーン本体1の一面側に張設された表の表装材2Aと、他面側に張設された裏の表装材2Bは、全体として袋状をなすようにフレーム3~6の外側において連続させてある。すなわち、これら表の表装材2Aと裏の表装材2Bは、例えば、上縁と左右両側縁とが繋がった袋状の編み物として編み上げられ、スクリーン本体1に上から被せて下縁同士を接続することによってフレーム3~6の外側に添設されるものである。この参考例の表装材2A、2Bは、糸素材2sを用いて作られたニットであり、難透光部2xは、糸素材2sが比較的密に編まれた編み目状構造をなすものであるとともに、透光部2yは糸素材2sが存在しない孔状をなすものである。図8は、図2における領域Xに存在する表の表装材2Aのみを拡大して示すものである。すなわち、表の表装材2Aは、編み目構造をなして連続する難透光部2xの間に多数の孔状の透光部2yがランダムに点在しているものである。裏の表層部2Bも表の表層部2Aに準じた構成をなすもので、遠くから見た場合には両者は同じ印象を与えるが、透光部2yが難透光部2xに対してランダムに配されているので、表、裏の表層部2A、2Bは細かく正確に比較した場合、全く異なったパターン形状をなしている。
【0029】
<他方のスクリーンS2>
他方のスクリーンS2は、平面視L状をなすL型タイプのものであり、枠状をなすスクリーン本体1と、このスクリーン本体1の両面に配された対をなす表装材2A、2Bとを具備してなる。
【0030】
スクリーン本体1の構成は、上のフレーム5と下のフレーム6とが中央で直角に屈曲している点と、下のフレーム6の下に脚体62に代えて接地体であるアジャスタ63が設けられている点、及び、下のフレーム6の屈曲部下面側にウエイト板64が設けられている点のみが一方のスクリーンS1と異なっており、基本的には一方のスクリーンS1と同じ考え方で構成されている。表、裏の表装材2A、2Bについても、一方のスクリーンS1の場合と同じように袋状に編み上げた状態でフレーム本体に被せ、それら表裏の表装材2A、2Bの下縁同士を下フレームの下面側で接続することによりフレーム本体に装着されている。そのため、一方のスクリーンS1と同一又は相当する部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0031】
なお、これら両スクリーンS1、S2の接地体は、相互に異なった形式のものであるが、その支持高さは揃えてある。すなわち、少なくとも両スクリーンS1、S2の基本の磁石M1の高さ位置Hは同じになるように(床面Fと各磁石M1、M2との間の離間距離が同じになるように)設定されている。そして本参考例では、両スクリーンS1、S2における基本の磁石M1と下段の磁石M2との間の距離である下方離間距離Zも同じになるように設定されている。
【0032】
また、このスクリーンS2も、側縁部S2aすなわち断面円形をなすパイプ材製である右、左のフレーム3、4の外半部が表、裏両面に滑らかに連続する凸曲面を有し、非磁性体製の磁石ホルダ72と、この磁石ホルダに保持された連結用の磁石M1、M2とを具備してなり、その磁石を保持した磁石ホルダ71が、スクリーンS2の側縁部S2aを構成する右、左のフレーム3、4内に、スクリーンS2の側縁部S2aの凸曲面を維持した状態で取り付けられている。磁石ホルダ72の取付態様は、前述したスクリーンS1におけるものと全く同様であるため、同一又は対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
<第1の参考例の作用効果>
このような構成のものであれば、フレーム接続部材7A、7Bをフレーム3、4に嵌装する際に、同時に磁石M1、M2を装着した磁石ホルダ72をフレーム3、4内に仕込むことができる。そのため、部品点数の増加を招くことなしに磁石M1、M2を簡単にフレーム3、4内の所定位置に配設することができる。そして、磁石M1、M2と磁石ホルダ72とをフレーム内に収容すれば、スクリーンS1、S2の外観が損なわれることもない。すなわち、この参考例のものは、フレーム3、4の外側片半部を芯にして形成されるスクリーンS1、S2の側縁部の凸曲面形状がそのまま維持されるものである。したがって、係るスクリーンS1、S2は、磁石を仕込んでいない仕様のスクリーンと全く同じ外観を呈するものである。
【0034】
なお、この参考例では、フレーム接続部材7A、7Bと磁石ホルダ72とを樹脂による一体成型により製作した場合について説明したが、フレーム接続部材と磁石ホルダとを別体にし、ネジや接着剤等で一体的に接合してもよい。
<<第2の参考例>>(図10図11
本発明に関連する第2の参考例を、図10図11を参照しつつ説明する。なお、前述した第1の参考例におけるものに対応する部分には同一の名称及び符号を付して詳細な説明は省略する。
【0035】
この参考例のスクリーンS3は、図10に示すように、第1の参考例と同様にフレーム構造をなすスクリーン本体1を備えたものであり、スクリーンS3の側縁部S3aを形成するスクリーン本体1の右、左のフレーム3、4に磁石ホルダB72が磁石M1、M2とともに仕込まれている。なお、この参考例では、右のフレーム3は上半部31及び下半部32を図示しないフレーム接続部材等を介して接続してなるものであり、上半部31は上のフレーム5に、また下半部32は下のフレーム6に、それぞれ一体に設けられている。また、左のフレーム4も上半部41及び下半部42を図示しないフレーム接続部材等を介して接続してなるものであり、上半部41は上のフレーム5に、また下半部42は下のフレーム6に、それぞれ一体に設けられている。
【0036】
前述した第1の参考例では、磁石ホルダがフレーム接続部材に一体的に設けられたものであったが、この第2の参考例のスクリーンS2は、図10に示すように、フレーム3、4の所定箇所に穴3n、4nを形成しておき、その穴3n、4nに箱状をなす磁石ホルダB72が磁石M1、M2を保持した状態で嵌め込まれている。フレーム3、4に穿設された穴3n、4nは例えば長方形状のものであり、外側方に開放されている。磁石ホルダB72は、有底箱状のもので、フレーム3、4の穴3n、4nに外側から嵌合させ得る寸法形状をなしている。磁石ホルダB72は、図11に示すように、外壁B721がフレーム3、4と同一径をなす部分円弧状に湾曲した形状をなしており、磁石ホルダB72をフレーム3、4に嵌着した状態では磁石ホルダB72の外面すなわち外壁B721の外面B72aがフレーム3、4の外周面3t、4tと面一に連続するようになっている。B723は、磁石ホルダB72の両側壁B722の外面に突設された抜け止め用突条である。この突条B723は、部材の一時的な弾性変形を利用してフレーム3、4内に挿入されるようになっている。なお、図11には左のフレーム4への基本の磁石M1を保持した磁石ホルダB72の取付構造のみを示しているが、右のフレーム3への基本の磁石M1を保持した磁石ホルダB72の取付構造は、図11に示したものと左右対称である。また、右、左のフレーム3への下段の磁石M2を保持した磁石ホルダB72の取付構造も、基本の磁石M1を保持した磁石ホルダB72の取付構造と全く同一である。
【0037】
この参考例の場合も、枠状に組まれたフレーム3~6が、第1の参考例と同様に表、裏の表装材2A、2Bによりくるまれるため、スクリーンS3の側縁部S3aは、表、裏両面に滑らかに連続する凸曲面をなすものであり、磁石ホルダB72をフレーム3、4に装着した状態でも、側縁部S3aの凸曲面形状は維持される。
【0038】
このような構成であれば、フレーム3、4に設けられた穴3n、4nに磁石M1、M2を保持した磁石ホルダを圧入するだけで、磁石をフレーム内に仕込むことができる。そのため、構成の簡略化を図るとともに製造工数の増加を有効に抑制することができる。
【0039】
なお、この第2の参考例の場合、磁石ホルダは樹脂等の非磁性体製のものであることは必須であるが、フレームがアルミ等の非磁性体製のものであることは必須ではなく、鉄等の磁性体製のフレームにも適用が可能である。
【0040】
また、図10及び図11に示した例では、磁石は第1の参考例の磁石と同じ四角柱状のものであるが、必ずしもこのような形態のものに限定されない。
<<本発明実施形態>>(図12図13
ここで、本発明の実施形態を、図12図13を参照しつつ説明する。なお、前述した第1の参考例におけるものに対応する部分には同一の名称及び符号を付して詳細な説明は省略する。
【0041】
この実施形態のスクリーンS4は、図12に示すように、パネル構造をなすスクリーン本体C1を備えたものである。すなわち、スクリーン本体C1は、パネルC2を主体に構成されたものであり、そのパネルC2の縁部C2aに形成した凹陥部C2xに非磁性体製の磁石ホルダC72が磁石M1、M2とともに嵌着されている。図13に示すように、パネルC2は、例えば、縁部C2aが断面半円弧状の凸曲面をなすものであり、凹陥部C2xはパネルC2の縁部を一部切除することにより形成されている。磁石ホルダC72は、有底箱形のもので断面形状が凹陥部C2xの断面形状に合致する形態をなしている。そのため、磁石ホルダC72の周壁C721の外面C72aとパネルC2の縁部C2aの外面C2bとが面一に連続するようになっている。しかして、この実施形態のスクリーンS4も、その側縁部S4aが、表、裏両面S4b、S4bに連続する凸曲面をなすものであり、磁石ホルダC72をパネルC2に装着した状態でも、側縁部S4aの凸曲面形状は維持される。なお、図13には、基本の磁石M1を保持した磁石ホルダC72の取付構造のみを示しているが、下段のM1を保持した磁石ホルダC72の取付構造も全く同様である。
【0042】
このような構成のものであれば、パネルC2に形成された凹陥部C2xに磁石M1、M2を保持した磁石ホルダC72を嵌着するだけで、磁石M1、M2をパネルC2に仕込むことができる。そのため、構成の簡略化を図るとともに製造工数の増加を有効に抑制することができる。
【0043】
なお、図12図13に示した例では、磁石が第1の参考例の磁石と同じ四角柱状のものであるが、必ずしもこのような形態のものに限定されない。
【0044】
また、磁石ホルダを装着したパネルの外側は、外装材によって覆ってもよいのは勿論である。
<<第参考例>>(図14
本発明に関連する参考例を、図14を参照しつつ説明する。なお、前述した第1の参考例におけるものに対応する部分には同一の名称及び符号を付して詳細な説明は省略する。
【0045】
この参考例のスクリーンS5は、表装材D2によりくるまれた図示しないスクリーン本体を備えてなり、磁石ホルダD72が表装材D2に止着されたものである。磁石ホルダD72は、例えば、非磁性体製の布等により作られた袋状のものであり、磁石M1を上端に形成された開口D72aから当該磁石ホルダD72内に投入し保持させることができるようになっている。そして、この磁石ホルダD72が、スクリーンS5の側縁部S5aに配されるようになっている。
【0046】
このような構成のものであれば、表装材D2の所定箇所に磁石ホルダD72を縫着するだけで、磁石M1を仕込むことができる。そのため、製造が容易である上に、表装材D2を取り替えるだけで磁石を有しない仕様に変更することも可能になる。
【0047】
なお、スクリーン本体は、フレーム構造のものであってもパネル構造のものであってもよい。
【0048】
また、表装材も第1の参考例のようにモアレ対策を講じたものに限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0049】
さらに、図14に示した例では、磁石が第1参考例の磁石と同じ四角柱状のものであるが、必ずしもこのような形態のものに限定されない。
【0050】
なお、本発明は、以上に述べた実施形態に限られない。
【0051】
すなわち、磁石を保持した磁石ホルダが、凸曲面形状を有するスクリーンの側縁部に、その凸曲面形状を維持した状態で取り付けられているものであれば、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形したものであっても、本発明の最も主要な効果、すなわち、外観を損ねることなしに接続すべき側縁部に連結用の磁石を簡単かつ確実に取り付けることができるスクリーンを提供することができるという効果は得ることができる。
【符号の説明】
【0052】
S4…スクリーン
S4a…スクリーンの側縁部
C1…スクリーン本体
C2…パネル
C2x…凹陥部
C72…磁石ホルダ
M1、M2…磁石
図1
図2
図3
図4
図5
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図14