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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】穀物乾燥機における籾排出の検出方法
(51)【国際特許分類】
   F26B 17/14 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
F26B17/14 J
F26B17/14 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023030366
(22)【出願日】2023-02-28
【審査請求日】2023-07-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松岡 航平
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-196354(JP,A)
【文献】特開2018-013323(JP,A)
【文献】特開2017-029961(JP,A)
【文献】特開2006-296436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物乾燥機の起動とともに該穀物乾燥機の機外へ籾を排出する籾排出口に設けられた籾排出検出センサをゼロ点調整するステップと、
前記籾排出検出センサの計測データに基づいて張込を検出するステップと、
前記張込時における前記籾排出検出センサの計測値に所定値を加算して、前記穀物乾燥機の機外への籾の排出を検出するための排出判定閾値を設定するステップと、
前記籾排出検出センサの計測値が前記排出判定閾値を超えた場合に、前記穀物乾燥機の機外への籾の排出を検出するステップと、
前記排出を検出した後に前記籾排出検出センサの計測値が前記排出判定閾値以下となった場合に、前記穀物乾燥機の機外への籾の排出が終了したことを検出するステップと、を有する
ことを特徴とする穀物乾燥機における籾排出の検出方法。
【請求項2】
前記籾排出検出センサは、振動センサ又は音センサである
請求項1に記載の穀物乾燥機における籾排出の検出方法。
【請求項3】
前記籾排出検出センサは、振動センサ及び音センサを備え、
前記穀物乾燥機の起動とともに該穀物乾燥機の機外へ籾を排出する籾排出口に設けられた前記振動センサをゼロ点調整するステップと、
前記振動センサの計測データに基づいて張込を検出するステップと、
前記張込時における前記音センサの計測値に所定値を加算して、前記穀物乾燥機の機外への籾の排出を検出するための排出判定閾値を設定するステップと、
前記音センサの計測値が前記排出判定閾値を超えた場合に、前記穀物乾燥機の機外への籾の排出を検出するステップと、
前記排出を検出した後に前記音センサの計測値が前記排出判定閾値以下となった場合に、前記穀物乾燥機の機外への籾の排出が終了したことを検出するステップと、を有する
請求項1に記載の穀物乾燥機における籾排出の検出方法。
【請求項4】
前記音センサによる計測と併せて前記振動センサによる計測を行い、予め設定した任意の振動増減幅を参照するステップを有し、
前記音センサの計測値が前記排出判定閾値を超えている場合であっても、前記振動増減幅を参照して籾の排出の開始及び/又は終了を検出することが可能である
請求項3に記載の穀物乾燥機における籾排出の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物乾燥機における籾の排出状態を検出することが可能な、穀物乾燥機における籾排出の検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1には、穀物乾燥機において籾の排出をその排出時に生じる振動の大きさで検出することが開示されており、籾の排出を、昇降機上方の籾排出口の壁面に取り付けたセンサによって検出するものである。すなわち、籾の排出時には籾が昇降機の籾排出口の壁面に衝突して振動が生じるため、その振動を検出することで籾の排出を検出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭62-141194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、穀物乾燥機は籾の排出時以外に、張込時や乾燥時においても機内循環により昇降機等から振動が発生する。また、その振動の大きさも穀物乾燥機の型式や仕様によって異なり、籾の排出による振動を正確に判別することが困難となる可能性がある。
【0005】
加えて、穀物乾燥調製施設のように、一つの建屋の中で複数の穀物乾燥機が同時に稼働するような場所では、検出対象となる穀物乾燥機以外の別の穀物乾燥機から生じる振動の影響によって、籾の排出による振動を正確に判別することが困難となる可能性がある。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、従来よりも精度よく効率的に籾の排出状態を検出することが可能な、穀物乾燥機における籾排出の検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)に係る発明は、穀物乾燥機の起動とともに籾排出口に設けられた籾排出検出センサをゼロ点調整するステップと、前記籾排出検出センサの計測データに基づいて張込を検出するステップと、前記張込時における前記籾排出検出センサの計測値に所定値を加算して排出判定閾値を設定するステップと、前記籾排出検出センサの計測値が前記排出判定閾値を超えた場合に籾の排出を検出するステップと、籾の排出を検出した後に前記籾排出検出センサの計測値が前記排出判定閾値以下となった場合に籾の排出が終了したことを検出するステップと、を有することを特徴とする穀物乾燥機における籾排出の検出方法である。
【0008】
(2)に係る発明はさらに、前記籾排出検出センサは、振動センサ又は音センサである上記(1)に記載の穀物乾燥機における籾排出の検出方法である。
【0009】
(3)に係る発明はさらに、前記籾排出検出センサは、振動センサ及び音センサを備え、前記穀物乾燥機の起動とともに籾排出口に設けられた前記振動センサをゼロ点調整するステップと、前記振動センサの計測データに基づいて張込を検出するステップと、前記張込時における前記音センサの計測値に所定値を加算して排出判定閾値を設定するステップと、前記音センサの計測値が前記排出判定閾値を超えた場合に籾の排出を検出するステップと、籾の排出を検出した後に前記音センサの計測値が前記排出判定閾値以下となった場合に籾の排出が終了したことを検出するステップと、を有する上記(1)に記載の穀物乾燥機における籾排出の検出方法である。
【0010】
(4)に係る発明はさらに、前記音センサによる計測と併せて前記振動センサによる計測を行い、予め設定した任意の振動増減幅を参照するステップを有し、前記音センサの計測値が前記排出判定閾値を超えている場合であっても、前記振動増減幅を参照して籾の排出の開始及び/又は終了を検出することが可能である上記(3)に記載の穀物乾燥機における籾排出の検出方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、検出対象の穀物乾燥機の周囲で稼働する機器から生じる音や振動の影響を受けることなく、その穀物乾燥機の籾の排出状態を精度よく効率的に把握することが可能となる。また、籾排出検出センサとして音センサと振動センサを併用した場合には、穀物乾燥機の隣接する他の設備から生じる音や振動による影響を、より効果的に排除して精度よく効率的に籾の排出状態を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態における穀物乾燥機の斜視図である。
図2】本実施形態における穀物乾燥機の斜視図である。
図3】本実施形態における穀物乾燥機の側面図である。
図4】本実施形態における穀物乾燥機の排出判定フローの一例である。
図5】本実施形態において、(a)はゼロ点調整前の加速度の検出態様を、(b)はゼロ点調整後の加速度の検出態様をグラフで示している。
図6】本実施形態における、張込中の振動データと閾値βとの関係を示したグラフである。
図7】本実施形態における穀物乾燥機の運転状況別音圧データの一例である。
図8】本実施形態における、排出中の音圧データと閾値Vの関係とを示したグラフである。
図9】(a)は籾の排出中における音圧データの一例が、(b)は(a)と同時に計測された籾の排出中における振動データの一例がそれぞれ示されている。
図10】別実施形態において排出判定時に振動データを参照する構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の穀物乾燥機における籾排出の検出方法の一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0014】
図1及び図2には、本実施形態における穀物乾燥機1の斜視図が、図3には側面図が図示されている。図示されるように、穀物乾燥機1は、穀物を貯留する穀物タンク10を上部に、その下部に不図示の熱風室、排風室及び乾燥室を有する乾燥機本体11を備えている。
【0015】
そして当該穀物乾燥機1の前面側には繰作部12とバーナボックス13が一体的に設けられ、それらに隣接して昇降機14が立設されている。また、図2に示されるように、乾燥機本体11の背面側には不図示の排風口が開口しており、当該排風口を覆うように矩形状のファンボックス18がボルト等によって着脱可能に設けられている。
【0016】
加えて、上記したファンボックス18の左右側の一側寄りには、吸引ファン16が装着され、当該吸引ファン16の吐出口には排風ダクト17が接続されている。また、図1及び図3に示されるように、昇降機14に隣接する位置には、乾燥後の籾を排出する籾排出口15が設けられ、当該籾排出口15の壁面には籾の排出状態を検出することが可能な籾排出検出センサ20が設けられている。
【0017】
(籾排出の検出方法)
続いて、本実施形態の穀物乾燥機における籾排出の検出方法について説明する。本実施形態の検出方法では、籾排出検出センサ20は、振動センサ及び音センサを備え、穀物乾燥機1の起動とともに籾排出口15に設けられた前記振動センサをゼロ点調整するステップと、前記振動センサの計測データに基づいて張込を検出するステップと、前記張込時における前記音センサの計測値に所定値を加算して排出判定閾値を設定するステップと、前記音センサの計測値が前記排出判定閾値を超えた場合に籾の排出を検出するステップと、籾の排出を検出した後に前記音センサの計測値が前記排出判定閾値以下となった場合に籾の排出が終了したことを検出するステップと、から構成されている。
【0018】
より詳細に説明すると、図4のフローに示されるように、穀物乾燥機1では、電源ONによる起動から、籾の張込、乾燥、排出が順次行われ、乾燥終了判定によって乾燥を停止する場合は、穀物乾燥機1の電源がOFFすることとなる。
【0019】
そして、まず穀物乾燥機1の起動とともに、籾排出検出センサ20の振動センサにおいてゼロ点調整が行われる(ステップ1)。すなわち、起動時において自機から生じる振動に加え、当該穀物乾燥機1の周囲で稼働する他の設備から生じる振動の影響を軽減するために、振動センサの出力が0(ゼロ)になるように調整(ゼロ点調整)する。当該ゼロ点調整は、一般的な方法で行えばよい。本実施形態では、二段階で調整しており、まず一段階目で、負の加速度の各測定値の平均値を求め、正の加速度の各測定値に、その平均値を加算し、負の加速度の各測定値に対しては、その平均値を減算する調整を行う。そして、二段階目で、一段階目と同じ調整を再度行っている。例えば、図5(a)には上記ゼロ点調整前の加速度の検出態様が示され、図5(b)には上記ゼロ点調整後の加速度の検出態様が示されている。
【0020】
続いて、穀物乾燥機1では籾の張込が行われるが、このとき昇降機14や吸引ファン16などが動作し、これらの動作に起因して発生する振動を振動センサによって計測し、籾の張込を検出する(ステップ2)。例えば、上記したゼロ点調整後、最初に振動が計測された時点を張込開始時として検出する。図6に示されたグラフに基づいて具体的に説明すると、本実施形態の振動センサ及び音センサは1秒間に2回の計測を行っている。そして、30秒間の計測で計測値が所定の閾値βを30回超えて計測されたとき(図示t1のタイミング)に、張込を開始したと判定している。その後、30秒間の計測で閾値βを超えない計測値が30回超えて計測されたとき(図示t2のタイミング)は、張込を終了したと判定する。本実施形態では、上記所定の閾値βとして、正側の閾値を50mG以上、負側の閾値を-50mG以下としたが、個々の穀物乾燥機1に対応して適宜設定することが可能である。
【0021】
続いて、図4のフローに示されるように、上記したような振動センサによる籾の張込開始の検出に基づいて、籾排出検出センサ20の音センサによって音圧を計測するとともに、計測された計測値に対して所定値(図7「α」参照)を加算して排出判定閾値を設定する(ステップ3)。なお、本実施形態では排出判定閾値を93dBとしている。
【0022】
すなわち、図7には、穀物乾燥機1の停止中、張込中、乾燥中及び排出中における音圧データの一例が示されているが、張込中と排出中の音圧の特長差を所定値(図示α)として加算し、籾の排出状態の判断基準となる排出判定閾値としている。なお、図7では張込中よりも乾燥中の方が音圧が大きくなっている。これは、乾燥中には熱風を発生させるバーナーが稼働するため、音センサがその音も検出するためである。
【0023】
その後、籾排出検出センサ20の音センサの計測値が上記排出判定閾値を超えた場合には、穀物乾燥機1において籾の排出が開始されたと判定される(ステップ4)。より詳細に図8を参照して説明する。図示0秒~t1秒では、排出判定閾値Vを超える計測値もあるが、30秒連続して排出判定閾値Vを超えているわけではないので、籾の排出が開始されていないと判定される。そして、計測値が30秒連続して排出判定閾値Vを超えた時点(図示t1秒)で籾の排出が開始されたと判定される(ステップ4)。このような判定方法によれば、ノイズ等の発生による誤判定を抑制することが可能になる。
【0024】
籾の排出開始が判定された後、図示t1秒~t2秒では、計測値が30秒連続して排出判定閾値Vを超えているので排出中と判定される。図示t2秒~t3秒では、計測値が排出判定閾値Vを下回ることもあるが、30秒連続して排出判定閾値Vを下回っているわけではないので、継続して排出中であると判定される。そして、計測値が30秒連続して排出判定閾値Vを下回った時点(図示t3秒)で籾の排出が終了したと判定される(ステップ5)。このような判定方法によれば、ノイズ等の発生による誤判定を抑制することが可能になる。
【0025】
上記したステップ1からステップ5の排出検出方法によれば、従来よりも大幅に精度よく効率的に籾の排出状態を把握することが可能となる。
【0026】
(別実施形態)
図9(a)には、籾の排出中における音圧データの一例が示されている。図示される例は、t1秒からt2秒の間で籾の排出が行われている音圧データであるが、特に排出終了後の音圧が比較的大きい状態が継続しており、t2秒経過後も排出判定閾値Vを超えている。これは、穀物乾燥機1の周囲で発生する音(例えば、光選別機などの他の設備機器)が影響しており、このような場合は、排出開始や排出終了の判定が難しくなる。なお、図示される例では、t4秒付近で穀物乾燥機1以外の他の設備機器で音が発生していることが判る。
【0027】
そこで、籾排出検出センサ20の振動センサによる振動データを参照することにより、より精度よく排出開始や排出終了を判定することが可能となる。より詳細に説明すると、図9(b)には、音センサによる計測と同時に、振動センサにより計測された振動データが示されている。そして、図示0秒~t1秒では、音圧及び振動の計測値がいずれも閾値σを超えていないので排出が開始されていないと判定される。図示t1秒~t2秒では、音圧及び振動のいずれもが閾値σを超えているので排出中と判定される。図示t2秒経過後は、音圧の計測値は、上記したように穀物乾燥機1の周囲で発生する音(例えば、光選別機など)の影響で排出判定閾値Vを超えているが、振動の計測値は閾値σを超えていなので、排出が終了したと判定することができる。このような音センサと振動センサを併用した判定プロセスによって、穀物乾燥機1の周囲で発生する音の影響を受けることなく、排出開始及び排出終了のタイミングを高精度に把握することが可能となる。
【0028】
図10(a)には、穀物乾燥機1に並設されている光選別機が動作した場合の籾排出検出センサ20(音センサ及び振動センサ)による計測データが示され、図10(b)には、上記光選別機が動作していない状況下において、籾の排出中の計測データが示されている。加えて、図10(c)には、上記光選別機が動作する状況下において、籾の排出中の計測データが示されている。
【0029】
図10(a)、(c)に示されるように、光選別機が動作した場合、音センサの計測値が排出判定閾値(図示V[dB])を超えてしまい、音センサの計測値に基づく排出の判定が困難となる。そこで、振動センサの計測値を常に監視して参照するように構成することで、穀物乾燥機1における排出開始及び排出終了のタイミングを正確に判定することが可能となる。
【0030】
したがって、音センサによる計測と併せて、振動センサによる計測を行い、予め設定した任意の振動増減幅を参照するステップを追加することで、より精度よく効率的に籾の排出状態を把握することが可能となる。
【0031】
(その他の変形例)
以上、本実施形態及び別実施形態の穀物乾燥機における籾排出の検出方法について説明したが、本発明は前述した実施形態に必ずしも限定されるものではなく、以下に示す種々の変更が可能である。
【0032】
前述した実施形態では、籾排出検出センサ20として音センサ及び振動センサを使用した例を示したが、必ずしも音センサ及び振動センサを併用することに限定されるものではない。
【0033】
例えば、図4のフローに示されるステップ3~5において、音センサではなく、振動センサを使用してもよい。すなわち、張込中と排出中の振動レベル(加速度等)の特長差を所定値(図示α)として加算し、籾の排出状態の判断基準となる排出判定閾値を設定することで、振動センサによる籾の排出判定が可能となる。
【0034】
また、図4のフローに示されるステップ1~2において、振動センサではなく、音センサを使用してもよい。すなわち、ステップ1で音センサのゼロ点調整を行い、ステップ2で音圧の計測値が所定の時間、連続して計測されたことを契機に籾の張込を検出する。その後、ステップ3以降の処理を行って音センサによる籾の排出判定が可能となる。
【0035】
前述した実施形態では、図1等に示されるように、籾排出口15の壁面に籾排出検出センサ20を設けたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、籾の排出にともなって生じる音や振動が計測できる箇所であれば適宜設置場所の変更が可能である。
【0036】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の組み合わせ、又は、省略が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 穀物乾燥機
10 穀物タンク
11 乾燥機本体
12 繰作部
13 バーナボックス
14 昇降機
15 籾排出口
16 吸引ファン
17 排風ダクト
18 ファンボックス
20 籾排出検出センサ
【要約】
【課題】従来よりも精度よく効率的に籾の排出状態を検出することが可能な、穀物乾燥機における籾排出の検出方法を提供すること。
【解決手段】穀物乾燥機1の起動とともに籾排出口15に設けられた籾排出検出センサ20をゼロ点調整するステップと、前記籾排出検出センサ20の計測データに基づいて張込を検出するステップと、前記張込時における前記籾排出検出センサ20の計測値に所定値を加算して排出判定閾値を設定するステップと、前記籾排出検出センサ20の計測値が前記排出判定閾値を超えた場合に籾の排出を検出するステップと、籾の排出を検出した後に前記籾排出検出センサ20の計測値が前記排出判定閾値以下となった場合に籾の排出が終了したことを検出するステップと、を有することを特徴とする。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10