(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】プログラマブルロジックコントローラの出力ユニット
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20231108BHJP
H03K 17/695 20060101ALI20231108BHJP
H03K 17/64 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G05B19/05 L
H03K17/695
H03K17/64
(21)【出願番号】P 2022046068
(22)【出願日】2022-03-02
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】521257640
【氏名又は名称】尊田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】尊田 浩二
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-506203(JP,A)
【文献】実開昭59-160336(JP,U)
【文献】特開昭54-085317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/05
H03K 17/695
H03K 17/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力箇所(4)から正の電圧と電流もしくは、負の電圧と電流を切り替えて供給する回路
で、
出力箇所(4)から正の電圧と電流もしくは、負の電圧と電流を切り替えて負荷に対して供給する回路のため、出力箇所(4)から正の電圧と電流もしくは、負の電圧と電流を切り替えて負荷に対して供給するための配線の本数が1本で済み、
プログラマブルロジックコントローラ(1)と出力ユニット(2)は内部配線(16)で接続されており、CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)にて、CPUユニット(17)の出力(61)から正電圧電流出力用有接点リレー(9)もしくは、負電圧電流出力用有接点リレー(10)に対して出力が行われると、内部配線(16)を通して正電圧電流出力用有接点リレー(9)もしくは、負電圧電流出力用有接点リレー(10)がオンし、CPUユニット(17)の出力(61)に接続された内部配線(16)は、正電圧電流出力用有接点リレー(9)と、正電圧電流出力用有接点リレー(9)を経由し、CPUユニット(17)のGNDへの接続箇所(63)へ接続され、CPUユニット(17)のGNDへの接続箇所(63)を経由して、GNDへ接続(65)され、また、CPUユニット(17)の出力(63)に接続された内部配線(16)は、負電圧電流出力用有接点リレー(10)と、負電圧電流出力用有接点リレー(10)を経由し、CPUユニット(17)のGNDへの接続箇所(64)を経由して、GNDへ接続(65)しており、
正電圧電流出力用有接点リレー(9)がオンすると、有接点リレーの接点(22)が閉じて、正の電圧と電流の供給用DC電源(7)のプラス側が接続された、出力ユニット(12)の接続(3)箇所および、有接点リレーの接点(22)を経由して、出力ユニット(12)の出力箇所(4)から、正の電圧と電流が負荷(11)へ供給され、負荷を経由した電流は、出力ユニット(12)のGNDへの接続箇所(6)を経由して、正の電圧と電流の供給用DC電源(7)のマイナス側へ流れ、
また、負電圧電流出力用有接点リレー(10)がオンすると、有接点リレーの接点(23)が閉じて、負の電圧と電流の供給用DC電源(8)のマイナス側が接続された、出力ユニット(12)の接続(5)箇所および、有接点リレーの接点(23)を経由して、出力ユニット(12)の出力箇所(4)から、負の電圧
と電流が負荷(11)へ供給され、負荷を経由した電流は、出力ユニット(12)のGNDへの接続箇所(6)を経由して負の電圧と電流の供給用DC電源(8)のプラス側へ流れ、
なお、出力箇所(4)は、複数の出力箇所(4)を備えても良く、
正電圧電流出力用有接点リレー(9)を、バイポーラトランジスタのNPNトランジスタ(69)あるいは、N型
MOSFET(74)へ変更し、負電圧電流出力用有接点リレー(10)を、バイポーラトランジスタのPNPトランジスタ(72)あるいは、P型MOSFET(75)へ変更することができるプログラマブルロジックコントローラ(1)の出力ユニット(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラマブルロジックコントローラの出力ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプログラマブルロジックコントローラの出力ユニットは、出力箇所から出力する電圧とそれに伴う電流は、正電圧のみの電圧とそれに伴う電流を出力する出力ユニット、もしくは、負電圧のみの電圧とそれに伴う電流を出力する出力ユニットしかない。すなわち、出力箇所から出力する電圧とそれに伴う電流について、正電圧の電圧と電流もしくは、負電圧の電圧と電流について、それぞれを切り替えて出力することが可能な出力ユニットは未だない。
【0003】
プログラマブルロジックコントローラの出力ユニットで、モータの正転と逆転を制御する場合、プログラマブルロジックコントローラの出力ユニットからモータの正転と逆転の制御を行うための出力箇所は2つ必要である。なお、別途必要な電源入力箇所およびコモンを接続する箇所の数は、当発明の出力ユニットの出力箇所を減らすという目的とは間接的な関係のためこれらの個数は含めない。
【0004】
外付けの部品としてモータドライバ用ICを用いて1個のモータの正転と逆転を制御する場合、プログラマブルロジックコントローラの出力ユニットからモータドライバ用ICに対して、正転と逆転の制御を行うための出力は2個必要となり、接続する配線の数も2本必要となり、また外付けの部品としてモータドライバ用ICが別途必要となる。
【0005】
すなわち、正転と逆転を制御するモータがN個の場合に、プログラマブルロジックコントローラの出力ユニットからモータの正転と逆転を制御を行う出力箇所の数は、制御するモータの個数のN個の2倍必要であり、N個の1倍すなわち、モータの数のN個と同数の出力の数になる出力ユニット、およびモータの数のN個と接続する配線の数が同数になる出力ユニットは未だない。
【0006】
また、プログラマブルロジックコントローラの出力で、ダブルソレノイドの動作を制御する場合、プログラマブルロジックコントローラの出力箇所は2個必要であり、出力箇所2個が同時出力になった場合、同時通電と呼ばれる状態となり、ダブルソレノイドの動作部のコイルが焼損する可能性が発生するという問題がある。
【0007】
プログラマブルロジックコントローラの出力で、ダブルソレノイドの動作を制御する場合、ダブルソレノイドの2個の動作部のコイルへ1個づつ電流の方向を決定するダイオードを追加することによって、出力箇所が1個のみで良くなり、ダブルソレノイドの2個の動作部のコイルが同時に動作することが無く、同時通電と呼ばれる状態が無くなり、ダブルソレノイドの駆動コイルが焼損する可能性が無くなり、また、接続する配線の数が従来の2本から、1本のみで済むプログラマブルロジックコントローラの出力ユニットおよび、ダブルソレノイドは未だない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開1995-162279号公報の
図12で示されている回路図
【非特許文献】
【0009】
【文献】横河電機株式会社 カタログNo.GS34M06G01-01 FM-3A 基本入出力モジュール P.14以降に記載されている回路構成改訂2019.07 27版
【0010】
【文献】オムロン株式会社 Web版カタログ NXシリーズ デジタルI/Oユニット P.34以降に記載されている回路構成 2021年6月現在
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
プログラマブルロジックコントローラの出力ユニットの出力について、正の電圧と電流もしくは、負の電圧と電流を切り替えて供給することが可能なプログラマブルロジックコントローラの出力ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
図1に示す発明したプログラマブルロジックコントローラ(1)の出力ユニット(2)は、出力箇所(4)から正の電圧と電流もしくは、負の電圧と電流を切り替えて供給する回路である。
【0013】
プログラマブルロジックコントローラ(1)のCPUユニット(17)と、出力ユニット(2)は内部配線(16)で接続されている。
【0014】
CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)にて、CPUユニット(17)の出力(61)から正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)に対する出力が指定されると、内部配線(16)を通して出力ユニット(2)の正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)がオンする。
【0015】
出力ユニット(2)の正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)を経由した内部配線(16)は、CPUユニット(17)の接続箇所(62)へ接続する。
【0016】
CPUユニット(17)の接続箇所(62)はGND(65)へ接続されている。
【0017】
CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)にて、CPUユニット(17)の出力(63)から出力ユニット(2)の負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)に対する出力が指定されると、内部配線(16)を通して負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)がオンする。
【0018】
出力ユニット(2)の負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)を経由した内部配線(16)は、CPUユニット(17)の接続箇所(64)へ接続する。
【0019】
CPUユニット(17)の接続箇所(64)はGND(65)へ接続されてる。
【0020】
まず、正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)が接続されている側の回路について説明する。
【0021】
出力ユニット(2)の出力箇所(4)から、正の電圧と電流を負荷(11)に供給するため、正の電圧と電流の供給用DC電源(7)のプラス側を出力ユニット(2)への接続箇所(3)に接続し、出力ユニット(2)の内部で短絡保護用抵抗(12)を経由し、正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)の接点(55)に接続する。
【0022】
正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)の接点(56)を、出力ユニット(2)の出力箇所(4)に接続する。
【0023】
このとき、CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)にて、CPUユニット(17)の出力(61)から正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)に対する出力が指定されると、内部配線(16)を通して正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)がオンし、正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)の接点(55)と、正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)の接点(56)が有接点リレーの接点(22)により接続される。
【0024】
出力ユニット(2)の出力箇所(4)を、負荷(11)へ接続(57)する。
【0025】
出力箇所(4)と接続(57)している負荷(11)の反対側(58)を、出力ユニット(2)の接続箇所(6)に接続(33)する。
【0026】
出力ユニット(2)の接続箇所(6)を正の電圧と電流の供給用DC電源(7)のマイナス側へ接続する。
【0027】
また、出力ユニット(2)の接続箇所(6)をGNDへ接続(33)する。
【0028】
これにより、正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)がオンした場合、正の電圧と電流のの電流経路が成立する。
【0029】
次に、負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)が接続されている側の回路について説明する。
【0030】
出力ユニット(2)の出力箇所(4)から、負の電圧と電流を負荷(11)に供給するため、負の電圧と電流の供給用DC電源(8)のマイナス側を出力ユニット(2)への接続箇所(5)に接続し、出力ユニット(2)の内部で短絡保護用抵抗(13)を経由して、有接点リレー(10)の接点(59)に接続する。
【0031】
負の電圧と電流の供給用DC電源(8)のプラス側は、出力ユニット(2)の接続箇所(5)と、正の電圧と電流の供給用DC電源(7)のマイナス側に接続する。
【0032】
出力ユニット(2)の接続箇所(6)は[0025]に示すように、GNDへ接続(33)されている。
【0033】
このとにより、負の電圧と電流の供給用DC電源(8)のプラス側は、出力ユニット(2)の接続(6)を経由してGNDへ接続(33)される。
【0034】
負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)の接点(60)は、出力ユニット(2)の出力箇所(4)に接続する。
【0035】
このとき、CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)にて、CPUユニット(17)の出力(63)から負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)に対する出力が指定されると、内部配線(16)を通して負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)がオンし、負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)の接点(60)と、負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)の接点(59)が有接点リレーの接点(23)により接続される。
【0036】
出力ユニット(2)の出力箇所(4)は[0023]に示すように、負荷(11)へ接続(57)されている。
【0035】
負荷(11)の出力箇所(4)と接続(57)している側の反対側(58)は[0024]に示すように、出力ユニット(2)の接続箇所(6)に接続されている。
【0036】
出力ユニット(2)の接続箇所(6)は[0025]に示すように、GND(33)に接続されている。
【0037】
出力ユニット(2)の接続箇所(6)と、負の電圧と電流の供給用DC電源(7)のプラス側を接続する。
【0038】
これにより、負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)がオンした場合、負の電圧と電流の電流経路が成立する。
【0039】
以上のことにより、本発明にてプログラマブルロジックコントローラ(1)の出力ユニット(2)の出力箇所(4)から、正の電圧と電流もしくは、負の電圧と電流を切り替えて供給することが可能になる。
【0040】
なお
図1に示す、出力ユニット(2)内の短絡保護用抵抗(12、13)は、CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)のプログラム作成ミスにて有接点リレー(9)と、有接点リレー(10)の両方が同時にオンするように指定された場合、有接点リレー(9)の接点(22)と、有接点リレー(10)の接点(23)に短絡により大電流が流れ、有接点リレー(9)の接点(22)や、有接点リレー(10)の接点(23)が溶着あるいは、焼損するのを回避するための抵抗である。
【0041】
また、有接点リレー(9)がオンするときに発生するサージを除去するため、DC電源のプラス側の接続(3)と出力箇所(4)の間にバリスタ(14)を接続し、有接点リレー(10)がオンするときに発生するサージを除去するため、DC電源のプラス側の接続(3)と出力箇所(4)の間にバリスタ(15)を接続する。
【0042】
図2に、制御用プログラム(24)としてラダー言語を用いた場合の例を示す。
【0043】
条件1(25)が成立して、正の電圧と電流の出力(29)がオンした場合は、正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)がオンし、自己保持(26)もオンになるプログラムになっている。
【0044】
条件2(27)が成立して、負の電圧と電流の出力(30)がオンした場合は、負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)がオンし、自己保持(28)もオンになるプログラムになっている。
【0045】
なお、負の電圧と電流の出力のb接点(31)と、正の電圧と電流の出力のb接点(32)は、正の電圧と電流の出力(29)と、負の電圧と電流の出力(30)が同時にオンしないためのインターロック用である。
【0046】
図3に、制御用プログラムとしてラダー言語を用いて正の電圧と電流の出力(29)がオンした場合の例を示す。
【0047】
条件1(25)が成立して、正電圧電流出力(29)がオンし、また自己保持(26)がオンし、正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)に対してオンを指定していることを示す。
【0044】
図4に、CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)としてラダー言語を用いて、正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)に対して出力が指定された場合に、内部配線(16)を通して正の電圧と電流の有接点リレー(9)がオンし、出力箇所(4)から負荷(11)へ電流(34)が流れることを示す。
【0045】
すなわち出力箇所(4)から正の電圧と電流が負荷(11)に対して供給される例を示す。
【0046】
図5に、制御用プログラム(24)としてラダー言語を用いた場合の例として、負の電圧と電流の出力(30)がオンした場合の例を示す。
【0047】
条件2(27)が成立して、負の電圧と電流の出力(30)がオンし、また自己保持(28)がオンし、負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)に対してオンを指定していることを示す。
【0048】
図6に、CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)としてラダー言語を用いて、負の電圧と電流の有接点リレー(10)に対して出力が指定された場合に、内部配線(16)を通して負の電圧と電流の有接点リレー(10)がオンし、負荷(11)から出力箇所(4)へ電流(35)が流れることを示す。
【0049】
すなわち出力箇所(4)から負の電圧と電流が負荷(11)に対して供給される例を示す。
【0050】
図1に示す発明したプログラマブルロジックコントローラ(1)の出力ユニット(2)は、正の電圧と電流、負の電圧と電流を供給する出力箇所(4)は1か所のみの回路で示しているが、正の電圧と電流、および負の電圧と電流を供給する出力箇所は複数でもよい。
【0051】
図7に示す出力ユニット(2)は、4個の出力箇所を備えており、4個の出力箇所に対応する制御用プログラム(24)としてラダー言語を用いている例を示す。なお、複数の出力箇所の数については制限は無く、8個でもよく、64個でもよい。
【0052】
1つ目の出力箇所(36)と、1つ目の出力箇所(36)の出力を指定する、1つ目の出力箇所の制御用プログラム(37)と、2つ目の出力箇所(38)と、2つ目の出力箇所(38)の出力を指定する、2つ目の出力箇所の制御用プログラム(39)と、3つ目の出力箇所(40)と、3つ目の出力箇所(40)の出力を指定する、3つ目の出力箇所の制御用プログラム(41)と、4つ目の出力箇所(42)と、4つ目の出力箇所(42)の出力を指定する4つ目の出力箇所の制御用プログラム(43)を備えた出力ユニット(2)の例である。
【0053】
図8に、発明した複数の出力箇所を備えた出力ユニット(2)において、個別の出力箇所から負荷へ供給する正の電圧と電流の供給用DC電源と、負の電圧と電流の供給用DC電源について、個別の出力箇所に接続された負荷(11、103)に変動が発生しても、正の電圧と電流あるいは、負の電圧と電流に影響が無くなるように、すなわち安定させることを目的に、個別の出力箇所に個別の正の電圧と電流の供給用DC電源(7、51)と、負の電圧と電流の供給用DC電源(8、52)を備えている例を示す。
【0054】
なお、複数の個別の出力箇所に、複数の個別の正の電圧と電流の供給用DC電源および、負の電圧と電流の供給用DC電源を備える場合、正の電圧と電流の供給用DC電源および、負の電圧と電流供給用DC電源の数については制限は無い。例えば
図8では、正電圧電流供給用DC電源および、負電圧電流供給用DC電源は2個ずつであるが、8個ずつでも良いし、64個ずつでも良い。
【0055】
図13に、発明した出力ユニット(2)において、正電圧電流出力用有接点リレー(9)を、ホトトランジスタ(68)とバイポーラトランジスタのNPNトランジスタ(69)と電流制限用抵抗(70)を用いたダーリントン接続の回路へ変更し、負電圧電流出力用有接点リレー(10)を、ホトトランジスタ(71)とバイポーラトランジスタのPNPトランジスタ(72)と電流制限用抵抗(73)を用いたダーリントン接続の回路へ変更した例を示す。
【0056】
図14に、
図13のホトトランジスタ(68、71)とNPNトランジスタ(69)とPNPトランジスタ(72)を用いたダーリントン接続の回路において、バイポーラトランジスタのNPNトランジスタ(69)をN型MOSFET(74)へ変更し、バイポーラトランジスタのPNPトランジスタ(72)を、P型MOSFET(75)へ変更した例を示す。なお、N型MOSFET(74)もしくはP型MOSFET(75)をオフにしたとき、ゲートに蓄積された電荷を引き抜きGNDへ流すための抵抗(103、104)を接続する。
【発明の利用例】
【0057】
図9に、
図1で示した負荷(11)の替わりにDCモータ(44)を接続した例を示す。
【0058】
まず、CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)にて、CPUユニット(17)の出力(61)から正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)に対して出力が指定された場合、内部配線(16)を通して正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)がオンし、正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)の接点(22)が接続され、出力箇所(4)からDCモータ(44)へ正の電圧と電流として流れる電流の方向(34)へ電流が流れる。
【0059】
すなわち出力箇所(4)から正の電圧と電流がDCモータ(44)に対して供給される。
【0060】
ここで、出力箇所(4)から正電圧電流がDCモータ(44)に対して供給されて、DCモータ(44)が回転する方向を正転とする。
【0061】
次に、CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)にて、CPUユニット(17)の出力(61)から負電圧電流出力用有接点リレー(10)に対して出力が指定された場合、内部配線(16)を通して出力ユニット(2)内の有接点リレー(10)がオンし、有接点リレーの接点(23)が接続され、出力箇所(4)からDCモータ(44)へ負の電圧と電流として流れる電流の方向(35)へ、電流が流れる。
【0062】
すなわち出力箇所(4)から負の電圧と電流がDCモータ(44)に対して供給される。
【0063】
ここで、出力箇所(4)から負の電圧と電流がDCモータ(44)に対して供給されて、DCモータ(44)が回転する方向を逆転とする。
【0064】
このことにより、CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)にて、正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)あるいは、負の電圧と電流出力用有接点リレー(10)を切り替えることにより、1か所の出力箇所(4)から正の電圧と電流あるいは、負の電圧と電流を切り替えてDCモータ(44)に対して供給することが可能となり、1か所の出力箇所(4)からDCモータ(44)の回転する方向について正転と逆転を切り替えることが可能となる。
【0065】
なお、
図9ではモータ起因サージ対策用コンデンサ(45)をDCモータに並列接続していることを示す。
【0066】
図10に、
図1で示した負荷(11)の替わりにダブルソレノイド(46)を接続した例を示す。
【0067】
CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)にて、CPUユニット(17)の出力(61)から正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)に対して出力が指定されると、内部配線(16)を通して正の電圧と電流の出力用有接点リレー(9)がオンし、正の電圧と電流の出力用箇有接点リレー(9)の接点(22)が接続され、出力箇所(4)からダブルソレノイド(46)の正の電圧と電流の供給時の動作部(47)へ電流が流れる。すなわち、電流は、出力箇所(4)からダブルソレノイド(46)の正の電圧と電流の供給時の動作部(47)へ向かって流れる(66)。
【0068】
ここで、出力箇所(4)からの電流(66)が、ダブルソレノイド(46)の正の電圧と電流供給時の動作部(47)のみ流れるように、正の電圧と電流用整流ダイオード(48)を電流の流れに対して順方向に接続し、負の電圧と電流の供給時の動作部(49)へ電流が流れ無いように、負の電圧と電流用整流ダイオード(50)を電流の流れに対して逆接続になるように接続する。
【0069】
次に、CPUユニット(17)内の制御用プログラム(24)にて、CPUユニット(17)の出力(61)から負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)に対して出力が指定されると、内部配線(16)を通して出力ユニット(2)内の負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)がオンし、負の電圧と電流の出力用有接点リレー(10)の接点(23)が接続され、ダブルソレノイド(46)の負の電圧と電流の供給時の動作部(49)から出力箇所(4)へ電流が流れる。電流は、ダブルソレノイド(46)の負の電圧と電流の供給時の動作部(49)から出力箇所(4)へ向かって流れる(67)。
【0070】
ここで、ダブルソレノイド(46)の負の電圧と電流の供給時動作部(49)から出力箇所(4)への電流(67)が、負の電圧と電流の供給時動作部(49)のみ流れるように、負の電圧と電流用整流ダイオード(50)を電流の流れに対して順方向に接続し、正の電圧と電流の供給時動作部(47)へ電流が流れ無いように、正の電圧と電流用整流ダイオード(48)を電流の流れに対して逆接続になるように接続する。
【0071】
このことにより、1か所の出力箇所(4)から正の電圧と電流もしくは、負の電圧と電流を切り替えてダブルソレノイド(46)に対して供給することが可能となる。
【0072】
すなわち、出力ユニット(2)の1か所の出力箇所(4)からダブルソレノイド(46)が動作する2つの方向を切り替えることが可能となり、なおかつ出力ユニット(2)の出力箇所(4)から、2つの方向を動作させるダブルソレノイド(77)への配線が1本で良いことが可能となる。
【0073】
図11および
図12に、正の電圧と電流用整流ダイオード(48)と、負の電圧と電流用整流ダイオード(50)を使用する替わりに、ダブルソレノイド(46)の正の電圧と電流の供給時動作部(47)と負の電圧と電流の供給時動作部(49)にそれぞれ磁石を固定し、正の電圧と電流の供給時動作部(47)のコイルと、負の電圧と電流の供給時動作部(49)のコイルに電流が流れるときに発生する磁界を利用する回路の例を示す。
【0074】
図11に示す、出力ユニット(2)の出力箇所(4)から正の電圧と電流が供給される場合と、
図12に示す、出力ユニット(2)の出力箇所(4)から負の電圧と電流が供給される場合について説明する。
【0075】
図11と
図12に示すように、コイル(79)と向き合うようにダブルソレノイド(77)に磁石(78)を固定し、コイル(85)と向き合うようにダブルソレノイド(77)に磁石(90)を固定する。
【0076】
このとき、ダブルソレノイド(77)に固定する磁石(78)と磁石(90)の極性については、ダブルソレノイド(77)にそれぞれ逆の極性になるようにして磁石(78)と磁石(90)を固定する。
【0077】
図11と
図12は、ダブルソレノイド(77)に固定される2個の磁石について、一方の側の磁石(78)の極性がS極(105)になるように磁石(78)を固定し、ダブルソレノイド(77)の反対側に固定する磁石(78)の極性はN極(106)になるようにした例である。
【0078】
【0079】
また、出力ユニット(2)の出力箇所(4)から正の電圧と電流がコイル(79)に供給された場合のコイル(79)の極性が、ダブルソレノイド(77)に固定された磁石(78)に対して向き合う側が、S極(80)になるようした例である。
【0080】
出力ユニット(2)の出力箇所(4)から正の電圧と電流が供給されると、コイル(79)に発生する磁界は、電流が流れ込む側(82)に発生する極性がN極(83)になり、コイル(77)から電流が流れだす側(84)、すなわちダブルソレノイド(77)に固定された磁石(78)に対して向き合う側のコイルに発生する極性はS極(80)になるようにした例である。
【0081】
また、負の電圧と電流が供給される時に、ダブルソレノイド(77)を引き付ける側のコイル(85)に発生する磁界については、電流が流れ込む側(86)に発生する極性がN極(87)になり、コイル(85)から電流が流れだす側(88)に発生する極性がS極(89)になるようにコイル(85)を接続した例である。
【0082】
なおこのとき、コイル(85)へは負電圧電流では無く、正の電圧と電流が供給されることに注意する。すなわち負の電圧と電流が供給される時にコイル(85)に発生する磁界と逆の磁界が、コイル(85)に発生することに注意する。
【0083】
このことにより、出力ユニット(2)の出力箇所(4)から正の電圧と電流が供給されるときに、正の電圧と電流として流れる電流の方向(76)により、ダブルソレノイド(77)を引き付ける側のコイル(79)に発生するS極(80)と、ダブルソレノイド(77)に固定された磁石(79)のN極(81)が引き付けあい、負の電圧と電流供給時ダブルソレノイド(77)を引き付ける側のコイル(85)に発生するS極(89)と、ダブルソレノイド(77)に固定された磁石(90)のS極(91)が反発しあい、ダブルソレノイド(77)は、正の電圧と電流の供給時にはダブルソレノイド(77)を引き付ける側のコイル(79)の方向(92)へ移動する。
【0084】
【0085】
コイル(85)は、[0081]と[0082]に説明した接続に準じており、出力ユニット(2)の出力箇所(4)から負の電圧と電流が供給される時に、ダブルソレノイド(77)に固定された磁石(90)に対して向き合う側が、N極(95)となるようにした例である。
【0086】
出力ユニット(2)の出力箇所(4)から負の電圧の電流が供給されるときに、負の電圧と電流として流れる電流の方向(94)により、ダブルソレノイド(77)を引き付ける側のコイル(85)に発生する磁界は、電流が流れ込む側(99)に発生する極性がN極(95)になり、コイル(77)から電流が流れだす側(98)に発生する極性がS極(100)になるようにした例である。
【0087】
また、正の電圧と電流が供給される時に、ダブルソレノイド(77)を引き付ける側のコイル(79)に発生する磁界については、電流が流れ込む側(101)に発生する極性がN極(97)になり、コイル(79)から電流が流れだす側(102)に発生する極性がS極(96)になるようにした例である。
【0088】
なおこのとき、コイル(79)へは正の電圧と電流では無く、負の電圧と電流が供給されることに注意する。すなわち負の電圧t電流が供給される時にコイル(79)に発生する磁界と逆の磁界が、コイル(79)に発生することに注意する。
【0089】
このことにより、出力ユニット(2)の出力箇所(4)から負の電圧と電流が供給されるときに、負の電圧と電流として流れる電流の方向(94)により、ダブルソレノイド(77)を引き付ける側のコイル(85)に発生するN極(95)と、ダブルソレノイド(77)に固定された磁石(85)のN極(91)が引き付けあい、正の電圧と電流供給時ダブルソレノイド(77)を引き付ける側のコイル(79)に発生するN極(97)と、ダブルソレノイド(77)に固定された磁石(78)のN極(81)が反発しあい、ダブルソレノイド(77)は、負の電圧と電流供給時にはダブルソレノイド(77)を引き付ける側のコイル(85)の方向(93)へ移動する。
【0090】
このことにより、1か所の出力箇所(4)から正の電圧と電流および、負の電圧と電流を切り替えてダブルソレノイド(77)に対して供給することが可能となる。
【0091】
すなわち、出力ユニット(2)の1か所の出力箇所(4)からダブルソレノイド(77)の動作する2つの方向を切り替えることが可能となり、なおかつ出力ユニット(2)の出力箇所(4)から、2つの方向を動作させるダブルソレノイド(77)への配線が1本で良いことが可能となる。
【発明の効果】
【0092】
本発明のプログラマブルロジックコントローラ(1)の出力ユニット(2)を用いると、外付け部品のモータドライバ用ICが不要になり、モータドライバ用IC用の配線が不要となり、DCモータ(44)と接続する配線の数は、DCモータ(44)1個当たり1本で良いため、回路作成時の工程削減、製作時間短縮および費用低減となることが期待される。
【0093】
本発明のプログラマブルロジックコントローラ(1)の出力ユニット(2)を用いると、ダブルソレノイド(46)と接続する配線の数は、ダブルソレノイド(46)1個当たり1本で良いため、回路作成時の工程削減、製作時間短縮および費用低減となることが期待される。
【0094】
また、ダブルソレノイド(46)の問題点である2個の動作部のコイルが同時に動作することが無く、同時通電と呼ばれる状態が無くなり、ダブルソレノイドのコイルが焼損する可能性が無くなることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【
図1】 プログラマブルロジックコントローラと出力ユニットの概略図
【
図3】 ラダー言語で表された正電圧電流出力の場合のラダー図
【
図4】 正電圧電流出力の場合の出力ユニットの電流経路概略図
【
図5】 ラダー言語で表された負電圧電流出力の場合のラダー図
【
図6】 負電圧電流出力の場合の出力ユニットの電流経路概略図
【
図8】 出力ユニットが複数出力で個別電源の概略図
【
図11】 ダブルソレノイドの動作部がコイルで正電圧電流を供給した概略図
【
図12】 ダブルソレノイドの動作部がコイルで負電圧電流を供給した概略図
【
図13】 出力ユニットの有接点リレーをバイポーラトランジスタに変更した概略図
【
図14】 出力ユニットのバイポーラトランジスタをMOSFETに変更した概略図
【符号の説明】
【0096】
1 プログラマブルロジックコントローラ
2 出力ユニット
3 DC電源のプラス側の接続
4 出力箇所
5 DC電源のマイナス側の接続
6 GNDへの接続箇所
7 正の電圧と電流の供給用DC電源
8 負の電圧と電流の供給用DC電源
9 正の電圧と電流の出力用有接点リレー
10 負の電圧と電流の出力用有接点リレー
11 負荷
12 短絡保護用抵抗
13 短絡保護用抵抗
14 バリスタ
15 バリスタ
16 CPUと出力ユニットの接続用内部配線
17 CPUユニット
18 入力ユニットとCPUとの接続用内部配線
19 入力ユニット
20 入力箇所
21 スイッチやセンサーなどの入力デバイス
22 有接点リレーの接点
23 有接点リレーの接点
24 制御用プログラム
25 条件1
26 自己保持
27 条件2
28 自己保持
29 正の電圧と電流の出力
30 負の電圧と電流の出力
31 負の電圧と電流の出力のb接点
32 正の電圧と電流の出力のb接点
33 GND
34 出力箇所からDCモータへ正の電圧と電流として流れる電流の方向
35 出力箇所からDCモータへ負の電圧と電流として流れる電流の方向
36 1つ目の出力箇所
37 1つ目の出力箇所の制御用プログラム
38 2つ目の出力箇所
39 2つ目の出力箇所の制御用プログラム
40 3つ目の出力箇所
41 3つ目の出力箇所の制御用プログラム
42 4つ目の出力箇所
43 4つ目の出力箇所の制御用プログラム
44 DCモータ
45 モータ起因サージ対策用コンデンサ
46 ダブルソレノイド
47 正の電圧と電流の供給時の動作部
48 正の電圧と電流用整流ダイオード
49 負の電圧と電流の供給時の動作部
50 負の電圧と電流用整流ダイオード
51 2つ目の出力箇所の正の電圧と電流の供給用DC電源
52 2つ目の出力箇所の負の電圧と電流の供給用DC電源
53 2つ目の出力箇所用のGNDへの接続箇所
54 2つ目の出力箇所用のGND接続
55 正の電圧と電流の出力用有接点リレーの接点
56 正の電圧と電流の出力用有接点リレーの接点
57 接続
58 反対側
59 負の電圧と電流の出力用有接点リレーの接点
60 負の電圧と電流の出力用有接点リレーの接点
61 プログラマブルロジックコントローラの出力
62 GNDへの接続箇所
63 プログラマブルロジックコントローラの出力
64 GNDへの接続箇所
65 GNDへ接続
66 正の電圧と電流として流れる電流の方向
67 負の電圧と電流として流れる電流の方向
68 ホトトランジスタ
69 NPNトランジスタ
70 電流制限用抵抗
71 ホトトランジスタ
72 NPNトランジスタ
73 電流制限用抵抗
74 N型MOSFET
75 P型MOSFET
76 正電圧電流として流れる電流の方向
77 ダブルソレノイド
78 ダブルソレノイドに固定する磁石
79 コイル
80 S極
81 N極
82 電流が流れ込む側
83 N極
84 電流が流れだす側
85 コイル
86 電流が流れ込む側
87 N極
88 電流が流れだす側
89 S極
90 ダブルソレノイドに固定する磁石
91 S極
92 方向
93 方向
94 負電圧電流として流れる電流の方向
95 N極
96 S極
97 N極
98 電流が流れだす側
99 電流が流れ込む側
100 S極
101 電流が流れ込む側
102 電流が流れだす側
103 抵抗
104 抵抗
105 S極
106 N極