(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】弦巻線の製造、弦巻線用の永久鋳型、および弦巻線
(51)【国際特許分類】
B22D 25/02 20060101AFI20231108BHJP
B22C 9/06 20060101ALI20231108BHJP
B22C 9/22 20060101ALI20231108BHJP
B22D 17/22 20060101ALI20231108BHJP
B22D 31/00 20060101ALI20231108BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B22D25/02 Z
B22C9/06 H
B22C9/22 Z
B22D17/22 C
B22D31/00 A
B22D31/00 C
H01F41/04 C
(21)【出願番号】P 2021512517
(86)(22)【出願日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 EP2019075179
(87)【国際公開番号】W WO2020058407
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】102018215987.4
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598080163
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァー フェーデルング デア アンゲバンテン フォルシュング エー ファー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワストマン、フランツ-ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ヒューザー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブッセ、マティアス
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-009259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 25/02
H02K 15/04
H01F 41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弦巻線を製造する方法であって、
鋳型分割面で互いに接合することができる半割鋳型を有する永久鋳型を提供する段階と、
前記永久鋳型が接合されたときに、前記弦巻線の形態またはベンドアップされた弦巻線の形態を規定するキャビティを有するようにして、前記永久鋳型の前記半割鋳型を前記鋳型分割面で互いに接合する段階であって、前記規定された弦巻線またはベンドアップされた弦巻線が、2つの対向する平面と、外面と、前記外面とは反対側の内面とを備える扁平な巻線断面プロファイルを有する、段階と、
前記キャビティによって規定される前記弦巻線の形態、または前記ベンドアップされた弦巻線の形態を有する鋳造物を製造するため、鋳造材を前記キャビティに導入する段階と、
前記永久鋳型を開き、前記鋳造物を取り出す段階であって、前記鋳造物が前記弦巻線の形態であるかまたは前記弦巻線の形態にされる場合、前記鋳造物の前記平面が互いに面する、段階とを少なくとも含み、
前記鋳型分割面が、前記平面に沿って前記内面から前記外面まで部分的に伸び、前記永久鋳型が、少なくとも前記鋳型分割面が前記平面の一方に沿って伸びる範囲において、前記鋳造物が前記平面の対応する窪みを含むようにして前記キャビティ内へと突出する、前記鋳型分割面に沿って延在する突出部を有する、方法。
【請求項2】
前記永久鋳型が、前記鋳型分割面が前記平面のうち第1の平面に沿って伸びる各範囲において、前記弦巻線の鋳造物が、前記鋳型分割面に伸びる対応する窪みが前記第1の平面に設けられるようにして、前記キャビティ内へと突出する、前記鋳型分割面に沿って延在する突出部を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記永久鋳型が、前記鋳型分割面が前記平面のうち第2の平面に沿って伸びる前記範囲それぞれにおいて、
前記弦巻線の鋳造物が前記鋳型分割面で両方の平面に前記窪みを備えるようにして、前記鋳型分割面に沿って延在する前記突出部も有するか、あるいは、
前記弦巻線の鋳造物が、前記鋳型分割面で前記第1の平面に前記窪みを備え、前記鋳型分割面で前記第2の平面に突出部を備えるようにして、前記鋳型分割面に沿って延在する陥凹部を有し、前記鋳造物が前記弦巻線の形態のとき、前記突出部が前記窪み内にある、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記鋳造物が取出し後に曲げられて前記弦巻線の形態にされる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記鋳造材がアルミニウムおよび/または銅を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
鋳造温度が1100℃より高い、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ダイカスト法または永久鋳型鋳造法または低圧
鋳造法が使用される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記鋳型分割面が、少なくとも部分的に、前記巻線断面プロファイルの前記外面および/または前記内面に沿って、および/または縁部から伸び、前記鋳型分割面で前記鋳造物の前記外面および/または前記内面および/または前記縁部に延在するバリが、前記鋳造物が取り出された後に除去される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記キャビティが、前記鋳型分割面が前記巻線断面プロファイルの前記外面および/または前記内面および/または前記縁部に沿って伸びる前記範囲の少なくとも一部において、前記鋳型分割面で前記弦巻線の鋳造物の前記外面および/または前記内面および/または前記縁部に沿って延在する犠牲構造を作る、追加の窪みを有することができ、前記犠牲構造が、前記鋳造物が取り出された後の再加工段階で、前記犠牲構造に沿って伸びる前記バリとともに除去される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記内面の前記バリを除去するため、および/または前記ベンドアップされた弦巻線全体を曲げて前記弦巻線を形成するため、マンドレルが前記ベンドアップされた弦巻線に挿入される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記鋳型分割面が、前記巻線断面プロファイルの前記外面および/または前記内面および/または前記縁部に沿って伸びる部分において、前記外面および/または前記内面に対して0°より大きく180°より小さい角度を成す、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
鋳型分割面で互いに接合することができる2つの半割鋳型を備え、永久鋳型の前記半割鋳型が、接合されたときに、鋳造物のために、扁平な巻線断面プロファイルを有する弦巻線またはベンドアップされた弦巻線の形態を規定するキャビティを有し、前記巻線断面プロファイルが、2つの対向する平面と、外面と、前記外面とは反対側の内面とを有し、前記鋳造物が弦巻線の形態のとき、または弦巻線の形態にされるとき、前記平面が互いに面し、前記鋳型分割面が、前記キャビティによって規定される前記弦巻線またはベンドアップされた弦巻線の巻回ごとに、前記平面に沿って前記内面から前記外面まで伸び、前記キャビティが、前記鋳型分割面が前記平面に沿って伸びる範囲の少なくとも1つにおいて、前記鋳型分割面に沿って延在する突出部を有する、弦巻線を鋳造するための永久鋳型。
【請求項13】
扁平な巻線断面プロファイルを有し、前記巻線断面プロファイルが、2つの対向する平面と、外面と、前記外面とは反対側の内面とを有し、前記平面が互いに面
し、
前記外面から前記内面まで伸びる窪みが、前記2つの平面のうち少なくとも第1の平面に設けられる鋳造弦巻線。
【請求項14】
前記外面から前記内面まで同様に伸びる窪みが、前記2つの平面のうち第2の平面に設けられるか、あるいは、
前記外面から前記内面まで伸びる突出部が、前記第2の平面に設けられ、前記窪み内へと突出する、請求項
13に記載の鋳造弦巻線。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弦巻線を製造する方法に関する。更に、弦巻線を製造するのに使用される永久鋳型、および方法を用いて、または永久鋳型を用いて製造される弦巻線に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電気コイルとして使用される弦巻線は、従来技術によれば、巻回される場合が多い。このプロセスでは、連続プロセスと比較して充填レベルを改善するために、巻回は手作業で実施される場合がある。近年、鋳造コイルによって、性能の大幅な改善が達成されてきた。
【0003】
文献DE 10 2012 212 637 A1は、コイルの鋳造物製造について記載している。このタイプの製造は、巻回可能な丸線には好ましくない充填率を、他のワイヤ形状(通常は巻回不能であろう形状)を使用することによって大幅に上回り、結果として性能を向上させることができる。
【0004】
鋳造技術によって製造されるコイルに関しては、複雑な幾何学形状の場合、従来技術は、鋳型に加えてコアを挿入するかまたはスライドを使用する必要があり、そのことによって製造が高価または非効率になることがある。
【0005】
更に、鋳型は高い鋳造温度によって高い応力を受け、そのことが鋳型のウォッシュアウトおよび亀裂につながることがある。この損傷により、コイル表面に隆起したバリが形成されることになる。バリは、製品コイルの品質に悪影響を及ぼし、大がかりな仕上げを要することがある。結果として、製造プロセスが複雑であり、使用される鋳型の耐用寿命が非常に短いので、鋳造コイルの製造は今まであまり経済的になっていない場合が多い。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、上述の課題を少なくとも部分的に克服することである。
【0007】
これは、独立請求項1の特徴を有する方法によって、また等位の請求項の特徴を有する永久鋳型および弦巻線によって達成される。
【0008】
有利な実施形態は、従属請求項から、ならびに明細書および図面から明らかになるであろう。
【0009】
方法は、鋳造プロセスで弦巻線を製造するのに使用される。
【0010】
ここで、方法は、鋳型分割面で互いに接合することができる半割鋳型を有する、永久鋳型を提供する少なくとも1つのステップを含む。
【0011】
永久鋳型の半割鋳型は、永久鋳型が接合されたときに、弦巻線の形態またはベンドアップされた弦巻線の形態を規定するキャビティを有するように、互いに接合される。
【0012】
この場合、キャビティによって規定される、弦巻線またはベンドアップされた弦巻線は、2つの対向する平面と、外面と、外面とは反対側の内面とを有する、扁平な巻線断面プロファイルを有する。
【0013】
鋳型分割面は、部分的に平面に沿って内面から外面まで伸びる。永久鋳型は、少なくとも、鋳型分割面が平面の一方に沿って伸びている範囲において、鋳型分割面に沿ってキャビティ内へと延在する突出部を有する。突出部は、キャビティをテーパ状にし、永久鋳型を用いて製造される鋳造物に窪みを作る。
【0014】
方法の更なるステップで、キャビティによって規定される弦巻線の形態、またはキャビティによって規定されるベンドアップされた弦巻線の形態を有する鋳造物を製造するため、鋳造材がキャビティに導入される。
【0015】
後続のステップで、永久鋳型が開かれ、鋳造物が取り出される。永久鋳型の突出部がその平面に沿って延在していることにより、鋳造物はそれに対応する窪みを平面に有する。
【0016】
弦巻線を鋳造する際、鋳造材が鋳型分割面に沿って半割鋳型の間に入ると、上述したように、鋳型分割面にバリが生じることがある。
【0017】
したがって、方法の1つの利点は、平面に生じるバリの少なくとも一部を、バリが生じることがある場所に正確に位置付けられた窪みへと移動させることができる点である。鋳型分割面が平面に沿って伸びる範囲の少なくとも1つに関して、永久鋳型は、上述したように、鋳型分割面に沿って延在する突出部を有して、対応する窪みを鋳造物の対応する平面に設ける。結果として、そこに作られたバリは窪みの中にある。鋳造物が弦巻線の形態である場合、このバリは、平面上で窪みの中にあり、隣接する平面に触れる恐れがなく、したがって無害である。
【0018】
弦巻線またはベンドアップされた弦巻線の複雑な幾何学形状、およびこのために必要なツールにより、鋳型分割面およびしたがってバリも、弦巻線の平面に沿って複数回伸びることがある。これは、特に、ちょうど2つの半割鋳型を有する永久鋳型の場合に当てはまり得る。鋳型分割面は、例えば巻回ごとに、内面から外面まで二回、平面それぞれに沿って伸びる。
【0019】
それに対応して、窪みがそれぞれ内面から外面まで伸びてもよい。例示的実施形態では、鋳型分割面が平面の1つに沿って伸びる各領域に対して、1つのかかる窪みが弦巻線に設けられる。別の実施形態では、弦巻線の窪みは、鋳型分割面が平面に沿って伸びる各範囲に対して、これらの平面のうち第1の平面のみに設けられる。反対側の第2の平面に伸びるバリは、弦巻線が圧縮されたときに第1の平面の窪みに位置付けられるようにして、第1の平面のバリまたは窪みを有する面内に位置付けられてもよい。
【0020】
窪みが弦巻線の平面のうち第1の平面に設けられた場合、更なる窪みの代わりに、平面のうち第2の平面に、鋳型分割面に沿って延在する突出部を設けることも可能である。これらの突出部は、鋳造物が弦巻線の形態であって圧縮されたときに窪みの中にくるが、それに対応して窪みは突出部よりも大きいので、窪みの中にあるバリおよび突出部上にあるバリが、他方の平面に触れないような形であることが好ましい。このことは、窪みによって断面の損失が生じる場合にそれを少なくとも部分的に補ってもよい。
【0021】
方法の実施形態では、鋳型分割面が、少なくとも部分的に、巻線断面プロファイルの外面に沿って、および/または内面に沿って、および/または縁部に沿って伸びることも可能である。
【0022】
また、方法の中で、鋳造物を永久鋳型から取り出した後、鋳造物の外面および/または内面および/または縁部に沿って伸びるバリを除去することも可能である。
【0023】
内面は、例えばコイルコアが挿入されてもよい、弦巻線の内部キャビティを画定する。内面から離れる向きに面する外面は、一般的に、鋳造物が弦巻線の形態のとき、または弦巻線の形態にされるとき、自由にアクセス可能である。
【0024】
したがって、方法の利点は、鋳造物が弦巻線の形態のとき、または弦巻線の形態にされるとき、鋳型分割面が少なくとも部分的に伸びる外面および内面および縁部が、簡単にアクセス可能であるという点であり得る。直前に言及した実施形態では、バリは、上述の簡単にアクセス可能な範囲に沿って少なくとも部分的に伸び、ほとんど労力を掛けずに除去することができる。
【0025】
方法の一実施形態では、鋳型分割面は主に、外面および/または内面および/または縁部に沿って伸びる。鋳型分割面がキャビティ内にある鋳造部品に沿って伸びる、一本の切断線が規定されてもよい。バリはこの切断線に沿って現れることがある。例えば、この切断線は、その長さの少なくとも60%、好ましくはその長さの少なくとも75%、特に好ましくはその長さの少なくとも90%が、外面および/または内面および/または縁部に沿って伸びる。残りの領域において、バリが平面に沿って伸びることがあり、鋳造物の平面に沿った上述の窪みは無害にすることができる。
【0026】
方法の一実施形態では、永久鋳型はちょうど2つの半割鋳型を備える。好ましくは、追加のスライドまたはコアは使用されない。
【0027】
キャビティが完成品の屈曲した弦巻線の形態ではなく、ベンドアップされた弦巻線の形態を表す、方法の実施形態が想起される。かかる実施形態では、鋳造物は、取出し後に曲げられて弦巻線の形態にされてもよい。これは、例えば、平面に直交する方向で全体をプレスすることによって行われる。圧縮はまた、弦巻線のキャビティにマンドレルを挿入することによって遂行されてもよく、その場合、マンドレルは、弦巻線の平面に押し付けられる平坦部分を一端に有してもよい。弦巻線の形態に曲げる代わりに、またはそれに加えて、キャビティ内へと突出しているバリが、マンドレルを挿入することによって折り曲げられてもよい。
【0028】
鋳型分割面は、巻線断面プロファイルの外面および/または内面および/または縁部に沿って伸びる部分において、外面および/または内面に対して0°より大きく180°より小さい角度を含むように設計されてもよいので、形成されるバリは、内面から始まって更に内側に、または外面から始まって更に外側に延在する。換言すれば、鋳型分割面およびそれによって生じるバリは、特に、外面および内面に対して平行ではない。このため、結果として生じるバリを除去するのが特に簡単になる。
【0029】
別の方法として、またはそれに加えて、永久鋳型は、鋳型分割面が巻線断面プロファイルの外面および/または内面および/または縁部に沿って伸びる範囲の少なくとも一部に、追加の窪みを有してもよい。キャビティ内の追加の窪みによって、それに対応する追加の材料が鋳造物に作成される。追加の材料は、想起されるコイルに必要なものではなく、鋳型分割面において弦巻線鋳造物の外面および/または内面および/または縁部に沿って延在する、犠牲構造を表す。犠牲構造は、鋳造物が取り出された後の仕上げステップで、それに沿って伸びるバリとともに除去される。
【0030】
バリおよび/または犠牲構造は、例えば、上述のマンドレルによって、ならびに/あるいはフライス加工プロセスによって、ならびに/あるいは研削プロセスによって除去されてもよい。
【0031】
鋳造材は、例えば、アルミニウムおよび/または銅を含んでもよい。例えば、鋳造温度は1100℃より高くてもよい。鋳造方法の例としては、ダイカスト鋳造、または永久鋳型鋳造、または低圧ダイカスト鋳造が挙げられる。
【0032】
提案する方法を実施するのに適している、弦巻線の永久鋳型は、鋳型分割面に沿って互いに接合することができる2つの半割鋳型を備え、永久鋳型の半割鋳型は、接合状態では、鋳造物の弦巻線またはベンドアップされた弦巻線の形態を予め決めるキャビティを有する。弦巻線またはベンドアップされた弦巻線は、2つの対向する平面と、外面と、外面とは反対側の内面とを有する、扁平な巻線断面プロファイルを有する。平面は、鋳造物が弦巻線の形態のとき、または弦巻線の形態にされるとき、互いに面している。
【0033】
永久鋳型では、鋳型分割面は、特に1つの可能な実施形態では、キャビティによって規定される弦巻線またはベンドアップされた弦巻線の各巻回内で少なくとも一回、平面に沿って内面から外面まで伸びる。例えば、鋳型分割面は、内面に沿って二回、外面に沿って二回、巻回ごとに伸びてもよい。永久鋳型は、鋳型分割面が平面に沿って伸びる範囲の少なくとも1つにおいて、キャビティをテーパ状にする、鋳型分割面に沿って延在する突出部を有する。突出部は、鋳造物の平面に窪みを作るのに使用される。
【0034】
突出部が平面に設けられる場合、永久鋳型は、突出部に対して補完的な陥凹部を備え、その陥凹部はキャビティを拡大し、またその陥凹部は鋳型分割面に沿って伸びる。その結果、この陥凹部に入る鋳造材が突出部を形成してもよい。
【0035】
永久鋳型の実施形態では、鋳型分割面は、少なくとも部分的に、巻線断面プロファイルの外面に沿って、および/または内面に沿って、および/または縁部に沿って伸びてもよい。
【0036】
したがって、鋳型から取り出した後の鋳造物に、記載した鋳型分割面に延在するバリがあることがある。見込まれる更なる処理の前には、取り出された鋳造物は、記載したバリの位置によって特徴付けられる、典型的な中間製品を表してもよい。
【0037】
弦巻線は、例えば、計二回よりも多い巻回を有してもよい。
【0038】
鋳造弦巻線、即ち記載した方法によって、または記載した永久鋳型を用いて製造されてもよい弦巻線は、扁平な巻線断面プロファイルを有する。巻線断面プロファイルは、2つの対向する平面と、外面と、外面とは反対側の内面とを有する。平面は互いに面している。
【0039】
弦巻線は、2つの平面のうち少なくとも第1の平面に、外面から内面まで伸びる窪みを有する。また、いくつかのかかる窪みを第1の平面に有するか、またはいくつかのかかる窪みを両方の平面に有してもよい。バリはこれらの窪みの中を伸びることがある。
【0040】
弦巻線の実施形態では、方法において除去されるため、内面および外面にバリを有さないことが可能である。バリは通常、平面だけに現れ、内面と外面との間に伸びる。それらの方向は、このように平面上に重なる各バリの長さができるだけ短く、例えば各例の平面の幅よりも50%を超えて伸びないように選択されてもよい。平面に沿って伸びるバリの少なくとも一部は、窪みに沿って伸びる。
【0041】
また、窪みが平面のうち第1の平面に設けられ、突出部が第2の平面に設けられて、外面から内面まで伸び、窪みの中へと突出してもよい。
【0042】
強調すべき点は、方法と関連してのみ記載した特徴を、永久鋳型および/または鋳造物に関しても主張することができ、その逆もまた真である点である。
【0043】
同様に、永久鋳型に関連して記載した特徴を、鋳造物に関しても主張することができ、その逆もまた真である。
【0044】
以下、本発明について、図面に基づいて例として更に詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】a)は、弦巻線の形態の鋳造物を示す図である。b)は、弦巻線の形態の鋳造物を示す図である。c)は、弦巻線の形態の鋳造物を示す図である。d)は、ベンドアップされた弦巻線の形態の鋳造物を示す図である。
【0046】
【
図2】a)は、永久鋳型のキャビティ内の鋳造物を示す図である。b)は、永久鋳型のキャビティ内の鋳造物を示す図である。c)は、永久鋳型のキャビティ内の鋳造物を示す図である。
【
図3】永久鋳型のキャビティ内の鋳造物を示す図である。
【
図4】永久鋳型のキャビティ内の鋳造物を示す図である。
【0047】
【
図5】a)は、永久鋳型のキャビティ内の鋳造物を示す断面図である。b)は、永久鋳型のキャビティ内の鋳造物を示す断面図である。c)は、永久鋳型のキャビティ内の鋳造物を示す断面図である。
【0048】
【
図6】a)は、永久鋳型から取り出された後の鋳造物の仕上げを示す図である。b)は、永久鋳型から取り出された後の鋳造物の仕上げを示す図である。
【0049】
【
図7】a)は、追加の突出部を有する永久鋳型の1つの半割鋳型を示す図である。b)は、追加の突出部を有する永久鋳型の1つの半割鋳型を示す図である。
【0050】
【
図10】a)は、平面に窪みを有する鋳造物を示す図である。b)は、平面に窪みを有する鋳造物を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1のa~dは、
図1のa~cでは弦巻線2の形態であり、
図1のdではベンドアップされた弦巻線2'の形態である、鋳造物を示している。
図1のdに示される形態から、鋳造物を折り曲げて、(
図1のa~cに示されるような)弦巻線2の形態にすることができる。
【0052】
図1のaは、弦巻線2としての鋳造物の斜視図を、
図1のbは側面図を、
図1のcは平面図を示している。弦巻線は扁平な巻線断面プロファイルを有する。本例では、巻線断面プロファイルは長方形であり、2つの対向する平面2.1、2.1'と、外面2.2と、外面2.2とは反対側の内面2.3とを有する。巻線によって取り囲まれ、内面2.3によって画定される、弦巻線2の内部キャビティも長方形である。
【0053】
外面2.2の周りに伸びる弦巻線の外寸も、長方形または直方体である。
【0054】
弦巻線の場合、隣接する巻線は、各巻線が内部キャビティの周りを360°完全に一周するように規定されてもよい。七周の巻線が示されている。
【0055】
巻線断面、ならびにキャビティの実施形態は、巻回によって達成することはできない。
【0056】
弦巻線の各方向の外寸は、例えば、2cm~20cmであってもよい。
【0057】
本出願は、第一に、ここで弦巻線またはベンドアップされた弦巻線として示されるタイプの鋳造物に関する。
【0058】
弦巻線は、有利には、本出願が同じく関連する方法によって製造されてもよい。更に、弦巻線は、有利には、本出願が同じく関連する永久鋳型を利用して製造されてもよい。弦巻線、方法、および永久鋳型について、残りの図面を参照して以下に更に詳細に記載する。
【0059】
図2は、永久鋳型1のキャビティ1.3内にある、製造の方法のステップにおける鋳造物を示している。永久鋳型1の一方の半割鋳型1.1のみが示されている。永久鋳型1の第2の半割鋳型1.2は、第1の半割鋳型1.1に対して補完的な形で構築され、
図2では、より良好に図示するために省略されている。第2の半割鋳型は、第1の半割鋳型1.1および第2の半割鋳型1.2を鋳型分割面1.5で接合することができ、キャビティ1.3が2つの半割鋳型の間に延在するような形で設計される。キャビティ1.3の方向は、弦巻線2の形態を有するとともにキャビティ1.3を埋めている、図示される鋳造物によって、図面中に見ることができる。弦巻線2の特徴は、キャビティ1.3に適宜移すことができ、その逆もまた真である。換言すれば、キャビティも長方形の形状であり、対向する平面2.1、2.1'と、外面2.2と、外面2.2とは反対側の内面2.3とを有する。
【0060】
更に、したがってこの図は、第2の半割鋳型1.2の形状も示している。
【0061】
弦巻線2は、わずかに引き離されるだけでベンドアップされないが、それ以外は
図1に示される特徴を有する。
【0062】
図で分かるように、鋳型分割面1.5は、少なくとも部分的に、巻線断面プロファイルの外面2.2に沿って、内面2.3に沿って、ならびに縁部に沿って伸びる。特に、内面2.3および外面2.2に平行な範囲に延在する。鋳型分割面は、巻回ごとに二回、2つの平面2.1、2.1'それぞれの上を通過する。
【0063】
鋳造物を製造するには、鋳造材が永久鋳型1のキャビティ1.3に注入される。永久鋳型1は、この目的に対応する開口部を有する。ダイカスト法、永久鋳型鋳造法、または低圧ダイカスト法が使用されてもよい。鋳造材はアルミニウムおよび/または銅を含む。鋳造温度は1100℃より高い。
【0064】
キャビティ1.3の外にある鋳造材が、2つの半割鋳型1.1、1.2の間の鋳型分割面1.5に入る場合がある。これによってバリ3が生じることがある。したがって、バリ3の位置は、鋳型分割面1.5の方向から推論することができる。このように、見込まれるバリ3が、
図2に示される永久鋳型から取り出された鋳造物に延在し、外面2.2または内面2.3から始まって外面2.2または内面2.3それぞれに平行に、また鋳型分割面1.5が平面2.1、2.1'に沿って伸びる領域に、対応する平面2.1、2.1'に沿って、またそれに直交して延在する。
【0065】
図2のbおよび
図2のcはそれぞれ、
図2のaによる図を再び示しており、それぞれ印を付けた、弦巻線2を通る断面の2つの範囲が、それぞれの図の下に拡大して示されている。見込まれるバリ3の位置および向きを断面で示している。
図2のaと関連して示されるように、バリは、分割線1.5の方向により、外面2.2および内面2.3の内縁部および外縁部から延在する。バリは、外面2.2および内面2.3に平行に伸び、いずれの場合も、平面2.1、2.1'の一方の方向のみに伸びる。
【0066】
バリは、鋳造物が永久鋳型1から取り外された後の方法ステップにおいて除去される。それらの位置のおかげで、除去は簡単である。
【0067】
図2のcには、キャビティ1.3が、それぞれの縁部を含む外面2.2全体および内面2.1全体に沿って延在する、追加の窪みを有することも示されている。窪みは、弦巻線鋳造物の犠牲構造2.4を作るのに使用される。窪みは、バリ3が少なくともいくつかの範囲で犠牲構造2.4に沿って伸びるような形で、鋳型分割面1.5に伸びる。犠牲構造は、鋳造物が取り出された後の仕上げステップで、それに沿って伸びるバリ3とともに除去される。
【0068】
図3および
図4は、中で製造される鋳造物が、取出し後に曲げられて弦巻線2の形態にされる、ベンドアップされた弦巻線2'の形態を有するようにキャビティ1.3が設計された、永久鋳型1を示している。やはり、どちらの図も、第1の半割鋳型1.1のみが示され、視認性の理由から、第2の半割鋳型1.2は省略されている。ベンドアップされた弦巻線2'は、ここでは、2つの半割鋳型のみを用いて、コアまたはスライドは使用せずに製造されてもよい。
【0069】
鋳造物を製造するには、鋳造材が永久鋳型1のキャビティ1.3に注入される。永久鋳型1は、この目的に対応する開口部を有する。ダイカスト法、永久鋳型鋳造法、または低圧ダイカスト法が使用されてもよい。鋳造材はアルミニウムおよび/または銅を含む。鋳造温度は1100℃より高い。
【0070】
一部が
図3および
図4に例示的な形で示されている鋳型分割面1.5は、
図3の場合、ベンドアップされた弦巻線2'の外面2.2および内面2.3両方に対して約45°の角度αを有する。したがって、例として1つが図示されている、見込まれるバリ3は、この角度αで、外面2.2または内面2.3それぞれから離れる方向に延在する。これは、バリ3が外面2.2または内面2.3それぞれに平行に伸びる、
図2に示される実施形態とは対照的である。これには、バリ3をより一層簡単に除去することができるという効果がある。
図4では、鋳型分割面1.5は、バリ3の角度αが内面2.3に対しては約45°、外面に対しては90°であるようなものである。
【0071】
図5は、永久鋳型1の2つの半割鋳型1.1、1.2と、それらの間に形成されるキャビティ1.3内にある鋳造物とを通る断面を示し、特に、鋳型分割面1.5と、鋳造物に対するその位置とを示している。これは、弦巻線2の形態、またはベンドアップされた弦巻線2'の形態の鋳造物であってもよい。
【0072】
図5のaに示される断面(例えば、
図3の構成を通る断面であってもよい)の範囲では、外面2.2と鋳型分割面1.5との間の角度αは約45°である。鋳型分割面1.5は、ここでは、外面2.2に位置する縁部から延在する。内面2.3と鋳型分割面1.5との間の角度αも約45°であり、鋳型分割面1.5は、ここでは、内面2.3にある縁部から延在する。
【0073】
図5のbに示される断面(例えば、
図4の構成を通る断面であってもよい)の範囲では、鋳型分割面1.5はやはり、鋳造物またはキャビティ1.3の内面2.3もしくは外面に位置する縁部から始まって延在する。内面2.3と鋳型分割面1.5との間の角度αは約45°である。外面2.2と鋳型分割面1.5との間の角度αは約90°である。
【0074】
図5のcは、
図5のbの図の変形例を示している。この場合、鋳型分割面1.5は、外面を鋳造物の縁部から直接延在するのではなく、外面2.2に配置される追加の鋳造材として提供され、その後に、見込まれるバリ3とともに除去されてもよい、犠牲構造2.4に隣接する。
【0075】
したがって、
図5のa~cによる全ての構成において、鋳型分割面1.5は、外面2.2および/または内面2.3に対して0°より大きく180°より小さい角度を含み、したがってどちらの面に対しても平行ではない。
【0076】
図6は、本出願による方法において、鋳造物の内面2.3に位置するバリ3がどのように除去されるかを示している。バリは、鋳造物が弦巻線2の形態のとき、その内部キャビティ内へと延在する。バリを除去するため、内部キャビティの寸法を有するマンドレル4が内部キャビティに挿入される。鋳造物から内部キャビティ内に延在する任意の余分な材料は、これによって折り曲げられる、または、除去される。この余分な材料は、特にバリ3を含む。更に、ここで図示されるように、弦巻線2の内面2.3に位置する犠牲構造2.4を備えることがある。マンドレル4は、永久鋳型1から取り出された後の鋳造物が、最初は、弦巻線2の形状であるがわずかに引き離されている場合であっても、内部キャビティに挿入されてもよい。同様に、マンドレル4は、永久鋳型1から取り出された後の鋳造物が、最初はベンドアップされた弦巻線2'の形態である場合に、内部キャビティに挿入されてもよい。マンドレル4は、一端に平面2.1'を係合する平坦部を有し、他方の平面2.1からの逆圧を同時に受けながら、鋳造物を曲げて弦巻線の形態にしてもよい。
【0077】
図7は、キャビティ1.3を有する永久鋳型1の第1の半割鋳型1.1を示している。
図7のaは横から見た斜視図、
図7のbは上から見た斜視図を示している。ここで、永久鋳型1は、鋳型分割面1.5が平面2.1、2.1'のうち一方に沿って伸びている範囲のうちいくつかに、鋳型分割面1.5に沿って延在する突出部1.4を有し、それがキャビティ1.3内へと突出し、キャビティをテーパ状にしている。したがって、この永久鋳型1を用いて製造される鋳造物は、突出部1.4に対して補完的であって内面2.3から外面2.2まで伸びる、対応する窪み2.5を平面2.1、2.1'に有する。鋳型分割面1.5はこの突出部 1.4に沿って伸びるので、バリ3はこの永久鋳型との窪み2.5内にあることがある。
【0078】
記載した実施形態は、それ以外の点では
図2から
図5による特徴を有するツールに対しても可能である。
【0079】
鋳造物を製造するには、鋳造材が永久鋳型1のキャビティ1.3に注入される。永久鋳型1は、この目的に対応する開口部を有する。ダイカスト法、永久鋳型鋳造法、または低圧ダイカスト法が使用されてもよい。鋳造材はアルミニウムおよび/または銅を含む。鋳造温度は1100℃より高い。
【0080】
図8および
図9は、例えば、
図7の永久鋳型1を用いて製造される、鋳造物を示している。それらは、窪み2.5を平面2.1、2.1'の一方または両方に有する。
【0081】
図8は、窪みが第1の平面2.1に配置されている、鋳造物の巻線の断面を示している。窪み2.5は、鋳造物の縁部に対して直交して伸びて、外面2.2および内面2.3を接続している。見込まれるバリ3の位置が
図8に示されている。
図7に示される永久鋳型1の実施形態によれば、バリは窪み2.5を通って対角線方向に伸び、したがって、鋳造物が弦巻線2として圧縮されたときでも第2の平面2.1'に触れないので無害である。縁部の範囲では、鋳型分割面1.5およびしたがってバリ3が外面2.2または内面2.3の範囲に入ると、鋳型分割面1.5およびしたがってバリ3が縁部に沿ってガイドされ、そこに犠牲構造2.4が存在すればそれとともに、仕上げステップで除去することができる。
図8では、第2の平面2.1'に伸びるバリ3は、弦巻線2が圧縮されたときに第1の平面2.1の陥凹部2.5内へと突出するような形で鋳型分割面1.5によって予め定められ、したがってやはり無害なので、第2の平面には窪み 2.5は設けられない。
【0082】
図9は、平面にあるバリ3が窪み2.5によって無害になっている、更なる可能な実施形態を示している。
【0083】
図の上側には、弦巻線2が
図1のbによる側面図で示されている。この側面図には範囲Zが示されており、この範囲は、弦巻線の3つの実施形態(i)、(ii)、(iii)に関して、
図9の下側に拡大図で示される。
【0084】
図9の中央は、
図1のcによる平面図を示しており、鋳型分割面1.5の方向およびしたがってバリ3の方向が、外面2.2から内面2.3まで平面2.1、2.1'の上に示されている。正確には、このバリ3は、3つの実施形態(i)、(ii)、(iii)に関して図の下に拡大して示されている。
【0085】
実施形態(i)は、窪み2.5が全くない実施形態である。かかる実施形態では、バリ3を、外面2.2および/または内面2.3および/または平面2.1、2.1'の仕上げステップで除去しなければならないことがある。
【0086】
実施形態(ii)は、一方の平面2.1'のみの窪み2.5を示している。バリ3は、この窪み2.5内で両方の平面2.1、2.1'に伸びており、一方の平面2.1のバリ3は、弦巻線2がこの図に示されるように完全に圧縮されたときでも、互いに面する平面2.1、2.1'のバリ3が触れないように、他方の平面2.1'に対してオフセットされている。
【0087】
実施形態(iii)は、窪み2.5が両方の平面2.1、2.1'に存在する実施形態である。バリ3は、(ii)と同じく互いからオフセットされ、触れることがない。この実施形態では、(ii)よりも更に大きいバリ3を許容できる。
【0088】
図10もやはり、平面に沿って伸びるバリが無害になっている弦巻線2を示している。この図は
図9の下の図と同じように選択される。
【0089】
実施形態(iii)と同様に、
図10のaは、両方の平面2.1、2.1'に窪み2.5を有する。したがって、対応する永久鋳型1は、両方の平面2.1、2.1'の窪み2.5に対して補完的な突出部1.4を有する。
【0090】
対照的に、
図10のbに示される実施形態は、平面2.1'には窪み2.5を有するが、他方の平面2.1には突出部2.6を有する。弦巻線2のこれらの突出部2.6は、窪み2.5と同様に位置付けられ、即ち鋳型分割面1.5に沿って伸びる。したがって、バリ3も突出部2.6に沿って延在する。弦巻線2が
図10のbに示されるように圧縮されると、突出部2.6およびその上に位置するバリ3は窪み2.5に押し込まれる。突出部2.6の寸法は、ここでは窪み2.5の寸法よりも小さいので、突出部2.6およびバリ3は窪み2.5に収まることができる。平面2.1の突出部2.6の形態で提供される追加の材料は、少なくとも部分的に、断面の損失を補完することができる。
図10のbに示されるような鋳造物を製造する場合、永久鋳型1は、鋳型分割面1.5に延在する平面2.1、2.1'の一方に陥凹部を有し、それに対応してキャビティ1.3を拡大することによって突出部2.6を規定する。他方で、2つの平面2.1、2.1'のうちもう一方は、窪み2.5を規定する突出部1.4を有する。
【符号の説明】
【0091】
1 永久鋳型
1.1 第1の半割鋳型
1.2 第2の半割鋳型
1.3 キャビティ
1.4 永久鋳型の突出部
1.5 鋳型分割面
2 弦巻線
2' ベンドアップされた弦巻線
2.1、2.1' 平面
2.2 外面
2.3 内面
2.4 犠牲構造
2.5 窪み
2.6 突出部
3 バリ
4 マンドレル