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特許7381022自動道路スイーパ、および上記道路スイーパの道路洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】自動道路スイーパ、および上記道路スイーパの道路洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   E01H 1/08 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
E01H1/08 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021564906
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 IB2019060720
(87)【国際公開番号】W WO2020152526
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】102019000001111
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521322362
【氏名又は名称】デュレボ インターナショナル エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タリアフェリ、ファブリツィオ
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/198044(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0361577(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102014102540(DE,A1)
【文献】国際公開第2018/191621(WO,A1)
【文献】特開2015-205167(JP,A)
【文献】特表2017-507440(JP,A)
【文献】特開平02-147846(JP,A)
【文献】国際公開第2017/214503(WO,A1)
【文献】特開平01-207509(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0177524(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動道路スイーパであって、
ごみを含む路面上を前記自動道路スイーパが進むことを可能にするのに適した搬送手段と、
前記自動道路スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材と
を備え、
前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている選択手段であって、前記ごみを前記自動道路スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択して排他的に動作させるべく、前記路面をスキャンして前記ごみの位置を特定するのに適した、選択手段
をさらに備える、自動道路スイーパ。
【請求項2】
前記複数の洗浄部材の各々は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記選択手段は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択する、請求項1に記載の自動道路スイーパ。
【請求項3】
前記選択手段は、前記路面の少なくとも1つのフレームを記録するのに適した光学的手段であり、前記選択手段は、前記搬送手段により与えられる移動方向と一体的に向けられている、請求項1または2に記載の自動道路スイーパ。
【請求項4】
前記光学的手段は、前記路面の3次元画像の再構築に適した複数のビデオカメラを有する、請求項3に記載の自動道路スイーパ。
【請求項5】
前記選択手段は、前記光学的手段からの前記フレームを格納すべく、かつ、少なくとも1つの選択される洗浄部材を選択して動作させるべく前記光学的手段および前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されているプロセッサを有する、請求項3または4に記載の自動道路スイーパ。
【請求項6】
スイーパの異なる部分に位置する固定箇所に配置されており、かつ、予め定められた洗浄エリア内での洗浄に適した複数の洗浄部材を備える前記スイーパにより、ごみを含む路面を洗浄するための道路洗浄方法であって、
前記路面上の前記ごみの位置を特定する段階と、
特定された前記ごみの位置に基づいて、前記ごみを前記スイーパの移動中に前記洗浄エリアがカバーする前記複数の洗浄部材を選択する段階と、
選択された前記複数の洗浄部材を動作させる段階と
を備える、方法。
【請求項7】
前記洗浄エリアが前記ごみをもはやカバーしなくなった場合、前記複数の洗浄部材をオフにするさらなる段階を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の洗浄部材は、前記ごみのうちの特定のごみの洗浄に各々が適した複数の洗浄ヘッドを有し、前記方法は、前記ごみのタイプを識別し、前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択するさらなる段階を備える、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記スイーパは、前記路面の少なくとも1つのフレームを記録するのに適した光学的手段を有する選択手段と、前記光学的手段および前記複数の洗浄部材に動作可能に接続されている少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記選択する段階は、前記複数の洗浄部材から洗浄部材を選択すべく前記少なくとも1つのプロセッサにより前記少なくとも1つのフレームを処理することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、複数の異なる特定のごみを表す比較画像のデータベースを有し、前記識別する段階において、前記少なくとも1つのプロセッサは、識別された前記特定のごみに対応する洗浄ヘッドを前記複数の洗浄ヘッドから選択すべく、前記少なくとも1つのフレームを前記比較画像と比較する、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動道路スイーパと、最初の請求項のプリアンブルにおいて指定されるタイプの上記道路スイーパの道路洗浄方法とに関する。
【0002】
特に、本発明は、少なくとも1人のオペレータにより駆動され得るモータ駆動式スイーパに関するものであり、道路の少なくとも1つのセクションにおける車両の循環経路を遮り得るか、またはいずれの場合も妨げ得る砂利などの塵またはごみの道路基盤の洗浄に適している。同様のスイーパが、特許出願第WO-A-2016/198044号に記載されている。
【0003】
周知のように、スイーパマシンは一般的に、モータ駆動式車両、すなわち、車両自体を自律的に移動させるのに適したモータと、車両から出る、地面との直接的な接触が意図された複数のブラシと、廃棄物容器と、ブラシにより収集された廃棄物を後者の容器へ送ることができるコンベアとが備え付けられたモータ駆動式車両を備える。
【0004】
加えて、廃棄物を除去する前に地面へ染み込ませておくべく地面に散布される水を入れておくために、補助タンクが、廃棄物容器およびコンベアの隣に設置され得る。
【0005】
また、いくつかのスイーパマシンは、路面または共通エリアに豊富な水を撒くことにより、それらの洗浄へ進むことができる。
【0006】
これらの場合、洗浄ノズルが装着されたフロントバーと、大型水タンクと、上述のノズルへ水を送るポンプユニットとを有する特装車両が用いられる。
【0007】
説明された従来技術は、いくつかの重大な欠点を有する。特に、路面は、全てが同じ構造を有するわけではないが、複数の物質またはさらには互いに分離した複数の部分を含む表面を有し得る。
【0008】
アスファルトまたはタール類などの共通の物質で作られた道路に加え、現在、特にイタリア市街地の歴史的中心区域内に、石または栗石でできた、したがって非常に不規則な道路が存在している。
【0009】
したがって、用いられる洗浄手段は、全てのタイプの道路に適しているわけではなく、それらが意図されている機能とは反対の効果を有し得る。例えば、間違った洗浄、または間違った器具の使用は、栗石を分離している割れ目の内部に廃棄物が堆積することにつながり得る。
【0010】
加えて、道路は、廃棄物で完全には覆われ得ないが、ブラッシングが必要ではない空のエリアを有し得る。しかしながら、現在の最新技術によるスイーパは、洗浄手段を効果的に、かつ、必要とされる場合に動作させることができない。
【0011】
したがって、さらなる欠点は、スイーパが、洗浄手段に対して継続的に供給をするために大量のエネルギーを不必要に消費してしまうことである。
【0012】
実装され得る唯一の好都合なことは、マシンが前方へ動いている間に自分の前方の物質を運転室から見て、油圧式命令に従って行動できるオペレータによる、直接の行為を含む。この物質は概して、既に言及したように、非常に可変的であり、さらにより詳細には、未分別のごみ、一般的な混合した塵、建設現場からの物質、石、プラスチック、厚紙、市場廃棄物、落ち葉、砂、ボトル、様々なサイズのペブル、砂利、またはこれらの全てが混合したものを含み得る。この物質は、混合されることもあり、道路上または区画上での分布が不均一である。この状況では、オペレータは、マシンの動作を最適化するために、スイーパの異なる機能およびメカニズムを手動で変えて、それらを自分の前方の物質のタイプと地面での分布とに適合させなければならない。
【0013】
現在、オペレータは、運転室内の一連の命令、ノブおよびジョイスティックを操作することによってバリエーションを得ており、同時に、車両を運転し、地面上の物質を識別し、道路を見、他の車両をチェックし、歩行者およびあらゆる障害物(突然出てくるものであっても)を回避し、また、スイーパが廃棄物を収集しているかどうかを確かめるためにリアビデオカメラを定期的にチェックしなければならない。
【0014】
操作におけるこの相当なばらつきと、自分が払わなければならない注意とを考慮すると、オペレータは、除去されるべき物質のタイプへマシンの動作を手動で適合させることについて相当な経験を有していなければならない。よって、これらの作業条件では、オペレータは、ストレスを受けたり不注意になったりする可能性があり、これは、事故、または道路スイーパの間違った使用につながり得る。これらの困難は一般的に、オペレータが、スイーパマシンの動作を地面上の物質へ適合させていないのに、必要とされていない時にさえ、ブラシ、中央ローラおよび吸引部の動作パラメータの全てを最大のパワーおよび速度に維持してしまっていることを意味する。これは、モータが多くのエネルギーを消費し、油圧式オイルが非常に熱くなり、ブラシが、そして全体としてマシンが過度の摩耗を受けることにつながる。
【0015】
この文脈において、本発明の根底にある技術的課題は、上述の欠点のうちの少なくともいくつかをほぼ未然に防ぐことができる自動道路スイーパと、上記道路スイーパの道路洗浄方法とを考え出すことである。
【0016】
上記技術的課題の文脈において、本発明の1つの重要な目的は、洗浄段階を実行している路面のタイプを認識できる道路スイーパを得ることである。
【0017】
本発明の別の重要な目的は、道路上のごみのタイプおよび密度に従って選択的な方式で洗浄手段を動作させることができる道路スイーパを作り出すことである。
【0018】
したがって、本発明のさらなる目的は、現在の最新技術において存在するスイーパよりもエネルギー消費量が低いスイーパを作り出すことである。
【0019】
技術的な目的および指定される目標は、添付の請求項1において特許請求される自動道路スイーパにより実現される。好ましい技術的実施形態が、独立請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の特徴および利点は、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明からはっきりと明らかになる。
図1】本発明による自動道路スイーパの側面図を示す。
図2】洗浄動作中の本発明による自動道路スイーパの上面図を示す。
図3】本発明による自動道路スイーパの選択手段の代替的な配置の例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書において、測定値、形状および幾何学的表現(垂直および平行など)は、「約」のような語、または、「およそ」もしくは「ほぼ」などの他の同様の用語に関連する場合、生産誤差および/または製造誤差に起因する測定上の誤差または誤り、および、とりわけ、関連する値、測定値、形状または幾何学的表現からのわずかな相違を除くものとして理解されるべきである。例えば、上記用語は、ある値に関連する場合、好ましくは、上記値の10%以下の相違を示す。
【0022】
加えて、用いられる場合、「第1の」、「第2の」、「より高い」、「より低い」、「主」および「副」などの用語は、順序、優先関係または相対位置を必ずしも指すわけではなく、単に、異なるコンポーネントを互いによりはっきりと区別するために用いられ得る。
【0023】
本明細書において提示される測定値およびデータは、別段の記載がない限り、Standard International Atmospheres ICAO(ISO 2533:1975)で表されているとみなされるべきである。
【0024】
図を参照すると、番号1は全体的に、本発明による自動道路スイーパを示す。
【0025】
スイーパ1は、好ましくは、路面10の洗浄を可能にするのに適したモータ駆動式手段である。
【0026】
路面10は、好ましくは、任意の共通エリアまたは公共エリアのフローリングにより画定され、例えば、異なる態様でも構成され得る複数の異なる物質を含み得る。
【0027】
例えば、路面10は、アスファルトもしくはタール類、または、屋内構造用に用いられるものを含む同様の舗装物質を含んでもよく、古典的な栗石を典型的な例とするペブルも含み、かつ、避難経路も提供される不規則な形状を有してもよい。
【0028】
路面10という用語はさらに、建物のフローリングとして広く理解されてよく、スイーパ1自体は、密室の床の洗浄に適した小型マシンであってよい。
【0029】
したがって、路面10は、複数のタイプのごみ11を含み得る。
【0030】
ごみ11は、例えば、一般的に路面10上に堆積した塵を含み、または、路面10に堆積した廃棄物であってもよく、路面10の損傷部分であってもよい。
【0031】
したがって、異なるタイプのごみが、ごみ11の中で識別され得る。したがって、異なるタイプのごみ11の各々は、特定のごみ11aである。
【0032】
ごみ11aという特定の用語は、同じ洗浄デバイスの助けを得て除去または洗浄され得る1つまたは複数のタイプのごみ11を意味する。したがって、例えば、砂または砂利の粒の各々は、壊れたガラス、金属または固体ポリマ部分が同じ特定のタイプのごみ11aの一部でもあるのと全く同じように、特定のタイプのごみ11a内に含まれる。
【0033】
スイーパ1は、好ましくは現在の最新技術において広く知られており、かつ、路面10からのごみ11の除去または洗浄を可能にするのに適したマシンである。
【0034】
スイーパ1は、搬送手段2および少なくとも1つの洗浄部材3を備える。
【0035】
搬送手段2は、好ましくは、スイーパ1が路面10上を進むことを可能にするのに適している。通常、スイーパ1は、搬送手段2により、ごみ11を含む路面10上を進む。その結果として、ごみ11は、1つまたは複数の特定のタイプのごみ11aを含み得る。
【0036】
したがって、搬送手段2は、ホイールまたはトラックなどの搬送デバイスと、モータと、運転者のコンパートメントとを有する。概して、搬送手段2という用語は、オペレータがスイーパ1を路面10上で動かすことを可能にする全てのものを意味する。
【0037】
一方、洗浄部材3は、路面10の洗浄に適している。現在の最新技術では、特定の異なるごみ11aの除去またはただ単に路面10の洗浄を可能にするために異なる構造を有する多くの異なる洗浄部材3が知られている。
【0038】
好ましくは、1つよりも多くの洗浄デバイス3が存在する場合、それらは、スイーパ1の異なる部分に位置する固定箇所に配置されている。
【0039】
例えば、洗浄部材3は、スイーパ1の、前方部分もしくは側方部分に、またはさらには、例えば図1および図3に示されるように、後方部分に設けられ得る。
【0040】
洗浄部材3は、好ましくは、機械加工能力を定め、かつ、したがって、洗浄エリア3aを本質的に画定する器具である。
【0041】
洗浄エリア3aは、好ましくは、個々のブラシの下方のエリアであり、または、洗浄部材3が異なる種類のものである場合には、洗浄器具の下方のエリアである。加えて、洗浄エリア3aは、進んでいる時に洗浄部材3が説明できるエリアとして、より広くみなされるべきである。
【0042】
スイーパ1が、言及したように搬送手段2も備えており、かつ、進んでいる間の作業に適していることを考慮すると、洗浄エリア3aは本質的に、スイーパ1の進行軌道に沿って洗浄部材3により画定される空間である。
【0043】
様々な洗浄部材3は、ブラシ、もしくは洗浄ノズルを含むバー、または両方を含み得る。加えて、真空を作り出すことによりごみ11を除去するのに適した吸引手段も存在し得る。
【0044】
洗浄部材3の各々は、実際には、1つまたは複数の洗浄ヘッド30を含み得る。
【0045】
洗浄ヘッド30は、好ましくは、路面10との相互作用に適した、各洗浄部材3の端部であり、したがって、ブラシに、もしくは洗浄バーに、または上述の吸引手段にそれぞれ対応し得る。
【0046】
したがって、洗浄ヘッド30の各々は、好ましくは、特定のタイプのごみ11aの洗浄に適しており、または、異なる洗浄ヘッド30を組み合わせて特定のタイプのごみ11aを除去するために必要であり得る。
【0047】
いずれの場合も、上述の特徴は、全て、現在の最新技術において本質的に知られており、かつ、少なくとも部分的に、例えば同じ出願人により市販されているものなど、様々なスイーパ上に存在している。
【0048】
したがって、概して、スイーパ1は本質的に、好ましくは、モータ駆動式車両、すなわち、電気式のものを含む、車両自体を自律的に移動させるのに適したモータと、車両から出る、地面との直接的な接触が意図された複数のブラシまたは他の同様の器具と、廃棄物容器と、ブラシにより収集された廃棄物を後者へ送ることができるコンベアとが備え付けられたモータ駆動式車両である。
【0049】
スイーパ1は、有利なことに、一般的に存在するものに加え、選択手段4を備える。
【0050】
選択手段4は、好ましくは、洗浄部材3に動作可能に接続されている。したがって、スイーパは、好ましくは、洗浄部材3と選択手段4との間に、電子接続部またはさらには機械接続部もしくはメカトロニクス接続部を、後者が洗浄手段3の挙動を変えることができるように備え得る。
【0051】
これは、スイーパ1の運転室内のオペレータにより通常与えられる手動での命令などを置き換えるよう洗浄手段3の少なくとも一部に選択手段4が命令するのを可能にすることなどにより、行われ得る。
【0052】
選択手段4は、複数の機能を実行できる。
【0053】
スイーパ1の異なる部分の固定箇所に配置されている複数の洗浄部材3をスイーパ1が備えることを考慮すると、選択手段4は、好ましくは、路面10のスキャンに適している。
【0054】
明らかに、選択手段4は、必ずしも路面10の全体ではなく、路面10の少なくとも一部のスキャンに適しているべきである。
【0055】
加えて、選択手段4は、ごみ11をスイーパ1の移動中に洗浄エリア3aがカバーする洗浄部材3のみを選択して動作させるべく、ごみ11の位置を特定する。
【0056】
したがって、選択手段4は本質的に、洗浄部材3の動作を調節するターゲット要素を定めるのに適している。
【0057】
示された特徴に加え、複数の洗浄ヘッド30を洗浄部材3の各々が有する場合、または、示されているものに代えて、例えば、複数の洗浄ヘッド30を有する単一の洗浄部材3をスイーパ1が備える場合、選択手段4は、好ましくは、ごみ11のタイプを識別し、この特定のタイプのごみ11aに対応する洗浄ヘッド30を選択する。
【0058】
特に、選択手段4は、光学的手段40を有する。
【0059】
光学的手段40は、路面10の少なくとも1つのフレームの記録に適している。フレームという用語は、スキャンされた環境、または一連の要素を表す、特定の画像または理想的な構造を意味する。したがって、好ましくは、光学的手段40は、少なくとも1つのビデオカメラを有する。
【0060】
したがって、光学的手段40は、ただ1つのビデオカメラを有し得る。
【0061】
より好ましくは、光学的手段40は、路面の3次元画像の再構築に適した複数のビデオカメラを有する。よって、これらのビデオカメラは、図1におけるように、地面に垂直な方向に沿って、または、図2におけるように、地面に平行な方向に沿って、互いにずらされ得る。
【0062】
加えて、ビデオカメラは、異なるように配置され向けられ得る。好ましくは、主に、ただ1つのビデオカメラが存在し、画像が2次元である場合、選択手段4は、搬送手段2により与えられる移動方向と一体的に向けられている。
【0063】
言い換えると、ビデオカメラは、進行方向に沿って、路面10をフレーム化する。しかしながら、いくつかのカメラが存在する場合、それらの全てが、同じ進行方向に沿って向けられ得る。
【0064】
実際には、選択手段4はまた、図3におけるように進行方向の反対方向に、またはさらには側方に向けられ得る。例えば、スイーパ1は、スイーパ1が正しく動作し続けており、かつ、したがって、好ましくは、搬送手段2により与えられる進行方向とは反対に向けられていることをチェックするのに適した1つまたは複数のフィードバックビデオカメラを備え得る。
【0065】
選択手段4は、プロセッサ41をさらに有し得る。
【0066】
プロセッサ41は、好ましくは、例えば、光学的手段40から画像を受信し、かつ、得た情報に基づいて洗浄手段3の制御または命令を可能にするのに適した電子カードを含む電子コンポーネントである。
【0067】
プロセッサ41は、好ましくは、実際には、光学的手段40と、洗浄部材または部材3とに動作可能に接続されている。加えて、いくつかの洗浄ヘッド30が各洗浄部材3上に存在する場合、プロセッサ41は、各洗浄ヘッド30に動作可能に接続されている。
【0068】
したがって、プロセッサ41は、好ましくは、光学的手段40からのフレームを格納し、適切な洗浄部材3または洗浄ヘッド30を選択して動作させる。
【0069】
プロセッサ41は、複数の異なる特定のタイプのごみ11aを表す比較画像のデータベースも含み得る。
【0070】
このデータベースは、光学的手段40により取得される画像に基づいて構築され得るか、または、好ましくは、外部画像も含む。
【0071】
したがって、プロセッサ41は、物理接続またはさらには無線接続を介して外部からアクセスされ得る記憶媒体を含み得る。
【0072】
加えて、プロセッサ41は、好ましくは、識別された特定のごみ11aに対応する洗浄ヘッド30を選択するような態様で、光学的手段40により撮像されたフレームを比較画像と比較する。
【0073】
また、プロセッサ41は、洗浄部材3が進む好ましい軌道の処理を可能にするような態様で、または、搬送手段2の命令手段の一部に接続されている場合には、これらの画像に基づいて画定される軌道に沿ってスイーパ1自体に命令するような態様で、一連の連続するフレームを取得できる。
【0074】
実際には、プロセッサ41は、スイーパ1の共通命令パネルに動作可能に接続されてもよく、これを通じて洗浄手段3を動作させることができる。
【0075】
言い換えると、プロセッサ41は、この情報を処理し、例えばフロントブラシ、サイドブラシ、中央ローラの運動学的かつ空間的位置と、吸引/除去パワーと、これらの要素の洗浄エリア3aとを適切に変えるメカトロニクス実装部材へ適切な電気命令信号を送る。
【0076】
プロセッサ41のデータベースは、様々なパラメータの設定を用いて、予め定められた動作構成の関連付けを可能にし得る。例えば、プロセッサ41には、ごみ11の位置、タイプ、おおよその重量および体積に加え、進行中のスイーパ1の速度に対するそのエリア位置も識別するのに適したソフトウェアが備え付けられ得る。また、このシステムの電子管理カードの実装部分は、異なる洗浄部材3または洗浄ヘッド30と、相対回転速度と、地面への圧力とを適切な態様で有効化することにより、ごみ11のエリア位置に関して、洗浄部材3が動作する回数および方法を計算できる。これらの機械コンポーネントの動作パラメータは、スイーパマシン1の多くのソレノイドバルブ、制御ユニットおよび命令ディストリビュータの管理を通じ、電子機器を介して適切な電気命令信号を油圧式制御ユニット、モータおよび油圧式ピストンへ送ることにより変えられ得る。
【0077】
また、選択手段4は、それらが元々設置されていない車両またはスイーパ1に適応した取り付けキットを作り出すことができる。
【0078】
この目的で、プロセッサは、搬送手段2または洗浄部材3の命令パネルへの選択手段4および第2の接続手段の電力供給を保証するのに適した第1の接続手段を例えば油圧式制御ユニットに提供して、様々な動きを適切に作動または変化させれば、好ましくは十分である。
【0079】
選択手段4は、洗浄が適切であるかどうかをチェックするためのバックアップリアビュービデオカメラ、システムが道路、ごみ11、歩道およびあらゆる障害物の3次元画像を撮像することを可能にし得るフロントレーザスキャナまたはSLAMレーザスキャナなど、システムがキットの相補的な他の機器を受け入れて管理できるようオープンで、適応性があり、適したものになることを可能にする接続部およびソケットも有し得る。
【0080】
スイーパ1は、例えばプロセッサ41により計算されるような、マシンの必須動作データと洗浄されるエリアを目指してたどるべき経路とを風防ガラスに投影するのに適した、オペレータが通常座る運転室または乗員コンパートメント内で利用可能なディスプレイも備え得る。
【0081】
したがって、スイーパ1は、GPSなどの地理位置情報システムにプロセッサ41が接続できるようにして、予め定められた経路をたどり、舗装の縁部と道路の中央とを正確にたどることができる。これらの経路はリモートかつリアルタイムで管理、プログラムされ得るので、オペレータが管理するのは制御機能および安全機能のみになる。
【0082】
したがって、プロセッサ41は、無線の場合には第2の接続手段を介してリモートで管理され得ると共に、接続を介して、例えばインターネットを介して、単一の中心位置からスイーパ1群を管理することを可能にし得る。
【0083】
本発明は、新しい道路洗浄方法を含む。
【0084】
方法は、好ましくは、上述のスイーパ1を用いて実行される。
【0085】
特に、方法は、選択手段4により実装される機能に応じて異なる段階を備える。
【0086】
選択手段4が少なくともごみ11の位置の特定を主に担う場合、方法は、好ましくは、少なくとも、路面10上でごみ11の位置を特定する段階と、ごみ11をスイーパ1の移動中に洗浄エリア3aがカバーする洗浄部材3を選択することと、洗浄部材3を動作させることとを備える。
【0087】
特に、選択段階中に、光学的手段40により撮像される少なくとも1つのフレームが、プロセッサ41により処理される。
【0088】
さらに、既に言及したように、動作させる段階中に、プロセッサ41は、光学的手段40から受信したフレームに基づいて、洗浄部材3用の進行の経路または軌道を構築できる。
【0089】
加えて、方法は、ごみ11の識別に適している場合、前の段階に加えて、または前の段階に代えて、少なくとも、ごみ11のタイプを識別する段階と、この特定のタイプのごみ11aに対応する洗浄ヘッド30を選択する段階とを備え得る。
【0090】
特に、識別する段階中に、プロセッサ41は、好ましくは、識別されたその特定のタイプのごみ11aに対応する洗浄ヘッド30および場合によっては正しい処理機械加工パラメータを選択するために、少なくとも1つのフレームまたはさらには1つよりも多くのフレームをそのデータベース内に存在する比較画像と比較する。
【0091】
必ずではないが、好ましくは、方法は、ごみ11を識別することおよびごみ11の位置を特定することの両方を含む場合、まず、識別する段階を実行し、次に、位置を特定する段階を実行する。
【0092】
この場合、方法は本質的に、路面10上のごみ11の検出、識別および位置特定を順に含む定型的なものである。
【0093】
結論として、方法は、洗浄エリア3aがごみ11をもはやカバーしていない場合に洗浄部材3についてのオフにする段階も備え得る。このようにして、方法は、より少ないエネルギーを消費し得る。
【0094】
論理的な観点から、本特許により包含される洗浄方法を管理するために用いられるソフトウェアは本質的に、以下の機能を後述の順番で実行する。
-例えば8~13メートルの可変的な深度を有する焦点面を用いて、道路と収集および除去されるべき物質との画像を撮像する。
-与えられたフレームの数に加え、与えられた時間内に存在する光強度、気象条件、季節、自然光および人工光に対して2D/3Dビューを調節する。したがって、選択手段4はまた、プロセッサ41を介して完全に制御可能である光学的手段40、好ましくはビデオカメラのレンズの焦点のばらつきに備え得る。
-メモリへ以前にロードされており、かつ、全ての可能なごみ11の状況または除去されるべき物質および周囲の明るさを表す基準物とフレームまたは静止画像を比較する管理電子機器により、フレームまたは静止画像を1秒毎、3秒毎、n秒毎に受信する。
-ごみ11のタイプと、4~13Km/hという特定の速度で前進するスイーパに対するその位置とを識別するために、ソフトウェア内で予め設定されたアルゴリズムを用いて、各フレームにキャプチャされた画像を格納されたものと比較して、分析し、処理する。
-キャプチャされた情報を処理し、道路から識別される物質を収集するための洗浄部材3の適切な機械油圧式操作を実行するのに必要な回数および動きを計算する。例えば、収集を担うブラシ、吸引デバイスおよび他の部材の操作には、非アクティブ期間、進行期間および除去実装期間がある。これらの期間は、電子機器および命令ソフトウェアにより、その時点での車両の速度も考慮することによって計算される。車両の速度は、示されるように、地理位置情報システムを用いて検出され得る。
-処理の後に、電子機器は、未分別のごみ11が位置しており、車両のブラッシングの幅よりも広いエリア内にあり得る、清掃されるべき路面10のエリアを画定する。プロセッサ41により処理されたデータに基づき、画像の処理において出たニーズに従って、例えば、動作エリアを拡げることおよび狭めることにより、または、ブラシ自体の地面への圧力を変えることにより、中央ブラシおよび/または右側ブラシのみ、もしくは左ブラシのみ、または3つ全て、のうちのどれを用いるかを判断するプロセッサ41が学習した経路に基づいて、軌道および動作幅が決定され得る。
-電子機器により命令される操作の実装段階は、電気信号を洗浄部材3の制御ユニットおよび油圧式実装デバイスへ送ることを含む。加えて、吸引は、物質に応じて、かつ、3つのレーンの全てまたはそれらのうちのいくつかのみの上の塵を収集するために、区別され得る。この制御により、好ましくは、そのタイプの物質用の最適な回転速度の選択肢も決定され、必要ない場合には、摩耗およびエネルギー消費を回避するために、いくつかのブラシの回転が、それらを地面から持ち上げることによって止められる。
-結論として、洗浄効率のフィードバック比較を提供することでオペレータに対して即時の視覚的制御を可能にする、スイーパマシンの後部に配置されているビデオカメラにより、制御が実行され得る。
【0095】
本発明による自動道路スイーパ1およびその関連する道路洗浄方法は、大きな利点を実現する。
【0096】
実際には、スイーパ1は、路面10上に存在するごみ11、すなわち、除去されるべき物質に応じて車両の部材の挙動を調節することにより、道路洗浄の効率が高くなり、消費エネルギーが低くなり、かつ、ブラシの摩耗が少なくなる。
【0097】
特に、スイーパ1により、非常に低速での街路洗浄動作の単調さに起因して経験不足だったり、注意がそれていたり疲れていたりするオペレータがいても洗浄の効果を向上させることが可能になる。
【0098】
また、選択手段4の構造により、道路および除去されるべき物質の2~3次元のビューを備えたこの自動化メカトロニクスシステムにエキスパートオペレータの経験およびスキルを伝達することが可能になることで、地面上で検出されるものに対する性能が後に最適化される。
【0099】
スイーパの別の利点は、路面10から除去されるべき様々なタイプのごみ11に対し、収集段階および除去段階中にスイーパが自動的に適合することである。
【0100】
さらに、選択手段4は、その簡潔さに起因して、全ての道路用、産業用および屋内用の清掃マシン上に設置され得るモジュール式のオープンないくつかの要素のキットとして作られ得る。
【0101】
本発明は、特許請求の範囲により定義される発明概念の範囲に含まれる変形の対象である。
【0102】
そのような文脈において、詳細の全てを均等な要素により置き換えることができ、任意の物質、形状およびサイズを用いることができる。
図1
図2
図3
図4