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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】RFタグ読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20231108BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20231108BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G06K7/10 128
G06K7/10 240
G07G1/00 311D
G07G1/12 331D
G07G1/00 301G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023099708
(22)【出願日】2023-06-18
【審査請求日】2023-06-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】706000975
【氏名又は名称】南 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】南 俊宏
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特許第7280583(JP,B1)
【文献】特開2020-077408(JP,A)
【文献】特開2021-028788(JP,A)
【文献】特開2022-024662(JP,A)
【文献】国際公開第2021/161921(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
G07G 1/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッシブ型のRFタグが取り付けられた物品を出し入れ可能な開口を上部に有する収容部を備え、当該開口が開いた状態で当該収容部の内部に収容されている物品に取り付けられたRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置であって、
前記収容部が、
電波吸収層および/または電波反射層を含む底面部と、
電波吸収層および/または電波反射層を含む正面部と、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する側面アンテナと、
一端が前記正面部の一端に固着されている第1の側面部であって、前記側面アンテナが内面に設置されている当該第1の側面部と、
前記正面部に対向しており、一端が前記第1の側面部の他端に固着されている背面部であって、電波吸収層および/または電波反射層を含んでおり、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端および前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該背面部と、
前記第1の側面部に対向しており、一端が前記背面部の他端に固着されており、他端が前記正面部よりも正面側に所定の長さ張り出しており、当該一端と当該他端との間に前記正面部の他端が固着されている第2の側面部であって、電波吸収層を含んでおり、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端および前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該第2の側面部と、
を備え、
前記背面部の上端と前記第2の側面部の上端が前記側面アンテナの上縁より高いこと、および前記第2の側面部の他端が前記正面部よりも正面側に所定の長さ張り出していることにより、前記側面アンテナから放射されて前記開口から前記収容部の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、前記収容部の内部にあるRFタグの情報を取得することが可能となる、
RFタグ読取装置。
【請求項2】
前記底面部の上面に、前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する底面アンテナが設置されており、
前記第1の側面部が、電波吸収層および/または電波反射層を含む、
請求項1に記載のRFタグ読取装置。
【請求項3】
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に位置する第1の収容制限部であって、前記側面アンテナから放射された電波が上下左右に広がりながら伝搬する前記第1の側面部と当該第1の収容制限部の間の空間と、前記物品を収容可能な収容空間である当該第1の収容制限部と前記第2の側面部の間の空間とに当該収容部の内部を分ける当該第1の収容制限部と、
前記底面部の上方に位置する第2の収容制限部であって、前記底面アンテナから放射された電波が広がりながら伝搬する前記底面部と当該第2の収容制限部の間の空間と、前記収容空間である当該第2の収容制限部の上の空間とに当該収容部の内部を分ける当該第2の収容制限部と、
を備える、
請求項2に記載のRFタグ読取装置。
【請求項4】
パッシブ型のRFタグが取り付けられた物品を出し入れ可能な開口を上部に有する収容部を備え、当該開口が開いた状態で当該収容部の内部に収容されている物品に取り付けられたRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置であって、
電波吸収層および/または電波反射層を含む底面部と、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する正面アンテナと、
電波吸収層および/または電波反射層を含み、前記正面アンテナが内面に設置されている正面部と、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する側面アンテナと、
一端が前記正面部の一端に固着されている第1の側面部であって、電波吸収層および/または電波反射層を含み、前記側面アンテナが内面に設置されており、前記正面部の上端と前記正面アンテナの上縁より上端が高い当該第1の側面部と、
前記正面部に対向しており、一端が前記第1の側面部の他端に固着されている背面部であって、電波吸収層を含み、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端前記正面アンテナの上縁と前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該背面部と、
前記正面部と前記背面部との間に位置する第3の収容制限部であって、前記正面アンテナから放射された電波が上下左右に広がりながら伝搬する前記正面部と当該第3の収容制限部の間の空間と、前記物品を収容可能な収容空間である当該第3の収容制限部と前記背面部の間の空間とに当該収容部の内部を分ける当該第3の収容制限部と、
前記第1の側面部に対向しており、一端が前記背面部の他端に固着されており、他端が前記正面部よりも正面側に所定の長さ張り出しており、当該一端と当該他端との間に前記正面部の他端が固着されている第2の側面部であって、電波吸収層を含んでおり、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端と前記正面アンテナの上縁と前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該第2の側面部と、
を備え、
前記背面部の上端と前記第1の側面部の上端と前記第2の側面部の上端とが前記正面アンテナの上縁より高いことにより、前記正面アンテナから放射されて前記開口から前記収容部の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、前記収容部の内部にあるRFタグの情報を取得することが可能となり、
前記背面部の上端と前記第2の側面部の上端が前記側面アンテナの上縁より高いこと、前記第2の側面部の他端が前記正面部よりも正面側に所定の長さ張り出していること、および前記側面アンテナから放射された電波が前記正面部と前記第3の収容制限部の間の空間を伝搬する間に減衰することにより、前記側面アンテナから放射されて前記開口から前記収容部の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、前記収容部の内部にあるRFタグの情報を取得することが可能となる、
RFタグ読取装置。
【請求項5】
パッシブ型のRFタグが取り付けられた物品を出し入れ可能な開口を上部に有する収容部を備え、当該開口が開いた状態で当該収容部の内部に収容されている物品に取り付けられたRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置であって、
電波吸収層および/または電波反射層を含む底面部と、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する正面アンテナと、
電波吸収層および/または電波反射層を含み、前記正面アンテナが内面に設置されている正面部と、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する側面アンテナと、
一端が前記正面部の一端に固着されている第1の側面部であって、電波吸収層および/または電波反射層を含み、前記側面アンテナが内面に設置されており、前記正面部の上端と前記正面アンテナの上縁より上端が高い当該第1の側面部と、
前記正面部に対向しており、一端が前記第1の側面部の他端に固着されている背面部であって、電波吸収層を含み、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端前記正面アンテナの上縁と前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該背面部と、
前記正面部と前記背面部との間に位置する第3の収容制限部であって、前記正面アンテナから放射された電波が上下左右に広がりながら伝搬する前記正面部と当該第3の収容制限部の間の空間と、前記物品を収容可能な収容空間である当該第3の収容制限部と前記背面部の間の空間とに当該収容部の内部を分ける当該第3の収容制限部と、
前記第1の側面部に対向しており、前記背面部の他端と前記正面部の他端とにそれぞれ一端と他端とが固着されている第2の側面部であって、電波吸収層を含み、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端と前記正面アンテナの上縁と前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該第2の側面部と、
を備え、
前記背面部の上端と前記第1の側面部の上端と前記第2の側面部の上端とが前記正面アンテナの上縁より高いことにより、前記正面アンテナから放射されて前記開口から前記収容部の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、前記収容部の内部にあるRFタグの情報を取得することが可能となり、
前記背面部の上端と前記第2の側面部の上端が前記側面アンテナの上縁より高いこと、および前記側面アンテナから放射された電波が前記正面部と前記第3の収容制限部の間の空間を伝搬する間に減衰することにより、前記側面アンテナから放射されて前記開口から前記収容部の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、前記収容部の内部にあるRFタグの情報を取得することが可能となる、
RFタグ読取装置。
【請求項6】
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に位置する第1の収容制限部であって、前記側面アンテナから放射された電波が上下左右に広がりながら伝搬する前記第1の側面部と当該第1の収容制限部の間の空間と、前記収容空間である当該第1の収容制限部と前記第2の側面部の間の空間とに当該収容部の内部を分ける当該第1の収容制限部を備える請求項4または5に記載のRFタグ読取装置。
【請求項7】
前記開口が、前記物品が入った買物カゴを出し入れ可能であり、
前記収容空間が、前記買物カゴの一部または全部を収容可能である、
請求項3ないし5のいずれか1項に記載のRFタグ読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッシブ型のRF(Radio Frequency)タグから情報を読み取るRFタグ読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物品に付されたRFタグから情報を読み取る据置式の読取装置が記載されている。この読取装置は、アンテナとシールド部を備える。アンテナは、シールド部の内部に収容されており、RFタグと交信するための電波を放射する。シールド部は、物品を囲み、その物品よりも広い開口が上向きに形成されている。そして、この読取装置は、シールド部が上向きに開口した状態で、RFタグから情報を読み取る。
特許文献1に記載の読取装置において、アンテナから放射される電波は読取装置の外部では上方にのみ放射される。シールド部によって電波は読取装置の周囲に広がることが抑制され、他の機器に対する電波の影響を低減させることができる。また、シールド部によって読取装置の周囲にある他の機器からの電波が読取装置の内部に進入することも抑制され、電波の干渉に起因する読取精度の低下を低減させることができる。
【0003】
しかし、電波には反射と回折という性質がある。特許文献1に記載の読取装置は、天井における電波の反射や開口の周縁における電波の回折によって、アンテナとRFタグの交信範囲が読取装置の周囲にまで広がる。このため、この読取装置は、その周囲にあるRFタグの情報を誤読してしまうおそれがある。
また、アンテナに対するRFタグの向きによってはRFタグが受信する電波の強度が弱まる。更に、シールド内に複数のRFタグが存在する場合にそれら相互の位置関係によってはRFタグが受信する電波の強度が弱まる現象も知られている。
【0004】
従って、特許文献1に記載の読取装置は、アンテナから放射される電波を強めると、天井で反射した電波や開口の周縁で回折した電波等によってシールド外のRFタグが動作し、シールド外のRFタグから情報を読み出すおそれがある。一方、アンテナから放射される電波を弱めると、シールド内のRFタグから情報を読み落とすおそれがある。
【0005】
これらの点に鑑みて本願発明の発明者は、特許文献2に記載の発明について特許を取得した。
特許文献2に記載のRFタグ読取装置は、特許文献1に記載の読取装置と同様に、収容部(特許文献1に記載の読取装置におけるシールド部に相当)の上部に開口を有する。そして、底部アンテナを収容部の底部に備え、側部アンテナを収容部における正面側の側板に備える。底部アンテナと側部アンテナは、それぞれRFタグと交信するための電波を放射する。収容部の内部(側部と底部)は電波吸収層で覆われている。正面側の側板を除く側板は、側部アンテナから放射されて開口から収容部外部の背面側に漏れる電波の強度が十分に小さくなる高さである。
そして、このRFタグ読取装置は、正面側の側板の上端が他の側板の上端より低い。このため、正面側から物品や買物カゴを容易に出し入れすることができる。
【0006】
特許文献2に記載のRFタグ読取装置では、底部アンテナから放射されて天井で反射した電波や開口の周縁で回折した電波がRFタグ読取装置の周囲にあるRFタグに到達するときにはその電波は減衰している。また、側部アンテナから放射されて開口から収容部外部の背面側に漏れる電波は弱い。
このRFタグ読取装置は、例えば、底面に設置された底部アンテナから放射された電波を受信したRFタグから送信される応答電波から取得されたRSSI(Received Signal Strength Indicator,受信電波強度インジケーター)または応答電波の強度が小さく、かつ正面側に設置された側部アンテナから放射された電波を受信したRFタグから送信された応答電波から取得されたRSSIまたは応答電波の強度が小さい場合に、そのRFタグは収容部の外部にあると判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-190255号公報
【文献】特許第7280583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載のRFタグ読取装置における収容部は、正面側の側板の上端が他の側板の上端より低い。このため、このRFタグ読取装置は、収容部の右側面と左側面にRFタグと交信するためのアンテナを設置すると、正面側の側板を超えて開口から収容部の外部に強い電波が漏れ、収容部の外部にあるRFタグから情報を誤って読み出すおそれがある。このため、このRFタグ読取装置は、収容部の右側面と左側面にアンテナを設置することができない。
【0009】
本発明の目的は、収容部の上部に開口を有し、開口が開いた状態で収容部の内部にあるパッシブ型のRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置であって、収容部の側面にRFタグと交信するためのアンテナを設置することができるRFタグ読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のRFタグ読取装置は、
パッシブ型のRFタグが取り付けられた物品を出し入れ可能な開口を上部に有する収容部を備え、当該開口が開いた状態で当該収容部の内部に収容されている物品に取り付けられたRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置であって、
前記収容部が、
電波吸収層および/または電波反射層を含む底面部と、
電波吸収層および/または電波反射層を含む正面部と、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する側面アンテナと、
一端が前記正面部の一端に固着されている第1の側面部であって、前記側面アンテナが内面に設置されている当該第1の側面部と、
前記正面部に対向しており、一端が前記第1の側面部の他端に固着されている背面部であって、電波吸収層および/または電波反射層を含んでおり、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端および前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該背面部と、
前記第1の側面部に対向しており、一端が前記背面部の他端に固着されており、他端が前記正面部よりも正面側に所定の長さ張り出しており、当該一端と当該他端との間に前記正面部の他端が固着されている第2の側面部であって、電波吸収層を含んでおり、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端および前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該第2の側面部と、
を備え、
前記背面部の上端と前記第2の側面部の上端が前記側面アンテナの上縁より高いこと、および前記第2の側面部の他端が前記正面部よりも正面側に所定の長さ張り出していることにより、前記側面アンテナから放射されて前記開口から前記収容部の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、前記収容部の内部にあるRFタグの情報を取得することが可能となる。
【0011】
好ましくは、本発明のRFタグ読取装置は、
前記底面部の上面に、前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する底面アンテナが設置されており、
前記第1の側面部が、電波吸収層および/または電波反射層を含む。
【0012】
好ましくは、本発明のRFタグ読取装置は、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に位置する第1の収容制限部であって、前記側面アンテナから放射された電波が上下左右に広がりながら伝搬する前記第1の側面部と当該第1の収容制限部の間の空間と、前記物品を収容可能な収容空間である当該第1の収容制限部と前記第2の側面部の間の空間とに当該収容部の内部を分ける当該第1の収容制限部と、
前記底面部の上方に位置する第2の収容制限部であって、前記底面アンテナから放射された電波が広がりながら伝搬する前記底面部と当該第2の収容制限部の間の空間と、前記収容空間である当該第2の収容制限部の上の空間とに当該収容部の内部を分ける当該第2の収容制限部と、
を備える。
【0013】
また、本発明のRFタグ読取装置は、
パッシブ型のRFタグが取り付けられた物品を出し入れ可能な開口を上部に有する収容部を備え、当該開口が開いた状態で当該収容部の内部に収容されている物品に取り付けられたRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置であって、
電波吸収層および/または電波反射層を含む底面部と、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する正面アンテナと、
電波吸収層および/または電波反射層を含み、前記正面アンテナが内面に設置されている正面部と、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する側面アンテナと、
一端が前記正面部の一端に固着されている第1の側面部であって、電波吸収層および/または電波反射層を含み、前記側面アンテナが内面に設置されており、前記正面部の上端と前記正面アンテナの上縁より上端が高い当該第1の側面部と、
前記正面部に対向しており、一端が前記第1の側面部の他端に固着されている背面部であって、電波吸収層を含み、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端前記正面アンテナの上縁と前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該背面部と、
前記正面部と前記背面部との間に位置する第3の収容制限部であって、前記正面アンテナから放射された電波が上下左右に広がりながら伝搬する前記正面部と当該第3の収容制限部の間の空間と、前記物品を収容可能な収容空間である当該第3の収容制限部と前記背面部の間の空間とに当該収容部の内部を分ける当該第3の収容制限部と、
前記第1の側面部に対向しており、一端が前記背面部の他端に固着されており、他端が前記正面部よりも正面側に所定の長さ張り出しており、当該一端と当該他端との間に前記正面部の他端が固着されている第2の側面部であって、電波吸収層を含んでおり、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端と前記正面アンテナの上縁と前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該第2の側面部と、
を備え、
前記背面部の上端と前記第1の側面部の上端と前記第2の側面部の上端とが前記正面アンテナの上縁より高いことにより、前記正面アンテナから放射されて前記開口から前記収容部の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、前記収容部の内部にあるRFタグの情報を取得することが可能となり、
前記背面部の上端と前記第2の側面部の上端が前記側面アンテナの上縁より高いこと、前記第2の側面部の他端が前記正面部よりも正面側に所定の長さ張り出していること、および前記側面アンテナから放射された電波が前記正面部と前記第3の収容制限部の間の空間を伝搬する間に減衰することにより、前記側面アンテナから放射されて前記開口から前記収容部の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、前記収容部の内部にあるRFタグの情報を取得することが可能となる。
【0014】
また、本発明のRFタグ読取装置は、
パッシブ型のRFタグが取り付けられた物品を出し入れ可能な開口を上部に有する収容部を備え、当該開口が開いた状態で当該収容部の内部に収容されている物品に取り付けられたRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置であって、
電波吸収層および/または電波反射層を含む底面部と、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する正面アンテナと、
電波吸収層および/または電波反射層を含み、前記正面アンテナが内面に設置されている正面部と、
前記RFタグと交信するための電波を放射するとともに前記RFタグから送信される応答電波を受信する側面アンテナと、
一端が前記正面部の一端に固着されている第1の側面部であって、電波吸収層および/または電波反射層を含み、前記側面アンテナが内面に設置されており、前記正面部の上端と前記正面アンテナの上縁より上端が高い当該第1の側面部と、
前記正面部に対向しており、一端が前記第1の側面部の他端に固着されている背面部であって、電波吸収層を含み、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端前記正面アンテナの上縁と前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該背面部と、
前記正面部と前記背面部との間に位置する第3の収容制限部であって、前記正面アンテナから放射された電波が上下左右に広がりながら伝搬する前記正面部と当該第3の収容制限部の間の空間と、前記物品を収容可能な収容空間である当該第3の収容制限部と前記背面部の間の空間とに当該収容部の内部を分ける当該第3の収容制限部と、
前記第1の側面部に対向しており、前記背面部の他端と前記正面部の他端とにそれぞれ一端と他端とが固着されている第2の側面部であって、電波吸収層を含み、アンテナが設置されておらず、前記正面部の上端と前記正面アンテナの上縁と前記側面アンテナの上縁より上端が高い当該第2の側面部と、
を備え、
前記背面部の上端と前記第1の側面部の上端と前記第2の側面部の上端とが前記正面アンテナの上縁より高いことにより、前記正面アンテナから放射されて前記開口から前記収容部の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、前記収容部の内部にあるRFタグの情報を取得することが可能となり、
前記背面部の上端と前記第2の側面部の上端が前記側面アンテナの上縁より高いこと、前記第2の側面部の他端が前記正面部よりも正面側に所定の長さ張り出していること、および前記側面アンテナから放射された電波が前記正面部と前記第3の収容制限部の間の空間を伝搬する間に減衰することにより、前記側面アンテナから放射されて前記開口から前記収容部の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、前記収容部の内部にあるRFタグの情報を取得することが可能となる。
【0015】
好ましくは、本発明のRFタグ読取装置は、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に位置する第1の収容制限部であって、前記側面アンテナから放射された電波が上下左右に広がりながら伝搬する前記第1の側面部と当該第1の収容制限部の間の空間と、前記収容空間である当該第1の収容制限部と前記第2の側面部の間の空間とに当該収容部の内部を分ける当該第1の収容制限部を備える。
【0016】
好ましくは、本発明のRFタグ読取装置は、
前記開口が、前記物品が入った買物カゴを出し入れ可能であり、
前記収容空間が、前記買物カゴの一部または全部を収容可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、収容部の上部に開口を有し、開口が開いた状態で収容部の内部にあるパッシブ型のRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置において、収容部の側面にRFタグと交信するためのアンテナを設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係るRFタグ読取装置の一例の斜視図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1のB-B線断面図である。
図4図1のRFタグ読取装置における収容部の一例の上面図である。
図5図1のRFタグ読取装置を背面側から見た図である。
図6図1のRFタグ読取装置を右側から見た図である。
図7図1のRFタグ読取装置において、側面アンテナから放射される電波の一例を示す図である。
図8図1のRFタグ読取装置において、側面アンテナから放射されて右側面部に到達する電波をRFタグ読取装置の右側から見た場合の一例を示す図である。
図9】右側面部が電波反射層を含む、図1のRFタグ読取装置の比較例であるRFタグ読取装置を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係るRFタグ読取装置の一例の縦断面図である。図10は、図1のB-B線断面図に相当する。
図11】本発明の第3の実施形態に係るRFタグ読取装置の一例の斜視図である。
図12図11のC-C線断面図である。
図13図11のD-D線断面図である。
図14図11のRFタグ読取装置における収容部の一例の上面図である。
図15図11のRFタグ読取装置を背面側から見た図である。
図16図11のRFタグ読取装置において、正面アンテナから放射される電波の一例 を示す図である。
図17図11のRFタグ読取装置において、側面アンテナから放射される電波の一例を示す図である。
図18図11のRFタグ読取装置において、側面アンテナから放射されて右側面部に到達する電波をRFタグ読取装置の右側から見た場合の一例を示す図である。
図19】第3の実施形態に係るRFタグ読取装置による効果の一例を説明するための図である。
図20】背面部が電波反射層を含む、図11のRFタグ読取装置の比較例であるRFタグ読取装置を示す図である。
図21】本発明の第4の実施形態に係るRFタグ読取装置の一例の縦断面図である。図21は、図11のC-C線断面図に相当する。
図22】本発明の第5の実施形態に係るRFタグ読取装置の一例の斜視図である。
図23図22のE-E線断面図である。
図24図22のF-F線断面図である。
図25図22のRFタグ読取装置における収容部の一例の上面図である。
図26図22のRFタグ読取装置において、側面アンテナから放射されて右側面部に到達する電波をRFタグ読取装置の右側から見た場合の一例を示す図である。
図27】本発明の第6の実施形態に係るRFタグ読取装置の一例の縦断面図である。図27は、図22のE-E線断面図に相当する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係るRFタグ読取装置について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るRFタグ読取装置1の一例の斜視図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図3は、図1のB-B線断面図である。図4は、図1のRFタグ読取装置1における収容部100の一例の上面図である。
RFタグ読取装置1は、収容部100と、制御部200とを有する。収容部100の上部には開口110がある。
【0021】
RFタグ読取装置1の収容部100の開口110は、RFタグ301が取り付けられた物品300を出し入れ可能である。収容部100の内部の収容空間は物品300を収容可能である。なお、収容空間については後述する。
【0022】
また、開口110は、物品300が内部に入った買物カゴ400を出し入れ可能である。収容部100の内部の収容空間は買物カゴ400の一部または全部を収容可能である。
例えば、RFタグ読取装置1がセルフレジに組み込まれて店舗において使用される場合、RFタグ301が取り付けられた物品300は、店舗内の棚やテーブルに陳列されている。顧客は気に入った物品300を選択して買物カゴ400に入れる。そして、顧客は、買物カゴ400の一部または全部を開口110から収容空間に入れる。
【0023】
物品300は、例えば、書籍、衣料品、食料品等の商品である。商品は箱詰めされていてもよい。物品300は、電波を透過させやすい物が望ましい。例えば、物品300は、金属や水分を含まない物が望ましい。
RFタグ301は、例えば、生産、中間物流、販売を含むサプライチェーン全体において複数の物品300を一括管理するために使用される。RFタグ301は、例えば、工場における商品の在庫管理(検品や棚卸)、中間物流における商品の検品や棚卸、店舗におけるセルフレジ等で使用される。
【0024】
RFタグ301は、例えば、物品300を一意に識別できるように定められた固有のタグID(IDentifier)を記憶している。RFタグ読取装置1は、RFタグ301が取り付けられた物品300が収容部100の内部に収容されているときに、RFタグ301からタグIDを含む情報を読み取る。RFタグ301は、パッシブ型の周知のRFタグである。RFタグ読取装置1は、例えば、周波数860~960MHzのUHF帯の電波でRFタグ301と交信する。
【0025】
図1図4に示すように、収容部100は、底面部120と、正面部121と、左側面部122と、背面部123と、右側面部124と、載置板150と、側面収容制限板151と、底面アンテナ160と、側面アンテナ161とを有する。
底面部120は、収容部100の底部を構成する。底面部120は、例えば方形である。底面部120は、平板130と電波遮蔽層140とを含む。電波遮蔽層140は、例えば、平板130の上面を覆っている。
ここで、電波遮蔽層は、電波吸収層または電波反射層である。電波遮蔽層は、電波吸収層と電波反射層の両方を含んでいても良い。電波吸収層は、電波を吸収する。電波吸収層は、例えば、電波吸収シートで構成される。電波吸収シートは、例えばゴム材に磁性金属粉が混合された素材から成るシートである。また、電波反射層は電波を反射する。電波反射層は、例えば、金属で構成される。
【0026】
収容部100の側部は、正面部121と、左側面部122と、背面部123と、右側面部124とで構成されている。
正面部121は、例えば方形である。正面部121は、底面部120の正面側の縁から底面部120に対して垂直に立設する。正面部121は、平板131と電波遮蔽層141とを含む。電波遮蔽層141は、例えば、平板131の内面を覆っている。正面部121の上端は、背面部123の上端と右側面部124の上端よりも低い。
【0027】
左側面部122の一端と他端は、それぞれ正面部121の一端と背面部123の一端に固着されている。
左側面部122は、下部1221と、中部1222とから成る。下部1221は、底面部120の左側の縁から底面部120に対して垂直に立設する。中部1222は、下部1221の上端から底面部120と平行に右側面部124の方向に延びる。
下部1221と中部1222は、それぞれ平板1321と平板1322を含む。電波遮蔽層142が、例えば、平板1321と平板1322の内面を覆っている。
【0028】
背面部123は、正面部121に対向している。背面部123は、底面部120の背面側の縁から底面部120に対して垂直に立設する。図5に示すように、背面部123は他端寄りの部分と一端寄りの低い部分で構成される。一端寄りの低い部分は左側面部122の他端(すなわち、左側面部122の背面側)の形状に合った形状である。他端寄りの部分は、左側面部122における中部1222の端から右側面部124の上端に向けて徐々に高くなる。背面部123における他端側の上端は、右側面部124の上端と同じ高さである。背面部123の他端は、右側面部124の一端に固着されている。背面部123の上端は、正面部121の上端より高い。ここで、ここで、背面部123の上端とは、低くなっている背面部123の一端寄りの部分を除く他端寄りの部分をいう。
背面部123は、平板133と電波遮蔽層143とを含む。電波遮蔽層143は、例えば、平板133の内面を覆っている。
【0029】
右側面部124は、左側面部122に対向している。図6に、RFタグ読取装置1を右側から見た場合における右側面部124の形状の一例を示す。右側面部124の一端は背面部123の他端に固着されている。右側面部124の他端は、正面部121よりも正面側に所定の長さ張り出しており、右側面部124の一端と他端との間に正面部121の他端が固着されている。図4図6に示すように、右側面部124は、底面部120の右側の縁から底面部120に対して垂直に立設する部分と、正面部121よりも正面側に所定の長さ張り出す部分とを有する。
右側面部124は、平板134と電波吸収層144とを含む。電波吸収層144は、例えば、平板134の内面を覆っている。
右側面部124の上端はその一端から他端まで一定の高さであり、その高さは背面部123における他端側の上端の高さと同じである。従って、右側面部124の上端は正面部121の上端より高い。
【0030】
正面部121の下端と左側面部122の下端と背面部123の下端と右側面部124の下端とは、それぞれ底面部120の各縁に固着されている。
底面部120と正面部121と左側面部122と背面部123と右側面部124とによって、上向きに開口した収容部100が形成される。この開口が上述した開口110である。
【0031】
なお、正面部121に含まれる電波遮蔽層141は、平板131の内面を覆うのではなく、平板131の外面を覆っていてもよいし、2つの平板に挟まれていてもよい。左側面部122と背面部123も同様である。
右側面部124に含まれる電波吸収層144は、平板134の内面を覆うのではなく、平板134の外面を覆っていてもよいし、2つの平板に挟まれていてもよい。ただし、この場合、電波吸収層144の内面側にある平板は電波を透過させる材質でなければならない。
底面部120に含まれる電波遮蔽層140も平板130の上面を覆うのではなく、平板130の下面を覆っていてもよいし、2つの平板に挟まれていてもよい。
左側面部122は本発明の第1の側面部の例であり、右側面部124は本発明の第2の側面部の例である。
【0032】
底面アンテナ160は、底面部120の上面に設置されたアンテナである。底面アンテナ160は、RFタグ301と交信するための電波を上方に向けて放射するとともにRFタグ301から送信される応答電波を受信する。底面アンテナ160は、例えば、平面アンテナやシートアンテナ等である。底面アンテナ160は、例えば、円偏波された電波を放射するか、または水平偏波と垂直偏波を切り替えながら電波を放射する。
なお、応答電波はRFタグ301が底面アンテナ160の電波を受信したときに、RFタグ301が情報を載せて送信する電波である。後述する側面アンテナ161と正面アンテナ162についても同様である。
【0033】
側面アンテナ161は、左側面部122における下部1221の内面(すなわち、左側面部122の内面)に設置されたアンテナである。側面アンテナ161は、RFタグ301と交信するための電波を右側面部124の方向に向けて放射するとともに、RFタグ301から送信される応答電波を受信する。側面アンテナ161は、例えば、平面アンテナやシートアンテナ等である。側面アンテナ161は、例えば、円偏波された電波を放射するか、または水平偏波と垂直偏波を切り替えながら電波を放射する。
右側面部124の上端は、側面アンテナ161の上縁よりも高い。ここで、側面アンテナ161の上縁とは、側面アンテナ161において電波を放射する部分の最も高い位置をいう。
なお、正面部121と背面部123と右側面部124には、RFタグ301と交信するための電波を放射するアンテナは設置されていない。
【0034】
載置板150は、例えば方形の平板である。載置板150は底面部120の上方に位置する。載置板150は、底面部120と所定の間隔だけ離れて、例えば正面部121と左側面部122と背面部123と右側面部124の内面に、底面部120と並行に固着されている。
載置板150の上方の空間であって正面部121と側面収容制限板151と背面部123と右側面部124とに囲まれる空間は、収容空間を形成する。収容空間は物品300および/または買物カゴ400の一部または全部を収容可能な空間である。物品300や買物カゴ400は載置板150の上に載置される。
【0035】
側面収容制限板151は、例えば方形の平板である。側面収容制限板151は、左側面部122と所定の間隔だけ離れて、側面アンテナ161と底面アンテナ160との間に、載置板150の上面から垂直に立設している。側面収容制限板151の上端は、例えば左側面部122における中部1222の右端に固着されている。側面収容制限板151の高さは載置板150の上面と左側面部122における中部1222の右端との間隔と同一である。側面収容制限板151の一端と他端は、例えばそれぞれ正面部121と背面部123に固着されており、側面収容制限板151の幅は正面部121と背面部123の間隔と同一である。
【0036】
載置板150は、底面部120と載置板150の間の空間と、載置板150の上の空間とに収容部100の内部を分ける。ここで、底面部120と載置板150の間の空間は、底面アンテナ160から放射された電波が広がりながら伝搬する空間である。載置板150の上の空間は、収容空間である。
側面収容制限板151は、左側面部122と側面収容制限板151の間の空間と、側面収容制限板151と右側面部124の間の空間とに収容部100の内部を分ける。ここで、左側面部122と側面収容制限板151の間の空間は、側面アンテナ161から放射された電波が上下左右に広がりながら伝搬する空間である。側面収容制限板151と右側面部124の間の空間は、収容空間である。
なお、側面収容制限板151は本発明の第1の収容制限部の例であり、載置板150は本発明の第2の収容制限部の例である。
【0037】
制御部200は、送受信部211と、取得部212と、I/F(インタフェース)213とを有する。
送受信部211は、底面アンテナ160と側面アンテナ161とに、それぞれ、円偏波された電波を放射させるか、または直線偏波を用いる場合には水平偏波と垂直偏波を高速に切り替えながら電波を放射させる。
また、送受信部211は、底面アンテナ160と側面アンテナ161が応答電波を受信したときにその応答電波からタグIDを含む情報を取得する。
送受信部211は、底面アンテナ160と側面アンテナ161にそれぞれ別々のタイミングで電波を放射させてもよいし、底面アンテナ160と側面アンテナ161から放射される電波の相互干渉を無視できる場合には底面アンテナ160と側面アンテナ161から同時に電波を放射させてもよい。
【0038】
RFタグ301は、底面アンテナ160および/または側面アンテナ161から送信される電波を受信することによって、動作するために必要な電力を得る。RFタグ301が受信した電波が所定の強度より小さい場合、RFタグ301は動作せず、応答電波を送信しない。
【0039】
RFタグ読取装置1では、背面部123の上端と右側面部124の上端が側面アンテナ161の上縁より高いことによって、側面アンテナ161から放射され、背面部123の上端と右側面部124の上端を越えて開口110から収容部100の外部に漏れる電波の強度は、収容部100の外部にあるRFタグ301を動作させないレベルに低下する。そして、RFタグ読取装置1では、右側面部124の他端が正面部121よりも正面側に所定の長さ張り出していることによって、側面アンテナ161から放射され、右側面部124の他端から収容部100の外部に漏れる電波の強度(すなわち、開口110から収容部100の外部に漏れる電波の強度)が、収容部100の外部にあるRFタグ301を動作させないレベルに低下する。RFタグ301が動作しなければ、応答電波を送信することもないため、RFタグ読取装置1が収容部100の外部にあるRFタグ301から情報を取得することはない。
このため、RFタグ読取装置1は、側面アンテナ161がRFタグ301からの応答電波を受信したとき、収容部100の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報のみを取得することが可能となる。すなわち、RFタグ読取装置1は、側面アンテナ161から放射されて開口110から収容部100の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、収容部100の内部にあるRFタグ301の情報を取得することが可能となる。
なお、第1の実施形態では、本発明における所定の長さは、右側面部124の他端から収容部100の外部に漏れる電波の強度を、その電波を受信したRFタグ301を動作させないレベルに低下させる長さである。
【0040】
また、送受信部211は、天井で反射した電波と開口110の周縁で回折した電波等によって収容部100の外部にあるRFタグ301が動作しない強度の電波を、底面アンテナ160に放射させる。このため、RFタグ読取装置1は、底面アンテナ160が応答電波を受信したとき、収容部100の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報のみを取得することが可能となる。
【0041】
取得部212は、底面アンテナ160と側面アンテナ161がそれぞれ受信した応答電波から取得されたRFタグ301の情報に含まれるタグIDに基づいて各RFタグ301を識別し、RFタグ301毎の情報を取得する。
I/F213は、取得部212によって識別された各RFタグ301の情報を外部の装置(会計装置等)に送信したり、外部の装置からRFタグ読取装置1に対する操作の指示を受信したりする。
【0042】
図7は、図1のRFタグ読取装置1において、側面アンテナ161から放射される電波の一例を示す。側面アンテナ161は、右上がりで斜めの破線で示す範囲の電波を受信したRFタグ301から送信される応答電波を受信する。
側面アンテナ161から放射された電波は背面部123の上端と右側面部124の上端を越えて開口110から収容部100の外部に漏れる場合がある。しかし、背面部123の上端と右側面部124の上端は、側面アンテナ161の上縁より高い。これにより、背面部123の上端と右側面部124の上端を超えて開口110から収容部100の外部に漏れる電波の強度は収容部100の内部における電波の強度に比べて低下する。
背面部123の上端と右側面部124の上端は、それらの上端を超えて開口100から収容部100の外部に漏れる電波の強度を、収容部100の外部にあるRFタグ301を動作させないレベルに低下させる高さである。
【0043】
図8は、図1のRFタグ読取装置1において、側面アンテナ161から放射されて右側面部124に到達する電波をRFタグ読取装置1の右側から見た場合の一例を示す。右上がりで斜めの破線の範囲の電波を受信したRFタグ301は動作し、応答電波を送信する。
側面アンテナ161から放射された電波は、右側面部124の他端から収容部100の外部に漏れる(すなわち、開口110から収容部100の外部に漏れる)場合がある。しかし、右側面部124の他端は正面部121よりも正面側に所定の長さ張り出している。これにより、右側面部124の他端から収容部100の外部に漏れる電波の強度は、その電波を受信したRFタグ301を動作させないレベルに低下する。
従って、側面アンテナ161から放射されて開口110から収容部100の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、RFタグ読取装置1は収容部100の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報のみを取得することが可能となる。
【0044】
なお、上述した第1の実施形態では、右側面部124の上端がその一端から他端まで一定の高さであり、上端と他端のなす角度が直角である例を示したが、図8に示す右上がりで斜めの破線の範囲の電波が右側面部124の上端と他端を超えて漏れなければ、右側面部124の上端と他端が接する部分は丸くなっていてもよい。
【0045】
また、上述した第1の実施形態では、RFタグ読取装置1が載置板150と側面収容制限板151を有する例を示したが、載置板150は無くてもよいし、側面収容制限板151は無くてもよい。載置板150と側面収容制限板151が両方とも無い場合には、底面アンテナ160の上方の空間であって正面部121と左側面部122と背面部123と右側面部124とに囲まれる空間が収容空間となる。
【0046】
また、RFタグ読取装置1では、左側面部122は中部1222を有する。仮に中部1222の幅が大きくても、中部1222の上には会計装置等を置くことができる。そして、中部1222の幅が大きいと、側面アンテナ161と側面収容制限板151の間隔が大きくなる。これにより、指向性がより高い側面アンテナ161を使用することが可能となり、右側面部124の他端における正面部121よりも正面側に張り出している部分を短くすることができる。
【0047】
また、仮に、電波遮蔽層140,141,142,143と電波吸収層144が薄いと、底面部120と正面部121と左側面部122と背面部123と右側面部124を通り抜けて収容部100の外部に弱い電波が漏れる可能性がある。しかし、これらの電波の強度が収容部100の外部のRFタグ301を動作させないレベルであれば問題はない。
【0048】
(第1の比較例)
図9は、右側面部124Aが電波反射層144Aを含む、図1のRFタグ読取装置1の比較例であるRFタグ読取装置2を示す。
図9のRFタグ読取装置2は、右側面部124Aが、電波吸収層ではなく、電波反射層144Aを含む点が図1のRFタグ読取装置1と異なる。その他の点では、RFタグ読取装置2の構成はRFタグ読取装置1の構成と同一である。
RFタグ読取装置2における収容部101の側部は、正面部121と、左側面部122と、背面部123と、右側面部124Aとで構成されている、右側面部124Aは、平板134と電波反射層144Aとを含む。電波反射層144Aは、例えば、平板134の内面を覆っている。
【0049】
図9の例では、左側面部122の側で収容部101の近くの外部においてRFタグ301が人等によって保持されており、そのRFタグ301は側面部122の中部1222よりも少し高い位置に存在している。
側面アンテナ161から放射された電波は、電波反射層144Aで反射する。この反射波の強度は大きい場合が有り得る。この反射波が側面部122の中部1222を超えて開口110から外部に漏れたとき、左側面部122側で収容部101の近くの外部にあるRFタグ301がこの反射波により動作する場合がある。この場合、この外部のRFタグ301から送信される応答電波も電波反射層144Aで反射されて側面アンテナ161に届く。このため、取得部212は、RFタグ301が収容部101の外部にあるにも関わらず、RFタグ301の情報を取得する場合があり得る。
【0050】
一方、本実施形態に係るRFタグ読取装置1では、側面アンテナ161から放射された電波は電波吸収層144で吸収される。このため、その電波は図9に示すような位置にあるRFタグ301には届かない。
また、仮に、側面アンテナ161から放射された電波が右側面部124の上端を超えて外部に漏れたとしてもその電波の強度は小さく、収容部100の外部にあるRFタグ301は動作しない。このため、本実施形態に係るRFタグ読取装置1では、取得部212は、収容部100の外部にあるRFタグ301の情報を取得することはない。
【0051】
従って、本実施形態に係るRFタグ読取装置1では、右側面部124は電波吸収層144を含むことが必須である。一方、底面部120と正面部121と左側面部122と背面部123は、電波吸収層ではなく、電波反射層を含んでいてもよい。
ただし、仮に、右側面部124Aに加えて、底面部120と正面部121と左側面部122と背面部123とが電波反射層を含んでいる場合には、側面アンテナ161によって放射された電波(直接波)が底面部120と正面部121と左側面部122と背面部123と右側面部で反射して、直接波と反射波によってマルチパスが生じる可能性がある。マルチパスが生じると、側面アンテナ161から放射された直接波と反射波が干渉し、収容部の内部に電波の強度が小さくなる領域が生じるおそれがある。そして、この領域にRFタグ301があると、RFタグ301が動作せず、取得部212はそのRFタグ301から情報を取得できない場合が有り得る。このため、底面部120と正面部121と左側面部122と背面部123は、電波吸収層を含むことが望ましい。
【0052】
また、仮に、右側面部124Aに加えて、正面部121と左側面部122と背面部123が電波反射層を含んでいる場合、底面アンテナ160から放射された電波が正面部121と左側面部122と背面部123と右側面部124Aで反射して、少し強い電波が開口110から収容部の外部に漏れる場合が有り得る。これは底面アンテナ160の電波出力を小さくすれば解消できる。しかし、この点からも正面部121と左側面部122と背面部123は、電波反射層ではなく、電波吸収層を含んでいることが望ましい。
【0053】
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態に係るRFタグ読取装置3の一例の縦断面図である。図1のB-B線断面図に相当する。
RFタグ読取装置3は、収容部100と、制御部201とを有する。
第2の実施形態に係るRFタグ読取装置3の収容部100の構成は、第1の実施形態に係るRFタグ読取装置1の収容部100の構成と同一である。
第2の実施形態に係るRFタグ読取装置3における底面アンテナ160と側面アンテナ161の電波出力は、第1の実施形態に係るRFタグ読取装置1のものに比べて大きい。第2の実施形態に係るRFタグ読取装置3では、開口110から外部に漏れる電波により、収容部100の外部にあるRFタグ301が動作する場合がある。
【0054】
制御部201は、送受信部214と、判別部215と、取得部216と、I/F(インタフェース)217とを有する。
RFタグ301がRSSIを送信する機能を持つ場合、送受信部214は、底面アンテナ160が応答電波を受信したときにその応答電波からRSSIとタグIDを含む情報とを取得する。この場合、RSSIは、底面アンテナ160から放射されてRFタグ301が受信した電波の強度を示す。
または、送受信部214は、底面アンテナ160が応答電波を受信したときにその応答電波から応答電波の強度とタグIDを含む情報とを取得する。
【0055】
同様に、RFタグ301がRSSIを送信する機能を持つ場合、送受信部214は、側面アンテナ161が応答電波を受信したときにその応答電波からRSSIとタグIDを含む情報とを取得する。この場合、RSSIは、側面アンテナ161から放射されてRFタグ301が受信した電波の強度を示す。
または、送受信部214は、側面アンテナ161が応答電波を受信したときにその応答電波から応答電波の強度とタグIDを含む情報とを取得する。
【0056】
RFタグ301がRSSIを送信する機能を持つ場合、判別部215は、底面アンテナ160が受信した応答電波から取得されたRSSIと、側面アンテナ161が受信した応答電波から取得されたRSSIとに基づいて、これらの各RSSIが取得されたRFタグが収容部100の内部にあるかまたは外部にあるかを判別する。
例えば、判別部215は、底面アンテナ160が受信した応答電波から取得されたRSSIが所定の第1の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部100の内部にあると判別する。また、例えば、判別部215は、側面アンテナ161が受信した応答電波から取得されたRSSIが所定の第2の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部100の内部にあると判別する。
【0057】
ただし、底面アンテナ160から放射された電波は、例えば、天井で反射したり、開口110の周縁で回折したりして、やや強い強度でRFタグ読取装置3の周囲にあるRFタグ301に到達する場合がある。このような環境では、RFタグ301が収容部100の外部にあると判別部215が確実に判別できる値に第1の閾値を設定する。
このとき、底面アンテナ160が受信した応答電波から取得されたRSSIのみに基づくと、RFタグ301が収容部100の内部にあるにも関わらず、RFタグ301は収容部100の外部にあると判別部215が誤って判別する場合が有り得る。しかし、第2の閾値を適切に設定することにより、判別部215は、側面アンテナ161が受信した応答電波から取得されたRSSIに基づいて、RFタグ301が収容部100の内部にあるとほぼ正しく判別することができる。
【0058】
または、判別部215は、底面アンテナ160が受信した応答電波から取得された応答電波の強度と、側面アンテナ161が受信した応答電波から取得された応答電波の強度とに基づいて、これらの応答電波の強度が取得されたRFタグが収容部100の内部にあるかまたは外部にあるかを判別する。
例えば、判別部215は、底面アンテナ160が受信した応答電波から取得された応答電波の強度が所定の第3の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部100の内部にあると判別する。また、例えば、判別部215は、側面アンテナ161が受信した応答電波から取得された応答電波の強度が所定の第4の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部100の内部にあると判別する。
RFタグ読取装置3が使用される環境に応じて第3の閾値と第4の閾値を適切に設定することにより、判別部215は、RFタグ301が収容部100の内部にあるか、または外部にあるかをほぼ正しく判別することができる。
【0059】
取得部216は、底面アンテナ160と側面アンテナ161がそれぞれ受信した応答電波から取得されたRFタグ301の情報に含まれるタグIDに基づいて各RFタグ301を識別し、RFタグ301毎の情報を取得する。
取得部216は、例えば、RFタグ301が収容部100の内部にあると判別部215が判別したときに、そのRFタグ301から読み取られた情報を取得する。これにより、RFタグ読取装置3は収容部100の内部にあるRFタグ301の情報を取得することが可能となる。
I/F217は、取得部216によって取得された情報を外部の装置(会計装置等)に送信したり、外部の装置から操作の指示を受信したりする。
【0060】
なお、取得部216は、収容部100の外部にあると判別部215が判別したRFタグ301の情報も取得し、I/F217は、収容部100の内部にあるRFタグ301であるか、外部にあるRFタグ301であるかを示す情報とともに、RFタグ301の情報を外部の装置に送信することとしてもよい。
【0061】
第2の実施形態に係る収容部100と第1の実施形態に係る収容部100とは、同一の構成である。このため、以下では、図7図8を参照して第2の実施形態に係るRFタグ読取装置3の動作を説明する。
【0062】
図7に示す右上がりで斜めの破線で示す範囲の電波を受信したRFタグ301から送信された応答電波を側面アンテナ161が受信したときに、判別部215はそのRFタグ301が内部にあると判別する。
側面アンテナ161から放射された電波は背面部123の上端と右側面部124の上端を越えて開口110から収容部100の外部に漏れる。しかし、背面部123の上端と右側面部124の上端は、側面アンテナ161の上縁より高い。これにより、開口110から収容部100の外部に漏れる電波の強度は収容部100の内部における電波の強度に比べて低下する。
背面部123の上端と右側面部124の上端は、それらの上端を超えて開口110から収容部100の外部に漏れる電波の強度を、その電波によって動作したRFタグ301から送信される応答電波を側面アンテナ161が受信したときにRFタグ301が外部にあると判別部215が判別可能であるレベルに低下させる高さである。
【0063】
また、図8に示す右上がりで斜めの破線の範囲の電波を受信したRFタグ301から送信された応答電波を側面アンテナ161が受信したときに、そのRFタグ301が収容部100の内部にあると判別部215は判別する。
側面アンテナ161から放射された電波は右側面部124の他端から収容部100の外部に漏れる(すなわち、開口110から収容部100の外部に漏れる)。しかし、右側面部124の他端から漏れる電波の強度は収容部100の内部における電波の強度に比べて低下している。
第2の実施形態に係るRFタグ読取装置3では、右側面部124の他端が正面部121よりも正面側に所定の長さ張り出している。これにより、右側面部124の他端から収容部100の外部に漏れる電波の強度は、その電波によって動作したRFタグ301から送信される応答電波を側面アンテナ161が受信したときにそのRFタグ301が外部にあると判別部215が判別可能であるレベルに低下する。
第2の実施形態では、本発明における所定の長さは、右側面部124の他端から収容部100の外部に漏れる電波の強度を、その電波によって動作した収容部100の外部にあるRFタグ301から送信される応答電波を側面アンテナ161が受信したときにそのRFタグ301が外部にあると判別部215が判別するレベルに低下させる長さである。
従って、側面アンテナ161から放射されて開口110から収容部100の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、RFタグ読取装置3は収容部100の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報を取得することが可能となる。
【0064】
なお、仮に、電波遮蔽層140,141,142,143と電波吸収層144が薄いと、底面アンテナ160または側面アンテナ161から放射された電波が底面部120と正面部121と左側面部122と背面部123と右側面部124を通り抜けて収容部100の外部に漏れる可能性がある。しかし、この電波は弱い。このため、これらの電波を受信したことによって収容部100の外部のRFタグ301が応答電波を返したとしても、判別部215は、そのRFタグ301が収容部100の外部にあると判別することができる。
【0065】
(変形例)
上述した第1の実施形態に係るRFタグ読取装置1と第2の実施形態に係るRFタグ読取装置3は、底面アンテナ160と側面アンテナ161を備えている。これらRFタグ読取装置1とRFタグ読取装置3の変形として、底面部120に底面アンテナ160を備えておらず、左側面部122の内面に側面アンテナ161のみが設置されたRFタグ読取装置とすることもできる。これらの変形に係るRFタグ読取装置では、左側面部122は電波吸収層と電波反射層のいずれも含んでいなくてもよい。
【0066】
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態に係るRFタグ読取装置4の一例の斜視図である。図12は、図11のC-C線断面図である。図13は、図11のD-D線断面図である。図14は、図11のRFタグ読取装置4における収容部102の一例の上面図である。
RFタグ読取装置4は、収容部102と、制御部200Aとを有する。
【0067】
図11図14に示すように、収容部102は、底面部120と、正面部121と、左側面部122Aと、背面部123Aと、右側面部124と、載置板150と、側面収容制限板151と、正面収容制限板152と、底面アンテナ160と、側面アンテナ161と、正面アンテナ162とを有する。
第3の実施形態に係る収容部102は、正面収容制限板152と正面アンテナ162を有する点が第1の実施形態に係る収容部100と異なる。これに伴い、収容部102の左側面部122Aと背面部123Aの構成が収容部100の左側面部122と背面部123の構成と異なる。その他の点では、第3の実施形態に係る収容部102は第1の実施形態に係る収容部100と同一である。以下、収容部102と収容部100の異なる点について説明する。
【0068】
左側面部122Aの一端と他端は、それぞれ正面部121の一端と背面部123Aの一端に固着されている。
左側面部122Aは、下部1221と中部1222に加えて、上部1223を有する。上部1223は、中部1222の右側の縁から中部1222(および底面部120)に対して垂直に立設している。
下部1221と中部1222と上部1223は、それぞれ平板1321と平板1322と平板1323とを含む。電波遮蔽層142が、例えば、平板1321と平板1322と平板1323の内面を覆っている。
上部1223の正面部側(すなわち、左側面部122Aの一端)は正面部121の上端と同じ高さである。上部1223は正面部側から背面部側に向けて徐々に高くなっている。上部1223の背面部側(すなわち、左側面部122Aの他端)は背面部123の上端と同じ高さである。従って、左側面部122Aの上端(すなわち、上部1223の上端)は、正面部121の上端より高い。
【0069】
背面部123Aは、正面部121に対向している。背面部123Aは、底面部120の背面側の縁から底面部120に対して垂直に立設する。図15に示すように、背面部123Aの一端は左側面部122Aの他端(すなわち、背面側)の形状に合った形状である。すなわち、背面部123Aは他端寄りの高い部分と一端寄りの低い部分で構成される。背面部123Aの上端は、一定の高さであって、正面部121の上端より高い。ここで、背面部123Aの上端とは、低くなっている背面部123の一端寄りの部分を除く他端寄りの部分をいう。
背面部123Aは、平板133Aと電波吸収層143Aとを含む。電波吸収層143Aは、例えば、平板133の内面を覆っている。
【0070】
右側面部124は、左側面部122Aに対向している。右側面部124の一端は背面部123Aの他端に固着されている。右側面部124の他端は、正面部121よりも正面側に所定の長さ張り出しており、右側面部124の一端と他端との間に正面部121の他端が固着されている。右側面部124の上端はその一端から他端まで一定の高さであり、その高さは背面部123Aの上端の高さと同じである。従って、右側面部124の上端は正面部121の上端より高い。
【0071】
なお、背面部123Aに含まれる電波吸収層143Aは、平板133Aの内面を覆うのではなく、平板133Aの外面を覆っていてもよいし、2つの平板に挟まれていてもよい。ただし、この場合、電波吸収層143Aの内面側にある平板は電波を透過させる材質でなければならない。
左側面部122Aは本発明の第1の側面部の例であり、右側面部124は本発明の第2の側面部の例である。
【0072】
正面アンテナ162は、正面部121の内面に設置されたアンテナである。正面アンテナ162は、RFタグ301と交信するための電波を背面部123Aの方向(すなわち、背面側)に向けて放射するとともに、RFタグ301から送信される応答電波を受信する。正面アンテナ162は、例えば、平面アンテナやシートアンテナ等である。正面アンテナ162は、例えば、円偏波された電波を放射するか、または水平偏波と垂直偏波を切り替えながら電波を放射する。
正面アンテナ162の上縁と正面部121の上端とは、例えば、同じ高さである。ここで、正面アンテナ162の上縁とは、正面アンテナ162において電波を放射する部分の最も高い位置をいう。
背面部123Aと右側面部124には、RFタグ301と交信するための電波を放射するアンテナは設置されていない。
【0073】
正面収容制限板152は、例えば方形の平板である。正面収容制限板152は、正面部121と所定の間隔だけ離れて、正面アンテナ162と底面アンテナ160との間に、載置板150の上面から垂直に立設している。正面収容制限板152の一端と他端は例えばそれぞれ側面収容制限板151と右側面部124に固着されており、正面収容制限板152の幅は側面収容制限板151と右側面部124の間隔と同一である。
【0074】
正面収容制限板152は、正面部121と背面部123Aとの間に位置しており、正面部121と所定の間隔をあけて配置されている。正面収容制限板152は、正面部121と正面収容制限板152の間の空間と、正面収容制限板152と背面部123Aの間の空間とに収容部102の内部を分ける。ここで、正面部121と正面収容制限板152の間の空間は、正面アンテナ162から放射された電波が上下左右に広がりながら伝搬する空間である。正面収容制限板152と背面部123Aの間の空間は、収容空間である。収容空間は物品300および/または買物カゴ400の一部または全部を収容可能な空間である。
側面収容制限板151は本発明の第1の収容制限部の例であり、載置板150は本発明の第2の収容制限部の例であり、正面収容制限板152は本発明の第3の収容制限部の例である。
【0075】
第3の実施形態に係るRFタグ読取装置4の制御部200Aは、正面アンテナ162を制御する点が第1の実施形態に係るRFタグ読取装置1の制御部200と異なる。
制御部200Aは、送受信部211Aと、取得部212Aと、I/F(インタフェース)213Aとを有する。
送受信部211Aは、底面アンテナ160と側面アンテナ161に加えて、正面アンテナ162を制御する。送受信部211Aは、底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162に、それぞれ、例えば、円偏波された電波を放射させるか、または直線偏波を用いる場合には水平偏波と垂直偏波を高速に切り替えながら電波を放射させる。
また、送受信部211Aは、底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162とが応答電波を受信したときにその応答電波からタグIDを含む情報を取得する。
送受信部211Aは、底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162にそれぞれ別々のタイミングで電波を放射させてもよいし、底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162から放射される電波の相互干渉を無視できる場合には底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162から同時に電波を放射させてもよい。
【0076】
RFタグ301は、底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162の1つ以上から送信される電波を受信することによって、動作するために必要な電力を得る。RFタグ301が受信した電波が所定の強度より小さい場合、RFタグ301は動作せず、応答電波を送信しない。
RFタグ読取装置4では、背面部123Aの上端と右側面部124の上端が側面アンテナ161の上縁より高いことによって、側面アンテナ161から放射され、背面部123Aの上端と右側面部124の上端を越えて開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度は、収容部102の外部にあるRFタグ301を動作させないレベルに低下する。そして、RFタグ読取装置4では、右側面部124の他端が正面部121よりも正面側に所定の長さ張り出していること、および側面アンテナ161から放射された電波が正面部121と正面収容制限板152の間の空間を伝搬する間に減衰することによって、側面アンテナ161から放射され、右側面部124の他端から収容部102の外部に漏れる電波の強度(すなわち、開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度)が、収容部102の外部にあるRFタグ301を動作させないレベルに低下する。RFタグ301が動作しなければ、応答電波を送信することもないため、RFタグ読取装置4が収容部102の外部にあるRFタグ301から情報を取得することはない。
このため、RFタグ読取装置4は、側面アンテナ161がRFタグ301からの応答電波を受信したとき、収容部102の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報のみを取得することが可能となる。
なお、第3の実施形態では、本発明における所定の長さと所定の間隔は、右側面部124の他端から収容部102の外部に漏れる電波の強度を、その電波を受信したRFタグ301を動作させないレベルに低下させる長さと間隔である。
【0077】
また、送受信部211Aは、天井で反射した電波と開口110の周縁で回折した電波によって収容部102の外部にあるRFタグ301が動作しない強度の電波を、底面アンテナ160に放射させる。このため、RFタグ読取装置4は、底面アンテナ160が応答電波を受信したとき、収容部102の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報のみを取得することが可能となる。
また、背面部123Aの上端と左側面部122Aの上端と右側面部124の上端が正面アンテナ162の上縁より高いことによって、正面アンテナ162から放射され、背面部123Aの上端と左側面部122Aの上端と右側面部124の上端を越えて開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度は、収容部102の外部にあるRFタグを動作させないレベルに低下する。このため、RFタグ読取装置4は、正面アンテナ162が応答電波を受信したとき、収容部102の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報のみを取得することが可能となる。
【0078】
取得部212Aは、底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162がそれぞれ受信した応答電波から取得されたRFタグ301の情報に含まれるタグIDに基づいて各RFタグ301を識別し、RFタグ301毎の情報を取得する。
I/F213Aは、取得部212Aによって識別された各RFタグ301の情報を外部の装置(会計装置等)に送信したり、外部の装置からRFタグ読取装置4に対する操作の指示を受信したりする。
【0079】
図16は、図11のRFタグ読取装置4において、正面アンテナ162から放射される電波の一例を示す。正面アンテナ162は、右上がりで斜めの破線で示す範囲の電波を受信したRFタグ301から送信される応答電波を受信する。
正面アンテナ162から放射された電波は左側面部122Aの上端と背面部123Aの上端と右側面部124の上端を越えて開口110から収容部102の外部に漏れる場合がある。しかし、左側面部122Aの上端と背面部123Aの上端と右側面部124の上端は、正面アンテナ162の上縁より高い。これにより、収容部102の外部に漏れる電波の強度は収容部102の内部における電波の強度に比べて低下する。
左側面部122Aの上端と背面部123Aの上端と右側面部124の上端は、それらの上端を超えて収容部102の外部に漏れる電波の強度を、収容部102の外部にあるRFタグ301を動作させないレベルに低下させる高さである。
従って、正面アンテナ162から放射されて開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、RFタグ読取装置4は収容部102の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報のみを取得することが可能となる。
【0080】
図17は、図11のRFタグ読取装置4において、側面アンテナ161から放射される電波の一例を示す。側面アンテナ161は、右上がりで斜めの破線で示す範囲の電波を受信したRFタグ301から送信される応答電波を受信する。
側面アンテナ161から放射された電波は背面部123Aの上端と右側面部124の上端を越えて開口110から収容部102の外部に漏れる場合がある。しかし、背面部123Aの上端と右側面部124の上端は、側面アンテナ161の上縁より高い。これにより、背面部123Aの上端と右側面部124の上端を超えて開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度は収容部102の内部における電波の強度に比べて低下する。
背面部123Aの上端と右側面部124の上端は、それらの上端を超えて開口100から収容部102の外部に漏れる電波の強度を、収容部102の外部にあるRFタグ301を動作させないレベルに低下させる高さである。
【0081】
図18は、図11のRFタグ読取装置4において、側面アンテナ161から放射されて右側面部124に到達する電波をRFタグ読取装置4の右側から見た場合の一例を示す。右上がりで斜めの破線の範囲の電波を受信したRFタグ301は動作し、応答電波を送信する。
側面アンテナ161から放射された電波は、右側面部124の他端から収容部102の外部に漏れる(すなわち、開口110から収容部102の外部に漏れる)場合がある。しかし、右側面部124の他端は正面部121よりも正面側に所定の長さ張り出している。更に、側面アンテナ161から放射された電波は正面部121と正面収容制限板152の間の空間を伝搬する間に減衰する。これらにより、右側面部124の他端から収容部102の外部に漏れる電波の強度は、その電波を受信したRFタグ301を動作させないレベルに低下する。
従って、側面アンテナ161から放射されて開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、RFタグ読取装置4は収容部102の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報のみを取得することが可能となる。
【0082】
なお、上述した第3の実施形態では、RFタグ読取装置4が載置板150と側面収容制限板151と正面収容制限板152とを有する例を示したが、載置板150は無くてもよいし、側面収容制限板151は無くてもよいし、正面収容制限板152は無くてもよい。載置板150と側面収容制限板151と正面収容制限板152とが全て無い場合には、底面アンテナ160の上方の空間であって正面部121と左側面部122Aと背面部123Aと右側面部124とに囲まれる空間が収容空間となる。
【0083】
また、仮に、電波遮蔽層140,141,142と電波吸収層143A,144が薄いと、 底面部120と正面部121と左側面部122Aと背面部123Aと右側面部124を通り抜けて収容部102の外部に弱い電波が漏れる可能性がある。しかし、これらの電波の強度が収容部102の外部のRFタグ301を動作させないレベルであれば問題はない。
【0084】
図19は、第3の実施形態に係るRFタグ読取装置4による効果の一例を説明するための図である。
図19の例では、収容部102の内部に6個のRFタグ301が存在する。各RFタグ301は底部アンテナ160と平行であって上下に重なっており、かつ、それらの長手方向は正面アンテナ162に向いている。
この場合、上側に位置する各RFタグ301ほど底面アンテナ160から放射される電波を受信しにくくなる。そして、各RFタグ301は正面アンテナ162から放射される電波も受信しにくい。
しかし、各RFタグ301は側面アンテナ161から放射される電波を受信し、側面アンテナ161に応答電波を送信する。このため、取得部212Aは、6個のRFタグ301の情報を取得すことができる。
複数のRFタグ301が底部アンテナ160と平行であって上下に重なっており、かつ、それらの長手方向が側面アンテナ161または正面アンテナ162に向いているという状況は、例えば、衣類のように薄い商品にRFタグ301が取り付けられている場合に起こる可能性がある。第3の実施形態に係るRFタグ読取装置4によれば、互いに垂直な3方向からアンテナの電波を収容部102の中のRFタグ301に放射する。このため、収容部102の中にあるRFタグ301の情報を読み落とす可能性が低い。
【0085】
(第2の比較例)
図20は、背面部123Bが電波反射層143Bを含む、図11のRFタグ読取装置4の比較例であるRFタグ読取装置5を示す。
図20のRFタグ読取装置5は、背面部123Bが、電波吸収層ではなく、電波反射層143Bを含む点が図11のRFタグ読取装置4と異なる。その他の点では、RFタグ読取装置5の構成はRFタグ読取装置4の構成と同一である。
RFタグ読取装置5における収容部103の側部は、正面部121と、左側面部122Aと、背面部123Bと、右側面部124とで構成されている、背面部123Bは、平板133Aと電波反射層143Bとを含む。電波反射層143Bは、例えば、平板134の内面を覆っている。
【0086】
図20の例では、正面部121側で収容部103の近くの外部においてRFタグ301が人等によって保持されており、そのRFタグ301は正面部121よりも少し高い位置に存在している。
正面アンテナ162から放射された電波は、電波反射層143Bで反射する。この反射波の強度は大きい場合が有り得る。この反射波が正面部121を超えて開口110から外部に漏れたとき、正面部121側で収容部103の近くの外部にあるRFタグ301がこの反射波により動作する場合がある。この場合、この外部のRFタグ301から送信される応答電波も電波反射層143Bで反射されて正面アンテナ162に届く。このため、取得部212Aは、RFタグ301が収容部103の外部にあるにも関わらず、RFタグ301の情報を取得する場合があり得る。
【0087】
一方、本実施形態に係るRFタグ読取装置4では、正面アンテナ162から放射された電波は電波吸収層143Aで吸収される。このため、その電波は図20に示すような位置にあるRFタグ301には届かない。
仮に、正面アンテナ162から放射された電波が背面部123Aの上端を超えて外部に漏れたとしてもその電波の強度は小さく、収容部102の外部にあるRFタグ301は動作しない。このため、本実施形態に係るRFタグ読取装置4では、取得部212Aは、収容部102の外部にあるRFタグ301の情報を取得することはない。
【0088】
従って、本実施形態に係るRFタグ読取装置4では、背面部123Aと右側面部124はそれぞれ電波吸収層143Aと電波吸収層144を含むことが必須である。一方、底面部120と正面部121と左側面部122Aは、電波吸収層ではなく、電波反射層を含んでいてもよい。
ただし、仮に、背面部123Aと右側面部124に加えて、底面部120と正面部121と左側面部122Aが電波反射層を含んでいる場合には、正面アンテナ162によって放射された電波(直接波)が底面部120と正面部121と左側面部122Aと背面部123Aと右側面部124で反射して、直接波と反射波によってマルチパスが生じる可能性がある。マルチパスが生じると、正面アンテナ162から放射された直接波と反射波が干渉し、収容部の内部に電波の強度が小さくなる領域が生じるおそれがある。そして、この領域にRFタグ301があると、RFタグ301が動作せず、取得部212AはそのRFタグ301から情報を取得できない場合が有り得る。このため、底面部120と正面部121と左側面部122Aは、電波吸収層を含むことが望ましい。
【0089】
また、仮に、背面部123Aと右側面部124に加えて、正面部121と左側面部122Aが電波反射層を含んでいる場合、底面アンテナ160から放射された電波が正面部121と左側面部122Aと背面部123Aと右側面部124で反射して、少し強い電波が開口110から収容部の外部に漏れる場合が有り得る。これは底面アンテナ160の電波出力を小さくすれば解消できる。しかし、この点からも正面部121と左側面部122Aは、電波反射層ではなく、電波吸収層を含んでいることが望ましい。
【0090】
(第4の実施形態)
図21は、本発明の第4の実施形態に係るRFタグ読取装置6の一例の縦断面図である。図21は、図11のC-C線断面図に相当する。
RFタグ読取装置6は、収容部102と、制御部201Aとを有する。
第4の実施形態に係るRFタグ読取装置6の収容部102の構成は、第3の実施形態に係るRFタグ読取装置4の収容部102の構成と同一である。
第4の実施形態に係るRFタグ読取装置6における底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162の電波出力は、第3の実施形態に係るRFタグ読取装置4のものに比べて大きい。第4の実施形態に係るRFタグ読取装置6では、開口110から外部に漏れる電波により、収容部102の外部にあるRFタグ301が動作する場合がある。
【0091】
第4の実施形態に係るRFタグ読取装置6の制御部201Aは、正面アンテナ162を制御する点が第2の実施形態に係るRFタグ読取装置3の制御部201と異なる。底面アンテナ160と側面アンテナ161の制御は、第4の実施形態に係る制御部201Aと第2の実施形態に係る制御部201とで同一である。
以下では、制御部201Aと制御部201の異なる点について説明する。
【0092】
送受信部214Aは、正面アンテナ162に円偏波された電波を放射させるか、または直線偏波を用いる場合には水平偏波と垂直偏波を高速に切り替えながら電波を放射させる。
RFタグ301がRSSIを送信する機能を持つ場合、送受信部214Aは、正面アンテナ162が応答電波を受信したときにその応答電波からRSSIとタグIDを含む情報とを取得する。この場合、RSSIは、正面アンテナ162から放射されてRFタグ301が受信した電波の強度を示す。
または、送受信部214Aは、正面アンテナ162が応答電波を受信したときにその応答電波から応答電波の強度とタグIDを含む情報とを取得する。
【0093】
送受信部214Aは、底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162にそれぞれ別々のタイミングで電波を放射させてもよいし、底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162から放射される電波の相互干渉を無視できる場合には底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162から同時に電波を放射させてもよい。
【0094】
判別部215Aは、底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162がそれぞれ受信した応答電波から取得されたRFタグ301の情報に含まれるタグIDに基づいて、個々のRFタグ301を識別する。
そして、RFタグ301がRSSIを送信する機能を持つ場合、判別部215Aは、底面アンテナ160が受信した応答電波から取得されたRSSIと、側面アンテナ161が受信した応答電波から取得されたRSSIと、正面アンテナ162が受信した応答電波から取得されたRSSIとに基づいて、これらの各RSSIが取得されたRFタグが収容部102の内部にあるかまたは外部にあるかを判別する。
例えば、判別部215Aは、底面アンテナ160が受信した応答電波から取得されたRSSIが所定の第1の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部102の内部にあると判別する。また、例えば、判別部215Aは、側面アンテナ161が受信した応答電波から取得されたRSSIが所定の第2の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部102の内部にあると判別する。また、例えば、判別部215Aは、正面アンテナ162が受信した応答電波から取得されたRSSIが所定の第3の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部102の内部にあると判別する。
【0095】
ただし、例えば底面アンテナ160から放射された電波は、天井で反射したり、開口110の周縁で回折したりして、やや強い強度でRFタグ読取装置6の周囲にあるRFタグ301に到達する場合がある。このような環境では、RFタグ301は収容部102の外部にあると判別部215Aが確実に判別できる値に第1の閾値を設定する。
このとき、底面アンテナ160が受信した応答電波から取得されたRSSIのみに基づくと、RFタグ301が収容部102の内部にあるにも関わらず、RFタグ301は収容部102の外部にあると判別部215Aが誤って判別する場合が有り得る。しかし、第2の閾値および/または第3の閾値を適切に設定することにより、判別部215Aは、側面アンテナ161が受信した応答電波から取得されたRSSIおよび/または正面アンテナ162が受信した応答電波から取得されたRSSIに基づいて、RFタグ301が収容部102の内部にあるとほぼ正しく判別することができる。
【0096】
または、判別部215Aは、底面アンテナ160が受信した応答電波から取得された応答電波の強度と、側面アンテナ161が受信した応答電波から取得された応答電波の強度と、正面アンテナ162が受信した応答電波から取得された応答電波の強度とに基づいて、これらの応答電波の強度が取得されたRFタグが収容部102の内部にあるかまたは外部にあるかを判別する。
例えば、判別部215Aは、底面アンテナ160が受信した応答電波から取得された応答電波の強度が所定の第4の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部102の内部にあると判別する。また、例えば、判別部215Aは、側面アンテナ161が受信した応答電波から取得された応答電波の強度が所定の第5の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部102の内部にあると判別する。また、例えば、判別部215Aは、正面アンテナ162が受信した応答電波から取得された応答電波の強度が所定の第6の閾値以上である場合にそのRFタグ301が収容部102の内部にあると判別する。
【0097】
RFタグ読取装置6が使用される環境に応じて第4~第6の閾値を適切に設定することにより、判別部215Aは、RFタグ301が収容部102の内部にあるか、または外部にあるかをほぼ正しく判別することができる。
【0098】
取得部216Aは、RFタグ301が収容部102の内部にあると判別部215Aが判別したときに、そのRFタグ301から読み取られた情報を取得する。これにより、RFタグ読取装置6は収容部102の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報を取得することが可能となる。
I/F217Aは、取得部216Aによって取得された情報を外部の装置(会計装置等)に送信したり、外部の装置から操作の指示を受信したりする。
【0099】
なお、取得部216Aは収容部102の外部にあると判別部215Aが判別したRFタグ301の情報も取得し、I/F217Aは収容部102の内部にあるRFタグ301であるか、外部にあるRFタグ301であるかを示す情報とともに、RFタグ301の情報を外部の装置に送信することとしてもよい。
【0100】
以下では、図16図18を参照して第4の実施形態に係るRFタグ読取装置6の動作を説明する。
図16に示す右上がりで斜めの破線で示す範囲の電波を受信したRFタグ301から送信された応答電波を正面アンテナ162が受信したときに、判別部215AはそのRFタグ301が内部にあると判別する。
正面アンテナ162から放射された電波は左側面部122Aの上端と背面部123Aの上端と右側面部124の上端を越えて開口110から収容部102の外部に漏れる。しかし、左側面部122Aの上端と背面部123Aの上端と右側面部124の上端は、正面アンテナ162の上縁より高い。これにより、開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度は収容部102の内部における電波の強度に比べて低下する。
左側面部122Aの上端と背面部123Aの上端と右側面部124の上端は、それらの上端を超えて開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度を、その電波によって動作したRFタグ301から送信される応答電波を正面アンテナ162が受信したときにRFタグ301が外部にあると判別部215Aが判別可能であるレベルに低下させる高さである。
従って、正面アンテナ162から放射されて開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、RFタグ読取装置6は収容部102の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報を取得することが可能となる。
【0101】
図17に示す右上がりで斜めの破線で示す範囲の電波を受信したRFタグ301から送信された応答電波を側面アンテナ161が受信したときに、判別部215AはそのRFタグ301が内部にあると判別する。
側面アンテナ161から放射された電波は背面部123Aの上端と右側面部124の上端を越えて開口110から収容部102の外部に漏れる。しかし、背面部123Aの上端と右側面部124の上端は、側面アンテナ161の上縁より高い。これにより、開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度は収容部102の内部における電波の強度に比べて低下する。
背面部123Aの上端と右側面部124の上端は、それらの上端を超えて開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度を、その電波によって動作したRFタグ301から送信される応答電波を側面アンテナ161が受信したときにRFタグ301が外部にあると判別部215Aが判別可能であるレベルに低下させる高さである。
【0102】
また、図18に示す右上がりで斜めの破線の範囲の電波を受信したRFタグ301から送信された応答電波を側面アンテナ161が受信したときに、そのRFタグ301が収容部102の内部にあると判別部215Aは判別する。
側面アンテナ161から放射された電波は右側面部124の他端から収容部102の外部に漏れる(すなわち、開口110から収容部102の外部に漏れる)。しかし、右側面部124の他端から漏れる電波の強度は収容部102の内部における電波の強度に比べて低下している。
本実施形態に係るRFタグ読取装置6では、右側面部124の他端が正面部121よりも正面側に所定の長さ張り出している。更に、側面アンテナ161から放射された電波は正面部121と正面収容制限板152の間の空間を伝搬する間に減衰する。これらにより、右側面部124の他端から収容部102の外部に漏れる電波の強度は、その電波によって動作したRFタグ301から送信される応答電波を側面アンテナ161が受信したときにそのRFタグ301が外部にあると判別部215Aが判別可能であるレベルに低下する。すなわち、第4の実施形態では、本発明における所定の長さと所定の間隔は、右側面部124の他端から収容部102の外部に漏れる電波の強度を、その電波によって動作した収容部102の外部にあるRFタグ301から送信される応答電波を側面アンテナ161が受信したときにそのRFタグ301が外部にあると判別部215Aが判別するレベルに低下させる長さと間隔である。
従って、側面アンテナ161から放射されて開口110から収容部102の外部に漏れる電波の強度が低下することによって、RFタグ読取装置6は収容部102の内部にあるRFタグ301から読み取られた情報を取得することが可能となる。
【0103】
なお、仮に、電波遮蔽層140,141,142と電波吸収層143A,144が薄いと、底面部120と正面部121と左側面部122Aと背面部123Aと右側面部124を通り抜けて収容部102の外部に弱い電波が漏れる可能性がある。しかし、これらの電波を受信したことによって収容部102の外部のRFタグ301が応答電波を返したとしても、判別部215Aは、そのRFタグ301が収容部102の外部にあると判別することができる。
【0104】
(第5の実施形態)
図22は、本発明の第5の実施形態に係るRFタグ読取装置7の一例の斜視図である。図23は、図22のE-E線断面図である。図24は、図22のF-F線断面図である。図25は、図22のRFタグ読取装置7における収容部104の一例の上面図である。
RFタグ読取装置7は、収容部104と、制御部200Aとを有する。
第5の実施形態に係るRFタグ読取装置7の制御部200Aは、第3の実施形態に係るRFタグ読取装置4の制御部200Aと同一である。
【0105】
図22図25に示すように、収容部104は、底面部120と、正面部121と、左側面部122Bと、背面部123Cと、右側面部124Bと、載置板150と、側面収容制限板151と、正面収容制限板152と、底面アンテナ160と、側面アンテナ161と、正面アンテナ162とを有する。
収容部104は、左側面部122Bと背面部123Cと右側面部124Bの形状が収容部102に含まれる左側面部122Aと背面部123Aと右側面部124の形状と異なる。その他の点では、第5の実施形態に係る収容部104は第3の実施形態に係る収容部102と同一である。以下、収容部104と収容部102の異なる点について説明する。
【0106】
左側面部122Bの一端と他端は、それぞれ正面部121の一端と背面部123Cの一端に固着されている。
左側面部122Bは、第3の実施形態に係る左側面部122Aと異なり、下部と中部と上部に分かれていない。左側面部122Bは、平らである。左側面部122Bは、平板132Bと電波遮蔽層142とを含む。電波遮蔽層142は、例えば、平板132Bの内面を覆っている。
左側面部122Bは、底面部120の左側の縁から底面部120に対して垂直に立設する。左側面部122Bの正面部側(すなわち、左側面部122Bの一端)は正面部121の上端と同じ高さである。左側面部122Bの上端は正面部側から背面部側に向けて徐々に高くなっている。左側面部122Bの背面部側(すなわち、左側面部122Bの他端)は背面部123Cの上端と同じ高さである。従って、左側面部122Bの上端は、正面部121の上端より高い。
【0107】
背面部123Cは、正面部121に対向している。背面部123Cは方形である。背面部123Cの一端と他端とは、それぞれ左側面部122Bの他端と右側面部124Bの一端とに固着されている。
背面部123Cは、方形の平板133Bと電波吸収層143Cとを含む。電波吸収層143Cは、例えば、平板133Bの内面を覆っている。
背面部123Cは、底面部120の背面側の縁から底面部120に対して垂直に立設する。背面部123Cの上端はその一端から他端まで一定の高さである。背面部123Cの上端は正面部121の上端より高い。
【0108】
右側面部124Bは、左側面部122Bに対向している。図26に示すように、右側面部124Bは方形である。右側面部124Bは、第3の実施形態に係る右側面部124と異なり、正面部121よりも正面側に張り出す部分を有していない。右側面部124Bの一端と他端とは、それぞれ背面部123Cの他端と正面部121の他端とに固着されている。
右側面部124Bは、方形の平板134Aと電波吸収層144Bとを含む。電波吸収層144Bは、例えば、平板134Aの内面を覆っている。
右側面部124Bは、底面部120の右側の縁から底面部120に対して垂直に立設する。右側面部124Bの上端はその一端から他端まで一定の高さであり、その高さは背面部123Cの上端の高さと同じである。従って、右側面部124Bの上端は正面部121の上端より高い。
【0109】
次ぎに、第5の実施形態に係るRFタグ読取装置7の動作が、第3の実施形態に係るRFタグ読取装置4の動作と異なる点について説明する。
図26は、図22のRFタグ読取装置7において、側面アンテナ161から放射されて右側面部124Bに到達する電波をRFタグ読取装置7の右側から見た場合の一例を示す。右上がりで斜めの破線の範囲の電波を受信したRFタグ301は動作し、応答電波を送信する。
【0110】
第3の実施形態に係るRFタグ読取装置4と異なり、RFタグ読取装置7では正面収容制限板152が必須である。
右側面部124Bには、正面部121よりも正面側に張り出す部分が無い。しかし、正面収容制限板152は正面部121と所定の間隔だけ離れて配置されており、側面アンテナ161は正面収容制限板152と背面部123Cの間の収容空間に向けて電波を放射する。側面アンテナ161から放射された電波は、正面部121と正面収容制限板152との間の空間で広がりながら右側面部124Bに到達する。正面部121と正面収容制限板152との間の空間で広がる電波は、正面部121と正面収容制限板152の間の空間を伝搬する間に減衰する。そして、正面部121と正面収容制限板152の間隔が十分に大きければ、右側面部124Bの他端を超えて開口110から収容部104の外部に漏れる電波の強度は、その電波を受信したRFタグ301を動作させないレベルに低下する。
この点を除いて、第5の実施形態に係るRFタグ読取装置7の動作は、第3の実施形態に係るRFタグ読取装置4の動作と同一である。
【0111】
なお、第5の実施形態では、本発明における所定の間隔は、右側面部124Bの他端から収容部104の外部に漏れる電波の強度を、その電波を受信したRFタグ301を動作させないレベルに低下させる間隔である。
また、第5の実施形態では、RFタグ読取装置7が載置板150と側面収容制限板151と正面収容制限板152とを有する例を示したが、載置板150は無くてもよいし、側面収容制限板151は無くてもよい。
また、上述した第5の実施形態では、右側面部124Bの上端がその一端から他端まで一定の高さであり、上端と他端のなす角度が直角である例を示したが、図26に示す右上がりで斜めの破線の範囲の電波が右側面部124Bの上端と他端を超えて漏れなければ、右側面部124Bの上端と他端が接する部分は丸くなっていてもよい。
【0112】
(第6の実施形態)
図27は、本発明の第6の実施形態に係るRFタグ読取装置8の一例の縦断面図である。図27は、図22のE-E線断面図に相当する。
RFタグ読取装置8は、収容部104と、制御部201Aとを有する。
第6の実施形態に係るRFタグ読取装置8の収容部104は、第5の実施形態に係るRFタグ読取装置7の収容部104と同一である。
【0113】
第6の実施形態に係るRFタグ読取装置8における底面アンテナ160と側面アンテナ161と正面アンテナ162の電波出力は、第5の実施形態に係るRFタグ読取装置7のものに比べて大きい。第6の実施形態に係るRFタグ読取装置8では、開口110から外部に漏れる電波により、収容部104の外部にあるRFタグ301が動作する場合がある。
第6の実施形態に係るRFタグ読取装置8の制御部201Aの構成は、第4の実施形態に係るRFタグ読取装置6の制御部201Aの構成と同一である。
このため、第6の実施形態に係るRFタグ読取装置8についての説明は省略する。
なお、第6の実施形態では、本発明における所定の間隔は、側面アンテナ161から放射されて右側面部124Bの他端から収容部104の外部に漏れる電波の強度を、その電波によって動作した収容部104の外部にあるRFタグ301から送信される応答電波を側面アンテナ161が受信したときにそのRFタグ301が外部にあると判別部215Aが判別するレベルに低下させる間隔である。
【0114】
また、本発明に係るRFタグ読取装置では、収容部の外部にあるRFタグ301が動作せず、応答電波を送信しない構成と、収容部の外部にあるRFタグ301が動作して応答電波を送信するが、RSSIまたは応答電波の強度が小さくてそのRFタグ301が外部にあると判別できる構成とを適宜組み合わせることができる。
例えば、底面アンテナ160から放射される電波に対して収容部の外部にあるRFタグ301が動作せず、応答電波を送信しない構成とし、正面アンテナ162と側面アンテナ161から放射される電波に対して収容部の外部にあるRFタグ301が動作して応答電波を送信するが、その応答電波から取得されたRSSIまたは応答電波の強度が弱くてそのRFタグ301が外部にあると判別できる構成とすることができる。
【0115】
また、上述した実施形態では底面部120に底面アンテナ160が1つ設置されている例を示したが、底面部120に2つ以上の底面アンテナを設置してもよい。同様に、正面部121に2つ以上の正面アンテナを設置してもよいし、左側面部122,122A,122Bに2つ以上の側面アンテナを設置してもよい。
【0116】
また、上述した実施形態では左側面部を本発明における第1の側面部とし、右側面部を本発明における第2の側面部とする例を示したが、右側面部を本発明における第1の側面部とし、左側面部を本発明における第2の側面部としてもよい。すなわち、左側面部には側面アンテナ161を設置せず、右側面部に側面アンテナ161を設置してもよい。
【0117】
また、上述した実施形態では、RFタグ読取装置とRFタグとは周波数860~960MHzのUHF帯の電波で交信するとしたが、RFタグ読取装置とRFタグとはそれ以外の周波数の電波で交信してもよい。
【0118】
また、上述した実施形態では、商品を例として説明したが、物品は、商品に限られず、見本品や書類、薬剤など他の物であってもよい。本発明に係るRFタグ読取装置はセルフレジに限らず、他の用途で使用することもできる。
【0119】
以上説明したように、本発明によれば、収容部の上部に開口を有し、開口が開いた状態で収容部の内部にあるパッシブ型のRFタグから情報を読み取るRFタグ読取装置において、収容部の側面にRFタグと交信するためのアンテナを設置することができる。そして、本発明に係るRFタグ読取装置では、物品や買物カゴを正面側から出し入れすると、それらを収納部に容易に出し入れすることができる。
【0120】
また、本発明に係るRFタグ読取装置では、側面アンテナと側面収容制限板の間隔を大きくしても、ユーザの使い易さは低下しない。このため、側面アンテナとして指向性の高いアンテナを使用することができる。
【0121】
また、底面アンテナと正面アンテナと側面アンテナとを有する本発明に係るRFタグ読取装置では、収容部の内部に収容されているRFダグに対して互いに直交する3つの方向からアンテナの電波を放射する。このため、このRFタグ読取装置は、収容部の内部に収容されているRFダグの読取漏れをできる限り少なくすることができる。
【0122】
以上、本発明の実施形態について説明したが、設計または製造上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、請求項に記載されている発明や発明の実施形態に記載されている具体例に対応する発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0123】
1,3,4,6,7,8…本発明のRFタグ読取装置、2,5…比較例のRFタグ読取装置、100,102,103,104…本発明の収容部、101,103…比較例の収容部、110…開口、120…本発明の底面部、121…本発明の正面部、122,122A,122B…本発明の左側面部、1221…左側面部の下部、1222…左側面部の中部、1223…左側面部の上部、123,123A,123C…本発明の背面部、123B…比較例の背面部、124,124B…本発明の右側面部、124A…比較例の右側面部、130,131,133,133A,134,134A…平板、1321,1322,1323…左側面部に含まれる平板、140,141,142,143…電波遮蔽層、143A,143C,144,144B…電波吸収層、143B,144A…電波反射層、150…載置板、151…側面収容制限板、152…正面収容制限板、160…底面アンテナ、161…側面アンテナ、162…正面アンテナ、200,200A,201,201A…制御部、211,211A,214,214A…送受信部、215,215A…判別部、212,212A,216,216A…取得部、213,213A,217,217A…I/F(インタフェース)、300…物品、301…RFタグ、400…買物カゴ
【要約】
【課題】収容部100の上部に開口110を有し、開口110が開いた状態で収容部100の内部にあるRFタグ301から情報を読み取るRFタグ読取装置1において、収容部100の側面にRFタグ301と交信するためのアンテナを設置する。
【解決手段】底面部120と正面部121と背面部123は電波遮蔽層を含む。右側面部124は電波吸収層を含む。左側面部122の下部1221の内面に側面アンテナが設置されている。背面部123の上端と右側面部124の上端は側面アンテナの上縁より高い。右側面部124の他端は正面部121よりも正面側に所定の長さ張り出している。これらにより、側面アンテナから放射されて開口110から収容部100の外部に漏れる電波の強度が低下し、収容部100の内部にあるRFタグ301の情報を取得することが可能となる。
【選択図】図1
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