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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】コンロシステム
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20231108BHJP
   F24C 3/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
F24C3/12 E
F24C3/00 J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020010912
(22)【出願日】2020-01-27
(65)【公開番号】P2021116974
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 直人
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-002576(JP,A)
【文献】特開2018-181140(JP,A)
【文献】特開2015-230148(JP,A)
【文献】特開2018-194192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/00-3/14
F24C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トッププレート上に露出したコンロ部を1以上有するガスコンロを備えたコンロシステムであって、
前記ガスコンロを含む所定範囲を撮像する撮像部と、
前記撮像部が複数の異なる時期にそれぞれ撮像することによって得られる複数の撮像画像に基づいて、前記撮像画像における動体の動作を検出する検出部と、
予め定められた動体の候補動作と対応付けて前記ガスコンロを制御する制御コマンドを記憶する記憶部と、
前記検出部によって検出された前記動体の動作が前記記憶部に記憶された前記候補動作である場合に、前記記憶部において当該候補動作と対応付けられた前記制御コマンドを実行する制御部と、
を備え、
前記ガスコンロは、前記所定範囲内の異なる位置に設けられる複数の目印を備え、
前記目印は、前記トッププレートから上方に向かって光を照射するように発光する発光部であり、
前記検出部は、前記撮像部によって撮像された複数の前記撮像画像において複数の前記目印の検出状態の変化を前記動体の動作として検出する
コンロシステム。
【請求項2】
複数の前記目印は、第1の目印と、前記第1の目印とは異なる第2の目印と、を含み、
前記検出部は、前記撮像部によって撮像された複数の前記撮像画像において、前記第1の目印の検出状態が変化した後、所定時間が経過する前に前記第2の目印の検出状態が変化したことを前記動体の動作として検出する
請求項1に記載のコンロシステム。
【請求項3】
複数の前記目印は、所定方向に沿って配置された複数の前記目印によって構成された目印群を含み、
前記検出部は、前記撮像部によって撮像された複数の前記撮像画像において、前記所定方向の一側から他側に向かう順に前記目印群の各目印の検出状態が変化したことを第1動作として検出し、前記所定方向の前記他側から前記一側に向かう順に前記目印群の各目印の検出状態が変化したことを第2動作として検出し、
前記記憶部は、第1候補動作と火力を大きくする第1コマンドとを対応付けた状態で記憶するとともに、第2候補動作と火力を小さくする第2コマンドとを対応付けた状態で記憶し、
前記制御部は、前記検出部によって検出された前記第1動作が前記記憶部に記憶された前記第1候補動作である場合に前記第1コマンドを実行し、前記検出部によって検出された前記第2動作が前記記憶部に記憶された前記第2候補動作である場合に前記第2コマンドを実行する
請求項1又は請求項2に記載のコンロシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンロシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のコンロは、コンロ本体の前面に、押し操作によりバーナの点消火を行い、回転操作により火力調節を行うコンロ操作ボタン(左コンロ操作ボタン、右コンロ操作ボタン、後コンロ操作ボタン、グリル操作ボタン)が設けられている。また、コンロ本体の前面には、これらコンロ操作ボタンの下方位置に、開閉自在の操作パネルが設けられている。操作パネルには、加熱調理時の温度設定や、オート調理モードの設定などを行うスイッチが設けられている。操作パネルは、ユーザの押し操作により手前に傾動して繰り出され、操作可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-116116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のコンロでは、調理時の操作が、ユーザによって全て手動で行われることになる。例えば、バーナの点火を行う際には、ユーザが手でコンロ操作ボタンを押し込む。バーナの火力調整を行う際には、ユーザが手でコンロ操作ボタンを回転操作する。オート調理モードを実行する際には、ユーザが手で操作パネルを前側に傾動させて、手でスイッチを押すことになる。このようなコンロの構成では、例えば、手が汚れていた場合や、手を負傷している場合等に、コンロ操作ボタンや操作パネルを触ることにユーザが抵抗を感じることがある。また、このような場面以外でも、操作ボタンや操作パネル等に触れることなくコンロを操作することが望まれる場合がある。
【0005】
そこで、本開示では、上述した課題の少なくとも1つを解決するために、ガスコンロに接触する操作を低減又は防止しつつ、制御コマンドを実行し得るコンロシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つであるコンロシステムは、
トッププレート上に露出したコンロ部を1以上有するガスコンロを備えたコンロシステムであって、
前記ガスコンロを含む所定範囲を撮像する撮像部と、
前記撮像部が複数の異なる時期にそれぞれ撮像することによって得られる複数の撮像画像に基づいて、前記撮像画像における動体の動作を検出する検出部と、
予め定められた動体の候補動作と対応付けて前記ガスコンロを制御する制御コマンドを記憶する記憶部と、
前記検出部によって検出された前記動体の動作が前記記憶部に記憶された前記候補動作である場合に、前記記憶部において当該候補動作と対応付けられた前記制御コマンドを実行する制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示のコンロシステムによれば、ガスコンロに接触する操作を低減又は防止しつつ、制御コマンドを実行し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態のガスコンロシステムを概略的に例示する説明図である。
図2図2は、図1のガスコンロシステムの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図3図3は、図1のガスコンロシステムにおけるガスコンロを概略的に例示する斜視図である。
図4図4は、図3のガスコンロにおける各ガスバーナへのガス供給路等を概念的に示す説明図である。
図5図5は、図3のガスコンロの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図6図6は、図1のガスコンロシステムにおけるガスコンロに対する撮像部の撮像範囲を説明する説明図である。
図7図7は、図1のガスコンロシステムにおけるコマンド実行制御の流れを例示するフローチャートである。
図8図8は、図1のガスコンロシステムにおける、ROMに記憶される制御コマンドの処理内容と、制御コマンドに対応付けられた候補動作特定情報の内容とを概念的に説明する説明図である。
図9図9(A)は、図1のガスコンロシステムにおいてガスコンロに対して左端の目印に手がかざされた状態で撮像されたときの撮像画像を説明する説明図であり、図9(B)は、左端から2番目の目印に手がかざされた状態で撮像されたときの撮像画像を説明する説明図である。
図10図10(A)は、図1のガスコンロシステムにおいて、ガスコンロに対して右端の目印に手がかざされた状態で撮像されたときの撮像画像を説明する説明図であり、図10(B)は、右端から2番目の目印に手がかざされた状態で撮像されたときの撮像画像を説明する説明図である。
図11図11(A)は、第2実施形態のコンロシステムにおいて、トッププレートの左前端部分に手がかざされた状態で撮像されたときの撮像画像を説明する説明図であり、図11(B)は、図11(A)の状態から右方向に手が移動した状態で撮像されたときの撮像画像を説明する説明図である。
図12図12は、第3実施形態のガスコンロの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態を列記して例示する。
【0010】
本開示のコンロシステムでは、所定範囲内(撮像部によって撮像される範囲内)で行われるユーザの動作を、動体の動作として検出部に検出させることができる。そして、検出部によって検出された動体の動作が、記憶部に記憶された候補動作である場合に、制御部によってその候補動作に対応付けられた制御コマンドが実行される。つまり、ユーザは、予め定められた候補動作を行い、その候補動作を撮像部に撮像させれば、ガスコンロに対して手で接触する操作を行わずとも又は手で接触する操作を極力少なくしつつ、ガスコンロに所望の制御を行わせることができる。
【0011】
本開示のコンロシステムにおいて、ガスコンロは、所定範囲内の異なる位置に設けられる複数の目印を備えていてもよい。検出部は、撮像部によって撮像された複数の撮像画像において複数の目印の検出状態の変化を動体の動作として検出してもよい。
【0012】
この構成では、トッププレート上でのユーザの動作に基づいて検出部による複数の目印の検出状態が変化する場合に、複数の目印の検出状態の変化を動体の動作として検出することができる。そのため、ガスコンロに複数の目印を設けるという簡単な構成でシステムを実現することができる。撮像画像の解析により撮像された物体の動きを検出しようとする場合、画像解析時の処理量が比較的多くなってしまう。しかしながら、本開示のコンロシステムは、複数の目印の検出状態の変化を検出することで動体の動作を検出することができ、画像解析時の処理量が比較的少なくて済み、より迅速に候補動作であるか否かの判定を行うことができる。
【0013】
本開示のコンロシステムにおいて、複数の目印は、第1の目印と、第1の目印とは異なる第2の目印と、を含んでいてもよい。検出部は、撮像部によって撮像された複数の撮像画像において、第1の目印の検出状態が変化した後、所定時間が経過する前に第2の目印の検出状態が変化したことを動体の動作として検出してもよい。
【0014】
この構成では、第1の目印に手などがかざされた状態から第2の目印に手などがかざされた状態に所定時間内で変化した場合、「第1の目印の検出状態が変化した後、所定時間が経過する前に第2の目印の検出状態が変化したこと」になる。そのため、手などの動体の動作を、2つの目印の検出状態の変化に基づいて容易に検出することができる。また、第1の目印の検出状態が変化した後、所定時間が経過する前に第2の目印の検出状態が変化したか否か判断する構成であるため、動体の動作の検出時間を所定時間の間に限定することができ、手などの動作が行われたか否かを迅速に判断することができる。
【0015】
本開示のコンロシステムにおいて、複数の目印は、所定方向に沿って配置された複数の目印によって構成された目印群を含んでいてもよい。検出部は、撮像部によって撮像された複数の撮像画像において、所定方向の一側から他側に向かう順に目印群の各目印の検出状態が変化したことを第1動作として検出し、所定方向の他側から一側に向かう順に目印群の各目印の検出状態が変化したことを第2動作として検出してもよい。記憶部は、第1候補動作と火力を大きくする第1コマンドとを対応付けた状態で記憶するとともに、第2候補動作と火力を小さくする第2コマンドとを対応付けた状態で記憶しても良い。制御部は、検出部によって検出された第1動作が記憶部に記憶された第1候補動作であると判定部によって判定された場合に、第1コマンドを実行し、検出部によって検出された第2動作が記憶部に記憶された第2候補動作であると判定部によって判定された場合に、第2コマンドを実行してもよい。
【0016】
この構成では、検出部は、目印群上において所定方向(複数の目印の配置方向)に沿って手などを動かすことで、所定方向に沿う順に目印群の各目印の検出状態が変化する。そして、所定方向の一側から他側に向かう順に目印群の各目印の検出状態が変化したことを第1動作として検出するとともに、所定方向の他側から一側に向かう順に目印群の各目印の検出状態が変化したことを第2動作として検出する。制御部は、第1動作が記憶部に記憶された第1候補動作である場合に第1コマンド(火力を大きくするコマンド)を実行し、第2動作が記憶部に記憶された第2候補動作である場合に第2コマンド(火力を小さくするコマンド)を実行する。そのため、火力調整レバー等の操作部をスライド操作するようなイメージのユーザの動作を第1動作又は第2動作として検出させることができ、直感的なユーザの動作に基づいてコンロ部の火力を調整することができる。
【0017】
上記制御部は、予め定められた決定方式に従って上記制御コマンドを実行する対象となる1以上のコンロ部を決定してもよい。そして、上記制御部は、上記検出部によって検出された動体の動作が上記記憶部に記憶された上記候補動作である場合に、上記記憶部において上記候補動作と対応付けられた上記制御コマンドに従った制御を上記決定方式で決定されたコンロ部に対して行ってもよい。
【0018】
このようにすれば、ユーザが候補動作を行った場合に、候補動作に対応付けられた制御を決定方式に従って決定されたコンロ部に対して選択的に行うことができるようになる。
【0019】
上記のような決定方式を用いる構成では、上記決定方式は、いずれか1つのコンロ部のみが点火状態である場合に、その点火状態となっているコンロ部を上記制御コマンドを実行する対象として決定する方式であってもよい。
【0020】
このようにすれば、1つのコンロ部のみが点火状態である場合に、そのコンロ部を対象として候補動作に対応付けられた制御を選択的に行うことができるようになる。
【0021】
上記のような決定方式を用いる構成では、上記決定方式は、1以上のコンロ部を指定する操作がユーザによってなされた場合に、ユーザによって指定されたコンロ部を上記制御コマンドを実行する対象として決定する方式であってもよい。
【0022】
このようにすれば、1以上のコンロ部を指定する操作がユーザによってなされた場合に、そのコンロ部を対象として候補動作に対応付けられた制御を選択的に行うことができるようになる。
【0023】
<第1実施形態>
1-1.ガスコンロシステムの概要
図1のように、ガスコンロシステムSy(以下、システムSyともいう)は、ガスコンロ1と撮像部90とを備えたシステムとして構成されている。
【0024】
システムSyでは、撮像部90がガスコンロ1の上方側からガスコンロ1を撮像するように配置されている。ガスコンロ1は、撮像部90がガスコンロ1付近を撮像して得られた画像データ又は当該画像データを加工した加工データなどを取得し、上記画像データに基づく制御などを行い得る。なお、ガスコンロ1の構成は後に詳述する。
【0025】
撮像部90は、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラなど、撮像範囲からの可視光又は赤外線を受光して撮像範囲の画像を生成し得る公知構成の撮像装置によって構成されている。撮像部90は、ガスコンロ1から離れた所定位置(例えば、排出装置100の所定位置)において所定の取付構造(例えば、排出装置100に取り付けられる取付構造)で設けられている。図1の例では、撮像部90は、排出装置100近傍からガスコンロ1を撮像し得るように配置されている。
【0026】
排出装置100は、ガスコンロ1での加熱動作によって生じる排気ガスを排出する装置であり、例えば換気扇を備えた公知のレンジフードとして構成され、ガスコンロ1から発せられた信号を無線通信(例えば赤外線通信等)によって受信する機能を有する。排出装置100は、無線信号(例えば赤外線信号)を受信する受信部102と、受信部102で受信した信号を処理する図示しない制御装置と、制御装置によって駆動される駆動負荷106(換気扇を構成するモータ等)と、を備える。
【0027】
図2のように、システムSyでは、ガスコンロ1と排出装置100との間で公知の無線通信方式による無線通信が行われる。具体的には、ガスコンロ1は、排出装置100に対して赤外線信号を送信し得る構成をなし、排出装置100は、ガスコンロ1から送信された赤外線信号を受信し得る構成をなす。一方で、システムSyでは、ガスコンロ1と撮像部90との間で情報の送受信が行われる。ガスコンロ1と撮像部90との間の通信は、通信線を介した有線通信であってもよく、公知方式の無線通信であってもよい。
【0028】
1-2.ガスコンロの構成
図3のように、ガスコンロ1は、ビルトインコンロとして構成され、上端部が開放した箱状の筐体部2と、筐体部2の上端部に固定される天板5(天板5は、トッププレートの一例に相当)とを備え、天板5から露出するように、右コンロ部(コンロ部)4A、左コンロ部(コンロ部)4B、小コンロ部(コンロ部)4Cが設けられている。右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C、グリル庫3のそれぞれには、ガスバーナ51,52,53,54が設けられ、ガスバーナ51,52,53,54の各々は、一部又は全部が筐体部2内に収容された形態でそれぞれ設けられている。天板5上において、各ガスバーナ51,52,53の周囲には、五徳9A、9B、9Cがそれぞれ設けられている。五徳9A、9B、9Cは、ガスバーナ51,52,53の上方側に調理器具を載置するために用いられる。
【0029】
図3のように、ガスコンロ1の前面部付近には、右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C、グリル庫3にそれぞれ対応するように4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dがそれぞれ設けられている。第1の回転操作部6Aは、右コンロ部4Aを構成するガスバーナ51の点火、消火、火力調整を行うものである。第2の回転操作部6Bは、左コンロ部4Bを構成するガスバーナ52の点火、消火、火力調整を行うものである。第3の回転操作部6Cは、小コンロ部4Cを構成するガスバーナ53の点火、消火、火力調整を行うものである。第4の回転操作部6Dは、ガスバーナ54(グリルバーナ)の点火、消火、火力調整を行うものである。図3の例では、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれも、使用者が押す毎に退避位置と突出位置とに切り替わるようになっている。図3では、退避位置にあるときの回転操作部6Aを実線で示し、突出位置にあるときの回転操作部6Aを二点鎖線6A’で例示している。
【0030】
筐体部2内には、図4のように、ガス配管として、共通のガス流路である共通供給路60と、共通供給路60から分岐したガス流路である複数の分岐供給路61,62,63,64とが設けられている。そして、共通供給路60を通って流れたガスが、各分岐供給路61,62,63,64を通って各ガスバーナ51,52,53,54に導かれるようになっている。共通供給路60には、共通供給路60を開閉する元電磁弁N1が設けられている。分岐供給路61には、分岐供給路61を開閉可能な電磁弁(安全弁)51G及び電磁弁(閉止弁)51Fと、ガスバーナ51へのガス供給量を調整可能な火力調整弁51Eとが設けられている。分岐供給路62には、分岐供給路62を開閉可能な電磁弁(安全弁)52G及び電磁弁(閉止弁)52Fと、ガスバーナ52へのガス供給量を調整可能な火力調整弁52Eとが設けられている。分岐供給路63には、分岐供給路63を開閉可能な電磁弁(安全弁)53G及び電磁弁(閉止弁)53Fと、ガスバーナ53へのガス供給量を調整可能な火力調整弁53Eとが設けられている。ガスバーナ54は、グリル庫3内において上側の所定位置に配置される上グリルバーナ54Aと、グリル庫3内において上グリルバーナ54Aよりも下側に配置される下グリルバーナ54Bとを備える。共通供給路60から分岐したガス流路である分岐供給路64には、分岐供給路64から分岐して上グリルバーナ54Aにガスを導くガス流路である第1供給路65Aと、分岐供給路64から分岐して下グリルバーナ54Bにガスを導くガス流路である第2供給路65Bとが接続されている。分岐供給路64には、分岐供給路64を開閉可能な電磁弁(安全弁)54G及び電磁弁(閉止弁)54Fが設けられ、第1供給路65Aには第1供給路65Aを開閉可能な複数の電磁弁54H,54Jが設けられ、第2供給路65Bには第2供給路65Bを開閉可能な電磁弁54Kが設けられている。第1供給路65Aには、電磁弁54Jと並列にバイパス路66Aが設けられ、第2供給路65Bには、電磁弁54Kと並列にバイパス路66Bが設けられている。
【0031】
第1実施形態に係るガスコンロシステムSyは、図6に示すように、目印群20を備えている。目印群20は、目印21~27を有している。目印21~27は、天板5上(トッププレート上)に露出して設けられている。目印21~27は、天板5(トッププレート)よりも上方側から見て視認可能に配置されている。具体的には、目印21~27の各々と撮像部90との間に手などの異物が介在していない状態のときに、目印21~27のいずれもが撮像部90によって撮像されるように配置される。
【0032】
本構成では、撮像部90は、目印群20における目印21~27の全てを含む「所定範囲」の撮像領域AR1(図6参照)を撮像するようになっている。図6は、右コンロ部4Aで調理容器Taを加熱する例を示している。調理容器Taは、有底円筒状の鍋として構成され、液体(例えば水)が貯留されている。撮像領域AR1は、撮像部90によって撮像される領域であり、その部分の画像が撮像部90によって生成される領域である。つまり、撮像領域AR1を映した画像が撮像部90によって生成されるようになっている。そして、本明細書では、撮像部90が画像を撮像する範囲を「所定範囲」としている。つまり、撮像領域AR1の範囲が「所定範囲」である。この「所定範囲」は、換言すれば撮像部90が生成する画像に映し出される範囲であり、本構成では、この「所定範囲」に目印21~27が含まれている。したがって、目印21~27の各々と撮像部90との間に手などが介在していない状態のときには、目印21~27のいずれもが撮像部90によって撮像され、撮像部90が生成する撮像画像には、目印21~27の各画像が含まれることになる。
【0033】
目印21~27は、図6に示すように、天板5の上面において、天板5の前縁に沿って直線状に等間隔で並んで配置されている。本明細書では、目印21~27が直線状に並んで配置される方向(左右方向)を「所定方向」としている。目印21~27は、例えば、LEDを備えた発光部によって構成されている。目印21~27は、天板5の表面から上方に向かって光を照射するようにそれぞれ発光する。点灯した状態の各目印21~27は、撮像部90から見て、それぞれ位置が不変であり、略円形状をなしており、輝度が一定である。すなわち、手や衣服等の動体の侵入のない正常な状態の撮像領域AR1を撮像した撮像画像において、各目印21~27の画像は、一定の位置、一定の形状、及び一定の輝度となる。
【0034】
各目印21~27は、所定の点灯開始条件の成立に応じて点灯し、所定の消灯条件の成立に応じて消灯する。例えば、各目印21~27は、全てのコンロ部が消火している状態で点火操作がなされた場合(回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれかに対する点火操作がなされた場合)に点灯状態となり、全てのコンロ部が消火状態となる操作がなされたときに消灯状態となる構成とすることができる。具体的には、各目印21~27は、いずれのコンロ部も点火状態でないときに右コンロ部4Aを着火するために回転操作部6Aを操作すると右コンロ部4Aの着火に先立って点灯し、右コンロ部4Aのみが点火状態であるときに右コンロ部4Aを消火するために回転操作部6Aを操作すると消灯するように構成されている。なお、目印21~27は、例えば、所定の電源スイッチのオンオフ動作によってシステムSyの電源がオフ状態からオン状態に切り替わった場合に点灯状態となり、オン状態からオフ状態に切り替わった場合に消灯状態となる構成等、他の構成であってもよい。
【0035】
次に、図5等を参照してガスコンロ1の電気的構成について説明する。
図5において制御回路(制御部)10は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、CPU10A、ROM(記憶部)10B、RAM10Cなどを備え、更に、図示しないタイマ、I/Oインタフェイスなどを備える。なお、制御回路10の内部又は外部に不揮発性メモリを設けてもよい。電源部56は、例えば一次電池又は二次電池(具体的には複数の乾電池など)である。電源回路57は電源部56からの電力供給を受け、所定の電源電圧を生成する機能を有し、電源回路57で生成された電源電圧は、図示しない経路を介して様々な電気部品に供給される。
【0036】
図5で示されるスイッチ30A,30B,30C,30Dの各々は、回転操作部6A,6B,6C,6D(図3)にそれぞれ対応するように設けられ、図5のように、スイッチ30A,30B,30C,30Dにそれぞれ対応するように点火信号入力回路40A,40B,40C,40Dがそれぞれ設けられている。スイッチ30A,30B,30C,30Dは、いずれも点火スイッチとして機能し、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部が退避位置(消火位置)のときには対応するスイッチがオフ状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオフ信号が与えられる。また、回転操作部が突出位置(点火位置)のときには対応するスイッチがオン状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオン信号が与えられる。例えば、回転操作部6A(図3)が退避位置(図3において実線で示す回転操作部6Aの位置)にあるときには、図5で示すスイッチ30Aがオフ状態となり、このとき点火信号入力回路40Aは制御回路10に対してオフ状態を示す信号(オフ信号)を入力する。また、回転操作部6A(図3)が突出位置(図3において二点鎖線6A’で示す位置)にあるときには、図5で示すスイッチ30Aがオン状態となり、このとき点火信号入力回路40Aは、制御回路10にオン状態を示す信号(オン信号)を入力する。なお、回転操作部6B,6C,6D(図3)によって点火操作がなされる場合もそれぞれに対応する回路が同様に動作する。
【0037】
図5で示される変位検出部32A,32B,32C,32Dの各々は、回転操作部6A,6B,6C,6D(図3)のそれぞれに対応するように設けられている。そして、変位検出部32A,32B,32C,32Dにそれぞれ対応するように火力信号入力回路41A,41B,41C,41Dがそれぞれ設けられている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部の変位(回転位置)を当該回転操作部に対応する変位検出部(エンコーダ等の回転角度センサなど)が検出するようになっている。そして、その変位検出部に対応する火力信号入力回路が、その変位検出部が検出した変位(回転位置)を示す信号を制御回路10に与えるようになっている。例えば、回転操作部6Aに対応して設けられた変位検出部32Aは、回転操作部6Aの変位(回転位置)を検出するようになっている。そして、変位検出部32Aに対応する火力信号入力回路41Aは、制御回路10に対して変位検出部32Aが検出した変位(即ち、回転操作部6Aの回転位置)を示す信号を制御回路10に与えるようになっている。なお、回転操作部6B,6C,6D(図3)によって火力調停操作(回転操作)がなされる場合もそれぞれに対応する回路が同様に動作する。
【0038】
図5で示される熱電対51C,52C,53C,54C、54Dの各々は、ガスバーナ51,52,53,54A,54B(図4)のそれぞれに隣接して設けられている。そして、熱電対51C,52C,53C,54C、54Dの各々に対応して温度信号入力回路(熱電対信号入力回路)43A,43B,43C,43D,43Eがそれぞれ設けられている。温度信号入力回路43A,43B,43C,43D,43Eの各々は、対応する熱電対が検出した温度を示す信号を制御回路10に入力する。更に、サーミスタ34A,34B,34Cの各々が、ガスバーナ51,52,53(図4)のそれぞれの近傍に隣接して設けられている。そして、サーミスタ34A,34B,34Cの各々に対応して温度信号入力回路(サーミスタ信号入力回路)44A,44B,44Cがそれぞれ設けられている。
【0039】
図5で示されるイグナイタ28A,28B,28C,28Dの各々は、ガスバーナ51,52,53,54(図2図4)のそれぞれに対応して設けられている。イグナイタ28A,28B,28C,28Dには、ガスバーナ51,52,53,54(図2図4)のそれぞれに隣接して図示しないイグナイタ端子が設けられている。そして、イグナイタ28A,28B,28C,28Dの各々に対応して、イグナイタ回路46A,46B,46C,46Dがそれぞれ設けられている。
【0040】
駆動回路47Aは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁51Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路47Bは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁52Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路47Cは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁53Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路48Aは、電磁弁51F,51Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Bは、電磁弁52F,52Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Cは、電磁弁53F,53Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Dは、電磁弁54F,54G,54H,54J,54Kを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路49は、元電磁弁N1を制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。なお、駆動回路47A,47B,47Cのそれぞれは、駆動回路48A,48B,48Cのそれぞれと共通の回路によって構成されていてもよい。
【0041】
音声装置81は、ブザーやスピーカなどの発音装置を1以上備えてなる装置であり、制御回路10によって発音タイミングや発する音声の内容が制御される装置である。表示部82は、発光部(LEDやその他の発光素子等)や画像表示装置(液晶表示器、有機ELディスプレイ等)などの表示媒体を1以上備えてなる装置であり、制御回路10によって表示のオンオフタイミングや表示内容が制御される装置である。操作部83は、使用者によって操作がなされる装置であり、1以上の公知の入力インターフェース(操作ボタン、タッチパネル等)によって構成され、使用者からの操作に応じた情報を制御回路10に入力するように機能する。通信部84は、制御回路10と協働し、公知の通信方式(例えば、赤外線通信方式、bluetooth(登録商標)通信方式などの公知の無線通信方式)で外部装置と通信を行う装置である。
【0042】
1-3.コマンド実行制御
次に、コマンド実行制御について説明する。図7に示すコマンド実行制御は、制御回路10によって実行される制御であり、例えば制御回路10が、予め定められた開始条件の成立に応じてROM10Bに記憶されたプログラムに従って実行するものである。開始条件の成立時は、例えば、所定の電源スイッチのオン動作によってシステムSyの電源がオン状態に切り替わった時(電源回路57から各部品に電力が供給され得る状態となった時)であってもよい。また、開始条件の成立時は、ガスコンロ1のガスバーナ51,52,53のいずれもが点火していない状態において、ガスバーナ51,52,53に点火すべく回転操作部6A,6B,6Cのいずれかに対して所定の点火操作を行った時であってもよい。或いは、操作ボタンなどの操作部に対して所定操作が行われた時など、その他の条件成立時であってもよい。
【0043】
本実施形態に係るコマンド実行制御では、制御回路10は、上記開始条件が成立した後、撮像部90によって撮像された上記「所定範囲」の撮像領域AR1の画像を解析する。具体的には、撮像部90は、少なくとも上記開始条件が成立した後に、短い時間間隔で撮像領域AR1を繰り返し撮像し、上記所定範囲の画像を短い時間間隔で繰り返し生成するようになっている。一方、制御回路10は、撮像部90が断続的に生成する撮像画像を所定間隔(例えば1秒)おきに取得し、撮像画像を取得する毎に、撮像画像の解析を行うようになっている。
【0044】
制御回路10は、上記開始条件の成立に応じて図7の制御を開始した場合、まず、撮像指示を通信部84を介して撮像部90に送信する(ステップS11)。具体的には、制御回路10は、撮像部90に対して撮像指示(命令信号)を送り、撮像部90に撮像動作を行わせる。撮像指示は、撮像部90が撮像処理(所定範囲AR1を撮像する処理)を実行するためのトリガとなる情報であり、予め定められた情報である。
【0045】
撮像部90は、ガスコンロ1から撮像指示を受信した場合、撮像を開始し、撮像終了条件が成立するまで所定時間(例えば数ミリ秒~数秒)ごとに短い時間間隔で上記「所定範囲」(撮像領域AR1の範囲)を撮像する。撮像終了条件は、例えば、ガスコンロ1が電源オフになることであってもよく、所定の終了操作がなされたことであってもよく、全てのコンロ部が消火状態となったことであってもよく、その他の条件であってもよい。撮像部90は、所定時間(例えば1秒)ごとに「所定範囲」(撮像領域AR1の範囲)を撮像して得られた画像データ(所定範囲の画像を表すための撮像データ)又は当該画像データを加工した加工データなどを、ガスコンロ1に送信する。制御回路10は、通信部84を介して、上記画像データ又は当該画像データを加工した加工データを取得する。加工データは、例えば、撮像部90での撮像によって得られた撮像画像に対し、予め定められた公知の方法でノイズ除去、エッジ検出、濃淡調整、ヒストグラム調整、色補正、などの公知の加工を行ったデータである。なお、このような加工データは、制御回路10で生成してもよい。
【0046】
撮像部90は、ステップS11でなされた撮像指示を受信してから所定時間(例えば1秒)ごとに撮像して得られた画像データを順次ガスコンロ1に送信し得るようになっている。一方、ステップS11の後、ステップS12において、制御回路10は、撮像部90から送信される画像データを受信する(ステップS12)。そして、制御回路10は、受信した画像データを記憶部に記憶する。ステップS12での画像データの受信は、1つの画像データを受信してもよく、複数の画像データを受信してもよい。
【0047】
制御回路10は、ステップS12の後、ステップS13において、それまで(例えばステップS13の実行前の直近の一定期間)に受信した複数の画像データ(例えば、直近の一定時間内に受信した複数の画像データ)において動体の動作の検出を試み、動体の動作を検出したか否か判断する。なお、制御回路10は、ステップS13において、それまで受信した複数の画像データから動体を検出していないと判断した場合、ステップS12の処理を再び行う。つまり、制御回路10は、ステップS13において動体の動作を検出するまでは、ステップS12の処理を繰り返し行い、撮像部90から送信される画像データを繰り返し取得し続ける。本構成では、制御回路10は、「検出部」の一例に相当する。
【0048】
動体は、撮像部90によって撮像される領域内を動く物体(但し、ガスコンロシステム1以外の物体)であり、ここでは、同一の撮像範囲(具体的には、撮像領域AR1の範囲)で複数の異なる時期に撮像された複数の撮像画像において、相対的な位置が変化する撮像対象物を「動体」として検出する。より具体的には、制御回路10は、ステップS13では、複数の画像データにおいて目印21~27の検出状態の変化を動体の動作として検出する。
【0049】
制御回路10は、ステップS13の直近の一定時間(例えば5秒)内に蓄積された複数の撮像画像を解析し、複数の撮像画像の各々において目印21~27が認識できるか否かを判断する。複数の撮像画像の各々において目印21~27が認識できるか否かの判断は、公知の画像解析と同様の方法によって行うことができる。例えば、撮像画像において予め定められた基準図形(例えば、目印21~27の各々と同一の図形)が存在するか否かを公知のパターンマッチングによって判定し、存在する場合にその領域を目印21~27の領域としてもよい。或いは、撮像画像内の所定位置に、予め定められた色情報(色の三要素(RGB)の各数値)で一定の範囲に拡がる領域が検出されたか否かを判定し、検出された場合にその領域を目印21~27の領域としてもよい。或いは、撮像画像内の所定位置に一定の輝度以上であって且つ一定の面積範囲内の領域が検出されたか否かを判定し、検出された場合にその領域を目印21~27の領域としてもよい。いずれにしても、撮像画像を解析することで、目印21~27が認識できるか否かを判断することができる。
【0050】
制御回路10は、ステップS13の直近の一定時間(例えば5秒)内に蓄積された複数の撮像画像のいずれかにおいて目印21~27が全て認識されている状態から変化がある場合(即ち、いずれかの目印が認識されていない状態である場合)、ステップS13では動体の動作を検出したと判断する。一方、制御回路10は、ステップS13の直近の一定時間(例えば5秒)内に蓄積された複数の撮像画像のいずれにおいても目印21~27が全て認識されている場合、動体の動作を検出していないと判断する。制御回路10は、ステップS13において動体の動作を検出していないと破断する場合、Noに進み、再びステップS12の処理を行う。一方、制御回路10は、ステップS13において動体の動作を検出したと判断する場合、Yesに進み、ステップS14の処理を行う。
【0051】
制御回路10は、ステップS14では、ステップS13の直近の一定時間(例えば5秒)内に蓄積された複数の撮像画像から候補動作が検出されたか否か判断する。本構成では、制御回路10は、「判定部」の一例に相当する。例えば、ROM10Bには、予め定められた動体の候補動作(図8のNo1~No4)を特定する候補動作特定情報(以下、単に特定情報ともいう)が記憶されている。特定情報は、目印21~27の検出状態の変化の態様を特定する情報である。具体的には、特定情報は、複数の異なる時期に撮像された複数の撮像画像の間で、各目印21~27の検知状態の変化を表す文字列のデータであってもよく、数字や記号などのデータであってもよい。例えば、ROM10Bには、特定情報によって特定される態様として、図8に示すように「目印21、目印22の順に検知状態から非検知状態に変化する」、「目印27、目印26の順に検知状態から非検知状態に変化する」、「目印25、目印26、目印25、目印26の順に検知状態から非検知状態に変化する」、「目印22、目印23…目印26、目印22、目印23…目印26の順に検知状態が変化する」等が記憶されている。
【0052】
候補動作No1は、図8に示すように、「目印21、目印22の順に手などがかざされる」動作である。目印21に手がかざされると、目印21と撮像部90との間に手が介在する状態となり、図9(A)に示すように、目印21(撮像画像では撮像物P21として表される目印(図9(B)参照))が撮像部90によって撮像されなくなる。なお、図9(A)(B)に示すように、撮像画像において、手は撮像物Hとして表される。そのため、目印21は、検知状態から非検知状態へと変化する。続けて、手を右方向に移動させて目印22に手がかざされると、目印22と撮像部90との間に手が介在する状態となる。これにより、図9(B)に示すように、目印22(撮像画像では撮像物P22として表される目印(図9(A)参照))が撮像部90によって撮像されなくなる。そのため、目印22は、検知状態から非検知状態へと変化する。この例が採用される場合、ステップS13の直近の一定時間(例えば5秒)内の複数の画像において、図9(A)のような状態を示す画像と図9(B)のような状態を示す画像とがこの順に生成されており、これらの画像が生成される間の期間に他の動作画像(図9(A)及び図9(B)の画像とは異なる画像であり、且ついずれかの目印が撮像されていない画像)が生成されていない場合に、ステップS14において候補動作No1の動作を検出したと判定して、ステップS15に進む。この例では、目印21が本発明の「第1の目印」に相当し、目印22が本発明の「第2の目印」に相当する。また、候補動作No1(第1候補動作)の特定情報によって特定される態様は、「所定方向(目印21~27が並ぶ方向)の一側(左側)から他側(右側)に向かう順に目印群20の各目印21,22の検出状態が変化すること(第1動作)」に相当する。なお、この例では、目印21の非検知状態の検出時点から、目印22の非検知状態の検出時点までに所定時間(例えば、1秒)が経過していない場合に、「目印21、目印22の順に検知状態から非検知状態に変化する」条件を満たすものとしてもよい。
【0053】
候補動作No2は、図8に示すように、「目印27、目印26の順に手などがかざされる」動作である。目印27に手がかざされると、目印27と撮像部90との間に手が介在する状態となり、図10(A)に示すように、目印27(撮像画像では撮像物P27として表される目印(図10(B)参照))が撮像部90によって撮像されなくなる。そのため、目印27は、検知状態から非検知状態へと変化する。続けて、手を左方向に移動させて目印26に手がかざされると、目印26と撮像部90との間に手が介在する状態となる。これにより、図10(B)に示すように、目印26(撮像画像では撮像物P26として表される目印(図10(A)参照))が撮像部90によって撮像されなくなる。そのため、目印26は、検知状態から非検知状態へと変化する。この例では、目印27が本発明の「第1の目印」に相当し、目印26が本発明の「第2の目印」に相当する。また、候補動作No2(第2候補動作)の特定情報によって特定される態様は、「所定方向(目印21~27が並ぶ方向)の他側(右側)から一側(左側)に向かう順に目印群20の各目印26,27の検出状態が変化すること(第2動作)」に相当する。なお、この例では、目印27の非検知状態の検出時点から、目印26の非検知状態の検出時点までに所定時間(例えば、1秒)が経過していない場合に、「目印27、目印26の順に検知状態から非検知状態に変化する」条件を満たすものとしてもよい。
【0054】
候補動作No3は、図8に示すように、「目印25→26→25→26の順に手などがかざされる」動作である。目印25に手がかざされると、目印25と撮像部90との間に手が介在する状態となり、目印25が撮像部90によって撮像されなくなる。そのため、目印25は、検知状態から非検知状態へと変化する。続けて、手を右方向に移動させて目印26に手がかざされると、目印26と撮像部90との間に手が介在する状態となる。これにより、目印26が撮像部90によって撮像されなくなる。そのため、目印26は、検知状態から非検知状態へと変化する。続けて、繰り返し同じ動作(目印25、目印26の順に手がかざされる動作)が行われ、目印25、目印26の順に検知状態から非検知状態へと変化する。この例では、先に非検知状態が検出される目印が本発明の「第1の目印」に相当し、後に非検知状態が検出される目印が本発明の「第2の目印」に相当する。なお、この例では、異なる目印間で順に検出される非検知状態の検出タイミングの時間間隔が、所定時間(例えば、1秒)内である場合に、「目印25→26→25→26の順に検知状態から非検知状態に変化する」条件を満たすものとする。
【0055】
候補動作No4は、図8に示すように、「目印22→23→・・・26→22→23→・・・26の順に手などがかざされる」動作である。目印22に手がかざされると、目印22と撮像部90との間に手が介在する状態となり、目印22が撮像部90によって撮像されなくなる。そのため、目印22は、検知状態から非検知状態へと変化する。続けて、手を右方向に移動させて目印23、目印24、目印25、目印26の順に手がかざされると、目印23、目印24、目印25、目印26の順に検知状態から非検知状態へと変化する。続けて、繰り返し同じ動作(目印22、目印23、目印24、目印25、目印26)が行われ、目印22、目印23、目印24、目印25、目印26の順に検知状態から非検知状態へと変化する。この例では、先に非検知状態が検出される目印が本発明の「第1の目印」に相当し、後に非検知状態が検出される目印が本発明の「第2の目印」に相当する。なお、この例では、異なる目印間で順に検出される非検知状態の検出タイミングの時間間隔が、所定時間(例えば、1秒)内である場合に、「目印21→22→・・・27→21→22→・・・27の順に検知状態から非検知状態に変化する」条件を満たすものとする。
【0056】
制御回路10は、ステップS14で、ステップS13で検出した動体の動作が候補動作ではないと判断する場合、Noに進み、再びステップS12の処理を行う。一方で、制御回路10は、ステップS14で、ステップS13で検出した動体の動作が候補動作であると判断する場合、Yesに進み、ステップS15の処理を行う。
【0057】
制御回路10は、ステップS15で、制御コマンドを実行する。すなわち、制御回路10は、ステップS14で検出した候補動作に対応する制御コマンドを実行する。図8に示すように、各候補動作には、制御コマンドが対応付けられてROM10Bに記憶される。例えば、ROM10Bは、「目印21、目印22の順に手などがかざされる」という候補動作に対応付けられて、「ガスバーナの火力レベルを「1」から「2」に増大する」という制御コマンド(第1コマンド)が記憶される。なお、このコマンドで火力を増大させるガスバーナは、例えば、直前に点火操作又は火力調整が行われたガスバーナとする。ROM10Bは、「目印27、目印26の順に手などがかざされる」という候補動作に対応付けられて、「ガスバーナの火力レベルを「7」から「6」に低減する」という制御コマンド(第2コマンド)が記憶されている。なお、このコマンドで火力を増大させるガスバーナは、例えば、直前に点火操作又は火力調整が行われたガスバーナとする。また、ROM10Bは、「目印25、目印26、目印25、目印26の順に手などがかざされる」という候補動作に対応付けられて、「ガスバーナ51を消火する」という制御コマンドが記憶されている。また、ROM10Bは、「目印22、目印23…目印26、目印22、目印23…目印26の順に手などがかざされる」という候補動作に対応付けられて、「メニュー設定」という制御コマンドが記憶されている。例えば、メニュー設定が開始されると、調理モードの設定(自動調理モードと通常モードとの切り替え)や、ガスバーナ54(グリルバーナ)の温度設定等の操作が可能になる。具体的には、「メニュー設定」の制御コマンドが実行されると、所定の状態(例えば、目印21が非検知状態となること)とすることで、自動調理モードが開始される。制御回路10は、ステップS15の処理が終了すると、再びステップS11を行う。
【0058】
ROM10Bには、図8に示す制御コマンド以外にも、様々な制御コマンドが候補動作に対応付けられて記憶されている。例えば、ROM10Bには、撮像される手によるジェスチャのパターンの種類(動体の変位量)に基づいて、ガスバーナの火力の調整量(変化量)が決められる制御コマンドが記憶されている。すなわち、ROM10Bには、非検知状態(手などがかざされた状態)となった目印の個数や、非検知状態となる目印の順序に応じて、ガスバーナの火力の調整量(変化量)を決める。例えば、所定方向(目印21~27が並ぶ方向)の目印21から目印22~27のいずれかまで右に向かって順に手などがかざされる場合に、最後に手などがかざされた目印に応じてガスバーナの火力を調整するようになっている。具体的には、ROM10Bは、候補動作No1の他に、「目印21、目印22…目印24の順に検知状態が変化する(第1動作)」という候補動作(第1候補動作)に対応付けられて、「ガスバーナの火力レベルを「4」に増大する」という制御コマンド(第1コマンド)などが記憶されている。同様に、所定方向(目印21~27が並ぶ方向)の目印27から目印21~26のいずれかまで左に向かって順に手などがかざされる場合に、最後に手などがかざされた目印に応じてガスバーナの火力を調整するようになっている。具体的には、ROM10Bは、候補動作No2の他に、「目印27、目印26…目印24の順に検知状態が変化する(第2動作)」という候補動作(第2候補動作)に対応付けられて、「ガスバーナの火力レベルを「4」に低減する」という制御コマンド(第2コマンド)などが記憶されている。
【0059】
例えば、ROM10Bは、「目印22、目印23、目印22、目印23の順に手などがかざされる」という候補動作に対応付けられて「ガスバーナ52を消火する」という制御コマンドが記憶される。同様に、ROM10Bは、「目印23、目印24、目印23、目印24の順に手などがかざされる」という候補動作に対応付けられて「ガスバーナ53を消火する」という制御コマンドが記憶される。
【0060】
1-4.本構成の効果
上記のシステムSyは、所定範囲内(撮像部90によって撮像される範囲内)で行われるユーザの動作を、動体の動作として制御回路10に検出させることができる。そして、制御回路10によって検出された動体の動作が、ROM10Bに記憶された候補動作である場合に、制御回路10によってその候補動作に対応付けられた制御コマンドが実行される。そのため、ユーザは、ガスコンロ1に対して手で接触操作を行わずとも、予め定められた候補動作が検出されるように、天板5上の動作を撮像部90に撮像させることで、ガスコンロ1に所望の制御を行わせることができる。
【0061】
上記のシステムSyにおいて、天板5上でのユーザの動作に基づいて制御回路10による複数の目印21~27の検出状態が変化する場合に、複数の目印21~27の検出状態の変化を動体の動作として検出することができる。そのため、ガスコンロ1に複数の目印21~27を設けるという簡単な構成でシステムを実現することができる。
【0062】
撮像画像の解析により撮像された物体の動きを検出しようとする場合、画像解析時の処理量が比較的多くなってしまう。しかしながら、上記システムSyは、複数の目印21~27の検出状態の変化を検出することで動体の動作を検出することができ、画像解析時の処理量が比較的少なくて済み、より迅速に候補動作であるか否かの判定を行うことができる。
【0063】
上記のシステムSyにおいて、第1の目印(例えば、目印21)に手などがかざされた状態から第2の目印(例えば、目印22)に手などがかざされた状態に所定時間内で変化した場合、「第1の目印(例えば、目印21)の検出状態が変化した後、所定時間が経過する前に第2の目印(例えば、目印22)の検出状態が変化したこと」になる。そのため、手などの動体の動作を、2つの目印の検出状態の変化に基づいて容易に検出することができる。また、第1の目印(例えば、目印21)の検出状態が変化した後、所定時間が経過する前に第2の目印(例えば、目印22)の検出状態が変化したか否か判断する構成である。そのため、動体の動作の検出時間を所定時間の間に限定することができ、手などの動作が行われたか否かを迅速に判断することができる。
【0064】
上記のシステムSyにおいて、制御回路10は、目印群20上において所定方向(複数の目印21~27の配置方向)に沿って手などを動かすことで、所定方向に沿う順に目印群20の各目印21~27の検出状態が変化する。そして、所定方向の一側から他側に向かう順に目印群20の各目印21~27の検出状態が変化したことを第1動作として検出するとともに、所定方向の他側から一側に向かう順に目印群20の各目印21~27の検出状態が変化したことを第2動作として検出する。制御回路10は、第1動作がROM10Bに記憶された第1候補動作である場合に第1コマンド(コンロ部4A,4B,4Cの火力を大きくするコマンド)を実行する。また、制御回路10は、第2動作がROM10Bに記憶された第2候補動作である場合に第2コマンド(コンロ部4A,4B,4Cの火力を小さくするコマンド)を実行する。そのため、火力調整レバー等の操作部をスライド操作するようなイメージのユーザの動作を第1動作又は第2動作として検出させることができ、直感的なユーザの動作に基づいてコンロ部4A,4B,4Cの火力を調整することができる。
【0065】
<第2実施形態>
2-1.ガスコンロシステムの概要
第2実施形態のシステムSyについて、図11を参照して説明する。第2実施形態のシステムSyは、目印群20を設けていない点が第1実施形態と異なり、それ以外の構成等は、第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態の同様の構成については、同一の符号を用いて説明しつつ詳しい説明を省略する。
【0066】
第2実施形態のシステムSyのコマンド実行制御は、図7のステップS13(動体の動作の検出方法)が第1実施形態と異なっている。第2実施形態では、制御回路10は、複数の異なる時期に撮像された複数の撮像画像に基づいて、各撮像画像における動体を検出する。複数の画像から動体を検出する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、複数の撮像画像の間において、色情報(色の三要素(RGB)の各数値)が一定の範囲の値である画素を一定の個数含む領域の位置が、変化している場合に、それら画素で構成される領域を動体とすることができる。また、例えば、複数の撮像画像の間において、特徴点を検出し、その特徴点の位置が変化している場合に、その特徴点を動体とすることができる。
【0067】
図7のステップS14において用いる候補動作特定情報は、撮像画像における動体の検出位置を特定する情報である。そして、例えば、候補動作No1に対応する特定情報として、目印21の非検知状態を特定する情報の代わりに、図11(A)に示すように天板5の左前端部分に手H(動体)がかざされた状態を特定する情報を採用する。また、例えば、目印22の非検知状態を特定する情報の代わりに、図11(B)に示すように天板5の左前端部分からわずかに右側の位置に手H(動体)がかざされた状態を特定する情報を採用する。同様に、目印23~27の非検知状態を特定する情報の代わりに、目印23~27に対応する位置(第1実施形態に対して目印23~27が省略された位置)に手H(動体)がかざされた状態を特定する情報を採用する。
【0068】
<第3実施形態>
3-1.ガスコンロシステムの概要
第3実施形態のシステムSyについて、図12を参照して説明する。第3実施形態のシステムSyは、目印群の配置態様が第1実施形態と異なり、それ以外の構成等は、第1実施形態と同様である。よって、第1実施形態の同様の構成は、同一の符号を用いて説明しつつ詳しい説明を省略する。
【0069】
図12に示すように、ガスコンロ1には、目印群320,420,520が設けられている。目印群320,420,520は、各コンロ部4A,4B,4Cに対応して、各コンロ部4A,4B,4Cをそれぞれ取り囲むように設けられている。具体的には、目印群320,420,520は、各コンロ部4A,4B,4Cの各ガスバーナ51,52,53を中心に、各五徳9A,9B,9Cの外周に沿って配置されている。
【0070】
右コンロ部4Aに関する候補動作特定情報は、例えば、目印群320に含まれる複数の目印(例えば図12に示す目印321,322,323)の検出状態の態様を特定する情報とすることができる。また、左コンロ部4Bに関する候補動作特定情報は、例えば、目印群420に含まれる複数の目印(例えば図12に示す目印421,422,423)の検出状態の態様を特定する情報とすることができる。また、小コンロ部4Cに関する候補動作特定情報は、例えば、目印群520に含まれる複数の目印(例えば図12に示す目印521,522,523)の検出状態の態様を特定する情報とすることができる。
【0071】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
【0072】
上記第1実施形態では、撮像部90によって撮像される撮像領域を、コンロ部4A,4B,4Cが全て含まれる範囲(図6参照)としたが、その他の範囲としてもよい。例えば、撮像領域は、天板5の前縁およびその周辺が含まれるような範囲であってもよい。或いは、コンロ部4A,4B,4Cの一部のみが含まれるような範囲であってもよい。
【0073】
上記第1実施形態では、図7に示すコマンド実行制御の開始条件の成立時として、システムSyの電源がオン状態に切り替わった時点や、ガスバーナ51,52,53の点火操作を行った時点を示したが、その他のタイミングであってもよい。例えば、コマンド実行制御の開始条件の成立時は、コマンド実行制御を開始させるために操作部83を操作した時点であってもよい。
【0074】
上記第1実施形態では、候補動作No1,2に基づいてコマンド制御されるガスバーナとして、直前に点火操作又は火力調整が行われたガスバーナを指定していたが、その他の指定方法を採用してもよい。例えば、候補動作No1,2に基づいてコマンド制御されるガスバーナを、予め設定で決められていてもよい。すなわち、ガスバーナ51のみがコマンド制御されたり、ガスバーナ51,52,53の全てがコマンド制御されるように予め設定されていてもよい。また、例えば、コマンド制御されるガスバーナは、撮像画像に基づいて決められてもよい。すなわち、候補動作実行後に撮像された撮像画像において、調理容器の上に手がかざされており、その調理容器が載置されたガスバーナをコマンド制御するようにしてもよい。また、例えば、候補動作実行後に、所定の目印に手をかざして非検知状態にすることで、その目印に対応するガスバーナをコマンド制御するようにしてもよい。
【0075】
上記第1実施形態では、候補動作No1に対応する第1コマンドとして、「ガスバーナの火力レベルを「1」から「2」に増大する」という制御コマンドを採用したが、その他の態様で火力を増大させてもよい。例えば、火力増大前の火力レベルからレベルを1段階上げる制御を行ってもよい。
【0076】
上記第1実施形態では、ガスバーナの火力を低減させる制御コマンドに対応する候補動作として、ガスコンロ1に対して右側から左側に手を移動させる動作(候補動作No2)を例示した。しかしながら、ガスバーナの火力を低減させる場合にも、候補動作No1と同様にガスコンロ1に対して左側から右側に手を移動させる動作を行なう構成としてもよい。例えば、ガスバーナの火力レベルが「3」である状態で、「目印21、目印22の順に手などがかざされる」という候補動作を行なうことで、火力レベルが「3」から「2」に低減される構成であってもよい。
【0077】
上記第1実施形態では、ガスバーナの火力増大させる制御コマンドに対応する候補動作として、ガスコンロ1に対して左側から右側に手を移動させる動作(候補動作No1)を例示した。しかしながら、その他の候補動作によって、ガスバーナの火力が増大される制御コマンドが実行される構成であってもよい。例えば、所定の目印を所定時間(例えば3秒)の間、非検知状態とすることで、その目印に対応する火力レベルにガスバーナの火力を増大させる構成であってもよい。
【0078】
上記実施形態では、「所定方向」が直線的な方向であり、所定方向の一側から他側に向かう順に目印群の各目印の検出状態が変化したことを第1動作として検出し、他側から一側に向かう順に目印群の各目印の検出状態が変化したことを第2動作として検出した。しかし、この例に限定されない。例えば、所定方向は、湾曲した仮想曲線に沿った方向であってもよく、円や楕円の周方向であってもよい。この場合、複数の目印が、湾曲した仮想曲線に沿って配置されていてもよく、仮想的な円や仮想的な楕円に沿って配置されていてもよい。
【0079】
上記第1,第3実施形態では、それぞれ異なる目印群の配置構成を例示した。しかしながら、目印群を構成する目印の数や配置レイアウトは、これらに限られない。例えば、上記第1実施形態の目印群20を構成する目印の数が7つ以外であってもよい。
【0080】
上記第1,第3実施形態では、目印21~27がLEDとして構成されている例を示した。しかしながら、目印21~27は、LED以外の発光部であってもよく、発光部でなくてもよい。また、目印21~27の形状は、図形(丸、三角、四角、星型などの図形)、絵柄、記号など、様々な形状を採用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1…ガスコンロ
4A…右コンロ部(コンロ部)
4B…左コンロ部(コンロ部)
4C…小コンロ部(コンロ部)
5…天板(トッププレート)
10…制御回路(制御部、検出部、判定部)
10B…ROM(記憶部)
20,320,420,520…目印群
21~27,321~323,421~423,521~523…目印
90…撮像部
AR1…所定範囲
Sy…コンロシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12