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特許7381086エーラス・ダンロス症候群の治療用組成物および治療法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】エーラス・ダンロス症候群の治療用組成物および治療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/39 20060101AFI20231108BHJP
   A61K 31/417 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20231108BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 1/08 20060101ALN20231108BHJP
   A61P 3/00 20060101ALN20231108BHJP
   A61P 3/02 20060101ALN20231108BHJP
   A61P 25/04 20060101ALN20231108BHJP
【FI】
A61K38/39
A61K31/417
A61K35/76
A61K39/395 V
A61P19/02
A61P43/00 105
A61P43/00 121
A61P1/08
A61P3/00
A61P3/02
A61P25/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020554063
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018067271
(87)【国際公開番号】W WO2019126737
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-20
(31)【優先権主張番号】62/608,687
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520226481
【氏名又は名称】リソリス バイオ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクマイケル, ジョン
【審査官】深草 亜子
(56)【参考文献】
【文献】特表昭63-502591(JP,A)
【文献】国際公開第2012/039518(WO,A1)
【文献】特表2017-529388(JP,A)
【文献】特表2011-504877(JP,A)
【文献】特表2009-530370(JP,A)
【文献】Am.J.Med.Genet.C Semin.Med.Genet.,2017年03月,Vol.175,pp.226-236
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 35/00-35/768
A61K 38/00-38/58
CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エーラス・ダンロス症候群を患う患者の症候の治療用組成物であって、
前記エーラス・ダンロス症候群の症候が、疲労および関節過可動からなる群から選択される1つ以上の症候であり
麻疹ウイルス、ヒスタミンおよびコラーゲンを含み、
前記麻疹ウイルスが弱毒生ワクチンである、
組成物。
【請求項2】
0.4TCID50から400TCID50の用量で麻疹ウイルスを含む、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項3】
0.001mgから0.1mgの用量でヒスタミンを含む、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項4】
前記ヒスタミンが、水溶性ヒスタミン塩である、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項5】
前記ヒスタミンが、リン酸ヒスタミンである、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項6】
0.0001mgから0.1mgの用量でコラーゲンを含む、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項7】
さらに免疫グロブリンを含む、請求項1に記載の治療用組成物。
【請求項8】
0.0001mgから0.3mgの用量で免疫グロブリンを含む、請求項7に記載の治療用組成物。
【請求項9】
前記免疫グロブリンが、ヒト免疫グロブリンである、請求項7に記載の治療用組成物。
【請求項10】
前記免疫グロブリンが、IgGである、請求項7に記載の治療用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、その開示全体が本明細書に参照により組み込まれる2017年12月21日に出願がなされた米国仮特許出願第62/608,687号の優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、エーラス・ダンロス症候群(EDS)の治療法および治療用組成物に関する。EDSは、コラーゲンの不完全な処理とその結果、体内の結合組織の脆弱化を引き起こす十数の遺伝性疾患を含む症候群である。大まかに一般化すると、これらの障害は、体の骨格内の結合組織(特に、関節をつなぐもの)の強度を低下させ、弾性を増加させ、生命を脅かす欠陥または腎臓、腸、血管などの器官の構造および性能の脆弱性を引き起こす可能性がある。症状としては、動揺関節、伸縮性のある皮膚、異常な瘢痕形成が挙げられる。これらは、出生時または幼児期に気づく可能性がある。合併症としては、大動脈解離、関節脱臼、脊柱側弯症、慢性疼痛、初期変形性関節症が挙げられる。
【0003】
EDSは、十種以上の遺伝子の1つの変異が原因であり、世界的に見ると約5,000人に1人が罹患している。予後は、特定のタイプに依存する。一部のタイプは、通常の寿命になるが、血管が罹患するタイプは、一般より短い寿命になる。EDSの既知の治療法はなく、治療は、本質的に補助的である。例えば、理学療法と支柱は、筋力を強くし関節を支えるのを助ける。
【0004】
罹患した特定の遺伝子は、EDSのタイプを決定する。一部の場合は、初期発生中に生じる新たな変異に起因するが、他の場合は、常染色体優性または劣性様式で遺伝する。現在、EDSには13の異なるタイプがある。最も多い2つのタイプは、過可動型EDS(hEDS)と古典型EDS(cEDS)である。残りのタイプは、非常に希である。
【0005】
EDSは、5,000人に1人が罹患していると見積もられている。過可動型EDSは、現在、hEDSとして知られており、それは、以前はタイプ3EDSと呼ばれていたものを含むがそれに限定されず、種々の症候群のうち最も多く、EDS人口全体の3分の1から半分(10,000人から15,000人に1人)が罹患している。タイプ1および2-古典型EDSは、約20,000人から50,000人に1人が罹患している。それは、常染色体優性機構が原因であり、タイプ-Vコラーゲンにもタイプ-Iコラーゲンにも作用する。タイプ1古典型EDSは、通常、重度の皮膚転移を示すが、タイプ2は、軽度から適度の皮膚転移を示す。古典型EDSを有する患者は、過可動型EDS(hEDS)と同じ症候を経験する可能性がある。古典型EDSを有する患者も、重度の関節の問題を有し、MCCによく応答する可能性があるにもかかわらず、hEDSタイプと古典タイプとの間の主な違いは、古典タイプは、より多くの皮膚転移を有するが、hEDSは、より多くの関節障害を有することである。血管型EDS(vEDS)などの他の変形は、大動脈解離につながる可能性があり、さらに小さな患者人口を表わす。vEDSは、現行の開発中の治療法(セリプロロールおよびイルベサルタン)がある唯一の変形である。EDSの古典形態は、腱のコラーゲン合成速度を改善するIGF-Iの効能を評価する初期の臨床研究の主題であった。hEDSの治療のための薬剤が依然として必要とされている。
【0006】
EDSのサブタイプの同定は、病理の本質とそれらの原因を明らかにするのを助ける。EDSは治癒できないが多くの症候が治療可能であるため、診断は重要である。治療は、本質的に補助的である。ほとんどの場合、疼痛は、主な患者の不平であり、通常、体をつなぐために時間外に動く筋肉が原因で高疲労を伴う。薬剤は、疼痛を治療するために処方されるが、病気の根本的原因については何もしない。EDS患者の非薬理学的治療は、筋肉が関節を支えて安全に維持するために靭帯とともに十分に動くのを助ける理学療法に限定される。水治療法が特に有酸素運動にとって助けになる。最後に、支柱とギプス固定が関節を支える助けになる可能性がある。残念ながら、多くの場合、進行性疾患は、車椅子および永久無能力につながる。
【0007】
以前はタイプ3EDSと呼ばれていたものを含むがそれに限定されない過可動型EDS(hEDS)は、大きな関節にも小さな関節にも作用する関節過可動性により主に特徴付けられ、それは、再発性関節脱臼および亜脱臼(部分脱臼)につながる可能性がある。一般に、このタイプを有する人は、痣ができやすく、軟らかで、滑らかでもち肌の皮膚と筋肉や骨の慢性疼痛を有する。
【0008】
古典型EDS(cEDS)は、非常に弾力のある(伸縮性のある)滑らかな皮膚と関連し、それは、脆く痣ができやすく、幅広い萎縮性瘢痕(平らな瘢痕または陥没した瘢痕)であり、関節過可動性である。モルスクム様偽腫瘍(肘などの圧点を覆う石灰化血腫)およびスフェロイド(前腕および脛上の脂肪含有嚢胞)も頻繁に見られる。筋緊張低下症および遅延性運動機能発達が生じる可能性がある。
【0009】
血管型EDS(vEDS)は、非常に脆く痣ができやすい薄い半透明の皮膚により特徴付けられる。動脈と腸および子宮などの特定の器官も脆く断裂しやすい。このタイプを有する人は、通常、低い身長、薄い頭髪、大きな目、薄い鼻、耳たぶのない耳などの独特の顔の特徴を有する。関節過可動性は存在するが、一般に小さな関節(手指、足指)に限定される。他の一般的な特徴としては、内反足、腱断裂や筋断裂、肢端早老症(手および足の皮膚の早老)、早期発症型静脈瘤、気胸(肺の虚脱)、歯茎の後退および皮下脂肪の減量が挙げられる。
【0010】
脊柱後側弯症型EDS(kEDS)は、出生時の重度の筋緊張低下症、遅延性運動機能発達、進行性脊柱側弯症(出生から存在)、および強膜の脆弱性と関連する。患者はまた、痣ができやすく、断裂しやすい脆い動脈、異常に小さな角膜および骨減少症(低骨密度)を有する可能性がある。他の一般的な特徴としては、細長い指(クモ指症)により特徴付けられる「マルファン様体型」、異常に長い肢および陥没胸(漏斗胸)または突出胸(鳩胸)が挙げられる。
【0011】
多発性関節弛緩型EDS(aEDS)は、重度の関節過可動性および先天性股関節脱臼により特徴付けられる。他の一般的な特徴としては、痣ができやすい脆く弾力のある皮膚、筋緊張低下症、脊柱後側弯症(脊柱後弯症および脊柱側弯症)および軽度の骨減少症が挙げられる。
【0012】
皮膚粗鬆症型EDS(dEDS)は、重度の痣と瘢痕につながる非常に脆い皮膚、特に顔の垂れ下がった余分な皮膚およびヘルニアと関連する。脆弱角膜症候群(BCS)は、薄い角膜、早期発症型進行性球状角膜および青色強膜により特徴付けられる。
【0013】
古典様型EDS(clEDS)は、もち肌の皮膚の質感を有し、萎縮性瘢痕のない皮膚過伸展性、再発性脱臼(多くの場合、肩と足首)ありまたはなしの全身性関節過可動性(GJH)、および痣ができやすい皮膚または自発的斑状出血(下血に起因する皮膚の変色)により特徴付けられる。
【0014】
椎骨形成異常型EDS(spEDS)は、低い身長(幼年時代に進行)、筋緊張低下症(重度先天性から軽度後期発症に及ぶ)およびガニ股により特徴付けられる。
【0015】
筋収縮型EDS(mcEDS)は、先天的多発性拘縮、特徴的に内転-屈曲拘縮および/または内反尖足(内反足)、出生時または幼児期に明らかな独特の頭蓋顔面特徴および皮膚過伸展性、痣のできやすさ、萎縮性瘢痕を伴う皮膚脆弱性、掌の皺の増加などの皮膚特徴により特徴付けられる。
【0016】
筋障害型EDS(mEDS)は、先天性筋緊張低下症および/または年とともによくなる筋萎縮症、近位関節(膝、股および肘の関節)の拘縮および遠位関節(足首、手首、足および手の関節)の過可動性により特徴付けられる。
【0017】
歯周型EDS(pEDS)は、早期発症(幼年時代または思春期)の重度かつ難治性歯周炎、付着歯肉の欠如、前脛骨性プラークおよび臨床基準を満たす第一度近親者の家族歴により特徴付けられる。
【0018】
心臓弁型EDS(cvEDS)は、重度の進行性心臓弁膜症(大動脈弁、僧帽弁)、皮膚の問題(過伸展性、萎縮性瘢痕、薄皮、痣のできやすさ)および関節過可動性(全身性または小さな関節に限定)により特徴付けられる。
【0019】
過可動型EDS(hEDS)(タイプIIIEDSとしても知られている)は、EDSの最も多い形態であるが、その発生の遺伝的根拠は明らかになっていない。一般に、hEDSは、他のタイプのEDSほど深刻ではないが、重大な合併症、特に筋骨格系のものが生じると考えられている。多くの場合、皮膚は、軟らかく、わずかに過伸展性である可能性がある。ひどく痛い可能性がある亜脱臼と脱臼が一般的であると言われ、自然に、または最小限の外傷で生じる可能性がある。変性関節疾患、痣のできやすさおよび慢性疼痛は症候群によくある。
【0020】
正常に機能するコラーゲンによりしっかりとつながらない過可動性関節または動揺関節は、頻繁な亜脱臼、脱臼および疼痛を経験する。これは、過伸展性関節がそれらの正常範囲を越えて動く場合に重大な問題になる可能性がある。同様に、早期発症型変形性関節症が、この関節の過可動性のよくある結果である。過可動性関節を有する多くの患者も、おそらく体をつなぐために時間外に動く筋肉が原因である疲労を報告している。EDSはまた、過伸展性および組織の脆弱性などの皮膚障害を示す。幼児期に気づく可能性があるこれらの特徴は、分類目的のために使用されるEDSの複数のサブタイプを定義し区別するのを助ける。
【0021】
まとめると、疼痛の兆候とその可能なEDSの根本的機構に関する全ての断片化データは、複雑な病因を示す。単一の関節の一時的な中程度の治療反応性疼痛から慢性の重度の全身に作用する動けないほどの疼痛への遅い進行は、複数の原因となる病理を示す。一部の患者は、疼痛を局限し満足のいく生活を経験することができるが、他の患者は、敗北を感じ、非常に制限された生活を生きる。これらの理由から、当該技術分野において、EDSおよびEDSの症候のより効果的な治療が依然として必要とされている。
【0022】
ヒスタミン[4-(2-アミノエチル)-イミダゾールまたはβ-イミダゾリル-エチルアミン]は、顕著な生物活性を持つ化学物質である。それは、胃液分泌の強力な刺激剤および平滑筋の収縮剤である。それは、血圧の比較的急激な低下を引き起こす大用量血管拡張剤である。それは、外傷または抗原物質による刺激に際し上皮細胞により遊離されることがよく知られている。肥満細胞内および好塩基性顆粒内のその貯蔵およびそれらからの放出およびタイプI過敏症反応のその役割が、広範な研究の主題であった。
【0023】
本出願に関心があるのは、尿失禁症候治療用のヒスタミンの投与に向けられている米国特許第5,877,198号明細書および便失禁症候治療用のヒスタミンの投与に向けられている米国特許第6,156,780号明細書の開示である。また、関心があるのは、公開された米国特許出願公開第2014/0121256号明細書の開示であり、それは、筋力低下の治療用のヒスタミンの投与に向けられている。
【0024】
さらに本出願に関心があるのは、多発性硬化症症候治療用のヒスタミンと不活化弱毒麻疹ウイルス(はしか)の投与に向けられている米国特許第4,521,405号明細書および慢性疼痛治療用のヒスタミンと不活化麻疹ウイルス(はしか)の投与に向けられている米国特許第4,705,685号明細書の開示である。
【0025】
また本発明に関心があるのは、関節リウマチを患う患者に、痛みの軽減、可動性と柔軟性の向上、腫れの軽減、炎症の軽減およびエネルギーの増加など関節リウマチ症候の緩和のためにヒスタミン、リウマチ因子形成を誘発する免疫グロブリンGまたはその免疫学的活性画分、コラーゲンと弱毒麻疹ウイルス(はしか)との混合物を含む有効量の組成物を投与することに向けられている米国特許第4,704,273号明細書の開示である。弱毒麻疹ウイルス(はしか)とヒスタミンを含む他の組成物が関節リウマチ症候の緩和に有用であることが報告されているが、ヒスタミン単独またはリウマチ因子形成を誘発する免疫グロブリンGと組み合わせたヒスタミンを含む組成物は、このような症候の緩和に有用でないことが報告されている。
【0026】
特許は、さらに、ヒスタミン、麻疹ウイルス(はしか)ワクチンおよびインフルエンザウイルスワクチンを含む組成物の投与、ヒスタミンと麻疹ウイルスの投与およびヒスタミンとインフルエンザウイルスワクチンの投与を開示している。特許は、インフルエンザウイルスワクチンありなしのヒスタミンと麻疹ウイルスとの組合せを受け入れる患者が、ヒスタミンとインフルエンザウイルスワクチンとの組合せで治療したものが改善しなかった症候を改善したことを報告した。麻疹ウイルスまたはヒスタミンのないコラーゲンとリウマチ因子形成を誘発する免疫グロブリンGとで治療した患者は、症候の改善を報告しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【文献】米国特許第5,877,198号明細書
【文献】米国特許第6,156,780号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0121256号明細書
【文献】米国特許第4,521,405号明細書
【文献】米国特許第4,705,685号明細書
【文献】米国特許第4,704,273号明細書
【発明の概要】
【0028】
本発明は、エーラス・ダンロス症候群症候の治療に関する。特に、本発明は、麻疹ウイルス、ヒスタミンおよびコラーゲンを含み、さらにIgGを含むがこれに限定されない免疫グロブリンを任意に含む組成物の投与によるエーラス・ダンロス症候群の1つ以上の症候の治療に関する。
【0029】
本発明は、特に、過可動型EDS(hEDS)および古典型EDS(cEDS)の症候の治療と、症候が、疼痛(組織損傷のない非適応性疼痛など)、疲労、関節可動域、嘔吐ならびに生活の質(QOL)および他の同様の評価を測定するための短期健康調査(SF36)などのツールにより測定される一般的な生活の質からなる群から選択されるEDS症候の治療に関する。
【0030】
本発明の組成物は、0.4TCID50から400TCID50の、より好ましくは1TCID50から10TCID50の、そして最も好ましくは4TCID50の用量で麻疹(はしか)ウイルスを含む。麻疹ウイルスは、Attenuvax(登録商標)(ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)などの弱毒生ワクチンなどのワクチンの形態で市販されているが、本発明の実施では、当業者は、他の供給源からの非弱毒ウイルスなどの麻疹ウイルスの他の形態を使用できることを理解するであろう。
【0031】
本組成物は、さらに、0.001mgから0.1mgの、より好ましくは0.01mgから0.05mgの、そして最も好ましくは0.008mgの用量でヒスタミンを含む。本発明の実施では、リン酸ヒスタミンなどの水溶性ヒスタミン塩などのヒスタミンの種々の形態を使用できる。本発明の実施では、当業者は、ヒスタミン二塩酸塩などのヒスタミンの他の形態が有用であることを理解するであろう。
【0032】
本発明の組成物中には、0.0001mgから0.1mgの、より好ましくは0.001mgから0.01mgの、そして最も好ましくは0.002mgの用量でコラーゲンが存在する。本発明の実施では、任意の供給源からのコラーゲンの任意の形態が有用であり、コラーゲンは変性されてもよく、非変性でもよいことが考えられる。特に好ましくは、例えば、Sigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)から入手できるようなウシ子牛コラーゲンである。
【0033】
本発明の一態様によれば、麻疹ウイルス、ヒスタミンおよびコラーゲンを含む組成物に免疫グロブリンを組み込むことができる。このような組成物は、0.0001mgから0.3mgの、より好ましくは0.001mgから0.03mgの、そして最も好ましくは0.003mgの用量で免疫グロブリンを含むことができる。本発明の一態様によれば、免疫グロブリンは、ヒト血清由来免疫グロブリンであるが、本発明の実施では、免疫グロブリンの供給源および免疫学的特異性は、その有用性に無関係と思われている。
【0034】
本発明による特に好ましい組成物は、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量の麻疹ウイルス(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)およびSigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの子牛由来コラーゲンまたは牛由来コラーゲンを含む。
【0035】
本発明の組成物は、当該技術分野に知られているように、薬学的に許容される希釈剤、アジュバントおよび担体と組み合わせることができる。本組成物はまた、治療されるべき患者に非経口的または経腸的に投与できる。本発明の一態様によれば、本組成物は、治療されるべき患者に皮下注射などにより非経口的に投与できるが、他の舌下投与が特に好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、エーラス・ダンロス症候群症候の治療に関する。特に、本発明は、有効量の麻疹ウイルス、ヒスタミンおよびコラーゲンを含む組成物を含む組成物の投与によるエーラス・ダンロス症候群の1つ以上の症候の治療に向けられている。
【0037】
本発明の一態様によれば、麻疹ウイルス、ヒスタミンおよびコラーゲンを含む組成物を含む組成物が提供される。成分を、フェノール食塩水(phenylated saline)中に可溶化し、処方してEDS症候および特にhEDS症候を治療するために毎日種々の間隔で滴下(0.05mL)により舌下に投与できる。それにもかかわらず、エーラス・ダンロスの分類表示に属する多くの症候群の異質な原因を考慮すると、他のタイプのEDSを患う多くの患者は、本発明の組成物による治療に応答するであろうと期待される。
【0038】
本発明の一態様によれば、本発明の組成物の投与により、疼痛、疲労、嘔吐のEDS症候を軽減でき、関節可動性(関節可動域)および生活の質の程度を改善できる。
【0039】
本発明の組成物は、0.4TCID50から400TCID50の、より好ましくは1TCID50から10TCID50の、そして最も好ましくは4TCID50の用量で麻疹(はしか)ウイルスを含む。麻疹ウイルスは、Attenuvax(登録商標)(ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)などの弱毒生ワクチンなどのワクチンの形態で市販されているが、本発明の実施では、当業者は、他の供給源からの麻疹ウイルスの他の形態を使用できることを理解するであろう。
【0040】
本組成物は、さらに、0.001mgから0.1mgの、より好ましくは0.01mgから0.05mgの、そして最も好ましくは0.008mgの用量でヒスタミンを含む。本発明の実施では、ヒスタミン二塩酸塩およびリン酸ヒスタミンなどの水溶性ヒスタミン塩などのヒスタミンの種々の形態を使用できる。ヒスタミンの特に有用な供給源の1つは、Hollister-Stier Allergy(ワシントン州、スポーカン)である。本発明の実施では、当業者は、ヒスタミンの他の形態が有用であることを理解するであろう。
【0041】
本発明の組成物中には、0.0001mgから0.1mgの、より好ましくは0.001mgから0.01mgの、そして最も好ましくは0.002mgの用量でコラーゲンが存在する。有用なコラーゲンは、変性され得るか、または非変性であり得、そして任意の動物供給源に由来する任意のタイプであり得るが、特に好ましいコラーゲンは、Sigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の子牛由来コラーゲンまたは牛由来コラーゲンである。
【0042】
本発明の一態様によれば、麻疹ウイルス、ヒスタミンおよびコラーゲンを含む組成物に免疫グロブリンを組み込むことができる。このような組成物は、0.0001mgから0.3mgの、より好ましくは0.001mgから0.03mgの、そして最も好ましくは0.003mgの用量で免疫グロブリンを含むことができる。本発明の一態様によれば、免疫グロブリンは、主にIgGであると信じられているGamaSTAN(商標)(ノースカロライナ州、リサーチトライアングルパーク、Talecris Biotherapeutics, Inc.)として市販されているようなヒト免疫グロブリンであるが、本発明の実施では、免疫グロブリンの免疫学的特異性は、その有用性に無関係と思われている。
【0043】
本発明による特に好ましい組成物は、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量の麻疹ウイルス(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)、Sigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの子牛由来コラーゲンまたは牛由来コラーゲンおよび0.003mgの免疫グロブリン(GamaSTAN(商標)、ノースカロライナ州、リサーチトライアングルパーク、Talecris Biotherapeutics, Inc.)を含む。
【0044】
好ましくは、最初の治療は、1日あたり4回の服用を含むであろうが、患者は、治療効果を経験した後、彼らの療法を、より少ない用量に用量設定できる。
【0045】
本発明の組成物は、当該技術分野に知られているように、薬学的に許容される希釈剤、アジュバントおよび担体と組み合わせることができる。他の適切な成分を本発明の成分と組み合わせることができるが、何も必要ないと考えられる。本組成物はまた、治療されるべき患者に非経口的または経腸的に投与できる。本発明の一態様によれば、本組成物は、治療されるべき患者に皮下注射などにより非経口的に投与できるが、他の舌下投与が特に好ましい。
【0046】
実施例1
この実施例によれば、hEDSと診断された女性を、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量の麻疹ウイルス(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)、Sigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの牛由来コラーゲンおよび0.003mgの免疫グロブリン(GamaSTAN(商標)、ノースカロライナ州、リサーチトライアングルパーク、Talecris Biotherapeutics, Inc.)を含む組成物の1滴(0.05ml)の毎日4回の舌下投与により治療した。
【0047】
治療の10日後に患者を評価すると、彼女の医師は、以下報告した。
【0048】
「わずか10日後、彼女は、彼女の症候群に著しい変化があった。以前は、彼女は、フルタイムの乳母を伴う在宅母であり、彼女の3人の子供を世話できず、ソファーに縛られており、おそらく1日あたり1時間だけ家を出ることができ、1週間に1度だけ買い物をし、その後、彼女は、疲労と物忘れが原因で機能しない。彼女は、1日に6度、持続性OxyContinもOxycodone/Tylenolも消費した。」
【0049】
「現在、彼女は、『過去10年間よりも多くのエネルギーを有しており』、家の周りで『子供を追いかけており』、昨日、6時間、家の外にいたが、その後虚脱はなかった。彼女の痛みは、1週間内に、禁断症状なく鎮痛薬を6つのPercocet/日から2つのPercocet/日に減らすまで小さくなった。(彼女は、2年間、このレベルの毎日の鎮痛剤であった。)」
【0050】
実施例2
この実施例によれば、タイプ3エーラス・ダンロス症候群と診断された約8年間症候群を患った異なる女性患者を、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量の麻疹ウイルス(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)、Sigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの牛由来コラーゲンおよび0.003mgの免疫グロブリン(GamaSTAN(商標)、ノースカロライナ州、リサーチトライアングルパーク、Talecris Biotherapeutics, Inc.)を含む組成物の1滴(0.05ml)の毎日4回の舌下投与により治療した。
【0051】
治療の約60日後に患者を評価すると、治療担当医は、以下報告した。
【0052】
「患者は、彼女が、彼女の鎮痛薬を、我々が開始したときの点から減らしたと報告した。彼女のフェンタニルパッチは、125mgから37mgに減少し、ガバペンチンは、夜に1200から300~600に減少した。患者が、自然に彼女の車椅子から私たちのオフィスの椅子に彼女自身を持ち上げたため、彼女のエネルギーレベルが増加したことが証明された。エネルギーの増加のこの観察は、彼女が家で彼女自身のためにより多くを行っていたことを示す彼女の母親からの報告書により補強された。患者は、依然として自発的脱臼と、彼女の睡眠間隔が明らかに増加していないことを報告した。前回の訪問以来、彼女の個性は改善し、彼女は、彼女の応答と彼女の対話において、より礼儀正しくなった。」
【0053】
実施例3
この実施例によれば、タイプ3エーラス・ダンロス症候群と診断された症候群を患った中年男性患者を、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量の麻疹ウイルス(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)、Sigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの牛由来コラーゲンおよび0.003mgの免疫グロブリン(GamaSTAN(商標)、ノースカロライナ州、リサーチトライアングルパーク、Talecris Biotherapeutics, Inc.)を含む組成物の1滴(0.05ml)の舌下投与により治療した。患者は、痛みの軽減、疲労の軽減および生活の質の向上を報告した。
【0054】
実施例4
この実施例によれば、幼年時代以来関節過可動性を有する61歳の女性を治療した。彼女は、遺伝評価によるEDSタイプに関して分類されていないが、現在の専門語ではhEDSを患っているとして分類されるであろう。彼女は、彼女が1週間あたり6日働く小さな販売店のオーナーである。治療を開始する時点で、彼女は、痛み、疲労、関節痛、および彼女の長い就業日を乗り切る困難を訴えた。
【0055】
患者を、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)、Sigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの牛由来コラーゲンを含む3成分組成物の1滴(0.05ml)の毎日4回の舌下投与により治療した。
【0056】
3成分組成物による治療の6週間後に、患者を、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量の麻疹ウイルス(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)、Sigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの牛由来コラーゲンまたは子牛由来コラーゲンおよび0.003mgの免疫グロブリン(GamaSTAN(商標)、ノースカロライナ州、リサーチトライアングルパーク、Talecris Biotherapeutics, Inc.)を含む4成分組成物の投与の1滴(0.05ml)の毎日4回の舌下投与により治療した。
【0057】
患者は、全ての以前の症候は依然として存在しているが著しく軽減したことに気づいた。彼女は、最初の訪問で動揺関節の状態についてあまり言及しなかったが、6週間目に彼女は、彼女の肩の具合が良くなったか、または肩が引き締まったと言った。患者は、治療の10日後から14日後の日中の疲労の軽減を報告し、2週間目前に痛みの軽減が明らかであったことを報告した。副作用は報告されなかった。
【0058】
実施例5
hEDS(タイプ3EDS)と診断された27歳の男性は、脆弱性、疼痛および関節脱臼を訴え、眠るのが困難であり、「物忘れ」を患っていると報告した。患者はまた、彼の状態の症候が彼の雇用の維持を困難にしていると報告した。
【0059】
患者を、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量の麻疹ウイルス(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)およびSigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの牛由来コラーゲンを含む3成分組成物の1滴(0.05ml)の毎日4回の舌下投与により治療した。
【0060】
治療の6週間後に、患者は、彼が強く感じたこと、かなり少ない関節痛であったこと、より良い睡眠パターンであったこと、および「物忘れ」の軽減を報告した。彼は、特に、彼が、数か月で初めて彼の腕を肩で回転させることができ、痛みがなく、可動範囲が増加し、脱臼がなかったことに気づいた。副作用は報告されなかった。
【0061】
3成分組成物による治療の6週間後に、患者を、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)、Sigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの牛由来コラーゲンおよび0.003mgの免疫グロブリン(GamaSTAN(商標)、ノースカロライナ州、リサーチトライアングルパーク、Talecris Biotherapeutics, Inc.)を含む4成分組成物の投与の1滴(0.05ml)の毎日4回の舌下投与により治療した。さらに免疫グロブリンを含む4成分組成物混合物の投与は、症候の改善を維持したが、彼らを3成分組成物混合物で治療した場合と比べて著しく改善することはなかった。
【0062】
EDSの形態を患っている10人の追加の患者を本発明の組成物の投与により治療し、それらの患者が、上記報告のものと同様の症候の改善を報告した。
【0063】
実施例6
この実施例によれば、高アーチ型口蓋、関節過可動性、関節痛/脱臼、痣ができやすい異常な皮膚、異常な瘢痕、創傷治癒の遅れ、皮膚伸張および皮膚線条および近視を示した21歳の女性患者は、hEDSと診断され、6/9のブライトンスコアを示した。彼女はまた、軟らかい/もち肌の皮膚、痣のできやすさ、体位性起立性頻拍症候群(POTS)の症候および筋痛を示した。
【0064】
彼女を、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量の麻疹ウイルス(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)およびSigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの牛由来コラーゲンを含む3成分組成物の1滴(0.05ml)の毎日4回の舌下投与により治療した。
【0065】
以下の表1に示した治療結果は、全身性疼痛の改善および膝機能の改善を示す。過可動性、軟らかい/もち肌の皮膚または痣のできやすさに変化はなかったが、彼女は、痛みなくより長い期間運動でき、より健康的な食事を食べていた。彼女が彼女の服用量を逃したある場合には、彼女は、POTSの結果として気絶した。
【0066】
【表1】
【0067】
実施例7
この実施例によれば、17歳の女性患者は、膝と肩の脱臼の初期症候、慢性疲労および病気(単核球症、連鎖球菌性咽頭炎など)、瘢痕と痣のできやすさ、腺の腫れおよび物忘れを示した。彼女はまた、8/9のブライトンスコアを示し、身体検査は、慢性疲労、全身性疼痛、温/冷に反応性の高い紫がかったもち肌の皮膚を示した。患者はまた、不快であり、泣き、パニック発作などの情緒的障害、および鬱病、握手、疼痛、および全身の刺痛、関節脱臼、過敏性腸症候群、酸逆流、吐き気、疲労、眩暈、嚥下困難、発疹、ドライアイ症候群および口腔内潰瘍を有することを示した。
【0068】
彼女を、フェノール食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量の麻疹ウイルス(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)、およびSigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの牛由来コラーゲンを含む3成分組成物の1滴(0.05ml)の毎日4回の舌下投与により治療した。
【0069】
治療の2週間後に、患者は、彼女がもっとエネルギーがあると言って全身の改善を報告し、まるで彼女が通常の健康であるかのように感じ、仕事、人付き合いおよび運動などの通常の生活のより多くの側面に参加したと報告した。治療結果を以下の表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
実施例8
この実施例によれば、hEDS、cEDSおよび他のEDS変形と診断された患者は、コントロール群と、彼らがリン酸食塩水緩衝液(a phenylated saline buffer)中に4TCID50の用量の麻疹ウイルス(Attenuvax(登録商標)、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション、Merck & Co.)、0.008mgのヒスタミン(ワシントン州、スポーカン、Hollister Stier Allergy)およびSigma-Aldrich(Millipore-Sigmaとしても知られている)製の0.002mgの牛由来コラーゲンを含む3成分組成物の1滴(0.05ml)の毎日4回の舌下投与により治療されたプロトコルに従って治療された治療群とに分けられる。
【0072】
コントロール患者と被験者を疼痛、疲労、関節可動域、嘔吐、および短期健康調査(SF36)などのツールにより測定することができるような一般的な生活の質の治療の前に、次いで定期的に90日の試用期間にわたって評価し、そして試用期間の終わりに各症候が改善される程度を決定する。
【0073】
その現在好ましい実施形態を考慮して、本発明の実施の多数の変更と変形が生じることが当業者に期待される。したがって、本発明の範囲に置かれるべき唯一の限定は、添付の特許請求の範囲に現われるものである。