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特許7381115組成物及びがん治療用医薬品の調製におけるその応用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】組成物及びがん治療用医薬品の調製におけるその応用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/70 20060101AFI20231108BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A61K31/70
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/5377
A61K31/444
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021526666
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 CN2020109969
(87)【国際公開番号】W WO2022007136
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】202010643576.5
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521199719
【氏名又は名称】ニュウィッシュ・テクノロジー(ベイジン)カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100157923
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴喰 寿孝
(72)【発明者】
【氏名】チー,ハイロン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シャオファン
(72)【発明者】
【氏名】スン,チョンジー
【審査官】井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-542723(JP,A)
【文献】特表2016-520066(JP,A)
【文献】特表2016-535591(JP,A)
【文献】国際公開第2019/232403(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソタグリフロジ又はその薬学的に許容される塩、二量体又は三量体、及びチロシンキナーゼ阻害剤を含む組成物であって、
前記チロシンキナーゼ阻害剤は、ENMD-2076、チボザニブ、ゲニステイン、ポナチニブ、ダフネチン、ダコミチニブ、バルリチニブ、イコチニブ、オシメルチニブメシル酸塩、オシメルチニブ、ナザルチニブ、AZD3759、アンロチニブ、アビチニブ又はラゼルチニブ、リドカイン塩酸塩、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール、アキシチニブ、ニンテダニブ、セジラニブ、パゾパニブ塩酸塩、スニチニブリンゴ酸塩、ブリバニブ、カボザンチニブ、ブリバニブアラニナート、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ENMD-2076 酒石酸塩、テラチニブ、パゾパニブ、カボザンチニブリンゴ酸塩、レゴラフェニブ水和物、ニンテダニブエタンスルホン酸塩、レンバチニブメシル酸塩、セジラニブマレイン酸塩、フルキンチニブ、スニチニブ、オルムチニブ、シトラバチニブ、バンデタニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、アパチニブ、エルロチニブ又はソラフェニブ、タキシフォリン又はビタミンEの少なくとも1つである、ことを特徴とする前記組成物
【請求項2】
ソタグリフロジ又はその薬学的に許容される塩、二量体又は三量体とチロシンキナーゼ阻害剤のモル比は、(10~40):(5~60)である、ことを特徴とする請求項に記載の組成物。
【請求項3】
がんを予防及び/又は治療において用いるための、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物
【請求項4】
前記がんは、膀胱がん、血液がん、骨がん、脳がん、乳がん、中枢神経系がん、子宮頸がん、結腸がん、子宮内膜がん、食道がん、胆嚢がん、胃腸がん、外生殖器がん、泌尿生殖器がん、頭部がん、腎臓がん、喉頭がん、肝臓がん、肺がん、筋肉組織がん、頸部がん、口腔または鼻粘膜がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がん、脾臓がん、小腸がん、大腸がん、胃がん、精巣がん及び/又は甲状腺がんを含む、ことを特徴とする請求項に記載の組成物
【請求項5】
前記治療は、腫瘍細胞増殖の阻害及び/又は腫瘍体積の抑制を含む、ことを特徴とする請求項に記載の組成物
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の組成物を含む、ことを特徴とするがん治療に使用するための医薬品。
【請求項7】
前記医薬品の投与経路は、経口投与であり、その剤形は、顆粒剤、丸剤、散剤、錠剤、カプセル剤、経口液剤又はシロップ剤を含む、ことを特徴とする請求項に記載の使用するための医薬品
【発明の詳細な説明】
【相互参照】
【0001】
本願は、2020年07月06日に中国特許庁へ提出された、出願番号202010643576.5、発明の名称「組成物及びがん治療用医薬品の調製におけるその応用」である中国特許出願に基づき優先権を主張し、その全内容は、援用により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、医薬技術分野に属し、特に組成物及びがん治療用医薬品の調製におけるその応用に関する。
【背景技術】
【0003】
1.がんの疫学
非感染性疾患は、世界全体の主要な死因となるが、がんは、非感染性疾患の中で死亡率が最も高い疾患であり、社会の健康及び医療システムに大きな負担をもたらす。従来からがんの治療は、主に手術、放射線療法及び化学療法を施し、進行期のがんは化学療法を中心的に施す。伝統的な化学療法は標的化に劣るため、深刻な副作用がある。グリベックに代表される標的化学療法薬の登場により、患者への化学療法によって引き起こされる痛みが大幅に軽減されている。標的薬は、正常細胞とは異なるがん細胞の成長特性及び発現する分子について設計され、例えば、グリベックは、慢性骨髄性白血病中の構成的に活性化されたチロシンキナーゼを特異的に標的とすることにより良好な治療効果を達成する(Flynn and Gerriets、 2020)。正常細胞とは異なるがん細胞のもう一つの際立った特徴は、代謝の変化である。急速な増殖のための細胞成分の需要と生存を維持するために必要なエネルギー供給のバランスをとるために、がん細胞は好気的解糖によるグルコースの使用を好むことは、Warburg効果と呼ばれる(Warburg、 1956)。好気的解糖は、グルコースを完全に酸化してATPをを生成することはできないが、DNAおよびタンパク質の合成のための中間代謝物を大量に生成することができるため、がん細胞の増殖を促進する。従って、腫瘍細胞の糖代謝を標的にしてがん細胞の増殖を阻害することが可能である(Kroemer and Pouyssegur、 2008)。
2.ソタグリフロジ(sotagliflozin)及びがん治療
がん細胞は、主にグルコーストランスポーターを介して外部環境からグルコースを吸収し、グルコーストランスポーターは、2つの主要なファミリーに分けられ、1つは、拡散を補助することにより濃度勾配に沿ってグルコースを輸送するGLUTファミリーであり、もう1つはナトリウムイオンを共役輸送することによりグルコースを吸収するナトリウム-グルコース共輸送タンパクSGLTファミリーであり、該ファミリーのタンパク質は、ATPを消費することにより外部からグルコースを能動的に輸送し細胞で使用する(Navale and Paranjape,2016)。SGLTファミリーの2つの主なメンバーは、SGLT1及びSGLT2であり、SGLT2は、主に腎臓の近位尿細管の前端に分布し、能動輸送により原尿中のグルコースの97%以上を血中に再吸収するが、SGLT1は主に小腸絨毛の上皮細胞と腎近位尿細管の遠位端に分布し、腸内の食物からグルコース、及び原尿中のSGLT2に吸収されて残った3%程度のグルコースを吸収する(Dominguez Rieg and Rieg,2019)。糖の吸収及び再吸収におけるSGLT1及びSGLT2の重要な役割により糖尿病治療の理想的な標的となる。現在、SGLT2を標的とするエンパグリフロジン、カナグリフロジン、ダパグリフロジンは、2型糖尿病の臨床的治療に優れた治療効果を示し、心血管疾患を軽減する効果もある。SGLT1のみを標的とするmizagliflozinは、臨床試験段階に入っている。SGLT1とSGLT2の両方を標的とするソタグリフロジは、欧州連合への販売が承認されている。
【0004】
3.TKI及びがん症のTKIに対する薬剤耐性
受容体型チロシンキナーゼ(RTK)は、がん中の発症を促進する最も一般的な遺伝子であり、RTKは、対応するリガンドと結合した後、通常、二量体化してから自己リン酸化を触媒し、がん細胞の増殖を促進する一連の下流シグナル伝達カスケード反応を促進する(Lemmon and Schlessinger、 2010; Yarden and Pines、 2012)。がん細胞は、通常、RTKを過剰発現するか、又はRTKの構成的活性化による変異を行いRTKの活性を高め、自身の増殖を促進するため、RTK活性を標的とするのは、抗がん剤を開発するための主な方法であり、RTKのATP結合ポケットを標的とする小分子チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)及びリガンド結合を標的とするモノクローナル抗体などを含む(Thomas and Weihua、 2019)。TKIの開発は、RTKの過剰発現または構成的活性化を伴う患者の無進行生存期間が延長され、患者の生活の質(quality of life, QOL)が大幅に向上し、現在、ほとんどのTKIは、対応するがん分野の第一選択薬であるが、TKIに対する自然な耐性を持つ患者を除いて、TKIの治療によく奏効する患者でも1年程度の治療周期内で獲得的な薬剤耐性を発生する(Camidge et al.; Cortot and Janne、 2014)。薬剤耐性の発生原因をまとめると、主に、薬理学的耐性及び生物学的耐性に分けられ、薬理学的耐性は、生体と薬との相互作用により薬物ががん細胞の周囲の有効濃度に到達できないによることは多く、がん細胞自体は依然として薬物に感受性がある可能性があるが、生物学的耐性は、がんの不均一性、薬物選択圧力によって引き起こされる薬物耐性変異の発生、代替シグナル経路の活性化によるものである(Minuti、 G.、 A et al)。生物学的耐性は、TKI類医薬品に対する耐性の主な原因である。がん細胞の薬剤耐性獲得のメカニズムについては、研究者は、がん薬剤耐性を克服するための多くの方法を設計し、従来の薬剤耐性変異に対する第2世代、第3世代、およびその他の新たな阻害剤を開発することし、耐性獲得後に放射線療法または化学療法と新しい標的薬と組み合わせることを含む。現在、第3世代の阻害剤でも耐性を獲得しているが、放射線療法や化学療法は僅かな効果がある。他の標的薬との併用は、薬剤耐性を克服するための第1選択になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以上の状況に鑑み、解決されるべき技術的問題は、ソタグリフロジ及びチロシンキナーゼ阻害剤を含む、組成物及びがん治療用医薬品の調製におけるその応用を提供することにある。
本発明は、さらに、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、二量体又は三量体、及びチロシンキナーゼ阻害剤を含む組成物を提供する。
【化1】
(式中、Rは、水素又は任意選択で置換されたC1-10-アルキル基、C1-5-シクロアルキル基又は5員複素環、前記任意選択で置換されたのは、1つ又は複数のR1Aで置換されたことであり、
各R1Aは、独立して、アミノ基、エステル、アミド、チオール、カルボン酸、シアノ基、ハロゲン、ヒドロキシ基又は任意置換されたC1-4-アルコキシ基、C1-5-シクロアルキル基又は5員複素環であり、前記任意選択で置換されたのは、1つ又は複数のR1Bで置換されたことであり、各R1Bは、独立して、C1-4-アルキル基、ハロゲン又はヒドロキシ基であり、nは、0、1又は2であり、
各Rは、独立して、F又はOR2Aであり、ここで、各R2Aは、独立して、水素、C1-4-アルキル基又はアシル基であり、
各Rは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ基又は任意選択で置換されたC1-10-アルキル基又はC1-10-アルコキシ基であり、前記任意選択で置換されたのは、1つ又は複数のR3Aで置換されたことであり、
各R3Aは、独立して、アミノ基、エステル、アミド、チオール、カルボン酸、シアノ基、ハロゲン、ヒドロキシ基又は任意選択で置換されたC1-4-アルコキシ基、C1-5-シクロアルキル基又は5員複素環であり、前記任意選択で置換されたのは、1つ又は複数のR3Bで置換されたことであり、各R3Bは、独立して、C1-4-アルキル基、アミノ基、シアノ基、ハロゲン又はヒドロキシ基であり、pは、0、1又は2であり、
各Rは、独立して、R4A、-N(R4A)(R4B)、-OR4A、-SR4A、-S(O)R4A又は-S(O)4Aであり、
4Aは、任意選択で置換されたC4-20-アルキル基又は4-20員ヘテロアルキル基であり、前記任意選択で置換されたのは、1つ又は複数のR4Cで置換されるとともに、別のR4Aの構成部分に任意選択で連結されて、二量体又は三量体を与えることであり、R4Bは、水素又はR4Aであり、各R4Cは、独立して、アミノ基、アミノアシル基、アゾ基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、ホルミル基、グアニジノ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、イミノイル基、イミノ基、イソチオシアネート、ニトリル、ニトロ基、ニトロソ基、硝アシル基、オキシ基、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、チオアルデヒド、チオシアネート、チオケトン、チオ尿素、尿素、或いはX、X-L-X又はX-L-X-L-Xであり、ここで、X、X及びXは、それぞれ独立して、任意選択で置換されたC1-4-アルキル基、C1-6-シクロアルキル基、5-又は6員複素環又はアリール基であり、前記任意選択で置換されたのは、1つ又は複数のR4Dで置換され、且つL及びLは、それぞれ独立して、任意選択で置換されたC1-6-アルキル基又は1-10員ヘテロアルキル基であることであり、前記任意選択で置換されたのは、1つ又は複数のR4Eで置換されることであり、各R4Dは、独立して、R4Eであるか、又は1つ又は複数のR4Eで任意選択で置換されたC1-6-アルキル基であり、各R4Eは、独立して、アミノ基、アミノアシル基、アゾ基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、ホルミル基、グアニジノ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、イミノイル基、イミノ基、イソチオシアネート、ニトリル基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトロキシル基、オキソ、スルファニル基、スルフィニル基、スルホニル基、チオアルデヒド、チオシアネート、チオケトン又は尿素であり、且つmは、1、2又は3である。)
【0006】
本発明では、Rは、メチル基であり、n=0、Rはいずれも-OHであり、p=1、Rは、Clであり、m=1、Rは、エトキシ基である。
幾つかの実施例において、前記式(I)で表される化合物は、ソタグリフロジであり、その構造が式(II)に示すとおりである。
【化2】
幾つかの実施例において、前記組成物は、ソタグリフロジとチロシンキナーゼ阻害剤からなる。
前記チロシンキナーゼ阻害剤は、EGFR阻害剤、c-Kit、c-Met、c-Ret、Raf、PDGFR、BTK、PKA/C、FGFR阻害剤、VEGFR阻害剤を含む。
前記EGFR阻害剤は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ラパチニブトシル酸塩、ゲニステイン、ラパチニブ、サピチニブ(Sapitinib)、ダフネチン、ダコミチニブ、バルリチニブ、イコチニブ、リドカイン塩酸塩、オシメルチニブメシル酸塩、オシメルチニブ、ポジオチニブ(Poziotinib)、ナザルチニブ、AZD3759、オルムチニブ、アビチニブ、ネラチニブ、ラゼルチニブを含む。
前記c-Met阻害剤は、カボザンチニブを含む。
前記PKA/C阻害剤は、ダフネチンを含む。
前記BTK阻害剤は、オルムチニブを含む。
前記c-Ret阻害剤は、レゴラフェニブ水合物、レゴラフェニブを含む。
前記Raf阻害剤は、レゴラフェニブ水合物を含む。
前記FGFR阻害剤は、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール、ニンテダニブ、ニンテダニブエタンスルホン酸塩、ポナチニブ、ブリバニブ、ブリバニブアラニナートを含む。
前記c-Kit阻害剤は、アキシチニブ、パゾパニブ、パゾパニブ塩酸塩、レゴラフェニブ水合物、スニチニブリンゴ酸塩、スニチニブ、シトラバチニブ、テラチニブを含む。
前記PDGFR阻害剤は、アキシチニブ、チボザニブ、テラチニブ、ニンテダニブ、ニンテダニブエタンスルホン酸塩、パゾパニブ、パゾパニブ塩酸塩、ポナチニブを含む。
前記VEGFR阻害剤は、アパチニブ、アキシチニブ、ニンテダニブ、セジラニブ、パゾパニブ塩酸塩、スニチニブリンゴ酸塩、ブリバニブ、カボザンチニブ、ブリバニブアラニナート、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ENMD-2076、ENMD-2076酒石酸塩、チボザニブ、ポナチニブ、フルキンチニブ、テラチニブ、タキシフォリン、パゾパニブ、カボザンチニブリンゴ酸塩、ビタミンE、レゴラフェニブ水合物、ニンテダニブエタンスルホン酸塩、レンバチニブメシル酸塩、セジラニブマレイン酸塩、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール、スニチニブ、シトラバチニブ、アンロチニブ、ソラフェニブ、バンデタニブ及びベバシズマブなどのVEGFRを標的とするモノクローナル抗体薬を含む。
【0007】
本発明では、ソタグリフロジと抗腫瘍薬の併用の薬効を検証するために使用される抗腫瘍薬は、マルチターゲット型キナーゼ阻害剤、チボザニブ、ゲニステイン、ポナチニブ、ダフネチン、ダコミチニブ、バルリチニブ、イコチニブ、オシメルチニブメシル酸塩、オシメルチニブ、ナザルチニブ、AZD3759、アンロチニブ、アビチニブ、ラゼルチニブ、リドカイン塩酸塩、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール、アキシチニブ、ニンテダニブ、セジラニブ、パゾパニブ塩酸塩、スニチニブリンゴ酸塩、ブリバニブ、カボザンチニブ、ブリバニブアラニナート、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ENMD-2076酒石酸塩、テラチニブ、パゾパニブ、カボザンチニブリンゴ酸塩、レゴラフェニブ水和物、ニンテダニブエタンスルホン酸塩、レンバチニブメシル酸塩、セジラニブマレイン酸塩、フルキンチニブ、スニチニブ、オルムチニブ、シトラバチニブ、バンデタニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、アパチニブ、エルロチニブ、ソラフェニブ、タキシフォリン又はビタミンEを含む。
前記式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、二量体又は三量体とチロシンキナーゼ阻害剤とのモル比は、(10~40):(5~60)である。
幾つかの実施例において、前記ソタグリフロジとチロシンキナーゼ阻害剤とのモル比は、(10~40):(5~60)である。
本発明に係る組成物の、がん治療用医薬品の調製における応用。
前記がんには、膀胱がん、血液がん、骨がん、脳がん、乳がん、中枢神経系がん、子宮頸がん、結腸がん、子宮内膜がん、食道がん、胆嚢がん、胃腸がん、外生殖器がん、泌尿生殖器がん、頭部がん、腎臓がん、喉頭がん、肝臓がん、肺がん、筋肉組織がん、頸部がん、口腔または鼻粘膜がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がん、脾臓がん、小腸がん、大腸がん、胃がん、精巣がん及び/又は甲状腺がんを含む。
本発明では、前記治療は、腫瘍細胞増殖の阻害及び/又は腫瘍体積の阻害を含む。本発明の実施例において、肺がん細胞、結腸・直腸がん、子宮頸がん、卵巣がん、胆管がん、胃がん、食道がん、肝臓がん細胞に対する2つの薬物の併用の効果を検証する。
【0008】
本発明は、さらに、本発明に係る組成物を含むがん治療用医薬品を提供する。
前記医薬品の投与経路は、経口投与であり、剤形は、顆粒剤、丸剤、散剤、錠剤、カプセル剤、経口液剤又はシロップ剤を含む。
本発明で提供される幾つかの実施例において、カプセル剤は、ハードカプセル剤又はソフトカプセル剤である。
本発明で提供される幾つかの実施例において、錠剤は、内服用錠剤又は口腔用錠剤である。
錠剤とは、経口投与用錠剤を指し、このような錠剤のほとんどに含まれる薬物は、消化管から吸収されて効果を発揮し、錠剤の一部に含まれる薬物は消化管で局所的に作用することもある。本発明で提供される幾つかの実施例において、錠剤は、一般的な圧縮錠、分散錠、発泡錠、チュアブル錠、コーティング錠又は徐放性錠剤である。
前記医薬品は、さらに、フルーツパウダー、食用フレーバー、甘味料、酸味料、充填剤、潤滑剤、防腐剤、懸濁助剤、食品着色料、希釈剤、乳化剤、崩壊剤または可塑剤の1つ又は2つ以上の混合物を含む薬学的に許容される添加剤を含む。
本発明は、さらに、本発明に記載の医薬品を投与するがんの治療法を提供する。
本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、二量体又は三量体及びチロシンキナーゼ阻害剤を含む組成物を提供する。本発明は、チロシンキナーゼ阻害剤がVEGFR、EGFRなどの受容体チロシンキナーゼを標的とする阻害作用に基づいて、インビボおよびインビトロ抗腫瘍試験によりソタグリフロジとチロシンキナーゼ阻害剤の併用が腫瘍に対して相乗的な阻害作用を示すことが明らかになる。2剤併用の効果は、単一の医薬品よりも有意に優れた。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、無糖培地及び糖含有培地で培養された肺がんA549細胞に対するゲフィチニブの殺傷効果を示す。
図2-a】図2-a-1は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のゲフィチニブの阻害効果を示し、図2-a-2は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のソタグリフロジの阻害効果を示し、図2-a-3は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のゲフィチニブ+10μM ソタグリフロジの併用投与被験群1の阻害効果を示し、図2-a-4は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のゲフィチニブ+20μM ソタグリフロジの併用投与被験群2の阻害効果を示し、図2-a-5は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のゲフィチニブ+30μMソタグリフロジ併用投与被験群3の阻害効果を示す。
図2-b】図2-bは、結腸・直腸がん細胞株LoVoに対するゲフィチニブ単剤及びソタグリフロジとゲフィチニブとを併用した組成物の増殖阻害率を示す。
図2-c】図2-cは、結腸・直腸がん細胞株HT29に対するゲフィチニブ単剤及びソタグリフロジとゲフィチニブとを併用した組成物の増殖阻害率を示す。
図2-d】図2-dは、結腸・直腸がん細胞株SW620に対するゲフィチニブ単剤及びソタグリフロジとゲフィチニブとを併用した組成物の増殖阻害率を示す。
図2-e】図2-eは、結腸・直腸がん細胞株HCT116に対するゲフィチニブ単剤及びソタグリフロジとゲフィチニブとを併用した組成物の増殖阻害率を示す。
図2-f】図2-f-1は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する異なる濃度のゲフィチニブ単剤の増殖阻害率を示し、図2-f-2は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する異なる濃度のソタグリフロジの阻害効果を示し、図2-f-3は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する10μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-f-4は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する20μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-f-5は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する30μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-f-6は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する40μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示す。
図2-g】図2-g-1は、食道がん細胞株KYSE30に対する異なる濃度のゲフィチニブ単剤の増殖阻害率を示し、図2-g-2は、食道がん細胞株KYSE30に対する異なる濃度のソタグリフロジの阻害効果を示し、図2-g-3は、食道がん細胞株KYSE30に対する10μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-g-4は、食道がん細胞株KYSE30に対する20μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-g-5は、食道がん細胞株KYSE30に対する30μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-g-6は、食道がん細胞株KYSE30に対する40μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示す。
図2-h】図2-h-1は、胃がん細胞株HGC-27に対する異なる濃度のゲフィチニブ単剤の増殖阻害率を示し、図2-h-2は、胃がん細胞株HGC-27に対する異なる濃度のソタグリフロジの阻害効果を示し、図2-h-3は、胃がん細胞株HGC-27に対する10μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-h-4は、胃がん細胞株HGC-27に対する20μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-h-5は、胃がん細胞株HGC-27に対する30μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-h-6は、胃がん細胞株HGC-27に対する40μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示す。
図2-i】図2-i-1は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する異なる濃度のゲフィチニブ単剤の増殖阻害率を示し、図2-i-2は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する異なる濃度のソタグリフロジの阻害効果を示し、図2-i-3は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する10μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-i-4は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する20μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-i-5は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する30μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-i-6は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する40μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示す。
図2-j】図2-j-1は、胆管がん細胞株RBEに対する異なる濃度のゲフィチニブ単剤の増殖阻害率を示し、図2-j-2は、胆管がん細胞株RBEに対する異なる濃度のソタグリフロジの阻害効果を示し、図2-j-3は、胆管がん細胞株RBEに対する10μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-j-4は、胆管がん細胞株RBEに対する20μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-j-5は、胆管がん細胞株RBEに対する30μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示し、図2-j-6は、胆管がん細胞株RBEに対する40μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のゲフィチニブの増殖阻害率を示す。
図2-k】図2-k-1は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のアファチニブの阻害効果を示し、図2-k-2は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のソタグリフロジの阻害効果を示し、図2-k-3は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のアファチニブ+10μM ソタグリフロジの併用投与被験群1の阻害効果を示し、図2-k-4は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のアファチニブ+20μM ソタグリフロジの併用投与被験群2の阻害効果を示し、図2-k-5は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のアファチニブ+30μM ソタグリフロジの併用投与被験群3の阻害効果を示し、図2-k-6は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のアファチニブ+40μM ソタグリフロジの併用投与被験群4の阻害効果を示す。
図2-l】図2-l-1は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のエルロチニブの阻害効果を示し、図2-l-2は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のソタグリフロジの阻害効果を示し、図2-l-3は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のエルロチニブ+10μM ソタグリフロジの併用投与被験群1の阻害効果を示し、図2-l-4は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のエルロチニブ+20μM ソタグリフロジの併用投与被験群2の阻害効果を示し、図2-l-5は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のエルロチニブ+30μM ソタグリフロジの併用投与被験群3の阻害効果を示し、図2-l-6は、肺がん細胞株A549に対する異なる濃度のエルロチニブ+40μM ソタグリフロジの併用投与被験群4の阻害効果を示す。
図3図3は、スクリーニングにより得られたゲフィチニブ耐性細胞株A549に対するゲフィチニブ、ソタグリフロジ及び両方の組成物の殺傷効果を示す。
図4-a-1】図4-a-1は、肝臓がん細胞株HepG2に対するアパチニブ単剤及びソタグリフロジとアパチニブを併用した組成物の増殖阻害率を示す。
図4-a-2】図4-a-2は、結腸・直腸がん細胞株LoVoに対するアパチニブ単剤及びソタグリフロジとアパチニブを併用した組成物の増殖阻害率を示す。
図4-a-3】図4-a-3は、結腸・直腸がん細胞株HT29に対するアパチニブ単剤及びソタグリフロジとアパチニブを併用した組成物の増殖阻害率を示す。
図4-a-4】図4-a-4は、結腸・直腸がん細胞株SW620に対するアパチニブ単剤及びソタグリフロジとアパチニブを併用した組成物の増殖阻害率を示す。
図4-a-5】図4-a-5は、結腸・直腸がん細胞株SW480に対するアパチニブ単剤及びソタグリフロジとアパチニブを併用した組成物の増殖阻害率を示す。
図4-b】図4-b-1は、細胞株HepG2に対する異なる濃度のアパチニブの阻害効果を示す。図4-b-2は、細胞株HepG2に対する異なる濃度のソタグリフロジの阻害効果を示す。図4-b-3は、細胞株HepG2に対する異なる濃度のアパチニブ+10μM ソタグリフロジの併用投与被験群1の阻害効果を示す。図4-b-4は、細胞株HepG2に対する異なる濃度のアパチニブ+20μM ソタグリフロジの併用投与被験群2の阻害効果を示す。図4-b-5は、細胞株HepG2に対する異なる濃度のアパチニブ+30μM ソタグリフロジ併用投与被験群3の阻害効果を示す。図4-b-6は、細胞株HepG2に対する異なる濃度のアパチニブ+40μM ソタグリフロジの併用投与被験群4の阻害効果を示す。
図4-c】図4-c-1は、胆管がん細胞株RBEに対する異なる濃度のアパチニブ単剤の増殖阻害率を示し、図4-c-2は、胆管がん細胞株RBEに対する異なる濃度のソタグリフロジ単剤の増殖阻害率を示し、図4-c-3は、細胞株胆管がんRBEに対する10μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-c-4は、細胞株RBEに対する20μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-c-5は、細胞株胆管がんRBEに対する30μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-c-6は、細胞株胆管がんRBEに対する40μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示す。
図4-d】図4-d-1は、食道がん細胞株KYSE30に対する異なる濃度のアパチニブ単剤の増殖阻害率を示し、図4-d-2は、食道がん細胞株KYSE30に対する異なる濃度のソタグリフロジ単剤の増殖阻害率を示し、図4-d-3は、食道がん細胞株KYSE30に対する10μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-d-4は、食道がん細胞株KYSE30に対する20μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-d-5は、食道がん細胞株KYSE30に対する30μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-d-6は、食道がん細胞株KYSE30に対する40μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示す。
図4-e】図4-e-1は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する異なる濃度のアパチニブ単剤の増殖阻害率を示し、図4-e-2は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する異なる濃度のソタグリフロジ単剤の増殖阻害率を示し、図4-e-3は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する10μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-e-4は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する20μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-e-5は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する30μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-e-6は、卵巣がん細胞株SKOV3に対する40μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示す。
図4-f】図4-f-1は、胃がん細胞株NGC-27に対する異なる濃度のアパチニブ単剤の増殖阻害率を示し、図4-f-2は、胃がん細胞株NGC-27に対する異なる濃度のソタグリフロジ単剤の増殖阻害率を示し、図4-f-3は、胃がん細胞株NGC-27に対する10μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-f-4は、胃がん細胞株NGC-27に対する20μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-f-5は、胃がん細胞株NGC-27に対する30μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-f-6は、胃がん細胞株NGC-27に対する40μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示す。
図4-g】図4-g-1は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する異なる濃度のアパチニブ単剤の増殖阻害率を示し、図4-g-2は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する異なる濃度のソタグリフロジ単剤の増殖阻害率を示し、図4-g-3は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する10μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-g-4は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する20μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-g-5は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する30μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示し、図4-g-6は、子宮頸がん細胞株HeLaに対する40μmol/L ソタグリフロジ及び異なる濃度のアパチニブの増殖阻害率を示す。
図5図5は、肝臓がんHepG2細胞、結腸直腸がんLoVo、HT29、DLD1、SW480、HCT116細胞の増殖に対するレンバチニブ単剤及びソタグリフロジとレンバチニブを併用した組成物の阻害作用を示す。
図6A図6-1~図6-43は、ソタグリフロジと、アキシチニブ(図6-1)、ニンテダニブ(図6-2)、セジラニブ(図6-3)、パゾパニブ塩酸塩(図6-4)、スニチニブリンゴ酸塩(図6-5)、ブリバニブ(図6-6)、カボザンチニブ(図6-7)、ブリバニブアラニナート(図6-8)、レンバチニブ(図6-9)、レゴラフェニブ(図6-10)、ENMD-2076(図6-11)、チボザニブ(図6-12)、ポナチニブ(図6-13)、ENMD-2076酒石酸塩(図6-14)、テラチニブ(図6-15)、タキシフォリン(図6-16)、パゾパニブ(図6-17)、カボザンチニブリンゴ酸塩(図6-18)、ビタミンE(図6-19)、レゴラフェニブ水和物(図6-20)、ニンテダニブエタンスルホン酸塩(図6-21)、レンバチニブメシル酸塩(図6-22)、セジラニブマレイン酸塩(図6-23)、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール(図6-24)、スニチニブ(図6-25)、シトラバチニブ(図6-26)、アンロチニブ(図6-27)、ソラフェニブ(図6-28)、バンデタニブ(図6-29)、フルキンチニブ(図6-30)、オルムチニブ(図6-31)、オシメルチニブ(図6-32)、ゲニステイン(図6-33)、アビチニブ(図6-34)、ダコミチニブ(6-35)、オシメルチニブメシル酸塩(図6-36)、ダフネチン(図6-37)、バルリチニブ(図6-38)、AZD3759(図6-39)、ラゼルチニブ(図6-40)、ナザルチニブ(図6-41)、リドカイン塩酸塩(図6-42)、イコチニブ(図6-43)との併用の効果を順に示す。
図6B図6-1~図6-43は、ソタグリフロジと、アキシチニブ(図6-1)、ニンテダニブ(図6-2)、セジラニブ(図6-3)、パゾパニブ塩酸塩(図6-4)、スニチニブリンゴ酸塩(図6-5)、ブリバニブ(図6-6)、カボザンチニブ(図6-7)、ブリバニブアラニナート(図6-8)、レンバチニブ(図6-9)、レゴラフェニブ(図6-10)、ENMD-2076(図6-11)、チボザニブ(図6-12)、ポナチニブ(図6-13)、ENMD-2076酒石酸塩(図6-14)、テラチニブ(図6-15)、タキシフォリン(図6-16)、パゾパニブ(図6-17)、カボザンチニブリンゴ酸塩(図6-18)、ビタミンE(図6-19)、レゴラフェニブ水和物(図6-20)、ニンテダニブエタンスルホン酸塩(図6-21)、レンバチニブメシル酸塩(図6-22)、セジラニブマレイン酸塩(図6-23)、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール(図6-24)、スニチニブ(図6-25)、シトラバチニブ(図6-26)、アンロチニブ(図6-27)、ソラフェニブ(図6-28)、バンデタニブ(図6-29)、フルキンチニブ(図6-30)、オルムチニブ(図6-31)、オシメルチニブ(図6-32)、ゲニステイン(図6-33)、アビチニブ(図6-34)、ダコミチニブ(6-35)、オシメルチニブメシル酸塩(図6-36)、ダフネチン(図6-37)、バルリチニブ(図6-38)、AZD3759(図6-39)、ラゼルチニブ(図6-40)、ナザルチニブ(図6-41)、リドカイン塩酸塩(図6-42)、イコチニブ(図6-43)との併用の効果を順に示す。
図6C図6-1~図6-43は、ソタグリフロジと、アキシチニブ(図6-1)、ニンテダニブ(図6-2)、セジラニブ(図6-3)、パゾパニブ塩酸塩(図6-4)、スニチニブリンゴ酸塩(図6-5)、ブリバニブ(図6-6)、カボザンチニブ(図6-7)、ブリバニブアラニナート(図6-8)、レンバチニブ(図6-9)、レゴラフェニブ(図6-10)、ENMD-2076(図6-11)、チボザニブ(図6-12)、ポナチニブ(図6-13)、ENMD-2076酒石酸塩(図6-14)、テラチニブ(図6-15)、タキシフォリン(図6-16)、パゾパニブ(図6-17)、カボザンチニブリンゴ酸塩(図6-18)、ビタミンE(図6-19)、レゴラフェニブ水和物(図6-20)、ニンテダニブエタンスルホン酸塩(図6-21)、レンバチニブメシル酸塩(図6-22)、セジラニブマレイン酸塩(図6-23)、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール(図6-24)、スニチニブ(図6-25)、シトラバチニブ(図6-26)、アンロチニブ(図6-27)、ソラフェニブ(図6-28)、バンデタニブ(図6-29)、フルキンチニブ(図6-30)、オルムチニブ(図6-31)、オシメルチニブ(図6-32)、ゲニステイン(図6-33)、アビチニブ(図6-34)、ダコミチニブ(6-35)、オシメルチニブメシル酸塩(図6-36)、ダフネチン(図6-37)、バルリチニブ(図6-38)、AZD3759(図6-39)、ラゼルチニブ(図6-40)、ナザルチニブ(図6-41)、リドカイン塩酸塩(図6-42)、イコチニブ(図6-43)との併用の効果を順に示す。
図6D図6-1~図6-43は、ソタグリフロジと、アキシチニブ(図6-1)、ニンテダニブ(図6-2)、セジラニブ(図6-3)、パゾパニブ塩酸塩(図6-4)、スニチニブリンゴ酸塩(図6-5)、ブリバニブ(図6-6)、カボザンチニブ(図6-7)、ブリバニブアラニナート(図6-8)、レンバチニブ(図6-9)、レゴラフェニブ(図6-10)、ENMD-2076(図6-11)、チボザニブ(図6-12)、ポナチニブ(図6-13)、ENMD-2076酒石酸塩(図6-14)、テラチニブ(図6-15)、タキシフォリン(図6-16)、パゾパニブ(図6-17)、カボザンチニブリンゴ酸塩(図6-18)、ビタミンE(図6-19)、レゴラフェニブ水和物(図6-20)、ニンテダニブエタンスルホン酸塩(図6-21)、レンバチニブメシル酸塩(図6-22)、セジラニブマレイン酸塩(図6-23)、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール(図6-24)、スニチニブ(図6-25)、シトラバチニブ(図6-26)、アンロチニブ(図6-27)、ソラフェニブ(図6-28)、バンデタニブ(図6-29)、フルキンチニブ(図6-30)、オルムチニブ(図6-31)、オシメルチニブ(図6-32)、ゲニステイン(図6-33)、アビチニブ(図6-34)、ダコミチニブ(6-35)、オシメルチニブメシル酸塩(図6-36)、ダフネチン(図6-37)、バルリチニブ(図6-38)、AZD3759(図6-39)、ラゼルチニブ(図6-40)、ナザルチニブ(図6-41)、リドカイン塩酸塩(図6-42)、イコチニブ(図6-43)との併用の効果を順に示す。
図6E図6-1~図6-43は、ソタグリフロジと、アキシチニブ(図6-1)、ニンテダニブ(図6-2)、セジラニブ(図6-3)、パゾパニブ塩酸塩(図6-4)、スニチニブリンゴ酸塩(図6-5)、ブリバニブ(図6-6)、カボザンチニブ(図6-7)、ブリバニブアラニナート(図6-8)、レンバチニブ(図6-9)、レゴラフェニブ(図6-10)、ENMD-2076(図6-11)、チボザニブ(図6-12)、ポナチニブ(図6-13)、ENMD-2076酒石酸塩(図6-14)、テラチニブ(図6-15)、タキシフォリン(図6-16)、パゾパニブ(図6-17)、カボザンチニブリンゴ酸塩(図6-18)、ビタミンE(図6-19)、レゴラフェニブ水和物(図6-20)、ニンテダニブエタンスルホン酸塩(図6-21)、レンバチニブメシル酸塩(図6-22)、セジラニブマレイン酸塩(図6-23)、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール(図6-24)、スニチニブ(図6-25)、シトラバチニブ(図6-26)、アンロチニブ(図6-27)、ソラフェニブ(図6-28)、バンデタニブ(図6-29)、フルキンチニブ(図6-30)、オルムチニブ(図6-31)、オシメルチニブ(図6-32)、ゲニステイン(図6-33)、アビチニブ(図6-34)、ダコミチニブ(6-35)、オシメルチニブメシル酸塩(図6-36)、ダフネチン(図6-37)、バルリチニブ(図6-38)、AZD3759(図6-39)、ラゼルチニブ(図6-40)、ナザルチニブ(図6-41)、リドカイン塩酸塩(図6-42)、イコチニブ(図6-43)との併用の効果を順に示す。
図6F図6-1~図6-43は、ソタグリフロジと、アキシチニブ(図6-1)、ニンテダニブ(図6-2)、セジラニブ(図6-3)、パゾパニブ塩酸塩(図6-4)、スニチニブリンゴ酸塩(図6-5)、ブリバニブ(図6-6)、カボザンチニブ(図6-7)、ブリバニブアラニナート(図6-8)、レンバチニブ(図6-9)、レゴラフェニブ(図6-10)、ENMD-2076(図6-11)、チボザニブ(図6-12)、ポナチニブ(図6-13)、ENMD-2076酒石酸塩(図6-14)、テラチニブ(図6-15)、タキシフォリン(図6-16)、パゾパニブ(図6-17)、カボザンチニブリンゴ酸塩(図6-18)、ビタミンE(図6-19)、レゴラフェニブ水和物(図6-20)、ニンテダニブエタンスルホン酸塩(図6-21)、レンバチニブメシル酸塩(図6-22)、セジラニブマレイン酸塩(図6-23)、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール(図6-24)、スニチニブ(図6-25)、シトラバチニブ(図6-26)、アンロチニブ(図6-27)、ソラフェニブ(図6-28)、バンデタニブ(図6-29)、フルキンチニブ(図6-30)、オルムチニブ(図6-31)、オシメルチニブ(図6-32)、ゲニステイン(図6-33)、アビチニブ(図6-34)、ダコミチニブ(6-35)、オシメルチニブメシル酸塩(図6-36)、ダフネチン(図6-37)、バルリチニブ(図6-38)、AZD3759(図6-39)、ラゼルチニブ(図6-40)、ナザルチニブ(図6-41)、リドカイン塩酸塩(図6-42)、イコチニブ(図6-43)との併用の効果を順に示す。
図7-a】図7-aは、ソタグリフロジ単剤、アパチニブ単剤及びソタグリフロジとアパチニブを併用した組成物の投与中の肺がんA549細胞によって構築された担がんマウスの腫瘍体積成長曲線を示すグラフである。
図7-b】図7-bは、ソタグリフロジ単剤、ゲフィチニブ単剤及びソタグリフロジとゲフィチニブとを併用した組成物が投与された各群の肺がんA549細胞によって構築された担がんマウスの解剖による腫瘍の観察画像を示す。
図7-c】図7-cは、ソタグリフロジ単剤、ゲフィチニブ単剤及びソタグリフロジとゲフィチニブとを併用した組成物の投与後のマウス腫瘍重量のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、組成物及びがん治療用医薬品の調製におけるその応用を提供する。当業者は、本明細書を参照し、プロセスパラメータを適切に改良して実現することができる。特に、全ての類似する置換及び改良は、当業者にとっては自明になり、これらは本発明に含まれることを指摘すべきである。本発明に係る方法及び応用は、好ましい実施形態により説明されているが、当業者は、本発明の内容、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に係る方法及び応用に改良又は適当な変更及び組み合わせを加え、本発明に係る技術を実現して適用することができる。
本発明において特に別段の記載がない限り、本発明に含まれる全ての技術的及び科学的用語の意味は、当業者によって一般的に理解されているものと一致することを意図している。本発明で使用される技術は、当技術分野で一般に理解されている技術を指すことを意図し、当業者に明らかな技術的変更又は同等技術の置換を含む。以下の用語は当業者によって十分に理解されていると考えられているが、本発明をよりよく説明するために、以下の定義が依然として示されている。
本明細書で使用される「含む」、「含める」、「有する」、「含有」又は「関する」という用語及び本明細書での他の変形は、包含式又は開放式であり、他の挙げられていない要素又は方法及び手順を除きかない。
【0011】
本発明者らは、以前の研究において、腫瘍細胞の増殖速度が低糖培地で遅くなり、且つ低糖培地でのゲフィチニブ、アパチニブなどのTKI類阻害剤に対する感受性が増加することを発見している。その方法は、以下の通りである。A549細胞が80%の密度に成長した後、継代培養し、正常培地(25mM グルコース)に細胞を4×10/mlの濃度で再懸濁し、24ウェルプレートに1ml/ウェルで塗り広げ、24時間後、それぞれ無糖培地(0mMグルコース)及び正常培地に交換するとともに、ゲフィチニブを加えて細胞を処置し、48時間後、培地を捨て、1×PBS 1mlで1回洗浄し、各ウェルに1×トリパンブルー 1mlを加えて10分間染色し、トリパンブルー染色液を吸引し、1×PBS 1mlで3回洗浄し、光学顕微鏡で写真を撮る。結果は、図1に示すように、無糖培地(0mM グルコース)で培養されたA549細胞がほぼ全て青色に着色しており、細胞がすべて死んでいることを示しているが、正常培地(25mM グルコース)中のA549細胞は、ほとんど青色に着色していない。これは、無糖環境がA549細胞のゲフィチニブに対する感受性を高めることを示す。同時に、無糖培地中の細胞密度もより低いため、無糖培養でもがん細胞の増殖を抑制できることを示す。バックグラウンド技術の説明と組み合わせて、がん細胞は、主にSGLTファミリーのタンパク質に依存して糖を吸収するため、本発明は、SGLTファミリーの2つの最も重要であるととがん細胞で高度に発現されるメンバーSGLT1及びSGLT2の二重阻害剤であるソタグリフロジ及びそのTKIチロシンキナーゼ阻害剤を含有する組成物の、がん治療用医薬品の調製における用途に関する。
本明細書で使用される「治療」という用語は、本発明の医薬品を投与した後に疾患又は病状に罹患している実験動物に前記症状が部分的又は完全に軽減されるか、または治療後に悪化し続けないことを示す。従って、治療は、治癒を含む。
【0012】
本明細書で使用される「治療効果」とは、治療によって引き起こされる効果を指し、細胞レベルでは、細胞増殖の阻害率または死細胞率として現れ、動物レベルでは、その変化、通常、疾患や病状の軽減又は改善、疾患や病状の治癒として現れ、本発明では、医薬品の有効性によれば、腫瘍増殖阻害率が60%を超えるとともに治療群と対照群の間での腫瘍体積又は重量の統計的有意差p値が0.05未満であることを採用する。
本明細書で使用される「細胞増殖阻害率」とは、薬物治療後に、対照群の吸光度の平均値に対する治療群の細胞のMTT染色を行った吸光度の平均値の比を意味し、「腫瘍増殖阻害率」とは、薬物治療後に対照群の体積又は重量の平均値に対する治療群の腫瘍体積又は重量の平均値の比を指す。
一実施形態において、前記ソタグリフロジは、対象のがんを治療するために使用される。
【0013】
本明細書で使用される「がん」という用語とは、遺伝物質の変化による上皮細胞の悪性増殖を指す。前記がんには、膀胱がん、血液がん、骨がん、脳がん、乳がん、中枢神経系がん、子宮頸がん、結腸がん、子宮内膜がん、食道がん、胆嚢がん、胃腸がん、外生殖器がん、泌尿生殖器がん、頭部がん、腎臓がん、喉頭がん、肝臓がん、肺がん、筋肉組織がん、頸部がん、口腔または鼻粘膜がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がん、脾臓がん、小腸がん、大腸がん、胃がん、精巣がん及び/又は甲状腺がんを含む。
本発明は、さらに、ソタグリフロジと他のがん治療用TKI類医薬品との併用療法に関する。一実施形態において、本発明は、対象のがんを治療するための医薬品の調製におけるソタグリフロジの用途を提供し、ここで、前記医薬品は、がんを治療するためのチロシンキナーゼ阻害剤類医薬品と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される「TKI類医薬品」という用語は、がんを治療するために使用できる当技術分野で知られている薬物を含み、EGFR阻害剤、c-Kit、c-Met、c-Ret、Raf、PDGFR、BTK、PKA/C、FGFR阻害剤、VEGFR阻害剤の少なくとも1つを含む。
【0014】
本発明で提供される組成物は、ソタグリフロジとTKI類医薬品とを含む。
1つの実施例では、前記組成物は、ソタグリフロジとゲフィチニブからなり、ここで、ソタグリフロジとゲフィチニブとのモル比は、(10~30):(10~60)である。具体的には、ソタグリフロジとゲフィチニブとのモル比は、10:10、10:20、10:30、10:50、10:60、20:10、20:20、20:30、20:50、20:60、30:10、30:20、30:30、30:50、30:60である。
1つの実施例では、前記組成物は、ソタグリフロジとアパチニブからなり、ここで、ソタグリフロジとアパチニブとのモル比は、 (10~40):(5~40)である。具体的には、ソタグリフロジとアパチニブとのモル比は、10:5、10:10、10:20、10:30、10:40、20:5、20:10、20:20、20:30、20:40、30:5、30:10、30:20、30:30、30:40、40:5、40:10、40:20、40:30、40:40であり、或いは、ソタグリフロジとアパチニブとのモル比は、(10~40):(5~60)である。具体的には、ソタグリフロジとアパチニブとのモル比は、10:5、10:10、10:20、10:30、10:40、10:60、20:5、20:10、20:20、20:30、20:40、20:60、30:5、30:10、30:20、30:30、30:40、30:60、40:5、40:10、40:20、40:30、40:40、40:60である。
【0015】
1つの実施例では、前記組成物は、ソタグリフロジとレンバチニブからなり、ここで、ソタグリフロジとレンバチニブとのモル比は、20:1である。
別の実施例では、前記組成物は、ソタグリフロジと医薬品Aからなり、前記医薬品Aは、ラパチニブトシル酸塩、ゲニステイン、ラパチニブ、サピチニブ、ダフネチン、ダコミチニブ、バルリチニブ、イコチニブ、リドカイン塩酸塩、オシメルチニブメシル酸塩、オシメルチニブ、ポジオチニブ、ナザルチニブ、AZD3759、オルムチニブ、アビチニブ、ネラチニブ、ラゼルチニブ、アキシチニブ、ニンテダニブ、セジラニブ、パゾパニブ塩酸塩、スニチニブリンゴ酸塩、ブリバニブ、カボザンチニブ、ブリバニブアラニナート、レンバチニブ、レゴラフェニブ、ENMD-2076、ENMD-2076酒石酸塩、チボザニブ、ポナチニブ、フルキンチニブ、テラチニブ、タキシフォリン、パゾパニブ、カボザンチニブリンゴ酸塩、ビタミンE、レゴラフェニブ水合物、ニンテダニブエタンスルホン酸塩、レンバチニブメシル酸塩、セジラニブマレイン酸塩、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール、スニチニブ、シトラバチニブ、アンロチニブ、ソラフェニブ、バンデタニブの1つである。
本発明で使用される試験材は、いずれも市場で購入する可能な普通の市販品である。
【0016】
本願の実施例では、関係する医薬品及びその英語名を表1に示す。
【表1-1】
【表1-2】
【0017】
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
【実施例
【0018】
実施例1 ソタグリフロジとゲフィチニブの併用
1、ソタグリフロジの安全な濃度の特定
無糖培地及び糖含有培地で培養された肺がんA549細胞に対するゲフィチニブの殺傷効果は、A549細胞を20μM ゲフィチニブで48時間処置した後、トリパンブルー染色により生細胞及び死細胞に区別し、死細胞がトリパンブルーによって青色に染色され、結果は、図1に示した。図1に示した以前の調査結果によると、セレックバイオテック株式会社からソタグリフロジを購入し、in vitroがん細胞増殖阻害試験を行い、まず、正常なヒト臍帯上皮細胞を使用して測定し、ソタグリフロジは濃度が80μMを超えると大きな細胞毒性を示し、80μM未満になると細胞増殖阻害として現れるため、正常な細胞への影響を与えないように本実験の後続の組成物で使用されるソタグリフロジの濃度はいずれも80μM未満である。
【0019】
2、腫瘍細胞に対する併用投与の阻害効果
ゲフィチニブ及びソタグリフロジの標的であるEGFR及びSGLT1/2の組織分布特性に基づいて、肺がん細胞株A549、結腸・直腸がん細胞株LoVo、HT29、SW620、HCT116、子宮頸がんHeLa、卵巣がんSKOV3、胃がんNGC27、胆管がんRBE、食道がんKYSE30などを選択して実験的に検証される。その方法は、細胞が80%の密度に成長してから、トリプシン消化され、継代され、96ウェルプレートに5000cells/ウェルで塗り広げ、24時間後、対応する濃度の医薬品を含む培地に交換し、48時間後、MTT法により各濃度における吸光度を検出する。
実験は、以下の各群に分けられた。
対照群:薬物を添加せず、正常培地のみを使用して細胞を培養した。
ゲフィチニブ被験群:培地にゲフィチニブのみを添加して細胞を処置し、4つの異なる濃度をそれぞれ5μM、10μM、20μM、30μMに設定して処置した。
ゲフィチニブ+ソタグリフロジの併用投与被験群:培地にソタグリフロジ(20μM)及びゲフィチニブを添加して細胞を処置し、4つの異なる濃度を設定して処置し、ここで、ゲフィチニブの濃度は、それぞれ5μM、10μM、20μM、30μMである。
培養終了後、各濃度における吸光度を対照群の吸光度で割ることにより、細胞増殖阻害率を算出した結果は、図2-a~図2-eに示した。図中では、ゲフィチニブの濃度を横軸とし、細胞増殖阻害率を縦軸とした結果は、ゲフィチニブを単独使用すると腫瘍細胞に対する阻害効果が限られているが、2剤併用は、腫瘍に対する阻害効果を向上させるのに有益であることが明らかになった。
【0020】
3、併用投与によるIC50値の測定
肺がん細胞株A549を例として、ゲフィチニブ+ソタグリフロジの併用投与によるIC50値を検出し、その実験は、以下の各群に分けられた。
ゲフィチニブ被験群(図2-a-1):培地にゲフィチニブのみを添加して細胞を処置し、1時間インキュベートした後に細胞生存率を検出した。それぞれ0μM、10μM、20μM、30μM、40μM、50μMの6つの濃度勾配を設定した。結果は、A549細胞に対するゲフィチニブのIC50値は24.42μMであることを示した。
ソタグリフロジ被験群(図2-a-2):培地にソタグリフロジのみを添加して細胞を処置し、1時間インキュベートした後に細胞生存率を検出した。それぞれ0μM、10μM、30μM、40μM、50μM、60μMの6つの濃度勾配を設定した。結果は、A549細胞に対するソタグリフロジのIC50値は73.04μMであることを示した。
ゲフィチニブ+ソタグリフロジの併用投与被験群1(図2-a-3):培地にソタグリフロジ(10μM)及びゲフィチニブを添加して細胞を処置し、1時間インキュベートした後に細胞生存率を検出した。ゲフィチニブは、それぞれ0μM、10μM、20μM、30μM、50μM、60μMの6つの異なる濃度を設定して処置した。結果は、A549細胞に対する該被験群のIC50値は17.03μMであることを示した。
【0021】
ゲフィチニブ+ソタグリフロジの併用投与被験群2(図2-a-4):培地にソタグリフロジ(20μM)及びゲフィチニブを添加して細胞を処置し、2時間インキュベートした後、細胞生存率を検出した。ゲフィチニブは、それぞれ0μM、10μM、20μM、30μM、40μMの5つの異なる濃度を設定して処置した。結果は、A549細胞に対する該被験群のIC50値は12.71μMであることを示した。
ゲフィチニブ+ソタグリフロジの併用投与被験群3(図2-a-5):培地にソタグリフロジ(30μM)及びゲフィチニブを添加して細胞を処置し、1時間インキュベートした後に細胞生存率を検出した。ゲフィチニブは、それぞれ0μM、10μM、20μM、30μM、40μM、50μMの6つの異なる濃度を設定して処置した。結果は、A549細胞に対する該被験群のIC50値は9.318μMであることを示した。
この結果は、ソタグリフロジとゲフィチニブとの組成物を使用すると、A549細胞に対するゲフィチニブの阻害率が顕著に向上し、IC50が単剤の半分未満に減少したため、ソタグリフロジの安全な濃度範囲内での併用効果が単剤のそれぞれの効果よりも優れたことを示した。他の細胞株の検証結果は、図面(2f-2j)を参照し、このようなソタグリフロジとの併用投与によるEGFRを標的とするEGFR-TKIの薬効への増強能力は、ゲフィチニブの単一の薬剤に限定されないことに言及すべきであり、図2k、図2lにおいて、本発明はA549細胞を例として他の2つのEGFR阻害剤であるアファチニブ及びエルロチニブをさらに検証しており、結果は、安全な用量のソタグリフロジの添加がアファチニブ及びエルロチニブのIC50値を効果的に低減させることができることを示した。
【0022】
実施例2 ソタグリフロジとゲフィチニブの併用によるゲフィチニブに対する腫瘍細胞の薬剤耐性への逆転
1.ゲフィチニブ耐性細胞株のスクリーニング
実施例1でのゲフィチニブとソタグリフロジの併用によりゲフィチニブの有效性を顕著に増強させている知見を取得した後、本発明は、両方の併用がゲフィチニブに対する腫瘍細胞の薬剤耐性を逆転させることができるか否かを引き続き調査した。徐々に増加する濃度のゲフィチニブを含有する培地でA549細胞を長期培養すると、細胞はゲフィチニブに対する薬剤耐性を得ることができる。本発明は、5ヶ月のスクリーニングを経った後、60μM ゲフィチニブに長期間生存できるA549ゲフィチニブ耐性細胞株を得た。
2.ソタグリフロジとゲフィチニブの併用によるゲフィチニブに対する腫瘍細胞の薬剤耐性への逆転
本発明で得られたゲフィチニブ耐性細胞株は、30μM ゲフィチニブおよびソタグリフロジの組成物を添加することにより該細胞株を依然として効果的に殺すことができる。これは、ソタグリフロジとゲフィチニブの併用がゲフィチニブに対する腫瘍細胞の薬剤耐性を逆転させることを示し、結果は、図3に示した。
【0023】
実施例3 ソタグリフロジとアパチニブの併用
1、腫瘍細胞に対する併用投与の阻害効果
実施例1でのゲフィチニブの有效性という知見を取得した後、本発明は、他のVEGFRを標的とするVEGFR-TKI類の医薬品であるアパチニブを検証し、アパチニブ及びソタグリフロジの標的であるVEGFR及びSGLT1/2の組織分布特性に基づいて、本発明は、好ましくは、肝臓がん細胞株HepG2;結腸・直腸がん細胞株LoVo、HT29、SW620、SW480;子宮頸がんHeLa;卵巣がんSKOV3;胃がんNGC27;胆管がんRBE;食道がんKYSE30などを選択して実験的に検証した。その方法は、細胞が80%の密度に成長してから、トリプシン消化され、継代され、96ウェルプレートに5000cells/ウェルで塗り広げ、24時間後、対応する濃度のアパチニブ、ソタグリフロジ及びアパチニブとソタグリフロジの医薬組成物を含有する培地に交換し、48時間後、MTT法により各濃度における吸光度を検出する。
実験は、以下の各群に分けられた。
対照群:薬物を添加せず、正常培地のみを使用して細胞を培養した。
アパチニブ被験群:培地にアパチニブのみを添加して細胞を処置し、それぞれ5μM、10μM、20μM、30μMである4つの異なる濃度を設定して処置した。
アパチニブ+ソタグリフロジの併用投与被験群:培地にソタグリフロジ(20μM)及びアパチニブを添加して細胞を処置し、アパチニブがそれぞれ5μM、10μM、20μM、30μMである4つの異なる濃度を設定して処置した。
細胞増殖阻害率は、各濃度における吸光度を対照群の吸光度で割ることにより、算出された結果を図4-a-1~図4-a-5に示した。図中では、アパチニブの濃度を横軸とし、細胞増殖阻害率を縦軸とし、結果は、腫瘍細胞に対するアパチニブ単独の阻害効果は限定的であるが、2剤併用は腫瘍に対する阻害効果を向上させるのに有利であることを示した。
【0024】
2、併用投与によるIC50値の測定
2.1、肝臓がん細胞株HepG2を例として、アパチニブ+ソタグリフロジの併用投与のIC50値を検証した実験は、以下の各群に分けられた。
アパチニブ被験群(図4-b-1):培地にアパチニブのみを添加して細胞を処置し、2時間インキュベートした後、細胞生存率を検出した。それぞれ0μM、5μM、10μM、20μM、30μM、40μMである6つの濃度勾配を設定した。結果は、HepG2細胞に対するアパチニブのIC50値は46.02μMであることを示した。
ソタグリフロジ被験群(図4-b-2):培地にソタグリフロジのみを添加して細胞を処置し、2時間インキュベートした後、細胞生存率を検出した。それぞれ0μM、20μM、30μM、40μM、60μM、80μM、100μMである7つの濃度勾配を設定した。結果は、HepG2細胞に対するソタグリフロジのIC50値は115.7μMであることを示した。
アパチニブ+ソタグリフロジの併用投与被験群1(図4-b-3):培地にソタグリフロジ(10μM)及びアパチニブを添加して細胞を処置し、2時間インキュベートした後、細胞生存率を検出した。アパチニブは、それぞれ0μM、5μM、10μM、20μM、30μM、40μMである6つの異なる濃度を設定して処置した。結果は、HepG2細胞に対する該被験群のIC50値は33.3μMであることを示した。
アパチニブ+ソタグリフロジの併用投与被験群2(図4-b-4):培地にソタグリフロジ(20μM)及びアパチニブを添加して細胞を処置し、2時間インキュベートした後、細胞生存率を検出した。アパチニブは、それぞれ0μM、5μM、10μM、20μM、30μM、40μMである6つの異なる濃度を設定して処置した。結果としては、HepG2細胞に対する該被験群のIC50値は29.69μMであることを示した。
【0025】
アパチニブ+ソタグリフロジの併用投与被験群3(図4-b-5):培地にソタグリフロジ(30μM)及びアパチニブを添加して細胞を処置し、2時間インキュベートした後、細胞生存率を検出した。アパチニブは、それぞれ0μM、5μM、10μM、20μM、30μM、40μMである6つの異なる濃度を設定して処置した。結果は、HepG2細胞に対する該被験群のIC50値は13.13μMであることを示した。
アパチニブ+ソタグリフロジの併用投与被験群4(図4-b-6):培地にソタグリフロジ(40μM)及びアパチニブを添加して細胞を処置し、2時間インキュベートした後、細胞生存率を検出した。アパチニブは、それぞれ0μM、5μM、10μM、20μM、30μM、40μMである6つの異なる濃度を設定して処置した。結果は、HepG2細胞に対する該被験群のIC50値は10.89μMであることを示した。
この結果は、ソタグリフロジとアパチニブを併用した組成物を使用すると、HepG2細胞に対するアパチニブの阻害率が顕著に向上し、IC50が単剤の1/4以下に減少するため、ソタグリフロジの安全な濃度範囲内での併用効果が単剤のそれぞれの効果よりも優れたことを示した。他の細胞株の検証結果は、図面(4c-4g)を参照した。このようなソタグリフロジとの併用投与によるVEGFRを標的とするVEGFR-TKIの薬効への増強能力は、アパチニブの単一の薬剤に限定されないことに言及すべきであり、図5中では、本発明は、他のVEGFR阻害剤であるレンバチニブを複数種の細胞株においてさらに検証し、結果は、ソタグリフロジを安全な用量で添加することによりこれらの細胞株に対するレンバチニブの阻害効果を効果的に向上させることができることを示した。
【0026】
実施例4
ソタグリフロジと併用されたTKI類医薬品が特定の1つ又は複数の医薬品に限定されないことを証明するために、他のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)をさらに検証した。
選ばれた医薬品は、アキシチニブ(図6-1)、ニンテダニブ(図6-2)、セジラニブ(図6-3)、パゾパニブ塩酸塩(図6-4)、スニチニブリンゴ酸塩(図6-5)、ブリバニブ(図6-6)、カボザンチニブ(図6-7)、ブリバニブアラニナート(図6-8)、レンバチニブ(図6-9)、レゴラフェニブ(図6-10)、ENMD-2076(図6-11)、チボザニブ(図6-12)、ポナチニブ(図6-13)、ENMD-2076酒石酸塩(図6-14)、テラチニブ(図6-15)、タキシフォリン(図6-16)、パゾパニブ(図6-17)、カボザンチニブリンゴ酸塩(図6-18)、ビタミンE(図6-19)、レゴラフェニブ水和物(図6-20)、ニンテダニブエタンスルホン酸塩(図6-21)、レンバチニブメシル酸塩(図6-22)、セジラニブマレイン酸塩(図6-23)、4-[(1E)-2-[5-[(1R)-1-(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)エトキシ]-1H-インダゾール-3-イル]ビニル]-1H-ピラゾール-1-エタノール(図6-24)、スニチニブ(図6-25)、シトラバチニブ(図6-26)、アンロチニブ(図6-27)、ソラフェニブ(図6-28)、バンデタニブ(図6-29)、フルキンチニブ(図6-30)、オルムチニブ(図6-31)、オシメルチニブ(図6-32)、ゲニステイン(図6-33)、アビチニブ(図6-34)、ダコミチニブ(図6-35)、オシメルチニブメシル酸塩(図6-36)、ダフネチン(図6-37)、バルリチニブ(図6-38)、AZD3759(図6-39)、ラゼルチニブ(図6-40)、ナザルチニブ(図6-41)、リドカイン塩酸塩(図6-42)、イコチニブ(図6-43)を含んだ。
【0027】
本発明は、肝臓がん細胞株HepG2を選択して実験的に検証することが好ましい。その方法は、細胞が80%の密度に成長してから、トリプシン消化され、継代され、96ウェルプレートに5000cells/ウェルで塗り広げ、24時間後、対応する濃度のアパチニブ、ソタグリフロジ及びアパチニブとソタグリフロジとの医薬組成物を含む培地に交換し、48時間後、MTT法により各濃度における吸光度を検出する。
実験方法は、以上と同様にして、インキュベート時間が1hである。実験では、空白対照群である正常に培養されたHepG2細胞を設けられ、ここで、ソタグリフロジ又はTKI医薬品の濃度はいずれも0であり、空白対照群細胞の生存率は100%であるが、他の投与群:使用されたソタグリフロジの濃度はいずれも30μmol/Lであり、TKI類医薬品の濃度は、表2の実験で群分けされた各群に示すようになり、結果は、図面に示した。
【0028】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
結果は、各併用群では、いずれも腫瘍細胞に対して優れた阻害効果を示し、その効果は単独投与した対照群よりも有意に優れたことを示した。
【0029】
実施例5
実施例1~4は、いずれも細胞レベルでの試験であり、本発明で発見された糖尿病治療薬であるソタグリフロジ及びそれとTKI類医薬品によるインビボでの抗腫瘍効果をさらに検証するために、本発明は、肺がんA549細胞を選択し、その細胞は維通利華公司で生産されたBalbcヌードマウスで担がん治療試験を行った。細胞が対数増殖期まで成長すると、A549細胞を収集して無血清DMEM培地に5×10cells/mlで再懸濁し、各マウスに100μlで合計5×10個の細胞を播種し、19日間後、腫瘍サイズを計測し、サイズに基づいて群分けし、各群の腫瘍の平均サイズは同等である。群分けした後、投与を開始し、ソタグリフロジの用量は、糖尿病患者に対する現在推奨されているソタグリフロジの1日用量は200~400mgであり、マウスへの用量に換算すると22~44mg/kgの用量で選択し、最終的に30mg/kgの用量を選択してソタグリフロジを経口投与した。ゲフィチニブは、以前の研究で報告されたA549異種移植腫瘍の治療の用量に基づいて100mg/kgの用量を特定して投与した。2つの医薬品の投与経路は、現在の臨床的な経口投与と一致してマウスに胃内投与した。投与周期は、2日1回である。腫瘍サイズは2日おきに計測された。投与40日後、試験を終了し、マウスを解剖して腫瘍を秤量した。
【0030】
【表3】
図7-a~図7-b~図7-cに示すように、単剤としてソタグリフロジ及びゲフィチニブはいずれも腫瘍成長を阻害することができ(図7-a~図7-b~図7-c)、ソタグリフロジとゲフィチニブとの組成物は、単独で使用される2つの薬剤よりも腫瘍への阻害効果が優れたことが分かった。医薬品の有効性の評価によると、腫瘍増殖阻害率が60%を超え、且つp値が0.05未満であることを満たす必要がある。計算したところ、各群腫瘍増殖阻害率及びp値は、以上の表に示し、ソタグリフロジ及びゲフィチニブの単剤投与はいずれも無効であるが、ソタグリフロジとゲフィチニブとの組成物の治療効果は有効であると最終的に判断された。
【0031】
上記は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明の原理から逸脱することなく、当業者にとっては、若干の改良及び修飾を加えてもよく、これらの改良及び修飾も本発明の保護範囲に含まれることを理解すべきである。

図1
図2-a】
図2-b】
図2-c】
図2-d】
図2-e】
図2-f】
図2-g】
図2-h】
図2-i】
図2-j】
図2-k】
図2-l】
図3
図4-a-1】
図4-a-2】
図4-a-3】
図4-a-4】
図4-a-5】
図4-b】
図4-c】
図4-d】
図4-e】
図4-f】
図4-g】
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7-a】
図7-b】
図7-c】