(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】深層学習に基づく溶接品質異常検出方法、検出装置並びに検出システム
(51)【国際特許分類】
B23K 31/00 20060101AFI20231108BHJP
B23K 9/095 20060101ALI20231108BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20231108BHJP
【FI】
B23K31/00 N
B23K31/00 Z
B23K9/095 505B
B23K9/095 515Z
G06N20/00
(21)【出願番号】P 2022010794
(22)【出願日】2022-01-27
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】202111098723.6
(32)【優先日】2021-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522037610
【氏名又は名称】天津商科数控技術股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Tianjin Sunke Digital control technology Co. Ltd.
【住所又は居所原語表記】17, Qingling Avenue, Yixian Park, Wuqing District, Tianjin, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】馮 友仁
(72)【発明者】
【氏名】張 永志
(72)【発明者】
【氏名】聶 蘭民
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-510725(JP,A)
【文献】登録実用新案第3197100(JP,U)
【文献】特開平05-185227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/00 - 9/32、
10/00 - 10/02
B23K 31/00
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける
実際の動的溶接パラメータ
である入力パラメータを取得するステップと、
前記
入力パラメータを予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力し
てシミュレーションすることにより、前記動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される
動的溶接パラメータのシミュレーション結果である出力パラメータを取得するステップと、
前記
入力パラメータと前記
出力パラメータとの間の誤差を求め、前記誤差が予め設定された閾値より大きい場合、前記ターゲット溶接点を異常溶接点として判定するステップと、
を含む深層学習に基づく溶接品質異常検出方法。
【請求項2】
前記動的溶接パラメータシミュレーションモデルは、深層学習オートエンコーダモデルであり、
シミュレーションすることにより前記
出力パラメータを取得する前記ステップにおいては、前記
入力パラメータを予めトレーニングされた前記深層学習オートエンコーダモデルに入力し
て前記
入力パラメータを再構成することにより、前記深層学習オートエンコーダモデルから出力される前記
出力パラメータを取得する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記再構成することにより
出力パラメータを取得するステップにおいては、
前記
入力パラメータを予めトレーニングされた前記深層学習オートエンコーダモデルのエンコーダ層に入力し、次元削減マッピングを行うことにより、前記エンコーダ層から出力されるターゲット次元パラメータを取得し、
前記ターゲット次元パラメータを予めトレーニングされた前記深層学習オートエンコーダモデルのデコーダ層に入力し、再構成マッピングを行うことにより、前記デコーダ層から出力される前記
出力パラメータを取得する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記動的溶接パラメータシミュレーションモデルは、シーケンスツーシーケンスモデルであり、
シミュレーションするにより前記
出力パラメータを取得する前記ステップにおいては、前記
入力パラメータを予めトレーニングされた前記シーケンスツーシーケンスモデルに入力し
て前記
入力パラメータを予測することにより、前記シーケンスツーシーケンスモデルから出力される前記
出力パラメータを取得する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
いずれかの前記ターゲット溶接点に対応する前記溶接プロセスにおける前記
入力パラメータを取得する前記ステップにおいては、いずれかの前記ターゲット溶接点を溶接する際に、予め設定された時間間隔で、前記溶接プロセスにおける前記
入力パラメータを取得する、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記誤差が予め設定された閾値以下である場合、取得された前記ターゲット溶接点の前記
入力パラメータをターゲット記憶領域に記憶するステップと、
前記ターゲット記憶領域か
ら前記
入力パラメータを取得し、前記
取得した入力パラメータをトレーニングサンプルとして前記動的溶接パラメータシミュレーションモデルに対して更新トレーニングを行うステップと、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記更新トレーニングを行う前記ステップにおいては、
前記トレーニングサンプルのいずれかのセットについて、前記トレーニングサンプルを前記動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力してシミュレーションを行うことにより、前記動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力されるシミュレーションサンプルデータを取得し、
前記シミュレーションサンプルデータと前記トレーニングサンプルとの間の誤差に基づいて、前記動的溶接パラメータシミュレーションモデルのモデルパラメータを調整することにより、前記動的溶接パラメータシミュレーションモデルに対する前記更新トレーニングを実現する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける
実際の動的溶接パラメータ
である入力パラメータを取得するための取得モジュールと、
前記
入力パラメータを予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力し
てシミュレーションすることにより、前記動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される
動的溶接パラメータのシミュレーション結果である出力パラメータを取得するためのシミュレーションモジュールと、
前記
入力パラメータと前記
出力パラメータとの間の誤差を求め、前記誤差が予め設定された閾値より大きい場合、前記ターゲット溶接点を異常溶接点として判定するための異常判定モジュールと、
を含む深層学習に基づく溶接品質異常検出装置。
【請求項9】
動的溶接パラメータ収集装置と、溶接点の溶接品質異常検出装置と、溶接点データ表示制御装置と、を含み、
前記動的溶接パラメータ収集装置は、溶接装置がターゲット溶接点を溶接するプロセスにおける
実際の動的溶接パラメータ
である入力パラメータを収集し、前記
入力パラメータを前記溶接点データ表示制御装置に送信し、
前記溶接品質異常検出装置は、前記溶接点データ表示制御装置に接続され、前記溶接点データ表示制御装置から送信される前記
入力パラメータを受信し、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法によ
り前記ターゲット溶接点が異常溶接点であるか否かを判定し、
前記溶接点データ表示制御装置は、前記
入力パラメータを表示し、前記
入力パラメータを前記溶接品質異常検出装置に送信する、
深層学習に基づく溶接品質異常検出システム。
【請求項10】
1つまたは複数のプログラムが記憶され、前記1つまたは複数のプログラムが実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実現する、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接品質検定の技術分野に関し、特に、深層学習(deep learning)に基づく溶接品質異常検出方法、検出装置並びに検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗溶接は、低コスト、高効率、高適応性という特徴があるため、大量生産に適用されている。大量生産では、抵抗溶接によって形成される溶接点の数が多い。例えば、自動車のホワイトボディ溶接には、約4000個以上の溶接点がある。現在一般的に使用されている溶接品質検定では、基本的にサンプリングして人工的に開削する方法により抵抗溶接の溶接品質を検定している。
【0003】
しかし、サンプリングして人工的に開削する方法は、全ての溶接点をカバーすることができず、人工的な作業が必要で、時間がかかるため、検定のコストが高くなる。
【発明の概要】
【0004】
関連技術に存在する上記問題を解決するために、本願は、深層学習に基づく溶接品質異常検出方法、検出装置並びに検出システムを提供する。
【0005】
本発明の第一態様によれば、
いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得するステップと、
動的溶接パラメータを予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力し、動的溶接パラメータをシミュレーションすることにより、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得するステップと、
動的溶接パラメータと溶接シミュレーションパラメータとの間の誤差を求め、誤差が予め設定された閾値より大きい場合、ターゲット溶接点を異常溶接点として判定するステップと、を含む深層学習に基づく溶接品質異常検出方法を提供する。
【0006】
代替の形態では、動的溶接パラメータシミュレーションモデルは、深層学習オートエンコーダモデルであり、
シミュレーションすることにより溶接シミュレーションパラメータを取得するステップにおいては、動的溶接パラメータを予めトレーニングされた深層学習オートエンコーダモデルに入力し、動的溶接パラメータを再構成することにより、深層学習オートエンコーダモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得する。
【0007】
また、代替の形態では、再構成することにより溶接シミュレーションパラメータを取得するステップにおいては、
動的溶接パラメータを予めトレーニングされた深層学習オートエンコーダモデルのエンコーダ層に入力して次元削減マッピング(dimensionality reduction mapping)を行うことにより、エンコーダ層から出力されるターゲット次元パラメータを取得し、
ターゲット次元パラメータを予めトレーニングされた深層学習オートエンコーダモデルのデコーダ層に入力し、再構成マッピングを行うことにより、デコーダ層から出力される溶接シミュレーションパラメータを取得する。
【0008】
また、代替の形態では、動的溶接パラメータシミュレーションモデルは、シーケンスツーシーケンスモデル(sequence-to-sequence model)であり、
シミュレーションすることにより溶接シミュレーションパラメータを取得するステップにおいては、動的溶接パラメータを予めトレーニングされたシーケンスツーシーケンスモデルに入力し、動的溶接パラメータを予測することにより、シーケンスツーシーケンスモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得する。
【0009】
また、代替の形態では、いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得するステップにおいては、いずれかのターゲット溶接点を溶接する際に、予め設定された時間間隔で、溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得する。
【0010】
また、代替の形態では、誤差が予め設定された閾値以下である場合、取得されたターゲット溶接点の動的溶接パラメータをターゲット記憶領域に記憶するステップと、
ターゲット記憶領域から記憶された動的溶接パラメータを取得し、記憶された動的溶接パラメータをトレーニングサンプルとして動的溶接パラメータシミュレーションモデルに対して更新トレーニングを行うステップと、をさらに含む。
【0011】
また、代替の形態では、更新トレーニングを行うステップにおいては、
トレーニングサンプルのいずれかのセットについて、トレーニングサンプルを動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力してシミュレーションを行うことにより、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力されるシミュレーションサンプルデータを取得し、
シミュレーションサンプルデータとトレーニングサンプルとの間の誤差に基づいて、動的溶接パラメータシミュレーションモデルのモデルパラメータを調整することにより、動的溶接パラメータシミュレーションモデルに対する更新トレーニングを実現する。
【0012】
本発明の第二態様によれば、
いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得するための取得モジュールと、
動的溶接パラメータを予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力し、動的溶接パラメータをシミュレーションすることにより、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得するためのシミュレーションモジュールと、
動的溶接パラメータと溶接シミュレーションパラメータとの間の誤差を求め、誤差が予め設定された閾値より大きい場合、ターゲット溶接点を異常溶接点として判定するための異常判定モジュールと、を含む深層学習に基づく溶接品質異常検出装置を提供する。
【0013】
本発明の第三態様によれば、
動的溶接パラメータ収集装置と、溶接点の溶接品質異常検出装置と、溶接点データ表示制御装置と、を含む深層学習に基づく溶接品質異常検出システムであって、
前記動的溶接パラメータ収集装置は、溶接装置がターゲット溶接点を溶接するプロセスにおける動的溶接パラメータを収集し、動的溶接パラメータを溶接点データ表示制御装置に送信し、
前記溶接品質異常検出装置は、溶接点データ表示制御装置に接続され、溶接点データ表示制御装置から送信される動的溶接パラメータを受信し、本願の第一態様の方法により、動的溶接パラメータに基づいてターゲット溶接点が異常溶接点であるか否かを判定し、
前記溶接点データ表示制御装置は、動的溶接パラメータを表示し、動的溶接パラメータを溶接品質異常検出装置に送信する、深層学習に基づく溶接品質異常検出システムを提供する。
【0014】
本発明の第四態様によれば、1つまたは複数のプログラムが記憶され、1つまたは複数のプログラムが実行されると、本願の第一態様の方法を実現する、記憶媒体を提供する。
【0015】
本発明は、以下の有益な効果を奏することができる。溶接プロセスにおける動的溶接パラメータは溶接品質の良否を直接反映することができるため、予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルを利用して、取得した動的溶接パラメータに基づいてシミュレーションを行い、溶接シミュレーションパラメータを取得する。動的溶接パラメータと溶接シミュレーションパラメータとの間の誤差が予め設定された閾値より大きい場合、動的溶接パラメータに対応する溶接プロセスにおけるターゲット溶接点が異常溶接点であることを意味する。従って、本願の方案は、人工的に開削する必要がなく、異常検出をバッチ化して、異常検出の速度がより速くなり、全ての溶接点をカバーすることができる。
【0016】
上記の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的および説明的なものであり、本願の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面は明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本願に適合する実施例を示しており、明細書と共に本願を説明するために用いられる。
【0018】
【
図1】本発明に係る一実施例の深層学習に基づく溶接品質異常検出方法のフローチャートである。
【
図2】本発明に係る他の実施例の深層学習に基づく溶接品質異常検出装置の構造概略図である。
【
図3】本発明に係る他の実施例の深層学習に基づく溶接品質異常検出システムの構造概略図である。
【
図4】本発明に係る他の実施例の電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の例示的な実施例について詳細に説明する。特に断りがない限り、異なる図面における同一の数字は、同一又は類似の要素を示す。以下の例示的な実施例に記載されている実施形態は、本願と一致する全ての実施形態を表すものではない。むしろ、これらは、特許請求の範囲に詳述されたような、本願のいくつかの態様と一致する装置および方法の例にすぎない。
【0020】
図1は、本発明に係る一実施例の深層学習に基づく溶接品質異常検出方法のフローチャートである。
図1に示すように、本実施例の深層学習に基づく溶接品質異常検出方法は、いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得するステップS101を含むことができる。
【0021】
本ステップにおいて、溶接ロボットや溶接機等の機器で溶接プロセスを実施することができ、異なる実施主体に対応する動的溶接パラメータは異なる場合がある。例えば、溶接ロボットの場合、溶接ロボットのアームに溶接棒ホルダーを取り付け、溶接コントローラを設置して溶接のプロセスを制御する。いずれかのターゲット溶接点を溶接する際に、予め設定された時間間隔で、溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得する。動的溶接パラメータは、溶接電流、溶接電圧、抵抗および電力を含むことができる。
【0022】
一例では、溶接コントローラは、例えば定位相角、定電流、または自己適応などの異なる方法により溶接プロセスにおける電流を制御することができる。ここで、定位相角とは、溶接サイクルごとの開放時間が固定値であることをいう。定電流とは、負荷や給電の変化に関わらず、溶接コントローラが溶接電流を一定に保つことをいう。自己適応とは、材料が溶接プロセスにおける機械的特性の変化に伴い、その電気的特性もそれに応じて変化し、溶接コントローラがこれらの変化に応じて制御電流を調整することをいう。
【0023】
どのような制御方法であっても、溶接コントローラは、溶接通電後にプロセスにおける溶接電流の変化を記録し、その二乗平均平方根値を算出し、その後、すべての電流値と算出された電流の二乗平均平方根値とを動的溶接パラメータの溶接電流とする。
【0024】
また、溶接電圧については、溶接棒ホルダーに電圧検出線を取り付けて、基本的に変化しない溶接棒ホルダー電圧と、常に変化する溶接コア抵抗によって形成される電圧値とを含む溶接プロセスにおける溶接電圧を収集することができる。溶接コントローラは、溶接通電後にプロセスにおける電圧変化を記録して、その二乗平均平方根値を算出し、その後、全ての電圧値及び算出された電圧の二乗平均平方根値を動的溶接パラメータにおける溶接電圧とする。
【0025】
抵抗については、収集した溶接電圧と溶接電流とを利用して算出することができる。具体的には、同時に検出された溶接電圧と溶接電流とを用いて一つの抵抗値を算出することができる。溶接コントローラは、溶接通電後、プロセスにおける抵抗変化を記録して、その二乗平均平方根値を算出する。その後、全ての抵抗値及び算出された抵抗二乗平均平方根値を動的溶接パラメータにおける抵抗とする。
【0026】
電力については、収集した溶接電圧と溶接電流とを利用して電力を算出することができる。具体的には、同時に検出された溶接電圧と溶接電流とを用いて一つの電力値を算出する。溶接コントローラは、溶接通電後、プロセスにおける電力の変化を記録して、その二乗平均平方根値を算出し。その後、全ての電力値及び算出された電力の二乗平均平方根値を動的溶接パラメータにおける電力とする。
【0027】
なお、上述の予め設定された時間長はミリ秒単位とすることができる。収集して得られた動的溶接パラメータは、時間を第1軸とし、動的溶接パラメータを第2軸とする溶接工程曲線を形成することができる。ここで、各ターゲット溶接点はいずれも溶接工程曲線を形成する。この曲線は、以下のステップにおける動的溶接パラメータに対するシミュレーションに一層有利となる。
【0028】
ステップS102において、予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに動的溶接パラメータを入力して動的溶接パラメータをシミュレーションし、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得する。
【0029】
本ステップにおいて、動的溶接パラメータシミュレーションモデルは、実際の動的溶接パラメータシミュレーションに基づいて一組の溶接シミュレーションパラメータを得るためのモデルであり、シミュレーション方法には、パラメータの再構成やパラメータの予測など、様々な方法がある。
【0030】
具体的には、動的溶接パラメータシミュレーションモデルは、動的溶接パラメータを予めトレーニングされた深層学習オートエンコーダモデルに入力して動的溶接パラメータを再構成する深層学習オートエンコーダモデルであってもよい。深層学習オートエンコーダモデルは溶接シミュレーションパラメータを出力することができる。この場合、深層学習オートエンコーダモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを直接取得すればよい。
【0031】
深層学習オートエンコーダモデルは、エンコーダ層及びデコーダ層を設置することができる。動的溶接パラメータを予めトレーニングされた深層学習オートエンコーダモデルのエンコーダ層に入力して、動的溶接パラメータに対して次元削減マッピングを行い、ターゲット次元パラメータを得ることができる。エンコーダ層から出力される当該ターゲット次元パラメータを直接取得し、その後、ターゲット次元パラメータを予めトレーニングされた深層学習オートエンコーダモデルのデコーダ層に入力して再構成マッピングを行い、デコーダ層から出力されるターゲット次元パラメータを取得する。
【0032】
なお、深層学習オートエンコーダモデルは大量の正常溶接点の動的溶接パラメータを利用してトレーニングすることができ、それによりモデルに正常溶接点の動的溶接パラメータの符号化と復号化の規則を学習させる。トレーニング時に、溶接シミュレーションパラメータと入力された動的溶接パラメータとの間の差を最小化することを目標としてトレーニングすることができる。
【0033】
また、動的溶接パラメータシミュレーションモデルは、シーケンスツーシーケンスモデルであってもよい。具体的には、動的溶接パラメータを予めトレーニングされたシーケンスツーシーケンスモデルに入力して動的溶接パラメータを予測することができ、その後、シーケンスツーシーケンスモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得すればよい。
【0034】
一般に、前のステップで形成された正常溶接点の動的溶接パラメータ工程曲線を動的溶接パラメータとしてシーケンスツーシーケンスモデルに入力し、依然として入力と出力との間の差を最小化することをトレーニングの目標として、シーケンスツーシーケンスモデルをトレーニングすることができる。
【0035】
オートエンコーダモデルであってもシーケンスツーシーケンスモデルであっても、いずれも畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、長短期記憶ネットワーク(LSTM)及びRNNの改良されたGRU(ゲート付き回帰型ユニット、Gate Recurrent Unit)によって構築することができる。
【0036】
ステップS103においては、動的溶接パラメータと溶接シミュレーションパラメータとの間の誤差を求め、誤差が予め設定された閾値より大きい場合、ターゲット溶接点を異常溶接点として判定する。
【0037】
本ステップにおいて、予め設定された閾値は、溶接実験と動的溶接パラメータシミュレーションモデルのシミュレーション結果に基づいて設定されてもよい。
【0038】
動的溶接パラメータシミュレーションモデルは、大量の正常溶接点の動的溶接パラメータをトレーニングサンプルとし、入力と出力を最小化することをトレーニング目的としてトレーニングするため、正常溶接点に対し、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータと動的溶接パラメータは非常に近く、誤差は予め設定された閾値より小さいが、異常溶接点に対し、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータは、当該異常溶接点が正常溶接点であるときの動的溶接パラメータにより近く、収集された動的溶接パラメータとの誤差が大きく、予め設定された閾値より大きい。
したがって、本願の方案では、動的溶接パラメータを利用してターゲット溶接点が異常溶接点であるか否かを判断することができる。
【0039】
動的溶接パラメータシミュレーションモデルの高精度を保つために、検出プロセスにおいてそれをリアルタイムでトレーニングさせることができる。具体的には、誤差が予め設定された閾値以下である場合、取得されたターゲット溶接点の動的溶接パラメータをターゲット記憶領域に記憶する。記憶された動的溶接パラメータをターゲット記憶領域から取得し、記憶された動的溶接パラメータをトレーニングサンプルとして動的溶接パラメータシミュレーションモデルに対して更新トレーニングを行う。
【0040】
本実施例では、トレーニングサンプルのいずれかのセットについて、トレーニングサンプルを動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力してシミュレーションを行い、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力されるシミュレーションサンプルデータを取得することができる。シミュレーションサンプルデータとトレーニングサンプルとの間の誤差に基づいて、動的溶接パラメータシミュレーションモデルのモデルパラメータを調整して、動的溶接パラメータシミュレーションモデルに対する更新トレーニングを実現する。
【0041】
本実施例では、いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得し、動的溶接パラメータを予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力して、動的溶接パラメータをシミュレーションする。動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得し、動的溶接パラメータと溶接シミュレーションパラメータとの間の誤差を求める。誤差が予め設定された閾値より大きい場合、ターゲット溶接点を異常溶接点として判定する。溶接プロセスにおける動的溶接パラメータは溶接品質の良否を直接反映することができるため、予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルを利用して、取得した動的溶接パラメータに基づいてシミュレーションを行い、溶接シミュレーションパラメータを取得する。動的溶接パラメータと溶接シミュレーションパラメータとの間の誤差が予め設定された閾値より大きい場合、動的溶接パラメータに対応する溶接プロセスで溶接して得られたターゲット溶接点が異常溶接点であることを意味する。これに基づいて、本願の方案は、人工的に開削する必要がなく、異常検出をバッチ化して、異常検出の速度がより速くなり、全ての溶接点をカバーすることができる。
【0042】
図2は、本発明に係る他の実施例の深層学習に基づく溶接品質異常検出装置の構造概略図である。
図2に示すように、本実施例に係る深層学習に基づく溶接品質異常検出装置は、
いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得する取得モジュール201と、
動的溶接パラメータを予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力して動的溶接パラメータをシミュレーションし、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得するシミュレーションモジュール202と、
動的溶接パラメータと溶接シミュレーションパラメータとの間の誤差を求め、誤差が予め設定された閾値より大きい場合、ターゲット溶接点を異常溶接点として判定する異常判定モジュール203と、を含む。
【0043】
本実施例において、取得モジュール201は、いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得する。シミュレーションモジュール202は、動的溶接パラメータを予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力して動的溶接パラメータをシミュレーションし、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得する。異常判定モジュール203は、動的溶接パラメータと溶接シミュレーションパラメータとの間の誤差を求め、誤差が予め設定された閾値より大きい場合、ターゲット溶接点を異常溶接点として判定する。溶接プロセスにおける動的溶接パラメータは溶接品質の良否を直接反映することができるため、予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルを利用して、取得した動的溶接パラメータに基づいてシミュレーションを行い、溶接シミュレーションパラメータを取得する。動的溶接パラメータと溶接シミュレーションパラメータとの間の誤差が予め設定された閾値より大きい場合、動的溶接パラメータに対応する溶接プロセスにおけるターゲット溶接点が異常溶接点であることを意味する。従って、本願の方案は、人工的に開削する必要がなく、異常検出をバッチ化して、異常検出の速度がより速くなり、全ての溶接点をカバーすることができる。
【0044】
図3は、本発明に係る他の実施例の深層学習に基づく溶接品質異常検出システムの構造概略図である。
図3に示すように、本実施例の深層学習に基づく溶接品質異常検出システムは、動的溶接パラメータ収集装置301と、溶接品質異常検出装置302と、溶接点データ表示制御装置303と、を含むことができる。
動的溶接パラメータ収集装置は、溶接装置304がターゲット溶接点を溶接するプロセスにおける動的溶接パラメータを収集し、動的溶接パラメータを溶接点データ表示制御装置に送信する。
溶接品質異常検出装置は溶接点データ表示制御装置に接続され、溶接点データ表示制御装置から送信される動的溶接パラメータを受信し、前文の方法実施例によって提供される方法に従って、動的溶接パラメータに基づいてターゲット溶接点が異常溶接点であるか否かを判定する。
溶接点データ表示制御装置は動的溶接パラメータを表示し、動的溶接パラメータを溶接品質異常検出装置に送信する。
【0045】
図4は、本発明に係る他の実施例の電子機器の構造概略図である。
図4に示すように、本実施例に係る電子機器は、少なくとも一つのプロセッサ401と、メモリ402と、少なくとも一つのネットワークインタフェース403と、その他のユーザインタフェース404と、を含む。電子機器400内の各構成要素は、バスシステム405を介して結合される。バスシステム405は、これらの構成要素間の接続通信を可能にする。バスシステム405は、データバスの他に、電源バスと、制御バスと、ステータス信号バスと、を含む。説明の明確化のため、
図4では、様々なバスをバスシステム405として表記している。
【0046】
ユーザインタフェース404は、ディスプレイ、キーボード、又はポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール(trackball)、タッチパッド、又はタッチスクリーン等)を含むことができる。
【0047】
本発明の実施例におけるメモリ402は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく、或いは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含み得ることが理解され得る。ここで、不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(Programmable ROM、PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(Erasable PROM、EPROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)、又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして使用されるランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)であってもよい。例示的であるが限定的ではない説明として、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic RAM、DRAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Double Data Rate SDRAM、DDRSDRAM)、拡張同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Enhanced SDRAM、ESDRAM)、同期接続ダイナミックランダムアクセスメモリ(Synch link DRAM、SLDRAM)およびダイレクトメモリバスランダムアクセスメモリ(Direct Rambus RAM、DRRAM)などの多くの形態のRAMが利用可能である。本明細書に記載のメモリ402は、これら及び他の任意の適切なタイプのメモリを含むが、これらに限定されないことを意図する。
【0048】
いくつかの実施形態において、メモリ402には、オペレーティングシステム4021及び第2アプリケーションプログラム4022、即ち、実行可能なユニットやデータ構造、又はそれらのサブセットや拡張セットなどの要素が記憶される。
【0049】
ここで、オペレーティングシステム4021は、様々な基幹業務を実現し、ハードウェアベースのタスクを処理するために、例えばフレームワーク層、コアライブラリ層、ドライバ層などの様々なシステムプログラムを含む。第2アプリケーションプログラム4022は、様々なアプリケーションサービスを実現するために、メディアプレーヤー(Media Player)、ブラウザ(Browser)などの様々な第2アプリケーションプログラムを含む。本発明の実施例の方法を実現するプログラムは、第2アプリケーションプログラム4022に含まれることができる。
【0050】
本発明の実施例では、メモリ402に記憶されたプログラム又は命令、具体的には、第2アプリケーションプログラム4022に記憶されたプログラム又は命令を呼び出すことにより、プロセッサ401は、各方法実施例のステップを実行する。
【0051】
上記した本発明の実施例の方法はプロセッサ401に適用されてもよいし、プロセッサ401によってされてもよい。プロセッサ401は、信号処理機能を備える集積回路チップであってもよい。実現過程において、上記方法の各ステップは、プロセッサ401におけるハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形式の命令によって完了することができる。上記のプロセッサ401は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)又はその他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲート又はトランジスタロジックデバイス、離散ハードウェアコンポーネントであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサまたは任意の従来のプロセッサなどであることができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよく、又はいずれかの従来のプロセッサ等であってもよい。本発明の実施例に関連して開示された方法ステップは、ハードウェア復号化プロセッサによって実行完了されるか、または復号化プロセッサにおけるハードウェアおよびソフトウェアユニットを組み合わせて実行完了されるものとして、直接具現化することができる。ソフトウェアユニットは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、プログラマブル読み出し専用メモリ又は電気的に消去記録可能なメモリ、レジスタ等の当該分野の成熟した記憶媒体に配置することができる。この記憶媒体は、メモリ402内に配置されている。プロセッサ401は、メモリ402内の情報を読み取り、そのハードウェアと組み合わせて上記方法のステップを完了する。
【0052】
本明細書に記載のこれらの実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はこれらの組み合わせで実現できることが理解され得る。ハードウェア実現の場合、処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、デジタル信号処理装置(DSP Device、DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device、PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本願の機能を実行するための他の電子ユニット、またはこれらの組み合わせにおいて実現することができる。
【0053】
ソフトウェア実現の場合、本明細書の技術は、本明細書の機能を実行するユニットによって実現できる。ソフトウェアコードは、メモリに記憶され、プロセッサによって実行されることができる。メモリは、プロセッサ内またはプロセッサの外部で実現されることができる。
【0054】
本発明の実施例は、さらに記憶媒体(コンピュータで読み取り可能な記憶媒体)を提供する。記憶媒体は、1つまたは複数のプログラムを記憶する。記憶媒体は、ランダムアクセスメモリのような揮発性メモリを含むことができ、また、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、ハードディスクまたはソリッドステートドライブのような不揮発性メモリを含むこともできる。メモリは、上記種類のメモリの組み合わせをさらに含むことができる。
【0055】
記憶媒体内の1つまたは複数のプログラムは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されることにより、上記の電子機器側で実行される深層学習に基づく溶接品質異常検出方法を実現することができる。
【0056】
プロセッサは、メモリに記憶された深層学習に基づく溶接品質異常検出プログラムを実行して、電子機器側で実行される深層学習に基づく溶接品質異常検出方法のステップ、即ち、
いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得するステップと、
動的溶接パラメータを予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力して動的溶接パラメータをシミュレーションし、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得するステップと、
動的溶接パラメータと溶接シミュレーションパラメータとの間の誤差を求め、誤差が予め設定された閾値より大きい場合、ターゲット溶接点を異常溶接点として判定するステップと、を実現する。
【0057】
代替の実施形態では、動的溶接パラメータシミュレーションモデルは、オートエンコーダモデルであり、
動的溶接パラメータを予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力して動的溶接パラメータをシミュレーションし、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得するステップにおいては、動的溶接パラメータを予めトレーニングされた深層学習オートエンコーダモデルに入力して動的溶接パラメータを再構成し、オートエンコーダモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得する。
【0058】
また、代替の形態では、動的溶接パラメータを予めトレーニングされた深層学習オートエンコーダモデルに入力して動的溶接パラメータを再構成し、オートエンコーダモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得するステップにおいては、
動的溶接パラメータを予めトレーニングされた深層学習オートエンコーダモデルのエンコーダ層に入力して次元削減マッピングを行い、エンコーダ層から出力されるターゲット次元パラメータを取得し、
ターゲット次元パラメータを予めトレーニングされた深層学習オートエンコーダモデルのデコーダ層に入力して再構成マッピングを行い、デコーダ層から出力される溶接シミュレーションパラメータを取得する。
【0059】
また、代替の形態では、動的溶接パラメータシミュレーションモデルは、シーケンスツーシーケンスモデルであり、
動的溶接パラメータを予めトレーニングされた動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力して動的溶接パラメータをシミュレーションし、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得するステップにおいては、動的溶接パラメータを予めトレーニングされたシーケンスツーシーケンスモデルに入力して動的溶接パラメータを予測し、シーケンスツーシーケンスモデルから出力される溶接シミュレーションパラメータを取得する。
【0060】
また、代替の形態では、いずれかのターゲット溶接点に対応する溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得するステップにおいては、いずれかのターゲット溶接点を溶接する際に、予め設定された時間間隔で、溶接プロセスにおける動的溶接パラメータを取得する。
【0061】
また、代替の形態では、誤差が予め設定された閾値以下である場合、取得されたターゲット溶接点の動的溶接パラメータをターゲット記憶領域に記憶し、
ターゲット記憶領域から記憶された動的溶接パラメータを取得し、記憶された動的溶接パラメータをトレーニングサンプルとして動的溶接パラメータシミュレーションモデルに対して更新トレーニングを行う。
【0062】
また、代替の形態では、記憶された動的溶接パラメータをトレーニングサンプルとして動的溶接パラメータシミュレーションモデルに対して更新トレーニングを行うステップにおいては、
トレーニングサンプルのいずれかのセットについて、トレーニングサンプルを動的溶接パラメータシミュレーションモデルに入力してシミュレーションを行い、動的溶接パラメータシミュレーションモデルから出力されるシミュレーションサンプルデータを取得し、
シミュレーションサンプルデータとトレーニングサンプルとの間の誤差に基づいて、動的溶接パラメータシミュレーションモデルのモデルパラメータを調整して、動的溶接パラメータシミュレーションモデルに対する更新トレーニングを実現する。
【0063】
上記実施例における装置の各モジュールが動作を実行する具体的な方法は、既に関連する方法の実施例において詳細に説明されており、ここでは詳細な説明を省略する。
【0064】
上記の実施例における同じまたは類似の部分は、互いに参照できることが理解され得る。いくつかの実施例において詳細に説明されていない内容については、他の実施例における同じまたは類似の内容を参照できる。
【0065】
なお、本明細書の説明において、「第1」、「第2」等の用語は、単に説明の目的のためのものであり、相対的な重要性を示すか、または示唆するものと理解されるべきではない。また、本願の説明において、特に断りがない限り、「複数」とは、少なくとも2つを意味する。
【0066】
フローチャート又は他の方法で記述されたいずれかのプロセス又は方法の記述は、特定の論理機能又はプロセスのステップを実現するための一又は複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、又は一部を表すものと理解されるべきである。本願の好ましい実施形態の範囲は、図示または説明された順序によらずに、関連する機能に従って、基本的に同時の方法または逆の順序で機能を実行することを含む、別の実現を含む。
【0067】
本願の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで実現できることを理解されたい。上記実施形態において、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、適切な命令実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアで実現することができる。例えば、ハードウェア実現は、データ信号に対して論理機能を実現するための論理ゲート回路を有するディスクリート論理回路、適切な組み合わせ論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの当該分野における周知技術のいずれか1つ又はこれらの組み合わせを用いることができる。
【0068】
上記実施例の方法を実現するステップの全て又は一部は、プログラムにより関連するハードウェアに指示することによって完了できることは、当業者には理解されるであろう。プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、また、当該プログラムが実行されると、方法実施例のステップの1つ又はそれらの組合せを含む。
【0069】
さらに、本願の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されることができるが、各ユニットが物理的に単独で存在していてもよく、2つ以上のユニットが1つのモジュールに統合されていてもよい。上記の統合モジュールは、ハードウェアの形式またはソフトウェア機能モジュールの形式で実現できる。統合されたモジュールがソフトウェア機能モジュールの形式で実現され、独立した製品として販売または使用される場合には、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶することもできる。
上記の記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスクまたは光ディスクなどであってもよい。
【0070】
本明細書において、用語としては「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」等の記述は、当該実施例又は例に関連して記述した具体的な特徴、構造、材料又は特性が、本願の少なくとも一つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例または例を意味するとは限らない。そして、記述された具体的な特徴、構造、材料、または特性は、いずれかの1つまたは複数の実施例または例において適切な方法で組み合わせることができる。
【0071】
以上のように本発明の実施例を説明したが、上記の実施例は例示的なものであり、本発明に対する制限として理解すべきではない。当業者は、本発明の範囲内で、上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。