(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】顧客情報収集システム及び顧客情報収集方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20231108BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G07G1/12 361E
(21)【出願番号】P 2022025387
(22)【出願日】2022-02-22
【審査請求日】2022-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】藤井 智郁
【審査官】橋沼 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-293125(JP,A)
【文献】国際公開第2020/039901(WO,A1)
【文献】特開2021-196631(JP,A)
【文献】特開2003-076907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が
使用する携帯端末と、
POS(Point Of Sales)端末と、
前記顧客が注文した商品に関する前記顧客のコメントと前記顧客の個人情報を管理する管理装置と
を含み、
前記携帯端末は、
前記顧客が注文した商品に関する商品情報を、前記管理装置から取得する商品情報取得部と、
前記顧客の前記コメント及び前記個人情報を入力するための入力画面を、前記携帯端末の表示部に表示する入力画面表示部と、
前記入力画面に入力された前記顧客の前記コメント及び前記個人情報を前記管理装置に
送信する送信部とを含み、
前記入力画面表示部は、
前記管理装置から取得した商品情報に、前記顧客が注文した商品の購入理由の入力を前記顧客に要求する情報が含まれている場合、前記顧客が注文した商品の名称と共に前記コメントの入力欄を、前記入力画面に表示し、
前記管理装置から取得した商品情報に、前記顧客が注文した商品の購入理由の入力を前記顧客に要求する情報が含まれていない場合、前記顧客が注文した商品の名称及び前記コメントの入力欄を、前記入力画面に表示せず、
前記管理装置は、前記顧客の前記コメント及び前記個人情報を前記POS端末に送信し、
前記POS端末は、
前記管理装置が送信した前記顧客の前記個人情報の種類及び前記コメントの少なくとも一方に応じた金銭的な利益を前記顧客に提供する、
顧客情報収集システム。
【請求項2】
前記POS端末は、
前記顧客の前記個人情報の種類に応じた金銭的な利益を前記顧客に提供する場合、前記顧客の個人情報の種類と、前記個人情報の種類に対応する重みとに基づき、前記商品の
第1の割引額を算出
する割引額算出部と、
前記商品の定価に基づく支払額
から、算出された前記
第1の割引額
を減算
して、前記顧客が支払う金額を算出する支払い額算出部とを含む、請求項1に記載の顧客情報収集システム。
【請求項3】
前記POS端末は、
前記コメントの文字数の多寡に応じて、前記商品の
第2の割引額を算出
する割引額算出部と、
前記商品の定価に基づく支払額
から、算出された前記第2の割引額を減算
して、前記顧客が支払う金額を算出する支払い額算出部とを含む、請求項1又は2に記載の顧客情報収集システム。
【請求項4】
前記POS端末は、
前記顧客の個人情報の種類と、前記個人情報の種類に対応する重みとに基づき、金銭に相当するポイントを算出
するポイント算出部を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の顧客情報収集システム。
【請求項5】
前記POS端末は、
前記コメントの文字数の多寡に応じて、金銭に相当するポイントを算出
するポイント算出部を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の顧客情報収集システム。
【請求項6】
前記顧客の個人情報
には、前記顧客の年齢、前記顧客の生年月日、前記顧客の性別、前記顧客の職業、前記顧客の居住地域、前記POS端末が設置された店舗への前記顧客のアクセス方法、前記顧客の客層、前記店舗への来店理由、前記顧客の身体及び生活習慣に関する情報の少なくとも一方、前記顧客の運動情報、前記顧客の行動履歴、前記携帯端末にインストールされたアプリケーションの閲覧履歴、前記顧客のWebサイトの閲覧履歴、及び、前記顧客の通販購入履歴のうちの少なくとも1つ
が含まれる、請求項1~5のいずれか1項に記載の顧客情報収集システム。
【請求項7】
顧客が
使用する携帯端末が、
顧客が注文した商品に関する顧客のコメントと顧客の個人情報を管理する管理装置から、前記顧客が注文した商品に関する商品情報を取得するステップと、
前記携帯端末が、前記顧客の前記コメント及び前記個人情報を入力するための入力画面を、前記携帯端末の表示部に表示するステップと、
前記携帯端末が、前記入力画面に入力された前記顧客の前記コメント及び前記個人情報を前記管理装置に
送信するステップと、
前記管理装置が、前記顧客の前記個人情報の種類及び前記コメントをPOS端末に送信するステップと、
前記POS端末が、
前記管理装置が送信した前記顧客の前記個人情報の種類及び前記コメントの少なくとも一方に応じた金銭的な利益を前記顧客に提供するステップと
を含
み、
前記表示するステップは、
前記管理装置から取得した商品情報に、前記顧客が注文した商品の購入理由の入力を前記顧客に要求する情報が含まれている場合、前記顧客が注文した商品の名称と共に前記コメントの入力欄を、前記入力画面に表示するステップと、
前記管理装置から取得した商品情報に、前記顧客が注文した商品の購入理由の入力を前記顧客に要求する情報が含まれていない場合、前記顧客が注文した商品の名称及び前記コメントの入力欄を、前記入力画面に表示しないステップとを含む、
顧客情報収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に関する情報を取得する顧客情報収集システム及び顧客情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客に関する情報を取得するためのシステムが提案されている。このようなシステムの一例として、特許文献1が開示する顧客商品総合管理システムは、商品情報を含む携帯サイトへの顧客の携帯端末のアクセスログを取得し、当該アクセスログに基づく携帯サイトへのアクセス状況により、顧客の商品購買前の購買動向を把握する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1が開示するシステムは、顧客の携帯端末から携帯サイトへのアクセスログを単に取得するものである。そのため、顧客の様々な個人情報及び/又は商品に関する情報を取得し、これらの情報を提供した顧客に対して金銭的な利益を提供できないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、顧客の様々な個人情報及び/又は商品に関する情報を取得すると共に、これらの情報を提供した顧客が金銭的な利益を受けることが可能な顧客情報収集システム及び顧客情報収集方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な一実施形態に係る顧客情報収集システムは、
顧客が有する携帯端末と、
POS(Point Of Sales)端末と、
顧客が注文した商品に関する顧客のコメントと顧客の個人情報を管理する管理装置と
を含み、
携帯端末は、顧客のコメント及び個人情報を管理装置に提供し、
POS端末は、顧客の個人情報の種類及びコメントの少なくとも一方に応じた金銭的な利益を顧客に提供する。
【0007】
本発明の例示的な一実施形態に係る顧客情報収集方法は、
顧客が有する携帯端末が、顧客の注文した商品に関する顧客のコメントと、顧客の個人情報を提供するステップと、
POS端末が、顧客の個人情報の種類及びコメントの少なくとも一方に応じた金銭的な利益を顧客に提供するステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、顧客の様々な個人情報及び/又は商品に関する情報を取得すると共に、これらの情報を提供した顧客が金銭的な利益を受けることが可能な顧客情報収集システム及び顧客情報収集方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の例示的な一実施形態に係る顧客情報収集システムを示す図である。
【
図2】本発明の例示的な一実施形態に係る顧客情報収集システムにおいて実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図3】本発明の例示的な一実施形態に係る顧客情報収集システムにおいて実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図6A】顧客情報提供アプリのGUIの一例を示す図である。
【
図6B】顧客情報提供アプリのGUIの別の例を示す図である。
【
図8】商品コメントテーブルの一例を示す図である。
【
図10】本発明の例示的な一実施形態に係る顧客情報収集システムが有する主要な構成要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の例示的な一実施形態について説明する。
図1は、本発明の例示的な一実施形態に係る顧客情報収集システム1を示す図である。顧客情報収集システム1は、管理装置10と、POS(Point Of Sales)端末20と、顧客携帯端末30と、店員携帯端末40とを含む。
【0011】
管理装置10は、店舗において顧客が注文した商品に関する顧客のコメントと顧客の個人情報を管理する装置である。管理装置10の具体例としては、サーバ等のコンピュータが挙げられる。管理装置10は、種々のプログラムを実行可能なプロセッサと、記憶装置と、通信インタフェースとを備える。プロセッサの具体例としては、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の種々のプロセッサが挙げられる。プロセッサは、記憶装置からプログラムを読み出して実行する。管理装置10が実行する処理及び管理装置10が有する機能の詳細については後述する。
【0012】
管理装置10は、通信インタフェースを介して、他の装置と相互にデータを通信する。管理装置10は、LAN(Local Area Network)及び/又はWAN(Wide Area Network)等を含むネットワーク100を介して、POS端末20と相互にデータを通信し得る。また、管理装置10は、インターネット等の公衆ネットワーク又はネットワーク100を介して、顧客携帯端末30と相互にデータを通信し得る。
【0013】
POS端末20は、商品の会計を行う装置であり、店舗に設置される。POS端末20は、種々のプログラムを実行可能なプロセッサと、記憶装置と、通信インタフェースとを備える。POS端末20は、通信インタフェースを介して、他の装置と相互にデータを通信する。POS端末20が実行する処理及びPOS端末20が有する機能の詳細については後述する。
【0014】
顧客携帯端末30は、顧客が有する携帯型の情報処理装置である。顧客携帯端末30の具体例としては、スマートフォン等が挙げられる。
図1には、1つの顧客携帯端末30が示されているが、顧客情報収集システム1は、複数の顧客携帯端末30を含み得る。顧客携帯端末30は、種々のプログラムを実行可能なプロセッサと、記憶装置と、通信インタフェースとを備える。顧客携帯端末30は、通信インタフェースを介して、管理装置10と相互に無線によるデータ通信を行うことができる。顧客携帯端末30が実行する処理及び顧客携帯端末30が有する機能の詳細については後述する。
【0015】
店員携帯端末40は、店員が有する携帯型の情報処理装置である。店員携帯端末40の具体例としては、ハンディーターミナル(HHT:Handheld terminals)等が挙げられる。
図1には、1つの店員携帯端末40が示されているが、顧客情報収集システム1は、複数の店員携帯端末40を含み得る。店員携帯端末40は、種々のプログラムを実行可能なプロセッサと、記憶装置と、通信インタフェースとを備える。店員携帯端末40は、通信インタフェースを介して、POS端末20と相互に無線によるデータ通信を行うことができる。店員携帯端末40が実行する処理及び店員携帯端末40が有する機能の詳細については後述する。
【0016】
図2及び
図3は、本発明の例示的な一実施形態に係る顧客情報収集システム1において実行される処理の一例を示すシーケンス図である。ステップS1~ステップS5は、商品の注文時に実行される処理である。
【0017】
ステップS1では、店員携帯端末40が、顧客の注文に基づいて店員が入力した注文情報を受け付ける。注文情報には、顧客が注文した商品の識別情報である商品識別情報が含まれる。ステップS2では、店員携帯端末40は、当該注文情報をPOS端末20に送信する。
【0018】
POS端末20は、店員携帯端末40から注文情報を受信すると、ステップS3で注文情報に含まれる商品識別情報を用いて、商品識別情報が示す商品に関する商品情報及び第1のコード画像を、POS端末20の記憶装置から取得する。
【0019】
図4は、商品情報が登録された商品情報テーブルの一例を示す図である。商品情報テーブルは、POS端末20の記憶装置及び管理装置10の記憶装置に保存される。商品情報テーブルには、商品識別情報の一例である商品コードと、商品名と、商品の単価と、商品の購買理由の入力の有無を示す情報とが関連付けて登録される。POS端末20は、店員携帯端末40から受信した商品識別情報に関連する商品名、商品の単価、及び商品の購買理由の入力の有無を示す情報を、商品情報テーブルから取得する。
【0020】
また、POS端末20の記憶装置には、商品識別情報と第1のコード画像とが関連付けて保存されている。第1のコード画像が表示するコードの具体例としては、QRコード(登録商標)等の二次元コードが挙げられる。第1のコード画像が表示するコードには、管理装置10が提供するサイトのURL(Uniform Resource Locator)と商品識別情報が埋め込まれる。POS端末20は、店員携帯端末40から受信した商品識別情報に関連する第1のコード画像を、POS端末20の記憶装置から取得する。
【0021】
ステップS4では、POS端末20は、ステップS3で取得した商品情報及び第1のコード画像を店員携帯端末40に送信する。店員携帯端末40は、POS端末20から商品情報及びコード画像を受信すると、ステップS5で当該商品情報及び第1のコード画像を用いて注文伝票を印刷する。
図5は、注文伝票の一例を示す図である。注文伝票には、商品情報及び第1のコード画像が表示される。注文伝票は、紙媒体で作成することができる。また、注文伝票は、店員携帯端末40の備える表示装置や他の表示装置に表示してもよい。
【0022】
ステップS6~ステップS16は、商品の注文後、顧客情報を登録する際に実行される処理である。ステップS6では、顧客携帯端末30が、顧客の指示に基づき、顧客携帯端末30にインストールされた顧客情報提供アプリを起動する。次いで、顧客が、顧客情報提供アプリが提供するGUI(Graphical User Interface)を用いて、注文伝票に印刷された第1のコード画像のスキャンを指示すると、ステップS7で顧客携帯端末30が、第1のコード画像をスキャンし、第1のコード画像に埋め込まれたURLと商品識別情報を取得する。ステップS8では、顧客携帯端末30が、当該URLが示す管理装置10のサイトにアクセスし、当該商品識別情報によって識別される商品の商品情報を要求する。
【0023】
管理装置10は、顧客携帯端末30から商品の商品情報の要求を受け付けると、ステップS9で管理装置10の記憶装置から当該商品情報を取得して、顧客携帯端末30に送信する。
【0024】
顧客携帯端末30は、管理装置10から商品情報を受信すると、ステップS10で、受信した商品情報を用いて顧客情報提供アプリのGUI画面を表示する。本実施形態では、顧客携帯端末30は、管理装置10から商品情報を受信した商品情報に、「購入理由の入力の有り」を示す情報が含まれる場合、当該商品名と共にコメントの入力欄を、顧客情報提供アプリのGUI画面に表示することができる。その他の場合、顧客携帯端末30は、当該商品名及びコメントの入力欄を表示しない。
【0025】
次いで、顧客は、
図6Aに示す顧客情報提供アプリを用いて、提供を許可する顧客の個人情報を入力及び/又は選択し、顧客が注文した商品に関するコメントを入力する。以下、顧客の個人情報、及び商品に関するコメントを、顧客情報と称する。顧客情報の選択や入力は、通常、顧客が注文した商品が顧客に提供された後に行われる。
【0026】
図6Aは、顧客情報提供アプリのGUIの一例を示す図である。顧客情報提供アプリのGUIには、顧客が提供を許可する顧客の個人情報を選択するためのオブジェクト、顧客の個人情報を入力するためのオブジェクト、顧客が注文した商品に関するコメントを入力するためのオブジェクト等が表示される。
【0027】
顧客が提供し得る個人情報には、顧客の年齢、顧客の生年月日、顧客の性別、顧客の職業、顧客の居住地域、アクセス方法、顧客の客層、来店理由、健康管理情報、運動情報、行動履歴、アプリケーションプログラムの閲覧履歴、Webサイトの閲覧履歴、及び、通販購入履歴のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0028】
アクセス方法は、顧客がPOS端末20の設置された店舗にアクセスする方法である。来店理由は、顧客が当該店舗に来た理由である。
【0029】
健康管理情報は、顧客の身体及び/又は生活習慣に関する情報である。健康管理情報の具体例としては、心拍数、呼吸数、血圧及び体温等のバイタルサイン、睡眠時間、身長及び体重等が挙げられる。顧客携帯端末30の記憶装置には、顧客携帯端末30にインストールされた他のアプリケーションプログラム、例えば、ヘルスケアアプリ等が取得した健康管理情報が保存される。顧客情報提供アプリは、顧客携帯端末30の記憶装置から健康管理情報を取得することができる。
【0030】
運動情報は、顧客の運動に関する情報である。運動情報の具体例としては、顧客の歩数、移動距離、消費カロリー等が挙げられる。顧客携帯端末30の記憶装置には、顧客携帯端末30にインストールされた他のアプリケーションプログラム、例えば、フィットネスアアプリ等が取得した運動情報が保存される。顧客情報提供アプリは、顧客携帯端末30の記憶装置から運動情報を取得することができる。
【0031】
行動履歴は、顧客の位置情報に基づく移動履歴である。顧客携帯端末30の記憶装置には、顧客携帯端末30にインストールされた他のアプリケーションプログラムが取得した顧客の位置情報の履歴が保存される。位置情報の履歴には、顧客の位置情報、顧客が当該位置情報が示す位置に滞在した時刻情報が含まれる。顧客情報提供アプリは、顧客携帯端末30の記憶装置から位置情報の履歴を取得し、顧客の位置情報の履歴を用いて行動履歴を生成することができる。
【0032】
アプリケーションの閲覧履歴は、顧客携帯端末30にインストールされた特定のアプリケーションプログラムの閲覧履歴である。特定のアプリケーションの具体例としては、飲食店の情報を提供するアプリケーションプログラム(
図6Aでは「外食アプリ」と称する)等が挙げられる。特定のアプリケーションは、当該アプリケーションの閲覧履歴を顧客携帯端末30の記憶装置に保存する。顧客情報提供アプリは、顧客携帯端末30の記憶装置から特定のアプリケーションの閲覧履歴を取得することができる。アプリケーションの閲覧履歴とは、例えば、店舗の情報が掲載されたページの閲覧履歴である。
【0033】
Webサイトの閲覧履歴は、顧客のWebサイトの閲覧履歴である。Webサイトの閲覧履歴の具体例としては、顧客携帯端末30にインストールされたWebブラウザを介したWebサイトの閲覧履歴、顧客が使用する他の情報処理装置にインストールされたWebブラウザを介したWebサイトの閲覧履歴等が挙げられる。顧客携帯端末30の記憶装置には、顧客携帯端末30にインストールされたWebブラウザを介したWebサイトの閲覧履歴が保存される。顧客情報提供アプリは、顧客携帯端末30の記憶装置から当該Webサイトの閲覧履歴を取得することができる。また、顧客携帯端末30は、クラウドサーバ等のサーバから顧客が使用する他の情報処理装置を介したWebサイトの閲覧履歴を取得することができる。
【0034】
通販購入履歴は、顧客の通販サイトを利用した商品の購入履歴である。顧客携帯端末30は、顧客が利用した通販サイトから商品の購入履歴を取得することができる。
【0035】
顧客が注文した商品に関するコメントは、例えば、商品を注文した理由、商品に関する評価や感想、意見、改善点等を表す文字情報である。
【0036】
ステップS11では、顧客携帯端末30は、顧客が顧客情報提供アプリを用いて入力及び/又は選択した顧客情報を受け付ける。ステップS12では、顧客携帯端末30は、当該顧客携帯端末の顧客の顧客識別情報を生成する。顧客が、顧客情報提供アプリを用いて、顧客携帯端末30に顧客情報の登録を指示すると、ステップS13で顧客携帯端末30は、顧客情報の登録要求と共に、当該顧客識別情報及び当該顧客の顧客情報を管理装置10に送信する。顧客は、
図6Aに示す顧客情報提供アプリのGUIに表示された登録ボタンを選択することにより、顧客携帯端末30に顧客情報の登録を指示することができる。
【0037】
管理装置10は、顧客携帯端末30から顧客情報の登録要求を受信すると、ステップS14で、顧客情報の登録要求と共に受信した顧客識別情報及び顧客情報を顧客情報テーブル及び商品コメントテーブルに登録する。
【0038】
図7は、顧客情報テーブルの一例を示す図である。顧客情報テーブルには、顧客識別情報及び顧客の個人情報が関連付けて登録される。なお、
図7には、2つのデータテーブルが表されているが、これら2つのデータテーブルで1つの顧客情報テーブルを構成する。
【0039】
図8は、商品コメントテーブルの一例を示す図である。商品コメントテーブルには、顧客識別情報、商品識別情報、及び商品に関するコメントが関連付けて登録される。
【0040】
ステップS15では、顧客携帯端末30は、当該顧客の顧客識別情報が埋め込まれた第2のコード画像を作成する。本実施形態では、第2のコード画像が表示するコードとして、バーコード等の一次元コードや種々の二次元コードを採用することができる。ステップS16では、顧客携帯端末30は、第2のコード画像を、
図6Bに示すように顧客情報提供アプリのGUIに表示する。
【0041】
ステップS20~ステップS28は、商品の会計時に実行される処理である。まず、店員がPOS端末20を操作して、注文伝票に基づく会計処理を指示すると、ステップS20でPOS端末20が、商品の定価に基づく支払額を算出する。なお、POS端末20は、会計情報及び顧客情報を販売管理システム(図示せず)に送信することができる。
【0042】
ステップS21では、POS端末20が、店員の指示に従い、顧客携帯端末30の表示画面に表示された第2のコード画像をスキャンする。ステップS22では、POS端末20は、スキャンした第2のコード画像から顧客識別情報を導出する。ステップS23では、POS端末20は、値引額算出情報の要求及び顧客識別情報を、管理装置10に送信する。
【0043】
管理装置10は、POS端末20から値引額算出情報の要求及び顧客識別情報を受信すると、ステップS24で顧客情報テーブルを参照し、当該顧客識別情報に関連付けられた顧客情報を取得する。ステップS25では、管理装置10は、管理装置10の記憶装置から重み情報を取得し、当該顧客情報及び重み情報をPOS端末20に送信する。
図9は、本実施形態で採用する重み情報の一例である。重み情報は、顧客情報の種類毎に設定される。重み情報は、顧客情報を利用する企業等から見た顧客情報の重要度や有益度等に応じて設定することができる。
【0044】
POS端末20は、管理装置10から顧客情報及び重み情報を受信すると、ステップS26で、顧客情報及び重み情報を用いて、顧客情報の種類及び/又は商品に関するコメントに基づく値引額を算出する。
【0045】
顧客情報の種類に基づく値引額を算出する場合、例えば、顧客から提供された顧客情報の種類が、年齢、生年月日及び健康管理情報であったと仮定すると、POS端末20は、これらの重み(1,1,3)を加算する。次いで、POS端末20は、算出した和(5)と既定の係数(0.01)を乗算し、値引き率を算出する。そして、POS端末20は、定価に基づく支払額に値引き率を掛けることにより、値引額を算出することができる。
【0046】
商品に関するコメントに基づいて値引額を算出する場合、POS端末20は、コメントの文字数に応じて値引額を算出する。例えば、文字数が20文字以下の場合、定価に基づく支払額の1の位の金額を値引額とすることができる。文字数が21文字以上、且つ40文字以下の場合、10円を値引額とすることができる。文字数が41文字以上、且つ80文字以下の場合、30円を値引額とすることができる。文字数が81文字以上、且つ100文字以下の場合、50円を値引額とすることができる。文字数が101文字以上の場合、100円を値引額とすることができる。なお、これらの条件は一例であり、他の様々な条件を採用することができる。
【0047】
ステップS27では、POS端末20は、ステップS20で算出した商品の定価に基づく支払額から、ステップS26で算出した値引額を減算することにより、値引後の支払額を算出する。ステップS28では、POS端末20は、ステップS27で算出した値引後の支払額を表示装置に表示する。
【0048】
図10は、本発明の例示的な一実施形態に係る顧客情報収集システム1が有する主要な構成要素を示す図である。顧客情報収集システム1は、顧客携帯端末30と、POS端末20と、顧客が注文した商品に関する顧客のコメントと顧客の個人情報を管理する管理装置10とを含む。顧客携帯端末30は、顧客のコメント及び個人情報を管理装置10に提供する。POS端末20は、顧客の個人情報の種類及びコメントの少なくとも一方に応じた金銭的な利益を顧客に提供する。
【0049】
これにより、顧客の様々な個人情報及び商品に対する顧客のコメントを取得できると共に、これらの情報を提供した顧客は、それに応じた金銭的な利益を受けることができる。
【0050】
また、POS端末20は、顧客の個人情報の種類に応じた金銭的な利益を顧客に提供する場合、顧客の個人情報の種類と、個人情報の種類に対応する重みとに基づき、商品の割引額を算出する。そして、POS端末20は、商品の定価に基づく支払額を割引額で減算することにより、金銭的な利益を顧客に提供する。これにより、顧客は、自身が提供した個人情報の種類に応じた金銭的な利益を受けることができる。
【0051】
さらに、POS端末20は、商品に関するコメントに応じた金銭的な利益を顧客に提供する場合、コメントの文字数の多寡に応じて、商品の割引額を算出する。そして、POS端末20は、商品の定価に基づく支払額で減算することにより、金銭的な利益を顧客に提供する。これにより、顧客は、自身が提供した商品に関するコメントに応じた金銭的な利益を受けることができる。
【0052】
さらに、POS端末20は、顧客の個人情報の種類に応じた金銭的な利益を顧客に提供する場合、顧客の個人情報の種類と、個人情報の種類に対応する重みとに基づき、金銭に相当するポイントを算出する。そして、POS端末20は、算出したポイントを、金銭的な利益として顧客に提供する。これにより、顧客は、自身が提供した個人情報の種類に応じたポイントを、金銭的な利益として受けることができる。
【0053】
さらに、POS端末20は、商品に関するコメントに応じた金銭的な利益を顧客に提供する場合、コメントの文字数の多寡に応じて、金銭に相当するポイントを算出する。そして、POS端末20は、算出したポイントを、金銭的な利益として顧客に提供する。これにより、顧客は、自身が提供した商品に関するコメントに応じたポイントを、金銭的な利益として受けることができる。
【0054】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disk(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0055】
本発明は上述した実施形態に限られたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 顧客情報収集システム
10 管理装置
20 POS端末
30 顧客携帯端末
40 店員携帯端末
100 ネットワーク