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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】プログラム、方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231108BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022186461
(22)【出願日】2022-11-22
【審査請求日】2023-07-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522456981
【氏名又は名称】Juniverse株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】兼高 悦子
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-183398(JP,A)
【文献】特開2011-118911(JP,A)
【文献】特開2021-099626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
構想ユーザから、前記構想ユーザの構想を示す構想情報を取得することと、
前記構想を提示する構想提示情報を前記構想情報に基づいて生成することと、
前記構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに、前記構想提示情報を提供することと、
前記構想提示情報に応じて、前記複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザから前記助言情報を取得することと、
前記構想ユーザ及び前記少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの前記構想への寄与度を示す寄与情報を、予め設定された寄与度に基づいて生成することと、
前記構想情報、前記助言情報、及び前記寄与情報に基づいて、前記助言情報及び前記寄与情報が関連付けられた前記構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワークにおいて発行するための要求を生成し、前記要求を送信することと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記構想ユーザから、前記複数の助言ユーザのうち前記構想ユーザが指定した助言ユーザを示す助言ユーザ指定情報を取得することと、
前記助言ユーザ指定情報に基づいて、前記助言情報を提供することのリクエストを前記構想ユーザが指定した前記助言ユーザに送信することと、
をさらに実行させ、
前記少なくとも1以上の助言ユーザは、前記構想ユーザが指定した前記助言ユーザのうち、前記リクエストに応答した助言ユーザを含む、プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記複数の助言ユーザのうち前記助言情報の提供を希望する助言ユーザから、前記助言情報の提供の対象となる前記構想を指定する構想指定情報を取得することと、
前記構想指定情報に基づいて、指定された前記構想を提示した前記構想ユーザに前記助言情報の提供のリクエストを送信することと、
をさらに実行させ、
前記少なくとも1以上の助言ユーザは、前記助言情報の提供を希望する助言ユーザのうち、前記構想ユーザが前記リクエストを許可した助言ユーザを含む、プログラム。
【請求項4】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記構想情報を取得することは、
前記構想情報と他の構想情報との類似度を、自然言語処理を用いて算出することと、
前記類似度に応じて、前記構想情報と前記他の構想情報とを比較する比較情報を生成することと、
前記比較情報に基づく、前記構想情報を新たな構想情報として前記コンピュータに記憶することの可否を示す情報を取得することと、
前記構想情報が前記新たな構想情報として記憶可能である場合に、前記構想情報を記憶することと、をさらに含む、プログラム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記トークンは第1トークンであり、前記ブロックチェーンネットワークは第1ブロックチェーンネットワークであり、
前記コンピュータに、
前記構想ユーザ及び前記構想情報が関連付けられた第2トークンを第2ブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求を生成し、前記要求を前記第2ブロックチェーンネットワークに送信することと、
前記助言情報及び前記寄与情報を前記第2トークンに関連付けることと、
をさらに実行させ、
前記第1ブロックチェーンネットワークに前記第1トークンを発行することは、前記第2トークンに基づいて、前記第1トークンを前記第1ブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求を生成し、前記要求を前記第1ブロックチェーンネットワークに送信することを含む、プログラム。
【請求項6】
コンピュータが、
構想ユーザから、前記構想ユーザの構想を示す構想情報を取得することと、
前記構想を提示する構想提示情報を前記構想情報に基づいて生成することと、
前記構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに、前記構想提示情報を提供することと、
前記構想提示情報に応じて、前記複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザから前記助言情報を取得することと、
前記構想ユーザ及び前記少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの前記構想への寄与度を示す寄与情報を、予め設定された寄与度に基づいて生成することと、
前記構想情報、前記助言情報、及び前記寄与情報に基づいて、前記助言情報及び前記寄与情報が関連付けられた前記構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求を生成し、前記要求を送信することと、を含む、方法。
【請求項7】
構想ユーザから、前記構想ユーザの構想を示す構想情報を取得する構想情報取得部と、
前記構想を提示する構想提示情報を前記構想情報に基づいて生成する構想提示情報生成部と、
前記構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに、前記構想提示情報を提供する構想提示情報提供部と、
前記構想提示情報に応じて、前記複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザから前記助言情報を取得する助言情報取得部と、
前記構想ユーザ及び前記少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの前記構想への寄与度を示す寄与情報を、予め設定された寄与度に基づいて生成する寄与情報生成部と、
前記構想情報、前記助言情報、及び前記寄与情報に基づいて、前記助言情報及び前記寄与情報が関連付けられた前記構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求を生成し、前記要求を送信するトークン発行要求送信部と、を備える、情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
構想ユーザから取得された前記構想ユーザの構想を示す構想情報と、前記構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに提供された前記構想情報に応じた、前記複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザからの前記助言情報と、前記構想ユーザ及び前記少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの前記構想への寄与度を示し、予め設定された寄与度に基づいて生成された寄与情報とに基づいて、前記助言情報及び前記寄与情報が関連付けられた前記構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求を生成し、前記要求を前記ブロックチェーンネットワークに送信することと、
前記トークンが前記ブロックチェーンネットワークにおいて取引された場合に、前記トークンの取引額及び前記トークンに関連付けられた前記寄与情報に基づいて、前記トークンの取引額のうち、前記寄与度に応じた暗号資産の額を算出し、前記寄与度に応じた暗号資産を前記構想ユーザ及び前記少なくとも1以上の助言ユーザに送信することと、を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックチェーンネットワークを通じた非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)の取引が行われている。特許文献1には、NFTがユーザ間で流通する場合に、ユーザ間での安全な取引を支援することが可能な取引支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7020739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イラストや写真のデータを取引する場合、取引対象のデータが関連付けられたNFTが取引されることがある。NFTは、NFTを保有するユーザが取引対象のデータを正当な取引経路を通じて入手したこと及びデータに関連付けられたNFTは唯一のものであることを示す機能を有する。NFTに関連付けられる情報やデータは様々であり、NFTに関連付けられる情報やデータの種類を増加させることで、NFTの用途がさらに拡張されることが期待されている。
【0005】
そこで、本発明は、非代替性トークンの新たな用途を提供することが可能なプログラム、方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、構想ユーザから、構想ユーザの構想を示す構想情報を取得することと、構想を提示する構想提示情報を構想情報に基づいて生成することと、構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに、構想提示情報を提供することと、構想提示情報に応じて、複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザから助言情報を取得することと、構想ユーザ及び少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの構想への寄与度を示す寄与情報を生成することと、構想情報、助言情報、及び寄与情報に基づいて、助言情報及び寄与情報が関連付けられた構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求を送信することと、を実行させる。
【0007】
本発明の他の態様に係る方法は、コンピュータが、構想ユーザから、構想ユーザの構想を示す構想情報を取得することと、構想を提示する構想提示情報を構想情報に基づいて生成することと、構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに、構想提示情報を提供することと、構想提示情報に応じて、複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザから助言情報を取得することと、構想ユーザ及び少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの構想への寄与度を示す寄与情報を生成することと、構想情報、助言情報、及び寄与情報に基づいて、助言情報及び寄与情報が関連付けられた構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求を送信することと、を含む。
【0008】
本発明の他の態様に係る情報処理装置は、構想ユーザから、構想ユーザの構想を示す構想情報を取得する構想情報取得部と、構想を提示する構想提示情報を構想情報に基づいて生成する構想提示情報生成部と、構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに、構想提示情報を提供する構想提示情報提供部と、構想提示情報に応じて、複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザから助言情報を取得する助言情報取得部と、構想ユーザ及び少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの構想への寄与度を示す寄与情報を生成する寄与情報生成部と、構想情報、助言情報、及び寄与情報に基づいて、助言情報及び寄与情報が関連付けられた構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求を送信するトークン発行要求送信部と、を含む。
【0009】
本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、構想ユーザから取得された構想ユーザの構想を示す構想情報と、構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに提供された構想情報に応じた、複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザからの助言情報と、構想ユーザ及び少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの構想への寄与度を示す寄与情報とに基づいて、助言情報及び寄与情報が関連付けられた構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求をブロックチェーンネットワークに送信することと、トークンがブロックチェーンネットワークにおいて売却された場合に、トークンに関連付けられた寄与情報に基づいて、トークンの売却額に応じた暗号資産を構想ユーザ及び少なくとも1以上の助言ユーザに送信することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、非代替性トークンの新たな用途を提供することが可能なプログラム、方法、及び情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る構想管理システムの概略図である。
図2】本実施形態に係る構想管理システムにおける処理を説明する図である。
図3】本実施形態に係る構想情報管理装置及びトークン販売管理装置のブロック図である。
図4】本実施形態に係るユーザ情報及び構想情報の一例を説明する図である。
図5】本実施形態に係る構想情報の更新処理を説明するフローチャートである。
図6】本実施形態に係る構想情報判定処理のフローチャートである。
図7】本実施形態に係るトークン発行処理のフローチャートである。
図8】本実施形態に係るトークンの取引処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0013】
図1には、本実施形態に係る構想管理システム10の概略図が示される。構想管理システム10は、構想情報管理装置101、ユーザ端末201a,201b,201c,201d、ブロックチェーンネットワーク301、トークン販売管理装置401、及びブロックチェーンネットワーク501を含む。なお、ユーザ端末はユーザ端末201a,201b,201c,201dのように複数存在するが、区別の必要がない場合、単にユーザ端末201とよぶ。
【0014】
構想管理システム10では、構想情報管理装置101がネットワークNを通じてユーザ端末201(例えばユーザ端末201a)からある構想を示す構想情報を取得する。ここで構想とは、例えばビジネスアイデアであり、ユーザが考案したサービス等を意味する。構想管理システム10では、ユーザから取得された構想に対して、他のユーザからのアドバイスが助言情報として提供される。
【0015】
構想管理システム10では、構想情報管理装置101が取得する構想は、構想が正当なユーザによって発案されたものであることを証明するために、構想情報が関連付けられたNFTとしてブロックチェーンネットワーク301において管理される。構想情報は、ブロックチェーンネットワーク301上のNFTにメタデータとして関連付けられる。
【0016】
構想管理システム10では、構想情報管理装置101で取得された構想情報及び助言情報を示すNFTがトークン販売管理装置401を通じてブロックチェーンネットワーク501において発行され、販売される。構想管理システム10における処理の詳細については後述する。なお、ブロックチェーンネットワーク301におけるNFTの発行は必須ではなく、構想情報が、ブロックチェーンネットワーク301を用いず構想情報管理装置101において管理されてもよい。
【0017】
構想情報管理装置101は、構想情報管理装置101の記憶部に記憶された所定のプログラムを実行することによって所定の処理を行うコンピュータを有するサーバ装置である。ユーザ端末201は、例えば、ユーザが使用する情報処理装置であり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。ブロックチェーンネットワーク301は、トランザクションが記録された台帳を複数の端末が共有して管理するシステムである。ブロックチェーンは、時系列にそって複数のブロックがチェーン状にまとめられたデータであり、各ブロックは、一定期間におけるトランザクションのデータを含む。ブロックチェーン技術では、複数のブロックが過去の情報を保持した状態で追加されるので、情報の改ざんが困難であるという特徴がある。ブロックチェーンネットワーク301は、構想情報管理装置101によって管理される所定のユーザがアクセス可能なプライベートチェーンである。
【0018】
トークン販売管理装置401は、トークン販売管理装置401の記憶部に記憶された所定のプログラムを実行することによって所定の処理を行うコンピュータを有するサーバ装置である。トークン販売管理装置401は、ブロックチェーンネットワーク501におけるNFTの発行及びトークン販売管理装置401を通じたNFTの販売を管理する。トークン販売管理装置401はNFTの販売のためのマーケットプレイスとしての機能を提供する。ブロックチェーンネットワーク501は、ブロックチェーンネットワーク301とは異なり、不特定のユーザがアクセス可能なパブリックチェーンである。なお、トークン販売管理装置401は、NFTを販売することに限らず、無償でNFTを移転するマーケットプレイスとしての機能を提供することができる。
【0019】
図2を参照して、構想管理システム10における処理の概要について説明する。以降の説明において、構想を構想情報管理装置101に提供するユーザを構想ユーザ、構想に対して助言情報を提供するユーザを助言ユーザとよぶ。構想管理システム10においては、構想ユーザは助言ユーザとしての役割を有することも可能であり、その逆も同様である。
【0020】
ステップ(A)において、構想情報管理装置101が構想情報Iを構想ユーザから取得する。構想情報Iは例えばテキストデータや画像、動画データであり、各構想ユーザの構想を説明する情報である。ステップ(B)において、構想情報管理装置101が構想情報Iに対する助言情報ADを助言ユーザから取得する。ここで助言情報とは、例えば構想に関連する市場についての市場調査、構想のための追加のアイデアの提供、資金調達の方法の助言、マイルストーンの設定、法的な助言、リスクマネジメントについての助言、及び技術的な助言等を含む種々の情報である。構想管理システム10では、構想情報管理装置101を通じて助言情報ADが構想情報Iに対して関連付けられる。このとき、構想情報管理装置101は構想ユーザ及び助言ユーザの構想情報Iへの寄与度を示す寄与情報Cを構想情報Iに関連付ける。ステップ(C)において、構想情報管理装置101は、構想情報I、助言情報AD及び寄与情報Cがメタ情報として関連付けられたNFTであるトークンT1をブロックチェーンネットワーク301において発行する。トークンT1に関連付けられるメタ情報は、構想情報管理装置101の記憶部や外部の装置に記憶される。
【0021】
ステップ(D)において、構想ユーザは構想情報管理装置101を通じて、トークン販売管理装置401に構想情報I、助言情報AD、寄与情報Cを送信する。ステップ(E)において、トークン販売管理装置401は、構想情報I1、助言情報AD1及び寄与情報Cがメタ情報として関連付けられたNFTであるトークンT2をブロックチェーンネットワーク501において発行する。ここで、トークンT2に関連付けられる構想情報I1、助言情報AD1は、構想情報管理装置101が取得した構想情報I、助言情報ADの一部の情報であってもよい。以降の説明において、ブロックチェーンネットワーク301において発行されるトークンを内部トークン、ブロックチェーンネットワーク501において発行されるトークンを外部トークンとよぶことがある。これは、プライベートチェーンであるブロックチェーンネットワーク301におけるトークン(内部トークン)とパブリックチェーンであるブロックチェーンネットワーク501におけるトークン(外部トークン)とを区別するためである。
【0022】
ステップ(F)において、トークン販売管理装置401を通じてトークンT2に関する情報を閲覧した購入ユーザ(例えば投資家や企業)は、トークンT2を購入するか否かを検討し、トークンT2を購入することができる。トークンT2が購入されると、ステップ(G)において、トークンT2の保有者が、トークン販売管理装置401が定めた初期の保有者(例えば構想ユーザ)から購入ユーザに変更される。構想情報I1、助言情報AD1において不足する情報は、ブロックチェーンネットワーク501においてトークンT2の保有者となったユーザが閲覧可能である。つまり、購入ユーザはトークンT2を購入すると完全な情報にアクセスすることができる。このように情報の開示範囲を限定することで、トークンT2の保有者に限って構想情報I、助言情報ADの閲覧が可能となり、情報の機密性が確保される。
【0023】
ステップ(H)において、トークン販売管理装置401は、トークンT2の移転の対価として、トークンT2に関連付けられた寄与情報Cに応じて、暗号資産を構想ユーザ及び助言ユーザに分配する。
【0024】
構想管理システム10では、構想がブロックチェーンネットワーク501においてトークンT2として取引されることで、構想を提供したユーザ及び助言を提供した助言ユーザが正当な発案者及び助言者であるという正当性を担保しつつ、助言によって洗練された構想を購入ユーザが購入することができる。これにより、アイデアを正当に考案したユーザ及び助言ユーザに対して適切に取引の対価を配分することができる。よって、第三者の構想を真似たものではない正当な構想のマーケットプレイスが実現され、NFTの用途が拡張される。また、構想管理システム10によって、構想ユーザが正当な発案者であることが証明可能に記録されるので、構想ユーザは自身の構想を安心して公開することができる。
【0025】
図3を参照して、構想情報管理装置101及びトークン販売管理装置401の各部について説明する。構想情報管理装置101及びトークン販売管理装置401の各部は、それぞれ、メモリ等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることによって、実現することができる。
【0026】
構想情報管理装置101は、通信部1011、記憶部1012、構想情報取得部1013、構想提示情報生成部1014、構想提示情報提供部1015、指定情報取得部1016、リクエスト送信部1017、助言情報取得部1018、寄与情報生成部1019、トークン発行要求送信部10110、及びトークン発行部10111を有する。
【0027】
通信部1011は、構想情報管理装置101によるネットワークNを通じた、ユーザ端末201、ブロックチェーンネットワーク301、トークン販売管理装置401等の外部との通信を制御する。記憶部1012は構想情報管理装置101での処理に用いられる各種の情報を記憶する。
【0028】
記憶部1012は、図4に示すように、ユーザ情報DB10121及び構想情報DB10122を有する。ユーザ情報DB10121には、「ユーザ名」、「ユーザID」、及び「評価情報」の項目を有するユーザ情報が記憶される。「ユーザ名」及び「ユーザID」の項目には、構想情報管理装置101を利用するユーザの名前及びユーザを識別するための情報が記憶される。「評価情報」の項目には、各ユーザが助言ユーザとしての役割を有する場合の、その助言に対して他のユーザが行った評価を示す情報が記憶される。なお、個々のユーザは自身の本名を秘匿し、任意のユーザ名を使用したアバターとして構想情報管理装置101を利用することが可能である。
【0029】
構想情報DB10122には、「構想名」、「構想ID」、「構想ユーザ」、「構想情報」、「助言ユーザ」、「助言情報」、及び「寄与情報」の項目が互いに関連付けられて記憶される。「構想名」及び「構想ID」の項目には構想の名称及び構想を識別するための情報が記憶される。「構想ユーザ」の項目には構想情報を構想情報管理装置101に提供したユーザの情報が記憶され、ユーザ名又はユーザIDが記憶される。「構想情報」の項目には各構想の具体的な構想の内容を示す情報が記憶される。「助言ユーザ」の項目には、複数の助言ユーザのうち、構想に対して助言を提供するユーザが記憶される。「助言情報」の項目には、各助言ユーザが提供した具体的な助言情報が記憶される。「寄与情報」の項目には、構想における各ユーザの寄与を示す情報が記憶される。
【0030】
構想情報取得部1013は、構想情報を構想ユーザから取得する。また、構想情報取得部1013は、構想情報と他の構想情報との類似度を算出し、類似度に応じて、構想情報と他の構想情報とを比較する比較情報を生成してもよい。構想情報取得部1013は、比較情報を構想情報管理装置101にアクセス可能な検証ユーザに提供し、構想情報を新たな構想情報として記憶することの可否を示す情報を検証ユーザから取得してもよい。構想情報取得部1013は、構想情報が前記新たな構想情報として記憶可能である場合に、構想情報を構想情報DB10122に記憶する。構想情報取得部1013は、構想情報に加えて、構想名、構想ユーザの情報を取得し、構想IDを構想情報に割り当てて構想情報を構想情報DB10122に記憶する。
【0031】
構想提示情報生成部1014は、構想情報DB10122の構想情報に基づいて、構想を助言ユーザに提示する構想提示情報を生成する。構想提示情報は、例えば、構想情報管理装置101が、構想のマーケットプレイスとして機能する場合に、助言ユーザのユーザ端末201に構想の情報を提示する情報である。このとき、構想提示情報は構想情報の一部の情報を示してもよく、全ての構想情報を示してもよい。構想提示情報提供部1015は、複数の助言ユーザに構想提示情報を提供する。
【0032】
指定情報取得部1016は、構想ユーザから、複数の助言ユーザのうち構想ユーザが指定した助言ユーザを示す助言ユーザ指定情報を取得する。また、指定情報取得部1016は、複数の助言ユーザのうち助言情報の提供を希望する助言ユーザから、助言情報の提供の対象となる構想を指定する構想指定情報を取得する。
【0033】
リクエスト送信部1017は、助言ユーザ指定情報に基づいて、助言情報を提供することのリクエストを構想ユーザが指定した助言ユーザに送信する。また、リクエスト送信部1017は、構想指定情報に基づいて、指定された構想を提示した構想ユーザに助言情報の提供のリクエストを送信する。
【0034】
助言情報取得部1018は、複数の助言ユーザのうち、助言を提供する権利を有する少なくとも1以上の助言ユーザから助言情報を取得する。助言情報取得部1018は、助言情報を構想情報に関連付けて構想情報DB10122を更新する。このとき、助言情報取得部1018は、助言ユーザ指定情報において構想ユーザが指定した助言ユーザのうち、リクエスト送信部1017が送信したリクエストに応答した助言ユーザを少なくとも1以上の助言ユーザとして扱ってもよい。また、助言情報取得部1018は、助言情報の提供を希望し、構想指定情報を構想情報管理装置101に送信した助言ユーザのうち、構想ユーザがリクエストを許可した助言ユーザを少なくとも1以上の助言ユーザとして扱ってもよい。
【0035】
寄与情報生成部1019は、構想ユーザ及び少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの構想への寄与度を示す寄与情報を生成する。寄与情報は、リクエストの送信時やリクエストの受諾時に設定されることができる。例えば、図4の例では、構想ユーザAが構想した構想Aの助言ユーザはユーザB,C,Dであり、各寄与度は構想ユーザを含めて一律で25%と設定される。あるいは、ユーザBが構想した構想Bの助言ユーザはユーザA,Cであり、各寄与度はユーザAが10%、ユーザBが50%、ユーザCが40%と設定される。
【0036】
トークン発行要求送信部10110は、構想情報、助言情報、及び寄与情報に基づいて、助言情報及び寄与情報が関連付けられた構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求を送信する。トークン発行要求送信部10110は、トークン販売管理装置401に要求を送信してもよく、ブロックチェーンネットワーク501に直接要求としてのトランザクションを送信してもよい。構想情報管理装置101がトークン販売管理装置401に要求を送信する場合、トークン販売管理装置401がブロックチェーンネットワーク501にトークンを発行するトランザクションを送信して、トークンがブロックチェーンネットワーク501において発行される。
【0037】
トークン発行部10111は、構想ユーザ及び構想情報が関連付けられたトークンをブロックチェーンネットワーク301において発行する要求をブロックチェーンネットワーク301に送信する。
【0038】
トークン販売管理装置401は、通信部4011、記憶部4012、トークン発行部4013、トークン販売部4014、及び暗号資産送信部4015を有する。通信部4011は、トークン販売管理装置401によるネットワークNを通じた、構想情報管理装置101、ユーザ端末201、ブロックチェーンネットワーク501等の外部との通信を制御する。記憶部4012は、トークン販売管理装置401での処理に用いられる各種の情報を記憶する。
【0039】
トークン発行部4013は、構想情報管理装置101からのトークン発行要求に基づいて、助言情報と寄与情報とが関連付けられた構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワーク501において発行するトランザクションをブロックチェーンネットワーク501に送信する。
【0040】
暗号資産送信部4015は、ブロックチェーンネットワーク501においてトークンが取引された場合に、トークンに関連付けられた前記寄与情報に基づいて、前記トークンの取引額に応じた暗号資産を前記構想ユーザ及び前記少なくとも1以上の助言ユーザに送信する。暗号資産送信部4015は、具体的には、取引額と寄与情報とに基づいて暗号資産を構想ユーザ、助言ユーザに配分するトランザクションを生成し、ブロックチェーンネットワーク501に送信する。あるいは、暗号資産送信部4015はブロックチェーンネットワーク501とは異なる他のブロックチェーンネットワークにおいて管理される暗号資産を送信するトランザクションを生成し、送信してもよい。
【0041】
図5,6を参照して、構想管理システム10における構想情報及び助言情報の取得について説明する。ステップS501において、構想情報管理装置101は構想ユーザが操作するユーザ端末201aから構想情報を取得する。ステップS502において、構想情報取得部1013は構想情報判定処理を行う。
【0042】
図6を参照して構想情報判定処理について説明する。ステップS601において、構想情報取得部1013は、構想情報DB10122を参照し、既に記憶されている構想情報を取得する。ステップS602において、構想情報取得部1013は、新たに取得した構想情報と既に記憶されている構想情報との類似度を算出する。類似度は例えば、自然言語処理を用いた方法によって算出され、キーワードの共通性や文脈の類似性等に基づいて算出される。ステップS603において、構想情報取得部1013は、類似度別に既に記憶されている構想情報を分類する。なお、ステップS601からS603の処理において、構想情報取得部1013は、比較対象の情報が構想情報取得部1013に記憶されている情報に限られないようにするために、ネットワークNを通じた情報検索を実行してもよい。このとき、構想情報取得部1013は、新たに取得した構想情報と情報検索によって取得された情報との類似度を算出し、情報検索によって取得された情報を分類してもよい。ステップS604において、構想情報取得部1013は分類結果を、構想情報の比較のための比較情報として検証ユーザに送信する。例えば、構想情報取得部1013は、0%~25%、25%~50%、50%~75%、75%~100%の各類似度の範囲に分類される、既に記憶されている構想情報と新たに取得した構想情報とを対比可能な画面を検証ユーザに提供する。
【0043】
ステップS605において、構想情報取得部1013は、検証ユーザから構想情報を記憶することの可否を示す情報を取得する。ステップS606において、構想情報取得部1013は、可否を示す情報に基づいて、新たに取得した構想情報は記憶可能であるか否かを判断する。ステップS606で肯定判断されると、ステップS607において、構想情報取得部1013は構想情報DB10122に新たに構想情報を記憶する。ステップS608で否定判断されると、ステップS608において、構想情報取得部1013は、取得された構想は新たに追加されることができない旨を構想ユーザに通知する。このように、構想情報が既にある構想情報とは異なり、独自の構想であるか否かを判定することで、構想情報管理装置101に記憶される構想情報それぞれの独自性を確保することが可能となる。したがって、構想情報管理装置101で管理される構想は一定程度の独自性を有するという前提の下で助言情報の提供が可能となるので、助言ユーザが安心して助言情報を提供することが可能となる。
【0044】
図5に戻り、ステップS503において、構想提示情報生成部1014は構想情報DB10122に記憶される情報に基づいて構想提示情報を生成する。ステップS504において構想提示情報提供部1015は、助言ユーザのユーザ端末201bに対して構想提示情報を送信する。構想提示情報の送信はユーザ端末201bからのリクエストに応じて行われる。ステップS505において、構想提示情報はユーザ端末201bを通じて助言ユーザに提供される。
【0045】
次に、ステップS506からS513までの処理による、助言ユーザを指定した助言情報の取得と、ステップS514からS520までの処理による、構想情報を指定した助言情報の取得とについてそれぞれ説明する。
【0046】
ステップS506において、ユーザ端末201aは、構想ユーザから助言ユーザを指定する助言ユーザ指定情報を取得する。助言ユーザ指定情報は構想情報管理装置101が提供するウェブサイトを通じて取得されてもよい。このとき、構想情報管理装置101は助言ユーザにユーザ情報DB10121に記憶される評価情報を関連付けて、ユーザ端末201aに表示してもよい。これにより、構想ユーザが自身の希望に適う助言ユーザを発見しやすくできる。ステップS507において、指定情報取得部1016は、助言ユーザ指定情報をユーザ端末201aから取得する。このとき、指定情報取得部1016は、助言ユーザの寄与度や、構想ユーザが助言ユーザに提供する対価を示す情報を助言ユーザ指定情報とともに取得してもよい。
【0047】
ステップS508において、リクエスト送信部1017は、指定された助言ユーザに対して、助言提供を依頼する提供リクエストを送信する。提供リクエストには、構想ユーザが助言ユーザに提示する寄与度や対価の情報が含まれる。対価に代えて所定の寄与度を提供することで、構想は有するものの現時点では対価を提供できない構想ユーザであっても、助言ユーザに対して見返りを提示しつつ助言を要請することが可能となる。なお、対価とは、ブロックチェーンネットワーク301において、構想情報管理装置101の管理者によって発行される独自の暗号資産に基づいていてもよく、他の暗号資産や法定通貨に基づいていてもよい。
【0048】
ステップS509において、ユーザ端末201bは提供リクエストを助言ユーザに表示する提供リクエスト画面を表示する。ステップS510において、リクエスト送信部1017は、リクエストへの応答を取得する。ステップS511において、寄与情報生成部1019は、助言ユーザの寄与情報を生成し、構想情報DB10122を更新する。ステップS512において、助言情報取得部1018はユーザ端末201bから助言情報を取得する。このとき、構想情報管理装置101は、構想情報をユーザ端末201bに適宜送信し、助言ユーザが構想情報を確認しつつ助言情報を提供できるようにしてもよい。ステップS513において、助言情報取得部1018は、取得した助言情報を構想情報に関連付けて構想情報DB10122を更新する。
【0049】
ステップS514において、指定情報取得部1016は、助言ユーザが助言の提供を希望する構想指定情報をユーザ端末201bから取得する。このとき、指定情報取得部1016は、助言ユーザの寄与度や、助言ユーザが構想ユーザに提供する対価を示す情報を構想指定情報とともに取得してもよい。ステップS515において、リクエスト送信部1017は、指定された構想情報を構想情報管理装置101に送信した構想ユーザに対して、助言提供の許可を依頼する提供リクエストを送信する。提供リクエストには、助言ユーザが構想ユーザに提示する寄与度や対価の情報が含まれる。
【0050】
ステップS516において、ユーザ端末201aは提供リクエストを構想ユーザに表示する提供リクエスト画面を表示する。ステップS517において、リクエスト送信部1017は、リクエストへの応答を取得する。ステップS518において、寄与情報生成部1019は、助言ユーザの寄与情報を生成し、構想情報DB10122を更新する。ステップS519において、助言情報取得部1018はユーザ端末201bから助言情報を取得する。ステップS520において、助言情報取得部1018は、取得した助言情報を構想情報に関連付けて構想情報DB10122を更新する。
【0051】
以上の処理及び助言情報の取得処理が繰り返されて、構想情報DB10122の構想情報に助言情報が関連付けられる。構想ユーザが、構想情報及び助言情報はトークン販売管理装置401を通じて構想情報を取引するに十分であると判断すると、図7に示される処理を経て、ブロックチェーンネットワーク501にトークンが発行される。
【0052】
ステップS701において、トークン発行部10111は構想情報DB10122を参照する。ステップS702において、トークン発行部10111はブロックチェーンネットワーク301に各構想に対応するトークン(内部トークン)をブロックチェーンネットワーク301において発行する要求を生成し、ブロックチェーンネットワーク301に送信する。このとき、トークン発行部10111は、構想情報DB10122の構想に発行されたトークンを識別する情報として、例えばトークンのアドレスを構想情報に関連付けて記憶してもよい。
【0053】
ステップS703において、トークン発行部10111は構想情報DB10122を参照し、内部トークンに関連付けられるメタ情報を更新する。ステップS701からS703の処理は、助言ユーザによって助言情報が提供された場合や更新された場合、助言情報の提供や更新に応じて実行される。これにより、内部トークンのメタ情報が適宜アップデートされた状態が保たれる。
【0054】
ステップS704において、トークン発行要求送信部10110はユーザ端末201aから外部トークン発行リクエストを取得する。ステップS705において、トークン発行要求送信部10110は、外部トークンの発行がリクエストされた構想情報に対応する内部トークンを参照する。ステップS706において、トークン発行要求送信部10110は、内部トークンのメタ情報を参照する。ステップS707において、トークン発行要求送信部10110は、参照されたメタ情報に基づいて、ブロックチェーンネットワーク501に外部トークンを発行する外部トークン発行要求を生成する。
【0055】
ステップS708において、トークン発行要求送信部10110は、トークン販売管理装置401に外部トークン発行要求を送信する。ステップS709において、トークン発行部4013は、外部トークン発行要求に基づいて外部トークン発行トランザクションを生成し、ブロックチェーンネットワーク501に送信する。ステップS710において、ブロックチェーンネットワーク501は外部トークンの発行処理を行う。なお、発行時点における外部トークンの保有者は、構想ユーザとすることができる。あるいは、発行時点の外部トークンの保有者は、構想ユーザ及び助言ユーザの共有とされてもよく、トークン販売管理装置401の管理ユーザとされてもよい。
【0056】
ステップS711からS713において、トークン販売管理装置401、構想情報管理装置101、ユーザ端末201aは、それぞれ発行された外部トークンのトークン情報を取得する。ここでトークン情報とは、外部トークンを識別するための外部トークンのアドレスを含む情報である。
【0057】
以上の処理によって、構想情報がNFT化され取引が可能となる。図8を参照して、外部トークンの取引及び取引された場合の暗号資産の配分について説明する。
【0058】
ステップS801において、トークン販売部4014は、外部トークンを購入するための購入画面を表示させる購入画面情報を生成する。ステップS802において、トークン販売部4014は、購入画面情報を購入ユーザのユーザ端末201dに送信する。ステップS803において、ユーザ端末201dは購入画面を表示する。ステップS804において、ユーザ端末201dは購入画面を通じた購入ユーザの操作により外部トークンの購入要求を取得する。ステップS805において、トークン販売部4014はユーザ端末201dから購入要求を取得する。購入費用の決済が完了すると、ステップS806において、トークン販売部4014は、外部トークンの保有者を購入ユーザとする移転トランザクションをブロックチェーンネットワーク501に送信する。
【0059】
ステップS807において、ブロックチェーンネットワーク501は外部トークンの移転処理を行う。これにより、外部トークンにメタ情報として関連付けられる構想情報及び助言情報に購入ユーザがアクセス可能となる。
【0060】
ステップS808において、暗号資産送信部4015は、取引された外部トークンのメタ情報を参照して、外部トークンに関連付けられる寄与情報を取得する。ステップS809において、暗号資産送信部4015は、寄与情報に基づいて暗号資産配分トランザクションを生成する。暗号資産配分トランザクションは、取引額全体から所定の手数料を除いた金額を寄与情報に応じて各ユーザに配分することを示すトランザクションである。例えば、図4の構想Aの場合、構想ユーザ及び各助言ユーザはそれぞれ配分金額全体の25%が配分されることになる。
【0061】
ステップS810において、暗号資産送信部4015はブロックチェーンネットワーク501に暗号資産配分トランザクションを送信する。ステップS811において、暗号資産配分トランザクションに基づいて、ブロックチェーンネットワーク501における暗号資産が構想ユーザ及び助言ユーザに配分される。
【0062】
以上本発明の実施形態について説明した。構想情報管理装置101は、構想ユーザから、構想ユーザの構想を示す構想情報を取得する構想情報取得部1013と、構想を提示する構想提示情報を構想情報に基づいて生成する構想提示情報生成部1014と、構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに、構想提示情報を提供する構想提示情報提供部1015と、構想提示情報に応じて、複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザから助言情報を取得する助言情報取得部1018と、構想ユーザ及び少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの構想への寄与度を示す寄与情報を生成する寄与情報生成部1019と、構想情報、助言情報、及び寄与情報に基づいて、助言情報及び寄与情報が関連付けられた構想情報を示す外部トークンをブロックチェーンネットワーク501において発行する要求を送信するトークン発行要求送信部10110と、を備える。
【0063】
これにより、構想がブロックチェーンネットワーク501においてNFTである外部トークンとして取引されるようにできる。ここで取引される外部トークンは、構想が構想に対する助言によって内容が充実したものである。外部トークンを保有しようとするユーザは、構想情報に加えて、助言情報及び寄与情報を確認しつつ外部トークンの要否を検討することができる。このように、構想に対して助言ユーザの助言及びその寄与度を関連付けることで、構想がより評価されやすい状態で構想の取引を実現することができるNFTマーケットプレイスが実現され、NFTの用途が拡張される。
【0064】
構想情報管理装置101では、指定情報取得部1016は、構想ユーザから、複数の助言ユーザのうち構想ユーザが指定した助言ユーザを示す助言ユーザ指定情報を取得し、リクエスト送信部1017は、助言ユーザ指定情報に基づいて、助言情報を提供することのリクエストを構想ユーザが指定した助言ユーザに送信し、少なくとも1以上の助言ユーザは、構想ユーザが指定した助言ユーザのうち、リクエストに応答した助言ユーザを含んでもよい。これにより、構想ユーザが選択した助言ユーザから助言情報の提供が行われるようになるので、助言情報の質の向上につながり、構想がより充実した状態となる。
【0065】
構想情報管理装置101では、指定情報取得部1016が、前記複数の助言ユーザのうち前記助言情報の提供を希望する助言ユーザから、前記助言情報の提供の対象となる前記構想を指定する構想指定情報を取得し、リクエスト送信部1017が、前記構想指定情報に基づいて、指定された前記構想を提示した前記構想ユーザに前記助言情報の提供のリクエストを送信し、少なくとも1以上の助言ユーザは、前記助言情報の提供を希望する助言ユーザのうち、前記構想ユーザが前記リクエストを許可した助言ユーザを含んでもよい。これにより、構想提示情報に基づいて構想を確認した助言ユーザが、自身が期待できる構想に対して助言提供を依頼することができる。これにより、将来的に高値で取引される可能性のある構想に対して助言ユーザが寄与することが可能となり、助言情報の提供が促進されるようにできる。
【0066】
構想情報管理装置101では、構想情報取得部1013は、前記構想情報と他の構想情報との類似度を算出し、前記類似度に応じて、前記構想情報と前記他の構想情報とを比較する比較情報を生成し、前記比較情報に基づく、前記構想情報を新たな構想情報として前記コンピュータに記憶することの可否を示す情報を取得し、前記構想情報が前記新たな構想情報として記憶可能である場合に、前記構想情報を記憶してもよい。これにより、既にある構想情報に類似している構想情報が構想情報管理装置101に記憶されないようにできるので、助言ユーザは独自性のある構想情報についてのみ助言情報を提供することができ、利便性が向上する。
【0067】
構想情報管理装置101は、前記構想ユーザ及び前記構想情報が関連付けられた内部トークンをブロックチェーンネットワーク301において発行する要求をブロックチェーンネットワーク301に送信し、助言情報及び寄与情報を前記第2トークンに関連付けるトークン発行部10111を備え、ブロックチェーンネットワーク501に外部トークンを発行することは、内部トークンに基づいて、外部トークンをブロックチェーンネットワーク501において発行する要求をブロックチェーンネットワーク501に送信することを含む。これにより、助言情報が提供される段階の構想情報もトークンとしてブロックチェーンネットワーク301で管理されるようにできる。よって、助言情報が提供される段階でも構想情報が構想ユーザによって提供されたことの正当性を担保することができる。
【0068】
トークン販売管理装置401は、構想ユーザから取得された前記構想ユーザの構想を示す構想情報と、前記構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに提供された前記構想情報に応じた、前記複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザからの前記助言情報と、前記構想ユーザ及び前記少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの前記構想への寄与度を示す寄与情報とに基づいて、前記助言情報及び前記寄与情報が関連付けられた前記構想情報を示す外部トークンをブロックチェーンネットワーク501において発行する要求を前記ブロックチェーンネットワーク501に送信するトークン発行部4013と、前記外部トークンが前記ブロックチェーンネットワーク501において取引された場合に、外部トークンに関連付けられた前記寄与情報に基づいて、外部トークンの取引額に応じた暗号資産を前記構想ユーザ及び前記少なくとも1以上の助言ユーザに送信する暗号資産送信部4015と、を備える。
【0069】
寄与情報に基づいて、外部トークンの取引額に応じた暗号資産を送信可能とすることで、正当な考案を行った構想ユーザ及び助言ユーザに対して適切にかつ透明性を有しつつ、取引の対価を配分することができる。よって、第三者の構想を真似たものではない正当な構想のマーケットプレイスが実現され、NFTの用途が拡張される。
【0070】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置及び条件等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0071】
10…構想管理システム、101…構想情報管理装置、201…ユーザ端末、301、501…ブロックチェーンネットワーク、401…トークン販売管理装置、1013…構想情報取得部、1014…構想提示情報生成部、1015…構想提示情報提供部、1016…指定情報取得部、1017…リクエスト送信部、1018…助言情報取得部、1019…寄与情報生成部、4013…トークン発行部、4015…暗号資産送信部
【要約】
【課題】非代替性トークンの新たな用途を提供する。
【解決手段】コンピュータに、構想ユーザから、構想ユーザの構想を示す構想情報を取得することと、構想を提示する構想提示情報を構想情報に基づいて生成することと、構想への助言を示す助言情報を提供する複数の助言ユーザに、構想提示情報を提供することと、構想提示情報に応じて、複数の助言ユーザのうち少なくとも1以上の助言ユーザから助言情報を取得することと、構想ユーザ及び少なくとも1以上の助言ユーザそれぞれの構想への寄与度を示す寄与情報を生成することと、構想情報、助言情報、及び寄与情報に基づいて、助言情報及び寄与情報が関連付けられた構想情報を示すトークンをブロックチェーンネットワークにおいて発行する要求を送信することと、を実行させる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8