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特許7381140ガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法
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  • 特許-ガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法 図1
  • 特許-ガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】ガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 26/00 20060101AFI20231108BHJP
   C22C 1/00 20230101ALI20231108BHJP
   C22B 26/12 20060101ALI20231108BHJP
   C22B 5/16 20060101ALI20231108BHJP
   C22C 23/00 20060101ALN20231108BHJP
【FI】
C22B26/00
C22C1/00 J
C22B26/12
C22B5/16
C22C23/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022514762
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 CN2020115864
(87)【国際公開番号】W WO2021135399
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】202010007931.X
(32)【優先日】2020-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522085389
【氏名又は名称】スーチュァン ユニオン シャイン ニュー エネルギー サイ-テック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SICHUAN UNION SHINE NEW ENERGY SCI-TECH CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No.8-1 Jinxiu Road, Xiuwen Town, Dongpo District Meishan, Sichuan 620860, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ヂョウ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン グゥァンリー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ペイ
(72)【発明者】
【氏名】ガン ヨン
【審査官】藤長 千香子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109536751(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1827808(CN,A)
【文献】特表平11-502565(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102080164(CN,A)
【文献】特開2005-097648(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110042240(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第101560603(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108165768(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0077549(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第110205491(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0387860(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111286653(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00-61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム塩、抗融剤及び触媒を比例混合してから、圧力で成型した後、成型後の混合物を、工業用管状炉内に放置して、熱分解を行い、その後、酸化リチウムと抗融剤を反応させて不飽和複合酸化物を生成する工程であって、触媒で昇華凝縮を行った後、触媒を再利用する工程1)と、
前記工程1)で生成した不飽和複合酸化物、酸化マグネシウム、還元剤及び融剤をそれぞれ粉砕してボールミルで加工した後に成型する工程2)と、
前記工程2)で得られた成型物を、工業用耐熱鋼管状炉内に装入して、真空還元を行う工程であって、このとき、還元生成物がガス状態であり、且つ、固体材料を担持する工程3)と、
前記工程3)で得られた固体材料を担持するガスに、温度制御可能な急冷温度制御装置の集塵室での遠心式フィルタを通過させてから、第一凝縮室に入らせた後、気流速度が1.2-1.8m/secのガスで、遠心分離機と第一凝縮室の温度を850-950℃に制御し、且つ、殆どの固体粒子を除去し、その後、これに、ミクロ級セラミックスフィルタを通過させることによって、99.95%を上回る固体粒子に担持された塵埃を浄化し、出口温度を700-750℃に制御する工程4)と、
浄化された純金属ガスに、前記急冷温度制御装置の第二凝縮室を通過させ、第二凝縮室内の凝縮器外層で、-100℃を下回る冷却液体と金属ガスとに熱交換させ、冷却器の中心部ガスが、内壁へ伝導された熱量を奪うことによって、金属ガスが、合金の凝集相に凝縮するようにする工程5)と、
凝集相のマグネシウムリチウム合金をシャフト炉内に保持し、且つ、アルゴンガス保護の下で融剤溶錬と精錬を行って、純度が99.5%以上であるマグネシウムリチウム合金を得る工程6)と、
粗製マグネシウムリチウム合金を蒸留・分離した後、純度が99.95%以上であるマグネシウムリチウム合金を得る工程7)という7つの工程を含み、
前記リチウム塩が、リチウムを含有する炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩又はリチウムを含有する硫化物であり、前記抗融剤がCaO、Al 又はM Oであり、前記触媒がSb 又はBi であり、且つ、前記リチウム塩、前記抗融剤及び前記触媒のモル比が1:1.4-1.8:0.2-0.8であり、
前記還元剤は、高珪素フェロシリコン、Al含有量≧99wt%のアルミニウム粉、活性アルミニウムが70wt%を占め、且つ、粒度が8μmを下回るアルミニウム粉、アルミニウム・シリコンの合計量が、98%以上であるアルミニウム・シリコン粉、又は、炭素粉であり、融剤がCaF であり、その純度が97.5%であり、
前記高珪素フェロシリコンは、珪素の純度が75%であるガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法。
【請求項2】
前記工程1)において、リチウム塩、抗融剤及び触媒の粒度がすべて100μmを下回り、成型物が杏核形であり、重量が25-35g/個であり、圧力成型の条件が35-45Mpaであり、熱分解温度が860-900℃である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程2)において、不飽和複合酸化物、酸化マグネシウム、還元剤及び融剤をそれぞれ粉砕してボールミルで加工した後に成型し、ボールミルで加工した後の粒度が40-100μmであり、圧力成型の条件は、30-45Mpaの条件下で25-35g/個に加圧成形して、杏核形にすることである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
飽和複合酸化物と酸化マグネシウムとの質量比が3-80:20-97であり、且つ、不飽和複合酸化物及び酸化マグネシウムの総質量、還元剤及び融剤の質量比が76-87:15-23:1-3である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
熱分解工業用管状炉の真空度が10-20paであり、温度が860-950℃であり、寸法がφ159-φ330mm×3300mmであり、熱分解率≧99%となる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
熱還元工業耐熱鋼管状炉の寸法が159-φ330mm×3300mmであり、真空度が1-20paであり、温度が900-1300℃であり、熱還元率≧99%となる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記急冷温度制御装置が、反応領域(1)、集塵室(2)、第一凝縮室(3)、第二凝縮室(4)、集塵室の排滓穴(5)及び真空管(6)を含み、反応領域(1)が集塵室(2)に連通しており、集塵室(2)内に遠心分離機が設置され、集塵室(2)の下端に漏斗が設置され、漏斗の片側の下端に加熱領域入口(7)が設けられ、漏斗の底部に集塵室の排滓穴(5)が設けられ、集塵室(2)の片側の上端に加熱領域の第一出口(8)が設けられ、集塵室(2)の頂部に第一凝縮室(3)が設けられ、第一凝縮室(3)と集塵室(2)との接続箇所の上端に加熱領域の第二出口(10)が設けられ、第一凝縮室(3)内にセラミックス・ミクロンフィルタ(15)が設置されていて、第一凝縮室(3)が第二凝縮室(4)に連通しており、第一凝縮室(3)内には、第二凝縮室(4)に連通した箇所に加熱領域の第二入口(9)が設けられ、第二凝縮室(4)内には、第一凝縮室(3)に連通した箇所に真空管(6)が設置され、第二凝縮室(4)の両側にそれぞれ冷却剤入口(12)と冷却エア入口(13)及び冷却剤出口(11)と冷却エア出口(14)が設けられていることを含むことである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第一凝縮室(3)と前記第二凝縮室(4)がすべて二層スリーブ式冷却器であり、第二凝縮室(4)内の冷却器中心部のガス流速が1.5-4m/secであり、凝集相金属の重量に対する冷却面積の比が0.4-0.7dm3/kgである請求項に記載の方法。
【請求項9】
精錬工程において、蒸留塔の下部温度を850-950℃に、中央温度を700-800℃に、上部温度を<100℃に制御した後、蒸留分離を行い、中央液体が99.95%マグネシウム・リチウム合金であり、且つ、インゴットとしてマグネシウムリチウム合金を製作してから、マグネシウムリチウム合金完成品を得る請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽金属合金材料制作技術分野に属し、純度が高く、結晶粒が超微小粒子であり、且つ、合金が均一であるマグネシウムリチウム合金製造新方法に係わり、さらに具体的に言うと、ガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法に係わる。
【背景技術】
【0002】
金属リチウムの原子番号が3であり、原子核が、三つのプロトンと四つの中性子から構成されていて、原子核の周辺に三つの電子があり、K電子殻に二つの電子があり、電子殻の構造が1S2Sであり、リチウムの化学的性質が非常に活発で、化合物が極性分子であるので、吸水し易い為、金属を抽出し難くなる。この金属が、多くの元素と非常に重要な化合物及び固溶体等の合金を形成する。形成する合金は、良い変形性能を持ち、加工し易い。
【0003】
金属リチウムは、融点が180.54℃であり、沸点が1327±10℃であり、融点が比較的に低いが、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、銀及びビスマス等は、融点が比較的に高く、溶錬温度の時に、これらのガスは、すべて一定の蒸気圧を有しており、これらの金属ガスが相互溶解して共存する。これで、含有量が異なる合金に凝集することができる。得る合金相が均一で、物理的及び化学的性質が一致している。
【0004】
我が国のリチウム資源は比較的豊富である。現在、金属リチウムとその他の金属元素と形成する合金(例えば、マグネシウム・リチウム合金)を応用している。マグネシウムリチウム合金は、更にマグネシウムに富む合金とリチウムに富む合金に分けられているが、現在普遍的に応用されているのは、やっぱりマグネシウムに富む合金(例えば、β相のLA141とLA91)である。マグネシウムリチウム合金の製造に「相互混入法」を採用し、電解法で得られたリチウムとその他の金属に、融解させて相互混入させるか、又は電解沈積を行う。合金元素の融点がリチウムの融点を遥かに超えているので、相互混入・電解温度が一般に十分高く、800℃である時に、純金属リチウムの蒸気圧が390.6Paに達する。もう一方で、リチウムの性質が非常に活発で、合金化時に、空気中の酸素、窒素及び水素等と反応を行うことによって、リチウムの大量な損失を引き起こす。リチウムの密度が0.53g/cmであるだけであるが、その他の合金元素の密度がリチウムの密度より遥かに高く、合金化の時に偏析を引き起こして、その加工性能と応用分野に影響する。
【0005】
現在、工業においてリチウムの生産方法は、相変わらず塩化リチウム-塩化カリウム融解塩高温電解法である。当該方法は、使用する原料価格が高く、要求が厳格で、工場建設の設備投資が極めて大きく、設備が腐食し易い。その上、塩素ガスが発生するので、環境保護の投入が大きく、生産環境が悪く、収率も高くなく、それに加えて、リチウムにおけるKとNaの含有量が十分高い為、除去し難い。従って、金属リチウムの製造コストが高止まりして、合金の製造コストが高くなる。
【0006】
リチウムとリチウム合金は、多くの素晴らしい性能を持つので、多くの分野において、替わることが出来ず、且つ、原子エネルギー工業、熱核融合反応、大陸間弾道ミサイルと人造衛星分野において、リチウム及びリチウムの化合物は、高エネルギー燃料でもあり、宇宙ロケット、人工衛星、超音速飛行機、ミサイルと潜水艦等に用いられる。リチウム、マグネシウム及びアルミニウム等で製造された合金は一番軽い構造材料であり、リチウム及びリチウムの化合物は更に広く応用される理想的なバッテリー材料であり、リチウム合金は、また良好な変形性能と加工性能を持ち、応用見通しが非常に広い。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、以上の技術問題に基づいて、ガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法を提供する。当該方法で製作されるマグネシウムリチウム合金の純度が99.0wt%-99.95%に達して、より広い分野に応用されることができる。その上、当該方法は、工業化を実現し、且つ、マグネシウムリチウム合金の製造コストを削減し易く、既存の技術と比べて、一層省エネと環境対応の利点を持つ。
【0008】
以上の発明目的を実現する為に、本発明の具体的な技術的解決策は下記の通りである。
【0009】
ガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法であり、下記の工程を含む。
【0010】
工程1) リチウム塩、抗融剤及び触媒を比例混合してから、35-45Mpaの圧力条件下で成型する。製作した物質を、工業用管状炉内に放置して、熱分解を行い、触媒で昇華凝縮を行った後、再利用する。この後、酸化リチウムと抗融剤を反応させて不飽和複合酸化物を生成する。
【0011】
好ましくは、前記工業用管状炉は、気相沈積窒素炭素化合物るつぼを内蔵している工業用管状炉である。
【0012】
リチウム塩、抗融剤と触媒の成型前の粒度が100μmを下回る。
【0013】
好ましくは、工業用管状炉の寸法がφ150-φ330mm×3300mmである。
【0014】
前記リチウム塩が、リチウムを含有する炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩又はリチウムを含有する硫化物であり、前記抗融剤がCaO、Al又はMgO等であり、前記触媒がSbとBiである。
【0015】
好ましくは、リチウム塩、抗融剤及び触媒のモル比が1:(1.4-1.8):(0.2-0.8)である。
【0016】
成型時に、加圧成型された成型物(ペレット)が25-35g/個であり、杏核状に形成して、中間が厚く、両側が薄くすることによって、熱分解時二酸化炭素の排出に有利である。その上、ペレットが高温分解時一定形状を保持して、固体粒子の脱落を防止できる。熱分解工業用管状炉内に、真空度が10-20paであり、温度が860-950℃であるように制御し、その熱分解率が99%以上となる。
【0017】
工程2) 工程1)で生成された不飽和複合酸化物、酸化マグネシウム、還元剤及び融剤をそれぞれ粉砕してボールミルで粒度40-100μmになるまで加工した後、30-45Mpaの条件下で25-35g/個のペレットに加圧成形して、杏核形にする。
【0018】
前記還元剤は、高珪素フェロシリコン、Al含有量≧99wt%のアルミニウム粉、活性アルミニウムが70wt%を上回り、且つ、粒度が8μmを下回るアルミニウム粉、アルミニウム・シリコンの合計量が、98wt%以上であるアルミニウム・シリコン粉、又は、炭素粉であり、好ましくは、品位が75%であるフェロシリコンとする。融剤がCaFであり、その品位が97.5%を上回る。
【0019】
好ましくは、不飽和複合酸化物と酸化マグネシウムとの質量比が3-80:20-97であり、且つ、不飽和複合酸化物と酸化マグネシウムの総質量、還元剤と融剤の質量比が76-87:15-23:1-3である。
【0020】
工程3) 工程2)で得られた成型物(ペレット)を、工業用耐熱鋼管状炉内に装入して、真空度が1-20paであり、温度が900-1300℃であるように制御する。このとき、還元生成物は、ガス状態であり、且つ、固体材料を担持する。熱還元率が99%以上となる。
【0021】
好ましくは、工業用耐熱鋼管状炉の寸法がφ159-φ330mm×3300mmである。
【0022】
工程4) 固体材料を担持するガスに、除塵器内の遠心分離機を通過させた後、温度制御装置の第一凝縮室に入らせる。第一凝縮室内の凝縮器が二層スリーブ式冷却器であり、中間層で、定温気流速度が1.2-1.8m/secのガスで、遠心分離機と第一凝縮室の温度を850-900℃に制御する。除塵器において除塵を行った後、98wt%を超える、粒度が20μmを上回る固体粒子が除去される。これから、ガスに、0.5μmミクロン級セラミックス・フィルタを通過させた後、99.95%を上回る担持された塵埃を浄化して、ミクロン級セラミックス・フィルタ出口ガス温度を700-750℃に制御する。
【0023】
工程5) 純金属ガスに、急冷装置の第二凝縮室を通過させる。第二凝縮室内の凝縮器が二層スリーブ式冷却器であり、外層で-100℃を下回る低温冷却液体と金属ガスとに熱交換させ、冷却器の中心部が、1.5-4m/secのガスを通じて、内壁へ伝導された熱量を奪う。凝集相金属の重量に対する冷却面積の比が0.4-0.7dm/kgである。これで、金属ガスが、合金の凝集相に凝縮するようにする。
【0024】
前記急冷温度制御装置が、反応領域、集塵室、第一凝縮室、集塵室排滓穴及び真空管を含み、その反応領域が集塵室に連通している。集塵室内に遠心分離機が設置され、集塵室の下端に漏斗が設置され、漏斗の片側の下端に加熱領域の第一入口が設けられ、漏斗の底部に集塵室の排滓穴が設けられている。集塵室の片側の上端に加熱領域の第一入口が設けられ、集塵室の頂部に第一凝縮室が設置され、第一凝縮室と集塵室との接続箇所の上端に加熱領域の第二出口が設けられ、第一凝縮室内にセラミックス・ミクロンフィルタが設置されている。第一凝縮室が第二凝縮室に連通している。第一凝縮室内における、第二凝縮室に連通した箇所に加熱領域の第二入口が設けられている。第二凝縮室内における、第一凝縮室に連通した箇所に真空管が設置され、第二凝縮室の両側にそれぞれ冷却剤入口と冷却エア入口及び冷却剤出口と冷却エア出口が設けられている。
【0025】
工程6) アルゴンガス保護の下で凝集相のマグネシウムリチウム合金をシャフト炉内に保持し、且つ、攪拌の下で、融剤溶錬と精錬を行って、純度が99.5%である粗製マグネシウムリチウム合金を得る。
【0026】
工程7) 粗製マグネシウムリチウム合金を蒸留・分離した後、純度が99.95%以上であるマグネシウムリチウム合金を得る。
【0027】
好ましくは、粗製マグネシウムリチウム合金を蒸留装置に装入した後、蒸留器の下部温度を850-950℃に、中央温度を700-800℃に、上部温度を<100℃に制御した後、下部で高融点異物(例えば、Fe、Ni、Co、Si、Ca等)を除去する。上部で低融点金属異物(例えば、K、Na等)を除去する。中央液体が99.95%マグネシウム・リチウム合金である。
【0028】
最後にインゴットとしてマグネシウムリチウムを製作し、且つ、マグネシウムリチウム合金完成品を得る。
【0029】
本出願において、好ましいリチウム塩が炭素酸リチウムである。炭素酸リチウムは、熱分解反応であり、反応式がLiCO→(加熱)LiO+COである。
【0030】
本出願において、アンチモンとビスマスの酸化物が化学反応に関与せず、付加された三酸化二アンチモンと酸化ビスマスは、反応初期で分解温度が850℃を下回る時に、液体炭酸リチウムを吸着する役割を果たすだけである。これで、液滴を形成できないか、又は液滴が小さくなるようにすることによって、炭酸リチウムの熱分解を促す。即ち、炭酸リチウムの熱分解反応表面積を増やす。分解が完成した後、分解炉内の温度が860-900℃に上がる時に、三酸化二アンチモンと酸化ビスマスが気化・昇華して生成物から離れて、酸化カルシウム添加量が減少することによって、形成される安定的なLiO(2-x)CaOが不飽和酸化物であるようにする。その中で、xが0.5を下回り、単位生産能力を増やすことができる。これで、反応温度が下がる。主な役割としては、反応界面の面積が増加したので、反応速度が上がったが、製品品質に影響を与えない。同じ条件下で、分解率を12~15%向上できる。気相沈積温度が1000℃を上回り、沈積厚さが≧0.2-0.3μmであり、表面が滑らかで欠陥がなく、且つ、骨組として、高融点金属、ニッケル基合金とチタン合金を選ぶ。純ニッケル基合金とチタン合金を使用して、接着耐久性の良い集成材を形成でき、即ち、炭素と窒素の化合物又はAlが沈積する。現在、国内外のるつぼ材質は、すべて高純度グラファイトを採用している。高純度グラファイトに、ブートル反応が発生し易いので、るつぼの寿命が5~6回だけであり、脱落する炭素が製品を汚染するが、沈積して形成するるつぼが材料と反応しない。もう一方で、るつぼは、塗装技術で補修を行うことができ、耐用期間が高純度グラファイトより20倍以上長くなる。
【0031】
遠心沈殿で、塵埃の95~97%を除去できるが、ミクロン級セラミックスでろ過すると、塵埃の99.99%以上を除去できるので、組み合わせて使用しなければならない。遠心だけを使用すると、異物をきちんと除去できない。ミクロ級セラミックスだけを使用すると、フィルタの耐用期間が短く過ぎるので、フィルタに対して常に再生処理も行って、組み合わせて使用すると、塵埃の99.99%以上を除去でき、且つ、再処理サイクルが15倍以上向上する。
【0032】
急冷装置において、低温液体と冷却エアを結び付けることによって、温度を、700-750℃から、0.5~1.5分間以内に、150℃以下に冷却して、凝集体にする。低温液体が、極めて強い吸熱能力を持ち、流速が1.5-4M/secである冷却エアが、吸収された熱量を速く奪って、急冷の効果をもたらすことができる。
【0033】
相互混入法及び合金の電解製作法と比べて、本技術で、1000トン/年の金属マグネシウムリチウム工場を建設すると、設備投資が6000万人民元以下であり、同規模のリチウム工場における設備投資の三分の一だけであり、電解法と比べて製造コストを20-30%削減でき、且つ、原料供給源が豊富で、リチウムマグネシウムの収率を向上させることができる。マグネシウムリチウム合金は、偏析がない材料であり、安定的なβ相固溶体又は化合物を形成した後、純度が高くなって、99.95%に達した。現存の国内外のその他の研究と比べて、本研究は、金属リチウム工業化のプロセスにおける難関を克服して、産業化を実現し、且つ、当技術を採用することによって、製作するマグネシウムリチウム合金の純度が、99%から99.95%まで向上した。
【0034】
本発明の有益な効果は、下記の面に現れている。
【0035】
(一)共凝集法による合金生産方法を通じて、金属抽出と合金化を一つのプロセスに統一し、且つ、熱エネルギーを十分に利用して除塵と浄化を行って、気相を速く凝集相に冷却することによって、合金元素が均一に分布して、偏析がないようにできる。
【0036】
(二)真空熱還元法で得られたリチウムと合金元素の混合蒸気に対して、遠心沈降法で除塵を行い、ミクロン級セラミックスで完全に精密濾過を行うことによって、理想的な純度の金属蒸気を得ることができる。これから、既存の技術での蒸留と精錬を行うことによって、工業化に適するようにすること。これと同時に、わが国において、ピジョンプロセスというマグネシウム製錬技術と設備はすべて非常に成熟しているので、利用可能な多くのマグネシウム製錬用標準設備を使用できるので、設備投資を減少し、且つ、工業化を実現し易くなる。
【0037】
(三)合金の加工性が向上し、合金の力学的性質を改善し、且つ、反応缶を改善することによって、工業化、機械化及び自動化を可能にする。これと同時に、原料供給源が広く、設備投資が少なく、生産コストが低く、省エネと環境保護性が良好で、フローが短縮されたので、良好な経済的利益を有する。
【0038】
(四)本出願でフェロシリコンを還元剤として採用する。なぜかというと、一つ目は、価格が低く、十分な市場スペースがある為である。二つ目は、反応で生成される気化リチウムが比較に温和であるので、殆ど100%の金属を収集できる為である。三つ目は、真空ポンプの耐用期間を延長できる為である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は、本発明におけるガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法のプロセスフローの模式図である。
図2図2は、本発明で述べられている装置の構造模式図である。
【0040】
1-反応領域、2-集塵室、3-第一凝縮室、4-第二凝縮室、5-集塵室の排滓穴、6-真空管、7-加熱領域の第一入口、8-加熱領域の第一出口、9-加熱領域の第二入口、10-加熱領域の第二出口、11-冷却剤出口、12-冷却剤入口、13-冷却エア入口、14-冷却エア出口、15-セラミックスミクロン級フィルタ。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の目的、技術案及びその有益効果を、一層明らかで明確にする為に、具体的な実施形態と結びづいて、本発明を一層詳細に説明するが、本発明の前記テーマの範囲が下記の実施形態に限ると理解してはいけない。
【0042】
下記の実施形態において使用される急冷装置の構造は下記の通りである。前記急冷温度制御装置は、反応領域、集塵室、第一凝縮室、集塵室排滓穴及び真空管を含み、その反応領域が集塵室に連通している。集塵室内に遠心分離機が設置され、集塵室の下端に漏斗が設置されている。漏斗の片側の下端に加熱領域の第一入口が設けられ、漏斗の底部に集塵室の排滓穴が設けられている。集塵室の片側の上端に加熱領域の第一入口が設けられ、集塵室の頂部に第一凝縮室が設けられ、第一凝縮室と集塵室との接続箇所の上端に加熱領域出口が設けられ、第一凝縮室内にセラミックス・ミクロンフィルタが設置されている。第一凝縮室が第二凝縮室に連通している。第一凝縮室内における、第二凝縮室に連通した箇所に加熱領域の第二入口が設けられている。第二凝縮室内における、第一凝縮室に連通した箇所に真空管が設置され、第二凝縮室の両側にそれぞれ冷却剤入口と冷却エア入口及び冷却剤出口と冷却エア出口が設けられている。
【0043】
第一凝縮室と第二凝縮室が二層スリーブ式冷却器である。
【0044】
蒸留分離技術は、既存の技術である。
【0045】
実施形態1
ガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法であり、その工程は、下記の通りである。
【0046】
工程1) 原料を按分に秤取する。その中で、炭酸リチウムの粒度が89μmであり、酸化カルシウムの粒度が74μmであり、炭酸リチウム、CaO及び触媒Sbを、モル比1:1.6:0.4で比例混合し、且つ、35Mpaの圧力条件下で成型する。成型物(ペレット)が28g/個であり、ペレット形状が杏核状である。製作されたペレットを、φ330mm×3300mm寸法の気相沈積窒素炭素化合物付きるつぼの工業用管状炉に入れて、熱分解反応を行う。触媒で昇華凝縮を行った後、再利用する。この後、酸化リチウムと抗融剤を反応させて複合酸化物を生成する。工業用管状炉の真空度が10paであり、温度が860℃である。高温分解時間が5時間であり、炭酸リチウムから酸化リチウムに分解する分解率が99.2%であり、金属リチウムの収率が99.5%に達する。
【0047】
工程2) 工程1)で得られた酸化リチウムと抗融剤から形成された不飽和複合酸化物と酸化マグネシウムとの質量比を、それぞれ88.2:11.8にし(複合酸化物の中でMgO:CaO=1:1)てから、不飽和複合酸化物と酸化マグネシウムの総質量及び、フェロシリコンとCaFを、粉砕してボールミルで粒度60μmまで加工した後、質量比80:18:2で比例混合して、30Mpaの下で28g/個のペレットに加圧成形する。
【0048】
工程3) 工程2)で得られた成型物(ペレット)を、φ330mm×3300mm工業用耐熱鋼管状炉内に装入する。真空度が1paであり、温度が1185℃であり、このとき、還元生成物がガス状態であり、且つ、固体材料を担持する。マグネシウム還元回収率が95%よりも大きく、リチウムの還元率が99%である。
【0049】
工程4) 固体材料を担持するガスに、集塵室での遠心式フィルタと第一凝縮室を通過させてから(第一凝縮室に中間層がある)、気流速度が1.5m/secのガスで、遠心分離機と第一凝縮室の温度を880℃に制御する。20μmを上回る98%固体粒子付きガスが、第一凝縮室を通す時に除去され、0.5μmのミクロン級セラミックスフィルタを通す時に、99.95を上回る担持された塵埃が浄化され、その上、出口温度を730℃に制御する。
【0050】
工程5) 純金属ガスに、急冷装置の第二凝縮室を通過させる。第二凝縮室内の二層スリーブ式冷却器の内層温度を60℃に制御し、外層で-110℃の低温冷却液体と金属ガスとに熱交換させ、冷却器の中心部が、3m/secのガスを通じて、内壁へ伝導された熱量を奪う。冷却面積が0.65dm/kgであり、金属ガスが、速く合金の凝集相に凝縮するようにする。
【0051】
工程6) アルゴンガス保護の下で凝集相のマグネシウムリチウム合金をシャフト炉内に保持し、且つ、攪拌の下で、融剤溶錬と精錬を行って、純度が99.5%である粗製マグネシウムリチウム合金を得る。
【0052】
工程7) 粗製マグネシウムリチウム合金を蒸留・分離した後、蒸留器の下部温度を900℃に、中央温度を750℃に、上部温度を70℃に制御し、且つ、下部で高融点異物(例えば、Fe、Ni、Co、Si、Ca等)を除去する。上部で低融点金属異物(例えば、k、Na等)を除去する。中央でMg-Li合金を排出する。
【0053】
最後にインゴットとしてマグネシウムリチウム合金を製作し、且つ、表面処理後保存する。
【0054】
得られたマグネシウムリチウム合金を国際基準に基づいて検出する。各元素の質量百分比は、下記の通りである。
【表1】
【0055】
以上これから見ると、当該方法で製作されるマグネシウムリチウム合金の純度が99.95wt%に達し、且つ、安定的且つ均一的なαとβ相固溶体又は化合物を形成して、良好な加工性を有するので、現在各工業分野における応用を満足できる。相互混入法と比べて、製造コストが20-30%低く、原料供給源が豊富で、偏析現象を無くし、且つ、純度を向上し、合金の性質を向上し、工業化を実現した。
【0056】
実施形態2
ガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法であり、その工程は、下記の通りである。
【0057】
工程1) 原料を按分に秤取する。その中で、炭酸リチウムの粒度が89μmであり、酸化カルシウムの粒度が74μmであり、炭酸リチウム、CaO+MgO、Alと触媒Sbを、モル比1:1.45:0.2:0.4で比例混合し、且つ、40Mpaの圧力条件下で成型する。成型物(ペレット)が28g/個であり、ペレット形状が杏核状である。製作したペレットを、φ330mm×3300mm寸法の工業用管状炉内に放置して、気相沈積窒素炭素化合物付きるつぼに入れて、熱分解反応を行う。触媒で昇華凝縮を行った後、再利用する。この後、酸化リチウムと抗融剤を反応させて複合酸化物を生成する。工業用管状炉の真空度が10paであり、温度が860℃である。高温分解時間が5時間であり、炭酸リチウムから酸化リチウムに分解する分解率が99.3%であり、金属リチウムの収率が99.5%に達する。
【0058】
工程2) 工程1)で得られた酸化リチウムと抗融剤から形成された不飽和複合酸化物と酸化マグネシウムとの質量比を、それぞれ87.7:12.3にし、不飽和複合酸化物と酸化マグネシウムの総質量及び、フェロシリコンとCaF2を、粉砕してボールミルで粒度60μmまで加工した後、質量比79:19:2で比例混合して、30Mpaの下で28g/個のペレットに加圧成形する。
【0059】
工程3) 工程2)で得られた成型物(ペレット)を、φ330mm×3300mm工業用耐熱鋼管状炉内に装入する。真空度が3paであり、温度が1200℃であるように制御する。このとき、還元生成物がガス状態であり、且つ、固体材料を担持する。マグネシウム還元回収率が95.1%よりも大きく、リチウムの還元率が99.1%である。
【0060】
工程4) 固体材料を担持するガスに、集塵室での遠心式フィルタと第一凝縮室を通過させてから(第一凝縮室に中間層がある)、気流速度が1.6m/secである定温ガスで、遠心分離機と第一凝縮室の温度を900℃に制御する。20μmを上回る98%固体粒子付きガスが、第一凝縮室を通す時に除去され、0.5μmのミクロン級セラミックスフィルタを通す時に、99.95を上回る担持された塵埃が浄化され、その上、出口温度を740℃に制御する。
【0061】
工程5) 純金属ガスに、急冷装置の第二凝縮室を通過させる。凝縮器が二層スリーブ式冷却器であり、その上、内層温度を65℃に制御する。外層で-105℃を下回る低温冷却液体と金属ガスとに熱交換させ、冷却器の中心部が、4m/secのガスを通じて、内壁へ伝導された熱量を奪う。冷却面積が0.7dm/kgであり、これで、金属ガスが、合金の凝集相に凝縮するようにする。
【0062】
工程6) アルゴンガス保護の下で凝集相のマグネシウムリチウム合金をシャフト炉内に保持し、且つ、攪拌の下で、融剤溶錬と精錬を行って、純度が99.5%である粗製マグネシウムリチウム合金を得る。
【0063】
工程7) 粗製マグネシウムリチウム合金を蒸留・分離する。蒸留器の下部温度を930℃に、中央温度を780℃に、上部温度を70℃に制御し、且つ、下部で高融点異物(例えば、Fe、Ni、Co、Si、Ca等)を除去する。上部で低融点金属異物(例えば、k、Na等)を除去する。中央でMg-Li合金を排出する。
【0064】
得られたマグネシウムリチウム合金を国際基準に基づいて検出する。各元素の質量百分比は、下記の通りである。
【表2】
【0065】
実施形態3
ガス状態共凝集法によるマグネシウムリチウム合金生産方法であり、その工程は、下記の通りである。
【0066】
工程1) 工業用硝酸リチウムを、成型しない状況の下で焙焼する。温度が680℃であり、時間が7時間である状況の下で、安定的なLiO.1.75CaOを形成する。硝酸リチウムから酸化リチウムに分解する分解率が98.1%であり、金属リチウムの収率が90.1%に達する。
【0067】
工程2) 工程1)で得られた酸化リチウムから形成された不飽和複合酸化物と酸化マグネシウムとの質量比を、それぞれ79.5:20.5にし、不飽和複合酸化物と酸化マグネシウムの総質量及び、フェロシリコンとCaFを、粒度60μmまで粉砕した後、質量比80:18:2によって混合し、35Mpaの下で30g/個の杏核型ペレットに加圧成形する。
【0068】
工程3) 工程2)で得られた成型物(ペレット)を、φ330mm×3300mm工業用耐熱鋼管状炉内に装入する。真空度が3paであり、温度が1200℃であるように制御する。このとき、還元生成物がガス状態であり、且つ、固体材料を担持する。マグネシウム還元回収率が88.6%であり、リチウムの還元率が89.3%である。
【0069】
工程4) 固体材料を担持するガスに、気流速度が1.4m/secのガスを通過させる。ジャケット付き遠心分離除塵装置の温度を、910℃に制御する。20μmを上回る98%固体粒子付きガスが、第一凝縮室を通す時に除去され、0.5μmのミクロン級セラミックスフィルタを通す時に、99.95%を上回る担持された塵埃が浄化され、出口ガス温度を720℃に制御する。
【0070】
工程5) 純金属ガスに、急冷装置の第二凝縮室を通過させる。凝縮器が二層スリーブ式冷却器であり、内部温度を60℃に制御し、外層で-110℃の低温冷却液体と金属ガスとに熱交換させ、冷却器の中心部が、4m/secのガスを通じて、内壁へ伝導された熱量を奪う。冷却面積が0.55dm/kgであり、これで、金属ガスが、合金の凝集相に凝縮するようにする。
【0071】
工程6) アルゴンガス保護の下で凝集相のマグネシウムリチウム合金をシャフト炉内に保持し、且つ、攪拌の下で、融剤溶錬と精錬を行って、純度が99.5%である粗製マグネシウムリチウム合金を得る。
【0072】
工程7) 粗製マグネシウムリチウム合金を蒸留・分離する。下部温度を880℃に制御し、中央温度を730℃に、上部温度を80℃に制御し、且つ、下部で高融点異物(例えば、Fe、Ni、Co、Si、Ca等)を除去する。 上部で低融点金属異物(例えば、k、Na等)を除去する。中央でMg-Li合金を排出する。
【0073】
得られたマグネシウムリチウム合金を国際基準に基づいて検出する。各元素の質量百分比は、下記の通りである。
【表3】
【0074】
硝酸リチウムは、熱分解反応プロセス中において、分解時間が比較に長く、直接に行う熱分解反応により、リチウム収率が比較に低く、エネルギー消耗が比較に高く、酸化リチウムに分解する際に形成する不飽和複合酸化物、MgO及びフェロシリコンとCaFの粉砕と混合プロセスが比較に困難で、材料混合が不均一で、製作された杏核状ペレットにおける比例が不均一で、還元率が下がる。炭酸リチウムと比べて、全体的な技術的プロセスにおいて段階が複雑で、収率が炭酸リチウムより低いので、製造コストが増加する。
【0075】
実施形態4
工程1) 工業用硫酸リチウムを使用して、成型しない状況の下で、且つ、温度920℃と時間8時間の条件下で、安定的なLiO.1.85CaO(MgO)を形成する。硫酸リチウムから酸化リチウムに分解する分解率が95.1%であり、金属リチウムの収率が96.1%に達する。
【0076】
工程2) 工程1)で得られた酸化リチウムから形成された不飽和複合酸化物と酸化マグネシウムとの質量比を、それぞれ80.2:19.8にし、不飽和複合酸化物と酸化マグネシウムの総質量及び、フェロシリコンとCaFを、粒度60μmまで粉砕した後、質量比80:18:2によって混合し、35Mpaの下で30g/個の杏核型ペレットに加圧成形する。
【0077】
工程3) それぞれ工程2)で得られた成型物(ペレット)を、φ330mm×3300mm工業用耐熱鋼管状炉内に装入する。真空度が3paであり、温度が1220℃であるように制御する。このとき、還元生成物がガス状態であり、且つ、固体材料を担持する。マグネシウム還元回収率が90.2%よりも大きく、リチウムの還元率が88.2%である。
【0078】
工程4) 固体材料を担持するガスに、気流速度が1.45m/secのガスを通過させる。ジャケット付き遠心分離除塵装置の温度を、920℃に制御する。20μmを上回る98%固体粒子付きガスが、第一凝縮室を通す時に除去され、0.5μmのミクロン級セラミックスフィルタを通す時に、99.95%を上回る担持された塵埃が浄化され、出口ガス温度を740℃に制御する。
【0079】
工程5) 純金属ガスに、急冷装置の第二凝縮室を通過させる。凝縮器が二層スリーブ式冷却器であり、その上、内温を65℃に制御する。外層で-110℃の低温冷却液体と金属ガスとに熱交換させ、冷却器の中心部が、2.8m/secのガスを通じて、内壁へ伝導された熱量を奪う。冷却面積が0.6dm/kgであり、これで、金属ガスが、合金の凝集相に凝縮するようにする。
【0080】
工程6) アルゴンガス保護の下で凝集相のマグネシウムリチウム合金をシャフト炉内に保持し、且つ、攪拌の下で、融剤溶錬と精錬を行って、純度が99.5%である粗製マグネシウムリチウム合金を得る。
【0081】
工程7) 粗製マグネシウムリチウム合金を蒸留・分離する。下部温度を870℃に制御し、中央温度を720℃に制御し、上部温度を70℃に制御し、且つ、下部で高融点異物(例えば、Fe、Ni、Co、Si、Ca等)を除去する。上部で低融点金属異物(例えば、k、Na等)を除去する。中央でMg-Li合金を排出する。
【0082】
得られたマグネシウムリチウム合金を国際基準に基づいて検出する。各元素の質量百分比は、下記の通りである。
【表4】
【0083】
何回も検証した結果、マグネシウムリチウム合金の異物含有量は、いずれもGB/T5153-2016基準及びGB/T33141-2016基準より優れていた。
【0084】
硫酸リチウムの分解は、炭酸リチウムより難しく、完全に分解できず、直接に行う熱分解反応により、リチウム収率が比較に低く、エネルギー消耗が比較に高く、熱分解時間が長く、酸化リチウムに分解する際に形成する不飽和複合酸化物、MgO及びフェロシリコンとCaFの粉砕と混合プロセスが比較に困難で、材料混合が不均一で、製作された杏核状ペレットにおける比例が不均一で、還元率が下がる。炭酸リチウムと比べて、全体的な技術的プロセスにおいて中間段階が複雑で、収率が炭酸リチウムより低いので、製造コストが増加する。
【0085】
実験1
実施形態1での原料と方法の工程を採用して実験を行い、温度制御装置での第一凝縮室と第二凝縮室の温度だけを変更して、その他の条件がすべて実施形態1と同じである。具体的なテスト条件と結果は下記の通りである。
【表5】
【0086】
試験から見ると、第一凝縮室温度が880℃であり、第二凝縮室温度が65℃である場合、形成するマグネシウムリチウム合金の凝集態金属が一番良く、収集し易い。第一凝縮室と第二凝縮室の温度が高ければ高いほど、形成するマグネシウムリチウム合金が一層膨らむようになり、且つ、形態が一般である。第一凝縮室と第二凝縮室の温度が低すぎると、形成する凝集態金属が収集し難くなり、一つのペレットに形成できなくなる。
【0087】
実験2
実施形態1での原料と方法の工程を採用して実験を行い、還元条件だけを変更して、その他の条件はすべて実施形態1と同じである。これで、異なる還元条件による本出願に対する影響をテストした。具体的なテスト条件と結果は下記の通りである。
【表6】
【0088】
表から見えるように、還元温度が1190℃であり、還元時間が10時間であるとき、製品還元率が99.2%に達し、マグネシウムの還元率が95.1%に達する。還元温度を削減すれば、逆に形成するマグネシウムリチウム合金の比例に偏差が生じ、還元率が下がり、収率が下がるので、製造コストが増加する。
【0089】
実験3
実施形態1での原料と方法の工程を採用して実験を行い、精錬工程における蒸留器の温度だけを変更して、その他の条件はすべて実施形態1と同じである。具体的なテスト条件と結果は下記の通りである。
【0090】
精錬試験条件は下表の通りである。
【表7】
【0091】
マグネシウムリチウム合金の結果は、下表の通りである。
【表8】
【0092】
表から見えるように、温度が780℃である場合、15分間攪拌し、アルゴンガス99.99%にすることによって、理想的な溶錬温度に達し、且つ、鋳込みマグネシウムリチウム合金が偏析せず、安定的なα+β相を形成する。温度が低すぎると、マグネシウムリチウム合金が偏析して不安定になり、且つ、製品中の酸化物が増加する。
【0093】
開示された実施形態に対する前記の説明により、本分野の専門技術者が本発明を実現したり、又は使用したりすることができる。これらの実施形態に対する多種な修正は、本分野の専門技術者のとって一目瞭然である。本文で定義されている一般原理は、本発明の精神又は範囲を逸脱しない前提の下で、その他の実施形態で実現できる。従って、本発明は、本文で示されているこれらの実施形態に限らない。その代わりに、本文で公開されている原理と新規性に一致する一番広い範囲とする。
図1
図2