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特許7381141ネットワーク制御装置、ネットワーク制御方法およびネットワーク制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】ネットワーク制御装置、ネットワーク制御方法およびネットワーク制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20231108BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
H04L12/28 100A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022519961
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 JP2021017344
(87)【国際公開番号】W WO2021225134
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2020081718
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
(72)【発明者】
【氏名】馬場 友貴
(72)【発明者】
【氏名】秋月 克之
(72)【発明者】
【氏名】原田 侑児
(72)【発明者】
【氏名】川津 哲司
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-192108(JP,A)
【文献】特開2009-278531(JP,A)
【文献】特開2015-107672(JP,A)
【文献】特開2018-074204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/66,13/00,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の状態を取得する車両状態取得部と、
取得された前記車両の状態に応じて、車載ネットワークに接続された機器を制御するための設定を含む一以上の制御プロファイルから一の制御プロファイルを取得する制御プロファイル取得部と、
取得された前記制御プロファイルに基づいて前記車載ネットワーク内の機器を制御する制御部と、
を有し、
前記車両状態取得部は、さらに前記車載ネットワークに接続された機器の通信ポートの状態を取得し、
前記制御プロファイル取得部は、さらに前記取得した通信ポートの状態に基づいて制御プロファイルを取得し、
前記制御部は、さらに取得した前記制御プロファイルに基づいて、前記車載ネットワークに接続された機器の通信ポートを制御する、
ネットワーク制御装置。
【請求項2】
前記車両状態取得部は、さらに前記車載ネットワークに接続された機器のそれぞれの電力消費量を取得し、
前記制御プロファイル取得部は、さらに取得された前記機器それぞれの電力消費量の総和に基づいて一の制御プロファイルを取得する、
請求項1に記載のネットワーク制御装置。
【請求項3】
前記制御プロファイル取得部は、さらに前記車載ネットワークに接続された機器をグループ化した制御プロファイルを取得し、
前記制御部は前記グループ化した制御プロファイルに基づいて、グループ毎に制御を行う、
請求項1又は2に記載のネットワーク制御装置。
【請求項4】
前記車両状態取得部は、さらに前記車載ネットワークに接続された機器のそれぞれが通信に使用している通信ポートの数を取得し、
前記制御プロファイル取得部は、さらに前記取得した機器のそれぞれが通信に使用している通信ポートの数の総和よりも通信に使用するポートの総数が小さい制御プロファイルを取得する、
請求項に記載のネットワーク制御装置。
【請求項5】
前記車両状態取得部は、さらに前記車載ネットワークに接続された機器のそれぞれが通信に使用している通信ポートの消費電力を取得し、
前記制御プロファイル取得部は、さらに前記取得した機器のそれぞれが通信に使用している通信ポートの消費電力の総和よりも通信に使用するポートの総消費電力が小さい制御プロファイルを取得する、
請求項3又は4に記載のネットワーク制御装置。
【請求項6】
車両の状態と、将来遷移し得る車両状態と、を記述した車両状態遷移情報を保持する車両状態遷移情報保持部と、
をさらに有し、
前記制御プロファイル取得部は、取得された前記車両状態と、保持されている前記車両状態遷移情報と、に基づいて制御プロファイルを取得する、
請求項1からのいずれか一に記載のネットワーク制御装置。
【請求項7】
一定の周期で信号を出力する計時部をさらに有し、
前記制御部は、さらに前記計時部から出力される前記信号に応じて制御を実行する、
請求項1からのいずれか一に記載のネットワーク制御装置。
【請求項8】
車両の状態を取得する車両状態取得ステップと、
取得された前記車両の状態に応じて、車載ネットワークに接続された機器を制御するための設定を含む一以上の制御プロファイルから一の制御プロファイルを取得する制御プロファイル取得ステップと、
取得された前記制御プロファイルに基づいて前記車載ネットワーク内の機器を制御する制御ステップと、
を有し、
前記車両状態取得ステップは、さらに前記車載ネットワークに接続された機器の通信ポートの状態を取得し、
前記制御プロファイル取得ステップは、さらに前記取得した通信ポートの状態に基づいて制御プロファイルを取得し、
前記制御ステップは、さらに取得した前記制御プロファイルに基づいて、前記車載ネットワークに接続された機器の通信ポートを制御する、
を有するネットワーク制御方法。
【請求項9】
車両の状態を取得する処理と、
取得された前記車両の状態に応じて、車載ネットワークに接続された機器を制御するための設定を含む一以上の制御プロファイルから一の制御プロファイルを取得する処理と、
取得された前記制御プロファイルに基づいて前記車載ネットワーク内の機器を制御する処理と、
を実行し、
前記車両の状態を取得する処理では、さらに前記車載ネットワークに接続された機器の通信ポートの状態を取得し、
前記制御プロファイルを取得する処理では、さらに前記取得した通信ポートの状態に基づいて制御プロファイルを取得する処理と、
前記制御する処理では、さらに取得した前記制御プロファイルに基づいて、前記車載ネットワークに接続された機器の通信ポートを制御する処理と、
計算機に実行させるためのネットワーク制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についての記載]
本発明は、日本国特許出願:特願2020-081718号(2020年 5月 7日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本装置等は、車載ネットワークを制御することによって省電力を実現するための技術等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車内の状態や環境の状態などをセンサで取得して情報処理しながら走行する車両が普及している。取得された情報は、車載ネットワークを経由し、ECU(Electronic Control Unit)などの情報処理装置に集められる。他方、車両は電気にせよガソリンにせよ走行可能な距離を少しでも長くするためにエネルギーの消費をなるべく小さくする必要がある。このため、車載ネットワークに対しても省電力での動作が求められている。
【0003】
特許文献1には、電力消費を必要時以外に小さくすることの可能な車両用通信ユニット等が開示されている。具体的には、同ユニットは車両の走行中に既定の頻度で車両情報を収集し、その情報を携帯機器に表示させる。車両の停止時には、走行時と比較して車両情報を表示する必要性が下がるため、車両情報を収集する頻度を下げて、車両用通信ユニットおよび携帯機器の電力消費を通常モードより低減する省電力モードと呼ばれる動作とする、と記載されている。
【0004】
特許文献2には、ソフトウエアネットワーキング(Software DefinedNetworking:SDN)技術に基づいたネットワークシステムにおけるノード制御装置等が開示されている。具体的には、同装置は、ネットワークの各ノードのポートに設けられた通信インタフェースを制御装置の指示する物理レイヤーモードに従って制御する。前記モードを切り替えることによりポートの消費電力が調整可能である、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-074204号公報
【文献】国際公開第2016/157847号
【文献】国際公開第2016/157844号
【文献】国際公開第2016/157845号
【文献】国際公開第2016/157846号
【文献】特開2014-236492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明者らによってなされたものである。
【0007】
上記のように、通信ネットワークに対して使用する電力を少なくするために、定められた時間や、通信量などのネットワークの状態に応じて、通信経路を制御するネットワーク機器(ルータやネットワークスイッチ)の接続ポートの電源をOFFにしたり省電力モードなどにしたりすることで、ネットワーク全体に必要な電力を低減させることが可能である。
【0008】
しかしながら、通常の状態から省電力状態に入る場合や、省電力モードから通常の状態に復帰させる場合のタイミングの判断が困難であるために、結果として十分に省電力が徹底されないという問題が生じていた。また、車載ネットワークに接続された機器がばらばらに省電力設定を行うと、各機器が省電力状態から通常の状態に遷移するタイミングがばらばらとなる。その結果、ある機器が省電力状態のままであるのに、通常の状態である通信相手の機器から、通常の状態と同じネットワーク・トラヒックが到来すると、これを処理することができず、パケットロスが生じるという問題が生じていた。車載ネットワークにおいては移動体ゆえ制御の即時性が求められるため、パケットロスが生じて再送制御が起こると動作の遅延につながり、大きな問題となる。
【0009】
そこで本発明の一視点において、車載ネットワークに接続された機器を、車両全体として省電力化することに寄与するネットワーク制御装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の視点によれば、車両の状態を取得する車両状態取得部と、取得された前記車両状態に応じて、車載ネットワークに接続された機器を制御するための設定を含む一以上の制御プロファイルから一の制御プロファイルを取得する制御プロファイル取得部と、取得された前記制御プロファイルに基づいて前記車載ネットワーク内の機器を制御する制御部と、を有するネットワーク制御装置が提供される。
【0011】
本発明の第二の視点によれば、車両の状態を取得する車両状態取得ステップと、取得された前記車両状態に応じて、前記車載ネットワークに接続された機器を制御するための設定を含む一以上の制御プロファイルから一の制御プロファイルを取得する制御プロファイル取得ステップと、取得された前記制御プロファイルに基づいて前記車載ネットワーク内の機器を制御する制御ステップと、を有するネットワーク制御方法が提供される。
【0012】
本発明の第三の視点によれば、車両の状態を取得する処理と、取得された前記車両状態に応じて、前記車載ネットワークに接続された機器を制御するための設定を含む一以上の制御プロファイルから一の制御プロファイルを取得する処理と、取得された前記制御プロファイルに基づいて前記車載ネットワーク内の機器を制御する処理と、を計算機に実行させるためのネットワーク制御プログラムが提供される。
【0013】
なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の各視点によれば、車載ネットワークに接続された機器を、車内の状態を取得し、取得された状態に応じて最適な設定(プロファイル)を適用することで各機器を制御することで省電力化に寄与するネットワーク制御装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態におけるネットワーク制御装置の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態のネットワーク制御装置の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態のネットワーク制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態のネットワーク制御装置の制御プロファイルの一例の内容を説明するための図である。
図5】第1の実施形態のネットワーク制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態のネットワーク制御装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図7】第2の実施形態におけるネットワーク制御装置の機能を説明するためのブロック図である。
図8】第3の実施形態におけるネットワーク制御装置の機能を説明するためのブロック図である。
図9】第3の実施形態のネットワーク制御装置における車両状態遷移情報テーブルの一例を示す。
図10】第3の実施形態におけるネットワーク制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図11】第3の実施形態のネットワーク制御装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図12】第3の実施形態のネットワーク制御装置における車両状態遷移情報テーブルの別の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
【0017】
一実施形態のネットワーク制御装置01は、車両の状態を取得する車両状態取得部02と、取得された前記車両状態に応じて、前記車載ネットワークに接続された機器を制御するための設定を含む一以上の制御プロファイルから一の制御プロファイルを取得する制御プロファイル取得部03と、取得された前記制御プロファイルに基づいて前記車載ネットワーク内の機器を制御する制御部04と、を有する。
【0018】
上記一実施形態のネットワーク制御装置01は、車載ネットワークに関連する情報だけではなく、車両の状態に関する情報を使って、あらかじめ省電力になるように定められたネットワーク制御内容などである制御プロファイルを各ネットワーク機器に配布し適用することでネットワーク全体が省電力になるような制御に寄与する。
【0019】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。なお、各実施形態において同一構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0020】
[第1の実施形態]
図2は本実施形態のネットワーク制御装置01の構成の概略を示す図である。この図にあるように、ネットワーク制御装置は車両状態取得部02と、制御プロファイル取得部03と、制御部04と、通信ポート#1 05と、通信ポート#2 06と、を有する。
【0021】
なお、ネットワーク制御装置01は図3に示すように車両に複数存在し、協調しながら動作するものであってもよい。また、装置内の構成はほぼ同一であるが、装置間でマスタ・スレーブの関係を有しており、スレーブとなる装置を管理するマスタとなるネットワーク制御管理装置を有する構成であってもよい。
【0022】
[車両状態取得部]
車両状態取得部02は車両の状態を取得する。「車両」とは、一般に自動車を指すことが多いが、これに限られることはなく、本装置は例えば船舶、鉄道車両等の自律的に移動する移動体に適用可能である。「車両状態」とは、車両が具備している走行系の機器(エンジン、タイヤ、操舵装置、ブレーキ、トランスミッション等)や、装備系の機器(ドア、テールゲート、ワイパー、シート、空調装置、パワーウインドウ、オーディオ、メータパネル、情報端末等)に加え、これらの装置を制御するための制御系から取得できる情報や、これらの機器に付属するセンサにより取得できる情報、さらにはこれら機器が接続されている車載ネットワークに関する情報(ルータ、スイッチ等)等により把握することのできる状態を指す。状態のパラメータとしては、エンジンの回転数、速度、舵角、ブレーキ使用の有無、ギアの段数、ドアやテールゲートの開閉、ワイパー動作の有無、シートの角度、空調の風量、ウインドウの開閉、オーディオのソース、メータパネルや情報端末に表示されている情報の種類等、またこれらの機器の消費電力や動作モード(低消費電力モードやスタンバイモード等)が挙げられる。これらは車載ネットワーク等を介して集積され、制御プロファイル取得部03に対して出力される。
【0023】
[制御プロファイル取得部]
制御プロファイル取得部03は取得された前記車両状態に応じて、車載ネットワークに接続された機器を制御するための設定を含む一以上の制御プロファイルから一の制御プロファイルを取得する。「制御プロファイル」とは上記のとおり機器毎の設定が含まれる包括的なリストであり、あらかじめ生成しておいた一以上のプロファイルを記憶領域に保持していたものを選択してもよいし、あるいは車両状態に応じてその場で新規に生成されるものでもよい。また既存のプロファイルを基本として車両状態に応じて一部修正して生成するものでもよい。当プロファイルは機器全体の設定を含んだものでもよいし、機器の部分の設定を記述している部分プロファイルでもよい。
【0024】
図4は制御プロファイルの一例の内容を説明するための図である。このように制御対象機器と設定内容とが対応付けられリスト形式で保持されている。図4の制御プロファイルは車両が停止しており、ドライバーが車外に居る状態の時に適用される制御プロファイルの一例である。例えばキーレスエントリー機能の待機動作のために、無線モジュール#1をアクティブとし、集中ドアロック制御ユニットは低消費電力の状態であるスタンバイ状態とする。複数あるECUのうち、集中ドアロック制御ユニットを制御するECU#1はスタンバイ状態とし、ECU#2はアクティブとする。これはECU#2が無線モジュール#1を制御しており、常にアクティブとなってキーからの電波を待つ状態になっている必要があるからである。キーからの電波がアンテナを介して無線モジュール#1に到来するとECU#2はECU#1にトリガを送り、ECU#1がアクティブとなる。ECU#1は集中ドアロック制御ユニットに対してトリガを送信し、集中ドアロック制御ユニットをスタンバイからアクティブの状態とする。集中ドアロック制御ユニットはアクチュエータに対し信号を送りドアロックの開閉を行う。なお、通信ポートに関してはECU#2とECU#1との間の経路上にある通信ポート#1はアクティブの設定となっている。その他、必要のないECUや通信ポート、カメラ、センサ、映像表示ユニット等は停止して消費電力を低減させる設定となっている。
【0025】
制御プロファイルは、省電力を実現するために各機器の消費電力を最適化したものである。最適化の観点としては、想定される車両の状態に応じた機能を充足しつつ、各機器の消費電力の総和が最も小さいものが考えられる。
【0026】
上記制御プロファイルは機器毎に省電力に関する設定を記述したものであるが、制御プロファイル取得部03は複数の機器をグループ化した制御プロファイルを取得し、制御部04はグループごとに制御を行うといった構成でもよい。例えば、夜間走行時に必要なヘッドライトやテールランプ、室内灯などの機器およびその制御ユニットをグループ化しておいて、昼間走行時は停止状態としておいて、照度センサの測定値に応じて、停止状態からスタンバイ状態さらにはアクティブな状態とすることで、一括して制御が可能である。またトンネルが多くライトを使用する機会が多い山間部ではアクティブな状態としておいて、市街地を走行中には停止状態とするなど、グループ毎に道路環境に応じてきめ細かい消費電力の制御が可能であり、これにより消費電力の低減を図ることが可能である。さらにグループ化された機器を、ネットワークトポロジ上で相互に近い場所にまとめておいて共通のスイッチや通信ポートを使用する構成にしておくことで、接続されている機器のグループが休止状態の場合にはスイッチや通信ポートなどのネットワーク機器も休止させることができるため、より消費電力を抑えることが可能でとなる。
【0027】
[制御部]
制御部04は、取得された前記制御プロファイルに基づいて前記車載ネットワーク内の機器を制御する。具体的には上記で述べたような制御プロファイルを読み込み、記述されている設定を機器に対して適用して制御を行う。制御は機器に対して直接制御信号を送信して行うものであってもよいし、制御ユニットやECUを介して間接的に機器を制御するものであってもよい。また制御を実行した結果のフィードバックを車両状態取得部02より得ることが可能であり、このフィードバックに基づいてさらに制御を実行することも可能な構成となっている。
【0028】
制御部04は後述する通信ポート#1 05および通信ポート#2 06を有しており、制御部04の制御により、通信ポート間の通信の転送、通信遮断、通信に必要なネットワークアドレスのリース、返還などを行うことができ、このような制御の設定も前記制御プロファイルに含まれていてもよい。
【0029】
[通信ポート]
通信ポート#1 05および通信ポート#2 06は他の装置や機器との通信を実行する。本開示におけるポートはいわゆる入出力ポートを指しており、ネットワークインタフェースの端子のことを意味する。実施形態1におけるネットワーク制御装置01の通信ポートの数は2つであるが、特に2個に限られることなく、任意の数のポートを有していてもよい。
【0030】
前述の通り本開示におけるネットワーク制御装置01は、制御部04により通信ポートが制御される。一般に通信ポートは使用するポートの数が増加するほど電力消費量が増加する。このため、使用する通信ポートをなるべく減らすような通信経路とする最適化を施した制御プロファイルとすることで電力の消費を抑えることが可能である。
【0031】
また、一般に通信ポートは、通信が可能な帯域を設定した通信モード(例えば10Mbps、100Mbps、1000Mbps)により、その消費電力が変化し、通信帯域が広帯域となるほど通信ポートにより消費される電力量は増加する。このため、車載ネットワークを流れる通信量に応じて通信可能な帯域設定を行うことで電力消費を抑えることが可能である。すなわち、通信が全く生じない経路の通信ポートはスタンバイあるいは回路に電流が流れない停止状態とする制御を行うことで電力消費を抑えることができる。
【0032】
上述の通り、通信帯域の設定によって通信ポートの消費電力が異なる点をさらに考慮に入れると、さらに省電力を徹底することが可能である。例えば一の高速な設定の通信ポートにトラヒックが集中するような経路とするよりも、複数の低速な設定のポートにトラヒックを分散させた経路に対応した制御プロファイルとすることで車両全体として消費電力を最小とすることが可能である。
【0033】
[処理の流れ]
図5は本実施形態のネットワーク制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。この図にあるように、まず、同装置は車両の状態が変化したか否かの判断を行う(ステップS01)。状態が変化したと判断された場合には、同装置は車両の状態を取得する(ステップS02)。次に同装置は取得された車両状態に応じて、車載ネットワークに接続された機器を制御するための設定を含む一以上の制御プロファイルから一の制御プロファイルを取得する(ステップS03)。同装置は取得されたプロファイルに基づいて車載ネットワーク内の機器を制御(ステップS04)し、再び車両状態の変化があったか否かの判断(ステップS01)に戻る。
【0034】
[ハードウエア構成]
次に、第1の実施形態に係るネットワーク制御装置を構成するハードウエア構成を説明する。図6は、第1の実施形態に係るネットワーク制御装置01のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
ネットワーク制御装置01は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、図6に例示する構成を備える。例えば、ネットワーク制御装置01は、内部バス105により相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、入出力インタフェース103及び通信手段であるNIC(Network Interface Card)104等を備える。NICは通信ポートを有している。
【0036】
但し、図6に示す構成は、ネットワーク制御装置01のハードウエア構成を限定する趣旨ではない。ネットワーク制御装置01は、図示しないハードウエアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インタフェース103を備えていなくともよい。また、ネットワーク制御装置01に含まれるCPU等の数も図6の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のCPUがネットワーク制御装置01に含まれていてもよい。
【0037】
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0038】
入出力インタフェース103は、図示しない表示装置や入力装置のインタフェースとなる手段である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0039】
ネットワーク制御装置01の機能は、上記ハードウエアと、処理モジュールである車両状態取得プログラムと、制御プロファイル取得プログラムと、制御プログラムと、により実現される。これらの処理モジュールは、例えば、メモリ102に格納された車両状態取得プログラムをCPU101が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウエア、および、ソフトウエアで実行する手段があればよい。
【0040】
ネットワーク制御装置01が起動すると、上記各プログラムはメモリ102から呼び出されCPU101にて実行状態となる。なお、各プログラム、スレッド、プロセスは優先度が最適化されており、使用していないプログラム等は優先度を下げてCPUの使用率を低減させることにより、消費電力を抑えるといった制御も可能である。
【0041】
ここで、車両状態が変化するハードウエア割り込み(例えばセンサによるドアの開閉の検出)等が起こると、待ち状態であった車両状態取得プログラムがCPU101において実行状態となる。同プログラムは車内の機器の状態を、車載ネットワークを介して取得する。取得された車内状態はメモリ102に一時的に格納される。次に制御プロファイル取得プログラムがメモリ102より呼び出され実行状態となる。同プログラムはメモリ102に一時的に格納されている車内状態を読み込む。そして、車内状態に応じた制御プロファイルを選択または生成して取得する。その結果、複数の制御プロファイルが候補として取得されると、このうち各プロファイルにおける消費電力の総和を算出し、消費電力が最も低いプロファイルを、制御プログラムに渡す。同プログラムは、プロファイルに記載された各機器の設定内容を読み込み、設定内容に応じた制御情報を、NIC104を介して送信する。
【0042】
[効果の説明]
上記の通り第1の実施形態のネットワーク制御装置によると、車両の状態に応じて最適化された制御プロファイルを選択し、車載ネットワークに接続された機器に適用することによって、車両全体として省電力を達成することが可能である。
【0043】
[第2の実施形態]
図7は、第2の実施形態におけるネットワーク制御装置01の機能を説明するためのブロック図である。この図にあるように、ネットワーク制御装置01は、車両状態取得部02と、制御プロファイル取得部03と、制御部04と、通信ポート#1 05と、通信ポート#2 06と、を有する。上記構成要件に関しては上記にて説明済みであるので記載は省略する。本実施形態のネットワーク制御装置01の特徴は、一定の周期で信号を出力する計時部07を有する点である。
【0044】
[計時部]
計時部07は制御部04に対して計時による一定周期の信号を出力する。また、計時部07は車載ネットワークに接続された各機器やこれらを制御する制御装置・制御ユニットに対しても計時による信号を出力できる。具体的にはNTP(Network Time Protocol)や、IEEE802.1ASおよびIEE802.1AServ、同報による通知等、種々の手段により信号を送信できる。このように計時部07による信号を送信することで、各機器が信号に応じて同期して動作することが可能となる。
【0045】
信号の送信の仕方であるが、計時部07が常時同期信号を送信し、各機器は受信した信号に応じて動作を行うものでもよいし、機器毎にタイマを有しており、一定間隔で機器のタイマの時刻合わせを行うといった態様でもよい。
【0046】
各機器が同期して動作することが可能となると、低消費電力であるスタンバイ状態から通常のアクティブな状態に復帰するタイミングをそろえることが可能となる。各機器が同期せずばらばらに動作していたならば、ある機器Aはアクティブ状態に復帰して機器Bに対して信号を送っているが、機器Bはスタンバイ状態からアクティブ状態に復帰するタイミングが機器Aとずれていたために信号を受け取った時には未だスタンバイ状態であり、機器Bの信号が到達しないといった事態が生ずる。車載ネットワークの場合であると信号をパケットで送信する場合があるが、この場合にはパケットロスが生じて、再送制御が必要となる。
【0047】
[効果の説明]
車載ネットワークにおける制御では、車両が移動体であり周囲の環境が刻々と変化することから制御の即時性が求められる。このため、再送制御にともなうタイミングのずれが制御結果に重大な影響をもたらす可能性がある。本実施形態のネットワーク制御装置01によるとスタンバイ状態から通常の状態に復帰するタイミングを合わせることが可能となるので、支障なく制御を実行することが可能である。
【0048】
[第3の実施形態]
図8は、第3の実施形態におけるネットワーク制御装置01の機能を説明するためのブロック図である。この図にあるように、ネットワーク制御装置01は、車両状態取得部02と、制御プロファイル取得部03と、制御部04と、通信ポート#1 05と、通信ポート#2 06と、を有する。上記構成要件に関しては上記にて説明済みであるので記載は省略する。本実施形態のネットワーク制御装置の特徴は、現在の車両状態と、将来遷移し得る車両状態とを記述した車両状態遷移情報保持部08を有する点と、制御プロファイル取得部03が、車両状態取得部02で取得した車両状態に加えて車両状態遷移情報保持部08に保持されている車両状態遷移情報に基づいて車載ネットワークを制御する点である。
【0049】
[車両状態遷移情報保持部]
車両状態遷移情報保持部08は、車両の状態と、将来遷移し得る車両状態と、を記述している。「車両の状態」とは車両状態取得部02で取得した車両の状態を指す。図9は、車両状態遷移情報の一例を示したテーブルである。この図にあるように、車両状態IDと、遷移先状態IDと、制御プロファイルIDと、が関連付けられて保持されている。一例としては、車両状態IDが1の場合は、備考の通り駐車・解錠状態である。このときに適用されている制御プロファイルIDはP1で特定される。次に遷移する状態としては車両状態IDが2(駐車・ACC状態)または0(駐車・施錠状態)である。
【0050】
[制御プロファイル取得部]
本実施形態のネットワーク制御装置01の制御プロファイル取得部03は、このような車両状態遷移情報を用いて制御プロファイルを取得することにより、次に遷移する状態に応じた制御プロファイルを適用することが可能である。例えば図9の車両状態IDが1の場合においては車両状態ID2に状態が遷移することが分かっているため、あらかじめACC状態に対応した機器の制御が可能である。具体的にはACC状態においては車内情報端末がONになる可能性があるため、あらかじめ社内情報端末を制御する制御ユニットや、ECUをアクティブとしておく制御を行うことで状態ID2に遷移した時に遅延なく動作を開始できる。
【0051】
[処理の流れ]
図10は本実施形態のネットワーク制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。この図にあるように、まず、同装置は車両の状態が変化したか否かの判断を行う(ステップS01)。状態が変換したと判断された場合には同装置は車両の状態を取得する(ステップS02)。次に、同装置は車両状態遷移情報を取得する(ステップS03)。次に同装置は取得された車両状態に応じて、車載ネットワークに接続された機器を制御するための設定を含む一以上の制御プロファイルから一の制御プロファイルを取得する(ステップS04)。このとき、現在の状態IDから次に遷移可能な状態を対象に、必要最低限の低消費電力設定を求める処理があってよい。同装置は取得されたプロファイルに基づいて車載ネットワーク内の機器を制御(ステップS05)し、再び車両状態の変化があったか否かの判断(ステップS01)に戻る。
【0052】
[ハードウエア構成]
次に、第3の実施形態に係るネットワーク制御装置のハードウエア構成を説明する。図11は、第3の実施形態に係るネットワーク制御装置01のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0053】
本実施形態のネットワーク制御装置01は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、図11に例示する構成を備える。例えば、ネットワーク制御装置01は、内部バス105により相互に接続される、CPU101、メモリ102、入出力インタフェース103及び通信手段であるNIC104等を備える。NICは通信ポートを有している。
【0054】
また、本実施形態のネットワーク制御装置01は、タイマ106を有していてもよい。
【0055】
但し、図11に示す構成は、ネットワーク制御装置01のハードウエア構成を限定する趣旨ではない。ネットワーク制御装置01は、図示しないハードウエアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インタフェース103を備えていなくともよい。また、ネットワーク制御装置01に含まれるCPU等の数も図11の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のCPUがネットワーク制御装置01に含まれていてもよい。
【0056】
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0057】
入出力インタフェース103は、図示しない表示装置や入力装置のインタフェースとなる手段である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0058】
ネットワーク制御装置01の機能は、上記ハードウエアと、処理モジュールである車両状態取得プログラムと、制御プロファイル取得プログラムと、制御プログラムと、により実現される。これらの処理モジュールは、例えば、メモリ102に格納された車両状態取得プログラムをCPU101が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウエア、および、ソフトウエアで実行する手段があればよい。
【0059】
ここで、タイマ106からの信号によるハードウエア割り込みが起こると、待ち状態であった車両状態取得プログラムがCPU101において実行状態となる。同プログラムは車内の機器の状態を、車載ネットワークを介して取得する。取得された車両状態はメモリ102に一時的に格納される。次に制御プロファイル取得プログラムがメモリ102より呼び出され実行状態となる。同プログラムはメモリ102に一時的に格納されている車両状態を読み込む。次に同プログラムは、メモリ102に保持されている、車両状態遷移情報テーブルを読み込む。図12に車両状態遷移情報テーブルの別の一例を示す。取得された車両状態を用いて同テーブル内で該当する状態をCPU101において検索する。テーブルの中で該当するレコードが見つかると、該当レコードを参照して遷移先の状態IDを取得する。取得した遷移先の状態IDに係る車両状態を、同テーブルを参照して読み出す。同プログラムは、メモリ102より読み出した現在の車両状態と、テーブルより読み出した遷移先の車両状態と、に基づいて制御プロファイルをCPU101において算出する。具体的には現在の車両状態に応じた最適な制御プロファイルを算出し、この制御プロファイルと、遷移先の車両状態に応じた制御プロファイルと、を参照しながら、より円滑に遷移先の車両状態に対応できるように現在適用する制御プロファイルを変更する。
【0060】
図12を参照して説明すると、例えば車両が駐車していてアイドリング状態のとき、状態IDは4である。図9を参照するとこの状態で適用される制御プロファイルはP4であるとわかる。遷移先を参照すると、遷移先の状態IDは3、2、5である。ここで遷移先が5であると仮定すると、車両状態5は停車・移動可能状態であり、制御プロファイルはP5が適用される。P5を参照すると、ハンドブレーキが解除される制御があるため、ハンドブレーキの制御装置をあらかじめアクティブにしておいたり、ギアを制御してD(前進)またはR(後進)モードに入るのでヘッドライトや、あるいは後退の際点灯するランプを点灯する制御に備えてこれらを制御している装置をあらかじめアクティブとしたりというような制御項目をP4の制御プロファイルに追加し新たに制御プロファイルを生成する処理を行う。
【0061】
このようにして、取得した制御プロファイルはNIC104を介し車載ネットワークを介して送られ制御内容が各機器に適用される。適用についてはタイマ106の割り込みに応じてタイミングを取得してもよい。
【0062】
[効果の説明]
本実施形態のネットワーク制御装置によると、現在の車両状態に加え、次に遷移する車両状態をも考慮に入れて制御を行うことが可能であるので、円滑に車両の状態を遷移させることが可能である。また機器の動作のスケジューリングが可能となるため、必要なタイミングに必要な機器を動作させるきめ細かい制御が可能であるため、省電力を徹底させることが可能である。
【0063】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[形態1]
上述の第1の視点に係る装置のとおりである。
[形態2]
前記車両状態取得部は、さらに前記車載ネットワークに接続された機器のそれぞれの電力消費量を取得し、
前記制御プロファイル取得部は、さらに取得された前記機器それぞれの電力消費量の総和に基づいて一の制御プロファイルを取得する、
好ましくは形態1に記載のネットワーク制御装置。
[形態3]
前記制御プロファイル取得部は、さらに前記車載ネットワークに接続された機器をグループ化した制御プロファイルを取得し、
前記制御部は前記グループ化した制御プロファイルに基づいて、グループ毎に制御を行う、
好ましくは形態1または形態2に記載のネットワーク制御装置。
[形態4]
前記車両状態取得部は、さらに前記車載ネットワークに接続された機器の通信ポートの状態を取得し、
前記制御プロファイル取得部は、さらに前記取得した通信ポートの状態に基づいて制御プロファイルを取得し、
制御部は、さらに取得した前記制御プロファイルに基づいて、前記車載ネットワークに接続された機器の通信ポートを制御する、
好ましくは形態1から形態3のいずれか一に記載のネットワーク制御装置。
[形態5]
前記車両状態取得部は、さらに前記車載ネットワークに接続された機器のそれぞれが通信に使用している通信ポートの数を取得し、
前記制御プロファイル取得部は、さらに前記取得した機器のそれぞれが通信に使用している通信ポートの数の総和よりも通信に使用するポートの総数が小さい制御プロファイルを取得する、
好ましくは形態1から形態4のいずれか一に記載のネットワーク制御装置。
[形態6]
前記車両状態取得部は、さらに前記車載ネットワークに接続された機器のそれぞれが通信に使用している通信ポートの消費電力を取得し、
前記制御プロファイル取得部は、さらに前記取得した機器のそれぞれが通信に使用している通信ポートの消費電力の総和よりも通信に使用するポートの総消費電力が小さい制御プロファイルを取得する、
好ましくは形態4または形態5に記載のネットワーク制御装置。
[形態7]
車両の状態と、将来遷移し得る車両状態と、を記述した車両状態遷移情報を保持する車両状態遷移情報保持部と、
をさらに有し、
前記制御プロファイル取得部は、取得された前記車両状態と、保持されている前記車両状態遷移情報と、に基づいて制御プロファイルを取得する、
好ましくは形態1から形態6のいずれか一に記載のネットワーク制御装置。
[形態8]
一定の周期で信号を出力する計時部をさらに有し、
前記制御部は、さらに前記計時部から出力される前記信号に応じて制御を実行する、
好ましくは形態1から形態7のいずれか一に記載のネットワーク制御装置。
[形態9]
上述の第2の視点に係る方法のとおりである。
[形態10]
上記第3の視点に係るプログラムのとおりである。
【0064】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。
【符号の説明】
【0065】
01 ネットワーク制御装置
02 車両状態取得部
03 制御プロファイル取得部
04 制御部
05 通信ポート#1
06 通信ポート#2
07 計時部
08 車両状態遷移情報保持部
101 CPU(Central Processing Unit)
102 メモリ
103 入出力インタフェース
104 NIC(Network Interface Card)
105 内部バス
106 タイマ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12