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特許7381142マイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】マイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 22/00 20060101AFI20231108BHJP
   G01N 22/04 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G01N22/00 N
G01N22/00 X
G01N22/00 W
G01N22/00 V
G01N22/04 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022527042
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-05
(86)【国際出願番号】 CN2021096341
(87)【国際公開番号】W WO2021254122
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-05-10
(31)【優先権主張番号】202010542110.6
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲韋▼ ▲真▼博
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 津▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】王 俊
(72)【発明者】
【氏名】杜 冬冬
(72)【発明者】
【氏名】程 ▲紹▼明
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111812122(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109632834(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109632832(CN,A)
【文献】米国特許第03851244(US,A)
【文献】特開2017-075945(JP,A)
【文献】特開2015-152397(JP,A)
【文献】特開2014-032059(JP,A)
【文献】特表2010-537766(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111239166(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108169250(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 22/00-G01N 22/04
G01N 21/3581
G01N 21/3586
A61B 5/0507
G06N 3/00-G06N 99/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
Science Direct
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法であって、以下のステップ1~6を含み、
ステップ1では、マイクロ波スイープ技術を利用し、試験装置を用いて被測定材料に対してマイクロ波スイープを行い、マイクロ波の減衰及び位相シフトに関するマイクロ波スイープデータを取得し、ここで、前記試験装置はコンピュータ、データ記憶装置、ベクトルネットワークアナライザ、受信ホーンアンテナ、被測定材料及び送信ホーンアンテナを含み、前記コンピュータはデータ線を介して前記データ記憶装置に接続され、前記ベクトルネットワークアナライザにより取得されたマイクロ波スイープ測定データを前記データ記憶装置に記憶し、前記ベクトルネットワークアナライザはデータ線を介して前記コンピュータに接続され、収集された前記マイクロ波スイープ測定データを前記コンピュータにアップロードし、前記ベクトルネットワークアナライザは二本のテストケーブルにより、前記受信ホーンアンテナと前記送信ホーンアンテナにそれぞれ接続され、前記受信ホーンアンテナと前記送信ホーンアンテナは前記被測定材料の左右両側に対称的に配置され、前記送信ホーンアンテナは前記被測定材料にマイクロ波信号を送信するために用いられ、前記受信ホーンアンテナは前記被測定材料を透過したマイクロ波信号を受信するために用いられ、
ステップ2では、マイクロ波スイープデータに対して正規化処理を行い、処理後に減衰トレーニングデータセット及び位相シフトトレーニングデータセットに区分し、二つのデータセットはいずれも一つのデータテーブルの形式で存在し、データテーブルの縦方向は周波数領域
を表し、横方向はサンプル領域
を表し、対応するデータ要素は減衰値A又は位相シフト値Phiであり、
ステップ3では、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムを用いて前記マイクロ波スイープデータに周波数選択を行い、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムにおける予め定められたパラメータをハイパーパラメータとし、ハイパーパラメータの値を変更し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを生成し、
当該ステップ3は、以下のステップ2.1~2.10を含み、
ステップ2.1では、ランダムフォレストアルゴリズムを用いて減衰トレーニングデータセットにサンプル属性予測モデルをトレーニングし、
ステップ2.2では、各周波数に対応する減衰特徴の重要性を取得し、特徴の重要性に従って周波数をソートし、対応する特徴の重要性が最も低い周波数を見つけ、
ステップ2.3では、減衰トレーニングデータセットから対応する減衰特徴の重要性が最も低い周波数に対応する減衰特徴データを除去し、更新された減衰トレーニングデータセットにランダムフォレストアルゴリズムを用いてサンプル属性予測モデルを再トレーニングし、
ステップ2.4では、減衰トレーニングデータセットにPreNum個の周波数に対応するデータのみが残るまで、ステップ2.2とステップ2.3を繰り返し、当該PreNum個の周波数からなるセットを周波数セットFとし、
ステップ2.5では、ランダムフォレストアルゴリズムを用いて位相シフトトレーニングデータセットにサンプル属性予測モデルをトレーニングし、
ステップ2.6では、各周波数に対応する位相シフト特徴の重要性を取得し、特徴の重要性に従って周波数をソートし、対応する特徴の重要性が最も低い周波数を見つけ、
ステップ2.7では、位相シフトトレーニングデータセットから対応する位相シフト特徴の重要性が最も低い周波数に対応する位相シフト特徴データを消去し、更新された位相シフトトレーニングデータセットにランダムフォレストアルゴリズムを用いてサンプル属性予測モデルを再トレーニングし、
ステップ2.8では、位相シフトトレーニングデータセットにPreNum個の周波数に対応するデータのみが残るまで、ステップ2.6とステップ2.7を繰り返し、当該PreNum個の周波数からなるセットを周波数セットFとし、
ステップ2.9では、周波数セットFと周波数セットFに対して共通集合を取り、1つの候補周波数サブセットFsubを取得し、
ステップ2.10では、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムの予め定められたパラメータPreNumの値を変更し、ステップ2.1乃至ステップ2.9を繰り返し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを取得し、
ステップ4では、異なる周波数の候補周波数サブセットに対応する減衰-位相シフトスイープデータセットに基づいて、予測モデルを確立し、
当該ステップ4は、
各候補周波数サブセットに周波数番号サブセットが対応付けられ、周波数番号サブセットを用いて前記減衰トレーニングデータセットと位相シフトトレーニングデータセットから対応するデータをそれぞれ抽出し、二つの部分のデータを減衰-位相シフトスイープデータセットに組み合わせることと、
各減衰-位相シフトスイープデータセットを入力データとし、サンプル属性値を出力データとし、学習アルゴリズムを用いてサンプル属性値の予測モデルを確立することと、を含み、
ここで、各候補周波数サブセットに周波数番号サブセットが対応付けられ、周波数番号サブセットを用いて前記減衰トレーニングデータセットと位相シフトトレーニングデータセットから対応するデータをそれぞれ抽出し、二つの部分のデータを減衰-位相シフトスイープデータセットに組み合わせることは、以下のステップ4.1~4.6を含み、
ステップ4.1では、候補周波数サブセットにおける各周波数が正規化処理された減衰スイープデータセット又は位相シフトスイープデータセットにおける番号をサーチして、周波数番号サブセットを構成し、
ステップ4.2では、各候補周波数サブセットに対応する周波数番号サブセットが得られるまで、ステップ4.1を繰り返し、
ステップ4.3では、周波数番号サブセットに従って減衰トレーニングデータセットから対応するデータを抽出し、
ステップ4.4では、周波数番号サブセットに従って位相シフトトレーニングデータセットから対応するデータを抽出し、
ステップ4.5では、減衰トレーニングデータセット及び位相シフトトレーニングデータセットからそれぞれ抽出された二つの部分のデータを縦方向に接合して、候補周波数サブセットに対応する減衰-位相シフトスイープデータセットを取得し、
ステップ4.6では、各候補周波数サブセットが対応する減衰-位相シフトスイープデータセットを取得するまで、ステップ4.3~4.5を繰り返し、
ステップ5では、10分割交差検証により各予測モデルの性能を評価し、モデル性能の評価指標値を算出して取得し、
ステップ6では、前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により、最適な周波数サブセットを選択し、当該ステップ6は、以下のステップ6.1~6.4を含み、
ステップ6.1では、Rを投票根拠の指標として用い、T種類のアルゴリズムのうちのそれぞれのアルゴリズムに対してR値が最も高い前のk個のモデルを選択して、それぞれのモデルに対応する周波数サブセットを得て、T×k個の候補結果から多数決投票法により得票数が最も多い周波数サブセットを
として選択し、
ステップ6.2では、RMSEを投票根拠の指標として用い、T種類のアルゴリズムのうちのそれぞれのアルゴリズムに対してRMSE値が最も低い前のk個のモデルを選択し、それぞれのモデルに対応する周波数サブセットを取得し、T×k個の候補結果から多数決投票法により得票数が最も多い周波数サブセットを
として選択し、
ステップ6.3では、MAEを投票根拠の指標として用い、T種類のアルゴリズムのうちのそれぞれのアルゴリズムに対してMAE値が最も低い前のk個のモデルを選択し、それぞれのモデルに対応する周波数サブセットを取得し、T×k個の候補結果から多数決投票法により得票数が最も多い周波数サブセットを
として選択し、
ステップ6.4では、多数決投票法により三つの回帰評価指標をまとめて最適な周波数セット

及び
をそれぞれ選択し、最終的な最適な周波数セット
を選択し、票数が同じである状況が発生する場合に、周波数の数が最も少ないものを最適な周波数セット
として選択する
ことを特徴とするマイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法。
【請求項2】
前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により、最適な周波数サブセットを選択することは、
前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により最適な予測モデルを選択して、最適な予測モデルに対応する減衰-位相シフトスイープデータセットを得て、さらに、当該減衰-位相シフトスイープデータセットに対応する周波数サブセット、即ち最適な周波数サブセットを取得することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は資材品質検出に関し、特にマイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
材料の電磁パラメータ(例えば誘電率)は材料成分、構造、均一性、配向、含水量などの要因の複合関数であり、マイクロ波非破壊検査技術(microwave nondestructive testing、MNDT)を利用してマイクロ波振幅、位相などのパラメータの変化に基づいて誘電特性に関連する材料属性、例えば含水率を測定することができる。材料含水量マイクロ波検出法は非接触測定、測定範囲が広く、精度が高く、信頼性が高く、抗干渉能力が強く、オンラインリアルタイム測定を実現しやすいという利点を有するため、理想的な含水量測定方法である。
【0003】
CN 200920033543.8はマイクロ波減衰量の変化に基づいて織物含水率を測定する装置を提供し、該装置は単一の周波数のマイクロ波のみを使用する。繆建均などの人は文献において、単一の周波数のマイクロ波測定システムでは多重反射、干渉及び共振などの悪影響を生成しやすいが、広帯域走査技術によりこの欠点を解消することができることを示している。Menkeなどの人も文献において試験により広い周波数帯内に複数の測定周波数を使用することは高湿材料の含水率を予測する的確性を向上させることに役立つことを証明していた。CN 201910064268.4は自由空間伝送測定においてスイープ信号を測定信号として用いることにより、測定過程において生じられた多重反射等の減衰及び位相シフト測定に対する影響を抑制するマイクロ波スイープ技術に基づく穀物含水率の測定方法を提供している。徐浩などの人は、文献において、10GHz周波数以下では、マイクロ波の減衰が水中の塩分等の影響を大きく受ける一方、この周波数以上では無視することができ、この特性のため、10GHz周波数のマイクロ波は水分測定に広く適用されていると言及している。しかしながら、米国農業部のSamir Trabelsiなどの研究者から発表された文章において、4.9GHz、5.8GHz、14.2GHzなどの複数の10GHz以外の周波数信号を用いている。しかしながら、彼らの文章において、これらの周波数信号を使用する理由が詳細に解釈されず、これらの周波数信号を使用することは装置の動作周波数をテストするためであるか、又は被測定材料自体からこれらの周波数信号を選択することが説明されていない。中国国内の研究者の研究において、一般的に10GHzを測定周波数として選択するようになる。Okabeは、文献において材料中の各成分がマイクロ波信号に対して異なる影響を有し、各材料がいずれもその独特な構成を有するため、同じ周波数を用いて異なる材料の水分含有量を測定することは好ましい方法ではないことを示している。かつ各周波数で測定されたマイクロ波特性(例えば減衰及び位相シフト)はいずれも材料の含水率の変化に伴って敏感に変化するものではなく、つまり、ある周波数点は材料の含水率を区別することができないため、後期の試験においてこれらの無効の周波数点を消去する必要があり、これらの周波数で対応するマイクロ波減衰及び位相シフトデータを測定せず、ノイズデータを消去する。したがって、スイープ技術が取り込まされた後、完全なルールを確立して特徴スイープデータと材料目標属性との間の関連性に基づいて、最適な一組の測定周波数を選択する方法が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例はマイクロ波スイープ信号にノイズ及び冗長データが取り込まれた不良な測定周波数点を消去できる完全な周波数選択方法が欠けるという従来の問題を解決するために、マイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の実施例は以下の技術内容を採用する。
【0006】
第1の態様によれば、本発明の実施例は
マイクロ波スイープデータを取得するステップと、
ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムを用いて前記マイクロ波スイープデータに周波数選択を行い、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムにおける予め定められたパラメータをハイパーパラメータとし、ハイパーパラメータの値を変更し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを生成するステップと、
異なる周波数の候補周波数サブセットに対応するスイープデータに基づいて、予測モデルを確立するステップと、
10分割交差検証により各予測モデルの性能を評価し、モデル性能の評価指標値を算出して得るステップと、
前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により、最適な周波数サブセットを選択するステップとを含むマイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法を提供する。
【0007】
さらに、マイクロ波スイープデータを取得した後、
前記マイクロ波スイープデータにに対して正規化処理を行い、処理後に減衰トレーニングデータセット及び位相シフトトレーニングデータセットに区別するステップをさらに含む。
【0008】
さらに、前記減衰トレーニングデータセット及び位相シフトトレーニングデータセットはいずれも一つのデータテーブルの形式で存在し、データテーブルの縦方向は周波数領域
を表し、横方向はサンプル領域
を表し、対応するデータ要素は減衰値A又は位相シフト値Phiである。
【0009】
さらに、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムを用いて前記マイクロ波スイープデータに周波数選択を行い、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムにおける予め定められたパラメータをハイパーパラメータとし、ハイパーパラメータの値を変更し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを生成することは、
ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムにより前記減衰トレーニングデータセット及び位相シフトトレーニングデータセットに特徴選択を行い、減衰トレーニングデータセットに基づいて選別された周波数セットと、位相シフトトレーニングデータセットに基づいて選別された周波数セットとを取得し、二つの周波数セットに対して共通集合を取り、1つの候補周波数サブセットを取得し、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムにおける予め定められたパラメータをハイパーパラメータとし、ハイパーパラメータの値を変更し、候補周波数サブセットを再度取得する過程を繰り返し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを生成することを含む。
【0010】
さらに、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムを用いて前記マイクロ波スイープデータに周波数選択を行い、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムにおける予め定められたパラメータをハイパーパラメータとし、ハイパーパラメータの値を変更し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを生成することは、
(2.1)ランダムフォレストアルゴリズムを用いて減衰トレーニングデータセットにサンプル属性予測モデルをトレーニングするステップと、
(2.2)各周波数に対応する減衰特徴の重要性を取得し、特徴の重要性に従って周波数をソートし、対応する特徴の重要性が最も低い周波数を見つけるステップと、
(2.3)減衰トレーニングデータセットから対応する減衰特徴の重要性が最も低い周波数に対応する減衰特徴データを除去し、更新された減衰トレーニングデータセットにランダムフォレストアルゴリズムを用いてサンプル属性予測モデルを再トレーニングするステップと、
(2.4)減衰トレーニングデータセットにPreNum個の周波数に対応するデータのみが残るまで、ステップ(2.2)と(2.3)を繰り返し、当該PreNum個の周波数からなるセットを周波数セットFとするステップと、
(2.5)ランダムフォレストアルゴリズムを用いて位相シフトトレーニングデータセットにサンプル属性予測モデルをトレーニングするステップと、
(2.6)各周波数に対応する位相シフト特徴の重要性を取得し、特徴の重要性に従って周波数をソートし、対応する特徴の重要性が最も低い周波数を見つけるステップと、
(2.7)位相シフトトレーニングデータセットから対応する位相シフト特徴の重要性が最も低い周波数に対応する位相シフト特徴データを消去し、更新された位相シフトトレーニングデータセットにランダムフォレストアルゴリズムを用いてサンプル属性予測モデルを再トレーニングするステップと、
(2.8)位相シフトトレーニングデータセットにPreNum個の周波数に対応するデータのみが残るまで、ステップ(2.6)と(2.7)を繰り返し、当該PreNum個の周波数からなるセットを周波数セットFとするステップと、
(2.9)周波数セットFと周波数セットFに対して共通集合を取り、1つの候補周波数サブセットFsubを得るステップと、
(2.10)ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムの予め定められたパラメータPreNumの値を変更し、ステップ(2.1)乃至(2.9)を繰り返し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを得るステップと、を含む。
【0011】
さらに、異なる周波数の候補周波数サブセットに対応するスイープデータに基づいて、予測モデルを確立することは、
各候補周波数サブセットに周波数番号サブセットが対応付けられ、周波数番号サブセットを用いて前記減衰トレーニングデータセットと位相シフトトレーニングデータセットから対応するデータをそれぞれ抽出し、二つの部分のデータを減衰-位相シフトスイープデータセットに組み合わせるステップと、
各減衰-位相シフトスイープデータセットを入力データとし、サンプル属性値を出力データとし、学習アルゴリズムを用いてサンプル属性値の予測モデルを確立するステップと、を含む。
【0012】
さらに、各候補周波数サブセットに周波数番号サブセットが対応付けられ、周波数番号サブセットを用いて前記減衰トレーニングデータセットと位相シフトトレーニングデータセットから対応するデータをそれぞれ抽出し、二つの部分のデータを減衰-位相シフトスイープデータセットに組み合わせることは、
(4.1)候補周波数サブセットにおける各周波数が正規化処理された減衰スイープデータセット又は位相シフトスイープデータセットにおける番号をサーチして、周波数番号サブセットを構成するステップと、
(4.2)ステップ(3)での各候補周波数サブセットに対応する周波数番号サブセットが得られるまで、ステップ(4.1)を繰り返すステップと、
(4.3)周波数番号サブセットに従って減衰トレーニングデータセットから対応するデータを抽出するステップと、
(4.4)周波数番号サブセットに従って位相シフトトレーニングデータセットから対応するデータを抽出するステップと、
(4.5)減衰トレーニングデータセット及び位相シフトトレーニングデータセットからそれぞれ抽出された二つの部分のデータを縦方向に接合して、候補周波数サブセットに対応する減衰-位相シフトスイープデータセットを得るステップと、
(4.6)各候補周波数サブセットが対応する減衰-位相シフトスイープデータセットを取得するまで、ステップ(4.3)~(4.5)を繰り返すステップと、を含む。
【0013】
さらに、前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により、最適な周波数サブセットを選択することは、
前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により最適な予測モデルを選択して、最適な予測モデルに対応する減衰-位相シフトスイープデータセットを得て、さらに、当該減衰-位相シフトスイープデータセットに対応する周波数サブセット、即ち最適な周波数サブセットを取得するステップを含む。
【0014】
さらに、前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により、最適な周波数サブセットを選択することは、
(6.1)Rを投票根拠の指標として用い、T種類のアルゴリズムのうちのアルゴリズムに対してR値が最も高い前のk個のモデルを選択し、それぞれのモデルに対応する周波数サブセットを取得し、T×k個の候補結果から多数決投票法により得票数が最も多い周波数サブセットを
として選択するステップと、
(6.2)RMSEを投票根拠の指標として用い、T種類のアルゴリズムのうちのアルゴリズムに対してRMSE値が最も低い前のk個のモデルを選択し、それぞれのモデルに対応する周波数サブセットを取得し、T×k個の候補結果から多数決投票法により得票数が最も多い周波数サブセットを
として選択するステップと、
(6.3)MAEを投票根拠の指標として用い、T種類のアルゴリズムのうちのアルゴリズムに対してMAE値が最も低い前のk個のモデルを選択し、それぞれのモデルに対応する周波数サブセットを取得し、T×k個の候補結果から多数決投票法により得票数が最も多い周波数サブセットを
として選択するステップと、
(6.4)多数決投票法により三つの回帰評価指標をまとめて最適な周波数セット

及び
をそれぞれ選択し、最終的な最適な周波数セット
を選択し、票数が同じである状況が発生する場合に、周波数の数が最も少ないものを最適な周波数セット
を選択するステップと、を含む。
【0015】
第2の形態によれば、本発明の実施例は
マイクロ波スイープデータを取得するための取得モジュールと、
ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムを用いて前記マイクロ波スイープデータに周波数選択を行い、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムにおける予め定められたパラメータをハイパーパラメータとし、ハイパーパラメータの値を変更し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを生成するための生成モジュールと、
異なる周波数の候補周波数サブセットに対応するスイープデータに基づいて、予測モデルを確立するための確立モジュールと、
10分割交差検証により各予測モデルの性能を評価し、モデル性能の評価指標値を算出して得るための算出モジュールと、
前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により、最適な周波数サブセットを選択するための選択モジュールと、を含むマイクロ波スイープデータの二次周波数選択装置をさらに提供している。
【発明の効果】
【0016】
以上の技術内容によれば、本発明の実施例が提供する二次周波数選択方法は、マイクロ波スイープデータに基づいて周波数選択を行なうブランクを埋め、スイープ信号に係る測定周波数を最適化し、ノイズデータ及び冗長データを取り込む周波数を消去し、最適な測定周波数、すなわち最適な周波数セットをフィルタリングし、スイープ信号を再構成する。ランダムフォレストー特徴再帰的消去アルゴリズムにおける事前知識に依存する予め定されたパラメータPreNum、すなわちアルゴリズムが選択しようとする特徴の数に対して、PreNumを一つの固定値として人為的に指定せず、パラメータPreNumを一つのスーパーパラメータとし、PreNumの値を変更し、ランダムフォレストー特徴再帰的消去アルゴリズムを複数回実行し、それに応じて複数の候補周波数サブセットを生成し、さらに投票ルールを結み合わせて最適な周波数セットを選択し、PreNumの値を人為的に指定せず、特徴選択時のファジー性及び主観性を消去する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
ここで、説明する図面は本発明のさらなる理解のために提供され、本発明の一部を構成し、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明を説明するために用いられ、本発明を不当に限定するものではない。図面において、
【0018】
図1図1は本発明の実施例が提供するマイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法のフローチャートである。
図2図2は本発明の実施例においてマイクロ波減衰及び位相シフトスイープデータを測定するための一般的な試験装置の概略図であり、ここで、コンピュータ1、データ記憶装置2、ベクトルネットワークアナライザ3、受信ホーンアンテナ4、被測定材料5及び送信ホーンアンテナ6である。
図3図3は本発明の実施例においてRF-RFEアルゴリズムを用いて候補周波数サブセットを生成するフローチャートである。
図4図4は本発明の実施例における周波数選択方法の第1の段階であるRF-RFEアルゴリズムを用いて候補周波数サブセットを生成する具体的なフローチャートである。
図5図5は本発明の実施例における周波数選択方法の第2の段階である投票法MVMにより最適な周波数セットを選択する具体的なフローチャートである。
図6図6は本発明の実施例が提供するマイクロ波スイープデータの二次周波数選択装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本出願の目的、技術内容及び利点をより明確にするために、以下に本出願の具体的な実施例及び対応する図面を参照しながら本出願の技術内容を明確で、完全に説明する。説明する実施例は全ての実施例ではなく、本出願の一部の実施例しかでないことは明らかである。本出願における実施例に基づいて、当業者が創意工夫を要さずに想到し得る他の実施例は、いずれも本出願の範囲に含有される。
【0020】
実施例1
図1は本発明の実施例が提供するマイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法のフローチャートであり、本実施例はマイクロ波法を用いて材料含水率(当然のことながら別の属性であってもよい)を測定し、材料自体に基づいて測定周波数の優劣を評価し、材料含水率のマイクロ波検出の最適な測定周波数を選択することに主に適用されているマイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法を提供し、材料含水率の測定精度を向上させる重要な方法であり、該方法は以下のステップを含む。
【0021】
ステップS102では、マイクロ波スイープデータを取得する。
具体的には、本実施例において、図2に示す試験装置はコンピュータ1、データ記憶装置2、ベクトルネットワークアナライザ3、受信ホーンアンテナ4、被測定材料5及び送信ホーンアンテナ6を含む。ここで、コンピュータ1はデータ線を介してデータ記憶装置2に接続され、取得されたマイクロ波スイープ測定データをデータ記憶装置2に記憶する。ベクトルネットワークアナライザ3はデータ線を介してコンピュータ1に接続され、収集されたマイクロ波スイープ測定データをコンピュータ1にアップロードする。ベクトルネットワークアナライザ3は二本のテストケーブルにより受信ホーンアンテナ4と送信ホーンアンテナ6にそれぞれ接続され、受信ホーンアンテナ4と送信ホーンアンテナ6は被測定材料5の左右両側に対称的に配置され、送信ホーンアンテナ6は被測定材料5にマイクロ波信号を送信するために用いられ、受信ホーンアンテナ4は被測定材料5を透過したマイクロ波信号を受信するために用いられる。図2に示すような試験装置を用いて測定対象のトウモロコシサンプルに対してスイープ測定を行い、マイクロ波減衰及び位相シフトに関するスイープデータを得ると共に、トウモロコシサンプルの真の含水率を測定してラベルデータとする。本実施例において、異なる含水率のトウモロコシ穀物を実験対象とし、自然乾燥の方式で40種の異なる含水率のトウモロコシサンプルを取得し、サンプルの含水率範囲は11%w.b.(乾燥トウモロコシ)から63%w.b.(新鮮なトウモロコシ)までである。ベクトルネットワークアナライザ3の動作周波数範囲を2-10GHzに設定し、スイープ信号は10MHzを間隔として合計で801個の周波数点を含む。まず、トウモロコシサンプルを放置せずに無負荷測定を行い、マイクロ波減衰及び位相シフトを算出する基準値を取得する。その後、各含水率のトウモロコシサンプルに対して繰り返し測定を5回行い、無負荷測定により与えられたマイクロ波減衰及び位相シフトの基準値を結み合わせて実際のマイクロ波減衰及び位相シフトのスイープデータを算出する。各含水率のトウモロコシサンプルのスイープ測定が終了した後、一部のトウモロコシサンプルを取り出し、現行の国家標準GB/T 10362-2008に示された方法に基づいてトウモロコシサンプルの真の含水率を測定する。試験において、40種類の含水率のトウモロコシサンプルについて合計で200組の減衰スイープデータと200組の位相シフトスイープデータを得て、それぞれ減衰スイープデータセット
と位相シフトスイープデータセット
を構成する。ステップS102はマイクロ波スイープデータを取得するの効果があり、後続の周波数選択作業を展開するために用いられる。
【0022】
ステッ1プS03では、マイクロ波スイープデータを取得した後、さらに
前記マイクロ波スイープデータに対して正規化処理を行い、処理後に減衰トレーニングデータセットと位相シフトトレーニングデータセットを分割することを含む。
具体的には、元の減衰スイープデータセット
と位相シフトスイープデータセット
に対してz-score正規化処理を行い、具体的な式は
【数1】
である。
式において、
は正規化されたデータであり、
は生データであり、
はデータ平均値を示し、
はデータ分散を示す。正規化されたスイープデータセット
及び
を得て、
から70%のスイープデータをランダムに分割し、減衰トレーニングデータセット
に組み合わせる。
から70%のスイープデータをランダムに分割し、位相シフトトレーニングデータセット
に組み合わせる。
前記減衰スイープデータセットと位相シフトスイープデータセットはいずれも1つのデータテーブルの形式で存在し、データテーブルの縦方向は周波数領域
を示し、横方向はサンプル領域
を示し、対応するデータ要素は減衰値A又は位相シフト値Phiである。
データ正規化はデータ無次元化の範囲に属し、ステップS103は異なる標準のデータを同じ標準に変換する効果であり、モデルのトレーニングに役立つ。
【0023】
ステップS104では、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムを用いて前記マイクロ波スイープデータに周波数選択を行い、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムにおける予め定められたパラメータをハイパーパラメータとし、ハイパーパラメータの値を変更し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを生成する。
具体的には、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムによりそれぞれ前記減衰トレーニングデータセットと位相シフトトレーニングデータセットに特徴選択を行い、減衰トレーニングデータセットに基づいて選別された周波数セットと、位相シフトトレーニングデータセットに基づいて選別された周波数セットを取得し、二つの周波数セットに対して共通集合を取り、1つの候補周波数サブセットを得るようになり、図3に示すように、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムにおける予め定められたパラメータをハイパーパラメータとし、ハイパーパラメータの値を変更し、候補周波数サブセットを取得する過程を繰り返し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを生成する。
【0024】
さらに、該ステップの具体的なフローは図4に示すように、具体的には、
(2.1)ランダムフォレストアルゴリズムを用いて減衰トレーニングデータセットにサンプル属性予測モデルをトレーニングするステップと、
(2.2)各周波数に対応する減衰特徴の重要性を取得し、特徴の重要性に従って周波数をソートし、対応する特徴の重要性が最も低い周波数を見つけるステップと、
(2.3)減衰トレーニングデータセットから対応する減衰特徴の重要性が最も低い周波数に対応する減衰特徴データを除去し、更新された減衰トレーニングデータセットにランダムフォレストアルゴリズムを用いてサンプル属性予測モデルを再トレーニングするステップと、
(2.4)減衰トレーニングデータセットにPreNum個の周波数に対応するデータのみが残るまで、ステップ(2.2)と(2.3)を繰り返し、当該PreNum個の周波数からなるセットを周波数セットFとするステップと、
(2.5)ランダムフォレストアルゴリズムを用いて位相シフトトレーニングデータセットにサンプル属性予測モデルをトレーニングするステップと、
(2.6)各周波数に対応する位相シフト特徴の重要性を取得し、特徴の重要性に従って周波数をソートし、対応する特徴の重要性が最も低い周波数を見つけるステップと、
(2.7)位相シフトトレーニングデータセットから対応する位相シフト特徴の重要性が最も低い周波数に対応する位相シフト特徴データを消去し、更新された位相シフトトレーニングデータセットにランダムフォレストアルゴリズムを用いてサンプル属性予測モデルを再トレーニングするステップと、
(2.8)位相シフトトレーニングデータセットにPreNum個の周波数に対応するデータのみが残るまで、ステップ(2.6)と(2.7)を繰り返し、当該PreNum個の周波数からなるセットを周波数セットFとするステップと、
(2.9)周波数セットFと周波数セットFに対して共通集合を取り、1つの候補周波数サブセットFsubを得るステップと、
(2.10)ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムの予め定められたパラメータPreNumの値を変更し、ステップ(2.1)乃至(2.9)を繰り返し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを得るステップと、を含む。
【0025】
ステップS104は、ステップS103で得られた減衰トレーニングデータセット及び位相シフトトレーニングデータセットに基づいて、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムを用いて候補周波数サブセットの生成を図れる効果である。
【0026】
ステップS105では、異なる周波数の候補周波数サブセットに対応するスイープデータに基づいて、予測モデルを確立する。
具体的には、該ステップは二つのサブステップに分けられる。
ステップS1051では、各候補の周波数サブセットに周波数番号サブセットが対応づけられ、周波数番号サブセットを用いて前記減衰トレーニングデータセットと位相シフトトレーニングデータセットから対応するデータをそれぞれ抽出し、二つの部分のデータを減衰-位相シフトススイープデータセットに組み合わせることであって、具体的には、当該ステップは、
(4.1)候補周波数サブセットにおける各周波数が正規化処理された減衰スイープデータセット又は位相シフトスイープデータセットにおける番号をサーチして、周波数番号サブセットを構成するステップと、
(4.2)ステップ(3)での各候補周波数サブセットに対応する周波数番号サブセットが得られるまで、ステップ(4.1)を繰り返すステップと、
(4.3)周波数番号サブセットに従って減衰トレーニングデータセットから対応するデータを抽出するステップと、
(4.4)周波数番号サブセットに従って位相シフトトレーニングデータセットから対応するデータを抽出するステップと、
(4.5)減衰トレーニングデータセット及び位相シフトトレーニングデータセットからそれぞれ抽出された二つの部分のデータを縦方向に接合して、候補周波数サブセットに対応する減衰-位相シフトスイープデータセットを得るステップと、
(4.6)各候補周波数サブセットが対応する減衰-位相シフトスイープデータセットを取得するまでにステップ(4.3)~(4.5)を繰り返すステップと、を含む。
【0027】
ステップS1052では、各減衰-位相シフトスイープデータセットを入力データとし、サンプル属性値を出力データとし、学習アルゴリズムを用いてサンプル属性値の予測モデルを確立する。
具体的には、図5に示すように、6種類の回帰学習アルゴリズム(多元線形回帰MLR、サポートベクターマシン回帰SVM、ランダムフォレスト回帰RF、適応強化回帰AdaBoost、極端勾配上昇回帰XGBoost及びニューラルネットワークDNNを含む)を用いてそれぞれ20個の減衰-位相シフトスイープデータセット
及びトウモロコシ含水率データに基づいてトウモロコシ含水率予測モデルをトレーニングし、6×20個の回帰モデルを得る。
【0028】
ステップS105は、生成された候補周波数サブセットに基づいて、取得された元のマイクロ波スイープデータから対応する減衰-位相シフトスイープデータセットを組み合わせ、さらに異なる回帰アルゴリズムを用いて、モデルの確立を完了する効果である。
【0029】
ステップS106では、10分割交差検証により各予測モデルの性能を評価し、モデル性能の評価指標値を算出して得る。
具体的には、図5に示すように、10分割交差検証技術により各モデルの性能を評価し、決定係数R、二乗平均平方根誤差RMSE及び平均絶対誤差MAEの三つの回帰評価指標を算出して各モデルの性能を定量的に説明し、数式は具体的には以下のとおりである。
決定係数Rは以下の通りである。
【数2】
二乗平均平方根誤差RMSEは以下の通りである。
【数3】
平均絶対誤差MAEは以下の通りである。
【数4】
ここで、
はトウモロコシサンプルの真の含水率であり、
はトウモロコシサンプルの含水率の予測値であり、
はトウモロコシサンプルの含水率の平均値であり、SSTは総分散二乗和であり、SSRは回帰二乗和である。
【0030】
ステップS110では、前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により、最適な周波数サブセットを選択する。
【0031】
具体的には、前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により最適な予測モデルを選択し、最適な予測モデルに対応する減衰-位相シフトスイープデータセットを得て、さらに該減衰-位相シフトスイープデータセットに対応する周波数サブセット、即ち最適な周波数サブセットを得る。より具体的には、
(6.1)実施例において、まず、Rを投票根拠の指標として用い、それぞれのアルゴリズムに対してR値が最も高い前の5つのモデルを選択して、それぞれのモデルに対応する周波数サブセット番号を取得し、6×5個の候補結果から投票法MVMにより得票数が最も多い周波数サブセットを選択し、表1に示すように、3番目の周波数サブセットFsub3は最も多い票数を得る。
(6.2)その後、RMSEを投票根拠の指標とし、それぞれのアルゴリズムに対してRMSE値が最も低い前の5つのモデルを選択し、それぞれのモデルに対応する周波数サブセット番号を取得し、6×5個の候補結果から投票法MVMにより得票数が最も多い周波数サブセットを選択し、表1に示すように、3番目と4番目の周波数サブセットFsub3、Fsub4は同時に最も多い票数を得る。
(6.3)最後に、MAEを投票根拠の指標とし、各アルゴリズムにおいて、MAE値が最も低い前の5つのモデルを選択し、それぞれのモデルに対応する周波数サブセット番号を取得し、6×5個の候補結果に投票法MVMにより得票数が最も多い周波数サブセットを選択し、表1に示すように、3番目と4番目の周波数サブセットFsub3、Fsub4は同時に最も多い票数を再度得る。
(6.4)2回の投票によって最適な周波数セットを選択し、なぜなら、
1. 周波数サブセットFsub3は三つの評価指標でいずれも最適な周波数セットとして選択され、
2. 周波数サブセットFsub3は周波数サブセットFsub4に比べてより少ない測定周波数に関するからであり、
周波数サブセットFsub3を最終的に選択された最適な周波数セットとして選択する。
表1では、投票法MVMにより候補周波数サブセットから最適な周波数セットを選択した結果は以下の通りである。
【表1】
【0032】
ステップS110は、多数決投票法(MVM)により最適な周波数セットの選択を完了する効果である。
【0033】
実施例2
図6に示すように、本実施例は実施例に記載のマイクロ波スイープデータの二次周波数選択方法の仮想装置であるマイクロ波スイープデータの二次周波数選択装置を提供し、該装置は、
マイクロ波スイープデータを取得するための取得モジュール102と、
ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムを用いて前記マイクロ波スイープデータに周波数選択を行い、ランダムフォレストー再帰的特徴消去アルゴリズムにおける予め定められたパラメータをハイパーパラメータとし、ハイパーパラメータの値を変更し、異なる周波数を含む一連の候補周波数サブセットを生成するための生成モジュール104と、
異なる周波数の候補周波数サブセットに対応するスイープデータに基づいて、予測モデルを確立するための確立モジュール106と、
10分割交差検証により各予測モデルの性能を評価し、モデル性能の評価指標値を算出して得るための算出モジュール108と、
前記評価指標を投票の根拠とし、多数決投票法により、最適な周波数サブセットを選択するための選択モジュール110と、
を含む。
【0034】
上記本発明の実施例の番号は説明するためのものに過ぎず、実施例の優劣を表すものではない。
本発明の上記実施例において、各実施例に対する説明はそれぞれ重点を有し、ある実施例において詳述されていない部分については、他の実施例の関連説明を参照することができる。
【0035】
本願の提供するいくつかの実施例において、開示された技術内容が、他の方式で実現することができると理解すべきである。ここで、以上に説明された装置の実施例は例示的なものに過ぎず、例えば前記手段の分割は、論理的な機能分割であってもよく、実際に実現する時に他の分割方式があってもよく、例えば複数の手段又はコンポーネントを結合するか又は他のシステムに統合することができ、又はいくつかの特徴を無視するか、又は実行しないことができる。また、表示されるか又は議論される相互間の結合又は直接結合又は通信接続はいくつかのインタフェース、手段又はモジュールの間接的な結合又は通信接続であってもく、電気的又は他の形式であってもよい。
【0036】
前記分離部材として説明された手段は物理的に分離されてもよく、又は物理的に分離されなくてもよく、手段として表示された部材は物理的手段であってもよく、又は物理的手段でなくてもよく、即ち一つの場所に位置してもよく、又は複数の手段に分布してもよい。実際の需要に応じてそのうちの一部又は全部の手段を選択して本実施例の解決手段の目的を達成することができる。
また、本発明の各実施例における各機能手段は一つの処理手段に集積されてもよく、各手段が単独で物理的に存在してもよく、二つ又は二つ以上の手段が一つの手段に集積されてもよい。上記統合された手段はハードウェアの形式で実現されてもよく、ソフトウェア機能手段の形式で実現されてもよい。
【0037】
前記統合された手段はソフトウェア機能手段の形式で実現されかつ独立した製品として販売されるか又は使用される場合、一つのコンピュータの読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づいて、本発明の技術内容の本質又は従来の技術に寄与する部分又は該技術内容の全部又は一部はソフトウェア製品の形式で体現することができ、該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワーク装置等であってもよい)に本発明の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるための複数の命令を含む。前述の記憶媒体はUディスク、リードオンリーメモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、リムーバブルハードディスク、磁気ディスク又は光ディスクなどの様々なプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の主旨及び原則内で、行われたいかなる修正、均等物、改良等は、いずれも本発明の範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6