(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】管理システム、アダプタ装置、管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/04 20220101AFI20231108BHJP
【FI】
H04L41/04
(21)【出願番号】P 2023019063
(22)【出願日】2023-02-10
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】柿永 直美
(72)【発明者】
【氏名】塩田 真祐
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 康弘
(72)【発明者】
【氏名】久保田 賢
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-97548(JP,A)
【文献】特開2006-215791(JP,A)
【文献】特開2004-310420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/66,13/00,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク機器と、
前記ネットワーク機器の種別及び状態毎に実行すべきタスクを保持するタスク保持部と、
前記ネットワーク機器の状態に応じて前記タスク保持部からタスク実行要求を生成するタスク実行要求生成部と、
を有するサーバ装置と、
前記ネットワーク機器に接続するためのインタフェースを提供する接続部と、
前記ネットワーク機器の状態を、前記接続部を介して取得し監視する監視部と、
前記状態を前記サーバ装置に通知する通知部と、
前記サーバ装置から前記タスク実行要求を取得するタスク実行要求取得部と、
前記タスク実行要求に応じて、前記接続部を介して前記ネットワーク機器に前記実行要求にかかるタスクを実行させるタスク実行部と、
を有するアダプタ装置と、
を含む管理システム。
【請求項2】
前記ネットワーク機器と、前記アダプタ装置とは、同一の構内ネットワークに配置され、前記サーバ装置はインターネットを経由してアクセス可能なクラウド上に配置される、
請求項1の管理システム。
【請求項3】
前記ネットワーク機器に関する情報を保持するリポジトリの更新情報を取得するリポジトリ更新情報取得部と、
を更に有し、
タスク実行要求生成部は、前記更新情報に応じてタスク実行要求を生成する、
サーバ装置を含む、
請求項1の管理システム。
【請求項4】
前記タスク保持部は、前記アダプタ装置に接続予定のネットワーク機器の設定情報を保持し、
前記タスク実行要求生成部は、前記設定情報に基づいてタスク実行要求を生成する、
サーバ装置と、
前記監視部は、前記接続予定のネットワーク機器の接続を監視し、
タスク実行部は、前記ネットワーク機器の接続に応じて前記実行要求にかかるタスクを実行させる、
アダプタ装置と、を含む、
請求項1の管理システム。
【請求項5】
前記アダプタ装置からの通知を所定の通信方式にて他のサーバへ送信する送信部と、
前記他のサーバから生成されたタスク実行要求を前記所定の通信方式にて受信する受信部と、
を更に有するサーバ装置を含む、
請求項1の管理システム。
【請求項6】
前記所定の通信方式は、MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)による通信方式である、請求項5の管理システム。
【請求項7】
ネットワーク機器において実行するタスクを受け付けるタスク受付部、
を更に有し、
前記タスク実行要求生成部は、前記受け付けたタスクのタスク実行要求を生成する、
サーバ装置を含む、
請求項1の管理システム。
【請求項8】
ネットワーク機器に接続するためのインタフェースを提供する接続部と、
前記ネットワーク機器の状態を、前記接続部を介して取得し監視する監視部と、
前記状態を他のサーバ装置に通知する通知部と、
前記他のサーバ装置から、前記ネットワーク機器の状態に応じて生成されたタスク実行要求を取得するタスク実行要求取得部と、
前記タスク実行要求に応じて、前記接続部を介して前記ネットワーク機器に前記実行要求にかかるタスクを実行させるタスク実行部と、
を有するアダプタ装置。
【請求項9】
以下の各ステップをコンピュータが実行する管理方法であって、
ネットワーク機器の種別及び状態毎に実行すべきタスクを取得するステップと、
前記ネットワーク機器の状態に応じて取得されたタスクからタスク実行要求を生成するステップと、
前記ネットワーク機器に接続するためのインタフェースを用いて前記ネットワーク機器に接続するステップと、
前記ネットワーク機器の状態を、前記インタフェースを介して取得するステップと、
前記状態を通知するステップと、
前記タスク実行要求を取得するステップと、
前記タスク実行要求に応じて、前記インタフェースを介して前記ネットワーク機器に前記実行要求にかかるタスクを実行させるステップと、
を含む管理方法。
【請求項10】
ネットワーク機器に接続するためのインタフェースを用いて前記ネットワーク機器に接続する処理と、
前記ネットワーク機器の状態を、前記インタフェースを介して取得する処理と、
前記状態を他のサーバ装置に通知する処理と、
前記他のサーバ装置から、前記ネットワーク機器の状態に応じて生成されたタスク実行要求を取得する処理と、
前記タスク実行要求に応じて、前記インタフェースを介して前記ネットワーク機器に前記実行要求にかかるタスクを実行させる処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、アダプタ装置、管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス内のネットワーク(イントラネット)には複数のサーバやIoT機器などが設置されイントラネットに接続されて運用されている。これらの装置の監視やプログラム及びファームウエアのアップロード、パッチ適用、再起動などの管理業務はオフィスに在席する管理者が行うことが主流である。しかし、新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大や働き方改革などによりテレワークを促進する社会的背景がある。このような背景のもと、テレワークにある管理者はオフィス内の装置を管理することが難しいという課題があった。
【0003】
また、遠隔管理を行うためのプロトコル(例えば、MQTT:Message Queuing Telemetry Transport)があるが、特定のプロトコルに対応する装置は高価であったり、既に使用されている装置がプロトコルに対応できない装置であったり、管理者が遠隔で管理することが難しいという課題があった。
【0004】
特許文献1には以下のような仲介装置等が開示されている。該技術は、ローカルエリアネットワーク内に存在する機器と、ファイアウォールを超えた外部のネットワークに配置された管理装置との通信を仲介するための装置である。具体的には、仲介装置が利用できない特定の通信プロトコルについては管理装置との通信によりプラグインを取得し、プラグインが提供する特定の通信プロトコルに対応した通信定義を設定することで、特定の通信プロトコルを利用した機器と、管理装置との間の接続性を確保するという装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明者らによってなされたものである。
【0007】
特許文献1に記載の技術では、遠隔管理のために外部の管理装置と、仲介装置との通信は、常時通信可能なように通信セッションが維持される。あるいは、管理装置は仲介装置からのポーリングを受信し、これに対する応答を仲介装置へ送信する。
【0008】
このように、遠隔管理を行うためにインターネット上にある管理装置側と、オフィス内(イントラネット)との間で通信を実行する場合において、管理対象の仲介装置が増加すると、常時接続のためのセッションが増えることでネットワークのトラヒックが増大する。また、ポーリング処理を行う場合、ポーリングの間隔が短い場合にトラフィックが増大する。このため、外部ネットワークと接続している企業側のルータなどのネットワーク機器に負荷がかかってしまうという問題が生ずる。
【0009】
また、接続性の観点からは特許文献1に記載の技術では、仲介装置と管理対象のネットワーク機器との間の接続については確保されているのが前提であるが、接続するネットワーク機器によっては仲介装置との接続に対応していない機器が存在する可能性がある。
【0010】
そこで、本発明は企業のイントラネット等のローカルエリアネットワークに配置された管理対象のネットワーク機器と、外部ネットワークに配置された管理サーバ等との間で高度な接続性を提供し、かつネットワークに対する負荷が小さい、管理システム、アダプタ装置、管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明乃至開示の第一の視点によれば、ネットワーク機器と、前記ネットワーク機器の種別及び状態毎に実行すべきタスクを保持するタスク保持部と、前記ネットワーク機器の状態に応じて前記タスク保持部からタスク実行要求を生成するタスク実行要求生成部と、を有するサーバ装置と、前記ネットワーク機器に接続するためのインタフェースを提供する接続部と、前記ネットワーク機器の状態を、前記接続部を介して取得し監視する監視部と、前記状態を前記サーバ装置に通知する通知部と、前記サーバ装置から前記タスク実行要求を取得するタスク実行要求取得部と、前記タスク実行要求に応じて、前記接続部を介して前記ネットワーク機器に前記実行要求にかかるタスクを実行させるタスク実行部と、を有するアダプタ装置と、を含む管理システムが提供される。
【0012】
本発明乃至開示の第二の視点によれば、ネットワーク機器に接続するためのインタフェースを提供する接続部と、前記ネットワーク機器の状態を、前記接続部を介して取得し監視する監視部と、前記状態を他のサーバ装置に通知する通知部と、前記他のサーバ装置から、前記ネットワーク機器の状態に応じて生成されたタスク実行要求を取得するタスク実行要求取得部と、前記タスク実行要求に応じて、前記接続部を介して前記ネットワーク機器に前記実行要求にかかるタスクを実行させるタスク実行部と、を有するアダプタ装置が提供される。
【0013】
本発明乃至開示の第三の視点によれば、以下の各ステップをコンピュータが実行する管理方法であって、ネットワーク機器の種別及び状態毎に実行すべきタスクを取得するステップと、前記ネットワーク機器の状態に応じて取得されたタスクからタスク実行要求を生成するステップと、前記ネットワーク機器に接続するためのインタフェースを用いて前記ネットワーク機器に接続するステップと、前記ネットワーク機器の状態を、前記インタフェースを介して取得するステップと、前記状態を通知するステップと、前記タスク実行要求を取得するステップと、前記タスク実行要求に応じて、前記インタフェースを介して前記ネットワーク機器に前記実行要求にかかるタスクを実行させるステップと、を含む管理方法が提供される。
【0014】
本発明乃至開示の第四の視点によれば、ネットワーク機器に接続するためのインタフェースを用いて前記ネットワーク機器に接続する処理と、前記ネットワーク機器の状態を、前記インタフェースを介して取得する処理と、前記状態を他のサーバ装置に通知する処理と、前記他のサーバ装置から、前記ネットワーク機器の状態に応じて生成されたタスク実行要求を取得する処理と、前記タスク実行要求に応じて、前記インタフェースを介して前記ネットワーク機器に前記実行要求にかかるタスクを実行させる処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明乃至開示の各視点によれば、本発明は、企業のイントラネット等のローカルエリアネットワークに配置された管理対象のネットワーク機器と、外部ネットワークに配置された管理サーバ等との間で高度な接続性を提供し、かつネットワークに対する負荷が小さい、管理システム、アダプタ装置、管理方法及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態に係る管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態にかかる管理システムの処理の概要を示す概略図である。
【
図3】第1の実施形態に係る管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態の管理システムの動作の一例を示すためのフローチャートである。
【
図5】第1の実施形態にかかる管理システムのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図6】実施例に係る管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】実施例に係る装置情報テーブルを示すための図である。
【
図8】実施例に係るタスク実行テーブルを示すための図である。
【
図9】実施例に係るゲートウエイサーバ管理テーブルを示すための図である。
【
図10】実施例に係る通知先テーブルを示すための図である。
【
図11】実施例に係る管理システムの構成の別の一例を示すブロック図である。
【
図12】実施例に係る障害検知動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図13】実施例に係るプログラム更新動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図14】実施例に係る接続予定装置の検出とタスク実行動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図15】実施例に係るMQTTへのプロトコル変換動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
初めに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。更に、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェースも同様である。
【0018】
図1は一実施形態に係る管理システムの構成の一例を示すブロック図である。この図にあるように、一実施形態に係る管理システム10は、ネットワーク機器11と、サーバ装置12と、アダプタ装置13と、を含む。サーバ装置12はタスク保持部14と、タスク実行要求生成部15と、を有する。アダプタ装置13は、接続部16と、監視部17と、通知部18と、タスク実行要求取得部19と、タスク実行部20と、を有する。
【0019】
ネットワーク機器11は、管理システムの管理対象の機器であって、端末やルータ、IoTデバイス等の、ネットワークインタフェースを有しており、ネットワークに接続可能な機器一般を指す。
【0020】
タスク保持部14は、サーバ装置12において、ネットワーク機器11の種別及び状態毎に実行すべきタスクを保持する。タスク実行要求生成部15はネットワーク機器11の状態に応じてタスク保持部14からタスク実行要求を生成する。
【0021】
接続部16は、アダプタ装置13において、ネットワーク機器11に接続するためのインタフェースを提供する。監視部17は、アダプタ装置13において、ネットワーク機器の状態を、接続部16を介して取得し監視する。通知部18は、アダプタ装置13において、ネットワーク機器の状態をサーバ装置12に通知する。タスク実行要求取得部19は、アダプタ装置13において、サーバ装置12から前記タスク実行要求を取得する。タスク実行部20は、アダプタ装置13において、タスク実行要求に応じて、接続部16を介してネットワーク機器11に実行要求にかかるタスクを実行させる。
【0022】
上記の通り、一実施形態の管理システム10では、アダプタ装置13によりイントラネット等のネットワークに配置されたネットワーク機器11の監視を行い、ネットワーク機器11の状態をサーバ装置12に通知することで、タスク保持部14に保持されたタスクを、アダプタ装置13を介してネットワーク機器11において実行させることが可能である。
【0023】
また、アダプタ装置13は接続部16を有しており、ネットワーク機器11の種別毎に異なるインタフェースを提供することで、アダプタ装置13を介してサーバ装置12の管理下に置くことが可能である。
【0024】
すなわち一実施形態の管理システム10では従来の管理システムより多くのネットワーク機器11を統合的に管理することが可能であり、ネットワークに対する負荷の軽減を達成することが可能である。
【0025】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照して更に詳しく説明する。なお、各実施形態において同一構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0026】
[第1の実施形態]
[処理の概要]
図2は、第1の実施形態にかかる管理システム10の処理の概要を示す概略図である。この図にあるように、A社のLAN内にはネットワーク機器11が複数配置されている。これらはアダプタ装置13に接続されている。アダプタ装置13は外部ネットワークを介してサーバ装置12に接続している。サーバ装置12は外部のリポジトリサーバ32や、統合管理サーバ33に接続している。本実施形態の管理システム10はアダプタ装置13とサーバ装置12とが連携し、LAN内の機器を、外部ネットワークを介して遠隔管理することが可能である。
【0027】
このように第1の実施形態に係る管理システム10は、ネットワーク機器11と、アダプタ装置13とは、同一の構内ネットワーク(LAN)に配置され、サーバ装置12はインターネットを経由してアクセス可能なクラウド上に配置されている構成である、
【0028】
[構成]
図3は第1の実施形態に係る管理システム10の構成の一例を示すブロック図である。この図にあるように、第1の実施形態に係る管理システム10は、ネットワーク機器11と、サーバ装置12と、アダプタ装置13と、を含む。サーバ装置12はタスク保持部14と、タスク実行要求生成部15と、リポジトリ更新情報取得部21と、タスク受付部22と、送信部23と、受信部24と、を有する。アダプタ装置13は、接続部16と、監視部17と、通知部18と、タスク実行要求取得部19と、タスク実行部20と、を有する。
【0029】
タスク保持部14は、サーバ装置12においてネットワーク機器11の種別及び状態毎に実行すべきタスクを保持する。「ネットワーク機器」とは、無線有線を問わず、LANに接続された管理対象となる機器を指す。「実行すべきタスク」とは、所定のタイミングでネットワーク機器11に対して要求し、実行される処理である。例えば、ネットワーク機器11がパソコン端末である場合には、インストールされているOS(Operating System)や、デバイスドライバや、アプリケーションソフトウエアに対するパッチの適用や更新、再起動などのタスクが含まれる。プリンタである場合にはファームウエアの更新等のタスクが含まれる。
【0030】
タスク実行要求生成部15は、サーバ装置12においてネットワーク機器11の状態に応じて前記タスク保持部からタスク実行要求を生成する。具体的には、例えば、ネットワーク機器11であるデータベースサーバが何らかの原因で停止し、サーバ装置12もしくはアダプタ装置13からのパケットに応答がない場合に、サーバ装置はタスク保持部14を参照し、該当するネットワーク機器11の種別(データベースサーバ)と応答が停止しているという状態からサーバの再起動やデータベースの復旧処理を実行するというタスクを選択し、そのタスクを実現するためのスクリプトを生成するなどの処理を行う。
【0031】
接続部16は、アダプタ装置13において、ネットワーク機器11に接続するためのインタフェースを提供する。インタフェースは互換性のない機器同士の接続を実現するための変換器である他に、もとよりネットワーク接続機能を有していない機器にネットワークに接続する機能を付加するといったものでも良い。また提供されるインタフェースはその機能を実現するためのハードウエアと、ソフトウエア、又はこれらの組み合わせであっても良い。
【0032】
監視部17は、アダプタ装置13において、ネットワーク機器11の状態を、接続部16を介して取得し監視する。特にネットワーク機器11の状態の変化を監視し、その変化に応じて必要なタスクを生成するために必要な情報を収集する。例えばアダプタ装置13から管理対象の各ネットワーク機器11にPingを送ってその応答から機器の状態を取得したり、SNMP(Simple Network Management Protocol)等のネットワーク管理プロトコルを用いたりして監視を行っても良い。
【0033】
通知部18は、アダプタ装置13において、監視部17において取得されたネットワーク機器11の状態をサーバ装置12に通知する。通知は所定時間間隔で行われても良いし、望ましくはネットワーク機器11において何らかの状態が変化した場合に、その変化に応じて通知を行っても良い。所定時間間隔の通知であると、通知タイミングが集中するとネットワークに負荷がかかり、ルータ等における処理が圧迫されるおそれがある。このようにネットワーク機器11の状態の変化に応じて必要な場合に通知を行うことでネットワークが輻輳することを回避することができる。
【0034】
タスク実行要求取得部19は、アダプタ装置13において、サーバ装置12から前記タスク実行要求を取得する。サーバ装置12のタスク実行要求生成部15において生成されたタスク実行要求を、ネットワークを介して取得する。取得の方法は、当部を待ち状態にしておいて、サーバ装置12側からバースト的に送られてくるタスク実行要求を取得する場合と、当部がサーバ装置12へポーリングを行い取得する場合と、のいずれでも良い。
【0035】
タスク実行部20は、アダプタ装置13において、タスク実行要求に応じて、接続部16を介してネットワーク機器11に実行要求にかかるタスクを実行させる。例えば、ネットワーク機器11であるプリンタのファームウエアの更新が検出された場合において、サーバ装置12のタスク保持部14に保持されているファームウエア更新スクリプトを取得してプリンタに送信し、ファームウエアのダウンロードからインストール、再起動の一連の処理を実行させる。この場合においてスクリプト等のタスク実行要求は、ある実行要求中に他のスクリプトなどの他の実行要求を呼び出す構成となっていても良い。
【0036】
リポジトリ更新情報取得部21は、ネットワーク機器11に関する情報を保持するリポジトリサーバ32の更新情報を取得する。「リポジトリの更新情報」は具体的にはネットワーク機器11を構成するソフトウエアの更新などをアナウンスする情報である。リポジトリサーバ32からの通知又は、当部からリポジトリにアクセスして更新情報を取得する。この場合において、タスク実行要求生成部15は、更新情報に応じてタスク実行要求を生成する。
【0037】
タスク保持部14は、アダプタ装置13に接続予定のネットワーク機器11の設定情報を予め保持し、タスク実行要求生成部15は、その設定情報に基づいてタスク実行要求を生成しても良い。
【0038】
送信部23は、サーバ装置12において、アダプタ装置13からの通知を所定の通信方式にて他のサーバへ送信する。「他のサーバ」とは、
図2及び
図3における統合管理サーバが該当し、サーバ装置12よりも更に上位の統合管理環境を提供するサーバを指す。
【0039】
受信部24は、サーバ装置12において、他のサーバから生成されたタスク実行要求を所定の通信方式にて受信する。「所定の通信方式」は種々の方式やプロトコルが採用できるが、MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)を採用すると、HTTP等よりも単純で軽量であり、ネットワークに対する負荷も小さく、結果として省電力を見込むことができるため望ましい。
【0040】
タスク受付部22は、ネットワーク機器11において実行するタスクを受け付ける。サーバ装置12に接続された端末(ネットワーク機器11を含む)により実行するタスクを選択あるいは入力により受け付ける。タスクを受け付けると、タスク実行要求生成部15は、受け付けたタスクのタスク実行要求を生成する。
【0041】
[動作の説明]
図4は第1の実施形態の管理システム10の基本的な動作の一例を示すためのフローチャートである。この図にあるように、まずネットワーク機器11において機器の状態が取得され(ステップS41)、インタフェースを介してネットワーク機器11の状態を取得する(ステップS42)。次に取得されたネットワーク機器の状態が変化しているか否かを判断する(ステップS43)。この判断はアダプタ装置13側で実行されるが、ネットワーク機器11側で行われても良い。
【0042】
ステップS41とステップS42間の双方向矢印は、アダプタ装置13側から状態取得のトリガが発せられるか、もしくはネットワーク機器11側からの状態がプッシュされるか、両方の態様が含まれることを示している。いずれにしても機器の状態取得のタイミングは状態の所定時間間隔でも良いし、ネットワーク機器11の状態が変化したタイミングでも良い。
【0043】
ネットワーク機器11の状態が変化していない場合(ステップS43、N)には処理は最初に戻る。ネットワーク機器11の状態が変化している場合には、取得したネットワーク機器11の状態をサーバ装置12へ通知する(ステップS44)。なお、片方向の矢印は処理の主体がサーバ装置12へ移行することを示している(以下同様)。
【0044】
通知の後、サーバ装置12において、ネットワーク機器11の状態に応じてタスク実行要求を生成する(ステップS45)。再びアダプタ装置13においてタスク実行要求を取得する(ステップS46)。次に、取得されたタスクの実行を要求する(ステップS47)。タスクの実行要求はインタフェースを介してネットワーク機器11に送られ、ネットワーク機器11においてタスクが実行される(ステップS48)。
【0045】
[ハードウエア構成]
本実施形態の管理システム10を構成するネットワーク機器11、サーバ装置12、アダプタ装置13は、情報処理装置(コンピュータ)により構成可能であり、
図5に例示する構成を備える。例えば、ネットワーク機器11、サーバ装置12、アダプタ装置13は、内部バス55により相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)51、メモリ52、入出力インタフェース53及び通信手段であるNIC(Network Interface Card)54等を備える。
【0046】
但し、
図5に示す構成は、ネットワーク機器11、サーバ装置12、アダプタ装置13のハードウエア構成を限定する趣旨ではない。ネットワーク機器11、サーバ装置12、アダプタ装置13は、図示しないハードウエアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インタフェース53を備えていなくともよい。また、管理システム10に含まれるCPU等の数も
図5の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のCPUが管理システム10に含まれていてもよい。またNIC54に関しても2以上のNICが管理システム10に含まれていてもよい。
【0047】
メモリ52は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0048】
入出力インタフェース53は、図示しない表示装置や入力装置のインタフェースとなる手段である。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、タッチパネル、キーボードやマウス等のユーザ操作を受付ける装置である。
【0049】
ネットワーク機器11においては、入出力インタフェース53及びNIC54に、例えばプロトコル変換器等のハードウエアインタフェースが装着されても良い。また、メモリ52内にソフトウエアモジュールとして実現されたインタフェースが導入されて、CPU51にて動作する態様であっても良い。
【0050】
ネットワーク機器11、サーバ装置12、アダプタ装置13の機能は、メモリ52に格納されたタスク実行要求生成プログラム、接続プログラム、監視プログラム、通知プログラム、タスク実行要求取得プログラム、タスク実行プログラム等といったプログラム群(処理モジュール)と、メモリ52に保持されている、ネットワーク機器11の種別及び状態に関連付けられたタスクリスト等のデータ群により実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ52に格納された各プログラムをCPU51が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。更に、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能を何らかのハードウエア、及び/又は、ソフトウエアで実行する手段があればよい。
【0051】
なお、これらプログラム等の一部また全てを処理モジュールとしてパッケージ化して既存の管理システム10を構成する装置に導入(アドオン)することで、上記実施形態の機能を有する管理システム10を実現する態様であっても良い。
【0052】
[ハードウエアの動作]
管理システム10は動作を開始すると、まずアダプタ装置13において、監視プログラム検出プログラムがメモリ52から呼び出され、CPU51により実行状態とされる。同プログラムは、例えばネットワーク機器11に対して信号を送信し、状態の取得を要求する。それに応じてネットワーク機器11では状態が取得され、NIC54等を介してアダプタ装置13に状態情報が送られる。次にアダプタ装置13において通知プログラムがメモリ52から呼び出され、CPU51により実行状態となる。同プログラムは取得したネットワーク機器11の状態を、NIC54等を介してサーバ装置12に通知する。
【0053】
サーバ装置12においてメモリ52からタスク実行要求生成プログラムが呼び出され、CPU51において実行状態となる。同プログラムは、アダプタ装置13から通知されたネットワーク機器11の状態情報を参照し、ネットワーク機器11の種別を特定し、その上でメモリ52に保持されているタスクリストからネットワーク機器の種別及び状態から実行すべきタスクを特定し、タスク実行要求データを生成する。
【0054】
次にアダプタ装置13においてタスク実行要求取得プログラムがメモリ52から呼び出され、CPU51にて実行状態となる。同プログラムはNIC54等を介してタスク実行要求を取得し、メモリ52に一時的に保存する。次にタスク実行プログラムがメモリ52から呼び出され、CPU51にて実行状態となる。同プログラムは、タスク実行要求データを参照し、ネットワーク機器11に対してタスクの実行を要求する。具体的には、実行すべきスクリプトなどの情報を実行可能な形式でネットワーク機器11に送信し、ネットワーク機器11においてこれを実行する。
【0055】
[効果の説明]
上記第1の実施形態に係る管理システム10により、ネットワーク機器11にインタフェースを提供する接続部16によって、より多くのネットワーク機器を接続することが可能であり、より多種のネットワーク機器を遠隔管理の対象とすることが可能である。またLAN内に配置されたアダプタ装置13においてネットワーク機器11を監視して状態を取得し、状態に応じて通知を行うことで、従来の管理サーバによる管理目的のネットワークトラフィックを低減することが可能である。
【0056】
[実施例]
[構成]
図6は実施例に係る管理システムの構成の一例を示す図である。本発明の実施例の構成は
図6に示されるように、インテグレーションサーバ100(第1の実施形態におけるサーバ装置12に該当)とリポジトリマネージャ300(第1の実施形態におけるリポジトリサーバ32に該当)とゲートウエイサーバ400(第1の実施形態におけるアダプタ装置13に該当)で構成される。これらはそれぞれの通信部201、通信部301、通信部402を介してネットワークで接続されている。
【0057】
インテグレーションサーバ100は、コントロール部200、通信部201、管理画面生成部101、トリガ102、ワークフロー103、MQTT I/F変換部104、記憶部105で構成され、記憶部105は装置情報テーブル106、タスク実行テーブル107、ゲートウエイサーバ管理テーブル108、通知先テーブル109を有している。
【0058】
リポジトリマネージャ300は、通信部301、コントロール部302、更新プログラムA303、更新プログラムB304で構成される。ゲートウエイサーバ400はコントロール部401、通信部402、アダプタA403、アダプタB404で構成され、アダプタA403は装置A405と装置AのI/Fで接続されており、アダプタB404は装置B-1 406と装置B-2 407と装置BのI/Fでそれぞれ接続されている。
【0059】
管理者500は管理者端末501を介し、インテグレーションサーバ100の管理画面生成部101にアクセスする。
【0060】
図7はインテグレーションサーバ100が使用する装置情報テーブルを示しており、装置情報テーブルはゲートウエイサーバ400のアダプタA403、アダプタB404が管理する装置と装置の状態を管理するために使用する。装置情報テーブルには装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407を管理しているゲートウエイサーバ400のID、アダプタA403、アダプタB404が装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407に接続するための情報、装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407の状態が記録されている。インテグレーションサーバ100はゲートウエイサーバ400に装置情報テーブルの情報を通知し、ゲートウエイサーバ400のコントロール部401はアダプタA403、アダプタB404に装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407への接続を指示する。アダプタA403、アダプタB404は装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407の状態をコントロール部401と通信部402を介してインテグレーションサーバ100に通知する。
【0061】
インテグレーションサーバ100は装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407の状態を装置情報テーブルに記録する。管理者500は管理者端末501を介し、管理画面生成部101もしくは管理画面生成部601にアクセスして装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407の状態を確認することができる。
【0062】
図8はインテグレーションサーバ100が使用するタスク実行テーブル107を示しており、ゲートウエイサーバ400のアダプタA403、アダプタB404が障害検知もしくはプログラム更新時に装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407で実行するタスクとその実行結果を管理するために使用する。障害検知の場合、アダプタA403、アダプタB404は装置IDとタスク分類をキーにコントロール部401と通信部402を介してインテグレーションサーバ100のタスク実行テーブル107から障害検知時に実行するタスクを取得し、装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407に実行を指示する。タスクは登録時にインテグレーションサーバ100からゲートウエイサーバ400に通知し、ゲートウエイサーバ400のコントロール部401に記憶しておいてもよい。プログラム更新の場合、インテグレーションサーバ100はタスク登録時にゲートウエイサーバ400にタスクを通知し、ゲートウエイサーバ400はコントロール部401にタスクを記憶する。
【0063】
ゲートウエイサーバ400のコントロール部401はタスクの実行開始予定日時になるとアダプタA403、アダプタB404を介して装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407に実行を指示する。障害検知、プログラム更新どちらの場合もタスクの実行結果はIDをキーにアダプタA403、アダプタB404からコントロール部401と通信部402を介してインテグレーションサーバ100に通知される。インテグレーションサーバ100は装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407のタスク実行結果をタスク実行テーブル107に記録する。管理者500は管理者端末501を介し、管理画面生成部101もしくは管理画面生成部601にアクセスして装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407のタスクの実行結果を確認することができる。
【0064】
図9はインテグレーションサーバ100が使用するゲートウエイサーバ管理テーブルを示しており、インテグレーションサーバ100が管理するオフィス内(イントラネット)のゲートウエイサーバ400を管理するために使用する。ゲートウエイサーバ400はインテグレーションサーバ100に接続するときに接続トークンを送信する。インテグレーションサーバ100はゲートウエイサーバ管理テーブルに記憶された接続トークンとゲートウエイサーバ400から受信した接続トークンを照合し、一致する場合は接続を許可する。管理者500は管理者端末501を介し、管理画面生成部101もしくは管理画面生成部601にアクセスして顧客ごとにゲートウエイサーバ400の情報を登録する。
【0065】
図10はインテグレーションサーバ100が使用する通知先テーブルを示しており、管理者が管理している装置及び障害検知の場合や、プログラム更新の結果を管理者に通知するために使用する。インテグレーションサーバ100はゲートウエイサーバ400のアダプタA403、アダプタB404からタスク実行結果を受信したときに通知される装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407のIDをキーに通知先テーブルの管理装置にIDが登録されている通知先の電話番号、メールアドレス、メール通知、SMS通知を取得する。インテグレーションサーバ100はコントロール部200と通信部201を介して管理者500にメール及びSMSで装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407で実行したタスクの結果を通知する。
【0066】
NetMeister(登録商標)のような統合管理サービス(第1の実施形態における統合管理サーバ33に該当)とMQTT I/Fを使用して連携する構成は
図11に示されるように、インテグレーションサーバ100とリポジトリマネージャ300とゲートウエイサーバ400と統合管理サービス600で構成される。これらはそれぞれの通信部201、通信部301、通信部402、通信部603を介してネットワークで接続されている。統合管理サービス600は、コントロール部602、通信部603、管理画面生成部601で構成される。管理者500は管理者端末501を介し、統合管理サービス600の管理画面生成部601にアクセスする。
【0067】
[動作の説明]
1.障害検知
障害検出の動作を
図6と
図12を参照しながら説明する。
1-1. オフィス内(イントラネット)にあるゲートウエイサーバ400のアダプタA403が各装置に対してポーリングを行い、装置A405から応答が無かった場合、通信障害などの障害を検知し、インテグレーションサーバ100へ装置IDとタスク分類である障害を通知する。
1-2. インテグレーションサーバ100は、ゲートウエイサーバ400が検知した装置IDに関連付けられたタスクを、装置情報と障害内容に対応したタスク実行テーブルから検索し、実行すべきタスクを決定する。インテグレーションサーバ100は装置情報テーブルに登録されているゲートウエイサーバ400のIDとゲートウエイサーバ管理テーブル108に登録されているIDを照合し、装置に紐づくゲートウエイサーバ400を特定し、ゲートウエイサーバ400に対してタスク実行を指示する。
例えばタスク実行テーブルに装置A405の障害発生時のタスクとして再起動が設定されていれば、ゲートウエイサーバ400に対して再起動の実行を要求する。
1-3. ゲートウエイサーバ400は、インテグレーションサーバ100からの装置A405の再起動の要求を受信し、アダプタA403を介して装置A405に対して再起動を指示する。
1-4. ゲートウエイサーバ400は再起動の指示が成功すると、インテグレーションサーバ100に対して装置IDと再起動実行終了を通知する。
1-5. インテグレーションサーバ100は、タスク実行テーブル107を参照し、実行するタスクがすべて完了したことを確認すると、通知先テーブル109を参照し、装置IDに対応する通知先を取得し、管理者端末501にメールもしくはSMSでタスク完了の通知を行う。
1-6. 管理者500は装置A405の障害通知を参照し、管理者端末501からインテグレーションサーバ100へ対し、装置A405の障害の詳細を要求し、管理画面で障害内容を表示することができる。
1-7. ゲートウエイサーバ400のアダプタA403は装置A405に対しポーリングを行い、装置A405の再起動が完了すると、インテグレーションサーバ100へ通知する。
1-8. インテグレーションサーバ100は、装置A405の管理者を装置に紐づく通知先テーブル109から検索・決定し、再起動が完了した旨を管理者端末501へ通知する。
【0068】
2.プログラム更新
プログラム更新の動作を
図6と
図13を参照しながら説明する。
2-1. インテグレーションサーバ100はリポジトリマネージャ300に問い合わせ、リポジトリマネージャ300からプログラム/ファームなどを含む更新プログラムA 303、更新プログラムB 304があることを検知する。
2-2. インテグレーションサーバ100は、装置情報テーブルに登録してあるプログラム情報から更新があったプログラム/ファームを使用している装置を特定し、装置のプログラム/ファーム更新を実行するタスクをタスク情報テーブルへ追加する。インテグレーションサーバ100は、更新プログラムごとに適用後の装置再起動が必要か否かを判断し、再起動が必要な場合はタスク情報テーブルへ再起動タスクのレコードを追加する。インテグレーションサーバ100は、装置情報テーブルに登録されているゲートウエイサーバ400のIDとゲートウエイサーバ管理テーブルに登録されているIDを照合し、プログラム/ファーム更新を実行する装置に紐づくゲートウエイサーバ400を特定し、ゲートウエイサーバ400に対してタスク実行を指示する。
2-3. ゲートウエイサーバ400のコントロール部401はインテグレーションサーバ100から受信したタスクを1つずつアダプタA 403、アダプタB 404を介して対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407で実行する。
2-4. プログラム/ファーム更新後に再起動が必要な場合、ゲートウエイサーバ400のコントロール部401は装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407のタスクの実行が終わると、アダプタA 403、アダプタB 404を介して対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407で再起動のタスクを実行する。
2-5. ゲートウエイサーバ400のコントロール部401はアダプタA 403、アダプタB 404を介して再起動のタスクを実行した装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407に対して再接続するためにポーリングを行う。装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407は再起動が完了するとポーリングを受け入れ、再接続する。
2-6. ゲートウエイサーバ400のコントロール部401はタスクを実行した装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407に対してプログラム/ファームの更新が完了したことを確認するためにアダプタA 403、アダプタB 404を介して対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407のプログラム/ファームの版数を読み出す。ゲートウエイサーバ400のコントロール部401は装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407から読み出したプログラム/ファームの版数が更新するプログラム/ファームと一致しなかった場合、タスクが失敗したとみなし、アダプタA 403、アダプタB 404を介して対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407で再度タスクを実行する。
2-7. ゲートウエイサーバ400のコントロール部401は通信部402を介してインテグレーションサーバ100に対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407で実行したタスクの実行結果とタスクの実行後に対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407から読み出したプログラム/ファームの版数を送信する。
2-8. インテグレーションサーバ100は、IDをキーにタスク情報テーブルにタスクの実行結果として状態、最終実行日時を登録する。また、装置情報テーブルにIDをキーに状態、最終更新日時、プログラム情報を登録する。インテグレーションサーバ100は、装置情報テーブルのIDをキーに通知先テーブルの管理装置を検索し、タスクを実行した対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407の管理者にメールもしくはSMSでタスクの実行結果を送信する。
【0069】
3.接続予定装置の検出とタスク実行
接続予定装置の検出とタスク実行の動作を
図6と
図14を参照しながら説明する。
3-1. 管理者500は管理者端末501を使用して統合管理サービス600の管理画面生成部601もしくはインテグレーションサーバ100の管理画面生成部101にアクセスし、ゲートウエイサーバ400がインテグレーションサーバ100に接続するための情報をゲートウエイサーバ管理テーブルに登録する。
3-2. 管理者500は管理者端末501を使用して統合管理サービス600の管理画面生成部601もしくはインテグレーションサーバ100の管理画面生成部101にアクセスし、オフィス内(イントラネット)へ設置する予定の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407の接続先情報、アダプタ情報、接続アカウントを装置情報テーブルに登録する。
3-3. 管理者500は管理者端末501を使用して統合管理サービス600の管理画面生成部601もしくはインテグレーションサーバ100の管理画面生成部101にアクセスし、オフィス内(イントラネット)へ設置する予定の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407が起動後に実行するタスクの実行頻度、実行コマンド、実行順をタスク情報テーブルに登録する。
3-4. ゲートウエイサーバ400はインテグレーションサーバ100にアクセスし、接続トークンを送信する。インテグレーションサーバ100はゲートウエイサーバ400から受信した接続トークンとゲートウエイサーバ管理テーブル108に登録された接続トークンを照合し、一致する場合はゲートウエイサーバ400の接続を受け入れる。
3-5. インテグレーションサーバ100は装置情報テーブルでゲートウエイサーバIDをキーに対象のゲートウエイサーバ400に設置する装置情報をゲートウエイサーバ400に送信する。また、タスク情報テーブルで装置IDをキーにゲートウエイサーバ400に設置する装置が起動後に実行するタスク情報をゲートウエイサーバ400に送信する。
3-6. ゲートウエイサーバ400のコントロール部401は、インテグレーションサーバ100から受信した装置情報を元にゲートウエイサーバ400に設置する装置に対応するアダプタA 403、アダプタB 404を起動する。
3-7. ゲートウエイサーバ400のコントロール部401は、アダプタA 403、アダプタB 404が起動後にアダプタを介して装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407へのポーリングを開始する。装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407の電源がONになるとアダプタA 403、アダプタB 404と装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407の接続が確立する。
3-8. ゲートウエイサーバ400の通信部402とコントロール部401はインテグレーションサーバ100から受信したタスクの実行を対象のアダプタA 403、アダプタB 404に指示する。アダプタA 403、アダプタB 404は、通信部402とコントロール部401から指示されたタスクの実行を各装置のI/Fで対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407に指示する。装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407はアダプタA 403、アダプタB 404から指示されたタスクを1つずつ実行する。
3-9. アダプタA 403、アダプタB 404はタスクの実行を指示した装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407に対してプログラム/ファームの更新が完了したことを確認するために各装置のI/Fで対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407へプログラム/ファームの版数の読み出しを指示する。対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407はプログラム/ファームの版数を読み出し、対象のアダプタA 403、アダプタB 404に送信する。
3-10. アダプタA 403、アダプタB 404はコントロール部401と通信部402を介してインテグレーションサーバ100に対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407に実行を指示したタスクの実行結果とタスクの実行後に対象の装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407から読み出したプログラム/ファームの版数を送信する。
3-11. インテグレーションサーバ100は、IDをキーにタスク情報テーブルにタスクの実行結果として状態、最終実行日時を登録する。また、装置情報テーブルにIDをキーに状態、最終更新日時、プログラム情報を登録する。インテグレーションサーバ100は、装置情報テーブルのIDをキーに通知先テーブルの管理装置を検索し、装置A405、装置B-1 406、装置B-2 407の管理者にメールもしくはSMSで装置を検出した通知を送信する。
【0070】
4.MQTTへのプロトコル変換
MQTTへのプロトコル変換の動作を
図11と
図15を参照しながら説明する。
NetMeisterなどの統合管理サービス600が存在する場合、インテグレーションサーバ100のワークフロー103は、装置の管理や保守操作をMQTTプロトコルへ変換することにより、装置の管理作業を統合管理サービス600と連携することができる。
4-1. 統合管理サービス600のコントロール部602は、起動時にMQTTのブローカーとして常駐している。インテグレーションサーバ100のMQTT I/F変換部104は、統合管理サービス600との連携が有効である場合、統合管理サービス600へ接続を試みる。MQTT I/F変換部104は、情報を通知するためにPublisherとして統合管理サービス600のコントロール部602へ接続する。
4-2. インテグレーションサーバ100のMQTT I/F変換部104は、統合管理サービス600へ接続を行った際、装置に対応したtopicを装置情報テーブルの「MQTT topic」列から取得し、コントロール部602へSubscribe登録することにより、統合管理サービス600から装置に関連付けられたMQTTプロトコルの通知を受信することができるようになる。
4-3. 装置A405がゲートウエイサーバ400を介しインテグレーションサーバ100に対して障害情報を通知した場合(検出の仕組みは1-2と同様)、ゲートウエイサーバ400はインテグレーションサーバ100に対して障害通知を行う。
4-4. インテグレーションサーバ100のワークフロー103は通知先テーブルを参照し、MQTT I/F変換部104を介して統合管理サービス600へPublishイベントを通知する。このときPublishイベントには、装置ごとの障害情報判別のためのtopicとして“device/1/surveillance”が設定される。
4-5. 統合管理サービス600のコントロール部602は、イベントに応じた管理者500への障害情報の通知をメールもしくはSMSで行う。管理者500は、管理者端末501で統合管理サービス600の管理画面生成部601を表示し、装置A405で発生した障害イベントを確認する事ができる。
4-6. 管理者500が管理者端末501で、装置A405の再起動を統合管理サービス600で指示すると、統合管理サービス600から装置の再起動イベントを発報する。統合管理サービス600のコントロール部602は、インテグレーションサーバ100がSubscribeしたtopicである“device/1/maintenance”に再起動を指示するため、通信部603を介しMQTTパケットをインテグレーションサーバ100のMQTT I/F変換部104へ送信する。インテグレーションサーバ100はMQTT I/F変換部104でイベントを受信し、ワークフロー103で処理する。例えば管理者500が装置A405の再起動イベントを登録すると、統合管理サービス600は、topicが”device/1/maintenance”である再起動のMQTTパケットをインテグレーションサーバ100に対し送信する。インテグレーションサーバ100のコントロール部200は、MQTT I/F変換部104で受信したイベントに応じたワークフロー103を起動する。
4-7. ワークフロー103はtopicが“device/1/maintenance”である装置を、装置情報テーブルから検索し、対象となる装置を決定する。ワークフロー103は、再起動イベントに応じた装置A405へのタスク実行テーブルに再起動のタスクを登録し、ゲートウエイサーバ400へ装置A405の再起動を指示する。ゲートウエイサーバ400のアダプタA403は装置A405に再起動イベントを指示し、装置A405は再起動を行う。
4-8. 装置A405の再起動が完了すると、ゲートウエイサーバ400のアダプタA403は、ポーリングを行い装置A405の起動を検知する。ゲートウエイサーバ400はインテグレーションサーバ100へ装置A405の再起動完了を通知する。
4-9. インテグレーションサーバ100は装置A405の再起動完了を、MQTT I/F変換部104を介して統合管理サービス600へPublishイベントを通知する。このときPublishイベントには、装置ごとの障害情報判別のためのtopicとして“device/1/surveillance”が設定される。統合管理サービス600は、管理者500へのメールもしくはSMSで通知操作を行う。
4-10. 管理者500は管理者端末501で、統合管理サービス600の管理画面生成部601を表示し、再起動が完了した装置A405の起動状態を確認する事ができる。
【0071】
前述の実施形態の一部又は全部は、以下の各付記のようにも記載することができる。しかしながら、以下の各付記は、あくまでも、本発明の単なる例示に過ぎず、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。
[付記1]
上述の第一の視点に係る管理システムのとおりである。
[付記2]
ネットワーク機器と、アダプタ装置とは、同一の構内ネットワークに配置され、サーバ装置はインターネットを経由してアクセス可能なクラウド上に配置される、好ましくは付記1の管理システム。
[付記3]
ネットワーク機器に関する情報を保持するリポジトリの更新情報を取得するリポジトリ更新情報取得部と、を更に有し、タスク実行要求生成部は、前記更新情報に応じてタスク実行要求を生成する、サーバ装置を含む、好ましくは付記1の管理システム。
[付記4]
タスク保持部は、アダプタ装置に接続予定のネットワーク機器の設定情報を保持し、タスク実行要求生成部は、設定情報に基づいてタスク実行要求を生成する、サーバ装置と、監視部は、接続予定のネットワーク機器の接続を監視し、タスク実行部は、ネットワーク機器の接続に応じて実行要求にかかるタスクを実行させる、アダプタ装置と、を含む、好ましくは付記1の管理システム。
[付記5]
アダプタ装置からの通知を所定の通信方式にて他のサーバへ送信する送信部と、他のサーバから生成されたタスク実行要求を所定の通信方式にて受信する受信部と、を更に有するサーバ装置を含む、好ましくは付記1の管理システム。
[付記6]
所定の通信方式は、MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)による通信方式である、好ましくは付記5の管理システム。
[付記7]
ネットワーク機器において実行するタスクを受け付けるタスク受付部、を更に有し、タスク実行要求生成部は、受け付けたタスクのタスク実行要求を生成する、サーバ装置を含む、好ましくは付記1の管理システム。
[付記8]
上述の第二の視点に係るアダプタ装置のとおりである。
[付記9]
上述の第三の視点に係る管理方法のとおりである。
[付記10]
上述の第四の視点に係るプログラムのとおりである。
なお、付記7乃至付記9は、付記1と同様に、付記2~付記7に展開することが可能である。
【0072】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲を含む)の枠内において、更にその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲を含む全開示、技術的思想に従って当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0073】
10:管理システム
11:ネットワーク機器
12:サーバ装置
13:アダプタ装置
14:タスク保持部
15:タスク実行要求生成部
16:接続部
17:監視部
18:通知部
19:タスク実行要求取得部
20:タスク実行部
21:リポジトリ更新情報取得部
22:タスク受付部
23:送信部
24:受信部
32:リポジトリサーバ
33:統合管理サーバ
51:CPU
52:メモリ
53:入出力インタフェース
55:内部バス
100:インテグレーションサーバ
101:管理画面生成部
102:トリガ
103:ワークフロー
104:MQTT I/F変換部
105:記憶部
106:装置情報テーブル
107:タスク実行テーブル
108:ゲートウエイサーバ管理テーブル
109:通知先テーブル
200:コントロール部
201:通信部
300:リポジトリマネージャ
301:通信部
302:コントロール部
303:更新プログラムA
304:更新プログラムB
400:ゲートウエイサーバ
401:コントロール部
402:通信部
403:アダプタ
404:アダプタ
405:装置A
406:装置B-1
407:装置B-2
500:管理者
501:管理者端末
600:統合管理サービス
601:管理画面生成部
602:コントロール部
603:通信部
【要約】
【課題】LANに配置された管理対象のネットワーク機器と、外部ネットワークに配置された管理サーバ等との間で高度な接続性を提供し、かつネットワークに対する負荷が小さい、管理システム等の提供。
【解決手段】ネットワーク機器と、ネットワーク機器の種別及び状態毎に実行すべきタスクを保持するタスク保持部と、ネットワーク機器の状態に応じてタスク保持部からタスク実行要求を生成するタスク実行要求生成部と、を有するサーバ装置と、ネットワーク機器に接続するためのインタフェースを提供する接続部と、ネットワーク機器の状態を、接続部を介して取得し監視する監視部と、状態をサーバ装置に通知する通知部と、サーバ装置からタスク実行要求を取得するタスク実行要求取得部と、タスク実行要求に応じて、接続部を介してネットワーク機器に実行要求にかかるタスクを実行させるタスク実行部と、を有するアダプタ装置と、を含む管理システム等を提供する。
【選択図】
図1