IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社バイオセラーの特許一覧

<>
  • 特許-廃棄物処理装置 図1
  • 特許-廃棄物処理装置 図2
  • 特許-廃棄物処理装置 図3
  • 特許-廃棄物処理装置 図4
  • 特許-廃棄物処理装置 図5
  • 特許-廃棄物処理装置 図6
  • 特許-廃棄物処理装置 図7
  • 特許-廃棄物処理装置 図8
  • 特許-廃棄物処理装置 図9
  • 特許-廃棄物処理装置 図10
  • 特許-廃棄物処理装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】廃棄物処理装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/60 20220101AFI20231108BHJP
   B09B 3/40 20220101ALI20231108BHJP
   B09B 101/70 20220101ALN20231108BHJP
【FI】
B09B3/60
B09B3/40
B09B101:70
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023112435
(22)【出願日】2023-07-07
【審査請求日】2023-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521526041
【氏名又は名称】株式会社バイオセラー
(74)【代理人】
【識別番号】110000615
【氏名又は名称】弁理士法人Vesta国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梁 栄宝
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3142654(JP,U)
【文献】特開2009-274029(JP,A)
【文献】特開2005-103379(JP,A)
【文献】特開平04-040278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B1/00-5/00
B09C1/00-1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を微生物により分解処理するまたは乾燥により減容処理する処理槽と、
前記処理槽からの排気を大気に放出する排気部と、
前記処理槽からの排気が前記排気部へ連通する排気通路に設けられ、前記処理槽からの排気流により閉鎖空間内を動く衝突体によって前記処理槽からの排気に含まれる粉塵を落下させ、前記粉塵の通過を阻止する阻止部と
を具備することを特徴とする廃棄物処理装置。
【請求項2】
前記阻止部は、前記処理槽の上側に設けた排気口を覆い、前記排気に含まれる粉塵を落下させ前記排気口から前記処理槽に戻すことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理装置。
【請求項3】
前記阻止部は、前記粉塵を濾過する濾過フィルタを有することを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理装置。
【請求項4】
前記阻止部は、前記粉塵を濾過する袋状の濾布内に前記衝突体を収容し、前記処理槽からの排気を前記袋状の濾布の内面側から外面側に通過させることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理装置。
【請求項5】
前記衝突体は、球体状であることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理装置。
【請求項6】
前記衝突体は、間隙空間を有することを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理装置。
【請求項7】
廃棄物を微生物により分解処理するまたは乾燥により減容処理する処理槽と、
前記処理槽からの排気を大気に放出する排気部と、
前記処理槽からの排気が前記排気部へ連通する排気通路に設けられ、前記処理槽からの排気を内面側から外面側に通過させる濾過フィルタによって前記処理槽からの排気に含まれる粉塵の通過を阻止し、前記濾過フィルタが前記粉塵の通過を阻止する鉛直下向きの内面を有する阻止部と
を具備し
前記阻止部は、前記濾過フィルタとしての袋状の濾布が前記処理槽の上側に設けた排気口に被せられ、前記排気に含まれる粉塵を落下させ前記排気口から前記処理槽に戻すことを特徴とする廃棄物処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ゴミ等の食品廃棄物や家畜排泄物等の有機性廃棄物を微生物により発酵分解処理または乾燥により減容・減量化する廃棄物処理装置に関し、特に、メンテナンスの負荷を軽減できる廃棄物処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷軽減の観点から、生ごみ等の食品廃棄物等の焼却量を減少させて二酸化炭素の排出を減らす努力がなされており、特に、最近では、燃料費や収集運搬費の高騰で食品廃棄物を産業廃棄物として処理するコストも増大していることから、食品廃棄物等を再利用すること、例えば、食品廃棄物等を微生物によって発酵させて分解処理し、分解処理後の残渣を堆肥や土壌活性剤等として活用すること、即ち、食品廃棄物等の分解処理残渣を循環資源としてリサイクルすることに強い関心が寄せられている。
【0003】
そこで、従来、生ごみ等の食品廃棄物や畜糞等の廃棄物を微生物によって発酵させて分解処理し堆肥化するコンポスト装置(コンポスタ)が知られている。このコンポスト装置は、一般的には、微生物を使って廃棄物中の有機物を発酵分解する発酵装置と発酵装置での発酵によって発生する排ガスを脱臭する脱臭装置とを備えており、発酵装置で生じた排ガスが脱臭装置に送付されそこで脱臭されてから大気中に放出されるようになっている。
ここで、微生物を用いて生ごみ等の食品廃棄物や畜糞等の廃棄物を発酵させて分解処理するコンポスト装置において、廃棄物の発酵、分解を促進するために、廃棄物が投入された発酵槽内に空気を圧送することが行われている。
【0004】
ところが、発酵槽内に空気を圧送すると、発酵槽内で廃棄物の攪拌を行っていることと相俟って、廃棄物の発酵分解や乾燥が促進されることで、また、発酵槽内で廃棄物に空気が吹き付けられることで、発酵槽内において発酵分解処理されている廃棄物の粉塵が舞い上がりやすくなる。特に、分解処理する廃棄物の内容や水分量等の制御は困難であることから、内容や水分量が変動する廃棄物に対し発酵不良(分解処理不良)や臭気を生じさせないために空気を過剰に圧送し、発酵や乾燥を促す傾向にあり、粉塵を生じさせやすい。 このため、発酵槽から粉塵が飛散し排気に粉塵が含まれやすくなり、それが、直接、脱臭装置に送り込まれると、例えば、活性炭等を用いた脱臭装置ではそこに負荷がかかり、脱臭装置の運転に悪影響を及ぼし、脱臭効率を低下させることになる。
そこで、従来、発酵槽からの排気を脱臭装置に送る途中に集塵装置を設けることが行われている。例えば、特許文献1では、発酵槽からの排ガスを脱臭装置に送る排ガス通路の途中に設ける集塵装置としてサイクロン型集塵装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-106587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように集塵装置としてサイクロン型のものは良好な集塵効率を得るための排気吸気のバランス調整が難しく、装置が複雑化し、設備投資にコストが掛かる。しかも、集塵装置に導入された排ガスを熱交換器で冷却する場合には、排ガスが熱交換器によって結露し、結露した水を、排ガスに含まれていた粉塵と共に回収するから、その回収された粉塵及び廃水を外部に排水するための排水処理や泥状物の除去処理を要することになり、より手間がかかりコスト高となる。
【0007】
一方、低コストの集塵装置として濾過式のバグフィルタ、例えば、円筒型のプリーツ型フィルタを設けることによりそのフィルタで粉塵を集塵する方法もある。しかしながら、外側から内側へ通気を行う円筒型のプリーツフィルタで集塵を行う場合、フィルタが目詰まりしやすく、集塵力が落ちやすいことで、頻繁にフィルタに付いた粉塵を落とす重労働の清掃を行ったり、フィルタを交換したりする必要があることから、メンテナンスに大きな手間とコストを要する。
【0008】
そこで、本発明は、メンテナンスの負担を軽減できる廃棄物処理装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明の廃棄物処理装置は、廃棄物を微生物により分解処理するまたは乾燥により減容・減量処理する処理槽と、前記処理槽からの排気を大気に放出する排気部と、前記処理槽からの排気が前記排気部へ連通する排気通路に設けられ、所定容積の閉鎖空間を形成し、当該閉鎖空間に前記処理槽からの排気流により前記閉鎖空間内を動く衝突体を収容し、前記処理槽からの排気に含まれる粉塵を前記衝突体によって落下させ前記粉塵の通過を阻止する阻止部とを具備するものである。
【0010】
上記処理槽は、廃棄物が収容され、収容された廃棄物の発酵分解処理が行われる容器(発酵槽)または収容された廃棄物の温風乾燥が行われる容器であり、通常、給気口及び排気口を有し、廃棄物の処理中は通気される。
上記排気部は、処理槽から排出された空気(排気ガス)を大気中に排出する箇所であり、通常、脱臭装置に設けられまたは接続され、処理槽からの排気に含まれている臭気成分が脱臭装置により除去され、処理槽からの排気が脱臭されて大気中に放出される。
【0011】
上記阻止部は、処理槽からの排気が排気部へ連通する排気通路に設けられ、所定容積の閉鎖空間内に収容されて処理槽からの排気流によって閉鎖空間内を動く衝突体を有するものであり、処理槽から排気部への通気を許容するも、処理槽からの排気中の粉塵を衝突体により落下させ、粉塵の通過を阻止するものである。
上記衝突体は、通常、複数個が阻止部の閉鎖空間内に収容され、処理槽からの排気流によって阻止部の閉鎖空間内を動きまわることができるものであればよく、通常、阻止部の閉鎖空間内を動きまわることで、処理槽からの排気に含まれた粉塵と衝突して粉塵を落下させたり、閉鎖空間を形成する内面に衝突して粉塵との接触や衝突の振動によりその内面に付着していた粉塵を落下させたりするものである。
なお、上記閉鎖空間とは、衝突体が外に出ないよう閉じられていればよく、衝突体が外に出ない程度の開口(通気口)は許容される。
【0012】
請求項2の発明の廃棄物処理装置の前記阻止部は、前記処理槽の上側に設けた排気口を覆い、前記排気に含まれる前記粉塵を落下させ前記排気口から前記処理槽に戻すものである。
上記阻止部の前記排気に含まれる粉塵を落下させ前記排気口から前記処理槽に戻すとは、例えば、処理槽の排気口が処理槽の上面部に設けられている場合には、処理槽の排気口から上昇した排気が処理槽の排気口を覆った阻止部に流入するも、阻止部において排気中に含まれる粉塵の通過が阻止されることにより上方から下方に落下して、処理槽の上面部の排気口から処理槽に戻されるものであり、処理槽の排気口が処理槽の一側面部に設けられている場合には、阻止部においてその下側に処理槽の排気口に向かって下方に傾斜する斜面部を設けることで、処理槽の排気口を覆った阻止部に流入するも、阻止部において排気中に含まれる粉塵の通過が阻止されることにより落下して、処理槽の側面部の排気口に向かって下方に傾斜する斜面部により粉塵が排気口に向かって案内され排気口から処理槽に戻されるものである
なお、上記処理槽の上側とは、処理槽の上面側であってもよいし左右の側面側であってもよく、前記阻止部は処理槽の上面部側に設置されてもよいし、処理槽の側面部側の上方に設置されてもよい。
【0013】
請求項3の発明の廃棄物処理装置の前記阻止部は、前記粉塵を濾過する濾過フィルタを有するものである。
上記濾過フィルタとしては、粉塵の除去率を上げ、通常、下流側(排気部側)に設けられる脱臭装置の負荷を軽減できるものであればよく、例えば、木綿、羊毛、天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、金属等の材質のものが使用される。
【0014】
請求項4の発明の廃棄物処理装置の前記阻止部は、前記粉塵を濾過する袋状の濾布を有し、前記閉鎖空間を形成する前記袋状の濾布の袋内に前記衝突体が収容され、前記処理槽からの排気が前記袋状の濾布の内面側から外面側に通気するものである。
上記濾布としては、粉塵の除去率を上げ、通常、下流側の排気部側に設けられる脱臭装置の負荷を軽減できるものであればよく、織布であってもよいし、不織布であってもよい。
【0015】
請求項5の発明の廃棄物処理装置の前記衝突体は、球体状であるものである。
上記球体状とは、衝突体の全体形状が略球体状であればよく、略真円球体状であってもよいし、略楕円体状であってもよく、全体が球面状であることまでは要求されず、外面の一部が平面状であってもよい。
【0016】
請求項6の発明の廃棄物処理装置の前記衝突体は、間隙空間を有するものである。
上記衝突体が間隙空間を有するとは、通気が許容されていることを意味し、例えば、網目構造であったり、多孔構造であったり、格子状であったりする。
【0017】
請求項7の発明の廃棄物処理装置は、廃棄物を微生物により分解処理するまたは乾燥により減容・減量処理する処理槽と、前記処理槽からの排気を大気に放出する排気部と、前記処理槽からの排気が前記排気部へ連通する排気通路に設けられ、前記処理槽からの排気を内面側から外面側に通気させる濾過フィルタにより前記処理槽からの排気に含まれる粉塵の通過を阻止し、前記濾過フィルタが前記粉塵の通過を阻止する鉛直下向きの内面を有する阻止部とを具備するものである。
【0018】
上記処理槽は、廃棄物が収容され、収容された廃棄物の発酵分解処理が行われる容器(発酵槽)または収容された廃棄物の温風乾燥が行われる容器であり、通常、給気口及び排気口を有し、廃棄物の処理中は通気される。
上記排気部は、処理槽から排出された空気(排気ガス)を大気中に排出する箇所であり、通常、脱臭装置に設けられまたは接続され、処理槽からの排気に含まれている臭気成分が脱臭装置により除去され、処理槽からの排気が脱臭されて大気中に放出される。
【0019】
上記阻止部は、処理槽からの排気が排気部へ連通する排気通路に設けられ、処理槽からの排気を内面側から外面側に通過させる濾過フィルタを有するものであり、処理槽から排気部への通気を許容するも、濾過フィルタの濾過により排気中の粉塵の通過を阻止するものであり、前記濾過フィルタが前記粉塵の通過を阻止する鉛直方向で下向きの内面を有するものである。
【0020】
請求項の発明の廃棄物処理装置の前記阻止部は、前記濾過フィルタとしての袋状の濾布が前記処理槽の上側に設けた排気口に被せられ、前記袋状の濾布の袋内に流入した前記排気に含まれる粉塵を落下させ前記排気口から前記処理槽に戻すものである。
上記阻止部の前記排気に含まれる粉塵を落下させ前記排気口から前記処理槽に戻すとは、例えば、処理槽の排気口が処理槽の上面部に設けられている場合には、袋状の濾布をその開口側を下向きにして排気口に被せることで、処理槽の排気口から上昇した排気が処理槽の排気口に被せられた袋状の濾布の袋内に流入するも、袋状の濾布の鉛直下向きの内面により排気中に含まれる粉塵の通過が阻止され上方から下方に落下して、処理槽の上面部の排気口から処理槽に戻されるものであり、処理槽の排気口が処理槽の側面部に設けられている場合には、袋状の濾布においてその下側に処理槽の排気口に向かって下方に傾斜する斜面部を設けることで、処理槽の排気口に被せた袋状の濾布の袋内に流入するも袋状の濾布の鉛直下向きの内面により排気中に含まれる粉塵の通過が阻止され自重により落下して、処理槽の側面部の排気口に向かって下方に傾斜する斜面部により粉塵が排気口に向かって案内され排気口から処理槽に戻されるものである。
なお、上記処理槽の上側とは、処理槽の上面側であってもよいし、左右の側面側であってもよく、袋状の濾布は処理槽の上面側に設けてもよいし、処理槽の側面側の上方に設けてもよい。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明の廃棄物処理装置によれば、廃棄物を微生物により分解処理するまたは乾燥により減容処理する処理槽と前記処理槽からの排気を大気に放出する排気部とを連通する排気通路に、前記処理槽からの排気に含まれる粉塵の通過を阻止する阻止部が設けられ、前記阻止部は、前記処理槽からの排気流により動く衝突体を閉鎖空間に収容し、前記排気流により前記閉鎖空間内を動く前記衝突体によって前記粉塵を落下させる。
即ち、阻止部の閉鎖空間内に収容されて処理槽からの排気流によって閉鎖空間内を動く衝突体を処理槽からの排気中に浮遊する粉塵に衝突させることで粉塵を落下させたり、また、衝突体を収容する所定容積の閉鎖空間を形成した内面に衝突体を衝突させることでそこに付着している粉塵を落下させたりする。
よって、処理槽からの排気に含まれている粉塵を、阻止部の衝突体により落下させることから、落下させた粉塵を処理槽に戻したり、或いは、落下地点で回収したりすることが可能となる。したがって、フィルタに集塵させないから、或いは、阻止部にフィルタを設けてもそのフィルタに粉塵を集積させ難いから、メンテナンスの負担を軽減できる。
【0022】
請求項2の発明の廃棄物処理装置によれば、前記阻止部は、前記処理槽の上側に設けた排気口を覆い、前記排気に含まれる粉塵を落下させ前記排気口から前記処理槽に戻すことから、請求項1に記載の効果に加えて、別途、落下させた粉塵の回収作業を要さないものである。
【0023】
請求項3の発明の廃棄物処理装置によれば、前記阻止部は、前記粉塵を濾過する濾過フィルタを有するから、請求項1に記載の効果に加えて、粉塵の除去率を上げ、下流側に設けられる脱臭装置の負荷を軽減することが可能となる。
【0024】
請求項4の発明の廃棄物処理装置によれば、前記阻止部は、前記粉塵を濾過する袋状の濾布を有し、前記処理槽からの排気が前記袋状の濾布の内面側から外面側に通気し、前記袋状の濾布の袋内に前記衝突体が収容されるから、請求項1に記載の効果に加えて、粉塵の除去率を上げ、下流側に設けられる脱臭装置の負荷を軽減することが可能となる。
【0025】
請求項5の発明の廃棄物処理装置によれば、前記衝突体は球体状であることから、処理槽からの排気流で阻止部の閉鎖空間内を動き回りやすいものである。よって、請求項1に記載の効果に加えて、粉塵を落下させる効果を高くできる。
【0026】
請求項6の発明の廃棄物処理装置によれば、前記衝突体は間隙空間を有するから、軽量で空気の流通を許容できる構造であることで、処理槽からの排気流で阻止部の閉鎖空間内を動き回りやすいものである。よって、請求項1に記載の効果に加えて、粉塵を落下させる効果を高くできる。
【0027】
請求項7の発明の廃棄物処理装置によれば、廃棄物を微生物により分解処理するまたは乾燥により減容処理する処理槽と処理槽からの排気を大気に放出する排気部とを連通する排気通路に、前記処理槽からの排気に含まれる粉塵の通過を阻止する阻止部が設けられ、前記阻止部は、濾過フィルタを有し、前記濾過フィルタの内面側から外面側に通気させ、前記濾過フィルタが前記粉塵の通過を阻止する鉛直下向きの内面を有する。
したがって、濾過フィルタの鉛直下向きの内面により上昇する排気中の粉塵を阻止するから、粉塵を自重により落下させることが可能であり、濾過フィルタに粉塵を集積させ難い。よって、メンテナンスの負担を軽減できる。
【0028】
請求項の発明の廃棄物処理装置によれば、前記阻止部は、前記濾過フィルタとしての袋状の濾布が前記処理槽の上側に設けた排気口に被せられ、前記排気に含まれる粉塵を落下させ前記排気口から前記処理槽に戻す。即ち、処理槽の排気口からの排気が処理槽の排気口に被せられた袋状の濾布の袋内に流入するも、排気中に含まれる粉塵は袋状の濾布の内面側から外面側への通過が阻止されることにより袋内を落下して、排気口から処理槽に戻される。よって、別途、落下させた粉塵の回収作業を要さないものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理装置を一側面側から見て説明する概略構成図である。
図2図2は本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理装置を別の一側面側から見て説明する概略構成図である。
図3図3は本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理装置の阻止部の構成を説明する概略構成図である。
図4図4(a)は本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理装置の発酵槽から排気が行われている状態の阻止部を説明する説明図であり、図4(b)は本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理装置の発酵槽からの排気が休止している状態の阻止部を説明する説明図である。
図5図5は本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理装置の阻止部を説明する斜視透視図である。
図6図6は本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理装置の阻止部の袋状の濾布の別の例を説明する斜視透視図である。
図7図7(a)は本発明の実施の形態1の変形例1に係る廃棄物処理装置の阻止部を説明する概略構成図であり、図7(b)は本発明の実施の形態1の変形例2に係る廃棄物処理装置の阻止部を説明する概略構成図である。
図8図8は本発明の実施の形態1の変形例3に係る廃棄物処理装置を説明する概略構成図である。
図9図9は本発明の実施の形態1の変形例4に係る廃棄物処理装置を説明する概略構成図である。
図10図10は本発明の実施の形態2に係る廃棄物処理装置の阻止部を説明する概略構成図である。
図11図11は本発明の実施の形態2に係る廃棄物処理装置の阻止部の袋状の濾布を加振する状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、各実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は同一または相当する機能部分を意味し、各実施の形態相互の同一の記号及び同一の符号は、それら実施の形態に共通する機能部分であるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
【0031】
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1に係る廃棄物処理装置1について、図1乃至図5を参照して説明する。本発明の実施の形態1は、本発明の廃棄物処理装置をバイオ式コンポスタに適用した場合を例示するものである。即ち、本実施の形態1に係る廃棄物処理装置1は、微生物の働きにより、有機性廃棄物を水と炭酸ガスと無機物に分解し、減量・減容化を図るバイオ式のコンポスト装置に適用したものである。
【0032】
図1及び図2に示すように、本実施の形態1の廃棄物処理装置1は、廃棄物を微生物により発酵し分解処理する処理槽としての発酵槽10と、発酵槽10からの排気を大気に放出する排気部71と、発酵槽10からの排気が排気部71へ連通する排気通路に設けられ、濾過フィルタとしての袋状の濾布(濾布袋)52によってボール状の衝突体53を収容する所定容積の閉鎖空間55を形成し、発酵槽10からの排気に含まれる粉塵の通過を阻止する阻止部50とを有する。
【0033】
図1及び図2に示すように、発酵槽10は、例えば、工場や店舗等で発生する生ゴミ(例えば、野菜、果実、水産物、食肉、米類、麦類、おから、豆腐、茶粕、酒粕や味醂粕等の醸造副産物、果実・野菜等の搾汁、天かす、加工食品)等の食品廃棄物、畜糞尿(例えば、牛糞尿、豚糞尿、鶏糞尿、馬糞尿)等の家畜排泄物、汚泥(浄化槽)等の有機性廃棄物(以下、単に、「廃棄物」という)が、廃棄物処理装置1の上方に設けられた投入口41を介して投入されて、微生物により廃棄物の発酵分解処理が行われる容器であり、その槽内には、廃棄物を攪拌や細分化する攪拌手段として、回転軸21とその周囲に設けた複数枚の攪拌羽根22とを備えた撹拌機20を有する。なお、発酵槽10は、例えば、金属製であり、通常、断熱構造が採用される。
【0034】
本実施の形態1では、図2に示すように、発酵槽10内において、回転軸21が発酵槽10の壁側で回転可能に軸支されて横方向(左右方向)に設けられ、回転軸21周りに所定間隔で複数枚の攪拌羽根22が固定されていることにより、回転軸21と共に攪拌羽根22が回転することで、発酵槽10内に投入された廃棄物を攪拌羽根22によって攪拌することができる。即ち、発酵槽10内で略水平方向に延びた回転軸21が槽外に設けた回転駆動手段(図示せず)によって回転し、回転軸21に取り付けられた攪拌羽根22が回転することにより発酵槽10内の廃棄物が攪拌され、また、細分化される。これより、微生物の発酵に必要な酸素を廃棄物に十分に供給し、効率的に廃棄物の発酵分解及び減量・減容化を図ることができる。なお、攪拌羽根22の形態は特に問われず、例えば、パドル方式、スクリュ式、螺旋式(ドリル型、オーガ式)等がある。回転軸21の周囲に配設した攪拌羽根22は、隣接する攪拌羽根22同士が並行するように配置されてもよいし、所定角度だけ位相をずらして配置されてもよい。
【0035】
発酵槽10は、給気口16及び排気口17を有し、槽外から給気口16を介して槽内に外気(空気)が導入され、また、槽内の空気が、排気口17を介して槽外に排出される。
本実施の形態1の廃棄物処理装置1では、発酵槽10内に外気(空気)を送る送気手段としてのブロワ等の送風機30から給気通路を通り給気口16を介して発酵槽10内に外気が送風(圧送)され、槽内の空気が排気口17を介して槽外に排出され、阻止部50、管路81、及び脱臭装置70で構成される排気通路を通って排気部71から大気中に放出されるようになっている。
即ち、本実施の形態1の廃棄物処理装置1においては、送風機30から発酵槽10内に空気を圧送して発酵槽10内を正圧とし、排気側で発酵槽10内の空気を吸引する吸気手段を設けなくとも、発酵槽10内の空気が排気口17から排気され、阻止部50及び管路81を通過して脱臭装置70で脱臭されたのち、大気中に放出されるようになっている。
【0036】
そして、本実施の形態1において、発酵槽10は槽内が外気と遮断された気密構造に設計され、槽内の臭気が漏れ難い構造となっており、微生物による廃棄物の発酵、分解処理中には、発酵槽10が気密状態とされ正圧に維持されるようになっている。即ち、微生物による廃棄物の発酵、分解処理の際には、送風機30により発酵槽10内に外気を圧送し、発酵槽10内に導入する空気量を発酵槽10から排気する空気量よりも多く設定していることにより発酵槽10内が槽外に比べ圧力が高くされて正圧状態とされている。これより、微生物の活性化、増殖による発酵を促し、廃棄物の分解、乾燥を促進できる。
【0037】
このとき、送風機30から発酵槽10に送風される空気は、加温されるのが好ましい。これより、廃棄物の乾燥を促進でき、また、微生物の活性化、増殖による発酵を促し、廃棄物の分解処理を促進できる。送風機30から発酵槽10までの管路等の給気通路にヒータ等の加温手段を設けることもできるし、後述するように、発酵槽10内に給気管を設ける場合には、そこにヒータ等の加温手段を設けることもできる。
【0038】
ここで、送風機30からの空気が導入される給気口16は、発酵槽10の壁面側に設けることもできるし、送風機30に連通する給気管(図示せず)を発酵槽10内に配置し、その給気管に複数の給気口16を設けるようにしてもよい。後者の場合には、発酵分解処理する廃棄物に対し送風機30から送られてきた空気を広範囲で吹き付けて、空気を廃棄物に満遍なく効率よく接触させることが可能となり、廃棄物の乾燥や発酵分解の促進、ムラの発生を防止可能とする。特に、この給気管には、シーズヒータ等のヒータを内設し、ヒータにより廃棄物に給気する空気を温めてから廃棄物に吹き付けることで、廃棄物の乾燥を促進でき、また、微生物の活性化、増殖による発酵を促し、廃棄物の分解処理を促進できる。廃棄物に給気する直前で温めるとエネルギ効率も良いものとなる。なお、このような給気管は、1本であってもよいし2本以上であってもよく、例えば、発酵槽10内において、回転軸21や発酵槽10内に収容される廃棄物よりも上方位置であって、攪拌羽根22と干渉しない位置に設けられる。また、このように発酵槽10内の上方位置で給気管を設けそこに複数の給気口16を設ける場合には、下方に向けて空気を吹き出して廃棄物に空気を吹き付ける形態とするのが好ましく、ノズル形状としてもよい。更に、給気管内にスクリュを設け、給気口16を介して給気管に廃棄物が侵入してきてもスクリュの回転駆動で廃棄物を排出できるようにしてもよい。
【0039】
また、本実施の形態1では、発酵槽10の上部に、発酵槽10内の空気を排出する排気口17とは別の位置で、開閉蓋(図示せず)により密閉自在とされている投入口41が設けられ、この投入口41から廃棄物を発酵槽10内に投入できるようになっている。廃棄物は、投入用の容器(図示せず)に入れ、それを供給リフト(図示せず)で上方にあげて投入用の容器を傾けることで発酵槽10の上部の投入口41から槽内に投入される。
更に、発酵槽10の一側面部には、廃棄物が微生物により発酵分解処理された後の残渣を取出す(排出する)ための、開閉蓋(図示せず)により密閉自在とされている取出口43が設けられている。
【0040】
発酵槽10内の空気を槽外に排気する排気口17は、発酵槽10の上部において、廃棄物が投入される投入口41とは別の位置で上壁部に設けられている。なお、本実施の形態1では、発酵槽10の上壁部に複数(図においては2個)の排気口17を有する。各排気口17にはフィルタとして機能する金網18が設置されており、発酵槽10の廃棄物中の粗大な物(異物)が排気と共に槽外に排出されないように金網18で粗大な物の排出を阻止できるようになっている。
【0041】
そして、本実施の形態1においては、発酵槽10の上壁部に形成した排気口17に阻止部50が接続されており、そこで、発酵槽10からの排気に含まれる粉塵の通過を阻止する。
具体的には、図3乃至図5に示すように、本実施の形態1の阻止部50は、発酵槽10の上面部に設置されており、所定容積の内部空間を形成した略直方体状の金属製の箱状蓋51と、箱状蓋51の内部に設けられ各排気口17に着脱自在に取付けた袋状の濾布52と、袋状の濾布52の袋内に入れられたボール状の衝突体53とから構成されている。
【0042】
箱状蓋51は、下方が開口した略直方体状の蓋体を発酵槽10の上部に形成された複数の排気口17をまとめて覆うように、即ち、複数の排気口17を囲んで覆うようにして発酵槽10の上面部に固定して設置することにより、発酵槽10の上面部に形成したものであり、所定の閉じられた空間を画設し、その上部が密閉自在な開閉蓋51aの開閉により開口自在となっている。また、箱状蓋51の側面側には、脱臭装置70に接続している管路81が接続されている排気口57を有する。なお、この箱状蓋51においても内部が外気と遮断された気密構造に設計され臭気が漏れ難い構造となっている。
【0043】
箱状蓋51の内部に設けられた袋状の濾布52は、空気の流通、即ち、通気を許容するも排気に含まれる粉塵の通過を阻止できる程度の目開きのものが使用される。
この濾布52は、その袋口側が発酵槽10の排気口17に対し環状の締結具等の取付具54で着脱自在に取付けられている。即ち、袋状の濾布52を発酵槽10の排気口17に被せている。したがって、発酵槽10の排気口17からの排気は、袋状の濾布52の袋内に導入され、袋内から袋外へ通過する。
なお、濾布52としては、例えば、ポリプロピレン、ナイロン、芳香族ポリアミド、塩化ビニリデン、ビニロン、綿等の合成繊維や天然繊維の材質からなる短繊維(スパン糸、紡績糸等)、長繊維(マルチフィラメント糸等)、単繊維(モノフィラメント糸等)、分割型極細繊維糸等の朱子織、平織り、綾織等の織布や、不織布(メルトブロー)や、ラミネート等のものが使用できる。
特に、本実施の形態1の袋状の濾布52は、筒状の袋口側とは反対側の端部側が略曲面状、略円弧状に形成されている形態のものである。これより衝突体53との接触面を広く採ることができ、粉塵の蓄積を防止できる。
【0044】
また、この袋状の濾布52の内部には、複数のボール状の衝突体53が収容されている。即ち、本実施の形態1では、金網18が設置されている排気口17を袋状の濾布52で覆うことにより袋状の濾布52内に閉鎖空間55が形成され、その閉鎖空間55に複数のボール状の衝突体53が収容されている。
この衝突体53は、発酵槽10の排気口17からの排気流によって、袋状の濾布52の袋内で上昇下降し動きまわることができるものであればよく、例えば、樹脂等で形成された略球体状であって、網目状、多孔質状、短冊状、格子状等の間隙空間53aを有するものが使用される。即ち、樹脂製の略球体状のものであれば、排気口17からの排気流の少ない圧力、量でも袋状の濾布52の袋内で上昇下降して動き回りやすい。また、間隙空間53aを有するものでは、軽量化され、空気の流通を許容する形態であるから、排気口17からの排気流の少ない圧力、量でも袋状の濾布52内で上昇下降し動き回りやすいものとなる。更に、間隙空間53aを有する形態であれば、表面積を大きくできることにより、排気口17から排気された粉塵との接触率、接触頻度を高めることができ、粉塵が衝突して粉塵を落下させる効果を高めることが可能となる。
【0045】
こうして、本実施の形態1の阻止部50では、複数の排気口17を覆い気密構造とした箱状蓋51の内部で、発酵槽10の上部に設けた各排気口17に袋状の濾布52を取り付けて排気口17を袋状の濾布52で覆ったことにより、発酵槽10の上部に設けた排気口17から上昇した排気は、袋状の濾布52の袋内の閉鎖空間55に入り、その内面側から外面側を通過する。そして、箱状蓋51の側面側には排気口57が設けられ、その排気口57には脱臭装置70に繋がる管路81が接続されていることで、袋状の濾布52の内面側から外面側を通過した排気は、箱状蓋51の排気口57から排出され管路81を介して脱臭装置70に導入される。
なお、発酵槽10の排気口17に阻止部50が接続し、阻止部50は管路81を介して脱臭装置70に連通し、脱臭装置70の下流に排気部71が設けられていることで、阻止部50、管路81、及び脱臭装置70によって発酵槽10からの排気が排気部71へ連通する排気通路、即ち、発酵槽10から排気部71への通気を許容する排気通路を構成している。
【0046】
そして、本実施の形態1の阻止部50において、複数の排気口17を覆った箱状蓋51の内部では、発酵槽10の金網18が設置された各排気口17を覆うように袋状の濾布52の袋口側が取付けられ、袋状の濾布52の袋内の閉鎖空間55に複数のボール状の衝突体53が収容されていることにより、発酵槽10の上部に形成した排気口17からの排気流で、袋状の濾布52の袋内の閉鎖空間55において複数のボール状の衝突体53が上昇したり下降したりしてランダムに移動、拡散する。これより、発酵槽10の排気口17から袋状の濾布52の袋内に流入した排気中に浮遊する粉塵が衝突体53に衝突することで落下する。また、衝突体53が袋状の濾布52の内面に衝突して袋状の濾布52の内面に付着している粉塵に衝突、接触することでその粉塵が落下する。更に、衝突体53が袋状の濾布52の内面に衝突したときの振動によっても濾布52の内面に付着している粉塵が落下する。そして、本実施の形態1では、発酵槽10の上部に設けた排気口17の上側を覆うように袋状の濾布52を被せており、袋状の濾布52が鉛直方向下側で排気口17側に開口しているから、袋状の濾布52の袋内で衝突体53が粉塵と衝突、接触することで、また、衝突体53が濾布52に衝突することで落下した粉塵は、その自重で排気口17から発酵槽10内に落下し戻される。
【0047】
即ち、本実施の形態1では、発酵槽10の槽外上部で発酵槽10の排気口17に被せた袋状の濾布52の袋内の閉鎖空間55に複数のボール状の衝突体53を収容し、排気口17からの排気の圧、流量によって濾布52で形成された閉鎖空間55内を複数のボール状の衝突体53が動き回るようにすることで、排気口17から袋状の濾布52の袋内に流入した排気中に浮遊している粉塵や袋状の濾布52の内面に付着した粉塵に衝突体53を衝突させて粉塵を落下させ、また、袋状の濾布52の内面に衝突体53を衝突させて袋状の濾布52を振動させることで袋状の濾布52の内面に付着した粉塵を落下させる。
【0048】
更に、本実施の形態1では、発酵槽10の上部に設けた各排気口17の上方を覆うように袋状の濾布52を被せており、排気口17からの排気を袋状の濾布52の内面側から外面側に通すから、排気口17からの排気流が袋状の濾布52の内面に吹き付けられることで、袋状の濾布52の内面に粉塵が衝突することで落下したり、その排気流の圧によって袋状の濾布52の内面に付着している粉塵を落下させたりすることが可能である。
また、袋状の濾布52であれば、その柔軟性により発酵槽10からの排気流で膨張し(図4(a)参照)、排気の休止で収縮する(図4(b)参照)動きが生じるから、その動きで、袋状の濾布52の内面に粉塵が付着していてもその粉塵を落下させることも可能である。
加えて、本実施の形態1では、発酵槽10の上部に設けた排気口17の上方を覆うように袋状の濾布52を被せて袋状の濾布52が鉛直方向下側で排気口17側に開口しており、袋状の濾布52の鉛直下向きの内面を有することから、袋状の濾布52内に流入した排気中の粉塵が濾布52の内面側から外面側への通過が阻止され、特に、袋状の濾布52の鉛直下向きの内面側に達した粉塵、即ち、濾布52の鉛直下向きの内面側に排気流で押付けられている粉塵が排気の休止等によって、その自重で落下しやすく、袋状の濾布52内に流入した粉塵を重力で排気口17から発酵槽10内に戻すことができる。
【0049】
したがって、本実施の形態1では、袋状の濾布52に粉塵が集積し難いことから、メンテナンスの負担を軽減できる。
【0050】
即ち、本実施の形態1の阻止部50では、袋状の濾布52の袋内で衝突体53により粉塵を落下させることによって、また、袋状の濾布52によって、粉塵の通過を阻止する。
特に、本実施の形態1では、発酵槽10の各排気口17に袋状の濾布52を被せて排気口17から上昇する排気を袋状の濾布52の内面側から外面側へ通過させるものとし、袋状の濾布52の内面側で粉塵の通過を阻止しており、袋状の濾布52の開口を下向きにして発酵槽10の排気口17の上方に袋状の濾布52を被せていることで、袋状の濾布52の鉛直下向きの内面を有することから、袋状の濾布52の内面側に到達した粉塵がその自重で落下しやすく、袋状の濾布52内に流入した粉塵を排気口17から発酵槽10内に戻すことができる。更に、袋状の濾布52の袋内には、排気口17からの排気流により動き回る衝突体53を収容しており、袋状の濾布52の袋内において衝突体53が排気流により動き回ることで、排気に含まれる粉塵に衝突して粉塵を落下させたり、袋状の濾布52の内面側に衝突してその振動や粉塵との接触により袋状の濾布52の内面に付着している粉塵を落下させたりする。そして、衝突体53を収容し閉鎖空間55を形成する袋状の濾布52が発酵槽10の各排気口17を覆っていることで、袋状の濾布52内を落下した粉塵は、その自重により排気口17から発酵槽10に戻される。
【0051】
こうして、本実施の形態1の阻止部50において、衝突体53及び濾布52によって発酵槽10からの排気に含まれている粉塵の通過を阻止する。即ち、阻止部50において粉塵が箱状蓋51の排気口57から排出され、下流側の脱臭装置70に流入するのが阻止されることで排気の除塵が行われる。なお、本実施の形態1の廃棄物処理装置1では、阻止部50を発酵槽10の上面部に設けているから、横幅の設置スペースをとらない。
特に、衝突体53によって粉塵を落下させることにより、袋状の濾布52の内面に粉塵が集積するのを阻止する。また、袋状の濾布52の開口を下向きにして発酵槽10の排気口17の上方に袋状の濾布52を被せていることで、濾布52の鉛直下向きの内面を有することから、袋状の濾布52の内面に到達した粉塵をその自重で落下させることが可能であり、袋状の濾布52の内面に粉塵が集積するのが阻止される。更に、排気口17からの排気流が袋状の濾布52の内面に吹き付けられる圧や、排気流の強弱により袋状の濾布52が膨張収縮する動きで袋状の濾布52の内面に付着した粉塵を落下させることができることでも、袋状の濾布52の内面に粉塵が集積するのが阻止される。
よって、本実施の形態1では、袋状の濾布52に粉塵が集積するのを防止でき、濾布52の内面側に粉塵が付着し難いことで、粉塵による目詰まりを除去するためのメンテナンスの負担を軽減できる。
【0052】
そして、本実施の形態1では、箱状蓋51の内部で排気口17の上方に濾布52を取り付けているも、濾布52が袋状で、その内面側から外面側に通気させる構成であることから、袋状の濾布52の内側に粉塵が蓄積しても、袋状の濾布52であれば、その柔軟性により加振することで粉塵を振り落とし、袋口から排気口17を介して発酵槽10に戻すことが容易に可能である。
【0053】
即ち、本実施の形態1では、箱状蓋51の上方が密閉自在な開閉蓋51aにより開口自在であることで、箱状蓋51の上方を開閉蓋51aを開いて開放し、箱状蓋51の内部に手を入れて濾布52を叩いたり押圧したり揺すったり引っ張ったり等で振動を付与することによって(図11参照)、袋状の濾布52の内側に蓄積した粉塵を振り落とすことが容易に可能である。このとき、袋状の濾布52を取り外すことなく排気口17に袋状の濾布52を取付けている状態で、袋状の濾布52の内側に蓄積した粉塵を振り落とし濾布52の詰まりを容易に解消できる。そして、袋状の濾布52がその開口を下方にして発酵槽10の各排気口17の上方に被せられていることで、袋内で濾布52から振り落とされた粉塵は、その自重により排気口17から発酵槽10に戻される。したがって、濾布52を使用していてもそれに付着した粉塵を除くメンテナンスを容易にできる(図11参照)。
【0054】
袋状の濾布52のメンテナンスは、例えば、気密構造としている箱状蓋51内の圧力や箱状蓋51を通過後の排気の圧力を測定、検出し、その圧力が所定の閾値を超えたときに、上述したように手動で濾布52を加振することで袋状の濾布52の内側に付着、蓄積した粉塵を下方に落下させて発酵槽10に戻すようにしてもよいし、駆動により作動し濾布52を加振する加振手段を設け、その加振手段により濾布52を振動させて袋状の濾布52の内側に付着、蓄積した粉塵を振り落とし発酵槽10に戻すようにしてもよい。
【0055】
また、長期間の使用により、濾布52の内側に微細な粉塵がこびりつき圧力損失が大きくなってきた等の場合でも、本実施の形態1では、発酵槽10の排気口17に袋状の濾布52を取付具54によって着脱自在に取付けていることで、発酵槽10の排気口17から袋状の濾布52を取り外して、袋状の濾布52を清掃したり交換したりすることも可能である。
【0056】
このように本実施の形態1では、発酵槽10の上部に形成した複数の排気口17の上方を覆う気密構造の箱状蓋51と、箱状蓋51の内側で発酵槽10の排気口17に着脱自在に取り付けた袋状の濾布52と、袋状の濾布52を排気口17に取付けて形成した閉鎖空間55に収容された複数のボール状の衝突体53とにより阻止部50を構成し、発酵槽10の排気口17から排気が上昇してくるその圧力、流れで阻止部50において袋状の濾布52の袋内で複数の衝突体53が動きまわることにより、発酵槽10の排気口17からの排気に含まれる粉塵が衝突体53に衝突して落下し、また、衝突体53が袋状の濾布52の内面に衝突することで袋状の濾布52に付着していた粉塵が落下して、排気に含まれる粉塵が排気口17を介して発酵槽10に戻される。また、発酵槽10の排気口17に対しその上方で袋状の濾布52をその開口を下向きにして被せていることから、排気口17からの排気に含まれる粉塵が袋状の濾布52の内面で通過を阻止さる。特に、濾布52の鉛直下向きの内面を有することから、濾布52の内面で通過を阻止された粉塵がその自重で落下しやすく、排気口17から発酵槽10内に戻される。こうして、衝突体53及び袋状の濾布52により排気口17からの排気に含まれている粉塵の通過が阻止される。
【0057】
そして、このような阻止部50で粉塵が除去された(除塵された)排気は、阻止部50の排気口57から流出して管路81を介して脱臭装置70に流入し、そこで臭気成分が除去され脱臭(消臭)されて、脱臭装置70の下流に設けられた排気部71から大気中へ放出される。
【0058】
脱臭装置70としては、例えば、活性炭等の多孔質材料が使用され、活性炭等の多孔質材料等が充填された槽内を発酵槽10からの排気が上昇する間に、発酵槽10からの排気に含まれている臭気成分、例えば、アンモニア、低級脂肪酸、硫化メチル等の硫黄化合物が多孔質材料に吸着されて除去される。或いは、触媒の使用による酸化反応で脱臭を行っても良い。
こうして、脱臭装置70において発酵槽10からの排気が脱臭され、脱臭された排気が脱臭装置70の下流(図1及び図2においては脱臭装置70の上側)に設けられた排気部71で大気中へ放出される。
【0059】
なお、廃棄物処理装置1は、その他、通常、発酵槽10を加温したり送風機30から送風される空気を加温したりするヒータ等の加温手段や、発酵槽10内の撹拌機20における回転軸21を回転させる油圧モータや電動モータ等の撹拌機駆動手段や、発酵槽10内や排気の圧力を検知する圧力センサや、撹拌機駆動手段、加温手段、送風機等の動作を制御する制御手段や、制御手段に指令を入力する入力手段等が備えられている。
【0060】
攪拌機駆動手段では、例えば、歯車(ギア)等の動力伝達機構を介してモータ等の回転出力を回転軸21に伝達する。なお、回転軸21を一方向のみの回転駆動としてもよいし、正方向と逆方向に回転駆動自在としてもよい。
制御手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の中央演算処理装置や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶部等を有するコンピュータを用いて構成される。この制御手段では、例えば、ロードセル等で検出、算出される廃棄物の重量や、圧力センサ等で測定される発酵槽10内の圧力や、廃棄物の処理経過時間や、温度センサ、湿度センサ等で測定される発酵槽10内の温度、湿度等に基づいて、撹拌機20の回転軸21の回転速度や間欠または連続の運転をモータ等の出力制御で制御したり、送風機30の送風量や運転を制御したり、発酵槽10の温度をヒータ等の加温手段の温度制御で制御したりすることで、廃棄物の効率的な発酵分解処理を可能とし、また、省エネ化を図ることを可能とする。
【0061】
なお、廃棄物処理装置1では、圧力センサで測定した発酵槽10内の圧力を入力手段によって制御手段に入力し、所定の閾値を超えた際に、異常負荷に至っている、または、空気が漏れているとして警報として知らせるようにしてもよい。そして、圧力異常が検知されたときに、安全のために装置1の全ての動作や一部の動作(例えば、送風、攪拌機20の駆動、加温等)を停止させる構成としてもよい。また、排気経路等に圧力を調節するソレノイドバルブ等のバルブを設け、圧力異常が検知されたときにそのバルブの開放で圧力を低下させる構成としてもよい。
更に、上述したように、圧力センサで阻止部50の排気の圧力についても測定を行い、箱状蓋51内の圧力が高まり、所定の閾値を超えた際には、袋状の濾布52の内側に粉塵が蓄積して詰まりが発生しているとしてそれを知らせるようにしてもよい。即ち、袋状の濾布52に振動を与えて袋状の濾布52の内側に付着した粉塵を発酵槽10側に落下させ戻すタイミングであることを知らせるようにしてもよい。このように圧力測定により袋状の濾布52の詰まりを判断するようにすれば、箱状蓋51を空けて袋状の濾布52の状態を確認する手間、労力を省くことができる。
【0062】
そして、本実施の形態1の廃棄物処理装置1では、使用者、作業者等が入力操作する操作部等の入力手段と、その入力手段の指令に基づき装置1の運転を制御する制御手段とを備えることにより、投入口41から発酵槽10内に廃棄物が投入され密閉された状態で入力手段により装置1の運転開始が指示されると、制御手段によって、撹拌機駆動手段、送風機30等が作動し、発酵槽10内にて廃棄物が撹拌機20により攪拌されながら、送風機30により発酵槽10内に給気口16を介して外気が送風され、廃棄物に対する発酵分解処理が行われる。このとき、発酵槽10内の空気が排気口17を介して排出され、阻止部50、管路81、脱臭装置70等で構成される排気通路を通って排気部71から大気中に放出される。
【0063】
こうして本実施の形態1の廃棄物処理装置1は、投入口41から発酵槽10内に廃棄物が投入され、発酵槽10内において、廃棄物が微生物により発酵分解される。このとき、廃棄物は、好ましくは、廃棄物の発酵分解を促進する微生物や副資材等を含む菌床材(基材)や廃棄物の発酵分解処理後の残渣等と混合され、微生物により発酵分解処理される。
そして、発酵槽10内において廃棄物を微生物により発酵分解処理する際には、廃棄物を撹拌機20により攪拌し、また、送風機30から発酵槽10内に外気(空気)を送風(圧送)して発酵槽10を通気しながら(通気攪拌しながら)、廃棄物を分解処理する。これより、発酵槽10内の廃棄物に酸素が供給されて、廃棄物の発酵分解や細分化が促進され、また、廃棄物の水分の蒸発、乾燥が促進される。即ち、発酵槽10を通気させ廃棄物を攪拌していることにより、微生物に酸素が継続的に供給されるから、微生物の活性化、増殖による好気発酵、分解処理が促進され、また、送風機30からの外気の送風で廃棄物の乾燥が促進される。
【0064】
また、加温手段により発酵槽10を加温したり、加温した空気を発酵槽10内に送り込んだりすることで、更には、微生物による発酵熱によって、廃棄物が例えば、40~90℃に昇温されることでも、微生物の活性化、増殖による発酵分解処理が促進され、乾燥も促進される。なお、本実施の形態1の廃棄物処理装置1では、廃棄物の水分を蒸発させ排気ともに外部へ放出するから排水処理が不要である。
【0065】
更に、本実施の形態1では、廃棄物の発酵分解処理中は、送風機30によって外気を発酵槽10内に圧送しており、送風機30から送風され発酵槽10の給気口16から発酵槽10内に流入した空気、即ち、発酵槽10内の空気は、発酵槽10の上部に設けた排気口17から流出することで、発酵槽10が通気されている。そして、発酵槽10の上部の排気口17から流出した排気は、阻止部50を構成する箱状蓋51内で排気口17に取付けられた袋状の濾布52をその内面側から外面側に向かって通過し、箱状蓋51の排気口57を通って、管路81を介し、脱臭装置70に流入し、そこで脱臭されてから脱臭装置70の下流に設けた排気部71から外気へ放出される。即ち、廃棄物の発酵分解処理中において、発酵槽10内の空気、即ち、送風機30により発酵槽10内に圧送された空気(外気)は、廃棄物の発酵分解処理で生じたガスや廃棄物からの水蒸気と共に、発酵槽10の上部に設けた排気口17から発酵槽10の槽外に設けた阻止部50に流れ、管路81を介して、脱臭装置70に流入し、そこを通過する際に臭気成分が除去されて、排気部71から大気中へと排気される。
【0066】
こうして気密性を有する発酵槽10において通気攪拌しながら廃棄物が微生物の働きにより発酵、分解処理されることによって水と炭酸ガスと無機物に分解され、また、通気や加温により廃棄物の水分が蒸発し、廃棄物が減容、減量化される。廃棄物の発酵分解処理後の残渣は、廃棄物処理装置1の側面側に設けた取出口43から取り出すことができるようになっており、例えば、堆肥や、土壌改良剤や、動物・家畜(例えば、牛、豚、馬、鶏、羊等)の飼料、家畜排泄物に散布する消臭剤、家畜排泄物促進剤等として利用することができる。
【0067】
特に、本実施の形態1の廃棄物処理装置1は、送風機30で外気を発酵槽10に送風して廃棄物10に外気を吹き付け等によって供給し廃棄物10の発酵分解や乾燥を促すことにより、廃棄物10から粉塵が飛散し、舞い上がり、それが発酵槽10の上部に形成した排気口17から排気と共に排出されても、発酵槽10の上部で排気口17に接続して阻止部50を設けていることで、阻止部50の衝突体53及び濾布52により廃棄物10の粉塵(浮遊物)の通過が阻止され、排気中に含まれていた粉塵が排気口17を介して発酵槽10に戻される。
【0068】
即ち、本実施の形態1では、発酵槽10の上部に形成した排気口17を覆い所定容積の空間を形成した箱状蓋51と、箱状蓋51の内部で排気口17の上方に開口側を着脱自在に取り付けた袋状の濾布52と、袋状の濾布52の袋内に収容された衝突体53とにより阻止部50を構成し、阻止部50において、発酵槽10の排気口17からの上昇排気流によって、排気口17に取付けた袋状の濾布52の袋内で衝突体53が上昇下降して動き回ることで、排気口17から上昇して袋状の濾布52に流入した排気中に含まれている粉塵が衝突体53と衝突して落下する。また、発酵槽10の排気口17からの上昇排気流によって、排気口17に取付けた袋状の濾布52の袋内で衝突体53が上昇下降して動き回ることで、衝突体53が袋状の濾布52の内面に衝突し、袋状の濾布52の内面に付着していた粉塵への衝突体53による接触や、袋状の濾布52の内面に衝突体53が衝突したときの振動により、袋状の濾布52の内面に付着していた粉塵が落下する。
【0069】
そして、各排気口17の上方を袋状の濾布52で覆うようにして袋状の濾布52を排気口17に取付けていることで、即ち、袋口を下側にして排気口17の上方に袋状の濾布52を被せていることにより、袋状の濾布52内を落下した粉塵は、排気口17を介して発酵槽10に落下することで戻される。
即ち、本実施の形態1の廃棄物処理装置1では、阻止部50は、発酵槽10の鉛直方向上側の面に設けられ、発酵槽10の上面側で複数の排気口17の上方を囲んで覆うように設けた箱状蓋51の内部で、各排気口17に対しその上方を覆うように開口側を下にして袋状の濾布52を被せているから、袋状の濾布52内で落下した粉塵はその自重により袋口側が取付けられた排気口17を介して発酵槽10に落下して戻される。なお、発酵槽10に戻された粉塵は発酵槽10内の廃棄物と一緒に取出口43から取出されて回収されることになる。
【0070】
更に、袋状の濾布52がその開口を下にして発酵槽10の各排気口17の上方を覆うように設けられていることで、袋状の濾布52により通過を阻止された粉塵がその自重により落下しやすく、即ち、袋状の濾布52の端部の内面側が鉛直方向下側に向くから、袋状の濾布52の内面側に到達した粉塵が重力で落下しやすく、袋状の濾布52内に流入した粉塵を落下させて排気口17から発酵槽10に戻すことができる。
【0071】
また、本実施の形態1では、阻止部50において排気口17の上方を覆う箱状蓋51内で排気口17に着脱自在に袋状の濾布52を取付け、その袋状の濾布52内に衝突体53を収容したものであり、粉塵を濾過する濾布52を設けていても、その濾布52が袋状に形成されて柔軟性があり、濾布52の内面側から外面側に排気口17からの排気を通過させるものであるから、排気口17からの排気流の圧や、排気流の圧の強弱の振動、排気の作動停止時の袋状の濾布52の膨張収縮の動きで、袋状の濾布52の内面に付着した粉塵を落とすことも可能である。
【0072】
こうして阻止部50にて衝突体53及び袋状の濾布52により発酵槽10からの排気に含まれる粉塵の通過が阻止される。これより、下流側の脱臭装置70に粉塵が流入するのを防止でき、脱臭装置70の負荷の増大による短期間での脱臭効率の低下を防止できる。
【0073】
そして、本実施の形態1では、このように阻止部50において、排気口17の上方に取付けた袋状の濾布52の袋内に収容されて発酵槽10からの排気流(送風)により袋状の濾布52内を上昇下降し動き回る衝突体53が排気中に含まれる粉塵に衝突することにより、また、衝突体53が袋状の濾布52に衝突することにより、袋状の濾布52内に流入した排気中に浮遊していた粉塵や袋状の濾布52に付着していた粉塵を落下させるものであり、更には、袋状の濾布52がその開口を下にして発酵槽10の各排気口17を覆うように設けられ濾布52の鉛直下向きの内面を有することで、袋状の濾布52の内面で通過が阻止された粉塵が自重により落下しやすいものであることから、袋状の濾布52に粉塵が蓄積して目詰まりするのを効果的に防止できる。よって、濾布52に集塵された粉塵を取り除くメンテナンスの不要化あるいはメンテナンスの負担を軽減できる。即ち、メンテナンスのコストや作業の労力、手間を軽減できる。
【0074】
特に、発酵槽10からの排気は廃棄物からの水分の蒸発により湿気を多く含み、発酵槽10からの排気が排気部71へ連通する排気通路において排気の湿気により、袋状の濾布52の内面に粉塵が付着して湿気により固まる前に衝突体53の袋状の濾布52への衝突により袋状の濾布52に付着した粉塵を落下させることが可能となり、袋状の濾布52の内面に粉塵が集積してこびり付くのを防止できる。
また、このように、本実施の形態1では、衝突体53の動作により粉塵を落下させることで濾布52に粉塵が集積してこびり付くのを防止できるから、阻止部50の箱状蓋51内で結露が生じ難く、錆も生じさせ難い。結露を生じさせず、廃水を生じさせないことで、コストのかかる排水設備も不要である。
【0075】
更に、濾布52が袋状であり、その内面側から外面側に空気の通過を許容し、袋状の濾布52の内面側で粉塵の通過を阻止するから、例え、袋状の濾布52の内側に粉塵が蓄積したとしても、袋状の濾布52を排気口17に取付けた状態のまま、袋状の濾布52に対し外側から叩いたり押圧したり揺すったり引っ張ったりして加振することで、袋状の濾布52の内側に蓄積した粉塵を袋口側から排出し排気口17から発酵槽10に落として戻すことができる。よって、濾布52のメンテナンスの作業負担を容易化できる。
【0076】
こうして、本実施の形態1の廃棄物処理装置1によれば、粉塵が袋状の濾布52に集積し難い構成であり、メンテナンスの負担を軽減できる。更に、粉塵が袋状の濾布52に集積し難いものであるから、下流側の脱臭装置70にかかる負荷の軽減を可能とする。
【0077】
以上説明してきたように、上記実施の形態1の廃棄物処理装置1は、廃棄物を微生物により分解処理する処理槽としての発酵槽10と、発酵槽10からの排気を大気に放出する排気部71と、発酵槽10からの排気が排気部71へ連通する排気通路に設けられ、排気流により閉鎖空間55内を動く衝突体53によって発酵槽10からの排気に含まれる粉塵を落下させ粉塵の通過を阻止する阻止部50とを具備するものである。
【0078】
上記実施の形態1の廃棄物処理装置1によれば、阻止部50の所定容積の閉鎖空間55内に収容されて発酵槽10からの排気流によって閉鎖空間55内を動く衝突体53が、発酵槽10からの排気中に浮遊する粉塵に衝突することで粉塵を落下させ、また、衝突体53を収容する閉鎖空間55を形成した内面側に衝突することでそこに付着している粉塵を落下させる。よって、落下させた粉塵を発酵槽10に落下させて戻したり、或いは、落下地点で回収したりすることが可能となる。
したがって、阻止部50において粉塵を濾過する濾過フィルタ(濾布52)を設置していてもその濾過フィルタ(濾布52)に集塵させ難いものであるから、メンテナンスの負担を軽減できる。
【0079】
即ち、上記実施の形態1の廃棄物処理装置1では、廃棄物を微生物により分解処理する処理槽としての発酵槽10と、発酵槽10からの排気を大気に放出する排気部71と、発酵槽10からの排気が排気部71へ連通する排気通路に設けられ、発酵槽10からの排気流によって動く衝突体53を収容する閉鎖空間55を袋状の濾布52で形成し、袋状の濾布52で形成された閉鎖空間55内を排気流により動く衝突体53によって発酵槽10からの排気に含まれる粉塵を落下させ、粉塵の通過を阻止する阻止部50とを具備するものである。
【0080】
上記実施の形態1の廃棄物処理装置1によれば、阻止部50の袋状の濾布52の袋内に収容されて発酵槽10からの排気流によって袋状の濾布52の袋内を動く衝突体53が、発酵槽10からの排気中に浮遊する粉塵に衝突することで粉塵を落下させ、また、衝突体53を収容する袋状の濾布52の内面に衝突することでそこに付着している粉塵を落下させる。そして、上記実施の形態1では、袋状の濾布52の袋口側が発酵槽10の排気口17に取付けられていることで、袋状の濾布52の袋内を落下した粉塵が排気口17を介して発酵槽10に落下して戻される。
したがって、阻止部50において粉塵を濾過するフィルタとして濾布52を設けていても、濾布52に粉塵が集積し難いものであるから、メンテナンスの負担を軽減できる。また、濾布52に粉塵が蓄積し難く、目詰まりを防止できることにより下流側の脱臭装置70にも負荷を掛け難いものである。よって、ランニングコストを抑えることができる。
【0081】
そして、上記実施の形態1の廃棄物処理装置1によれば、阻止部50は、発酵槽10の上部に設けた排気口17を覆い、排気に含まれる粉塵を落下させ排気口17から発酵槽10に戻す。即ち、上記実施の形態1の廃棄物処理装置1では、衝突体53を収容した袋状の濾布52をその袋口を下向きにして発酵槽10の上部に設けた排気口17の上方に被せることで排気口17を覆い、袋状の濾布52の袋内を落下した粉塵を排気口17から発酵槽10に戻す。よって、別途、落下した粉塵を落下地点で回収する構成、回収作業を不要とし、保守管理を容易化できる。
【0082】
特に、本実施の形態1では、袋状の濾布52が鉛直方向下向きに開口して排気口17を上側から覆うことで、濾布52の鉛直下向きの内面を有し、排気口17から上昇して袋状の濾布52の内面で通過を阻止された粉塵がその自重により落下しやすく、簡易な構成で粉塵を落下させて排気口17から発酵槽10に戻すことができる。即ち、発酵槽10の上部に設けられた排気口17に対しその上側から袋状の濾布52をその開口が鉛直方向下向きになるように被せて取付けており、濾布52の底面側が下に向いていることで濾布52の内面に達した粉塵がその自重、重力により落下しやすい。そして、濾布52を袋口側を下向きにして排気口17に取付けていることで、濾布52の袋内を落下した粉塵は排気口17から発酵槽10に落下して戻される。よって、濾布52に粉塵が集積するのを効果的に防止できる。
【0083】
また、上記実施の形態1の廃棄物処理装置1によれば、阻止部50は、粉塵を濾過する濾過フィルタとしての濾布52を有するから、粉塵の除去効率を上げ、下流側に設けられる脱臭装置70の負荷をより軽減することができる。
【0084】
即ち、上記実施の形態1の廃棄物処理装置1によれば、阻止部50は、粉塵を濾過する袋状の濾布52内に衝突体53を収容し、発酵槽10からの排気を袋状の濾布52の内面側から外面側に通過させる。即ち、発酵槽10の排気口17に取付けられ粉塵を濾過する袋状の濾布52を有し、袋状の濾布52の袋内に衝突体53が収容されているものであり、発酵槽10からの排気を袋状の濾布52の内面側から外面側に通過させるものである。よって、濾布52によって粉塵の除去効率を上げ、下流側の脱臭装置70の負荷をより軽減することが可能となる。
【0085】
特に、上記実施の形態1の廃棄物処理装置1では、発酵槽10の上部に設けられた排気口17に対し袋状の濾布52をその開口が鉛直方向下向きになるように上側から被せて取付けていることで、袋状の濾布52の底部側が上方に位置し濾布52の鉛直下向きの内面を有することから、濾布52の内面で通過を阻止された粉塵がその自重により落下しやすい。また、発酵槽10の排気口17からの排気が袋状の濾布52の内面側から外面側に通気するものであることにより、排気口17からの排気流が袋状の濾布52の内面に吹き付けられることでその排気流の圧で袋状の濾布52の内面に粉塵を衝突させて落下させやすい。更に、袋状の濾布52であれば、その柔軟性から、発酵槽10からの排気流で膨張し、排気の休止で収縮する動きによっても、粉塵を落下させやすい。そして、袋状の濾布52の開口側が排気口17と連通していることで、濾布52の袋内で落下した粉塵を排気口17から発酵槽10に戻すことができる。よって、濾布52に粉塵を集積させ難く、袋状の濾布52の袋内に流入した粉塵は袋状の濾布52の開口(袋口)側から排出されるから、メンテナンスの負担をより軽減できる。
【0086】
更に、袋状の濾布52であれば、濾布52の袋内に粉塵が集積したとしても濾布52を加振することで濾布52の内側の粉塵を濾布52の開口(袋口)側から容易に排出できる。したがって、濾布52の内側に粉塵が集積されても容易に除去できる構成であるから、濾布52のメンテナンスを容易化できる。
即ち、袋状の濾布52に対し外側から叩いたり押圧したり揺すったり引っ張ったりして加振することで、袋状の濾布52の内側に付着した粉塵を振り落とすことができ、また、袋状の濾布52の袋内で振り落とされた粉塵は袋状の濾布52の開口(袋口)側から排出して排気口17から発酵槽10に落下させて戻すことができる。よって、排気口17から濾布52を取り外さなくても、濾布52に蓄積した粉塵を振り落として発酵槽10に戻すことが可能であり、濾布52のメンテナンスの作業負担を容易化できる。
【0087】
また、上記実施の形態1の廃棄物処理装置1によれば、衝突体53は、球体であることから、発酵槽10からの排気流が弱くても、阻止部50の空間内で動き回りやすいものである。よって、粉塵を落下させる効果を高くできる。
更に、上記実施の形態1の廃棄物処理装置1によれば、衝突体53は、間隙空間53aを有することでも、軽量化され、空気の流通を許容できる構造であるから、発酵槽10からの排気流が弱くても、阻止部50の空間内で動き回りやすいものである。よって、粉塵を落下させる効果を高くできる。加えて、表面積を大きくできることにより、排気口17から排気された粉塵との接触率、接触頻度を高めることができ、粉塵が衝突して粉塵を落下させる効果を高くできる。
【0088】
ところで、上記実施の形態1の図1乃至図5において、袋状の濾布52は、上方(底部側、閉端部側)に向かって徐々に拡径した略球面状としているが、本発明を実施する場合には、その形状に限定されるものではなく、円筒状、角筒状、ドーム状等の形態であってもよく、例えば、図6に示すように、袋口側の下方を排気口17の径と略同等で略一定の径の筒状とし、上方の閉端部側を下方よりも拡径して球面状、弧状とする形態としてもよい。これより、上方側の幅広な空間で衝突体53が動きまわりやすくなり、衝突体53による粉塵の落下効果を高めることが可能となる。また、上記実施の形態1において、箱状蓋51はその全体形状を略直方体状としているが、本発明を実施する場合には、それに限定されず、ドーム状、円柱状(円筒状)、角筒状等に形成してもよい。なお、上記実施の形態1では、排気口57を袋状蓋51の側面側に設けた説明としたが、本発明を実施する場合には、袋状蓋51の排気口17を上面側に設けてもよい。
【0089】
ここで、上記実施の形態1の廃棄物処理装置1では、阻止部50において、袋状の濾布52を発酵槽10の排気口17に着脱自在に取付け、袋状の濾布52で形成される閉鎖空間55内に衝突体53を収容しているが、本発明を実施する場合には、濾過フィルタが袋状のものに限定されず、例えば、図7(a)に示すように、濾過フィルタ52Aとして平板状のものを使用してもよい。
即ち、実施の形態1の変形例1として、図7(a)に示すように、複数の排気口17をまとめて或いは各排気口17を覆う金属製の箱状蓋51と、箱状蓋51内において上方に形成した排気口57側に設けた平板状の濾過フィルタ52Aと、箱状蓋51内に収容される衝突体53とで阻止部50を構成し、箱状蓋51内で平板状の濾過フィルタ52Aと排気口17との間に形成された閉鎖空間55内に収容された衝突体53が発酵槽10からの排気流で箱状蓋51の閉鎖空間55内を上昇したり下降したりして動き回るようにしてもよい。
【0090】
変形例1では、下方が開口した直方体状、角筒状、円筒状等の蓋体を発酵槽10の上部に形成された排気口17を囲んで覆うようにして発酵槽10の上面部に設置することにより、箱状蓋51を発酵槽10の上面部に形成したものであり、箱状蓋51と排気口17と濾過フィルタ52Aと間で所定の閉じられた閉鎖空間55を画設している。また、箱状蓋51は、その上部が密閉自在な開閉蓋51aの開閉により開口自在であり、その開閉蓋51aにおいて、脱臭装置70に接続している管路81が接続された排気口57を有する。なお、この箱状蓋51においても内部が外気と遮断された気密構造に設計され臭気が漏れ難い構造となっている。
【0091】
箱状蓋51の内部上方で略水平方向に設置された平板状の濾過フィルタ52Aは、空気の流通、即ち、通気を許容するも排気に含まれる粉塵の通過を阻止できる程度の目開きのものが使用され、箱状蓋51の内部において排気口17の上方で、即ち、排気口17と対向する排気口57側で取外し自在に取付けられている。したがって、排気口17から箱状蓋51の内部に流入した排気は、上昇して平板状の濾過フィルタ52Aの下側から上側、即ち、内面側から外面側に通過し排気口57から排出される。こうして濾過フィルタ52Aも粉塵の通過を阻止する鉛直下向きの内面を有する。なお、濾過フィルタ52Aとしては、例えば、ポリプロピレン、ナイロン、芳香族ポリアミド、塩化ビニリデン、ビニロン、綿等の合成繊維や天然繊維の材質からなる短繊維(スパン糸、紡績糸等)、長繊維(マルチフィラメント糸等)、単繊維(モノフィラメント糸等)、分割型極細繊維糸等が使用され、格子状、網状のものであっても良いし、濾布であっても良い。
【0092】
そして、変形例1に係る阻止部50では、金網18が設置されている排気口17を有底筒状等の箱状蓋51で覆い、また、箱状蓋51の内部で排気口17の上方に平板状の濾過フィルタ52Aが設置されることにより、箱状蓋51の内部において排気口17と平板状の濾過フィルタ52Aとの間で閉鎖空間55が形成され、その閉鎖空間55に複数のボール状の衝突体53が収容される。なお、変形例1においても箱状蓋51の上方が密閉自在な開閉蓋51aにより開口自在であることで、箱状蓋51の上方を開閉蓋51aにより開放し、平板状の濾過フィルタ52Aを取出して清掃したり交換をしたりすることが可能である。
【0093】
こうして、変形例1に係る阻止部50では、気密構造とした箱状蓋51で排気口17を覆っていることにより、発酵槽10の上部に設けた排気口17から上昇する排気は、箱状蓋51の内部の下方の閉鎖空間55に入る。そして、箱状蓋51の内部で排気口17の上方には平板状の濾過フィルタ52Aが設置され、また、その箱状蓋51の上部には排気口57が設けられ、その排気口57には脱臭装置70に繋がる管路81が接続されていることで、排気口17からの排気は箱状蓋51の内部の閉鎖空間55を上昇して、平板状の濾過フィルタ52Aの下側から上側、即ち、内面側から外面側に通過して箱状蓋51の排気口57から排出され管路81を介して脱臭装置70に導入される。
【0094】
このとき変形例1に係る阻止部50において、排気口17を覆った箱状蓋51の内部に設けた濾過フィルタ52Aの下側の閉鎖空間55に複数のボール状の衝突体53が収容されていることにより、発酵槽10の上部に形成した排気口17からの排気流で、箱状蓋51の内部の閉鎖空間55において複数のボール状の衝突体53が上昇したり下降したりしてランダムに移動、拡散する。これより、発酵槽10の排気口17から箱状蓋51内に流入した排気中に浮遊する粉塵が衝突体53に衝突することで落下する。また、衝突体53が箱状蓋51の内面や濾過フィルタ52Aの内面(下面)に衝突してそれら内面側に付着している粉塵に衝突、接触することでその粉塵が落下する。更に、衝突体53が箱状蓋51の内面や濾過フィルタ52Aの内面に衝突したときの振動によってもそれらの内面側に付着していた粉塵が落下する。そして、変形例1においても、発酵槽10の上部に設けた排気口17の上側を覆うように箱状蓋51を被せており、下方の排気口17側が開口していることから、箱状蓋51内で衝突体53が粉塵と衝突、接触することで、また、衝突体53が箱状蓋51の内面や濾過フィルタ52Aの内面に衝突することで落下した粉塵は、その自重で排気口17から発酵槽10内に落下し戻される。
【0095】
更に、変形例1では、発酵槽10の上部に設けた排気口17の上側を覆うように箱状蓋51を被せ、その内部で排気口17の上方に平板状の濾過フィルタ52Aを設置しており、排気口17からの排気流が濾過フィルタ52Aに吹き付けられることで、濾過フィルタ52Aの内面(下面)に粉塵が衝突することで落下したり、その排気流の圧によって濾過フィルタ52Aの内面に付着している粉塵を落下させたりすることも可能である。
加えて、発酵槽10の上部に設けた排気口17の上側を覆うように閉鎖空間55を形成する箱状蓋51を設置し、箱状蓋51の内部で排気口17の上方に濾過フィルタ52Aを設けその下面側から上面側に向かって、即ち、内面側から外面側に向かって排気を通過させるようにし、排気口17の上方に設けた濾過フィルタ52Aの粉塵の通過を阻止する内面側が下に向いていることで濾過フィルタ52Aの内面に達した粉塵が重力で落下しして排気口17から発酵槽10内に戻りやすい。
【0096】
このように、変形例1においては、排気口17を覆う金属製の箱状蓋51と、箱状蓋51の内部に収容され水平方向で設置した平板状の濾過フィルタ52Aと、箱状蓋51の内部で排気口17と濾過フィルタ52Aとの間に形成された閉鎖空間55に収容された衝突体53とで阻止部50を構成し、箱状蓋51の内部に収容された衝突体53が発酵槽10からの排気流で箱状蓋51の内部を動き回ることで、発酵槽10からの排気流によって箱状蓋51の内部の閉鎖空間55内を動く衝突体53が、発酵槽10からの排気中に浮遊する粉塵と衝突することで粉塵を落下させ、また、箱状蓋51や濾過フィルタ52Aの内面と衝突することで箱状蓋51や濾過フィルタ52Aの内面に粉塵が付着してもそれを落下させる。そして、箱状蓋51の内側で落下した粉塵は下方の排気口17を介して発酵槽10に戻される。
【0097】
即ち、変形例1に係る廃棄物処理装置1では、廃棄物を微生物により分解処理する処理槽としての発酵槽10と、発酵槽10からの排気を大気に放出する排気部71と、発酵槽10からの排気が排気部71へ連通する排気通路に設けられ、発酵槽10からの排気流によって動く衝突体53を収容する閉鎖空間55を箱状蓋51で形成し、排気流により箱状蓋51の閉鎖空間55内を動く衝突体53によって発酵槽10からの排気に含まれる粉塵を落下させ、粉塵の通過を阻止する阻止部50とを具備するものである。
【0098】
変形例1に係る廃棄物処理装置1によれば、阻止部50の箱状蓋51の内部の閉鎖空間55に収容されて発酵槽10からの排気流によって箱状蓋51の内部の閉鎖空間55を動く衝突体53が、発酵槽10からの排気中に浮遊する粉塵に衝突することで粉塵を落下させ、また、衝突体53を収容する箱状蓋51や濾過フィルタ52Aの内面側に衝突することでそこに付着している粉塵を落下させる。更に、排気口17からの排気に含まれる粉塵が箱状蓋51や濾過フィルタ52Aの内面に衝突することでも落下する。加えて、変形例1では、発酵槽10の排気口17の上方を箱状蓋51が覆い、箱状蓋51の内部で排気口17の上方位置に平板状の濾過フィルタ52Aを設置していることで、濾過フィルタ52Aの鉛直下向きの内面を有し、濾過フィルタ52Aの内面により通過を阻止された粉塵が重力により落下しやすい。そして、箱状蓋51の内部を落下した粉塵は、排気口17を介して発酵槽10に戻される。
したがって、フィルタに集塵させないから、メンテナンスの負担を軽減できる。
【0099】
変形例1においても、阻止部50は、発酵槽10の上部に設けた排気口17を覆い、排気に含まれる粉塵を落下させ排気口17から発酵槽10に戻す。即ち、箱状蓋51が発酵槽10の上部に設けた排気口17の上方を覆い、発酵槽10の内部を落下した粉塵を排気口17から発酵槽10に戻す。よって、別途、落下した粉塵を落下地点で回収する構成、回収作業を不要とし、保守管理を容易化できる。
また、箱状蓋51の下方側が開口して排気口17を上側から覆い、箱状蓋51の内部で排気口17の上方位置に平板状の濾過フィルタ52Aを設置していることで、排気口17から上昇して濾過フィルタ52Aの内面に到達した粉塵をその自重により落下させやすくし、簡易な構成で粉塵を落下させ排気口17から発酵槽10に戻している。即ち、発酵槽10の上部に設けられた排気口17に対し箱状蓋51を上側から覆うように設け、箱状蓋51の内部で排気口17の上方位置に平板状の濾過フィルタ52Aを設置して、濾過フィルタ52Aの内面側(下面側)から外面側(上面側)に空気を通過させるようにし、濾過フィルタ52Aの内面側が下に向いていることで、濾過フィルタ52Aの内面により通過が阻止された粉塵を重力で落下させやすくし、箱状蓋51の内部に流入してきた粉塵を排気口17から発酵槽10に戻すようにしている。よって、粉塵の通過を効果的に阻止できる。また、阻止部50を発酵槽10の上面部に設けているから、横幅の設置スペースをとらない。
【0100】
なお、濾過フィルタ52Aの内面側から外面側に排気を通過させるときの内面側は給気側であり、外面側は排気側に対応する。
また、上記変形例1においては、阻止部50の排気口57側に濾過フィルタ52Aを設けており、このときの濾過フィルタとしては、例えば、網目状の繊維等からなる平板状の濾過フィルタ52Aを使用する例で説明したが、本発明を実施する場合には、平板状の形態に限定されず、筒状、袋状のものであってもよい。このように排気口57側に濾過フィルタ52Aを設けても、箱状蓋51内に収容された衝突体53が発酵槽10からの排気流で箱状蓋51の閉鎖空間55内を動き回ることで、発酵槽10からの排気中に浮遊する粉塵や箱状蓋51の内面や濾過フィルタ52Aの面と衝突することで粉塵を落下させるから、濾過フィルタ52Aに粉塵が集積し難く、濾過フィルタ52Aを設けていてもそのメンテナンスの頻度、負荷を軽減できる。
【0101】
ところで、上記実施の形態1や変形例1では、阻止部50において、濾過フィルタ52,52Aを設けることで粉塵の除去率をより高め脱臭装置70にかかる負荷をより軽減しているが、本発明を実施する場合には、発酵槽10から舞い上がる粉塵が少ない場合には、袋状の濾布52や平板状の濾過フィルタ52Aを省略することも可能である。
即ち、実施の形態1の変形例2として、図7(b)に示すように、各排気口17を覆う金属製の箱状蓋51と箱状蓋51内に収容される衝突体53とで阻止部50を構成し、箱状蓋51内に収容された衝突体53が発酵槽10からの排気流で箱状蓋51の閉鎖空間55内を上昇したり下降したりして動き回るようにしてもよい。
【0102】
変形例2では、下方が開口した蓋体を発酵槽10の上部に形成された各排気口17を囲んで覆うようにして発酵槽10の上面部に設置することにより、発酵槽10の上面部に箱状蓋51を形成したものであり、箱状蓋51により所定の閉じられた閉鎖空間55を画設している。この箱状蓋51も、その上部が密閉自在な開閉蓋51aの開閉により開口自在となっている。また、上記実施の形態1のときと同様、側面側には、脱臭装置70に接続している管路81が接続されている排気口57を有する(図7(b)では省略)。なお、この箱状蓋51においても内部が外気と遮断された気密構造に設計され臭気が漏れ難い構造となっている。変形例2に係る箱状蓋51としては、例えば、図7(b)に示すように、縦長の球面状に形成することで、衝突体53との接触面を広く採ることができ、粉塵の蓄積を防止できるが、本発明を実施する場合には、その形態に限定されず、例えば、ドーム状、円筒状、角筒状、直方体状等に形成することもできる。
【0103】
そして、変形例2に係る阻止部50では、金網18が設置されている排気口17を金属製の箱状蓋51で覆うことにより箱状蓋51内に閉鎖空間55が形成され、その閉鎖空間55に複数のボール状の衝突体53が収容されている。
なお、変形例2においても箱状蓋51の上方が密閉自在な開閉蓋51aにより開口自在であることで、箱状蓋51の上方を開閉蓋51aにより開放し、内部を清掃したり衝突体53の交換をしたりすることも可能である。
【0104】
こうして、変形例2に係る阻止部50では、気密構造とした箱状蓋51で排気口17を覆っていることにより、発酵槽10の上部に設けた排気口17から上昇する排気は、箱状蓋51の内部の閉鎖空間55に入る。そして、箱状蓋51の側面側には排気口57が設けられその排気口57には脱臭装置70に繋がる管路81が接続されていることで、箱状蓋51の内部の閉鎖空間55に流入した排気は、箱状蓋51の排気口57から排出され管路81を介して脱臭装置70に導入される。
【0105】
このとき変形例2に係る阻止部50において、各排気口17を覆った箱状蓋51の内部の閉鎖空間55に複数のボール状の衝突体53が収容されていることにより、発酵槽10の上部に形成した排気口17からの排気流で、箱状蓋51内の閉鎖空間55において複数のボール状の衝突体53が上昇したり下降したりしてランダムに移動、拡散する。これより、発酵槽10の排気口17から箱状蓋51の内部に流入した排気中に浮遊する粉塵が衝突体53に衝突することで落下する。また、衝突体53が箱状蓋51の内面に衝突してそこに付着している粉塵に衝突、接触することでその粉塵が落下する。更に、衝突体53が箱状蓋51の内面側に衝突したときの振動によってもそこに付着している粉塵を落下させる。そして、変形例2でも、発酵槽10の上部に設けた排気口17の上側を覆うように箱状蓋51を被せており、下方の排気口17側が開口していることから、箱状蓋51内で衝突体53が粉塵と衝突、接触することで、また、衝突体53が箱状蓋51に衝突することで落下した粉塵は、その自重で排気口17から発酵槽10内に落下し戻される。
【0106】
更に、変形例2では、発酵槽10の上部に設けた各排気口17の上側を覆うように箱状蓋51を被せており、排気口17からの排気流が箱状蓋51に吹き付けられることで、箱状蓋51の内面に粉塵が衝突することで落下したり、その排気流の圧によって箱状蓋51の内面に付着している粉塵を落下させたりすることも可能である。
加えて、発酵槽10の上部に設けた排気口17の上側を覆うように閉鎖空間55を形成する箱状蓋51を設置しているから、箱状蓋51の下に向く内面を有することで箱状蓋51の内面に衝突した粉塵が重力で落下して、排気口17から発酵槽10内に戻りやすい。
【0107】
このように、変形例2においては、排気口17を覆う金属製の箱状蓋51と箱状蓋51の内部に収容される衝突体53とで阻止部50を構成し、箱状蓋51の内部に収容された衝突体53が発酵槽10からの排気流で箱状蓋51の内部を動き回ることで、発酵槽10からの排気流によって箱状蓋51の内部の密閉空間55内を動く衝突体53が、発酵槽10からの排気中に浮遊する粉塵と衝突することで粉塵を落下させ、また、箱状蓋51の内面と衝突することで箱状蓋51の内面に粉塵が付着していてもそれを落下させる。そして、箱状蓋51の内部で落下した粉塵は下方の排気口17を介して発酵槽10に戻される。
【0108】
即ち、変形例2に係る廃棄物処理装置1では、廃棄物を微生物により分解処理する処理槽としての発酵槽10と、発酵槽10からの排気を大気に放出する排気部71と、発酵槽10からの排気が排気部71へ連通する排気通路に設けられ、発酵槽10からの排気流によって動く衝突体53を収容する閉鎖空間55を箱状蓋51で形成し、排気流により箱状蓋51の閉鎖空間55内を動く衝突体53によって発酵槽10からの排気に含まれる粉塵を落下させ、粉塵の通過を阻止する阻止部50とを具備するものである。
【0109】
変形例2に係る廃棄物処理装置1によれば、阻止部50の箱状蓋51の内部の閉鎖空間55に収容されて発酵槽10からの排気流によって箱状蓋51の内部の閉鎖空間55を動く衝突体53が、発酵槽10からの排気中に浮遊する粉塵に衝突することで粉塵を落下させ、また、衝突体53を収容する箱状蓋51の内面側に衝突することでそこに付着している粉塵を落下させる。更に、排気口17からの排気に含まれる粉塵が箱状蓋51に衝突することでも落下する。
そして、変形例2でも、発酵槽10の排気口17の上方を箱状蓋51が覆うことで、箱状蓋51の内部で落下した粉塵が排気口17を介して発酵槽10に落下して戻される。
したがって、フィルタに集塵させないから、メンテナンスの負担を軽減できる。
【0110】
変形例2においても、阻止部50は、発酵槽10の上部に設けた排気口17を覆い、排気に含まれる粉塵を落下させ排気口17から発酵槽10に戻す。即ち、箱状蓋51が発酵槽10の上部に設けた排気口17の上方を覆い、発酵槽10の内部を落下した粉塵を排気口17から発酵槽10に戻す。よって、別途、落下した粉塵を落下地点で回収する構成、回収作業を不要とし、保守管理を容易化できる。
また、箱状蓋51が排気口17を上側から覆うことで、排気口17から上昇して箱状蓋51の内面側に衝突した粉塵がその自重により落下しやすく、簡易な構成で落下した粉塵を排気口17から発酵槽10に戻すことが可能となる。即ち、発酵槽10の上部に設けられた排気口17に対し箱状蓋51を上側から覆うように設けていることで、箱状蓋51の下向きの内面を有し、そこに衝突した粉塵が重力で落下して排気口17から発酵槽10に戻される。よって、粉塵の通過を効果的に阻止できる。また、阻止部50を発酵槽10の上方位置である上面部に設けているから、横幅の設置スペースをとらない。
【0111】
更に、上記実施の形態1並びに変形例1及び2の廃棄物処理装置1においては、阻止部50を発酵槽10の上方位置である上面部に設け、発酵槽10の上面部に設けられた排気口17に対し、その上方に袋状の濾布52の反開口側の底部側(閉端部側)や、平板状の濾過フィルタ52Aの内面側(下面側)や、箱状蓋51の上面側が位置することにより、発酵槽10の排気が排気口17から上昇してそれらに達した粉塵が重力により落下して排気口17を介し発酵槽10に戻りやすい構成としたが、本発明を実施する場合には、発酵槽10の側面側の上部に排気口17を形成し、阻止部50を発酵槽10の側面部側の上部に設け、箱状蓋51や袋状の濾布52が鉛直方向に対して略直角方向側で開口して排気口17を覆い、箱状蓋51や袋状の濾布52で形成した閉鎖空間55内に収容した衝突体53により落下させた粉塵を上下方向に直角な略横方向で下方に向けて落下させ排気口17を介して発酵槽10に戻すようにしてもよい。
【0112】
即ち、実施の形態1の変形例3として、図8に示すように、発酵槽10の側壁部の上側で排気口17を設け、また、排気口17を覆う箱状蓋51を発酵槽10の側面部の上側で設け、その箱状蓋51の内部において発酵槽10の排気口17に着脱自在に袋状の濾布52を取付け、更に、袋状の濾布52内に衝突体53を収容する。
【0113】
この変形例3では、発酵槽10の一側面部の上方に排気口17が形成されて、排気口17を覆う箱状蓋51が発酵槽10の一側面部の上方に設けられており、また、箱状蓋51の上部に排気口57が形成されている。よって、発酵槽10内の排気は、排気口17を介して発酵槽10の側面側から排出されて発酵槽10の側面部に設けた阻止部50に流入し、阻止部50の袋状の濾布52の内面側から外面側を通過して、阻止部50の上部の排気口57に向かって上昇する。このとき、排気口17からの排気流で、袋状の濾布52の袋内で衝突体53が動き回り、衝突体53の粉塵との衝突や袋状の濾布52への衝突振動で袋状の濾布52の袋内を浮遊する粉塵や袋状の濾布52の内面に付着していた粉塵が落下する。また、排気口17からの排気流が袋状の濾布52の内面側に吹き付けられることでその排気流の圧で袋状の濾布52の内面に粉塵が衝突して落下する。更に、袋状の濾布52であれば、その柔軟性から、発酵槽10からの排気流で膨張し、排気の休止で収縮する動きによっても、濾布52の内面に付着していた粉塵が落下する。更に、袋状の濾布52の下向きの内面に粉塵が付着してもその自重により下方に落下しやすい。
【0114】
ここで、変形例3において、袋状の濾布52は、図8に示すように、曲面形状、弧状形状を有するも、排気口17から排気を行っていない通気が停止したきの収縮状態でもその下方が傾斜している形状とし、即ち、その下部側で排気口17側に向かい下方に傾斜する傾斜部58を有する。したがって、袋状の濾布52の内部を落下した粉塵は、下方の傾斜部58の傾斜面に沿って、発酵槽10の排気口17側に向かって落下して、排気口17から発酵槽10に戻すことができる。
【0115】
よって、変形例3に係る廃棄物処理装置1においても、袋状の濾布52に粉塵が集積し難いことにより、メンテナンスの負荷を軽減できる。
そして、変形例3に係る廃棄物処理装置1においても、阻止部50は、発酵槽10の上側に設けた排気口17を覆い、排気に含まれる粉塵を落下させ排気口17から発酵槽10に戻す。即ち、衝突体53を収容した袋状の濾布52をその袋口側を横向きにして発酵槽10の側面部の上側に設けた排気口17に被せることで排気口17を覆い、袋状の濾布52の下部側で排気口17に向かって下方に傾斜させる傾斜部58を形成することで、袋状の濾布52の袋内を落下した粉塵を傾斜部58により排気口17に向かって落下させ排気口17から発酵槽10に戻す。よって、別途、落下した粉塵を落下地点で回収する構成、回収作業を不要とし、保守管理を容易化できる。
更に、衝突体53を収容した袋状の濾布52をその袋口を横向きにして発酵槽10の側面部の上側に設けた排気口17に被せることで排気口17を覆い、袋状の濾布52において鉛直下向きの内面を有することで、袋状の濾布52の袋内を上昇し袋状の濾布52の鉛直下向きの内面で通過を阻止された粉塵が自重により落下しやすい。そして、袋状の濾布52の袋内を落下した粉塵は傾斜部58で排気口17に向かって落下させ排気口17から発酵槽10に戻される。よって、袋状の濾布52に粉塵を蓄積させ難い。
なお、変形例3においては、阻止部50を発酵槽10の横の側面部側に設けているから、縦幅の設置スペースをとらない。
【0116】
また、変形例3においても、袋状の濾布52であれば、濾布52の袋内に粉塵が集積したとしても濾布52を加振することで濾布52の内側の粉塵を濾布52の開口(袋口)側から容易に排出できる。したがって、濾布52の内側に粉塵が集積されても容易に除去できる構成であるから、濾布52のメンテナンスを容易化できる。
変形例3に係る箱状蓋51では、発酵槽10の排気口17側とは反対側の側面側が密閉自在な開閉蓋51aにより開口自在となっており、箱状蓋51の側面側を開閉蓋51aにより開放し、箱状蓋51内に手を入れて箱状蓋51の内部に設けられている袋状の濾布52を外側から叩いたり押圧したり揺すったり引っ張ったりして振動を付与することで、袋状の濾布52の内側に付着した粉塵を振り落とすことができ、また、袋状の濾布52の袋内で振り落とされた粉塵は濾布52の開口(袋口)側から排出され排気口17から発酵槽10に落下させて戻すことができる。よって、排気口17から濾布52を取り外さなくても、濾布52に蓄積した粉塵を振り落として発酵槽10に戻すことが可能であり、濾布52のメンテナンスの作業負担を容易化できる。
【0117】
なお、この変形例3では、排気口57を袋状蓋51の上面側に設けた説明としたが、本発明を実施する場合には、袋状蓋51の排気口17を側面側に設けてもよいし、下面側に設けてもよい。また、変形例3のように阻止部50を発酵槽10の側面側の上方に設ける場合においても、排気口17に取付ける袋状の濾布52に替えて、上記変形例1のときのように、阻止部50の排気口57側に濾過フィルタ52Aを取付けてもよい。
【0118】
更に、変形例3においては、発酵槽10の排気口17に着脱自在に袋状の濾布52を取付けて粉塵の除去率をより高め脱臭装置70にかかる負荷をより軽減しているが、発酵槽10から舞い上がる粉塵が少ない場合には、濾布52を省略することも可能である。
即ち、実施の形態1の変形例4として、排気口17を覆う金属製の箱状蓋51と箱状蓋51内に収容される衝突体53とで阻止部50を構成し、箱状蓋51の内部に収容された衝突体53が発酵槽10からの排気流で箱状蓋51の閉鎖空間55内を上昇したり下降したりして動き回るようにしてもよい。変形例4として、図9に示すように、発酵槽10の一側部の上方に排気口17を設け、この排気口17を覆う箱状蓋51を発酵槽10の一側面部の上方に設けてその箱状蓋51の内部に衝突体53を収容する。
【0119】
変形例4では、側方が開口した蓋体を発酵槽10の側面部の上方に形成された各排気口17を囲んで覆うようにして発酵槽10の側面部に設置することにより、箱状蓋51を発酵槽10の側面部に形成したものであり、所定の閉じられた閉鎖空間55を画設し、その側部側が密閉自在な開閉蓋51aの開閉により開口自在となっている。また、上面側には、脱臭装置70に接続している管路81が接続されている排気口57を有する。
そして、変形例4に係る阻止部50では、金網18が設置されている排気口17を金属製の箱状蓋51で覆うことにより箱状蓋51内に閉鎖空間55が形成され、その閉鎖空間55に複数のボール状の衝突体53が収容されている。
【0120】
よって、発酵槽10の排気口17からの排気は、発酵槽10の側面側から排出されて発酵槽10の側面部に設けた阻止部50に流入し、阻止部50の上面に設けられた排気口57に向かって上昇する。このとき、排気口17からの排気流で、箱状蓋51の閉鎖空間55内で衝突体53が動き回り、衝突体53の粉塵との衝突や箱状蓋51の内面への衝突振動により、箱状蓋51の内部を浮遊する粉塵や箱状蓋51の内面に付着している粉塵が落下する。また、排気口17からの排気流が箱状蓋51の内面側に吹き付けられることでその排気流の圧によっても箱状蓋51の内面に粉塵が衝突して落下する。更に、箱状蓋51の下向きの内面に粉塵が付着してもその自重により下方に落下しやすい。
【0121】
ここで、変形例4に係る箱状蓋51としては、その形状を、ドーム状、円柱状、直方体状等に形成することができるが、図9に示すように、好ましくは、上方で曲面形状を有するもその内部下方に排気口17側に向かい下方に傾斜する傾斜部58を有する。これより、箱状蓋51の内部を落下した粉塵は、下方の傾斜部58の傾斜面に沿って、発酵槽10の排気口17側に向かって落下して、排気口17から発酵槽10に戻される。
なお、箱状蓋51においてその上方が曲面状を有することで、衝突体53との接触面を広く採ることができ、粉塵の蓄積を防止できる。
したがって、フィルタに集塵させないから、メンテナンスの負担を軽減できる。
【0122】
変形例4に係る廃棄物処理装置1でも、排気口17を覆う金属製の箱状蓋51と箱状蓋51内に収容される衝突体53とで阻止部50を構成し、箱状蓋51内に収容された衝突体53が箱状蓋51で形成された閉鎖空間55内を発酵槽10からの排気流により動き回ることで、発酵槽10からの排気流によって箱状蓋51の内部の閉鎖空間55を動く衝突体53が、発酵槽10からの排気中に浮遊する粉塵や箱状蓋51の内壁面と衝突することで、発酵槽10からの排気中に浮遊する粉塵を落下させ、また、箱状蓋51の内面に粉塵が付着していてもそれを落下させる。そして、箱状蓋51の内側で落下した粉塵は下方の傾斜部58の傾斜面に沿って排気口17に向かって落下し、排気口17を介して発酵槽10に戻される。
【0123】
変形例4に係る廃棄物処理装置1では、阻止部50は、発酵槽10の側面部の上方に設けた排気口17を覆い、排気に含まれる粉塵を落下させ排気口17から発酵槽10に戻す。即ち、衝突体53を収容した箱状蓋51の開口側を横向きにして発酵槽10の側面部の上方に設けた排気口17を覆い、箱状蓋51の下方に排気口17に向かって下方に傾斜させる傾斜部58を形成することで、箱状蓋51の内部を落下した粉塵を傾斜部58で排気口17に向かって落下させ排気口17から発酵槽10に戻す。よって、別途、落下した粉塵を落下地点で回収する構成、回収作業を不要とし、保守管理を容易化できる。特に、阻止部50を発酵槽10の横の側面部に設けているから、縦幅の設置スペースをとらない。
【0124】
ところで、上記実施の形態1及び変形例1乃至4の廃棄物処理装置1では、阻止部50の所定容積の閉鎖空間55内に収容されて発酵槽10からの排気流によって閉鎖空間55内を動く衝突体53が、発酵槽10からの排気中に浮遊する粉塵に衝突することで粉塵を落下させ、また、衝突体53を収容する所定容積の閉鎖空間55を形成した内面に衝突することでそこに付着している粉塵を落下させ、落下させた粉塵を排気口17から発酵槽10に落下させて戻す簡易な構成としているが、本発明を実施する場合には、粉塵の落下地点で回収する構成としてもよい。
即ち、上記実施の形態1及び変形例1乃至4では、阻止部50の箱状蓋51や袋状の濾布52が排気口17を覆う構成により箱状蓋51で形成する閉鎖空間55内や袋状の濾布52で形成する閉鎖空間55内で粉塵を落下させて、その粉塵が排気口17を通って発酵槽10に戻る構造としているが、本発明を実施する場合には、例えば、排気口17に取付けた配管の端部に阻止部50を設けそこで落下させた粉塵を排気口17とは別途の排出口から排出させる構造としてもよい。
【0125】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る廃棄物処理装置1について、図10及び図11を参照して説明する。本発明の実施の形態2も、上記実施の形態1と同様、本発明の廃棄物処理装置をバイオ式コンポスタに適用した場合を例示するものである。
本実施の形態2の廃棄物処理装置1は、廃棄物を微生物により分解処理する処理槽としての発酵槽10と、発酵槽10からの排気を大気に放出する排気部71と、発酵槽10からの排気が排気部71へ連通する排気通路に設けられ、発酵槽10の排気口17に取付けられ発酵槽10からの排気を内面側から外面側に通過させる袋状の濾布52により発酵槽10からの排気に含まれる粉塵の通過を阻止する阻止部50とを具備するものである。
【0126】
上記実施の形態1及び変形例1乃至変形例4では、阻止部50の箱状蓋51や袋状の濾布52で形成する閉鎖空間55に衝突体53を収容し、排気口17からの排気流で閉鎖空間55内を動く衝突体53により粉塵を落下させて粉塵の通過を阻止し、阻止部50を構成する箱状蓋51の内面や袋状の濾布52の内面への粉塵の集積を防止することでメンテナンスの負荷を軽減したものである。
これに対し、本実施の形態2においては、発酵槽10からの排気を内面側から外面側に通過させる袋状の濾布52のみにより発酵槽10からの排気中の粉塵の通過を阻止するものである。衝突体53が袋状の濾布52の袋内に収容されない以外は、上記実施の形態1と同様の構成であるのでここでは重複する説明を省略し、相違する部分のみ説明する。
【0127】
図10に示すように、本実施の形態2においては、発酵槽10の排気口17を覆う金属製の箱状蓋51と箱状蓋51の内部に収容され排気口17に着脱自在に取付けられた袋状の濾布52とで阻止部50を構成し、発酵槽10の排気口17からの排気の気体が袋状の濾布52の袋内から袋外に通過するのを許容するも、袋状の濾布52によってその内面側から外面側へ排気に含まれる粉塵の通過を阻止するものである。
【0128】
本実施形態2では、発酵槽10の上面部に設けた排気口17の上側を覆うように袋状の濾布52を被せて袋状の濾布52が鉛直方向下側で排気口17側に開口しており、袋状の濾布52の袋内に流入した排気中の粉塵が濾布52の内面側から外面側への通過が阻止され、特に、袋状の濾布52において鉛直下向きの内面を有することから、袋状の濾布52の鉛直下向きの内面側に排気流で押付けられていた粉塵が排気の休止によって、その自重で落下しやすく、袋状の濾布52の袋内に流入した粉塵を排気口17から発酵槽10内に戻すことができる。
【0129】
即ち、発酵槽10の上面部に設けられた排気口17に対し袋状の濾布52をその開口が鉛直方向下向きになるように上側から被せて取付けていることで、濾布52の下向きの内面に粉塵が付着しても重力で落下しやすい。また、発酵槽10の排気口17からの排気が袋状の濾布52の下方を向く開口から流入、上昇して、袋状の濾布52の内面側から外面側に通過するものであることにより、排気口17からの排気流が袋状の濾布52の内面に吹き付けられることでその排気流の圧で排気に含まれる粉塵が袋状の濾布52の内面に衝突して落下しやすいものでもある。加えて、袋状の濾布52であればその柔軟性により、発酵槽10からの排気流で膨張し、排気の休止で収縮する動きによっても、袋状の濾布52の内面に付着した粉塵が落下しやすい。
そして、濾布52の袋口側を下向きにして排気口17に取付けていることで、濾布52の内側を落下した粉塵は排気口17から発酵槽10に落下して戻される。
よって、濾布52に粉塵が集積するのを防止できるから、濾布52のメンテナンスの作業負担を軽減できる。
【0130】
即ち、上記実施の形態2の廃棄物処理装置1は、発酵槽10の上面部に設けられた排気口17に対し袋状の濾布52をその開口が鉛直方向下向きになるように上側から被せて取付けていることで、袋状の濾布52の底部側が上方に位置し濾布52において鉛直下向きの内面を有することから、濾布52の内面で通過を阻止された粉塵がその自重により落下しやすい。また、発酵槽10の排気口17からの排気が袋状の濾布52の内面側から外面側に通気するものであることにより、排気口17からの排気流が袋状の濾布52の内面側に吹き付けられることでその排気流の圧で袋状の濾布52の内面に粉塵を衝突させて落下させやすい。また、袋状の濾布52であれば、その柔軟性から、発酵槽10からの排気流で膨張し、排気の休止で収縮する動きによっても、粉塵を落下させやすい。そして、袋状の濾布52の開口側が排気口17と連通していることで、濾布52の袋内を落下した粉塵を排気口17から発酵槽10に戻すことができる。よって、濾布52に粉塵を集積させ難く、袋状の濾布52内に流入した粉塵は袋状の濾布の開口(袋口)側から排出されるから、メンテナンスの負担をより軽減できる。
【0131】
そして、袋状の濾布52であれば、濾布52の袋内に粉塵が集積したとしても濾布52を加振することで濾布52の内側の粉塵を濾布52の開口(袋口)側から容易に排出できる。したがって、濾布52の内側に粉塵が集積されても容易に除去できる構成であるから、濾布52のメンテナンスを容易化できる。
即ち、図11に示すように、袋状の濾布52に対し外側から叩いたり押圧したり揺すったり引っ張ったり等によって加振することで、袋状の濾布52の内側に付着した粉塵を振り落とすことができ、また、袋状の濾布52の袋内で振り落とされた粉塵は濾布52の開口(袋口)側から排出され排気口17から発酵槽10に落下させて戻すことができる。よって、排気口17から濾布52を取り外さなくても、濾布52に蓄積した粉塵を振り落として発酵槽10に戻すことが可能であり、濾布52のメンテナンスの作業負担を容易化できる。
【0132】
図11に示すように、本実施の形態2でも、箱状蓋51の上方が密閉自在な開閉蓋51aにより開口自在であることで、開閉蓋51aを開いて箱状蓋51の上方を開放し、箱状蓋51の内部に手を入れて袋状の濾布52を叩いたり押圧したり揺すったり引っ張ったりして振動を付与することによって袋状の濾布52の内側に蓄積した粉塵を振り落とすことが容易に可能である。即ち、排気口17に袋状の濾布52が取付けられている状態で、袋状の濾布52の内側に蓄積した粉塵を振り落とし濾布52の詰まりを容易に解消できる。そして、袋状の濾布52がその開口を下方にして発酵槽10の各排気口17に被せられていることで、袋状の濾布52の袋内に振り落とされた粉塵は、その自重により排気口17から発酵槽10に戻される。したがって、濾布52に付着した粉塵を除くメンテナンスを容易化できる。
【0133】
袋状の濾布52のメンテナンスは、上述したように、例えば、気密構造としている箱状蓋51内の圧力や箱状蓋51を通過後の排気の圧力を測定、検出し、その圧力が所定の閾値を超えたときに、上述したように手動で袋状の濾布52を加振することで袋状の濾布52の内側に付着した粉塵を下方に落下させて発酵槽10に戻すようにしてもよいし、駆動により作動して袋状の濾布52を加振する加振手段を設け加振手段により袋状の濾布52を振動させて袋状の濾布52の内側に付着した粉塵を振り落とし発酵槽10に戻すようにしてもよい。
【0134】
また、長期間の使用により、濾布52に微細な粉塵がこびりつき圧力損失が大きくなってきた等の場合でも、発酵槽10の排気口17に袋状の濾布52を取付具54によって着脱自在に取付けていることで、発酵槽10の排気口17から袋状の濾布52を取り外して、袋状の濾布52を清掃したり交換したりすることも可能である。
【0135】
こうして上記実施の形態2の廃棄物処理装置1によれば、廃棄物を微生物により分解処理する処理槽としての発酵槽10と発酵槽10からの排気を大気に放出する排気部71とを連通する排気通路に、発酵槽10からの排気中の粉塵の通過を阻止する阻止部50が設けられ、阻止部50は、濾過フィルタとしての袋状の濾布52を有し、袋状の濾布52の内面側から外面側に通気させ、袋状の濾布52が粉塵の通過を阻止する鉛直下向きの内面を有するものである。
したがって、袋状の濾布52の開口側から袋内に流入した排気中に含まれる粉塵は袋状の濾布52の内面側から外面側への通過が阻止され、特に、袋状の濾布52の鉛直下向きの内面により上昇する排気中の粉塵の通過を阻止するから、粉塵を自重により落下させることが可能である。よって、袋状の濾布52に粉塵を集積させ難いから、メンテナンスの負担を軽減できる。
【0136】
そして、上記実施の形態2の廃棄物処理装置1によれば、阻止部50は、濾過フィルタとしての袋状の濾布52が処理槽としての発酵槽10の上側に設けた排気口17に被せられ、排気に含まれる粉塵を落下させ排気口17から発酵槽10に戻す。
即ち、発酵槽10の上面部に設けた排気口17の上側を覆うように袋状の濾布52を被せ、濾布52が下向きで開口していることで、濾布52の下向き内面で通過を阻止された粉塵が重力で落下して、排気口17から発酵槽10内に戻りやすい。よって、発酵槽10の排気口17からの排気が発酵槽10の排気口17に被せられた袋状の濾布52の袋内に流入するも、濾布52における下向き内面によって、排気中に含まれる粉塵が袋状の濾布52の内面側から外面側へ通過するのを阻止され、その自重で袋内を落下して排気口17から発酵槽10に戻される。また、袋状の濾布52であれば、その柔軟な素材により発酵槽10からの排気流で膨張し、排気の休止で収縮する動きを生じさせ、それによって、粉塵を振り落とし発酵槽10に戻すことも可能となる。
したがって、濾布52に粉塵を集積させ難いから、メンテナンスの負担を軽減できる。
【0137】
また、上記実施の形態2の廃棄物処理装置1においても、鉛直方向下向きに開口する袋状の濾布52が発酵槽10の上方位置に設けた排気口17を上側から覆い、袋状の濾布52の内側を自重により落下した粉塵を排気口17に落として発酵槽10に戻すから、別途、落下した粉塵を落下地点で回収する構成、回収作業を不要とし、保守管理を容易化できる。更に、阻止部50を発酵槽10の上方位置である上面部に設けているから、横幅の設置スペースをとらない。
【0138】
そして、上記実施の形態2の廃棄物処理装置1によれば、阻止部50は、発酵槽10の排気口17に取付けられ粉塵を濾過する袋状の濾布52を有し、発酵槽10からの排気を袋状の濾布52の内面側から外面側に通過させ、その間に粉塵を濾過するものであり、袋状の濾布52であれば、濾布52の内側に粉塵が蓄積しても濾布52を加振することで袋状の濾布52の内側の粉塵を振り落として袋口側から排出させることが容易にできる。したがって、濾布52に粉塵が集積されても容易に除去でき、濾布52のメンテナンスを容易化できる。
即ち、袋状の濾布52に対し外側から叩いたり押圧したり揺すったり引っ張ったりして加振することで、袋状の濾布52の内側に累積した粉塵を振り落とすことができ、また、袋状の濾布52の袋内で振り落とされた粉塵は排気口17から発酵槽10に落下させて戻すことができる。よって、排気口17から濾布52を取り外さなくても、濾布52に蓄積した粉塵を振り落として発酵槽10に戻すことが可能であり、濾布52のメンテナンスの作業負担を容易化できる。
【0139】
ところで、上記実施の形態2の廃棄物処理装置1では、上記実施の形態1のときと同様、発酵槽10の上面部に阻止部50を設けて発酵槽10の上面部に形成された排気口17をその上方で覆う説明としたが、本発明を実施する場合には、上記変形例3のときと同様、発酵槽10の側面部に阻止部50を設けて発酵槽10の側面部に形成された排気口17を覆うものとしてもよく、この場合には、袋状の濾布52の下面側が傾斜部58を有する形態となる。
更に、上記変形例1のときと同様に、排気口17に取付ける袋状の濾布52に替えて、箱状蓋51の内部に排気口17の上方で平板状の濾過フィルタ52Aを設け、濾過フィルタ52Aの鉛直下向きの内面により上昇する排気中の粉塵を阻止し粉塵を自重により落下させるようにしてもよい。
【0140】
また、上記実施の形態2の廃棄物処理装置1は、袋状の濾布52内で自重により落下した粉塵を排気口17から発酵槽10に落下させて戻す簡易な構成としているが、本発明を実施する場合には、粉塵の落下地点で回収する構成としてもよい。即ち、上記実施の形態2では、阻止部50の袋状の濾布52が排気口17を覆う構成により袋状の濾布52の袋内で落下した粉塵が排気口17を通って発酵槽10に落下して戻る構造としているが、本発明を実施する場合には、例えば、排気口17に取付けた配管の端部に阻止部50を設けそこで落下させた粉塵を排気口17とは別途の排出口から排出させる構造としてもよい。
【0141】
なお、本発明を実施するに際しては、廃棄物処理装置1のその他の部分の構成、材質、材料、大きさ、接続関係等について、上記実施の形態や変形例に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態の説明では、脱臭装置70は、活性炭等の多孔質材料(吸着法)、触媒(触媒酸化法)による脱臭方式を例示したが、本発明を実施する場合には、生物脱臭方式、水洗スクラバー式等とすることも可能である。
また、上記実施の形態の説明では、送風機30により発酵槽10に空気を圧送する構成としたが、本発明を実施する場合には、発酵槽10に空気を取り込める構成であれば、排気側から吸気することで、発酵槽10に空気を取り込むようにしてもよい。
【0142】
更に、上記実施の形態1及び2、並びに変形例1乃至4の廃棄物処理装置1では、発酵槽10の上方位置に設けた排気口17を覆うように箱状蓋51や袋状の濾布52を設置したが、本発明を実施する場合には、発酵槽10から脱臭装置70に至るまでの間に発酵槽10からの排気に含まれる粉塵を落下させることができれば、阻止部50を排気口17に隣接させなくてもよい。例えば、袋状の濾布52の袋口側を上向きにして、袋状の濾布内52に排気を下降させてその内面側から外面側に通過させてもよい。袋状の濾布52の開口側から袋内に粉塵が流入しても内面側から外面側への通過が阻止されることで袋状の濾布52内に粉塵が集積するも、袋状の濾布52内に蓄積した粉塵を袋状の濾布52の開口側から排出できることで、メンテナンスの負担を軽減できる。
【0143】
上記実施の形態の説明では、発酵槽10内に撹拌機20の回転軸21が左右方向に延びた配置としたが、本発明を実施する場合には、上下方向に延びて配置し、省スペースでの設置を可能とする縦型の発酵槽10としてもよい。
加えて、本発明を実施する場合には、投入口41を側面部側に設けることも可能であり、また、投入口41と取出口43とを兼用とすることも可能である。
上記実施の形態1及び2、並びに変形例1乃至4の説明では、発酵槽10の上壁部に複数(図においては2個)の排気口17を設けた説明としたが、排気口17の個数は1個であってもよいし3個以上としてもよい。また、排気口17を覆う箱状蓋51は、複数の排気口17をまとめて覆う形態に限定されず、各排気口17に箱状蓋51を設置する形態としてもよい。更に、排気口17に対し、複数の排気口17をまとめて袋状の濾布52で覆う取付け形態であってもよい。
更に、上記実施の形態の廃棄物処理装置1は廃棄物の処理量が多い業務用のものを前提とする説明としたが、家庭用のものにも適用可能である。
【0144】
そして、上記実施の形態1及び2、並びに変形例1乃至4では、廃棄物処理装置として微生物による発酵分解処理装置の例で説明したが、本発明を実施する場合には、廃棄物を高温乾燥で減容化する乾燥式のコンポスタにも適用することができる。廃棄物を高温で乾燥させることによって減容化する装置においても、温風を吹きかけて乾燥させるものであるから、処理槽の通気が行われ、廃棄物の乾燥を行う処理槽からの排気に粉塵が含まれることで、上記実施の形態1及び変形例1乃至4のときと同様に、廃棄物を乾燥により減容処理する処理槽からの排気流により動く衝突体を所定容積の閉鎖空間に収容し、処理槽からの排気に含まれる粉塵を処理槽からの排気流により閉鎖空間内を動く衝突体により落下させ粉塵の通過を阻止する阻止部を処理槽からの排気が排気部へ連通する排気通路に設けることで、阻止部で排気を徐塵できる。こうした廃棄物処理装置としての乾燥式のコンポスタは、廃棄物を乾燥により減容処理する処理槽と、処理槽からの排気を大気に放出する排気部と、処理槽からの排気が排気部へ連通する排気通路に設けられ、排気流により閉鎖空間内を動く衝突体によって処理槽からの排気に含まれる粉塵を落下させ粉塵の通過を阻止する阻止部とを具備するものとなる。
【0145】
また、上記実施の形態2のときと同様に、廃棄物を乾燥により減容処理する処理槽の排気口に取付けられ処理槽からの排気が内面側から外面側に通気する袋状の濾布により処理槽からの排気に含まれる粉塵の通過を阻止する阻止部を処理槽からの排気が排気部へ連通する排気通路に設けることで、阻止部で排気を徐塵できる。こうした廃棄物処理装置としての乾燥式のコンポスタは、廃棄物を乾燥により減容処理する処理槽と、処理槽からの排気を大気に放出する排気部と、処理槽からの排気が排気部へ連通する排気通路に設けられ、処理槽からの排気を内面側から外面側に通過させる袋状の濾布により処理槽からの排気に含まれる粉塵の通過を阻止する阻止部とを具備するものとなる。
【符号の説明】
【0146】
1 廃棄物処理装置
10 発酵槽(処理槽)
50 阻止部
55 閉鎖空間
52 濾布(濾過フィルタ)
52A 濾過フィルタ
53 衝突体
71 排気部
【要約】
【課題】メンテナンスの負担を軽減できること。
【解決手段】廃棄物処理装置1は、廃棄物を微生物により分解処理する処理槽としての発酵槽10と、発酵槽10からの排気を大気に放出する排気部71と、発酵槽10からの排気が排気部71へ連通する排気通路に設けられ、排気部71からの排気流により閉鎖空間55内を動く衝突体53によって発酵槽10からの排気に含まれる粉塵を落下させ粉塵の通過を阻止する阻止部50とを具備するものである。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11