(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】光学測定装置及びそれを用いた光学測定方法
(51)【国際特許分類】
G01M 11/00 20060101AFI20231108BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20231108BHJP
G02B 6/32 20060101ALI20231108BHJP
G02B 6/40 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G01M11/00 G
G01M11/00 U
G02B6/42
G02B6/32
G02B6/40
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018049508
(22)【出願日】2018-03-16
【審査請求日】2021-03-15
(32)【優先日】2017-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509233459
【氏名又は名称】フルークコーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
【住所又は居所原語表記】6920 Seaway Boulevard, Everett, Washington 98203 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ・デイビッド・シェル
(72)【発明者】
【氏名】セイモア・ゴールドステイン
(72)【発明者】
【氏名】ピオトル・アナトリジ・ルバン
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09518892(US,B1)
【文献】特開2004-279142(JP,A)
【文献】特開2005-241398(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0201321(US,A1)
【文献】特開平09-210792(JP,A)
【文献】特開2012-208121(JP,A)
【文献】国際公開第2015/151233(WO,A1)
【文献】実開昭61-044544(JP,U)
【文献】特開2013-183326(JP,A)
【文献】特開2009-175026(JP,A)
【文献】特表2003-527619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 11/00 - G01M 11/02
G01J 1/00 - G01J 1/04
G01J 3/00 - G01J 3/51
G01N 21/84 - G01N 21/958
G02B 6/00
G02B 6/24
G02B 6/255- G02B 6/27
G02B 6/30 - G02B 6/34
G02B 6/36 - G02B 6/43
G02B 6/46
H04B 3/46 - H04B 3/493
H04B 10/07 - H04B 10/079
H04B 17/00 - H04B 17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバケーブルの複数の光ファイバのうちの1つ以上の光ファイバからそれぞれ発信された1つ以上の光信号を受信するように構成された積分球と、
前記積分球内に位置付けられた第1の光検波器であって、前記第1の光検波器が、第1の波長領域で光応答し、前記1つ以上の光信号のうちの少なくとも1つの光信号を受信し、前記少なくとも1つの光信号を表す第1のデータを出力するように構成されている、第1の光検波器と、
前記積分球内に位置付けられた第2の光検波器であって、前記第2の光検波器が、前記第1の波長領域とは異なる第2の波長領域で光応答し、前記1つ以上の光信号のうちの前記少なくとも1つの光信号を受信し、前記少なくとも1つの光信号を表す第2のデータを出力するように構成されている、第2の光検波器と、
前記積分球に光結合されたセンサであって、前記1つ以上の光信号を受信し、前記1つ以上の光信号が前記センサに衝突した場合の1つ以上のそれぞれの位置を表すデータを出力するように構成されている、センサと、
前記第1及び第2の光検波器並びに前記センサに結合されたプロセッサであって、
前記第1及び第2のデータを受信し、
前記第1のデータに基づいて、第1の光強度を特定するとともに、前記第2のデータに基づいて、第2の光強度を特定し、
前記第1の光強度が前記第2の光強度より大きいときには、前記第1のデータを選択し、前記第2の光強度が前記第1の光強度より大きいときには、前記第2のデータを選択し、
該選択された第1又は第2のデータに基づき、少なくとも1つの光信号と関連付けられた光強度を判定し、
前記1つ以上の位置を表す前記データを受信し、かつ
前記1つ以上の位置を表す前記データに基づいて、前記光ファイバケーブルの極性を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、光学測定装置。
【請求項2】
前記プロセッサが、前記少なくとも1つの光信号の光送信強度と前記少なくとも1つの光信号の前記判定された光強度との差に基づいて、前記少なくとも1つの光信号と関連付けられた光損失を判定するように構成されている、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、
前記1つ以上の光信号が前記センサにそれぞれ衝突した、前記センサに関連する1つ以上の位置を判定し、
前記センサに関連する前記1つ以上の位置に基づいて、前記1つ以上の光信号の1つ以上の受信位置をそれぞれ判定し、
前記1つ以上の光信号が前記センサにそれぞれ衝突した時間的順序を判定し、かつ
前記時間的順序及び前記1つ以上の受信位置に基づいて、前記光ファイバケーブルの前記極性を判定するように構成されている、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項4】
前記プロセッサが、
前記1つ以上の光信号が前記センサにそれぞれ衝突した、前記センサに関連する1つ以上の位置を判定し、
前記センサに関連する前記1つ以上の位置に基づいて、前記1つ以上の光信号の1つ以上の受信位置をそれぞれ判定し、かつ
前記1つ以上の光信号の前記1つ以上の受信位置及び1つ以上の送信位置に基づいて、前記光ファイバケーブルの前記極性をそれぞれ判定するように構成されている、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記1つ以上の光信号の固有のシグニチャに基づいて前記1つ以上の送信位置をそれぞれ特定するように構成されている、請求項4に記載の光学測定装置。
【請求項6】
前記センサが画像センサであり、前記光学測定装置が前記光ファイバケーブル
の光出射端の光コネクタを照明するための光を発するように構成された照明源を更に備え、
前記画像センサが、前記照明された光コネクタの画像を捕捉し、かつ前記画像を出力するように構成されており、
前記プロセッサが、前記画像を受信し、かつ前記画像を解析するように構成されている、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項7】
前記画像を解析することが、前記画像に基づく前記光コネクタの汚染レベル、及び前記画像に基づいて特定された前記光ファイバケーブルの端面の数又は前記端面の配置に基づく前記光コネクタのタイプのうちの少なくとも1つを判定することを含む、請求項6に記載の光学測定装置。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記1つ以上の光信号のうちの1つの光信号の受信位置と前記光信号の対応する送信位置との間のオフセットに基づいて、前記光ファイバケーブルの前記極性を判定するように構成されている、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項9】
前記積分球内にピンホールに光結合された近位端を有するチャンバを更に備え、前記センサが前記チャンバ内に配設されている、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項10】
前記積分球内の前記ピンホール上に位置決めされたレンズを更に備える、請求項9に記載の光学測定装置。
【請求項11】
光ファイバケーブルの複数の光ファイバのうちの1つ以上の光ファイバからそれぞれ発信された、各々が波長を有する1つ以上の光信号を受信することと、
画像センサによって、前記1つ以上の光信号の1つ以上の画像を捕捉することと、
前記1つ以上の画像に基づいて、前記1つ以上の光信号の1つ以上の受信位置をそれぞれ判定することと、
前記1つ以上の光信号の前記1つ以上の受信位置及び1つ以上の送信位置の両方に基づいて、前記光ファイバケーブルの極性をそれぞれ判定することと、
第1と第2の光検波器を使用して、少なくとも、
前記第1の光検波器によって出力された光強度を表すデータに基づいて、第1の光強度を判定することと、
前記第2の光検波器によって出力された光強度を表すデータに基づいて、第2の光強度を判定することと、
前記第1の光強度が前記第2の光強度より大きいときには、前記波長が前記第1の光検波器の第1の光応答波長領域内にあると判定し、前記第1の光検波器によって出力された前記光強度を表す前記データに基づいて、前記1つ以上の光信号の前記光強度又は損失を判定することと、
前記第2の光強度が前記第1の光強度より大きいときには、前記第2の光検波器によって出力された前記光強度を表す前記データに基づいて、前記1つ以上の光信号の前記光強度又は損失を判定することと、によって
前記1つ以上の光信号の前記光強度又は損失を判定することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記1つ以上の光信号の前記波長を示す情報を受信することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記波長が前記第1の光応答波長領域内にあるときに、前記第2の光検波器に、前記光強度の測定を停止するか若しくは前記光強度を表すデータの出力を停止するように命令することと、前記波長が前記第1の光検波器の前記第1の光応答波長領域とは異なる前記第2の光検波器の第2の光応答波長領域内にあるときに、前記第1の光検波器に、前記光強度の測定を停止するか若しくは前記光強度を表すデータの出力を停止するように命令することと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の受信位置を判定することが、
前記1つ以上の画像に基づいて、前記1つ以上の光信号が前記画像センサにそれぞれ衝突した場合の前記画像センサに関連する1つ以上の位置を判定することと、
前記画像センサに関連する前記1つ以上の位置に基づいて、前記1つ以上の受信位置を判定することと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記光ファイバケーブルの
光出射端の光コネクタを照明するための光を発することと、
前記照明された光コネクタの画像を捕捉することと、
前記画像を解析して、前記光コネクタの汚染レベルを判定することと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記光コネクタを解析することが、前記画像に基づいて特定された端面の数又は前記端面の配置に基づいて、前記光コネクタのタイプを判定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の光検波器と前記第2の光検波器が、前記少なくとも1つの光信号を同時に受信する、請求項1に記載の光学測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、光コネクタの極性、光信号の損失、光コネクタの汚染、及び/又は光コネクタのタイプを判定するための光学測定装置を対象とし、具体的には、積分球及び複数の光検波器を搭載した光学測定装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
光信号強度及び/又は光アレイ極性を測定する従来の装置は、光アレイの各光ファイバに個別に結合された光学検出器を利用している。従来の装置はアレイの各光ファイバを介して送信された光信号の光強度を測定するために使用され得る。しかしながら、強度測定値を得るために、装置を各光ファイバに個別に結合しなければならないため、時間を要する。
【0003】
いくつかの従来の装置には複数のセンサが搭載されており、これにより各センサがアレイのそれぞれの光ファイバから受信された光信号を捕捉する。これらの装置が適切に機能するためには、センサが光ファイバとそれぞれ整列しなければならない。マルチファイバプッシュオン(MPO)コネクタなどの光アレイコネクタがジェンダー固有(例えば、ピン付き又はピンなし)であるため、装置をコネクタに取り付けて整列させるために、ジェンダー対応装置が必要となる。したがって、光アレイ上で実地試験を実施する作業者は、両方のジェンダー用に複数の装置を携帯しなければならないことがある。ジェンダーを逆にするためのパッチコードの代替使用は、測定結果にアーチファクトをもたらし、測定結果をより不確実にする可能性がある。更に、これらの装置は一定のサイズの光アレイ(光ファイバの行又は列の特定数を有する)にのみ利用可能である。これらの装置は、光ファイバの行又は列の数に関して、装置がその数専用に設計されていなければ、多くの市販のアレイを試験するために使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、光学測定装置は、光ファイバケーブルの複数の光ファイバのうちの1つ以上の光ファイバからそれぞれ発信された1つ以上の光信号を受信するように構成された積分球と、積分球内に位置付けられて第1の波長領域で光応答する第1の光検波器と、を含み、第1の光検波器は、1つ以上の光信号のうちの少なくとも1つの光信号を受信し、少なくとも1つの光信号を表す第1のデータを出力するように構成されている。一実施形態では、光学測定装置は、積分球内に位置付けられ、第1の波長領域とは異なる第2の波長領域で光応答する第2の光検波器を含み、第1の光検波器は、1つ以上の光信号のうちの少なくとも1つの光信号を受信し、少なくとも1つの光信号を表す第2のデータを出力するように構成されている。一実施形態では、光学測定装置は、積分球に光結合され、1つ以上の光信号を受信し、1つ以上の光信号がセンサに衝突した1つ以上のそれぞれの位置を表すデータを出力するように構成されたセンサを含む。一実施形態では、光学測定装置は、光検波器及びセンサに結合され、少なくとも1つの光信号を表す第1のデータ及び第2のデータを受信し、少なくとも1つの光信号と関連付けられた光強度を判定するために、第1のデータ及び第2のデータのうちの1つを選択し、選択された第1のデータ及び第2のデータのうちの1つに基づいて、少なくとも1つの光信号と関連付けられた光強度を判定し、1つ以上の位置を表すデータを受信し、1つ以上の位置を表すデータに基づいて、光ファイバケーブルの極性を判定するように構成されている、プロセッサを含む。
【0006】
一実施形態では、プロセッサは、少なくとも、少なくとも1つの光信号を表す第1のデータに基づいて、第1の光強度を特定することと、少なくとも1つの光信号を表す第2のデータに基づいて、第2の光強度を特定することと、第1の光強度が第2の光強度より大きいとき、第1のデータを選択すること、第2の光強度が第1の光強度より大きいとき、第2のデータを選択することと、によって、第1のデータ及び第2のデータのうちの1つを選択するように構成されている。
【0007】
一実施形態では、プロセッサは、少なくとも、1つ以上の光信号の波長の表示を受信することと、波長が第1の波長領域又は第2の波長領域内にあるかどうかを判定し、波長が第1の波長領域内にあるときに、第1のデータを選択することと、波長が第2の波長領域内にあるときに、第2のデータを選択することと、によって第1のデータ及び第2のデータのうちの1つを選択するように構成されている。
【0008】
一実施形態では、プロセッサは、少なくとも1つの光信号の光送信強度と少なくとも1つの光信号の判定された光強度との差に基づいて、少なくとも1つの光信号と関連付けられた光損失を判定するように構成されている。一実施形態では、プロセッサは、1つ以上の位置に基づいて、1つ以上の光信号がセンサにそれぞれ衝突した、センサに関連する1つ以上の位置を判定し、センサに関連する1つ以上の位置に基づいて、1つ以上の光信号の1つ以上の受信位置をそれぞれ判定し、1つ以上の光信号がセンサにそれぞれ衝突した順序を判定し、順序及び1つ以上の受信位置に基づいて、光ファイバケーブルの極性を判定するように構成されている。
【0009】
一実施形態では、プロセッサは、1つ以上の位置に基づいて、1つ以上の光信号がセンサにそれぞれ衝突した、センサに関連する1つ以上の位置を判定し、センサに関連する1つ以上の位置に基づいて、1つ以上の光信号の1つ以上の受信位置をそれぞれ判定し、1つ以上の光信号の1つ以上の受信位置及び1つ以上の送信位置に基づいて、光ファイバケーブルの極性をそれぞれ判定するように構成されている。
【0010】
一実施形態では、プロセッサは、1つ以上の光信号の固有の特徴に基づいて、1つ以上の送信位置をそれぞれ特定するように構成されている。一実施形態では、センサは画像センサであり、光学測定装置は、光ファイバケーブルの光コネクタを照明するための光を発するように構成された照明源を更に含み、画像センサは、照明された光コネクタの画像を捕捉し、画像を出力するように構成されており、プロセッサは、画像を受信し、画像を解析するように構成されている。
【0011】
一実施形態では、画像を解析することが、画像に基づく光コネクタの汚染レベル、及び画像に基づいて特定された光ファイバケーブルの端面の数又は端面の配置に基づく光コネクタのタイプのうちの少なくとも1つを判定することを含む。一実施形態では、プロセッサは、1つ以上の光信号のうちの1つの光信号の受信位置と対応する光信号の送信位置との間のオフセットに基づいて、光ファイバケーブルの極性を判定するように構成されている。
【0012】
一実施形態では、プロセッサは、受信位置が対応する送信位置と同じである場合、極性を第1のタイプであると判定するように構成されている。一実施形態では、プロセッサは、受信位置が対応する送信位置の対ごとの配列転置である場合、極性を第2のタイプであると判定するように構成されている。一実施形態では、プロセッサは、受信位置が対応する送信位置に関連する配列転置である場合、極性を第3のタイプであると判定するように構成されている。
【0013】
一実施形態では、方法は、光ファイバケーブルの複数の光ファイバのうちの1つ以上の光ファイバからそれぞれ発信された1つ以上の光信号を受信することを含み、1つ以上の光信号が波長を有する。一実施形態では、方法は、1つ以上の光信号の1つ以上の画像を捕捉することと、1つ以上の画像に基づいて、1つ以上の光信号の1つ以上の受信位置をそれぞれ判定することと、1つ以上の光信号の1つ以上の受信位置及び1つ以上又は送信位置の両方に基づいて、光ファイバケーブルの極性をそれぞれ判定することと、を含む。一実施形態では、波長が第1の光検波器の第1の光応答領域内にあるときに、方法は、第1の光検波器によって出力された光強度を表すデータに基づいて、1つ以上の光信号の光強度又は損失を判定することを含み、波長が第2の光検波器の第2の光応答領域内にあるときに、方法は、第2の光検波器によって出力された光強度を表すデータに基づいて、1つ以上の光信号の光強度又は損失を判定することを含み、第1の光応答領域及び第2の光応答領域は異なる。
【0014】
一実施形態では、方法は、第1の光検波器によって出力された光強度を表すデータに基づいて、第1の光強度を判定することと、第2の光検波器によって出力された光強度を表すデータに基づいて、第2の光強度を判定することと、第1の光強度が第2の光強度より大きいときに、波長が第1の光検波器の第1の光応答領域内にあると判定し、第1の光検波器によって出力された光強度を表すデータに基づいて、1つ以上の光信号の光強度又は損失を判定することと、第2の光強度が第1の光強度より大きいときに、第2の光検波器によって出力された光強度を表すデータに基づいて、1つ以上の光信号の光強度又は損失を判定することと、を含む。
【0015】
一実施形態では、方法は、1つ以上の光信号の波長の表示を受信することを含む。一実施形態では、方法は、波長が第1の光応答領域内にあるときに、第1の光検波器に、光強度を表すデータの測定又は出力を停止するように命令することと、波長が第2の光応答領域内にあるときに、第2の光検波器に光強度を表すデータの測定又は出力を停止するように命令することと、を含む。一実施形態では、1つ以上の受信位置を判定することが、1つ以上の画像に基づいて、1つ以上の光信号が画像センサにそれぞれ衝突した、画像センサに関連する1つ以上の位置を判定することと、画像センサに関連する1つ以上の位置に基づいて、1つ以上の受信位置を判定することと、を含む。
【0016】
一実施形態では、方法は、光ファイバケーブルの光コネクタを照明するための光を発することと、照明された光コネクタの画像を捕捉することと、画像を解析して、光コネクタの汚染レベルを判定することと、を含む。一実施形態では、光コネクタを解析することが、画像に基づいて特定された端面の数又は端面の配置に基づいて、光コネクタのタイプを判定することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態による光学測定装置のブロック図を示す。
【
図2】一実施形態による光学測定装置の絵図を示す。
【
図5】光コネクタから発信された光信号を受信する画像センサの説明を示す。
【
図6】光コネクタのタイプを判定するための方法のフロー図を示す。
【
図7】光信号の送信における光損失を判定するための方法のフロー図を示す。
【
図8】光ファイバケーブルの光コネクタの極性を判定するための方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、一実施形態による光学測定装置100のブロック図を示す。光学測定装置100は、プロセッサ102、光検波器104、センサ106、照明源108、メモリ110、及びインターフェース112を含む。光検波器104、センサ106、照明源108、メモリ110及びインターフェース112は、プロセッサ102に通信可能に結合される。
【0019】
光検波器104は、任意のタイプの光センサであってもよい。例えば、光検波器104は、1つ以上のフォトダイオードを含むフォトセンサであってもよい。光検波器104は、光信号を受信し、光信号の光強度を検出し、光信号又は光強度を表すデータを出力するように構成されている。光検波器104は、光ファイバケーブル(図示せず)の光ファイバから発信された光信号を受信し、光信号又はその光強度を表すデータを出力することができる。
【0020】
センサ106は、光信号がセンサ106に衝突した位置を表すデータを出力するように構成された任意の装置であってもよい。例えば、センサ106は、光信号の画像を捕捉し、その画像を表すデータを出力する画像センサであってもよい。例えば、センサ106は、カメラであってもよい。センサ106は、光ファイバから発信された光信号の画像を捕捉するように構成されている。更に、センサ106は、光ファイバアレイ又はコネクタの照明された端面の画像を捕捉し、画像を表すデータを出力してもよい。
【0021】
加えて、センサ106は、光学ストリップ又は光学アレイであってもよい。例えば、光学ストリップは、1xn寸法の線形フォトダイオードアレイ(例えば、インジウムガリウム砒素(InGaAs)フォトダイオードアレイ)であってもよい。センサ106はまた、2次元センサマトリクスであってもよい。光ストリップ又は光アレイは、光信号を受信し、光信号が光ストリップ又は光アレイに衝突した位置を表すデータを出力することができる。位置は、平面内の位置(例えば、x-y位置又は線に沿った位置)であってもよい。
【0022】
照明源108は、任意のタイプの光源であってもよい。例えば、照明源108は、発光ダイオード(LED)又はレーザ源であってもよい。照明源108は、光ファイバ又は光ファイバアレイの端面又はコネクタを照明するための光を発する。端面が照明されると、端面の汚染について検査され得る。例えば、端面が照明されると、端面に塵粒子などの汚染物質が存在することが検出され得る。端面又はコネクタを照明することにより、汚染試験及びタイプ(例えば、端面の数並びにアレイのサイズ及び寸法)の判定のために画像を捕捉することが可能になる。
【0023】
メモリ110は、とりわけ、読み出し専用メモリ(ROM)、スタティックランダムアクセスメモリ(RAM)又はダイナミックRAMなどの任意のタイプのメモリであってもよい。メモリ110は、プロセッサ102によって実行される際に、プロセッサ102に本明細書に記載された動作/技術を実行させる、実行可能命令を格納するように構成されている。メモリ110はまた、光検波器104又は画像センサ106によって出力されるデータを格納することができる。
【0024】
プロセッサ102は、光信号又はその光強度を表すデータを受信する。プロセッサ102は、光信号の送信と関連付けられた光損失を判定し、光損失をメモリ110に格納し、かつ/又は光損失をインターフェース112に出力する。光損失を出力する代わりに、プロセッサ102は、試験中の光ファイバへの入力として、光信号の既知の強度との比較のために光強度を出力してもよい。
【0025】
プロセッサ102は、センサ106によって出力されたデータを受信する。例えば、データは、捕捉された光信号の画像又は光信号が衝突した位置であってもよい。プロセッサ102は、データに基づいて、光信号がセンサ106によって受信される、光ファイバケーブルの極性を判定する。プロセッサ102は、光ファイバの端面の汚染を検査するために、画像を評価してもよい。プロセッサ102は、画像に基づいて汚染検査結果(例えば、汚染レベル)を判定してもよい。プロセッサ102はまた、画像を表示用に出力してもよく、それによって、画像は、光学測定装置100を使用して人員によって評価され得る。プロセッサ102はまた、以下により詳細に説明するように、光ファイバケーブルのコネクタのタイプを判定することができる。プロセッサ102は、判定された極性、汚染検査結果及び/又はコネクタのタイプをインターフェース112に出力する。
【0026】
とりわけ、ディスプレイ又は通信インターフェースであり得るインターフェース112は、プロセッサ102から光損失、光強度、極性及び/又はコネクタのタイプ情報を受信する。インターフェース112がディスプレイである場合、インターフェースは、受信された光損失、光強度、極性、汚染検査結果及び/又はコネクタのタイプの表示をユーザに表示してもよい。インターフェース112が通信インターフェースである場合、インターフェース112は、受信された光損失、光強度、極性、汚染検査結果及び/又はコネクタのタイプの表示を別の装置に送信してもよい。
【0027】
図2は、一実施形態による光学測定装置100の絵図である。光学測定装置100は、積分球114、光検波器104、照明源108、チャンバ116、及びセンサ106を含む。
【0028】
積分球114は、反射性内部を有する中空球状キャビティであってもよい。積分球114は、光ファイバケーブル122の複数の光ファイバ120a-nからそれぞれ発信された、複数の光信号のうちの1つの光信号を受信するための入口ポート118を有する。光ファイバケーブル122は、光コネクタ124で終端してもよい。積分球114又はその入口ポート118は、光コネクタ124を受けるためのメカニカルインターフェース126を有していてもよい。光コネクタ124は、メカニカルインターフェース126に接続されてもよい。メカニカルインターフェース126は、光コネクタ124を積分球114に固定することができ、光ファイバケーブル122の複数の光ファイバ120a-nから発信された光ファイバ信号(又は光線)を、積分球114のキャビティに到達させることができる。メカニカルインターフェース126は、ジェンダーレスであってもよく、任意のジェンダーの光コネクタ124を接続することを可能にする。更に、メカニカルインターフェース126は、様々なサイズを有する光コネクタを受け入れるサイズ及び寸法に合わせられてもよい。
【0029】
光検波器104は積分球114内に位置決めされる。複数の光ファイバ120a-nの光ファイバ120から発信された光信号は、反射性内部によって積分球114のキャビティ内に反射される。光信号は最終的に光検波器104に到達する。光検波器104aは、本明細書で説明するように光信号の光強度を検出し、検出された強度を表すデータを出力する。
【0030】
積分球114は開口128を有する。開口128は、チャンバ116に通じている。開口128は、迷光を遮断し、撮像素子(例えば、レンズ)として動作する。一実施形態では、開口128は、レンズ又はレンズの等価物によって置き換えられてもよい。開口128は、積分球114内で反射されている光信号が、積分球114を出てチャンバ116に入ることを可能にし得る。
【0031】
チャンバ116は、暗室であってもよい。チャンバ116は、一端で光信号を受信し、光信号がチャンバ116の他端に投射できるように構成された任意の装置であってもよい。
図2に示すように、チャンバ116の遠位端130は、開口128を介して積分球114を出る光を受け取る。例えば、チャンバ116の遠位端130は、積分球114の開口128を介して、積分球114を出る光を受け取る開口を有していてもよい。このように、チャンバ116及び積分球114は光結合される。センサ106は、チャンバ116の近位に配設されており、チャンバ116に入る光を捕捉するように構成されている。
【0032】
照明源108は、積分球114内で光を発するように位置決めされてもよい。照明源108は、光コネクタ124の端面を照明する光を発してもよい。発せられた光は、光コネクタ124の端面に到達し、端面から反射し得る。その後、反射された光は、開口128及びチャンバ116を介してセンサ106に到達する。
【0033】
センサ106は、光コネクタ124の端面の画像を捕捉してもよい。その後、センサ106は、画像を表すデータを、
図1を参照して説明するプロセッサ102に出力する。プロセッサ102は、画像を解析してもよい。プロセッサ102は、端面の画像に基づいて、光コネクタ124のタイプを判定する。更に、プロセッサ102は、画像に基づいて端面の汚染レベルを判定してもよい。プロセッサ102は、例えば、画像処理技法を適用して、形状若しくは配置、又は画像内の他の視覚的に知覚可能な特徴に基づいて、光コネクタのタイプを判定してもよい。以下で説明するであろうように、光コネクタ124のタイプは、光コネクタ124と関連付けられた光ファイバの端面の観測された行又は列の数に少なくとも部分的に基づいて、一意に判定されてもよい。更に、プロセッサ102は、端面の画像に基づいて、光コネクタ124の端面の汚染レベルを判定してもよい。一実施形態では、チャンバの使用はなくてもよい。例えば、センサ106は、レンズを介して積分球114に光結合されてもよい。
【0034】
一実施形態では、積分球114の代わりに別の光学成分が使用されてもよい。例えば、積分球114は、拡散体又は別の光学成分で置き換えられてもよい。
【0035】
図3は、様々な光コネクタタイプの説明を示す。第1の光コネクタ124aは、1列に12の端面132のアレイを含む。したがって、第1の光コネクタ124aは、端面132の1×12アレイを有するものとして特徴付けられ得る。第2の光コネクタ124bは、1列に16の端面132のアレイを含む。したがって、第2の光コネクタ124bは、端面132の1×16アレイを有するものとして特徴付けられ得る。第3の光コネクタ124cは、それぞれが12の端面132を有する2列を含む。したがって、第3の光コネクタ124cは、端面132の2×12アレイを有するものとして特徴付けられ得る。
【0036】
図2に戻って参照し、プロセッサ102は、光コネクタ124の端面の画像を評価して、光コネクタ124の端面の配置を判定してもよい。プロセッサ102は、判定された端面の配置に少なくとも部分的に基づいて、光コネクタ124のタイプを判定してもよい。更に、プロセッサ102は、観察された光コネクタ124のサイズ若しくはその端面、又は光コネクタ124の端面間の距離に少なくとも部分的に基づいて、光コネクタ124のタイプを判定してもよい。例えば、プロセッサ102は、画像を、メモリ110に記憶された既知の配置の画像と比較してもよい。比較に基づいて、プロセッサ102は、捕捉された画像との類似度が最も高い既知の画像を特定してもよい。光コネクタのタイプ又は端面の配置は、特定された既知の画像のものであると判定されてもよい。
【0037】
センサ106が画像センサである場合、センサ106によって捕捉された1つ以上の画像を使用して、光ファイバケーブル122の極性を判定してもよい。センサ106は、複数の光ファイバケーブル120a、120b、120c、...、120nのうちの1つ以上から発信された光信号の1つ以上の画像を捕捉する。プロセッサ102は、光コネクタ124に対する光信号の受信位置を判定することができる。光ファイバケーブル122の極性は、光信号の判定された受信位置、及び光ファイバケーブル122の光ファイバに入力される光信号の既知の送信位置に少なくとも部分的に基づいて判定されてもよい。極性及び汚染レベルを判定するために発信された光信号と、電力損失又は強度測定を判定するために発信された光信号は、異なる波長を有し得る。信号は、可視光信号又は赤外線信号であってもよい。更に、センサ106は、可視光信号に応答してもよい。
【0038】
更に、センサ106は、光学ストリップ又は光学アレイであってもよい。センサ106は、光信号がセンサ106に衝突した位置を表すデータを出力することができる。位置は、平面内の位置(例えば、x-y位置又は線に沿った位置)であり得る。プロセッサ102は、光信号がセンサ106に衝突した位置、及び光ファイバケーブル122の光ファイバに入力された光信号の既知の送信位置に少なくとも部分的に基づいて、光ファイバケーブル122の極性を判定してもよい。
【0039】
図4は、光ファイバアレイの極性の説明を示す。
図4には、光ファイバケーブル122の送信端の光コネクタ134が、3つの極性タイプによる光ファイバケーブル122の受信端の3つの光コネクタ136a、136b、136cと共に示されている。光コネクタ136a、136b、136cの極性とは、光ファイバケーブル122の送信端の光コネクタ134における送信位置と、光ファイバケーブルの受信端の光コネクタ136における受信位置との関係を指す。
【0040】
第1の光コネクタ136aは、第1の極性138a(米国国家規格協会/電気通信工業会568仕様(ANSI/TIA-568)によって定義される「タイプA」極性として知られている)を有する。第1の極性138aによれば、光信号の受信位置は、光信号の送信位置と同じである。送信及び受信位置は、光コネクタ134、136のキー140によって参照されてもよい。例えば、第1の位置は、キー140に関して最も左の位置であってもよく、第2の位置は、キー140に関して左から2番目の位置などであってもよい。1列の端面を含む光コネクタ134、136は
図4を参照して説明されているが、他の実施形態では、光コネクタは光ファイバの端面の2つ以上の列を有し得ることに留意されたい。
【0041】
第2の光コネクタ136bは、第2の極性138b(「タイプB」極性として知られている)を有する。第2の極性138bによれば、光信号の受信位置が送信位置に対して転置される。したがって、キー140に対して最も左の位置で光ファイバ内に送信される光信号は、受信端の光コネクタ136b上のキー140に対して最も右の位置で受信されることになる。同様に、送信時にキー140に対して左から3番目の位置で光ファイバ内に送信される光信号は、受信端上の右から3番目の位置で受信されることになる。
【0042】
第3の光コネクタ136cは、第3の極性138c(「タイプC」極性として知られている)を有する。第3の極性138cによれば、光信号の受信位置は送信位置に対して対ごとに転置されることになる。したがって、送信時にキー140に対して最も左の位置で光ファイバに送信される光信号は、キー140に対して左から2番目の位置で受信されることになり、その逆も同様である。同様に、送信側のキー140に対して左から3番目の位置で光ファイバ内に送信される光信号は、受信側の左から4番目の位置で受信されることになる。
【0043】
図2に戻って参照し、光信号がセンサ106に衝突した位置を表すデータ(例えば、センサ106によって捕捉された1つ以上の画像)は、光コネクタ124内の光信号の受信位置を判定するために使用されてもよい。受信位置が一旦判定されると、光ファイバケーブル122の極性は、受信位置及び光信号の既知の送信位置に基づいて、プロセッサ102によって判定されてもよい。
【0044】
図5は、光コネクタ124から発信された光信号を受信するセンサ106の説明を示す。説明を容易にするために、画像センサ106によって受信された光信号に対する開口128の転置効果は、
図5では無視されることに留意されたい。
【0045】
センサ106は、光コネクタ124から発信された光信号を受信することができる。センサ106は、光信号がセンサ106に衝突した位置を表すデータを出力する。データは、光コネクタ124から発信された光信号の1つ以上の画像であってもよい。データ又は1つ以上の画像は、各光信号について、光信号が衝突したセンサ106に関する位置を判定するために使用されてもよい。光信号がセンサ106に衝突する位置は、光コネクタ124上の受信位置を示す。
【0046】
更に、データは、光信号が受信された順序を判定するために使用されてもよい。順序は、他の光信号に関する光信号の受信のタイミングに基づいて判定されてもよい。例えば、センサ106は、複数の画像を経時的に順次捕捉することができる。他の光信号に関連する光信号の受信の順序は、一連の画像で、光信号が特定された画像に基づいて判定されてもよい。
【0047】
光ファイバケーブル122内の複数の光ファイバ120を試験するために、試験規則が採用されてもよい。光ファイバケーブル122を試験する間、光信号は、特定の順序で複数の光ファイバ120を介して送信されてもよい。例えば、光信号は、複数の光ファイバ120を介して、最も左の送信位置から最も右の送信位置まで連続して送信されてもよい。光ファイバ信号の受信順序が最も左の受信位置から最も右の受信位置までであると判定された場合、光ファイバケーブル122の極性は、
図4を参照して説明する第1の極性138aであると判定され得る。逆に、受信順序が最も右の受信位置から最も左の受信位置までであると判定された場合、光ファイバケーブル122の極性は、
図4を参照して説明する第2の極性138bであると判定され得る。あるいは、受信順序が、送信順序に関して対ごとに転置されていると判定された場合、光ファイバケーブル122の極性は、
図4を参照して説明する第3の極性138cであると判定され得る。
【0048】
本明細書において試験規則として説明する送信順序及び受信順序を使用する代わりに、特定の送信位置を介して送信される光信号は、固有のシグニチャを有していてもよい。シグニチャは、光信号の変調又は光信号と関連付けられた波長に基づき得る。例えば、特定の送信位置を介して送信される光信号は、とりわけ、固有のオンオフキーイングパターンを使用して変調されてもよい。あるいは、又は加えて、特定の送信位置を介して送信される光信号は固有の波長を有していてもよい。シグニチャは、光学測定装置100に先験的に既知であってもよい。
【0049】
受信された光信号のシグニチャは、センサ106によって捕捉された画像に基づいて判定されてもよい。例えば、受信された光信号のオンオフキーイングパターンは、センサ106によって捕捉された一連の画像に基づいて特定されてもよい。更に、可視光スペクトル内で受信された光信号の波長は、受信された光信号の有色画像に基づいて特定されてもよい。
【0050】
受信された光信号のシグニチャは、光信号の受信位置を光信号の既知の送信位置と相関させるために使用されてもよい。本明細書で説明するように、光信号の受信位置は、光信号が衝突したセンサ106上の場所又は位置に基づいて判定されてもよい。その後、送信及び受信位置が、光ファイバケーブル122の極性を判定するために使用される。
【0051】
図6は、光コネクタ124のタイプを判定するための方法600のフロー図を示す。602では、
図1を参照して説明するプロセッサ102などのプロセッサは、
図1を参照して説明する照明源108などの照明源に、光コネクタ124を照明する光を発するための命令を送る。604では、
図1を参照して説明するセンサ106などの画像センサは、光コネクタ124の画像を捕捉する。画像センサは、捕捉された画像を表すデータをプロセッサに出力する。606では、プロセッサは画像を評価して、光コネクタのコネクタタイプを判定する。
【0052】
例えば、プロセッサは、画像をメモリ110に記憶された既知の配置の画像と比較することができる。比較に基づいて、プロセッサ102は、捕捉された画像との類似度が最も高い既知の画像を特定してもよい。光コネクタのタイプは、特定された既知の画像のものであると判定されてもよい。608では、プロセッサは、光コネクタのタイプを表すデータを、
図1を参照して説明するインターフェース112のなどのインターフェースに出力する。
【0053】
図7は、光信号の送信における光損失を判定するための方法700のフロー図を示す。702では、
図1を参照して説明した光検波器104などの光検波器は、光信号を受信し、受信された光信号の光強度を判定する。704では、光検波器は、光信号の判定された強度を表すデータをプロセッサに出力する。706では、プロセッサは、受信された光信号の判定された光強度及び送信されたときの光信号の既知の光強度に基づいて、光信号の光損失を判定する。708では、プロセッサは、
図1を参照して説明したインターフェース112などのインターフェースに、光損失を表すデータを出力する。
【0054】
図8は、光ファイバケーブルの光コネクタの極性を判定するための方法800のフロー図を示す。802では、画像センサは、光ファイバケーブルの1つ以上の光ファイバから発信された1つ以上の光信号の1つ以上の画像を捕捉する。画像センサは、1つ以上の画像を表すデータをプロセッサに出力する。804では、プロセッサは、1つ以上の画像に基づいて、1つ以上の光信号と関連付けられた1つ以上の受信位置をそれぞれ判定する。例えば、プロセッサは、光信号が画像センサに衝突した位置に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の受信位置を判定することができる。
【0055】
806では、プロセッサは、1つ以上の光信号と関連付けられた1つ以上の送信位置をそれぞれ判定する。送信位置は、1つ以上の光信号が送信されることが分かっていた順序に関連して、1つ以上の光信号が受信された順序に基づいて判定されてもよい。送信位置は、1つ以上の光信号にそれぞれ関連付けられた1つ以上のシグニチャに少なくとも部分的に基づいて判定され、かつ受信位置と相関されてもよい。1つ以上のシグニチャは、捕捉された画像に基づいて判定されてもよい。808では、プロセッサは、1つ以上の光信号のそれぞれの送信及び受信位置に基づいて光コネクタの極性を判定する。810では、プロセッサは光コネクタの極性を表すデータを出力する。
【0056】
図9は、一実施形態による光学測定装置100を示す。
図2の光学測定装置100を参照して説明した光学測定装置100の同様の要素は、同じ参照番号を有する。光学測定装置100の照明源108は、チャンバ116内に位置決めされる。ビームスプリッタ142もチャンバ116内に位置決めされる。ビームスプリッタ142は、照明源108によって発せられた光を光コネクタ124上に反射する。ビームスプリッタ142は、光コネクタ124から反射した光がビームスプリッタを通過してセンサ106に到達することを可能にする。加えて、光学測定装置100は、レンズ144を備えている。レンズ144は、開口128に位置決めされる。レンズ144は、積分球114から暗室116へ、光を方向付けして集束させるのに役立つ。レンズ144は、光コネクタ124の前面画像をセンサ106上に集束させる。試験中の光ファイバがアクティブであるとき、光はセンサ106に集束され、極性が判定され得る。照明源108がアクティブであるとき、コネクタ面の汚染(レンズ144によって集束される)は、センサ106によって見ることができる。
【0057】
一実施形態では、センサ106は、光信号がセンサ106に入射する場所の位置(x、y)と光信号の強度との両方を感知するセンサアレイであってもよい。センサ106は強度測定を行うことができるため、光検波器104の使用はなくてもよく、センサ106は、位置及び強度判定の両方に使用されてもよい。センサ106は、暗室116の有無にかかわらず使用されてもよい。暗室116が使用されない場合、センサ106は開口128に光結合されてもよい。センサ106の例には、浜松G12430シリーズInGaAsフォトダイオードアレイが含まれる。
【0058】
光ファイバケーブル122は、マルチモード光ファイバケーブルであってもよく、光ファイバケーブル122の光ファイバ120a-nは、マルチモード光ファイバであってもよい。光ファイバケーブル122は、あるいは、シングルモード光ファイバケーブルであってもよい。マルチモード光ファイバケーブルとして、光ファイバケーブル122(又はその光ファイバ120a-n)は、広領域の波長を有する光信号を搬送することができる。例えば、光ファイバケーブル122は、とりわけ、850ナノメートル(nm)又は1300nmの波長を搬送することができる。逆に、シングルモード光ファイバは、マルチモード光ファイバよりも長い波長を有する光信号を搬送することができる。例えば、シングルモード光ファイバは、とりわけ、1310又は1550nmの波長を有する光信号を搬送することができる。
【0059】
光学測定装置100は、マルチモード光ファイバの使用波長領域などの、広領域の波長にわたって光信号の光強度を検出するように構成されていてもよい。光学測定装置100はまた、マルチモード光ファイバケーブルの極性を判定してもよい。
【0060】
図10は、一実施形態による光学測定装置を示す。
図10を参照して説明する光学測定装置100の同様の要素は、
図2を参照して説明した光学測定装置100の要素と同じ参照番号を有する。光学測定装置100は、2つの光検波器104a、104bを含む。光学測定装置100は本明細書では、2つの光検波器104a、104bを含むと説明するが、光学測定装置100は、任意の数の光検波器を含んでもよいことに留意されたい。
図1を参照して説明した光検波器104と同様に、2つの光検波器104a、104bはプロセッサ102に通信可能である。光検波器104a、104bはそれぞれ、光信号を受信し、光信号の光強度を検出し、光信号又は光強度を表すデータをプロセッサ102に出力するように構成されている。
【0061】
光検波器104a、104bは、異なるタイプのものであってもよく、それら(又はそれらのそれぞれの光感知エリア)は、とりわけ、シリコン(Si)又はインジウムガリウム砒素(InGaAs)のなどの異なる材料で作られていてもよい。光検波器104a、104bは、異なる波長応答度又は光感度を有していてもよい。例えば、第1の光検波器104aは、InGaAs光検波器であってもよく、したがって、1000nmと1500nmとの間の第1の波長領域の波長に光応答し得る。第2の光検波器104bは、シリコン光検波器であってもよく、500nmから1000nmの第2の波長領域の波長に光応答し得る。第1の領域及び第2の領域は異なっており、部分的に重複していても重複していなくてもよい。
【0062】
光検波器104a、104bが、例えばワット当たりのアンペア(A/W)で測定されたような、閾値を超える応答度を有する場合、光検波器104a、104bは波長に応答すると言える。閾値は、とりわけ、0.2A/Wとすることができる。光検波器104a、104bは、光検波器104a、104bの波長に対する応答度が閾値を超える場合、波長に応答すると言える。逆に、光検波器104a、104bは、光検波器104a、104bの波長に対する応答度が閾値を超えない場合、波長に非応答性であると言える。
【0063】
0.2A/W以上の応答度は、光信号(及びその関連する光強度)を確実に検出することを可能にする。例えば、応答度が0.2A/W未満である場合、十分な光信号パワーが光検波器104a、104bによって受信されないため、光検波器104a、104bは、光検波器104a、104bに入射する光信号の光強度を確実に検出することができない。
【0064】
光ファイバケーブル122がマルチモードケーブルである場合、それは850nm又は1300nmなどの様々な波長を有する光信号を搬送するために使用されてよい。したがって、光ファイバケーブル122は、それが使用され得る波長にわたって試験され得る。波長間の差(上記の例では450nm)のために、マルチモードケーブル又はその光ファイバを介して送信されるすべての波長に応答する単独で実行可能な光検波器が市場に存在しないことがある。
【0065】
光検波器104a、104bを使用することにより、光学測定装置100は、様々な波長の光信号の光強度を確実に検出することができる。例えば、1000nmから1500nmの波長に光応答する第1の光検波器104aは、1300nmの波長を有する光試験信号などの、1000nmから1500nmの波長を有する光試験信号の光強度を検出するために使用され得る。更に、500nmから1000nmの領域の波長に光応答する第2の光検波器104bは、850nmの波長を有する光試験信号などの、500nmから1000nmの波長を有する光学試験信号の光強度を検出するために使用され得る。
【0066】
図10に示すように、光検波器104a、104bは積分球114内に位置決めされる。複数の光ファイバ120a-nのうちの光ファイバ120から発信された光信号は、積分球114の反射性内部によって積分球114のキャビティ内で反射される。光信号は最終的に光検波器104a、104bに到達する。
【0067】
光検波器104a、104bは、本明細書で説明するように、光信号の光強度を検出し、検出された強度を表すデータを出力する。光検波器104a、104bの一方(その応答度の領域は光信号の波長を含む)は、光信号の波長に対して異なる応答度を有するため、他方の光検波器104a、104bより高い光強度を表す電気信号(又はデータ)を出力する。
【0068】
本明細書で説明するように、光検波器104a、104bはそれぞれ、検出された光強度を表すデータをプロセッサ102に出力する。プロセッサ102は、光検波器104a、104bのそれぞれによって出力された検出された光強度を表すデータを受信することができる。プロセッサ102は、光検波器104a、104bのそれぞれによって出力された検出された光強度に基づいて、送信された光信号と関連付けられた光損失を判定し、光損失をメモリ110に格納し、かつ/又は光損失をインターフェース112に出力する。例えば、プロセッサ102は、検出された光強度の両方を比較し、検出された光強度を表すものとして2つの光強度のうちの高い方を選択することができる。2つの検出された光強度のうちの高い方の選択は、検出された強度の低い方が、低い光強度ではなく、関連付けられた光検波器の低い応答度に起因するという事実によることがある。より高い応答度を有する光検波器104a、104bは、より高い検出された強度と関連付けられる。
【0069】
あるいは、プロセッサ102は、光信号の波長の表示を受信してもよく、又は光信号の波長を判定してもよい。波長の表示は、光信号を発する試験装置から受信され得る。プロセッサ102は、光強度又は損失を判定するために、対応する光検波器104a、104b(又は波長に対してより高い応答度を有する光検波器104a、104b)によって出力されたデータを使用することができる。
【0070】
例えば、光信号の波長が第1の光検波器104aの第1の波長領域内にある場合、プロセッサ102は、光信号強度又は損失を判定するために、第1の光検波器104aによって出力されたデータを使用することができる。逆に、光信号の波長が第2の光検波器104bの第2の波長領域内にある場合、プロセッサ102は、光信号強度又は損失を判定するために、第2の光検波器104bによって出力されたデータを使用することができる。
【0071】
プロセッサ102は、光信号の波長を含まないそれぞれの波長領域を有する一方の光検波器104a、104bによって出力されたデータを無視することができる。あるいは、プロセッサ102が一方の光検波器104a、104bからデータを受信しないように、プロセッサ102は、一方の光検波器104a、104bをオフにするか、又は一方の光検波器104a、104bに、光強度の測定若しくは出力を停止するように命令することができる。別の代替として、プロセッサ102が、光信号の波長が一方の光検波器104a、104bの応答領域を外れていると判定した場合に、プロセッサ102は、光信号の波長を含まないそれぞれの波長領域を有する一方の光検波器104a、104bに、データを出力しないように指示することができる。したがって、プロセッサ102は、それぞれの領域が光信号の波長を含む光検波器104a、104bからのデータのみを受信して評価することができる。
【0072】
積分球114のキャビティ内の光信号の反射は、信号の強度又はパワーを減少させることに留意されたい。したがって、信号の波長に対してより高い応答度を伴う光検波器104a、104bを使用することは、反射から生じる信号の強度又はパワーの劣化を打ち消すことに有利であり得る。
【0073】
図10に示すように、積分球114のキャビティ内で反射された光信号がセンサ106に入射するように、センサ106は積分球114内に位置決めされてよい。センサ106は、光信号がセンサ106に入射する位置を表すデータを出力することができる。データは、本明細書で説明するように、光ファイバケーブル122の極性を判定するために使用されてもよい。
【0074】
図10に示す光学測定装置100はチャンバ116を含まないが、様々な実施形態では、積分球114を出る光信号が開口を介してチャンバに到達するように、チャンバが提供されてもよい。
【0075】
光学測定装置100は、本明細書で説明するように、照明源(
図10には図示せず)を含むことができる。照明源は、光ファイバケーブル122の光コネクタ124を照明する光を発することができる。画像センサであってもよいセンサ106は、照明された光コネクタ124の画像を捕捉し、画像をプロセッサ102に出力することができる。本明細書で説明するように、プロセッサ102は画像を受信して解析することができる。例えば、プロセッサ102は、画像を解析し、光コネクタ127の汚染レベル又は光コネクタのタイプを判定することができる。プロセッサ102は、画像から特定された光ファイバケーブルの端面の数又は端面の配置に基づいて、光コネクタのタイプを判定することができる。
【0076】
上述の様々な実施形態は、更なる実施形態を提供するために組み合わせられてもよい。
【0077】
上記の説明を考慮すれば、実施形態にこれら及び他の変更を行うことができる。概して、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではないが、かかる特許請求の範囲に権利が与えられた等価物の全範囲と共にすべての考えられる実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。