(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法、複数の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハを形成する方法およびワイドバンドギャップ半導体ウェハ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/20 20060101AFI20231108BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20231108BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20231108BHJP
H01L 29/868 20060101ALI20231108BHJP
H01L 21/329 20060101ALI20231108BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20231108BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20231108BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231108BHJP
H01L 29/739 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H01L21/20
H01L21/304 611Z
H01L29/91 F
H01L29/91 A
H01L29/78 652T
H01L29/78 658E
H01L29/78 655Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019090706
(22)【出願日】2019-05-13
【審査請求日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】10 2018 111 450.8
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 1-15, 85579 Neubiberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100165940
【氏名又は名称】大谷 令子
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター デニフル
(72)【発明者】
【氏名】トビアス フランツ ヘヒバウアー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン フーバー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング レーナート
(72)【発明者】
【氏名】ローラント ルップ
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ ハビエル サントス ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ヨアヒム シュルツェ
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/114382(WO,A1)
【文献】特開2015-032788(JP,A)
【文献】特開2012-146695(JP,A)
【文献】特開2011-100948(JP,A)
【文献】特開2016-058512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/20
H01L 21/304
H01L 29/861
H01L 21/329
H01L 29/12
H01L 21/336
H01L 29/739
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法(100)であって、前記方法(100)は、
炭化ケイ素ウェハであるワイドバンドギャップ半導体ウェハの後面に
、ポリシリコンカーバイド層またはモリブデン層である非単結晶支持体層(320)を堆積(110)するステップと、
前記ワイドバンドギャップ半導体ウェハの前面にエピタキシャル層を堆積(120)するステップと、
前記エピタキシャル層の少なくとも一部を含むデバイスウェハと
、前記非単結晶支持体層(320)を含む残留ウェハと
、が得られるよう、
前記前面に平行に延在する分割領域に沿って、前記ワイドバンドギャップ半導体ウェハを分割(130)するステップと、
前記残留ウェハの前記非単結晶支持体層(320)に別の非単結晶支持体層を堆積するステップと、
を含む方法(100)。
【請求項2】
前記非単結晶支持体層(320)の熱膨張係数は、前記ワイドバンドギャップ半導体ウェハの熱膨張係数の最大10%だけ、前記ワイドバンドギャップ半導体ウェハの熱膨張係数と異なる、
請求項1記載の方法(100)。
【請求項3】
前記非単結晶支持体層(320)を、最小50μm/hの堆積速度で堆積(110)する、
請求項1または2記載の方法(100)。
【請求項4】
前記非単結晶支持体層(320)を含む前記残留ウェハの全厚さは、最小200μmかつ最大1500μmである、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項5】
前記非単結晶支持体層(320)を堆積(110)するステップ中、前記ワイドバンドギャップ半導体ウェハの前記前面に保護層を配置する、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項6】
前記別の非単結晶支持体層の材料は、前記非単結晶支持体層(320)の材料とは異なる、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項7】
前記非単結晶支持体層(320)および前記別の非単結晶支持体層を含む前記残留ウェハの厚さは、前記ワイドバンドギャップ半導体ウェハを分割(130)するステップの前には、最大300μmだけ、前記ワイドバンドギャップ半導体ウェハの厚さと異なる、
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項8】
前記別の非単結晶支持体層は、別のデバイスウェハの全厚さの最小90%かつ最大110%の厚さを有する、
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項9】
前記方法(100)はさらに、
前記残留ウェハの前面に別のエピタキシャル層を堆積するステップと、
前記別のエピタキシャル層を含む別のデバイスウェハと
、前記非単結晶支持体層(320)を含む別の残留ウェハと
、が得られるよう、
前記残留ウェハの前記前面に平行に延在する別の分割領域に沿って、前記残留ウェハを分割するステップと、
を含む、
請求項1から8までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項10】
前記方法(100)はさらに、
前記非単結晶支持体層(320)を堆積(110)するステップの後、前記ワイドバンドギャップ半導体ウェハ内にワイドバンドギャップ半導体デバイスのドープ領域を形成するステップを含む、
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項11】
前記方法(100)はさらに、
前記非単結晶支持体層を堆積(110)するステップの後、前記ワイドバンドギャップ半導体ウェハの前記前面に、ワイドバンドギャップ半導体デバイスのメタライゼーション構造を形成するステップを含む、
請求項1から10までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項12】
分割(130)するステップの前に、前記ワイドバンドギャップ半導体ウェハの前記前面に、少なくとも1つのゲートトレンチおよびトランジスタのゲート電極を形成する、
請求項1から11までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項13】
分割(130)するステップの後、最高1000℃の温度で、前記デバイスウェハを処理する、
請求項1から12までのいずれか1項記載の方法(100)。
【請求項14】
炭化ケイ素ウェハであるワイドバンドギャップ半導体ウェハ(300)であって、
最小250μmの厚さを有する単結晶ワイドバンドギャップ半導体層(310)と、
前記単結晶ワイドバンドギャップ半導体層(310)の表面に配置された、最小150μmの厚さを有
し、ポリシリコンカーバイド層またはモリブデン層である非単結晶支持体層(320)と、
を含み、
前記非単結晶支持体層(320)の少なくとも一部の熱膨張係数は、前記単結晶ワイドバンドギャップ半導体層(310)の熱膨張係数の最大10%だけ、前記単結晶ワイドバンドギャップ半導体層(310)の熱膨張係数と異な
り、
前記非単結晶支持体層(320)の第1の部分層は、第1の材料を含み、
前記非単結晶支持体層(320)の第2の部分層は、第2の材料を含み、
前記第1の材料は、前記第2の材料とは異なる、
ワイドバンドギャップ半導体ウェハ(300)。
【請求項15】
炭化ケイ素半導体ウェハを処理する方法(100)であって、前記方法(100)は、
炭化ケイ素半導体ウェハを提供するステップと、
前記炭化ケイ素半導体ウェハの前面にエピタキシャル層を堆積(120)するステップと、
前記エピタキシャル層の少なくとも一部を含む第1のデバイスウェハと、第1の残留ウェハと、が得られるよう、前記前面に平行に延在する第1の分割領域に沿って、前記炭化ケイ素半導体ウェハを分離(130)するステップと、
前記第1の残留ウェハの後面に、ポリシリコンカーバイド層またはモリブデン層である第1の非単結晶支持体層(320)を堆積するステップと、
前記第1の非単結晶支持体層を堆積するステップの後、前記第1の残留ウェハの前面に、エピタキシャル層を堆積するステップと、
前記エピタキシャル層の少なくとも一部を含む第2のデバイスウェハと、前記第1の非単結晶支持体層を含む第2の残留ウェハと、が得られるよう、前記第1の残留ウェハ内で前記前面に平行に延在する第2の分割領域に沿って、前記第1の残留ウェハを分離するステップと、
を含む方法(100)。
【請求項16】
前記方法はさらに、
前記第2の残留ウェハの前記第1の非単結晶支持体層に、ポリシリコンカーバイド層またはモリブデン層である第2の非単結晶支持体層(320)を堆積するステップと、
前記第2の非単結晶支持体層(320)を堆積するステップの後、前記第2の残留ウェハの前面に、エピタキシャル層を堆積するステップと、
前記エピタキシャル層の少なくとも一部を含む第3のデバイスウェハと、前記第1の非単結晶支持体層および前記第2の非単結晶支持体層を含む第3の残留ウェハと、が得られるよう、前記第2の残留ウェハ内で前記前面に平行に延在する第3の分割領域に沿って、前記第2の残留ウェハを分離するステップと、
を含む、
請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第1の非単結晶支持体層の厚さを含む前記第1の残留ウェハの厚さは、前記炭化ケイ素半導体ウェハの分割前には、最大200μmだけ、前記炭化ケイ素半導体ウェハの厚さと異なる、および/または、
前記第1の非単結晶支持体層および前記第2の非単結晶支持体層の厚さを含む前記第2の残留ウェハの厚さは、前記第1の残留ウェハの分割前には、最大200μmだけ、前記第1の残留ウェハの厚さと異なる、
請求項16記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
各例は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法、複数の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハを形成する方法およびワイドバンドギャップ半導体ウェハに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば250μm未満の厚さの薄膜半導体ウェハは、ウェハ曲がりまたはウェハ反りを呈することがある。そのため、処理装置がこうした薄膜半導体ウェハを取り扱うことができず、薄膜半導体ウェハを完全に自動で処理することは不可能となることがある。半導体ウェハは、例えば再使用を可能にするため、ウェハ分割によって薄膜化可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一例は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法に関する。非単結晶支持体層が、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの後面上に堆積される。さらに、エピタキシャル層が、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの前面上に堆積される。当該方法は、エピタキシャル層の少なくとも一部を含むデバイスウェハと非単結晶支持体層を含む残留ウェハとが得られるよう、分割領域に沿って、ワイドバンドギャップ半導体ウェハを分割することを含む。
【0004】
一例は、複数の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハを形成する方法に関する。当該方法は、ワイドバンドギャップ半導体ブール上に第1の非単結晶支持体層を堆積することを含む。ワイドバンドギャップ半導体ブールは、非単結晶支持体層および薄膜ワイドバンドギャップ半導体層を含む第1の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハと第1の残留ワイドバンドギャップ半導体ブールとが得られるよう、第1の分離領域に沿って分離される。例えば、ワイドバンドギャップ半導体ブールの厚さは、薄膜ワイドバンドギャップ半導体層の厚さの少なくとも2倍である。別の非単結晶支持体層が、第1の残留ワイドバンドギャップ半導体ブール上に堆積される。第1の残留ワイドバンドギャップ半導体ブールは、別の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハと残留ワイドバンドギャップ半導体ブールとが得られるよう、別の分離領域に沿って分離される。
【0005】
一例は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハに関する。当該ワイドバンドギャップ半導体ウェハは、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層を含む。単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の厚さは、最小250μmである。当該ワイドバンドギャップ半導体ウェハはさらに、単結晶半導体基板の表面に配置された非単結晶支持体層を含む。非単結晶支持体層の厚さは、最小150μmである。非単結晶支持体層の熱膨張係数は、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の熱膨張係数の最大5%だけ、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の熱膨張係数と異なる。
【0006】
装置および/または方法のいくつかの例を、例示としてのみであるが、添付図を参照しながら以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法を示すフローチャートである。
【
図2】複数の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハを形成する方法を示すフローチャートである。
【
図3】非単結晶支持体層を含むワイドバンドギャップ半導体ウェハを示す概略的な断面図である。
【
図4a】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法の一例を示す図である。
【
図4b】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法の一例を示す図である。
【
図4c】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法の一例を示す図である。
【
図4d】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法の一例を示す図である。
【
図4e】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法の一例を示す図である。
【
図4f】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法の一例を示す図である。
【
図4g】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法の一例を示す図である。
【
図4h】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法の一例を示す図である。
【
図4i】ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの例を図示した添付図を参照しながら、種々の例をここでより完全に説明する。図中、線の太さ、層および/または領域の厚さは、明瞭性のために強調的に示したところがある。
【0009】
したがって、別の各例では種々の修正形態および代替形態が可能であるが、そのうちいくつかの特定例を図示し、以下に詳細に説明する。ただし、ここでの詳細な説明は、別の各例を、説明する特定形態に制限するものではない。別の各例は、本開示の範囲内に該当する全ての修正物、等価物および代替物をカバーしうる。図の説明を通して、同一に実現可能であるか、または同一の機能もしくは類似の機能を提供するが相互に比較した場合には修正された形態として実現可能である、同様のもしくは類似の要素には、同一のまたは同様の番号を付してある。
【0010】
或る要素が別の要素に「接続されている」もしくは「結合されている」という場合、各要素は直接に接続もしくは結合されていてもよいし、または1つもしくは複数の介在要素を介して接続もしくは結合されていてもよいと理解されたい。2つの要素A,Bが「または」を使用して組み合わされている場合、明示的にまたは暗示的に別様に規定されていないかぎり、これは可能な組み合わせの全て、すなわちAのみ、Bのみ、ならびにAおよびBが開示されているものと理解されたい。同じ組み合わせについての代替表現は「AおよびBの少なくとも1つ」または「Aおよび/またはB」である。同じことが、必要な変更を加えて、3つ以上の要素の組み合わせにも当てはまる。
【0011】
特定例を説明する目的においてここで使用している語句は、別の各例を限定する意図に発するものでない。「1つの」「或る」「前記1つの」などの単数形を使用しておりかつ唯一の要素を使用することが必須であると明示的にもまたは暗示的にも規定されていない場合、別の各例は、同一の機能を実現する複数の要素を使用することもできる。同様に、1つの機能が複数の要素を使用して実現されると以下に規定されている場合、別の各例では、単独の要素または処理エンティティを使用して同一の機能を実現することができる。また、「から成る」「から成っている」「含む」および/または「含んでいる」なる語句が使用されている場合、記述されている特徴、完全体、ステップ、演算、プロセス、動作、素子および/または部品の存在が規定されるが、1つもしくは複数の他の特徴、完全体、ステップ、演算、プロセス、動作、素子、部品および/またはこれらの任意のグループの存在または追加が排除されるものではないことを理解されたい。
【0012】
別様の規定がないかぎり、(技術用語および学術用語を含む)全ての語句は、ここでは、各例の属する分野の通常の意味において使用しているものとする。
【0013】
以下では、「半導体ブール」とは、半導体インゴットおよび/または厚膜半導体ウェハであってよい。例えば、半導体ブールは、細長いロッドまたは細長いバーの形状を有することができる。厚膜半導体ウェハは、円盤または円筒の形状を有することができる。厚膜半導体ウェハの厚さは、最小2mmであってよい。さらに、「半導体ウェハ」は、半導体材料のディスクであってよい。上記ディスクの厚さは、上記ディスクの、厚さに対して垂直な延長部よりも小さい、少なくとも1オーダーの等級、例えば少なくとも2オーダーの等級にあってよい。厚膜半導体ウェハの場合、厚さは、厚膜半導体ウェハの、厚さに対して垂直な延長部よりも小さい、おおよそ1オーダーの等級にあってよい。
【0014】
図1には、ワイドバンドギャップ半導体ウェハを処理する方法100の一実施形態のフローチャートが示されている。当該方法100は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ上に非単結晶支持体層を堆積110することを含みうる。例えば、非単結晶支持体層は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの後面に堆積110される。非単結晶支持体層は、結晶層、例えば多結晶層、または非晶質層であってよい。非単結晶支持体層は、半導体材料、例えばワイドバンドギャップ半導体を含むことができる。例えば、非単結晶支持体層は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの後面に直接に堆積可能である。代替的に、非単結晶支持体層とワイドバンドギャップ半導体ウェハの後面との間に中間層を形成することもできる。
【0015】
例えば、当該方法100は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの後面とは反対側の、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの前面に、エピタキシャル層を堆積120することを含みうる。エピタキシャル層は、例えばワイドバンドギャップ半導体ウェハの前面に直接にエピタキシャル成長させることができる。例えば、ワイドバンドギャップ半導体ウェハのみを非単結晶支持体層とエピタキシャル層との間に配置することができる。例えば、エピタキシャル層は、非単結晶支持体層と同じワイドバンドギャップ半導体材料上に成長させることができる。例えば、エピタキシャル層は、例えばワイドバンドギャップ半導体ウェハの単結晶部分上に直接に成長させることができる。
【0016】
当該方法100はさらに、分割領域に沿って、ワイドバンドギャップ半導体ウェハを分割130することを含みうる。分割130は、エピタキシャル層の少なくとも一部を含むデバイスウェハが得られるように実行可能である。例えば、分割領域は、エピタキシャル層の一部のみがデバイスウェハに対して残留するよう、エピタキシャル層内に配置することができる。代替的に、分割領域は、デバイスウェハがエピタキシャル層全体を含むことができるよう、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ内に配置することができる。
【0017】
分割領域は、例えばワイドバンドギャップ半導体ウェハの単結晶部分(例えば単結晶層)内に配置することができる。デバイスウェハは、単結晶ワイドバンドギャップ半導体材料を含むことができる(例えばデバイスウェハは単結晶半導体ウェハであってよい)。デバイスウェハは単結晶ワイドバンドギャップ半導体ウェハであってよく、例えば、デバイスウェハは、例えばこのデバイスウェハが分割130された後、非単結晶半導体材料の10%未満(または5%未満、3%未満、1%未満もしくは0.5%未満)を含むことができる。例えば、デバイスウェハは、(例えば単結晶の)エピタキシャル層と分割されたワイドバンドギャップ半導体ウェハの(例えば単結晶の)部分とを含むことができる。
【0018】
さらに、ワイドバンドギャップ半導体ウェハを分割130することにより、残留ウェハを得ることができる。残留ウェハは非単結晶支持体層を含みうる。さらに、残留層は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの残留部分、例えばワイドバンドギャップ半導体ウェハの単結晶層を含みうる。分割130は、例えば非単結晶支持体層を堆積110した後に実行可能である。
【0019】
例えば、デバイスウェハは、残留ウェハの厚さの2倍超(または3倍超、5倍超もしくは10倍超)の厚さを有することができる。例えば、残留ウェハの残留ワイドバンドギャップ半導体ウェハの厚さは、分割されたデバイスウェハの厚さの少なくとも2倍であってよい。
【0020】
例えば、非単結晶支持体層を設けることにより、さらに残留ウェハまたは残留ウェハの単結晶ワイドバンドギャップ半導体ウェハ基板を分割することが可能となる。非単結晶支持体層は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの機械的支持を行うことができ、かつ/またはワイドバンドギャップ半導体ウェハの全厚さを増大して、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの取り扱いを可能にすることができる。非単結晶支持体層はさらに、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ基板の使用を可能にし、例えば、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ基板全体が使用可能となる。例えば、さらなる分割プロセスにおいて、別のデバイスウェハを形成可能である。ワイドバンドギャップ半導体ウェハ基板全体を使用することにより、コストを低減できる。なぜなら、新たなデバイスウェハ、例えば薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハのためのコストは、非単結晶支持体層を形成するためのコストより高くなりうるからである。例えば、非単結晶支持体層は、単結晶ワイドバンドギャップ半導体ウェハよりも形成が容易でありかつ/または迅速でありかつ/または安価でありうる。
【0021】
ワイドバンドギャップ半導体ウェハの分割は、例えば研削によるウェハの薄膜化よりも複雑でありうる。ただし、分割により、例えばワイドバンドギャップ半導体ウェハの残留部分のさらなる使用が可能となる。研削は、例えば経済上の理由のため、他の材料の薄膜化、例えば非単結晶ウェハまたは非単結晶層(例えば非晶質層)の薄膜化に使用可能である。
【0022】
例えば、非単結晶支持体層の熱膨張係数は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの熱膨張係数の最大10%(または最大5%、最大3%、最大1%もしくは最大0.1%)だけ、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの熱膨張係数と異なりうる。ワイドバンドギャップ半導体ウェハの熱膨張係数と同等のまたは等しい熱膨張係数を有する非単結晶支持体層を設けることにより、非単結晶支持体層によって支持されるワイドバンドギャップ半導体ウェハの変形を回避することができる。例えば、同等の熱膨張係数により、種々の温度で、非単結晶支持体層によって支持されるワイドバンドギャップ半導体ウェハの処理が可能となる。
【0023】
例えば、非単結晶支持体層は、最小40μm/h(または最小50μm/h、最小60μm/h、最小80μm/hもしくは最小100μm/h)の堆積速度で堆積可能である。例えば、化学蒸着法(CVD)、レーザーCVDおよび/またはクローズスペースエピタキシを、非単結晶支持体層の堆積に使用可能である。例えば、非単結晶支持体層の機械的安定性のみが要求され、非単結晶支持体層への電気的要求が存在しないため、高い堆積速度を利用可能である。高い堆積速度により高速の処理が可能となり、したがって製造コストを低減することができる。
【0024】
例えば、保護層は、非単結晶支持体層の堆積中、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの前面に配置可能である。保護層(例えばカーボンキャップ)は、非単結晶支持体層の堆積前に、前面に形成可能であるかまたは前面に堆積可能である。当該保護層は、非単結晶支持体層を堆積した後、例えばエピタキシャル層を前面に堆積可能にするため、除去可能である。当該保護層は、例えば非単結晶支持体層の堆積中、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの前面での層成長を防止することができる。
【0025】
例えば、非単結晶支持体層は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハが炭化ケイ素ウェハである場合、ポリシリコンカーバイド層およびモリブデン層の一方であってよい。例えば、非単結晶支持体層は、異なる材料から成る少なくとも2つの部分層を含むことができる。例えば、非単結晶支持体層は、ポリシリコンカーバイドから成る第1の部分層とモリブデンおよび/または炭素、例えばグラファイトから成る第2の部分層とを含むことができる。
【0026】
例えば、非単結晶支持体層(および例えばワイドバンドギャップ半導体ウェハの残留部分)を含む残留ウェハの全厚さは、最小200μm(または最小300μm、最小400μmもしくは最小500μm)かつ/または最大1500μm(または最大1300μm、最大1000μmもしくは最大700μm)であってよい。例えば、非単結晶支持体層は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの分割後に残留ウェハの充分な全厚さが得られるよう、所定の厚さで堆積可能である。例えば、残留ウェハの全厚さは、非単結晶支持体層の堆積により、標準的な半導体装置による残留ウェハをさらに処理可能とすることに適するように選定可能である。
【0027】
例えば、当該方法は、残留ウェハの非単結晶支持体層上、例えば残留ウェハの非単結晶支持体層上に直接に、別の非単結晶支持体層を堆積することを含みうる。例えば、非単結晶支持体層の堆積後、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ(または各残留ウェハ)は、複数のデバイスウェハが得られるよう、数回の分割が可能である。別の非単結晶支持体層は、例えば別のデバイスウェハの分割後、各残留ウェハの厚さがウェハの処理に必要なワイドバンドギャップ半導体ウェハの最小全厚さより小さい場合に、例えば堆積可能である。別の非単結晶支持体層の堆積により、例えば別のデバイスウェハの分割後、各残留ウェハのさらなる処理が可能となる。
【0028】
例えば、別の非単結晶支持体層の材料は、非単結晶支持体層の材料と異なっていてよい。例えば、種々の材料を用いることにより、各非単結晶支持体層を堆積することができ、かつ/または非単結晶支持体層を堆積するコストを低減することができる。
【0029】
例えば、非単結晶支持体層および別の非単結晶支持体層を含む残留ウェハの厚さは、最大400μm(または最大300μmもしくは最大200μm)だけ、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの分割前、例えばエピタキシャル層の堆積前または堆積後の、残留ワイドバンドギャップ半導体ウェハの厚さと異なっていてよい。例えば、別の非単結晶支持体層の厚さは、ワイドバンドギャップ半導体ウェハまたは各残留ウェハの厚さ全体が、ワイドバンドギャップ半導体ウェハまたは各残留ウェハからデバイスウェハを分割する間、ほぼ一定に留まりうるよう、デバイスウェハの厚さと同等であってよい。例えば、別の非単結晶支持体層の厚さは、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの厚さ全体が、ワイドバンドギャップ半導体ウェハからのデバイスウェハを分割する間、一定に留まりうるよう、デバイスウェハの厚さおよび/またはエピタキシャル層の厚さに依存させることができる。例えば、非単結晶支持体層の堆積後、2つ以上のデバイスウェハをワイドバンドギャップ半導体ウェハから分割することができ、別の非単結晶支持体層は、2つ以上のデバイスウェハの全厚さに依存する厚さを有することができる。
【0030】
例えば、当該方法は、別のエピタキシャル層を残留ウェハの前面に堆積することを含みうる。当該方法はさらに、別のエピタキシャル層を含む別のデバイスウェハと非単結晶支持体層を含む別の残留ウェハとが得られるよう、別の分割領域に沿って、残留ウェハを分割することを含みうる。当該方法は、例えば残留ウェハをさらに分割した後、別の残留ウェハの非単結晶支持体層上に別の非単結晶支持体層を堆積することを含みうる。別の非単結晶支持体層は、別のデバイスウェハの全厚さの最小70%(または最小80%もしくは最小90%)かつ/または最大130%(または最大120%もしくは最大110%)の厚さを有しうる。デバイスウェハの厚さは、例えば最大300μm(または最大200μm、最大110μm、最大50μmもしくは最大20μm)であってよい。例えば、別の非単結晶支持体層は、別のデバイスウェハが得られるよう、残留ウェハの分割前に堆積可能である。
【0031】
一例によれば、当該方法はさらに、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ内、例えばエピタキシャル層内にワイドバンドギャップ半導体デバイスのドープ領域を形成することを含みうる。当該ドープ領域は、非単結晶支持体層の堆積後に形成可能である。ドープ領域は、ダイオードのアノード領域もしくはカソード領域、またはトランジスタ(例えばMOSFETもしくはIGBT)のソース領域、ボディ領域、ドレイン領域、エミッタ領域、ベース領域もしくはコレクタ領域であってよい。ドープ領域は、n型ドープ領域またはp型ドープ領域であってよい。例えば、ドープ領域は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの分割前に形成可能である。例えば、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ上に形成される対応する複数のワイドバンドギャップ半導体デバイスの複数のドープ領域は、同時に形成可能である。
【0032】
例えば、当該方法はさらに、例えば非単結晶支持体層の堆積後、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの前面にワイドバンドギャップ半導体デバイスのメタライゼーション構造を形成することを含みうる。例えば、複数のワイドバンドギャップ半導体デバイスに対する各メタライゼーション構造を形成可能である。例えば、メタライゼーション構造は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハの分割前に形成可能である。
【0033】
例えば、半導体プロセスは、分割前に、1000℃超の温度で実行可能である。例えば、デバイスウェハは、分割前に前面に形成された構造の経時劣化を回避するため、分割後、最高1000℃の温度で処理される。
【0034】
例えば、1つもしくは複数のワイドバンドギャップ半導体デバイスを、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ上に形成することができる。例えば、各ワイドバンドギャップ半導体デバイスは、トランジスタを含む。少なくとも1つのゲートトレンチおよびトランジスタのゲート電極を分割前に形成することができる。
【0035】
トランジスタは、電界効果トランジスタ(例えば金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT))であってよい。トランジスタのゲートは、ワイドバンドギャップ半導体基板内へ延在するゲートトレンチ内に配置できるか、またはワイドバンドギャップ半導体基板のラテラル面上に配置できる。トランジスタは、1つもしくは複数のトランジスタセルを含みうる。例えば、ワイドバンドギャップ半導体基板は、トランジスタの、1つもしくは複数のソース領域、1つもしくは複数のボディ領域、およびドリフト領域を含みうる。1つもしくは複数のソース領域およびドリフト領域は、それぞれ第1の導電型であってよい(例えばn型ドープされていてよい)。1つもしくは複数のボディ領域は、第2の導電型であってよい(例えばp型ドープされていてよい)。
【0036】
トランジスタは、ワイドバンドギャップ半導体基板の前面とワイドバンドギャップ半導体基板の後面との間に電流を導通するヴァーティカルトランジスタ構造であってよい。例えば、ワイドバンドギャップ半導体デバイスのトランジスタは、ソース接続構造部に接続された複数のソースドープ領域と、ゲート接続構造部および後面のドレインメタライゼーションもしくは後面のコレクタメタライゼーションに接続された複数のゲート電極もしくはゲート電極グリッドと、を含みうる。
【0037】
例えば、ワイドバンドギャップ半導体ウェハは、ワイドバンドギャップ半導体ベース基板、ワイドバンドギャップ半導体ベース基板上もしくはワイドバンドギャップ半導体エピタキシャル層上に成長されたワイドバンドギャップ半導体エピタキシャル層を有するワイドバンドギャップ半導体ベース基板のいずれか一方でありうる。ワイドバンドギャップ半導体ウェハは、単結晶ウェハであってよく、または少なくとも単結晶ワイドバンドギャップ半導体層を含んでよい。
【0038】
例えば、ワイドバンドギャップ半導体ウェハは、ケイ素のバンドギャップ(1.1eV)より大きいバンドギャップを有しうる。特に、ワイドバンドギャップ半導体ウェハは、2eVより大きいバンドギャップ、例えば3eVより大きいバンドギャップを有する。例えば、ワイドバンドギャップ半導体ウェハは、炭化ケイ素(SiC)半導体ウェハまたはヒ化ガリウム(GaAs)半導体ウェハまたは窒化ガリウム(GaN)半導体ウェハであってよい。
【0039】
ワイドバンドギャップ半導体ウェハの前面は、半導体基板の後面よりも繊細かつ複雑な構造(例えばトランジスタのゲート)の構成に使用される面であってよい。後面の構造の形成についての、プロセスパラメータ(例えば温度)および取り扱いは、前面に形成される構造の経時劣化を回避するため、制限することができる。
【0040】
ワイドバンドギャップ半導体ウェハ上に形成されるワイドバンドギャップ半導体デバイスは、パワー半導体デバイスであってよい。パワー半導体デバイスまたはその電気構造(例えば半導体デバイスのトランジスタ装置)は、例えば100V超の降伏電圧もしくは阻止電圧(例えば200V、300V、400Vもしくは500Vの降伏電圧)または500V超の降伏電圧もしくは阻止電圧(例えば600V、700V、800Vもしくは1000Vの降伏電圧)または1000V超の降伏電圧もしくは阻止電圧(例えば1200V、1500V、1700V、2000V、3300Vもしくは6500Vの降伏電圧)を有することができる。
【0041】
図2には、複数の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハを形成する方法200のフローチャートが示されている。方法200は、ワイドバンドギャップ半導体ブール上に第1の非単結晶支持体層を堆積210することを含みうる。非単結晶支持体層は、例えば、多結晶層および/または非晶質層であってよい。
【0042】
さらに、方法200は、第1の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハが得られるよう、第1の分離領域(例えば分割領域もしくはソー切削領域)に沿って、ワイドバンドギャップ半導体ブールを分離220(例えば分割220および/またはソー切削220)することを含みうる。分割220に代えてもしくはこれに加えて、第1の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハは、ワイドバンドギャップ半導体ブールを例えば部分的にソー切削220することによっても得られる。薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハは、非単結晶支持体層および薄膜ワイドバンドギャップ半導体層を含むことができる。非単結晶支持体層の厚さは、例えば最小100μm(または最小150μm)であってよい。薄膜ワイドバンドギャップ半導体層は、例えば最小50μm(最小100μmもしくは最小250μm)かつ/または最大500μmの厚さを有することができる。さらに、第1の残留ワイドバンドギャップ半導体ブールが得られる。例えば、ワイドバンドギャップ半導体ブールの厚さは、薄膜ワイドバンドギャップ半導体層の厚さの少なくとも2倍(または少なくとも5倍もしくは少なくとも10倍)であってよい。
【0043】
さらに、方法200は、例えば非単結晶支持体層を含む第1の残留ワイドバンドギャップ半導体ブール上に、別の(例えば第2の)非単結晶支持体層を堆積230することを含みうる。別の非単結晶支持体層は、例えば第1の分離領域に沿ってワイドバンドギャップ半導体ブールを分離220した後(例えば分割した後もしくはソー切削した後)、堆積230することができる。
【0044】
方法200はさらに、第2の分離領域(例えば分割領域もしくはソー切削領域)に沿って、第1の残留ワイドバンドギャップ半導体ブールを分離240(例えば分割240もしくはソー切削240)することを含みうる。例えば、別の(例えば第2の)薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハおよび別の(例えば第2の)残留ワイドバンドギャップ半導体ブールが得られる。別の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハは、例えば、別の非単結晶支持体層と別の薄膜ワイドバンドギャップ半導体層とを含むことができる。当該プロセスシーケンスは複数回反復可能である。
【0045】
例えば、別の(例えば第3の)非単結晶支持体層は、第2の残留ワイドバンドギャップ半導体ブール上に堆積することができる。第2の残留ワイドバンドギャップ半導体ブールは、例えば別の(例えば第3の)薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハと別の残留ワイドバンドギャップ半導体ブールとが得られるよう、別の分離領域(例えば分割領域もしくはソー切削領域)に沿って分離(例えば分割もしくはソー切削)可能である。別の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハは、別の非単結晶支持体層と薄膜ワイドバンドギャップ半導体層とを含むことができる。このため、別の非単結晶支持体層は、各別の残留ワイドバンドギャップ半導体ブール上に堆積可能であり、これにより複数の薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハが形成される。当該プロセスは例えば複数回、例えば残留ワイドバンドギャップ半導体ブールの厚さがきわめて小さくなり、例えばこれが薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハよりも薄くなって残留ワイドバンドギャップ半導体ブールの分割が不可能となるまで、反復可能である。
【0046】
方法200は、ワイドバンドギャップ半導体ブールから薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハを供給もしくは分割もしくはソー切削するために用いることができる。これにより、薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハに必要なワイドバンドギャップ半導体材料の量を低減することができる。非単結晶支持体層による(例えばさらなる処理のための)機械的安定性の提供が可能となりうる。ワイドバンドギャップ半導体ブールは、例えば最小2mm(または最小3mmもしくは最小5mm)の厚さを有しうる。ワイドバンドギャップ半導体ブールは、ワイドバンドギャップ半導体インゴットおよび/または厚膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハであってよい。例えば、ワイドバンドギャップ半導体ブールは、細長いロッドもしくは細長いバーの形状を有することができる。方法200により、例えばワイドバンドギャップ半導体材料の必要量を低減しつつ、薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハを提供することができる。
【0047】
さらなる詳細および態様を上述もしくは下述の各実施形態に関連して言及する。
図2に示した実施形態は、提案のコンセプトまたは上述もしくは下述の(例えば
図1および
図3-
図4iの)1つもしくは複数の実施形態に関連して言及した1つもしくは複数の態様に対応する、1つもしくは複数の任意の付加的特徴を含むことができる。
【0048】
図3には、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ300の図が示されている。ワイドバンドギャップ半導体ウェハ300は、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層310を含むことができる。単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の厚さは、最小50μm(または最小70μm、最小90μm、最小100μm、最小150μm、最小250μm、最小350μm、最小500μm、最小700μmもしくは最小1000μm)かつ/または最大2000μm(または最大1300μm、最大1000μmもしくは最大800μm)であってよい。例えば、300μm超の厚さを有する単結晶ワイドバンドギャップ半導体層を、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層310から複数の薄膜単結晶半導体ウェハを分割するために使用することができる。
【0049】
ワイドバンドギャップ半導体ウェハ300はさらに、非単結晶支持体層320を含むことができる。非単結晶支持体層は、結晶層、例えば非晶質層または多結晶層であってよい。例えば、非単結晶支持体層は、半導体材料、例えばワイドバンドギャップ半導体を含みうる。非単結晶支持体層は、単結晶半導体層の表面に配置可能である。非単結晶支持体層の厚さは、最小100μm(または最小150μm、最小200μm、最小250μm、最小300μm、最小400μm、最小500μm、最小700μmもしくは最小1000μm)かつ/または最大1500μm(または最大1200μm、最大1000μm、最大750μm、最大500μm、最大350μmもしくは最大200μm)であってよい。300μm超(例えば350μm超)の非単結晶支持体層の厚さにより、例えば、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層310から別の薄膜半導体ウェハを分割することができる。
【0050】
例えば、非単結晶支持体層320は、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ300の全厚さを増大させ、例えば250μm未満の単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の厚さを有する薄膜単結晶ワイドバンドギャップ半導体層を機械的に支持することができる。例えば、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ300の全厚さは、最小200μm(または最小250μm)かつ/または最大1500μm(または最大1300μm)である。ワイドバンドギャップ半導体ウェハ300の全厚さは、標準的な半導体装置を用いてワイドバンドギャップ半導体ウェハ300を処理可能な厚さである。
【0051】
非単結晶支持体層が設けられると、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層全体の処理および/または使用が可能となる。単結晶ワイドバンドギャップ半導体層は高価な材料を含むことがあるのに対して、非単結晶支持体層の材料はさほど高価となることはない。例えば、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ300は炭化ケイ素ウェハであってよく、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層は炭化ケイ素層であってよい。例えば、非単結晶支持体層は、ポリシリコンカーバイド層であってよい。非単結晶支持体層を設けることにより、例えば単結晶ワイドバンドギャップ半導体層から薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハを分割することで、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層が完全に使用可能もしくは処理可能となる。このために、ウェハのさらなる処理にとって臨界的な厚さに達した時点で、支持体層上に付加的なポリシリコンカーバイド層を堆積することができる。単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の未使用の残留部分は、(例えば60μm未満もしくは30μm未満の厚さまで)低減可能であり、これにより、例えば単結晶ワイドバンドギャップ半導体層をより効率的に使用して、薄膜ワイドバンドギャップ半導体ウェハの製造コスト全体を低減することができる。
【0052】
例えば、非単結晶支持体層の少なくとも一部の熱膨張係数は、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の熱膨張係数の最大10%(または最大5%、最大3%、最大1%もしくは最大0.1%)だけ、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の熱膨張係数と異なっていてよい。非単結晶支持体層の一部は、例えば非単結晶支持体層の部分層であってよい。2つの層の熱膨張係数が同等であることにより、例えばワイドバンドギャップ半導体ウェハ300が種々の温度で処理される場合の、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ300のウェハ曲がりを防止できる。
【0053】
例えば、非単結晶支持体層の第1の部分層は、第1の材料を含むことができ、非単結晶支持体層の第2の部分層は、第1の材料とは異なる第2の材料を含むことができる。例えば、第1の材料と第2の材料とは異なる熱膨張係数を有することができる。例えば、単結晶ワイドバンドギャップ半導体層に隣接する部分層の熱膨張係数は、当該単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の熱膨張係数の最大10%だけ、当該単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の熱膨張係数と異なっていてよく、別の部分層の熱膨張係数は、10%超だけ、例えば当該単結晶ワイドバンドギャップ半導体層の熱膨張係数と異なっていてよい。
【0054】
さらなる詳細および態様を上述もしくは下述の各実施形態に関連して言及する。
図3に示した実施形態は、提案のコンセプトまたは上述もしくは下述の(例えば
図1-
図2および
図4a-
図4iの)1つもしくは複数の実施形態に関連して言及した1つもしくは複数の態様に対応する、1つもしくは複数の任意の付加的特徴を含むことができる。
【0055】
図4a-
図4iには、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ400を処理する方法の一例が示されている。ワイドバンドギャップ半導体ウェハ400は、初期ウェハとして設けることができる。エピタキシャル層410が初期ウェハ上に堆積可能である。例えば、前面構造またはメタライゼーション構造420,422がエピタキシャル層410上に形成可能である。例えば、前面構造の形成後、例えば半導体デバイスを形成するために、ワイドバンドギャップ半導体ウェハ400を分割することができる。例えば、
図4dに示されているように、分割後、初期ウェハの少なくとも第1の部分を含む残留バルクウェハ430が得られる。例えば、分割後、デバイスウェハ440が得られる。デバイスウェハ440は、エピタキシャル層410およびメタライゼーション構造420,422を含むことができる。例えば、デバイスウェハ440はさらに、初期ウェハの第2の部分を含むことができる。初期ウェハの第2の部分は、例えばエピタキシャル層410より薄くてよい。
【0056】
バルクウェハ430は、その前面450が下方を向くように転回可能である。バルクウェハ430は、その前面450の反対側の後面での堆積によって形成される支持体層460によって厚膜化可能である。バルクウェハ430および支持体層460は、新たな初期ウェハ470を形成することができる。例えば、新たな初期ウェハ470は、例えば前面のさらなる処理を可能とするため、前面450が上方を向くように転回可能である。表面の粗面性を低減するプロセス、例えばCMP、エッチング、研磨などを、前面450で実行可能である。別のエピタキシャル層を例えば新たな初期ウェハ470の後処理後に前面450に形成することができ、新たな初期ウェハ470を初期ウェハ400に置換して、当該方法の反復を実行可能である。
【0057】
さらなる詳細および態様を上述もしくは下述の各実施形態に関連して言及する。
図4a-
図4iに示した実施形態は、提案のコンセプトまたは上述もしくは下述の(例えば
図1-
図3の)1つもしくは複数の実施形態に関連して言及した1つもしくは複数の態様に対応する、1つもしくは複数の任意の付加的特徴を含むことができる。
【0058】
例えば、再使用サイクルに関する制限が分割および再使用に関するいくつかのコンセプトに対して発生して、薄膜半導体ウェハの基板の完全な処理が不可能となることがある。例えば、残留ウェハ部分は、半導体ウェハの分割後、250μm未満の厚さを有しうる。当該残留部分の厚さが薄いことにより、そのさらなる使用が不可能となる。残留部分に要求される例えば250μm超の厚さを保証するために、分割前に厚膜エピタキシャル層を半導体ウェハ上に成長させてもよいが、当該エピタキシャル層はコストの増大をもたらす。これは、半導体ウェハの処理の改善されたコンセプトに対する1つの要求となりうる。
【0059】
他のコンセプトによれば、250μmの厚さを下回るウェハを完全に処理することは不可能である。よって、ウェハの分割および/または再使用を目的としたコンセプトでは、再使用サイクルに関する制限が発生しうる。例えば、初期基板(例えば初期ウェハ)が350μmの初期厚さを有するのであれば、110μmの分割厚さを使用することができる。いくつかのコンセプトによれば、バルクの残部がまだ使用可能であっても、初期基板の2x分割(例えば30μm超のEpi(エピタキシャル)デポジションを含む)の最大値を達成することができる。
【0060】
例えば、提供されたコンセプトを使用することにより、バルクの残留部分も完全に使用可能である。提案の方法は、例えば、ウェハの後面上での、温度耐性を有しかつ/または低コストである堆積の使用を提供可能である。当該堆積は、例えば、ディスクの厚膜化、例えばウェハもしくは基板の厚膜化のためのみに利用可能であり、例えば、生じた(例えば分割された)デバイスウェハにおいて当該層はそれ以降見出されず、電気適合性を有さなくてよい。なお、当該付加的な層は、ウェハ曲がり/反りおよび粗面性の双方に関して、処理中、ウェハ製造性に負の影響を与えることはない。
【0061】
例えば、ウェハの後面へのポリシリコンカーバイド(ポリSiC)の堆積は気相から行うことができ、例えば類似のガス系がSiCエピタキシ(例えば炭化水素、シランおよび/またはシラン誘導体、および/または炭素およびケイ素(Si)を適切な比で含むガス)において使用可能となる。また、塩素(Cl)を含むガス(例えばトリクロロシラン)の使用も、例えば高い表面拡散率ひいては高い成長率を達成するために考慮可能である。さらなる代替手段として、例えばレーザー化学蒸着法(CVD)またはクローズスペースエピタキシの使用も可能である。
【0062】
例えば、単結晶ウェハの前面は、例えばそこでの望ましくない成長を抑制するため、除去可能なカバー層(例えばカーボンキャップ)によって保護可能である。可能な構成は、例えば、使用される処理装置を適応化することで初期ウェハの厚さ全体を350μmより格段に厚くなるよう選定することであり、これによりウェハ曲がりを最小化することができ、ウェハの取り扱いを容易にすることができる。このことに関して、初期ウェハの処理の開始時、当該初期ウェハには、例えばウェハを複数回再使用できるよう、後の再使用プロセスにおいて増大可能な対応する厚さを有するポリシリコンカーバイド層を設けることができる。当該プロセスは、最初の単結晶SiC層が使用し尽くされるまで反復可能である。厚膜化は、分割プロセスが終了するたびに実行されなくてもよく、例えばポリシリコンカーバイドのケースでは、例えば使用されている処理装置に必要とされる場合にのみ実行されればよい。
【0063】
一例は、SiCウェハを厚膜化する方法に関する。一態様は、例えば層を分割することによるSiCウェハの再使用コンセプトにおいて、臨界的なウェハ厚さの不足が生じることを一貫して防止するため、SiCプロセスへの適合性を有する、ウェハの後面での層堆積に関しうる。当該分割層は、熱的要求のみならず機械的要求も満足することができる。こうした層の一例は、ポリSiC層であってよい。
【0064】
提案のコンセプトを用いれば、基板を複数回再使用できるので、SiC技術についての製造コストを低減することができる。提案のコンセプトは、均等に薄膜化された分割層に組み入れることができ、かつ/または種々のウェハ直径に対してスケーリングすることができる。
【0065】
ウェハ前面上の厚膜エピタキシャル層は、ディスク/層の厚膜化を可能にする。他のコンセプトに比べて、提案のコンセプトは容易に実現可能であり、かつ/または製造プロセスに容易に含めることができ、かつ/または現在要求されているテストコンセプトの実現を可能にすることができる。
【0066】
1つもしくは複数の上述した例および図とともに言及および説明した態様および特徴も同様に、他の例の同様の特徴との置換のため、または当該特徴を他の例に付加的に導入するために、1つもしくは複数の他の例と組み合わせ可能である。
【0067】
説明および図は、単に開示の基本方式を説明するものに過ぎない。さらに、ここで言及した全ての例は、基本的に、当該分野の発展に寄与すべき発明者らによる開示の基本方式およびコンセプトについての読者の理解を助けるという例示の目的のためのみのものであることが明確に意図されている。基本方式、態様および開示の各例ならびにその特定の例に言及した全ての言説は、その等価物も包含することが意図されている。
【0068】
明細書または特許請求の範囲における複数の動作、プロセス、演算、ステップまたは機能の開示は、例えば技術的理由についての明示的もしくは暗示的な別様のことわりがないかぎり、特定の順序において実行されるものとして理解されるべきでない。したがって、複数の動作または機能の開示は、こうした動作または機能が技術的理由のために入れ替え不能でないかぎり、特定の順序に限定されない。さらに、いくつかの例では、単独の動作、機能、プロセス、演算またはステップは、複数のサブ動作、サブ機能、サブプロセス、サブ演算またはサブステップをそれぞれ含んでよく、またはこれらに分割可能である。こうしたサブ動作は、明示的に除外されていないかぎり、単独の動作の開示に含まれてその一部をなしてよい。
【0069】
さらに、これにより以下の特許請求の範囲が詳細な説明に組み込まれ、ここで、各請求項は、個別の例としてそれ自体で成立しうるものである。各請求項は個別の例としてそれ自体で成立しうるものであるが、(従属請求項が自身において1つもしくは複数の他の請求項との特定の組み合わせに言及している場合にも)他の例にはそれぞれ他の従属請求項または独立請求項の主題と当該従属請求項との組み合わせが含まれうることに注意されたい。こうした組み合わせは、特定の組み合わせを意図しないことが言明されていないかぎり、明示的に提案されているものとする。さらに、1つの請求項が直接に他のいずれかの独立請求項に従属しない場合にも、当該請求項の特徴は当該他のいずれかの独立請求項に含まれることが意図されている。