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特許7381267金属付加製造用粉粒体、その製造方法、その選別装置、その選別方法、粉体の純度判定装置、粉体の純度判定方法、粉体の保管方法、粉体の保管容器、金属造形物の製造方法、および、金属造形物の製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】金属付加製造用粉粒体、その製造方法、その選別装置、その選別方法、粉体の純度判定装置、粉体の純度判定方法、粉体の保管方法、粉体の保管容器、金属造形物の製造方法、および、金属造形物の製造装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/80 20210101AFI20231108BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20231108BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20231108BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20231108BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20231108BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20231108BHJP
【FI】
B22F10/80
B22F3/105
B22F3/16
B33Y70/00
B33Y30/00
B33Y10/00
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019169741
(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公開番号】P2021046581
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】安井 努
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/097222(WO,A1)
【文献】特開2019-084693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00 - 12/90
C22C 1/04 - 1/059
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備え、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された部分である、
金属付加製造用粉粒体。
【請求項2】
前記識別部は前記粉体部の表面に設けられる、請求項1に記載の金属付加製造用粉粒体。
【請求項3】
前記識別部は前記粉体部と異なる色を有する、請求項2に記載の金属付加製造用粉粒体。
【請求項4】
前記識別部は着色ポリマーによって形成される、請求項3に記載の金属付加製造用粉粒体。
【請求項5】
前記識別部は前記金属付加製造用粉粒体が焼結する焼結温度で減少または変質する、請求項1~4のいずれか一項に記載の金属付加製造用粉粒体。
【請求項6】
金属によって粉体部を形成する粉体部形成工程と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために用いられる識別部を形成するための形成材料を前記粉体部にコーティングするコーティング工程とを含み、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与される部分である、
金属付加製造用粉粒体の製造方法。
【請求項7】
金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられて前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部を識別するセンサ部と、前記センサ部の識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を選別する選別部とを備え、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された部分である、
金属付加製造用粉粒体の選別装置。
【請求項8】
金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられて前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部を識別する識別工程と、前記識別工程における識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を選別する選別工程とを含み、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された部分である、
金属付加製造用粉粒体の選別方法。
【請求項9】
金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられて前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部を識別するセンサ部と、前記センサ部の識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体の純度を判定する純度判定部とを備え、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された部分である、
粉体の純度判定装置。
【請求項10】
金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられて前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部を識別する識別工程と、前記識別工程における識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体の純度を判定する純度判定工程とを含み、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された部分である、
粉体の純度判定方法。
【請求項11】
金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を用いた金属造形物の製造方法であって、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された部分であり、
複数の前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体のロットの切り替えにおいて後に使用される粉体の前記金属付加製造用粉粒体は、先のロットの粉体の前記金属付加製造用粉粒体の前記識別部と区別可能な前記識別部を有する、金属造形物の製造方法。
【請求項12】
金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を含む粉体の保管方法であって、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された部分であり、
前記金属付加製造用粉粒体の移動が抑制される移動抑制状態で、前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体を保管する、粉体の保管方法。
【請求項13】
金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を含む粉体の保管容器であって、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された部分であり、
前記金属付加製造用粉粒体の移動が抑制される移動抑制状態に前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体を維持する、粉体の保管容器。
【請求項14】
金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を供給する供給部と、
前記供給部から供給された前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体において予め設定された部分をビームで焼結することによって金属造形物を形成する金属造形物形成部と、
前記金属造形物の造形開始の前、造形中、および造形後の少なくともいずれかの時間帯において前記金属付加製造用粉粒体の識別部を検出するセンサ部と、を備え、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された部分である、
金属造形物の製造装置。
【請求項15】
金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を供給する供給部と、
前記供給部から供給された前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体において予め設定された部分をビームで焼結することによって金属造形物を形成する金属造形物形成部と、
前記金属付加製造用粉粒体の識別部を除去する除去剤を流すフロー部と、を備える、金属造形物の製造装置。
【請求項16】
前記金属付加製造用粉粒体の識別部は、前記金属付加製造用粉粒体の粉体部の表面が酸化した酸化膜であり、前記除去剤は、還元剤である、請求項15に記載の金属造形物の製造装置。
【請求項17】
金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備え、
前記識別部は、粉粒体の表面の変化が所定条件を満たすか否か判別することに利用される粉粒体の表面上に形成されるものではなく、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された部分であって、前記識別部は、前記粉体部の表面に設けられ、前記粉体部と異なる色の着色ポリマーによって形成され、かつ、金属付加製造用粉粒体が焼結する焼結温度で減少または変質するように構成される
金属付加製造用粉粒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属造形に用いられる、金属付加製造用粉粒体、その製造方法、その選別装置、その選別方法、粉体の純度判定装置、粉体の純度判定方法、粉体の保管方法、粉体の保管容器、金属造形物の製造方法、および、金属造形物の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属造形について、特許文献1に記載の技術が知られている。この技術では、金属造形用の粉体にレーザを照射することによって金属造形物を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-335199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、品質管理のため、金属造形に用いられる金属付加製造用粉粒体について、混入物の混入状態が把握されていることが好ましい。本発明の目的は、混入物を判別し易い、金属付加製造用粉粒体、その製造方法、その選別装置、その選別方法、粉体の純度判定装置、粉体の純度判定方法、粉体の保管方法、粉体の保管容器、金属造形物の製造方法、および、金属造形物の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決する金属付加製造用粉粒体は、金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える。
(2)上記金属付加製造用粉粒体において、前記識別部は前記粉体部の表面に設けられる。
(3)上記金属付加製造用粉粒体において、前記識別部は前記粉体部と異なる色を有する。
(4)上記金属付加製造用粉粒体において、前記識別部は着色ポリマーによって形成される。
(5)上記金属付加製造用粉粒体において、前記識別部は前記金属付加製造用粉粒体が焼結する焼結温度で減少または変質する。
(6)上記課題を解決する金属付加製造用粉粒体の製造方法は、金属によって粉体部を形成する粉体部形成工程と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために用いられる識別部を形成するための形成材料を前記粉体部にコーティングするコーティング工程とを含む。
(7)上記課題を解決する金属付加製造用粉粒体の選別装置は、金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられて前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部を識別するセンサ部と、前記センサ部の識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を選別する選別部とを備える。
(8)上記課題を解決する金属付加製造用粉粒体の選別方法は、金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられて前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部を識別する識別工程と、前記識別工程における識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を選別する選別工程とを含む。
(9)上記課題を解決する粉体の純度判定装置は、金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられて前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部を識別するセンサ部と、前記センサ部の識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体の純度を判定する純度判定部とを備える。
(10)上記課題を解決する粉体の純度判定方法は、金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられて前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部を識別する識別工程と、前記識別工程における識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体の純度を判定する純度判定工程とを含む。
(11)上記課題を解決する金属造形物の製造方法は、金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を用いた金属造形物の製造方法であって、複数の前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体のロットの切り替えにおいて後に使用される粉体の前記金属付加製造用粉粒体は、先のロットの粉体の前記金属付加製造用粉粒体の識別部と区別可能な識別部を有する。
(12)上記課題を解決する粉体の保管方法は、金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を含む粉体の保管方法であって、前記金属付加製造用粉粒体の移動が抑制される移動抑制状態で、前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体を保管する。
(13)上記課題を解決する粉体の保管容器は、金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を含む粉体の保管容器であって、前記金属付加製造用粉粒体の移動が抑制される移動抑制状態に前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体を維持する。
(14)上記課題を解決する金属造形物の製造装置は、金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を供給する供給部と、前記供給部から供給された前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体において予め設定された部分をビームで焼結することによって金属造形物を形成する金属造形物形成部と、前記金属造形物の造形開始の前、造形中、および造形後の少なくともいずれかの時間帯において前記金属付加製造用粉粒体の識別部を検出するセンサ部と、を備える。
(15)上記課題を解決する金属造形物の製造装置は、金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を供給する供給部と、前記供給部から供給された前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体において予め設定された部分をビームで焼結することによって金属造形物を形成する金属造形物形成部と、前記金属付加製造用粉粒体の識別部を除去する除去剤を流すフロー部と、を備える。
(16)上記金属造形物の製造装置において、前記金属付加製造用粉粒体の識別部は、前記金属付加製造用粉粒体の粉体部の表面が酸化した酸化膜であり、前記除去剤は、還元剤である。
(17)上記課題を解決する金属付加製造用粉粒体は、金属の粉体部と、前記粉体部の物性が所定条件を満たすか否か判別するために前記粉体部に付与された識別部とを備え、前記識別部は、前記粉体部の表面に設けられ、前記粉体部と異なる色の着色ポリマーによって形成され、かつ、金属付加製造用粉粒体が焼結する焼結温度で減少または変質するように構成される
(1)上記課題を解決する金属付加製造用粉粒体は、金属で形成される粉体部と、前記粉体部に設けられる識別部とを備える。この構成によれば、金属付加製造用粉粒体は、粉体部とは別の要素である識別部を含むため、この識別部によって、金属付加製造用粉粒体を含む粉体から混入物を判別できる。すなわち、複数の金属付加製造用粉粒体を含む粉体は、混入物を判別し易いものとなっている。
【0006】
(2)上記金属付加製造用粉粒体において、前記識別部は前記粉体部の表面に設けられる。この構成によれば、金属付加製造用粉粒体の外観から識別部を検出できる。したがって、粉体部の内部に識別部が埋め込まれている場合に比べて、識別部を簡単に検出できる。
【0007】
(3)上記金属付加製造用粉粒体において、前記識別部は前記粉体部と異なる色を有する。この構成によれば、識別部が減少または変質したものと、識別部が残されているものとを判別し易い。
【0008】
(4)上記金属付加製造用粉粒体において、前記識別部は着色ポリマーによって形成される。この構成によれば、予め着色されているポリマーを使用するため、透明ポリマーによって識別部を形成した後に着色する場合に比べて、製造工程を簡略化できる。
【0009】
(5)上記金属付加製造用粉粒体において、前記識別部は、前記金属付加製造用粉粒体が焼結する焼結温度で減少または変質する。この構成によれば、金属付加製造用粉粒体が焼結すると、金属付加製造用粉粒体の識別部が減少または変質する。このため、金属付加製造用粉粒体の焼結によって形成されるデブリと、焼結時の熱が加わっていない金属付加製造用粉粒体とを簡単に判別できる。
【0010】
(6)上記課題を解決する金属付加製造用粉粒体の製造方法は、金属によって粉体部を形成する粉体部形成工程と、前記粉体部に、識別部の形成材料をコーティングするコーティング工程とを含む。この構成によれば、識別部を簡単に形成できる。
【0011】
(7)上記課題を解決する金属付加製造用粉粒体の選別装置は、金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられる識別部を識別するセンサ部と、前記センサ部の識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を選別する選別部とを備える。この構成によれば、選別部は、センサ部の識別結果に基づいて金属付加製造用粉粒体を選別するため、粉体の再生において精確に金属付加製造用粉粒体を選別できる。
【0012】
(8)上記課題を解決する金属付加製造用粉粒体の選別方法は、金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられる識別部を識別する識別工程と、前記識別工程における識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を選別する選別工程とを含む。この構成によれば、選別工程では、センサ部の識別結果に基づいて金属付加製造用粉粒体を選別するため、金属付加製造用粉粒体の再生において精確に金属付加製造用粉粒体を選別できる。
【0013】
(9)上記課題を解決する粉体の純度判定装置は、金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられる識別部を識別するセンサ部と、前記センサ部の識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体の純度を判定する純度判定部とを備える。この構成によれば、純度判定部は、センサ部の識別結果に基づいて金属付加製造用粉粒体を含む粉体の純度を判別するため、純度の判定精度を向上できる。
【0014】
(10)上記課題を解決する粉体の純度判定方法は、金属付加製造用粉粒体の粉体部に設けられる識別部を識別する識別工程と、前記識別工程における識別結果に基づいて前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体の純度を判定する純度判定工程とを含む。この構成によれば、純度判定工程では、識別工程における識別結果に基づいて金属付加製造用粉粒体を含む粉体の純度を判別するため、純度の判定精度を向上できる。
【0015】
(11)上記課題を解決する金属造形物の製造方法は、複数の金属付加製造用粉粒体を含む粉体のロットの切り替えにおいて後に使用される粉体の前記金属付加製造用粉粒体は、先のロットの粉体の前記金属付加製造用粉粒体の識別部と区別可能な識別部を有する。この構成によれば、金属造形物の形成材料である粉体のロットを精確に管理できる。
【0016】
(12)上記課題を解決する粉体の保管方法は、金属付加製造用粉粒体の移動が抑制される移動抑制状態で、前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体を保管する。粉体の搬送の際、保管容器内で金属付加製造用粉粒体が移動し、金属付加製造用粉粒体同士が擦れることによって、金属付加製造用粉粒体の識別部が剥がれる虞がある。この点で、上記構成によれば、金属付加製造用粉粒体の移動が抑制されることから、金属付加製造用粉粒体同士の摩耗が少なくなり、金属付加製造用粉粒体の識別部が剥がれ落ちることが少なくなる。これによって、識別部の剥がれの少ない粉体を提供できる。
【0017】
(13)上記課題を解決する粉体の保管容器は、金属付加製造用粉粒体の移動が抑制される移動抑制状態に前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体を維持する。この構成によれば、識別部の剥がれの少ない粉体を提供できる。
【0018】
(14)上記課題を解決する金属造形物の製造装置は、金属で形成される粉体部と前記粉体部に設けられる識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を供給する供給部と、前記供給部から供給された前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体において予め設定された部分をビームで焼結することによって金属造形物を形成する金属造形物形成部と、前記金属造形物の造形開始の前、造形中、および造形後の少なくともいずれかの時間帯において前記金属付加製造用粉粒体の識別部を検出するセンサ部と、を備える。この構成によれば、金属造形物を製造する際、センサ部によって検出される識別部に関する情報によって、粉体において混入物の混入状態を管理できる。
【0019】
(15)上記課題を解決する金属造形物の製造装置は、金属で形成される粉体部と前記粉体部に設けられる識別部とを備える金属付加製造用粉粒体を供給する供給部と、前記供給部から供給された前記金属付加製造用粉粒体を含む粉体において予め設定された部分をビームで焼結することによって金属造形物を形成する金属造形物形成部と、前記金属付加製造用粉粒体の識別部を除去する除去剤を流すフロー部と、を備える。この構成によれば、金属造形物の製造において、識別部が除去剤によって除去され、識別部が除去された粉粒体によって金属造形物が形成される。これによって、識別部の含有が少ない金属造形物を形成できる。
【0020】
(16)上記金属造形物の製造装置において、前記金属付加製造用粉粒体の識別部は、前記金属付加製造用粉粒体の粉体部の表面が酸化した酸化膜であり、前記除去剤は、還元剤である。この構成によれば、金属造形物の製造において、識別部としての酸化膜が還元剤によって除去され、酸化膜が除去された粉粒体によって金属造形物が形成される。これによって、酸化物の含有が少ない金属造形物を形成できる。
【発明の効果】
【0021】
上記構成の金属付加製造用粉粒体は、混入物を判別し易いものとなっている。その製造方法によれば、金属付加製造用粉粒体を製造できる。その選別装置および選別方法によれば、金属付加製造用粉粒体を精確に選別できる。粉体の純度判定装置および純度判定方法によれば、金属付加製造用粉粒体を含む粉体の純度を判定できる。粉体の保管方法および保管容器によれば、金属付加製造用粉粒体を含む粉体を適切に保管できる。金属造形物の製造方法、および、金属造形物の製造装置によれば、金属造形物を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係る金属造形用粉粒体の断面図。
図2】第2実施形態に係る金属造形用粉粒体の断面図。
図3】第3実施形態に係る金属造形用粉粒体の図。
図4】第4実施形態に係る金属造形用粉粒体の断面図。
図5】第5実施形態に係る金属造形用粉粒体の断面図。
図6】第6実施形態について、金属造形用粉粒体の選別装置の模式図。
図7】第7実施形態について、金属造形用粉粒体の選別装置の模式図。
図8】第8実施形態について、金属造形用粉粒体の選別装置の模式図。
図9】第9実施形態について、金属造形用粉粒体の選別装置の模式図。
図10】第10実施形態について、金属造形用粉粒体の選別装置の模式図。
図11】第11実施形態について、金属造形用粉粒体の選別装置の模式図。
図12】第12実施形態について、金属造形用粉粒体の選別装置の模式図。
図13】第14実施形態について、金属造形用粉粒体の純度判定装置の模式図。
図14】第14実施形態について、純度判定装置の動作を説明する図。
図15】第16実施形態について、保管方法の説明図。
図16】第16実施形態について、保管容器の模式図。
図17】第17実施形態について、ロット切替前の、金属造形物の製造装置の造形テーブルおよび材料テーブルの位置を示す図。
図18】第17実施形態について、ロット切替後の、金属造形物の製造装置の造形テーブルおよび材料テーブルの位置を示す図。
図19】第18実施形態について、金属造形物の製造装置の模式図。
図20】第19実施形態について、金属造形物の製造装置の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
金属造形用の粉体1について説明する。
粉体1(図17参照)は、粉末焼結積層造形法(金属付加製造、金属Additive Manufacturing)によって形成される金属造形物2の材料として用いられる。粉末焼結積層造形法は、一層ずつ積層される粉体1において、積層された層を順に焼結することによって下から上に金属造形物2(図17参照)を形成する方法である。
【0024】
粉体1は、金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の集合である。金属造形用粉粒体10は、金属で形成される粉体部10aと、粉体部10aに設けられる識別部10bとを備える。
粉体部10aを構成する金属は、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、コバルト、チタン、アルミニウム、マグネシウム、および、これらの合金である。
【0025】
粉体部10aは、アトマイズ法、溶液から粒子(すなわち粉体部10a)を析出させるイオン法、アルコキシドの加水分解法、物理蒸着法(PVD法)、化学蒸着法(CVD法)等によって形成される。粉体部10aは、球体または球体に類する形状であることが好ましい。粉体部10aの平均粒径(メジアン径,D50)は、1μm以上100μm以下であることが好ましい。
【0026】
識別部10bは、金属造形用粉粒体10を他の物から識別するための部分として構成される。識別部10bは、粉体1に含まれる混入物と識別可能となるものである。混入物とは、一例では、焼結の際に形成されるデブリ19(図19参照)である。具体的には、識別部10bは、熱が加わる前の金属造形用粉粒体10と、熱が加わった後の金属造形用粉粒体10(具体的にはデブリ19)とを識別可能なものとして構成される。他の例では、混入物は、金属造形用粉粒体10以外の異物とされる。さらに別の例では、混入物は、粉体1のロットと異なるロットの金属造形用粉粒体10とされる。
【0027】
識別部10bは、識別部10bを検出するセンサ部(例えば、第6実施形態のセンサ部22を参照)によって検出可能に構成される。一例では、識別部10bは、色を有する。他の例では、識別部10bは、溝として構成される。さらに他の例では、識別部10bは、臭いを有する。さらに他の例では、識別部10bは、磁性を有する。
【0028】
識別部10bは、粉体部10aの表面に設けられてもよい。また、識別部10bは、粉体部10aの内部に設けられてもよい。識別部10bは、粉体部10aと異なる物質で形成されてもよい。また、識別部10bは、粉体部10aの表面に形成されるもの(例えば、溝)であってもよい。
【0029】
識別部10bが粉体部10aの表面に設けられる場合、識別部10bは、金属造形用粉粒体10が焼結温度する温度で減少または変質することが好ましい。焼結温度は、粉末焼結積層造形法において金属造形用粉粒体10を焼結させるときの温度を示す。具体的には、識別部10bは、焼結時に蒸発または分解されることによって粉体部10aから減少または変質することが好ましい。
【0030】
図1を参照して、金属造形用粉粒体10の一例を説明する。
金属造形用粉粒体11(10)の粉体部11aは、金属によって形成される。識別部11bは、樹脂によって形成される。識別部11bは、粉体1の焼結時に分解する。識別部11bは、粉体部11aと異なる色を有する。例えば、粉体部11aが灰色である場合、識別部11bは、赤色を有するポリマーによって形成される。識別部11bは、粉体部11aの表面の少なくとも一部を覆う。好ましくは、識別部11bは、粉体部11aの全体を覆う。識別部11bの厚さは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。識別部11bの厚さが0.1μm未満である場合、識別部11bが剥離し易くなるからである。識別部11bの厚さが10μmよりも大きい場合、焼結時の識別部11bの焼失に起因する金属造形用粉粒体10の容積縮小が大きくなり、焼結によって形成される金属造形物2の寸法が金属造形物2の設計寸法から大きく乖離する虞があるからである。
【0031】
例えば、識別部11bは、着色ポリマーによって形成される。着色ポリマーは、予め着色されているポリマーである。ポリマーは、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等である。着色剤は、焼結時に分解させるために、有機材料であることが好ましい。
【0032】
金属造形用粉粒体10の製造方法は、少なくとも、コーティング工程を含む。金属造形用粉粒体10の製造方法は、粉体部形成工程を含んでもよい。粉体部形成工程では、金属によって粉体部11aを形成する。粉体部11aを形成する方法として、アトマイズ法、溶液から粒子(すなわち粉体部10a)を析出させるイオン法、アルコキシドの加水分解法、物理蒸着法(PVD法)、化学蒸着法(CVD法)等が挙げられる。コーティング工程では、粉体部11aに、識別部11bの形成材料をコーティングする。コーティングの方法は限定されない。コーティングの方法として、例えば、ディップ法、噴霧法、転写法、等が挙げられる。
【0033】
本実施形態の作用を説明する。
粉末焼結積層造形法による金属造形物2の製造では、ビーム(レーザビームまたは電子ビーム)によって、積層された粉体1の層を順に焼結する。粉体1において、ビームが照射される照射部分の殆どの部分は、焼結して金属造形物2の一部分を構成するが、照射部分の一部は、デブリ19となって飛散する(図19参照)。デブリ19は、金属造形物2の周囲に落下する。粉体1の一層分の焼結が完了すると、形成途中の金属造形物2の上に新たな粉体1の層が積層される。この後、ビーム照射と、粉体1の層の積層とが繰り返される。このような繰り返しによって、金属造形物2が形成される。一方、金属造形物2の周囲の粉体1には、焼結に使用されていない金属造形用粉粒体10と、デブリ19とが混在するようになる。金属造形物2の周囲の粉体1は、資源の有効活用のため、再利用される。
【0034】
金属造形物2の周囲の粉体1の再利用において、デブリ19は不純物となる。デブリ19は、金属造形用粉粒体10と粒径や粒形状が異なり、また、酸化している場合もあるため、再利用される粉体1から除去される。金属造形用粉粒体10よりも大きいデブリ19は、ふるいによって簡単に除去されるが、金属造形用粉粒体10と同じ大きさまたは金属造形用粉粒体10よりも小さいデブリ19は、除去が困難である。
【0035】
本実施形態では、金属造形用粉粒体10は、識別部10bを有する。識別部10bは、金属造形用粉粒体10の焼結によって分解し、減少または変質する。したがって、デブリ19では、識別部10bは減少または変質している。このため、金属造形用粉粒体10とデブリ19とを、識別部10bの状態を検出することによって、簡単に、判別できる。
【0036】
具体的には、ビーム照射によって着色ポリマーが分解する。したがって、デブリ19の識別部10bは減少しているか、または変色(変質の一種)している。このため、金属造形用粉粒体10の表面の色の検出によって、金属造形用粉粒体10とデブリ19とを簡単に判別できる。
【0037】
本実施形態の効果を説明する。
(1-1)金属造形用粉粒体10は、金属で形成される粉体部10aと、粉体部10aに設けられる識別部10bとを備える。この構成によれば、金属造形用粉粒体10は、粉体部10aとは別の要素である識別部10bを含む。この識別部10bによって、粉体1から、デブリ19等の混入物を判別できる。すなわち、粉体1は、混入物を判別し易いものとなっている。
【0038】
(1-2)識別部10bは粉体部10aの表面に設けられる。この構成によれば、金属造形用粉粒体10の外観から識別部10bを検出できる。したがって、粉体部10aの内部に識別部10bが埋め込まれている場合に比べて識別部10bを簡単に検出できる。
【0039】
(1-3)識別部10bは粉体部10aと異なる色を有することが好ましい。この構成によれば、識別部10bが減少または変質したものと、識別部10bが残されているものとを判別し易い。
【0040】
(1-4)識別部10bは着色ポリマーによって形成されることが好ましい。この構成によれば、予め着色されているポリマーを使用するため、透明ポリマーによって識別部10bを形成した後に着色する場合に比べて、製造工程を簡略化できる。
【0041】
(1-5)識別部10bは金属造形用粉粒体10が焼結する焼結温度で減少または変質することが好ましい。この構成によれば、金属造形用粉粒体10が焼結すると、金属造形用粉粒体10の識別部10bが減少または変質する。このため、金属造形用粉粒体10の焼結によって形成されるデブリ19と、焼結時の熱が加わっていない金属造形用粉粒体10とを簡単に判別できる。
【0042】
(1-6)金属造形用粉粒体10の製造方法は、金属によって粉体部10aを形成する粉体部形成工程と、金属で形成される粉体部10aに、識別部10bの形成材料をコーティングするコーティング工程を含む。この構成によれば、識別部10bを簡単に形成できる。
【0043】
<第2実施形態>
図2を参照して、金属造形用粉粒体12(10)(金属付加製造用粉粒体)の他の例について説明する。
本実施形態では、識別部12bの構造が、第1実施形態に示される識別部11bと異なる。本実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0044】
粉体1は、複数の金属造形用粉粒体12を含む。金属造形用粉粒体12の粉体部12aは、金属によって形成される。識別部12bは、金属の酸化膜によって構成される。酸化膜は、還元によって減少または変質する。
【0045】
粉体1の焼結時において、識別部12bを減少または変質させることが好ましい。具体的には、粉体1をビーム照射によって焼結させるとき、酸化膜を還元させる還元剤を流し、酸化膜を還元させることによって、識別部12bを減少または変質させる。還元剤の一例として水素が挙げられる。識別部12bは、粉体部12aと異なる色を有することが好ましい。識別部12bは、粉体部12aの表面の少なくとも一部を覆う。好ましくは、識別部12bは、粉体部12aの全体を覆う。識別部12bの厚さは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。
【0046】
例えば、粉体部12aがチタンである場合、酸化膜は、酸化チタン(二酸化チタンとも呼ばれる)により形成される。チタンは、銀灰色である。酸化チタンは、白色である。金属造形用粉粒体12の製造方法は、少なくとも、粉体部12aの粉体部形成工程と、酸化膜形成工程とを含む。粉体部12aがチタンである場合、粉体部形成工では、チタン粉を形成する。チタン粉は、スポンジチタンの粉砕によって形成される。チタン粉は、質量比で数%の水素を含んでもよい。チタン粉をチタン鉱石から生成してもよい。この場合、チタン粉は次のように生成できる。チタン鉱石(二酸化チタン)と塩素と炭素と反応させて、四塩化チタンを生成する。四塩化チタンをマグネシウムによって還元することによって、スポンジチタンを形成する(クロール法)。次いで、スポンジチタンを水素によって脆弱化し、粉砕する。そして、粉砕されたチタンを脱水素化することによって、チタン粉を得る。チタン粉は、質量比率で数%の水素を含んでもよい。酸化膜形成工程では、金属で形成される粉体部12aを酸素雰囲気で加熱する。酸化膜形成工程によって、識別部12bとしての酸化膜が形成される。
【0047】
本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、金属造形用粉粒体12は、識別部12bを有する。識別部12bは、酸化膜によって構成される。好ましくは、金属造形用粉粒体12の焼結時において、識別部12bとしての酸化膜を、還元剤との反応によって減少または変質させることが好ましい。この場合、デブリ19において識別部12bは減少または変質したものとなっている。これによって、金属造形用粉粒体12と、デブリ19とを、識別部12bの状態を検出することによって、簡単に、判別できる。
【0048】
具体的には、粉体1のビーム照射時に、金属造形用粉粒体12と還元剤とを反応させる。これによって、識別部12bとしての酸化膜は減少する。したがって、デブリ19の識別部12bは減少しているか、または変色(変質の一種)している。このため、金属造形用粉粒体12の表面の色の検出によって、金属造形用粉粒体12とデブリ19とを簡単に判別できる。
【0049】
<第3実施形態>
図3を参照して、金属造形用粉粒体13(10)(金属付加製造用粉粒体)の他の例について説明する。
本実施形態では、識別部13bの構造が、第1実施形態に示される識別部11bと異なる。本実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0050】
粉体1は、複数の金属造形用粉粒体13を含む。金属造形用粉粒体13の粉体部13aは、金属によって形成される。識別部13bは、粉体部13aの表面に設けられる溝(または、傷)として構成される。例えば、溝の断面はV字状に構成される。例えば、複数の歯の付いた2枚のプレス板の間に粉体部13aを配置して、粉体部13aを2枚のプレス板を挟んだ状態にして、一方のプレス板を他方のプレス板に対して面方向(プレス面に対して平行な方向)に往復させることによって、粉体部13aの表面に溝を形成する。識別部13bは、粉体部13aの表面の少なくとも一部に形成される。好ましくは、識別部13bは、粉体部13aの全体に形成される。識別部13bは、粉体1の焼結時に減少または変形(変質の一種)する。具体的には、金属造形用粉粒体13を含む粉体1をビーム照射によって焼結させると、表面の溶融によって、溝が減少するか、または、溝が変形する。
【0051】
本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、金属造形用粉粒体13は、識別部13bを有する。識別部13bは、粉体部13aの表面に設けられる溝として構成される。識別部13bとしての溝は、金属造形用粉粒体13の焼結時に、熱によって減少または変形する。したがって、デブリ19において識別部13bは減少または変形している。このため、識別部13bの状態を検出することによって、金属造形用粉粒体13とデブリ19とを簡単に判別できる。
【0052】
<第4実施形態>
図4を参照して、金属造形用粉粒体14(10)(金属付加製造用粉粒体)の他の例について説明する。
本実施形態では、識別部14bの構造が、第1実施形態に示される識別部11bと異なる。本実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0053】
粉体1は、複数の金属造形用粉粒体14を含む。金属造形用粉粒体14の粉体部14aは、金属によって形成される。識別部14bは、粉体部14aの内部に設けられる。識別部14bは、例えば、永久磁石である。永久磁石として、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、およびネオジム磁石が挙げられる。永久磁石を含む金属造形用粉粒体14は、例えば、次のように製造される。第1ステップにおいて、永久磁石によって構成されるコアを帯電し、第2ステップにおいて、帯電したコアにCVD法によって目的の金属を積層する。このような製法によって、永久磁石を含む金属造形用粉粒体14を製造できる。
【0054】
識別部14bとしての永久磁石は、粉体1の焼結時に消磁または減磁する。具体的には、粉体1をビーム照射によって焼結させると、熱によって、識別部14bが消磁するか、または、減磁する。
【0055】
本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、金属造形用粉粒体14は、識別部14bを有する。識別部14bは、粉体部14aの内部に設けられる。識別部14bは、永久磁石によって構成される。識別部14bとしての永久磁石は、金属造形用粉粒体14の焼結時に、消磁または減磁する。したがって、デブリ19において識別部14bは消滅または減磁している。このため、識別部14bの磁性を検出することによって、金属造形用粉粒体14とデブリ19とを簡単に判別できる。
【0056】
<第5実施形態>
図5を参照して、金属造形用粉粒体15(10)(金属付加製造用粉粒体)の他の例について説明する。
本実施形態では、識別部15bの構造が、第1実施形態に示される識別部11bと異なる。本実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0057】
粉体1は、複数の金属造形用粉粒体15を含む。金属造形用粉粒体15の粉体部15aは、金属によって形成される。識別部15bは、臭いを有する。臭いの元の物質(以下、「臭い物質」)は、臭いセンサにより検出されるものである。識別部15bは、臭い物質を放出する樹脂によって形成される。識別部15bは、臭い物質を持続的に放出する。例えば、識別部15bは、臭い物質を1年以上にわたって放出する。一例として、臭い物質は、例えば、高感度酸化インジウムによって検出可能な物質である。臭い物質の例として、例えば、芳香族化合物、アルコール等が挙げられる。
【0058】
本実施形態の作用を説明する。
本実施形態では、金属造形用粉粒体15は、識別部15bを有する。識別部15bは、臭いを発生させる。臭い物質を放出する識別部15bは、金属造形用粉粒体15の焼結時に減少する。したがって、デブリ19において識別部15bから放出される臭い物質は減少しているため、臭いを検出することによって、金属造形用粉粒体15とデブリ19とを簡単に判別できる。
【0059】
<第6実施形態>
図6を参照して、金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の選別装置20について説明する。
金属造形用粉粒体10の選別装置20は、金属造形用粉粒体10を1つずつ吐出する吐出部21と、金属造形用粉粒体10の粉体部10aに設けられる識別部10bを識別するセンサ部22と、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する選別部23とを備える。好ましくは、金属造形用粉粒体10の選別装置20は、選別された一方(デブリ19)を収容する第1収容部24と、選別された他方(金属造形用粉粒体10)を収容する第2収容部25とをさらに備える。
【0060】
吐出部21は、金属造形用粉粒体10が予め設定された軌道(例えば、鉛直方向に沿う軌道)に沿って移動するように、金属造形用粉粒体10を吐出する。センサ部22は、金属造形用粉粒体10の識別部10bを識別する。
【0061】
識別部10bが着色ポリマーまたは酸化膜によって構成されており、識別部10bが色を含む場合、センサ部22は、カラーセンサを備える。センサ部22は、金属造形用粉粒体10の色を検出し、検出した色に基づいて識別部10bを識別する。センサ部22は、検出した色が、当初の識別部10bの色と同じであると判定するとき、識別部10bを「変化無しの状態」と識別する。センサ部22は、検出した色が、当初の識別部10bの色と異なると判定するとき、識別部10bを「変化ありの状態」と識別する。
【0062】
識別部10bが溝によって構成される場合、センサ部22は、金属造形用粉粒体10の表面を撮影するカメラを備える。センサ部22は、金属造形用粉粒体10に光を照射し、金属造形用粉粒体10の表面を撮影し、撮影画像に基づいて溝の状態を識別する。センサ部22は、撮影画像の溝が、当初の識別部10bの溝の形状と同じであると判定するとき、識別部10bを「変化無しの状態」と識別する。センサ部22は、撮影画像の溝が、当初の識別部10bの溝の形状と異なると判定するとき、識別部10bを「変化ありの状態」と識別する。
【0063】
識別部10bが永久磁石によって構成される場合、センサ部22は、磁気センサを備える。センサ部22は、金属造形用粉粒体10の磁界を検出し、磁界の大きさに基づいて識別部10bを識別する。センサ部22は、金属造形用粉粒体10の磁界の大きさが、当初の識別部10bの磁界の大きさと同じレベルであると判定するとき、識別部10bを「変化無しの状態」と識別する。センサ部22は、金属造形用粉粒体10の磁界の大きさが、当初の識別部10bの磁界の大きさよりも十分に小さいと判定するとき、識別部10bを「変化ありの状態」と識別する。
【0064】
識別部10bが臭いを有する場合、センサ部22は、臭いセンサを備える。センサ部22は、金属造形用粉粒体10の臭いを検出し、臭いの強さに基づいて識別部10bを識別する。センサ部22は、金属造形用粉粒体10の臭いの強さが、当初の識別部10bの臭いの強さと同じレベルであると判定するとき、識別部10bを「変化無しの状態」と識別する。センサ部22は、金属造形用粉粒体10の臭いの強さが、当初の識別部10bの臭いの強さよりも十分に小さいと判定するとき、識別部10bを「変化ありの状態」と識別する。
【0065】
選別部23は、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する。具体的には、選別部23は、金属造形用粉粒体10に対する識別結果が「変化ありの状態」という結果であるとき、その金属造形用粉粒体10をデブリ19として他の金属造形用粉粒体10から分別する。「変化ありの状態」と判定された金属造形用粉粒体10は、第1収容部24に収容される。「変化無しの状態」と判定された金属造形用粉粒体10は、第2収容部25に収容される。本実施形態では、選別部23は、「変化ありの状態」という識別結果の金属造形用粉粒体10に、空気を吹き付ける。選別部23は、このような吹き付けによって、金属造形用粉粒体10の軌道を変え、金属造形用粉粒体10を第1収容部24に案内する。
【0066】
本実施形態の作用を説明する。
粉末焼結積層造形法によって金属造形物2の形成が完了する。このとき、金属造形物2は、粉体1内に埋まった状態にある。金属造形物2の周囲の粉体1(以下、「使用済みの粉体1」という。)は、再利用される。使用済みの粉体1には、金属造形物2の材料として使用されなかった金属造形用粉粒体10とデブリ19とが混在する。使用済みの粉体1を再利用する前に、使用済みの粉体1からデブリ19を除去する。
【0067】
デブリ19の除去は、2段階で行われることが好ましい。第1ステップでは、サイズによってデブリ19を除去する。具体的には、使用済みの粉体1をふるいにかける。第2ステップにおいて、金属造形用粉粒体10の選別装置20によって、デブリ19を除去する。本実施形態では、選別部23は、「識別部10bに変化あり」という識別結果の金属造形用粉粒体10に、空気を吹き付けることによって、デブリ19を除去する。
【0068】
本実施形態の効果を説明する。
金属造形用粉粒体10の選別装置20は、識別部10bを識別するセンサ部22と、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する選別部23とを備える。この構成によれば、選別部23は、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別するため、粉体1の再生において精確に金属造形用粉粒体10を選別できる。
【0069】
<第7実施形態>
図7を参照して、金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の選別装置26について説明する。
本実施形態では、選別部31の構造が、第6実施形態に示される選別部23と異なる。本実施形態において、第6実施形態と共通する構成については、第6実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0070】
本実施形態では、選別部31は、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する。選別部31は、「識別部10bに変化あり」という識別結果の金属造形用粉粒体10を、空気とともに吸い込む。選別部31は、このような吸い込みによって、「識別部10bに変化あり」の金属造形用粉粒体10を第1収容部24に案内する。このように、吸い込みによって、「識別部10bに変化あり」の金属造形用粉粒体10を第1収容部24に案内するため、「識別部10bに変化あり」の金属造形用粉粒体10(デブリ19)を確実に第1収容部24に案内できる。
【0071】
本実施形態に係る選別装置26は、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する選別部31を有するため、第6実施形態に係る選別装置20に準じた効果を奏する。
【0072】
<第8実施形態>
図8を参照して、金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の選別装置27について説明する。
本実施形態では、選別部32の構造が、第6実施形態に示される選別部23と異なる。本実施形態において、第6実施形態と共通する構成については、第6実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0073】
本実施形態に係る選別装置27は、次のような金属造形用粉粒体10の選別に用いることができる。選別装置27によって選別される粉体1は、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性体によって構成される粉体部10aを有する金属造形用粉粒体10を含む。
【0074】
本実施形態では、選別部32は、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する。選別部32は、「識別部10bに変化あり」という識別結果の金属造形用粉粒体10を、電磁石によって吸引する。選別部32は、このような吸引によって、「識別部10bに変化あり」の金属造形用粉粒体10(デブリ19)を第1収容部24に案内する。
【0075】
この構成によれば、電磁石のコイルに流す電流によって、電磁石による吸引力を制御できる。このように吸引力の制御が簡単であるため、吸引力の制御によって金属造形用粉粒体10の軌道を簡単に調整できる。また、本実施形態に係る選別装置27は、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する選別部32を有するため、第6実施形態に係る選別装置20に準じた効果を奏する。
【0076】
<第9実施形態>
図9を参照して、金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の選別装置28について説明する。
本実施形態では、選別部33の構造が、第6実施形態に示される選別部23と異なる。さらに、本実施形態では、金属造形用粉粒体10の選別装置28は、帯電部34と、金属造形用粉粒体10を案内する案内部35とをさらに備える。本実施形態において、第6実施形態と共通する構成については、第6実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0077】
吐出部21は、粉体1の金属造形用粉粒体10を1つずつ落下させる。帯電部34は、金属造形用粉粒体10をマイナスに帯電する。案内部35は、プラスに帯電した部材によって構成され、マイナスに帯電した金属造形用粉粒体10を引き寄せる。案内部35は、マイナスに帯電した金属造形用粉粒体10を鉛直方向と交差する方向に導く。マイナスに帯電した金属造形用粉粒体10は、案内部35によって鉛直方向と交差する方向に導かれ、第2収容部25に向かって移動する。
【0078】
選別部33は、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する。選別部33は、「識別部10bに変化あり」という識別結果の金属造形用粉粒体10について、その金属造形用粉粒体10の帯電を除去する。選別部33は、金属造形用粉粒体10の除電によって、「識別部10bに変化あり」の金属造形用粉粒体10(デブリ19)を鉛直方向に落下させて第1収容部24に向かわせる。
【0079】
この構成によれば、案内部35のプラスの帯電量によって、吸引力を制御できる。このように吸引力の制御が簡単であるため、金属造形用粉粒体10の軌道を簡単に調整できる。また、本実施形態に係る選別装置28は、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する選別部33を有するため、第6実施形態に係る選別装置20に準じた効果を奏する。
【0080】
<第10実施形態>
図10を参照して、金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の選別装置29について説明する。
本実施形態では、選別部36の構造が、第6実施形態に示される選別部23と異なる。本実施形態において、第6実施形態と共通する構成については、第6実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0081】
本実施形態では、選別部36は、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する。選別部36は、「識別部10bに変化あり」という識別結果の金属造形用粉粒体10を、板状のガイド36aによって第1収容部24に案内する。具体的には、ガイド36aは、ガイド36a自体の回転によって、金属造形用粉粒体10の軌道と交差する第1位置と、交差しない第2位置とに配置される。ガイド36aは、「識別部10bに変化あり」という識別結果に基づいて第1位置に配置される。ガイド36aが第1位置に配置されるとき、「識別部10bに変化あり」の金属造形用粉粒体10(デブリ19)は、ガイド36aに接触して、ガイド36aに沿って転がって、第1収容部24に向かって移動する。
【0082】
この構成によれば、選別部36は、回転可能なガイド36aによって構成される。このように、選別部36を簡潔に構成できる。また、「識別部10bに変化あり」と判定された金属造形用粉粒体10(デブリ19)は、ガイド36aに接触するため、このような金属造形用粉粒体10を、粉体1から確実に除去できる。また、本実施形態に係る選別装置29は、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する選別部36を有するため、第6実施形態に係る選別装置20に準じた効果を奏する。
【0083】
<第11実施形態>
図11を参照して、金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の選別装置40について説明する。本実施形態に係る選別装置40は、金属造形物2の形成後において、金属造形物2の周囲の粉体1を取り出さずに、金属造形物2の周囲に粉体1を置いた状態のままで、金属造形用粉粒体10を選別する。
【0084】
選別装置40は、複数の吸引部41を備える。吸引部41は、金属造形物2を吸い込む。金属造形物2の周囲にある粉体1は、上からみて、複数の領域ARに区分される。例えば、第1の領域AR1は、金属造形物2を囲む第1区画線L1の内側の領域である。第2の領域AR2は、第1区画線L1よりも外側であり、かつ第1区画線L1を囲む第2区画線L2の内側の領域である。第3の領域AR3は、第2区画線L2よりも外側の領域である。
【0085】
第1区画線L1および第2区画線L2は、単面積あたりのデブリ19の個数によって設定されることが好ましい。単面積あたりのデブリ19の個数は、識別部10bを識別するセンサ部(例えば、第6実施形態のセンサ部22を参照)の識別結果に基づいて算出される。識別結果は、「識別部10bに変化あり」という識別結果を有する金属造形用粉粒体10(以下、変化有りの金属造形用粉粒体10)の分布を示す。本実施形態では、金属造形物2の周囲にある粉体1の上面が、変化有りの金属造形用粉粒体10の多さによって、3つの領域ARに区分される。
【0086】
識別部10bが着色ポリマーまたは酸化膜によって構成されて識別部10bが色を含む場合、センサ部は、当初の識別部10bの色を有する金属造形用粉粒体10の分布を測定する。識別部10bが溝として構成される場合、センサ部は、当初の識別部10bの溝を有する金属造形用粉粒体10の分布を測定する。識別部10bが永久磁石として構成される場合、センサ部は、当初の識別部の磁界の大きさを有する金属造形用粉粒体10の分布を測定する。識別部10bが臭いを有する場合、センサ部は、当初の識別部10bの臭いの強さを有する金属造形用粉粒体10の分布を測定する。
【0087】
第1区画線L1および第2区画線L2によって区画された領域ARそれぞれに、吸引部41が配置される。吸引部41は、割り当てられた領域ARにある粉体1を吸い込む。吸引部41は、第1区画線L1または第2区画線L2を超えて隣接する領域ARの粉体1を吸い込んでもよい。
【0088】
このように複数の吸引部41を使用することによって、金属造形物2の周囲にある粉体1を、変化有りの金属造形用粉粒体10の多さ(単位体積当たりの多さ)によって異なる3つのランクに、選別できる。
【0089】
<第12実施形態>
図12を参照して、金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の選別装置42について説明する。
本実施形態では、金属造形用粉粒体10の選別装置42は、さらに区隔壁43を備える点で、第11実施形態と異なる。本実施形態において、第11実施形態と共通する構成については、第11実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0090】
選別装置42の区隔壁43は、各領域ARを隔てるように、金属造形物2の周囲にある粉体1に配置される。区隔壁43は、例えば、プラスチックシートによって形成される。区隔壁43の高さは、限定されない。区隔壁43の一部が、粉体1に埋められる。区隔壁43は、区隔壁43の下端が粉体1を収容する造形コンテナ65(図17参照)の造形テーブル65aに接触するように、配置されてもよいし、区隔壁43の下縁が粉体1を収容する造形コンテナ65の造形テーブル65aに接触しないように配置されてもよい。
【0091】
このように各領域ARが区隔壁43によって仕切られることによって、吸引部41が割り当てられた領域ARにある粉体1を吸い込むとき、吸引部41が、区画線を超えて隣接する領域ARの粉体1を吸い込むことを抑制できる。
【0092】
<第13実施形態>
金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の選別方法について説明する。金属造形用粉粒体10の選別方法は、識別工程と、選別工程とを含む。
【0093】
識別工程では、粉体1に含まれる金属造形用粉粒体10の粉体部10aに設けられる識別部10bを識別する。例えば、上記実施形態に挙げたセンサ部22によって、識別部10bを識別する。
【0094】
選別工程では、識別工程における識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する。例えば、上記実施形態に挙げた選別部23、31~33、36によって、金属造形用粉粒体10を選別できる。なお、選別手段は、選別部23、31~33、36の構成に限られない。例えば、識別工程における識別結果に基づいて、金属造形用粉粒体10を手作業またはロボットによって選別してもよい。
【0095】
本実施形態の効果を説明する。金属造形用粉粒体10の選別方法は、粉体1に含まれる金属造形用粉粒体10の粉体部10aに設けられる識別部10bを識別する識別工程と、識別工程における識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別する選別工程とを含む。この構成によれば、選別工程では、センサ部22の識別結果に基づいて金属造形用粉粒体10を選別するため、粉体1の再生において精確に金属造形用粉粒体10を選別できる。
【0096】
<第14実施形態>
図13および図14を参照して、粉体1の純度判定装置45について説明する。粉体1の純度判定装置45は、識別部10bを有する金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)を含む粉体1の純度を判定する。例えば、金属造形用粉粒体10の識別部10bは、色を有する。色を有する識別部10bは、着色ポリマーまたは酸化膜として構成される。他の例では、金属造形用粉粒体10の識別部10bは、金属造形用粉粒体10の表面の溝として構成される。さらに他の例では、金属造形用粉粒体10の識別部10bは、金属造形用粉粒体10の内部に設けられる永久磁石として構成される。さらに、他の例では、金属造形用粉粒体10の識別部10bは、臭い物質を放出する。
【0097】
粉体1の純度判定装置45は、粉体1に含まれる金属造形用粉粒体10の粉体部10aに設けられる識別部10bを識別するセンサ部46と、センサ部46の識別結果に基づいて粉体1の純度を判定する純度判定部47とを備える。
【0098】
センサ部46は、識別部10bを検出する。識別部10bが色を含む場合、センサ部46は、カラーセンサを備える。識別部10bが溝を含む場合、センサ部46は、カメラを備える。識別部10bが永久磁石を含む場合、センサ部46は、磁気センサを備える。識別部10bが臭い物質を放出する場合、センサ部46は、臭いセンサを備える。
【0099】
図14に示されるように、センサ部46は、粉体1の表面から所定の距離だけ隔てた位置に配置され、粉体1の表面に沿うように縦方向および横方向に移動し、粉体1の識別部10bを識別する。
【0100】
識別部10bが色を含む場合の例を説明する。この場合、センサ部46は、色を検出し、さらに、粉体1の表面における単位面積あたりの色相を算出する。単位面積あたりの色相は、単位面積に含まれる画素の色から算出される。デブリ19の量によって、単位面積あたりの色相が変わる。純度判定部47は、当該色相を検出することによって、粉体1の純度のレベルを判定する。
【0101】
識別部10bが溝を含む場合の例を説明する。この場合、センサ部46は、画像処理によって、溝形状に変化ありの金属造形用粉粒体10の個数を検出する。デブリ19が多く含まれているとき、溝形状に変化ありの金属造形用粉粒体10の個数が多くなる。純度判定部47は、単位面積において、溝形状に変化ありの金属造形用粉粒体10の個数を検出することによって、粉体1の純度のレベルを判定する。
【0102】
識別部10bが永久磁石を含む場合の例を説明する。この場合、センサ部46は、粉体1の表面における単位面積あたりの磁界の大きさを検出する。デブリ19が多く含まれているとき、単位面積あたりの磁界の大きさが低下する。純度判定部47は、当該磁界の大きさを検出することによって、粉体1の純度のレベルを判定する。
【0103】
識別部10bが臭い物質を放出する場合の例を説明する。この場合、センサ部46は、粉体1の表面における単位面積あたりの臭いの強さを検出する。デブリ19が多く含まれているとき、単位面積あたりの臭いの強さが低下する。純度判定部47は、当該臭いの強さを検出することによって、粉体1の純度のレベルを判定する。
【0104】
本実施形態の効果を説明する。
この構成によれば、純度判定部47は、センサ部46の識別結果に基づいて粉体1の純度を判別するため、純度の判定精度を向上できる。純度の精度が高いことから、次のようなことを実施できる。粉体1の純度が高いときは、金属造形用粉粒体10の選別を行わずに、そのまま、粉体1を再利用してもよい。粉体1の純度が低いとき、金属造形用粉粒体10の選別を複数回、繰り返してもよい。このように、粉体1の純度が判別できることによって、金属造形用粉粒体10の選別作業を適正化できる。また、金属造形物2の形成において、デブリ19の発生量を知ることができ、デブリ19の発生量に基づいて、ビーム強度を適正化できる。
【0105】
<第15実施形態>
粉体1の純度判定方法について説明する。粉体1の純度判定方法は、識別工程と、純度判定工程とを含む。
【0106】
識別工程では、作業者または装置は、粉体1に含まれる金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の粉体部10aに設けられる識別部10bを識別する。例えば、センサ部が、粉体1の金属造形用粉粒体10の識別部10bを識別する。純度判定工程では、作業者または純度判定部47(図13参照)は、識別工程における識別結果に基づいて粉体1の純度を判定する。
【0107】
このような純度判定方法によれば、純度判定工程では、識別工程における識別結果に基づいて粉体1の純度を判別するため、純度の判定精度を向上できる。このように、粉体1の純度を精確に判別できることによって、金属造形用粉粒体10の選別作業を適正化できる。また、金属造形物2の形成において、デブリ19の発生量を知ることができ、デブリ19の発生量に基づいて、ビーム強度を適正化できる。
【0108】
<第16実施形態>
図15および図16を参照して、粉体1の保管方法および保管容器50について説明する。
【0109】
粉体1の保管容器50は、粉体1に含まれる金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)の移動が抑制される移動抑制状態に粉体1を維持する。特に、粉体1の保管容器50は、識別部10bを有する金属造形用粉粒体10を含む粉体1の保管に適する。
【0110】
粉体1の保管容器50は、粉体1が入る袋部51と、袋部51に設けられる開口部52と、開口部52の開口端52aを閉じるシール部53とを備える。好ましくは、粉体1の保管容器50は、空気吸引装置55によって粉体1が吸い込まれないようにするフィルタ54を備える。フィルタ54の目の大きさは、金属造形用粉粒体10の平均粒径よりも小さいことが好ましい。袋部51および開口部52は、樹脂製のシートによって構成される。開口部52は、開口端52aから袋部51まで延びる筒状の延長部52bを含む。シール部53は、開口端52a側に設けられる。
【0111】
粉体1の保管方法について説明する。
本実施形態にかかる粉体1の保管方法では、粉体1に含まれる金属造形用粉粒体10の移動が抑制される移動抑制状態で、粉体1を保管する。
【0112】
具体的には、開口部52を開いた状態で保管容器50の袋部51に粉体1を入れる。次に、粉体1の表面をフィルタ54で覆う。空気吸引装置55の吸引ホース56を開口部52に挿入し、開口端52aをシール部53で閉じる。この状態で、保管容器50の内部の空気を吸引する。そうすると、保管容器50を構成するシートが保管容器50の内に向かって吸い寄せられ、金属造形用粉粒体10は、シートによって押圧されるようになり、金属造形用粉粒体10同士は、密着する。このように金属造形用粉粒体10が密着する状態になったとき、空気吸引装置55の吸引ホース56を開口部52から引き抜き、開口端52aをシール部53で完全に閉じ、シール部53を熱によって封止する。
【0113】
本実施形態の効果を説明する。
粉体1の搬送の際、保管容器50内で金属造形用粉粒体10が移動し、金属造形用粉粒体10同士が擦れることによって、金属造形用粉粒体10の識別部10bが剥がれる虞がある。この点で、上記構成によれば、金属造形用粉粒体10の移動が抑制されることから、金属造形用粉粒体10同士の摩耗が少なくなり、金属造形用粉粒体10の識別部10bが剥がれ落ちることが少なくなる。これによって、識別部10bの剥がれの少ない粉体1を提供できる。また、粉体1の保管容器50は、金属造形用粉粒体10の移動が抑制される移動抑制状態に金属造形用粉粒体10を含む粉体1を維持するため、識別部10bの剥がれの少ない粉体1を提供できる。
【0114】
<第17実施形態>
図17および図18を参照して、金属造形物2の製造方法について説明する。
金属造形物2の製造方法では、識別部10bを有する金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)を含む粉体1を用いて金属造形物2を形成する。金属造形物2は、従来の粉末焼結積層造形法によって形成される。金属造形物2の製造方法では、粉体1の補充方法に特徴がある。
【0115】
粉体1は、製造年月日によってロット管理される。粉体1がロット管理されることによって、金属造形物2の品質のトレーサビリティが向上する。
ところで、金属造形物2の形成途中で、金属造形物2の形成に使われているロットが尽きてしまう場合がある(図17参照)。この場合、金属造形物2の形成を継続するために、他のロットの粉体1が使われる。このように、金属造形物2の材料として、複数のロットの粉体1が使われる場合、金属造形物2の品質に対する粉体1のロットの影響を判定し難くなる。すなわち、金属造形物2に品質問題が生じたときに、先に使用されたロットの影響が大きいのか、後に使用されたロットの影響が大きいのか、判定し難い。
【0116】
本実施形態の製造方法では、ロットの検出を可能とするため、連続して使用される2つのロット間の識別部10bを異ならせる。すなわち、粉体1のロットの切り替えにおいて後に使用される粉体1の金属造形用粉粒体10は、先のロットの粉体1の金属造形用粉粒体10の識別部10bと区別可能な識別部10bを有する。これによって、金属造形物2の形成材料である粉体1のロットを精確に管理できる。
【0117】
具体的に、図17および図18を参照して、本実施形態の製造方法を説明する。本実施形態の製造方法では、金属造形物2の製造装置60が使用される。金属造形物2の製造装置60は、金属造形用粉粒体10を含む粉体1を供給する供給部61と、金属造形物形成部62とを備える。
【0118】
供給部61は、粉体1を蓄える材料コンテナ63と、粉体1を金属造形物形成部62に供給するためのリコータ64とを備える。材料コンテナ63の底には、上下移動可能な材料テーブル63aが配置される。粉体1の供給時において、材料テーブル63aが一層分だけ上昇し、一層分の粉体1がリコータ64によって金属造形物形成部62に運ばれる。
【0119】
金属造形物形成部62は、供給部61から供給された粉体1において予め設定された部分をビームで焼結することによって金属造形物2を形成する。
金属造形物形成部62は、造形コンテナ65と、ビームの出力部66とを備える。造形コンテナ65の底には、金属造形物2を支持する造形テーブル65aが配置される。造形テーブル65aは、上下に移動する。ビーム照射によって粉体1の一層分の焼結が完了したとき、造形テーブル65aは一層分だけ下がる。
【0120】
材料コンテナ63の粉体1が尽きたとき、先のロットと同じロットの粉体1が材料コンテナ63に補充される。しかし、先のロットが使いきっている場合がある。このような場合、先のロットと異なるロットの粉体1が材料コンテナ63に補充される。この場合において、先のロットの金属造形用粉粒体10の識別部10bと区別可能な識別部10bを有する金属造形用粉粒体10を含む粉体1が、材料コンテナ63に補充される。
【0121】
1つのロットでは、識別部10bは同じ構造を有する。一例では、ロットを区別する識別部10bとして2種類の識別部10bが用いられる。
粉体1の製造では、粉体1のロット番号順に、金属造形用粉粒体10の粉体部10aに対して、第1の識別部10bと、第1の識別部10bとは異なる種類の第2の識別部10bとが交互に形成される。このようにすることで、粉体1に含まれる金属造形用粉粒体10の識別部10bの構造は、ロット番号順に交互に変わる。このような粉体1は、ロット順に使用されることが好ましい。金属造形物2の製造において、このような粉体1をロット製造順に使用することによって、ロットの切り替えの都度、識別部10bの種類を変えることができる。
【0122】
本実施形態では、金属造形物2の形成が完了した後、金属造形物2の周囲の粉体1を集めて、各種の粉体1の割合を計量する。例えば、金属造形物2の形成において、赤色の識別部10bを有する金属造形用粉粒体10を含む第1ロットの粉体1aと、青色の識別部10bを有する金属造形用粉粒体10を含む第2ロットの粉体1bとを用いる。この場合、カラーセンサによって金属造形物2の周囲の粉体1の個々の金属造形用粉粒体10を検査し、金属造形用粉粒体10の識別部10bの色を識別することによって、第1ロットの粉体1aに対する第2ロットの粉体1bの割合を計量する。
【0123】
<第18実施形態>
図19を参照して、金属造形物2の製造装置70について説明する。金属造形物2の製造装置70は、識別部10bを有する金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)を含む粉体1を材料として用いて、金属造形物2を形成する。金属造形物2の製造装置70の説明において、上述した金属造形物2の製造装置60と同じ構成については簡略して説明する。
【0124】
金属造形物2の製造装置70は、供給部71と、金属造形物形成部72と、センサ部73とを備える。
供給部71は、金属造形用粉粒体10を含む粉体1を供給する。供給部71は、粉体1を蓄える材料コンテナ(図示省略)と、粉体1を金属造形物形成部72に供給するためのリコータ74とを備える。
【0125】
金属造形物形成部72は、供給部71から供給された粉体1において予め設定された部分をビームで焼結することによって金属造形物2を形成する。金属造形物形成部72は、造形コンテナ75と、ビームの出力部76とを備える。出力部76は、レーザビームまたは電子ビームを出力する。出力部76は、粉体1において、予め設定された部分にビームを照射する。
【0126】
センサ部73は、金属造形物2の造形開始の前、造形中、および造形後の少なくともいずれかの時間帯において粉体1の金属造形用粉粒体10の識別部10bを検出する。センサ部73の構造は、第6実施形態のセンサ部22に準ずる。
【0127】
本実施形態の効果を説明する。本実施形態では、金属造形物2の製造装置70は、粉体1の金属造形用粉粒体10の識別部10bを検出するセンサ部73を備える。この構成によれば、金属造形物2を製造する際、センサ部73によって検出される識別部10bに関する情報によって、粉体1において混入物の混入状態を管理できる。
【0128】
<第19実施形態>
図20を参照して、金属造形物2の製造装置80について説明する。
金属造形物2の製造装置80の説明において、上述した金属造形物2の製造装置60と同じ構成については簡略して説明する。金属造形物2の製造装置80は、識別部10bとしての酸化膜を有する金属造形用粉粒体10(金属付加製造用粉粒体)を含む粉体1を材料として用いて、金属造形物2を形成する。
【0129】
金属造形物2の製造装置80は、供給部81と、金属造形物形成部82と、フロー部83とを備える。
供給部81は、金属造形用粉粒体10を含む粉体1を供給する。供給部81は、粉体1を蓄える材料コンテナ(図示省略)と、粉体1を金属造形物形成部82に供給するためのリコータ84とを備える。
【0130】
金属造形物形成部82は、供給部81から供給された粉体1において予め設定された部分をビームで焼結することによって金属造形物2を形成する。金属造形物形成部82は、造形コンテナ85と、ビームの出力部86とを備える。出力部86は、レーザビームまたは電子ビームを出力する。出力部86は、粉体1において、予め設定された部分にビームを照射する。
【0131】
フロー部83は、粉体1に含まれる金属造形用粉粒体10の識別部10bを除去する除去剤を流す。具体的は、除去剤は、酸化膜を還元によって除去する還元剤である。還元剤の例として、水素が挙げられる。水素は、不活性ガスとともに金属造形物形成部82に流される。
【0132】
本実施形態の効果を説明する。この構成によれば、金属造形物2の製造において、識別部10bが除去剤によって除去され、識別部10bが除去された金属造形用粉粒体10によって金属造形物2が形成される。これによって、識別部10bの含有が少ない金属造形物2を形成できる。具体的には、金属造形物2の製造において、識別部10bとしての酸化膜が還元剤によって除去され、酸化膜が除去された金属造形用粉粒体10によって金属造形物2が形成される。これによって、酸化物の含有が少ない金属造形物2を形成できる。
【0133】
<他の実施形態>
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0134】
・識別部10bは、上記実施形態に挙げた例に限定されない。識別部10bは、検出可能なものであればよい。実施形態では、識別部10bの色は、可視光によって識別可能なものであってもよいし、識別部10bの色は、赤外線によって識別可能なものであってもよいし、紫外線によって識別可能なものであってもよい。識別部10bは、色彩パターン(複数の色からなる所定のパターン)、模様パターン(縞模様、水玉模様)であってもよい。
【0135】
また、識別部10bは、所定の光または放射能を発生するものであってもよい。例えば、識別部10bは、蛍光剤または放射性物質を含むポリマーによって形成される。また、識別部10bは、所定の電磁波を吸収する物質を含むものであってもよい。例えば、識別部10bは、磁性材料を含むポリマーによって形成される。
【符号の説明】
【0136】
AR…領域、AR1…第1の領域、AR2…第2の領域、AR3…第3の領域、L1…第1区画線、L2…第2区画線、1…粉体、1a…第1ロットの金属造形用粉体、1b…第2ロットの金属造形用粉体、2…金属造形物、10…金属造形用粉粒体、10a…粉体部、10b…識別部、11…金属造形用粉粒体、11a…粉体部、11b…識別部、12…金属造形用粉粒体、12a…粉体部、12b…識別部、13…金属造形用粉粒体、13a…粉体部、13b…識別部、14…金属造形用粉粒体、14a…粉体部、14b…識別部、15…金属造形用粉粒体、15a…粉体部、15b…識別部、19…デブリ、20…選別装置、21…吐出部、22…センサ部、23…選別部、24…第1収容部、25…第2収容部、26…選別装置、27…選別装置、28…選別装置、29…選別装置、31…選別部、32…選別部、33…選別部、34…帯電部、35…案内部、36…選別部、36a…ガイド、40…選別装置、41…吸引部、42…選別装置、43…区隔壁、45…純度判定装置、46…センサ部、47…純度判定部、50…保管容器、51…袋部、52…開口部、52a…開口端、52b…延長部、53…シール部、54…フィルタ、55…空気吸引装置、56…吸引ホース、60…製造装置、61…供給部、62…金属造形物形成部、63…材料コンテナ、63a…材料テーブル、64…リコータ、65…造形コンテナ、65a…造形テーブル、66…出力部、70…製造装置、71…供給部、72…金属造形物形成部、73…センサ部、74…リコータ、75…造形コンテナ、76…出力部、80…製造装置、81…供給部、82…金属造形物形成部、83…フロー部、84…リコータ、85…造形コンテナ、86…出力部。
図1
図2
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