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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】モータ駆動装置および故障検出方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/024 20160101AFI20231108BHJP
   H02P 27/06 20060101ALI20231108BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20231108BHJP
【FI】
H02P29/024
H02P27/06
H02M7/48 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019196999
(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2021072681
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】松田 涼
(72)【発明者】
【氏名】平山 伸夫
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 拓
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-192569(JP,A)
【文献】特開2006-288125(JP,A)
【文献】特開2017-135955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 29/024
H02P 27/06
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の開閉器を介して供給される交流電力を用いてモータを駆動するモータ駆動装置であって、
前記交流電力を直流電力に変換する変換器と、
前記変換器の直流側に接続された平滑コンデンサと、
前記平滑コンデンサと前記変換器との間に設けられる充電抵抗と、
前記充電抵抗に対して並列に接続される充電スイッチと、
前記平滑コンデンサに蓄積される電荷を用いて、前記モータを駆動するための駆動電力を生成するインバータと、
前記変換器に流れる電流を検出する電流センサと、
前記電流センサで検出される電流値に基づいて、前記インバータを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記モータが停止した以降に前記平滑コンデンサに蓄積される前記電荷を放電する場合には、前記開閉器に対して、前記交流電力を供給する供給状態から前記交流電力の供給を遮断する遮断状態への切替指令を出力し、前記変換器が有する複数のスイッチング素子の少なくとも一部をオン動作させるとともに前記充電スイッチを開けることで、前記充電抵抗から前記電荷を放電する閉回路を形成し、その後、前記切替指令の出力後に前記電流値が所定の閾値以上になった場合には前記開閉器が故障していると判定し、
前記オン動作させる期間は、互いに位相が異なる複数の相の前記交流電力のうち、第1の前記相と第2の前記相との前記交流電力の差が所定の範囲内にある期間である、モータ駆動装置。
【請求項2】
外部の開閉器を介して供給される交流電力を用いてモータを駆動するモータ駆動装置であって、
前記交流電力を直流電力に変換する変換器と、
前記変換器の直流側に接続された平滑コンデンサと、
前記平滑コンデンサと前記変換器との間に設けられる充電抵抗と、
前記充電抵抗に対して並列に接続される充電スイッチと、
前記充電抵抗と前記平滑コンデンサとの間に設けられる回生抵抗と、
前記回生抵抗に対して直列に接続される回生用スイッチング素子と、
前記平滑コンデンサに蓄積される電荷を用いて、前記モータを駆動するための駆動電力を生成するインバータと、
前記変換器に流れる電流を検出する電流センサと、
前記電流センサで検出される電流値に基づいて、前記インバータを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記モータが停止した以降に前記平滑コンデンサに蓄積される前記電荷を放電する場合には、前記開閉器に対して、前記交流電力を供給する供給状態から前記交流電力の供給を遮断する遮断状態への切替指令を出力し、前記回生用スイッチング素子をオン動作させるとともに前記充電スイッチを開けることで、前記回生抵抗から前記電荷を放電する閉回路を形成し、その後、前記切替指令の出力後に前記電流値が所定の閾値以上になった場合には前記開閉器が故障していると判定する、モータ駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のモータ駆動装置であって、
前記開閉器が故障していると前記制御部が判定した場合に、前記開閉器に故障の疑いがあることを報知する報知部を備える、モータ駆動装置。
【請求項4】
外部の開閉器を介して供給される交流電力を用いてモータを駆動するモータ駆動装置が前記開閉器の故障を検出する故障検出方法であって、
前記交流電力を直流電力に変換する変換器に流れる電流を検出する電流センサを用いて、前記変換器の直流側に接続された平滑コンデンサに蓄積される電荷を用いて前記モータを駆動するための駆動電力を生成するインバータを制御する制御ステップと、
前記モータが停止した以降に前記電荷を放電する場合に、前記開閉器に対して、前記交流電力を供給する供給状態から前記交流電力の供給を遮断する遮断状態への切替指令を出力する出力ステップと、
前記切替指令の出力後に前記電流センサで検出される電流値が所定の閾値以上になった場合には前記開閉器が故障していると判定する判定ステップと、
前記電荷を放電する場合に、前記変換器が有する複数のスイッチング素子の少なくとも一部をオン動作させるとともに、前記平滑コンデンサと前記変換器との間に設けられる充電抵抗に対して並列に接続される充電スイッチを開けることで、前記充電抵抗から前記電荷を放電する閉回路を形成する形成ステップと、
互いに位相が異なる複数の相の前記交流電力のうち、第1の前記相と第2の前記相との前記交流電力の差を取得する取得ステップと、
を含み、
前記形成ステップは、前記差が所定の範囲内にあるときに、複数の前記スイッチング素子の少なくとも一部をオン動作させる、故障検出方法。
【請求項5】
外部の開閉器を介して供給される交流電力を用いてモータを駆動するモータ駆動装置が前記開閉器の故障を検出する故障検出方法であって、
前記交流電力を直流電力に変換する変換器に流れる電流を検出する電流センサを用いて、前記変換器の直流側に接続された平滑コンデンサに蓄積される電荷を用いて前記モータを駆動するための駆動電力を生成するインバータを制御する制御ステップと、
前記モータが停止した以降に前記電荷を放電する場合に、前記開閉器に対して、前記交流電力を供給する供給状態から前記交流電力の供給を遮断する遮断状態への切替指令を出力する出力ステップと、
前記切替指令の出力後に前記電流センサで検出される電流値が所定の閾値以上になった場合には前記開閉器が故障していると判定する判定ステップと、
前記電荷を放電する場合には、記平滑コンデンサと前記変換器との間の充電抵抗と、前記平滑コンデンサとの間に設けられる回生抵抗に対して直列に接続される回生用スイッチング素子をオン動作させるとともに、前記充電抵抗に対して並列に接続される充電スイッチを開けることで、前記回生抵抗から前記電荷を放電する閉回路を形成する形成ステップと、
を含む、故障検出方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の故障検出方法であって、
前記開閉器が故障していると前記判定ステップで判定された場合に、前記開閉器に故障の疑いがあることを報知する報知ステップ
を含む、故障検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動装置および故障検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータ駆動装置では、モータの起動時の駆動電力を得るための蓄電機能を備えたものがある。下記の特許文献1には、外部の電源から供給される交流電力を直流電力に変換する変換器(交流直流変換部)と、変換器の直流側に接続された平滑コンデンサ(蓄電部)と、変換器と平滑コンデンサとの間に設けられる初期充電部とを備えたモータ駆動装置が開示されている。初期充電部は、変換器と平滑コンデンサとの間の電路を開閉する充電スイッチと、充電スイッチに対して並列に接続された充電抵抗を有している。
【0003】
下記の特許文献1では、モータ駆動終了後の感電を防ぐため、モータ駆動終了後に、平滑コンデンサに蓄積された電荷が放電される場合がある。具体的には、制御部が、モータ駆動装置の外部に設けられる開閉器(電磁接触器)および初期充電部のスイッチを開動作させ、かつ、変換器が有する同一相の各スイッチング素子をオン動作させることで、モータ駆動装置内に閉回路が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-135955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、モータ駆動装置の外部に設けられる開閉器が故障した場合、上記の特許文献1では、開閉器に対して開動作するように制御部が制御したにもかかわらず、開閉器が閉じたままの状態になることがある。この状態では、外部の電源から供給される交流電力が常にモータ駆動装置に供給されるため、例えば変換器が過剰発熱するなどの影響をモータ駆動装置が受けることが懸念される。
【0006】
そこで、本発明は、モータ駆動装置の外部の開閉器の故障を簡易に捉え得るモータ駆動装置および故障検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、
外部の開閉器を介して供給される交流電力を用いてモータを駆動するモータ駆動装置であって、
前記交流電力を直流電力に変換する変換器と、
前記変換器の直流側に接続された平滑コンデンサと、
前記平滑コンデンサに蓄積される電荷を用いて、前記モータを駆動するための駆動電力を生成するインバータと、
前記変換器に流れる電流を検出する電流センサと、
前記電流センサで検出される電流値に基づいて、前記インバータを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記モータが停止した以降に前記平滑コンデンサに蓄積される電荷を放電する場合には、前記開閉器に対して、前記交流電力を供給する供給状態から前記交流電力の供給を遮断する遮断状態への切替指令を出力し、前記切替指令の出力後に前記電流値が所定の閾値以上になった場合には前記開閉器が故障していると判定する。
【0008】
本発明の第2の態様は、
外部の開閉器を介して供給される交流電力を用いてモータを駆動するモータ駆動装置が前記開閉器の故障を検出する故障検出方法であって、
前記交流電力を直流電力に変換する変換器に流れる電流を検出する電流センサを用いて、前記変換器の直流側に接続された平滑コンデンサに蓄積される電荷を用いて前記モータを駆動するための駆動電力を生成するインバータを制御する制御ステップと、
前記モータが停止した以降に前記電荷を放電する場合に、前記開閉器に対して、前記交流電力を供給する供給状態から前記交流電力の供給を遮断する遮断状態への切替指令を出力する出力ステップと、
前記切替指令の出力後に前記電流センサで検出される電流値が所定の閾値以上になった場合には前記開閉器が故障していると判定する判定ステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様によれば、既存の電流センサを用いて開閉器の故障を検出することができ、この結果、モータ駆動装置の外部の開閉器の故障を簡易に捉えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態のモータ駆動装置の構成を示す模式図である。
図2】制御部の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図3】モータの停止以降に実行される故障検出処理の流れを示すフローチャートである。
図4】変形例1のモータ駆動装置の構成を示す模式図である。
図5】変形例2のモータ駆動装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に関して好適な実施形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0012】
〔実施形態〕
図1は、実施形態のモータ駆動装置10の構成を示す模式図である。モータ駆動装置10は、電源Pから供給される交流電力に基づいて、モータMを駆動させるものである。電源Pは、モータ駆動装置10の外部に設けられる。なお、電源Pは、互いに位相が異なる複数の相の交流電力を供給する多相交流電源であってもよい。本実施形態では、電源Pは、多相交流電源であるものとする。モータ駆動装置10は、コンバータ12、平滑コンデンサ14、インバータ16、初期充電部18、電流センサ20、制御部22および報知部24を有する。
【0013】
コンバータ12は、電源Pから供給される交流電力を直流電力に変換する変換器である。コンバータ12は、複数のスイッチング素子を有するスイッチング式の変換器であってもよく、スイッチング素子を有しないダイオード式の変換器であってもよい。本実施形態では、コンバータ12は、複数のスイッチング素子を有するスイッチング式の変換器であるものとする。なお、本実施形態では、電源Pが多相交流電源であるため、コンバータ12は、複数の相の各々に対応する複数のスイッチング素子を有する。
【0014】
図1に示す例では、コンバータ12は、3つの相の各々に対応する複数のスイッチング素子を有する。また、図1に示す例では、1つの相に対応する複数のスイッチング素子は、上アームに設けられるスイッチング素子と、下アームに設けられるスイッチング素子との少なくとも2つを含む。なお、スイッチング素子として、例えば、IGBT、パワーMOSFET、バイポーラトランジスタ、または、サイリスタなどが挙げられる。
【0015】
平滑コンデンサ14は、コンバータ12で変換された直流電圧を平滑化するものである。平滑コンデンサ14は、コンバータ12の直流側に設けられる。平滑コンデンサ14が充電されることで、平滑コンデンサ14には電荷が蓄積される。
【0016】
インバータ16は、平滑コンデンサ14に蓄積された電荷を用いて、モータMを駆動するための駆動電力を生成するものである。インバータ16は、複数のスイッチング素子を有する。本実施形態では、電源Pが多相交流電源であるため、インバータ16は、複数の相の各々に対応する複数のスイッチング素子を有する。
【0017】
図1に示す例では、インバータ16は、3つの相の各々に対応する複数のスイッチング素子を有する。また、図1に示す例では、1つの相に対応する複数のスイッチング素子は、上アームに設けられるスイッチング素子と、下アームに設けられるスイッチング素子との少なくとも2つを含む。
【0018】
初期充電部18は、交流電力の投入が開始されてから、モータMの駆動が開始される前までの初期充電期間に用いられるものである。初期充電部18は、充電抵抗26および充電スイッチ28を有する。
【0019】
充電抵抗26は、初期充電期間に電流(直流電流)が流される抵抗であり、平滑コンデンサ14とコンバータ12との間に設けられる。充電スイッチ28は、充電抵抗26に対して並列に接続されるスイッチであり、初期充電期間に開けられ、モータMが駆動しているときに閉じられる。
【0020】
電流センサ20は、コンバータ12に流れる電流(交流電流)を検出するものである。電流センサ20は、モータ駆動装置10の内部におけるコンバータ12よりも電源P側に設けられる。本実施形態では、電源Pが多相交流電源であるため、複数の電流センサ20が設けられる。複数の電流センサ20は、複数の相のすべてに対して1つずつ設けられていてもよく、複数の相の一部に対して1つずつ設けられていてもよい。なお、複数の相の一部に対して1つずつ複数の電流センサ20が設けられる場合、電流センサ20が設けられない相の電流値は、当該電流センサ20を用いて計算される。例えば、電源Pが三相交流電源である場合、2つの相の各々に対して1つずつ電流センサ20が設けられ、電流センサ20が設けられない残りの相の電流値は、2つの相の各々に対する電流センサ20で検出される電流値から計算される。
【0021】
制御部22は、インバータ16の複数のスイッチング素子、初期充電部18の充電スイッチ28、および、モータ駆動装置10の外部に設けられる開閉器30を制御するものである。本実施形態では、コンバータ12が複数のスイッチング素子を有するため、制御部22は、コンバータ12の複数のスイッチング素子についても制御する。なお、コンバータ12が複数のスイッチング素子を有しない場合、制御部22は、コンバータ12を制御しなくてもよい。
【0022】
開閉器30は、モータ駆動装置10の外部の制御盤などに設置されており、電源Pからの交流電力を供給する供給状態、および、交流電力の供給を遮断する遮断状態のいずれかに切り替わるものである。本実施形態では、電源Pが多相交流電源であるため、複数の相の各々に対応する電路により電源Pとコンバータ12とが結線され、当該電路の各々に開閉器30が設けられる。なお、開閉器30は、電磁力を用いて、供給状態および遮断状態のいずれかに切り替わる電磁開閉器であってもよい。また、開閉器30と電源Pとの間の電路に、ブレーカやヒューズなどの保護素子32が設けられていてもよい。
【0023】
制御部22は、交流電力の投入を開始する開始指令を受けると、開閉器30に対して遮断状態から供給状態への切替指令を出力する。この切替指令に応じて複数の開閉器30の各々は遮断状態から供給状態に切り替わる。この結果、電源Pから供給される複数の相の交流電力の各々は、対応する相の開閉器30を通じて、モータ駆動装置10の内部におけるコンバータ12に供給される。
【0024】
制御部22は、交流電力を投入する電力投入指令を受けてから、モータMが停止するまでの電力投入期間に、必要に応じて複数のスイッチング素子を制御(スイッチング制御)する。
【0025】
制御部22は、コンバータ12の複数のスイッチング素子を制御する場合、複数の電流センサ20の各々で検出される電流値などに基づいて、複数の相の各々に対応するPWM信号を生成する。この場合、制御部22は、生成したPWM信号にしたがって複数のスイッチング素子をオン動作またはオフ動作させることで、コンバータ12に対して交流電力を直流電力に変換させる。
【0026】
制御部22は、インバータ16の複数のスイッチング素子を制御する場合、複数の電流センサ20の各々で検出される電流値などに基づいて、複数の相の各々に対応するPWM信号を生成する。この場合、制御部22は、生成したPWM信号にしたがって複数のスイッチング素子をオン動作またはオフ動作させることで、インバータ16に対してモータMを駆動するための駆動電力を生成させる。
【0027】
制御部22は、交流電力の投入が開始されてから、モータMの駆動が開始される前までの初期充電期間に、充電スイッチ28を制御して充電スイッチ28を開ける。例えば、制御部22は、交流電力を投入する電力投入指令を受けてから、充電用として予め設定された設定時間を経過するまで、充電スイッチ28を開けてもよい。また、制御部22は、交流電力を投入する電力投入指令を受けてから、平滑コンデンサ14の電圧を検出する不図示の電圧センサで検出される電圧値が所定の電圧閾値以上になるまで、充電スイッチ28を開けてもよい。
【0028】
充電スイッチ28が開けられた初期充電期間中、初期充電部18では、コンバータ12から出力された直流電流は充電抵抗26を通じて平滑コンデンサ14に流れ込み、平滑コンデンサ14が充電される。これにより、電力投入開始時に平滑コンデンサ14に流れる突入電流を抑制できる。
【0029】
制御部22は、初期充電期間後の電力投入期間には、充電スイッチ28を制御して充電スイッチ28を閉じる。例えば、制御部22は、充電用として予め設定された設定時間を経過してから、外部コントローラなどから充電スイッチ28のオフ指令を受けるまで、充電スイッチ28を閉じてもよい。また、制御部22は、不図示の電圧センサで検出される電圧値が所定の電圧閾値以上になってから、外部コントローラなどから充電スイッチ28のオフ指令を受けるまで、充電スイッチ28を閉じてもよい。
【0030】
充電スイッチ28が閉じられた初期充電期間後の電力投入期間中、初期充電部18では、コンバータ12から出力された直流電流は、充電抵抗26を通らずに、充電スイッチ28を通る。
【0031】
制御部22は、モータMが停止した以降に、平滑コンデンサ14に蓄積される電荷を放電する場合、開閉器30に対して供給状態から遮断状態への切替指令を出力する。この切替指令に応じて開閉器30は供給状態から遮断状態に切り替わり、電源Pからモータ駆動装置10に交流電力が供給されなくなる。なお、モータMの停止は、非常停止を含む。
【0032】
制御部22は、モータMが停止した以降に、平滑コンデンサ14に蓄積される電荷を放電する場合、開閉器30に対して切替指令を出力した後、平滑コンデンサ14に蓄積された電荷を充電抵抗26から放電する閉回路を形成する。制御部22は、具体的には、コンバータ12の複数のスイッチング素子をオン動作させるとともに充電スイッチ28を開けることで、平滑コンデンサ14に蓄積された電荷を充電抵抗26から放電する閉回路を形成する。これにより、既存の充電抵抗26を用いて、平滑コンデンサ14に蓄積される電荷を放電させることができる。なお、制御部22がオン動作させるスイッチング素子は、コンバータ12が有するすべてのスイッチング素子であってもよく、複数の相のうちの1つの相に対応するスイッチング素子であってもよい。
【0033】
制御部22は、モータMが停止した以降に、平滑コンデンサ14に蓄積される電荷を放電する場合、複数の電流センサ20で検出される電流値を監視する。ここで、複数の電流センサ20で検出される電流値の少なくとも1つ以上が所定の閾値以上になった場合、制御部22は、開閉器30が故障していると判定する。これにより、既存の電流センサ20を用いて、モータ駆動装置10の外部の開閉器30の故障を簡易に捉えることができる。
【0034】
制御部22は、開閉器30が故障していると判定した場合には報知指令を生成し、生成した報知指令を報知部24に出力する。なお、制御部22は、報知部24に報知指令を出力するとともに、電源Pを停止させてもよい。
【0035】
報知部24は、開閉器30に故障の疑いがあることを報知するものである。報知部24は、報知指令を受けると、開閉器30に故障の疑いがあることを報知する。つまり、報知部24は、開閉器30が故障していると制御部22が判定した場合に、開閉器30に故障の疑いがあることを報知する。
【0036】
表示部、スピーカおよび発光部の少なくとも1つがモータ駆動装置10に備えられている場合、報知部24は、表示部、スピーカおよび発光部の少なくとも1つを用いて、開閉器30に故障の疑いがあることを報知してもよい。また、表示部、スピーカおよび発光部の少なくとも1つを備えた外部装置がモータ駆動装置10に接続される場合、報知部24は、外部装置に作動信号を送信することで、開閉器30に故障の疑いがあることを報知してもよい。
【0037】
次に、モータMを駆動制御する制御部22の制御処理を説明する。図2は、制御部22の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0038】
ステップS1において、制御部22は、交流電力を投入する電力投入指令を受けるまで待機する。この待機状態では、モータ駆動装置10の内部の充電スイッチ28は開いた状態であり、モータ駆動装置10の外部の開閉器30は遮断状態である。ここで、制御部22は、モータ駆動装置10の外部から電力投入指令を受けると、ステップS2に移行する。
【0039】
ステップS2において、制御部22は、開閉器30に対して遮断状態から供給状態への切替指令を出力し、コンバータ12の複数のスイッチング素子に対するスイッチング制御を開始した後、ステップS3に移行する。なお、コンバータ12が複数のスイッチング素子を有しない場合、制御部22は、開閉器30に対して遮断状態から供給状態への切替指令を出力した後、ステップS3に移行する。
【0040】
ステップS3において、制御部22は、初期充電期間を経過したか否かを判定する。ここで、例えば、電力投入指令を受けてから、充電用として予め設定された設定時間を経過した場合、あるいは、平滑コンデンサ14の電圧値が所定の閾値以上になった場合、制御部22は、初期充電期間を経過したと判定する。制御部22は、初期充電期間を経過したと判定すると、ステップS4に移行する。
【0041】
ステップS4において、制御部22は、充電スイッチ28を閉じるとともに、インバータ16の複数のスイッチング素子に対するスイッチング制御を開始した後、ステップS5に移行する。
【0042】
ステップS5において、制御部22は、モータMが停止するまで待機する。このとき、制御部22は、コンバータ12およびインバータ16の少なくとも一方の複数のスイッチング素子に対するスイッチング制御を一時的に中断してもよい。ここで、例えば、モータ駆動装置10の外部からモータ停止指令を受けた場合、あるいは、モータMが非常停止したことを示すアラーム信号を受けた場合、制御部22は、ステップS6に移行する。
【0043】
ステップS6において、制御部22は、コンバータ12およびインバータ16の複数のスイッチング素子に対するスイッチング制御を終了する。制御部22がスイッチング制御を終了すると、制御処理は終了する。
【0044】
次に、モータ駆動装置10の故障検出方法に関し、モータ駆動装置10の故障検出処理について説明する。図3は、モータMの停止以降に実行される故障検出処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
ステップS11において、制御部22は、平滑コンデンサ14に蓄積される電荷を放電する放電指令を受けるまで待機する。ここで、モータ駆動装置10の外部における外部コントローラなどから放電指令を受けると、故障検出処理はステップS12に移行する。
【0046】
ステップS12において、制御部22は、開閉器30の各々に対して供給状態から遮断状態への切替指令を出力する。制御部22が切替指令を出力すると、故障検出処理はステップS13に移行する。
【0047】
ステップS13において、制御部22は、コンバータ12の複数のスイッチング素子の少なくとも一部をオン動作させ続けるとともに充電スイッチ28を開けることで、平滑コンデンサ14に蓄積された電荷を充電抵抗26から放電する閉回路を形成する。制御部22が閉回路を形成すると、故障検出処理はステップS14に移行する。
【0048】
ステップS14において、制御部22は、複数の電流センサ20で検出される電流値に基づいて、複数の開閉器30の少なくとも1つが故障したか否かを判定する。ここで、複数の電流センサ20で検出される電流値のすべてが所定の閾値未満である場合、制御部22は、開閉器30が故障していないと判定する。この場合、故障検出処理はステップS14に留まる。これに対して、複数の電流センサ20で検出される電流値の少なくとも1つが閾値以上になった場合、制御部22は、開閉器30が故障していると判定する。この場合、故障検出処理はステップS15に移行する。
【0049】
ステップS15において、報知部24は、開閉器30に故障の疑いがあることを報知する。その後、故障検出処理は終了する。
【0050】
〔変形例〕
上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
【0051】
(変形例1)
図4は、変形例1のモータ駆動装置10の構成を示す模式図である。図4では、上記の実施形態において説明した構成と同等の構成に対して同一の符号が付されている。なお、本変形例では、上記の実施形態と重複する説明は省略する。
【0052】
変形例1のモータ駆動装置10では、回生抵抗34と、回生用スイッチング素子36とがさらに設けられる。
【0053】
回生抵抗34は、モータMで生じるエネルギーを熱として放出するための抵抗である。回生抵抗34は、コンバータ12と平滑コンデンサ14との間に設けられ、より具体的には、初期充電部18と平滑コンデンサ14との間に設けられる。回生用スイッチング素子36は、回生抵抗34に対して直列に接続されるスイッチング素子である。回生用スイッチング素子36は、制御部22により制御される。
【0054】
制御部22は、本変形例では、図3に示したステップS13において、上記の実施形態と異なる手法で閉回路を形成する。
【0055】
すなわち、制御部22は、上記の実施形態では、コンバータ12の複数のスイッチング素子をオン動作させるとともに充電スイッチ28を開けることで、平滑コンデンサ14に蓄積された電荷を充電抵抗26から放電する閉回路を形成していた。
【0056】
これに対し、制御部22は、本変形例では、回生用スイッチング素子36をオン動作させるとともに充電スイッチ28を開けることで、平滑コンデンサ14に蓄積された電荷を回生抵抗34から放電する閉回路を形成する。これにより、既存の回生抵抗34を用いて、平滑コンデンサ14に蓄積される電荷を放電させることができる。
【0057】
(変形例2)
上記の実施形態では、制御部22は、開閉器30に対して供給状態から遮断状態への切替指令を出力した後に、平滑コンデンサ14に蓄積された電荷を充電抵抗26から放電する閉回路を形成する。
【0058】
ここで、複数の開閉器30の少なくとも1つが故障し、故障した開閉器30が供給状態から遮断状態への切替指令を受けても遮断状態に切り替わらなかった場合、故障した開閉器30からコンバータ12に交流電流が流れる。したがって、閉回路を形成するためにコンバータ12のスイッチング素子をオン動作させると、当該スイッチング素子に対する負荷が大きくなる。コンバータ12に流れる交流電流は、例えば、R相の交流電圧とS相の交流電圧との位相が交差するときに最も低く、交差した位相のズレが大きくなるほど高くなる。つまり、電源Pから供給される複数の交流電力のうち、第1の相と第2の相との交流電力の差が小さいほど、コンバータ12のスイッチング素子に対する負荷が小さくなる。
【0059】
そこで、本変形例では、図5に示すように、第1の相と第2の相との交流電力の差を取得する取得部38が設けられる。取得部38の処理は、図3に示したステップS12とステップS13との間に設けられる。すなわち、故障検出処理は、ステップS13に移行する前に取得ステップに移行する。取得ステップにおいて、取得部38は、第1の相と第2の相との交流電力の差を取得し始める。
【0060】
取得部38は、複数の電流センサ20(図1)の各々で検出された電流値に基づいて、第1の相と第2の相との間の交流電圧を計算することで、第1の相と第2の相との交流電力の差を取得してもよい。また、取得部38は、第1の相と第2の相との間の交流電圧を検出する電圧センサから電圧値を得ることで、第1の相と第2の相との交流電力の差を取得してもよい。
【0061】
取得部38が第1の相と第2の相との交流電力の差を取得し始めると、故障検出処理はステップS13に移行する。ステップS13において、制御部22は、取得部38が取得した差が所定の範囲内にあるときに、コンバータ12のスイッチング素子をオン動作させることで、閉回路を形成するためにスイッチング素子をオン動作する期間を制限する。なお、制御部22がオン動作させるスイッチング素子は、上記のように、コンバータ12が有するすべてのスイッチング素子であってもよく、複数の相のうちの1つの相に対応するスイッチング素子であってもよい。
【0062】
このように本変形例では、モータMが停止した場合に、コンバータ12のスイッチング素子をオン動作する期間が制限されることで、開閉器30の故障に起因するコンバータ12のスイッチング素子の負荷を抑制することができる。
【0063】
〔発明〕
上記実施形態および変形例から把握し得る発明として、以下に、第1の発明および第2の発明を記載する。
【0064】
(第1の発明)
第1の発明は、外部の開閉器(30)を介して供給される交流電力を用いてモータ(M)を駆動するモータ駆動装置(10)である。モータ駆動装置(10)は、交流電力を直流電力に変換する変換器(12)と、変換器(12)の直流側に接続された平滑コンデンサ(14)と、平滑コンデンサ(14)に蓄積される電荷を用いて、モータ(M)を駆動するための駆動電力を生成するインバータ(16)と、変換器(12)に流れる電流を検出する電流センサ(20)と、電流センサ(20)で検出される電流値に基づいて、インバータ(16)を制御する制御部(22)と、を備える。制御部(22)は、モータ(M)が停止した以降に平滑コンデンサ(14)に蓄積される電荷を放電する場合には、開閉器(30)に対して、交流電力を供給する供給状態から交流電力の供給を遮断する遮断状態への切替指令を出力し、切替指令の出力後に電流値が所定の閾値以上になった場合には開閉器(30)が故障していると判定する。
【0065】
これにより、既存の電流センサ(20)を用いて開閉器(30)の故障を検出することができ、この結果、モータ駆動装置(10)の外部の開閉器(30)の故障を簡易に捉えることができる。
【0066】
モータ駆動装置(10)は、平滑コンデンサ(14)と変換器(12)との間に設けられる充電抵抗(26)と、充電抵抗(26)に対して並列に接続される充電スイッチ(28)と、を備え、制御部(22)は、電荷を放電する場合には、変換器(12)が有する複数のスイッチング素子の少なくとも一部をオン動作させるとともに充電スイッチ(28)を開けることで、充電抵抗(26)から電荷を放電する閉回路を形成してもよい。これにより、既存の充電抵抗(26)を用いて、平滑コンデンサ(14)に蓄積される電荷を放電させることができる。
【0067】
モータ駆動装置(10)は、互いに位相が異なる複数の相の交流電力のうち、第1の相と第2の相との交流電力の差を取得する取得部(38)を備え、制御部(22)は、差が所定の範囲内にあるときに、複数のスイッチング素子の少なくとも一部をオン動作させてもよい。これにより、開閉器(30)の故障に起因するコンバータ(12)のスイッチング素子の負荷を抑制することができる。
【0068】
モータ駆動装置(10)は、平滑コンデンサ(14)と変換器(12)との間に設けられる充電抵抗(26)と、充電抵抗(26)に対して並列に接続される充電スイッチ(28)と、充電抵抗(26)と平滑コンデンサ(14)との間に設けられる回生抵抗(34)と、回生抵抗(34)に対して直列に接続される回生用スイッチング素子(36)と、を備え、制御部(22)は、電荷を放電する場合には、回生用スイッチング素子(36)をオン動作させるとともに充電スイッチ(28)を開けることで、回生抵抗(34)から電荷を放電する閉回路を形成してもよい。これにより、既存の回生抵抗(34)を用いて、平滑コンデンサ(14)に蓄積される電荷を放電させることができる。
【0069】
モータ駆動装置(10)は、開閉器(30)が故障していると制御部(22)が判定した場合に、開閉器(30)に故障の疑いがあることを報知する報知部(24)を備えてもよい。これにより、開閉器(30)の点検をオペレータに促すことができる。
【0070】
(第2の発明)
第2の発明は、外部の開閉器(30)を介して供給される交流電力を用いてモータ(M)を駆動するモータ駆動装置(10)が開閉器(30)の故障を検出する故障検出方法である。故障検出方法は、交流電力を直流電力に変換する変換器(12)に流れる電流を検出する電流センサ(20)を用いて、変換器(12)の直流側に接続された平滑コンデンサ(14)に蓄積される電荷を用いてモータ(M)を駆動するための駆動電力を生成するインバータ(16)を制御する制御ステップ(S4)と、モータ(M)が停止した以降に電荷を放電する場合に、開閉器(30)に対して、交流電力を供給する供給状態から交流電力の供給を遮断する遮断状態への切替指令を出力する出力ステップ(S12)と、切替指令の出力後に電流センサ(20)で検出される電流値が所定の閾値以上になった場合には開閉器(30)が故障していると判定する判定ステップ(S14)と、を含む。
【0071】
これにより、既存の電流センサ(20)を用いて開閉器(30)の故障を検出することができ、この結果、モータ駆動装置(10)の外部の開閉器(30)の故障を簡易に捉えることができる。
【0072】
故障検出方法は、電荷を放電する場合に、変換器(12)が有する複数のスイッチング素子の少なくとも一部をオン動作させるとともに、平滑コンデンサ(14)と変換器(12)との間に設けられる充電抵抗(26)に対して並列に接続される充電スイッチ(28)を開けることで、充電抵抗(26)から電荷を放電する閉回路を形成する形成ステップ(S13)を含んでもよい。これにより、既存の充電抵抗(26)を用いて、平滑コンデンサ(14)に蓄積される電荷を放電させることができる。
【0073】
故障検出方法は、互いに位相が異なる複数の相の交流電力のうち、第1の相と第2の相との交流電力の差を取得する取得ステップを含み、形成ステップ(S13)は、当該差が所定の範囲内にあるときに、複数のスイッチング素子の少なくとも一部をオン動作させてもよい。これにより、開閉器(30)の故障に起因するコンバータ(12)のスイッチング素子の負荷を抑制することができる。
【0074】
故障検出方法は、電荷を放電する場合に、平滑コンデンサ(14)と、平滑コンデンサ(14)と変換器(12)との間の充電抵抗(26)との間に設けられる回生抵抗(34)に対して直列に接続される回生用スイッチング素子(36)をオン動作させるとともに、充電抵抗(26)に対して並列に接続される充電スイッチ(28)を開けることで、回生抵抗(34)から電荷を放電する閉回路を形成する形成ステップ(S13)を含んでもよい。これにより、既存の回生抵抗(34)を用いて、平滑コンデンサ(14)に蓄積される電荷を放電させることができる。
【0075】
故障検出方法は、開閉器(30)が故障していると判定ステップ(S14)で判定された場合に、開閉器(30)に故障の疑いがあることを報知する報知ステップ(S15)を含んでもよい。これにより、開閉器(30)の点検をオペレータに促すことができる。
【符号の説明】
【0076】
10…モータ駆動装置 12…コンバータ(変換器)
14…平滑コンデンサ 16…インバータ
18…初期充電部 20…電流センサ
22…制御部 24…報知部
26…充電抵抗 28…充電スイッチ
30…開閉器 32…保護素子
34…回生抵抗 36…回生用スイッチング素子
38…取得部
図1
図2
図3
図4
図5