(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/04 20060101AFI20231108BHJP
H04N 1/191 20060101ALI20231108BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20231108BHJP
G03B 27/62 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
H04N1/12 Z
H04N1/191
B65H7/02
G03B27/62
(21)【出願番号】P 2019229606
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】荒井 雄太
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-225239(JP,A)
【文献】特開平04-000860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04- 1/207
G06T 1/00
G03B 27/50-27/70
B65H 5/00- 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラを駆動するDCモータと、
前記DCモータを回転させる制御部と、
周期が前記DCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、
周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、
前記第1パルス信号の
周期毎に、各周期に含まれる前記第2パルス信号のパルス数を検出する検出部と、
前記第1パルス信号の周期毎に、前記検出したパルス数が基準数を超えるか否かを判定し、前記検出したパルス数が
前記基準数を超える場合
、次の周期において、前記検出したパルス数と前記基準数の差の数のパルスで前記撮像部が取得した画像を破棄
し、前記検出したパルス数が前記基準数を超えない場合、次の周期において、前記撮像部が取得した画像を破棄しない画像生成部と、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記画像生成部は、前記次の周期において、間欠的に画像を破棄するように、画像を破棄するパルスを決定する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記画像生成部は、破棄しなかった画像を結合して入力画像を生成する、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1パルス信号の周期が指令値に追従するように前記DCモータの回転速度を制御する、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
媒体を搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラを駆動するDCモータと、
前記DCモータを回転させる制御部と、
周期が前記DCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、
周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、
前記第1パルス信号の
周期毎に、各周期に含まれる前記第2パルス信号のパルス数を検出する検出部と、
前記第1パルス信号の周期毎に、前記検出したパルス数が基準数を超えるか否かを判定し、前記検出したパルス数が
前記基準数を超える場合
、次の周期に前記撮像部が取得した画像の内、前記撮像部が前記基準数のパルスで取得した画像を用いて入力画像を生成
し、前記検出したパルス数が前記基準数を超えない場合、次の周期に前記撮像部が取得した全ての画像を用いて入力画像を生成する画像生成部と、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項6】
媒体を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを駆動するDCモータと、周期が前記DCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、
前記DCモータを回転させ、
前記第1パルス信号の
周期毎に、各周期に含まれる前記第2パルス信号のパルス数を検出し、
前記第1パルス信号の周期毎に、前記検出したパルス数が基準数を超えるか否かを判定し、前記検出したパルス数が
前記基準数を超える場合
、次の周期において、前記検出したパルス数と前記基準数の差の数のパルスで前記撮像部が取得した画像を破棄
し、前記検出したパルス数が前記基準数を超えない場合、次の周期において、前記撮像部が取得した画像を破棄しない、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
媒体を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを駆動するDCモータと、周期が前記DCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、
前記DCモータを回転させ、
前記第1パルス信号の
周期毎に、各周期に含まれる前記第2パルス信号のパルス数を検出し、
前記第1パルス信号の周期毎に、前記検出したパルス数が基準数を超えるか否かを判定し、前記検出したパルス数が
前記基準数を超える場合
、次の周期に前記撮像部が取得した画像の内、前記撮像部が前記基準数のパルスで取得した画像を用いて入力画像を生成
し、前記検出したパルス数が前記基準数を超えない場合、次の周期に前記撮像部が取得した全ての画像を用いて入力画像を生成する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
媒体を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを駆動するDCモータと、周期が前記DCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、
前記DCモータを回転させ、
前記第1パルス信号の
周期毎に、各周期に含まれる前記第2パルス信号のパルス数を検出し、
前記第1パルス信号の周期毎に、前記検出したパルス数が基準数を超えるか否かを判定し、前記検出したパルス数が
前記基準数を超える場合
、次の周期において、前記検出したパルス数と前記基準数の差の数のパルスで前記撮像部が取得した画像を破棄
し、前記検出したパルス数が前記基準数を超えない場合、次の周期において、前記撮像部が取得した画像を破棄しない、
ことを前記媒体搬送装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項9】
媒体を搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを駆動するDCモータと、周期が前記DCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、
前記DCモータを回転させ、
前記第1パルス信号の
周期毎に、各周期に含まれる前記第2パルス信号のパルス数を検出し、
前記第1パルス信号の周期毎に、前記検出したパルス数が基準数を超えるか否かを判定し、前記検出したパルス数が
前記基準数を超える場合
、次の周期に前記撮像部が取得した画像の内、前記撮像部が前記基準数のパルスで取得した画像を用いて入力画像を生成
し、前記検出したパルス数が前記基準数を超えない場合、次の周期に前記撮像部が取得した全ての画像を用いて入力画像を生成する、
ことを前記媒体搬送装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関し、特に、DC(Direct Current)モータを用いて媒体を搬送する媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ等の媒体搬送装置において、媒体を搬送するためのモータとしてDCモータが利用される場合がある。DCモータは、低コストであり且つ容易に速度を調整できるが、負荷変動等の外的要因によって回転速度が変化してしまう。そのため、搬送した媒体を撮像した画像において、副走査方向に間延びが発生する可能性がある。
【0003】
送りローラをDCモータにより回転駆動し、移送経路中の原稿を連続的に送るとともに、イメージセンサにより読み取られた1ページ分のデータをラインバッファに1ラインずつ順次転送、記憶する画像読取装置が開示されている(特許文献1を参照)。この画像読取装置は、DCモータの回転軸に一体回転可能に取り付けられた円板の一部に対向配置されたホトインタラプタが、円板に設けられた透孔を検出して検出信号を出力するごとに、イメージセンサにより読み取り動作を行わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
DCモータを用いて媒体を搬送する媒体搬送装置では、良好な画像をより簡易に生成できることが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、DCモータを用いて媒体を搬送する媒体搬送装置において、良好な画像をより簡易に生成することが可能な媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を搬送する搬送ローラと、搬送ローラを駆動するDCモータと、DCモータを回転させる制御部と、周期がDCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、第1パルス信号の所定の周期に含まれる第2パルス信号のパルス数を検出する検出部と、検出したパルス数が基準数を超える場合、第1パルス信号の所定の周期の次の周期において、検出したパルス数と基準数の差の数のパルスで撮像部が取得した画像を破棄する画像生成部と、を有する。
【0008】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を搬送する搬送ローラと、搬送ローラを駆動するDCモータと、DCモータを回転させる制御部と、周期がDCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、第1パルス信号の所定の周期に含まれる第2パルス信号のパルス数を検出する検出部と、検出したパルス数が基準数を超える場合、第1パルス信号の所定の周期の次の周期に撮像部が取得した画像の内、撮像部が基準数のパルスで取得した画像を用いて入力画像を生成する画像生成部と、を有する。
【0009】
本発明の一側面に係る制御方法は、媒体を搬送する搬送ローラと、搬送ローラを駆動するDCモータと、周期がDCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、DCモータを回転させ、第1パルス信号の所定の周期に含まれる第2パルス信号のパルス数を検出し、検出したパルス数が基準数を超える場合、第1パルス信号の所定の周期の次の周期において、検出したパルス数と基準数の差の数のパルスで撮像部が取得した画像を破棄する。
【0010】
本発明の一側面に係る制御方法は、媒体を搬送する搬送ローラと、搬送ローラを駆動するDCモータと、周期がDCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、DCモータを回転させ、第1パルス信号の所定の周期に含まれる第2パルス信号のパルス数を検出し、検出したパルス数が基準数を超える場合、第1パルス信号の所定の周期の次の周期に撮像部が取得した画像の内、撮像部が基準数のパルスで取得した画像を用いて入力画像を生成する。
【0011】
本発明の一側面に係る制御プログラムは、媒体を搬送する搬送ローラと、搬送ローラを駆動するDCモータと、周期がDCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、DCモータを回転させ、第1パルス信号の所定の周期に含まれる第2パルス信号のパルス数を検出し、検出したパルス数が基準数を超える場合、第1パルス信号の所定の周期の次の周期において、検出したパルス数と基準数の差の数のパルスで撮像部が取得した画像を破棄することを媒体搬送装置に実行させる。
【0012】
本発明の一側面に係る制御プログラムは、媒体を搬送する搬送ローラと、搬送ローラを駆動するDCモータと、周期がDCモータの回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力するエンコーダと、周期が一定である第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する撮像部と、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、DCモータを回転させ、第1パルス信号の所定の周期に含まれる第2パルス信号のパルス数を検出し、検出したパルス数が基準数を超える場合、第1パルス信号の所定の周期の次の周期に撮像部が取得した画像の内、撮像部が基準数のパルスで取得した画像を用いて入力画像を生成することを媒体搬送装置に実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムは、DCモータを用いて媒体を搬送する媒体搬送装置において、良好な画像をより簡易に生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
【
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図3】DCモータ121等について説明するための模式図である。
【
図4】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【
図6】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図7】画像取得処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図8】所定の周期に含まれる第2パルス信号を示すグラフである。
【
図9A】第1パルス信号の周期が変動することを説明するための模式図である。
【
図9B】第1パルス信号の周期が変動することを説明するための模式図である。
【
図10】第1パルス信号と第2パルス信号の関係を示すグラフである。
【
図12】他の処理回路250の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0016】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙等の薄い媒体、又は、厚紙、カード、冊子もしくはパスポート等の厚みのある媒体である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0017】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
【0018】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体101に係合している。
【0019】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
【0020】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0021】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0022】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、第1センサ111、給送ローラ112、ブレーキローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第2センサ116、第1撮像装置117a、第2撮像装置117b、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。以下では、第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bを総じて撮像装置117と称する場合がある。
【0023】
下側筐体101の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド107aを形成し、上側筐体102の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド107bを形成する。
図2において矢印A1は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0024】
第1センサ111は、給送ローラ112及びブレーキローラ113の上流側に配置される。第1センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。第1センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。
【0025】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に給送する。ブレーキローラ113は、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112と対向して配置される。
【0026】
第1搬送ローラ114は、下側筐体101に設けられる。第2搬送ローラ115は、上側筐体102に設けられ、第1搬送ローラ114と対向して配置される。第1、第2搬送ローラ114、115は、搬送ローラの一例であり、給送ローラ112及びブレーキローラ113に対して媒体搬送方向A1の下流側に配置され、給送ローラ112及びブレーキローラ113により給送された媒体を撮像装置117に搬送する。
【0027】
第2センサ116は、媒体搬送方向A1において第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115より下流側且つ撮像装置117より上流側に配置される。第2センサ116は、その位置に媒体が存在するか否かを検出する。第2センサ116は、媒体の搬送路に対して一方の側に設けられた発光器及び受光器と、搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置に設けられたミラー等の反射部材とを含む。発光器は、搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、発光器により照射され、反射部材により反射された光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号である第2媒体信号を生成して出力する。第2センサ116の位置に媒体が存在する場合、発光器により照射された光はその媒体により遮光されるため、第2センサ116の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで第2媒体信号の信号値は変化する。なお、発光器及び受光器は、搬送路を挟んで相互に対向する位置に設けられ、反射部材は省略されてもよい。
【0028】
第1撮像装置117aは、撮像部の一例であり、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置117aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置117aは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送された媒体の表面を撮像する。
【0029】
第1撮像装置117aには、後述するパルス発生器から、周期が一定である連続パルスを含む第2パルス信号が入力される。第1撮像装置117aは、入力される第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する。即ち、第1撮像装置117aは、第2パルス信号においてパルスが発生するタイミング毎に(パルスの立ち上がりタイミング毎に)、搬送中の媒体がラインセンサによって撮像されたライン画像を取得する。即ち、ライン画像の垂直方向(副走査方向)の画素数は1であり、水平方向(主走査方向)の画素数は複数である。
【0030】
同様に、第2撮像装置117bは、撮像部の一例であり、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置117bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置117bは、後述する処理回路からの制御に従って、搬送された媒体の裏面を撮像した入力画像を生成して出力する。
【0031】
第2撮像装置117bには、パルス発生器から第2パルス信号が入力される。第2撮像装置117bは、入力される第2パルス信号のパルスに応じて、搬送される媒体を撮像した画像を取得する。即ち、第2撮像装置117bは、第2パルス信号においてパルスが発生するタイミング毎に(パルスの立ち上がりタイミング毎に)、搬送中の媒体がラインセンサによって撮像されたライン画像を取得する。
【0032】
第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bは、撮像部の一例である。なお、媒体搬送装置100は、第1撮像装置117a及び第2撮像装置117bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0033】
第3搬送ローラ118は、下側筐体101に設けられる。第4搬送ローラ119は、上側筐体102に設けられ、第3搬送ローラ118と対向して配置される。第3、第4搬送ローラ118、119は、搬送ローラの一例であり、撮像装置117に対して媒体搬送方向A1の下流側に配置され、第1、第2搬送ローラ114、115により搬送された媒体を排出台104に搬送する。
【0034】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が
図2の矢印A2の方向に回転することによって、下側ガイド107aと上側ガイド107bの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。ブレーキローラ113は、媒体搬送時、矢印A3の方向に回転する。給送ローラ112及びブレーキローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。
【0035】
媒体は、下側ガイド107aと上側ガイド107bによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115がそれぞれ矢印A4及び矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像装置117aと第2撮像装置117bの間に送り込まれる。撮像装置117により読み取られた媒体は、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119がそれぞれ矢印A6及び矢印A7の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0036】
図3は、DCモータ121及びエンコーダ122について説明するための模式図である。
【0037】
図3に示すように、媒体搬送装置100は、DCモータ121及びエンコーダ122を有する。
【0038】
DCモータ121は、例えば、後述する処理回路によって指定される速度となるように所定の電圧をPWM(Pulse Width Modulation)変調する変調回路を含み、変調回路がPWM復調した電圧に従って回転する。DCモータ121は、処理回路からの制御信号によって、第1~第4搬送ローラ114、115、118、119を駆動して回転させ、媒体を搬送させる。なお、DCモータ121は、第1~第4搬送ローラ114、115、118、119の内の一部のローラのみを駆動してもよい。また、DCモータ121は、給送ローラ112及び/又はブレーキローラ113を駆動して回転させ、媒体を給送させてもよい。
【0039】
エンコーダ122は、円板123、発光器124及び受光器125を有する。円板123は、DCモータ121の回転軸上に、DCモータ121の回転に従って回転するように設けられる。円板123には、複数のスリット126(光の透過穴)が形成される。発光器124及び受光器125は、円板123を挟んで対向するように設けられる。発光器124は、円板123に向けて光を照射する。一方、受光器125は、受光した光の強度に応じた電気信号である第1パルス信号を生成して出力する。第1パルス信号の信号値は、発光器124が発する光をスリット126から受光している間は相対的に大きい値(High)となり、発光器124が発する光が円板123により遮られている間は相対的に小さい値(Low)となる。便宜上、
図3には12のスリット126を有する円板123を示したが、実際の円板123は数百のスリットを有する。
【0040】
図3のグラフ300は、第1パルス信号の波形の一例を模式的に示す。グラフ300の横軸は時間を示し、縦軸は第1パルス信号の電圧を示す。第1パルス信号の1周期の長さTは、特定のスリット126の円板回転方向の一端が発光器124と受光器125の間を通過してから、次のスリット126の円板回転方向の一端が発光器124と受光器125の間を通過するまでの期間の長さを示す。即ち、第1パルス信号の周期の長さTは、DCモータ121の回転速度に応じて変化する。そのため、媒体搬送装置100は、第1パルス信号を用いて、DCモータ121の回転速度を測定することができる。
【0041】
図4は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0042】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、パルス発生器131、第2モータ132、インタフェース装置133、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
【0043】
パルス発生器131は、第2パルス信号を生成し、撮像装置117及び処理回路150に出力する。第2パルス信号の1周期の長さは、DCモータ121が基準の回転速度である基準速度で回転する場合に、事前に設定された解像度における1画素に相当する距離だけ媒体を搬送することができる長さに設定される。これにより、媒体搬送装置100は、DCモータ121が基準速度で回転している場合に、第2パルス信号の各パルスの発生時に撮像されたライン画像を結合することにより、事前に設定された解像度の入力画像を生成することができる。
【0044】
第2モータ132は、処理回路150からの制御信号によって、給送ローラ112及びブレーキローラ113を駆動して回転させ、媒体を給送させる。第2モータ132は、DCモータである。なお、第2モータ132は、ステッピングモータでもよい。また、給送ローラ112及びブレーキローラ113は、別個のモータにより駆動されてもよい。また、第2モータ132は、第1~第4搬送ローラ114、115、118、119の内の一部のローラを駆動してもよい。
【0045】
インタフェース装置133は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置133の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0046】
記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0047】
処理回路150は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0048】
処理回路150は、操作装置105、表示装置106、第1センサ111、第2センサ116、撮像装置117、DCモータ121、エンコーダ122、パルス発生器131、第2モータ132、インタフェース装置133及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、DCモータ121及び第2モータ132を駆動し、撮像装置117からライン画像を取得して入力画像を生成し、インタフェース装置133を介して情報処理装置に送信する。特に、処理回路150は、エンコーダ122により生成される第1パルス信号に基づいて、撮像装置117が取得したライン画像の内の一部のライン画像を破棄しつつ、破棄していないライン画像から入力画像を生成する。
【0049】
図5は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【0050】
図5に示すように、記憶装置140には、制御プログラム141、画像生成プログラム142及び検出プログラム143等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路150は、制御部151、画像生成部152及び検出部153として機能する。
【0051】
図6は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0052】
以下、
図6に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図6に示す動作のフローは、定期的に実行される。
【0053】
最初に、制御部151は、利用者により操作装置105を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0054】
次に、制御部151は、第1センサ111から第1媒体信号を取得し、取得した第1媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。
【0055】
載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部151は、ステップS101へ処理を戻し、操作装置105から新たに操作信号を受信するまで待機する。
【0056】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部151は、第2モータ132を駆動して回転させ、給送ローラ112及びブレーキローラ113を回転させて、媒体を給送させる。さらに、制御部151は、DCモータ121を駆動して回転させ、第1~第4搬送ローラ114、115、118、119を回転させて、媒体を搬送させる(ステップS103)。
【0057】
なお、制御部151は、DCモータ121の回転速度が、予め設定された電圧値等の指令値に追従するように、DCモータ121をフィードバック制御する。上記したように、エンコーダ122の円板123はDCモータ121の回転軸に取り付けられており、エンコーダ122は、DCモータ121の回転速度に応じて変化する第1パルス信号を出力する。制御部151は、エンコーダ122から出力される第1パルス信号の周期を所定のフィードバック制御周期毎(例えば、500ns毎)に検出し、周波数を電圧に変換した電圧値が、指令値と一致するようにDCモータ121を制御する。DCモータ121は、低コストで、速度調整を簡易に行うことができるが、DCモータ121の回転速度は負荷変動等の外的要因によって変化してしまう。しかしながら、上記のフィードバック制御により、DCモータ121の回転速度は、所定期間後には指令値に応じた回転速度となる。このように、制御部151は、エンコーダ122から出力される第1パルス信号の周期が指令値に追従するようにDCモータ121の回転速度を制御する。
【0058】
次に、画像生成部152は、媒体の先端が第2センサ116の位置を通過したか否かを判定し、媒体の先端が第2センサ116の位置を通過するまで待機する(ステップS104)。画像生成部152は、第2センサ116から定期的に第2媒体信号を取得し、取得した第2媒体信号に基づいて、第2センサ116の位置に媒体が存在するか否かを判定する。画像生成部152は、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端が第2センサ116の位置を通過したと判定する。
【0059】
媒体の先端が第2センサ116の位置を通過した場合、画像生成部152は、撮像装置117に媒体の撮像を開始させる(ステップS105)。
【0060】
次に、処理回路150は、画像取得処理を実行する(ステップS106)。画像取得処理において、検出部153は、第1パルス信号の各周期に含まれる第2パルス信号のパルス数を検出する。画像生成部152は、撮像装置117からライン画像を取得しつつ、検出部153が検出したパルス数に基づいてライン画像を破棄する。画像取得処理の詳細については後述する。
【0061】
次に、画像生成部152は、画像取得処理で取得したライン画像の内、破棄しなかったライン画像を結合して入力画像を生成する(ステップS107)。
【0062】
次に、画像生成部152は、生成した入力画像を、インタフェース装置133を介して情報処理装置へ送信する(ステップS108)。なお、情報処理装置と接続されていない場合、画像生成部152は、入力画像を記憶装置140に記憶しておく。
【0063】
次に、制御部151は、第1センサ111から取得する第1媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS109)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部151は、ステップS106へ処理を戻し、ステップS106~S109の処理を繰り返す。
【0064】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部151は、DCモータ121及び第2モータ132を停止させて(ステップS110)、一連のステップを終了する。
【0065】
図7は、画像取得処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0066】
図7に示す動作のフローは、
図6に示すフローチャートのステップS106において実行される。
【0067】
最初に、画像生成部152は、第2パルス信号の1周期が経過したか否かを判定する(ステップS201)。画像生成部152は、パルス発生器131から第2パルス信号を定期的に受信し、受信した第2パルス信号において、特定のパルスが発生した(立ち上がった)後に次のパルスが発生した(立ち上がった)時に、第2パルス信号の1周期が経過したと判定する。第2パルス信号の1周期が経過していない場合、画像生成部152は、処理をステップS205へ移行する。
【0068】
一方、第2パルス信号の1周期が経過した場合、画像生成部152は、その経過した周期に含まれるパルスが破棄パルスであるか否かを判定する(ステップS202)。破棄パルスは、第2パルス信号に含まれるパルスの内、撮像装置117が取得したライン画像を破棄するパルスであり、後述するステップS208の処理において決定される。第1パルス信号の現在の周期における破棄パルスは、その直前の周期が経過した時に決定される。なお、第1パルス信号の現在の周期が最初の周期である場合、画像生成部152は、今回の周期に含まれるパルスが破棄パルスでないと判定する。また、直前の周期において、検出部153が検出したパルス数が基準数以下であり、破棄パルスが決定されていない場合、画像生成部152は、今回の周期に含まれるパルスが破棄パルスでないと判定する。
【0069】
今回の周期に含まれるパルスが破棄パルスでない場合、画像生成部152は、撮像装置117から、そのパルスで撮像装置117が取得したライン画像を取得し、記憶装置140に記憶する(ステップS203)。
【0070】
一方、今回の周期に含まれるパルスが破棄パルスである場合、画像生成部152は、そのパルスで撮像装置117が取得したライン画像を破棄する(ステップS204)。画像生成部152は、撮像装置117からライン画像を一旦取得した上で、記憶装置140に記憶せずに破棄する。なお、画像生成部152は、撮像装置117からライン画像を取得せずに破棄してもよい。
【0071】
次に、検出部153は、第1パルス信号の1周期が経過したか否かを判定する(ステップS205)。検出部153は、エンコーダ122から第1パルス信号を定期的に受信し、受信した第1パルス信号において、特定のパルスが発生した(立ち上がった)後に次のパルスが発生した(立ち上がった)時に、第1パルス信号の1周期が経過したと判定する。第1パルス信号の1周期が経過していない場合、検出部153は、処理をステップS201へ戻す。
【0072】
一方、第1パルス信号の1周期が経過した場合、検出部153は、第1パルス信号のその周期に含まれる第2パルス信号のパルス数を検出する(ステップS206)。検出部153は、第1パルス信号においてその周期に含まれるパルスが発生してから次のパルスが発生するまでの間に、第2パルス信号において発生したパルスの数を、第1パルス信号のその周期に含まれる第2パルス信号のパルス数として検出する。
【0073】
次に、画像生成部152は、検出部153が検出したパルス数が基準数を超えるか否かを判定する(ステップS207)。基準数は、媒体が搬送されていない場合の第1パルス信号の1周期に含まれる第2パルス信号のパルス数に事前に設定される。検出部153が検出したパルス数が基準数以下である場合、画像生成部152は、処理をステップS209へ移行する。
【0074】
一方、検出部153が検出したパルス数が基準数を超える場合、画像生成部152は、第1パルス信号の次の周期に含まれる第2パルス信号のパルスの内、撮像装置117が取得したライン画像を破棄する破棄パルスを決定する(ステップS208)。画像生成部152は、第1パルス信号の次の周期に含まれる第2パルス信号のパルスの内、検出部153が検出したパルス数と基準数の差の数、即ち検出部153が検出したパルス数から基準数を引いた数のパルスを破棄パルスに決定する。即ち、画像生成部152は、第1パルス信号の次の周期に含まれる第2パルス信号のパルスの内、基準数を超える数のパルスを破棄パルスに決定する。また、画像生成部152は、次の周期において、間欠的に画像を破棄するように破棄パルスを決定する。
【0075】
これにより、画像生成部152は、第1パルス信号の所定の周期に含まれる第2パルス信号のパルス数が基準数を超える場合、第1パルス信号の所定の周期の次の周期において、そのパルス数と基準数の差の数のパルスで撮像装置117が取得した画像を破棄する。即ち、画像生成部152は、第1パルス信号の所定の周期に含まれる第2パルス信号のパルス数が基準数を超える場合、第1パルス信号の所定の周期の次の周期に撮像装置117が取得した画像の内、撮像装置117が基準数のパルスで取得した画像のみを取得する。
【0076】
図8は、第1パルス信号の所定の周期に含まれる第2パルス信号801~808を示すグラフである。各グラフの横軸は時間を示し、縦軸は第2パルス信号の電圧の大きさを示す。
図8に示す例では、第1パルス信号の所定の周期に含まれる第2パルス信号801~808のパルス数は、それぞれ5~12である。第1パルス信号における基準数は4であるものとする。
【0077】
画像生成部152は、第2パルス信号801~808のそれぞれに対して、第1パルス信号の次の周期に含まれる第2パルス信号の破棄パルスの数を、それぞれ1~8に決定する。これにより、第1パルス信号の次の周期において画像生成部152が取得するライン画像の数は、4つになることが期待される。
【0078】
画像生成部152は、第2パルス信号801のパルスp1~p5の内、2番目のパルスp2に対応するパルスを次の周期の破棄パルスに決定する。また、画像生成部152は、第2パルス信号802のパルスp1~p6の内、2、4番目のパルスp2、p4に対応するパルスを次の周期の破棄パルスに決定する。また、画像生成部152は、第2パルス信号803のパルスp1~p7の内、2、4、6番目のパルスp2、p4、p6に対応するパルスを次の周期の破棄パルスに決定する。また、画像生成部152は、第2パルス信号804のパルスp1~p8の内、2、4、6、8番目のパルスp2、p4、p6、p8に対応するパルスを次の周期の破棄パルスに決定する。
【0079】
このように、画像生成部152は、第1パルス信号の周期に含まれる第2パルス信号のパルス数が基準数の2倍以下である場合、破棄パルスが連続しないように、破棄パルスを決定する。これにより、画像生成部152は、入力画像において媒体に含まれる文字等が消失しないようにライン画像を破棄することができる。
【0080】
また、画像生成部152は、第2パルス信号805のパルスp1~p9の内、2、3、5、7、9番目のパルスp2、p3、p5、p7、p9に対応するパルスを次の周期の破棄パルスに決定する。また、画像生成部152は、第2パルス信号806のパルスp1~p10の内、2、3、5、6、8、10番目のパルスp2、p3、p5、p6、p8、p10に対応するパルスを次の周期の破棄パルスに決定する。また、画像生成部152は、第2パルス信号807のパルスp1~p11の内、2、3、5、6、8、9、11番目のパルスp2、p3、p5、p6、p8、p9、p11に対応するパルスを次の周期の破棄パルスに決定する。また、画像生成部152は、第2パルス信号808のパルスp1~p12の内、2、3、5、6、8、9、11、12番目のパルスp2、p3、p5、p6、p8、p9、p11、p12に対応するパルスを次の周期の破棄パルスに決定する。
【0081】
このように、画像生成部152は、第1パルス信号の周期に含まれる第2パルス信号のパルス数が基準数の2倍より大きい場合、破棄しないパルスが連続せず且つまばらになるように(略等間隔に分散するように)、破棄パルスを決定する。これにより、画像生成部152は、入力画像において斜め方向に延伸する直線がジグザグにならないようにライン画像を破棄することができる。
【0082】
次に、画像生成部152は、搬送された媒体の全体が撮像されたか否かを判定する(ステップS209)。画像生成部152は、例えば、第2センサ116から定期的に第2媒体信号を取得し、取得した第2媒体信号に基づいて、第2センサ116の位置に媒体が存在するか否かを判定する。画像生成部152は、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から媒体が存在しないことを示す値に変化したときに、媒体の後端が第2センサ116の位置を通過したと判定する。画像生成部152は、媒体の後端が第2センサ116の位置を通過したと判定してから一定期間が経過した時に、媒体の全体が撮像されたと判定する。
【0083】
まだ搬送された媒体の全体が撮像されていない場合、画像生成部152は、処理をステップS201へ戻し、ステップS201~S209の処理を繰り返す。一方、搬送された媒体の全体が撮像された場合、画像生成部152は、一連のステップを終了する。
【0084】
画像取得処理の後、ステップS107において、画像生成部152は、ステップS203で取得して記憶装置140に記憶したライン画像、即ちステップS204で破棄しなかったライン画像を用いて入力画像を生成する。即ち、画像生成部152は、第1パルス信号の各周期に含まれる第2パルス信号のパルス数が基準数を超える場合、第1パルス信号の次の周期に撮像装置117が取得した画像の内、撮像装置117が基準数のパルスで取得した画像を用いて入力画像を生成する。
【0085】
以下、検出部153が検出したパルス数に応じて、撮像装置117が取得したライン画像を破棄することの技術的意義について説明する。
【0086】
図9A及び
図9Bは、媒体が各搬送ローラを通過する時の負荷変動により、エンコーダ122から出力される第1パルス信号の周期が変動することを説明するための模式図である。
【0087】
図9Aに示す例では、搬送される媒体Pは、写真を含むページを開いて読み取るパスポート等の冊子であり、厚さの異なる複数の領域を有している。媒体Pは、綴じ目部を挟んで、相対的に厚さが薄い(図中の左側の)第1領域と、相対的に厚さが厚い(図中の右側の)第2領域を有している。
図9Aは、媒体Pの第1領域が第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間を通過した後、媒体Pの第2領域が第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間に送り込まれようとしている状態を示す。
図9Aに示す状態では、撮像装置117は媒体Pの第1領域を読み取っている。
【0088】
媒体Pの先端部、綴じ目部又は後端部が第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間を通過する時、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115が媒体Pの各部を噛み込む時の負荷変動によってDCモータ121の回転速度が変動する。また、媒体Pの先端部、綴じ目部又は後端部が第3搬送ローラ118と第4搬送ローラ119の間を通過する時も、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119が媒体Pの各部を噛み込む時の負荷変動によってDCモータ121の回転速度が変動する。
【0089】
図9Bは、エンコーダ122から出力される第1パルス信号901の一例を示すグラフである。
図9Bのグラフの横軸は時間を示し、縦軸は第1パルス信号の電圧の大きさを示す。第1パルス信号901のパルスはDCモータ121の回転に従って発生するため、第1パルス信号901の周期はDCモータ121の回転速度に応じて変動する。
【0090】
時刻t0において、媒体Pは、第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間にまだ送り込まれておらず、DCモータ121の回転速度は、制御部151によるフィードバック制御によって一定の基準速度に保たれている。そのため、第1パルス信号901の周期は、一定の基準長さT0を維持している。
【0091】
時刻t1において、媒体Pの先端部は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115に噛み込まれ、DCモータ121の回転速度は負荷変動によって遅くなり、第1パルス信号901の周期は、基準長さT0より長い長さT1に変化する。時刻t1において第1パルス信号901の周期が長くなっても、すぐにはフィードバック制御がかからないので、DCモータ121の回転速度はしばらく元に戻らず、周期はしばらく長さT1のままとなる。
【0092】
時刻t2において、制御部151によるフィードバック制御によって、第1パルス信号901の周期は、再び基準長さT0に戻される。
【0093】
搬送路の上側に配置された第2搬送ローラ115、第2撮像装置117b及び第4搬送ローラ119は、上方へ移動可能に設けられており、搬送中の媒体Pの厚さに合わせて上方へ移動する。第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115によって第1撮像装置117aの読取面と第2撮像装置117bの読取面の間に送り込まれた媒体Pは、各撮像装置117によって読み取られる。撮像装置117が媒体Pを読取中に、媒体Pの先端部が第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119を通過する時も、第1パルス信号901の周期は、負荷変動により、時刻t1~t2における変動と同様に変動する。
【0094】
時刻t3において、媒体Pの綴じ目部が、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115に噛み込まれ、DCモータ121の回転速度は負荷変動によって遅くなり、第1パルス信号901の周期は、基準長さT0より長い長さT2に変化する。第2領域の厚さは第1領域の厚さより大きいため、第2領域が第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115に噛み込まれる時の負荷変動は、第1領域が第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115に噛み込まれる時の負荷変動より大きくなる。その結果、時刻t3における第1パルス信号901の周期の長さT2は、時刻t1における第1パルス信号901の周期の長さT1より長くなる。
【0095】
時刻t4において、制御部151によるフィードバック制御によって、第1パルス信号901の周期は、再び基準長さT0に戻される。
【0096】
媒体Pの綴じ目部が第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119を通過する時も、第1パルス信号901の周期は、負荷変動により、時刻t3~t4における変動と同様に変動する。また、媒体Pの後端部が、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第3搬送ローラ118及び第4搬送ローラ119を通過する時も、第1パルス信号901の周期は、負荷変動により、時刻t1~t2における変動と同様に変動する。
【0097】
図10は、第1パルス信号と第2パルス信号の関係を示すグラフである。各グラフの横軸は時間を示し、縦軸は各信号の電圧の大きさを示す。
図10の上側のグラフは、第1パルス信号1001の一例を示し、下側のグラフは、第2パルス信号1002の一例を示す。第1パルス信号における基準数は4であるものとする。
【0098】
上記したように、媒体が搬送ローラを通過するときの負荷変動によりDCモータ121の回転速度が変動し、第1パルス信号の周期が変動する。
図10に示す例では、期間c1及びc2において、DCモータ121の回転速度は、制御部151によるフィードバック制御によって一定の基準速度に保たれている。一方、期間c3、c4及びc5において、DCモータ121の回転速度は、負荷変動によって基準速度より遅くなっている。そのため、
図10に示す第1パルス信号1001において、期間c1及びc2における周期は、一定の基準長さT0を維持し、期間c3、c4及びc5における周期は、基準長さT0より長い長さT2に変化している。
【0099】
一方、第2パルス信号の周期は、一定である。
図10に示す例では、期間c1及びc2では、第1パルス信号1001の1周期に含まれる第2パルス信号1002のパルス数は基準数である4つである。一方、期間c3、c4及びc5では、第1パルス信号1001の1周期に含まれる第2パルス信号1002のパルス数は基準数より多い6つとなっている。第1パルス信号1001のパルスはDCモータ121の回転に従って発生するため、第1パルス信号1001の1周期である各期間c1~c5において、媒体の搬送距離は一定である。そのため、期間c3、c4及びc5に含まれる第2パルス信号1002の全てのパルスで撮像されたライン画像を結合して入力画像を生成すると、生成される入力画像は間延びした画像となる。
【0100】
画像生成部152は、期間c3、c4及びc5に含まれる第2パルス信号1002のパルスの内、2つ分のパルスで撮像装置117が取得したライン画像を破棄することにより、間延びされていない画像を生成することができる。
【0101】
但し、画像生成部152が、期間c3、c4及びc5に撮像装置117が取得した全てのライン画像をまとめてから、破棄する画像を抽出する場合、抽出に要する処理時間が大きくなり、画像取得処理の処理負荷が増大する。そこで、画像生成部152は、負荷変動が発生した期間c3ではライン画像を破棄せずに、その次の期間c4の周期でライン画像を破棄する破棄パルスを決定しておく。画像生成部152は、次の期間c4の周期で、撮像装置117が取得した各ライン画像を取得するタイミングにおいて、その決定した破棄パルスで撮像装置117が取得したライン画像を破棄する。同様に、画像生成部152は、期間c4において、その次の期間c5の周期でライン画像を破棄する破棄パルスを決定し、次の期間c5の周期で、その決定した破棄パルスで撮像装置117が取得したライン画像を破棄する。
【0102】
これにより、入力画像内で負荷変動が発生した周期に対応する領域では間延びが発生するが、入力画像内で1つの周期に対応する領域は十分に小さく、間延びの発生は目立たない。画像生成部152は、負荷変動が発生した周期より後の周期に対応する領域における間延びの発生を防止することにより、画像取得処理の処理負荷を軽減させつつ、間延びが目立たない入力画像を生成することができる。
【0103】
また、上記したように、負荷変動が発生した後、すぐにはフィードバック制御がかからないので、変動した周期はしばらく変化した長さのままとなる。そのため、負荷変動が発生した周期の次の周期の長さは、負荷変動が発生した周期の長さと同じになる可能性が高い。画像生成部152は、負荷変動が発生した周期に含まれる第2パルス信号のパルス数に応じて、次の周期に破棄するライン画像の数を決定することにより、画像取得処理の処理負荷を軽減させつつ、間延びされていない入力画像を精度良く生成することができる。
【0104】
図11は、画像生成部152により生成される入力画像の一例を示す模式図である。
【0105】
入力画像1101は、負荷変動が発生した時にライン画像を破棄せずに生成した入力画像の一例である。入力画像1101において、ラインL1が撮像された時に負荷変動が発生してDCモータ121の回転速度が遅くなり、ラインL2が撮像された時に、フィードバック制御がかかってDCモータ121の回転速度が基準速度に戻っている。そのため、入力画像1101内のラインL1からラインL2までの領域において間延びが発生している。
【0106】
入力画像1102は、負荷変動が発生した時にライン画像を破棄した入力画像の一例である。入力画像1102において、ラインL3が撮像された時に負荷変動が発生してDCモータ121の回転速度が遅くなり、ラインL4が撮像された時に、フィードバック制御がかかってDCモータ121の回転速度が基準速度に戻っている。但し、入力画像1102では、ラインL3からラインL4までの領域に対応するライン画像の内の一部のライン画像が破棄されている。そのため、入力画像1102内のラインL3からラインL4までの領域において間延びの発生が抑制されている。
【0107】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、DCモータ121の回転速度に応じて変化する第1パルス信号の各周期に含まれる、画像取得タイミングを規定する第2パルス信号のパルス数が基準数を超える場合、次の周期の画像取得数を減少させる。これにより、媒体搬送装置100は、DCモータ121を用いて媒体を搬送しつつ、良好な画像をより簡易に生成することが可能となった。
【0108】
また、媒体搬送装置100は、開いた状態のパスポートのように厚さの異なる複数の領域を有する媒体を含む、様々な厚さを有する複数の種類の媒体を、低コストであるDCモータ121を用いて搬送し良好に撮像することが可能となった。これにより、媒体搬送装置100は、装置コストを低減しつつ、良好な入力画像を生成することが可能となった。
【0109】
また、媒体搬送装置100は、撮像装置117に入力する第2パルス信号として、エンコーダ122から出力される第1パルス信号に同期する信号でなく、周期が一定である信号を使用する。したがって、媒体搬送装置100は、低コストであるパルス発生器131を用いて第2パルス信号を生成することが可能となり、装置コストを低減しつつ、良好な入力画像を生成することが可能となった。
【0110】
また、媒体搬送装置100は、媒体読取処理において、撮像装置117が取得したライン画像を破棄しながら入力画像を生成するため、良好な入力画像をリアルタイムに生成することが可能となる。これにより、媒体搬送装置100に接続される情報処理装置で入力画像を補正する必要がなくなり、利用者はより早期に良好な入力画像を取得でき、媒体搬送装置100は利用者の利便性を向上させることが可能となる。また、媒体搬送装置100に接続される情報処理装置は、入力画像を補正する必要がなくなるため、画像の表示処理をスムーズに行うことが可能となり、利用者の業務効率を向上させることが可能となる。
【0111】
なお、画像生成部152は、検出部153が検出したパルス数が基準数の整数倍である場合に限り、検出したパルス数と基準数の差の数のパルスで撮像装置117が取得したライン画像を破棄してもよい。その場合、画像生成部152は、検出したパルス数が基準数を超え且つ検出したパルス数が基準数の整数倍でない場合に、その周期に撮像装置117が取得した全てのライン画像を結合した上で、線形補間法により画像を補正してもよい。画像生成部152は、全てのライン画像を結合した結合画像から、基準数のラインを有する補正画像を生成する。画像生成部152は、補正画像内のライン毎に、結合画像から、各ラインに対応する位置の上側の最近傍のラインの画像と下側の最近傍のラインの画像とを抽出し、抽出した2つの画像から線形補間法により各ラインの画像を生成する。これにより、画像生成部152は、より精度良く間延びが修正された入力画像を生成することができる。
【0112】
また、画像生成部152は、生成した入力画像とともに、入力画像内でライン画像を破棄した領域を示す情報を、インタフェース装置133を介して情報処理装置に送信してもよい。これにより、情報処理装置は、入力画像に対して所定の画像処理を施す場合に、入力画像内でライン画像を破棄した領域を重点的に、又は、入力画像内でライン画像を破棄した領域を除いて、画像処理を施すことができる。
【0113】
また、画像生成部152は、検出部153が検出したパルス数と基準数の差が上限数を超えた場合、媒体の搬送及び撮像を停止し、入力画像を生成しないようにしてもよい。その場合、画像生成部152は、異常が発生した旨を、表示装置106に表示又はインタフェース装置133を介して情報処理装置に送信することにより、利用者に警告を通知する。これにより、画像生成部152は、入力画像を良好に生成できない程、DCモータ121の回転速度が遅くなった場合に、利用者に警告を通知することができる。
【0114】
図12は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路250の概略構成を示す図である。処理回路250は、媒体搬送装置100の処理回路150の代わりに使用され、処理回路150の代わりに、媒体読取処理を実行する。処理回路250は、制御回路251、画像生成回路252及び検出回路253等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0115】
制御回路251は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路251は、操作装置105から操作信号を、第1センサ111から第1媒体信号を受信し、受信した各信号に応じて媒体の搬送を制御するように、DCモータ121及び第2モータ132に制御信号を出力する。
【0116】
画像生成回路252は、画像取得部の一例であり、画像生成部152と同様の機能を有する。画像生成回路252は、第2センサ116から第2媒体信号を、パルス発生器131から第2パルス信号を、検出回路253から第1パルス信号の各周期に含まれる第2パルス信号のパルス数の検出結果を受信する。画像生成回路252は、受信した各情報に応じて、撮像装置117からライン画像を取得し又は取得したライン画像を破棄して入力画像を生成し、生成した入力画像を、インタフェース装置133を介して情報処理装置へ送信し又は記憶装置140に記憶する。また、画像生成回路252は、所定期間に受信した第2パルス信号のパルス数を検出回路253に出力する。
【0117】
検出回路253は、検出部の一例であり、検出部153と同様の機能を有する。検出回路253は、エンコーダ122から第1パルス信号を、画像生成回路252から第2パルス信号のパルス数を受信し、受信した各情報に基づいて第1パルス信号の各周期に含まれる第2パルス信号のパルス数を検出する。検出回路253は、検出結果を画像生成回路252に出力する。
【0118】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路250を用いる場合においても、媒体の給送を適切に制御することが可能となった。
【符号の説明】
【0119】
100 媒体搬送装置、114 第1搬送ローラ、115 第2搬送ローラ、117 撮像装置、118 第3搬送ローラ、119 第4搬送ローラ、121 DCモータ、122 エンコーダ、151 制御部、152 画像生成部、153 検出部