(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】タフティング機用の移行機構
(51)【国際特許分類】
D05C 15/10 20060101AFI20231108BHJP
D05C 15/16 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
D05C15/10
D05C15/16
(21)【出願番号】P 2019550169
(86)(22)【出願日】2018-03-12
(86)【国際出願番号】 US2018021947
(87)【国際公開番号】W WO2018169839
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2019-09-12
【審判番号】
【審判請求日】2021-10-25
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509043342
【氏名又は名称】カード-モンロー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ, リッキー イー.
【合議体】
【審判長】井上 茂夫
【審判官】一ノ瀬 覚
【審判官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第2242205(GB,A)
【文献】特開平10-184842(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0247272(US,A1)
【文献】特開昭61-649(JP,A)
【文献】米国特許第5566630(US,A)
【文献】特表2011-526970(JP,A)
【文献】特開平9-41259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D05C 1/00 - 17/02
D05B 1/00 - 97/12
F16H19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タフティング機であって、
少なくとも1つの針棒であって、それに沿って搭載された一連の針を有する少なくとも1つの針棒と、
前記タフティング機を通した進行経路に沿って裏地材料を送給する裏地送給ロールと、
一連の糸を前記針に送給する糸送給機構と、
前記裏地材料の前記進行経路に沿って位置するゲージ部品であって、前記針が前記裏地材料内に糸のタフトを形成するように前記裏地材料と係合されるときに前記針のうちの少なくともいくつかと係合するように往復運動されるゲージ部品と、
少なくとも1つの針棒に結合され、前記裏地材料の前記進行経路を横断する方向に前記針を移行させるために動作可能である移行機構であって、前記移行機構は、
前記少なくとも1つの針棒に連結され、一連の離間した歯を有するラックと、
一対のピニオンであって、各ピニオンは、その円周まわりに歯プロファイルにおいて配列された一連の
ローラを有
し、前記歯プロファイルは、前記ピニオンの前記ローラと前記ラックの前記歯との間に密接な係合または嵌合を提供し、かつ前記ラックと前記
ピニオンとの間に複数の接触点を
作成するように、
前記ラックの前記歯の歯プロファイル
に一致する
、一対のピニオンと、
一対のモータであって、各モータは、前記ピニオンのうちの1つに駆動可能に接続され
、それによって、前記ピニオンが
前記モータによって回転されるにつれて、前記ラックは、前記裏地材料にわたって前記針の横断移行移動を引き起こすように直線的に移動される、
一対のモータと
を備える、移行機構と
を備える、タフティング機。
【請求項2】
前記モータは、トルクモータを備える、請求項1に記載のタフティング機。
【請求項3】
前記移行機構はさらに、前記ラックが搭載されている摺動ブラケットと、前記摺動ブラケットに搭載された少なくとも1つの軸受ガイドと、前記少なくとも1つの摺動ブラケットによって係合された少なくとも1つのトラックまたはレールであって、前記ラックが直線的に移動されるにつれて、前記少なくとも1つのトラックまたはレールに沿って
前記少なくとも1つの摺動ブラケットが移動され、前記少なくとも1つのトラックまたはレールに沿って前記少なくとも1つの軸受ガイドが移動される、少なくとも1つのトラックまたはレールと、前記ラックの移動に応答して、前記裏地材料に対して横方向に前記少なくとも1つの針棒を移行させるために、一端において前記摺動ブラケットまたはラックに接続され、反対端において前記少なくとも1つの針棒に接続されている、リンケージとを備える、請求項1に記載のタフティング機。
【請求項4】
前記モータは、トルクモータまたは可逆サーボモータを備える、請求項1に記載のタフティング機。
【請求項5】
前記少なくとも1つの針棒は、一対の独立して移行可能な針棒を備え、一対の移行機構をさらに備え、前記一対の移行機構のそれぞれが前記一対の針棒のうちの一方に結合されている、請求項1に記載のタフティング機。
【請求項6】
タフト状物品のための選択されたパターンに従って、裏地材料内のステッチ場所において一連の糸のタフトを形成するためのタフティング機であって、
少なくとも1つの針棒であって、前記少なくとも1つの針棒は、それに沿って離間された一連の針を有し、前記針は、前記針が前記裏地材料との係合に向かって、かつ前記係合から離れるように往復運動されるときに前記裏地材料の中および外に前記糸を運搬する、少なくとも1つの針棒と、
前記裏地材料の下方に位置し、前記針が前記裏地材料に係合して貫通するときに前記針との係合に向かって往復運動可能である一連のゲージ部品であって、前記ゲージ部品は、前記ゲージ部品によって係合された前記針のうちの少なくともいくつかから糸のループを引動するように構成されている、一連のゲージ部品と、
少なくとも1つの針棒に結合され、前記裏地材料の進行経路を横断する方向に前記針を移行させるために動作可能である移行機構であって、前記移行機構は、
ラックであって、それに沿って一連の離間した歯を伴う本体を有し、前記少なくとも1つの針棒に連結されているラックと、
一対のピニオンであって、各ピニオンは、その円周まわりに歯プロファイルにおいて配列された一連のローラを有
し、前記歯プロファイルは、前記ピニオンの前記ローラと前記ラックの前記歯との間に密接な係合または嵌合を提供し、かつ前記ピニオンと前記ラックと
の間に複数の接触点を
作成するように、
前記ラックの前記歯の歯プロファイルに一致する、一対のピニオンと、
一対のモータであって、各モータは、前記ピニオンのうちの1つに駆動可能に接続され
、それによって、前記ピニオンが
前記モータによって回転されるにつれて、前記ラックは、前記裏地材料にわたって前記針の横断移行移動を引き起こすように直線的に駆動される、
一対のモータと
を備える、移行機構と
を備える、タフティング機。
【請求項7】
前記少なくとも1つの針棒は、一対の独立して移行可能な針棒を備え、一対の移行機構をさらに備え、前記一対の移行機構のそれぞれが前記一対の針棒のうちの一方に結合されている、請求項
6に記載のタフティング機。
【請求項8】
前記モータは、トルクモータまたはサーボモータを備える、請求項
6に記載のタフティング機。
【請求項9】
前記移行機構はさらに、前記ラックが搭載されている摺動ブラケットと、前記摺動ブラケットに搭載された少なくとも1つの軸受ガイドと、前記少なくとも1つの摺動ブラケットによって係合された少なくとも1つのトラックまたはレールであって、前記ラックが直線的に移動されるにつれて、前記少なくとも1つのトラックまたはレールに沿って
前記少なくとも1つの摺動ブラケットが移動され、前記少なくとも1つのトラックまたはレールに沿って前記少なくとも1つの軸受ガイドが移動される、少なくとも1つのトラックまたはレールと、前記ラックの移動に応答して、前記裏地材料に対して横方向に前記少なくとも1つの針棒を移行させるために、一端において前記摺動ブラケットまたはラックに接続され、反対端において前記少なくとも1つの針棒に接続されている、リンケージとを備える、請求項
8に記載のタフティング機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本開示は、概して、カーペット等のタフト状物品を形成するためのタフティング機およびその特徴に関する。特に、本開示は、カーペット、ラグ、および/または人工タフト製品等のタフト状物品を形成するために、タフティング機の1つ以上の針棒を移行させるための移行機構を伴うタフティング機に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
カーペット等のパターン化されたタフト状物品は、特に、カーペットタイルおよび接客用カーペットを含む商業市場部門で、ますます好評を博している。種々のパターン化されたデザインを有するカーペットは、概して、パターン糸送給アタッチメントを通して等、糸の送給を制御することによって、かつタフティング機の針を移行させることによって、作成されることができる。1つ以上の移行針棒を利用して、パターン化されたタフト状物品を形成する際に、タフト状パターンの形成のための必要な鮮明度、明確度、および正確度を伴ってタフト状であるパターンによって要求される、タフトまたはステッチ場所において糸または糸の色をタフト状にするために、針棒が可能な限り精密に移行される、または段階を付けられることが重要である。また、概して、針が裏地を通過する時間とそれらの往復運動サイクルの下向きのストロークの間に裏地に再進入する前との間の可能な限り短い時間内に針が移行されることも重要である。そのような移行移動が速く達成され得るほど、増加または増進された生産率を提供するように、針は、より速く往復運動されることができる。したがって、針棒または複数の針棒が移行される速度は、概して、針によって、タフト状であるパターンに従ってそれらの要求されるステッチ場所に運搬される糸を適切に提示するように、可能な限り正確にそのような移行移動を制御することによって、平衡を保たれなければならない。
【0003】
以前は、カム動作型シフタ、油圧シフタ、およびサーボモータ駆動型移行機構が、タフティング機の針棒を移行させるために使用されてきた。例えば、Christman,Jr.,et al.の米国特許第5,979,349号が、ローラねじアクチュエータ駆動型移行機構を含む、「精密駆動システムを伴うタフティング機」を開示する一方で、Pratt,et al.の米国特許第6,283,055号は、リニアモータを有するタフティング機シフタを開示する。しかしながら、針棒、特に、より大きいサイズのタフティング機のために要求されるものは、典型的には、重く、針棒の移行移動の開始および停止の両方のために克服されなければならない、実質的な慣性を生成する。特に、1つを上回るゲージステップの複数の移行ステップまたはジャンプもしくは移行移動が、パターンにおいて要求されるときに、そのような慣性を克服し、針棒の移動を正確に一貫して制御することは、非常に短い期間で遂行することが困難であり得る。
【0004】
故に、当技術分野内の前述および他の関連ならびに非関連問題に対処する、タフティング機およびタフティング機の針の移行を制御するための移行機構の必要性が存在することが、理解され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第5,979,349号公報
【文献】米国特許第6,283,055号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要約)
簡潔に説明されると、本発明は、概して、タフティング機と、カーペット等のタフト状物品を形成するために、増進された精度および正確度を伴ってタフティング機の針の移行を制御するための、タフティング機と併用するための移行機構とに関する。タフティング機は、概して、フレームと、タフティング区域を通して裏地材料を送給する、裏地送給ロールと、それに沿って搭載された一連の離間した針を有する、1つ以上の針棒とを含むであろう。例えば、タフティング機は、インラインまたは交互配置構成で配列され、選択または規定されたゲージ(すなわち、1/8インチ、1/10インチ、1/16インチ、5/32インチ、5/64インチ等)等で針棒の長さに沿って横方向に離間される、一連の針を伴う単一の針棒を有することができる。代替として、一対の移行針棒が、使用されることができ、針棒はそれぞれ、選択された間隔で搭載され、インラインまたは交互配置構成で配列される一連の針を有し、針棒(すなわち、前部および後部針棒)の針はさらに、タフティング区域を通した裏地材料の送給の縦方向の縦交互配置または距離によって分離される。
【0007】
各針棒は、概して、裏地の中および外への垂直往復運動移動またはストロークに沿ってその針を移動させるように、駆動システムまたはアセンブリによって駆動されるであろう。針は、裏地を貫通するにつれて、各サイクルまたはストロークの間に裏地の中に針によって運搬される一連の糸を運搬する。糸は、1つ以上の糸送給機構によって、例えば、Card-Monroe Corp.によって製造されるようなInfinityTMまたはInfinity IIETM糸送給パターンアタッチメント等の単一端または両端糸送給機構もしくはアタッチメント、またはスクロール、ロール、もしくは他のパターンアタッチメントによって、針のそれぞれに送給されることができる。針はさらに、裏地の中に一連の糸のループおよび/またはカットパイルタフトを形成するためのループパイルルーパ、カットパイルフック、レベルカットループルーパ等の一連のゲージ部品によって係合されるであろう。
【0008】
タフティング機の針棒はまた、概して、タフティング区域を通して送給されるにつれて裏地材料にわたって横方向に移動可能であるように、タフティング機のフレーム上に摺動可能に搭載され、針が垂直に往復運動されるにつれて側方または横断移行移動を制御する、移行機構に連結されるであろう。一実施形態では、本開示による移行機構は、針の横断移行移動を制御するための実質的にインライン直接駆動配列でタフティング機の少なくとも1つの針棒に結合される、移行制御アセンブリまたはシステムを備えることができる。タフティング機が複数の独立して移行可能な針棒を利用するとき、各針棒は、別個の移行機構に接続され、それによって横方向に移行されることができる。代替として、針棒が実質的に同一の方向にともに制御または移行される場合、両方の針棒が、単一の移行機構に接続され得る。
【0009】
移行制御アセンブリは、概して、タフティング機のフレームに搭載される、少なくとも1つのサーボ駆動型ラインまたはモータを含むことができる。リニアモータはさらに、その中で受容された駆動板またはフォーサを伴う、本体または筐体を含むことができる。一連の磁石が、上ならびに下縁に沿って、および/または駆動板もしくはフォーサの側面に沿って提供され、保持効果または類似センサが、駆動板に沿って搭載されることができる。線形軸受ガイドおよびトラックを含み得る、ガイドレールもまた、駆動板の直線前後移動を誘導かつ制御することに役立つように、駆動板の上および下縁に隣接して位置することができる。1つ以上のリニアモータが、駆動板の一方または両方の側面に沿って位置し、駆動板の直線運動を駆動するための電磁場を生成するであろう。
【0010】
駆動板は、駆動板またはフォーサの直線運動が、針棒を横方向に移行させるために針棒に平行移動されるであろうように、針棒に連結または接続されて指向されるであろう。1つ以上のセンサもまた、直線的に移動されるにつれて駆動板の位置に関するフィードバックを提供するように、駆動アセンブリの筐体内に提供されることもできる。タフティング機コントローラ、またはサーバもしくは制御システムは、センサからフィードバックを受信することができ、モータの動作を制御し、形成されているタフト状パターンに従って所望または選択された距離もしくは移行ステップの数にわたって、駆動板の線形移動、したがって、針棒の横断移行運動を制御するためのプログラミングを含むであろう。
【0011】
本発明の種々の特徴、目的、および利点が、付随する図面と併せて考慮されると、以下の発明を実施するための形態の精査に応じて当業者に明白となるであろう。
【0012】
図面の説明
(テープ)
各ピニオンがそのモータによって回転されるにつれて、ラックは、横方向に駆動され、故に、タフティング区域を通した裏地材料の送給の方向を横断する方向に裏地材料にわたって前後に針棒の移動を駆動する。移行機構はさらに、ラックを駆動し、したがって、制御された側方または横断移動に沿ってそれに結合された針棒または複数の針棒を移行させるために、協調的時限運動において一対のギアまたはピニオンを駆動するための、一対の駆動モータを含むことができる。代替として、いくつかの用途または実施形態では、単一のモータおよびピニオンが、使用されることができる。
【0013】
一実施形態では、モータ駆動型ラックアンドピニオンシフタの1つ以上のギアの動作を駆動するためのモータは、可逆可変速度モータを含むことができ、さらに、その横断移行運動に沿って針棒を実質的に一貫して駆動するために必要に応じて、種々の、および/または増加された、もしくはピークのトルクを印加するように動作され得る、トルクモータを含むことができる。例えば、トルクモータは、針棒がその要求される移行運動の終わりに減速および/または停止されるにつれて、印加されるトルクを減少させ、ならびに/もしくは所望のブレーキ効果を提供しながら、針棒の移行移動を開始するため等に、針棒の慣性を克服するために必要とされるときに、ラックを駆動するピニオンにより大きいトルクおよび/または増加された加速を提供または印加することができる。したがって、ラックアンドピニオン移行制御アセンブリは、正確に、かつ実質的に増加または増進された率で、1つまたは複数の移行ステップを通して針棒の移行運動の開始および完了を提供することができる。モータはさらに、概して、各モータの駆動シャフトとその関連付けられるピニオンの軸または駆動シャフトとの間に搭載されるギアボックスまたはギアヘッドアセンブリを通して、ピニオンに結合されることができる。代替として、モータはまた、ギアボックスまたは他の介在駆動機構を必ずしも要求することなく、ピニオンに対して直接駆動配列で接続または搭載され得る。
【0014】
本発明の種々の目的、特徴、および利点が、付随する図面と併せて考慮されると、以下の発明を実施するための形態の精査に応じて当業者に明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
タフティング機であって、
それに沿って搭載された一連の針を有する少なくとも1つの針棒と、
前記タフティング機を通した進行経路に沿って裏地材料を送給する裏地送給ロールと、
一連の糸を前記針に送給する糸送給機構と、
前記裏地材料の前記進行経路に沿っていて、前記針が前記裏地材料内に糸のタフトを形成するように前記裏地材料と係合されるにつれて前記針のうちの少なくともいくつかと係合するように往復運動される、ゲージ部品と、
少なくとも1つの針棒に結合され、前記裏地材料の前記進行経路に実質的に横断する方向に前記針を移行させるために動作可能である、移行機構であって、前記移行機構は、
前記少なくとも1つの針棒に連結され、一連の離間した歯を有する、ラックと、
前記ラックの1つ以上の歯によって係合された一連の歯またはローラを有する少なくとも1つのピニオンと、
前記少なくとも1つのピニオンに駆動可能に接続されたモータであって、それによって、前記ピニオンが回転されるにつれて、前記ラックは、前記裏地材料にわたって前記針の横断移行移動を引き起こすように直線的に移動される、モータと
を備える、移行機構と
を備える、タフティング機。
(項目2)
前記モータは、トルクモータを備える、項目1に記載のタフティング機。
(項目3)
前記少なくとも1つのピニオンは、それぞれが複数の接触点において前記ラックに係合する一対のローラピニオンを備え、それぞれが前記一対のローラピニオンのうちの一方に係合する一対のモータをさらに備える、項目1に記載のタフティング機。
(項目4)
前記移行機構はさらに、前記ラックが搭載されている摺動ブラケットと、前記摺動ブラケットに搭載された少なくとも1つの軸受ガイドと、前記少なくとも1つの摺動ブラケットによって係合された少なくとも1つのトラックまたはレールであって、前記ラックが直線的に移動されるにつれて、前記少なくとも1つのトラックまたはレールに沿って少なくとも1つの摺動ブラケットが移動され、前記少なくとも1つのトラックまたはレールに沿って前記少なくとも1つの軸受ガイドが移動される、少なくとも1つのトラックまたはレールと、前記ラックの移動に応答して、前記裏地材料に対して横方向に前記少なくとも1つの針棒を移行させるために、一端において前記摺動ブラケットまたはラックに、反対端において前記少なくとも1つの針棒に接続されている、リンケージとを備える、項目1に記載のタフティング機。
(項目5)
前記少なくとも1つのピニオンに接続されたピニオンプリローダと、前記ピニオンプリローダおよび前記モータの駆動シャフトに結合されている、ギアヘッドアセンブリとをさらに備える、項目1に記載のタフティング機。
(項目6)
前記モータは、トルクモータまたは可逆サーボモータを備える、項目5に記載のタフティング機。
(項目7)
前記少なくとも1つの針棒は、一対の独立して移行可能な針棒を備え、それぞれが前記一対の針棒のうちの一方に結合されている一対の移行機構をさらに備える、項目1に記載のタフティング機。
(項目8)
タフト状物品のための選択されたパターンに従って、裏地材料内のステッチ場所において一連の糸のタフトを形成するためのタフティング機であって、
それに沿って離間された一連の針を伴う少なくとも1つの針棒であって、前記針は、前記針が前記裏地との係合に向かって、かつ前記係合から離れるように往復運動されるにつれて、前記裏地の中および外に前記糸を運搬する、少なくとも1つの針棒と、
前記裏地の下方に位置し、前記針が前記裏地に係合して貫通するにつれて、前記針との係合に向かって往復運動可能である、一連のゲージ部品であって、前記ゲージ部品は、前記ゲージ部品によって係合された前記針のうちの少なくともいくつかから糸のループを引動するように構成されている、一連のゲージ部品と、
少なくとも1つの針棒に結合され、前記裏地材料の進行経路に実質的に横断する方向に前記針を移行させるために動作可能である、移行機構であって、前記移行機構は、
それに沿って一連の離間した歯を伴う本体を有し、前記少なくとも1つの針棒に連結されている、ラックと、
一連のローラを有する少なくとも1つのピニオンであって、前記一連のローラは、前記ラックと少なくとも1つのピニオンとの間に複数の接触点を提供するように、前記ラックの複数の歯によって係合されるために十分な歯プロファイルにおいて少なくとも1つのピニオンを中心として配列されている、少なくとも1つのピニオンと、
前記少なくとも1つのピニオンに駆動可能に接続されたモータであって、それによって、前記ピニオンが回転されるにつれて、前記ラックは、前記裏地材料にわたって前記針の横断移行移動を引き起こすように直線的に駆動される、モータと
を備える、移行機構と
を備える、タフティング機。
(項目9)
前記少なくとも1つの針棒は、一対の独立して移行可能な針棒を備え、それぞれが前記一対の針棒のうちの一方に結合されている一対の移行機構をさらに備える、項目8に記載のタフティング機。
(項目10)
前記モータは、トルクモータまたはサーボモータを備える、項目8に記載のタフティング機。
(項目11)
前記少なくとも1つのピニオンに接続されたピニオンプリローダと、前記ピニオンプリローダおよび前記モータの駆動シャフトに結合されている、ギアヘッドアセンブリとをさらに備える、項目10に記載のタフティング機。
(項目12)
前記移行機構はさらに、前記ラックが搭載されている摺動ブラケットと、前記摺動ブラケットに搭載された少なくとも1つの軸受ガイドと、前記少なくとも1つの摺動ブラケットによって係合された少なくとも1つのトラックまたはレールであって、前記ラックが直線的に移動されるにつれて、前記少なくとも1つのトラックまたはレールに沿って少なくとも1つの摺動ブラケットが移動され、前記少なくとも1つのトラックまたはレールに沿って前記少なくとも1つの軸受ガイドが移動される、少なくとも1つのトラックまたはレールと、前記ラックの移動に応答して、前記裏地材料に対して横方向に前記少なくとも1つの針棒を移行させるために、一端において前記摺動ブラケットまたはラックに、反対端において前記少なくとも1つの針棒に接続されている、リンケージとを備える、項目10に記載のタフティング機。
(項目13)
前記少なくとも1つのピニオンは、それぞれが複数の接触点において前記ラックに係合する一対のローラピニオンを備え、それぞれが前記一対のローラピニオンのうちの一方に係合する一対のモータをさらに備える、項目10に記載のタフティング機。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の原理による、移行機構を伴うタフティング機の端面図である。
【
図2】
図2は、本発明の原理による、移行機構の分解斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、移行機構のラックアンドピニオン移行制御アセンブリの平面図である。
【
図3B】
図3Bは、移行機構のラックアンドピニオン移行制御アセンブリの斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、部品が離脱された、単一のトルクモータを伴う移行機構の斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、一対のトルクモータを伴う移行機構を図示する平面図である。
【
図5】
図5は、部品が離脱された、
図4Bの移行機構の側面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明およびその種々の特徴の実施形態が、付随する図面に説明および/または図示される非限定的実施形態および実施例を参照して、下記に詳細に解説される。図面に図示される特徴は、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、一実施形態の特徴は、たとえ本明細書で明示的に記述されていなくても、当業者が認識するであろうように他の実施形態とともに採用され得ることに留意されたい。ある構成要素および処理技法の説明は、本発明の実施形態および/または特徴を不必要に曖昧にしないように省略され得る。本明細書で使用される実施例は、単に、本発明が実践され得る方法の理解を促進すること、さらに、当業者が本発明の実施形態を実践することを可能にすることを意図している。故に、本明細書の実施例および実施形態は、添付の請求項および適用法のみによって定義される、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0017】
(発明の詳細な説明)
ここで、同様の番号がいくつかの図の全体を通して同様の部品を示す、図を参照すると、
図1は、裏地材料がタフティング機のタフティング区域Tを通して移動されるにつれて、針13を裏地材料Bの中およびに外に移動および/または貫通させるように、針棒または複数の針棒が循環またはストローク運動で垂直方向へさらに往復運動されるにつれて、一連の針13を運搬する1つ以上の針棒12(
図1)の側方または横断移行移動を制御するための移行機構11(
図2-5)を伴うタフティング機10を図示する。移行機構11は、概して、増加された生産速度等の増進された正確度および寸法安定性を伴うパターン化されたタフト状物品の形成を促進するように、針がさらに増加された生産速度で裏地材料の中および外に往復運動されるにつれて、選択されたパターンステッチまたはタフト場所への裏地材料Bにわたった針の横断移行移動の、増進された制御および正確度を提供するように設計される。
【0018】
概して、
図1に図示されるように、タフティング機10は、それを通して裏地材料Bが、一連の裏地送給ロール18によって、矢印17によって示される進行経路または送給方向に沿って縦方向に送給される、タフティング領域または区域Tを画定する、フレーム16を含むことができる。メイン駆動シャフト19は、概して、フレーム16に沿って位置し、典型的には、それにわたって側方に延在し、1つ以上のモータ21によって駆動されることができる。メイン駆動シャフトはさらに、典型的には、メイン駆動シャフトがその1つ以上の駆動モータの動作によって回転されるにつれて、矢印24/24’によって示される第1または垂直方向に往復運動する、実質的に上下運動またはサイクルで駆動されるように、一連の軸受ガイド22と、メインシャフトに結合される一連のプッシャロッド23と含み得る、針棒駆動アセンブリまたはシステム20によって係合されることができ、それを駆動するであろう。さらに
図1に示されるように、針棒12は、タフティング機10のメイン駆動シャフト19の動作によるプッシャロッド23の移動とともに、垂直往復運動またはサイクルに沿って運搬されるように、一連のプッシャロッド23のそれぞれに結合または接続されるであろう。結果として、針棒12に沿って搭載される針13は、上昇または上部位置と裏地材料Bを通して貫通する下降または底部位置との間の、裏地材料Bの中および外への往復運動またはストロークで運搬されるであろう。
【0019】
タフティング区域Tを通してその縦方向経路17に沿って裏地材料を送給する、裏地送給ロール18はそれぞれ、タフティング機のメイン駆動シャフト19を駆動するモータ21の動作と協調して、または併せて動作され得る、駆動モータ26によって駆動されることができる。代替として、裏地送給ロールは、メイン駆動シャフトから実質的に直接、またはメイン駆動シャフトの動作によって、裏地送給ロールを駆動するように、裏地送給ロールをメイン駆動シャフトおよび/またはそのモータに接続するタイミングベルトまたは他のリンケージの使用を通して等、メイン駆動シャフトから駆動されることができる。
【0020】
図1にさらに示されるように、針棒12は、概して、摺動ブラケットまたは軸受アセンブリ31によって等、針棒駆動システム20のプッシュロッド23に摺動可能に結合または接続されるであろう。針棒はまた、矢印33および33’によって示される第2の方向に針棒の横断または側方移行移動を誘導し、それによって、針が、移行機構11の制御下で裏地材料Bにわたって横方向に移行または移動されるようにするために、プッシュロッドの端部が搭載されるブラケット31内に摺動可能に受容され得る、一連のガイドレールまたはトラック32を含むことができる。一例示的実施形態では、針棒は、米国特許第9,260,810号(その開示は、本明細書に完全に記載された場合のように参照することによって組み込まれる)に開示されるような一連の線形軸受アセンブリ31によって、針棒駆動アセンブリまたはシステム22のプッシュロッド23に搭載される、またはそれと係合して摺動可能に支持されることができる。結果として、針13が矢印24/24’によって示されるそれらの第1の方向に垂直に往復運動され、裏地材料Bの中および外に貫通するにつれて、針13はまた、矢印33および33’によって示されるように、それらの第2または横断方向に移行されることができる。針13はさらに、例えば、針棒12または複数の針棒によって運搬される針13のそれぞれの間のゲージ間隔に基づく、または所望のパターンを形成するようにそのある倍数にあり得る、所望または規定された数の移行ステップもしくはジャンプで横方向に移動されることができる。加えて、移行機構11は、1/2ゲージまたはオフゲージステップもしくは間隔によって針を移動させることを含み、他の選択または所望されるステップ長もしくは距離によって針を移行させることができる。
【0021】
さらに、図、例えば、
図1は、タフティング領域にわたって延在する針棒の長さに沿って離間された一連の針13を伴う単一の針棒12の使用を図示するが、本発明の移行機構11はさらに、複数の移行針棒、すなわち、2つ以上の独立して移行可能な針棒と併用するために動作可能であり得ることが、当業者によって理解されるであろう。また、針13は、単一の針棒に沿って、または実質的にインラインもしくは交互配置構成で複数の針棒のそれぞれに沿って配置され得ることを理解されたい。各針棒に沿った針の間隔はさらに、典型的には、1/4インチ、1/8インチ、1/10インチ、1/16インチ、5/32インチ等の所望のゲージまたは間隔に従って配列されることができるが、しかしながら、例えば、種々の半ゲージまたは他の間隔を含む、針のための他の位置配列または間隔もまた、使用されることができる。加えて、二重または多重移行針棒を利用するタフティング機では、各針棒の針はまた、例えば、1/4インチ~3/8インチの所望の距離または間隔によって、オフセットされる、または縦方向に交互配置され、および/または各針棒の針はさらに、側方にオフセットもしくは離間されるが、針はさらに、各針に沿ってインライン配列で配列され得、各針棒の針もまた、同様に略縦方向に整合される。
【0022】
図1が加えて図示するように、針が裏地材料Bを貫通し、その中および外に往復運動されるにつれて、一連の糸Yが、針13とともに運搬されるように針13のそれぞれに送給されるであろう。針が裏地を貫通し、それらの往復ストロークまたはサイクルの下側底部位置に向かって移動するにつれて、針は、裏地の下方に、かつタフティング機のタフティング区域Tに沿って搭載される、一連のゲージ部品36によって係合されるであろう。ゲージ部品36は、例えば、米国特許第7,938,007号、第7,284,492号、第7,597,057号、およびRE37,108号(その開示は、本明細書に完全に記載された場合のように参照することによって組み込まれる)に開示されるようなモジュールの中に搭載または成型される等、フックバーまたはルーパバー37に沿って搭載され得る、ループパイルルーパ、カットパイルフック、レベルカットループルーパ、カット/ループクリップ、または他のゲージ部品を含むことができる。ゲージ部品は、裏地材料内に一連の糸のループを形成するために針から糸を取り上げて引動するように、針が裏地Bを貫通し、それらの下降位置に向かって移動するにつれて、針と係合するように往復運動されるであろう。ループは、ループパイルタフトのままであることができる、または裏地材料に糸のカットパイルタフトを形成するために、カットパイルフック、レベルカットループルーパ、もしくはカット/ループクリップと係合するように移動されるナイフによって切断されることができる。糸はさらに、糸のループを低く、または裏地から外に実質的にバックロブまたは引動するように、制御されることができる。
【0023】
糸Yは、タフティング機10のフレーム16に搭載される1つ以上の糸送給アタッチメントまたは機構40から、針13に送給されることができる。糸送給アタッチメント40は、例えば、Card-Monroe Corp.によって製造され、それぞれ、1つまたは2つ、もしくは潜在的にそれを上回る糸を針のうちの選択されたものに送給する送給ロール42を含む、一連のモータ駆動型糸送給デバイス41を有する、InfinityTMまたはInfinity IIETMパターン糸送給アタッチメント等の個別または単一端糸送給制御もしくは両端糸送給制御を含むことができる。例えば、米国特許第6,807,917号、第8,201,509号(その開示は、本明細書に完全に記載された場合のように参照することによって組み込まれる)に開示されるようなもの等の糸送給デバイスまたはシステムが、使用されることができる。加えて、サーボモータ制御型スクロール糸送給機構または他の糸送給システムを含む、標準糸送給ロールまたはロールもしくはスクロールタイプパターン糸送給アタッチメント等の他の糸送給機構40もまた、使用されることができる。
【0024】
糸送給機構は、針13のそれぞれまたは一連の針への糸の送給を制御するために、タフティング機10によって延設されているパターンのためのプログラミングまたはパターン命令に従って動作されることができる。糸の送給は、選択または所望されるパイル高さのタフトを形成するように制御されることができ、さらに、選択された糸または糸のループが、低く、もしくは裏地から外に実質的にバックロブまたは引動され得る一方で、他の糸のループまたはタフトが、裏地材料内に残留し、裏地の中に止められるが、そのようなステッチ場所の糸またはタフトの設置に干渉しないような程度に、外にまたは低くバックロブもしくは引動されている、他の糸のループまたは端部を実質的に隠し得るように、制御されることができる。残りの糸のタフトのパイル高さはさらに、異なる高さのタフトを作成するように糸送給機構によって送給される糸の量の制御によって、制御されることができる。したがって、タフトまたはステッチ毎の種々の表面効果が、移行されたまたは異なる色設置効果に加えて、高低および/または陰影パターン効果を伴うテクスチャ加工パターンをタフト状にする/作成するように形成されることができる。
【0025】
また、一対の糸送給機構40が、概して、
図1に示されるが、複数の糸送給機構またはユニットもまた、タフティング機の片側または両側のいずれかに沿って搭載されて提供され得ることも理解されたい。例えば、1つ以上の糸送給機構40は、一連の糸を第1または上流針棒の針に送給するためにタフティング機の前側に沿って搭載されることができ、1つ以上の糸送給機構の付加的セットは、一連の糸を下流または第2の針棒の針に送給するためにタフティング機の後部または下流側上に搭載されることができる。さらなる代替物として、単一の針棒が使用される場合、前部および後部糸送給機構は、糸を針棒の針のうちの交互のものに送給することができ、例えば、前部糸送給機構は、糸を奇数の針に送給することができる一方、後部糸送給機構は、糸を偶数の針に送給することができる。
【0026】
加えて、タフティング機10はさらに、概して、例えば、Card-Monroe Corp.によって製造されるようなCommand-Performance
TMタフティング機コントローラ等のタフティング機コントローラを備え得る、制御システム45を含むであろう。制御システム45はさらに、タッチスクリーン、キーボード、およびマウス等のユーザインターフェース47を伴う制御プロセッサまたはキャビネット46を含むことができる。
図1に示されるように、制御システムは、概して、メイン駆動シャフト用のモータ、ならびに裏地送給による裏地材料の送給を制御するため、および/またはゲージ部品の移動/往復運動を制御するためのモータを含む、タフティング機の種々の動作要素ならびに/もしくはモータに、糸送給デバイスに、または糸送給機構40の糸送給デバイス41用のコントローラに、および移行機構11に連結されるであろう。制御システムはまた、種々のタフト状の所望または選択されるパターンを作成するためにタフティング機の動作に関するパターンファイルまたは命令を受信もしくはダウンロードするための、中央サーバおよび/または設計センタに連結されることもでき、ならびに/もしくは設計機能性を含むことができる、またはプログラミングが、ユーザインターフェースを通した、直接的にタフティング機におけるパターン命令の入力のための機構を用いて提供されることができる。
【0027】
図1に図示されるように、移行機構11は、概して、タフティング機10の片側に沿って搭載されることができる。移行機構11はさらに、概して、リンケージまたは駆動ロッド49によって等、針棒12用の駆動システム20に、または針棒12に結合されるであろう。単一の針棒および移行機構が、例証の目的のために図に示されているが、タフティング機はまた、1つを上回る針棒も有し得ることを理解されたい。複数の移行針棒がタフティング機の中に提供される場合、別個の移行機構11が、複数の移行針棒のそれぞれの移行または横断移動を制御し、矢印33および33’の方向の独立した針棒のそれぞれの移行または横断移動の制御を可能にするために、使用されることができる。加えて、いくつかの配列では、針棒のそれぞれによってともに運搬される針を実質的に同一の方向に移行させるように、移行針棒のそれぞれに接続される、単一の移行機構が利用され得ることもまた、可能性として考えられる。
【0028】
図1にさらに示されるように、移行機構11は、加えて、制御システム45に連結され、矢印33および33’の方向の針棒の移行を開始かつ制御し、針およびそれによって運搬される特定の色またはタイプの糸を、形成されているタフト状パターンに従って裏地にわたってステッチ場所に提示するように、それから制御命令を受信することができる。例えば、針棒12によって運搬される針13は、ある距離にわたって、または針の間のゲージもしくは間隔、例えば、1/8インチ、1/10インチ、1/16インチ、5/32インチ、5/64インチのジャンプに基づき得る、一連のステップもしくはジャンプで移行されることができる、または例えば、必要もしくは所望に応じてオフゲージ場所または位置に針を移行させることを含む、複数のゲージステップ(例えば、1/4インチ、1/2インチ、1/5インチ等)によって、半ゲージステップ(例えば、1/16インチ、1/20インチ、1/32インチ等)によって、もしくは他の選択された量によって、針を移行させること等のその倍数または分数で移行されることができる。
【0029】
図2-5に示されるように、移行機構11は、筐体51と、筐体内に摺動可能に搭載され、タフティング機の針棒に連結される、ラック52と、矢印54/54’の方向の線形移動でラックを駆動するようにラックと係合して回転される、1つ以上のピニオンまたはギア53とを含み得る、モータ制御型ラックアンドピニオン移行制御アセンブリ50を備えるであろう。ラック52(
図2-3B)は、概して、1つ以上のピニオンまたはギア52の回転によるラックの係合に応じて、実質的に増進された位置正確度を針の移行移動に提供するように、概して、矢印54/54’の方向の略直線の線形移動を提供するように最小限からほぼゼロの反動を有する、鋼鉄または他の金属、もしくは複合または合成材料等の高強度で実質的に剛性の材料から典型的には形成される、伸長本体56を含むであろう。ラック52の実施例は、Nexen Group,Inc.製のRPS
32またはRPS
40プレミアムもしくはスタンダードラック、またはVersa Rack
TMを含み得る。
【0030】
図2-3Bに示されるように、一連の歯57が、ラック本体56の第1または近位側58に沿って形成され、歯57はそれぞれ、その間に一連の陥凹または間隙59を画定する、上流および下流歯面57A/57Bを有する。
図3A-3Bにさらに図示されるように、ラック本体56の第2または遠位側61は、概して、摺動可能ラック支持アセンブリ63の支承または支持板62に搭載されるであろう。例えば、ラックの本体は、陥凹内に受容されることができる、または締結具66を用いて等、支承板62のシェルフもしくはフランジ64の上に、下に、またはそれに沿って搭載されることができる。ラック52が直線的に移動されるにつれて、支承板62は、同様に、矢印54/54’の方向に直線的に駆動または移動されるであろう。
図3Bが示すように、針棒に接続される駆動ロッドまたはリンケージ49はさらに、支承板62に搭載される、またはそれに沿って形成されるカラーもしくはヨーク68内に受容されているリンケージ49の第1または近位端67を用いて等、ラック支持アセンブリ63の支承板62に結合/搭載されることができる。リンケージ49はさらに、典型的には、
図1に示されるように、その反対端において針棒12に、または針棒用の駆動システム20に結合されるであろう。針棒リンケージ49または駆動ロッドはまた、種々の他の実施形態では、より直接的にラックに、または他の中間駆動機構に結合されることもできる。
【0031】
図2がさらに図示するように、一連の軸受ガイドまたはブラケット70が、ラック52の反対側で支承板62の後部または遠位側71に搭載されることができる。軸受ガイド70は、その間に画定されているチャネル、陥凹、または通路73を伴って、軸受ガイド70の上側および/または下側本体区分72A/72Bに沿って配列される、線形軸受アセンブリを含むことができる。摺動レール75は、それに応じて支持される、軸受ガイドの本体区分72A/72Bの間に画定される各通路73内に受容されることができ、ラック52による移行動作/移動の間、それに沿って直線的に摺動することができる。概して、
図2および3Aに図示されるように、1つ以上の軸受ガイド70が、支承または支持板62に沿って提供されることができ、加えて、1つ以上の摺動レール75がさらに、提供されることができる。例えば、
図2に示されるように、一対の伸長摺動レール75が、提供され、垂直に離間され、それぞれ、摺動レールブラケットまたは板76に搭載されることができ、その摺動レールブラケットまたは板76は、モータ制御型ラックアンドピニオン移行制御アセンブリのための筐体51の側壁を形成することができる、またはそのような筐体側壁に搭載されることができ、各摺動レール75は、軸受ガイド70のうちの1つ以上(すなわち、離間対)によって係合される。より多数または少数の摺動レールおよび軸受ガイドもまた、提供されることができる。
【0032】
また、概して、
図2-3Bに図示されるように、ピニオン53は、Nexen Group, Inc.によるNexen RPSローラピニオン等のローラピニオンを備えることができる。いくつかの用途または実施形態では、一対のローラピニオンが、使用されることができる一方、代替として、他の実施形態または用途では、単一のローラピニオンが、例えば、
図4Aに示されるように提供されることができる。各ローラピニオン53(
図2)はさらに、概して、その間に複数のローラ、ピン、または他の部材、もしくは歯81が搭載される、離間された上側および下側または第1の板80Aおよび第2の板80Bを含むであろう。ローラ81は、板80A/80Bの円周を中心として離間されて直列に位置する、または配列され、ローラは、ラック52の歯の歯プロファイルに実質的に合致し、ローラ81およびピニオン53とラック52の歯57との間に実質的に密接な係合または嵌合を提供し、ピニオンとラックとの間に複数の
接触点を作成する、歯プロファイルで配列される。加えて、ローラはさらに、それらのピニオン板80A/80Bのそれぞれの間に回転可能に搭載されることができ、ローラのそれぞれの端部82は、概して、
図3Bに示されるように、ローラが陥凹59内に受容され、ラック歯57の歯面57A/57Bと噛合するにつれて、ローラ81の回転を可能にするように、それを中心として搭載される軸受も含み得る、略円形開口部または通路83内に受容される。
【0033】
図2にさらに図示されるように、各ピニオンは、概して、モータ制御型ラックアンドピニオン移行制御アセンブリ50の筐体51に回転可能に搭載される、駆動シャフトまたは軸86上に搭載されるであろう。各ピニオンの駆動シャフトまたは軸86はさらに、駆動モータ88の駆動シャフト87に結合または接続されるであろう。各ピニオンはまた、概して、
図2に示されるように、その独自の関連付けられるまたは対応する駆動モータ88に接続または結合されることもでき、例えば、各ピニオンの駆動シャフト86は、ピニオンアダプタ89によって等、その個別のモータ88の駆動シャフト87に結合または接続される。加えて、ギア減速機またはギアボックス/ギアヘッドアセンブリ91が、各駆動モータ88の駆動シャフトに結合されることができ、そのピニオンの駆動シャフトに結合または連結される出力シャフトを有することができ、ピニオンプリローダ92はさらに、各ピニオンアダプタ89とそのギアボックスまたはギアヘッドアセンブリ91の間に搭載される。
【0034】
モータ88は、それらのギアヘッドまたはアセンブリ91およびピニオンプリローダ92とともに、さらに、概して、ローラピニオンに係合しない、または別様にその回転を妨害するような様式で、それらの個別のローラピニオン53の上方に離間されて、モータ駆動型ラックアンドピニオン移行制御アセンブリ50の筐体51の上側部分に沿って支持されるように、モータ搭載板93の上に搭載され、それによって支持されるであろう。モータは、サーボまたはステッピングモータ、例えば、それぞれ、光学エンコーダ、またはピニオンの回転、したがって、そのような回転に応答したラックの進行の程度に関するフィードバックを提供するための他の位置フィードバックセンサを有する、同期可変離間サーボモータを含むことができる。各モータはまた、タフト状であるパターンに従って、糸のタフトの設置のために裏地にわたった所望のステッチ場所または位置の中に、針棒によって運搬される針を移行させるために、裏地材料にわたって横方向の移行運動または移動において、ピニオン53、したがって、針棒によって係合されるにつれて、矢印54/54’の方向へラック52の線形移動を引き起こすように、それらの個別のピニオンの回転を制御するための命令を受容するように、制御システム45に連結されるであろう。
【0035】
加えて、モータ88はさらに、
図4A-5に図示されるように、トルクモータ99を備えることができる。トルクモータ99の使用は、針棒が静止もしくは停止位置のいずれかにあるとき、またはそれを移動させることが反対方向であるときに、針棒および針の質量に起因する初期慣性を克服するために十分である、増加されたトルクを移行動作の開始時等に提供することができる。トルクモータによって提供されるトルクはさらに、停止/制動を制御するように、または実質的に針棒の横断移行移動もしくはサイクルの終わりまたはその近傍において、針棒の横断移動を実質的に減速し、針がそれによって運搬される糸を設置するパターンステッチ場所に対する針の移行の増進された位置正確度を提供することにさらに役立つために、移行動作の間、制御されることができる。
【0036】
モータ制御ラックアンドピニオン移行制御アセンブリ50のラックアンドピニオン機構と併せたトルクモータの使用は、したがって、針棒の移動の開始および停止の実質的に増進された制御を提供することに役立ち、針が、タフティング機によって形成されているパターンに関するパターン命令による要求に応じてステッチまたはタフト場所の間で移行されるにつれて、針の貫通の増加または増進された位置正確度を提供することに役立ち得、さらに、増加された率で、そのような増進された位置正確度を伴って針の移行を可能にすることができる。例えば、タフト状カーペットまたはラグ等のタフト状物品の形成の間、針13(
図1)は、モータ駆動型ラックアンドピニオン移行制御アセンブリ50によって矢印33および33’の方向に移行されることができ、針の移行は、針が裏地材料から引き出されている、またはそれを通過しているときにより近い点で開始され、裏地内でタフト状にされるように針をパターンの次のステッチ場所と整合させるために必要に応じて、所望の数の移行ステップ/ジャンプ(例えば、1つ、2つ、またはそれを上回るステップ)によって、または選択された距離によって横方向に移行もしくは移動されることができ、それらの新しいステッチ場所への針の移動は、実質的に増進された精度を伴って、モータ制御型ラックアンドピニオン移行制御アセンブリによって開始および停止される。形成されているパターンによって要求されるように針をそれらの次のステッチ場所まで側方に移行させるために要求される時間が、短縮される、または実質的に制御されるにつれて、針がそれに対応して裏地内にそのような糸のタフトを形成するように垂直に往復運動されるまたは駆動される率は、形成されているパターンの精度および正確度に有意または実質的に影響を及ぼすことなく、増加されることができる。
【0037】
前述の説明は、概して、本発明の種々の実施形態を図示し、説明する。しかしながら、種々の変更および修正が、本明細書に開示されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の上記で議論される構造に成され得、上記の説明に含有される、または付随する図面に示される全ての事柄は、限定的な意味に捉えられるのではなく、例証的であるものとして解釈されるものとすると意図されることが、当業者によって理解されるであろう。さらに、本開示の範囲は、本発明の範囲内であると見なされるものである、上記で説明される実施形態への上記の種々の修正、組み合わせ、追加、改変等を網羅すると解釈されるものとする。故に、本明細書で議論されるような本発明の種々の特徴および特性は、選択的に交換され、本発明の他の図示されるおよび図示されていない実施形態に適用され得、多数の変形例、修正、および追加がさらに、添付の請求項に記載されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに成されることができる。