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特許7381346フレキシブルパネルの製造方法及び製造装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】フレキシブルパネルの製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20231108BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/00 348Z
H05K3/00 J
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019565495
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 CN2019095185
(87)【国際公開番号】W WO2020019974
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】201810812395.3
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ジャン▼ 志▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】王 研▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 恕▲権▼
(72)【発明者】
【氏名】石 佳凡
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171947(JP,A)
【文献】特開2012-137607(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0233245(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111162203(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルディスプレイパネルの製造方法であって、前記フレキシブルディスプレイパネルは曲げ領域を含み、前記製造方法は、
積層されたフレキシブル基板と、バックフィルムとを備え、前記フレキシブルディスプレイパネルに対応するパネル領域と、前記パネル領域の外に位置する非パネル領域とを含むパネルユニットを提供するステップと、
前記パネルユニットの前記非パネル領域を除去しながら、前記バックフィルムの前記フレキシブルディスプレイパネルの曲げ領域内に位置する剥離部分を剥離するステップと、を含むフレキシブルディスプレイパネルの製造方法。
【請求項2】
前記パネルユニットの前記非パネル領域を除去しながら、前記バックフィルムの前記フレキシブルディスプレイパネルの曲げ領域内に位置する剥離部分を剥離するステップは、
前記フレキシブル基板に対する切断処理を行い、前記フレキシブル基板を、前記非パネル領域に対応する第1基板部分と、前記パネル領域に対応する第2基板部分とに分離するステップと、
前記バックフィルムに対する切断処理を行い、前記バックフィルムを、互いに接続された第1バックフィルム部分と、第2バックフィルム部分とに分離するステップと、を含み、第1バックフィルム部分は、前記非パネル領域に対応する第1サブ部、及び前記バックフィルムの前記曲げ領域に対応する剥離部分である第2サブ部を備える請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記フレキシブル基板は、互いに対向する第1表面と第2表面を備え、前記バックフィルムが前記フレキシブル基板の第1表面に位置しており、前記フレキシブル基板に対する切断処理を行い、前記フレキシブル基板を第1基板部分と第2基板部分とに分離するステップは、
前記パネルユニットを第1処理台に配置し、前記フレキシブル基板の第2表面が前記第1処理台から離れ、前記フレキシブル基板に対する第1切断処理を行い、前記フレキシブル基板を前記第1基板部分と前記第2基板部分とに分離するステップを含む、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記バックフィルムに対する切断処理を行い、前記バックフィルムを第1バックフィルム部分と第2バックフィルム部分とに分離するステップは、
前記パネルユニットを反転して前記パネルユニットを第2処理台に配置し、且つ前記フレキシブル基板の第1表面が前記第2処理台から離れるようにし、前記バックフィルムに対する第2切断処理を行い、前記バックフィルムを前記第1バックフィルム部分と前記第2バックフィルム部分とに分離するステップを含む、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記バックフィルムに対する切断処理を行い、前記バックフィルムを第1バックフィルム部分と第2バックフィルム部分とに分離するステップは、
前記フレキシブル基板に対する第1切断処理を行うと同時に、前記第2サブ部の周辺を除いて、前記第1切断処理の切断経路に沿って前記バックフィルムを切断するステップを含む、請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
前記バックフィルムに対する切断処理を行い、前記バックフィルムを第1バックフィルム部分と第2バックフィルム部分とに分離するステップは、
前記パネルユニットを反転して前記パネルユニットを第2処理台に配置し、且つ前記フレキシブル基板の第1表面が前記第2処理台から離れるようにし、前記第2サブ部の周辺に沿って前記バックフィルムに対する第2切断処理を行い、前記バックフィルムを前記第1バックフィルム部分と前記第2バックフィルム部分とに分離するステップをさらに含む、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記フレキシブル基板の第1表面が前記第2処理台から離れる場合に、前記パネルユニットの前記非パネル領域を除去する、請求項4又は6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記パネルユニットの前記非パネル領域を除去するステップは、
前記第1基板部分を前記第2処理台から分離し、且つ前記第1基板部分を作用点として、前記バックフィルムの第2サブ部を前記フレキシブル基板から剥離するステップを含む、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第1基板部分を前記第2処理台から分離するステップは、
前記第2処理台から前記第1基板部分をピックアップし、前記第1基板部分を前記第2処理台から分離するステップを含む、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記第2処理台から前記第1基板部分をピックアップするステップは、
ブレードを前記第1基板部分と前記第2処理台との間に挿入して、前記第1基板部分を持ち上げるステップを含む、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記第2処理台から前記第1基板部分をピックアップするステップは、
前記第2処理台に設置された支持ロッドが前記第2処理台から突出して前記第1基板部分を持ち上げるステップを含む、請求項9に記載の製造方法。
【請求項12】
前記第1基板部分を前記第2処理台から分離するステップは、
クランプを使用して前記第1基板部分を挟持し、前記第1基板部分を動かして前記バックフィルムの第2サブ部を剥離するステップを含む、請求項9-11のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項13】
前記パネルユニットが第1処理台に配置される場合、前記パネルユニットが真空吸着によって前記第1処理台に固定される、請求項3-12のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項14】
前記パネルユニットの前記非パネル領域に対応する部分を除去することは、カッターホイールで切断する又はレーザーで切断することを含む、請求項1-13のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項15】
請求項1-14のいずれか1項に記載のフレキシブルディスプレイパネルの製造方法を実施するフレキシブルディスプレイパネルの製造装置であって、バックフィルム除去ユニットを備え、
前記バックフィルム除去ユニットは、前記パネルユニットの前記非パネル領域を除去しながら、前記バックフィルムの前記フレキシブルディスプレイパネルの曲げ領域内に位置する剥離部分を剥離するように構成されるフレキシブルディスプレイパネルの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2018年7月23日に提出された中国特許出願第201810812395.3号の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されているすべての内容を本願の一部として援用される。
【0002】
本開示の実施例はフレキシブルパネルの製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0003】
フレキシブル電子技術の発展に伴って、折り畳み特性を持つフレキシブル電子装置は徐々に人気を集まってくる。たとえば、表示装置の狭額縁ひいては無額縁の表示を実現するために、表示装置の非表示領域の曲げ処理を行うことができたり、容易に携帯するために、電子装置の湾曲処理を行ったりすることができる。フレキシブル電子装置の特性は製造プロセス技術に密接に関連しているため、フレキシブル電子のプロセス技術を如何に改善するかは、本分野の注目された問題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例はフレキシブルパネルの製造方法を提供し、前記フレキシブルパネルは曲げ領域を含み、前記製造方法は、積層されたフレキシブル基板と、バックフィルムとを備え、前記フレキシブルパネルに対応するパネル領域と、前記パネル領域外に位置する非パネル領域とを含むパネルユニットを提供するステップと、前記パネルユニットの前記非パネル領域を除去しながら、前記バックフィルムの前記フレキシブルパネルの曲げ領域内に位置する剥離部分を剥離するステップと、を含む。
【0005】
たとえば、前記パネルユニットの前記非パネル領域を除去しながら、前記バックフィルムの前記フレキシブルパネルの曲げ領域内に位置する剥離部分を剥離するステップは、前記フレキシブル基板に対する切断処理を行い、前記フレキシブル基板を、前記非パネル領域に対応する第1基板部分と、前記パネル領域に対応する第2基板部分とに分離するステップと、前記バックフィルムに対する切断処理を行い、前記バックフィルムを、互いに接続された、第1バックフィルム部分と、第2バックフィルム部分とに分離するステップと、を含み、第1バックフィルム部分は、前記非パネル領域に対応する第1サブ部、及び前記バックフィルムの前記曲げ領域に対応する剥離部分である第2サブ部を備える。
【0006】
たとえば、前記フレキシブル基板は、互いに対向する第1表面と第2表面を備え、前記バックフィルムが前記フレキシブル基板の第1表面に位置しており、前記フレキシブル基板に対する切断処理を行い、前記フレキシブル基板を第1基板部分と第2基板部分とに分離するステップは、前記パネルユニットを第1処理台に配置し、前記フレキシブル基板の第2表面が前記第1処理台から離れ、前記フレキシブル基板に対する第1切断処理を行い、前記フレキシブル基板を前記第1基板部分と前記第2基板部分とに分離するステップを含む。
【0007】
たとえば、前記バックフィルムに対する切断処理を行い、前記バックフィルムを第1バックフィルム部分と第2バックフィルム部分とに分離するステップは、前記パネルユニットを反転して前記パネルユニットを第2処理台に配置し、且つ前記フレキシブル基板の第1表面が前記第2処理台から離れるようにし、前記バックフィルムに対する第2切断処理を行い、前記バックフィルムを前記第1バックフィルム部分と前記第2バックフィルム部分とに分離するステップを含む。
【0008】
たとえば、前記バックフィルムに対する切断処理を行い、前記バックフィルムを第1バックフィルム部分と第2バックフィルム部分とに分離するステップは、前記フレキシブル基板に対する第1切断処理を行うと同時に、前記第2サブ部の周辺以外、さらに前記第1切断処理の切断経路に沿って前記バックフィルムを切断するステップを含む。
【0009】
たとえば、前記バックフィルムに対する切断処理を行い、前記バックフィルムを第1バックフィルム部分と第2バックフィルム部分とに分離するステップは、前記パネルユニットを反転して前記パネルユニットを第2処理台に配置し、且つ前記フレキシブル基板の第1表面が前記第2処理台から離れるようにし、前記第2サブ部の周辺に沿って前記バックフィルムに対する第2切断処理を行い、前記バックフィルムを前記第1バックフィルム部分と前記第2バックフィルム部分とに分離するステップをさらに含む。
【0010】
たとえば、前記フレキシブル基板の第1表面が前記第2処理台から離れる場合に、前記パネルユニットの前記非パネル領域を除去する。
【0011】
たとえば、前記パネルユニットの前記非パネル領域を除去するステップは、前記第1基板部分を前記第2処理台から分離し、且つ前記第1基板部分を作用点として、前記バックフィルムの第2サブ部を前記フレキシブル基板から剥離するステップを含む。
【0012】
たとえば、前記第1基板部分を前記第2処理台から分離するステップは、前記第2処理台から前記第1基板部分をピックアップし、前記第1基板部分を前記第2処理台から分離するステップを含む。
【0013】
たとえば、前記第2処理台から前記第1基板部分をピックアップするステップは、ブレードを前記第1基板部分と前記第2処理台との間に挿入して、前記第1基板部分を持ち上げるステップを含む。
【0014】
たとえば、前記第2処理台から前記第1基板部分をピックアップするステップは、前記第2処理台に設置された支持ロッドが前記第2処理台から突出して前記第1基板部分を持ち上げるステップを含む。
【0015】
たとえば、前記第1基板部分を前記第2処理台から分離するステップは、クランプを使用して前記第1基板部分を挟持し、前記第1基板部分を動かして前記バックフィルムの第2サブ部を剥離するステップをさらに含む。
【0016】
たとえば、前記パネルユニットは真空吸着によって前記第1処理台及び前記第2処理台に固定される。
【0017】
たとえば、前記パネルユニットの前記非パネル領域に対応する部分を除去することは、カッターホイールで切断する又はレーザーで切断することを含む。
【0018】
本開示の実施例は、上記フレキシブルパネルの製造方法を実施するフレキシブルパネルの製造装置をさらに提供し、この製造装置は、バックフィルム除去ユニットを備え、前記バックフィルム除去ユニットは、前記パネルユニットの前記非パネル領域を除去しながら、前記バックフィルムの前記フレキシブルパネルの曲げ領域内に位置する剥離部分を剥離するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下では実施例の図面を簡単に説明する。以下に記述される図面は単に本開示のいくつかの実施例に関し、本開示を限定するものではないことは明らかである。
図1A図1Aはフレキシブルパネルの斜視図である。
図1B図1Bはフレキシブルパネルの断面図である。
図2A図2Aはフレキシブルパネルの平面構造模式図である。
図2B図2Bはフレキシブルパネルの平面構造模式図である。
図3A図3Aはそれぞれフレキシブルパネルにおけるフレキシブル基板とバックフィルムの平面模式図である。
図3B図3Bはそれぞれフレキシブルパネルにおけるフレキシブル基板とバックフィルムの平面模式図である。
図4図4は本開示の一実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法のフローチャートである。
図5A図5Aは本開示の一実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法の切断経路を示す。
図5B図5Bは本開示の一実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法の切断経路を示す。
図6図6は本開示の別の実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法のフローチャートである。
図7A図7Aは本開示の別の実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法の切断経路を示す。
図7B図7Bは本開示の別の実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法の切断経路を示す。
図7C図7Cは本開示の別の実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法の切断経路を示す。
図8図8は本開示の実施例に係る切断方法におけるパネルユニットの移動軌跡を示す。
図9A図9Aは本開示の実施例に係るパネルユニットの断面図を示す。
図9B図9Bは本開示の実施例に係るパネルユニットの断面図を示す。
図10A図10Aは本開示の一実施例に係る第1基板部分をピックアップする方法を示す。
図10B図10Bは本開示の一実施例に係る第1基板部分をピックアップする方法を示す。
図11A図11Aは本開示の別の実施例に係る第1基板部分をピックアップする方法を示す。
図11B図11Bは本開示の別の実施例に係る第1基板部分をピックアップする方法を示す。
図12図12は本実施例に係るフレキシブルパネルの製造装置の機能ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下では本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明瞭で、完全に説明する。勿論、説明される実施例は本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに得られる全ての他の実施例は、本開示の保護範囲に属する。
【0021】
特に定義しない限り、本開示で使用されている技術用語又は科学用語は当業者が理解できる通常の意味を有する。本開示で使用されている「第1」、「第2」及び類似する用語は、順序、数量又は重要性を示すものではなく、単に異なる構成要素を区別するためのものである。同様に、「1つ」、「一」又は「該」等の類似する用語は、数量を限定するものではなく、少なくとも1つが存在することを意味する。「備える」や「含む」等、他類似する用語は、「備える」又は「含む」の前に記載される要素又は部材が、「備える」又は「含む」の後に挙げられる要素又は部材及びそれらと同等のものをカバーし、他の要素又は部材を排除しないことを意味する。「接続」や、「連結」等、ほか類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接的又は間接的接続にかかわらず、電気的接続も含む。「上」、「下」等は、単に相対的な位置関係を示すために用いられ、説明される対象の絶対位置が変化すると、該相対的な位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0022】
図1Aに示すように、ディスプレイパネルの狭額縁表示効果を実現するために、ディスプレイパネルの少なくとも一部の非表示領域(NDA)、例えば、ボンディングパッド(Bonding Pad、BP)領域を、ディスプレイパネルの背面(すなわち表示側の反対側)に曲げることができる。従って、ディスプレイパネルの表示領域DAとボンディングパッド領域BPとの間に曲げ領域(BA)を形成し、該曲げ領域は表示領域とボンディングパッド領域を接続し、且つ表示領域と同じ水平面に位置しない。この場合に、フレキシブル基板120の背面に設置されたバックフィルム110が、該曲げ領域BAにおいて非常に大きな曲率で曲げられなければならない。つまり、該曲げ領域が曲面である。これにより、該バックフィルムの厚さについて制限する必要があるだけでなく、該バックフィルムの高い耐屈曲性も求めている。そのため、通常、該バックフィルムの該曲げ領域に位置する部分を除去して、図1Bに示されるフレキシブルパネルの構造を形成し、曲げ応力による該バックフィルムへの影響を減少すると同時に、該バックフィルムの該ボンディングパッド領域に位置する部分が該ディスプレイパネルの背面とより良好に密着することに役に立つ。該バックフィルムの曲げ領域に位置する部分が狭いため、除去するときに高い位置合わせ精度が必要である。現在、該部分のバックフィルムの除去方法は、先ずバックフィルムをパターニングし、次にフレキシブル基板と密着すること、又は先ず密着し、次に高エネルギーのレーザーで該部分のバックフィルムを焼灼して除去することを含む。しかしながら、前者の方法において密着の精度に限りがあり、後者の方法でのレーザーエネルギーが高く、該部分のバックフィルムに対応するディスプレイパネルのデバイス構造に損傷をもたらしやすい。
【0023】
ディスプレイパネルの製造過程において、生産効率を向上させて、生産コストを低減させるために、通常、一枚の基板に複数のパネルユニットを同時に形成し、次に複数の独立したパネルユニットに切断して分離する。各パネルユニットは、ディスプレイパネルに対応するパネル領域と、パネル領域以外の非パネル領域とを含み、最終的にディスプレイパネルを形成するように、再切断によりパネルユニットの非パネル領域を除去する必要がある。非パネル領域は、たとえばディスプレイパネルの検出領域を含み、該検出領域には、たとえば、ディスプレイパネルを形成する前にディスプレイパネルを検出するために用いられる検出回路(たとえば接触パッド)及びデバイス(たとえば静電リング等)が形成される。
【0024】
本開示の実施例はフレキシブルパネルの製造方法を提供し、この製造方法は、パネルユニットを提供するステップと、該パネルユニットの非パネル領域を除去しながら、バックフィルムの該フレキシブルパネルの曲げ領域内に位置する剥離部分を剥離するステップとを含む。
【0025】
本開示の実施例に係るフレキシブルパネルの製造方法は、該バックフィルムの曲げ領域内に位置する剥離部分が、該バックフィルムの該パネルユニットの非パネル領域に位置する部分と隣接し、パネルユニットを処理してその非パネル領域を除去しながら該バックフィルムの剥離部分を剥離することにより、形状が狭くて小さいため該剥離部分自体を正確に剥離することが困難であるという問題を克服し、バックフィルム剥離のプロセスステップを追加することが不要であり、プロセスコストを節約し、効率を向上させて、収率を増加する。
【0026】
図2Aは本開示の実施例に係るフレキシブルパネルを形成するためのパネルユニットの平面構造模式図である。たとえば、該パネルユニットは図1Bに示されるフレキシブルパネル200を形成するために用いられる。図2Aに示すように、パネルユニット100は、点線枠内のパネル領域101と、点線枠の外に位置する非パネル領域102とを含む。パネル領域101は、形成しようとするフレキシブルパネル200に対応し、すなわち、パネル領域101はフレキシブルパネル200が位置する領域である。
【0027】
図1Bを併せて参照すると、パネルユニット100は、積層設置されたフレキシブル基板120と、バックフィルム110とを備え、フレキシブル基板120は、互いに対向する第1表面123と第2表面124とを備え、バックフィルム110が第1表面123に設置される。第2表面124が表示側表面であり、対応して第1表面123が背面側表面である。たとえば、フレキシブル基板120は、フレキシブルベース基板と、フレキシブルベース基板に設置される表示構造(図示せず)とを備え、表示構造は、表示機能を実現するための画素配列構造を備える。たとえば、該ディスプレイパネルは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイパネルであり、該画素配列構造は、複数のゲートライン、複数のデータライン及びこれらのゲートライン、データラインにより駆動された複数の画素ユニットを備える。各画素ユニットは有機発光ダイオード及び該有機発光ダイオードを駆動して発光させる画素回路を備える。該画素回路は、たとえば、一般的な2T1C回路又は3T1C回路及びそれらに基づいた補償機能を有する画素回路等を含む様々な種類の画素回路であり、ここで詳しく説明しない。
【0028】
たとえば、該ベース基板は有機フレキシブル材、たとえば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等である。
【0029】
たとえば、バックフィルム110の材料は有機フレキシブル材、たとえば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド又はポリアクリレート等である。
【0030】
たとえば、フレキシブル基板120は、タッチ機能を実現するためのタッチ構造等(図示せず)を備えてもよい。該タッチ構造は、たとえば、相互容量型タッチパネル又は自己容量型タッチ構造である。該タッチ構造は、たとえば、該表示構造に積層設置された外付け式構造であり、または該ディスプレイパネルに一体化した内蔵式構造であってもよく、ここで詳しく説明しない。
【0031】
図2Bはパネル領域内の具体的なレイアウトを示す。たとえば、図2Bに示すように、パネル領域101内に、フレキシブルパネル200は、表示領域DAとボンディングパッド領域BPをさらに含む。ディスプレイパネルの画素配列構造が表示領域DA内に設置され、ボンディングパッド領域BPが表示領域DA外に位置する。ボンディングパッド領域BPでは、外部素子(たとえば駆動チップ)とバインディング(Bonding)して、表示領域の画素配列構造に各種の信号、たとえば電源電圧信号、タイミング信号等を提供するためのボンディングパッド電極(図示せず)が設置される。表示領域DA中の画素配列構造はファンアウトライン210を介してボンディングパッド電極に接続され、画素配列構造とボンディングパッド電極との間の信号伝送を実現する。図示において該ファンアウトラインのファンアウト(fan-out)領域に位置する部分を示している。曲げ領域BAは表示領域DAとボンディングパッド領域BPとの間に位置し、曲げ領域BAを曲げることにより、ボンディングパッド領域BPをフレキシブルパネル200の背面に曲げて狭額縁表示を実現することができる。たとえば、曲げ領域BAは該ファンアウト領域とボンディングパッド領域BPとの間に位置して、両者を分離する。
【0032】
図3A及び3Bはそれぞれパネルユニット100におけるフレキシブル基板120とバックフィルム110の平面模式図を示す。たとえば、初期のパネルユニット100では、フレキシブル基板120とバックフィルム110は同じパターンを有する。図3A及び図3Bを併せて参照すると、フレキシブル基板120は、パネルユニット100の非パネル領域102に対応する第1基板部分121と、パネル領域101に対応する第2基板部分122とを備え、すなわち、第1基板部分121及び第2基板部分122はそれぞれ、非パネル領域102及びパネル領域101に位置するフレキシブル基板120の部分である。バックフィルム110は、第1バックフィルム部分111と第2バックフィルム部分112とを備える。第1バックフィルム部分111は非パネル領域102に対応する第1サブ部113と、曲げ領域BAに対応する第2サブ部114とを備える。すなわち、第1サブ部113及び第2サブ部114はそれぞれ、非パネル領域102及び曲げ領域BAに位置するバックフィルム110の部分であり、第2サブ部114はバックフィルム110の曲げ領域BA内に位置する剥離部分である。第2バックフィルム部分112は、パネル領域101の曲げ領域BA以外の領域に対応する。すなわち、第2バックフィルム部分112は、バックフィルム110のパネル領域101内に位置して曲げ領域BAを除く部分であり、曲げ領域BAによって分離された2つの部分を備える。たとえば、第1バックフィルム部分111の第1サブ部113が第1基板部分121と同じパターンを有し、該第1サブ部113が該第1基板部分121とフレキシブル基板120の基板面に直交する方向において重なる。
【0033】
パネルユニット100を処理してフレキシブルパネル200を得るとき、該パネルユニットの非パネル領域部分、すなわち、第1基板部分121及び第1バックフィルム部分111の第1サブ部113を除去する必要がある。
【0034】
本開示の実施例に係るフレキシブルパネルの製造方法では、該パネルユニットの非パネル領域部分を除去しながら、バックフィルム110の曲げ領域BA内に位置する剥離部分、すなわち第2サブ部114を剥離する。
【0035】
本開示の実施例では、該フレキシブルパネルの製造方法は主に2つのステップを含む。
【0036】
(1)該パネルユニットに対する切断処理を行い、該フレキシブルパネルのフレキシブル基板120を第1基板部分121と第2基板部分122とに分離し、バックフィルム110を第1バックフィルム部分111と第2バックフィルム部分112とに分離する。
【0037】
(2)次に該パネルユニットの非パネル領域102を除去しながら、該バックフィルムの第2サブ部114を剥離する。
【0038】
図3Bに示すように、バックフィルム110の第2サブ部114が非パネル領域102に位置する第1サブ部113と互いに接続されて、一体化になるため、該パネルユニットの非パネル領域102を除去すると同時に、バックフィルム110の第1サブ部113を引くと該第2サブ部114を剥離することができる。たとえば、上記切断処理により、バックフィルム110の第2サブ部114をバックフィルム110のパネル領域101に位置する他の部分と分離して且つ該バックフィルムの非パネル領域102に位置する部分との接続を維持し、それにより、該バックフィルムの非パネル領域部分を除去しながら該第2サブ部114を剥離する。従って、パネルユニットを切断すると同時に、バックフィルムのパターニングをさらに実現する。これは、形状が狭くて小さいため該第2サブ部自体を正確に剥離することが困難であるという問題を克服することができるだけでなく、バックフィルム剥離のプロセスステップを追加することが不要であり、プロセスコストを節約する。
【0039】
以下、それぞれ異なる実施例でこの2つのステップの実現方法を例示的に説明する。
【0040】
図4は本開示の一実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法のフローチャートを示し、図5A-5Bは該切断方法におけるパネルユニットを切断する切断経路を示す。図4に示すように、該製造方法は少なくともステップS41とステップS42とを含む。
【0041】
ステップS41:パネルユニット100を第1処理台301に配置し、フレキシブル基板120の第2表面124が該第1処理台から離れ、フレキシブル基板120に対する第1切断処理を行い、フレキシブル基板120を第1基板部分121と第2基板部分122とに分離する。
【0042】
図5Aはこのステップにおけるパネルユニット100の切断経路(図中の点線で示される)と切断深さ(図中のノッチで示される)を示す。該切断深さはフレキシブル基板120のみを貫通し、すなわち、バックフィルム110の表面まで切断する。該ステップでは、フレキシブル基板120の第2表面124が該第1処理台301の台面(支持面)から離れ、図に示すように、フレキシブル基板120の第2表面124(表示側表面)を前面とすると、このときフレキシブル基板120は第1処理台301に対して正方向に配置される。
【0043】
ステップS42:パネルユニットを反転してフレキシブル基板120を第2処理台302に配置し、フレキシブル基板120の第1表面123が第2処理台302から離れるようにし、バックフィルム110に対する第2切断処理を行い、バックフィルム110を第1バックフィルム部分111と第2バックフィルム部分112とに分離する。
【0044】
図5Bはこのステップにおけるパネルユニット100の切断経路(図中の点線で示される)と切断深さ(図中のノッチで示される)を示す。該切断深さはバックフィルム110のみを貫通し、すなわち、フレキシブル基板120の表面まで切断する。該ステップでは、フレキシブル基板120の第1表面123が該第2処理台302の台面(支持面)から離れ、従ってフレキシブル基板120は第2処理台302に対して逆方向に配置される。
【0045】
フレキシブル基板120が正方向に配置される場合に行われた第1切断処理の切断経路は、フレキシブル基板120が逆方向に配置される場合に行われた第2切断処理の切断経路と部分的に重なり、これらの経路が重なる部分では、二回の切断のノッチが互いに貫通し、パネルユニットはこれらの重なり部分で貫通して切断され、それによりパネルユニットが分離される。
【0046】
本実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法は、二回の切断ステップでそれぞれフレキシブル基板120とバックフィルム110に対して切断処理を行い、フレキシブル基板120を第1基板部分121と第2基板部分122とに分離し、バックフィルム110を第1バックフィルム部分111と第2バックフィルム部分112とに分離する。
【0047】
図6は本開示の別の実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法のフローチャートを示し、図7A-7Cは切断ステップでのパネルユニットを切断する切断経路を示す。図に示すように、該製造方法は少なくともステップS61とステップS62とを含む。
【0048】
ステップS61:パネルユニット100を第1処理台に配置し、フレキシブル基板120の第2表面124が該第1処理台から離れ、フレキシブル基板120に対する第1切断処理を行い、フレキシブル基板120を第1基板部分121と第2基板部分122とに分離し、同時に、第2サブ部114の周辺を除いて、該第1切断処理の切断経路に沿ってバックフィルム110の切断処理を行う。
【0049】
このステップでは、フレキシブル基板120とバックフィルム110をいずれも切断する。このときフレキシブル基板120が第1処理台に対して正方向に配置される。図7A及び図7Bはそれぞれ、このステップでのフレキシブル基板120とバックフィルム110の切断経路(図中の点線で示される)を示す。このステップでは、フレキシブル基板120に対する切断処理がバックフィルム110に対する切断処理と重なる切断経路を有し、該重なる切断経路で、該パネルユニット100に対する切断深さはフレキシブル基板120とバックフィルム110を貫通し、すなわち、パネルユニットに対して貫通切断処理を行うことが分かった。しかしながら、該重なる切断経路以外の部分では、該パネルユニットの切断深さがフレキシブル基板120のみを貫通し、すなわち、パネルユニットを部分的に切断する。
【0050】
ステップS62:パネルユニット100を反転してフレキシブル基板120を第2処理台に配置し、且つフレキシブル基板120の第1表面123が第2処理台から離れるようにし、第2サブ部114の周辺に沿ってバックフィルム110に対する第2切断処理を行い、バックフィルム110を第1バックフィルム部分111と第2バックフィルム部分112とに分離する。
【0051】
該ステップでは、フレキシブル基板120が第2処理台に対して逆方向に配置される。図7Cではこのステップにおけるバックフィルム110の切断経路を示す。図7Cの点線で示すように、該切断経路は、第2サブ部114の第2バックフィルム部分112に接続された2つの辺であり、バックフィルム110のみを貫通する。該第2切断処理における切断経路は図7Bに示される第1切断処理でのバックフィルム110の切断経路に接続されて、図5Bに示される切断経路を形成する。従って、バックフィルム110が切断ステップS61及びS62によって、第1バックフィルム部分111と第2バックフィルム部分112とに分離される。
【0052】
本実施例に係るフレキシブルパネルの切断方法は、フレキシブル基板120の切断経路とバックフィルム110の切断経路との重なる部分について、一回の切断ステップ(たとえばフレキシブル基板の切断ステップ)で行われ、これは、該重なる部分の切断経路を通過する際に、フレキシブル基板120及びバックフィルム110を貫通するように切断深さを調節する必要がある。勿論、該重なる部分の切断経路がバックフィルム110の切断ステップで併せて実行されてもよく、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0053】
本開示の実施例は具体的な切断方法を限定しない。たとえば、レーザー切断及びカッターホイール切断によって上記切断処理を実現することができ、各種の適切なレーザー切断装置及びカッターホイール切断装置を使用することができる。レーザー切断装置はレーザー発生器を使用して高出力密度のレーザービームを出力して切断対象材を照射し、切断対象材が急速に気化温度まで加熱されるようにし、且つ蒸発して孔を形成し、レーザービームの移動に伴って、切断対象材に対する切断を行う。カッターホイール切断装置はカッターホイールを備え、カッターホイールはその外周に沿って切断エッジを有する円盤状部材であり、切断過程に駆動されて高速回転することができる。たとえば、切断エッジがダイヤモンド材料である。たとえば、レーザーで切断する場合、レーザー装置により出力されたレーザービームのエネルギーを調節することにより深さの異なる切断経路を実現し、カッターホイールで切断する場合、カッターホイールの高さを調節することにより深さの異なる切断経路を実現する。
【0054】
たとえば、図8は該切断方法における該パネルユニットの移動軌跡を示す。図に示すように、該パネルユニットは真空吸着によって第1処理台301及び第2処理台302に固定される。第1処理台301は反転機能を有する。該第1切断処理が完了した後、第1処理台301が反転し、該パネルユニットを第2処理台302に配置し、その後第2処理台302は、パネルユニットの吸着により、該パネルユニットをフレキシブル基板120の第2表面124を介して第2処理台302に吸着する。
【0055】
図9A及び9Bはそれぞれ上記切断後のパネルユニットの平面図及びA-A’方向の断面図を示す。図に示すように、パネルユニット100が第2処理台302に配置されて、フレキシブル基板120の第1表面123が第2処理台302から離れ、逆方向に配置される状態である。上記切断後、フレキシブル基板120が第1基板部分121と第2基板部分122とに分離され、バックフィルム110が第1バックフィルム部分111と第2バックフィルム部分112とに分離される。次に、該フレキシブルパネルの非パネル領域を除去しながら、該バックフィルムの第2サブ部114を剥離する必要があり、それにより、該バックフィルムの曲げ領域BA内に位置する剥離部分を剥離する。
【0056】
たとえば、第1基板部分121を第2処理台302から分離し、且つ第1基板部分121を作用点として、パネルユニット100の非パネル領域を除去し、且つバックフィルム110の第2サブ部114を前記フレキシブル基板から剥離する。
【0057】
たとえば、第2処理台302から第1基板部分121をピックアップして、第1基板部分121を第2処理台302から分離する。
【0058】
本開示の実施例は第1基板部分をピックアップする方法を限定しない。図10A-10Bは該第1基板部分をピックアップするための例示的な方法を示す。図10Aに示すように、ブレード303を第1基板部分121と第2処理台302との間に挿入し、第1基板部分121を持ち上げる。たとえば、パネルユニット100は真空吸着によって第2処理台302に固定され、非常に薄いブレード303をエッジ部分から第1基板部分121と第2処理台302との間に挿入して、該第1基板部分と該第2処理台との間の真空吸着を破壊し、それにより、該第1基板部分を容易に持ち上げる。通常、エッジ部分には真空吸着がなく又は真空吸着力が小さい。
【0059】
次に、図10Bに示すように、クランプ304を使用して該第1基板部分の一端を挟持し、該第1基板部分を動かしてバックフィルム110の第2サブ部114を剥離する。別の例では、クランプ304の代わりに真空吸着ピックアップヘッドを使用してもよく、該真空吸着ピックアップヘッドは、第1基板部分121の一端に対応する第1バックフィルム部分111の表面に吸着し、且つその印加する吸着力が第2処理台302の第1基板部分121に対する吸着力より大きく、それにより第1基板部分121をピックアップすることができる。
【0060】
図11Aは該第1基板部分をピックアップする別の例示的な方法を示す。図に示すように、第2処理台302にパネルユニット100の非パネル領域102に対応して支持ロッド305が設置され、すなわち、該支持ロッド305が第1基板部分121に対応する。該支持ロッド305は、該第2処理台302に対して該第2処理台の台面に直交する方向に移動可能である。たとえば、スクリュー、気圧、油圧等の方式で支持ロッド305を駆動することができる。該第1基板部分をピックアップするとき、該支持ロッド305が該第2処理台302から突出するように移動して第1基板部分121を持ち上げる。支持ロッドは、処理台の内部に設置されて、処理台内に設置される駆動機構によって駆動されてもよく、処理台を貫通する貫通孔により供給され、処理台の外部に設置される駆動機構によって駆動されてもよい。
【0061】
たとえば、第2処理台302には、パネルユニット100のパネル領域101及び非パネル領域102に対応してそれぞれ独立した真空吸着空気流路を設置することができる。図11Bに示すように、第2処理台302にはパネルユニット100のパネル領域101及び非パネル領域102に対応してそれぞれ第1真空空気流路306及び第2真空空気流路307が設置される。切断処理を行うとき、第1真空空気流路306と第2真空空気流路307をすべて開放し、それによりパネルユニット100の全領域を第2処理台302に吸着し、パネルユニット100の平坦性を確保して切断を容易にする。分離処理を行うとき、第1真空空気流路306を開放し、第2真空空気流路307を閉じ、それによりパネルユニット100の非パネル領域102を該第2処理台から分離することを容易にする。
【0062】
本開示の実施例は上記フレキシブルパネルの製造方法を実施するためのフレキシブルパネルの製造装置をさらに提供する。該製造装置はバックフィルム除去ユニットを備え、該バックフィルム除去ユニットは、パネルユニット100の非パネル領域102を除去しながら、バックフィルム110のフレキシブルパネル200の曲げ領域BA内に位置する剥離部分、すなわち、バックフィルム110の第2サブ部114を剥離するように構成される。
【0063】
図12は本実施例に係るフレキシブルパネルの製造装置の機能ブロック図を示す。たとえば、該製造装置400は、バックフィルム除去ユニット404を備えるほか、切断ユニット401、第1搬送ユニット402、第1処理台301、第2処理台302、バックフィルム廃棄ユニット405、及び第2搬送ユニット406をさらに備え、搬送機能、切断機能、反転機能及びバックフィルム除去機能等の様々な機能を集積している。たとえば、該バックフィルム除去ユニット404は該第2処理台302に集積されている。
【0064】
たとえば、第1搬送ユニット402と第2搬送ユニット406は、たとえば、コンベア、マニピュレータ等の様々な適切な形態を使用することができる。切断ユニット401は、レーザー切断部又はカッターホイール切断部であり得る切断部を備える適切な形態を使用することができ、切断ユニット401は、必要に応じて所定の経路に沿って切断部を移動するための駆動機構等をさらに備えてもよい。該第1処理台301は、台面及び吸着装置を備える以外、切断対象であるパネルユニットを反転するための反転機能を有する反転ユニット403を集積してもよく、該反転ユニット403は、たとえば、台面を180度反転することができるマニピュレータを備える。該第2処理台302は、台面及び吸着装置を備え、且つパネルユニットの非パネル領域を除去するためのバックフィルム除去機能を有するバックフィルム除去ユニット404が集積されている。該バックフィルム除去ユニット404は、上記ブレード又は支持ロッドを備え、クランプ又は真空吸着ヘッド等をさらに備え、さらに、除去されたパネルユニットの非パネル領域を収容するための容器を備えてもよい。
【0065】
たとえば、該製造装置400の動作過程は以下を含んでもよい。パネルユニットの入り口から切断対象であるパネルユニットを入れて第1搬送ユニット402によって該パネルユニットを第1処理台301に搬送し、第1処理台301で該パネルユニットを吸着して固定した後、切断ユニット401を使用して該パネルユニットに対する第1切断処理を行う。次に反転ユニット403を使用して該パネルユニットを反転し、第2処理台302に配置し、第2処理台302で該パネルユニットを吸着して固定し、たとえば、レーザー切断部又はカッターホイール切断部を使用して該パネルユニットに対する第2切断処理を行う。続いて、バックフィルム除去ユニット404を使用して該パネルユニットの非パネル領域を除去しながら、バックフィルムの曲げ領域内に位置する剥離部分(たとえば上記実施例における第2サブ部)を剥離し、該除去された部分をバックフィルム廃棄ユニット405に送って回収処理を行う。最終的に、第2搬送ユニット406を利用して該パネルユニットをパネルユニット出口に送る。
【0066】
たとえば、該製造装置400は、制御装置(図示せず)をさらに備え、たとえば、該制御装置はプロセッサ及びメモリを備えてもよく、該プロセッサはたとえば中央処理装置(CPU)又はデータ処理能力及び/又は指令実行能力を有する他の形式の処理ユニットであり、たとえば、該プロセッサが、汎用プロセッサとして実装でき、シングルチップマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、専用画像処理チップ、又はフィールドプログラマブルロジックアレイ等であってもよい。メモリは、たとえば、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含むことができ、たとえば、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、フラッシュメモリ等を含むことができる。対応して、該メモリは1つ又は複数のコンピュータプログラム製品として実装でき、前記コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータプログラム指令を格納できる様々な形式のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むことができる。プロセッサは、前記プログラム指令を実行して、本発明の実施例における制御装置の機能及び/又は他の所望の機能を実現することができる。たとえば、該制御装置は、第1搬送ユニット402と第2搬送ユニット406の移動を制御し、切断ユニット401によるたとえば、上記第1切断処理及び第2切断処理の実行を制御し、第1処理台301の反転を制御し、バックフィルム除去ユニット404の移動を制御する等である。
【0067】
以上は本発明の例示的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではなく、本発明の保護範囲が添付の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0068】
100 パネルユニット
101 パネル領域
102 非パネル領域
110 バックフィルム
111 第1バックフィルム部分
112 第2バックフィルム部分
113 第1サブ部
114 第2サブ部
120 フレキシブル基板
121 第1基板部分
122 第2基板部分
123 第1表面
124 第2表面
200 フレキシブルパネル
210 ファンアウトライン
301 第1処理台
302 第2処理台
303 ブレード
304 クランプ
305 支持ロッド
306 第1真空空気流路
307 第2真空空気流路
400 製造装置
401 切断ユニット
402 第1搬送ユニット
403 反転ユニット
404 バックフィルム除去ユニット
405 バックフィルム廃棄ユニット
406 第2搬送ユニット
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12