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  • 特許-せん断力計 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】せん断力計
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/12 20060101AFI20231108BHJP
   E21D 9/093 20060101ALI20231108BHJP
   E21D 9/087 20060101ALN20231108BHJP
【FI】
E21D9/12 Z
E21D9/093 E
E21D9/087 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020021465
(22)【出願日】2020-02-12
(65)【公開番号】P2021127578
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】303057365
【氏名又は名称】株式会社安藤・間
(73)【特許権者】
【識別番号】391005950
【氏名又は名称】株式会社東横エルメス
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】粥川 幸司
(72)【発明者】
【氏名】岡本 會里
(72)【発明者】
【氏名】小林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敦
(72)【発明者】
【氏名】樋川 健次
(72)【発明者】
【氏名】高野 晶平
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-162945(JP,A)
【文献】特開2017-101436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 1/00-9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に開口を有する略筒状のケースと、前記ケースの開口面内に配置され、せん断力を受ける受圧部と、前記ケース内に設置されて前記受圧部を支持し、前記受圧部が前記せん断力を受けて前記受圧部を前記ケースの開口面内で揺動可能に歪み変形して、前記せん断力による歪み量を電気抵抗の変化として検出する感度部とを備え、土砂その他の流体からせん断力を受ける機械・器具又は構造物に設置され、前記流体から受けるせん断力を測定するせん断力計において、
前記感度部は、円筒形の起歪体が周方向に等間隔に軸方向に延びる一定のスリットを形成され、同じ大きさ、形状の複数の板状に分割されて円筒状に配列され、前記受圧部で受ける前記せん断力のせん断方向に応じて歪み変形する複数のせん断方向別感度部からなる感度部本体と、前記感度部本体の前記各せん断方向別感度部の歪みの発生位置にそれぞれ、前記受圧部で受ける前記せん断力を測定する複数のせん断力測定用歪みゲージとを備え、
前記感度部により前記受圧部で受ける土砂その他の流体によるせん断力の方向と大きさを測定する、
ことを特徴とするせん断力計。
【請求項2】
感度部本体は偶数のせん断方向別感度部からなり、相互に対向される各せん断方向別感度部を対にして、受圧部で受けるせん断力の方向と大きさを測定する請求項1に記載のせん断力計。
【請求項3】
先端に開口を有する略筒状のケースと、前記ケースの開口面内に配置され、圧力及びせん断力を受ける受圧部と、前記ケース内に設置されて前記受圧部を支持し、前記受圧部で前記圧力を受けて進退可能に歪み変形し、かつ前記受圧部が前記せん断力を受けて前記受圧部を前記ケースの開口面内で揺動可能に歪み変形して、前記圧力による歪み量及び前記せん断力による歪み量を電気抵抗の変化として検出する感度部とを備え、土砂その他の流体から土水圧力及びせん断力を受ける機械・器具又は構造物に設置され、前記流体から受ける土水圧力及びせん断力を測定するせん断力計において、
前記感度部は、円筒形の起歪体の基端側に当該円筒形の状態で形成され、前記受圧部で受ける前記圧力に応じて歪み変形する圧力感度部、及び前記円筒形の起歪体の先端側が周方向に等間隔に軸方向に延びる一定のスリットを形成され、同じ大きさ、形状の複数の板状に分割されて円筒状に配列され、前記受圧部で受ける前記せん断力のせん断方向に応じて歪み変形する複数のせん断方向別感度部を有する感度部本体と、前記感度部本体の前記圧力感度部の歪みの発生位置及び前記各せん断方向別感度部の歪みの発生位置にそれぞれ、前記受圧部で受ける前記圧力を測定する複数の圧力測定用歪みゲージ及び前記受圧部で受ける前記せん断力を測定する複数のせん断力測定用歪みゲージとを備え、
前記感度部により前記受圧部で受ける土砂その他の流体による土水圧力とせん断力の方向及び大きさを測定する、
ことを特徴とするせん断力計。
【請求項4】
感度部本体は偶数のせん断力感度部を有し、相互に対向される各せん断力感度部を対にして、受圧部で受けるせん断力の方向と大きさを測定する請求項に記載のせん断力計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土砂その他の流体からせん断力を受ける機械・器具又は構造物に設置され、土砂その他の流体から受けるせん断力を測定するせん断力計に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明者らは、各種のシールド工法に使用する各種のシールド掘進機や各種の推進工法に使用する各種の推進機のカッターヘッドの面盤(チャンバー側の面、地山側の面)、カッタースポーク(チャンバー側の面、地山側の面、側面)、チャンバーのバルクヘッド(隔壁)、バルクヘッドに配設されるスクリューコンベア、カッターヘッドの背面に配設される撹拌翼やバルクヘッドに配設される固定翼などに設置され、カッターヘッドを回転し地山を掘削するときの地山とカッターヘッドとの間の土水圧力、せん断力の測定、地山を掘削する間の掘削土砂や泥土がチャンバーやスクリューコンベアに及ぼす土水圧力、せん断力の測定など、土中の土砂その他の流体から受ける土水圧力及びせん断力の測定に使用するせん断力計、土水圧力・せん断力測定センサを特許文献1、2により提案している。
【0003】
特許文献1のせん断力計は、一端に開口を有するケースと、一端が受圧面としてケースの開口に臨み、他端をケースの内部に固定されて、ケースの内部に揺動可能に配置され、流体のせん断力を受ける受圧部と、ケース内に設置され、受圧部で受ける流体のせん断力を測定し、電気的信号を発生する測定部とを備え、土中の土砂その他の流体のせん断力を測定するものである。このせん断力計では、特に、受圧部が、ケースの開口に揺動可能に所定の可動代を介して配置され、外面を受圧面とする受圧板と、受圧板の中心からケースの内部に延び、その端部をケースの内部に固定されて、受圧板を揺動可能に支持する受圧軸とからなり、測定部が、ケースの内部で受圧軸の固定部側の変形量を計測可能に配設されて、受圧部のせん断力の測定に必要な可動域を小さくすることによりケースの開口における受圧板の可動代を小さくし、ケースの開口における受圧板の可動代及びケースの内部で可動代に連通する隙間に、受圧板を揺動可能に保持して可動代及び隙間を填塞する高弾性又は高粘性又はその両方を有する充填材が充填されて、ケースの内部への土粒子、水を含む流体の侵入を阻止するようになっている。
【0004】
このようにすることで、土中の土砂その他の流体のせん断力の測定の際に、ケースの開口における受圧板の可動代及びこの可動代に連通するケースの内部の隙間に土中の土砂その他の流体の侵入を阻止してケース内部の各部を保護し、このせん断力計のメンテナンスフリーでの連続使用、繰返し使用を可能とし、土中の土砂その他の流体のせん断力を確実に測定することができる。
【0005】
特許文献2の土水圧力・せん断力測定センサは、各種の掘進機による地山の掘削に際し、地山の切羽又は掘削土砂による土水圧力及びせん断力が作用する掘進機の各部に設置され、掘進機の各部に作用する土水圧力及びせん断力を測定するものである。この土水圧力・せん断力測定センサでは、特に、先端に開口を有する略筒状のケースと、ケースの開口面内に配置され、土水圧力及びせん断力を受ける受圧部と、ケース内に設置されて受圧部を支持し、受圧部が土水圧力を受けて受圧部をケースの軸心方向に進退可能に歪み変形し、かつ受圧部がせん断力を受けて受圧部をケースの軸心を中心に揺動可能に歪み変形して、土水圧力による歪み量及びせん断力による歪み量を電気抵抗の変化として検出する感度部と、を備え、地山の切羽又は掘削土砂による土水圧力及びせん断力を同時に測定するようになっている。
【0006】
このようにすることで、各種のシールド工法に使用する中小口径以上の各種のシールド掘進機や各種の推進工法に使用する各種の推進機のカッターヘッドの面盤、カッタースポーク、チャンバーのバルクヘッド、バルクヘッドに配設されるスクリューコンベア、カッターヘッドの背面に配設される撹拌翼やバルクヘッドに配設される固定翼など、2種類の測定器(土圧計やせん断力計)では略同一の位置になるように設置することが困難な狭隘な設置個所や空間にも設置可能で、全体として多くの設置個所や空間に設置して、土水圧力とせん断力とを同時に測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-130406号公報
【文献】特開2017-101436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のせん断力計は受圧部の揺動方向が一方向のみで、せん断力の測定方向が固定であるため、受圧部に接する土砂などの流体が受圧部に対して受圧部の揺動方向と平行に移動して、せん断力計のせん断力を検知できる方向と一致している場合は、その測定値はせん断力計と土砂などの流体との摩擦力を表し、せん断力とみなすことができる。しかしながら、土砂などの流体が受圧部に対して移動方向を種々に変え、受圧部の揺動方向と平行に移動せず、せん断力計のせん断力を検知できる方向と一致しない場合は、その測定値は土砂その他の流体のせん断力を表していない可能性がある。このように土砂その他の流体の移動方向が種々に変化したり移動方向が明確でなかったりする場合は、従来のせん断力計では、土砂その他の流体のせん断方向やせん断力を適切に測定することができない、という問題がある。
【0009】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、この種のせん断力計において、土砂その他の流体の移動方向が種々に変化する場合や移動方向が明確でない場合でも、土砂その他の流体のせん断方向及びせん断力を適切に測定できるようにすること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明(1)は、
先端に開口を有する略筒状のケースと、前記ケースの開口面内に配置され、せん断力を受ける受圧部と、前記ケース内に設置されて前記受圧部を支持し、前記受圧部が前記せん断力を受けて前記受圧部を前記ケースの開口面内で揺動可能に歪み変形して、前記せん断力による歪み量を電気抵抗の変化として検出する感度部とを備え、土砂その他の流体からせん断力を受ける機械・器具又は構造物に設置され、前記流体から受けるせん断力を測定するせん断力計において、
前記感度部は、円筒形の起歪体が周方向に等間隔に軸方向に延びる一定のスリットを形成され、同じ大きさ、形状の複数の板状に分割されて円筒状に配列され、前記受圧部で受ける前記せん断力のせん断方向に応じて歪み変形する複数のせん断方向別感度部からなる感度部本体と、前記感度部本体の前記各せん断方向別感度部の歪みの発生位置にそれぞれ、前記受圧部で受ける前記せん断力を測定する複数のせん断力測定用歪みゲージとを備え、
前記感度部により前記受圧部で受ける土砂その他の流体によるせん断力の方向と大きさを測定する、
ことを要旨とする。
この場合、感度部本体は偶数のせん断方向別感度部からなり、相互に対向される各せん断方向別感度部を対にして、受圧部で受けるせん断力の方向と大きさを測定することが好ましい。
【0011】
また、本発明(2)は、
先端に開口を有する略筒状のケースと、前記ケースの開口面内に配置され、圧力及びせん断力を受ける受圧部と、前記ケース内に設置されて前記受圧部を支持し、前記受圧部で前記圧力を受けて進退可能に歪み変形し、かつ前記受圧部が前記せん断力を受けて前記受圧部を前記ケースの開口面内で揺動可能に歪み変形して、前記圧力による歪み量及び前記せん断力による歪み量を電気抵抗の変化として検出する感度部とを備え、土砂その他の流体から土水圧力及びせん断力を受ける機械・器具又は構造物に設置され、前記流体から受ける土水圧力及びせん断力を測定するせん断力計において、
前記感度部は、円筒形の起歪体の基端側に当該円筒形の状態で形成され、前記受圧部で受ける前記圧力に応じて歪み変形する圧力感度部、及び前記円筒形の起歪体の先端側が周方向に等間隔に軸方向に延びる一定のスリットを形成され、同じ大きさ、形状の複数の板状に分割されて円筒状に配列され、前記受圧部で受ける前記せん断力のせん断方向に応じて歪み変形する複数のせん断方向別感度部を有する感度部本体と、前記感度部本体の前記圧力感度部の歪みの発生位置及び前記各せん断方向別感度部の歪みの発生位置にそれぞれ、前記受圧部で受ける前記圧力を測定する複数の圧力測定用歪みゲージ及び前記受圧部で受ける前記せん断力を測定する複数のせん断力測定用歪みゲージとを備え、
前記感度部により前記受圧部で受ける土砂その他の流体による土水圧力とせん断力の方向及び大きさを測定する、
ことを要旨とする。
この場合、感度部本体は偶数のせん断方向別感度部を有し、相互に対向される各せん断方向別感度部を対にして、受圧部で受けるせん断力の方向と大きさを測定することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明(1)のせん断力計によれば、上記構成により、感度部で、受圧部で受ける機械・器具又は構造物受ける土砂その他の流体によるせん断力の方向と大きさを測定するので、土砂その他の流体の移動方向が種々に変化する場合や移動方向が明確でない場合でも、土砂その他の流体のせん断方向及びせん断力を適切に測定することができる、という本発明(1)独自の格別な効果を奏する。
本発明(2)のせん断力計によれば、上記構成により、感度部で、受圧部で受ける機械・器具又は構造物に受ける土砂その他の流体による土水圧力とせん断力の方向及び大きさを測定するので、土砂その他の流体の移動方向が種々に変化する場合や移動方向が明確でない場合でも、土砂その他の流体の土水圧力やせん断方向及びせん断力を適切に測定することができる、という本発明(2)独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態におけるせん断力計の構成を示す図((a)は側面断面図(b)は正面断面図((a)のA-A線断面図))
図2】同せん断力計の特に感度部の構成を示す図((a)は背面図(b)は側面図(c)は正面図)
図3】同せん断力計の実験用の試作器の構成を示す図((a)は正面図(b)は側面図)
図4】同せん断力計の実験用の試作器を用いた試験方法を示す図((a)は側面図(b)は正面図)
図5】同せん断力計の実験用の試作器を用いた試験方法の試験結果を示す図
図6】同せん断力計がシールド工法に使用する泥土圧式のシールド掘進機のチャンバー他各部に設置され、カッターヘッドを回転し地山を掘削するときの地山とカッターヘッドとの間の土水圧力、せん断力や、地山を掘削する間の掘削土砂や泥土がチャンバーやスクリューコンベアに及ぼす土水圧力、せん断力を測定する状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。図1にせん断力計を示している。
【0015】
このせん断力計Mは、各種のシールド工法に使用する各種のシールド掘進機や各種の推進工法に使用する各種の推進機のカッターヘッドの面盤(チャンバー側の面、地山側の面)、カッタースポーク(チャンバー側の面、地山側の面、側面)、チャンバーのバルクヘッド(隔壁)、バルクヘッドに配設されるスクリューコンベア、カッターヘッドの背面に配設される撹拌翼やバルクヘッドに配設される固定翼など、土中の土砂その他の流体から土水圧力やせん断力を受ける機械・器具、又は構造物に設置され、カッターヘッドを回転し地山を掘削するときの地山とカッターヘッドとの間の土水圧力やせん断力の測定、地山を掘削する間の掘削土砂や泥土がチャンバーやスクリューコンベアに及ぼす土水圧力やせん断力の測定など、流体から受ける圧力やせん断力の測定に使用される。
【0016】
図1に示すように、せん断力計Mは、土圧計の機能を併せ持ち、先端に開口30を有する略筒状のケース3と、ケース3の開口30面内に配置され、土水圧力及びせん断力を受ける受圧部4と、ケース3内に設置されて受圧部4を支持し、受圧部4が土水圧力を受けて受圧部4をケース3の開口30面内で(ケース3の軸心方向に)進退可能に歪み変形し、かつせん断力を受けて受圧部4をケース3の開口30面内で(ケース4の軸心を中心に)揺動可能に歪み変形して、土水圧力による歪み量及びせん断力による歪み量を電気抵抗の変化として検出する感度部5とを備えて構成される。
【0017】
せん断力計Mのケース3は、先端に受圧部4を配置可能な開口30を有し、後端に感度部5のための取付部33を有する有底円筒状のケース本体31と、ケース本体31の周面部310の後端にケース本体31の軸方向に対して略直角に外側に向けて円形に張り出され、その内周と外周との中間に取付ねじのための取付穴34を有する取付フランジ32とからなる。
【0018】
ケース本体31の周面部310の内周面は、先端開口30の内周縁部に大径で軸方向の長さが短い断面略L字形に形成される浅い円形の溝301と、この溝301に(先端開口30とは反対側に)隣接して溝301よりも少し小さい大径で軸方向の長さが溝301よりも少し長い断面略L字形に形成される円形の凹段部302と、この凹段部302に(溝301とは反対側に)隣接して周面部310の内周面の中間部に断面略L字形に形成され、先端開口30側の凹段部302よりも少し小さい大径で軸方向の長さが先端開口30側の溝301や凹段部302よりも長い円形の凹段部303と、この凹段部303に(先端開口30側の凹段部302とは反対側に)隣接して周面部310の内周面の後端側に中間部の凹段部303よりも小さい中径で軸方向の長さが中間部の凹段部303よりも少し短い断面コ字形に形成される円形の凹部304とからなる。そして、先端の溝301の底部に等間隔に複数のボルトのためのねじ孔301sが形成され、後端の凹部304の底部の周縁に沿って等間隔に複数のボルト挿通部304hが形成される。また、取付フランジ32の後端面を含むケース本体31の後端面には、周面部310と略同径で軸方向の長さが短い浅い円形の溝321が形成され、この溝321に後端の凹部304底部の各ボルト挿通部304hが開口される。さらに、この溝32の底部中央で各ボルト挿通部304hの内側に小径で軸方向の長さが短い浅い円形の溝322が形成される。このようにしてケース本体31の周面部310の先端開口30の溝301に円形のリング部材からなる土砂浸入防止リング311が配置され、この土砂浸入防止リング311に複数のボルト(図示省略)が通されて溝301の各ねじ孔301sに締結されて固定され、先端の溝301に一体的に環装される。この土砂浸入防止リング311によりケース本体31の先端開口30と受圧部4との間の隙間が塞がれ、この隙間から土砂が侵入するのを防止する。また、ケース本体31の後端面の各溝321、322に測定ケーブルチャンバー6が防水Oリング60を介して嵌め込まれ、複数のボルト(図示省略)により取り付けられる。この測定ケーブルチャンバー6に測定ケーブル(図示省略)が通され、ケース本体31の端子部(図示省略)に電気的に接続される。
【0019】
受圧部4は、ケース3の先端開口30内に配置される受圧部本体41と、受圧部本体41に連結されてケース3の内周面中間部に配置され、受圧部本体41を後述する感度部5に取り付けるための受圧部取付ベース42とを備える。
【0020】
受圧部本体41は、ケース3の先端開口30面内に配置される円形の受圧板411と、受圧板411の後端面中央から突出される円柱形の支持部412とからなる。受圧板411の外周面部の先端側には全周に亘って断面L字形に浅い溝411aが形成される。この溝411aは、受圧部4がケース本体31の先端開口30面内に配置された取り付け状態で、ケース本体31の先端開口30縁部の溝301に対向される。受圧板411の外周面部の後端側には全周に亘って断面逆L字形に浅い溝411bが形成される。この溝411bは、受圧部4がケース本体31の先端開口30面内に配置された取り付け状態で、ケース本体31の先端開口30側の凹段部302に対向される。なお、この溝411bの(受圧板411の)外周面部側の端部にケース本体31の後端方向に僅かに突出する凸状部が設けられる。また、受圧板411の先端面には、外周面部の各溝411a、411bの内側に沿って受圧板411の先端面、後端面間を貫通して複数のボルト挿通部411cが設けられる。これらのボルト挿通部411cは後述する受圧部取付ベース42の各ねじ孔422に連通される。
【0021】
受圧部取付ベース42は全体が円板状に形成される。受圧部取付ベース42の先端面中央に受圧部本体41の支持部412が嵌合可能に円形の凹部420が設けられる。受圧部取付ベース42の先端面にはまた、中央の凹部420の周囲に沿って受圧部取付ベース42の先端面、後端面間を貫通して複数のボルト挿通部421が形成される。これらのボルト挿通部421は後述する感度部5に設けられる各受圧部受けフランジ501の各ねじ孔501sに連通される。受圧部取付ベース42の先端面にはさらに、外周面部に沿って複数のねじ孔422が形成される。これらのねじ孔422は受圧部本体41の各ボルト挿通部411cに連通される。また、受圧部取付ベース42の先端面には複数のボルト挿通部421と複数のねじ孔422との間にOリングのための溝423が形成される。受圧部取付ベース42の後端面で先端面の凹部420の周囲には感度部5の各受圧部受けフランジ501が嵌合可能に円環状の凹部424が形成される。先端面の各ボルト挿通部421はこの凹部424に開口される。受圧部取付ベース42の外周面の後端面側には全周に亘ってOリングのための断面コ字形の溝425が形成される。この溝425は、受圧部4が受圧部取付ベース42を介してケース本体31の先端開口30面内に配置された取り付け状態で、ケース本体31の内周面の中間部に対向される。
【0022】
感度部5は、円筒形の起歪体を基材とし、起歪体の基端側にこの円筒形のままの状態で形成され、受圧部4で受ける土砂その他の流体の圧力に応じて歪み変形する圧力感度部51、及び円筒形の起歪体の先端側が周方向に等間隔に軸方向に延びる一定のスリット521を形成され、同じ大きさ、形状の複数の板状に分割されて円筒状に配列され、受圧部4で受ける土砂その他の流体のせん断力のせん断方向に応じて歪み変形する複数のせん断方向別感度部52を有する感度部本体50と、感度部本体50の圧力感度部51の歪みの発生位置及び各せん断方向別感度部52の歪みの発生位置にそれぞれ、受圧部4で受ける圧力を測定する複数の圧力測定用歪みゲージ(図示省略)及び受圧部4で受けるせん断力を測定する複数のせん断力測定用歪みゲージ54とを備える。
【0023】
感度部本体50は偶数のせん断方向別感度部52を有し、相互に対向される各せん断方向別感度部52を対にして、受圧部4で受けるせん断力の方向と大きさが測定されることが好ましい。この場合、図2に示すように、感度部本体50の先端側が周方向に16分割(等分)され、対をなすせん断方向別の感度部52が8組設けられる。つまり、せん断方向別感度部52は、図1(b)に示すように、感度部本体50の軸心を中心にして360°全方向を8分割された8方向の一対のせん断方向別感度部52で構成される。また、感度部本体50の外周面の先端、中間、後端にそれぞれ、受圧部受けフランジ501、反力フランジ502、取付フランジ503が設けられる。先端の受圧部受けフランジ501はせん断方向別感度部52毎に分割されて各せん断方向別感度部52の外面先端に感度部5の軸方向に対して略直角に外側に向けて固定され、全体として略円形に張り出される。この場合、これらの受圧部受けフランジ501は、感度部本体50の外周面に外嵌可能なリング状のブロックが16分割されたもので、それぞれ、先端面の中央には後端面に向けてねじ孔501sが設けられる。これらの受圧部受け部フランジ501はそれぞれ、各せん断方向別感度部52の外面先端にその先端よりも先方に突出されて一体的に固定される。これら受圧部受けフランジ501は受圧部本体41の円環状の凹部424に嵌合可能で、各受圧部受けフランジ501の各ねじ孔501sは受圧部本体41の各ボルト挿通部421に連通される。中間の反力フランジ502は感度部本体50の周面部の中間に感度部本体50の軸方向に対して略直角に外側に向けて円形に張り出される。この場合、反力フランジ502は、感度部本体50の外周面に外嵌可能なリング状のプレートで、感度部本体50の外周面で各せん断方向別感度部52の下部(言い換えれば、圧力感度部51の上部)に一体的に固定される。この反力フランジ502の外周部はケース本体31の凹部304の先端側の内周面に係合される。後端の取付フランジ503は感度部本体50の周面部の後端に感度部本体50の軸方向に対して略直角に外側に向けて円形に張り出される。この取付フランジ503は内周と外周との中間に複数の取付ねじのための複数のねじ孔503sが設けられる。これらの取付孔503sはケース本体31の凹部304底面の各ボルト挿通部304hに連通される。
【0024】
この感度部本体50は圧力感度部51及び各せん断方向別感度部52それぞれ適宜の位置に歪み部を有し、この圧力感度部51及び各せん断方向別感度部52の各歪み部に土水圧力測定用、せん断力測定用の各歪みゲージが貼着される。
【0025】
このようにして受圧部本体41は受圧部取付ベース42を介して感度部5に取り付けられ、この感度部5がケース3内に取り付けられて、受圧部4がケース3の先端開口30面内に配置される。この場合、受圧部取付ベース42と感度部5は、受圧部取付ベース42が後端面の円環状の凹部424に感度部5先端の各受圧部受けフランジ501を嵌め込まれて、受圧部取付ベース42の後端面中央が感度部5の先端面に当接される。そして、受圧部取付ベース42の各ボルト挿通部421からボルト(図示省略)が通され感度部5の各受圧部受けフランジ501の各ねじ孔501sに締結されて、受圧部取付ベース42が感度部5の先端に取り付けられる。受圧部本体41と受圧部取付ベース42は、受圧部取付ベース42先端面の溝423にOリングR1が嵌め込まれ、受圧部本体41後端面の支持部412が受圧部取付ベース42先端面の凹部420に嵌め込まれて、受圧部本体41の後端面と受圧部取付ベース42の先端面が当接される。そして、受圧部本体41の各ボルト挿通部411cにボルト(図示省略)が通され受圧部取付ベース42のねじ孔422に締結されて、受圧部本体41と受圧部取付ベース42が受圧部4として構成される。かくして受圧部4と感度部5が一体的に組み立てられる。また、受圧部本体41と受圧部取付ベース42との間でOリングR1が圧縮されて、このOリングR1により受圧部本体41と受圧部取付ベース42との間が水密に密閉される。感度部5は、受圧部取付ベース42、受圧板41の各外周面部の各溝425、411bにOリングR2、R3を嵌着されて、ケース3内の凹部304に配置される。ケース3後端面の各ボルト挿通孔304hからボルト(図示省略)が通され感度部5後端の取付フランジ503の各取付穴503sに締結されて、感度部5がケース3内に固定される。このようにして受圧部4(受圧板411)が感度部5に支持されて、ケース3先端の開口30面内に配置される。この感度部5及び受圧部4がケース3へ組み込まれることにより、ケース3の先端開口30の溝301に固定された土砂浸入防止リング311が受圧板411の外周面部の溝411aに架け渡されて密着され、この土砂浸入防止リング311によりケース3の先端開口30と受圧部4の受圧板411との間が水密に密閉される。ケース3の先端開口30縁部側の溝302と受圧板411の外周面部の溝411bとの間でOリングR3が圧縮され、ケース3の内周面中間部の凹段部303と受圧部取付ベース42の外周面部の溝425との間でOリングR2が圧縮されて、これらOリングR3、R2によりケース3の先端開口30側の内周面と受圧部4の受圧部本体41、受圧部取付ベース42の各外周面部との間が水密に密閉される。なお、圧力測定用歪みゲージ、せん断力測定用の歪みゲージはそれぞれ、ブリッジ回路(図示省略)に接続されて、土水圧力測定用ブリッジ回路(図示省略)、せん断力測定用ブリッジ回路(図示省略)が構成され、これらのブリッジ回路の入力端及び出力端がそれぞれ、ケース3内に設けられる端子部(図示省略)に電気的に接続されて、各ブリッジ回路から得られる電気信号が測定ケーブル(図示省略)により外部に導出される。
【0026】
このようにしてせん断力計Mは、土砂その他の流体からせん断力を受ける機械・器具又は構造物に設置され、機械・器具又は構造物で受ける土砂その他の流体による圧力とせん断力の方向及び大きさを同時に測定できるようになっている。
【0027】
本願発明者らは、図3に示すように、このせん断力計を試作し、特にせん断方向の特定に係る試験を次のような試験方法で実施し、次のとおりの試験結果を得た。
(1)試験設備
図3において、aは検定枠、bは検定用ロードセル、b1はロードボタン、cはガイド筒、dは感度部(せん断方向別感度部)、eはスリット、fはひずみゲージ、gは載荷板であり、ガイド筒c、感度部d、スリットe、ひずみゲージf、載荷板gによりせん断力計が構成される。
(2)試験方法
図3に示すように、検定枠aの上部に検定用ロードセルbを垂直下方に向けて固定し、検定枠aの側部にガイド筒cを介して先端に載荷板gを固定した感度部dを水平方向に向けて取り付ける。そして、図4に示すように、載荷板gに測点1~9の方向にロードセルbにより荷重を作用させ、感度部dで測定される各出力値(ひずみ単位μ)を確認する。
(3)試験結果
図5に試験結果を荷重-ひずみ曲線で示す。図5には、実際の出力値(ひずみ)と測点1~9の方向における理論値(載荷方向の出力値×cos(載荷方向からの角度))を示す。図5に示すように、載荷板の載荷方向(せん断方向1-9)で最大値を示しており、載荷板に作用するせん断力の方向を特定できることを確認した。なお、せん断方向5-8については理論値と若干のずれを生じているが、荷重載荷方法(実際のせん断力の測定ではこの試験のような点荷重ではなく面で載荷を受ける)、及びひずみゲージ貼り付け位置の誤差などに起因すると考えられ、調整修正は可能である。
【0028】
図6に、このせん断力計Mがシールド工法に使用する泥土圧式のシールド掘進機1のカッターヘッド10の面盤(チャンバー12側の面、地山側の面)、カッタースポーク(チャンバー12側の面、地山側の面、側面)、チャンバー12のバルクヘッド(隔壁)121、バルクヘッド121に配設されるスクリューコンベア14、カッターヘッド11の背面に配設される撹拌翼131やバルクヘッド121に配設される固定翼132などに(受圧部4を表面にして)埋め込み設置され、カッターヘッド10を回転し地山Gを掘削するときの地山Gとカッターヘッド10との間の土水圧力、せん断力や、地山Gを掘削する間の掘削土砂や泥土がチャンバー12やスクリューコンベア14に及ぼす土水圧力、せん断力を測定する具体例を示している。
【0029】
図6に示すように、シールド掘進機1の各部に埋設された各センサMは、受圧部4が土水圧力(受圧部4の受圧面に対して略垂直の圧力)を受けると、(図1参照)受圧部4は圧力感度部51の歪み変形によりケース3の開口30面内の定位置からケース3の後端側に後退し、このときの圧力感度部51の歪み量が土水圧力測定用の歪みゲージの抵抗変化により電気信号として測定される。なお、受圧部4が土水圧力を受けない状態では、圧力感度部51の弾性復帰により受圧部4がケース3の開口30面内の定位置に戻される。また、受圧部4がせん断力(受圧部4の受圧面に対して略平行の力)を受けると、そのせん断力のせん断方向に応じて、感度部本体50の軸心を中心にして360°全方向を8分割された8方向の一対のせん断方向別感度部52のいずれかの組みが歪み変形して、受圧部4がケース3の開口30面内でせん断力のせん断方向に揺動し、このときの2つのせん断方向別感度部52の歪み量がせん断力測定用の歪みゲージ53の抵抗変化により電気信号として測定される。なお、受圧部4がせん断力を受けない状態では、各せん断方向別感度部52の弾性復帰により受圧部4がケース3の開口30面内の定位置に戻される。そして、これらの電気信号は測定ケーブルにより外部に出力され、土水圧力の測定値、各せん断方向のせん断力の測定値が測定ケーブルに接続された表示器(図示省略)などに表示される。特に多方向に移動される掘削土砂や泥土によるせん断力の測定値については、各測定値のうち、絶対値の最も大きい測定値(この場合、測定値は掘削土砂や泥土の移動方向によって正負の値を持つ。)を示した方向が掘削土砂や泥土の受圧部4に対する主たる移動方向とみなすことができ、その方向の測定値をせん断力とみなすことができる。
【0030】
このようにしてシールド工法に使用するシールド掘進機1の各部に埋め込み設置された各せん断力計Mで、地山Gの切羽又は掘削土砂による土水圧力の大きさとせん断力のせん断方向及び大きさを同時に測定することができる。特に、泥土圧式のシールド掘進機1では、チャンバー12内の土砂がカッターヘッド11の回転により撹拌力と重力を受けて、その移動方向が決まり、一概に円周方向に移動するとは限らないところ、チャンバー12のバルクヘッド121など任意の位置にせん断力計Mを設置したことで、せん断力計Mの各設置位置での土砂の移動方向とそのせん断力を適切に測定することができる。
【0031】
なお、ここでは、シールド工法に使用する泥土圧式のシールド掘進機の各部にこのせん断力計を適用した場合について例示したが、泥水式など他の形式のシールド掘進機や推進工法に使用する各種の推進機のカッターヘッドの、面盤(チャンバー側の面、地山側の面)、カッタースポーク(チャンバー側の面、地山側の面、側面)、チャンバーのバルクヘッド(隔壁)、バルクヘッドに配設されるスクリューコンベア、カッターヘッドの背面に配設される撹拌翼やバルクヘッドに配設される固定翼などにセンサーが設置され、カッターヘッドを回転し地山を掘削するときの地山とカッターヘッドとの間の土水圧力やせん断力、地山を掘削する間の掘削土砂や泥土がチャンバーやスクリューコンベアに及ぼす土水圧力やせん断力を測定する場合にも、センサーにこのせん断力計を適用することで、同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
以上説明したように、このせん断力計Mでは、感度部5は、感度部本体50が圧力感度部51及び複数のせん断方向別感度部52からなり、圧力感度部51及び各せん断方向別感度部52の歪みの発生位置に複数の圧力測定用歪みゲージ及びせん断力測定用歪みゲージが貼着されて構成され、また、特に感度部本体50は偶数のせん断方向別感度部52を有し、相互に対向される各せん断方向別感度部52を対とする。このようにして圧力感度部51で受圧部4で受ける圧力を測定し、複数のせん断方向別感度52で受圧部4で受けるせん断力の方向と大きさを測定するようにしたので、受圧部4で受ける圧力及びせん断力を同時に測定することができ、特に、せん断力にあっては受圧部4に接する土砂その他の流体の移動方向が種々に変化して一定でない場合や移動方向が明確でない場合でも、このせん断力計Mで土砂その他の流体のせん断方向(移動方向)とせん断力を特定することができ、土砂その他の流体のせん断方向とせん断力を適切に測定することができる。
【0033】
なお、この実施の形態では、せん断力計として、土圧計の機能を併せ持つせん断力計を例示したが、土圧計の機能のないせん断力計とすることもできる。
この場合、せん断力計は、感度部が、円筒形の起歪体が周方向に等間隔に軸方向に延びる一定のスリットを形成され、同じ大きさ、形状の複数の板状に分割されて円筒状に配列され、受圧部で受ける土砂その他の流体のせん断力のせん断方向に応じて歪み変形する複数のせん断方向別感度部からなる感度部本体と、感度部本体の各せん断方向別感度部の歪みの発生位置にそれぞれ、受圧部で受けるせん断力を測定する複数のせん断力測定用歪みゲージとを備えて構成される。この場合も、感度部本体は偶数のせん断方向別感度部からなり、相互に対向される各せん断方向別感度部を対にして、受圧部で受けるせん断力の方向と大きさを測定することが好ましい。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0034】
また、このせん断力計の受圧部及び感度部は、背景技術の欄に例示した本願発明者らにより提案された特許文献1のせん断力計、特許文献2の土水圧力・せん断力測定センサにも同様に適用することができる。このせん断力計の受圧部及び感度部を適用することで、特許文献1のせん断力計、特許文献2の土水圧力・せん断力測定センサに本来有する作用効果にさらにこの受圧部及び感度部の持つ作用効果を追加することができる。
【0035】
さらに、このせん断力計は、受圧部に平行に移動する土砂その他の流体の種々に変化する移動方向や明確でない移動方向に対して適切にその方向(せん断方向)と大きさ(せん断力)を測定できるので、シールド掘進機や推進機などの機械の他、このような流体の移動を受ける各種の器具又は構造物などで、その流体の移動方向と大きさを測定する場合にも、幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 泥土圧式のシールド掘進機
10 シールドスキンプレート
11 カッターヘッド
110 カッターモーター
12 チャンバー
121 バルクヘッド(隔壁)
131 撹拌翼
132 固定翼
14 スクリューコンベア(排土装置)
15 シールドジャッキ
G 地山
M せん断力計
3 ケース
30 開口
301 溝
301s ねじ孔
302 凹段部
303 凹段部
304 凹部
304h ボルト挿通部
31 ケース本体
310 周面部
311 土砂浸入防止リング
32 取付フランジ
321 溝
322 溝
33 取付部
34 取付穴
4 受圧部
41 受圧部本体
411 受圧板
411a 溝
41b 溝
411c ボルト挿通部
412 支持部
42 受圧部取付ベース
420 凹部
421 ボルト挿通部
422 ねじ孔
423 溝
424 凹部
425 溝
5 感度部
50 感度部本体
501 受圧部受けフランジ
501s ねじ孔
502 反力フランジ
503 取付フランジ
503s ねじ孔
51 圧力感度部
52 せん断方向別感度部
521 スリット
54 せん断力測定用歪みゲージ
6 測定ケーブルチャンバー
60 防水Oリング
R1 Oリング
R2 Oリング
R3 Oリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6