(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-07
(45)【発行日】2023-11-15
(54)【発明の名称】温度センサシステム及びコンベア温度監視設備
(51)【国際特許分類】
G01J 5/48 20220101AFI20231108BHJP
B65G 43/02 20060101ALI20231108BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
G01J5/48 A
B65G43/02 Z
G08B17/00 C
G08B17/00 G
(21)【出願番号】P 2020063043
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】臼井 清人
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 隆文
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-216858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0052297(US,A1)
【文献】特開平03-250642(JP,A)
【文献】特開2002-148119(JP,A)
【文献】特開2014-113213(JP,A)
【文献】特開2015-075410(JP,A)
【文献】特開昭60-164896(JP,A)
【文献】特開2000-057444(JP,A)
【文献】特開平02-183396(JP,A)
【文献】特開2020-034300(JP,A)
【文献】特開2001-272209(JP,A)
【文献】特開2006-176262(JP,A)
【文献】特開2018-169893(JP,A)
【文献】特開2009-012957(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0193056(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/00 - B65G 43/10
G01J 5/00 - G01J 5/90
G08B 17/00 - G08B 17/12
G08B 23/00 - G08B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域を複数の画素に分割し、分割した複数の画素の各々について温度を周期的に測定し、その測定結果が、予め記憶された条件に合致することを検出した場合に異常温度検出信号を出力する赤外線温度センサと、
前記赤外線温度センサと接続され、前記異常温度検出信号を受信すると警報を出力する警報盤と
を備え、
前記警報盤は、他の情報処理装置が着脱自在に接続されるコネクタであって、当該他の情報処理装置が前記赤外線温度センサと通信を行って前記条件を設定することを可能にするコネクタを備え
、
前記赤外線温度センサは、前記複数の画素の各々の放射率を用いて各画素の温度を測定し、
前記コネクタは、前記他の情報処理装置が前記赤外線温度センサと前記通信を行って前記放射率を画素毎に設定することをさらに可能にすることを特徴とする温度センサシステム。
【請求項2】
前記コネクタは、前記他の情報処理装置が前記赤外線温度センサと通信を行って、前記赤外線温度センサにより測定された温度を示す情報を取得して表示することをさらに可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の温度センサシステム。
【請求項3】
前記コネクタは、前記他の情報処理装置が前記赤外線温度センサと前記通信を行ってマスク対象の画素を設定することをさらに可能にし、
前記赤外線温度センサは、前記マスク対象の画素については前記温度の測定を行わないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の温度センサシステム。
【請求項4】
請求項
1から3のいずれか1項に記載の温度センサシステムと、
有蓋筒状で蓋部に第1貫通孔を有するゲタ部分であって、コンベアベルトの周囲を覆うダクトの上板に形成された開口部を覆うように設置されるゲタ部分と、
底部に第2貫通孔を有するセンサ箱であって、当該第2貫通孔が前記第1貫通孔と連通するように前記ゲタ部分の前記蓋部の上に設置されるセンサ箱と
を備え、
前記赤外線温度センサは、前記第1貫通孔、前記第2貫通孔及び前記開口部を通して前記コンベアベルト上を監視可能なように、前記センサ箱に収容されることを特徴とするコンベア温度監視設備。
【請求項5】
請求項
1から3のいずれか1項に記載の温度センサシステムと、
蓋板が底板に対して傾斜し、当該底板に第1貫通孔を有するセンサ箱であって、コンベアベルトの周囲を覆うダクトの上板に形成された第2貫通孔に、前記第1貫通孔が連通するように設置されるセンサ箱と
を備え、
前記赤外線温度センサは、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を通して前記コンベアベルト上を監視可能なように前記蓋板の内面に取り付けられ、
前記センサ箱は、前記赤外線温度センサが、前記コンベアベルト上を、搬送方向に対して斜め後方から監視可能なように、前記ダクトの前記上板に設置される
ことを特徴とするコンベア温度監視設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域において異常温度を検出し、警報を出力するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、赤外線センサを用いて高温物体を検知することで、火災の発生を検出する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この装置において、赤外線センサで使用される各種のパラメータを、監視対象や監視環境に応じて自由に設定したいというニーズがある。赤外線センサによる誤検知を抑制するためである。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、温度センサシステムで使用される赤外線センサの設定変更を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係る温度センサシステムは、監視領域を複数の画素に分割し、分割した複数の画素の各々について温度を周期的に測定し、その測定結果が、予め記憶された条件に合致することを検出した場合に異常温度検出信号を出力する赤外線温度センサと、前記赤外線温度センサと接続され、前記異常温度検出信号を受信すると警報を出力する警報盤とを備え、前記警報盤は、他の情報処理装置が着脱自在に接続されるコネクタであって、当該他の情報処理装置が前記赤外線温度センサと通信を行って前記条件を設定することを可能にするコネクタを備えることを特徴とする。
【0007】
好ましい態様において、前記コネクタは、前記他の情報処理装置が前記赤外線温度センサと通信を行って、前記赤外線温度センサにより測定された温度を示す情報を取得して表示することをさらに可能にする。
【0008】
また、本発明に係るコンベア温度監視設備は、前記温度センサシステムと、有蓋筒状で蓋部に第1貫通孔を有するゲタ部分であって、コンベアベルトの周囲を覆うダクトの上板に形成された開口部を覆うように設置されるゲタ部分と、底部に第2貫通孔を有するセンサ箱であって、当該第2貫通孔が前記第1貫通孔と連通するように前記ゲタ部分の前記蓋部の上に設置されるセンサ箱とを備え、前記赤外線温度センサは、前記第1貫通孔、前記第2貫通孔及び前記開口部を通して前記コンベアベルト上を監視可能なように、前記センサ箱に収容されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る別のコンベア温度監視設備は、前記温度センサシステムと、蓋板が底板に対して傾斜し、当該底板に第1貫通孔を有するセンサ箱であって、コンベアベルトの周囲を覆うダクトの上板に形成された第2貫通孔に、前記第1貫通孔が連通するように設置されるセンサ箱とを備え、前記赤外線温度センサは、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を通して前記コンベアベルト上を監視可能なように前記蓋板の内面に取り付けられ、前記センサ箱は、前記赤外線温度センサが、前記コンベアベルト上を、搬送方向に対して斜め後方から監視可能なように、前記ダクトの前記上板に設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、温度センサシステムで使用される赤外線センサの設定変更が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】窓板42の汚損を検出するための機構を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施形態
本発明の一実施形態に係る温度センサシステムについて図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る温度センサシステムの構成を示す図である。同図に示す温度センサシステムは、監視領域において異常温度を検出し、警報を出力するためのシステムである。この温度センサシステムは、それぞれ異なる場所に設置される4台の温度センサ1と、各温度センサ1と有線接続される警報盤2と、警報盤2と着脱自在に有線接続される保守用PC3を備える。以下、各構成要素について説明する。
【0013】
1-1.温度センサ1
温度センサ1は、赤外線温度センサである。この温度センサ1は、監視領域を複数の画素に分割し、分割した複数の画素の各々について温度を周期的に測定する。そして、測定結果が、予め記憶された条件に合致することを検出した場合に異常温度検出信号を出力する。
図2は、この温度センサ1の外観を示す斜視図である。
図3は、この温度センサ1の内部構成を示すブロック図である。
【0014】
この温度センサ1は、
図2に示すように、略直方体形状の筐体41を有し、この筐体41の正面板411の中央には、略矩形の開口部412が形成されている。また、この筐体41の正面板411の裏面には、開口部412を塞ぐようにシリコン製の窓板42が取り付けられている。また、正面板411と窓板42の間には、窓板42の上側を覆うように反射板43が挿入されている。
【0015】
この温度センサ1の筐体41内には、
図3に示すように、プロセッサ11、メモリ12、赤外線アレイセンサ13、透過率測定モジュール14、筐体内温度センサ15、表示灯16及び通信モジュール17が収容されている。
【0016】
このうち、プロセッサ11は、メモリ12に記憶されている処理プログラムを実行して、各種の機能を実現する。このプロセッサ11により実現される機能については後述する。
【0017】
メモリ12は、上記の処理プログラムに加えて、温度情報群D1、警報判定閾値情報D2、監視マスク情報D3及び放射率情報D4を記憶する。
【0018】
このうち、温度情報群D1は、温度情報の集合である。ここで温度情報とは、赤外線アレイセンサ13の出力値に基づいて算出される各画素の温度と、当該温度の測定日時を示す情報である。
【0019】
警報判定閾値情報D2は、異常検出信号を出力するための閾値を示す情報である。具体的には、異常温度判定閾値と汚損判定閾値からなる。このうち、異常温度判定閾値は、異常温度検出信号を出力するための閾値を示す情報である。一方、汚損判定閾値は、汚損検出信号を出力するための閾値を示す情報である。
【0020】
異常温度判定閾値は、さらに、絶対値判定閾値と相対値判定閾値に分けられる。このうち、絶対値判定閾値は、温度の閾値が絶対温度で規定され、この絶対温度が測定温度と比較される際に参照される閾値の情報である。具体的には、第1警報温度(絶対値)、第1画素数及び第1フレーム数からなる。一方、相対値判定閾値は、温度の閾値が、定常状態の測定温度に対する相対温度で規定され、この相対温度が測定温度と比較される際に参照される閾値の情報である。具体的には、第2警報温度(相対値)、第2画素数及び第2フレーム数からなる。
以上説明した警報判定閾値情報D2は、保守用PC3を用いて利用者により設定される。
【0021】
監視マスク情報D3は、マスク対象の画素を示す情報である。この監視マスク情報D3により示される画素については、温度が算出されない。この監視マスク情報D3は、保守用PC3を用いて利用者により設定される。
【0022】
放射率情報D4は、各画素の放射率を示す情報である。この放射率情報D4は、保守用PC3を用いて利用者により設定される。
【0023】
次に、赤外線アレイセンサ13は、8×8画素で2次元エリアの温度を測定するためのセンサである。この赤外線アレイセンサ13は、8×8画素の各々について、検出した赤外線量に応じた電圧値を周期的に出力する。
【0024】
透過率測定モジュール14は、窓板42の光透過率(言い換えると、汚損の程度)を測定するための部品である。この透過率測定モジュール14は、光源141と受光素子142からなる。
図4は、窓板42の汚損を検出するための機構を示す図である。同図に示す機構において、光源141から放射された光は、窓板42を透過した後に反射板43により反射される。反射された光は、窓板42を透過して受光素子142に入射する。この反射光が入射した受光素子142は、窓板42の光透過率(言い換えると、汚損の程度)に応じた電圧値を出力する。
【0025】
次に、筐体内温度センサ15は、筐体41内の温度を測定するためのセンサである。
【0026】
表示灯16は、異常の発生を警告するための光源である。具体的には、赤色LED161と緑色LED162からなる。これらのLEDは、
図2に示すように、開口部412から覗くように筐体41内に配置されている。
【0027】
通信モジュール17は、保守用PC3と通信するための部品である。
【0028】
次に、温度センサ1の設置例について図面を参照して説明する。
図5は、温度センサ1を設置するための器具の斜視図である。
図6は、
図5のA-A線断面図である。
図7は、
図5のB-B線断面図である。
【0029】
これらの図に示すコンベアベルト53は、廃棄物処理施設に設置されている、ゴミを搬送するためのコンベアベルトである。このコンベアベルト53により搬送されるゴミの中には、粉砕されて発火するゴミ(例えば電池)がある。このようなゴミが発火して、周囲の可燃物に着火すると、コンベアベルト53上で火災が発生してしまう。上記の温度センサ1は、このような火災の発生を検出するために、コンベアベルト53の周囲を覆うコンベアダクト54に設置される。
【0030】
温度センサ1をコンベアダクト54に設置するための器具として、ゲタ部分51とセンサ箱52がある。このうち、ゲタ部分51は、有蓋角筒形状を有し、矩形のコンベアダクト54上に設置される。このゲタ部分51が設置されるコンベアダクト54の上板541には、ゲタ部分51の開口部と同程度のサイズの開口部542が形成され、ゲタ部分51はこの開口部542を覆うように設置される。このゲタ部分51の側板511には、開閉可能な矩形の点検扉512が設けられている。利用者は、この点検扉512を開けることで、コンベアベルト53上を点検することができる。また、ゲタ部分51の蓋部513の略中央には、温度センサ1がコンベアベルト53上を監視するための貫通孔514(図示略)が形成されている。
【0031】
一方、センサ箱52は、直方体形状を有し、温度センサ1を収容する。このセンサ箱52の蓋板521は開閉可能であり、この蓋板521に温度センサ1が取り付けられる。また、このセンサ箱52の底板522には、温度センサ1がコンベアベルト53上を監視するための貫通孔523(図示略)が形成されている。このセンサ箱52は、その貫通孔523とゲタ部分51の貫通孔514が連通するように、ゲタ部分51の蓋部513の上に設置される。このセンサ箱52に収容された温度センサ1は、貫通孔514及び523と開口部542を通してコンベアベルト53上を監視する。
【0032】
以上説明した設置器具には、温度センサ1を収容するセンサ箱52に加えてゲタ部分51が含まれている。このゲタ部分51をセンサ箱52とコンベアダクト54の間に挿入することで、センサ箱52とコンベアベルト53の間の距離が遠くなる。その結果、コンベアベルト53上で跳ねたゴミが温度センサ1の窓板42にぶつかって損傷させることを防止することができる。また、
図8に示す、ゲタ部分51を使用しないケースと比較して、温度センサ1の監視領域を広くすることができる。
図8に示す断面図では、コンベアダクト54内の上隅が死角になっているが、
図7に示す断面図では、死角部分が少ない。また、このゲタ部分51を挿入することで、利用者は点検扉512を開けて、コンベアベルト53上を点検することができる。
以上説明したゲタ部分51及びセンサ箱52と、温度センサシステムを含む設備を、コンベア温度監視設備という。
【0033】
次に、温度センサ1の別の設置例について図面を参照して説明する。
図9は、温度センサ1を収容するためのセンサ箱61の斜視図である。
図10は、
図9のC-C線断面図である。
【0034】
これらの図に示すコンベアベルト62は、上記のコンベアベルト53と同様に、ゴミを搬送するためのコンベアベルトである。このコンベアベルト62上で発生する火災を検出するために、コンベアベルト62の周囲を覆うコンベアダクト63に、温度センサ1を収容するセンサ箱61が設置される。
【0035】
このセンサ箱61の蓋板611は開閉可能であり、この蓋板611の内面に温度センサ1が取り付けられる。この蓋板611の外面には、この蓋板611を開閉する際に把持される把持部612が取り付けられている。この蓋板611は底板613に対して傾斜している。また、このセンサ箱61の底板613には、温度センサ1がコンベアベルト62上を監視するための貫通孔614が形成されている。
【0036】
このセンサ箱61は、矩形のコンベアダクト63上に設置される。このセンサ箱61が設置されるコンベアダクト63の上板631には貫通孔632が形成され、センサ箱61は、この貫通孔632とセンサ箱61の貫通孔614とが連通するように設置される。このセンサ箱61に収容された温度センサ1は、貫通孔614及び632を通してコンベアベルト62上を監視する。その際、温度センサ1は、コンベアベルト62の搬送方向に対して斜め後方から監視する。そのため、コンベアベルト62上で前方に跳ねたゴミが温度センサ1の窓板42にぶつかって損傷させることを防止することができる。
以上説明したセンサ箱61と温度センサシステムを含む設備を、コンベア温度監視設備という。
【0037】
次に、温度センサ1のプロセッサ11により実現される機能について説明する。温度センサ1のプロセッサ11は、
図3に示すように、温度算出部111、異常温度検出部112、汚損検出部113及び設定変更部114という機能を実現する。
【0038】
このうち、温度算出部111は、赤外線アレイセンサ13から出力される電圧値に基づいて各画素の温度を算出する。
図11は、この温度算出処理を示すフロー図である。温度算出部111は、まず、赤外線アレイセンサ13から、各画素について検出された赤外線量に応じた電圧値を取得する(ステップSa1)。電圧値を取得すると、各画素について、当該画素の電圧値及び放射率と所定の補正係数とを所定の式に代入することにより温度を算出する(ステップSa2)。ここで、放射率は、放射率情報D4を参照して画素ごとに特定される。温度を算出すると、算出した各画素の温度と当該温度の測定日時からなる温度情報をメモリ12に記憶する(ステップSa3)。
以上が温度算出処理についての説明である。この温度算出処理は周期的に実行され、メモリ12には温度情報が時系列で蓄積される。
【0039】
なお、上記の温度算出処理では、監視マスク情報D3により示される画素については、温度の算出が省略される。
【0040】
次に、異常温度検出部112は、温度算出部111により算出され、メモリ12に蓄積された温度情報群D1を参照して異常温度を検出する。
図12は、この異常温度検出処理を示すフロー図である。異常温度検出部112は、まず、メモリ12から未取得の温度情報であって、測定日時が最も古い温度情報を取得する(ステップSb1)。温度情報を取得すると、取得した温度情報を参照して、第1警報温度(絶対値)以上の画素の数を特定する(ステップSb2)。画素の数を特定すると、特定した数が第1画素数以上であるか否かを判定する(ステップSb3)。この判定の結果、特定した数が第1画素数以上である場合には(ステップSb3のYES)、カウンタCA1のカウント値をインクリメントして(ステップSb4)、ステップSb6に進む。一方、この判定の結果、特定した数が第1画素数以上でない場合には(ステップSb3のNO)、カウンタCA1のカウント値をリセットして(ステップSb5)、ステップSb8に進む。ステップSb6では、カウンタCA1のカウント値が第1フレーム数以上であるか否かを判定する。この判定の結果、カウンタCA1のカウント値が第1フレーム数以上である場合には(ステップSb6のYES)、警報盤2に対して異常温度検出信号を出力し、かつ赤色LED161を点灯させる(ステップSb7)。そして、ステップSb8に進む。一方、この判定の結果、カウンタCA1のカウント値が第1フレーム数以上でない場合には(ステップSb6のNO)、ステップSb8に進む。
【0041】
以上説明したステップSb1~Sb7によれば、第1警報温度以上の画素を第1画素数以上含む温度情報が第1フレーム数以上連続すると、異常温度検出信号が出力される。この異常温度検出信号を出力するための各閾値を、監視対象と監視環境に応じて適切に設定することで、異常温度の誤検出を抑制することができる。例えば、第1フレーム数を2以上に設定することで、コンベアベルト上を移動する1個の物体について連続して2回以上、異常温度を検出した場合に限り、異常温度検出信号を出力させることができる。
【0042】
次に、ステップSb8では、第2警報温度(相対値)に筺体内平均温度を加算して閾値温度を算出する。ここで、筺体内平均温度とは、直近の所定期間内に筐体内温度センサ15により測定された温度の平均値である。この筺体内平均温度を示す情報はメモリ12に記憶されており、周期的に更新される。異常温度検出部112は、閾値温度を算出すると、ステップSb1で取得した温度情報を参照して、閾値温度以上の画素の数を特定する(ステップSb9)。画素の数を特定すると、特定した数が第2画素数以上であるか否かを判定する(ステップSb10)。この判定の結果、特定した数が第2画素数以上である場合には(ステップSb10のYES)、カウンタCA2のカウント値をインクリメントして(ステップSb11)、ステップSb13に進む。一方、この判定の結果、特定した数が第2画素数以上でない場合には(ステップSb10のNO)、カウンタCA2のカウント値をリセットして(ステップSb12)、ステップSb1に戻る。ステップSb13では、カウンタCA2のカウント値が第2フレーム数以上であるか否かを判定する。この判定の結果、カウンタCA2のカウント値が第2フレーム数以上である場合には(ステップSb13のYES)、警報盤2に対して異常温度検出信号を出力し、かつ赤色LED161を点灯させる(ステップSb14)。一方、この判定の結果、カウンタCA2のカウント値が第2フレーム数以上でない場合には(ステップSb13のNO)、ステップSb1に戻る。
【0043】
以上説明したステップSb8~Sb14によれば、閾値温度以上の画素を第2画素数以上含む温度情報が第2フレーム数以上連続すると、異常温度検出信号が出力される。この異常温度検出信号を出力するための各閾値を、監視対象と監視環境に応じて適切に設定することで、異常温度の誤検出を抑制することができる。
以上が異常温度検出処理についての説明である。
【0044】
次に、汚損検出部113は、透過率測定モジュール14から出力される電圧値に基づいて窓板42の汚損を検出する。具体的には、透過率測定モジュール14から出力される電圧値を汚損判定閾値と比較し、前者が後者以上であるか否かを判定する。この判定の結果、前者が後者以上である場合には、警報盤2に対して汚損検出信号を出力し、かつ緑色LED162を点滅させる。一方、この判定の結果、前者が後者以上でない場合には、汚損検出信号を出力せず、かつ緑色LED162を点滅させない。汚損検出部113は、この汚損検出処理を周期的に実行する。
【0045】
次に、設定変更部114は、保守用PC3からの要求に応じて、警報判定閾値情報D2、監視マスク情報D3又は放射率情報D4を更新する。
以上が温度センサ1についての説明である。
【0046】
1-2.警報盤2
警報盤2は、温度センサ1から異常検出信号を受信し、警報を出力する装置である。
図13は、この警報盤2の構成を示す図である。同図に示す警報盤2は、メイン基板21と端子基板22を備える。なお、同図では、図面が複雑になるのを避けるために温度センサ1を1台のみ示している。
【0047】
この警報盤2が備えるメイン基板21は、I端子、C端子、DC端子、L端子及びDA端子を備える。端子基板22は、I端子、C端子、DC端子、A端子及びB端子を備える。加えて、コネクタCN1及びCN2を備える。温度センサ1が備えるセンサ基板18は、I端子、C端子、DC端子、A端子、B端子、L端子及びDA端子を備える。
【0048】
メイン基板21のI端子は、端子基板22のI端子及びコネクタCN1を介して、センサ基板18のI端子と電源線L1で接続されている。温度センサ1は、この電源線L1を通じて警報盤2から電源の供給を受ける。
【0049】
メイン基板21のC端子は、端子基板22のC端子及びコネクタCN1を介して、センサ基板18のC端子と信号線L2で接続されている。また、メイン基板21のL端子は、センサ基板18のL端子と信号線L3で接続されている。温度センサ1は、この信号線L2及びL3を短絡させることで、上記の異常温度検出信号を警報盤2に対して出力する。
【0050】
メイン基板21のDC端子は、端子基板22のDC端子及びコネクタCN1を介して、センサ基板18のDC端子と信号線L4で接続されている。また、メイン基板21のDA端子は、センサ基板18のDA端子と信号線L5で接続されている。温度センサ1は、この信号線L4及びL5を短絡させることで、上記の汚損検出信号を警報盤2に対して出力する。
【0051】
端子基板22のコネクタCN2は、当該基板のA端子とスイッチSW1を介してセンサ基板18のA端子と通信線L6で接続されている。また、このコネクタCN2は、端子基板22のB端子とスイッチSW2を介してセンサ基板18のB端子と通信線L7で接続されている。このコネクタCN2は、警報盤2の筐体の外に露出しており、このコネクタCN2には、保守用PC3から延びるケーブルが着脱自在に接続される。このコネクタCN2に接続された保守用PC3は、通信線L6及びL7を通じて温度センサ1と通信を行うことができる。この通信を通じて保守用PC3は、温度センサ1に記憶されている各種パラメータを設定することができる。また、保守用PC3は、温度センサ1に記憶されている温度情報を取得して表示することができる。
【0052】
端子基板22のスイッチSW1及びSW2は、
図13では1組しか示されていないが、温度センサ1ごとに1組ずつ設けられる。このスイッチSW1及びSW2は、図示せぬセンサ切替スイッチ(例えば、4回路2接点のロータリスイッチ)によりオンオフ制御可能になっている。このセンサ切替スイッチは、警報盤2の筐体の外に露出しており、利用者により操作される。利用者はこのセンサ切替スイッチを操作することにより、保守用PC3と接続される温度センサ1を選択することができる。
【0053】
警報盤2のメイン基板21には、プロセッサ、メモリ、スピーカ及び複数の表示灯が搭載されている。このうち、プロセッサは、メモリに記憶されている処理プログラムを実行することにより、警報出力部という機能を実現する。この警報出力部は、温度センサ1から異常温度検出信号の入力を受けると、スピーカから警報音を出力させ、かつ異常温度検出を警告する表示灯を点灯させる。この警報動作により、利用者は火災の発生を知ることができる。また、この警報出力部は、温度センサ1から汚損検出信号の入力を受けると、スピーカから警報音を出力させ、かつ汚損検出を警告する表示灯を点灯させる。この警報動作により、利用者は温度センサ1の窓板42が汚損していることを知ることができる。
以上が警報盤2についての説明である。
【0054】
1-3.保守用PC3
保守用PC3は、温度センサ1を保守点検するための情報処理装置である。例えば、ノートPCやタブレット端末である。
図14は、この保守用PC3の構成を示すブロック図である。同図に示す保守用PC3は、プロセッサ31、メモリ32、ディスプレイ33、入力装置34及び通信モジュール35を備える。このうち、プロセッサ31は、メモリ32に記憶されている処理プログラムを実行することにより、各種設定部311、監視マスク設定部312、放射率設定部313、温度履歴表示部314及びリアルタイム温度表示部315という機能を実現する。なお、メモリ32に記憶されているこの処理プログラムは、非一時的な記憶媒体やインターネット等のネットワークを介して頒布可能なプログラムである。
【0055】
上記の機能のうち、各種設定部311は、各種設定画面を生成して、ディスプレイ33に表示させる。この各種設定画面は、温度センサ1の警報判定閾値情報D2を設定するための画面である。
図15は、この各種設定画面の一例を示す図である。同図に示す各種設定画面は、センサ番号表示欄F1、第1警報温度入力欄F2、第1画素数入力欄F3、第1フレーム数入力欄F4、第2警報温度入力欄F5、第2画素数入力欄F6、第2フレーム数入力欄F7及び汚損判定閾値入力欄F8を含む。このうち、センサ番号表示欄F1には、保守用PC3に現在接続されている温度センサ1の識別番号が表示される。
【0056】
また、この各種設定画面は、設定初期化ボタンB1、センサ読込ボタンB2及びセンサ書込ボタンB3を含む。このうち、設定初期化ボタンB1は、上記の入力欄F2~F8に初期値を設定するためのボタンである。センサ読込ボタンB2は、現在接続中の温度センサ1の警報判定閾値情報D2を上記の入力欄F2~F8に設定するためのボタンである。このボタンが選択されると、各種設定部311は、現在接続中の温度センサ1から警報判定閾値情報D2を取得し、上記の入力欄F2~F8に設定する。次に、センサ書込ボタンB3は、上記の入力欄F2~F8に設定されている情報を、現在接続中の温度センサ1に書き込むためのボタンである。このボタンが選択されると、上記の入力欄F2~F8に設定されている情報を含む書込要求を、現在接続中の温度センサ1に送信する。この書込要求を受信した温度センサ1の設定変更部114は、受信した書込要求に含まれる情報を警報判定閾値情報D2としてメモリ12に記憶する。
【0057】
次に、監視マスク設定部312は、監視マスク設定画面を生成して、ディスプレイ33に表示させる。この監視マスク設定画面は、現在接続中の温度センサ1の監視マスク情報D3を設定するための画面である。
図16は、この監視マスク設定画面の一例を示す図である。同図に示す監視マスク設定画面は、センサ番号表示欄F1とマスク設定コントロールC1を含む。このうち、マスク設定コントロールC1は、各画素の状態(マスク状態又は監視状態)を選択するためのGUI部品である。
【0058】
また、この監視マスク設定画面は、全画素マスクボタンB4、設定初期化ボタンB5、センサ読込ボタンB6及びセンサ書込ボタンB7を含む。このうち、全画素マスクボタンB4は、マスク設定コントロールC1において、すべての画素の状態をマスク状態に設定するためのボタンである。設定初期化ボタンB5は、マスク設定コントロールC1において、すべての画素の状態を初期値に設定するためのボタンである。センサ読込ボタンB6は、現在接続中の温度センサ1の監視マスク情報D3をマスク設定コントロールC1に反映させるためのボタンである。このボタンが選択されると、監視マスク設定部312は、現在接続中の温度センサ1から監視マスク情報D3を取得して、マスク設定コントロールC1に反映させる。次に、センサ書込ボタンB7は、マスク設定コントロールC1に設定されている情報を、現在接続中の温度センサ1に書き込むためのボタンである。このボタンが選択されると、監視マスク設定部312は、マスク設定コントロールC1に設定されている情報を含む書込要求を、現在接続中の温度センサ1に送信する。この書込要求を受信した温度センサ1の設定変更部114は、受信した書込要求に含まれる情報を監視マスク情報D3としてメモリ12に記憶する。
【0059】
次に、放射率設定部313は、放射率設定画面を生成して、ディスプレイ33に表示させる。この放射率設定画面は、現在接続中の温度センサ1の放射率情報D4を設定するための画面である。
図17は、この放射率設定画面の一例を示す図である。同図に示す放射率設定画面は、センサ番号表示欄F1、放射率設定コントロールC2、放射率入力欄F9、決定ボタンB8及び一括設定ボタンB9を含む。このうち、放射率設定コントロールC2は、放射率を設定する画素を選択するためのGUI部品である。決定ボタンB8は、放射率設定コントロールC2において選択されている画素に、放射率入力欄F9に設定されている放射率を反映させるためのボタンである。一括設定ボタンB9は、放射率入力欄F9に設定されている放射率をすべての画素に反映させるためのボタンである。
【0060】
また、この放射率設定画面は、設定初期化ボタンB10、センサ読込ボタンB11及びセンサ書込ボタンB12を含む。このうち、設定初期化ボタンB10は、放射率設定コントロールC2において、すべての画素の放射率を初期値に設定するためのボタンである。センサ読込ボタンB11は、現在接続中の温度センサ1の放射率情報D4を放射率設定コントロールC2に反映させるためのボタンである。このボタンが選択されると、放射率設定部313は、現在接続中の温度センサ1から放射率情報D4を取得して、放射率設定コントロールC2に反映させる。次に、センサ書込ボタンB12は、放射率設定コントロールC2に設定されている情報を、現在接続中の温度センサ1に書き込むためのボタンである。このボタンが選択されると、放射率設定部313は、放射率設定コントロールC2に設定されている情報を含む書込要求を、現在接続中の温度センサ1に送信する。この書込要求を受信した温度センサ1の設定変更部114は、受信した書込要求に含まれる情報を放射率情報D4としてメモリ12に記憶する。
【0061】
次に、温度履歴表示部314は、温度履歴表示画面を生成して、ディスプレイ33に表示させる。この温度履歴表示画面は、現在接続中の温度センサ1の温度情報群D1を表示するための画面である。
図18は、この温度履歴表示画面の一例を示す図である。同図に示す温度履歴表示画面は、センサ番号表示欄F1と温度履歴表示欄F10を含む。このうち、温度履歴表示欄F10には、各画素について、所定期間分の温度情報が時系列で表示される。
【0062】
また、この温度履歴表示画面は、更新ボタンB13と保存ボタンB14を含む。このうち、更新ボタンB13は、温度履歴表示欄F10を最新情報に更新するためのボタンである。このボタンが選択されると、温度履歴表示部314は、現在接続中の温度センサ1から直近の所定期間分の温度情報を取得して、温度履歴表示欄F10に反映させる。次に、保存ボタンB14は、温度履歴表示欄F10に表示されている温度情報をファイルに保存するためのボタンである。
【0063】
次に、リアルタイム温度表示部315は、リアルタイム温度表示画面を生成して、ディスプレイ33に表示させる。このリアルタイム温度表示画面は、現在接続中の温度センサ1で生成された温度情報をリアルタイムで表示するための画面である。
図19は、このリアルタイム温度表示画面の一例を示す図である。同図に示すリアルタイム温度表示画面は、センサ番号表示欄F1、現在値表示欄F11及び最大値表示欄F12を含む。このうち、現在値表示欄F11には、各画素の温度が表示される。各画素はその温度に応じて色が変化し、マスク状態の画素はグレーで表示される。次に、最大値表示欄F12には、各画素の温度の最大値が表示される。各画素はその温度に応じて色が変化し、マスク状態の画素はグレーで表示される。なお、ここでいう最大値とは、このリアルタイム温度表示画面の表示中に測定された温度の最大値のことである。
【0064】
また、このリアルタイム温度表示画面は、通信開始ボタンB15と復旧ボタンB16を含む。このうち、通信開始ボタンB15は、当該画面の自動更新の開始及び停止を切り替えるためのボタンである。このボタンが選択されると、リアルタイム温度表示部315は、現在接続中の温度センサ1から最新の温度情報を順次取得して、現在値表示欄F11及び最大値表示欄F12に反映させる。この通信開始ボタンB15は、通信中の状態ではそのキャプションが「通信開始」から「通信停止」に切り替わる。そして、通信中に再度この通信開始ボタンB15が選択されると、リアルタイム温度表示部315は現在値表示欄F11及び最大値表示欄F12の自動更新を停止する。自動更新の停止後、この通信開始ボタンB15のキャプションは再び「通信開始」に戻る。
【0065】
次に、復旧ボタンB16は、現在接続中の温度センサ1に対して復旧指示を送信するためのボタンである。このボタンが選択されると、リアルタイム温度表示部315は、現在接続中の温度センサ1に対して復旧指示を送信する。
以上が保守用PC3についての説明である。
【0066】
以上説明した温度センサシステムによれば、利用者は保守用PC3を警報盤2のコネクタCN2に接続することで、各温度センサ1に記憶されている各種パラメータを設定することができる。すなわち、利用者は、警報盤2の設置場所に赴くだけで、すべての温度センサ1の各種パラメータを設定することができる。
【0067】
2.変形例
上記の実施形態は以下のように変形してもよい。以下に記載する変形例は互いに組み合わせてもよい。
【0068】
2-1.変形例1
赤外線アレイセンサ13の画素数は8×8画素に限られない。例えば、16×16画素であってもよい。
【0069】
2-2.変形例2
ゲタ部分51の形状及び高さは、その設置場所と監視対象に応じて適宜変更されてよい。
【0070】
2-3.変形例3
センサ箱52の形状は、その設置場所に応じて適宜変更されてよい。
【0071】
2-4.変形例4
温度センサ1のプロセッサ11が実現する機能の一部又は全部を、警報盤2のプロセッサに実現させるようにしてもよい。
【0072】
2-5.変形例5
保守用PC3は、設定変更履歴表示部という機能をさらに備えてもよい。この設定変更履歴表示部は、温度センサ1で行われた設定変更の履歴をディスプレイ33に表示させるための機能である。この設定変更履歴表示部は、保守用PC3と接続されている温度センサ1から設定変更履歴情報を取得する。この設定変更履歴情報は、温度センサ1で行われた設定変更の履歴を示す情報であり、温度センサ1のメモリ12に記憶される。設定変更履歴表示部は、この設定変更履歴情報を取得すると、この情報に基づいて設定変更履歴表示画面を生成し、ディスプレイ33に表示させる。この設定変更履歴表示画面には、設定変更が時系列で並べられたリストが含まれている。
【0073】
また、保守用PC3は、最高温度ログ表示部という機能をさらに備えてもよい。この最高温度ログ表示部は、最高温度のログをディスプレイ33に表示させるための機能である。この最高温度ログ表示部は、保守用PC3と接続されている温度センサ1から直近の所定期間分の温度情報を取得する。そして、取得した温度情報に基づいて最高温度ログ表示画面を生成し、ディスプレイ33に表示させる。この最高温度ログ表示画面には、温度がその画素番号及び測定日時と対応付けられて降順に並べられているリストが含まれる。
【0074】
2-6.変形例6
上記の温度センサシステムの適用対象はゴミ搬送用のコンベアに限られない。別の適用対象として石炭コンベアがある。石炭コンベアでは、コンベアのローラが発熱源として考えられ、石炭粉が着火物として考えられる。この石炭コンベアを適用対象とする場合には、温度センサ1はコンベアのローラ付近を監視するように設置される。
【0075】
また別の適用対象として、自動工作機械がある。自動工作機械では、回転部や切削部が発熱源として考えられ、堆積した切り屑が着火物として考えられる。この自動工作機械を適用対象とする場合には、温度センサ1は部品の加工箇所を監視するように設置される。
【符号の説明】
【0076】
1…温度センサ、2…警報盤、3…保守用PC、11…プロセッサ、12…メモリ、13…赤外線アレイセンサ、14…透過率測定モジュール、15…筐体内温度センサ、16…表示灯、17…通信モジュール、18…センサ基板、21…メイン基板、22…端子基板、31…プロセッサ、32…メモリ、33…ディスプレイ、34…入力装置、35…通信モジュール、41…筐体、42…窓板、43…反射板、51…ゲタ部分、52…センサ箱、53…コンベアベルト、54…コンベアダクト、61…センサ箱、62…コンベアベルト、63…コンベアダクト、111…温度算出部、112…異常温度検出部、113…汚損検出部、114…設定変更部、141…光源、142…受光素子、161…赤色LED、162…緑色LED、311…各種設定部、312…監視マスク設定部、313…放射率設定部、314…温度履歴表示部、315…リアルタイム温度表示部、411…正面板、412…開口部、511…側板、512…点検扉、513…蓋部、514…貫通孔、521…蓋板、522…底板、523…貫通孔、541…上板、542…開口部、611…蓋板、612…把持部、613…底板、614…貫通孔、631…上板、632…貫通孔、B1…設定初期化ボタン、B2…センサ読込ボタン、B3…センサ書込ボタン、B4…全画素マスクボタン、B5…設定初期化ボタン、B6…センサ読込ボタン、B7…センサ書込ボタン、B8…決定ボタン、B9…一括設定ボタン、B10…設定初期化ボタン、B11…センサ読込ボタン、B12…センサ書込ボタン、B13…更新ボタン、B14…保存ボタン、B15…通信開始ボタン、B16…復旧ボタン、C1…マスク設定コントロール、C2…放射率設定コントロール、CA1、CA2…カウンタ、CN1、CN2…コネクタ、D1…温度情報群、D2…警報判定閾値情報、D3…監視マスク情報、D4…放射率情報、F1…センサ番号表示欄、F2…第1警報温度入力欄、F3…第1画素数入力欄、F4…第1フレーム数入力欄、F5…第2警報温度入力欄、F6…第2画素数入力欄、F7…第2フレーム数入力欄、F8…汚損判定閾値入力欄、F9…放射率入力欄、F10…温度履歴表示欄、F11…現在値表示欄、F12…最大値表示欄、L1…電源線、L2、L3、L4、L5…信号線、L6、L7…通信線、SW1、SW2…スイッチ